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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/08 20060101AFI20250304BHJP
   F16K 11/085 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
F16K11/08 Z
F16K11/085 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023563125
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 CN2022087035
(87)【国際公開番号】W WO2022218407
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】202110411378.0
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG SANHUA AUTOMOTIVE COMPONENTS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#301,12th Street,Economic & Technological Development Area,Hangzhou,Zhejiang,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 リーシン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 ロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユン
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-021595(JP,A)
【文献】特開2017-044266(JP,A)
【文献】特開2015-209958(JP,A)
【文献】特表2006-512540(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0118066(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107830207(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/08
F16K 11/085
F16K 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボディ、弁体、シーリング部材、及び、バランスシーリングブロックを含むとともに弁室を有し、前記弁ボディの側壁部が、前記弁室の周壁又は周壁の少なくとも一部であり、前記弁体の少なくとも一部及び前記シーリング部材が、何れも前記弁室に位置する制御弁において、
前記シーリング部材のシーリング本体部は、前記弁体の径方向に沿って前記弁体と前記側壁部との間に位置して、内面が前記弁体に接触し、外面が前記側壁部に接触し、
前記バランスシーリングブロックは、前記弁体の径方向に沿って前記側壁部と前記弁体との間に位置するとともに前記弁体に接触し、
前記バランスシーリングブロック及び前記シーリング部材は、前記弁体の円周方向に沿って配列され、
前記バランスシーリングブロックの前記弁体に対する作用力又は分力は、前記シーリング部材の前記弁体に対する作用力又は分力の方向と反対し、
前記弁ボディの側壁部は、複数の第1連通口を含む連通口を有し、
前記シーリング部材のシーリング本体部は、前記シーリング部材を貫通して前記第1連通口に対応して連通する貫通孔を有し、
前記バランスシーリングブロックは、前記連通口に連通する貫通孔を有しないことを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記制御弁は、通路を含み、
前記連通口は、前記弁室に連通し、
各前記通路は、一端が前記側壁部を貫通して前記連通口を形成し、他端が前記制御弁の弁ポートを形成し、
前記シーリング部材の前記シーリング部材の高さ方向に垂直する方向に沿う横断面は、弧状構造であり、
前記側壁部における前記シーリング本体部に接触する領域内の前記連通口の数は、前記貫通孔の数と同様であるとともに、対応して連通し、
