IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明装置 図1
  • 特許-照明装置 図2
  • 特許-照明装置 図3
  • 特許-照明装置 図4
  • 特許-照明装置 図5
  • 特許-照明装置 図6
  • 特許-照明装置 図7
  • 特許-照明装置 図8
  • 特許-照明装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20250305BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20250305BHJP
   F21S 2/00 20160101ALN20250305BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250305BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20250305BHJP
【FI】
F21S9/02 215
F21V23/06
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y115:20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021117264
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013242
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-087403(JP,A)
【文献】特開2017-084481(JP,A)
【文献】特開2020-113555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 23/06
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口された凹部と、前記凹部の側面を形成する一対の側面部と、少なくとも一側の前記側面部に形成された開口部と、を有する器具本体と;
一部が前記開口部に挿通されるとともに前記凹部に配置されるバッテリと;
を備え
前記バッテリの幅は、前記凹部の両側の前記側面部間の幅よりも大きい
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記バッテリは、前記凹部に配置される寸法よりも前記開口部に挿通される寸法が小さい
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記バッテリが前記開口部に挿通される最大寸法は、前記バッテリが前記凹部内に配置される最小寸法よりも小さい
ことを特徴とする請求項記載の照明装置。
【請求項4】
前記バッテリは、前記器具本体の中央線よりも前記開口部側にコネクタを有する
ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一記載の照明装置。
【請求項5】
前記コネクタは、少なくとも一部が前記開口部に挿通される
ことを特徴とする請求項記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常用照明ユニットを備える照明装置では、器具本体の凹部に非常用照明ユニットに給電するバッテリが配置されている。器具本体は、天井に取り付けられる天面部と両側の側面部を有し、これらによって下面側が開口する凹部が形成されている。バッテリは、器具本体の凹部内に配置され、天面部に取り付けられている。
【0003】
このような照明装置では、小形化が要望されているが、器具本体の凹部の幅はこの凹部に配置されるバッテリの幅によって制限されるため、バッテリの幅によって制限されることなく器具本体を小形化できることが望まれている。
【0004】
