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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/30 20180101AFI20250305BHJP
【FI】
G06F8/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023119158
(22)【出願日】2023-07-21
(65)【公開番号】P2025016104
(43)【公開日】2025-01-31
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】三木 武史
(72)【発明者】
【氏名】五月女 宣夫
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2397495(KR,B1)
【文献】特開2018-005445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーコードで生成されるアプリケーションのメンテナンスに必要な第1情報(I1)と、前記アプリケーションを動作させるために必要な第2情報(I2)と、を受け付ける受付部(101)と、
前記アプリケーションに実装される機能の要件である機能要件と、前記アプリケーションに実装される機能以外の要件である非機能要件と、の定義を示す情報である要件定義情報を、少なくとも前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、生成する第1生成部(103)と、
生成された前記要件定義情報を外部の装置により出力させる出力部(104)と、
を備える生成システム(1)。
【請求項2】
少なくとも前記第2情報に基づいて、前記アプリケーションをノーコードで生成する第2生成部(105)、
をさらに備える、
請求項1に記載の生成システム。
【請求項3】
前記第1生成部は、
少なくとも前記第1情報に基づいて、前記非機能要件の定義を示す情報を生成し、
少なくとも前記第2情報に基づいて、前記機能要件の定義を示す情報を生成して、
前記要件定義情報を生成する、
請求項1または請求項2に記載の生成システム。
【請求項4】
前記第1情報は、
前記アプリケーションの信頼性に関する情報と、
前記アプリケーションの正確性に関する情報と、
前記アプリケーションのセキュリティに関する情報と、
前記アプリケーションの時間効率性に関する情報と、
前記アプリケーションの応答時間に関する情報と、
前記アプリケーションの資源効率性に関する情報と、
前記アプリケーションの障害許容性に関する情報と、
前記アプリケーションの回復性に関する情報と、
前記アプリケーションの目的と、
前記アプリケーションの利用方法と、
前記アプリケーションの外部インタフェースと、
前記アプリケーションの内容を表示する言語と、
前記アプリケーションのジョブフローと、
前記アプリケーションの性能と、
の少なくとも何れかを含み、
前記第2情報は、
前記アプリケーションで用いられるテーブルに関する情報と、
前記アプリケーションで用いられる画面に関する情報と、
前記アプリケーションのバッチ処理に関する情報と、
前記アプリケーションの名称と、
前記アプリケーションに実装される機能の背景と、
前記アプリケーションに実装される機能の課題と、
前記アプリケーションに実装される機能が用いられる業務と、
の少なくとも何れかを含む、
請求項1または請求項2に記載の生成システム。
【請求項5】
前記第1生成部は、複数のフェーズに分けて前記要件定義情報を生成し、
前記受付部は、前記フェーズごとに前記第1生成部が前記要件定義情報を生成するために必要な、前記第1情報及び前記第2情報を段階的に受け付ける、
請求項1または請求項2に記載の生成システム。
【請求項6】
前記フェーズごとに前記第1生成部が前記要件定義情報を生成するために必要な、前記第1情報及び前記第2情報、の項目を外部の装置により報知させる報知部(106)、
をさらに備える、
請求項5に記載の生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2017-102875)は、属性情報などに基づく設計書生成処理をコンピュータに実行させるソフトウェア開発プログラムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のソフトウェア開発プログラムは、ノーコードで生成されるアプリケーション、の要件定義情報については開示していない。
【0004】
