(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】地図生成装置、地図生成方法、及び、地図生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20250304BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2023102047
(22)【出願日】2023-06-21
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2022154701
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 西日本電信電話株式会社が、ウェブサイトの掲載日令和4年7月21日ウェブサイトのアドレスhttps://www.ntt-west.co.jp/news/2207/220721a.htmlで公開されている西日本電信電話株式会社のウェブサイトにて、石原達也、松本晃輔、本田新九郎及び仁木智子が発明した地図生成装置、地図生成方法、及び、地図生成プログラムについて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】石原 達也
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】本田 新九郎
(72)【発明者】
【氏名】仁木 智子
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056506(JP,A)
【文献】特開2022-129713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元地図内の空間を高さ方向で複数の分割空間に分割する空間分割部と、
前記分割空間毎に分割空間内の障害物を判定する障害物判定部と、
各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む複数の圧縮分割空間を生成する分割空間圧縮部と、
圧縮分割空間内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無を基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定する障害物確定部と、
前記複数の圧縮分割空間のうち任意の高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する2次元地図生成部と、
を備え、
前記障害物確定部は、
時刻の異なる同じ高さの複数の圧縮分割空間のうち同一位置においていずれかの圧縮分割空間にのみ含まれる2次元障害物を偽障害物として確定し、
前記2次元地図生成部は、
障害物の真偽の確定結果を反映した前記2次元地図を生成する
地図生成装置。
【請求項2】
前記障害物確定部は、
前記複数の圧縮分割空
間の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無を基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定する請求項1に記載の地図生成装置。
【請求項3】
前記障害物確定部は、
高さ方向に位置する複数の圧縮分割空間のうち中層の圧縮分割空間にのみ含まれる2次元障害物を偽障害物として確定する請求項
1に記載の地図生成装置。
【請求項4】
前記2次元地図生成部は、
所定の移動型機械に適した高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を組み合わせた前記2次元地図を生成する請求項1に記載の地図生成装置。
【請求項5】
前記2次元地図生成部は、
所定の移動型機械の大きさ又は移動量を基に前記1つ以上の圧縮分割空間に含まれる2次元障害物のエリアを拡張する請求項1に記載の地図生成装置。
【請求項6】
地図生成装置で行う地図生成方法において、
3次元地図内の空間を高さ方向で複数の分割空間に分割
する第1のステップと、
前記分割空間毎に分割空間内の障害物を判定
する第2のステップと、
各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む複数の圧縮分割空間を生成
する第3のステップと、
圧縮分割空間内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無を基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定する第4のステップと、
前記複数の圧縮分割空間のうち任意の高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する
第5のステップと、
を行い、
前記第4のステップでは、
時刻の異なる同じ高さの複数の圧縮分割空間のうち同一位置においていずれかの圧縮分割空間にのみ含まれる2次元障害物を偽障害物として確定し、
前記第5のステップでは、
障害物の真偽の確定結果を反映した前記2次元地図を生成する
地図生成方法。
【請求項7】
請求項1に記載の地図生成装置としてコンピュータを機能させる地図生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図生成装置、地図生成方法、及び、地図生成プログラムに関する。特に、3次元地図より2次元地図を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動ロボットからランドマークの形状的特徴を取得し、取得した形状的特徴の3次元座標を画像に投影することにより、3次元座標に対して相対的な2次元座標を算出する技術を開示する(段落[0020]参照)。
【0003】
特許文献2は、外界の環境情報に基づき、移動ロボットが高速で移動する場合には領域が大きく解像度が低い2次元地図を生成し、移動ロボットが低速で移動する場合には領域が小さく解像度が高い2次元地図を生成する技術を開示する(段落[0018]-段落[0023]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-57312号公報
【文献】特開2020-87248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、座標系を変換する技術にすぎず、生成された2次元地図は移動ロボットや内蔵カメラの位置や姿勢等、使用する移動ロボットの仕様に依存するため、その2次元地図を仕様の異なる他の移動ロボットに適用できず、その2次元地図を使用しても他の移動ロボットでは柔軟に障害物を判定できないという課題があった。
【0006】
また、引用文献2は、移動ロボットの移動速度の相違に応じて相異なる領域及び解像度を有する2次元地図を生成する技術にすぎず、生成された2次元地図は使用する移動ロボットの移動速度に影響を受けているため、特許文献1に対する課題と同様の課題があった。
【0007】
特に、市中の移動ロボットに搭載されたセンサは2次元計測センサが多く、2次元計測センサでは移動ロボットの走査面と異なる高さの障害物(例えば、センサの搭載位置よりも上方や下方の障害物)を検知できないため、計測困難な障害物により移動ロボットが座礁等して移動困難になる場合があった。
【0008】