このような照明装置では、小形化が要望されているが、器具本体の凹部内にバッテリを配置するため、凹部の両側の側面部間の幅がバッテリの幅によって制限され、器具本体の小形化が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-147584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、凹部にバッテリが配置される器具本体を小形化できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の照明装置は、器具本体とバッテリとを備える。器具本体は、一面が開口された凹部と、凹部の側面を形成する一対の側面部と、少なくとも一側の側面部に形成された開口部と、を有する。バッテリは、一部が開口部に挿通されるとともに凹部に配置される。バッテリの幅は、凹部の両側の側面部間の幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の照明装置によれば、凹部にバッテリが配置される器具本体を小形化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の常用光源ユニットを外した分解斜視図である。
図3】同上照明装置の非常灯ユニットをさらに外した分解斜視図である。
図4】同上照明装置の非常灯ユニットの断面図である。
図5】同上照明装置の非常灯ユニットの底面図である。
図6】同上照明装置のバッテリの配置を示す断面図である。
図7】同上照明装置の常用光源ユニットを外した底面図である。
図8】同上照明装置のバッテリを外した斜視図である。
図9】同上照明装置のバッテリを配置した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、照明装置10は、例えば天井面などの設置面に設置される防水構造を備えた天井直付形照明装置である。さらに、照明装置10は、常用の外部電源の停電時に非常用電源で点灯する非常用照明装置である。なお、以下、照明装置10は、例えば天井面などに設置されるものとして、光照射方向の前面側を下側、光照射方向に対して反対の背面側を上側として説明する。
【0012】
図1ないし図3に示すように、照明装置10は、長尺な器具本体11と、この器具本体11の長手方向Yの一端側に着脱可能に取り付けられる第1光源ユニットである常用光源ユニット12と、器具本体11の長手方向Yの他端側に取り付けられる第2光源ユニットである非常灯ユニット13と、器具本体11内に取り付けられる非常用のバッテリ14と、を備えている。照明装置10は、長尺で、常用光源ユニット12の発光領域が長手方向Yに沿ってライン状となるベースライト形に形成されている。
【0013】
図1ないし図9に示すように、器具本体11は、長尺な本体部17と、この本体部17の長手方向Yの両端に設けられた端板18とを備えている。本体部17は、取付面である天面部19と、この天面部19の長手方向Yに交差する短手方向である幅方向Xの両側から下方に向けて設けられた互いに対向する両側の側面部20と、これら両側の側面部20の下端から斜め上方に向けて互いに拡開するように設けられた反射面部21と、を備えている。
【0014】
器具本体11の下面側である両側の側面部20と両端の端板18との間の下面側には、天面部19に対向する開口部22が形成されている。天面部19と両側の側面部20と両端の端板18との間には、開口部22に連通され、一面である下面側が開口する凹部23が形成されている。凹部23には、常用光源ユニット12および非常灯ユニット13が挿入配置される。また、両側の側面部20と両側の反射面部21との間には、上方に開口する空間24が形成されている。
【0015】
天面部19の長手方向Yの中間には、外部電源を供給する電源線が挿通される配線孔25が設けられている。天面部19の長手方向Yの両端側には、設置面に対して吊ボルトやねじなどにより取り付けるため複数の取付孔26が設けられている。
【0016】
器具本体11の凹部23には、バッテリ14を配置するバッテリ配置部27が設けられている。このバッテリ配置部27は、凹部23の長手方向Yの中間位置であるとともに、常用光源ユニット12が挿入配置される領域で、天面部19の中央の配線孔25と他端側の取付孔26との間の位置に設けられている。バッテリ配置部27の一方の端部側には天面部19に係止孔28が設けられ、他方の端部側には天面部19から凹部23内に突出する固定ねじ29が固定されている。さらに、バッテリ配置部27の一側の側面部20には、バッテリ14を挿通配置可能とする開口部30が開口形成されている。開口部30は、一側の側面部20の上端位置から上下方向の中間位置までの高さ範囲で、器具本体11の長手方向Yに沿って長い範囲に形成されている。さらに、バッテリ配置部27の一側には、開口部30を通じて凹部23に連通される連通空間部31が一側の側面部20よりも外側に形成されている。連通空間部31は、一側の側面部20と反射面部21との間の空間24に形成されている。
