(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】複数要素ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B  53/04        20150101AFI20250304BHJP        
   A63B  53/06        20150101ALI20250304BHJP        
   A63B  60/04        20150101ALN20250304BHJP        
   A63B 102/32        20150101ALN20250304BHJP        
【FI】
A63B53/04 A 
A63B53/06 B 
A63B60/04 
A63B102:32 
(21)【出願番号】P 2022531052
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 US2020062434
(87)【国際公開番号】W WO2021108723
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-11-08
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/043483   
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/047702   
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン  マニュファクチュアリング  コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人  快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン  アール.  ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック  エム.  ヘンリクソン
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル  ジェイ.  ペンドレッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー  エス.  ポープ
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン  シー.  スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】コリー  エス.  ベーコン
【審査官】九鬼  一慶
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3212534(JP,U)      
【文献】国際公開第01/038562(WO,A2)    
【文献】米国特許出願公開第2019/0176001(US,A1)    
【文献】米国特許出願公開第2017/0312592(US,A1)    
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B    53/04
A63B    53/06
A63B    60/04
A63B  102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  ゴルフクラブヘッドであって、
  ボディを備えており、
  前記ボディは、打撃フェースと、後端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、スカートと、後縁と、を備えており、
  前記ボディはさらに、
    前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルを有するリア延長部と、前記打撃フェースリターンと
前記リア延長部に取り付けられているクラウンブレースと、を備える、第1の構成要素と、
    クラウン部と、ソールトウ部と、ソールヒール部と、を備える第2の構成要素と、を備えており、
  前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合して、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、
  前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、
  前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、
  前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、
  前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、
  前記ウェイトチャネルは、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端において中心に位置しており、
  前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、前方クラウン部と前方ソール部を備えており、
  前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部から前記後端に向かって延びており、
  前記リア延長部はさらに、前記リア延長部の中心を通って伸びるリア延長軸を備えており、
  第1構成要素質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%である、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
  前記クラウンブレースは、前記打撃フェースリターンの前記前方クラウン部に取り付けられているとともに、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端で前記ウェイトチャネルに隣接する前
記リア延長部に取り付けられている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
  前記クラウンブレースと前記ウェイトチャネルは、ハンマーヘッド形状を備えている、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
  前記クラウンブレースはさらに、クラウンブレース長手軸を備えており、
  前記クラウンブレースは最大長さを備えており、
  前記クラウンブレース長手軸は、前記最大長さに沿って前記クラウンブレースを二等分する、請求項2又は3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
  前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延
長軸と平行に前記ヒール端に向けてオフセットされている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
  前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延
長軸と平行に前記トウ端に向けてオフセットされている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
  前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延
長軸に対して鋭角を形成するように、前記リア延
長軸に対して非平行である、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
  X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記
ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
  Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、
  Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドの
前記後端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
  前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、
  XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、
  YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びている、請求項4~7のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
  前記ウェイトチャネルは、前記ボディの前記後端と前記ソールにおいて露出している、請求項1~8のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
  前記ウェイトチャネルは、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイトを受容するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
  前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルと前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部の間を延びているトウ側壁とヒール側壁を備えている、請求項1~10のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
  前記ウェイトチャネルが、3つのねじ穴を有する取り付け壁をさらに備えており、
  前記3つのねじ穴が、トウ側ねじ穴と、中央ねじ穴と、ヒール側ねじ穴と、を備えており、
  前記中央ねじ穴が、前記取り付け壁の長さの中央点に位置する、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
  前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部の後方周囲の後方において、ヒールからトウ方向に測定されるリア延長部幅を備えており、
  前記リア延長部幅は、前記ソールの全幅の25%から85%の範囲である、請求項1~12のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
  前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
  前記可動ウェイトが、前記3つのねじ穴の1つに取り付けられるねじ付き締結具によって固定される、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
  前記ウェイトチャネルがソール壁をさらに備えており、前記ソール壁が前記ソールから内側に入っており、
  前記取り付け壁が前記ソールに対してほぼ垂直に配向されており、
  前記ソール壁は、
前記取り付け壁の高さと略等しい距離だけ内側に入っている、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
  ゴルフクラブヘッドであって、
  ボディを備えており、
  前記ボディは、打撃フェースと、後端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、スカートと、後縁と、を備えており、
  前記ボディはさらに、
    前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルを有するリア延長部と、複数のクラウンブレースと、を備える、第1の構成要素と、
    クラウン部と、ソールトウ部と、ソールヒール部と、を備える第2の構成要素と、を備えており、
  前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合して、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、
  前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、
  前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、
  前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、
  前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、
  前記ウェイトチャネルは、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端において中心に位置しており、
  前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、
前方クラウン部と
前方ソール部を備えており、
  前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記
前方クラウン部から前記後端に向かって延びており、
  前記リア延長部はさらに、前記リア延長部の中心を通って伸びるリア延長軸を備えており、
  第1構成要素質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%である、ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
  前記複数のクラウンブレースは、前記第1の構成要素内に開口の数を画定し、
  前記開口の数は、3つ、4つ、5つ、6つの開口からなる群から選択される、請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
  前記複数のクラウンブレースは、2つのクラウンブレースを備えており、
  前記2つのクラウンブレースの各々が、前記前方クラウン部に取り付けられているとともに、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端で前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部に取り付けられている、請求項17又は18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
  前記2つのクラウンブレースは、異なるポイントで
前記リア延長部に取り付けされている、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
            
         
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本開示は、概してゴルフ道具に関し、より詳細には、複数要素ゴルフクラブヘッド、および複数要素ゴルフクラブヘッドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
  概して、クラブヘッド質量は、構造質量と裁量質量の総量である。一定の全スイング重量を有する理想的なクラブ設計において、構造質量が最小化され(弾力性を犠牲にすることなく)、これにより、クラブ性能をカスタマイズし、最大化するために、任意の配置のための十分な裁量質量を設計者に提供するであろう。構造質量とは、一般に、繰り返されるインパクトに耐える構造的な弾性をクラブヘッドに提供するために必要な材料の質量を指す。構造質量は設計依存性が高く、特定の質量分布に対して設計者がコントロールできる量は比較的少ない。逆に、裁量質量は、クラブの性能および/または寛容性をカスタマイズするためだけにクラブヘッド設計に追加され得る任意の追加の質量(最小構造要件を超える)である。当技術分野では、クラブヘッド慣性モーメント(MOI)および下部/後部重心(CG)を最大にするための裁量重量を最大にするための手段を提供し、ゴルフボール飛行操作のためのオプションを提供するために、すべての金属ゴルフクラブヘッドに対する代替の設計が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
            【
図1A】組み立てられたゴルフクラブヘッドの背面図を示す。
 
【0004】
            【
図1B】組み立てられたゴルフクラブヘッドの底面図を示す。
 
【0005】
            【
図1C】組み立てられたゴルフクラブヘッドの正面斜視図を示す。
 
【0006】
            【
図1D】
図1Bの1D-1D線に沿った、ロフト面、接地面、およびZ軸を有するゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
 
【0007】
            【
図1E】X軸、Y軸、およびホーゼル軸を有する組み立てられたゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
 
【0008】
            【
図1F】ゴルフクラブヘッドの組み立て図と分解図を示す。
 
【0009】
            【
図2】ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の後部外観を示す図である。
 
【0010】
            【
図3A】ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面内側図を示す。
 
【0011】
            【
図3B】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面内側図を示す。
 
【0012】
            【
図4】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の正面上面図を示す。
 
【0013】
            【
図5】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の上面図を示す。
 
【0014】
            【
図6】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の背面図であって、接地面に平行なストライクフェース中心を通る中間平面を示す。
 
【0015】
            【
図7A】
図6の基準線610に沿った、
図6の第1の構成要素の断面を示す。
 
【0016】
            【
図7B】
図6の基準線VII
A-VII
Aに沿った、
図6の第1の構成要素の断面を示す。
 
【0017】
            【
図7C】
図6の基準線VII
B-VII
Bに沿った、
図6の第1の構成要素の断面を示す。
 
【0018】
            【
図8】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の底面図を示す。
 
【0019】
            【
図9】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の底面図を示す。
 
【0020】
            【
図10】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の拡大背面図を示す。
 
【0021】
            【
図11】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の断面図を示す。
 
【0022】
            【
図12】着脱可能ウェイトリセスと埋め込みウェイトリセスとを備えた、ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部リア延長部質量部を示す。
 
【0023】
            【
図13】ねじ付き締結具を備えた、着脱可能ウェイトの上面図を示す。
 
【0024】
            【
図14】ねじ付き締結具を備えた、着脱可能ウェイトの側面斜視図を示す。
 
【0025】
            【
図15】鋳造支持バーを示すゴルフクラブヘッドの第1の構成要素を示す。
 
【0026】
            【
図16A】
図12の埋め込みウェイトリセスに嵌合するための埋め込みウェイトの側面図を示す。
 
【0027】
【0028】
            【
図17】第2の実施形態によるゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0029】
            【
図18】
図17のクラブヘッドの第1の構成要素の斜視図を示す。
 
【0030】
            【
図19A】中央の位置に可動ウェイトを備えた、
図18の第1の構成要素のソール図を示す。
 
【0031】
            【
図19B】トウ側の位置に可動ウェイトを備えた、
図18の第1の構成要素のソール図を示す。
 
【0032】
            【
図19C】ヒール側の位置に可動ウェイトを備えた、
図18の第1の構成要素のソール図を示す。
 
【0033】
            【
図20】中央の位置にウェイトチャネルと可動ウェイトを備えた、
図17のゴルフクラブヘッドに類似したゴルフクラブヘッドの拡大側面図を示す。
 
【0034】
【0035】
            【
図22】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0036】
            【
図23】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0037】
            【
図24】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0038】
            【
図25】一実施形態による、角度の付いたリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0039】
            【
図26】一実施形態による、角度の付いたリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0040】
            【
図27】一実施形態による、幅が変化するリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0041】
            【
図28】一実施形態による、幅が変化するリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0042】
            【
図29】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面図を示す。
 
【0043】
            【
図30】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面図を示す。
 
【0044】
            【
図31】一実施形態による、トウ側に角度が付けられたソールリア延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0045】
            【
図32】一実施形態による、ヒール側に角度が付けられたソールリア延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0046】
            【
図33】一実施形態による、角度が付けられたソールリア延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0047】
            【
図34】一実施形態による、角度が付けられたソールリア延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0048】
            【
図35】一実施形態による、角度が付けられた後端を備えたリターン部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0049】
            【
図36】一実施形態による、後端のオフセット部を備えたリターン部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
 
【0050】
            【
図37】一実施形態による、クラウンと、ウェイトチャネルとクラウンブレースを含むソールリターンと、を備えたゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のクラウン斜視図を示す。
 
【0051】
【0052】
【0053】
            【
図40】
図37の第1の構成要素に結合するように構成された、ゴルフクラブヘッドの分割された第2の構成要素の正面図を示す。
 
【0054】
            【
図41】第3の実施形態による、ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
 
【0055】
            【
図42】ゴルフクラブヘッドの代替の実施形態の第2部分内側延長部を示す。
 
【0056】
            【
図43】トウおよびヒールスカートブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0057】
【0058】
            【
図45】トウおよびヒールスカートブレースと、クラウンブレースと、を備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0059】
【0060】
            【
図47】ソール延長部の側部に取り付けられたトウおよびヒール側クラウンブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0061】
【0062】
            【
図49】ソール延長部の中央に取り付けられたトウおよびヒール側クラウンブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0063】
【0064】
            【
図51】ソール延長部とトウおよびヒールスカートブレースの側部に取り付けられたトウおよびヒール側クラウンブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0065】
【0066】
            【
図53】ソール延長部とトウおよびヒールサイドスカートブレースの側部に取り付けられた、平行なトウおよびヒール側クラウンブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0067】
【0068】
            【
図55】交差クラウンブレースとトウおよびヒールサイドスカートブレースを備えた第4の実施形態の例による、ゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
 
【0069】
【0070】
            【
図57】第5の実施形態による、ゴルフクラブヘッドの上面斜視図を示す。
 
【0071】
【0072】
            【
図59】
図53のクラブヘッドの第1の構成要素の斜視図を示す。
 
【0073】
【0074】
            【
図61】ゴルフクラブヘッドの第1の製造方法を示す。
 
【0075】
            【
図62】ゴルフクラブヘッドの第2の製造方法を示す。
 
【0076】
            【
図63】ゴルフクラブヘッドの第3の製造方法を示す。
 
【0077】
            【
図64】シミュレーションによる、一連のテストクラブヘッドの構成要素におけるセンターインパクト後のリアウェイト相対垂直変位のグラフを示す。
 
【0078】
            【
図65】
図64のシミュレーションから選択されたテストクラブヘッドの構成要素におけるセンターインパクト後のリアウェイト相対垂直変位のグラフを示す。
 
【0079】
【0080】
            【
図67】シミュレーションによる、選択されたテストクラブヘッドの構成要素におけるトウ側インパクト後のリアウェイト相対垂直変位のグラフを示す。
 
【発明を実施するための形態】
【0081】
  2つの主要な構成要素を含む中空ゴルフクラブヘッドを本明細書に記載する。第1の構成要素は金属である。第2の構成要素は非金属である。第2の構成要素は、単一の部分または複数の部分を備えてもよい。金属製の第1の構成要素は、打撃部と、ソール延長部と、を含む。非金属の第2の構成要素は、クラウンのリア部を含み、ソールの一部も含むように包み込む。第1の構成要素は、ゴルフクラブヘッドの荷重支持領域または構造領域を含み、ゴルフクラブヘッドの質量の大部分も含む。第1の構成要素は、後方に延びるソール部を含み、ゴルフクラブ質量の大部分は、延長部の最も後方の部分にあり、第1の部分は、上から見たときに「T」字形を形成する。第1の構成要素はさらに、ゴルフクラブヘッドのリア部に延びるブリッジまたはクラウンブレースを備えていてもよい。この構成は、重心(CG)の位置および慣性モーメント(MOI)を改善するために再分配することができる裁量質量を提供する。改良されたCGおよびMOIは、伝統的な全ての金属ゴルフクラブヘッドと比較して、より正確なボール飛行を提供する。本明細書で論じるゴルフクラブヘッドは、ドライバータイプのゴルフクラブヘッド、フェアウェイタイプのゴルフクラブヘッド、またはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドを含むことができる。
【0082】
  第1の構成要素のより高密な「T」形状のソールは、より低密な包み込まれたクラウンの第2の構成要素に結合され、クラウンの質量を減少させ、ゴルフクラブヘッドの重心(CG)をより低くシフトさせることによって質量特性を最適化することができる。第2の構成要素から節約された重量は、CGをさらに最適化し、MOIを増加させるために、ゴルフクラブヘッドの他の位置に再分配することができる。ゴルフクラブヘッドのCGは、第1の構成要素および第2の構成要素を含むゴルフクラブヘッドの後方に向かって下方に移動することができ、第2の構成要素は、一定の密度を有する第1の材料のみを含む代替のゴルフクラブヘッドと比較して、第1の材料の密度よりも低い第2の密度を有する第2の材料を含む。
【0083】
  1つまたは複数の実施形態では、クラブヘッドは、第1の構成要素を第2の構成要素に結合してそれらの間に閉じた内部容量が形成されることによって形成された中空のウッドタイプのゴルフクラブヘッドであってもよい。第1の構成要素は、打撃フェースとソールの一部の両方を含んでもよく、さらに、金属または金属合金から形成されてもよい。第2および第3の構成要素は、少なくともクラウンの一部を形成してもよく、さらにソールのヒール部とトウ部の両方を形成するために包み込んでもよい。この設計では、金属の第1の構成要素は、ソールの高分子ヒール部とソールの高分子トウ部の間を延びている。
【0084】
  「1つの(A)」、「1つの(an)」、「前記」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数」は、項目のうちの少なくとも1つが存在することを示すために互換的に使用され、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数のそのような項目が存在し得る。添付の特許請求の範囲を含む、本明細書におけるパラメータ(例えば、量または条件)のすべての数値は、「約」が実際に数値の前に現れるか否かにかかわらず、すべての場合において、「約」という用語によって修正されるものと理解されるべきである。「約」は、記載された数値が、ある程度の不正確さを許容することを示す(値の正確さへのある程度のアプローチで、値の近くで、または値に合理的に近い;ほぼ)。「約」によって提供される不正確さが、この通常の意味で当技術分野で理解されない場合、本明細書で使用される「約」は、そのようなパラメータを測定し使用する通常の方法から少なくとも生じ得る変動を示す。また、範囲の開示には、全ての値と、さらに範囲全体の中の分割された範囲が含まれる。範囲内の各値および範囲の端点は、本明細書において、すべて別個の実施形態として開示される。用語「備える」、「備えている」、「含む」、および「有する」は、包括的であり、したがって、記載された項目の存在を特定するが、他の項目の存在を排除しない。本明細書で使用されるように、用語「または」は、列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意の組合せおよびすべての組合せを含む。第1、第2、第3等の用語を用いて様々な項目を互いに区別する場合、これらの名称は単に便宜上のものであり、項目を限定するものではない。
【0085】
  もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「第5の」などは、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順序を説明するために使用されるわけではなく、そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書で説明される実施形態は本明細書で図示されるまたは別の方法で説明されるシーケンス以外のシーケンスで動作することができることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「有する」、およびその任意の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が必ずしもそれらの要素に限定されず、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に記述的にリストされていない他の要素を含むように、非排他的な包含物を包むように意図されている。
【0086】
  もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「の上」、「の下」等は、説明目的で使用され、必ずしも永久的な相対位置を記述するためのものではない。そのように使用された用語は、本明細書に記載される製造装置、製造方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、例示されているかまたは別様に本明細書に記載されているもの以外の配向で操作可能であるように、適切な状況において置き換え可能であると理解すべきである。一貫性と正確性のために、本願で使用される全ての方向に関する参照は、ヘッドの事前に定義されたロフト角とライ角が達成されるように、参照されるゴルフクラブヘッドが水平で平坦な地面に載っていることを前提としている。ゴルフクラブヘッドの「フロント」または「フロント部」は、一般に、ゴルフクラブのストライクフェースを含むゴルフクラブヘッドの側面(地面に垂直に見た場合)を指す。逆に、クラブヘッドのリア部は、ストライクフェースの後方、および/またはインパクト時にストライクフェースに追従するクラブの部分を含むことができる。
【0087】
  他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるような、または図面に示されるような、構成要素の詳細または構成および配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態をサポートすることができ、様々な方法で実施または実行することができる。特定の実施形態の説明は、本開示の精神および範囲内にあるすべての修正、均等物、および代替物を網羅することから本開示を限定することを意図していないことを理解されたい。また、本明細書で使用される語法および用語は、説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
            
I)  ゴルフクラブヘッドの第1実施形態
【0088】
  第1の構成要素(300)および第2の構成要素(200)の2つの構成要素を含むゴルフクラブヘッド(100)の実施形態を本明細書に記載する。
図1A-1Eに示されるように、ゴルフクラブヘッドは、打撃フェース(170)と、リターン部(177)と、ホーゼル(140)と、クラウン(110)と、ソール(120)と、ヒール端(160)と、トウ端(150)と、後端(180)の最後部における後縁(130)と、ホーゼル(140)と、ソール部のホーゼルアダプタ取付リセス(195)と、を形成する。
【0089】
  ゴルフクラブヘッド(100)はさらに、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)に接するロフト平面(198)を画定する。クラウン(110)近くの打撃フェースの周囲部の上端とソール(120)近くの打撃フェースの周囲部の下端との間のロフト面に平行なフェース高さを測定することができる。これらの実施形態では、打撃フェースの周囲部は、打撃フェース(170)の外縁に沿って配置することができ、ここで、曲率は、打撃フェース(170)の膨らみおよび/またはロールからずれる。
【0090】
  図1Dおよび
図1Eを参照すると、打撃フェース中心(175)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)に原点を有する座標系を規定する。座標系は、X軸、Y軸、およびZ軸を有する。X軸(190)は、水平軸であり、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(160)からトウ端(150)の方向に延び、クラブヘッド(100)がアドレスの位置にあるときに接地面(105)に平行である。Y軸(192)は、鉛直軸であり、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)のクラウン(110)からソール(120)に向かう方向に延び、X軸(190)に垂直である。Z軸(196)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)の打撃フェース(170)から後端(180)に向かう方向に延び、X軸(190)およびY軸(192)に垂直である。
 
【0091】
  座標系は、X軸(190)およびY軸(192)を通って延びるXY平面と、X軸(190)およびZ軸(196)を通って延びるXZ平面と、Y軸(192)およびZ軸(196)を通って延びるYZ平面とを規定する。ここで、XY平面、XZ平面、およびYZ平面は、すべて互いに垂直であり、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)における座標系の原点で交差する。XY平面は、ホーゼル軸(199)に平行に延び、ロフト平面からのゴルフクラブヘッド(100)のロフト角度に対応する角度で位置決めされる。ホーゼル軸(199)は、ライ角と称する所定の角度でX軸(190)に対して傾斜している。ホーゼル軸(199)は、58度から65度の間のライ角によってX軸(190)に対して傾斜することができる。いくつかの実施形態では、ホーゼル軸(199)は、XY平面に垂直な方向から見てX軸(190)に対して60度のライ角で位置決めされている。
【0092】
  ソール(120)は、ゴルフクラブヘッド(100)の下半球である。いくつかの実施形態では、ソール(120)は、クラブがアドレスにあるときに、底面から見たときに視認できるゴルフクラブヘッドの一部として定義され得る。ゴルフクラブヘッド(100)のスカートは、ソール(120)とクラウン(110)の間の接合部として定義され得、特に、打撃フェース(170)の後方のクラブヘッドの周囲を形成する。
【0093】
  ゴルフクラブヘッド(100)は、閉じた内部キャビティ(185)を形成する中空ボディ構造を有することができる。ゴルフクラブヘッド(100)の外側シェルは、第1の構成要素(300)と第2の構成要素(200)を備えることができ、それらは協調しておよび/または結合して少なくとも部分的に内部キャビティ(185)の外側境界を画定する(即ち、各構成要素(200、300)は少なくとも内部キャビティ(185)の外側境界の一部を画定する)。
【0094】
  図1Fを参照すると、第1の構成要素(300)は、ソールから見ると概ねT字形である。第1の構成要素(300)のソールは、質量部(510)を備えたソールリア延長部(500)を有しており、質量部(510)はソール延長部(500)の最後端に少なくとも1つのウェイトを収容する。第2の構成要素(200)は、第1の構成要素(300)によって形成されないゴルフクラブヘッドの残りの大部分を形成する。この構成は、組み立てられたゴルフクラブヘッドのCGを低くし、組み立てられたゴルフクラブヘッドの後方に向けてCGを移動させる。
 