この点、引用文献2は、LiDARセンサを用いて外界を3次元で観測し、観測した結果を基に外界地図を生成している(段落[0032]-段落[0036]参照)。しかしながら、LiDARセンサの観測結果にはノイズが含まれることが多いため、障害物を正確に反映した2次元地図を生成できないという課題もあった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、2次元地図を用いて走行する移動ロボット等の移動型機械に対し、移動型機械の仕様に依存せず、かつ、2次元計測センサでは計測困難な範囲の障害物情報を反映した2次元地図を生成可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の地図生成装置は、3次元地図内の空間を高さ方向で複数の分割空間に分割する空間分割部と、前記分割空間毎に分割空間内の障害物を判定する障害物判定部と、各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む複数の圧縮分割空間を生成する分割空間圧縮部と、前記複数の圧縮分割空間のうち任意の高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する2次元地図生成部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様の地図生成方法は、地図生成装置で行う地図生成方法において、3次元地図内の空間を高さ方向で複数の分割空間に分割し、前記分割空間毎に分割空間内の障害物を判定し、各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む複数の圧縮分割空間を生成し、前記複数の圧縮分割空間のうち任意の高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する。
【0012】
本発明の一態様の地図生成プログラムは、上記地図生成装置としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2次元地図を用いて走行する移動ロボット等の移動型機械に対し、移動型機械の仕様に依存せず、かつ、2次元計測センサでは計測困難な範囲の障害物情報を反映した2次元地図を生成可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、地図生成システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、地図生成システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図3】
図3は、3次元地図の生成例を示す図である。
【
図4】
図4は、3次元地図の分割例を示す図である。
【
図6】
図6は、2次元地図の生成例を示す図である。
【
図7】
図7は、ステップS109の処理の流れを示すフロー図である。
【
図8】
図8は、圧縮分割空間のx-y平面に対する処理対称点の位置関係を示す図である。
【
図10】
図10は、空間的な繋がりに基づく障害物とノイズの確定例を示す図である。
【
図11】
図11は、時間的な繋がりに基づく障害物とノイズの確定例を示す図である。
【
図12】
図12は、地図生成システムの構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、地図生成システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図21】
図21は、地図生成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施する一実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
[発明の概要]
本発明は、3次元地図より2次元地図を生成する技術であり、3次元地図を2次元地図に変換する技術である。そして、本発明は、2次元地図を用いて走行する移動ロボット等の移動型機械に対し、移動型機械の仕様に依存せず、かつ、2次元計測センサでは計測困難な範囲の障害物情報を正確に反映した2次元地図を生成可能な技術を提供することを目的とする。
【0017】
上記本発明の目的を達成するため、本発明は、3次元地図内の3次元空間を複数の空間に分割し、分割空間毎に障害物を判定し、判定した障害物を2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む圧縮分割空間を1つ以上組み合わせて2次元地図として生成する。
【0018】
本発明によれば、3次元空間の分割、分割空間毎の障害物の判定、障害物の圧縮といった、移動型機械の位置や姿勢を問わず任意の3次元地図に適用可能な処理で2次元地図を生成するので、移動型機械の仕様に依存せず、かつ、2次元計測センサでは計測困難な範囲の障害物情報を反映した2次元地図を生成できる。
【0019】
また、本発明は、障害物を判定する際に、分割空間の空間的な繋がりと、分割空間の時間的な繋がりと、を考慮して、障害物がノイズか否かを判断する。
【0020】
本発明によれば、分割空間の空間的な繋がりと、分割空間の時間的な繋がりと、を考慮して、障害物がノイズか否かを判断するので、障害物情報を正確に反映した2次元地図を生成できる。
【0021】
[第1実施形態]
[地図生成システムの構成]
図1は、本実施形態に係る地図生成システムの構成例を示す図である。地図生成システム1は、3次元地図より2次元地図を生成する地図生成装置10と、3次元空間を計測するセンサ装置20と、各種情報を入力するための入力端末30と、2次元地図を用いて走行する移動ロボット40と、を備える。それら地図生成システム1の構成物は、通信ネットワークNTを介して相互通信可能である。
【0022】
[地図生成装置]
地図生成装置10は、センサ情報取得部101と、入力情報受付部102と、3次元地図生成部103と、空間分割部104と、障害物判定部105と、分割空間圧縮部106と、障害物確定部107と、2次元地図生成部108と、フォーマット変換部109と、地図情報配信部110と、データ記憶部111と、を備える。
【0023】
センサ情報取得部101は、センサ装置20から、外界の3次元地図を生成するために必要なセンサ情報を取得する機能を備える。センサ情報とは、例えば、外界に存在する物体の外観形状を点群で捉えた点群情報、外界を撮像した画像情報や映像情報である。
【0024】
入力情報受付部102は、入力端末30から、3次元地図を2次元地図に変換するために必要な入力情報を受け付ける機能を備える。入力情報とは、例えば、分割空間の高さ、空間分割数、移動ロボット40に適した3次元空間の高さの幅である。
【0025】
3次元地図生成部103は、センサ情報取得部101により取得されたセンサ情報を用いて、上記外界に係る3次元地図を生成する機能を備える。
【0026】
空間分割部104は、3次元地図生成部103により生成された3次元地図を用いて上記外界の3次元空間を生成し、生成した3次元空間を高さ方向で複数の分割空間に分割する機能を備える。
【0027】
障害物判定部105は、空間分割部104により分割された複数の分割空間について、分割空間毎に分割空間内の障害物を判定する機能を備える。
【0028】
分割空間圧縮部106は、障害物判定部105により判定された各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む複数の圧縮分割空間を生成する機能を備える。
【0029】
