(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/58 20100101AFI20250304BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20250304BHJP
C01B 25/45 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
H01M4/58
H01M4/36 C
C01B25/45 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078927
(22)【出願日】2023-05-11
【審査請求日】2023-06-30
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517232729
【氏名又は名称】台湾立凱電能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Advanced Lithium Electrochemistry Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 2-1, Singhua Rd., Taoyuan Dist., Taoyuan City,330,Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝瀚緯
(72)【発明者】
【氏名】林元凱
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2017-0136779(KR,A)
【文献】特表2014-524123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸、鉄粉および炭素源を提供し、前記リン酸が前記鉄粉と反応して第1生成物を生成し、前記第1生成物が非晶質のリン酸鉄であり、化学式がa-FePO
4・xH
2Oであり、x>0である、ステップ(a)と、
リチウム塩混合物を提供し、前記リチウム塩混合物は、水酸化リチウムと炭酸リチウムとを含有する、ステップ(b)と、
前記第1生成物、前記炭素源および前記リチウム塩混合物を粉砕混合する、ステップ(c)と、
前記第1生成物と前記リチウム塩混合物とを焼結して前駆体を形成し、前記前駆体の化学式がFe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4である、ステップ(d)と、
前記前駆体と前記炭素源とを焼結してリン酸鉄リチウム正極材料を形成するステップ(e)と、を含むことを特徴とするリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項2】
前記リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する前記水酸化リチウムのリチウム含有量を第1モル分率とし、前記第1モル分率が0.5~0.7である、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項3】
前記リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する前記炭酸リチウムのリチウム含有量を第2モル分率とし、前記第2モル分率が0.3~0.5である、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項4】
ステップ(c)において、前記第1生成物、前記炭素源および前記リチウム塩混合物のpH値が9以下である、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項5】
ステップ(c)において、前記第1生成物、前記炭素源および前記リチウム塩混合物のpH値が7.5~9である、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項6】
前記リン酸鉄リチウム正極材料は、炭素被覆のあるナノ金属酸化物共結晶化リン酸鉄リチウム化合物である、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)は、さらに、
第1温度環境において、第1所定量の前記リン酸を脱イオン水に溶解して第1リン酸溶液を形成するステップ(a1)と、
第2温度環境において、前記第1リン酸溶液と前記鉄粉とを反応させ、且つ前記第2温度に達した後、第3温度に降温して第1の時間維持するステップ(a2)と、
第4温度に降温し、第2所定量の前記リン酸を含有する第2リン酸溶液を添加し、前記第1リン酸溶液、前記第2リン酸溶液および前記鉄粉を第2の時間反応させ、前記第1生成物を生成するステップ(a3)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項8】
前記第1所定量と前記第2所定量との重量比が3:1である、ことを特徴とする請求項7に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項9】
