(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】刃先加工のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B24B 3/24 20060101AFI20250304BHJP
B24B 3/02 20060101ALI20250304BHJP
B23P 15/32 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
B24B3/24
B24B3/02
B23P15/32
(21)【出願番号】P 2022508904
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(86)【国際出願番号】 DE2020000184
(87)【国際公開番号】W WO2021027986
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】102019005692.2
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202019004112.5
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522480414
【氏名又は名称】ゲーデーエス プレツィジオンスツェルシュパヌングス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】GDS Praezisionszerspanungs GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーテ、ティモ
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-126358(JP,A)
【文献】特開平05-220669(JP,A)
【文献】特開2003-145372(JP,A)
【文献】実開昭58-098112(JP,U)
【文献】特開2015-080825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 3/00 - 3/60
B23P 15/28 - 15/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具(5)の刃先加工の装置(1)であって、相対運動中に前記切削工具(5)は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体(2)に機械加工的に接触することで、前記研削体(2)の前記粒子は前記切削工具(5)の刃形状に影響を与える装置(1)であって、
前記研削体(2)は
、加工装置の領域に配置された交換可能なホルダ(4)に収容され、かつ前記刃先加工のために前記切削工具(5)により機械加工が可能に保持される
ものであって、前記研削体(2)は略円柱状に実施され、円柱状の前記研削体(2)の外径は、前記研削体(2)が前記ホルダ(4)に収容された状態で、前記刃先加工において前記切削工具(5)が前記研削体(2)と接触し且つ前記ホルダ(4)とは接触しないよう、加工される前記切削工具(5)の外径より大きい、装置(1)。
【請求項2】
前記交換可能なホルダ(4)は、工具研削盤の作業室に保持される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
使い切った後、前記研削体(2)は新しい研削体(2)に簡易に交換可能である、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
回転対称な前記研削体(2)は
、前記交換可能なホルダ(4)に圧入可能である、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記交換可能なホルダ(4)は
、研削ディスクレセプタクル(3)におけるボア(11)に挿入可能である、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記交換可能なホルダ(4)は、内ねじが設けられた前記研削ディスクレセプタクル(3)
の前記ボア(11)に螺着可能な外ねじ(6)を備える、または異なる加工装置
の前記ボア(11)に螺着可能な外ねじ(6)を備える、請求項
5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記交換可能なホルダ(4)は、前記研削ディスクレセプタクル(3)における前記ボア(11)に圧入可能または挿入可能であり、回転固定でそこに保持される、請求項
5に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記交換可能なホルダ(4)の領域に前記研削体(2)に対してガイドブッシュ(12)が配置され、前記ガイドブッシュ(12)を介して、長さと直径との比が大きい長く突出し
た切削工具(13)の案内および加工が可能であり、前記ガイドブッシュ(12)は、前記研削体(2)の機械加工領域の前部で、長く突出した前記切削工具(13)を案内および支持するよう、前記交換可能なホルダ(4)に対して配置される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記刃先加工の進行に関する情報を提供するセンサ素子は、前記交換可能なホルダ(4)に導入可能であり、前記センサ素子は、前記交換可能なホルダ(4)に一体化されかつ研削ディスクマガジン内でまたは不使用時に外部で充電可能である、アキュムレータを備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記研削体(2)は、研磨粒子を含み、加工される前記切削工具(5)によって連続的に完全に機械加工が可能である、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記研削体(2)は微細なおよび粗い研磨粒子の混合物を含み、前記研削体(2)内の微細なおよび粗い前記研磨粒子の分布は、不均一に実施される、請求項
10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記研削体(2)は、軸方向に延在する孔(15)を有し
、前記切削工具(5)は、前記孔(15)内では前記研削体(2)の粒子の影響を受けない、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記研削体(2)は、異なる結合硬度を有する部分(21、22)を有する、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項14】
切削工具(5)の刃先加工の方法であって、相対運動中に前記切削工具(5)は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体(2)に機械加工的に接触することで、前記研削体(2)の前記粒子は前記切削工具(5)の刃形状に影響を与える方法であって、
前記研削体(2)は
、加工装置の領域に配置された交換可能なホルダ(4)に収容され、また前記研削体(2)は、加工される前記切削工具(5)により連続的に完全に機械加工され、
前記研削体(2)は略円柱状に実施され、円柱状の前記研削体(2)の外径は、前記研削体(2)が前記ホルダ(4)に収容された状態で、前記刃先加工において前記切削工具(5)が前記研削体(2)と接触し且つ前記ホルダ(4)とは接触しないよう、加工される前記切削工具(5)の外径より大きい、方法。
【請求項15】