前記バランスシーリングブロック及び前記シーリング部材は、前記弁体の径方向の両側にそれぞれ設けられ、
前記バランスシーリングブロックの前記弁体に向かう表面は、弧面であり、
前記バランスシーリングブロックの弧面の軸心は、前記シーリング本体部の内面の軸心と重なって、且つ、両者の半径が等しく、
前記弁体と前記側壁部とは、同軸に配置されることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記シーリング部材は、固定されて接続されている第1弾性パッドと第1シーリング部材とを含み、
前記第1弾性パッドは、前記第1シーリング部材と前記側壁部との間に位置し、
前記第1シーリング部材は、前記第1弾性パッドと前記弁体との間に位置するとともに前記弁体に接触しており、
前記第1シーリング部材における前記弁体に向かう表面の粗さは、前記第1弾性パッドにおける前記弁体から離れる表面より小さいことを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記バランスシーリングブロックは、固定されて接続されている第2弾性パッドと第2シーリング部材とを含み、
前記第2弾性パッドは、前記第2シーリング部材と前記側壁部との間に位置し、
前記第2シーリング部材は、前記第2弾性パッドと前記弁体との間に位置するとともに、前記弁体に接触し、
前記第2シーリング部材における前記弁体に向かう表面の粗さは、前記第2弾性パッドにおける前記弁体から離れる表面より小さいことを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項5】
前記第1弾性パッドは、ゴムから加工されて形成され、
前記第1シーリング部材の主な材料は、テフロンであり、
前記第1弾性パッドと前記第1シーリング部材とは、接着されることで一体構造として固定されて形成され、
前記第2弾性パッドは、ゴムから加工されて形成され、前記第2シーリング部材の主な材料はテフロンであり、
前記第2弾性パッドと前記第2シーリング部材とは、接着されることで一体構造として固定されて形成されることを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項6】
前記側壁部の径方向に沿って前記弁ボディは、収容室及び開口を有し、
前記収容室は、前記開口を介して前記弁室に連通し、
前記収容室の横断面面積は、前記開口の横断面面積より大きく、
前記バランスシーリングブロックは、前記開口から突出しており、固定されて接続されている第1部分と第2部分とを含み、
前記第1部分の横断面面積は、前記開口の横断面面積より大きく、
前記第1部分は、前記収容室に位置し、
前記第2部分は、前記開口を通って前記弁体に接触することを特徴とする請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項7】
前記バランスシーリングブロックは、固定されて接続される第2弾性パッドと第2シーリング部材とを含み、
前記第1部分は、前記第2弾性パッドであり、
前記第2部分は、前記第2シーリング部材であり、又は、前記第1部分は、前記第2弾性パッド及び前記第2シーリング部材の一部であり、前記第2部分は、前記第2シーリング部材の他の一部であることを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
前記バランスシーリングブロックと前記シーリング部材との高さは、等しく、
前記弁体の高さ方向に沿って、前記シーリング部材と前記弁体との接触高さは、前記バランスシーリングブロックと前記弁体との接触高さに等しいことを特徴とする請求項1~請求項5、請求項7の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項9】
前記シーリング部材は、前記シーリング本体部の周方向の両端にある位置制限部をさらに含み、
前記位置制限部は、位置制限面を有し、
前記位置制限面は、前記シーリング部材の内面と外面との間に接続され、
前記弁ボディは、ストッパ部をさらに含み、
前記ストッパ部は、前記側壁部に固定されて接続され、又は、前記側壁部の一部であり、
前記ストッパ部は、前記ストッパ部の周方向の両端に位置するストッパ面を有し、
前記ストッパ面は、前記弁室に位置し、
