(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/20 20200101AFI20250304BHJP
G06F 30/13 20200101ALI20250304BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20250304BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/13
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2024122558
(22)【出願日】2024-07-29
【審査請求日】2024-07-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度 国立研究開発法人情報通信研究機構 「革新的情報通信技術研究開発委託研究/Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発 HAPS移動通信の高速大容量化技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 昌也
(72)【発明者】
【氏名】表 英毅
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰弘
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-213160(JP,A)
【文献】特開2022-039616(JP,A)
【文献】特開2020-095485(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0138996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0419526(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0409771(US,A1)
【文献】特開2014-241574(JP,A)
【文献】国際公開第2016/154320(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
G06Q 50/08
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の空間の特徴を示す空間特徴データを取得する取得部と、
前記空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記空間の空間レイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成部と
を備え、
前記取得部は、前記空間の間取りデータ及び前記空間を撮像した空間撮像データを含む前記空間特徴データを取得し、
前記レイアウトデータ生成部は、前記空間の空間レイアウトデータを、前記建物の施工業者が施工し、前記空間撮像データが存在しない他の建物内の他の空間に適用することによって、電波伝搬推定に用いられる前記他の空間の空間レイアウトデータを生成する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記レイアウトデータ生成部は、空間撮像データが存在しない欠落エリアが前記空間に存在する場合、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データに基づいて前記欠落エリアの空間レイアウトデータを生成することによって、前記空間の前記空間レイアウトデータを生成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記レイアウトデータ生成部は、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データに基づいて前記空間内のオブジェクトの材質を推定することによって、前記オブジェクトの前記材質を識別する材質識別データを含む前記空間の前記空間レイアウトデータを生成する、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記レイアウトデータ生成部は、建物内の空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データから当該空間の空間レイアウトデータを生成する空間レイアウトデータ生成モデルを用いて、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データから前記空間の前記空間レイアウトデータを生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記空間の前記空間レイアウトデータを用いて、前記空間内での電波の伝搬を推定する電波伝搬推定部
をさらに備える、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
建物内の空間の特徴を示す空間特徴データと、前記建物内の前記空間に対応する前記建物の外面
を撮像した外面撮像データを含む前記外面の特徴を示す外面特徴データ
と、前記外面撮像データを撮像した撮像位置を識別する撮像位置識別データと、前記建物の位置を識別する建物位置識別データとを取得
する取得部と、
前記空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記空間の空間レイアウトデータを生成し、前記外面特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記外面の外面レイアウトデータをさらに生成する
レイアウトデータ生成部と、
を備え、
前記レイアウトデータ生成部は、前記空間の前記空間レイアウトデータと前記外面の前記外面レイアウトデータとを位置合わせすることによって、電波伝搬推定に用いられ且つ前記空間の前記空間レイアウトデータ及び前記外面の前記外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成
し、
前記レイアウトデータ生成部は、
前記撮像位置識別データによって識別される前記外面撮像データを撮像した前記撮像位置及び前記建物位置識別データによって識別される前記建物の位置から、前記外面撮像データを撮像した撮像方向を決定し、決定した前記撮像方向と、前記外面撮像データで撮像された前記空間の方位を推定可能なオブジェクトの向きとに基づいて、前記空間の方位を推定することによって、前記統合レイアウトデータを生成する、
情報処理システム。
【請求項7】
前記統合レイアウトデータを用いて、
前記建物内の空間内での電波の伝搬を推定し、前記建物内の空間に対応する前記建物の外面に到来する電波の伝搬を推定し、前記建物の外部から前記建物内の空間への電波の伝搬を推定し、前記統合レイアウトデータを用いて、高周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計で必要な、前記建物の外部から前記空間内への電波の伝搬を推定する電波伝搬推定部
をさらに備える、請求項
6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1又は6に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、反射物の表面の形状を考慮した伝搬特性の推定技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2023-162916号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理システムが提供される。前記情報処理システムは、建物内の空間の特徴を示す空間特徴データを取得する取得部を備えてよい。情報処理システムは、前記空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記空間の空間レイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成部を備えてよい。
【0004】
前記情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記空間の間取りデータ及び前記空間を撮像した空間撮像データを含む前記空間特徴データを取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、空間撮像データが存在しない欠落エリアが前記空間に存在する場合、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データに基づいて前記欠落エリアの空間レイアウトデータを生成することによって、前記空間の前記空間レイアウトデータを生成してよい。
【0005】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記取得部は、複数の独立した空間を有する前記建物の一の空間である前記空間の前記空間特徴データを取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、生成した前記一の空間の前記空間レイアウトデータを、前記一の空間とは異なる前記建物内の他の空間に適用することによって、電波伝搬推定に用いられる前記他の空間の空間レイアウトデータを生成してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記レイアウトデータ生成部は、前記空間の前記空間レイアウトデータを、前記建物の施工業者が施工した他の建物内の他の空間に適用することによって、電波伝搬推定に用いられる前記他の空間の空間レイアウトデータを生成してよい。
【0007】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記空間の間取りデータ及び前記空間を撮像した空間撮像データを含む前記空間特徴データを取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データに基づいて前記空間内のオブジェクトの材質を推定することによって、前記オブジェクトの前記材質を識別する材質識別データを含む前記空間の前記空間レイアウトデータを生成してよい。
【0008】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記空間の間取りデータ及び前記空間を撮像した空間撮像データを含む前記空間特徴データを取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、建物内の空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データから当該空間の空間レイアウトデータを生成する空間レイアウトデータ生成モデルを用いて、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データから前記空間の前記空間レイアウトデータを生成してよい。
【0009】
前記いずれかの情報処理システムは、前記空間の前記空間レイアウトデータを用いて、前記空間内での電波の伝搬を推定する電波伝搬推定部をさらに備えてよい。
【0010】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記建物内の前記空間に対応する前記建物の外面の特徴を示す外面特徴データをさらに取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、前記外面特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記外面の外面レイアウトデータをさらに生成してよい。