【0017】
なお、一側の側面部20に開口部30を開口形成して一側の側面部20の外側に連通空間部31を形成するのに限らず、一側の側面部20の一部を外側に向けて突出するように断面略コ字形に折曲し、その一側の側面部20の突出部分の内側に連通空間部31を形成してもよい。この場合にも、一側の側面部20に開口部30が形成されている。
【0018】
器具本体11の長手方向Yの一端側には、常用光源ユニット12の一端側が着脱可能に取り付けられる光源ユニット取付部32が設けられている。常用光源ユニット12の他端側が着脱可能に取り付けられる光源ユニット取付部は、器具本体11の凹部23内または非常灯ユニット13に設けられている。
【0019】
また、図1および図2に常用光源ユニット12を示す。常用光源ユニット12は、長尺に形成され、防水構造を備えている。常用光源ユニット12は、器具本体11の開口部22を通じて凹部23に挿入される上部側の挿入領域12aと、器具本体11の凹部23の外側に配置される下部側の突出領域12bとを有している。
【0020】
常用光源ユニット12は、筒状のカバー35と、このカバー35の両端にパッキンにより防水されて取り付けられたキャップ36と、を備えている。カバー35の少なくとも突出領域12bは光透過性を有している。カバー35内には、カバー35内に挿通配置されるシャーシと、このシャーシの下面側に配置される例えばLEDなどの常用光源を有する光源モジュールと、シャーシの上面側に配置され、常用光源を点灯させる常用点灯ユニットと、を備えている。両端のキャップ36には、器具本体11の光源ユニット取付部32に着脱可能に取り付けられる着脱ねじ37が組み込まれている。
【0021】
カバー35およびキャップ36の突出領域12bは、幅方向Xの断面が下方に突出する凸湾曲状に形成されている。
【0022】
一方のキャップ36からは常用点灯ユニットの電源入力部に接続された接続線がパッキンにより防水されて引き出されており、この接続線が器具本体11内に引き込まれる電源線と電気的に接続される。
【0023】
また、図1ないし図5に非常灯ユニット13を示す。非常灯ユニット13は、筐体40と、この筐体40内に配置される光源部41および非常用点灯ユニットである点灯ユニット42と、を備えている。
【0024】
筐体40は、第1筐体44と、この第1筐体44が接合される第2筐体45と、筐体40を防水構造とするパッキン46と、を備えている。第1筐体44の背面側に光源部41が配置され、第2筐体45内に点灯ユニット42が配置され、第1筐体44と第2筐体45との間に光源部41および点灯ユニット42が収容される。第1筐体44と第2筐体45とは、ねじ止めにより着脱可能に組み立てられる。
【0025】
第1筐体44は、器具本体11の凹部23の外側に配置される化粧枠である。第1筐体44の前面側には、常用光源ユニット12の突出領域12bの表面形状と連続するように、幅方向Xの断面が下方に突出する凸湾曲状に形成された表面部47を有している。第1筐体44の幅方向Xの最大幅、つまり表面部47の幅方向Xの最大幅は、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅(図4に示す左右の側面部20の内側面間の幅)X1よりも広く形成されている。第1筐体44の表面部47の背面側は、凹状に形成され、光源部41や点灯ユニット42の一部が配置される。第1筐体44の表面部47の背面側の周辺近傍には、第2筐体45と上下方向に対向される第1端部44aを形成する四角形枠状の接合枠部48が突出されている。第1端部44aの幅方向Xの最大幅(図4に示す左右の第1端部44aの外側部間の幅(距離))X2は、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1よりも大きい関係にある。また、第1筐体44の表面部47には、複数の孔部49が設けられている。孔部49には、第1筐体44の表面部47の略中央に設けられ、光源部41が臨む光源用孔部50と、光源用孔部50の側部に離間して設けられる点検用孔部51と、が含まれている。
【0026】
第2筐体45は、器具本体11の凹部23に挿入される挿入部52と、第1筐体44の第1端部44aと対向される第2端部45aを形成するフランジ部53と、を備えている。
【0027】