【0095】
  第1の構成要素(300)は、第1の密度を有する第1の材料を含む。第1の材料は、金属材料を含む。第2の構成要素(200)は、第2の密度を含む第2の材料を含む。第2の構成要素(200)は、非金属材料を含む。第1および第2の構成要素(300、200)はそれぞれ、第1構成要素質量および第2構成要素質量を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(300)は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよく、したがって、第1の構成要素は、単一の材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(300)は、着脱可能な及び/又は再配置可能な質量部を除いた部分と一体的に形成されてもよい。あるいは、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素(300)の残りの部分とは異なる材料(すなわち、第3の材料)を含む、別個に形成された打撃フェースインサートを備えてもよい。
【0096】
  第2の非金属構成要素(200)は、第1の金属構成要素(300)に結合し、周りを包み、又は包囲して中空ゴルフクラブヘッド(100)を形成する。第2の構成要素の後縁部(230)は、第2構成要素クラウン部(205)と第2構成要素ソール部(212,214)とを、それらが第1の構成要素(300)の周りを包むように接続する。
【0097】
  第1の構成要素(300)の材料密度(即ち、第1の密度)は、第2の構成要素(200)の材料密度(即ち、第2の密度)よりも大きい。第1の構成要素(300)の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の85%~96%の範囲であり得る。例えば、ゴルフクラブヘッドの質量の第1の構成要素百分率は、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、または96%であってもよい。第2の構成要素(200)の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の4%から15%の範囲であり得る。第1の構成要素(300)は、ソールにリア延長部(500)を備え、リア延長部(500)は質量部(510)を有する。質量部(510)は、リア延長部(500)の後端にあり、ウェイトポートの前端に始まり、後縁(130)で終わる。質量部(510)は、中空複数要素ゴルフクラブヘッド(100)の質量の20%~35%を構成することができる。ゴルフクラブヘッドの質量の大部分をゴルフクラブヘッドの最後方位置に配置することは、機能的に望ましい質量特性を提供する。例えば、質量部(510)の最後方位置は、ゴルフクラブヘッドのCGを下げることができ、これにより、打ち上げ特性が改善される。
【0098】
  A)第1の構成要素
【0099】
  図1A~
図1Fおよび
図4~
図8に示すように、第1の構成要素(300)は、リターン部(177)を有する打撃フェース(170)と、リア延長部(500)と、を備えることができる。リターン部(177)は、少なくともクラウン(400)の一部と、ソール(120)の一部と、ホーゼル(140)と、ヒール端(160)の一部と、トウ端(150)の一部と、リセス状リップ(450)(結合延長面とも呼ばれる)と、を形成することができる。リア延長部(500)は、リターン部(177)に接続し、リターン部(177)から後方に延びる。リア延長部(500)は、少なくともソールの一部を形成し、打撃フェース(170)に対してほぼ垂直に配置される。リア延長部(500)は、リターン部(177)の後端からクラブヘッド(100)の後縁(130)に向けて延びている。打撃フェースリターン部(177)は、ヒール端からトウ端方向に後方プロファイルを形成する。他の実施形態では、第1の構成要素(300)の後方プロファイルは、ヒール端(160)からトウ端(150)に向かって、直線状のプロファイル、正の放物線状のプロファイル、ベル形状のプロファイル、または打撃フェース(170)に対する任意の他のプロファイルで延びることができる。
 
【0100】
  図1Eおよび
図4を参照すると、第1の構成要素(300)は、ホーゼル軸(199)を画定するホーゼル穴(145)と、打撃フェース中心(175)と、前方クラウン部幅(405)を有する前方クラウン部(400)と、第1の構成要素後縁(130)と、を備える。いくつかの実施形態は、第1の構成要素のクラウン部タービュレータトウ部(432)および第1の構成要素のクラウン部タービュレータヒール部(434)を有する第1の構成要素のクラウン部タービュレータ(430)をさらに備えることができる。
 
【0101】
  第1の構成要素は、第2の構成要素(200)の一部と重なり、一緒になってゴルフクラブヘッド(100)を形成するように構成されたリセス状リップ(450,第1の構成要素リップまたは結合延長面とも呼ばれる)を含むことができる。第1の構成要素リップ(450)は、第1の構成要素クラウン部リップ(455)と第1の構成要素タブ(457)とを有する第1の構成要素周囲縁部(462)を境界付けることができる。第1の構成要素タブ(457)、および第2の構成要素内の整合溝は、組立中に第1の構成要素(300)を第2の構成要素(200)に整列させ、また、第1の構成要素(300)と第2の構成要素(200)との間の横方向の移動を防止するための機械的支持を加える。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は第1の構成要素タブ(457)を受け入れるための溝を備えていない。これらの実施形態では、第1の構成要素タブ(457)は、第1および第2の構成要素の間に所定空間(即ち、接着ギャップ)を提供する。この所定空間により、接着剤は重ね継手に亘って一様および均一な接合を提供する。
【0102】
  第1の構成要素リップ(450)は、第2の構成要素(200)の重なり合うリップと、2つの構成要素を互いに固定する任意の接着剤と、の合計厚さに適合するように、ゴルフクラブヘッド(100)の外面から窪んでいる。
図5、9、10を参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素リップリセス状オフセット(459)と、第1の構成要素ソール部リップ(460)と、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)と、質量部内部前方境界(1050、
図9に示される前方延長部境界918に対応する)を有する第1の構成要素ソール部リア延長質量部(510)と、1つまたは複数の質量部内部リブ(520)と、ねじ付き締結具受容ボス(542)を有する着脱可能ウェイトリセス(540)とを備える。
図1Fも参照すると、第1の構成要素リップ(455)は、第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブ(100)を形成するときに、第2の構成要素(200)の一部によって覆われるように構成される。第1の構成要素(300)は、好ましくは、第1の構成要素と第2の構成要素との重なり合う表面の間に配置された接着剤を用いて、第2の構成要素(200)に結合されてもよい。
【0103】
  図7Aを参照すると、第1の構成要素のリップは幅(730)を有し、これは0.125インチから0.275インチの範囲とすることができる。例えば、第1の構成要素のリップ幅(730)は、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.022インチ、0.225インチ、0.250インチ、または0.275インチとすることができる。
 
【0104】
  第1の構成要素リセス状オフセット(459)は、第1の構成要素(300)の外面からゴルフクラブヘッドの内部に向かう、リップ(455)のオフセット距離である。リセス状オフセット(459)は、ゴルフクラブヘッド(100)の内部に向かって0.060インチから0.160インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、リセス状オフセット(459)は、0.060インチから0.150インチ、0.060インチから0.140インチ、0.080インチから0.160インチ、0.090インチから0.150インチ、または0.090インチから0.160インチの範囲とすることができる。例えば、リセス状オフセット(459)は、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、または0.160インチとすることができる。
【0105】
  第1の構成要素リップ(450)は、厚さを含むことができる。第1の構成要素リップ(450)の厚さは、0.007インチから0.030インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素リップ(450)の厚さは、約0.007インチから0.009インチ、0.009インチから0.011インチ、0.011インチから0.013インチ、0.013インチから0.015インチ、0.015インチから0.017インチ、0.017インチから0.019インチ、0.019インチから0.021インチ、0.021インチから0.023インチ、0.023インチから0.025インチ、0.025インチから0.027インチ、または0.027インチから0.030インチとすることができる。
【0106】
  さらに
図5を参照すると、第1の構成要素は、ソールにリア延長部を有し、これにより、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量の大部分を、組み立てられたゴルフクラブのソールまで低下させ、そして後方に向かって移動させることができる。リア延長部(500)は、リターン部(177)から延び、リターン部(177)と一体であり、インパクト応力がソールの後部までずっと伝播することを可能にし、ゴルフクラブヘッドにおけるインパクト応力の分布のバランスをとるのに役立つ。
【0107】
  さらに
図5を参照すると、第1の構成要素リップ(450)は、第1の構成要素クラウン部リップ(455)と、第1の構成要素ソール部リップ(460)と、を含む。第1の構成要素リップ(450)は、他の部分を有してもよい。
【0108】
  図6を参照すると、接地面(105)に平行で打撃フェース中心(175)と交差する平面(610)は、
図7Aに示す第1の構成要素(300)の下部の図を画定する。
図7A及び
図8を参照すると、リア延長部(500)は、打撃フェースリターンソール部(810)の後方周囲からゴルフクラブヘッド(100)の後端(180)に向かって延びている。
 
【0109】
  図7Aを参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素ソール部ヒール延長部(710)と、第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)と、第1の構成要素リップ幅(730)を有する第1の構成要素リップ(460)と、第1の構成要素後縁部(740)と、垂直リップ(750)と質量部後縁シェルフ(760)を有する第1の構成要素ソール部リア延長質量部(510)と、を備える。
 
【0110】
  リア延長部(500)は、延長部の最も後方の位置において、より大きな質量を有する。質量を最も後方の位置に配置することは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性に大きく影響するように、リアソール延長位置の操作を可能にする。
図57~60を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の構成要素のリア延長部(500)は、ソール穴(555)を備えることができる。ソール穴は、リア延長部(500)の最後端の近くに質量をさらに移動せるように機能する。上記したように、最後端に質量を位置づけることは、CGを後方に移動させ、これにより、クラブヘッドの慣性モーメントを増加させることを許容する。ソール穴(555)を加えることにより、リア延長部(500)の最後端に配置されるより多くの裁量質量が生成される。
【0111】
  図8を参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素ソール部リア延長部長さ(505)と第1の構成要素ソール部リア延長幅(507)を有する打撃フェースリターンソール部リア延長部(500)を含む。第1の構成要素(300)は、打撃フェースリターンソール部幅(815)を有する打撃フェースリターンソール部(810)と、第1の構成要素ソール部トウ延長部長さ(825)を有する第1の構成要素ソール部分トウ延長部(820)と、第1の構成要素ソール部ヒール延長部長さ(835)を有する第1の構成要素ソール部ヒール延長部(830)と、を含む。リア延長部長さ(505)は、打撃フェースソールリターン部(810)の後方周囲から、後端(180)に向かって測定される。リア延長部長さ(505)は、2.5インチから4.5インチの範囲とすることができる。リターンソール部の幅(815)は、ロフト面(198)から後方に向けて、第1の構成要素周囲端(462)のソール部分である、打撃フェースリターン部(177)の後方周囲まで測定される。リア延長部の長さ(505)と打撃フェースリターンソール部の幅(815)は共に、ロフト平面(198)からソール(120)に沿って後端(180)まで測定されたゴルフクラブヘッド(100)のソール全長を構成する。リア延長部の幅(507)は、リア延長部(500)の幅である。リア延長部の幅(507)は、第1の構成要素周囲端(462)のソール部分である打撃フェースリターンソール部(810)の後方周囲のヒールからトウ方向に測定される。リア延長部の幅(507)は、ゴルフクラブ(100)のソール(120)の全幅よりも小さい。リア延長部の幅(507)は、ソール(120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。リア延長部の幅(507)は、ソール(120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、リア延長部の幅(507)は、0.4インチから2.5インチの範囲とすることができる。
 
【0112】
  図7A及び8を参照すると、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)とトウ延長部(720)とヒール延長部(710)は共に、T状形態を構成する。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、トウ延長部(720)に対してトウ方向角度(850)を形成し、ヒール延長部(710)に対してヒール方向角度(855)を形成する。第1の構成要素(300)は、複数の着脱可能ウェイトリセスタブ(546)を有する着脱可能ウェイトリセス(540)をさらに備える。
 
【0113】
  図5、7A、および8を参照すると、打撃フェースリターン(177)は、打撃フェース(170)に対して基本的に垂直に、打撃フェース周囲から後方に延在する。打撃フェース(170)及び打撃フェースリターン(177)は、組み立てられたゴルフクラブヘッドの前方部分を構成する。打撃フェースリターン(177)は、打撃フェースリターンクラウン部幅(405)を有する打撃フェースリターンクラウン部(400)と、打撃フェースリターンソール部幅(815)を有するリターンソール部(810)と、を含む。打撃フェースリターンクラウン部(400)は、クラウン(110)のヒール端(160)からクラウン(110)のトウ端(150)までのクラウン(110)上にプロファイルを形成する後方周囲を備える。打撃フェース(170)から後端(180)に向かって測定される打撃フェースリターンクラウン部分幅は、変化してもよい。打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、トウ端(150)またはヒール端(160)に位置してもよい。他の実施形態では、打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、トウ端(150)とヒール端(160)との間の中間領域に位置してもよい。打撃リターンクラウン部の幅(405)は、少なくとも0.8インチ、少なくとも1.0インチ、少なくとも1.2インチ、または少なくとも1.4インチとすることができる。いくつかの実施態様において、打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、1.0インチから1.5インチの範囲であり得る。例えば、打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、または1.5インチであってもよい。第2の構成要素のクラウン部の幅(405)は、米国特許出願第11/693,490、現在は米国特許第7,601,078号に記載されているようなクラウン部と同様とすることができる。
 
【0114】
  第1の構成要素(300)の打撃フェースリターン(177)は、打撃フェースリターン(177)の外面と内面の間を伸びる厚みを備えることができる。第1の構成要素(300)の厚みは、0.015インチから0.040インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、第1の構成要素(300)の厚みは、0.010インチから0.040インチ、0.010インチから0.020インチ、0.015インチから0.025インチ、0.020インチから0.030インチ、0.025インチから0.035インチ、0.030インチから0.040インチ、0.040インチから0.10インチ、または0.10インチから0.25インチの範囲とすることができる。例えば、第1の構成要素(300)の厚みは、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、または0.040インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(300)の厚みは、打撃フェース(170)において、リターンクラウン部(400)において、第1の構成要素のソール部(310)において、第1の構成要素のソール部ヒール延長部(710)において、第1の構成要素のソール部トウ延長部(720)において、第1の構成要素のソール部リア延長部質量部(510)において、変化することができる。
【0115】
  図5を参照すると、リターンクラウン部(400)に位置するクラウン部タービュレータ(430)は、ゴルフクラブヘッド(100)の空力に影響する突出部である。いくつかの実施形態では、リターンクラウン部(400)は、その内面に圧痕を備えることができる。圧痕は、クラウン部タービュレータ(430)に対応しており、リターンクラウン部(400)の残りの部分と同じ厚み(内面と外面の間で測定される壁厚)をタービュレータ(430)に付与する。しかしながら、他の実施形態では、1つまたは複数のクラウン部タービュレータ(430)は、リターンクラウン部(400)の残りの部分よりも大きい厚みが付与されるように充填され得る。1つまたは複数の充填されたクラウン部タービュレータ(430)におけるリターンクラウン部(400)の増加した厚みは、少なくともリターンクラウン部(400)の部分の剛性を増加させることにより、ゴルフクラブヘッド(100)の耐久性を増加させ得る。
 
【0116】
  図5、7Bおよび7Cを参照すると、クラウン部タービュレータ(430)は、トウ部タービュレータ(432)とヒール部タービュレータ(434)に分類され得る。いくつかの実施形態では、リターンクラウン部(400)の内面に対応する圧痕が存在しないように、クラウン部タービュレータ(430)の1つまたは複数が材料(固体)で充填され得る。いくつかの実施形態では、トウ部タービュレータ(432)の1つまたは複数が充填され得る。いくつかの実施形態では、ヒール部タービュレータ(434)の1つまたは複数が充填され得る。1つまたは複数の充填されたタービュレータを備えたクラウンリターン部(400)の領域は、未充填のタービュレータを備えたクラウンリターン部(400)の領域よりも堅く、またはより硬くなり得る。固体タービュレータは、クラウンリターン部(400)の残りの部分の厚みよりも大きい厚みを備えている。
 
【0117】
  図7Bおよび7Cを参照すると、いくつかの実施形態では、クラウンリターン部(400)の厚肉領域(436)は、クラウンリターン部(400)の残りの部分の厚みよりも大きい厚みを備えている。一般的に、クラウンリターン部(400)は、上記したように、打撃フェースリターン(177)の厚みを備えることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、リターンクラウン部(400)の厚みは、厚肉領域(436)内において最大で0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、または0.010インチまで増加することができる。厚肉領域(436)はパッチ、矩形領域、限定領域、および/または少なくとも部分的にクラウン部タービュレータ(430)の1つまたは複数を覆う形状であり得る。
図7Bに示される実施形態では、有界領域はヒール部タービュレータ(434)の2つを覆っている。タービュレータは有界領域(436)内で充填(固体)されている。
図7Cは、充填されたクラウン部タービュレータ(430)を表す断面図を示す。
 
【0118】
  ゴルフボールがゴルフクラブ(100)にインパクトすると、クラウンリターン部(400)を含む第1の構成要素(300)が屈曲する。この第1の構成要素(300)のクラウンリターン部(400)の屈曲は、第1の構成要素リップ(450)に接合する第2の構成要素内に応力を誘導することができる。第2の構成要素(200)は、第1の構成要素(300)のクラウンリターン部(400)がある閾値を越えて繰り返し屈曲した場合に材料破壊のリスクがある部分に置かれ得る。厚肉領域(436)を加えることは、繰り返しのインパクト後に材料破壊のリスクがあるかもしれない第2の構成要素の部分に隣接したクラウンリターン部(400)の断面積を局所的に増加させ得る。厚肉領域(436)におけるクラウンリターン部(400)の断面積の増加は、応力を減少させ、これにより、クラブヘッド(100)の耐久性が増加する。
【0119】
  リアソール延長部(500)の位置を操作することは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性を操作する手段を提供する。
図4、
図5、
図7A、および
図8を参照すると、第1の構成要素のソール部は、打撃フェース付近の中心から、第1の構成要素のソール部のトウ端延長部(720)を形成するトウ端に向かって、第1の構成要素のソール部のヒール端延長部(710)を形成するヒール端に向かって、および第1の構成要素のソール部のリア延長部(500)を形成する後端に向かって延びることができる。第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)、第1の構成要素ソール部ヒール延長部(710)、および第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、「T」字形プロファイルを形成することができる。いくつかの実施形態では、トウ延長部は、YZ平面からトウ端部(150)に向かって1.50インチから2.00インチの範囲の第1の構成要素ソール部トウ端部延長部長さ(825)を有することができる。例えば、第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)は、トウ端部(150)に向かって1.50インチ、1.60インチ、1.70インチ、1.80インチ、1.90インチ、または2.00インチの第1の構成要素ソール部トウ端延長部長さ(825)を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、YZ平面からヒール端(160)に向かって0.90インチから1.40インチの範囲の第1の構成要素ソール部ヒール延長部長さ(835)を有することができる。例えば、第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、0.90インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、または1.40インチ延びることができる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターン部(177)の後方に向けて2.30インチから2.90インチ延びることができる。例えば、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターン部(177)から、2.30インチ、2.40インチ、2.50インチ、2.60インチ、2.70インチ、2.80インチ、又は2.90インチの距離だけ延びることができる。
【0120】
  ゴルフクラブヘッド(100)のトウ端(150)またはヒール端(160)の近くに第1の構成要素ソール部リア延長部(500)(または単に「リア延長部」という)をシフトさせることは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性を操作し、ボール飛行を変更する1つの手段を提供する。第1の構成要素(300)を製造するとき、リア延長部(500)をゴルフクラブ(100)のトウ端(150)またはヒール端(160)に向かって移動させると、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性が変化する。リア延長部(500)を第1の構成要素ソール部トウ端延長部(825)を減少させることによってトウ端部(150)に向かって移動させた場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心もトウ端(150)に向かって移動することになる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)をゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(160)に向かって移動させた場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心もヒール端(160)に向かって移動する。
【0121】
  第1の構成要素(300)は、ゴルフクラブヘッド(100)の全表面積のうちの27平方インチから41平方インチの範囲の表面積を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(300)の表面積は、25平方インチから43平方インチ、25平方インチから28平方インチ、28平方インチから31平方インチ、31平方インチから34平方インチ、34平方インチから37平方インチ、37平方インチから40平方インチ、または40平方インチから43平方インチの範囲とすることができる。例えば、25平方インチ、27平方インチ、29平方インチ、31平方インチ、33平方インチ、35平方インチ、37平方インチ、39平方インチ、41平方インチ、43平方インチなどである。
【0122】
  第1の構成要素(300)は、鋼、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、または金属合金などの材料を含むことができる。いくつかの実施態様において、第1の構成要素(300)は、Ti-8Al-1Mo-1V合金を含むことができる。ゴルフクラブヘッド(100)がドライバー型クラブヘッドである多くの実施形態では、第1の構成要素(300)はチタン材料を含むことができる。ゴルフクラブヘッド(100)がフェアウェイウッド型クラブヘッドである多くの実施形態では、第1の構成要素(300)は、鋼材料を含むことができる。
【0123】
  多くの実施形態では、第1の構成要素(300)を鋳造することができる。他の実施形態において、第1の構成要素(300)は、鍛造、プレス、圧延、押し出し、機械加工、電鋳、3-D印刷、または任意の適切な形成技術であり得る。
図15を参照すると、第1の構成要素(300)が鋳造される実施形態では、第1の構成要素(300)は、1つまたは複数のヒール端鋳造支持バー(1510)と、1つまたは複数のトウ端鋳造支持バー(1512)と、を含む複数の鋳造支持バーをさらに備えることができる。
            
1)第1の構成要素リアソール延長部
【0124】
  上述したように、第1の構成要素は、打撃フェース及び打撃フェースリターン(177)を含む。ゴルフクラブヘッド(100)のこれらの部分は、ゴルフクラブがボールを打つとき、インパクト力を受けて配分する。リア延長部(500)は、第1の構成要素(300)の残りの部分と一体に形成され、打撃フェースリターンソール部(810)から延びる。さらに、リア延長部(500)の質量は、打撃フェースの中心を外したインパクトによって引き起こされるトルク力に抵抗する。多くの実施形態では、第1の構成要素ソール部トウ端延長部(720)および第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、打撃フェース(170)に対して平行にすることができ、前部から後部まで一定の幅を備える。他の実施形態では、トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、トウ端(150)およびヒール端(160)に向かって幅を増加および/または減少させることができ、様々な幅を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、1.0インチから1.5インチの範囲の幅を含むことができる。例えば、トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、1.00インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、1.40インチ、または1.50インチとすることができる。
【0125】
  多くの実施形態では、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターンソール部(810)のリア境界から後端(180)に向かって、幅が増加し、幅が減少し、および/または一艇の幅(507)を含むことができる。いくつかの実施形態では、リア延長部(500)は、1.0インチから3.5インチの範囲の幅(507)を含むことができる。例えば、リア延長部は、1.0インチ、1.25インチ、1.50インチ、1.75インチ、2.00インチ、2.25インチ、2.50インチ、2.75インチ、3.0インチ、3.25インチ、または3.50インチとすることができる。いくつかの実施形態では、リア延長部(500)は、前後方向に変化する幅を備える。具体的には、リア延長部(500)は、前方から後方への方向に増加する幅を含むことができる。これらの実施形態では、リア延長部(500)の幅は、打撃フェースリターンソール部(810)に隣接する最小値、クラブヘッドの後部に隣接する最大値を有する。クラブヘッドの後部に向かってリア延長部(500)の幅を広げると、リア延長部(500)が重量またはウェイトシステムを支持することができる。リア延長部(500)の幅を変化させ、その結果、最小幅が打撃フェースリターンソール部(810)に隣接するようにし、フェースリターン部に隣接する質量を減少させ、この節約された重量をクラブヘッドの周囲に再配分することを可能にする。他の実施形態では、リア延長部(500)は、前後方向に減少する幅を含むことができる。クラブヘッドの後部に向かってリア延長部の幅を狭くすることにより、リア延長部(500)に取り付けられた重量またはウェイトシステムのための追加の構造的支持を提供することができる。
【0126】
  図2に示すようないくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェース(170)に対して垂直方向に延在し、トウ端(150)とヒール端(160)との間の中心に位置することができる。他の実施形態では、リア延長部(500)は、トウ端(150)により近い位置で、またはヒール端部(160)により近い位置で延びることができる。リア延長部(500)は、ヒール端(160)に向かって0.05インチから1.0インチだけオフセットすることができる。例えば、リア延長部(500)は、ヒール端(160)に向かって0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、または1.0インチだけオフセットすることができる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、トウ端部(150)に向かって0.05インチから1.0インチだけオフセットすることができる。例えば、リア延長部(500)は、トウ端部(160)に向かって0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、又は1.0インチだけオフセットすることができる。
 