【0011】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記レイアウトデータ生成部は、前記空間の前記空間レイアウトデータと前記外面の前記外面レイアウトデータとを位置合わせすることによって、電波伝搬推定に用いられ且つ前記空間の前記空間レイアウトデータ及び前記外面の前記外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成してよい。
【0012】
前記いずれかの情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記外面を撮像した外面撮像データを含む前記外面特徴データを取得し、前記外面撮像データを撮像した撮像位置を識別する撮像位置識別データ及び前記建物の位置を識別する建物位置識別データをさらに取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、前記外面撮像データと、前記撮像位置データと、前記建物位置識別データとに基づいて、前記空間の方位を推定することによって、前記統合レイアウトデータを生成してよい。
【0013】
前記いずれかの情報処理システムは、前記統合レイアウトデータを用いて、前記建物の外部から前記空間内への電波の伝搬を推定する電波伝搬推定部をさらに備えてよい。
【0014】
前記いずれかの情報処理システムは、過去に生成された空間レイアウトデータと、当該空間レイアウトデータの対象となる建物内の空間の間取りデータと、当該空間を撮像した空間撮像データとを含む空間学習データを格納する学習データ格納部と、前記学習データ格納部に格納されている複数の前記空間学習データを教師データとして用いて、建物内の空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データから当該空間の空間レイアウトデータを生成する空間レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成するモデル生成部とをさらに備えてよく、前記取得部は、前記空間の間取りデータ及び前記空間を撮像した空間撮像データを含む前記空間特徴データを取得してよく、前記レイアウトデータ生成部は、前記モデル生成部によって生成された前記空間レイアウトデータ生成モデルを用いて、前記空間特徴データに含まれる前記間取りデータ及び前記空間撮像データから前記空間の前記空間レイアウトデータを生成してよい。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、建物内の空間の特徴を示す空間特徴データを取得する取得部と、前記空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる前記空間の空間レイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成部として機能させるためのプログラムが提供される。
【0016】
尚、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】空間レイアウトデータを生成する一例を説明するための説明図である。
【
図3】空間レイアウトデータを生成する他の一例を説明するための説明図である。
【
図4】空間レイアウトデータを生成する他の一例を説明するための説明図である。
【
図5】統合レイアウトデータを生成する一例を説明するための説明図である。
【
図6】情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】情報処理装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図8】モデル生成装置400の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】電波伝搬推定装置500の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図10】システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図11】情報処理装置100、モデル生成装置400、又は電波伝搬推定装置500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
住宅等の屋内環境の電波伝搬は、屋内にある電波の遮蔽物を考慮する必要がある。そのため、屋内環境の電波伝搬を正確に推定するためには、屋内環境のレイアウトデータが必要不可欠である。現在、屋内環境のレイアウトデータは、作業員が屋内環境を実際に訪問して作業を実施することによって取得したデータに基づいて生成される。しかしながら、作業員が全ての屋内環境を訪問して作業を実施することは非現実的であり、作業員が屋内環境を訪問して作業を実施しなければならないことが、屋内環境の電波伝搬の正確な推定のボトルネックとなっている。本実施形態に係るシステムは、例えば、生成AI(Artificial Intelligence)を用いて、不動産会社等によって公開されている屋内環境の内見映像データ及び間取りデータ或いは顧客によって提供された屋内環境の撮影映像データ等に基づいて、屋内環境のレイアウトデータを自動生成する仕組みを採用する。これにより、作業員が屋内環境で作業を実施することなく、屋内環境のレイアウトデータを生成できる。
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、情報処理装置100を備えてよい。システム10は、建物管理装置200を備えてよい。システム10は、地図管理装置300を備えてよい。システム10は、モデル生成装置400を備えてよい。システム10は、電波伝搬推定装置500を備えてよい。システム10は、情報処理システムの一例であってよい。
【0021】
システム10は、例えば、電波の伝搬を推定する電波伝搬推定サービスを提供する。システム10は、例えば、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成サービスを提供する。
【0022】
レイアウトデータは、例えば、建物内の空間の空間レイアウトデータを含む。レイアウトデータは、例えば、当該空間に対応する建物の外面の外面レイアウトデータを含む。レイアウトデータは、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを含む。尚、レイアウトデータは、3D(three-dimensional)データであってよい。
【0023】
レイアウトデータは、例えば、建物内の空間の間取りを構成するオブジェクトのオブジェクトデータを含む。オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトを識別するオブジェクト識別データを含む。オブジェクトは、窓、ドア、内壁、天井、床、階段、柱、ベランダ、外壁、隔板、屋根等である。オブジェクトデータは、例えば、レイアウトデータにおけるオブジェクトの配置を識別する配置識別データを含む。オブジェクトの配置は、オブジェクトが配置される位置及びオブジェクトが配置される向きを含む。オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトの形状を識別する形状識別データを含む。オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトのサイズを識別するサイズ識別データを含む。オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトの材質を識別する材質識別データを含む。オブジェクトの材質は、ガラス、金属、コンクリート、木材、紙、イ草、レンガ、石膏ボード等である。
【0024】
情報処理装置100は、各種情報処理を実行する。情報処理装置100は、例えば、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成処理を実行する。
【0025】
情報処理装置100は、例えば、建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、例えば、当該空間に対応する建物の外面の外面レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する。
【0026】
建物は、例えば、建物内に1つの独立した空間を有する。建物は、例えば、建物内に複数の独立した空間を有する。
【0027】
建物管理装置200は、建物に関連する建物関連データを管理する。建物関連データは、例えば、建物を識別する建物識別データを含む。尚、建物管理装置200のオーナは、不動産会社等のような建物を管理する管理業者であってよい。
【0028】
建物識別データは、例えば、建物のタイプを識別する建物タイプ識別データを含む。建物のタイプは、例えば、住宅を含む。住宅は、例えば、マンション、アパート、団地等の共同住宅を含む。住宅は、例えば、テラスハウス、タウンハウス等の長屋住宅を含む。住宅は、建売住宅、分譲住宅等の一軒家を含んでもよい。建物のタイプは、例えば、コンビニエンスストア、チェーンストア等の店舗を含む。更に建物のタイプは、例えば、工場、倉庫、大学等の学校施設、研究施設、病院、ショッピングセンターなど内部空間(地下部分も含む)を備える建物全般を含む。
【0029】
建物識別データは、例えば、建物の構造を識別する建物構造識別データを含む。建物の構造は、RC(Reinforced Concrete)造、SC(Steel Concrete)造、SRC(Steel Reinforced Concrete)造、木造等を含む。
【0030】
建物識別データは、例えば、建物の築年数を識別する築年数識別データを含む。建物識別データは、例えば、建物の階数を識別する建物階数識別データを含む。建物識別データは、例えば、建物の位置を識別する建物位置識別データを含む。建物識別データは、例えば、建物を施工した施工業者を識別する施工業者識別データを含む。
【0031】
建物関連データは、例えば、建物内の空間の特徴を示す空間特徴データを含む。例えば、建物が1つの独立した空間を有する場合、空間特徴データは、建物内の全空間の特徴を示す。例えば、建物が複数の独立した空間を有する場合、空間特徴データは、当該複数の独立した空間のうちの一の空間内の特徴を示す。
【0032】
例えば、建物が住宅である場合、空間特徴データは、住宅内の空間の特徴を示す。例えば、建物が店舗である場合、空間特徴データは、店舗内の空間の特徴を示す。建物が工場である場合、空間特徴データは、工場内の空間の特徴を示す。
【0033】
建物が廊下を含む場合、空間特徴データは、建物内の廊下に対応する空間の特徴も示してもよい。建物がエレベータを含む場合、空間特徴データは、建物内のエレベータに対応する空間の特徴も示してもよい。建物が吹き抜けを含む場合、空間特徴データは、吹き抜けに対応する空間の特徴も示してもよい。
【0034】
空間特徴データは、例えば、建物内の空間の間取りデータを含む。間取りデータは、例えば、当該空間のタイプを識別する空間タイプ識別データを含む。空間のタイプは、例えば、角部屋内の空間である。空間のタイプは、例えば、中部屋内の空間である。間取りデータは、例えば、当該空間の方位を識別する方位識別データを含む。間取りデータは、例えば、当該空間の様式を識別する様式識別データを含む。空間の様式は、洋室、和室等である。間取りデータは、当該空間の間取りを構成するオブジェクトのオブジェクトデータを含む。空間特徴データは、例えば、建物内の空間を撮像した空間撮像データを含む。
【0035】
建物関連データは、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面の特徴を示す外面特徴データを含む。例えば、建物が住宅である場合、外面特徴データは、住宅の外面の特徴を示す。例えば、建物が複数の独立した住宅を有し、且つ、建物内の空間が当該複数の独立した住宅のうちの一住宅内の空間である場合、外面特徴データは、当該一住宅の外面の特徴を示す。例えば、建物が店舗である場合、外面特徴データは、店舗の外面の特徴を示す。建物が工場である場合、外面特徴データは、工場の外面の特徴を示す。