前記位置制限面と前記ストッパ面とは、接触するように配置されていることを特徴とする請求項1~請求項5、請求項7の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項10】
前記側壁部の周方向に沿って前記シーリング部材に接触する前記側壁部には、2列の前記連通口が配列され、
前記シーリング部材の周方向に沿って前記シーリング部材には、2つの前記貫通孔が配列され、
前記シーリング部材の高さ方向に垂直する断面で前記シーリング本体部の弧面の対応する中心角は、前記側壁部における円周方向に沿って配列される2つの前記連通口のエッジに対応する中心角より大きいことを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【請求項11】
前記弁ボディは、頂壁部及び底壁部をさらに含み、
前記側壁部の少なくとも一部は、前記頂壁部と前記底壁部との間に位置し、
前記頂壁部と前記側壁部とは、一体構造として射出成形され、
前記底壁部と前記側壁部とは、シーリングされるように配置され、
前記弁ボディは、突起部をさらに含み、
前記突起部は、前記頂壁部から突出するとともに前記弁室内に位置し、
前記突起部は、第1位置制限溝を有し、
前記第1位置制限溝の溝口は、前記弁室に連通し、
前記シーリング部材の高さ方向の一端は、前記第1位置制限溝内に位置し、
前記第1位置制限溝の幅は、前記シーリング部材の厚さの以上であることを特徴とする請求項1~請求項5、請求項7の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項12】
前記突起部は、第2位置制限溝を有し、
前記第2位置制限溝の溝口は、前記弁室に連通し、
前記バランスシーリングブロックの高さ方向の一端は、前記第2位置制限溝内に位置し、
前記第2位置制限溝の幅は、前記バランスシーリングブロックの厚さの以上であることを特徴とする請求項11に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年04月16日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110411378.0であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、本出願に援用されている。
【0002】
本発明は、流体制御の技術分野に関して、具体的に制御弁に関している。
【背景技術】
【0003】
流体制御システムは、多通路の制御弁を使用することで流路を制御することがある。
制御弁の、複数の流路の流体に対する制御を実現するために、制御弁に複数の流路を配置し、複数の流路は、シーリング用のシーリング部材を必要とする。
複数の流路に対する制御の安定性を向上するとともに、制御弁のシーリング性能を向上できるために、複数の流路及びシーリング部材を、如何に配置するかということは、解決しようとする問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の流路の流体に対する制御の安定性を向上するとともに、制御弁のシーリング性能を、向上できる制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、制御弁を提供し、弁ボディ、弁体及びシーリング部材を含み、前記弁ボディは、側壁部を含み、前記制御弁は、弁室を有し、前記側壁部は、前記弁室の周壁又は周壁の少なくとも一部であり、前記弁体の少なくとも一部及び前記シーリング部材は、何れも前記弁室に位置し、
前記シーリング部材は、シーリング本体部を含み、前記弁体の径方向に沿って、前記シーリング本体部は、前記弁体と前記側壁部との間に位置し、前記シーリング本体部は、内面が前記弁体に接触し、外面が前記側壁部に接触し、
前記制御弁は、バランスシーリングブロックをさらに含み、前記弁体の径方向に沿って、前記バランスシーリングブロックは、前記側壁部と前記弁体との間に位置するとともに、前記弁体に接触し、前記バランスシーリングブロック及び前記シーリング部材は、前記弁体の円周方向に沿って配列され、前記バランスシーリングブロックの前記弁体に対する作用力又は分力は、前記シーリング部材の前記弁体に対する作用力又は、分力の方向と反対する。
【発明の効果】
【0006】