障害物確定部107は、分割空間圧縮部106により生成された複数の圧縮分割空間を用いて、各圧縮分割空間内の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無と、圧縮分割空間内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無とを基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定する機能を備える。
【0030】
例えば、障害物確定部107は、複数の圧縮分割空間のうち中層の圧縮分割空間にのみ含まれる2次元障害物を偽障害物(例えば、ノイズ)として確定する。例えば、障害物確定部107は、時刻の異なる複数の圧縮分割空間のうち同一位置においていずれかの圧縮分割空間にのみ含まれる2次元障害物を偽障害物として確定する。
【0031】
2次元地図生成部108は、障害物確定部107により確定された障害物としての真偽の確定結果を基に、障害物の真偽の確定結果を反映した1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する機能を備える。
【0032】
例えば、2次元地図生成部108は、移動ロボット40に適した高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を組み合せた2次元地図を生成する。2次元地図生成部108は、複数の圧縮分割空間のうち任意の高さの幅に対応する1つ以上の圧縮分割空間を組み合せた2次元地図を生成する。
【0033】
フォーマット変換部109は、2次元地図生成部108により生成された2次元地図のフォーマットを移動ロボット40のフォーマットに変換する機能を備える。
【0034】
地図情報配信部110は、フォーマット変換部109により変換されたフォーマット変換後の2次元地図を移動ロボット40へ配信する機能を備える。
【0035】
データ記憶部111は、地図生成装置10の上記各機能部が取得や生成等した各種情報、各種データ、各種中間物、各処理結果等を読み出し可能に記憶する機能を備える。
【0036】
[センサ装置]
センサ装置20は、外界や外界に存在する物体を計測や撮像等する装置である。例えば、センサ装置20は、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサ、RADAR(Radio Detecting And Ranging)センサ、RGBカメラ、赤外線カメラ、深度カメラである。
【0037】
[入力端末]
入力端末30は、3次元地図を2次元地図に変換するために必要な入力情報を入力するための端末である。例えば、入力端末30は、タブレット端末、スマートフォン端末、パーソナルコンピュータである。ウェブブラウザ機能、通信機能、入力機能等を含む。
【0038】
[移動ロボット]
移動ロボット40は、2次元地図を用いて走行する移動型機械の例である。移動型機械とは、例えば、倉庫内で商品棚の商品を指定位置まで搬送する搬送ロボット、レストランで注文メニューを厨房から座席まで配達する配達ロボットである。その他、オフィスを清掃する清掃ロボット、建物を警備する警備ロボット等も考えられる。移動型機械は、2次元地図を用いて走行する移動型機械であればよいが、ドローンや自動車等も含み得る。
【0039】
[地図生成装置とセンサ装置と移動ロボットの位置及び位置的関係]
地図生成装置10は、移動ロボット40内に配置されていてもよいし、クラウド内に配置されていてもよい。センサ装置20は、移動ロボット40に内蔵されていてもよいし、移動ロボット40に外付けされていてもよいし、入力端末30に配置されていてもよいし、対象環境の内外に固定設置されていてもよい。移動ロボット40は、地図生成装置10とセンサ装置20や入力端末30を含んで構成されていてもよい。
【0040】
[システムの動作]
次に、
図2を参照して地図生成システム1の動作例を説明する。
図2は、地図生成システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、センサ装置20は、移動ロボット40に搭載され、計測対象である対象外界を計測したものとする。
【0041】
まず、地図生成装置10のセンサ情報取得部101は、センサ装置20から対象外界の3次元地図を生成するために必要なセンサ情報を取得する(ステップS101)。
【0042】
例えば、センサ情報取得部101は、3次元LiDARにより計測された対象空間内の物体の外観形状を示す点群情報、RGBカメラにより撮影された対象空間の画像情報や映像情報を取得する。
【0043】
次に、地図生成装置10の3次元地図生成部103は、上記センサ情報を用いて上記対象外界の3次元地図を生成する(ステップS102)。
【0044】
例えば、3次元地図生成部103は、対象外界の画像情報を下地とし、対象外界内の物体の点群情報を基に、対象外界内の物体情報を含む3次元地図を生成する。このとき、3次元地図生成部103は、3次元LiDARによる計測結果に対してSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)等の技術を活用してもよい。
【0045】
ここで、対象外界の3次元地図の生成例を
図3に示す。例えば、4本脚のデスク51、デスク51の下に敷かれたデスクマット52、デスク51の隣に置かれたごみ箱53、デスク51の天板からデスクマット52にまで垂れ下がるケーブル54、不明物体55を含む3次元地
図MAP(1)が生成される。
【0046】
なお、ステップS102を含む以降の処理は、地図生成装置10を備えた移動ロボット40内で実行してもよいし、センサ情報をクラウドにアップロードして当該クラウド内で実行してもよい。
【0047】
次に、ユーザは、3次元地図内の3次元空間を分割するための分割空間の高さHを入力端末30に入力する(ステップS103)。このとき、ユーザは、分割空間の高さHに代えて、空間分割数Nを入力してもよい。
【0048】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された分割空間の高さH又は空間分割数Nを地図生成装置10へ送信する(ステップS104)。
【0049】
次に、地図生成装置10の入力情報受付部102は、入力端末30から送信された分割空間の高さH又は空間分割数Nを受け付け、地図生成装置10の空間分割部104は、受け付けた分割空間の高さH又は空間分割数Nで3次元地図内の3次元空間を分割する(ステップS105)。
【0050】
ここで、
図3に示した3次元地
図MAP(1)の分割例を
図4に示す。例えば、空間分割部104は、3次元地
図MAP(1)の最下面から最上面をz軸の高さ方向でHcm毎にスライスし、Hcmの高さを有する分割空間R(0)~分割空間R(3)を形成する。
【0051】
このとき、空間分割部104は、上下に隣接する2つの分割空間において、互いの一部が高さMcmで重畳するようにしてもよいし、重畳しないようにしてもよい。なお、高さH、Mは、対象外界毎や分割空間毎に変更可能である。
【0052】
一方、入力端末30から空間分割数Nが送信されていた場合には、空間分割部104は、3次元地
図MAP(1)の最下面から最上面を空間分割数Nでスライスする。
【0053】
次に、地図生成装置10の障害物判定部105は、分割空間R(i)のiに‘0’の初期値を代入し、分割空間R(i)のiが空間分割数Nと一致するか否かを判定する(ステップS106)。
【0054】
分割空間R(i)のiが空間分割数Nと一致しない場合、地図生成装置10の障害物判定部105は、分割空間R(i)内の障害物を判定し(ステップS107)、分割空間圧縮部106は、判定した障害物及び分割空間R(i)を2次元情報に圧縮する(ステップS108)。
【0055】