【0036】
外面特徴データは、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データを含む。外面撮像データは、画像データに加えて、外面撮像データのメタデータをさらに含んでもよい。メタデータは、例えば、外面撮像データを撮像した撮像位置を識別する撮像位置識別データを含む。メタデータは、例えば、外面撮像データを撮像した撮像方向を識別する撮像方向識別データを含む。
【0037】
撮像データは、例えば、動画像である。撮像データは、静止画像であってもよい。
【0038】
建物管理装置200は、例えば、建物関連データを情報処理装置100に提供する。建物管理装置200は、例えば、ネットワーク20を介して建物関連データを情報処理装置100に送信することによって、建物関連データを情報処理装置100に提供する。
【0039】
ネットワーク20は、例えば、インターネットを含む。ネットワーク20は、通信事業者によって提供されるコアネットワークを含んでもよい。コアネットワークは、任意の移動体通信システムに準拠していてよく、3G(3rd Generation)通信システム、LTE(Long Term Evolution)通信システム、5G(5th Generation)通信システム、及び6G(6th Generation)通信システム以降の移動体通信システムに準拠してよい。ネットワーク20は、有線通信ネットワークを含んでもよい。
【0040】
例えば、建物管理装置200は、公開データの範囲内で、建物関連データを情報処理装置100に提供する。建物管理装置200は、例えば、建物関連データに含まれる空間特徴データとして、顧客による内見のために建物内の空間を撮像した空間撮像データを情報処理装置100に提供する。一方で、システム10によって提供されるサービスを運営するサービス事業者が建物管理装置200の管理業者と業務提携を締結している場合や、当該サービス事業者と建物管理装置200の管理業者とが同一事業者である場合、建物管理装置200は、非公開データを含む建物関連データを情報処理装置100に提供してもよい。
【0041】
建物の所有者や建物の居住者等のような、建物管理装置200のオーナとは異なり且つ建物関連データを第三者に提供する権限を有する権利者が、建物関連データを情報処理装置100に提供してもよい。権利者は、例えば、権利者が所有する通信端末を用いて、ネットワーク20を介して建物関連データを情報処理装置100に送信することによって、建物関連データを情報処理装置100に提供してよい。権利者は、例えば、建物関連データに含まれる空間特徴データとして、権利者が所有する撮像装置を用いて建物内の空間を撮像した空間撮像データを情報処理装置100に提供する。
【0042】
情報処理装置100は、例えば、建物関連データに含まれる空間特徴データに基づいて、レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、例えば、建物関連データに含まれる外面特徴データに基づいて、レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、建物関連データに含まれる建物識別データにさらに基づいて、レイアウトデータを生成してもよい。
【0043】
地図管理装置300は、地図データを管理する。地図管理装置300は、例えば、3D地図データを管理する。
【0044】
3D地図データは、例えば、撮像装置を用いて取得された撮像データに基づいて生成される。3D地図データは、Lidarを用いて取得されたスキャンデータに基づいて生成されてもよい。
【0045】
地図管理装置300は、例えば、レイアウトデータの生成対象である建物の位置をカバーする地図データを情報処理装置100に提供する。地図管理装置300は、例えば、ネットワーク20を介して地図データを情報処理装置100に送信することによって、地図データを情報処理装置100に提供する。情報処理装置100は、地図データにさらに基づいて、レイアウトデータを生成してもよい。
【0046】
モデル生成装置400は、レイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成モデルを生成する。モデル生成装置400は、例えば、建物管理装置200からネットワーク20を介して受信した建物関連データに基づいて、レイアウトデータ生成モデルを生成する。
【0047】
モデル生成装置400は、例えば、レイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に提供する。モデル生成装置400は、例えば、ネットワーク20を介してレイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に送信することによって、レイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に提供する。情報処理装置100は、レイアウトデータ生成モデルを用いて、レイアウトデータを生成してよい。
【0048】
図1では、情報処理装置100及びモデル生成装置400が異なる装置である一例が示されている。情報処理装置100及びモデル生成装置400は同一の装置であってもよい。すなわち、情報処理装置100がレイアウトデータ生成モデルを生成する機能を有してもよい。
【0049】
情報処理装置100は、例えば、生成したレイアウトデータを電波伝搬推定装置500に提供する。情報処理装置100は、例えば、ネットワーク20を介してレイアウトデータを電波伝搬推定装置500に送信することによって、レイアウトデータを電波伝搬推定装置500に提供する。
【0050】
電波伝搬推定装置500は、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定装置500は、例えば、情報処理装置100によって提供されたレイアウトデータに基づいて、電波の伝搬を推定する。
【0051】
電波伝搬推定装置500は、例えば、建物内の空間内での電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定装置500は、例えば、当該空間に対応する当該建物の外面に到来する電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定装置500は、例えば、当該建物の外部から当該建物内の空間への電波の伝搬を推定する。
【0052】
図1では、情報処理装置100及び電波伝搬推定装置500が異なる装置である一例が示されている。情報処理装置100及び電波伝搬推定装置500は同一の装置であってもよい。すなわち、情報処理装置100が電波の伝搬を推定する機能を有してもよい。
【0053】
従来、移動体通信における置局設計を実施すべく、屋外環境における電波伝搬推定が主に実行されてきた。屋外環境における電波伝搬推定は、地図データ及び既存のエリア構築ツールを用いて実行可能である。その一方で、近年、移動体通信に用いられる電波の周波数帯が高くなっており、移動体通信に用いられる電波の周波数帯が高くなる傾向は今後も続くと予想される。移動体通信に用いられる電波の周波数帯が高くなるにつれて、置局設計をより適切に実施するためには、屋内環境に存在する電波の遮蔽物等の影響を考慮することが重要となる。そのため、屋外環境における電波伝搬推定だけでなく、屋内環境における電波伝搬推定が実行される必要がある。
【0054】
現在、屋内環境における電波伝搬推定を正確に実行するため必要な屋内環境のレイアウトデータは、作業員が屋内環境を実際に訪問し、カメラで屋内環境を撮像する或いはレーザポインタやLidar(Light Detection And Ranging)を用いて屋内環境をスキャンすることで取得したデータに基づいて生成される。そのため、高周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計をより適切に実施すべく、屋内環境における電波伝搬推定を正確に実行するためには、作業員が多くの屋内環境を訪問しなければならない。これは、屋内環境のレイアウトデータを生成するための人的コストや経済的コスト等のコストが大きいことを意味する。特に、高周波数帯の電波を用いた移動体通信のニーズが高い地域である都市部では、建物の数がその他の地域より多く、作業員が訪問しなければならない屋内環境の数が膨大になるので、屋内環境のレイアウトデータを生成するためのコストがより一層大きくなる。さらに、屋内環境が住宅内の空間である場合、プライバシーの観点から、作業員が住宅内の空間で作業を実施することに対して住民が必ずしも協力的であるとは限らない。そのため、屋内環境のレイアウトデータを生成できない事態が起こり得る。したがって、建物の住民等のプライバシーを配慮しつつ、屋内環境のレイアウトデータを生成するためのコストを抑制できることが望ましい。
【0055】
これに対して、本実施形態に係るシステム10によれば、情報処理装置100は、建物内の空間の空間特徴データを取得し、取得した空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる当該空間の空間レイアウトデータを生成する。空間特徴データは、建物管理装置200や空間特徴データの権利者によって情報処理装置100に提供される。そのため、作業員が実際に建物を訪問して建物内の空間に入ることなく、情報処理装置100は、屋内環境における電波伝搬推定を正確に実行するため必要な屋内環境のレイアウトデータを生成できる。これにより、本実施形態に係るシステム10は、建物の住民等のプライバシーを配慮しつつ、屋内環境のレイアウトデータを生成するためのコストを抑制できる。その結果、本実施形態に係るシステム10は、屋内環境における電波伝搬推定を正確に実行することによる、高周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計のより適切な実施の実現に貢献できる。
【0056】
図2は、空間レイアウトデータを生成する一例を説明するための説明図である。ここでは、空間レイアウトデータの生成対象の建物800がマンションであるものとする。
【0057】
図2の上図は、建物800の一例を概略的に示す。ここでは、情報処理装置100が建物800の複数の独立した住宅のうちの一住宅である住宅850内の空間の空間レイアウトデータを生成するものとする。
【0058】
情報処理装置100は、例えば、建物管理装置200から、住宅850内の空間の空間特徴データを含む建物800の建物関連データを受信する。ここでは、住宅850内の空間の空間特徴データが住宅850の間取りデータ及び住宅850内の空間を撮像した空間撮像データを含むものとする。
【0059】
図2の中図は、住宅850の間取りデータ870の一例を概略的に示す。
図2の中図に示される間取りデータ870によれば、ベランダ858が南側に位置しているので、住宅850内の空間の方位は南である。
【0060】
図2の下図は、住宅850内の空間を撮像した空間撮像データ880の一例を概略的に示す。ここでは、空間撮像データ880が、
図2の中図に示される点Pに対応する住宅850内の位置で、撮像装置を
図2の中図に示される矢印の方向に向けて撮像されたものとする。
【0061】
空間撮像データ880は、住宅850の窓852及び窓854を撮像した撮像データである。情報処理装置100は、間取りデータ870及び空間撮像データ880に基づいて、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、情報処理装置100は、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを構成する窓852のオブジェクトデータ及び窓854のオブジェクトデータを生成することによって、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、情報処理装置100は、空間撮像データ880に基づいて窓852及び窓854の材質を推定することによって、窓852の材質識別データ及び窓854の材質識別データを含む住宅850内の空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0062】