前記第1温度が35℃~45℃であり、前記第2温度が60℃以下であり、前記第3温度が50℃以下であり、前記第4温度が30℃以下である、ことを特徴とする請求項7に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項10】
前記第1の時間が少なくとも3時間であり、前記第2の時間が少なくとも18時間である、ことを特徴とする請求項7に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項11】
前記ステップ(c)は、さらに、
前記第1生成物および前記リチウム塩混合物の混合溶液を第1回転速度で粉砕するステップ(c1)と、
粉砕を第3の時間行った後、前記炭素源を添加し、前記粉砕を継続的に行う、ステップ(c2)と、
前記混合溶液中の平均粒径が第1長さよりも小さく粉砕された後、前記混合溶液に対して噴霧乾燥を行うステップ(c3)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項12】
前記噴霧乾燥の入口温度が210℃であり、出口温度が95℃であり、ターンテーブルの回転速度が300Hz~400Hzである、ことを特徴とする請求項11に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項13】
前記第1回転速度は、1分間あたり450~650回転、前記第3の時間が少なくとも5分間であり、前記第1長さが1マイクロメートルである、ことを特徴とする請求項11に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項14】
リン酸および鉄粉を提供し、前記リン酸が前記鉄粉と反応して第1生成物を生成し、前記第1生成物が
非晶質のリン酸鉄であり、化学式がa-FePO
4・xH
2Oであり、x>0である、ステップ(a)と、
リチウム塩混合物を提供し、前記リチウム塩混合物は、水酸化リチウムと炭酸リチウムとを含有する、ステップ(b)と、
前記第1生成物および前記リチウム塩混合物を粉砕混合するステップ(c)と、
前記第1生成物と前記リチウム塩混合物とを焼結して前駆体を生成し、前記前駆体の化学式がFe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4である、ステップ(d)と、
前記前駆体を焼結してリン酸鉄リチウム正極材料を生成するステップ(e)とを含む、ことを特徴とするリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項15】
前記ステップ(c)は、
前記第1生成物および前記リチウム塩混合物の混合溶液を第1回転速度で粉砕するステップ(c1)と、
粉砕を第3の時間行った後、炭素源を添加し、前記粉砕を継続的行う、ステップ(c2)と、
前記混合溶液中の平均粒径が第1長さよりも小さく粉砕された後、前記混合溶液に対して噴霧乾燥を行うステップ(c3)とを含む、ことを特徴とする請求項14に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項16】
前記噴霧乾燥の入口温度が210℃であり、出口温度が95℃であり、ターンテーブルの回転速度が300Hz~400Hzである、ことを特徴とする請求項15に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項17】
前記第1回転速度は、1分間あたりの450~650回転であり、前記第3の時間が少なくとも5分間であり、前記第1長さが1マイクロメートルである、ことを特徴とする請求項15に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項18】
前記混合溶液のpH値が7.5~9である、ことを特徴とする請求項15に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【請求項19】
前記リチウム塩混合物中の前記炭酸リチウムのリチウム含有量と前記水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比が3/7~1である、ことを特徴とする請求項14に記載のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極材料の製造方法に関し、特に、二次電池用リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池(Lithium-ion battery)は、繰り返し充放電可能な二次電池であり、リチウムイオンが正極と負極との間に移動することによって充放電を実現する。したがって、リチウムイオン電池は、リチウム化合物を電極材料として使用する必要がある。従来のリチウムイオン電池に使用される正極材料は、主にコバルト酸化リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)およびリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などが挙げられる。そのうち、リン酸鉄リチウム電池は、良好な安全性、比容量が大きく、サイクル寿命が長く、高温耐性があり、且つコストが低いため、電気自動車やエネルギー貯蔵装置に広く使用されている。