前記刃先加工は、同一の加工装置で、前記切削工具(5)の形状の初回製造の直後、または前記切削工具(5)を再研磨した後、同一の挟持構成において実行される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記研削体の機械加工において、前記研削体(2)と前記切削工具(5)との相対運動により、切削速度の広範囲の適応が取得可能な、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記研削体(2)および前記切削工具(5)は、前記研削体(2)の前記機械加工中に回転運動を実行し、前記研削体(2)および前記切削工具(5)の前記回転運動の重ね合わせにより、前記切削工具(5)の刃先の選択的な丸みが得られる、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記刃先加工中に、加工される前記切削工具(5)が必要な並進および回転運動を実行する、請求項
16に記載の方法。
【請求項19】
前記研削体(2)は、異なる結合硬度を有する部分によって、前記切削工具(5)の切削領域にわたり可変的な丸みを作成する、請求項
14に記載の方法。
【請求項20】
その内部では前記切削工具(5)は前記研削体(2)の前記粒子の影響を受けない、軸方向に延在する孔(15)により、前記研削体(2)は、前記切削工具(5)の軸方向領域を、刃先加工に供しない、請求項
14に記載の方法。
【請求項21】
前記研削体(2)は、
前記外
径の寸法を有することで、前記切削工具(5)のカッターの選択された領域のみが刃先加工に供される、請求項
14に記載の方法。
【請求項22】
前記刃先加工は、新しい工具(5)または再研磨されたため特定の機能面上に超硬合金層をすでに塗工された切削工具(5)に実行される、請求項
14に記載の方法。
【請求項23】
メインカッターおよびセカンダリカッターを有する前記切削工具(5)が、自身のメインカッターおよびセカンダリカッターによって、異なる特性を有し1つずつ配置される対応する研削体(2)を、連続的に機械加工する、請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部による刃先加工のための装置および方法と、請求項16のプリアンブル部による方法と、請求項26のプリアンブル部による機械加工可能な研削体とに関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工による製造では、異なる処理作業において、製造企業の経済的で競争力のある製品の製造を確実にするため、長寿命であると共に部品の高い製造精度を実現する工具が求められる。工具の優れた耐摩耗性に加えて、予測可能な摩耗挙動は、手順の高い信頼性を確保するために重要である。加工工具の実際の挙動を向上させる目的で、特に超硬工具の分野では、いわゆる刃先加工が製造手順の不可欠な処理工程として確立されている。本明細書では、工具の基本的なマクロ形状を製造するための研削処理の後に実現される、特に工具カッターのファインホーニングは、刃先加工と呼ばれる。超硬合金の脆弱かつ硬質な材料挙動により、刃先に沿ったブレイクアウトなどの微小な欠陥が、研削処理によって引き起こされる。刃先加工により、このような欠陥を改善するだけでなく、特定の機械加工処理に適合した刃先形状を作成することが可能になる。多くの用途で、刃先のこのような荷重適合設計により、サービス時間を費やすことなく加工量の増加を選択できる程度まで刃先の安定性を高めることがさらに可能になる。その結果、生産の経済効率が大幅に向上し得る。
【0003】
十分に確立された刃先加工の従来周知の方法のいくつかは、研磨ブラスト、磁気仕上げ、ドラッグ研削、フロー研削などの形状が定められていないカッターを使用する方法に主に基づく。これらに加えて、刃先加工に関して、ブラッシング、放電加工、レーザーアブレーション、および丸み研削などのさらに別な方法が知られている。上記の方法は、その実現には通常、特別な機械または装置が必要であるという特徴を共有する。これは多くの場合、高い投資費用を意味する。これらの投資費用は、中小の工具製造企業にとって大きな障害である。上記の方法におけるさらなる不利な点は、工具製造におけるスループット時間の、時に大幅な、増加である。これは、一方では、加工処理に必要な追加的な処理時間に起因する。他方では、別の機械を使用すると、通常、追加的な操作作業が必要になる。厳密には、現在の従来技術では、上記の方法のいずれもが、再研磨された工具の加工に使用されていないことに言及されるべきである。再研磨された状態で刃先を加工する機会はないので、これらの工具は通常、新しい工具の生産量に達しない。
【0004】
上記の各方法には、一方では方法自体の用途だけでなく、刃の結果の形状および工具の表面に関しても、特定の長所と短所を有する。高い産業的関連性のため、以下では、研磨ブラスト、ブラッシング、ドラッグ研削、特に弾性的に結合された研削ディスクを使用する研削、および上記の方法と同様のドリル研磨のみが検討される。
【0005】
研磨ブラストでは、研磨媒体および担体媒体を含むブラスト剤が、ブラストノズルを介して巨大な運動エネルギーでワークピース表面上で加速される。研磨媒体は、粒子種類、粒子サイズ、および粒子形状によって区分される。この場合、担体媒体はしばしば液体または空気である。この方法に影響を与える最も重要な処理は、ブラスト剤の選択に加えて、ブラスト供給速度、ブラスト圧力、およびブラスト角度である。この方法は、ブラストノズルまたは加工される工具の柔軟な案内を可能にするので、個々のカッター領域の選択的な処理が可能になる。したがって、材料の摩耗を選択的に制御することが非常に難しい、丸みの寸法が非常に小さい複雑な刃先形状を作成するのに特に適している。特に工具直径が非常に小さく、カッターが近接している場合、いわゆるパッシブブラストにより、加工されるべきでない他の刃先に望ましくない影響が生じる可能性がある。これは、処理精度および/または処理結果の再現性に悪影響を及ぼす。自由表面およびブラストされた刃先に隣接し、研磨ブラストと接触する加工面には、特徴的なディンプル構造が形成され、通常、表面が光学的につや消しになる。
【0006】
産業の分野において、同じく十分に確立されている方法は、ブラッシングである。研磨媒体を供給された回転ブラシが工具の刃先に沿って移動することによって、材料の摩耗が起こる。この方法は、比較的大きな非対称な丸みを効率的に作成するのに適している。この方法の処理に関連する影響要因は、切削速度、送り速度、送り動作、刃先のピッチ角、およびブラッシング時間である。ねじ直径、研磨媒体の粒子サイズ、植毛種類、および植毛密度が工具に関連する影響を与える。この多数の影響する要因のため、処理制御は複雑であり、正確に目標に合った実施のための方法と接触についての正確な知識を要する。処理制御に加えて、処理の信頼性は植毛の摩耗によって悪影響を受ける。工具直径が小さい場合、複雑なカッター形状の作成も制限される。
【0007】
振動研削の変形であるドラッグ研削もまた、産業の分野で広く使用されている方法である。加工される工具を、固定されず通常は静止している研磨媒体を通して案内することによって、材料の摩耗が起こる。この場合、工具の移動は大部分が回転である。特に、回転速度、回転方向、挿入深さ、処理時間、および選択される研磨媒体は、処理結果に関わる。この方法は、小さな丸みおよび大きな丸み方の効率的な作成を可能にする。さらに、表面品質の大幅な改善が得られる。しかしながら、使用する際にはいくつかの不利な点がある。工具が研磨剤に浸されるため、研磨剤と工具との接触面積が大きい。そのような全ての接触範囲において、材料の摩耗が発生するため、個々のカッター領域を選択的に加工することはほぼ不可能である。また、形成係数や段階的な丸みを調整することも困難であり、特にシャフトツールの場合、直径が大きい領域では、回転運動によって大幅な材料の摩耗が引き起こされる。