障害物の判定方法については、任意の判定方法を活用できる。例えば、縦5cm×横5cm×高さHcmの特定空間の中で物体の体積が一定以上の占有率を占める場合に、その特定空間を障害物として判定する。
【0056】
ここで、2次元情報に圧縮した障害物情報を持つ分割空間の圧縮例を
図5に示す。分割空間R(0)を圧縮した圧縮分割空間R’(0)には、デスク51の4本脚に相当する2次元障害物51’、デスクマット52に相当する2次元障害物52’、ごみ箱53に相当する2次元障害物53’、ケーブル54に相当する2次元障害物54’が含まれる。
【0057】
その後、地図生成装置10の障害物判定部105は、iをインクリメントし、分割空間R(i)のiが空間分割数Nと一致するまでステップS107~ステップS108を繰り返し実行する。
【0058】
その結果、
図5に示したように、分割空間R(1)~分割空間R(3)についても圧縮分割空間R’(1)~圧縮分割空間R’(3)を得る。
【0059】
分割空間R(1)を圧縮した圧縮分割空間R’(1)には、デスク51の4本脚に相当する2次元障害物51’、ごみ箱53に相当する2次元障害物53’、ケーブル54に相当する2次元障害物54’、不明物体55に相当する2次元障害物55’が含まれる。
【0060】
分割空間R(2)を圧縮した圧縮分割空間R’(2)には、デスク51の4本脚に相当する2次元障害物51’、ケーブル54に相当する2次元障害物54’、不明物体55に相当する2次元障害物55’が含まれる。
【0061】
分割空間R(3)を圧縮した圧縮分割空間R’(3)には、デスク51の天板に相当する2次元障害物51’、ケーブル54に相当する2次元障害物54’が含まれる。
【0062】
続いて、分割空間R(i)のiが空間分割数Nと一致すると、地図生成装置10の障害物確定部107は、各圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無と、圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無と、を考慮して、各圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物を確定する(ステップS109)。この処理は、後述する。
【0063】
次に、ユーザは、移動ロボット40に対して配信したい高さ空間の最下面の高さAと最上面の高さBを入力端末30に入力する(ステップS110)。
【0064】
この高さA、Bは、移動ロボット40にとって適した高さの幅に対応する。例えば、移動ロボット40の高さが20cmであれば、ユーザはA=0cm、B=20cmを入力する。一般に、移動ロボット40が地上を走行する場合にはA=0cmであるが、空中を走行する場合にはA=0cmになるとは限らない。
【0065】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された最下面の高さAと最上面の高さBを地図生成装置10へ送信する(ステップS111)。
【0066】
次に、地図生成装置10の2次元地図生成部108は、最下面の高さAと最上面の高さBとの間に含まれる圧縮分割空間R’(i)の2次元障害物を集約することにより、移動ロボット40に対応する2次元地図を生成する(ステップS112)。
【0067】
例えば、分割空間の高さH=3cmかつ上下で隣り合う互いの分割空間は重畳しない(M=0cm)とし、A=0cm、B=3cmとした場合、
図6に示すように圧縮分割空間R’(0)のみからなる2次元地
図MAP(2)が生成される。その他、A=3cm、B=9cmである場合には、圧縮分割空間R’(1)と圧縮分割空間R’(2)とを高さ方向で重ね合わせた2次元地
図MAP(2)が生成される。
【0068】
次に、ユーザは、移動ロボット40の仕様とアドレスを入力端末30に入力する(ステップS113)。
【0069】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された移動ロボット40の仕様とアドレスを地図生成装置10へ送信する(ステップS114)。
【0070】
次に、地図生成装置10のフォーマット変換部109は、2次元地図のフォーマットを移動ロボット40の仕様(通信プロトコル、データフォーマット等)に合うように変換する(ステップS115)。
【0071】
最後に、地図生成装置10の地図情報配信部110は、フォーマット変換後の2次元地図を移動ロボット40へ配信する(ステップS116)。
【0072】
(変形例)
上記地図生成システム1の動作及び処理順序は、一例である。例えば、ユーザの動作に関するステップS103、ステップS104、ステップS110、ステップS111、ステップS113、ステップS114は、ステップS101よりも前に実行してもよい。これにより、地図生成装置10において、入力端末30からのデータ受信待ち時間を省略でき、2次元地図を効率的かつ迅速に生成できる。
【0073】
(変形例)
ユーザが入力する各種情報や各種データについては、地図生成装置10のデータ記憶部11に予め格納しておき、地図生成装置10が処理を進める毎にデータ記憶部11から必要な情報を逐次読み出して処理するようにしてもよい。これにより、地図生成装置10において、入力端末30からのデータ受信待ち時間を省略でき、2次元地図を効率的かつ迅速に生成できる。
【0074】
[ステップS109の動作]
次に、
図7を参照して
図2に示したステップS109の動作を詳述する。
図7は、ステップS109の処理の流れを示すフロー図である。
【0075】
ここでは、x-y平面からなる圧縮分割空間R’(i)のx軸の中でx+1番目に小さく及びy軸の中でy+1番目に小さい点を処理対象点P(x,y)(但し、x,yは負でない整数)と定義する。このとき、処理対象点P(x,y)のx座標をx
P(x,y)と表現し、y座標をy
P(x,y)と表現する。例えば、
図8に例示するように、P(0,0)のx座標はx
P(0,0)=0.32となり、y座標はy
P(0,0)=-0.12となる。
【0076】
また、ここでは、2次元障害物の空間的又は時間的な繋がりの有無を判定するために判定領域を用い、その判定領域の大きさを形成するための変数a,b(但し、a,bは正の実数)を事前に設定する。
【0077】
まず、障害物確定部107は、圧縮分割空間R’(i)のiに‘0’の初期値を代入し、圧縮分割空間R’(i)の処理対象点P(x,y)のx及びyに‘0’の初期値を代入する(ステップS109-1)。このとき、障害物確定部107は、2次元障害物のある処理対象点P(x,y)の最小値から処理を開始してもよい。
【0078】
次に、障害物確定部107は、処理対象点P(x,y)に2次元対象物があるか否かを判定する(ステップS109-2)。そして、処理対象点P(x,y)に2次元対象物がある場合には、ステップS109-3へ進み、処理対象点P(x,y)に2次元対象物がない場合には、ステップS109-3及びステップS109-4をスキップしてステップS109-5へ進む。
【0079】
次に、処理対象点P(x,y)に2次元対象物がある場合には、障害物確定部107は、上下に隣接する2つの圧縮分割空間R’(i-1)、R’(i+1)において、(xP(x,y)-a,yP(x,y)-b)と(xP(x,y)+a,yP(x,y)+b)を対角線とする四角形の判定領域内に2次元障害物があるか否かを判定する(ステップS109-3)。
【0080】
ここで、判定領域内に障害物がある例を