その中でも、リン酸鉄リチウム(LiFePO4,LFPとも呼ばれる)複合材料電池について、リチウム、鉄、リン、および金属または金属化合物の前駆体で構成された単一の不可分化合物を含有するナノ金属酸化物共結晶化リン酸鉄リチウム化合物(LFP-NCO)電池が開発されており、従来のリン酸鉄リチウム材料の低い導電率と不純物が多いという問題を大幅に改善でき、価格は従来のリン酸鉄リチウム材料よりも安く、市場競争力が優れ、現在の市場の主流な材料として広く使用されている。
【0003】
しかし、ナノ金属酸化物共結晶化リン酸鉄リチウム化合物は、ほとんどがリン酸鉄(FePO4)と水酸化リチウム(LiOH)を反応させることにより製造されており、水酸化リチウムの原料コストが高く、且つ製造に必要なリン酸鉄原料が多く、原料の粉砕に時間がかかる。そのため、電池の単位時間およびコスト費用が高くなり、また、上述した反応には酸塩基中和反応も含まれているので、製造過程におけるpH値が敏感で(変化しやすく、安定しない)、また、原材料が粘稠になりやすく、製造過程のパイプラインが詰まる場合がある。さらに、酸塩基中和反応による熱放出および熱吸収により安定な制御は困難であり、また、前記製造方法は、製造過程中に複数回の原料移送が必要となるため、不純物が混入する可能性があり、製品の品質に重大な影響を与える可能性がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、従来技術が直面する問題を解決するために、製品品質を向上させ、原料・時間のコスト、製造過程の難易度を低減させることができる、二次電池用リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供することである。前駆体Fe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4の形成メカニズムにより製造されたリン酸鉄リチウム正極材料は、既存の電池製造工程における原料および時間の高コスト問題を解決でき、且つ、酸塩基中和反応による製造過程pH値が敏感で、パイプラインが詰まり、温度管理が難しく、原料を何度もタンクに移送することにより汚染を引き起すことなどの欠点を解決することができる。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供することであり、非晶質リン酸体とリチウム塩混合物とを反応させて形成された前駆体により電池複合材料を製造し、粉砕に必要な時間を大幅に短縮でき、単位時間および費用を削減することができる。また、製造過程pH値の敏感度を低下させ、原料の粘稠やパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御することで、製造過程および生産ラインの操作の困難さを軽減することもできる。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供することである。リン酸が鉄粉と反応して生成された第1生成物は非晶質リン酸鉄であり、リン酸と鉄粉との完全な反応を確保し、原材料の無駄を効果的に削減でき、製品の品質を総合的に改善する効果を達成することができる。さらに、一定の比率範囲のリチウム塩混合物と第1生成物とを粉砕混合し、混合溶液のpH値を7.5~9の間で安定的に制御することができ、製造過程のpH値の敏感度を低下させ、原材料の粘稠およびパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御することで、製造過程生産ラインの操作の困難さを軽減することもできる。さらに、一定比率範囲のリチウム塩混合物は、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムを含有するので、リン酸鉄リチウム正極材料中のリチウム源は、水酸化リチウムによって完全に提供されるのではなく、一部は、炭酸リチウムによって提供されるので、pH値の制御に役立つだけでなく、原料コストの節約にも役立ちことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、リン酸、鉄粉および炭素源を提供し、リン酸が鉄粉と反応して第1生成物を生成し、第1生成物が非晶質のリン酸鉄であり、化学式がa-FePO4・xH2Oであり、x>0である、ステップ(a)と、リチウム塩混合物を提供し、リチウム塩混合物は、水酸化リチウムと炭酸リチウムとを含有するステップ(b)と、第1生成物、炭素源およびリチウム塩混合物を粉砕混合するステップ(c)と、第1生成物とリチウム塩混合物とを焼結して前駆体を形成し、前駆体の化学式がFe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4であるステップ(d)と、前駆体と炭素源とを焼結してリン酸鉄リチウム正極材料を形成するステップ(e)とを含む、ことを特徴とするリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供する。
好ましくは、リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する水酸化リチウムのリチウム含有量を第1モル分率とし、第1モル分率が0.5~0.7である。