【0008】
刃先加工は、研削処理によって実現されてもよい。通常、シングルベベルまたはダブルベベルが刃先に沿って作成される。近年の方法では、3つ以上のベベルが作成されるため、刃先のプロファイル形状が丸みに近づく。さらに、弾性的に結合された研削ディスクの適用は、工具加工の分野で周知である。適用分野の1つは、加工工具のチップフルートのファインホーニングである。
【0009】
特許文献1に記載されるように、切削工具、特にドリルまたはフライス工具、特に超硬切削工具の刃先加工の方法が周知である。所望の切削形状の作成に続いて、切削工具が最初に、切削形状および/または切削特性の必要なワークピースデータに関して調整および/または配向される。切削工具に回転運動が与えられ、次に、回転運動を維持しながら、研削ディスクに導入または穴あけされる。研削ディスクは、シリコンカーバイド成分、タングステンカーバイド成分、またはダイヤモンド成分を含み、この目的のために選択された研削ディスクの周囲の位置で、刃先の形状に応じて選択された深さに、ゴム含有結合剤で弾力的に結合される。この場合、回転する工具は、所定のドリル経路とピッチ角で研削ディスクに移動する。しかし、この運動は非常に限られた数の機械でしか実現できないため、この方法は普遍的な加工方法とは考えられない。さらに、この方法では、工具直径を超える刃先の丸みを調整することが出来ない。さらに、固体材料での穴あけにより、例えばヘリカルドリルの場合、カッターの角と横方向カッターが常にかなり丸みを帯び、広く使用した後に研削体を複雑な方法で修正する必要がある。この方法の別の不利な点は、案内がないため、大きな突出部を持つ工具を加工する点にある。この方法では、ボアの位置および、ワークピース(この場合は研磨された加工工具)と工具、すなわち、機械加工される研削ディスクとの間のピッチ角を特定するために、複雑なプログラミングを行う必要がある。さらに、完全な円周処理の後、外部で実行される必要のある方法で、研削ディスクを初期状態に戻す必要がある。さらに、研削心棒に研削ディスクを取り付けるため、必要になるかもしれない研削ディスクマガジンの場所が占有されてしまう。
【0010】
刃先加工は、切削工具の性能と加工品質を向上させる効果的な手段であることは証明されているものの、多くの場合、追加的な機械と装置が必要になる。これは、一方ではそのような装置に莫大な投資コストにつながり、他方では追加のワークピース操作コストにつながり、これはドイツのような高賃金の国では加工コストの大きな部分を占めかねない。上記の技術的および経済的側面により、さらに改良された刃先加工方法に対する開発の需要を推測することが可能である。これは、加工工具の中小規模のメーカーが使用するのに特に適しており、特に投資コストと運用費用とを低く押さえること、簡易な実施、および短い工具加工スループット時間の要求を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】独国特許発明第102011054276号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、工具製造企業の機械の費用に対する追加的な投資を回避しながら、微細な形状に関して特にクランプシャフト(シャフトツール)を有する回転対称な加工工具の刃先を選択的に加工するための単純で費用効果の高い可能性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題の解決は、請求項の各プリアンブル部の特徴と組み合わせた、請求項1の特徴による装置、請求項16の特徴による方法、および請求項26の特徴による研削体にある。本発明のさらに有利な実施は、従属請求項から明らかになるであろう。
【0014】
装置に関する発明は、切削工具、特にドリル、フライス工具、または同様の工具、特に超硬切削工具、の刃先加工の装置に基づく。相対運動中に切削工具は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体に機械加工的に接触することで、研削体の粒子は切削工具の刃形状に影響を与える。発明によれば、このような一般的な装置では、研削体は、自身の寸法が、加工される対応する切削工具の寸法に実質的に適合され、また加工装置の、特に工具研削盤の装置の領域に配置された交換可能なホルダに収容され、かつ刃先加工のために切削工具により機械加工が可能に保持されることでさらに発展する。刃先加工のための周知の解決策とは対照的に、それぞれの場合の研削体の寸法は、例えば、加工されるそれぞれの切削工具の円周方向の寸法に適合されている。その結果、一方では研削体の材料の大幅な節約が達成可能であり、他方では刃先加工の技術的実装が選択的に影響および改善される。これは、刃先加工を行うために実際に必要な、研削体にされる研磨材の材料を必要とするだけであり、したがって、刃先加工処理は経済的に効率的な方法で実現される。さらに、刃先加工の各処理の間に他の方法で必要とされる大きな研削ディスクの修復が不要である。さらに、寸法が適合された研削体は、対応する交換可能なホルダに収容され、ホルダは、例えば、工具研削盤の作業室に配置され、また刃先加工のため切削工具によって機械加工可能に保持される。一方では、交換可能なホルダにより、例えば研削盤における基本的な処理とは独立して、それぞれ新しいまたは異なる研削体をホルダに供給することが可能なので、研削体の再供給は実際の処理から実質的に切り離される。他方では、寸法が適合された研削体は、特に省スペースであり、したがって、例えば工具研削盤で起こり得る上流の研削処理にほぼ干渉しないように、例えば研削盤の作業室に収容されてよく、また刃先加工の実行のために利用可能に保持されてよい。これにより、工具研削盤での切削工具の基本的な研削後、追加の装置が不要またはごくわずかしか必要ないため、理想的に同一の挟持構成で、同じ工具研削盤での刃先加工の実行が大幅に容易かつ単純になる。例えば工具研削盤において、このような追加の装置は、工具研削盤の作業室で追加のスペースをごくわずかしか占めないまたは全く占めない。したがって、小さな工具研削装置が、基本的な工具研削だけでなく、工具研削盤用の高価な追加的装置に投資する必要や、追加的機械を購入せずに、刃先加工を提供することも可能である。しかし、当然のことながら工具研削盤以外の加工装置に対して、例えば、ボール盤、旋盤等、汎用および特殊機械に対して装置を適用して構造を提供することも可能である。加工される切削工具は、その装置または機械上で処理または使用され、その後、所定の切削条件を確実にするために、処理の近くで、または要件に応じて、刃先加工が実行されてよい。刃先加工の装置はまた、任意の装置、特に任意の加工装置で使用されてよい。これにより、切削工具と研削体との間の相対運動を可能にし、装置上で刃先加工が実行されてもよい。したがって、加工装置の種類は一般的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本明細書で工具研削盤への装置の適用が例として検討される場合、他の加工装置または一般的な装置についても常に示唆され含まれる。
【0015】