図9に示す。判定領域は、図中中段の圧縮分割空間R’(i)上で選択されていた処理対象点P(x,y)を変数a、bの縦横サイズで一回り大きくした四角形の判定領域ARとして定義される。圧縮分割空間R’(i)内の処理対象点P(x,y)には、ケーブル54に相当する2次元障害物54’が含まれ、図中上段下段の各圧縮分割空間R’(i―1)、R’(i+1)にも、判定領域AR内に2次元障害物54’が含まれている様子が示されている。
【0081】
次に、上下に隣接する2つの分割空間R’(i-1)、R’(i+1)において、それぞれの判定領域AR内に2次元障害物がある場合には、障害物確定部107は、圧縮分割空間R’(i)上で選択していた処理対象点P(x,y)の2次元障害物を、2つの分割空間R’(i-1)、R’(i+1)で判定された2次元障害物との連結物体であると判定する(ステップS109-4)。
【0082】
なお、障害物確定部107は、圧縮分割空間R’(i)が最下面である場合には、上側にのみ隣接する圧縮分割空間R’(i+1)との間で2次元障害物の有無や連結物体の認定を判定する。また、障害物確定部107は、圧縮分割空間R’(i)が最上面の場合には、下側にのみ隣接する圧縮分割空間R’(i―1)との間で2次元障害物の有無や連結物体の認定を判定する。
【0083】
一方、上下に隣接する2つの分割空間R’(i-1)、R’(i+1)において、それぞれの判定領域AR内に2次元障害物がない場合には、障害物確定部107は、ステップS109-4を実行しない。
【0084】
次に、障害物確定部107は、現在のxP(x,y)値が、圧縮分割空間R’(i)でのx軸方向の最大値Xよりも大きいか否かを判定する(ステップS109-5)。現在のxP(x,y)値が最大値Xよりも大きくない場合には、障害物確定部107は、x値をインクリメントしてステップS109-2に戻る。ステップS109-2~ステップS109-5を繰り返することにより、y軸方向で0行目の全ての処理対象点Pが走査される。
【0085】
一方、現在のxP(x,y)値が最大値Xよりも大きい場合には、障害物確定部107は、現在のyP(x,y)値が、圧縮分割空間R’(i)でのy軸方向の最大値Yよりも大きいか否かを判定する(ステップS109-6)。現在のyP(x,y)値が最大値Yよりも大きくない場合には、障害物確定部107は、y値をインクリメントしてステップS109-2に戻る。ステップS109-2~ステップS109-6を繰り返することにより、y軸方向で全ての行の全ての処理対象点Pが走査される。
【0086】
一方、現在のyP(x,y)値が最大値Yよりも大きい場合には、障害物確定部107は、現在のiが空間分割数Nから1減算した値と一致するか否かを判定する(ステップS109-7)。そして、iが空間分割数Nから1減算した値よりも小さい場合には、障害物確定部107は、iをインクリメントしてステップS109-2に戻る。ステップS109-2~ステップS109-7を繰り返することにより、圧縮分割空間R’(i)内の全ての処理対象点Pが走査される。
【0087】
次に、障害物確定部107は、各圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無を考慮して、各圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物を確定する(ステップS109-8)。以降、この処理について詳述する。
【0088】
ステップS109-7までの処理により、圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物が、上側の圧縮分割空間R’(i+1)内の2次元障害物、下側の圧縮分割空間R’(i-1)内の2次元障害物、又はその両方の2次元障害物と連結している連結物体であるか、連結していない非連結物体であるかが判定されている。
【0089】
しかし、連結物体であっても、3次元空間内で空中に浮いている連結物体は、重力のある地表上では物理的にあり得ない。そこで、障害物確定部107は、複数の連結物体のうち最下面又は最上面と連結していない連結物体、つまり高さ方向に連続する複数の圧縮分割空間のうち中層の圧縮分割空間にのみ含まれる連結物体をノイズとして削除する。
【0090】
例えば、障害物確定部107は、
図10に示すように、中層に位置する2つの圧縮分割空間R’(1)、R’(2)にのみ含まれる連続物体(不明物体55相当の2次元障害物55’)をノイズとして削除する。一方、全ての圧縮分割空間R’(0)~圧縮分割空間R’(3)に含まれる連続物体(ケーブル54相当の2次元障害物54’)については、障害物確定部107は、障害物として確定する。
【0091】
その他、宙に浮いている連続物体であっても、最下面又は最上面から連結している連続物体については、障害物確定部107は、障害物として確定してもよい。
【0092】
1つの圧縮分割空間にのみ含まれる非連結物体についても同様である。障害物確定部107は、高さ方向に連続する複数の圧縮分割空間のうち中層の1つの圧縮分割空間にのみ含まれる非連結物体をノイズとして削除する。
【0093】
最後に、障害物確定部107は、圧縮分割空間R’(i)の2次元障害物の時間的な繋がりの有無を考慮して、各圧縮分割空間R’(i)内の2次元障害物を確定する(ステップS109-9)。以降、この処理について詳述する。
【0094】
障害物として確定した連結物体であっても、短時間で消滅する連結物体は、瞬間移動が一般に不可能な現在においては時間的にあり得ない。そこで、障害物確定部107は、連続する相異なる複数の時刻において同一の位置に時刻を跨いで存在しない連続物体、つまり時刻の異なる複数の圧縮分割空間のうち同一位置においていずれかの圧縮分割空間にのみ含まれる連結物体をノイズとして削除する。
【0095】
例えば、障害物確定部107は、
図11に示すように、2つの圧縮分割空間R’(1)、R’(2)において、時刻tの圧縮分割空間には不明物体55相当の2次元障害物55’の連続物体が含まれているが、時刻t+1の圧縮分割空間には同一位置に当該連続物体が含まれていない場合、その連続物体をノイズとして削除する。
【0096】
その他、特定の周期で動く連続物体、例えば、時刻tの圧縮分割空間に含まれ、時刻t+1の圧縮分割空間では同一位置に含まれていないが、時刻t+2の圧縮分割空間では同一位置に再び含まれるようになった連続物体については、障害物確定部107は、障害物として確定してもよい。
【0097】
1つの圧縮分割空間にのみ含まれる非連結物体についても同様である。障害物確定部107は、複数の圧縮分割空間のうち中層の1つの圧縮分割空間にのみ含まれる非連結物体についても、時刻を跨いで存在しない非連続物体についてはノイズとして削除する。
【0098】
(変形例)
上記ステップS112で説明した2次元障害物の集約方法は、一例である。例えば、圧縮分割空間R’(1)と圧縮分割空間R’(3)とを重ね合わせる等、複数の圧縮分割空間R’(i)のうち2つ以上の圧縮分割空間R’(i)を任意選択的に重ね合わせてもよい。
【0099】
(変形例)
上記ステップS109-3で説明した四角形の判定領域ARは、一例である。例えば、矩形ではなく半径aの円を判定領域ARとしてもよいし、大きさや形状が互いに同一又は異なる複数の図形を組み合わせてできる複雑な領域を判定領域ARとしてもよい。
【0100】
(変形例)
上記ステップS109の動作及び処理順序は、一例である。例えば、ステップS109-9をステップS109-8よりも前に実行してもよいし、ステップS109-8とステップS109-9を同時に実行してもよい。
【0101】
(変形例)
ステップS109-8とステップS109-9のうちいずれか一方のみを実行してもよいし、その両方を互いの処理結果を考慮して並列実行してもよいし、その両方を互いの処理結果を考慮しないで並列実行してもよい。