好ましくは、リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する炭酸リチウムのリチウム含有量を第2モル分率とし、第2モル分率が0.3~0.5である。
好ましくは、ステップ(c)において、第1生成物、炭素源およびリチウム塩混合物のpH値が9以下である。
好ましくは、ステップ(c)において、第1生成物、炭素源およびリチウム塩混合物のpH値が7.5~9である。
好ましくは、リン酸鉄リチウム正極材料は、炭素被覆のあるナノ金属酸化物共結晶化リン酸鉄リチウム化合物である((LFP Nano Cocrystalline Olivine, LFP-NCO)。
好ましくは、ステップ(a)は、さらに、第1温度環境において、第1所定量の前記リン酸を脱イオン水に溶解して第1リン酸溶液を形成するステップ(a1)と、第2温度環境において、第1リン酸溶液と鉄粉とを反応させ、且つ第2温度に達した後、第3温度に降温して第1の時間維持するステップ(a2)と、第4温度に降温し、第2所定量のリン酸を含有する第2リン酸溶液を添加し、第1リン酸溶液、第2リン酸溶液および鉄粉を第2の時間反応させ、第1生成物を生成するステップ(a3)とを含む。
好ましくは、第1所定量と第2所定量との重量比が3:1である。
好ましくは、第1温度が35℃~45℃であり、第2温度が60℃以下であり、第3温度が50℃以下であり、第4温度が30℃以下である。
好ましくは、第1の時間が少なくとも3時間であり、第2の時間が少なくとも18時間である。
好ましくは、ステップ(c)は、さらに、第1生成物およびリチウム塩混合物の混合溶液を第1回転速度で粉砕するステップ(c1)と、粉砕を第3の時間行った後、炭素源を添加し、粉砕を継続的に行う、ステップ(c2)と、混合溶液中の平均粒径が第1長さよりも小さく粉砕された後、混合溶液に対して噴霧乾燥を行うステップ(c3)とを含む。
好ましくは、噴霧乾燥の入口温度が210℃であり、出口温度が95℃であり、ターンテーブルの回転速度が300Hz~400Hzである。
第1回転速度は、1分間あたり450~650回転、第3の時間が少なくとも5分間であり、第1長さが1マイクロメートルである。
上記の目的を達成するために、本発明の別の実施形態は、リン酸および鉄粉を提供し、リン酸が鉄粉と反応して第1生成物を生成し、第1生成物が非品質のリン酸鉄であり、化学式がa-FePO4・xH2Oであり、x>0である、ステップ(a)と、リチウム塩混合物を提供し、リチウム塩混合物は、水酸化リチウムと炭酸リチウムとを含有する、ステップ(b)と、第1生成物およびリチウム塩混合物を粉砕混合するステップ(c)と、第1生成物とリチウム塩混合物とを焼結して前駆体を生成し、前駆体の化学式がFe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4である、ステップ(d)と、前駆体を焼結してリン酸鉄リチウム正極材料を生成するステップ(e)とを含む、ことを特徴とするリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供する。
好ましくは、ステップ(c)は、第1生成物およびリチウム塩混合物の混合溶液を第1回転速度で粉砕するステップ(c1)と、粉砕を第3の時間行った後、炭素源を添加し、粉砕を継続的行う、ステップ(c2)と、混合溶液中の平均粒径が第1長さよりも小さく粉砕された後、混合溶液に対して噴霧乾燥を行うステップ(c3)とを含む。
好ましくは、噴霧乾燥の入口温度が210℃であり、出口温度が95℃であり、ターンテーブルの回転速度が300Hz~400Hzである。
好ましくは、第1回転速度は、1分間あたり450~650回転であり、第3の時間が少なくとも5分間であり、第1長さが1マイクロメートルである。
好ましくは、混合溶液のpH値が7.5~9である。
好ましくは、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムのリチウム含有量と水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比が3/7~1である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法のフローチャート図である。
【
図2】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法の詳細なフローチャート図である。
【
図3】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を示す別の詳細なフローチャート図である。
【
図4】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を示す別の詳細なフローチャート図である。
【
図5】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法における前駆体のXRD回折チャート図である。
【