図3は、空間レイアウトデータを生成する他の一例を説明するための説明図である。
図3の住宅850の間取りデータ870に示されるように、住宅850内の空間は、エリア872及びエリア874の2つのエリアに分類される。エリア872は、空間撮像データが存在しないエリアである。エリア874は、空間撮像データが存在するエリアである。尚、空間撮像データが存在しないエリアを欠落エリアと記載する場合があり、空間撮像データが存在するエリアを充足エリアと記載する場合がある。
【0063】
情報処理装置100は、例えば、住宅850内の空間の空間特徴データに含まれる間取りデータ870及びエリア874の空間撮像データに基づいて、エリア872の空間レイアウトデータを生成することによって、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、情報処理装置100は、間取りデータ870を用いて、ベランダ858へ出入り可能な窓856がエリア872の間取りを構成することを決定する。次に、情報処理装置100は、間取りデータ870及びエリア874の空間撮像データに基づいて、エリア874の間取りを構成するベランダ858へ出入り可能な窓854のオブジェクトデータを生成する。その後、情報処理装置100は、窓854のオブジェクトデータを窓856のオブジェクトデータに適用する。これにより、情報処理装置100は、エリア872の空間レイアウトデータを生成する。
【0064】
空間撮像データは、空間レイアウトデータの生成対象の建物内の空間の一部分のみを撮像した撮像データである場合がある。特に、空間レイアウトデータの生成対象の建物が住宅である場合、空間撮像データは個人情報に該当し得るため、空間撮像データが住宅内の空間の一部分のみを撮像した撮像データである場合が多い。
【0065】
これに対して、情報処理装置100は、空間レイアウトデータの生成対象の建物内の空間に欠落エリアが存在する場合、当該空間の間取りデータ及び当該空間の充足エリアの空間撮像データに基づいて、欠落エリアの空間レイアウトデータを生成する。これより、情報処理装置100は、建物内の空間に欠落エリアが存在する場合でも、当該空間のレイアウトデータを生成できる。
【0066】
図4は、空間レイアウトデータを生成する他の一例を説明するための説明図である。ここでは、情報処理装置100が住宅850内の空間の空間レイアウトデータを予め生成しているものとする。
【0067】
図4の上図は、建物800の一例を概略的に示す。ここでは、情報処理装置100が建物800の複数の独立した住宅のうちの一住宅であり且つ住宅850の下の階の住宅である住宅840内の空間の空間レイアウトデータを生成するものとする。
【0068】
情報処理装置100は、例えば、住宅840内の空間の空間特徴データを取得できない場合、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを住宅840内の空間に適用することによって、住宅840内の空間の空間レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、住宅840内の空間の空間特徴データを取得できる場合、住宅840内の空間の空間特徴データに基づいて、住宅840内の空間の空間レイアウトデータを生成してよい。
【0069】
空間レイアウトデータの生成対象である建物が複数の独立した空間を有する場合において、当該複数の独立した空間のうちの一の空間に関する売買契約や賃貸契約が既に締結されている場合等に、情報処理装置100が当該一の空間の空間特徴データを取得できない事態が起こり得る。一方で、当該一の空間のレイアウトは、当該複数の独立した空間のうちの当該一の空間とは異なる他の空間のレイアウトと類似する傾向にある。特に、当該一の空間と当該他の空間との関係が、201号室の住居と301号室の住居との関係等のように、階数のみが異なる関係である場合、当該一の空間のレイアウトが当該他の空間のレイアウトとより類似する傾向にある。
【0070】
これに対して、情報処理装置100は、当該一の空間の空間特徴データを取得できない場合において、空間レイアウトデータが既に生成されている当該他の空間が存在する場合、当該他の空間の空間レイアウトデータを、当該一の空間に適用することによって、当該一の空間の空間レイアウトデータを生成する。これより、情報処理装置100は、空間レイアウトデータの生成対象である建物が複数の独立した空間を有する場合において、当該複数の独立した空間のうちの一の空間の空間特徴データを取得できない場合に、当該複数の独立した空間のうちの当該一の空間とは異なる他の空間の空間レイアウトデータが存在すれば、当該一の空間のレイアウトデータを生成できる。
【0071】
図4の下図は、建物800及び建物900の一例を概略的に示す。ここでは、空間レイアウトデータの生成対象がマンションである建物900であり、建物800を施工した施工業者と建物900を施工した施工業者とが同一の施工業者であるものとする。
【0072】
情報処理装置100は、例えば、建物900の複数の独立した住宅のうちの一住宅である住宅950内の空間の空間レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、例えば、住宅950内の空間の空間特徴データを取得できない場合、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを住宅950内の空間に適用することによって、住宅950内の空間の空間レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、住宅950内の空間の空間特徴データを取得できる場合、住宅950内の空間の空間特徴データに基づいて、住宅950内の空間の空間レイアウトデータを生成してよい。
【0073】
前述のとおり、情報処理装置100が当該一の住宅内の空間の空間特徴データを取得できないことがある。一方で、一の建物を施工した施工業者と当該一の建物とは異なる他の建物を施工した施工業者とが同一の施工業者である場合、当該一の建物内の空間のレイアウトは、当該他の建物内の空間のレイアウトと類似する傾向にある。特に、当該一の建物の建物識別データが当該他の建物の建物識別データと類似する場合、当該一の建物内の空間のレイアウトは、当該他の建物内の空間のレイアウトとより類似する傾向にある。
【0074】
これに対して、情報処理装置100は、当該一の建物内の空間の空間特徴データを取得できない場合において、空間レイアウトデータが既に生成されている当該他の建物内の空間が存在する場合、当該他の建物内の空間の空間レイアウトデータを、当該一の建物内の空間に適用することによって、当該一の建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。これより、情報処理装置100は、一の建物を施工した施工業者と当該一の建物とは異なる他の建物を施工した施工業者とが同一の施工業者である場合において、当該一の建物内の空間の空間特徴データを取得できない場合に、当該他の建物内の空間の空間レイアウトデータが存在すれば、当該一の建物内の空間のレイアウトデータを生成できる。
【0075】
図5は、統合レイアウトデータを生成する一例を説明するための説明図である。ここでは、情報処理装置100が住宅850の統合レイアウトデータを生成するものとする。尚、情報処理装置100が住宅850内の空間の空間レイアウトデータを予め生成しているものとする。
【0076】
図5の上図は、住宅850内の空間の間取りデータ870の他の一例を概略的に示す。
図5の上図に示される間取りデータ870は、住宅850内の空間の方位を示していない。
【0077】
図5の中図は、住宅850の外面を撮像した外面撮像データ890の一例を概略的に示す。外面撮像データ890は、外壁802、隔板804、窓854、窓856、及びベランダ858を撮像した撮像データである。情報処理装置100は、外面撮像データ890に基づいて、住宅850の外面の外面レイアウトデータを生成してよい。
【0078】
情報処理装置100は、例えば、住宅850内の空間の空間レイアウトデータ及び住宅850の外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する。情報処理装置100は、例えば、住宅850内の空間の空間レイアウトデータと住宅850の外面の外面レイアウトデータとを位置合わせすることによって、統合レイアウトデータを生成する。例えば、情報処理装置100は、住宅850内の空間の空間レイアウトデータを構成する窓852のオブジェクトデータ及び窓854のオブジェクトデータと、住宅850の外面の外面レイアウトデータを構成する窓852のオブジェクトデータ及び窓854のオブジェクトデータとを位置合わせすることによって、統合レイアウトデータを生成する。
【0079】
情報処理装置100は、例えば、外面撮像データ890のメタデータにさらに基づいて、統合レイアウトデータを生成する。
図5の中図に示される外面撮像データ890のメタデータは、外面撮像データ890を撮像した撮像位置が「緯度:△△.△△」、「経度:□□□.□□」であり、外面撮像データ890を撮像した撮像方向が「北方向」であることを示す。
【0080】
図5の下図は、建物800の位置をカバーする地図データの一例を概略的に示す。情報処理装置100は、例えば、外面撮像データ890のメタデータと、建物関連データに含まれる建物位置識別データとに基づいて、外面撮像データ890を撮像した撮像位置と建物800の位置との間の位置関係を決定する。ここでは、外面撮像データ890が、
図5の下図に示される点Qに対応する位置で、撮像装置を
図5の下図に示される矢印の方向に向けて撮像されたものとする。
【0081】
情報処理装置100は、例えば、外面撮像データ890と、外面撮像データ890のメタデータと、建物位置識別データとに基づいて、住宅850内の空間の方位を推定する。
図5に示される外面撮像データ890において、ベランダ858が正面を向いており、外面撮像データ890が北方向を向いて撮像されているので、情報処理装置100は、住宅850内の空間の方位が南であると推定する。
【0082】
高周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計をより適切に実施するためには、屋内環境に存在する電波の遮蔽物等の影響を考慮するだけでなく、屋外環境から屋内環境への電波の浸透状況を考慮することが重要となる。これに対して、情報処理装置100は、建物内の空間の空間レイアウトデータ及び当該空間に対応する建物の外面の外面レイアウトデータを生成し、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータをさらに生成する。これにより、電波伝搬推定装置500が統合レイアウトデータを用いて建物の外部から建物内の空間内への電波の伝搬を推定できるので、情報処理装置100は、高周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計のより適切な実施の実現に貢献できる。加えて、統合レイアウトデータは、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータの両方を含むので、電波伝搬推定装置500は、統合レイアウトデータを用いて、建物の外部から建物内の空間内への電波の伝搬だけでなく、当該空間内での電波の伝搬や当該外面に到来する電波の伝搬を推定できる。これは、情報処理装置100によって生成された統合レイアウトデータが屋外環境から屋内環境まで包括的に電波の伝搬を推定可能なレイアウトデータであることを意味する。したがって、情報処理装置100は、統合レイアウトデータを生成することによって、周波数帯の電波を用いた移動体通信における置局設計のより適切な実施するための効率的な電波伝搬推定の実現に貢献できる。さらに、情報処理装置100は、外面撮像データと、外面撮像データのメタデータと、建物位置識別データとに基づいて、建物内の空間の方位を推定することによって、統合レイアウトデータを生成し得る。これにより、情報処理装置100は、より高精度な統合レイアウトデータを生成できる。