【0102】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、地図生成装置10が、3次元地図内の空間を高さ方向で複数の分割空間に分割し、分割空間毎に分割空間内の障害物を判定し、各分割空間内の障害物を高さ方向で2次元に圧縮し、圧縮した2次元障害物を含む圧縮分割空間を生成し、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定し、障害物の真偽の確定結果を反映した1つ以上の圧縮分割空間を高さ方向で組み合わせ、組み合わせた圧縮分割空間を2次元地図として生成する。
【0103】
このように、本実施形態では、地図生成装置10が、3次元空間の分割、分割空間毎の障害物の判定、障害物の圧縮といった、移動ロボットの位置や姿勢を問わず任意の3次元地図に適用可能な処理で2次元地図を生成するので、移動ロボットの仕様に依存せず、かつ、2次元計測センサでは計測困難な範囲の障害物情報を反映した2次元地図を生成できる。
【0104】
また、本実施形態によれば、地図生成装置10が、各圧縮分割空間内の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無、圧縮分割空間内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無を基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定する。
【0105】
このように、本実施形態では、地図生成装置10が、各圧縮分割空間内の2次元障害物の高さ方向での空間的な繋がりの有無、圧縮分割空間内の2次元障害物の時間的な繋がりの有無を基に、各圧縮分割空間内の2次元障害物の障害物としての真偽を確定するので、障害物情報を正確に反映した2次元地図を生成できる。
【0106】
以上より、本実施形態では、各種様々な移動型機械で利用可能な2次元地図を生成できる。2次元計測センサを搭載した市中の移動ロボット等、機械搭載のセンサでは検知できない障害物を地図に反映できる。これまで障害物と判断されず座礁等の支障をきたしていた事象を回避できる。特に、床に配線されたケーブル等、障害物として判定されにくいが移動ロボットにとっては障害物で座礁等を起こしてしまうものがある場合に、本実施形態に係る本発明は有効である。
【0107】
[第2実施形態]
第2実施形態は、LiDARやカメラ等の3次元計測センサを用いて、移動型機械の移動環境全体の3次元地図を共通地図として生成し、当該共通地図から当該移動型機械に搭載されたセンサの計測範囲内で検知できる障害物情報等を保持した機械用地図と、当該移動型機械に搭載されたセンサでは検知できない範囲にある障害物情報等を保持した追加障害物地図と、を生成し、その両方の地図を当該移動型機械の仕様に合わせて配信することにより、当該移動型機械が移動空間内にある全ての障害物情報を認識してスムーズに移動できるようする。
【0108】
例えば、移動ロボットの移動空間の3次元地図を共通地図として予め生成しておく。そして、当該共通地図から、サービスで適用したい移動ロボットに搭載されたセンサで計測可能な2次元地図を生成する。併せて、当該共通地図から、当該移動ロボットの大きさ等を考慮した移動空間内にある障害物情報を抽出した2次元地図を生成する。そして、当該障害物情報を走行禁止エリアのメタデータとして付与した2次元地図を移動ロボットの仕様に合わせて変換して配信する。
【0109】
[地図生成システムの構成]
第2実施形態は、広範囲をセンシングできる3次元計測センサを用いて、移動型機械に搭載されたセンサで認識できる地図情報に加え、当該センサでは検知できない障害物情報を併せて当該移動型機械に配信して認識させることにより、当該移動型機械では認識できない障害物への衝突などを回避できるようにする。
【0110】
図12は、本実施形態に係る地図生成システムの構成例を示す図である。地図生成システム1は、3次元地図より2次元地図を生成する地図生成装置10と、3次元空間を計測するセンサ装置20と、各種情報を入力するための入力端末30と、2次元地図を用いて走行する移動ロボット40と、を備える。それら地図生成システムの構成物は、通信ネットワークNTを介して相互通信可能である。
【0111】
第2実施形態では、地図生成装置10の備える機能が第1実施形態と異なる。以降、地図生成装置10の機能を説明する。
【0112】
[地図生成装置]
地図生成装置10は、センサ情報取得部101と、入力情報受付部102と、3次元地図生成部103と、第1の2次元地図生成部201と、第2の2次元地図生成部202と、2次元地図合成部203と、フォーマット変換部109と、地図情報配信部110と、データ記憶部111と、を備える。
【0113】
センサ情報取得部101は、センサ装置20から、外界の3次元地図を生成するために必要なセンサ情報を取得する機能を備える。
【0114】
入力情報受付部102は、入力端末30から、3次元地図を2次元地図に変換するために必要な入力情報を受け付ける機能を備える。
【0115】
3次元地図生成部103は、センサ情報取得部101により取得されたセンサ情報を用いて、上記外界に係る3次元地図を生成する機能を備える。具体的には、3次元地図生成部103は、移動ロボット40の移動空間内にある障害物情報を含む3次元空間の3次元地図を生成する。
【0116】
本実施形態では、3次元地図生成部103により生成された3次元地図を第1の2次元地図生成部201と第2の2次元地図生成部202とで共通に用いるため、その3次元地図を共通地図と呼ぶ。
【0117】
第1の2次元地図生成部201は、3次元地図である共通地図を用いて、移動ロボット40のセンサの計測範囲内に合わせた2次元地図(移動ロボット用地図)を生成する機能を備える。
【0118】
例えば、第1の2次元地図生成部201は、移動ロボット40の2次元計測センサが搭載されている高さで共通地図をスライスした2次元地図を生成する。この2次元地図には、移動ロボット40のセンサの計測範囲に含まれる障害物情報が保持される。
【0119】
第2の2次元地図生成部202は、3次元地図である共通地図を用いて、3次元空間を圧縮した2次元地図(追加障害物地図)を生成する機能を備える。この2次元地図には、移動ロボット40では検知できない障害物情報が保持される。
【0120】
第2の2次元地図生成部202は、移動ロボット40では検知できない障害物情報を保持した2次元地図を生成できればよいので、移動ロボット40のセンサの計測範囲内外の両方を含む3次元空間より2次元地図を生成してもよいし、移動ロボット40のセンサの計測範囲外のみの3次元空間より2次元地図を生成してもよい。
【0121】
計測範囲内外の両方を含む3次元空間より2次元地図を生成する場合、第2の2次元地図生成部202は、例えば、移動ロボット40の足元から頭頂までの高さ空間内にある障害物情報を2次元地図上に圧縮する。
【0122】
計測範囲外のみの3次元空間より2次元地図を生成する場合、第2の2次元地図生成部202は、例えば、移動ロボット40の足元から2次元計測センサの搭載位置未満、及び、2次元計測センサ搭載位置上部から移動ロボット40の頭頂まで(つまり、移動ロボット40の異動空間内、かつ、2次元計測センサの計測範囲外)の高さ空間内にある障害物情報を2次元地図上に圧縮する。
【0123】
また、第2の2次元地図生成部202は、圧縮して生成した2次元地図に含まれる障害物のエリアを拡張する機能を備える。例えば、第2の2次元地図生成部202は、障害物エリアの周縁に対して、移動ロボット40の大きさや移動量に基づくエリアを追加する。