図6】本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法により得られた最終製品のXRD回折チャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴及び利点を具体化するいくつかの典型的な実施形態は、以下の内容において詳細に説明する。本発明は、範囲を逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、以下の説明及び図面は、本発明を説明するために使用されており、本発明を限定するためのものではない。また、本発明の詳細な説明において、第1特徴が第2特徴の上又は上方に配置されることとは、配置された前記第1特徴と前記第2特徴が直接に接続されている実施形態と、前記第1特徴と前記第2特徴との間に他の構造を介し前記第1特徴と前記第2特徴が直接に接続されていない実施形態とを含む。さらに、本明細書の異なる実施形態に関する説明では、符号および/または記号を繰り返し使用することができる。これらの繰り返しは、簡略化および明確化を目的としており、さまざまな実施形態および/または説明される外観構造の間の関係を限定することを意図したものではない。なお、図中では、1つの構成要素または特徴部分と他の(複数)の構成要素または(複数)の特徴部分との関係を説明しやすくするために、「内」、「外」、「高い」、「低い」などの空間に示す用語を記載している。これらの記載は、空間相対的な用語であり、概略的に示された向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図している。また、その装置は他の配置(例えば、90度回転または他の方向)に配置されてもよく、使用される場面に応じて解釈されることができる。また、構成要素が別の構成要素に「接続されている」または「結合されている」と記載される場合、他の構成要素に直接接続または結合されていても良く、他の構成要素を介して接続または結合されても良い。また、本明細書の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメーターは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示す数値は可能な限り正確に記載されている。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、特許請求の範囲に記載された異なる構成を説明するために使用されており、これらの構成は当該用語に限定されず、実施形態に関する内容では、該当構成は異なる符号で表示さているが、第1構成は第2構成と表示され、また、第2構成は第1構成と表示されることも可能であり、本発明の実施形態から逸脱しない。また、「及び/又は」という用語は、一つおよび複数の関連要素またはその全部の組合せを意味する。操作/動作に関する実施形態において明確に定義しない限り、本明細書に記載されているすべての数値範囲、量、数値およびパーセントなど(例えば、角度、維持時間、温度、操作条件、割合及びそれに相当するパーセントなど)はいずれも、すべての実施形態において用語の「約」または「実質的に」に理解すべきである。また、内容に記載されない限り、本発明及び特許請求の範囲の数値はいずれも、必要に応じて変化しえる近似値に取ることができる。例えば、各パラメーターは、少なくとも記載されている有効桁数に照らして、通常の丸めの原則を適用して解釈しても良い。また、本明細書での数値範囲は、一方の端点から他方の端点まで、または2つの端点の間の範囲として表することができる。本明細書に記載されているすべての範囲は、特に定義されていない限り、端点を含むことを留意されたい。
【0011】
図1は、本発明の好ましい実施形態における電池複合材料の製造方法のフローチャート図である。
図1に示すように、本発明の電池複合材料の製造方法は以下のステップを含む。ステップS100に示すように、リン酸、鉄粉および炭素源(糖類、有機化合物、ポリマーまたは高分子材料)を提供(用意、準備)する。なお、リン酸の化学式がH
3PO
4であり、鉄粉の化学式がFeである。ある実施形態では、糖類は、例えば、フルクトース、スクロース、ラクトース、ガラクトースなどが挙げられるが、これらに限定されない。高分子材料は、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP,化学式(C
6H
9NO)
n)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。リン酸は鉄粉と反応して第1生成物を生成する。本実施形態では、前記第1生成物は、不定形(非晶質、アモルファス)リン酸鉄であり、化学式がa-FePO
4・xH
2Oであり、ここで、xは0より大きい。
【0012】