本開示は、要件定義情報により、ノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストを削減できる生成システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の生成システムは、受付部と、第1生成部と、出力部と、を備える。受付部は、ノーコードで生成されるアプリケーションのメンテナンスに必要な第1情報と、アプリケーションを動作させるために必要な第2情報と、を受け付ける。第1生成部は、要件定義情報を、少なくとも第1情報及び第2情報に基づいて、生成する。要件定義情報は、アプリケーションに実装される機能の要件である機能要件と、アプリケーションに実装される機能以外の要件である非機能要件と、の定義を示す情報である。出力部は、生成された要件定義情報を外部の装置により出力させる。
【0006】
本開示にかかる生成システムは、ノーコードで生成されるアプリケーションのメンテナンスに必要な第1情報と、アプリケーションを動作させるために必要な第2情報を、受け付ける。本生成システムは、第1情報及び第2情報に基づいて要件定義情報を生成し、出力する。従って、本生成システムは、要件定義情報により、ノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストを削減できる。
【0007】
第2観点の生成システムは、第1観点の生成システムであって、第2生成部をさらに備える。第2生成部は、少なくとも第2情報に基づいて、アプリケーションをノーコードで生成する。
【0008】
第3観点の生成システムは、第1観点又は第2観点の生成システムであって、第1生成部が、少なくとも第1情報に基づいて、非機能要件の定義を示す情報を生成し、少なくとも第2情報に基づいて、機能要件の定義を示す情報を生成して、要件定義情報を生成する。
【0009】
第4観点の生成システムは、第1観点から第3観点の何れかの観点の生成システムであって、第1情報が、アプリケーションの信頼性に関する情報と、アプリケーションの正確性に関する情報と、アプリケーションのセキュリティに関する情報と、アプリケーションの時間効率性に関する情報と、アプリケーションの応答時間に関する情報と、アプリケーションの資源効率性に関する情報と、アプリケーションの障害許容性に関する情報と、アプリケーションの回復性に関する情報と、アプリケーションの目的と、アプリケーションの利用方法と、アプリケーションの外部インタフェースと、アプリケーションの内容を表示する言語と、アプリケーションのジョブフローと、アプリケーションの性能と、の少なくとも何れかを含む。第2情報は、アプリケーションで用いられるテーブルに関する情報と、アプリケーションで用いられる画面に関する情報と、アプリケーションのバッチ処理に関する情報と、アプリケーションの名称と、アプリケーションに実装される機能の背景と、アプリケーションに実装される機能の課題と、アプリケーションに実装される機能が用いられる業務と、の少なくとも何れかを含む。
【0010】
第5観点の生成システムは、第1観点から第4観点の何れかの観点の生成システムであって、第1生成部が、複数のフェーズに分けて要件定義情報を生成する。受付部は、フェーズごとに第1生成部が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報及び第2情報を段階的に受け付ける。
【0011】
第6観点の生成システムは、第5観点の生成システムであって、報知部をさらに備える。報知部は、フェーズごとに第1生成部が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報及び第2情報、の項目を外部の装置により報知させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】生成システム1の全体構成を示す概略構成図である。
図2】ユーザPC10の制御ブロック図である。
図3】生成システム1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)ローコード開発、ノーコード開発
(1-1)背景
アプリケーションの生成は、アプリケーションに機能を実装させるため、コーディングを要する。しかし、コーディングは、コーディングにかかる知見と、コーディングにかかる時間などを要する。そのため、アプリケーションの生成が困難な問題などが生じ得る。
【0014】