第2筐体45の挿入部52は、下面側が開口された四角形箱状に設けられている。挿入部52の幅方向Xの幅は、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1よりも小さく、挿入部52を凹部23に挿入可能とする。挿入部52は、凹部23に挿入され、ねじ止めなどにより器具本体11に取り付けられる。挿入部52が凹部23に挿入されて取り付けられた状態では、挿入部52の下端側が凹部23よりも外側である下側に配置される。挿入部52内には、点灯ユニット42を位置決め保持する保持部54が設けられている。
【0028】
第2筐体45の第2端部45aは、挿入部52の下端の肉厚よりも肉厚(幅方向Xに広い)で、挿入部52の下端から周囲にフランジ状に突出する四角形枠状に形成されている。すなわち、第2端部45aの幅方向Xの最大幅(図4に示す左右の第2端部45aの外端部間の幅(距離))X3は、挿入部52の幅方向Xの最大幅X4よりも大きい関係にある。さらに、第2端部45aは、挿入部52が凹部23に挿入されて取り付けられた状態で、器具本体11の凹部23よりも外側である下側に配置される。第2端部45aの幅方向Xの最大幅(図4に示す左右の第2端部45aの外端部間の幅(距離))X3は、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1よりも大きい関係にある。そして、第2端部45aは、第1筐体44の背面側から第1筐体44の内側に配置され、第1端部44aの上面側に対して上下方向に対向配置される。
【0029】
そして、第1筐体44の第1端部44aと第2筐体45の第2端部45aとが上下方向に対向する各対向面は、挿入部52が凹部23に挿入されて取り付けられた状態で、器具本体11の凹部23よりも外側である下側に配置される。
【0030】
パッキン46は、第1筐体44の第1端部44aと第2筐体45の第2端部45aとの間に介在されて防水構造をとる第1パッキン部56と、光源用孔部50の周囲で光源部41との間に介在されて防水構造をとる第2パッキン部57と、点灯用孔部51を閉塞して防水構造をとる第3パッキン部58と、を含んでいる。第3パッキン部58は、光透過性を有し、透明または半透明な例えばシリコーンゴムなどで形成されている。第1パッキン部56および第2パッキン部57は、光透過性を有していてもいなくてもよい。なお、第1パッキン部56は、第1筐体44の第1端部44aと第2筐体45の第2端部45aとの間に介在されて防水構造をとる例に限らず、第1筐体44の表面部47の両側部の内側面とこれに対向する第2筐体45の両側の第2端部45aの外端面との間に介在されて防水構造をとるようにしてもよい。
【0031】
第1パッキン部56と、第2パッキン部57および第3パッキン部58の少なくともいずれか一方とは、一体に形成されていてもよい。例えば、第1パッキン部56と第2パッキン部57とが一体に形成されていてもよく、第1パッキン部56と第3パッキン部58とが第3パッキン部58の材質にて一体に形成されていてもよく、あるいは、第1パッキン部56と第2パッキン部57と第3パッキン部58とが第3パッキン部58の材質にて一体に形成されていてもよい。
【0032】
パッキン46を一体に形成した場合、第1筐体44の背面側に内面に沿って一体形のパッキン46を配置し、この第1筐体44と光源部41および第2筐体45とを組み合わせることにより、各パッキン部56,57,58が所定の位置に介在して防水構造をとる。
【0033】
また、光源部41は、非常用の光源60と、放熱板61と、ソケット62と、レンズ63と、を備えている。
【0034】
光源60は、基板にLEDや有機ELなどの半導体発光素子を実装した発光モジュールが用いられる。
【0035】
放熱板61は、金属板で構成され、ソケット62により光源60が熱的に接続されて配置される。
【0036】
ソケット62は、光源60を放熱板61との間に挟み込んで、放熱板61にねじ止めにより取り付けられている。ソケット62は、光源60と電気的に接続されるとともに、点灯ユニット42からの配線が電気的に接続され、光源60と点灯ユニット42とを電気的に接続する。
【0037】
レンズ63は、光照射方向に突出する凸レンズ状に形成され、光源60から放射される光を入射して所定の配光となるように出射する。レンズ63は、光源60に対向されて、放熱板61にねじ止めにより取り付けられている。光源部41が第1筐体44の背面側に配置されることにより、レンズ63が第1筐体44の光源用孔部50に配置される。光源用孔部50の周囲で、レンズ63と第1筐体44との間に第2パッキン部57が介在されて防水構造をとる。