【0127】
  第1の構成要素ソール部リア延長部(500)がトウ端(150)に向かってオフセットされている場合、ソール部リア延長部(500)が中央にある類似のゴルフクラブヘッドと比較して、ゴルフクラブヘッド(100)の重心はトウ部(150)に向かって0.150インチまでオフセットされ得る。例えば、重心は、トウ端(150)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、又は0.150インチだけオフセットされ得る。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)がヒール端(160)に向かってオフセットされている場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心は、0.150インチまでヒール端(160)に向かってオフセットされ得る。例えば、重心は、ヒール端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされ得る。重心のオフセットは、インパクト時のゴルフクラブヘッドをフェードが緩和される位置またはドローが緩和される位置にバイアスすることにより、ボールの飛行特性に影響する。
【0128】
  図31および32を参照すると、ゴルフクラブヘッドの質量特性を操作する他の手段は、第1の構成要素の打撃フェースに対するリアソール延長部の角度を変えることである。第1の構成要素のソールリア延長部は、リア延長軸(504)を備えることができる。リア延長軸(504)は、ソールから見たときに、ソール延長部の中心を通って延びることができる。リア延長軸(504)は、ソール視において、軸(504)に沿った任意に点において、ソールリア延長部(500)の両サイドからほぼ等距離となるように位置することができる。
図35および36に示されるように、リア延長部(500)自身は、リア延長軸がYZ平面(193)にリア延長角度(508)で交差するように配置することができる。いくつかの実施形態では、リア延長軸(504)は、リターン部(177)の後端に近接した点でYZ平面(193)に交差することができる。リア延長角度(508)は、0度から45度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、リア延長角度(508)は、0度から10度、0度から20度、0度から30度、0度から40度、10度から20度、10度から30度、10度から40度、10度から45度、20度から30度、20度から40度、20度から45度、30度から40度、または30度から45度の範囲とすることができる。
図25~28、33および34は、以下に記載するように、角度が付けられたソール延長部を備えた他の実施形態を示す。
 
【0129】
  ウェイトが着脱可能ウェイトリセス(540)内に固定されているので、リア延長部の角度調整は、着脱可能なウェイトをクラブヘッド(100)上でヒール方向かトウ方向に位置づけることである。リア延長部(500)を角度付けることによって、延長部(500)がクラブヘッド(100)のヒール方向に角度付けられた場合、クラブ(100)はドローバイアスを有するように偏重させられ得る。他の実施形態では、クラブヘッド(100)のトウ方向にリア延長部(500)を角度付けると、クラブヘッドはフェードバイアスとなる。
【0130】
  図8を参照すると、リア延長部(500)の角形成はまた、ソールリア延長部(500)の端部とリターン部(177)の間の角度として理解され得る。第1の構成要素ソール部リア延長部トウ方向角度(850)および第1の構成要素ソール部リア延長部ヒール方向角度(855)は、補角である(すなわち、2つの角度は、180度まで加算される)。一実施形態では、トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)は、それぞれ90度であり、したがって、リア延長部(500)は、本質的に、打撃フェース(170)に対して垂直である。別の実施形態では、トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)は、2つの角度が補角であり続ける限り、それぞれ、45度から135度の間で変化し得る。例えば、トウ方向角度(850)は100度にでき、一方、ヒール方向角度(855)は補助的な80度になる。この例では、質量部(510)は、ゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(180)に向かって角度的にオフセットされている。
 
【0131】
  トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)の他の組み合わせは、110度と70度、120度と60度、130度と50度、または135度と45度であってもよい。ゴルフクラブヘッドの重心は、リア質量部(510)の位置に向かってオフセットされるであろう。例えば、重心は、ヒール端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされ得る。同様に、トウ方向の角度は減少し、ヒール方向の角度は増加する。例えば、トウ方向角度(850)とヒール方向角度の組み合わせは、80度と100度、70度と110度、60度と120度、50度と130度、または45度と135度であってもよい。例えば、重心は、トウ端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされてもよい。この角度オフセットは、ボール飛行特性に影響を与えるために、リア質量を後方でヒール方向部分または後方でトウ方向部分の方により多く配置することによってクラブヘッド重心をその方向に位置させることが望ましい場合がある。他の実施形態における角度オフセットは、第1の構成要素ソール部リア延長トウ方向角度(850)および第1の構成要素ソール部リア延長ヒール方向角(855)を異なるように組み合わせることにより、異なるクラブヘッド重心位置および異なるボール飛行特性を生成することができる。
            
2)第1の構成要素のリアソール延長部の質量
【0132】
  上述のように、第1の構成要素は、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量の大部分を含む。リア延長部(500)は、ゴルフクラブの質量の一部がクラブヘッドの後部に向かってクラブヘッドのソール内に離れて配置されることを可能にする。リア延長部(500)は、ゴルフクラブヘッドの後部に質量部を含み、そこでの質量がゴルフクラブヘッドのCGおよびMOIにさらに影響を及ぼすことを可能にする。第1の構成要素のソール部リア延長部質量部(510)は、単独で、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の20%から35%を含むことができる。この質量をリア延長部(500)の最後部に配置することは、第1の構成要素(300)の製造中にゴルフクラブヘッド(100)の質量特性を制御するための重要な態様である。
【0133】
  図9を参照すると、第1の構成要素のソール部リア延長部質量部(510)は、ねじ付き受容部(545)と、1つまたは複数のウェイトリセスタブ(546)と、ヒール側外部境界(910)とトウ側外部境界(915)と前方外部境界(918)とを有する質量部(510)と、を備える。
 
【0134】
  図10を参照すると、質量部(510)は、内部リブ幅(523)を有する複数の内部リブ(520)をさらに備える。複数の内部リブ(520)は、2つのリブ、3つのリブ、4つのリブ、5つのリブ、または5つ以上のリブを含むことができる。複数の内部リブ(520)は、リア延長部質量部の着脱可能ウェイトリセス(540)の内面と噛み合うか、またはそれに取り付けられる。内部リブ(520)は、質量部(510)における望ましくない振動を低減することができ、このことは、ゴルフクラブヘッド(100)の質量の大部分がゴルフクラブヘッドの後部まで配置されるので望ましい。質量部(510)は、垂直リップ高さ(1150)を有する垂直リップ(750)と、シェルフ長さ(1048)とシェルフ高さ(1044)とシェルフ幅(1046)とを有する質量部後縁シェルフ(1042)と、をさらに備える。シェルフ長さ(1048)は、リア延長部の幅(507)とほぼ同じであり、質量部(510)の幅が変化するにつれて変化する。
 
【0135】
  シェルフ(1042)は、第1および第2の構成要素が結合されて組み立てられたゴルフクラブヘッドを形成するときに、第2の構成要素の一部のための合わせ面を提供する。質量部(510)は、内部前方境界(1050)と、垂直リップ長さ(1052)と、をさらに含む。
【0136】
  図8を参照すると、リア部の質量体(510)の図は、YZ平面(193)によって二分される。
図11に示されるように、質量部は、内部長さ(1110)と、質量部の最大高さ(1112)と、垂直リップ高さ(1150)と、を含む。内部リブは、リブ高さ(1120)と、リブ長さ(1122)と、をさらに備える。
 
【0137】
  内部リブ幅(523)は、0.025インチから0.100インチの範囲とすることができる。例えば、内部リブ幅(523)は、0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、または0.100インチであってもよい。内部リブ高さ(1120)は、着脱可能ウェイトリセス深さ(1216)の25%から100%の範囲である。内部リブ長さ(1122)は、0.100インチから1.500インチの範囲とすることができる。例えば、内部リブ長さ(1122)は、0.100インチ、0.200インチ、0.300インチ、0.400インチ、0.500インチ、0.600インチ、0.700インチ、0.800インチ、0.900インチ、1.000インチ、1.100インチ、1.200インチ、1.300インチ、1.400インチ、または1.500インチであってもよい。
【0138】
  質量部(510)は、質量部垂直リップ(750)のほぼ上部に沿って位置する質量部の最大高さ(1112)を有する。質量部分(510)は、ヒール側外部境界(910)とトウ側外部境界(915)と前方外部境界(918)に近づくにつれて、厚さが減少する。質量部の最大高さ(1112)は、質量部(510)の最大厚さを含む。質量部分(510)の最大厚さは、0.40インチから0.70インチの範囲とすることができる。例えば、質量部(510)の最大厚さは、0.40インチ、0.50インチ、0.60インチ、または0.70インチであってもよい。
            
3)第1の構成要素の着脱可能ウェイトと埋め込みウェイト
【0139】
  組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性のさらなるコントロールを可能にするために、着脱可能ウェイトリセスと着脱可能ウェイトが設けられ、着脱可能ウェイトの質量は、組み立てられた時点でゴルフクラブヘッドの質量特性を微調整することができる。着脱可能ウェイトリセス(540)は、複数の着脱可能ウェイトリセスタブをさらに備える。複数の着脱可能ウェイトリセスタブは、2つのタブ、3つのタブ、4つのタブ、5つのタブ、または5つ以上のタブであってもよい。
【0140】
  図12を参照すると、ゴルフクラブヘッドの最後部に配置される質量をさらに増加させることが望ましい。質量部(510)は、埋め込みウェイトリセス(1220)をさらに備えてもよい。したがって、埋め込みウェイトリセス(1220)、および第1の構成要素(300)の第1の材料の第1の密度よりも高い密度を有する埋め込みウェイト材料を含む埋め込みウェイト(1600)(埋め込みウェイトリセス(1220)に受容されるように構成される)を提供することができる。
 
【0141】
  図13を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、鋼、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、金属合金、複合ポリマー材料、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料を含むことができる。多くの実施形態では、ソールウェイトはタングステンとすることができる。着脱可能ウェイト(1300)は、質量を有する。
 
【0142】
  着脱可能ウェイト(1300)の質量は、1.0グラムから35.0グラムの範囲とすることができる。例えば、着脱可能ウェイト(1300)質量は、1.0グラム、1.5グラム、2.0グラム、3.0グラム、4.0グラム、5.0グラム、6.0グラム、7.0グラム、8.0グラム、9.0グラム、10.0グラム、11.0グラム、12.0グラム、13.0グラム、14.0グラム、15.0グラム、16.0グラム、17.0グラム、18.0グラム、19.0グラム、20.0グラム、21グラム、22グラム、23グラム、24グラム、25グラム、26グラム、27グラム、28グラム、29グラム、30グラム、31グラム、32グラム、33グラム、34グラム、または35グラムであってもよい。
【0143】
  図8および
図13を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられるように構成されている。着脱可能ウェイト(1300)は、着脱可能ウェイト(1300)のほぼ中央に貫通孔をさらに備える。貫通孔は、着脱可能ウェイトねじ付き締結具(1320)を受け入れるように構成され、ねじ付き締結具(1320)がねじ付き受容ボス(542)内に螺合可能に受け入れられて、着脱可能ウェイト(1300)を着脱可能ウェイトリセス(540)内に固定することを可能にする。
 
【0144】
  図14を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、厚さ(1430)と、複数の着脱可能ウェイトオフセット(1434)と、複数の着脱可能ウェイト側溝(1438)と、をさらに含む。複数の着脱可能ウェイトオフセット(1434)は、2つのオフセット、3つのオフセット、4つのオフセット、5つのオフセット、または5つより多いオフセットであってもよい。複数の着脱可能ウェイト側溝(1438)は、2つの溝、3つの溝、4つの溝、5つの溝、または5つ以上の溝であってもよい。オフセット(1434)は、着脱可能ウェイト(1300)が着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられたときに、着脱可能ウェイトリセス(540)の壁から、着脱可能ウェイト(1300)をわずかにオフセットさせるように構成される。着脱可能ウェイト側溝(1438)は、着脱可能ウェイト(1300)が着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられたときに、着脱可能ウェイトリセスタブを受け入れるように構成される。
 
【0145】
  図16Aおよび16Bを参照すると、埋め込みウェイト(1600)は質量を有する。埋め込みウェイト(1600)の質量は、1.0グラムから20.0グラムの範囲とすることができる。例えば、埋め込みウェイト(1600)質量は、1.0g、2.0g、3.0g、4.0g、5.0g、6.0g、7.0g、8.0g、9.0g、10.0g、11.0g、12.0g、13.0g、14.0g、15.0g、16.0g、17.0g、18.0g、19.0g、または20.0gであってもよい。
 
【0146】
  埋め込みウェイト(1600)は、タングステン材料、タングステン合金材料、タングステン粒子が埋め込まれたポリマーマトリックス、または第1の材料密度より大きい密度を有する任意の他の適切な材料を含む。埋め込みウェイト(1600)は、埋め込みウェイトリセス(1220)内に嵌合し、埋め込みウェイトリセス内に恒久的に固定されるように構成される。埋め込みウェイト(1600)は、接着剤を使用して、スウェッジングまたは他の圧入方法によって、または適切な機械的取り付け手段を使用することによって、恒久的に固定されてもよい。
            
B)第2の構成要素
【0147】
  ゴルフクラブヘッド(100)は、共に結合されて中空ゴルフクラブヘッド(100)を形成するように構成された、第1の構成要素(300)および非金属の軽量の第2の構成要素(200)を備える。
図1F、
図2及び
図3に示されるように、第2の構成要素(200)は、少なくともクラウン(110)の一部と、ソール(120)と、後縁(130)と、リア切欠き(240)と、を備えることができる。
図1F及び
図2を特に参照すると、第2の構成要素(200)は、第2の構成要素クラウン部(205)と、第2の構成要素ソール部ヒール部(214)と、第2の構成要素ソール部トウ部分(212)と、第2の構成要素周囲端部(220)と、第2の構成要素ソール部リア切欠き幅(242)及び第2の構成要素ソール部リア切欠き高さ(244)を有する第2の構成要素ソール部リア切欠き(240)と、第2の構成要素ソール部後縁(230)と、を含む。いくつかの実施形態では、図示されていないが、第2の構成要素は、クラウンの一部分のみを含むことができる。これらの実施形態では、ソール部リア切欠き(240)は、クラウン(205)を囲むことができる。
【0148】
  図1~4に図示されるように、第2の構成要素クラウン部(205)は、後縁(130)の上を包み、第1の構成要素と相補的なソールの一部を一体的に形成する。第2の構成要素(200)によって形成された第2の構成要素のヒール及びトウソール部(214)(212)は、第1の構成要素の、トウ端延長部と後端延長部との間に配置された三角形状、及び後端延長部とヒール端延長部との間に配置された三角形状を含むことができる。他の実施形態では、第2の構成要素(200)によって形成されるソール部は、第1の構成要素(100)のソール部と相補的な、円形、正方形、楕円形、任意の他の多角形、または少なくとも1つの曲面を有する形状を含むことができる。第2の構成要素(200)は、さらなる接合を必要とせずに完全に一緒に形成された単一のモノリシック構成要素を含んでもよい。例えば、第2の構成要素(200)は、単一の材料を含む単一のモノリシック構成要素を射出成形することによって形成することができる。
 
【0149】
  あるいは、第2の構成要素(200)は、接着剤、音波溶接、融着、または複数の別々に形成された部分を形成する際に使用される材料に適切な他の恒久的な接合方法によってその後恒久的に接合される、複数の別々に形成された部分を備えてもよい。例えば、第2の構成要素のクラウン部(205)、トウ部(212)、およびヒール部(214)は、同じまたは異なる材料から別々に形成されてもよい。次に、第2の構成要素部分を接着接合して、完全な第2の構成要素(200)を形成することができる。後に接合される別個の部分のこのような形成は、双方向炭素繊維プリプレグ材料などの材料を使用する場合に有利であり得る。双方向炭素繊維プリプレグは、特定の小さな曲率に容易に適用することができず、所望の第2の構成要素(200)形状に到達するために単一のピースとして容易に形成することができない。このような材料を使用すると、別個のソール部(212)および(214)を形成する必要が生じ、これらのソール部は、後に接着剤または他の方法によって第2の構成要素(200)の残りの部分に接合される。
【0150】
  代替として、複数の第2の構成要素は、相互に結合することなく、第1の構成要素に離れて結合してもよい。
【0151】
  ゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素は、厚さを含むことができる。第2の構成要素の厚さは、0.030インチから0.500インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の厚さは、0.030インチから0.040インチ、0.030インチから0.045インチ、0.030インチから0.055インチ、0.045インチから0.055インチ、0.050インチから0.060インチ、0.055インチから0.065インチ、0.060インチから0.070インチ、0.065インチから0.075インチ、0.070インチから0.080インチ、0.075インチから0.085インチ、0.080インチから0.090インチ、0.085インチから0.095インチ、0.090インチから0.100インチ、0.100インチから0.200インチ、0.200インチから0.300インチ、0.300インチから0.400インチ、または 0.400インチから0.500インチの範囲とすることができる。例えば、第2の構成要素の厚さは、0.008インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、又は0.065インチとすることができる。第2の構成要素の厚さは、クラウン、ソール、ヒール端、トウ端、および後縁からさらに変化させることができる。例えば、一実施形態では、第2の構成要素の厚さは、第2の構成要素のクラウン、ソール、ヒール端、トウ端、及び後縁にわたって異なる場合がある。
【0152】
  いくつかの実施形態では、第2の構成要素はさらに、内部リブまたは内部厚肉セクションを備えている。内部リブまたは内部厚肉セクションを参照するとき、本開示は、第2の構成要素の非厚肉エリアよりも比較的厚い厚み(構成要素の外面に直交して測定される)を呈する変化する内面輪郭を有するクラブボディの一部を参照することを意図する。各例において、用語「内部」は、クラブヘッドの外側から簡単に知覚できない特徴を意味するものとして意図される。別言すると、外面は、特徴に亘っておよび構造に隣接する、明瞭なまたは実質的に明瞭な輪郭を保持している。
【0153】
  内部リブまたは内部厚肉セクションは、様々なメカニズムを通してクラブヘッドに追加の強度および/または剛性を提供してもよい。第1に、厚肉リブ/セクションは、構成要素に対して構造的フレームワークを提供するストラウト/ガセットとして機能してもよい。このように、構造自体の設計は強度を促進することができる。さらに、厚肉セクションの存在は、鋳造中に高分子フローの方向、速度および均一性を制御することを補助することができる。そのようにして、クラブヘッドの目的を支持するように材料自身の任意の異方性パラメータが方向付けられるように、埋設された繊維の配向が制御され得る。この点で、厚肉セクションは、設計された構造および設計された材料の両方を提供することができる。最後に、いくつかの実施形態では、第1の構成要素は、第2の構成要素に固定されるように構成された直立ストラウトのような強化特徴を含んでいてもよい。そのような設計では、厚肉セクションは、比較的薄肉なセクションを疲労または破断させるリスクなしに厚肉材料が任意の伝達荷重を分散させ得るように、適切な結合位置を提供し得る。
【0154】
  図3の実施形態のようないくつかの実施形態では、第2の構成要素(200)は、1つまたは複数のクラウン部薄肉セクション(255)および1つまたは複数のソール部薄肉セクション(257)を有する複数の第2の構成要素薄肉セクション(250)をさらに備える。第2の構成要素(200)は、1つまたは複数のクラウン部内部リブ(262)および1つまたは複数のソール部内部リブ(264)を有する複数の第2の構成要素内部リブ(260)をさらに備える。複数の内部リブ(260)は、2つのリブ、3つのリブ、4つのリブ、5つのリブ、または5つ以上のリブであってもよい。クラウン部(262)及びソール部(264)の内部リブは、第2の構成要素薄肉セクション(250)の間にある。クラウン部(262)及びソール部(264)の内部リブは、第2の構成要素(200)の最大厚さを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の内部リブ(260)は、参照として全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/076,511号(現在、米国特許第9,700,768号)に記載されているリブと同様とすることができる。第2の構成要素の内部リブ(260)は、ゴルフクラブヘッド(100)への応力を低減し、インパクト中の音を改善することができる。
 
【0155】
  複数の第2構成要素薄肉セクション(250)は、厚さを備える。複数の第2の構成要素薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチから0.035インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチから0.015インチ、0.010インチから0.020インチ、0.015インチから0.025インチ、0.020インチから0.030インチ、または0.025インチから0.035インチの範囲とすることができる。例えば、薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、または0.035インチとすることができる。内部リブまたは厚肉セクションの厚みは、第2の構成要素(200)の他の部分よりも最大で0.010インチ厚くてもよい。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、内部リブおよび薄肉セクションを欠いている。
【0156】
  概して
図3Bに示されるように、さらに他の実施形態では、第2の構成要素は、比較的薄いクラウン部薄肉セクション(255)によって囲まれる中央厚肉セクション(270)を備えている。1つの構成では、この中央厚肉セクション(270)は、約1.5平方インチから約3.0平方インチの総面積を有している。他の構成では、この中央厚肉セクション(270)は、約2.0平方インチから約2.5平方インチの総面積を有している。いくつかの実施形態では、中央厚肉セクション(270)は、わずかに台形であり、フェースおよび/または前方端(274)に近い厚肉セクション(270)の少なくとも一部(272)は、フェースからより遠い厚肉セクション(270)の一部よりも幅広である。そのような幅寸法は、好ましくは、クラブヘッドのヒール部とトウ部の間を伸びるフェースの水平中央線に対して平行に得られる。さらに示されるように、中央肉厚セクション(270)は、約0.8インチよりも大きい距離(d)、または0.8インチから1.0インチ、1.0インチから1.2インチ、1.2から1.4インチの間の距離だけ前方端(274)から離れてもよい。いくつかの実施形態では、距離(d)は約1.25インチである。
【0157】
  いくつかの実施形態(図示せず)では、第2の構成要素はさらに、第2の構成要素(200)の周囲または前方端(274)に沿って走るフロント肉厚ストリップを備えることができる。この肉厚ストリップは、後縁部(230)および/または中央肉厚セクション(270)と同等の厚みを備えることができる。フロント肉厚ストリップは、前方端(274)に構造的強度を付与する。フロント肉厚ストリップとクラウン部薄肉セクション(255)の間に厚み遷移領域が存在し、クラウンに亘ってストレスが伝達することを緩和することができる。第2の構成要素は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の質量百分率を含む。第2の構成要素の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の4%から15%の範囲であってもよく、または約10グラムから25グラムであってもよい。他の実施形態では、第2の構成要素の質量百分率は、4%から15%の範囲であり得る。例えば、第2の構成要素の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%であってもよい。
【0158】
  第2の構成要素は、17平方インチから25平方インチの範囲の外面面積を含む。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の表面積は、15平方インチから27平方インチ、15平方インチから18平方インチ、18平方インチから21平方インチ、21平方インチから25平方インチまでの範囲であり得る。例えば、第2の構成要素の表面積は、15平方インチ、17平方インチ、19平方インチ、21平方インチ、23平方インチ、25平方インチとすることができる。
            
1)第2の構成要素材料
【0159】
  第2の構成要素(200)は、第1の構成要素の材料よりも密度の低い材料を含む。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、ポリマー樹脂および強化繊維から形成された複合体を含むことができる。ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含むことができる。第2の構成要素(200)の複合体は、充填熱可塑性物質(FT)または繊維強化複合体(FRC)のいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素(200)は、FRCと結合したFTを備えることができる。充填熱可塑性物質(FT)は、典型的には射出成形によって所望形状にされる。名前の通り、充填熱可塑性物質(FT)は、熱可塑性樹脂とランダム配向の不連続繊維とを備えることができる。逆に、繊維強化複合体(FRCs)は、連続繊維の樹脂含侵(プリプレグ)シートから形成される。繊維強化複合体(FRCs)は、熱可塑性物質または熱硬化性樹脂を備えることができる。
【0160】
  熱可塑性樹脂を有する実施形態では、樹脂は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または熱可塑性エラストマー(TPE)を含むことができる。例えば、樹脂は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、PA6またはPA66などのポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート、エンジニアリングポリウレタン、および/または他の同様の材料を含むことができる。強度および重量は、複合体材料について考慮される2つの主要な特性であるが、適切な複合体材料はまた、音響特性のような二次的な利点を示し得る。いくつかの実施形態では、PPS及びPEEKは、インパクトを受けたときに、一般的に金属的に鳴る音響応答を発するので望ましい。
【0161】
  強化繊維は、炭素繊維(またはチョップド炭素繊維)、ガラス繊維(またはチョップドガラス繊維)、グラファイト繊維(またはチョップドグラファイト繊維)、または任意の他の適切な充填材料を含むことができる。他の実施形態では、複合体材料は、強度、耐久性、および/または重量を加える任意の補強充填剤を含むことができる。
【0162】
  第2の構成要素(200)を形成する複合体材料(樹脂と繊維の複合体)の密度は、約1.15g/ccから約2.02g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、複合体材料密度は、約1.20g/ccから約1.90g/cc、約1.25g/ccから約1.85g/cc、約1.30g/ccから約1.80g/cc、約1.40g/ccから約1.70g/cc、約1.30g/ccから約1.40g/cc、または約1.40g/ccから約1.45g/ccの範囲である。
            