上記問題を解決するため、アプリケーションを生成する場合、ローコード開発又はノーコード開発が行われる。「ローコード開発」は、アプリケーションに実装させる機能のうちの一部の機能を、アプリケーションに実装させる際に、コーディングを要しない開発をいう。「ノーコード開発」は、アプリケーションに実装させる全ての機能、をアプリケーションに実装させる際に、コーディングを要しない開発をいう。
【0015】
ローコード開発又はノーコード開発は、コーディングにかかる時間を短縮させる。また、ローコード開発又はノーコード開発は、コーディングにかかる知見が乏しい場合でも実現できる。
【0016】
(1-2)プロセスの一例
ローコード開発又はノーコード開発によりアプリケーションを生成する場合における、プロセスの一例について説明する。
【0017】
複数の「アプリケーションに実装できる機能、を実現するアプリケーションコンポーネント」と、複数の「一又は複数の機能、が実装されたアプリケーション」と、の少なくとも何れかが予め用意される。「予め用意された、アプリケーションに実装できる機能、を実現するアプリケーションコンポーネント」を、「サンプルコンポーネント」と称する。「予め用意された、一又は複数の機能、が実装されたアプリケーション」を、「サンプルアプリケーション」と称する。
【0018】
「アプリケーションを動作させるために必要な情報」が、受け付けられる。「アプリケーションを動作させるために必要な情報」を、「第2情報」と称する。
【0019】
第2情報に対応するサンプルコンポーネントと、第2情報に対応するサンプルアプリケーションと、の少なくとも何れかが選択される。サンプルコンポーネントが選択された場合、複数のサンプルコンポーネントの組み合わせと、一又は複数のサンプルコンポーネントとサンプルアプリケーションとの組み合わせと、の何れかが行われる。
【0020】
複数のサンプルコンポーネントの組み合わせと、一又は複数のサンプルコンポーネントとサンプルアプリケーションとの組み合わせと、サンプルアプリケーションの選択と、の何れかにより、アプリケーションが生成される。
【0021】
上記プロセスにより、アプリケーションが、第2情報に基づいて、ローコード又はノーコードで生成される。生成されたアプリケーションは、第2情報に対応する動作を実現できる。
【0022】
(1-3)問題
アプリケーションがローコード及びノーコード、以外の方法で生成される場合、要件定義情報が予め用意される。「要件定義情報」は、アプリケーションに実装される機能の要件である「機能要件」と、アプリケーションに実装される機能以外の要件である「非機能要件」と、の定義を示す情報である。要件定義情報に基づいて、設計が行われる。設計により、コーディングが行われる。コーディングにより、アプリケーションが生成される。
【0023】
他方、アプリケーションがローコード及びノーコードで生成される場合、サンプルコンポーネント又はサンプルアプリケーションが予め用意される。ユーザは、短時間で生成されたアプリケーションが要件を満たすか否か、を試すことができる。そのため、アプリケーションがローコード及びノーコードで生成される場合、要件定義情報は用意されない。
【0024】
しかし、アプリケーションを運用するためには、アプリケーションの生成だけでなく、アプリケーションのメンテナンスも必要である。要件定義情報が用意されないと、「アプリケーションのメンテナンスに必要な情報」などの把握が難しく、アプリケーションのメンテナンスが困難である。「アプリケーションのメンテナンスに必要な情報」を、「第1情報」と称する。
【0025】
従って、アプリケーションがローコード及びノーコードで生成される場合、アプリケーションのライフサイクルコストが増大する問題が生じていた。
【0026】
生成システム1は、上記問題を解決する。なお、生成システム1が解決する問題は、上記問題に限定されない。
【0027】
(2)全体構成
生成システム1の全体構成について説明する。図1は、生成システム1の全体構成を示す概略構成図である。生成システム1は、ローコード又はノーコードで、アプリケーションを生成する。生成システム1は、ユーザPC(Personal Computer)10と、サーバ21と、データベース22などを備える。生成システム1が備える各構成要素は、複数であってもよい。
【0028】
生成システム1は、有線又は無線で、表示装置2と接続する。表示装置2は、外部の装置の一例である。なお、生成システム1は、表示装置2の代わりに、プリンターと接続してもよい。プリンターは、外部の装置の一例である。
【0029】
(2-1)ユーザPC
ユーザPC10は、ユーザから情報を受け付け、アプリケーション及び要件定義情報を生成する。ユーザPC10は、有線又は無線で、サーバ21と、表示装置2と、入力装置(図示せず)と接続する。ユーザPC10の詳細については後述する。