本発明である制御弁によれば、シーリング部材及びバランスシーリングブロックを含み、シーリング部材の横断面は、弧状構造であり、円環状構造の横断面を有するシーリング部材よりも、本発明のシーリング部材は、大きな膨張空間及び低い製造精度を有し、バランスシーリングブロックは、側壁部と弁体との間に位置し、バランスシーリングブロック及びシーリング部材は、弁体の円周方向に沿って配列され、弁体がシーリング部材及びバランスシーリングブロックを押圧すると、バランスシーリングブロックの弁体に対する作用力又は分力は、シーリング部材の弁体に対する作用力又は分力の方向と反対し、弁体と側壁部とを同軸に保持して、弁体の回動の安定性を向上し、弁体の偏心によるシーリングの偏差によって招致される流体漏れを防止して、制御弁のシーリング性能及び制御弁の流体に対する制御の安定性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例である制御弁の分解図である。
図2図1の制御弁の1つの位置での一部断面図である。
図3図1の制御弁の別の位置での一部断面図である。
図4】本発明の実施例におけ弁ボディの構造図である。
図5】本発明の実施例における弁ボディとシーリング部材との組み合わせた構造の1つの位置での一部断面図である。
図6】本発明の実施例におけるシーリング部材の構造図である。
図7図6のシーリング部材と弁ボディとが係合する一部断面図である。
図8図1の制御弁の一部構造の正面図である。
図9図8のA―A方向に沿う断面図である。
図10図9のQ1位置での拡大図である。
図11】本発明の別の実施例における弁ボディの構造図である。
図12】本発明の実施例におけるバランスシーリングブロックの構造図である。
図13】本発明の実施例における弁ボディとシーリング部材との組み合わせた構造の別の位置での一部断面図である。
図14】本発明の実施例における弁体の構造図である。
図15図14における弁体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面及び実施例により、本発明をさらに詳しく記載する。
本明細書において、「第1」及び「第2」などの関係用語は、これらの部材の間には、このような実際関係又は順序が存在するように、要求し又は暗示していなく、ただ同じ名称を有する2つの部材を区別するために用いられる。
【0009】
図1図3に示すように、本発明の実施例は、制御弁1を提供し、弁ボディ10、弁体20及びシーリング部材41を含む。
弁ボディ10は、側壁部11を含み、制御弁1は、弁室101を有し、側壁部11は、弁室101の周壁又は周壁の少なくとも一部であり、弁体20の少なくとも一部は、弁室101に位置し、弁体20は、駆動によって回動可能になり、制御弁1は、駆動装置50及びシーリングリング43をさらに含む。
そして、この駆動装置50は、駆動部材を含み、駆動部材は、モータ又はモータ+減速歯車群であってもよく、弁体20は、駆動装置50内の駆動部材の駆動によって回動でき、シーリング部材41の少なくとも一部は、弁体20と側壁部11との間に位置し、図1において、弁ボディ10は、底壁部12及び頂壁部13をさらに含む。
そして、これらの底壁部12、頂壁部13及び側壁部11は、弁室101を囲まれるように形成し、シーリングリング43は、頂壁部13と弁体20との間に位置し、側壁部11の少なくとも一部は、底壁部12と頂壁部13との間に位置し、底壁部12と頂壁部13とのうちの一方は、側壁部11に一体成形され、他方は、側壁部11にシーリングされるように配置される。
例えば、図1において、頂壁部13は、側壁部11に一体成形され、底壁部12は、溶接工程によって側壁部11に固定されて接続されるとともに、シーリングされるように配置され、これによって、流体の漏れを防止し、シーリングリング43は、頂壁部13と弁体20との間に位置し、この場合、弁体20の組立過程で、弁ボディ10の底部から天井部方向へ組み立てられることで、シーリングリング43の変形を減少して、シーリングリング43のシーリング性能を向上させることができる。
制御弁1は、少なくとも5本の通路30を含み、側壁部11は、少なくとも5つの連通口を有し、連通口は、弁室101に連通し、各通路30の一端は、側壁部11を貫通して連通口を形成し、他端は、制御弁1の弁ポート102を形成し、流体は、弁ポート102から制御弁1を出入することができる。
そして、この制御弁1に含まれる通路30の数について、使用者のニーズに応じて設定でき、例えば、3つ、4つ、5つ、6つであってもよい。
【0010】