【0124】
2次元地図合成部203は、第1の2次元地図生成部201で生成された2次元地図(移動ロボット用地図)と第2の2次元地図生成部202で生成された2次元地図(追加障害物地図)とを比較し、追加障害物地図との差分を移動ロボット用地図に合成する機能を備える。
【0125】
フォーマット変換部109は、2次元地図合成部203により合成された合成後の1つの2次元地図のフォーマットや合成前の2つの2次元地図(移動ロボット用地図及び追加障害物地図)のフォーマットを移動ロボット40のフォーマットに変換する機能を備える。
【0126】
地図情報配信部110は、フォーマット変換部109により変換されたフォーマット変換後の2次元地図を移動ロボット40へ配信する機能を備える。地図情報配信部110は、合成後の1つの2次元地図のみを配信してもよいし、合成前の2つの2次元地図のみを配信してもよいし、全ての2次元地図を配信してもよい。
【0127】
データ記憶部111は、地図生成装置10の上記各機能部が取得や生成等した各種情報、各種データ、各種中間物、各処理結果等を読み出し可能に記憶する機能を備える。
【0128】
[機能部の機能分類]
機能部について捕捉する。機能内容や処理内容が類似する機能部は、1つの機能部で実現してもよいし、他の機能部が備えてもよい。例えば、第1の2次元地図生成部201と第2の2次元地図生成部202と2次元地図合成部203は、1つの処理部が実行してもよい。
図1に示した分割空間圧縮部106や2次元地図生成部108も含めて、1つの処理部が実行してもよい。分割空間圧縮部106が第2の2次元地図生成部202を備えてもよい。機能の分類方法や機能部の名称は、ユーザが適宜設定可能である。
【0129】
[システムの動作]
次に、
図13を参照して地図生成システムの動作例を説明する。
図13は、地図生成システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、移動ロボット40は、2次元地図で走行する機械であり、走行禁止エリアをメタデータとして認識できる機能を備えるものとする。
【0130】
まず、地図生成装置10のセンサ情報取得部101は、センサ装置20から対象外界の3次元地図を生成するために必要なセンサ情報を取得する(ステップS201)。
【0131】
次に、地図生成装置10の3次元地図生成部103は、上記センサ情報を用いて上記対象外界の3次元地図を共通地
図MAP(1)として生成する(ステップS202)。
【0132】
例えば、3次元地図生成部103は、3次元計測可能なセンサやカメラを用い、SLAM等の技術を活用することにより、3次元空間の共通地
図MAP(1)を生成する。共通地
図MAP(1)の生成には、移動ロボット40に搭載された3次元計測センサを用いてもよいし、環境に設置されたカメラを用いてもよいし、それらを組み合わせて用いてもよい。その他、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)や3D-CAD情報から地図生成を行ってもよい。
【0133】
共通地
図MAP(1)の生成例を
図14に示す。例えば、4本脚のデスク51、デスク51の下に敷かれたデスクマット52、デスク51の隣に置かれたごみ箱53を含む共通地
図MAP(1)が生成される。
【0134】
ステップS202を含む以降の処理は、地図生成装置10を備えた移動ロボット40内で実行してもよいし、センサ情報をクラウドにアップロードして当該クラウド内で実行してもよい。
【0135】
次に、ユーザは、移動ロボット40において、センサが搭載されている高さHを入力端末30に入力する(ステップS203)。
【0136】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された移動ロボット40のセンサ搭載高さHを地図生成装置10へ送信する(ステップS204)。
【0137】
次に、地図生成装置10の第1の2次元地図生成部201は、共通地
図MAP(1)をセンサ搭載高さHでスライスした2次元地
図MAP(2)を生成する(ステップS205)。
【0138】
共通地
図MAP(1)のスライス例を
図15に示す。共通地
図MAP(1)が移動ロボット40のセンサ搭載高さHの2次元平面Vでスライスされることにより、センサの計測範囲に含まれる障害物情報を保持した2次元地
図MAP(2)が生成される。2次元地
図MAP(2)には、例えば、デスク51の4本脚に相当する2次元障害物51’、ごみ箱53に相当する2次元障害物53’が含まれる。
【0139】
次に、ユーザは、移動ロボット40の最下面の高さAと最上面の高さBを入力端末30に入力する(ステップS206)。ここで入力される2つの高さA、Bは、移動ロボット40が自己のセンサでは検知できない範囲を考慮した値である。
【0140】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された最下面の高さAと最上面の高さBを地図生成装置10へ送信する(ステップS207)。
【0141】
次に、地図生成装置10の第2の2次元地図生成部202は、共通地
図MAP(1)において、最下面の高さAと最上面の高さBとの間に含まれる3次元空間内の障害物を2次元に圧縮することにより、移動ロボット40の高さの範囲内に含まれる障害物情報を含む2次元地
図MAP(3)を生成する(ステップS208)。
【0142】
共通地
図MAP(1)の圧縮例を
図16に示す。移動ロボット40の足元から頭頂までの高さ空間(例えば、移動ロボット40が床面走行する場合、0cmから最上部の高さBcmまでの空間)が指定されるので、その高さ空間h内にある障害物等の全ての情報が2次元地図上に圧縮される。圧縮後の2次元地
図MAP(3)には、移動ロボット40が自己のセンサで検知可能及び検知不可能な障害物情報が保持される。例えば、デスク51の4本脚に相当する2次元障害物51’、デスクマットに相当する2次元障害物52’、ごみ箱53に相当する2次元障害物53’が含まれる。
【0143】
ここで、移動ロボットによっては、移動ロボットの位置を搭載センサの位置等としている場合がある。この場合、移動ロボットの物理的な体部(筐体)により移動困難になる場合がある。そこで、移動ロボット40の持つ大きさ等を踏まえて、2次元地
図MAP(3)に含まれる障害物のエリアを拡張する。
【0144】
そこで、ユーザは、移動ロボット40の縦横の大きさRを入力する(ステップS209)。
【0145】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された移動ロボット40の大きさRを地図生成装置10へ送信する(ステップS210)。
【0146】
次に、地図生成装置10の第2の2次元地図生成部202は、2次元地
図MAP(3)に含まれる障害物のエリアを、移動ロボット40の大きさRで拡張する(ステップS211)。
【0147】
具体的には、
図17に示すように、移動ロボット40をX-Y平面に射影した場合において、移動ロボット40の中心位置から最も離れた移動ロボット40の端点までの距離がRであった場合、2次元地
図MAP(3)に含まれる障害物の境界線からR分だけエリアを拡張する。
【0148】
その他、移動ロボットには、自動車のように前後移動と車輪の傾きの2次元で走行するもの、その場旋回や真横移動といった3次元で走行できるもの等、機械の種類に応じて走行形態が異なるものがある。その場合には、