【0030】
(2-2)サーバ
サーバ21は、情報の処理を行い、ユーザPC10とデータベース22との間において情報の送信及び情報の受信を行う。
【0031】
(2-3)データベース
データベース22は、複数のサンプルアプリケーションSAと、第1情報I1と、第2情報I2などを記憶する記憶装置である。第1情報I1及び第2情報I2の詳細については後述する。データベース22の例としては、HDD(Hard Disk Drive)と、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。データベース22は、有線又は無線で、サーバ21と接続する。なお、データベース22は、複数のサンプルコンポーネントを記憶してもよい。
【0032】
(2-4)ハードウェア構成
ユーザPC10及びサーバ21はコンピュータにより実現されるものである。ユーザPC10及びサーバ21は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
【0033】
(3)詳細構成
ユーザPC10の詳細構成について説明する。図2は、ユーザPC10の制御ブロック図である。図2は、制御演算装置により実現される各種の機能ブロックを示している。ユーザPC10は、受付部101と、送信部102と、第1生成部103と、出力部104と、第2生成部105と、報知部106などを有する。
【0034】
(3-1)受付部
受付部101は、入力装置を介して、第1情報I1及び第2情報I2を受け付ける。具体的には、受付部101は、フェーズごとに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2を段階的に受け付ける。「フェーズ」の詳細については後述する。
【0035】
(3-1-1)第1情報
第1情報I1は、アプリケーションの信頼性に関する情報と、アプリケーションの正確性に関する情報と、アプリケーションのセキュリティに関する情報と、アプリケーションの時間効率性に関する情報と、アプリケーションの応答時間に関する情報と、アプリケーションの資源効率性に関する情報と、アプリケーションの障害許容性に関する情報と、アプリケーションの回復性に関する情報と、アプリケーションの目的と、アプリケーションの利用方法と、アプリケーションの外部インタフェースと、アプリケーションの内容を表示する言語と、アプリケーションのジョブフローと、アプリケーションの性能と、の少なくとも何れかを含む。
【0036】
アプリケーションの信頼性に関する情報の例としては、アプリケーションの障害からの回復時間目標と、アプリケーションの障害からの回復時点目標と、アプリケーションの障害からの回復レベル目標などが挙げられる。アプリケーションの正確性に関する情報の例としては、アプリケーションの時刻同期と、アプリケーションの計算精度などが挙げられる。アプリケーションのセキュリティに関する情報の例としては、アプリケーションのパスワードに関する情報と、アプリケーションのアクセス権などが挙げられる。
【0037】
(3-1-2)第2情報
第2情報I2は、アプリケーションで用いられるテーブルに関する情報と、アプリケーションで用いられる画面に関する情報と、アプリケーションのバッチ処理に関する情報と、アプリケーションの名称と、アプリケーションに実装される機能の背景と、アプリケーションに実装される機能の課題と、アプリケーションに実装される機能が用いられる業務と、の少なくとも何れかを含む。
【0038】
(3-1-3)設計情報
第1情報I1と第2情報I2と、を組み合わせた情報を、「設計情報」と称する。ローコード及びノーコード、以外の方法でアプリケーションが生成される場合、設計情報はコーディングに用いられる。言い換えると、設計情報は、「アプリケーションを生成するためのコーディングの設計に用いられる情報」ともいえる。
【0039】
(3-1-4)フェーズ
「フェーズ」は、「要件定義情報を生成するために予め設けられた、第1情報I1及び第2情報I2の受付プロセス上の区切り」である。
【0040】
例えば、2つのフェーズ(フェーズ1、フェーズ2)が予め設けられるとする。受付部101は、フェーズ1において、第1情報である「アプリケーションの目的」と、第2情報である「アプリケーションの名称」を受け付ける。受付部101は、フェーズ2において、第1情報である「アプリケーションの外部インタフェース」と、第2情報である「アプリケーションで用いられるテーブルに関する情報」を受け付ける。これにより、受付部101は、フェーズごとに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2を段階的に受け付ける。