制御弁1と流体制御システム中の他の部材との組立を容易に実現して、制御弁1と他の部材との集積化程度を向上するために、図1図3に示すように、弁ボディ10は、取付部14をさらに含む。
そして、この取付部14は、側壁部11に固定されて接続されるとともに、側壁部11の、弁室101から離れる側に位置する。
例えば、取付部14は、側壁部11に一体成形され、取付面141を有し、制御弁1の弁ポート102は、取付面141を貫通することで、制御弁1の弁ポート102は、何れも取付面141に配置されるとともに、その向きが同様であり、制御弁1と他の部材との組立ステップを、簡略化して接続部分の漏れ点を減少し、シーリングの確実性を向上することができる。
【0011】
シーリング部材41の、シーリング部材41の高さ方向に垂直する方向に沿う横断面は、弧状構造であり、シーリング部材41は、シーリング本体部410を含む。
そして、このシーリング本体部410は、弁体20と側壁部11との間に位置し、シーリング本体部410の内面は、弁体20に接触し、その外面は、側壁部11に接触し、側壁部11の、シーリング本体部410に接触する領域内での連通口を第1連通口311として定義し、この場合、側壁部11の連通口は、第1連通口311を含む。
第1連通口311に連通する弁ポート102は、側壁部11の高さ方向、及び、側壁部11の高さ方向に垂直する方向に沿ってアレイ配列される。
図2に示すように、取付部14の取付面141の輪郭は、略矩形構造であり、この取付面141の長さ方向は、側壁部11の高さ方向に平行し、この場合、第1連通口311に連通する弁ポート102は、取付面141の長さ方向及び幅方向に沿ってアレイ配列される。
【0012】
図2図4に示すように、第1連通口311は、側壁部11の高さ方向及び周方向に沿って配列され、この側壁部11の周方向に沿って、側壁部11には、2列の第1連通口311が、配列される。
図2及び図4に示すように、本実施例において、側壁部11は、8つの第1連通口311を有し、この側壁部11の高さ方向に沿って、側壁部11は、4列の第1連通口311を有し、各列は、2つの第1連通口311を有し、相応的に、制御弁1は、第1連通口311に一々対応して連通する8つの第1弁ポート312を有している。
図3図5図7に示すように、シーリング部材41は、シーリング本体部410を含む場合、シーリング本体部410は、シーリング部材41を貫通する貫通孔411を有し、貫通孔411は、第1連通口311の数と同様であるとともに、対応するように連通し、貫通孔411は、シーリング部材41の高さ方向及びシーリング本体部410の周方向に沿って配列され、シーリング本体部410の周方向に沿って、シーリング本体部410には、2つの貫通孔411が、配列される。
本実施例において、シーリング本体部410は、8つの貫通孔411を有し、シーリング本体部410の高さ方向に沿って、シーリング本体部410は、4列の貫通孔411を有し、各列は、2つの貫通孔411を有し、シーリング本体部410の内面は、弧面である。
そして、この弧面は、弁体20に接触し、シーリング本体部410の弧面の対応する中心角を、αとして定義し、αは、側壁部11の、円周方向に沿って配列される2つの連通口のエッジに対応する中心角より大きく、好ましくは、αは、100°以上、且つ、180°以下であり、好ましくは、αは、100°以上、且つ、110°以下であり、上記の配置によって、シーリング部材41の製造金型の製造の困難さを低減して、シーリング部材41の製造の困難さを低下して、シーリング部材41の製造コストを減少できる。
【0013】
図7に示すように、側壁部11の高さ方向に垂直する横断面で、周方向に沿って配列される2つの第1連通口311のエッジと側壁部11の円心とがなす最大中心角をβとして定義し、β=90°であり、相応的に、シーリング部材41の高さ方向に垂直する横断面で、シーリング部材41の2つの貫通孔411のエッジとシーリング部材41の弧面の円心とがなす最大中心角は、90度であり、制御弁1の運転過程で、駆動部材の制御精度、又は信号伝達の遅延、或いは、弁体20の回動慣性の影響のため、弁体20は、回動公差を有し、回動公差の角度をθとして定義し、α≧β+2θである。
好ましくは、弁体20の回動公差角度は、±5°であってもよく、駆動部材は、駆動弁体20の回動を停止させた場合、駆動部材の制御精度、又は、信号伝達の遅延、或いは、弁体20の回動慣性の影響のため、弁体20は、所定角度の前の5°まで回動した時に停止し、又は、所定角度を超えた後、引き続いて、5°回転する。