また、ステップS200のように、リチウム塩混合物を提供し、リチウム塩混合物は、炭酸リチウム(化学式Li2CO3)、水酸化リチウム(化学式LiOH)である。なお、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムと水酸化リチウムは一定の比率範囲があることに留意されたい。本実施形態では、リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する水酸化リチウムのリチウム含有量のモル分率を第1モル分率とし、その第1モル分率が0.5~0.7であることが好ましい。また、リチウム塩混合物のリチウム含有量に対する炭酸リチウムのリチウム含有量のモル分率を第2モル分率とし、その第2モル分率が0.3~0.5であることが好ましい。換言すれば、リン酸鉄リチウム正極材料中のリチウムは、水酸化リチウムによって完全に提供されることではなく、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムのリチウム含有量と、水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比は、3/7~1である。一部の水酸化リチウムを炭酸リチウムに置き換えることで、後工程において製造過程のpH値感度を低下させ、原料の粘稠やパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御でき、さらに、原料コストの削減にも有利である。
【0013】
ステップS300に示すように、第1生成物およびリチウム塩混合物を粉砕し、かつ粉砕過程中に炭素源を添加する。また、ステップS400に示すように、粉砕混合された第1生成物とリチウム塩混合物とを焼結して前駆体を生成し、前記前駆体の化学式がFe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4である。
【0014】
最後に、ステップS500に示すように、前駆体と炭素源とを焼結して反応させ、リン酸鉄リチウム正極材料LiFePO4を生成する。別の実施形態では、ステップS300において、V2O5、MgOなどの金属酸化物を添加しても良い。これによって、金属酸化物を含有するLiFePO4材料を得ることができる。金属酸化物を含有するLiFePO4材料は、「ナノ金属酸化物共結晶化リン酸鉄リチウム化合物(LFP-NCO)」と呼ぶことができる。なお、本発明はこれに限定されない。
【0015】
以上のように、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法は、リン酸と鉄粉との反応によって生成された第1生成物によって(の生成過程を経て)、リン酸と鉄粉とを完全に反応させることを確保でき、原材料の無駄を効果的に削減し、製品の品質を向上させる効果を有する。また、一定の比率のリチウム塩混合物が水酸化リチウムと炭酸リチウムを含み、第1生成物と粉砕混合することで、製造過程pH値の敏感度を低下させ、原料の粘稠やパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御できるだけでなく、原料コストの削減にも有利である。
【0016】
図1と併せて
図2を参照されたい。
図2は、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法の詳細なフローチャート図である。
図1および
図2に示すように、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法のステップS100は、さらに、以下の詳細なステップを含む。ステップS101に示すように、第1温度環境(例えば、35℃~45℃の環境)において、第1所定量のリン酸を脱イオン水に溶解し、第1リン酸溶液を形成する。ここでは、42℃に予熱された環境が好ましいが、本発明はこれに限定されない。次に、ステップS102に示すように、第2温度環境において、第1リン酸溶液を鉄粉と反応させ、第2温度に到達すると、第3温度まで降温してその状態を第1の時間維持する。本発明の技術的思想によれば、混合後に溶液中でリン酸イオンを放出できる他の化合物と鉄粉と反応させることができるが、本発明はこれに限定されない。また、第2温度が60℃以下であるが、好ましくは60℃である。第3温度が50℃以下であるが、好ましくは50℃である。第1の時間は、少なくとも3時間であり、好ましくは3時間である。
【0017】
換言すれば、ステップS102の好ましい実施形態は、60℃の環境において第1リン酸溶液と鉄粉とを反応させ、60℃に達した後、50℃まで降温し、そして、3時間維持するが、本発明はこれに限定されない。次に、ステップS103に示すように、第4温度まで降温し、第2所定量リン酸を含有する第2リン酸溶液を添加し、第1生成物を生成するために、第1リン酸溶液、第2リン酸溶液および鉄粉を連続的に第2の時間反応させる。
【0018】
本実施形態では、当該第1生成物がリン酸鉄の非晶質体であり、化学式がa-FePO4・xH2O(x>0)であり、第4温度が30℃以下であり、好ましくは、30℃である。また、第2の時間が少なくとも18時間であり、好ましくは、18時間である。第1所定量と第2所定量との重量比は3:1、すなわち、第1所定量が75%であり、第2所定量が25%である。リン酸、脱イオン水および鉄粉の二次反応(第二回反応)によって、リン酸溶液と鉄粉とを十分に反応させることができ、原材料の無駄を効果的に削減し、製品の品質を総合的に向上させることができる。
【0019】
上述の反応が18時間完了した後、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法のステップS300が行われる。以下、その詳細な工程を説明する。
図3に示すように、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法の詳細なフローチャート図である。まず、