【0083】
図6は、情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。情報処理装置100は、取得部102、建物関連データ格納部104、レイアウトデータ生成部106、レイアウトデータ格納部108、学習データ格納部112、モデル生成部114、モデル格納部116、送信部118、及び、電波伝搬推定部120を備える。尚、情報処理装置100がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0084】
取得部102は、各種データを取得する。取得部102は、例えば、ネットワーク20を介して各種データを受信することによって、各種データを取得する。取得部102は、例えば、情報処理装置100が備える入力部が各種データの入力を受け付けることによって、各種データを取得してもよい。
【0085】
取得部102は、例えば、建物関連データを取得する。取得部102は、例えば、建物管理装置200から、建物関連データを取得する。取得部102は、建物管理装置200のオーナとは異なり且つ建物関連データを第三者に提供する権限を有する権利者が所有する通信端末から、建物関連データを取得してもよい。取得部102は、取得した建物関連データを建物関連データ格納部104に格納してよい。
【0086】
レイアウトデータ生成部106は、電波伝搬推定に用いられる各種レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、建物関連データ格納部104に格納されている建物関連データに基づいて、各種レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、生成した各種レイアウトデータをレイアウトデータ格納部108に格納してよい。
【0087】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、建物関連データに含まれる当該空間の空間特徴データに基づいて、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該空間の空間特徴データに含まれる当該空間の空間撮像データに基づいて、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該空間の空間特徴データに含まれる当該空間の間取りデータ及び当該空間の空間撮像データに基づいて、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0088】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間撮像データを画像解析することによって、当該空間の間取りを構成するオブジェクトのオブジェクトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間撮像データ及び当該空間の間取りデータを用いて空間レイアウトデータにおけるオブジェクトの配置を決定する。これにより、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0089】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、空間撮像データが存在しない欠落エリアが当該空間に存在する場合、当該空間の間取りデータ及び当該空間の充足エリアの空間撮像データに基づいて欠落エリアの空間レイアウトデータを生成することによって、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の間取りデータを用いて、欠落エリアの間取りを構成するオブジェクトを決定する。尚、欠落エリアの間取りを構成するオブジェクトを欠落オブジェクトと記載する場合がある。次に、レイアウトデータ生成部106は、間取りデータ870及び充足エリアの空間撮像データに基づいて、充足エリアの間取りを構成し且つ欠落オブジェクトに対応するオブジェクトのオブジェクトデータを生成する。尚、充足エリアの間取りを構成し且つ欠落オブジェクトに対応するオブジェクトを対応オブジェクトと記載する場合がある。その後、レイアウトデータ生成部106は、対応オブジェクトのオブジェクトデータを欠落オブジェクトのオブジェクトデータに適用する。これにより、レイアウトデータ生成部106は、欠落エリアの空間レイアウトデータを生成する。
【0090】
レイアウトデータ生成部106は、当該空間に対応する建物の外面の外面特徴データに含まれる当該外面を撮像した外面撮像データにさらに基づいて、対応オブジェクトを生成してもよい。取得部102は、例えば、建物関連データに含まれる当該外面の外面特徴データを取得する。取得部102は、地図管理装置300から3D地図データを取得し、取得した3D地図データから当該外面の外面特徴データを取得してもよい。
【0091】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、間取りデータに含まれるオブジェクトデータに基づいて、対応オブジェクトを選択する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、対応オブジェクトとして、欠落オブジェクトと同じオブジェクトを選択する。
【0092】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、間取りデータに含まれる様式識別データにさらに基づいて、対応オブジェクトを選択する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、対応オブジェクトとして、充足エリアの間取りのうち欠落エリアと同一の様式の間取りを構成し、且つ、欠落オブジェクトと同じオブジェクトを選択する。
【0093】
レイアウトデータ生成部106は、当該空間の間取りデータ及び当該空間の空間撮像データに基づいて当該空間内のオブジェクトの材質を推定してもよい。この場合、レイアウトデータ生成部106は、オブジェクトの材質識別データを含む当該空間の空間レイアウトデータを生成してよい。
【0094】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、レイアウトデータの生成対象である建物が複数の独立した空間を有する場合、当該複数の独立した空間の各空間のレイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、取得部102が当該複数の独立した空間のうちの一の空間の空間特徴データを取得した場合、当該一の空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0095】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該一の空間とは異なる当該建物内の他の空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、取得部102が当該他の空間の空間特徴データを取得できない場合、当該一の空間の空間レイアウトデータに基づいて、当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該一の空間の空間レイアウトデータを、当該他の空間に適用することによって他の空間の空間レイアウトデータを生成する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、取得部102が当該他の空間の空間特徴データを取得できる場合、当該他の空間の空間特徴データに基づいて当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0096】
レイアウトデータ生成部106は、当該一の空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する場合、当該一の空間の空間特徴データに含まれる当該一の空間の間取りデータ及び当該他の空間の外面特徴データにさらに基づいて、当該他の空間の空間レイアウトデータを生成してもよい。例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該他の空間の外面特徴データに含まれる当該他の空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データを画像解析することによって、当該他の空間のタイプを識別する。次に、レイアウトデータ生成部106は、当該一の空間の間取りデータに含まれる空間タイプ識別データによって識別される当該一の空間のタイプ及び当該他の空間のタイプが一致するか否かを判定する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の空間のタイプ及び当該他の空間のタイプが一致すると判定した場合、当該一の空間の空間レイアウトデータを当該他の空間に適用する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、当該一の空間のタイプ及び当該他の空間のタイプが一致しないと判定した場合、当該他の空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データに基づいて当該一の空間の空間レイアウトデータを修正し、修正された当該一の空間の空間レイアウトデータを当該他の空間に適用する。例えば、当該一の空間のタイプが中部屋内の空間であり、当該他の空間のタイプが角部屋内の空間である場合、レイアウトデータ生成部106は、当該一の空間の空間レイアウトデータ対して窓のオブジェクトデータを追加する修正を実行する。
【0097】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、レイアウトデータの生成対象である建物が複数存在する場合、複数の建物の各建物内の空間のレイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、取得部102が当該複数の建物のうちの一の建物内の空間の空間特徴データを取得した場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0098】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該一の建物の施工業者が施工した他の建物内の他の空間の空間レイアウトデータを生成する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、取得部102が当該他の建物内の当該他の空間の空間特徴データを取得できない場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて、当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータを当該他の建物内の当該他の空間に適用することによって、当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、取得部102が当該他の建物内の当該他の空間の空間特徴データを取得できる場合、当該他の建物内の当該他の空間の空間特徴データに基づいて、当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。
【0099】
レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する場合、当該一の建物内の当該空間の空間特徴データに含まれる当該一の建物内の当該空間の間取りデータ及び当該他の建物内の当該他の空間の外面特徴データにさらに基づいて、当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物内の当該空間のタイプ及び当該他の建物内の当該他の空間のタイプが一致するか否かを判定する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物内の当該空間のタイプ及び当該他の建物内の当該他の空間のタイプが一致すると判定した場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータを当該他の建物内の当該他の空間に適用する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物内の当該空間のタイプ及び当該他の建物内の当該他の空間のタイプが一致しないと判定した場合、当該他の建物内の当該他の空間に対応する当該他の建物の外面を撮像した外面撮像データに基づいて当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータを修正し、修正された当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータを当該他の建物内の当該他の空間に適用する。
【0100】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該一の建物の建物関連データに含まれる建物識別データと、当該他の建物の建物関連データに含まれる建物識別データとに基づいて、当該一の建物内の当空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成するか否かを判定する。情報処理装置100が当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成するか否かを判定する具体例は、下記の通りである。
【0101】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の建物識別データに含まれる建物タイプ識別データによって示される当該一の建物のタイプが、当該他の建物の建物識別データに含まれる建物タイプ識別データによって示される当該他の建物のタイプと一致する場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成すると判定する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物のタイプが当該他の建物のタイプと一致しない場合、当該一の建物内の空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成しないと判定する。
【0102】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の建物識別データに含まれる建物構造識別データによって示される当該一の建物の構造が、当該他の建物の建物識別データに含まれる建物構造識別データによって示される当該他の建物の構造と一致する場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成すると判定する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の構造が当該他の建物の構造と一致しない場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成しないと判定する。
【0103】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の建物識別データに含まれる築年数識別データによって示される当該一の建物の築年数と当該他の建物の建物識別データに含まれる築年数識別データによって示される当該他の建物の築年数との間の築年数差が予め定められた築年数差閾値より短い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成すると判定する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、築年数差が築年数差閾値より長い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成しないと判定する。
【0104】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の建物識別データに含まれる建物階数識別データによって示される当該一の建物の階数と当該他の建物の建物識別データに含まれる建物階数識別データによって示される当該他の建物の階数との間の階数差が予め定められた階数差閾値より短い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成すると判定する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、階数差が階数差閾値より長い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成しないと判定する。
【0105】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の建物識別データに含まれる建物位置識別データによって示される当該一の建物の位置と当該他の建物の建物識別データに含まれる建物位置識別データによって示される当該他の建物の位置との間の距離が予め定められた距離閾値より短い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成すると判定する。一方で、レイアウトデータ生成部106は、当該一の建物の位置と当該他の建物の位置との間の距離が距離閾値より長い場合、当該一の建物内の当該空間の空間レイアウトデータに基づいて当該他の建物内の当該他の空間の空間レイアウトデータを生成しないと判定する。
【0106】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面の特徴を示す外面特徴データに基づいて、当該外面の外面レイアウトデータを生成する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、外面特徴データに含まれる当該外面を撮像した外面撮像データを画像解析することによって、当該外面を構成するオブジェクトのオブジェクトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、当該外面の外面撮像データを用いて外面レイアウトデータにおけるオブジェクトの配置を決定する。これにより、レイアウトデータ生成部106は、当該外面の外面レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、当該空間の間取りデータにさらに基づいて、当該外面の外面レイアウトデータを生成してもよい。
【0107】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、建物内の空間の空間レイアウトデータ及び当該空間に対応する当該建物の外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータと当該外面の外面レイアウトデータとを位置合わせすることによって、統合レイアウトデータを生成する。
【0108】
例えば、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータの両方に存在するオブジェクトデータを決定する。次に、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータの両方に存在するオブジェクトデータの位置がより一致するように、当該空間の空間レイアウトデータと当該外面の外面レイアウトデータとを位置合わせする。その際、レイアウトデータ生成部106は、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータの両方に存在するオブジェクトデータの位置がより一致するように、統合レイアウトデータを構成するオブジェクトデータのサイズや形状を調整してもよい。これにより、レイアウトデータ生成部106は、統合レイアウトデータを生成する。
【0109】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、当該外面の外面撮像データと、当該外面撮像データの撮像位置識別データと、建物関連データに含まれる建物位置識別データとに基づいて、当該空間の方位を推定することによって、統合レイアウトデータを生成する。例えば、レイアウトデータ生成部106は、撮像位置識別データによって識別される当該外面撮像データを撮像した撮像位置及び建物位置識別データによって識別される建物の位置から、当該外面撮像データを撮像した撮像方向を決定する。レイアウトデータ生成部106は、決定した撮像方向と、当該外面撮像データで撮像された当該空間の方位を推定可能なオブジェクトの向きとに基づいて、当該空間の方位を推定する。当該空間の方位を推定可能なオブジェクトは、ベランダや窓等である。
【0110】
取得部102は、例えば、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成する各種レイアウトデータ生成モデルを生成するための各種学習データを取得する。取得部102は、取得した各種学習データを学習データ格納部112に格納してよい。
【0111】
取得部102は、例えば、建物内の空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データから当該空間の空間レイアウトデータを生成する空間レイアウトデータ生成モデルを生成するための空間学習データを取得する。空間学習データは、例えば、過去に生成された空間レイアウトデータと、当該空間レイアウトデータの対象となる建物内の空間の間取りデータと、当該空間を撮像した空間撮像データとを含む。空間学習データは、当該建物の建物識別データをさらに含んでもよい。
【0112】
取得部102は、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データ及び当該空間の間取りデータから、当該外面の外面レイアウトデータを生成する外面レイアウトデータ生成モデルを生成するための外面学習データを取得する。外面学習データは、例えば、過去に生成された外面レイアウトデータと、当該外面レイアウトデータの対象となる建物の外面を撮像した外面撮像データと、当該外面に対応する当該建物内の空間の間取りデータとを含む。外面学習データは、当該建物の建物識別データをさらに含んでもよい。
【0113】
取得部102は、例えば、建物内の空間の間取りデータと、当該空間を撮像した空間撮像データと、当該空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データとから、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する統合レイアウトデータ生成モデルを生成するための統合学習データを取得する。統合学習データは、例えば、過去に生成された統合レイアウトデータと、当該統合レイアウトデータに含まれる空間レイアウトデータの対象となる建物内の空間の間取りデータと、当該空間を撮像した空間撮像データと、統合レイアウトデータに含まれる外面レイアウトデータの対象となる当該空間に対応する当該建物の外面を撮像した外面撮像データとを含む。統合学習データは、当該建物の建物識別データをさらに含んでもよい。
【0114】