これによって、弁体20は、回動公差が生じ、弁体20が回動する各ストローク範囲内でシーリング部材41を常に弁体20に接触させて、シーリング部材41によいシーリング性能、大きな膨張空間及び低い製造の困難さを具備させるために、シーリング本体部410の弧面の対応する中心角αを100°に設置する。
【0014】
シーリング部材41を、弁ボディ10の弁室101内に安定に位置制限させるために、図7図11に示すように、シーリング部材41は、シーリング本体部410の周方向の両端にある位置制限部414をさらに含む。
そして、この位置制限部414は、位置制限面4141を有し、位置制限面4141は、シーリング部材41の内面と外面との間に接続され、弁ボディ10は、ストッパ部15をさらに含む。
図9及び図10に示すように、ストッパ部15は、側壁部11の一部であり、又は、図11に示すように、ストッパ部15は、側壁部11に固定されて接続されるとともに、弁室101内に位置し、ストッパ部15は、ストッパ面151を有している。
そして、このストッパ面151は、側壁部11の径方向に沿って延在し、又は径方向と角度をなすように延在し、ストッパ面151は、弁室101に位置し、位置制限面4141とストッパ面151とは、接触するように配置される。
上記の配置によって、位置制限面4141とストッパ面151とは、互いに係合し、シーリング部材41の回動を防止して、シーリング部材41のシーリング性能を向上する。
【0015】
シーリング部材41の横断面は、弧状構造であるため、弁体20が、シーリング部材41を押圧する過程で弁体20の偏心を招致する恐れがある。
図9を参照して、制御弁1は、バランスシーリングブロック42をさらに含む。
このバランスシーリングブロック42は、側壁部11と弁体20との間に位置し、バランスシーリングブロック42及びシーリング部材41は、弁体20の径方向の両側にそれぞれ設けられ、バランスシーリングブロック42の、弁体20に向かう表面は、弧面であり、バランスシーリングブロック42の弧面の軸心は、シーリング本体部410の内面の軸心と重なり、且つ、両者の半径が、等しく、好ましくは、バランスシーリングブロック42の高さは、シーリング部材41の高さに等しくてもよい。
弁体20の高さ方向に沿って、シーリング部材41と弁体20との接触高さは、バランスシーリングブロック42と弁体20との接触高さに等しく、上記の配置によって、バランスシーリングブロック42及びシーリング部材41は、弁体20に対して大きさが同様であり、且つ、方向が反対する作用力を発生させ、弁体20と側壁部11とを同軸に保持し、弁体20の回動の安定性を向上して、弁体20の偏心による流体の漏れを防止し、制御弁1のシーリング性能及び制御弁1の流体に対する制御の安定性を向上させることができる。
【0016】
弁体20を小さな駆動力で安定に回動させるために、図5図7に示すように、シーリング部材41は、固定されて接続されている第1弾性パッド412と第1シーリング部材413とを含む。
そして、この第1弾性パッド412は、第1シーリング部材413と側壁部11との間に位置し、第1シーリング部材413は、第1弾性パッド412と弁体20との間に位置するとともに、弁体20に接触し、その主な材料がテフロンであってもよい。
例えば、第1シーリング部材413は、テフロンから加工されて形成され、第1弾性パッド412は、ゴムから加工され、第1弾性パッド412と第1シーリング部材413とは、接着されることで、一体構造として固定されて形成される。
この場合、第1シーリング部材413の、弁体20に向かう表面の粗さは、第1弾性パッド412の、弁体20から離れる表面より小さく、第1シーリング部材413の主な材料をテフロンに設置することで、第1シーリング部材413はシーリングの作用を発揮できるとともに、一定の潤滑性能を有し、弁体20とシーリング部材41との間の摩擦力を低減でき、さらに、制御弁1の駆動力を低減できる。
第1弾性パッド412は、本体部及び突出部を含み、突出部は、側壁部11に接触しており、複数の交差している軸方向突起部と周方向突起部とを含む。
そして、この軸方向突起部は、第1弾性パッド412の高さ方向に沿って延在し、周方向突起部は、第1弾性パッド412の周方向に沿って延在し、複数の突出部を配置することでシーリング部材41の圧縮変形量を高めて、シーリング部材41のシーリング性能を向上する。
【0017】