図3のステップS301に示すように、第1生成物が第1回転速度で粉砕される。前記第1回転速度は、1分間あたりの450~650回転(450-650rpm)であり、好ましくは、1分間あたりの550回転(550rpm)である。
【0020】
さらに、ステップS302に示すように、粉砕動作中に、炭素源と一定の比率範囲内のリチウム塩混合物を添加し、第3の時間、例えば、少なくとも5分間を経た後、炭素源とリチウム塩混合物とを添加し(前記炭素源は、例えば、高分子材料PVPである)、前駆体溶液を生成し、その同時に、粉砕動作を続き、ステップS303に示すような前駆体溶液中の平均粒子直径(すなわち、平均粒径D50)が第1長さ(直径、例えば、1マイクロメートル(1μm)、ただし、これに限定されない)よりも小さく粉砕された後、前駆体溶液に対して噴霧乾燥および熱処理を行って、乾燥された前駆体を得る。前記前駆体の化学式がFe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4である。
【0021】
噴霧乾燥は、ターンテーブル式噴霧乾燥機によって実現され、入口温度が210℃であり、出口温度が95℃であり、ターンテーブルの回転速度が300~400Hzであるが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
ここまで、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法の前駆体を形成する過程を説明したが、以下、後工程のステップS500の詳細について説明する。
図4は、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法の詳細なフローチャート図である。
図4に示すように、ステップS501において、第1生成物、リチウム塩混合物および炭素源を粉砕混合して前駆体溶液を形成する。次に、ステップS502に示すように、分散剤を添加して噴霧造粒を行う。次に、ステップS503に示すように、高温焼結を行う。最後に、ステップS504に示すように、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料(化学式がLiFePO
4である)を生成する。
【0023】
以下、例示的な実施形態を用いて本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を説明する
【0024】
(実施例1)
518.6gのリン酸(純度85%以上)、脱イオン水および253gの鉄粉(純度99%以上)を提供し、一次反応(第1回反応)で第1生成物を生成する。リチウム塩混合物を添加し、リチウム塩混合物は、95.33gの水酸化リチウム(濃度50wt.%)および83.78gの炭酸リチウムを含有する。すなわち、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムのリチウム含有量と水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比が1:1であり、それぞれが50%のリチウム源として使用されている。20時間の撹拌および共反応の後、pH値を7.9に制御し、分散剤を添加して横型サンドミル(回転速度450~650rpm)を使用して1時間粉砕し、粉砕過程中に、炭素源(糖類、有機化合物、ポリマーまたは高分子材料、そのうち、高分子材料は、例えば、PVPである)を添加して、Fe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4を含有する前駆体溶液を得た。その後、前駆体溶液に対して噴霧乾燥を行う。次に、噴霧乾燥後の完成品を長径セラミック製るつぼに入れ、焼結を行い、前駆体を得た。X線回折(X-ray Diffraction,XRD)の分析結果は
図5に示しており、標準回折パターン(JCPDS Card)と比較して、構造がFe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4であるが分かった。
【0025】
その後、噴霧乾燥した前駆体を不活性ガス中、550℃で4時間および700℃で4時間保持することにより、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料を得ることができる。焼結後に得られた化合物のX線回折結果は、
図6に示しており、その構造がリン酸鉄リチウムのLiFePO
4であることが確認された。また、得られたリン酸鉄リチウム正極材料の粉末の平均粒径が14.00μmであり、比表面積が19.88m
2/gであり、電気分析結果は表1に示されている。
【0026】
(実施例2)