【0038】
また、点灯ユニット42は、第2筐体45内に配置される。第2筐体45から外部に引き出される電源接続線およびバッテリ接続線84(図7参照)が接続されている。電源接続線は、器具本体11に引き込まれる電源線に電気的に接続される。バッテリ接続線84は、バッテリ14に電気的に接続される。
【0039】
点灯ユニット42は、ケース65と、このケース65内に収納された回路部66と、を備えている。点灯ユニット42の回路部66は、外部電源からの外部電力の供給時に外部電力を所定の充電電力に変換してバッテリ14を充電する充電回路と、外部電源の停電時にバッテリ14に蓄えられた電力を所定の点灯電力に変換して光源60に供給して点灯させる非常用点灯回路と、を備えている。非常用点灯回路は、ハーネスにより光源60と電気的に接続されている。
【0040】
点灯ユニット42は、点検用孔部51に対向して配置される点検部67を備えている。点検部67は、リモコンなどの外部端末から送信される赤外線信号などの無線信号を受信する受信部68、点検結果を外部端末に送信する送信部69、手動操作で点検を指示するための点検スイッチ70、点検結果などを表示するモニタランプ71を備えている。そして、点検部67を介して、バッテリ14の寿命、光源60の異常を点検可能としている。
【0041】
また、図6ないし図9に示すように、バッテリ14は、充放電可能な二次電池が用いられている。バッテリ14は、バッテリ本体と、このバッテリ本体を収納する長方形箱状のバッテリケース74を有している。バッテリ14は、長方形状の上下面である主面が最も広い面で、上下方向の幅である上下の主面間の幅が最も小さく形成されている。バッテリ14は、主面の長辺が器具本体11の長手方向Yに沿うとともに、主面の短辺が器具本体11の幅方向Xに沿う状態で、器具本体11のバッテリ配置部27に配置される。バッテリ14は、上下方向の高さが器具本体11の凹部23の上下方向の高さよりも小さく、幅方向Xの幅X5が器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1よりも大きい関係にある。バッテリ14には、非常灯ユニット13に対向する端面に、点灯ユニット42からのバッテリ接続線84が電気的に接続されるコネクタ14aが設けられている。バッテリ14の端面におけるコネクタ14aの位置は、バッテリ14の幅方向Xの一端側であって、バッテリ14を器具本体11の凹部23に配置した際に開口部30側に片寄った位置に配置されている。
【0042】
バッテリ14は、取付部材76により器具本体11に取り付けられる。取付部材76は、例えば金属板により、バッテリ14が上方から着脱可能に配置されるトレイ状に形成されている。取付部材76は、バッテリ14が載置される長方形状の載置部77と、この載置部77の周辺部から立ち上げられてバッテリ14の周面を保持する側面部78および端面部79と、を備えている。
【0043】
取付部材76の一方の端面部79には、器具本体11の係止孔28に挿入されて天面部19上に引っ掛けられる略L字形の係止片部80が設けられている。取付部材76の他方の端面部79には、固定ねじ29が挿通する挿通孔81を有する取付片部82が設けられている。そして、係止片部80が器具本体11に係止され、挿通孔81を貫通して取付片部82の下側に突出した固定ねじ29に蝶ナットなどを含むナット83が螺着されることにより、取付部材76が器具本体11に着脱可能に取り付けられる。
【0044】
取付部材76により器具本体11のバッテリ配置部27に配置されるバッテリ14は、器具本体11の凹部23内に配置されるとともに、幅方向Xの一部が凹部23の一側の側面部20の開口部30から一側の側面部20よりも外側に挿通され、凹部23と一側の側面部20よりも外側の連通空間部31とに亘って配置される。
【0045】
バッテリ14を器具本体11に配置する場合には、バッテリ14の幅方向Xの一側を上げた傾斜状態とし、バッテリ14の幅方向Xの一側から凹部23内に挿入して一側の側面部20の開口部30を通じて連通空間部31に挿入し、バッテリ14の幅方向Xの他側を上げて器具本体11の天面部19と平行状とし、バッテリ14を保持する取付部材76を器具本体11に取り付ければよい。また、バッテリ14を器具本体11から取り外す場合には、取付部材76を器具本体11から取り外した後、バッテリ14の幅方向Xの他側を下げて傾斜状態とし、バッテリ14の幅方向Xの一側を連通空間部31および一側の側面部20の開口部30から抜き外すようにして、バッテリ14の幅方向Xの他側から凹部23の下方に取り出せばよい。