これに基づいて、図9及び図12に示すように、バランスシーリングブロック42は、固定されて接続されている第2弾性パッド423と第2シーリング部材424とを含む。
そして、第2弾性パッド423は、第2シーリング部材424と側壁部11との間に位置し、第2シーリング部材424は、第2弾性パッド423と弁体20との間に位置するとともに、弁体20に接触し、第2シーリング部材424の主な材料は、テフロンであってもよい。
例えば、第2シーリング部材424は、テフロンから加工されて形成され、第2弾性パッド423は、ゴムから加工され、第2弾性パッド423と第2シーリング部材424とは、接着されることで、一体構造として固定されて形成される。
この場合、第2シーリング部材424の、弁体20に向かう表面の粗さは、第2弾性パッド423の、弁体20から離れる表面より小さく、第2シーリング部材424の主な材料をテフロンになるように設置することで、第2シーリング部材424は、シーリングの作用を発揮できるとともに、一定の潤滑性能を有し、弁体20とシーリング部材41との間の摩擦力を低減でき、さらに、制御弁1の駆動力を低減できる。
【0018】
バランスシーリングブロック42を安定に弁室101内に位置制限させるために、図9図12に示すように、側壁部11の径方向に沿って弁ボディ10は、収容室152及び開口153を有し、収容室152は、開口153を介して弁室101に連通し、その横断面面積は、開口153の横断面面積より大きく、バランスシーリングブロック42は、互いに固定されて接続されている第1部421と第2部分422とを含む。
そして、この第1部421の横断面面積は、第2部分422の横断面面積より大きく、第1部421は、収容室152に位置し、第2部分422は、弁体20と第1部421との間に位置し、この場合、第2部分42は、開口1532を通って弁体20に接触する。
ここで、横断面は、バランスシーリングブロック42の高さ方向に垂直する方向、又は、側壁部11の高さ方向に垂直する方向に沿って制御弁1を切断することで得られた断面である。
上記の配置によって、バランスシーリングブロック42を収容室152内に位置制限させることができ、バランスシーリングブロック42の取付を容易にする。
そして、このバランスシーリングブロック42が、第2弾性パッド423及び第2シーリング部材424を含む場合、第1部421は、第2弾性パッド423であり、第2部分422は、第2シーリング部材424であってもよいし、又は第1部421は、第2弾性パッド423及び第2シーリング部材424の一部から形成された構造であり、第2部分422は、第2シーリング部材424の他の一部から形成された構造であってもよい。
【0019】
さらに、図1図3図9及び図13図15を参照して、側壁部11の連通口は、第2連通口321をさらに含む。
そして、この第2連通口321は、側壁部11の高さ方向の一端に位置して、シーリング部材41から離れるように配置され、弁体20は、柱状構造であり、天板201、底板202、内部導通室21、複数の外部導通室22、第1仕切板23及び第2仕切板24を含む。
弁体20の高さ方向に沿って、複数の外部導通室22、第1仕切板23及び第2仕切板24は、天板201と底板202との間に位置し、内部導通室21は、天板201と底板202との間に位置して、底板202を貫通する。
少なくとも一部の外部導通室22は、内部導通室21の外周側に分布され、第1仕切板23は、内部導通室21と外部導通室22との間に位置し、第2仕切板24は、隣接している2つの外部導通室22の間に位置し、第1仕切板23は、孔路231を有し、内部導通室21は、孔路231を介して一部の外部導通室22に連通している。
この場合、第2連通口321は、弁室101を介して内部導通室21に連通し、第1連通口311は、シーリング本体部410の貫通孔411を介して外部導通室22に連通し、各外部導通室22は、第2仕切板24によって独立空間として仕切られる。
回転弁体20は、1つの外部導通室22によって外部導通室22に対応する2つの弁口を導通させ又は遮断し、及び/又は、内部導通室21、孔路231及び外部導通室22によって対応する2つの弁口を導通させ又は遮断し、2つの弁口のうちの一方は、内部導通室21に対応し、他方は、外部導通室22に対応する。
上記の配置によって、制御弁1は、複数の流路を制御することができ、使用の時、より便利且つコンパクトである。
【0020】