518.6gのリン酸(純度85%以上)、脱イオン水および253gの鉄粉(純度99%以上)を提供し、一次反応(第1回反応)で第1生成物を生成する。実施例2に添加されたリチウム塩混合物は実施例1と異なり、114.4gの水酸化リチウム(濃度50wt.%)および67.02gの炭酸リチウムを含有する。すなわち、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムのリチウム含有量と水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比が2:3であり、炭酸リチウムと水酸化リチウムがそれぞれ40%と60%のリチウム源として使用されている。20時間の撹拌および共反応の後、pH値を8.2に制御する。分散剤を添加して横型サンドミル(回転速度450~650rpm)を使用して時間粉砕する。粉砕過程中に、炭素源を添加して、Fe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4の前駆体溶液を得ることができる。次に、噴霧乾燥後の前駆体を不活性ガス中、550℃で4時間保持し、および、700℃で4時間保持した後、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料LiFePO
4を得ることができる。得られたリン酸鉄リチウム正極材料の粉末の平均粒径が17.96μmであり、比表面積が20.63m
2/gであり、電気分析結果は表2に示されている。
【0027】
(実施例3)
518.6gのリン酸(純度85%以上)、脱イオン水および253gの鉄粉(純度99%以上)を提供し、一次反応(第1回反応)で第1生成物を生成する。実施例3に添加されたリチウム塩混合物は施例1と異なり、133.47gの水酸化リチウム(濃度50wt.%)および50.27gの炭酸リチウムを含有する。すなわち、リチウム塩混合物中の炭酸リチウムのリチウム含有量と水酸化リチウムのリチウム含有量とのモル比が3:7であり、炭酸リチウムおよび水酸化リチウムがそれぞれ30%および70%のリチウム源として使用されている。20時間の撹拌および共反応の後、pH値を8.4に制御する。分散剤を添加して、横型サンドミル(回転速度450~650rpm)を1時間粉砕する。粉砕過程中に、炭素源を添加して、Fe
3(PO
4)
2・8H
2O+Li
3PO
4の前駆体溶液を得ることができる。噴霧乾燥後の前駆体を不活性ガス中、550℃で4時間保持し、および、700℃で4時間保持した後、本発明のリン酸鉄リチウム正極材料LiFePO
4を得ることができる。得られたリン酸鉄リチウム正極材料の粉末の平均粒径が13.00μmであり、比表面積が18.87m
2/gであり、電気分析結果は表3に示されている。
【0028】
実施例1~実施例3で得られたリン酸鉄リチウム正極材料の電気分析結果より、本発明は、前駆体Fe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4の形成メカニズムにより製造されたリン酸鉄リチウム正極材料の比表面積が18m2/g~21m2/gであり、0.1C充放電容量は150mAh/gを超え、優れた物性および電気特性を有する。本発明のリン酸鉄リチウム正極材料の製造方法は、前述した多くのプロセスパラメータを調整することで、要求される製品仕様のリン酸鉄リチウム正極材料を製造することができる。なお、本発明はこれに限定されない。
【0029】
以上のように、本発明は、リン酸鉄リチウム正極材料の製造方法を提供する。前駆体Fe3(PO4)2・8H2O+Li3PO4の形成メカニズムにより製造されたリン酸鉄リチウム正極材料は、既存の電池製造工程における原料および時間の高コスト問題を解決でき、且つ、酸塩基中和反応による製造過程pH値が敏感で、パイプラインが詰まり、温度管理が難しく、原料を何度もタンクに移送することにより汚染を引き起すことなどの欠点を解決することができる。そのうち、非晶質リン酸体とリチウム塩混合物とを反応させて形成された前駆体により電池複合材料を製造することは、粉砕に必要な時間を大幅に短縮でき、単位時間および費用を削減することができる。また、製造過程pH値の敏感度を低下させ、原料の粘稠やパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御することで、製造過程および生産ラインの操作の困難さを軽減することもできる。また、リン酸が鉄粉と反応して生成された第1生成物は非晶質リン酸鉄であり、リン酸と鉄粉との完全な反応を確保し、原材料の無駄を効果的に削減でき、製品の品質を総合的に改善する効果を達成することができる。さらに、一定の比率範囲のリチウム塩混合物と第1生成物とを粉砕混合し、混合溶液のpH値を7.5~9の間で安定的に制御することができ、製造過程のpH値の敏感度を低下させ、原材料の粘稠およびパイプラインの閉塞を回避し、製造過程の温度を安定して制御することで、製造過程生産ラインの操作の困難さを軽減することもできる。さらに、一定比率範囲のリチウム塩混合物は、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムを含有するので、リン酸鉄リチウム正極材料中のリチウム源は、水酸化リチウムによって完全に提供されるのではなく、一部は、炭酸リチウムによって提供されるので、pH値の制御に役立つだけでなく、原料コストの節約にも役立ちことができる。
【0030】
本発明は、当該技術分野における技術者によって様々な方法で修正または変更することができるが、その修正および変更はいずれも本発明の技術的思想から逸脱しなく本発明の特許請求の範囲に含まれている。
【符号説明】
【0031】
S100、S101、S102、S103、S200、S300、S301、S302、S303、S400、S500、S501、S502、S503、S504:ステップ