            充填熱可塑性物質(FT)
         
【0163】
  FT材料については、ポリマー樹脂は、好ましくは、設計に重量節約の利益を提供しながら、典型的な使用に耐えるのに十分に高い材料強度および/または強度/重量比特性を有する1つ以上のポリマーを組み込むべきである。具体的には、ゴルフクラブヘッドの総重量に実質的に寄与せずに、打撃フェースとゴルフボールとの間のインパクト中に与えられる応力に効率的に耐えることが、設計および材料にとって重要である。一般に、ポリマーは、約60MPa(ニート)を超える降伏点引張強度を特徴とすることができる。ポリマー樹脂が強化繊維と組み合わされる場合、得られる複合体材料は、約110MPaを超える、約180MPaを超える、約220MPaを超える、約260MPaを超える、約280MPaを超える、または約290MPaを超える降伏引張強度を有することができる。いくつかの実施形態では、適切な複合材料は、約60MPa~約350MPaの降伏点引張強度を有してもよい。
【0164】
  いくつかの実施形態では、強化繊維は、複数の分散不連続繊維(すなわち、「チョップド繊維」)を含む。いくつかの実施形態では、強化繊維は、約3mmから25mmの設計繊維長を有する不連続「長繊維」を含む。いくつかの実施形態では、不連続「長繊維」は、約3mmから14mmの設計繊維長を有する。例えば、いくつかの実施形態では、繊維長は、成形プロセスの前に約12.7mm(0.5インチ)である。別の実施形態では、強化繊維は、約0.01mmから3mmの設計繊維長を有する不連続「短繊維」を含む。いずれの場合(短繊維または長繊維)においても、所与の長さは、予め混合された長さであり、成形プロセス中の破損のために、いくつかの繊維は、実際には、最終構成要素において記載された範囲よりも短くなり得ることに留意されたい。いくつかの構成では、不連続な細断繊維は、約10を超える、またはより好ましくは約50を超える、約1500未満のアスペクト比(例えば、繊維の長さ/直径)によって特徴付けられてもよい。使用される不連続チョップド繊維のタイプにかかわらず、特定の構成では、複合材料は、約0.01mmから約25mmまたは約0.01mmから約14mmの繊維長を有してもよい。
【0165】
  複合材料は、約40重量%から約90重量%、または約55重量%から約70重量%のポリマー樹脂含有量を有してもよい。第2の構成要素の複合材料は、約10重量%から約60重量%の繊維含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、複合材料は、約20重量%から約50重量%、30重量%から40重量%の繊維含有量を有する。いくつかの実施形態では、複合材料は、約10重量%から約15重量%、約15重量%から約20重量%、約20重量%から約25重量%、約25重量%から約30重量%、約30重量%から約35重量%、約35重量%から約40重量%、約40重量%から約45重量%、約45重量%から約50重量%、約50重量%から約55重量%、または約55重量%から約60重量%の繊維含有量を有する。
【0166】
  第2の構成要素(200)が充填熱可塑性(FT)材料を備える実施形態では、第2の構成要素(200)は、ポリマー樹脂と強化繊維の両方を含む1つの複合材料ペレットから射出成形することができる。強化繊維は、第2の構成要素を射出成形する前に樹脂内に埋め込むことができる。ペレットは、溶融され、空の金型に注入されて、第2の構成要素(200)を形成することができる。FT複合材料は、約210℃から約280℃の融点を有することができる。いくつかの実施形態では、複合材料は、約250℃から約270℃の融点を有することができる。
【0167】
  FT材料を備えた第2の構成要素(200)の実施形態では、繊維の少なくとも50%がクラウン(110)の中央領域に概ね前後方向に沿って整列することができる。別言すると、繊維は打撃フェース(170)に概ね直交して整列することができる。FT材料は繊維方向において最大強度を呈する。したがって、クラウン(110)の概ね前後方向に整列した繊維は、前後方向におけるクラブヘッドの耐久性を向上させることができる。繊維配列は、射出成形プロセス中の材料フローの方向に対応することができる。
【0168】
  ゴルフクラブヘッド(100)がゴルフボールを打つときに、インパクトによってリア延長部(500)の後端(180)にある質量の位置が垂直方向、Y軸(192)方向に移動することができる。インパクトのとき、ソール部リア延長部(500)は上方に向けて屈曲し、第2の構成要素のクラウン部(205)上に応力を作用させる。クラウン部は、第1の構成要素のリア延長部(500)と第1の構成要素(300)のフロント部の間で圧縮される。したがって、FTを備えた第2の構成要素(200)の実施形態では、インパクト時に予想される圧縮応力の方向に繊維を整列させることは、第2の構成要素(200)の複合体の破損の可能性を低下させる。
【0169】
  いくつかの実施形態では、第2の構成要素(200)は、長繊維強化TPU材料(FT材料の一例)から形成され得る。長繊維TPUは、約40重量%の長炭素繊維を含むことができる。長繊維TPUは、短炭素繊維化合物の弾性率よりも大きい高い弾性率を示すことができる。長繊維TPUは、高温に耐えることができ、高温環境で使用および/または保管されるゴルフクラブヘッドでの使用に適したものにする。長繊維TPUは、さらに高い靭性を示し、従来の金属構成要素の代替品としての役割を果たすことができる。いくつかの実施態様において、長繊維TPUは、約26,000MPaから約30,000MPa、または約27,000MPaから約29,000MPaの間の引張弾性率を含む。いくつかの実施態様において、長繊維TPUは、約21,000MPaから約26,000MPa、または約22,000MPaから25,000MPaの間の曲げ弾性率を含む。長繊維TPU材料は、約0.5%から約2.5%の引張伸び(破断点)を示すことができる。いくつかの実施形態では、複合TPU材料の引張伸びは、約1.0%から約2.0%、約1.2%から約1.4%、約1.4%から約1.6%、約1.6%から約1.8%、約1.8%から約2.0%とすることができる。
            
            繊維強化複合体(FRC)
         
【0170】
  いくつかの実施形態では、第2の構成要素(200)は、繊維強化複合体(FRC)材料を含むことができる。FRC材料は、一般に、ポリマーのより大きな部分を横切って延在する一方向または多方向繊維布の1つまたは複数の層を含む。充填熱可塑性(FT)材料に使用することができる強化繊維とは異なり、FRCに使用される繊維の最大寸法は、FT材料に使用されるものよりも実質的に大きく/長くすることができ、ポリマーとは別個の連続布として提供することができるように十分なサイズおよび特性を有することができる。熱可塑性ポリマーで形成される場合、ポリマーが溶融したときに自由に流動可能であっても、含まれる連続繊維は一般に流動性ではない。強化繊維は、75g/m2から150g/m2の面重量(長さと幅の積に対する重量の比)を備えることができる。
【0171】
  FRC材料は、一般に、繊維を所望の位置に配置し、次いで、剛性を提供するのに十分な量のポリマー材料を繊維材料に含浸させることによって形成される。このようにして、FT材料は、約45体積%を超える、またはより好ましくは約55体積%を超える樹脂含有量を有することができるが、FRC材料は、望ましくは、約45体積%未満、またはより好ましくは約35体積%未満の樹脂含有量を有する。いくつかの実施形態では、FRC材料の樹脂含有量は、25体積%から45体積%の範囲とすることができる。
【0172】
  FRC材料は、伝統的に、ポリマーマトリックスとして二液性熱硬化性エポキシを使用するが、マトリックスとして熱可塑性ポリマーを使用することも可能である。多くの場合、FRC材料は、最終製造の前に予め調製され、このような中間材料は、しばしばプリプレグと呼ばれる。熱硬化性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、中間形態で部分的に硬化され、プリプレグが最終形状に形成されると、最終硬化が起こる。熱可塑性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、冷却された熱可塑性マトリックスを含み得、これは、続いて、加熱され、そして最終形状に成形され得る。
【0173】
  FRCの第2の構成要素(200)は、複数の層(複数の薄膜とも称される)を備えることができる。各層は、プリプレグと同じ厚みを備えることができる、および/またはプリプレグと同じ厚みである。複数の層の各々は、単一方向繊維布(UD)または多方向繊維布(織物とも呼ばれる)を備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の層は、少なくとも3つのUD層を備えることができる。第2および第3の層は、ベース層に対して角度を付けることができる。0度に配向されたベース層に対し、第2および第3の層は、ベース層から±45度で配向され得る。いくつかの実施形態では、任意の適切な順序で、層は0度、+45度、-45度、+90度、-90度で配向され得る。いくつかの実施形態では、複数の層は、FRCの第2の構成要素(200)の外観を改善するために、典型的にはトップ層として配置される少なくとも1つの多方向織物層を備えることができる。
            
            混合材料
         
【0174】
  第2の構成要素(200)は、繊維強化複合弾性層と成形熱可塑性構造層の両方を含む混合材料構造を有することができる。いくつかの好ましい実施形態では、成形熱可塑性構造層は、充填熱可塑性材料(FT)から形成されてもよい。上記したように、FTは、熱可塑性材料全体に埋め込まれた不連続ガラス、炭素、またはアラミドポリマー繊維フィラーであり得る。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6もしくはPA66などのポリアミドなどのTPUであり得る。繊維強化複合弾性層は、ポリマー樹脂(またはマトリックス)中に埋め込まれた織ガラス、炭素繊維、またはアラミドポリマー繊維強化層であり得る。弾性層のポリマー樹脂は、熱可塑性または熱硬化性であり得る。
【0175】
  いくつかの実施形態では、繊維強化複合弾性層は、成形熱可塑性構造層の樹脂と同様の熱可塑性材料である。換言すると、繊維強化弾性層と成形熱可塑性構造層は、共通の繊維可塑性樹脂を備えることができる。共通の繊維可塑性樹脂を用いて弾性層と構造層を形成すると、これら層の間に強固な化学結合を形成することができる。これらの実施形態では、弾性層と構造層は、中間接着剤を使用することなく接合することができる。特定の実施形態では、第2の構成要素の弾性層は硫化ポリフェニレン(PPS)に埋設される炭素繊維布を備えることができ、第2の構成要素の構造層は充填硫化ポリフェニレン(PPS)ポリマーを備えることができる。他の実施形態では、第2の構成要素は、押出成形、射出ブロー成形、3-D印刷、または任意の他の適切な成形手段とすることができる。
            
            交差接続部材
         
【0176】
  代替実施形態では、第2の構成要素(200)は、1つまたは複数の内部交差接続部材(図示せず)を有することができる。交差接続部材は、付加的な構造剛性又は音響制御を提供することができる。内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の内部の非隣接部分を接続する部材を含むことができる。例えば、交差接続部材は、第2の構成要素クラウン部分(205)の内面を第2の構成要素ソール部ヒール部(214)又は第2の構成要素ソール部トウ部(212)の一方に接続することができる。内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の最前端の内面から第2の構成要素後縁部(230)の内面まで完全に延在する長さを含んでもよく、又は内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の最前端の内面から第2の構成要素後縁部(230)の内面まで完全に延在しない長さを含んでもよい。内部交差接続部材は、厚さを備える。内部交差接続部材の厚さは、0.01インチから0.25インチまでの範囲とすることができる。例えば、内部交差接続部材の厚さは、0.01インチ、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、0.20インチ、又は0.25インチとすることができる。
            
II)  ゴルフクラブヘッド(ウェイトチャネルを含む)の第2実施形態
【0177】
  図17に示す第2実施形態のゴルフクラブヘッド(2100)は、ウェイトチャネルを有する第1の構成要素(2300)と、第1の構成要素(2300)上に接合する第2の構成要素(2200)と、を備える。ゴルフクラブヘッド(2100)の第1の構成要素(2300)は、ウェイトシステムを除いて、ゴルフクラブヘッド(100)の第1の構成要素(300)と同様であり得る。ゴルフクラブヘッド(2100)の第2の構成要素(2200)は、上述のゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素と同様とすることができる。ゴルフクラブヘッド(2100)は、打撃フェース(2170)と、打撃フェースリターン(2177)と、ホーゼル(2140)と、クラウン(2110)と、ソール(2120)と、ヒール端(2160)と、トウ端(2150)と、後端(2180)の最後部にある後縁(2130)を備えるスカート(2125)と、ソール部ホーゼルアダプタ取付リセス(2195)と、を形成する。スカート(2125)は、ホーゼル(2140)の後方において、クラブヘッドの周囲に沿ってクラウン(2110)とソール(2120)の間を延びることができる。
 
【0178】
  図18に示すように、第1の構成要素(2300)は、リア延長部(2500)を含むことができる。リア延長部(2500)は、ソール(2120)の一部を含むことができる。リア延長部(2500)は、ウェイトチャネル(2540)を備える。ウェイトチャネル(2540)は、クラブヘッド(2300)の後端(2180)およびソール(2120)で露出している。
 
【0179】
  ウェイトチャネル(2540)は、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイト(2350)を受容するように構成される。ウェイト(2350)は、ねじ付き締結具(2320)によってウェイトチャネル(2540)に固定することができる。ウェイト(2350)は、トウ側位置、中央位置、またはヒール側位置に配置することができる。ウェイトチャネル(2540)は、取り付け壁(2542)およびソール壁(2550)を備える。取り付け壁(2542)は、ソール(2120)に対してほぼ垂直に配向することができる。ソール壁(2550)は、メインソール(2120)にほぼ平行に配向することができるが、取り付け壁(2542)の高さに等しい距離だけ内側に入ることができる。可動ウェイト(2350)は、細長い、台形の形状、または任意の他の適切なウェイトを備えることができる。可動ウェイト()(2350)は、内側壁および接続壁を備えることができる。可動ウェイト(2350)は、内側壁および接続壁を備えることができる。内側壁は、ウェイトチャネル(2540)のソール壁(2550)と同一平面にある。接続壁は、ウェイト(2350)が3つの位置のうちの1つに取り付けられるとき、取り付け壁(2542)と同一平面にある。
【0180】
  可動ウェイト(2350)の質量は、1.0グラムから35.0グラムの範囲とすることができる。例えば、可動ウェイト(2350)の質量は、1.0グラム、2.0グラム、3.0グラム、4.0グラム、5.0グラム、6.0グラム、7.0グラム、8.0グラム、9.0グラム、10.0グラム、11.0グラム、12.0グラム、13.0グラム、14.0グラム、15.0グラム、16.0グラム、17.0グラム、18.0グラム、19.0グラム、20.0グラム、21.0グラム、22.0グラム、23.0グラム、24.0グラム、25.0グラム、26.0グラム、27.0グラム、28.0グラム、29.0グラム、30.0グラム、31.0グラム、32.0グラム、33.0グラム、34.0グラム、または35.0グラムであってもよい。クラブヘッドの後端(2180)におけるウェイトチャネル(2540)内の質量の集中は、ヘッド重心を戦略的に配置させることができ、ゴルフクラブの打ち出し特性を改善することができる。
【0181】
  ウェイトチャネル(2540)の取り付け壁(2542)は、3つのウェイト位置に対応する3つのねじ穴を備える。取付け壁(2542)は、トウ側ねじ穴(2544)と、中央ねじ穴(2546)と、ヒール側ねじ穴(2548)と、を含む。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)をトウ側ねじ穴(2544)に固定することによって、トウ側位置に位置決めされる。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)を中央ねじ穴(2546)内に固定することによって、中央位置に位置決めされる。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)をヒール側ねじ穴(2548)内に固定することによって、ヒール側位置に位置決めされる。
【0182】
  図19Aのソール図に例示されているように、可動ウェイト(2350)が中央位置に配置されると、ゴルフクラブ(2100)は、ドローまたはフェードバイアスを与えないように構成される。
図19Bに図示されるように、ウェイト(2350)がトウ側位置に配置されるとウェイト(2350)はクラブヘッドにフェードバイアスを与える。
図19Cに図示されるように、ウェイト(2350)がヒール側位置に配置されるとき、ウェイト(2350)は、クラブヘッドにドローバイアスを与える。ウェイト(2350)がより大きい質量を有していると、トウ側またはヒール側にそれぞれ配置されたときにウェイト(2350)はより大きなフェードまたはドローバイアスを生じさせる。トウ側の位置、中央の位置、および、ヒール側の位置のそれぞれの間のより大きな分離距離はまた、フェードまたはドローバイアスを増加させ得る。したがって、いくつかの実施形態では、可動ウェイト(2350)の質量は、所望のショットバイアスを実現するために、ウェイト位置の分離距離との間でバランスすることができる。
 
【0183】
  図20および21を参照すると、可動ウェイト(2350)がウェイトチャネル(2540)に収容されると、可動ウェイト(2350)はウェイトチャネル(2540)のソール壁(2550)からギャップを置いてオフセットされる。ギャップまたはオフセット距離(2557)は、可動ウェイト(2350)とソール壁(2550)の間の最小距離として測定され得る。オフセット距離(2557)は、約0.004インチから0.050インチの間とすることができる。いくつかの実施形態では、オフセット距離(2557)は、約0.004インチから0.010インチ、0.006インチから0.010インチ、0.008インチから0.012インチ、0.010インチから0.014インチ、約0.012インチから0.016インチ、0.014インチから0.018インチ、0.016インチから0.020インチ、0.020インチから0.030インチ、0.030インチから0.040インチ、または0.040インチから0.050インチの間とすることができる。オフセット距離(2557)がより大きくなると、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールをインパクトした後に、可動ウェイト(2350)が上下に発振または振動することができる。この振動により、経年劣化を生じさせ得る締結具(2320)、ねじ穴(2544、2546、2548)および/またはウェイトチャネル(2540)に応力が伝達され得る。
 
【0184】
  可動ウェイト(2350)の垂直方向への振れを低下させることは、可動ウェイト(2350)が垂直方向に振れることを許容する同様の設計と比較して、10%超、20%超、30%超、または40%超の応力を緩和し得る。いくつかの実施形態では、ウェイト(2350)の垂直方向への振れの低下は、有限要素解析(FEA)シミュレーションによると、応力が約40%未満となる。可動ウェイト(2350)の垂直方向への振れ(クラウンまたはソールに向けて)は、可動ウェイト(2350)の振動振幅に関係する。可動ウェイト(2350)の垂直方向への振れは、可動ウェイト(2350)とソール壁(2550)の間の上記したオフセット距離(ギャップサイズ)によって制限され得る。いくつかの実施形態では、可動ウェイト(2350)の垂直方向への振れを低下させることによって耐久性を維持するために、オフセット距離は、0.04インチ未満、0.03インチ未満、0.02インチ未満、0.01インチ未満、0.009インチ未満、0.008インチ未満、0.007インチ未満、0.006インチ未満、または0.005インチ未満にしなければならない。
【0185】
  ウェイト(2350)の垂直方向への振れおよび振動はまた、可動ウェイト(2350)とソール壁(2550)の間の超高接合(VHB)テープのような丈夫なテープ(2558)を挿入することによって制御され得る。VHBテープ(2558)はギャップの大部分を充填する。いくつかの実施形態では、VHBテープ(2558)はギャップを完全に充填する。VHBテープ(2558)は、可動ウェイト(2350)の振動を低下または除去することができる。
【0186】
  第1の構成要素(2300)は、ソール部リア延長部(2500)と、打撃フェースリターンクラウン部(2400)と、打撃フェースリターンソール部(2810)と、を含む。打撃フェースリターンソール部(2810)は、ヒール延長部(2830)及びトウ延長部(2820)を含む。ヒール延長部(2830)は、リア壁(2832)を含む。トウ延長部(2820)は、リア壁(2822)を含む。
【0187】
  第1の構成要素リア延長部(2500)は、ウェイトチャネル(2540)を打撃フェースソールリターン(2810)に接続するトウ側壁(2522)およびヒール側壁(2532)を備える。リア延長部トウ側壁(2522)およびトウ延長部リア壁(2822)は、トウ側壁角度(2850)を形成することができる。トウ側壁角度(2850)は、45度から180度の範囲とすることができる。リア延長部ヒール側壁 (2532)およびヒール延長部リア壁(2832)は、ヒール側壁角度(2855)を形成することができる。ヒール側壁角度(2855)は、45度から180度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度(2850)は、ヒール側壁角度(2855)にほぼ等しい。他の実施形態では、トウ側壁角度(2850)とヒール側壁角度(2855)は異なる。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度(2850)およびヒール側壁角度(2855)は、補角(それらの合計は、ほぼ180度に等しい)である。これらの実施形態では、トウ延長部リア壁(2822)およびヒール延長部リア壁(2832)は、ほぼ同じ平面内に位置する(トウリア壁(2822)およびヒールリア壁(2832)は、ソールから見てほぼ平行である)。例えば、トウ側壁角度(2850)は鋭角とすることができ、一方、ヒール側壁角度(2855)は補角とすることができる。
【0188】
  図19および
図22を参照すると、いくつかの実施形態は、鈍角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。
図23を参照すると、いくつかの実施形態は、約90°のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。
図24を参照すると、いくつかの実施形態は、鋭角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。鈍角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を有する実施形態は、応力をソール(2120)内の後方に滑らかに分散させることができる。鈍角は、ソール(2120)の強度を増大させ、ソールリア延長部(2500)を支持することができる。しかしながら、鋭角を有する実施形態は、鈍角または90度の角度を有する実施形態よりも小さい質量を有する第1の構成要素を含むことができる。したがって、鋭角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を有する実施形態は、高いMOIなどの改善されたウェイト特性を可能にすることができる。
 