交換可能なホルダは、工具研削盤の作業室に保持され、好ましくは工具研削盤の研削ディスクレセプタクルに挿入可能である場合、特に利点がある。研削ディスクレセプタクルの構造空間は、通常は機能的な用途を有さない研削ディスクレセプタクルの領域であり、通常、ディスク状の研削ディスクに囲まれる領域内のクランプコーンまたは同様のクランプレセプタクルの延長部に配置される。研削ディスクが差し込まれているこのカラーは、通常、固体材料で実施されており、他のことには使用されていない。したがって、工具研削盤の作業室の中央に配置されたこの空間のみが、研削体を備えた交換可能なホルダの嵌入空間を形成するために使用可能であり、刃先加工のため切削工具で機械加工されるように研削体が保持される。したがって、構造体積が小さくかつ切削工具の寸法に適合された研削体のそのような配置においては、刃先加工のために追加の構造空間は必要とされない。容易に利用可能でありかつ研削ディスクまたは切削工具の動きのための運動の変更を必要としない工具研削盤の作業室の領域で刃先加工が実行可能である。ただし、当然のことながら工具研削盤の作業室の別の場所に、構造体積が小さくかつ切削工具の寸法に適合された研削体を配置することも考えられる。このような位置は、例えば、工具研削盤の作業室、特に研削スピンドルの領域、または異なる位置に設けられてよい。省スペースなパレットシステムとして実施された変形があってもよく、上記の交換可能なホルダは、研削体と共に、マガジン内で同一または異なる直径で利用可能に保持される。このようにして、製造される工具と複数の研磨される工具のための研削体との間の接触が可能になる。パレットとして実現可能な装置は、円形、正方形、または長方形に実施されてよく、寸法に応じて、所定の数の交換可能なホルダ研削体とともに収容してよい。他の加工装置の主軸のような運動装置、例えば旋盤等の工作主軸に交換可能なホルダを提供することも考えられる。
【0016】
また、研削体が略円柱状に実施されている場合、利点がある。加工される切削工具も通常、少なくとも主に円柱状の寸法を有するので、研削体の円柱状の実施によって、切削工具の寸法および形状への大幅な適合が達成可能になる。その結果、研削体の寸法を切削工具の寸法へ適合することに関して、研削体の研磨材の大幅な節約が達成可能になる。このために、さらなる実施において、円柱状の研削体の円周方向の寸法は、加工される切削工具の円周方向の寸法に実質的に適合され、その結果、1つずつ行われる通常いくつかの、切削工具の刃先加工の過程で、研削体は連続的にかつほぼ完全に機械加工されることが可能であり、したがって研磨材の未使用の残留物を廃棄する必要がない。
【0017】
さらに、使い切った後、研削体は新しい研削体に簡易に交換可能であることは重要な利点である。その結果、切削工具の加工にかかる時間はわずかに長くなるだけであり、また刃先加工により、他の方法では必要な再装着等による切削工具の製造に必要な時間が不必要に長くならない。
【0018】
第1の実施において、研削体は、交換可能なホルダ内に交換可能に簡易に配置され、好ましくはホルダに圧入される。このために、回転対称な研削体は、加工される切削工具の直径に適合した非常に小さな許容誤差で例えば製造されてよく、交換可能なホルダに圧入されてよい。嵌入の結果、研削体と交換可能なホルダとの間に、容易に製造可能かつ十分に回転固定される接続が確立され、刃先加工中に加工の力を確実に受ける。
【0019】
特に有利な実施において、交換可能なホルダは、研削ディスクレセプタクルにおける、好ましくは研削ディスクの受けカラーにおける、好ましくは中央の、ボアに挿入可能であるよう実現されることが考えられる。上記のように今までほぼ使用されてこなかった、容易に利用可能であるこの体積は、工具研削盤の作業室を全く変更しないか、実質的にはほぼ変更しない一方、研削ディスク用の機械側のテンション部材にある通常の研削ディスクレセプタクルの簡易な変更によって、ほぼ全ての工具研削盤において利用可能である。この態様においても、交換可能なホルダを、旋盤のスピンドルまたは同様の加工装置等の他の加工機械に挿入するための適切な嵌入空間を提供することが可能である。
【0020】
さらなる実施において、交換可能なホルダは、内ねじが設けられた研削ディスクレセプタクルにおけるボアに螺着可能な外ねじを備えてよい。このようにして、交換可能なホルダを、研削ディスクレセプタクルのボアに対して、密着して迅速に嵌入および固定してよい。しかしながら、交換可能なホルダを、研削ディスクレセプタクルにおける、好ましくは中央の、ボアに圧入または挿入して、例えば、差込みやクランプ等により回転固定でそこに保持することも考えられる。
【0021】
特に、長さと直径との比が大きい長く突出した切削工具の刃先加工のため、交換可能なホルダの領域にガイドブッシュを研削体用に配置してよい。これにより、長く突出した切削工具は、ガイドブッシュにより案内された場合、追加の案内がない場合よりも正確かつ安全に加工され、処理されることが可能である。このような長く突出した切削工具は、例えば、他の方法では、自身の長さによって加工時に逸脱する傾向があるか、または刃先加工中に振動する傾向がある、長さと直径との比が大きい非対称の深穴ドリル工具、深穴ドリル、ヘリカルドリル等であってよい。このために、さらなる実施において、ガイドブッシュは、研削体の機械加工領域の前で、長く突出した切削工具を案内および支持するよう、交換可能なホルダに対して、好ましくは交換可能なホルダ上で交換可能なホルダの延長部に配置されてよい。
【0022】
刃先加工の進行に関する情報を提供する導電体経路および/またはセンサ素子は、交換可能なホルダに導入可能であることも考えられる。例えば、加工の過程を監視し、適宜、タッチフリーセンサ等を使用して刃先加工中に影響を与えることも可能である。さらなる実施において、電圧源に関して、センサ素子は、交換可能なホルダに一体化されかつ研削ディスクマガジン内でまたは不使用時に外部で充電可能である、アキュムレータを備えることも考えられる。これにより、交換可能なホルダが使用されていない生産時間外においてそれぞれの交換可能なホルダが交換される場合に、刃先加工中に上記の監視過程を実行できるように、アキュムレータに充分なエネルギーを蓄えることができる。
【0023】
研削体は、特に炭化ケイ素、二酸化アルミニウム、またはダイヤモンドで実施される研磨粒子を含み、加工される切削工具によって連続的に完全に機械加工される場合、特に利点がある。研削体の機械加工の挙動、およびそれにより達成可能な刃先加工は、研削体になる各研磨粒子の選択、つまり混合によって、およびさらなる実施においては微細なおよび/または粗い研磨粒子を混合することによって、広範囲にわたって影響を受け得る。本明細書では、例えば研削体の中心領域および周辺領域において異なる加工の挙動を誘発するために、微細なおよび/または粗い研磨粒子の分布を研削体内で不均一に実施することも考えられる。これにより、加工される切削工具のそれぞれの形状に適応して切削工具の個々の領域に異なる加工結果を可能にする。
【0024】
研削体は、軸方向に延在する孔を有し、孔は、切削工具の直径に適合され、切削工具は、孔内では研削体の粒子の影響を受けないことも考えられる。したがって、例えば、ドリルの刃先加工において、ドリルの横方向カッターの領域を全く加工しない、またはメインカッターの領域とは異なって加工できるという利点がある。孔によって、横方向カッターの領域だけに研削体の材料が存在しない場合、横方向カッターの領域は変更されない。
【0025】
さらに、研削体は、異なる結合硬度を有する部分、特に異なる硬度を有する径方向環形部分を含むことも考えられる。研削体の研磨粒子の結合は、研削体の機械加工の挙動に直接的な影響を有するので、切削工具の局所的な刃先加工に直接的な影響を有する。硬度を変えることまたは異なる結合硬度を有する領域により、それぞれの切削工具の要件に対して刃先加工の結果をさらに適合させることが達成可能である。例えば、回転対称な研削体の弾性変形による規則的な刃先の丸みを得るために、研削体の中心は周辺領域よりも高い結合硬度を有してよい。
【0026】