【0046】
バッテリ14は、器具本体11に配置された状態で、凹部23に配置される幅方向Xの幅X5よりも開口部30に挿通されて連通空間部31に配置される幅方向Xの寸法X6が小さい関係にある。さらに、バッテリ14が開口部30に挿通されて連通空間部31に配置される寸法X7の最大値は、バッテリ14が反射面部21に当接する寸法に規制されるもので、凹部23内に配置される寸法X6の最小値よりも小さい関係にある。また、バッテリ14のコネクタ14aは、器具本体11の幅方向Xの中央線Cよりも開口部30側に配置される。さらに、コネクタ14aの少なくとも一部は、開口部30に挿通される位置に配置されることが好ましい。
【0047】
そして、照明装置10は、外部電源から外部電力が供給されているときには、外部電力が常用光源ユニット12の常用点灯ユニットと、非常灯ユニット13の点灯ユニット42とにそれぞれ供給される。常用光源ユニット12では、常用点灯ユニットにより外部電力を所定の点灯電力に変換して常用光源に供給し、常用光源が点灯する。非常灯ユニット13では、充電回路により外部電力を所定の充電電力に変換してバッテリ14を充電する。
【0048】
また、外部電源が停電し、照明装置10に外部電力が供給されなくなったときには、常用光源ユニット12は消灯する。非常灯ユニット13は、バッテリ14からの電力で動作し、バッテリ14からの電力を所定の点灯電力に変換して光源60に供給し、光源60が点灯する。
【0049】
また、照明装置10の非常灯ユニット13の点検時には、作業者がリモコンを操作し、非常灯ユニット13の点検部67へ向けて点検信号を送信する。非常灯ユニット13の点灯ユニット42は、点検部67の受信部68にリモコンからの点検信号を受信すると、点検モードとなり、バッテリ14の電力で光源60を点灯させ、光源60の状態やバッテリ14の寿命を判定する。点検動作中や点検結果は点検部67のモニタランプ71で表示する。点検完了後は、点検部67から点検結果の信号を送信する。そして、作業者は、非常灯ユニット13の光源60の点灯状態、モニタランプ71を目視で確認し、また、リモコンに受信した点検結果を確認し、非常灯ユニット13の状態を確認する。なお、非常灯ユニット13の点検動作は、点検スイッチ70の操作でも実行される。
【0050】
そして、照明装置10では、器具本体11の凹部23に、非常灯ユニット13の筐体40が配置される。筐体40は、光源部41が配置される第1筐体44と点灯ユニット42が配置される第2筐体45とに分けられ、これら第1筐体44と第2筐体45を接合して構成されている。第1筐体44の幅方向Xの幅は、光源部41のレンズ63などによって最小幅が制限される場合がある。
【0051】
第1筐体44と第2筐体45とを接合する構成において、その接合部分が器具本体11の凹部23内に配置される構造であると、最小幅が制限された第1筐体44が幅方向Xの幅に応じて、凹部23の幅方向Xの幅X1の最小幅も制限される。そのため、このような照明装置10において、器具本体11の幅方向Xの小形化への要望があっても、対応することが困難となることが多い。
【0052】
本実施形態の照明装置10では、第1筐体44の第1端部44aと接合される第2筐体45の第2端部45aを、凹部23よりも外側に配置しているため、光源部41が配置される第1筐体44の幅方向Xの幅に関係なく、第2筐体45の第2端部45aの幅方向Xの最大幅X3が凹部23の幅方向Xの幅X1よりも大きくても、第2筐体45の挿入部52の幅を小さくし、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1を小形化することができる。
【0053】
さらに、第2筐体45の第2端部45aが凹部23の外側に配置されることで、第1筐体44の第1端部44aと第2筐体45の第2端部45aとの間の防水構造をとる第1パッキン部56と、第1筐体44の孔部49の第2パッキン部57および第3パッキング部58との位置が近付くため、一体形のパッキン46として構成することができ、部品点数を削減でき、組立性を向上できる。
【0054】
さらに、第2筐体45の第2端部45aが凹部23の外側に配置されることで、パッキン46により防水構造をとる、第1筐体44の第1端部44aと第2筐体45の第2端部45aとの間の位置と、第1筐体44の孔部49の位置と、が近付くため、一体形のパッキン46として構成することができ、部品点数を削減でき、組立性を向上できる。