モデル生成部114は、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成する各種レイアウトデータ生成モデルを生成する。モデル生成部114は、例えば、学習データ格納部112に格納されている各種学習データに基づいて、各種レイアウトデータ生成モデルを生成する。モデル生成部114は、生成した各種レイアウトデータ生成モデルをモデル格納部116に格納してよい。
【0115】
モデル生成部114は、例えば、学習データ格納部112に格納されている複数の空間学習データを教師データとして用いて、空間レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。モデル生成部114は、例えば、学習データ格納部112に格納されている複数の外面学習データを教師データとして用いて、外面レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。モデル生成部114は、例えば、学習データ格納部112に格納されている複数の統合学習データを教師データとして用いて、統合レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。
【0116】
取得部102は、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成する各種レイアウトデータ生成モデルを取得してもよい。取得部102は、例えば、モデル生成装置400から、各種レイアウトデータ生成モデルを取得する。
【0117】
取得部102は、例えば、空間レイアウトデータ生成モデルを取得する。取得部102は、例えば、外面レイアウトデータ生成モデルを取得する。取得部102は、例えば、統合レイアウトデータ生成モデルを取得する。
【0118】
レイアウトデータ生成部106は、例えば、モデル格納部116に格納されている空間レイアウトデータ生成モデルを用いて、取得部102が取得した建物内の空間の空間特徴データに含まれる当該空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データから、当該空間の空間レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、モデル格納部116に格納されている外面レイアウトデータ生成モデルを用いて、取得部102が取得した建物内の空間に対応する建物の外面を撮像した外面撮像データと、取得部102が取得した当該空間の空間特徴データに含まれる当該空間の間取りデータとから、当該空間の外面レイアウトデータを生成する。レイアウトデータ生成部106は、例えば、モデル格納部116に格納されている統合レイアウトデータ生成モデルを用いて、取得部102が取得した建物内の空間の空間特徴データに含まれる当該空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データと、取得部102が取得した当該空間に対応する当該建物の外面を撮像した外面撮像データとから、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する。
【0119】
送信部118は、レイアウトデータ生成部106によって生成された各種レイアウトデータを送信する。送信部118は、例えば、各種レイアウトデータを電波伝搬推定装置500に送信する。送信部118は、例えば、ネットワーク20を介して、各種レイアウトデータを電波伝搬推定装置500に送信する。
【0120】
送信部118は、例えば、空間レイアウトデータを送信する。送信部118は、例えば、外面レイアウトデータを送信する。送信部118は、例えば、統合レイアウトデータを送信する。
【0121】
電波伝搬推定部120は、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、レイアウトデータ格納部108に格納されている各種レイアウトデータを用いて、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、各種レイアウトデータを3D地図データ上に配置し、各種レイアウトデータが配置された3D地図データを用いて、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、取得部102によって取得された、各種レイアウトデータの生成対象である建物の建物識別データに含まれる建物位置識別データによって識別される建物の位置に基づいて、各種レイアウトデータを3D地図データ上に配置する。
【0122】
電波伝搬推定部120は、例えば、建物内の空間内での電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータを用いて、当該空間内での電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、当該空間の空間レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該空間内での電波の伝搬を推定してもよい。
【0123】
電波伝搬推定部120は、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面に到来する電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、当該外面の外面レイアウトデータを用いて、当該外面に到来する電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該外面に到来する電波の伝搬を推定してもよい。
【0124】
電波伝搬推定部120は、例えば、建物の外部から当該建物内の空間への電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部120は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該空間に対応する当該建物の外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該建物の外部から当該空間内への電波の伝搬を推定する。
【0125】
図7は、情報処理装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。ここでは、情報処理装置100が空間レイアウトデータを生成する場合の情報処理装置100の処理の流れの一例を説明する。
【0126】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、レイアウトデータ生成部106は、取得部102が空間レイアウトデータの生成対象である建物内の空間の空間特徴データを取得できるか否かを判定する。取得部102が当該建物内の空間の空間特徴データを取得できるとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S108に進む。取得部102が当該建物内の空間の空間特徴データを取得できないとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S104に進む。
【0127】
S104において、レイアウトデータ生成部106は、当該建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されているか否かを判定する。当該建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されているとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S110に進む。当該建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されていないとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S106に進む。
【0128】
S106において、レイアウトデータ生成部106は、当該建物と同一の施工業者の他の建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されているか否かを判定する。当該建物と同一の施工業者の他の建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されているとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S112に進む。当該建物と同一の施工業者の他の建物内の他の空間の空間レイアウトデータがレイアウトデータ格納部108に格納されていないとレイアウトデータ生成部106が判定した場合、S114に進む。
【0129】
S108において、レイアウトデータ生成部106は、当該建物内の空間の空間特徴データに基づいて、当該建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。その後、情報処理装置100が空間レイアウトデータを生成する処理が終了する。
【0130】
S110において、レイアウトデータ生成部106は、当該建物内の他の空間の空間特徴データに基づいて、当該建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。その後、情報処理装置100が空間レイアウトデータを生成する処理が終了する。
【0131】
S112において、レイアウトデータ生成部106は、当該建物と同一の施工業者の他の建物内の他の空間の空間レイアウトデータに基づいて、当該建物内の空間の空間レイアウトデータを生成する。その後、情報処理装置100が空間レイアウトデータを生成する処理が終了する。
【0132】
S114において、情報処理装置100が備える通知部は、当該建物内の空間の空間レイアウトデータを生成できないこと示す生成不可通知を通知する。通知部は、例えば、情報処理装置100のユーザが所有する通信端末に生成不可通知を送信することによって、生成不可通知を通知する。通知部は、情報処理装置100が備える出力部に生成不可通知を出力させることによって、生成不可通知を通知してもよい。出力部は、例えば、生成不可通知を表示出力する。出力部は、生成不可通知を音声出力してもよい。その後、情報処理装置100が空間レイアウトデータを生成する処理が終了する。
【0133】
図8は、モデル生成装置400の機能構成の一例を概略的に示す。モデル生成装置400は、取得部402、学習データ格納部404、モデル生成部406、及び送信部408を備える。尚、モデル生成装置400がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0134】
取得部402は、例えば、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成する各種レイアウトデータ生成モデルを生成するための各種学習データを取得する。取得部402は、取得した各種学習データを学習データ格納部404に格納してよい。
【0135】
取得部402は、例えば、空間学習データを取得する。取得部402は、例えば、外面学習データを取得する。取得部402は、例えば、統合学習データを取得する。
【0136】
モデル生成部406は、電波伝搬推定に用いられるレイアウトデータを生成する各種レイアウトデータ生成モデルを生成する。モデル生成部406は、例えば、学習データ格納部404に格納されている各種学習データに基づいて、各種レイアウトデータ生成モデルを生成する。
【0137】
モデル生成部406は、例えば、学習データ格納部404に格納されている複数の空間学習データを教師データとして用いて、空間レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。モデル生成部406は、例えば、学習データ格納部404に格納されている複数の外面学習データを教師データとして用いて、外面レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。モデル生成部406は、例えば、学習データ格納部404に格納されている複数の統合学習データを教師データとして用いて、統合レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。