本発明はさらに、切削工具、特にドリル、フライス工具、または同様の工具、特に超硬切削工具、の刃先加工の方法に関する。相対運動中に切削工具は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体に機械加工的に接触することで、研削体の粒子は切削工具の刃形状に影響を与える。方法では研削体は、自身の寸法が、加工される対応する切削工具の寸法に実質的に適合され、また加工装置の領域、特に工具研削盤、例えば工具研削盤の作業室、または異なる加工装置の領域に配置された交換可能なホルダに収容され、また研削体は、加工される切削工具により連続的に完全に機械加工される。この方法の重要な特徴および利点は、上記に記載および説明された装置に直接的に関係するので、この装置の記載された特徴および利点は、本発明による方法の特徴として参照されてよい。
【0027】
刃先加工は、同一の加工装置、例えば工具研削盤、または異なる加工装置で切削工具の形状の初回製造の直後、または切削工具を再研磨した後、同一の挟持構成において実行され得る場合、特に利点がある。このようにして、一方では、別の方法では必要となる別個の刃先加工のための追加の装置なしで行うことが可能であり、また、同じ挟持構成および同じ工具研削盤、または切削工具の基本的な成形が行われる加工装置で直接的に刃先加工を実行することも可能である。さらに、刃先加工は、すでに使用された切削工具を再研磨した後にも実行されてもよいため、これらの再研磨された切削工具に対しては刃先加工の利点を活用できる。
【0028】
研削盤の機械加工において、研削体と切削工具との相対運動、特に回転方向と回転速度との重ね合わせにより、切削速度の広範囲の適応が取得可能という利点がある。刃先加工の多くのパラメータは、刃先加工の切削速度によって影響を受けるため、刃先加工の結果を制御するために、様々な可能な切削速度で選択的に使用されてよい。
【0029】
さらに、研削体および/または切削工具は、研削体の機械加工中に回転運動を実行することも考えられる。切削工具の通常の回転に加えて、研削体は、回転、必要に応じて逆回転、または異なる回転速度で回転することも可能である。これにより、特に、研削体および/または切削工具の回転運動の重ね合わせにより、切削工具の刃先の丸みおよび/または傾斜が選択的に作成可能であり、または非対称の刃先プロファイルおよび/または工具直径にわたり可変的な刃先プロファイルの製造がされてよい。
【0030】
さらに、刃先加工中に、加工される切削工具のみが必要な並進および回転運動を実行することも考えられる。
さらに、研削体は異なる結合硬度の部分を有するので、切削工具のカッター領域にわたって可変的な丸みを作成することも考えられる。この目的のために、局所的または部分的に可変の結合硬度で研削体を選択的に製造することが可能である。これにより、研削体は、加工される各切削工具に適合され、したがって、切削工具による局所的な機械加工および局所的な刃先加工に影響を与える。
【0031】
さらに、切削工具の直径に適合され、その内部では切削工具は研削体の粒子の影響を受けない、軸方向に延在する孔により、研削体は、切削工具の所定の領域のみ、特に例えばドリル工具のメインカッターを、刃先加工に供する一方で、他の領域、特にドリル工具の横方向カッターが丸められないようにすることも考えられる。
【0032】
研削体は、切削工具の直径に適合した外形寸法を有してもよいので、切削工具のカッターの選択された領域のみが刃先加工に供される。
加工される切削工具によっては、メインカッターおよびセカンダリカッターを有する切削工具、特にフライス工具、摩擦工具、および/またはシーケンシャルドリル工具が、自身のメインカッターおよびセカンダリカッターによって、異なる特性を有し対応する研削体を、連続的に機械加工することが考えられる。この場合、例えば、リーマのメインカッターは、セカンダリカッターに対する研削体とは異なる形状または寸法の研削体を用いて加工されてよく、これにより、各場合において、メインカッターおよびセカンダリカッターのそれぞれに最適な加工結果を得ることができる。
【0033】
本発明は、さらに請求項16に記載の方法を実行するための研削体に関する。円柱状の研削体の円周方向の寸法が、加工される切削工具の円周方向の寸法に実質的に適合している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】ドリルの刃先加工の前に研削ディスクの研削ディスクレセプタクルに配置された、本発明による装置の基本構造および機能の図。
【
図2】
図1に示される発明による装置であり、長く突出した深穴ドリルの刃先加工の前に追加のガイドブッシュを備える装置の図。
【
図3a-3c】
図1の発明による装置において、異なる方法で実施された研削体の図および断面図。
【
図4a-4d】異なる切削工具の刃先加工のための、交換可能なホルダとその中に配置された研削体の詳細な断面図。
【
図5】本発明による装置におけるパレット状マガジンであり、複数の交換可能なホルダおよび研削体を受ける場所を備えるパレット状マガジンの図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明による装置の特に好ましい実施形態が図面に示されている。
図面は原則的な説明を行うよう示されている。
図1においては、原理的な図で、本発明による装置1の基本的な構造および機能が理解される。装置1は、本件の場合、ドリルとして実施される切削工具5の刃先加工の前に、研削ディスク4の研削ディスクレセプタクル3に例示的に配置されている。装置1は、本件の場合、研削ディスク14の円錐形のレセプタクル19として実施される、通常の工具研削盤で通常使用される種類の通常の工具ホルダ上に配置される。装置1の工具研削盤側のレセプタクルの実際の実施は、本明細書では関係がないので、工具研削盤に対して任意の種類の機械的インターフェースを含んでよい。この種類の配置は、例えば、ボール盤、旋盤、またはその種の他の装置などの他の加工装置で実現されてもよい。図示された工具研削盤の実施形態は、本明細書では例としてのみ理解されるべきものであり、複数の変更例で実施されてよい。
【0036】
工具研削盤の作業室にある円錐形のレセプタクル10上に、研削ディスク14を受ける受けカラー3が配置され、受けカラー3の上に研削ディスク14が自身の孔を通じて差し込まれ、その後通常の方法でねじ8を介してキャップナット9で固定される。この受けカラー3は、通常、固体材料でできており、研削ディスク14を支持する以外の役目はない。
【0037】
本発明によれば、別な方法により固体材料でできており、かつ工具研削盤の作業領域の中央に位置する受けカラー3の一部は、本発明による装置1を収容するために使用される。このため、工具研削盤の作業領域から、中央の縦方向ボア11がブラインドボアとして受けカラー3に形成される。縦方向ボア11には、スリーブ状の、以下に詳細に記載される研削体2用に容易に交換可能なホルダ4が挿入されてよい。装置1のこの配置の結果として、装置1は、切削工具5の刃先加工に使用され得る研削体2のためのレセプタクルを提供するが、工具研削盤の通常の動作を妨げない。
【0038】
交換可能なホルダ4は、受けカラー3の縦方向ボア11に実質的に公差なく挿入可能な外径を有する。縦方向ボア11内の交換可能なホルダ4は、縦方向ボア11内の対応する逆ねじにねじ止め可能な、交換可能なホルダ4の外面上の端部側ねじ6により固定されてよい。一方では、交換可能なホルダ4が簡易な交換可能性を有して回転固定が可能である場合は、交換可能なホルダ4を、圧入、または別の係合もしくは圧力嵌めで縦方向ボア11内に固定してもよい。
【0039】