【0041】
(3-2)送信部
送信部102は、第1情報I1及び第2情報I2を、サーバ21に送信する。なお、サーバ21に送信された第1情報I1及び第2情報I2は、サーバ21によりデータベース22に記録される。
【0042】
(3-3)第1生成部
第1生成部103は、データベース22が記憶している第1情報I1及び第2情報I2を読み込んで、複数のフェーズに分けて要件定義情報を生成する。
【0043】
具体的には、第1生成部103は、少なくとも第1情報I1に基づいて、非機能要件の定義を示す情報を生成する。また、第1生成部103は、少なくとも第2情報I2に基づいて、機能要件の定義を示す情報を生成する。これにより、第1生成部103は、要件定義情報を生成する。
【0044】
なお、第1生成部103は、データベース22の第1情報I1及び第2情報I2の代わりに、受付部101が受け付けた第1情報I1及び第2情報I2により、要件定義情報を生成してもよい。
【0045】
(3-4)出力部
出力部104は、生成された要件定義情報を、表示装置2により出力させる。出力部104は、生成された要件定義情報を、プリンターに出力させてもよい。
【0046】
(3-5)第2生成部
第2生成部105は、少なくとも第2情報I2に基づいて、アプリケーションをローコード又はノーコードで生成する。具体的には、第2生成部105は、データベース22が記憶している、第2情報I2及び複数のサンプルアプリケーションSAを読み込んで、第2情報I2に対応するサンプルアプリケーションSAの選択により、アプリケーションを生成する。なお、第2生成部105は、データベース22の第2情報I2の代わりに、受付部101が受け付けた第2情報I2により、アプリケーションを生成してもよい。なお、第2生成部105は、サンプルアプリケーションSAの選択の代わりに、サンプルコンポーネントの選択により、アプリケーションを生成してもよい。
【0047】
(3-6)報知部
報知部106は、フェーズごとに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2、の項目を表示装置2により報知させる。
【0048】
(4)動作
生成システム1の動作について説明する。図3は、生成システム1の動作を示すフローチャートである。
【0049】
報知部106は、第1情報I1及び第2情報I2、の項目を表示装置2により報知させる(ステップS1)。報知される第1情報I1及び第2情報I2は、該当フェーズに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2である。表示装置2は、第1情報I1及び第2情報I2、の項目を表示する。ユーザは、表示された第1情報I1及び第2情報I2、の項目を確認する。ユーザは、入力装置により、第1情報I1及び第2情報I2を入力する。
【0050】
受付部101は、入力装置を介して、第1情報I1及び第2情報I2を受け付ける(ステップS2)。
【0051】
送信部102は、第1情報I1及び第2情報I2をサーバ21に送信する(ステップS3)。送信された第1情報I1及び第2情報I2は、サーバ21によりデータベース22に記録される。
【0052】
第1生成部103は、データベース22が記憶している、第1情報I1及び第2情報I2を読み込む(ステップS4)。
【0053】
第1生成部103は、少なくとも第1情報I1に基づいて、非機能要件の定義を示す情報を生成する(ステップS5)。
【0054】
第1生成部103は、少なくとも第2情報I2に基づいて、機能要件の定義を示す情報を生成する(ステップS6)。これにより、第1生成部103は、該当フェーズに対応する、要件定義情報を生成できる。
【0055】
ステップS1からステップS6までの動作は、最初のフェーズから最後のフェーズまで、フェーズごとに行われる。例えば、フェーズが3つ(フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3)存在するとする。最初に、フェーズ1について、ステップS1からステップS6の動作が行われる。次に、フェーズ2について、ステップS1からステップS6の動作が行われる。最後に、フェーズ3について、ステップS1からステップS6の動作が行われる。
【0056】
第1生成部103は、複数のフェーズごとに生成された要件定義情報を組み合わせる(ステップS7)。これにより、全てのフェーズにかかる要件定義情報が生成される。
【0057】
出力部104は、生成された要件定義情報を、表示装置2により表示させる(ステップS8)。表示装置2は、要件定義情報を表示する。ユーザは、生成された要件定義情報を確認できる。