【0189】
  ウェイトチャネル(2540)は、
図19~21の実施形態に示すように、リアソール延長部(2500)の主要部分を越えて外側に扇形に広がることができる。これらの実施形態では、ウェイトチャネル(2540)がトウ方向およびヒール方向に延在するところでは、リア延長部トウ側壁(2522)およびヒール側壁(2532)はそれぞれ、ウェイトチャネル(2540)に隣接して屈曲部を有する。
図22に示すような他の実施形態では、リア延長部トウ側壁(2522)及びヒール側壁(2532)は真っ直ぐであってもよい。いくつかの実施態様において、リア延長トウ側壁(2522)は、リア延長ヒール側壁(2532)と平行であり得る。いくつかの実施形態では、リア延長トウ側壁(2522)は、リア延長ヒール側壁(2532)に対して非平行であり得る。  リア延長部(2500)は、リターン部(2810)から異なる位置に延びることができる。リア延長部(2500)の位置のこの移動は、リア延長部(2500)がリターン部(2810)に対してどのように角度付けられるかに影響を及ぼし得る。リア延長軸(2504)は、リア延長部(2500)の中心に近似している。リア延長軸(2504)は、リア延長部の前方中間点(2502)とウェイトチャネル(2540)の中央ねじ穴(2546)との間に延在する。前方中間点(2502)は、トウ側交点(2824)とヒール側交点(2834)との間の中間に位置する。トウ側交点(2824)は、トウ延長リア壁(2822)が、リア延長トウ側壁(2522)と交差し、接続する点である。同様に、ヒール側交点(2834)は、ヒール延長リア壁(2832)がリア延長ヒール側壁(2532)と交差し、接続する点である。トウ側およびヒール側の交点(2824および2834)は、前方ソール部(2810)の後端に沿った任意の場所に位置され得る。いくつかの実施態様において、トウ/ヒール延長リア壁(2822/2832)とリア延長ソール/ヒール側壁(2522/2532)との間の接続部は、それぞれ、充填、傾斜、または面取りされる。
【0190】
  第1の構成要素(2300)のソールリア延長部(2500)は、交点平面(2840)に対して角度を付けることができる。
図19および22~28に図示されるように、交点平面(2840)は、トウ側交点(2824)およびヒール側交点(2834)と一致する。いくつかの実施形態では、交点平面(2840)は、XY平面(191)と平行に延びる。
図19~
図24のようないくつかの実施形態では、リア延長部(2500)は、直線的に後方へ延在し、その結果、交点平面(2840)およびリア延長軸(2504)は、ソールから見ると、ほぼ90度の角度を形成する。
図25~28のものなどのいくつかの実施形態では、交点平面(2840)およびリア延長軸(2504)は、90度でない角度で交差する。
【0191】
  トウ側軸角度(2860)は、交点平面(2840)からリア延長軸(2504)のトウ側にあるリア延長軸(2504)まで(ソール図において)測定される。ヒール側軸角度(2865)は、交差平面(2840)からリア延長軸(2504)のヒール側にある延長軸(2504)まで(ソール図において)測定される。トウ側軸角度(2860)とヒール側軸角度(2865)は、補角(180度に加算)である。
【0192】
  図25を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、クラブヘッド(2100)のヒール端(2160)よりもクラブヘッド(2100)のトウ端(2150)に近い打撃フェースソールリターン(2810)に取り付けられる。これらの実施形態では、トウ側軸角度(2860)は90度より大きく、ヒール側軸角度(2865)は90度より小さい。ウェイトチャネル(2540)は、ゴルフクラブヘッド(2100)の後端(2180)の中央に位置したままである。第1の構成要素のリア延長部(2500)の位置のために、第2の構成要素(2200)は、ソール(2120)のヒール側のより大きな部分を占めることができる。より具体的には、第2の構成要素のヒールソール部(2214)は、第2の構成要素のトウソール部(2212)よりも大きくすることができる。
 
【0193】
  図26を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、クラブヘッド(2100)のトウ端(2150)よりもクラブヘッド(2100)のヒール端(2160)に近い打撃フェースソールリターン(2810)に取り付けられる。この実施形態では、トウ側軸角度(2860)は90度より大きく、ヒール側軸角度(2865)は90度より小さい。ウェイトチャネル(2540)は、ゴルフクラブヘッド(2100)の後端(2180)の中央に位置したままである。第1の構成要素(2300)のリア延長部(2500)の位置のために、第2の構成要素(2200)は、ソール(2120)のトウ側のより大きな部分を占めることができる。より具体的には、第2の構成要素のトウソール部(2212)は、第2の構成要素のヒールソール部(2214)よりも大きくすることができる。リア延長部の結合位置によって、ゴルフクラブヘッド(2100)のウェイト特性および打ち上げ特性が変更される可能性がある。
 
【0194】
  図27および
図28を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、様々な幅を有することができる。これらの実施形態では、トウ側壁角度(2850)およびヒール側壁角度(2855)は、補角でなくてもよい(合計で180度でなくてもよい)。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)の両方が鋭角であってもよく、第1の構成要素の重量を低減し、クラブヘッドにおけるより大きな周辺重量を可能にする。他の実施形態では、トウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)の両方が鈍角であってもよく、ソールの耐久性を高め、ゴルフクラブヘッド(2100)の製造アセンブリを単純化する。
 
【0195】
  リア延長幅(2507)は、前方ソール部(2810)の後方周囲の後方でヒールからトウ方向に測定される。リア延長幅(2507)は、ゴルフクラブ(2100)のソール(2120)の全幅未満である。リア延長幅(2507)は、ソール(2120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。リア延長幅(2507)は、ソール(2120)の全幅の25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%であってもよい。ウェイトチャネル(2540)に隣接するリア延長部の幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる。トウ側交点(2824)とヒール側交点(2834)の間のリア延長幅(8507)は、1インチから5インチの範囲とすることができる。リア延長幅(2507)は、
図27及び28に示すように、ウェイトチャネル(2540)に隣接して大きくすることができ、又はリターン部(2810)に隣接して大きくすることができる。
【0196】
  図37および38を参照すると、第1の構成要素(2300)のソール延長部(2500)の位置はまた、打撃フェース(2170)とXYZ座標系との関係で理解することができる。リア延長角度(2508)は、ソール視において、リア延長軸(2504)とYZ平面(193)の間で測定され得る。いくつかの実施形態では、リア延長軸(2504)は、クラブヘッド(2100)の後端(2180)に隣接してYZ平面に交差することができる。他の実施形態では、リア延長軸(2504)は、クラブヘッド(2100)のリターン部(2177)とクラブヘッド(2100)の後端(2180)の間の点でYZ平面に交差することができる。リア延長角度(2508)は、0度から45度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、リア延長角度(2508)は、0度から10度、0度から20度、0度から30度、0度から40度、10度から20度、10度から30度、10度から40度、10度から45度、20度から30度、20度から40度、20度から45度、30度から40度、または30度から45度の範囲とすることができる。
 
【0197】
  図37の実施形態では、リア延長軸(2504)は、クラブヘッド(2100)の後端(2180)に隣接してまたは後端(2180)でYZ平面に交差している。リア延長部(2500)の前端は、トウ端(2150)よりもヒール端(2160)の近くに位置している。リア延長部(2500)の前端を移動させることにより、第1の構成要素(2300)が第2の構成要素よりも高密度なのでクラブヘッド(2100)のCGおよびMOIが影響を受ける。クラブヘッド(2100)のヒール端(2160)内における第1の構成要素(2300)のより多くの配置は、クラブヘッド(2100)のヒール端(2160)内の質量を増加させる。
 
【0198】
  図38の実施形態では、リア延長軸(2504)は、クラブヘッド(2100)のクラブヘッド(2100)の後端(2180)に隣接してまたは後端(2180)でYZ平面に交差している。リア延長部(2500)の前端は、ヒール端(2160)よりもトウ端(2150)の近くに位置している。クラブヘッド(2100)のトウ端(2150)内における第1の構成要素(2300)のより多くの配置は、クラブヘッド(2100)のトウ端(2150)内の質量を増加させる。
 
【0199】
  図39を参照すると、いくつかの実施形態では、リターン部(2177)の後端(2410)は、XY平面(191)に対して角度が付けられ得る。いくつかの実施形態では、後端(2410)は交差平面(2840)に対して整列することができる。他の実施形態では、後端(2410)は少なくとも部分的に湾曲または角度が付けられており、交差平面(2840)に対して完全に整列していない。いくつかの実施形態では、
図40に示されるように、後端(2410)の一部は、交差平面(2840)がXY平面(191)に対して角度が付けられていながらも、XY平面(191)に平行とすることができる。後端角度(2411)は交差平面(2840)とXY平面(191)の間で画定され得る。後端角度(2411)は、0度から45度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、後端角度(2411)は、0度から10度、10度から20度、20度から30度、または30度から45度の範囲とすることができる。後端(2410)の角度形成は、クラブヘッド(2100)のヒール端(2160)またはトウ端(2150)により多くの質量を配置する。
 
【0200】
  図40を参照すると、いくつかの実施形態では、後端(2410)の一部は、後端(2410)の残りの部分からオフセットされている。例えば、リア延長部(2500)のトウ側の後端(2410)の一部(以下、「後端トウ側部(2412))はさらに、リア延長部(2500)のヒール側の後端(2410)の一部(以下、「後端ヒール側部(2413))よりも前方とすることができる。後端トウ側部(2412)は、後端ヒール側部(2410)から距離(2414)だけオフセットされ得る。
図40に示される実施形態では、後端ヒール側部(2413)は、後端トウ側部(2412)から後方に距離(2414)だけオフセットされている。他の実施形態では、後端トウ側部(2412)は、ヒール側部(2413)から後方にオフセットされ得る。さらに他の実施形態では、リターン部(2177)の後端(2410)は、弓形、放物線状、テーパ状、または第1の構成要素(2300)の特定の質量特性および/またはインパクト耐久性に貢献する形状とすることができる。
            
            
第2の構成要素
          
【0201】
  図29および
図30に示すように、第2の構成要素は、クラウン部(2205)と、後縁部(2230)と、ソールトウ部(2212)と、ソールヒール部(2214)と、を含むことができる。クラウン部(2205)は、ソールトウ部(2212)とソールヒール部(2214)とを接続する。後縁部(2230)は、クラウン部(2205)をソールトウ部とヒール部(2212および2214)に接続する。クラウン部(2205)、ソールトウ部(2212)およびソールヒール部(2214)は、第2の構成要素(2200)のソール側におけるリア切欠き(2240)を画定する。
図29に示すようないくつかの実施形態では、リア切欠き2240は、ソールのみに切り込まれる。
図30に示すようないつくかの他の実施形態では、リア切欠き2240は、ソール部およびクラウン部(2205)の両方に切り込まれる。ソールおよびクラウン部(2205)の両方に切り込む実施形態は、クラブヘッド(2100)の後端(2180)において、第1の構成要素(2300)のウェイトチャネル(2540)のためのより多くの空間を可能にする。
 
【0202】
  第2の構成要素のソールトウ部(2212)およびソールヒール部(2214)は、
図22~28に示すように、第1の構成要素(2300)の寸法に対応するように寸法決めすることができる。例えば、第2の構成要素のソールトウ部(2212)は、
図22~
図24の実施形態のように、リア延長部(2500)が中央に配置されるとき、ソールヒール部(2214)とほぼ同じサイズであってもよい。リア後方延長軸(2504)が交差平面(2840)に対して角度が付けられている実施形態では、ソールトウ部(2212)は、
図25および
図26の実施形態に示すように、ソールヒール部分(2214)よりも小さくても大きくてもよい。
【0203】
  いくつかの実施形態では、第2の構成要素(2200)は、第1のゴルフクラブヘッド(100)の実施形態について上述したのと同様の方法で第1の構成要素(2300)に固定することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(2300)および第2の構成要素(2200)の材料も、第1のゴルフクラブヘッド(100)の実施形態について上述したものと同様とすることができる。
            
III)  ゴルフクラブヘッド(クラウンブレースと、分離された第2の構成要素と、を含む)の第3実施形態
【0204】
  図37~
図41および
図53に示されるゴルフクラブヘッドの第3実施形態(3100)は、第1の構成要素(3300)と、第1の構成要素(3300)上に接合する第2の構成要素(3200)と、を備える。第1の構成要素(3300)は、ソールリア延長部(3500)と、クラウンブレース(3560)と、を備える。第3実施形態のゴルフクラブヘッドの第1の構成要素(3300)は、クラウンブレース(3560)が追加されたことを除いて、ゴルフクラブヘッド(100および2100)の第1の構成要素(300および1300)と同様であり得る。第2の構成要素(3200)は、トウ部(3212)と、ヒール部(3214)と、を備え得る。トウおよびヒール部(3212および3214)は、別個の構成要素であり得る。2構成要素設計を除いて、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素(3200)は、ゴルフクラブヘッド(100および2100)の第2の構成要素(200および2200)と同様であり得る。ゴルフクラブヘッドは、打撃フェース(3170)と、リターン部(3177)と、ホーゼル(3140)と、クラウン(3110)と、ソール(3120)と、ヒール端(3160)と、トウ端(3150)と、後端(3180)の最後部で後縁(3130)を有するスカート(3125)と、を形成している。スカート(3125)は、ホーゼル(3140)の後方で、クラウン(3110)とソール(3120)との間でクラブヘッドの周囲に沿って延在し得る。
 
【0205】
  図40および
図41を参照すると、第2の構成要素のトウ部(3212)は、ゴルフクラブヘッドが完全に組み立てられたときにクラウン(3110)の中心部に沿って位置するように構成されたトウ部中心縁(3220)と、トウ部中心縁(3220)からトウ端(3150)まで測定されるトウ部最大クラウン幅(3222)と、前端から後端まで測定されるトウ部最大クラウン長さ(3224)と、を備え得る。第2の構成要素のヒール部(3214)は、ゴルフクラブヘッドが完全に組み立てられたときにクラウン(3110)の中心部に沿って位置するように構成されたヒール部中心縁(3216)と、ヒール部中心縁(3216)からヒール端(3160)まで測定されるヒール部最大クラウン幅(3217)と、前端から後端まで測定されるヒール部最大クラウン長さ(3218)と、を備え得る。
 
【0206】
  トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、同じ最大長さ(3224および3218)を有し得る。代替的には、トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、一方が他方よりも大きいように変化し得る最大長さ(3224および3218)を有することができる。トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、同じ最大幅(3222および3217)を有することができる。代替的には、トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、一方が他方よりも大きいように変化し得る最大幅(3222および3217)を有することができる。最大長さは、3.0インチから6.0インチであり得る。最大長さは、3.0インチ、3.1インチ、3.2インチ、3.0インチ、3.4インチ、3.5インチ、3.6インチ、3.7インチ、3.8インチ、3.9インチ、4.0インチ、4.1インチ、4.2インチ、4.3インチ、4.4インチ、4.5インチ、4.6インチ、4.7インチ、4.8インチ、4.9インチ、5.0インチ、5.1インチ、5.2インチ、5.3インチ、5.4インチ、5.5インチ、5.6インチ、5.7インチ、5.8インチ、5.9インチ、または6.0インチであり得る。
【0207】
  図37~
図39に示されるように、第3の実施形態の第1の構成要素(3300)は、ソールリア延長部(3500)およびクラウンブレース(3560)の両方を備え得る。ソールリア延長部(3500)は、後端(3180)でウェイトチャネル(3540)を収容している。クラウンブレース(3560)は、前方クラウン部(3400)およびソールリア延長部(3500)に取り付けられている。クラウンブレース(3560)は、クラブヘッドの後端(3180)でウェイトチャネル(3540)に隣接するソールリア延長部(3500)に取り付けられている。
図39に示されるように、クラウンブレース(3560)およびリア延長部(3500)のウェイトチャネル(3540)は、ハンマーヘッド形状を形成し得る。他の実施形態では、クラウンブレース(3560)およびリア延長部(3500)接続の形状は、フィレット、ラウンド、または他の形状であり得る。
 
【0208】
  クラウンブレース(3560)は、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールをインパクトするときに、ソールリア延長部(3500)が、はるか上に曲がり過ぎることを防止するための支持を提供し得る。ウェイトチャネル(3540)が可動ウェイト(3350)を収容しているため、ウェイトチャネル(3540)は、相当量の質量を保持している。ウェイトチャネル(3540)およびウェイト(3350)の質量は、ソールリア延長部(3500)によって支持されている。しかしながら、ゴルフボールとのインパクトは、リア延長部(3500)のウェイトチャネル(3540)部を上に曲がらせ得る。リア延長部(3500)のこの上方屈曲は、クラウン(3110)内に圧縮応力を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、これら応力は、クラウン(3110)の大部分を形成している第2の構成要素(3200)内で破壊または亀裂を生じさせ得る。クラウンブレース(3560)は、ソールリア延長部(3500)の応力発生屈曲(またはクラムシェル効果)を防止する支持を提供し得る。言い換えると、クラウンブレース(3560)は、ウェイトチャネル(3540)の振動および発振を低減し得る。
【0209】
  いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド(100および2100)のソールリア延長部(500および2500)に角度が付いているのと同様に、ソールリア延長部(3500)およびクラウンブレース(3560)に、共に角度が付いていてもよい。いくつかの実施形態では、クラウンブレース(3560)は、ソールリア延長部(3500)の角度とは異なる角度で位置している。
【0210】
  図39を参照すると、クラウンブレース(3560)は、クラウンブレース長手軸(3565)を備える。クラウンブレース長手軸(3565)は、クラウンブレース(3560)をその最大長さに沿って二等分している。いくつかの実施形態では、クラウンブレース長手軸(3565)は、リア延長軸(2504)と平行に、または代替的には、クラウンブレース長手軸(3565)がリア延長軸(2504)に対して鋭角を形成するようにリア延長軸(2504)と非平行に、ゴルフクラブヘッドのヒール端またはトウ端に向けてオフセットされ得る。
 
【0211】
  クラウンブレース(3560)は、トウ側縁(3562)と、ヒール側縁(3564)と、を備え得る。クラウンブレース(3560)は、トウ側縁(3562)からヒール側縁(3564)まで測定される幅(3561)を備え得る。クラウンブレース幅(3561)は、0.05インチから0.8インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、クラウンブレース幅(3561)は、0.05インチから0.1インチ、0.1インチから0.2インチ、0.2インチから0.4インチ、0.3インチから0.5インチ、0.3インチから0.6インチ、または0.4インチから0.7インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、クラウンブレース幅は、略、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.35インチ、0.4インチ、0.45インチ、0.5インチ、0.55インチ、0.6インチ、0.65インチ、0.7インチ、0.75インチ、または0.8インチであり得る。クラウンブレース幅(3561)は、クラウンブレース(3560)の質量に影響を及ぼし得るか、または当該質量を決定し得る。裁量質量を保つために、クラウンブレース(3560)は、0.6g未満、0.5g未満、0.4g未満、0.3g未満、0.2g未満、または0.1g未満の重量であるように設計され得る。
【0212】
  図40および
図41を参照すると、第2の構成要素(3200)の2つの部分は各々、クラウン(3110)、ソール(3120)、および後縁(3130)の部分を備え得る。トウ部(3212)は、第1の構成要素(3300)の外周リップまたはレッジ(図示せず)に対して嵌合して固定されるように構成され得る。特に、トウ部(3212)は、リア延長部トウ側壁(3522)に係合し、且つクラウンブレーストウ側壁(3562)と重複するように構成され得る。ヒール部(3214)は、リア延長部ヒール側壁(3532)に係合し、且つクラウンブレースヒール側壁(3564)と重複するように構成され得る。
 
【0213】
  第2の構成要素(3200)が2つの別個の部分(3212および3214)を備えるため、第2の構成要素(3200)は、2ステップで第1の構成要素(3300)上に組み立てられ得る。例えば、まず、トウ部(3212)は、トウからヒールへの方向に第1の構成要素(3300)上にスライドされ得る。ヒール部(3214)は、ヒールからトウへの方向に第1の構成要素(3300)上に別々にスライドされ得る。以下でより詳細に記載されるように、第2の構成要素(3200)は、ヒールおよびトウ側から第1の構成要素上に組み立てられ得るため、第1の構成要素(3300)は、より複雑な外形を有し得る。第1(3300)および第2(3200)の構成要素の材料は、第1のゴルフクラブヘッド(100)実施形態について上述したものと同様であり得る。
【0214】
  2つの第2の構成要素部分(3212および3214)が第1の構成要素上に組み立てられると、2つの部分(3212および3214)は、クラウンブレース(3560)を完全に覆うように位置し得る。クラウンブレース(3560)を完全に覆うことにより、2つの部分(3212および3214)と第1の構成要素(2300)との間の強力な結合ジョイントが確実となり得る。2つの部分(3212および3214)は、ゴルフクラブヘッドの外部に露出する、クラウンブレース(3560)の部分がないように位置し得る。
【0215】
  代替的な実施形態では、クラブヘッド(3100)は、クラウンブレース(3560)なしで形成され得るが、依然、2つの第2の構成要素部分(3212および3214)を備える。2つの第2の構成要素部分(3212および3214)は、中心縁内部延長部を備え得、それによって構成要素部分(3212および3214)が接続されている。内部延長部は、各々の部分の中心縁全体に沿って延在し得るか、または各々の部分の中心縁の一部のみに沿って延在し得る。内部延長部は、互いに平行に、且つY軸と略平行に、ゴルフクラブヘッド内部に向けて内向きに延在し得る。ヒール部(3214)は、ヒール部内部延長部(3234)を有し得る。トウ部(3212)は、トウ部内部延長部(3232)を有し得る。内部延長部は各々、0.1インチから1.0インチの内部延長部長さを有し得る。内部延長部長さは、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、または1.0インチであり得る。
【0216】
  図42を参照すると、いくつかの実施形態では、内部延長部(3232および3234)は、ゴルフクラブヘッドが組み立てられるとき、互いに当接するように位置し得る。内部延長部(3232および3234)は、機械的な締結具もしくはプレスフィット締結具で互いに機械的に固定され得るか、または、それらは、エポキシもしくは他の適切な接着剤を介して接着固定され得る。
 
【0217】
  別の代替的な実施形態では、ゴルフクラブヘッド(3100)は、2つの別個の第2の構成要素部分ではなく、第1および第2の実施形態(100および2100)について上述した第2の構成要素(200および2200)と同様の、単一で一体の第2の構成要素で形成され得る。この代替的な実施形態は、クラウンブレース(3560)を備え得、それは、ウェイトチャネル(3540)および単一の第2の構成要素を支持するのに役立つ。
            
IV)ゴルフクラブヘッド(2つ以上のブレースを含む)の第4実施形態
【0218】
  ゴルフクラブヘッドの第4実施形態(4100)は、第1の構成要素(4300)と、第1の構成要素(4300)上に接合する第2の構成要素(図示せず)と、を備える。この第4実施形態では、第1の構成要素(4300)は、前方クラウン部(4400)とソールリア延長部(4500)との間で延在する1つよりも多くのブレース、支持、ブリッジ、またはスパンを有し得る。ブレースは、クラブヘッドの後端の振動および発振を低減し、耐久性を増加させ得る。第4実施形態の第2の構成要素(図示せず)は、第2の構成要素(200または2200)と同様の、単一で一体の第2の構成要素であり得るか、または第2の構成要素(3200)と同様の、分離された(分割された)第2の構成要素であり得る。
【0219】
  ゴルフクラブヘッド(4100)は、上述のゴルフクラブヘッド(100、2100、および3100)と同様であり得る。完全なゴルフクラブヘッド(4100)は
図43~
図56に示されていないが、ゴルフクラブヘッド(4100)は、上述のゴルフクラブヘッド(100、2100、および3100)と同じ構成要素を形成し得る。ゴルフクラブヘッド(4100)は、打撃フェース(170、2170、3170と同様の4170)と、リターン部(177、2177、3177と同様)と、ホーゼル(140、2140、3140と同様の4140)と、クラウン(110、2110、3110と同様)と、ソール(120、2120、3120と同様)と、ヒール端(160、2160、3160と同様)と、トウ端(150、2150、3150と同様)と、後端(180、2180、3180と同様の4180)の最後部で後縁(130、2130、3130と同様)を有するスカート(125、2125、3125と同様)と、を形成している。
【0220】
  図43~
図56に示されるように、ゴルフクラブヘッド(4100)は、様々なブレース構成を有する第1の構成要素(4300)を備え得る。第1の構成要素(4300)の全ての変形例は、打撃フェース(4170)と、前方クラウン部(4400)と、前方ソール部(4810)と、前方ソール部(4810)に接続されたソールリア延長部(4500)と、を備える。リア延長部(4500)は、トウ側縁(4522)と、ヒール側縁(4532)と、ゴルフクラブヘッド(4100)の後縁(4130)で可動ウェイト(4350)の取り付けを可能にするように構成されたウェイトチャネル(4540)と、を備え得る。ウェイトチャネル(4540)および可動ウェイト(4350)は、それぞれ、主に
図17~
図21および
図41を参照して上述したようなゴルフクラブヘッド(2100、3100)のウェイトチャネル(2540、3540)および可動ウェイト(2350、3350)と同様であり得る。第1の構成要素(4300)はまた、外周リップ(4450)を備え得、それは、前方クラウン部(4400)、前方ソール部(4810)、およびソールリア延長部(4500)の縁の周囲で内向きにオフセットされている。外周リップ(4450)は、棚と同様であり得、第2の構成要素(4200)が第1の構成要素(4300)に取り付けられるときにラップジョイントとして機能し得る。ブレースは、後端(4180)でのウェイトチャネル(4540)のインパクト誘発の振動または発振を低減し、それによって、ラップジョイント全体が受ける応力を低減し得る。ラップジョイントでの応力の低減は、ラップジョイント結合の耐久性を増加させ、層間剥離を防止するのに役立つ。
 