スリーブ状に構造化された交換可能なホルダ4の内側はボア23を有する。ボア23には、切削工具5の刃先加工に関して切削工具5のカッター7との接触のために使用され得る円柱状の研削体2が、回転固定で挿入または圧入されてよい。研削体2は、例えば、硬質材料によって形成されるゴム状に結合した研磨粒子等の、弾力的に結合した研磨粒子母材で実施される。
【0040】
円柱状の外径寸法に関して、研削体2は、切削工具5の円周方向の寸法、本件の場合は、ドリルの外径に適合されている。研削体2の外径は、刃先加工において、切削工具5のカッターがいずれの場合でも研削体とのみ接触し、交換可能なホルダ4とは接触しないよう、切削工具5の外径よりわずかに大きい。
【0041】
切削工具5の刃先加工を行うために、例えば、研削ディスク14による工具形状の基本的な研削の後、切削工具5と、縦方向ボア11と、交換可能なホルダ4と、の軸線が互いに一致するよう整列するよう、ドリルとして実施される切削工具5を装置1の前部で受けカラー3の縦方向ボア11内に配置する。次に、切削工具5は、切削工具5と研削体2との間の相対回転の間、切削工具5のカッターが研削体2と指定された態様で接触するまで送り方向に研削体2に前進することで、研削体2を機械加工し、それにより加工される。研削体2は、少なくとも断面方向に機械加工されるので、長手方向に短縮される。切削工具5の刃先加工に続いて、切削工具5は、送り方向24の反対方向に再移動することでホルダ4から外れて、取り外しの準備が完了する。
【0042】
本処理は次の切削工具5においても繰り返されてよい。その結果、研削体2はさらに連続的に機械加工され、使用限度に達した際には、交換される必要がある。このため、研削体2の残りを含む交換可能なホルダ4全体が、縦方向ボア11から取り出され、新しい研削体2が事前に装着された別の交換可能なホルダ4と交換される。研削体2を含む交換可能なホルダ4の迅速な交換可能性により、作業をすぐに継続することが可能である。同じ種類のさらなる交換可能なホルダ4は、例えば、加工が変わらない場合に使用するための予備として他の研削ディスクレセプタクルに配置されてよい。これにより、作業が終了するまで、または研削ディスク14の摩耗限界に達するまで、研削体2の交換を遅らせることができる。
【0043】
図2は、
図1に示す装置1の変更例を図示する。装置1は、長く突出した切削工具13、特に深穴ドリルの刃先加工のため変更される。研削処理および刃先加工の間と同様に、このように長く突出した切削工具12は横に押されて振動し始める傾向がある。したがってこの場合、切削工具13は、交換可能なホルダ4の前面に配置されたガイドブッシュ12によって案内され、支持されることで、長い突出の悪影響を回避または実質的に回避する。
【0044】
図3a乃至
図3cは、例として研削体2の考えられる変更を構成する、
図1の発明による装置1の異なる構造の研削体2の図および断面図を示す。
図3aにおいて、研削体2は、
図1に示される種類であってよく、これは、研削体2の機械加工領域全体にわたって均一に実施される。
【0045】
図3bは、例えば切削工具5としてのドリルの刃先加工のために使用され得る、中央孔15を有する研削体2を示す。孔15の領域には研磨材がないので、ドリルは、この領域の研削体2と接触しない。結果的に、ドリルとして実施される切削工具5は、敏感な横方向カッターの領域で影響を受けず、研削ディスク14を用いた先行する研削処理によって達成された形状を維持する。研削体2のスリーブ状の形状のため、メインカッターはメインカッターの領域でのみ加工される。
【0046】
図3cに示すように、研削体2の周辺領域17および中心領域16は、異なる結合硬度、したがって異なる機械加工特性を有する異なる研磨粒子または同一の研磨粒子で形成されていてもよい。例えば、切削工具5の内側カッターにおける弾性変形を最小化するために、研削体2の中心領域16は、周辺領域17よりも高い結合硬度を有してよい。本明細書では、加工される切削工具5およびその形状に応じて、研削体2の複数の変更が考えられる。
【0047】
図4a乃至
図4dは、交換可能なホルダ4に配置された異なる切削工具18、19および20の刃先加工のための、交換可能なホルダ4および研削体21、22の詳細な断面図を示す。工具18、19、および20は全て、単純な方法でも一度の実行でも加工されない、また加工できない異なるプライマリカッターおよびセカンダリカッターを共に有する。
【0048】
例えば、
図4aに示されるリーマ18は、プライマリカッターに対して研削体2のサブ領域22を使用し、同時にセカンダリカッターに対しては研削体2のサブ領域21を使用して加工することができる。しかしながら、
図4bに示されるように、プライマリカッターの加工の後に、セカンダリカッターに対して研削体2のサブ領域21のみを使用して、個々の処理でセカンダリカッターを加工することも考えられる。
【0049】
図4cは、例えば、研削体2において異なって結合された2つのサブ領域21およびサブ領域22によって2つの工程が同時に実行される、シーケンシャルドリル19の刃先加工を示す。
【0050】
図4dは、研削体2のサブ領域21と接触するセカンダリカッターのみに対するフライス工具20の刃先加工を示す。
図5は、複数の交換可能なホルダ4を受けるレセプタクル26およびその中に配置された研削体2を備えた、本発明による装置1におけるパレット状マガジン25の考えられる実施を示す。研削体2を備えた交換可能なホルダ4は、同一の直径または異なる直径を有するこのようなパレット状マガジン25において利用可能に維持されてよい。これにより、それぞれ必要な研削体2を備えた交換可能なホルダ4の簡易かつ自動化可能な交換が可能になり、したがって、製造される切削工具5と複数の研磨される工具5に適した研削体2との間の迅速な自動化可能な接触が可能になる。本明細書で例示的にパレット状マガジン25として実施される装置は、円形、正方形、または長方形に実現されてよく、各寸法に応じて、研削体2を備えた交換可能なホルダ4に対して一定数のレセプタクル26を提供してよい。
【0051】
以下では、本発明の特徴および利点を簡単に説明する。
本発明による方法の基本的な考え方は、研磨粒子で実施された弾力的に結合した研削体2の使用であり、本明細書において研削体2は具体的に開発された研削ディスクレセプタクル3に例示的に搭載される。このような研削体2の所定の機械加工では、材料の摩耗が切削工具5の刃先で発生するので、選択的な加工に使用され得る。この方法は、例えば、通常の工具研削盤で実行されるので、工具製造の処理手順の最後に、追加的な操作作業を行うことなく各工具の再研磨のために追加可能である。加工に必要な材料の摩耗は、研削体2と切削工具5との間の相対運動によって発生する。本明細書では、円柱状の研削体2は、例えば、加工される切削工具5によって必要な並進および回転運動が実行される間、位置的に固定されて研削ディスクレセプタクル3に挟持される。
【0052】
また、切削工具5と研削ディスクレセプタクル3の回転方向を意図的に重ね合わせているため、この場合、刃先の丸みや傾斜を選択的に調整できる可能性がある。さらに、硬度の異なる研削体2の構造により、切削工具5のカッター領域にわたって可変的な丸みを作成することが可能である。周知の問題は、従来の加工方法によって起こる切削工具5の横方向カッターの丸みである。工具直径5に適合された孔15を有する研削体2を使用することで、横方向カッターの丸みを回避しながら、例えば、ドリル工具5のメインカッターを加工処理に適合し得る。同様のことが、研削体2の直径を、加工される切削工具5の直径に正確に適合させることに関しても当てはまる。
【0053】
さらに、自由な処理運動により、例えばリーマ、マイクロフライス工具、およびシーケンシャルドリル工具の加工のようなさらなる適用分野がある。