【0058】
第2生成部105は、データベース22が記憶している、第2情報I2及び複数のサンプルアプリケーションSAを読み込む(ステップS9)。第2情報I2は、受付部101がフェーズごとに段階的に受け付けた、全てのフェーズにかかる第2情報I2である。
【0059】
第2生成部105は、第2情報I2に対応するサンプルアプリケーションSAの選択により、ローコード又はノーコードでアプリケーションを生成する(ステップS10)。なお、ユーザPC10は、生成されたアプリケーションを示す情報又は生成されたアプリケーション、を表示装置2に表示させてもよい。これにより、ユーザは、生成されたアプリケーションを示す情報又は生成されたアプリケーション、を確認できる。
【0060】
(5)特徴
(5-1)
生成システム1は、受付部101と、第1生成部103と、出力部104と、を備える。受付部101は、ノーコードで生成されるアプリケーションのメンテナンスに必要な第1情報I1と、アプリケーションを動作させるために必要な第2情報I2と、を受け付ける。第1生成部103は、要件定義情報を、少なくとも第1情報I1及び第2情報I2に基づいて、生成する。要件定義情報は、アプリケーションに実装される機能の要件である機能要件と、アプリケーションに実装される機能以外の要件である非機能要件と、の定義を示す情報である。出力部104は、生成された要件定義情報を外部の装置により出力させる。
【0061】
ローコード又はノーコードでアプリケーションが生成される場合、要件定義情報は予め用意されない。要件定義情報を作成しようとしても、要件定義情報の内容を作成することと、要件定義情報の粒度を定めることなどは、困難である。そのため、要件定義情報の作成は、無駄な工数を発生させる可能性がある。また、要件定義情報の作成には、要件定義情報が作成できる開発者を要する。開発者を要することは、ローコード又はノーコード、の開発方法に適しない。さらに、要件定義情報の作成には、時間を要する。
【0062】
生成システム1は、ノーコードで生成されるアプリケーションのメンテナンスに必要な第1情報I1と、アプリケーションを動作させるために必要な第2情報I2を、受け付ける。生成システム1は、第1情報I1及び第2情報I2に基づいて要件定義情報を生成し、出力する。従って、生成システム1は、要件定義情報により、ローコード又はノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストを削減できる。
【0063】
(5-2)
生成システム1は、第2生成部105をさらに備える。第2生成部105は、少なくとも第2情報I2に基づいて、アプリケーションをノーコードで生成する。
【0064】
生成システム1は、要件定義情報の生成だけでなく、アプリケーションも生成する。ユーザは、別途、アプリケーションを生成する必要がない。従って、生成システム1は、ローコード又はノーコードでアプリケーションの生成する場合における、ユーザの利便性を向上できる。
【0065】
また、アプリケーションの生成に用いられる第2情報I2は、要件定義情報の生成にも用いられる。従って、生成システム1は、要件定義情報に対応する、アプリケーションを生成できる。
【0066】
(5-3)
生成システム1は、第1生成部103が、少なくとも第1情報I1に基づいて、非機能要件の定義を示す情報を生成し、少なくとも第2情報I2に基づいて、機能要件の定義を示す情報を生成して、要件定義情報を生成する。
【0067】
ローコード又はノーコード、によるアプリケーションの生成は、アプリケーションに実装する機能と関わる第2情報I2を要する。しかし、要件定義情報の生成は、第2情報I2だけでなく、アプリケーションに実装する機能に関わらない第1情報I1も要する。生成システム1は、第1情報I1と第2情報I2と、の役割を分けて、機能要件だけでなく、非機能要件を含む要件定義情報を生成する。従って、生成システム1は、ローコード又はノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストを削減できる。
【0068】
(5-4)