【0221】
  第1の構成要素(4300)の全ての変形例はまた、2つ以上の(支持、ブリッジ、スパン、または接続部材とも呼ばれる)ブレースを備え得る。2つ以上のブレースは、ウェイトチャネル(4540)に安定性を提供し、ゴルフクラブヘッド(4100)がゴルフボールをインパクトした後のリアウェイトチャネルの発振および垂直変位を低減し得る。2つ以上のブレースはまた、第1の構成要素(4300)のリア延長部(4500)の横の剛性を増加させ得る。
【0222】
  図43および
図44に示される変形例では、第1の構成要素(4300)は、トウスカートブレース(4566)と、ヒールスカートブレース(4568)と、を備える。トウスカートブレース(4566)は、リターン部からクラブヘッドの後端まで延在し得る。より具体的には、トウスカートブレース(4566)は、前方クラウンおよびソール部(4400および4810)からクラブヘッド(4100)の後縁でのリア延長部(4500)まで延在し得る。トウスカートブレース(4566)およびヒールスカートブレース(4568)は、第1の構成要素(4300)の外周リップ(4450)と同じ高さに位置するように構成されている。言い換えると、トウおよびヒールスカートブレース(4566および4568)は、外周リップ(4450)と面一であり得る。第2の構成要素(4200)は、クラブヘッド(4100)が組み立てられるとき、トウおよびスカートブレース(4566および4568)に嵌合して完全に覆い得る。
 
【0223】
  図45および
図46に示される変形例では、第1の構成要素(4300)は、トウスカートブレース(4566)と、ヒールスカートブレース(4568)と、中心クラウンブレース(4560)と、を備える。トウスカートブレース(4566)およびヒールスカートブレース(4568)は、
図43および
図44の変形例について上述したトウおよびスカートブレース(4566および4568)と同様であり得る。クラウンブレース(4560)は、
図37~
図42に示される、ゴルフクラブヘッド(3100)について上述したクラウンブレース(3560)と同様であり得る。中心クラウンブレース(4560)は、前方クラウン部(4400)からクラブヘッド(4100)の後縁でのリア延長部(4500)まで延在し得る。中心クラウンブレース(4560)は、クラブヘッド(4100)のトウ端(4150)とヒール端(4160)との間の略真ん中に位置し得る。
図46などの上面図から、中心クラウンブレース(4560)は、XY面(191)に対して略垂直であり得る。中心クラウンブレース(4560)の配向は、ソールリア延長部(4500)を略二分し得る。
 
【0224】
  図47および
図48に示される変形例は、トウ側ブレース(4557)と、ヒール側ブレース(4559)と、を備え、その両方が、リア延長部(4500)の外縁に接続されている。トウ側ブレース(4557)は、前方クラウン部(4400)から後方に延在し、クラブヘッド(4100)の後縁(4532)でリア延長部(4500)トウ側縁(4522)に取り付けられ得る。同様に、ヒール側ブレース(4557)は、前方クラウン部(4400)から後方に延在し、クラブヘッド(4100)の後縁(4130)でリア延長部(4500)ヒール側縁(4532)に取り付けられ得る。トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、上面図から、前方クラウン部(4400)をほぼ1/3に分割する位置で前方クラウン部(4400)に取り付けられ得る。言い換えると、上面図から、トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、前方クラウン部(4400)の後縁に沿って測定すると、クラブヘッド(4100)のトウ端(4150)とトウ側ブレース(4557)との間の距離が、トウ側ブレース(4557)とヒール側ブレース(4559)との間の距離と略等しく、それはまた、ヒール側ブレース(4559)とクラブヘッド(4100)のヒール端(4160)との間の距離と略等しくなるように、前方クラウン部(4400)に取り付けられている。
 
【0225】
  図48の上面図に示されるように、トウおよびヒール側ブレース(4557および4559)は、ゴルフクラブヘッド(4100)の後端(4180)で後縁(4130)に向けて、より大きい距離で分離され得る。上面図から、トウおよびヒール側ブレース(4557および4559)は、ソールリア延長部(4500)のフットプリント内であり得る。
 
【0226】
  図49および
図50に示される変形例は、トウ側ブレース(4557)と、ヒール側ブレース(4559)と、を備え、その両方が、リア延長部(4500)の中心に接続されている。
図47および
図48の変形例について上述したように、トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、上面図から、前方クラウン部(4400)をほぼ1/3に分割する位置で前方クラウン部(4400)に取り付けられ得る。しかしながら、
図49および
図50の変形例では、トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、ゴルフクラブヘッド(4100)の後端(4180)で後(4130)に向けて、より小さい距離で分離されている。トウ側ブレース(4557)は、後端(4180)でのリア延長部(4500)との接続の前に、または当該接続で、ヒール側ブレース(4559)と接合し得る。
図50に示されるように、トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、上面図からV形状のパターンを形成し得る。
 
【0227】
  図51および
図52に示される変形例は、4つのブレース、すなわち、トウ側ブレース(4557)と、ヒール側ブレース(4559)と、トウスカートブレース(4566)と、ヒールスカートブレース(4568)と、を備える。
図51および
図52の変形例のトウおよびヒール側ブレース(4557および4559)は、上述の
図47および
図48の変形例のトウおよびヒール側ブレースと同様であり得る。
図51および
図52の変形例のトウおよびヒールスカートブレース(4566および4568)は、上述の
図43および
図44の変形例のトウおよびヒールスカートブレースと同様であり得る。
 
【0228】
  図53および
図54に示される変形例は、4つのブレース、すなわち、トウ側ブレース(4557)と、ヒール側ブレース(4559)と、トウスカートブレース(4566)と、ヒールスカートブレース(4568)と、を備える。
図53および
図54の変形例のトウおよびヒール側ブレース(4557および4559)は、前方クラウン部(4400)からクラブヘッド後端(4180)の後縁(4130)でのリア延長部(4500)まで延在し得る。上面図から、トウ側ブレース(4557)およびヒール側ブレース(4559)は、XY面(191)に対してほぼ垂直に配向され得る。いくつかの実施形態では、トウ側およびヒール側ブレース(4557および4559)は、それらの上面図フットプリントがソールリア延長部(4500)の縁(4522および4532)に略従うように整列され得る。
 
【0229】
  図53および
図54を参照すると、いくつかの実施形態では、前方クラウン部(4400)の後縁に沿って測定すると、トウ端(4150)とトウ側ブレース(4557)との間の距離は、ヒール側ブレース(4559)とヒール端(4160)との間の距離未満であってもよい。他の実施形態では、前方クラウン部(4400)の後縁に沿って測定すると、トウ端(4150)とトウ側ブレース(4557)との間の距離は、ヒール側ブレース(4559)とヒール端(4160)との間の距離と略等しくてもよい。トウ端(4150)とトウ側ブレース(4557)との間の距離、およびヒール端(4160)とヒール側ブレース(4559)との間の距離の両方が、トウ側ブレース(4557)とヒール側ブレース(4559)との間の距離未満であり得る。
 
【0230】
  図55および
図56に示される変形例は、2つの十字に交差するブレース、すなわち、第1のブレース(4570)と、第2のブレース(4572)と、を備える。第1のブレース(4570)は、前方クラウン部(4400)のヒール側ハーフから、後端(4180)の後縁(4130)でのリア延長部(4500)のトウ側ハーフまで延在する。第2のブレース(4572)は、前方クラウン部(4400)のトウ側ハーフから、後端(4180)の後縁(4130)でのリア延長部(4500)のヒール側ハーフまで延在する。第1および第2のブレース(4570および4572)は、互いに交わって十字に交差している。示された
図56の実施形態では、第1および第2のブレース(4570および4572)は、前方クラウン部(4400)と後縁(4130)に隣接するリア延長部(4500)との間の略真ん中で十字に交差している。十字に交差するブレース(4570および4572)は、上面図で見たときにX形状または砂時計形状を形成し得る。いくつかの実施形態では、十字に交差するブレース(4570および4572)は、所望の構造支持を達成するために、トウ端(4150)またはヒール端(4160)に向けてシフトされる。
 
【0231】
  前述のブレースのいずれかは、厚さを備え得る。ブレースの外面からブレースの内面まで測定されるブレース厚さは、略0.015インチから0.035インチであり得る。いくつかの実施形態では、ブレース厚さは、0.015インチ、0.016インチ、0.017インチ、0.018インチ、0.019インチ、0.020インチ、0.021インチ、0.022インチ、0.023インチ、0.024インチ、0.025インチ、0.026インチ、0.027インチ、0.028インチ、0.029インチ、0.030インチ、0.031インチ、0.032インチ、0.033インチ、0.034インチ、または0.035インチであり得る。クラウン上に配置されたブレース(スカートブレースではない)は、クラブヘッド(3100)について上述したクラウンブレース幅(3561)と同様の幅を備え得る。
【0232】
  前述のブレースのいずれかは、上述のクラウンブレース幅(3561)と同様のブレース幅を備え得る。各々のブレースの幅は、ブレースの質量に影響を及ぼし得るか、または当該質量を決定し得る。裁量質量を保つために、クラブヘッド(4100)内のブレースは、合わせて、0.6g未満、0.5g未満、0.4g未満、0.3g未満、0.2g未満、または0.1g未満である総重量を有するように設計され得る。いくつかの実施形態では、ブレースの総重量は、0.6g、0.5g、0.4g、0.3g、0.2g、または0.1gと等しい。したがって、いくつかの場合、より多くのブレースを有する実施形態では、ブレース幅は、より少ないブレースを有する実施形態内のブレース幅よりも小さくてもよい。
【0233】
  上述の2つ以上のブレースは、ゴルフクラブヘッドの耐久性を増加させ得る。より具体的には、ブレースは、ソールリア延長部(4500)のウェイトチャネル(4540)の、起こり得る垂直発振を低減し得る。ブレースはまた、ウェイトチャネル(4540)の横向きの移動を低減し得る。本明細書に記載されたブレースを欠くクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッド(4100)がゴルフボールを打撃するときに受けるインパクト力は、ウェイトチャネルおよび可動ウェイト内のウェイトの高集中のために、リア延長部の振動および発振を誘発し得る。リア延長部(4500)の後縁(4130)の垂直変位は、起こり得る発振を定量化するためにシミュレーションで測定され得る。より大きい振幅の発振が材料疲労を生じさせ得るため、インパクトでの、より大きい垂直変位は、より低い耐久性に対応する。上述のブレースは、インパクトでの後縁(4130)の垂直変位を低減し、したがって、クラブヘッド(4100)の耐久性を増加させる。
【0234】
  上述の2つ以上のブレースは、第1の構成要素(4300)での開口の境界を画定または形成し得る。開口はまた、空隙、材料がないエリア、または空領域と呼ばれ得る。2つ以上のブレースは、第1の構成要素(4300)で3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多くの開口を画定し得る。
図43および
図44の変形例では、トウおよびヒールスカートブレース(4566および4568)は、クラウン開口の境界の一部、トウソール開口の境界の一部、およびヒールソール開口の境界の一部を形成している。リア延長部(4500)および打撃フェースリターンはまた、トウおよびヒールソール開口の境界の一部を形成している。
図45および
図46の変形例では、トウおよびヒールスカートブレース(4566および4568)ならびに前方クラウン部(4400)は、中心クラウンブレース(4560)によって分離された2つのクラウン開口を取り囲んで画定する。
図45および
図46の変形例は、
図43および
図44の変形例と同様のトウおよびヒールソール開口を有し得る。
【0235】
  図47および
図48の変形例では、トウおよびヒール側ブレース(4557および4559)は、中心クラウン開口および2つの側方開口を画定する。クラウン開口は、スカートと交差し、クラウンの一部およびソールの一部に各々及ぶ。
図49および
図50の変形例は、中心クラウン開口が略三角形状を有することを除いて同様である。
図51~
図54の変形例では、ブレースは、5つの開口を画定する。スカートブレース(4566および4568)、クラウンブレース(4557および4559)、リア延長部(4500)、ならびに前方クラウン部(4400)は、3つのクラウン開口を画定する。スカートブレース(4566および4568)、打撃フェースリターン、ならびにソール延長部(4500)は、トウソール開口およびヒールソール開口を画定する。
 
【0236】
  図55および
図56の変形例では、ブレースは、6つの開口を画定する。十字に交差するブレース(4570および4572)は、前方三角開口および後方三角開口を画定する。前方クラウン部(4400)ならびに十字に交差するブレース形態(4570および4572)は、前方三角開口の縁を形成している。リア延長部(4500)ならびに十字に交差するブレース形態(4570および4572)は、後方三角開口の縁を形成している。トウ側クラウン開口およびヒール側クラウン開口は、中心の十字に交差するブレース(4570および4572)と、トウおよびヒールスカートブレース(4566および4568)との間に形成されている。さらに、スカートブレース(4566および4568)、打撃フェースリターン、ならびにソール延長部(4500)は、トウソール開口およびヒールソール開口を画定する。
 
【0237】
  ゴルフボールとのインパクト中、および当該インパクトの直後、第1の構成要素(4300)のリアウェイト(4350)およびウェイトチャネル(4540)は、ゴルフクラブヘッド(4100)の残部に対して垂直に振れ得る。いかなるブレースもない第1の構成要素について、30グラムから35グラムのリアウェイト(4350)は、第2の構成要素(4200)の追加の支持なしで、0.3インチよりも大きく振れ得る。2つ以上のブレースを有する第1の構成要素(4300)について、30グラムから35グラムのリアウェイト(4350)は、第2の構成要素(4200)の追加の支持なしで、最大0.03インチから0.20インチで振れ得る。いくつかの実施形態では、リアウェイト(4350)は、最大0.03インチから0.06インチ、0.04インチから0.07インチ、0.05インチから0.08インチ、0.05インチから0.10インチ、0.10インチから0.15インチ、または0.15インチから0.20インチで振れ得る。いくつかの実施形態では、リアウェイト(4350)は、最大約、0.3インチ未満、0.2インチ未満、0.18インチ未満、0.16インチ未満、0.14インチ未満、0.12インチ未満、0.10インチ未満、0.08インチ未満、0.06インチ未満、0.04インチ未満、または0.02インチ未満で振れ得る。
【0238】
  2つのクラウンブレースを有し、スカートブレースを有しない、いくつかの実施形態では、30グラムから35グラムのリアウェイト(4350)は、第2の構成要素(4200)の追加の支持なしでさえ、最大0.09インチから0.18インチまたは0.10インチから0.15インチ(クラブヘッドの残部に対して垂直に)で振れ得る。2つのスカートブレースを有し、クラウンブレースを有しない、いくつかの実施形態では、リアウェイト(4350)は、最大0.10インチから0.20インチで振れ得る。2つのスカートブレースと、少なくとも1つのクラウンブレースと、を有するいくつかの実施形態では、リアウェイト(4350)は、最大0.03インチから0.10インチ、または0.10インチ未満、0.08インチ未満、0.07インチ未満、もしくは0.06インチ未満で振れ得る。いくつかの実施形態では、平行なトウおよびヒール側ブレースを有する変形例は、十字に交差するか、または角度が付いた(非平行)ブレースを有する変形例よりも大きい支持(少ない振れ)を提供する。
            
V)ゴルフクラブヘッドの第5実施形態
【0239】
  図53~
図56に示される、ゴルフクラブヘッド(5100)の第5実施形態は、ウェイトチャネル(5540)およびソール開口部(5555)を有する第1の構成要素(5300)と、第1の構成要素(5300)上に接合する第2の構成要素(5200)と、第1の構成要素(5300)においてソール空洞(5555)を覆うソールパネル(5556)と、を備える。第5実施形態のゴルフクラブヘッド(5100)の第1の構成要素(5300)は、ソール開口部(5555)を除いて、ゴルフクラブヘッド(100および2100)の第1の構成要素(300および1300)と同様であり得る。ゴルフクラブヘッド(5100)の第2の構成要素(5200)は、上述のゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素と同様であり得る。ゴルフクラブヘッド(5100)の第2の構成要素(5200)は、上述のゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素と同様であり得る。ゴルフクラブヘッド(5100)は、打撃フェース(5170)と、リターン部(5177)と、ホーゼル(5140)と、クラウン(5110)と、ソール(5120)と、ヒール端(5160)と、トウ端(5150)と、後端(5180)の最後部での後縁(5130)と、ホーゼル(5140)と、ソール部ホーゼルアダプタ取付凹部(5195)と、を形成している。
 
【0240】
  図57に示されるように、第1の構成要素(5300)は、リア延長部(5500)を備え得る。リア延長部(5500)は、トウ側スパン(5557)と、ヒール側スパン(5559)と、をさらに備える。トウ側スパン(5557)は、後端(5180)に向けて延在し、当該後端(5180)に接続している。ヒール側スパン(5559)は、トウ側スパン(5557)と反対の後端(5180)に向けて延在し、当該後端(5180)に接続している。トウ側スパン(5557)、ヒール側スパン(5559)、後端(5180)、およびリターン部(5177)は、ソール開口部(5555)を形成している。ソール開口部(5555)は、第1の構成要素(5300)の高密度材料を、第1の構成要素(5300)の後端(5180)に向けて除去するように機能する。ソール開口部(5555)は、異なる材料のソールパネル(5556)がソール開口部(5555)を覆ってシールして、マルチ材料ソール(5120)を生成することをさらに可能にし、MOIの増加および音響特性の改善につながる。
 
【0241】
  ソール開口部(5555)は、任意の形状であり得るが、ほとんどの実施形態では、ソール開口部(5555)は、略矩形である。ソール開口部(5555)は、ソール(5120)の一般的な形状と共に曲がっている。いくつかの実施形態では、ソール開口部(5555)は、正方形、矩形、円形、卵形、楕円形、三角形、多角形、五角形、六角形、台形、または任意の他の所望の形状であり得る。
【0242】
  ソール開口部(5555)は、幅(5574)を備え、幅(5574)は、トウ側スパン(5557)からヒール側スパン(5559)まで測定される。ほとんどの実施形態では、ソール開口部(5555)は、後端(5180)により近い開口部幅よりも、リターン部(5177)のより近くで、大きい幅を有する。この特徴は、クラブヘッド(5100)の中心から可能な限り多くの高密度質量を除去するのに役立ち、質量が、クラブヘッド(5100)の後端(5180)に再分配されることを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態では、ソール開口部(5555)幅は、リターン部(5177)から後端(5180)まで等しいか、または均一であり得る。さらにまた、いくつかの実施形態では、ソール開口部(5555)幅は、リターン部(5177)の近くの開口部幅よりも、後端(5180)の近くで大きくてもよい。
【0243】
  ソール開口部幅(5574)は、0.5インチから6.0インチであり得る。幅(5574)は、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチ、2.1インチ、2.2インチ、2.3インチ、2.4インチ、2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、3.0インチ、3.1インチ、3.2インチ、3.0インチ、3.4インチ、3.5インチ、3.6インチ、3.7インチ、3.8インチ、3.9インチ、4.0インチ、4.1インチ、4.2インチ、4.3インチ、4.4インチ、4.5インチ、4.6インチ、4.7インチ、4.8インチ、4.9インチ、5.0インチ、5.1インチ、5.2インチ、5.3インチ、5.4インチ、5.5インチ、5.6インチ、5.7インチ、5.8インチ、5.9インチ、または6.0インチであり得る。
【0244】
  さらに、ソール開口部(5555)は、長さ(5576)を備え、長さ(5576)は、リターン部(5177)から後端(5180)まで測定される。ほとんどの実施形態では、ソール開口部(5555)は、ヒール側スパン(5559)の近くで、トウ側スパン(5557)の近くの長さと等しい長さを有する。この特徴は、ヒールからトウへの方向にクラブヘッドのバランスを保つのに役立つ。いくつかの実施形態では、ヒール側スパン(5559)の近くの長さは、ドローまたはフックショットに影響を及ぼすために、トウから質量を除去し、ヒールでより多く配置して、トウ側スパン(5557)の近くの長さ未満であり得る。対照的に、いくつかの実施形態では、トウ側スパン(5557)の近くの長さは、スライスまたはフェードショットに影響を及ぼすために、ヒールから質量を除去し、トウの近くにより多く配置して、ヒール側スパン(5559)の近くの長さ未満であり得る。
【0245】
  ソール開口部長さ(5576)は、0.5インチから6.0インチであり得る。長さ(5576)は、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチ、2.1インチ、2.2インチ、2.3インチ、2.4インチ、2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、3.0インチ、3.1インチ、3.2インチ、3.0インチ、3.4インチ、3.5インチ、3.6インチ、3.7インチ、3.8インチ、3.9インチ、4.0インチ、4.1インチ、4.2インチ、4.3インチ、4.4インチ、4.5インチ、4.6インチ、4.7インチ、4.8インチ、4.9インチ、5.0インチ、5.1インチ、5.2インチ、5.3インチ、5.4インチ、5.5インチ、5.6インチ、5.7インチ、5.8インチ、5.9インチ、または6.0インチであり得る。
【0246】
  トウ側スパン(5557)およびヒール側スパン(5559)は、リターン部(5177)を後端(5180)に接続している。リア延長部(5500)のトウ側スパン(5557)およびヒール側スパン(5559)は、ソール(5120)の一部を備え得る。リア延長部(5500)は、ウェイトチャネル(5540)を備える。ウェイトチャネル(5540)は、クラブヘッド(5300)の後端(5180)および少なくとも一部のソール(5120)で露出している。
【0247】
  ウェイトチャネル(5540)は、3つの位置のうちの1つで可動ウェイト(5350)を受け入れるように構成されている。ウェイト(5350)は、ねじ締結具(5320)によってウェイトチャネル(5540)に固定され得る。ウェイト(5350)は、トウ側位置、中心位置、またはヒール側位置に配置され得る。ウェイトチャネル(5540)は、取り付け壁(5542)と、ソール壁(5550)と、を備える。取り付け壁(5542)は、ソール(5120)に対して略垂直に配向され得る。ソール壁(5550)は、メインソール(5120)と略平行に配向され得るが、取り付け壁(5542)の高さと等しい距離だけ内側に入ることができる。可動ウェイト(5350)は、細長い台形形状、または任意の他の好適なウェイトを備え得る。可動ウェイト(5350)は、内壁と、接続壁と、を備え得る。内壁は、ウェイトチャネル(5540)のソール壁(5550)に対して面一に位置している。接続壁は、ウェイト(5350)が3つの位置のうちの1つに取り付けられると、取り付け壁(5542)と面一に位置している。
【0248】
  ウェイトチャネル(5540)の取り付け壁(5542)は、3つのウェイト位置に対応する3つのねじ開口部を備える。取り付け壁(5542)は、トウ側ねじ開口部(5544)と、中心ねじ開口部(5546)と、ヒール側ねじ開口部(5548)と、を備える。可動ウェイト(5350)は、ウェイト(5350)の接続壁をチャネル(5540)の取り付け壁(5542)に対して面一に配置して、締結具(5320)をトウ側ねじ開口部(5544)内に固定することによって、トウ側位置に位置している。可動ウェイト(5350)は、ウェイト(5350)の接続壁をチャネル(5540)の取り付け壁(5542)に対して面一に配置して、締結具(5320)を中心ねじ開口部(5546)内に固定することによって、中心位置に位置している。可動ウェイト(5350)は、ウェイト(5350)の接続壁をチャネル(5540)の取り付け壁(5542)に対して面一に配置して、締結具(5320)をヒール側ねじ開口部(5548)内に固定することによって、ヒール側位置に位置している。
【0249】
  可動ウェイト(5350)が、(
図19のソール図に示されるようなゴルフクラブ(2100)と同様の)中心位置に位置しているとき、ゴルフクラブ(5100)は、ドローまたはフェードバイアスを与えないように構成されている。ウェイト(2350)が、(
図20に示されるようなゴルフクラブ(2100)と同様の)トウ側位置に位置しているとき、ウェイト(2350)は、クラブヘッドにフェードバイアスを与える。ウェイト(5350)が、(
図21に示されるようなゴルフクラブヘッド(2100)と同様の)ヒール側位置に位置しているとき、ウェイト(5350)は、クラブヘッドにドローバイアスを与える。
【0250】
  第1の構成要素(5300)は、ソール部リア延長部(5500)と、前方クラウン部(5400)と、前方ソール部(5810)と、を備える。前方ソール部(5810)は、ヒール延長部(5830)と、トウ延長部(5820)と、を備える。ヒール延長部(5830)は、後壁(5832)を備える。トウ延長部(5820)は、後壁(5822)を備える。
【0251】
  第1の構成要素リア延長部(5500)は、ウェイトチャネル(5540)を打撃フェースソールリターン(5810)に接続する、トウ側壁(5522)およびヒール側壁(5532)を備える。トウ側壁(5522)は、ソール開口部(5555)と反対のトウ側スパン(5557)によって形成されている。同様に、ヒール側壁(5532)は、ソール開口部(5555)と反対のヒール側スパン(5559)によって形成されている。リア延長部トウ側壁(5522)およびトウ延長部後壁(5822)は、トウ側壁角(5850)を形成し得る。トウ側壁角(5850)は、45度~180度の範囲であり得る。リア延長部ヒール側壁(5532)およびヒール延長部後壁(5832)は、ヒール側壁角(5855)を形成し得る。ヒール側壁角(5855)は、45度~180度の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、トウ側壁角(5850)は、ヒール側壁角(5855)とほぼ等しい。他の実施形態では、トウ側壁角(5850)およびヒール側壁角(5855)は異なっている。いくつかの実施形態では、トウ側壁角(5850)およびヒール側壁角(5855)は補角である(それらの合計は、ほぼ180度と等しい)。当該実施形態では、トウ延長部後壁(5822)およびヒール延長部後壁(5832)は、ほぼ同じ面内に配置されている(トウ後壁(5822)およびヒール後壁(5832)は、ソールから見たときにほぼ平行である)。例えば、トウ側壁角(5850)は、鋭角であり得るが、ヒール側壁角(5855)は、補角鈍角である。
【0252】
  図29および
図30に示されるような第2の構成要素(2200)と同様の第2の構成要素(5200)は、クラウン部(5205)と、後縁部(5230)と、ソールトウ部(5212)と、ソールヒール部(5214)と、を備え得る。クラウン部(5205)は、ソールトウ部(5212)およびソールヒール部(5214)を接続している。後縁部(5230)は、クラウン部(5205)をソールトウおよびヒール部(5212および5214)に接続している。クラウン部(5205)、ソールトウ部(5212)、およびソールヒール部(5214)は、第2の構成要素(5200)のソール側でリア切欠きを画定する。リア切欠きは、
図29および
図30を参照して第2の実施形態について記載されたリア切欠き(2240)と同様であり得る。
図29に示されるものなどのいくつかの実施形態では、リア切欠き(2240)は、ソールのみに切り込んでいる。
図30に示されるものなどの他の実施形態では、リア切欠き(2240)は、ソール部およびクラウン部(5205)の両方に切り込んでいる。ソールおよびクラウン部(5205)の両方に切り込む実施形態は、第1の構成要素(5300)のウェイトチャネル(5540)について、クラブヘッド(5100)の後端(5180)でより多くの空間を可能にする。
 