図18に示すように、移動ロボットの1サンプリングレートにおける移動量R(x,y)の最大値、つまり、x方向、y方向の移動速度に一定時間を積算したときの最大値Max(Vxmax・Δt,Vymax・Δt)で障害物のエリアを拡張してもよい。
【0149】
次に、地図生成装置10の2次元地図合成部203は、2次元地
図MAP(2)と2次元地
図MAP(3)とを比較し、2次元地
図MAP(3)にのみ含まれている障害物情報を新たな走行禁止エリアとして2次元地
図MAP(2)に合成する(ステップS212)。
【0150】
例えば、
図19(a)に示すように、ステップS205で生成された2次元地
図MAP(2)に対して、ステップS208で生成された2次元地
図MAP(3)にのみ含まれている2次元障害物52’を合成することで、新たな走行禁止エリアが追加された2次元地
図MAP(2)’を生成する。
【0151】
例えば、
図19(b)に示すように、ステップS205で生成された2次元地
図MAP(2)に対して、ステップS211で生成された2次元地
図MAP(3)にのみ含まれている拡張後の障害物エリアを合成することで、新たな走行禁止エリアが追加された2次元地
図MAP(2)’を生成する。
【0152】
次に、ユーザは、移動ロボット40の仕様とアドレスを入力端末30に入力する(ステップS213)。
【0153】
次に、入力端末30は、ユーザにより入力された移動ロボット40の仕様とアドレスを地図生成装置10へ送信する(ステップS214)。
【0154】
次に、地図生成装置10のフォーマット変換部109は、合成後の1つの2次元地
図MAP(2)’フォーマット、合成前の2つの2次元地
図MAP(2)、MAP(3)のフォーマットを、移動ロボット40の仕様(通信プロトコル、データフォーマット等)に合うように変換する(ステップS215)。
【0155】
最後に、地図生成装置10の地図情報配信部110は、フォーマット変換後の合成後の1つの2次元地
図MAP(2)’、及び/又は、フォーマット変換後の合成前の2つの2次元地
図MAP(2)、MAP(3)を移動ロボット40へ配信する(ステップS216)。
【0156】
なお、2次元地
図MAP(3)の使い方としては、例えば、移動ロボット40内で2次元地
図MAP(3)に含まれる障害物情報を移動禁止エリアとして認識して移動する仕様でもよい。
図20に示すように、地図の配信先管理装置60がある場合には、配信先管理装置50において2次元地
図MAP(2)を移動ロボット用の基本地図とし、2次元地
図MAP(3)に含まれる障害物エリアを走行禁止エリアとして配信する仕様でもよい。
【0157】
その後、移動ロボット40は、SLAM等の既存技術を用いて、2次元地
図MAP(2)’又は2次元地
図MAP(2)、MAP(3)を基に空間移動を行う。2次元地
図MAP(2)’や2次元地
図MAP(3)には、移動ロボット40のセンサでは検知できない障害物情報が追加された走行禁止エリアが含まれているので、障害物を確実に避けながら対象空間内を移動できる。また、2次元地
図MAP(2)’や2次元地
図MAP(3)に含まれる走行禁止エリアは、移動ロボット40の大きさや移動量を考慮して拡張されているので、障害物をより確実に避けながら対象空間内を移動できる。
【0158】
(変形例)
上記地図生成システム1の動作及び処理順序は、一例である。
【0159】
例えば、ユーザの動作に関するステップS203、ステップS206、ステップS209、ステップS213は、ステップS201よりも前に実行してもよい。これにより、地図生成装置10において、入力端末30からのデータ受信待ち時間を省略でき、2次元地図を効率的かつ迅速に生成できる。
【0160】
例えば、ステップS203~ステップS205とステップS206~ステップS211との処理順は、互いに前後してもよいし、互いに同時に実行してもよい。
【0161】
例えば、障害物エリアの拡張が必要ない場合には、ステップS209~ステップS211を省略してもよい。
【0162】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、地図生成装置10が、3次元計測が可能なセンサを用いて移動型機械の移動空間の3次元地図を共通地図として生成し、当該共通地図を用いて当該移動型機械が認識できる空間上の障害物等の情報を含んだ地図を当該移動型機械の地図仕様に合わせて変換して当該移動型機械に配信するので、当該移動型機械の実導入時において必要となる事前の地図生成が不要となり、地図生成コストを大きく低減できる。
【0163】
また、本実施形態によれば、地図生成装置10が、移動型機械の大きさ等を考慮した、当該移動型機械のセンサでは認識できない移動空間上の全ての障害物等の情報を当該移動型機械の地図仕様に合わせて変換して当該移動型機械に配信するので、当該移動型機械では認識できない足元や上部等の障害物情報を認識でき、認識できない障害物との衝突を回避できる。
【0164】
[その他の実施形態]
第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることも可能である。
【0165】
[その他]
本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明は、本発明の要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0166】
上記説明した本実施形態の地図生成装置10は、例えば、
図20に示すように、CPU901と、メモリ902と、ストレージ903と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906と、を備えた汎用的なコンピュータシステムを用いて実現できる。メモリ902及びストレージ903は、記憶装置である。当該コンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、地図生成装置10の各機能が実現される。
【0167】
地図生成装置10は、1つのコンピュータで実装されてもよい。地図生成装置10は、複数のコンピュータで実装されてもよい。地図生成装置10は、コンピュータに実装される仮想マシンであってもよい。地図生成装置10用のプログラムは、HDD、SSD、USBメモリ、CD、DVD等のコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶できる。コンピュータ読取り可能な記録媒体とは、例えば、非一時的な記録媒体である。地図生成装置10用のプログラムは、通信ネットワークを介して配信することもできる。
【符号の説明】
【0168】
1:地図生成システム
10:地図生成装置
20:センサ装置
30:入力端末
40:移動ロボット
51:デスク
52:デスクマット
53:ごみ箱
54:ケーブル
55:不明物体
51’:デスクに相当する2次元障害物
52’:デスクマットに相当する2次元障害物
53’:ごみ箱に相当する2次元障害物
54’:ケーブルに相当する2次元障害物
55’:不明物体に相当する2次元障害物
60:配信先管理装置
101:センサ情報取得部
102:入力情報受付部
103:3次元地図生成部
104:空間分割部
105:障害物判定部
106:分割空間圧縮部
107:障害物確定部
108:2次元地図生成部
109:フォーマット変換部
110:地図情報配信部
111:データ記憶部
201:第1の2次元地図生成部
202:第2の2次元地図生成部
203:2次元地図合成部
901:CPU
902:メモリ
903:ストレージ
904:通信装置
905:入力装置
906:出力装置