図13に示すように、シーリング部材41に対して位置制限を行うために、弁ボディ10の頂壁部13と側壁部11とは、一体構造として射出成形され、この場合、弁ボディ10は、突出部16をさらに含む。
そして、この突出部16は、頂壁部13から突出して弁室内に位置し、第1位置制限溝16aを有し、第1位置制限溝16aの溝口は、弁室に連通し、側壁部11の内面の一部は、第1位置制限溝16aの溝壁を形成し、シーリング部材41の高さ方向の一端部は、当該第1位置制限溝16a内に位置することで、シーリング部材41の組立位置に対して位置制限を行って、この場合、第1位置制限溝16aの幅は、シーリング部材41の径方向の厚さの以上である。
弁ボディ10の強度を強化させるために、頂壁部13には、複数の接続リブが設けられ、接続リブは、頂壁部13の径方向に沿って配列され、さらに、頂壁部13には、周方向に沿って延在している1周の接続リブが設けられてもよく、頂壁部13の構造強度を向上する。
好ましくは、バランスシーリングブロック42の位置に対して位置制限を行うために、突出部16は、第2位置制限溝をさらに含む。
そして、この第2位置制限溝の溝口は、弁室101に連通し、バランスシーリングブロック42の高さ方向の一端は、第2位置制限溝内に位置し、第2位置制限溝的の幅は、バランスシーリングブロック42の径方向上の厚さの以上である。
【0021】
図1図3をさらに参照し、連通口は、第2連通口321をさらに含む。
弁ボディは、取付部14を含む場合、第2連通口321は、側壁部11の高さ方向の一端に位置するとともに、シーリング部材41から離れた側に位置し、取付部14は、取付面141を有し、取付面141で、第1連通口311に連通する弁ポート102、第2連通口321に連通する弁ポート102は、何れも矩形であり、且つ、断面面積が等しい。
上記の配置によって、各弁ポート102を通過する流体の流量を近接させることができる。
【0022】
第1連通口311に連通する弁ポート102を、第1弁ポート312、第2連通口321に連通する弁ポート102を第2弁ポート322として定義し、取付面141で、第2弁ポート322の長さは、第1弁ポート312の長さの2倍よりも大きく、弁ボディ10の取付部14は、強化リブ142をさらに含む。
そして、この強化リブ142は、第2弁ポート322の幅方向に沿って延在して、第2弁ポート322の、制御弁の高さ方向に沿って対向配置される2つの表面の間に接続される。
上記の配置によって、制御弁1の各弁ポート102での強度を向上して、この制御弁1の品質を高めることができる。
【0023】
以上のように、本発明の実施例である制御弁1によれば、制御弁1は、シーリング部材41及びバランスシーリングブロック42を含む。
シーリング部材41の横断面は、弧状構造である。
円環状構造の横断面を有するシーリング部材41に対して、本実施例のシーリング部材41は、大きな膨張空間及び低い製造精度を有し、バランスシーリングブロック42は、側壁部11と弁体20との間に位置し、バランスシーリングブロック42及びシーリング部材41は、弁体20の径方向の両側にそれぞれ設けられ、バランスシーリングブロック42の、弁体20に向かう表面は、弧面である。
そして、このバランスシーリングブロック42の弧面の円心は、シーリング本体部410の内面の円心と重なって、且つ、半径が等しく、弁体20が、シーリング部材41及びバランスシーリングブロック42を押圧すると、バランスシーリングブロック42及びシーリング部材41は、弁体20に対して、大きさが同様且つ方向が反対する作用力を発生させ、弁体20と側壁部11とを同軸に保持し、弁体20の回動の安定性を向上して、弁体20の偏心による流体の漏れを防止し、制御弁1のシーリング性能及び制御弁1の流体に対する制御の安定性を向上でき、普及及び適用に寄与する。
【0024】
ここで、以上の実施形態は、本発明を限定していなく、本発明を説明するためのものであり、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」などの方向の定義について、本明細書において上記実施形態を参照して本発明を詳しく説明したが、本発明に対して補正、結合又は等価置き換えを行うことができ、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての改良は、本発明の請求項の範囲に該当すべきである。
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