【0253】
  いくつかの実施形態では、第2の構成要素(5200)は、第1のゴルフクラブヘッド(100)実施形態および第2のクラブヘッド実施形態(2100)について上述したものと同様の方法で、第1の構成要素(5300)に固定され得る。いくつかの実施形態では、第1(5300)および第2(5200)の構成要素の材料も、第1のゴルフクラブヘッド(100)実施形態について上述したものと同様であり得る。
【0254】
  リアソール延長部(5500)の外形は、第2の構成要素(5200)を第1の構成要素上に機械的にロックまたは保持し得る。ウェイトチャネル(5540)を備えるファン形状のリア延長部(5500)は、剛性部が第1の構成要素(5300)上にスライドすることを防止する。この製造課題を克服するために、第2の構成要素(5200)は、半剛性または柔軟な材料を備え得、第2の構成要素(5200)が、第1の構成要素の周囲で、または当該第1の構成要素上に曲がることを可能にする。当該実施形態では、第2の構成要素(5200)は、所定の位置にスナップまたはロックされ得る。いくつかの実施形態では、リアソール延長部(5500)のファン形状の外形は、接着剤を使用することなく、または接着剤の使用をより少なくして、第2の構成要素(5200)が第1の構成要素(5300)に固定されることを可能にする。
【0255】
  さらに、ゴルフクラブヘッド(5100)は、ソールパネル(5556)を備え、ソールパネル(5556)は、第1の構成要素(5300)のソール開口部(5555)を覆う。ソールパネル(5556)は、ソール開口部(5555)を覆うと、トウ側スパン(5557)、ヒール側スパン(5559)、および後端(5180)と結合して、ソール(5120)全体を形成する。ソールパネル(5556)は、ソール開口部(5555)と同じ形状であり、その結果、ソールパネル(5556)は、後端(5180)、トウ側スパン(5557)、ヒール側スパン(5559)、および前方ソール部(5810)に接合することによって、ソール開口部(5555)全体を覆う。ほとんどの実施形態では、ソールパネル(5556)は、ソール開口部(5555)に接着される。
【0256】
  ソール開口部(5555)と同様に、ソールパネル(5556)は、任意の形状であり得るが、ほとんどの実施形態では、ソールパネル(5556)は、略矩形である。ソールパネル(5556)は、ソール(5120)の一般的な形状と共に曲がっている。いくつかの実施形態では、ソールパネル(5556)は、正方形、矩形、円形、卵形、楕円形、三角形、多角形、五角形、六角形、台形、または任意の他の所望の形状であり得る。
【0257】
  ソールパネル(5556)は、幅を備え、幅は、トウ側スパン(5557)からヒール側スパン(5559)まで測定される。ほとんどの実施形態では、ソールパネル(5556)は、後端(5180)により近いパネル幅よりも、リターン部(5177)のより近くで、大きい幅を有する。この特徴は、ソール開口部(5555)の外形と一致し、且つ囲まれたゴルフクラブヘッド(5100)を提供するのに役立つ。ソール開口部(5555)の幅と同様に、いくつかの実施形態では、ソールパネル(5556)幅は、リターン部(5177)から後端(5180)まで等しいか、または均一であり得る。さらにまた、いくつかの実施形態では、ソールパネル(5556)幅は、リターン部(5177)の近くのパネル幅よりも、後端(5180)の近くで大きくてもよい。
【0258】
  ソールパネル幅は、0.5インチから6.0インチであり得る。幅は、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチ、2.1インチ、2.2インチ、2.3インチ、2.4インチ、2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、3.0インチ、3.1インチ、3.2インチ、3.0インチ、3.4インチ、3.5インチ、3.6インチ、3.7インチ、3.8インチ、3.9インチ、4.0インチ、4.1インチ、4.2インチ、4.3インチ、4.4インチ、4.5インチ、4.6インチ、4.7インチ、4.8インチ、4.9インチ、5.0インチ、5.1インチ、5.2インチ、5.3インチ、5.4インチ、5.5インチ、5.6インチ、5.7インチ、5.8インチ、5.9インチ、または6.0インチであり得る。
【0259】
  さらに、ソールパネル(5556)は、長さを備え、長さは、リターン部(5177)から後端(5180)まで測定される。ほとんどの実施形態では、ソールパネル(5556)は、ヒール側スパン(5559)の近くで、トウ側スパン(5557)の近くの長さと等しい長さを有する。この特徴は、ソールパネル(5556)がソール開口部(5555)の正確な長さと一致するのに役立つ。いくつかの実施形態では、ヒール側スパン(5559)の近くの長さは、トウ側スパン(5557)の近くの長さよりも小さくてもよい。対照的に、いくつかの実施形態では、トウ側スパン(5557)の近くの長さは、ヒール側スパン(5559)の近くの長さよりも小さくてもよい。
【0260】
  ソールパネル長さは、0.5インチから6.0インチであり得る。長さは、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチ、2.1インチ、2.2インチ、2.3インチ、2.4インチ、2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、3.0インチ、3.1インチ、3.2インチ、3.0インチ、3.4インチ、3.5インチ、3.6インチ、3.7インチ、3.8インチ、3.9インチ、4.0インチ、4.1インチ、4.2インチ、4.3インチ、4.4インチ、4.5インチ、4.6インチ、4.7インチ、4.8インチ、4.9インチ、5.0インチ、5.1インチ、5.2インチ、5.3インチ、5.4インチ、5.5インチ、5.6インチ、5.7インチ、5.8インチ、5.9インチ、または6.0インチであり得る。
            
VI)製造方法
            第1の方法
         
【0261】
  図61を参照すると、ゴルフクラブヘッド(100)を製造する第1の実施形態の方法(10)は、第1の構成要素(300)を形成するステップと、第2の構成要素(200)を形成するステップと、第1の構成要素リップ(450)に接着剤を塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に位置合わせするステップと、第2の構成要素(200)がリップ(450)を覆うように第1の構成要素(300)に第2の構成要素(200)を合致させるステップと、接着剤を硬化させ、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に恒久的に固定して中空のゴルフクラブヘッド(100)を形成するステップ(
図50のステップ4040)と、を備えている。方法10は、上記した第1、第2、第3または第4のゴルフクラブヘッド(100、2100、3100、または4100)に類似したゴルフクラブヘッドを形成するために用いられ得る。簡単のために、以下に記載する方法の参照番号は第1のクラブヘッド(100)を参照するが、この方法(10)は上記の全てのクラブヘッド(100、2100、3100、または4100)またはその変形例に適用可能である。
 
【0262】
  図15を参照すると、上述したように、第1の構成要素(300)は、1つまたは複数のヒール端鋳造支持バー(1510)と1つまたは複数のトウ端鋳造支持バー(1512)とを含む複数の鋳造支持バーをさらに含むことができる。鋳造支持バーは、鋳造後金属が冷却するときに、第1の構成要素(300)の鋳造部分を安定化する。鋳造支持バーによって提供される安定化は、鋳造後に構成要素が冷却される間に、鋳造構成要素の前部が第1の構成要素ソール部リア延長部(500)に向かって折り畳まれるか、またはそこから離れることを防止する。鋳造支持バーは、鋳造された第1の構成要素(300)から取り外され、完成したゴルフクラブヘッド(100)には存在しない。
 
【0263】
  ゴルフクラブヘッド(100)を製造する代替方法は、第1の構成要素(300)を鋳造するステップと、第1の構成要素(300)のワックス模型を成形するステップと、ワックス支持バーをワックス模型に加えるステップと、改質ワックス模型をインベストするステップと、インベストメントを鋳造するステップと、金属鋳造支持バー(1510,1512)をトリミングするステップと、第1の構成要素(300)を形成するステップと、第2の構成要素(200)を形成するステップと、第1の構成要素(300)に接着剤を塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に位置合わせするステップと、第2の構成要素(200)がリップ(450)を覆うように第1の構成要素(300)に第2の構成要素(200)を合致させるステップと、接着剤を硬化させ、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に恒久的に固定して中空のゴルフクラブヘッド(100)を形成するステップと、を備えている。支持バーをワックス模型に追加する場合、支持バーの取り付け点は、第1の構成要素(300)の外面のマーリングまたは歪みを回避するために、第1の構成要素(300)ワックス模型の内面である。支持バーを追加する利点は、第1の構成要素の鋳造が鋳造後の冷却段階にある間に歪みに対して支持されることである。
【0264】
  第1の構成要素(300)は、第1の構成要素リップ(450)で第2の構成要素(200)に結合されて、ゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成することができる。クラウン部リップ(455)とソール部リップ(460)と質量部垂直リップ(750)を含む第1の構成要素リップ(450)は、第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成するとき、第2の構成要素(200)によって完全に覆われる。第2の構成要素ソール部リア切欠部(240)は、後縁(230)における周囲端部(220)の一部を備える。第1の構成要素(300)が第1の構成要素リップ(450)で第2の構成要素(200)に結合されるとき(ゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成するために)、後縁(230)の周囲端部(220)の一部は、質量部後縁シェルフ(1042)に沿って接合される。
【0265】
  第1の構成要素(300)は、接着剤によって第2の構成要素(200)に結合することができる。多くの実施形態では、接着剤、エポキシ、エポキシガスケット、テープ(例えば、VHBテープ)、または任意の他の接着材料などの接着剤を、第2の構成要素(200)と第1の構成要素リップ(450)との接合部に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素リップ(450および455)上の第1の構成要素タブ(457)は、第2の構成要素(200)に当接し、第1の構成要素リップ(450および455)と第2の構成要素(200)との間に隙間を残すことができる。この隙間は、接着剤を収容することができる。隙間は、第1の構成要素タブ(457)が均一な高さを有するため、均一な高さまたは厚さを有することができる。この隙間の均一な高さは、第1の構成要素と第2の構成要素との間に均一な結合を作り出すことができる。他の実施形態では、第2の構成要素(200)は、締結具、クリップ、圧入、または任意の他の適切な取り付け手段(図示せず)によって、第1の構成要素(300)に結合され得る。他の実施形態では、第1の構成要素(300)は、適切な機械的取り付け手段と共に接着剤によって第2の構成要素(200)に結合されてもよい。他の実施形態では、第1の構成要素(300)は、第2の構成要素(200)材料を加熱して第1の構成要素(300)材料に接着させるために、レーザ溶接を使用して第2の構成要素(200)に結合されてもよい。
【0266】
  いくつかの実施形態では、第1の構成要素が第2の構成要素に結合してゴルフクラブヘッド100を形成するとき、第1の構成要素(300)の表面は、第2の構成要素(200)の表面からオフセットされない。第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブヘッド(100)を形成するとき、第1の構成要素の公称外面は、結合部の接合部において第2の構成要素の公称外面の上または下にオフセットされない(すなわち、第1の構成要素(300)および第2の構成要素(200)の外面は同一平面である)。
            
            第2の方法
         
【0267】
  図62を参照すると、ゴルフクラブヘッド(100)を製造する第2の方法(20)は、以下のステップ、すなわち、(ステップ1:21)未完成の第1の構成要素を鋳造するステップ、(2:22)未完成の第1の構成要素の一部を切断して完成された第1の構成要素を形成するステップ、(3:23)第2の構成要素を射出成形するステップ、(4:24)第2の構成要素を第1の構成要素に恒久的に固定するステップ、および(5:25)クラブヘッドを完成させるステップ、を備えている。第2の方法20は、上記した第1、第2、第3または第4のゴルフクラブヘッド(100、2100、3100、または4100)に類似したゴルフクラブヘッドを形成するために用いられ得る。簡略化のために、以下の方法説明での参照数字は、第1のクラブヘッド(100)を意味するが、この方法(20)は、前述のクラブヘッド(100、2100、3100、または4100)またはそれらの変形例の全てに適用可能であり得る。
 
【0268】
  第1のステップ(21)で第1の構成要素を形成することは、第1の構成要素(300)の未完成バージョンを鋳造することから開始することができる。第1の構成要素(300)は、薄肉領域を有する完全クラブヘッドとして鋳造することができる。薄肉領域の大部分は、第2の構成要素(200)が後に取り付けられるおおよその場所に位置することができる。薄肉領域の端部の周りの周囲セクションは最終的に第1の構成要素(300)のリップ(450)を形成する。薄肉領域が鋳造プロセス中に第1の構成要素がその所望の形状を保持するのを助けるので、未完成の第1の構成要素は薄肉領域を用いて鋳造される。薄肉領域を用いずに第1の構成要素(300)を鋳造することは、一部の反りまたは他の鋳造品質問題をもたらす可能性がある。従って、後に除去される薄肉領域を用いた鋳造は、第1の構成要素がその所望の形状を維持することを保証し、第2の構成要素(200)がステップ3の間にその上に正しく適合するようにする。
【0269】
  未完成の第1の構成要素が、それが鋳造された型から除去された後、レ-ザが、薄肉領域の不要な部分を切り出すために使用され(第2のステップ:22)、第2の構成要素(450)のリップを形成する周囲セクションのみを残す。リップは、必要に応じて研削または研磨することができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの打撃フェース(170)は、第1の構成要素(300)の一部として一体的に鋳造される。他の実施形態では、第1の構成要素(300)は、打撃フェース(170)なし(第1の構成要素の前部に開口部または空隙を有する)で鋳造することができる。これらの実施形態では、金属材料からフェースプレートを鋳造または鍛造することによって、フェースプレートが別個に提供される。フェースプレートは、従来通りに溶接、レ-ザ溶接、またはスウェッジ(スワッギング)して、第1の構成要素(300)の前部開口部に入れることができる。
【0270】
  第3のステップ(23)は、第2の構成要素を射出成形することを含むことができる。第3のステップ(23)は、(典型的にはペレット形態の)複合材料を提供するステップと、複合材料を溶融するステップと、未完成の第2の構成要素を形成するために溶融した複合材料を型に射出するステップと、スプル(spru)を切断するステップと、第2の構成要素(200)を仕上げるためにゲート領域を研磨するステップと、を備えることができる。上述したように、複合材料は、ポリマー樹脂及び強化繊維を含むことができる。複合材料は、樹脂および繊維の両方を含むペレットで提供することができる。複合ペレットは溶融され、型に射出されて未完成の第2の構成要素を形成する。第3ステップ(23)の射出成形プロセスは、参照により全体が本願に組み込まれる特許協力条約(PCT)の出願番号PCT/US2020/047702に開示される射出成形プロセスに類似することができる。
【0271】
  第4のステップ(24)は、接着剤(2液型エポキシなど)を第1の構成要素リップ(450)に塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素リップ(450)の上に位置合わせして配置するステップと、接着剤を乾燥させるステップと、を含むことができる。リップ(450)および(455)上の1つ又は複数の第1の構成要素タブ(457)は、第1の構成要素リップ(450)と第2の構成要素との間に隙間を提供することができる。この隙間は、接着剤を収容することができる。隙間は、第1の構成要素タブ(457)が均一な高さを有するため、均一な高さまたは厚さを有することができる。隙間のこの均一な高さは、第1の構成要素(300)と第2の構成要素(200)との間に均一な結合を作り出すことができる。
【0272】
  この第2の方法(20)のいくつかの実施形態では、官能化結合フィルムまたは層を接着剤の代わりに使用することができる。官能化結合フィルムは、第1の構成要素リップ(450,455)の形状および側面に対応する1つ以上のストリップ領域で提供され得る。官能化結合フィルムは、第1および第2の側を含む。フィルムは、第1の側で第1の構成要素の材料と、第2の側で第2の構成要素の材料と結合するように構成することができる。接着フィルムは、必要な温度および圧力条件下に設定された時間置かれたときに、第1および第2の構成要素を一緒に接着することができる。
【0273】
  接着剤が第1の構成要素リップ(450,455)に塗布された後、第2の構成要素は、第1の構成要素リップの上に配置または摺動され得る。第2の構成要素は、第2の構成要素の外縁が第1の構成要素の残りの部分と接触するまで、第1の構成要素リップの上を摺動することができる。
図5に図示されているように、第1の構成要素リップは、リセス状オフセット(459)を備えており、このリセス状オフセットは、クラブヘッドが組み立てられたときに第2の構成要素が充填する。第3のステップは、接着剤を乾燥させ、第1の構成要素を第2の構成要素に結合させることをさらに含むことができる。
【0274】
  第5のステップ(25)は、クラブヘッドの研磨、クリーニング、コーティング、および/または塗装を含むことができる。いくつかの実施形態では、第5のステップ(25)は、ウェイトリセス(540)内に着脱可能ウェイト(1300)を配置することと、締結具を使用して着脱可能ウェイト(1300)を固定することと、をさらに含むことができる。他の実施形態では、第5のステップ(25)はさらに、可動ウェイト(2350)をウェイトチャネル(2540)内に置くステップと、締結具を利用して可動ウェイトを固定するステップと、を備えることができる。
            
            第3の方法
         
【0275】
  図63に示されるように、第3の方法(30)は、以下のステップ、すなわち、(ステップ1:31)第1の構成要素を形成するステップと、(ステップ2:32)トウ部(3212)およびヒール部(3214)として第2の構成要素を提供するステップと、(ステップ3:33)第2の構成要素トウ部(3212)を第1の構成要素(3300)に固定するステップと、(ステップ4:34)第2の構成要素ヒール部(3214)を第1の構成要素(3300)に固定するステップと、(ステップ5:35)クラブヘッドを完成させるステップと、を含む。第1のステップ(31)は、未完成の第1の構成要素を鋳造することと、未完成の第1の構成要素の不要な部分をレーザーカットすることと、任意選択的に、フェースプレートを第1の構成要素に溶接して完成した第1の構成要素を形成することと、を含み得る。第3の方法(30)は、上述の第3または第4のゴルフクラブヘッド(3100または4100)と同様のゴルフクラブヘッドを形成するために使用され得る。簡略化のために、以下の方法説明での参照数字は、第3のクラブヘッド(3100)を意味するが、この方法(30)は、前述のクラブヘッド(3100もしくは4100)またはそれらの変形例の全てに適用可能であり得る。
 
【0276】
  第1の構成要素(3300)を形成する第1のステップ(31)は、上述の第2の方法(20)のステップ1および2(21および22)と同様であり得る。しかしながら、この製造プロセスでは、クラウンブレース(3560)は、未完成の第1の構成要素のレーザーカットの後に残っている。完成した第1の構成要素は、(第2の構成要素ヒール部(3214)を受け入れるように構成された)ヒール側での開口と、(第2の構成要素トウ部(3212)を受け入れるように構成された)トウ側での開口と、を備える。
【0277】
  第2の構成要素(3200)を提供する第2のステップ(32)は、上述の第2の方法(20)のステップ3(23)と同様であり得る。しかしながら、第3の製造プロセス(30)では、第2の構成要素(3200)は、2つの別個の構成要素、すなわち、トウ部(3212)およびヒール部(3214)として提供される。いくつかの実施形態では、トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、同じスプルーおよびゲートから同時に射出成形され、次いで互いに分離され得る。他の実施形態では、トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、異なる時に個々に射出成形される。射出成形後、トウおよびヒール部(3212および3214)は、型のゲートから残された、型に入った任意の余分な材料をカットまたは研磨することによって仕上げられる。
【0278】
  ステップ3および4(33および34)は、任意の所望の順序で行われ得る。ステップ3(33)は、第1の構成要素(3300)の外周リップ(図示せず)上に接着剤を施すことと、第1の構成要素(3300)のリップ上にトウ部(3212)をスライドさせることと、接着剤が硬化/固化するのを可能にすることと、を含む。トウ部(3212)は、第1の構成要素(3300)上に、トウからヒールへの方向にそれをスライドさせることによって組み立てられ得る。ステップ4(34)は、第1の構成要素(3300)の外周リップ上に接着剤を施すことと、第1の構成要素(3300)のリップ上にヒール部(3214)をスライドさせることと、接着剤が硬化/固化するのを可能にすることと、を含む。ヒール部(3214)は、第1の構成要素(3300)上に、ヒールからトウへの方向にそれをスライドさせることによって組み立てられ得る。方法のいくつかの実施形態では、ステップ3および4(33および34)は、まず接着剤が施され、トウ部(3212)およびヒール部(3214)が第1の構成要素(3300)上に個々にスライドされ、次いで接着剤の乾燥を可能にするように結合される。
【0279】
  トウ部(3212)およびヒール部(3214)は、側方から第1の構成要素(3300)上にスライドするように幾何的に構成されているため、第1の構成要素(3300)は、別の方法では可能でない、クラブヘッドの後端での外形を備え得る。例えば、一体の第2の構成要素を有する実施形態では、第2の構成要素は、一般的に、第1の構成要素(3300)上に、後から前への方向にスライドされなければならない。一体の第2の構成要素に必要とされる、この方向性アセンブリは、第1の構成要素が適切なドラフト角を有する外形を備えなければならないことを決定する。例えば、一体の第2の構成要素を有するいくつかの実施形態では、ソールリア延長部は、延長部の最後縁よりも小さい幅を有する領域を備えることができない。この観点から、第2の構成要素を2つの構成要素(トウおよびヒール部)として形成することは、第1の構成要素が、後から前への方向ドラフト角によって制限されない複雑な外形を有することを可能にする。
            