研削体2の機械加工は、切削工具5の刃先に材料の摩耗をもたらすので、丸められる。本発明による方法の利点は、工具製造(マクロ形状の研削)および微細な刃先形状の所定の形成が、例えば、同じ工具研削盤または加工装置上で実行され得る点にある。研削体2の機械加工により、新たな研磨媒体が常に使用され、その結果、処理が継続する間、一定した加工状態になる。工具に対する影響は、本明細書では、研削体2と接触する切削工具5の領域に限定されるので、ドラッグ研削または研磨ブラストなどの他の加工方法に対して利点を有する。投資費用が低いことに加えて、研削体2の交換を迅速かつ容易に行うことができるため、工具毎の加工コストが低い。
【0054】
現在の技術においては、特に、長さと直径との比(l/d比)が大きい長く突出した切削工具13の刃先の丸みは、適切な刃先加工を実現する場合、特別な取り扱いおよび広範な処理制御を必要とする。本発明による装置は、単純な運動によって、また工具研削盤または加工装置の単一の挟持構成において既存の製造手順内で短時間に処理することによって、このような長く突出する切削工具13の加工を可能にする機会を提供する。しかしながら、高いl/d比を有する切削工具13以外にも、通常の回転対称な加工工具もまた、研削体2をわずかに変更することで、本方法によって加工され得る。
【0055】
新しい工具5の刃先の丸みに加えて、本発明による方法はまた、再研磨されたため特定の機能面上に硬質材料層をすでに塗工された切削工具5の加工を可能にする。現在の利用可能な知識によれば、この加工は、現在利用可能な方法では選択的に実現できないので、再研磨された切削工具5の性能は、多くの場合、新しい切削工具5の性能よりも著しく低い。
【0056】
本発明による装置1の実施には、例えば、研削ディスクレセプタクル3内に交換可能なホルダ4を収容することが重要である。工具研削盤で通常使用される研削ディスクレセプタクル3は、工具研削盤スピンドルに対応するインターフェースを有する。これらは、中空シャフトコーン(HSK)、シャフトコーン(SK)として、または研削ディスク交換において高い可撓性および精度を可能にするために、さらに多くの場合標準化されたインターフェースとして通常は実施されている。ここで、工具研削の場合、研削ディスクは通常、例えば直径d=20mmを有する心棒3上に置かれ、それらはディスタンスリングによって位置決めされ、クランプナット9を介して固定される。心棒3の中心部はこれまで何の機能も有してこなかった。本件の場合、内ねじを有するボア11に交換可能なホルダ4を嵌入することにより、心棒3に追加的な機能が提供され、研削ディスクレセプタクル3は、その利用可能性が大幅に拡張される。交換可能なホルダ4の固定以外にも、螺着または他の方法で接合可能な接続によって、刃先加工に関与しないさらなる機能的要素の実施を可能にし得る。さらに、対応するレセプタクルは、他の加工装置、例えば、旋盤、ボール盤、または他の具体的または一般的に適用可能な装置に設けられてもよい。
【0057】
刃先加工における用途のために特別に開発された研削体2は、各用途の場合に応じて設定する必要のある硬度の研磨粒子の弾性結合を有する。回転対称な研削体2は、微細なまたは粗い研磨粒子、例えば、炭化ケイ素、二酸化アルミニウム、またはダイヤモンドを含み、加工される切削工具5によって連続的に完全に機械加工される。回転対称な研削体2は、本明細書では、加工される切削工具5の直径に適合される。研削体2は非常に小さな許容誤差で製造されて、交換可能なホルダ4に圧入される。このようにして、切削工具5の露出したカッターの角の丸みを回避することができるか、または従来の方法と比較して大幅に抑制することができる。所定の結合硬度を有する回転対称な基体以外にも、異なる硬度を有するので用途および処理される直径に対応して適合される研削体2を作成することが可能である。これに関連して、特に、切削工具5においては、回転対称な研削体2の弾性変形による規則的な刃先の丸みを得るために、研削体2の中心16は周辺領域17よりも高い硬度を有することが必要である。
【0058】
さらに、処理運動は、ワークピース主軸および工具主軸の動作能力とは独立して、例えば回転方向と回転速度の重ね合わせによって、研削体2を機会加工するときの切削速度に関して広範囲のパラメータを含む追加的な機会を提供する。また、一体化された研削体2を備えた研削ディスクレセプタクル3および切削工具5の異方向、逆方向、および同方向の動きによって、形状係数Kの刃先傾斜に関する影響を有効にし、調整し得る。孔15の導入、異なる硬度、研磨粒子、および粒子サイズを有する中心16の導入、および研削体2の柔軟な成形により、本方法は、加工工具5の多数のさらなる変形を形成する機会を提供する。さらに、研削ディスクレセプタクル3の軸線の重ね合わせによって、フライス加工に近似する異なる運動を開発および実現することが可能になるので、フロントカッターおよび/または円カッターに関して異なるフライス工具の加工が選択的に可能になる。
【0059】
刃先加工のための研削体2の上記の使用法に加えて、装置1はまた、測定技術またはセンサ技術を利用することによって拡張され得る。交換可能なホルダ4に導電体経路およびセンサを導入することにより、電子的なアキュムレータを備えた監視電子機器の配置の実施も可能になる。監視電子機器は、研削ディスクマガジン内でまたは不使用時に外部で適切な充電技術で充電されてよい。
【0060】
装置1が研削ディスクレセプタクル3に一体化されているため、通常の研削ディスクレセプタクル3と比較すると、わずかに高い取得費用しか発生しない。これはまた、研削ディスクレセプタクル3に一体化されているため、この概念はほぼ全ての工具研削盤または加工機械に適用できることを意味する。したがって、追加的な設置に対する投資は、周知の方法の大部分にとっては必要であり、それに伴い発生するメンテナンスと修理のコストおよび研削処理後のワークピースの取り扱いを含む。例えば工具研削盤での完全な加工は、工具研削盤を本来の目的に使用できない間の時間を要するが、各加工の処理時間が5秒未満と非常に短いため、この時間はごくわずかである。研削心棒上の研削ディスクパッケージのインテリジェントな構成により、および/または各研削ディスクレセプタクル3に対して本発明による装置1を備えることにより、工具の変更が回避可能である。その結果、生産性が全体的に向上し、製造コストが大幅に減少する。
【0061】
切削工具5の直径への研削体2の適合、および機械加工される研削体2の所定の最大許容値により、切削工具5のカッターの角およびセカンダリカッターに対する影響がほぼなくなる。また、切削工具5と機械加工される研削体2との接触面積は、機械加工厚さにより制限されるため、切削工具5の外周面への影響はない。交換可能なホルダ4内の回転対称な研削体2の所定の長さは、提案された概念を使用することで、機械加工される研削体2が完全に使い果たされるまで、直径および目標の丸みにより複数の切削工具5を処理することを可能にする。交換可能なホルダ4をそれぞれ交換することで、同一の研削体2を含むさらなる研削ディスクレセプタクル3に変更することにより、処理手順に近い連続処理が可能になる。研削ディスクレセプタクル3の取り付けによって提供される自由な運動はまた、工具研削盤上で、フライス加工同様の異なる処理運動を実現する可能性を提供する。したがって、異なる刃先の丸みおよび形状係数を有する切削工具5のメインカッターおよびセカンダリカッターを加工する機会が生じる。
【0062】
研削体2の形状および結合硬度を変更すること加えて、運動による係合条件の適応を通じて、刃先の丸みの異なる形状を作成することが可能である。ここでは、切削工具5の回転方向、研削体2の回転方向、ボア底部での保持時間、および1回転あたりの前進が特に関係する。