生成システム1は、第1情報I1が、アプリケーションの信頼性に関する情報と、アプリケーションの正確性に関する情報と、アプリケーションのセキュリティに関する情報と、アプリケーションの時間効率性に関する情報と、アプリケーションの応答時間に関する情報と、アプリケーションの資源効率性に関する情報と、アプリケーションの障害許容性に関する情報と、アプリケーションの回復性に関する情報と、アプリケーションの目的と、アプリケーションの利用方法と、アプリケーションの外部インタフェースと、アプリケーションの内容を表示する言語と、アプリケーションのジョブフローと、アプリケーションの性能と、の少なくとも何れかを含む。第2情報I2は、アプリケーションで用いられるテーブルに関する情報と、アプリケーションで用いられる画面に関する情報と、アプリケーションのバッチ処理に関する情報と、アプリケーションの名称と、アプリケーションに実装される機能の背景と、アプリケーションに実装される機能の課題と、アプリケーションに実装される機能が用いられる業務と、の少なくとも何れかを含む。
【0069】
生成システム1は、上述の様々な情報を含む、第1情報I1及び第2情報I2に基づいて要件定義情報を生成する。従って、生成システム1は、ローコード又はノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストを削減できる。
【0070】
(5-5)
生成システム1は、第1生成部103が、複数のフェーズに分けて要件定義情報を生成する。受付部101は、フェーズごとに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2を段階的に受け付ける。
【0071】
第1情報I1及び第2情報I2は、異なる粒度にかかる、多くの情報を含む。フェーズごとに、段階的に第1情報I1及び第2情報I2を受け付けることは、異なる粒度にかかる、多くの情報の受付に役に立つ。従って、生成システム1は、効率よく要件定義情報を生成できる。
【0072】
(5-6)
生成システム1は、報知部106をさらに備える。報知部106は、フェーズごとに第1生成部103が要件定義情報を生成するために必要な、第1情報I1及び第2情報I2、の項目を外部の装置により報知させる。
【0073】
ユーザは、報知された第1情報I1及び第2情報I2の項目を確認できる。ユーザは、フェーズごとに必要な、第1情報I1及び第2情報I2を入力できる。従って、生成システム1は、効率よく要件定義情報を生成できる。
【0074】
(6)変形例
(6-1)変形例1A
生成システム1は、第3生成部(図示せず)をさらに備えてもよい。第3生成部は、第1情報I1と、第2情報I2と、の少なくとも何れかに基づいて、アプリケーションの概要説明資料と、アプリケーションのマニュアルと、の少なくとも何れかを生成する。
【0075】
出力部104は、概要説明資料及びマニュアルを表示装置2により出力させる。ユーザは、要件定義情報だけでなく、概要説明資料及びマニュアルも確認できる。従って、生成システム1は、ローコード又はノーコードで生成されるアプリケーションのライフサイクルコストをより削減できる。
【0076】
なお、第3生成部は、第2生成部105によりアプリケーションが生成された後に、概要説明資料及びマニュアルに基づいて、完成図書又はナビゲーション情報をさらに生成してもよい。「ナビゲーション情報」は、ユーザによるアプリケーションの運用を支援する情報をいう。
【0077】
なお、生成システム1は、記録部(図示せず)をさらに備えてもよい。記録部は、概要説明資料及びマニュアルを、第2生成部105により生成されたアプリケーションと紐づけて、記憶装置(図示せず)に記録する。また、記録部は、概要説明資料及びマニュアルと、第2生成部105により生成されたアプリケーションとに加えて、バージョンも紐づけて、記憶装置に記録してもよい。これにより、ユーザは、バージョンごとの、概要説明資料及びマニュアルやアプリケーションなどにおける、変更点(差分点)を容易に管理できる。
【0078】
(6-2)変形例1B
生成システム1は、日程生成部(図示せず)をさらに備えてもよい。日程生成部は、第1生成部103による要件定義情報の生成の状況に基づいて、日程を生成する。以下、日程生成部の動作の一例を説明する。
【0079】
日程生成部は、生成された要件定義情報(一部又は全て)を、要件定義情報と所要日程とが紐づけられた情報に照らし合わせて、所要日程を算出する。日程生成部は、各種日程表における、日程が埋まってない最早の営業日を初日として算入して、算出された所要日程を、日程として入力する。従って、ユーザは、所要日程などを計算しなくても、容易に日程管理できる。
【0080】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0081】
1 生成システム
101 受付部
103 第1生成部
104 出力部
105 第2生成部
106 報知部
I1 第1情報
I2 第2情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【文献】特開2017-102875
図1
図2
図3