VII)T字形設計機能
【0280】
  上述のように、本明細書に記載の中空ゴルフクラブヘッド(100、2100、3100、4100、または5100)の実施形態は、少なくとも2つの主要な構成要素を含むことができる。金属製の第1の構成要素(300、2300、3300、4300、または5300)は、打撃部と、「T」字形を形成するソール延長部(500、2500、3500、4500、または5500)と、を含む。非金属の第2の構成要素(200、2200、3200、4200、または5200)は、クラウン(110、2110、3110、4110、または5110)の後部を含み、ソール(120、2120、3120、4120、または5120)の一部も含むように第1の構成要素の周りを包む。第1の構成要素(300、2300、3300、4300、または5300)のより高密な「T」字形のソールは、より低密でクラウンを包み込む第2の構成要素(200、2200、3200、4200、または5200)に結合され、クラウンの質量を減少させ、ゴルフクラブヘッドの重心(CG)をより低くシフトさせることによって質量特性を最適化することができる。第2の構成要素(200、2200、3200、4200、または5200)から節約された重量は、ゴルフクラブヘッド(100、2100、3100、4100、または5100)の他の位置に再分配されて、CGをさらに最適化し、MOIを増加させ、ショット軌道の形状を操作することができる。
【0281】
  ゴルフクラブヘッド(100、2100、3100、4100、または5100)のCGは、第1の構成要素(300、2300、3300、4300、または5300)および第2の構成要素(200、2200、3200、4200、または5200)を含むゴルフクラブヘッドの後部に向かって下方に移動することができ、第2の構成要素(200、2200、3200、4200、または5200)は、一定の密度を有する第1の材料のみを含む代替のゴルフクラブヘッドと比較して、第1の材料密度よりも低い第2の密度を有する第2の材料を含む。
            
            実施例
            
            実施例1
         
【0282】
  本出願の比較例クラブヘッドおよび実施例クラブヘッドを表1で比較する。比較例クラブは、完全に金属であるが、実施例クラブヘッドと同様の総質量および総体積を有する。実施例クラブヘッドは上記した第1の実施形態のゴルフクラブヘッドに類似していた。実施例クラブヘッドは、金属製の第1の構成要素と、第1の構成要素に取り付けられて中空内部を取り囲む高分子の第2の構成要素を備えていた。第1の構成要素は、打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ソール上のリア延長部と、を備えていた。第2の構成要素は、クラウン部と、ソールトウ部と、ソールヒール部と、を備えていた。
            【表1】
         【0283】
  比較例クラブヘッドおよび実施例クラブヘッドは、約445cm3の同体積を有する。全体的に金属材料で構成された比較例クラブは、接地面(105)上のCGの高さである0.895インチのCGyを有する。実施例ゴルフクラブヘッドは、0.887インチのCGyを有する。CGyの値を小さくすることが望ましい。実施例ゴルフクラブヘッドのCGyは、比較例クラブのそれよりも0.008インチ低い。
【0284】
  上述したように、CGzは、ロフト面(198)に垂直な方向に、打撃フェース中心(175)からゴルフクラブヘッドの後端に向かって位置する距離として測定される。より大きなCGzは、ゴルフクラブのさらに後方に配置され、ボール飛行制御に有利である。比較例クラブのCGzは1.913インチである。実施例ゴルフクラブヘッドは、1.986インチのCGzを有する。実施例ゴルフクラブヘッドのCGzは、比較例クラブのCGzよりも0.073インチ後方にある。
【0285】
  CGの位置は、ボールの打ち上げ特性(例えば、ボール軌跡、ボールスピン、およびボール速度)、慣性モーメント(MOI)、および性能特性(例えば、スイング速度、インパクト中のスクエア)を決定するのに役立つ。高いMOIは、スイング中のゴルフクラブヘッドの回転を防止し、ボールとのインパクト中に打撃フェースをスクエアにするのに役立つ。スクエアな打撃フェースでボールをインパクトすることは、打撃フェースがスクエアでないときにボールをスライス又はフックすることと比較して、真っ直ぐなボール経路及び最適な高さ/軌道を確保するのに役立つ。また、CGが低いほど、ボールの速度とスピンが向上するため、距離を追加し、着地時にボールが後方に転がるのを防ぐことができる。
【0286】
  実施例ゴルフクラブヘッドのMOIは比較例ゴルフクラブのMOIより大きい。IXXおよびIYYのMOI値はそれぞれ、X軸(190)およびY軸(192)の周りのMOI値である。高いMOIは、スイング中のゴルフクラブヘッドの回転を防止するのに役立ち、ボールとのインパクト中に打撃フェースをスクエアにするのに役立つので、より大きなMOIが望ましい。比較例クラブのIXX値は584.45であり、IYY値は834.30である。実施例ゴルフクラブヘッドのIXX値は652.71であり、IYY値は875.94である。実施例ゴルフクラブヘッドは、比較例クラブよりも、IXXが11.7%も改善され、IYYが5.0%改善されている。
【0287】
  実施例ゴルフクラブヘッドによって打たれたゴルフボールのボール飛行は、改善されたCGy値およびCGz値を有し、改善されたIXX値およびIYY値に直接的につながる。改善されたCG値は、インパクトでのより低いボールスピンを導き、ボール飛行のためのより長いキャリーを導く。
【0288】
  代替の実施形態では、埋め込み高密度のウェイトが、実施例ゴルフクラブヘッドに追加された。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドは、CGyが0.890インチであり、CGzが2.013インチである。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドのCGyは、比較例ゴルフクラブヘッドのCGyより0.005インチ小さいが、ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドのCGzは、比較例ゴルフクラブヘッドのCGzより0.100インチ大きい。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドは、IXX値が678.31であり、IYY値が901.78である。これらのMOI値は共に、比較例ゴルフクラブヘッドのIXXおよびIYYよりもそれぞれ16%および8.1%大きい。
            
            実施例2
         
【0289】
  一連のクラブヘッド構成要素が、各々のクラブヘッドでのゴルフボールのインパクトの有限要素解析(FEA)シミュレーションテストを通じて互いに比較された。クラブヘッド構成要素は、少なくとも、フェース、打撃フェースリターン、および中心位置で可動ウェイトを保持するリアウェイトチャネルを有するソール延長部を備える金属構成要素であった。テストされた構成要素は、完全に組み立てられていないクラブヘッドであった。それらは、より低い密度を有する第2の構成要素を含まなかった。むしろ、単一の構成要素のシミュレーションおよび比較が、組み立てられたクラブヘッドの複雑なシミュレーションよりも正確であり得るため、このテストは、金属クラブヘッド構成要素を分離した。シミュレーションテストは、80mphで移動するゴルフボールによる中心フェースインパクトの後の、リアウェイトの相対的な垂直変位を検討した。シミュレーションにおけるリアウェイトは、32グラムの質量を有していた。
【0290】
  一連のクラブヘッド構成要素は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8のテスト構成要素を含んでいた。第1のテスト構成要素が単一のリアウェイトではなく、中心位置で可動ウェイトを保持するリアウェイトチャネルを備えていたことを除いて、第1のテスト構成要素は、上述の第1のゴルフクラブヘッド(100)の第1の構成要素(300)と同様であった。第1のテスト構成要素は、打撃フェースリターンとリア延長部の後縁との間にいかなるブレースも有していないかった。
【0291】
  第2のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図43および
図44の変形例と同様であった。第2のテスト構成要素は、(4566と同様の)トウスカートブレースと、(4568と同様の)ヒールスカートブレースと、を有していた。第3のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図45および
図46の変形例と同様であった。第3のテスト構成要素は、(4566と同様の)トウスカートブレースと、(4568と同様の)ヒールスカートブレースと、(4560と同様の)中心クラウンブレースと、を有していた。
【0292】
  第4のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図47および
図48の変形例と同様であった。第4のテスト構成要素は、(4557と同様の)トウ側ブレースと、(4559と同様の)ヒール側ブレースと、を有していた。第4のテスト構成要素のトウ側ブレースおよびヒール側ブレースは、第4のテスト構成要素の後端に向けてより大きい幅で分離された。第5のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図49および
図50の変形例と同様であった。第5のテスト構成要素は、(4557と同様の)トウ側ブレースと、(4559と同様の)ヒール側ブレースと、を有していた。第5のテスト構成要素のトウ側ブレースおよびヒール側ブレースは、第5のテスト構成要素の後端に向けてより小さい幅で分離され、その結果、それらは、上面図からV形状を形成した。
【0293】
  第6のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図51および
図52の変形例と同様であった。第6のテスト構成要素は、(4566と同様の)トウスカートブレースと、(4568と同様の)ヒールスカートブレースと、(4557と同様の)トウ側ブレースと、(4559と同様の)ヒール側ブレースと、を有していた。第6のテスト構成要素のトウ側およびヒール側ブレースは、第6のテスト構成要素の後端に向けてより大きい幅で分離された。第7のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図53および
図54の変形例と同様であった。第7のテスト構成要素は、(4566と同様の)トウスカートブレースと、(4568と同様の)ヒールスカートブレースと、(4557と同様の)トウ側ブレースと、(4559と同様の)ヒール側ブレースと、を有していた。第7のテスト構成要素のトウ側およびヒール側ブレースは、互いに平行であった。
【0294】
  第8のテスト構成要素は、上述の第4のゴルフクラブヘッド(4100)の第1の構成要素(4300)、具体的には、
図55および
図56の変形例と同様であった。第8のテスト構成要素は、(4566と同様の)トウスカートブレースと、(4568と同様の)ヒールスカートブレースと、(上述の第1のブレース4570および第2のブレース4572と同様の)一対の十字に交差するブレースと、を有していた。
【0295】
  ゴルフボールが、重力線の中心に対して中心から離れてクラブヘッドをインパクトすると、ゴルフクラブヘッドは、重心周りにトルクを与える。重力線の中心は、フェースに対してほぼ垂直に延在し、且つ重心と一致する理論線である。線から離れたインパクトによってもたらされる重心周りの誘発トルク効果は、ゴルフ産業でギアリングとして知られている。ギアリングが測定に寄与し得るため、テスト構成要素の一部の相対的な移動は、固定座標系に基づいて正確に測定され得ない。例えば、ゴルフボールが重力線の中心よりも上でフェースを打撃する場合、ギアリングは、リア可動ウェイトに下方の移動を生じさせ得る。したがって、リアウェイトチャネルおよびウェイトの相対的な垂直変位を測定するとき、測定は、ゴルフクラブヘッドの全体の移動に従う座標系に関して行われなければならない。
【0296】
  正確なシミュレーションテストを行うために、座標系は、各々のテスト構成要素内で設定された。座標系は、理論面にリンクされた。理論面は、ロフト面と平行であり、ロフト面の後ろに1.25インチオフセットされた。これは、ゴルフクラブヘッドのこの領域が、クラウンおよびソールにおける臨界応力ゾーンから十分に距離を置かれるためである。理論面を臨界応力ゾーンから分離することは、アンカー座標系を分離し、座標系が、クラブヘッド構成要素の全体の移動に正確に従うことを可能にする。座標系をクラブヘッド構成要素の全体の移動に結び付けることは、可動ウェイトの相対的な垂直の曲がりの正確な測定を可能にする。この実施例の目的のため、「相対的な垂直の曲がり」は、ロフト面(および理論面)と平行なソールからクラウンへの方向の曲がりを意味するように理解されるべきである。言い換えると、相対的な垂直の曲がりは、その他のテストゴルフクラブヘッド構成要素に対する、後方ウェイトのインパクト誘発の発振の振幅の測定値である。
【0297】
  図64においてグラフで示されるように、(ブレースなしの)第1のテスト構成要素の後ウェイトは、0.3インチを超えて曲がった。(トウおよびヒールスカートブレースを有する)第2のテスト構成要素は、後方ウェイトが最大略0.15インチ曲がって改善を示した。(V形状のトウおよびヒール側ブレースを有する)第5のテスト構成要素は、略0.12インチの最大の相対的な垂直のウェイト変位を示した。(後方に広いトウおよびヒール側ブレースを有する)第4のテスト構成要素は、第5のテスト構成要素と同様の性能であった。第4のテスト構成要素は、略0.11インチの最大の相対的な垂直変位を示した。(スカートブレースおよび十字に交差するクラウンブレースを有する)第8のテスト構成要素は、略0.075インチの最大の相対的な垂直変位を示した。第3、第6、および第7のテスト構成要素は、他の構成要素のいずれよりも優れた性能であった。
 
【0298】
  図65のグラフは、基準線第1のテスト構成要素と比較される第3、第6、および第7のテスト構成要素を示す。
図66のグラフは、
図65のグラフの拡大図である。
図66のグラフに示されるように、(スカートブレースおよび中心クラウンブレースを有する)第3のテスト構成要素は、略0.065インチの最大の相対的な垂直変位を示した。(スカートブレースおよび後方に広いトウおよびヒール側ブレースを有する)第6のテスト構成要素は、略0.057のわずかに低い最大の相対的な垂直変位を示し、(スカートブレースおよび平行なトウおよびヒール側ブレースを有する)第7のテスト構成要素は、略0.054インチの最大の相対的な垂直変位を示した。
 
【0299】
  より大きく上方に曲がるリアウェイトは、より大きく下方にはね返り、ソールリア延長部においてより大きい材料疲労および応力を含む。本明細書に記載された2構成要素設計を有する、完全に組み立てられたゴルフクラブヘッドについて、第1および第2の構成要素を接続するリップまたはオーバーラップジョイント構造は、後方ウェイトが高振幅(相対的な垂直変位の高い値)で発振または振動する場合、層間剥離のリスクがある。したがって、後方ウェイトのより小さい相対的な垂直変位を示すテスト構成要素は、より耐久性のあるゴルフクラブヘッドを形成する。このシミュレーションテストは、第1の構成要素にブレースを追加することが、ゴルフクラブヘッドの耐久性を改善することを示した。特に、(
図51~
図54などの)第1の構成要素への、2つのスカートブレース、トウ側ブレース、およびヒール側ブレースの組合せを含むことにより、リアウェイトへの最善の安定性、したがって最も優れた耐久性が提供された。
【0300】
  完全なゴルフクラブヘッドの性能は、テストされた一連のクラブヘッド構成要素(すなわち、金属の第1の構成要素)の性能よりも優れる。本明細書に記載されたゴルフクラブヘッド実施形態について、典型的にはポリマー材料を含む第2の構成要素は、第1の構成要素に何らかの支持を提供する。取り付けられた第2の構成要素は、後方ウェイトの相対的な垂直変位を低減する。したがって、一連のテストされたクラブヘッド構成要素の任意の構成要素は、適切に設計された第2の構成要素と連結される場合、十分に耐久性のあるクラブヘッドを形成し得る。しかしながら、リアウェイトのより小さい相対的な垂直変位を有する第1の構成要素(金属)は、より薄く、より軽量の、またはより耐久性の低い第2の構成要素に連結されて、等しく耐久性のあるクラブヘッド全体に達し得る。
            
            実施例3
         
【0301】
  第2の比較は、上記の実施例2に記載された、第1のテスト構成要素、第3のテスト構成要素、および第7のテスト構成要素間で行われた。この比較テストは、各々のクラブヘッドでのゴルフボールのインパクトの有限要素解析(FEA)シミュレーションテストを通じて行われた。シミュレーションテストは、80mphで移動するゴルフボールによるトウ側(中心から離れた)フェースインパクトの後の、リアウェイトの相対的な垂直変位を検討した。フェースは、フェースの幾何中心からトウ端に向けて1インチの所でインパクトされた。
【0302】
  図67のグラフに示されるように、(ブレースなしの)第1のテスト構成要素は、0.5インチを超える後方ウェイトの相対的な垂直変位を示した。(スカートブレースおよび中心クラウンブレースを有する)第3のテスト構成要素は、略0.1インチの後方ウェイトの最大の相対的な垂直変位を示した。(スカートブレースおよび平行なトウおよびヒール側ブレースを有する)第7のテスト構成要素は、略0.08インチの後方ウェイトの最大の相対的な垂直変位を示した。この比較は、ブレースが、中心ヒットショットだけでなく、中心から離れたヒットショットについてもクラブヘッド耐久性を増加させることを示す。
 
【0303】
  1つ以上のクレームされた要素の置換は、再構成を構成し、修理を構成しない。更に、効果、他の利点、及び問題に対する解決策が特定の実施形態に関して記載されてきた。しかしながら、利点、他の有利な点及び問題に対する解決、並びに、任意の利点、有利な点または解決を発生させまたは明らかとさせる任意の1つまたは複数の要素は、このような利点、有利な点、解決または要素がこのような請求の範囲に明示的に述べられていない限り、請求の範囲の任意またはすべての要素の重大な、必須の、または、本質的な特徴若しくは要素を構成するものではない。
【0304】
  ゴルフに対する規則は、時々変更される(全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等のゴルフ標準組織及び/または管理機関によって、新しい規則が適用されることがあり、または、古いルールが撤廃若しくは変更されることがある)ため、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、任意の特定時におけるゴルフのルールに適合しまたは適合しないことがある。したがって、本明細書に記載される方法、装置、および/または製品に関連するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、販売のために提供され、および/または販売されてもよい。本明細書に記載される方法、装置、および/または製品は、この点に関して限定されない。
【0305】
  業界内の習慣、全米ゴルフ協会(USGA)またはR&Aなどのゴルフ団体によって設定された規則、および命名規則は、本出願の範囲から逸脱することなく、用語のこの説明を強化することができる。
【0306】
  上記の例は、中空体ゴルフクラブに関連して記載され得るが、本明細書に記載される装置、方法、および製品は、アイアン型ゴルフクラブ、ウェッジ型ゴルフクラブ、またはパター型ゴルフクラブなどの他のタイプのゴルフクラブに適用可能であり得る。あるいは、本明細書に記載の装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り用ポール、スキーポールなどの他のタイプのスポーツ用具に適用可能であってもよい。
【0307】
  更に、本明細書に記載の実施形態及び限定事項は、実施形態及び/または限定事項が、(1)請求の範囲に明示的に主張されていない、及び、(2)均等論の下で、請求の範囲における表現要素及び/または限定事項と等価または潜在的に等価である場合、公開主義の下で公衆に提供するものではない。
【0308】
  本開示の様々な特徴および利点は、以下の項に記載される。
【0309】
  項目1:ゴルフクラブヘッドであって、ボディを備えており、前記ボディは、打撃フェースと、後端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、スカートと、後縁と、を備えており、前記ボディはさらに、前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルを有するリア延長部と、前記打撃フェースリターンとリア延長部に取り付けられているクラウンブレースと、を備える、第1の構成要素と、クラウン部と、ソールトウ部と、ソールヒール部と、を備える第2の構成要素と、を備えており、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合して、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、前記ウェイトチャネルは、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端において中心に位置しており、前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、前方クラウン部と前方ソール部を備えており、前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部から前記後端に向かって延びており、前記リア延長部はさらに、前記リア延長部の中心を通って伸びるリア延長軸を備えており、第1構成要素質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%である、ゴルフクラブヘッド。
【0310】
  項目2:前記クラウンブレースは、前記打撃フェースリターンの前記前方クラウン部に取り付けられているとともに、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端で前記ウェイトチャネルに隣接する前記ソールリア延長部に取り付けられている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0311】
  項目3:クラウンブレースと前記ウェイトチャネルは、ハンマーヘッド形状を備えている、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0312】
  項目4:前記クラウンブレースはさらに、クラウンブレース長手軸を備えており、前記クラウンブレースは最大長さを備えており、前記クラウンブレース長手軸は、前記最大長さに沿って前記クラウンブレースを二等分する、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0313】
  項目5:前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延長部軸と平行に前記ヒール端に向けてオフセットされている、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0314】
  項目6:前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延長部軸と平行に前記トウ端に向けてオフセットされている、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0315】
  項目7:前記クラウンブレース長手軸は、前記リア延長部軸に対して鋭角を形成するように、前記リア延長部軸に対して非平行である、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0316】
  項目8:X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドの後端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びている、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0317】
  項目9:前記ウェイトチャネルは、前記ボディの前記後端と前記ソールにおいて露出している、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0318】
  項目10:前記ウェイトチャネルは、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイトを受容するように構成されている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0319】
  項目11:前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルと前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部の間を延びているトウ側壁とヒール側壁を備えている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0320】
  項目12:前記ウェイトチャネルが、3つのねじ穴を有する取り付け壁をさらに備えており、前記3つのねじ穴が、トウ側ねじ穴と、中央ねじ穴と、ヒール側ねじ穴と、を備えており、前記中央ねじ穴が、前記取り付け壁の長さの中央点に位置する、項目10に記載のゴルフクラブヘッド。
【0321】
  項目13:前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記前方ソール部の後方周囲の後方において、ヒールからトウ方向に測定されるリア延長部幅を備えており、前記リア延長部幅は、前記ソールの全幅の25%から85%の範囲である、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0322】
  項目14:前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる、項目13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0323】
  項目15:可動ウェイトが、前記3つのねじ穴の1つに取り付けられるねじ付き締結具によって固定される、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0324】
  項目16:前記ウェイトチャネルがソール壁をさらに備えており、前記ソール壁が前記ソールから内側に入っており、前記取り付け壁が前記ソールに対してほぼ垂直に配向されており、前記ソール壁は、取り付け壁の高さと略等しい距離だけ内側に入っている、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0325】
  項目17:ゴルフクラブヘッドであって、ボディを備えており、前記ボディは、打撃フェースと、後端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、スカートと、後縁と、を備えており、前記ボディはさらに、前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルを有するリア延長部と、複数のクラウンブレースと、を備える、第1の構成要素と、クラウン部と、ソールトウ部と、ソールヒール部と、を備える第2の構成要素と、を備えており、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合して、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、前記ウェイトチャネルは、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端において中心に位置しており、前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、第1構成要素クラウン部と第1構成要素ソール部を備えており、前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記第1構成要素クラウン部から前記後端に向かって延びており、前記リア延長部はさらに、前記リア延長部の中心を通って伸びるリア延長軸を備えており、第1構成要素質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%である、ゴルフクラブヘッド。
【0326】
  項目18:前記複数のクラウンブレースは、前記第1の構成要素内に開口を画定し、前記開口の数は、3つ、4つ、5つ、6つの開口からなる群から選択される、項目17に記載のゴルフクラブヘッド。
【0327】
  項目19:前記複数のクラウンブレースは、2つのクラウンブレースを備えており、前記2つのクラウンブレースの各々が、前記前方クラウン部に取り付けられているとともに、前記ゴルフクラブヘッドの前記後端で前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部に取り付けられている、項目17に記載のゴルフクラブヘッド。
【0328】
  項目20:前記2つのクラウンブレースは、異なるポイントでリア延長部に取り付けされている、項目19に記載のゴルフクラブヘッド。