【0063】
直径の異なる長く突出した深穴ドリル工具13の場合、切削工具5を損傷することなく刃先加工を可能にするためには工具先端の案内が必要である。このためには、交換可能なホルダ4の適合が必要である。切削工具5の案内は、研削体2がワークピースの軸線と一致し、切削工具5の弾性撓みが補償されるような寸法を有する必要がある。ここで、加工の複雑さは、刃先に関して要求されるものによる。深穴ドリル工具に対する用途の場合、外側カッターのより広範囲の丸み以外にも、内側カッターの著しく小さい丸みを達成する必要がある。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
切削工具(5)の刃先加工の装置(1)であって、相対運動中に前記切削工具(5)は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体(2)に機械加工的に接触することで、前記研削体(2)の前記粒子は前記切削工具(5)の刃形状に影響を与える装置(1)であって、
前記研削体(2)は、自身の寸法が、加工される対応する前記切削工具(5)の寸法に実質的に適合され、また加工装置の領域に配置された交換可能なホルダ(4)に収容され、かつ前記刃先加工のために前記切削工具(5)により機械加工が可能に保持される、装置(1)。
(付記2)
前記交換可能なホルダ(4)は、工具研削盤の作業室に保持される、付記1に記載の装置(1)。
(付記3)
前記研削体(2)は略円柱状に実施されている、付記1に記載の装置(1)。
(付記4)
円柱状の前記研削体(2)の円周方向の寸法が、加工される前記切削工具(5)の円周方向の寸法に実質的に適合している、付記3に記載の装置(1)。
(付記5)
使い切った後、前記研削体(2)は新しい研削体(2)に簡易に交換可能である、付記1に記載の装置(1)。
(付記6)
回転対称な前記研削体(2)は、加工される前記切削工具(5)の直径に適合した非常に小さな許容誤差で製造可能であり、前記交換可能なホルダ(4)に圧入可能である、付記1に記載の装置(1)。
(付記7)
前記交換可能なホルダ(4)は、前記研削ディスクレセプタクル(3)におけるボア(11)に挿入可能である、付記1に記載の装置(1)。
(付記8)
前記交換可能なホルダ(4)は、内ねじが設けられた前記研削ディスクレセプタクル(3)における、または異なる加工装置の、前記ボア(11)に螺着可能な外ねじ(6)を備える、付記7に記載の装置(1)。
(付記9)
前記交換可能なホルダ(4)は、前記研削ディスクレセプタクル(3)における前記ボア(11)に圧入可能または挿入可能であり、回転固定でそこに保持される、付記7に記載の装置(1)。
(付記10)
前記交換可能なホルダ(4)の領域に前記研削体(2)に対してガイドブッシュ(12)が配置され、前記ガイドブッシュ(12)を介して、長さと直径との比が大きい長く突出した非対称の切削工具(13)の案内および加工が可能であり、前記ガイドブッシュ(12)は、前記研削体(2)の機械加工領域の前部で、長く突出した前記切削工具(13)を案内および支持するよう、前記交換可能なホルダ(4)に対して配置される、付記1に記載の装置(1)。
(付記11)
前記刃先加工の進行に関する情報を提供するセンサ素子は、前記交換可能なホルダ(4)に導入可能であり、前記センサ素子は、前記交換可能なホルダ(4)に一体化されかつ研削ディスクマガジン内でまたは不使用時に外部で充電可能である、アキュムレータを備える、付記1に記載の装置(1)。
(付記12)
前記研削体(2)は、研磨粒子を含み、加工される前記切削工具(5)によって連続的に完全に機械加工が可能である、付記1に記載の装置(1)。
(付記13)
前記研削体(2)は微細なおよび粗い研磨粒子の混合物を含み、前記研削体(2)内の微細なおよび粗い前記研磨粒子の分布は、不均一に実施される、付記12に記載の装置(1)。
(付記14)
前記研削体(2)は、軸方向に延在する孔(15)を有し、前記孔(15)は、前記切削工具(5)の直径に適合され、前記切削工具(5)は、前記孔(15)内では前記研削体(2)の粒子の影響を受けない、付記1に記載の装置(1)。
(付記15)
前記研削体(2)は、異なる結合硬度を有する部分(21、22)を有する、付記1に記載の装置(1)。
(付記16)
切削工具(5)の刃先加工の方法であって、相対運動中に前記切削工具(5)は、研磨粒子を備え弾力的に結合した研削体(2)に機械加工的に接触することで、前記研削体(2)の前記粒子は前記切削工具(5)の刃形状に影響を与える方法であって、
前記研削体(2)は、自身の寸法が、加工される対応する前記切削工具(5)の寸法に実質的に適合され、また加工装置の領域に配置された交換可能なホルダ(4)に収容され、また前記研削体(2)は、加工される前記切削工具(5)により連続的に完全に機械加工される、方法。
(付記17)
前記刃先加工は、同一の加工装置で、前記切削工具(5)の形状の初回製造の直後、または前記切削工具(5)を再研磨した後、同一の挟持構成において実行される、付記16に記載の方法。
(付記18)
前記研削体の機械加工において、前記研削体(2)と前記切削工具(5)との相対運動により、切削速度の広範囲の適応が取得可能な、付記16に記載の方法。
(付記19)
前記研削体(2)および前記切削工具(5)は、前記研削体(2)の前記機械加工中に回転運動を実行し、前記研削体(2)および前記切削工具(5)の前記回転運動の重ね合わせにより、前記切削工具(5)の刃先の選択的な丸みが得られる、付記18に記載の方法。
(付記20)
前記刃先加工中に、加工される前記切削工具(5)が必要な並進および回転運動を実行する、付記18に記載の方法。
(付記21)
前記研削体(2)は、異なる結合硬度を有する部分によって、前記切削工具(5)の切削領域にわたり可変的な丸みを作成する、付記16に記載の方法。
(付記22)
前記切削工具(5)の直径に適合され、その内部では前記切削工具(5)は前記研削体(2)の前記粒子の影響を受けない、軸方向に延在する孔(15)により、前記研削体(2)は、前記切削工具(5)の軸方向領域を、刃先加工に供しない、付記16に記載の方法。
(付記23)
前記研削体(2)は、前記切削工具(5)の直径に適合した外形寸法を有することで、前記切削工具(5)のカッターの選択された領域のみが刃先加工に供される、付記16に記載の方法。
(付記24)
前記刃先加工は、新しい工具(5)または再研磨されたため特定の機能面上に超硬合金層をすでに塗工された切削工具(5)に実行される、付記16に記載の方法。
(付記25)
メインカッターおよびセカンダリカッターを有する前記切削工具(5)が、自身のメインカッターおよびセカンダリカッターによって、異なる特性を有し1つずつ配置される対応する研削体(2)を、連続的に機械加工する、付記16に記載の方法。
(付記26)
円柱状の前記研削体(2)の円周方向の寸法が、加工される前記切削工具(5)の円周方向の寸法に実質的に適合している、付記16に記載の方法を実行するための研削体(2)。
【符号の説明】
【0064】
1 本発明による装置
2 研削体
3 受けカラー/研削ディスクレセプタクル
4 交換可能なホルダ
5 切削工具
6 交換可能なホルダのねじ
7 切削工具のカッター
8 クランピングねじ
9 クランピングナット
10 ツールコーン
11 研削ディスクレセプタクルにおけるボア
12 ガイドブッシュ
13 深穴ドリル
14 研削ディスク
15 孔
16 高い結合硬度を有する中心
17 低い結合硬度を有する周辺領域
18 摩擦工具
19 シーケンシャルドリル
20 フライス工具
21 周囲の研削体
22 内側に位置する研削体
23 ボアホルダ
24 送り方向
25 パレット状マガジン
26 レセプタクル