【0138】
送信部408は、モデル生成部406によって生成された各種レイアウトデータ生成モデルを送信する。送信部408は、例えば、各種レイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に送信する。送信部408は、例えば、ネットワーク20を介して、各種レイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に送信する。
【0139】
送信部408は、例えば、空間学習データを送信する。送信部408は、例えば、外面学習データを送信する。送信部408は、例えば、統合学習データを送信する。
【0140】
図9は、電波伝搬推定装置500の機能構成の一例を概略的に示す。電波伝搬推定装置500は、取得部502、レイアウトデータ格納部504、及び電波伝搬推定部508を備える。尚、電波伝搬推定装置500がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0141】
取得部502は、電波伝搬推定に用いられる各種レイアウトデータを取得する。取得部502は、取得した各種レイアウトデータをレイアウトデータ格納部504に格納してよい。
【0142】
取得部502は、例えば、情報処理装置100から各種レイアウトデータを取得する。取得部502は、例えば、情報処理装置100からネットワーク20を介して各種レイアウトデータを受信することによって、情報処理装置100から各種レイアウトデータを取得する。
【0143】
取得部502は、例えば、空間レイアウトデータを取得する。取得部502は、例えば、外面レイアウトデータを取得する。取得部502は、例えば、統合レイアウトデータを取得する。
【0144】
電波伝搬推定部508は、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、例えば、レイアウトデータ格納部504に格納されている各種レイアウトデータを用いて、電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、例えば、各種レイアウトデータを3D地図データ上に配置し、各種レイアウトデータが配置された3D地図データを用いて、電波の伝搬を推定する。
【0145】
電波伝搬推定部508は、例えば、建物内の空間内での電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータを用いて、当該空間内での電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、当該空間の空間レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該空間内での電波の伝搬を推定してもよい。
【0146】
電波伝搬推定部508は、例えば、建物内の空間に対応する建物の外面に到来する電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、例えば、当該外面の外面レイアウトデータを用いて、当該外面に到来する電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該外面に到来する電波の伝搬を推定してもよい。
【0147】
電波伝搬推定部508は、例えば、建物の外部から当該建物内の空間への電波の伝搬を推定する。電波伝搬推定部508は、例えば、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該空間に対応する当該建物の外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを用いて、当該建物の外部から当該空間内への電波の伝搬を推定する。
【0148】
図10は、システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。ここでは、統合レイアウトデータ生成モデルが生成されていない状態を開始状態として説明する。
【0149】
S202において、取得部402は、複数の統合学習データを取得する。S204において、モデル生成部406は、S204で取得部402が取得した複数の統合学習データを教師データとして用いて、統合レイアウトデータ生成モデルを機械学習により生成する。
【0150】
S206において、送信部408は、S204でモデル生成部406が生成した統合レイアウトデータ生成モデルを情報処理装置100に送信する。取得部102は、モデル生成装置400から統合レイアウトデータ生成モデルを受信する。
【0151】
S208において、取得部102は、建物内の空間の空間特徴データを取得する。S210において、取得部102は、当該空間に対応する当該建物の外面の外面特徴データを取得する。
【0152】
S212において、レイアウトデータ生成部106は、S206で取得部102が取得した統合レイアウトデータ生成モデルを用いて、S208で取得部102が取得した当該空間の空間特徴データに含まれる当該空間の間取りデータ及び当該空間を撮像した空間撮像データと、S210で取得部102が取得した当該外面の外面特徴データに含まれる当該外面を撮像した外面撮像データとから、当該空間の空間レイアウトデータ及び当該外面の外面レイアウトデータを含む統合レイアウトデータを生成する。
【0153】
S214において、送信部118は、S212でレイアウトデータ生成部106が生成した統合レイアウトデータを電波伝搬推定装置500に送信する。取得部502は、情報処理装置100から統合レイアウトデータを受信する。
【0154】
S216において、電波伝搬推定部508は、S214で取得部502が取得した統合レイアウトデータを用いて、電波の伝搬を推定する。その後、システム10の処理が狩猟する。
【0155】
図11は、情報処理装置100、モデル生成装置400、又は電波伝搬推定装置500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0156】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0157】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0158】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0159】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0160】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0161】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0162】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0163】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0164】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0165】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0166】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0167】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0168】
コンピュータ可読命令は、コンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。ここで、コンピュータは、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、汎用コンピュータ、又は特殊目的のコンピュータ等であってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このような複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムは分散コンピューティングシステムとも呼ばれ、広義のコンピュータである。分散コンピューティングシステムにおいては、複数のコンピュータのそれぞれがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてコンピュータ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のコンピュータが集合的にプログラムを実行する。
【0169】
プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。コンピュータは、1つのプロセッサ又は複数のプロセッサを備えてよい。複数のプロセッサを備えるマルチプロセッサシステムにおいては、それぞれのプロセッサがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてプロセッサ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のプロセッサが集合的にプログラムを実行する。例えば、マルチタスクの実行において、複数のプロセッサのそれぞれは、タイムスライス毎にタスクスイッチすることにより各タスクの一部分ずつを細切れに実行してよい。この場合、各プロセッサが1つのプログラムのうちどの部分を実行するかは、動的に変化する。複数のプロセッサのそれぞれがプログラムのどの部分を実行するかは、マルチプロセッサを意識したプログラミングにより静的に定められてもよい。
【0170】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0171】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0172】
10 システム、20 ネットワーク、100 情報処理装置、102 取得部、104 建物関連データ格納部、106 レイアウトデータ生成部、108 レイアウトデータ格納部、112 学習データ格納部、114 モデル生成部、116 モデル格納部、118 送信部、120 電波伝搬推定部、200 建物管理装置、300 地図管理装置、400 モデル生成装置、402 取得部、404 学習データ格納部、406 モデル生成部、408 送信部、500 電波伝搬推定装置、502 取得部、504 レイアウトデータ格納部、508 電波伝搬推定部、800 建物、802 外壁、804 隔板、840 住宅、850 住宅、852 窓、854 窓、856 窓、858 ベランダ、870 間取りデータ、872 エリア、874 エリア、880 空間撮像データ、890 外面撮像データ、900 建物、950 住宅、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】 (修正有)
【課題】建物内の空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる空間レイアウトデータを生成する情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム10において、プログラムは、コンピュータである情報処理装置100を、建物内の空間の特徴を示す空間特徴データを取得する取得部と、空間特徴データに基づいて、電波伝搬推定に用いられる空間の空間レイアウトデータを生成するレイアウトデータ生成部と、して機能させる。
【選択図】
図1