【0055】
そして、照明装置10では、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1つまり両側の側面部20の内側面間の幅X1が、器具本体11の凹部23に配置されるバッテリ14の幅方向Xの幅X5よりも小さい関係にある。これは、器具本体11の幅方向Xの小形化、あるいは、バッテリ14の種類や、バッテリ14の蓄電容量の増加に伴うバッテリ14の幅方向Xの大形化による。
【0056】
一般的に、器具本体11の凹部23の幅方向Xの幅X1が、バッテリ14の幅方向Xの幅よりも小さい関係にあれば、バッテリ14を凹部23に配置することが困難となる。
【0057】
照明装置10では、一側の側面部20に開口部30を設けることにより、一部が開口部30に挿通された状態でバッテリ14を凹部23に配置することができる。すなわち、バッテリ14の一側を一側の側面部20に設けられた開口部30を通じて一側の側面部20よりも外側の連通空間部31に配置することにより、バッテリ14を凹部23に配置することができる。そのため、器具本体11の幅方向Xの小形化に対応でき、あるいは、バッテリ14の種類やバッテリ14の幅方向Xの大形化に対応できる。
【0058】
なお、前記実施形態では、バッテリ14が取付部材76により器具本体11の凹部23に取り付けられる例を説明したが、取付部材76が連通空間部31側の器具本体11に取り付けられる構成でもよく、バッテリ14の一部が開口部30を挿通して連通空間部31に位置するとともに、残りの部分が凹部23側に位置するように配置されればよい。
【0059】
さらに、バッテリ14は、凹部23に配置される幅方向Xの寸法X6よりも開口部30に挿通されて連通空間部31に配置される幅方向Xの寸法X7が小さいため、一側の側面部20よりも外側へのバッテリ14の突出量を小さくし、例えば一側の側面部20の外側に反射面部21が存在するような場合あるいは他の干渉物が存在するような場合にも、干渉することなくバッテリ14を配置することができる。
【0060】
さらに、バッテリ14が開口部30に挿通されて連通空間部31に配置される寸法X7の最大値は、バッテリ14が反射面部21や他の干渉物に当接する寸法に規制されるもので、凹部23内に配置される寸法X6の最小値よりも小さいため、一側の側面部20に対するバッテリ14の幅方向Xの質量バランスから、バッテリ14を着脱する際に一側の側面部20の外側に落ちるのを防止することができ、着脱作業性を良好にできる。
【0061】
さらに、図7に示すように、コネクタ14aは、器具本体11の幅方向Xの中央線Cよりも開口部30側に配置されること、さらに、コネクタ14aの少なくとも一部が開口部30に挿通されるのが好ましい配置であることにより、コネクタ14aに接続される点灯ユニット42からのバッテリ接続線84を幅方向Xの一側の側面部20側に片寄せして配線することができる。そのため、器具本体11の凹部23の幅方向Xの中央に設けられた取付孔26を挿通する例えば吊ボルト85やこの吊ボルト85に器具本体11を取り付けるためのワッシャ86およびナット87などの取付構造が、バッテリ14の配置やバッテリ接続線84の配線の邪魔になるのを防止できる。
【0062】
また、開口部30は、凹部23の両側の側面部20に対向して設けてもよい。
【0063】
また、凹部23の両側の側面部20の外側に反射面部21が配置されていることで、一側の側面部20よりも外側に突出するバッテリ14を隠蔽することができるが、反射面部21の無い断面略コ字形の器具本体11に適用してもよい。
【0064】
そして、照明装置10では、第1筐体44の第1端部44aと接合される第2筐体45の第2端部45aを凹部23よりも外側に配置していること、一部が開口部30に挿通された状態でバッテリ14を凹部23に配置できることにより、凹部23の幅方向Xの寸法を小さくでき、器具本体11の幅方向Xの小形化ができる。
【0065】
なお、照明装置10は、常用光源ユニット12を備えず、非常灯ユニット13のみを備えた器具構造の場合にも適用できる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 照明装置
11 器具本体
14 バッテリ
14a コネクタ
20 側面部
23 凹部
30 開口部
C 中央線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9