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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】子供用中敷
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/14 20220101AFI20250305BHJP
   A43B 7/142 20220101ALI20250305BHJP
   A43B 7/144 20220101ALI20250305BHJP
   A43B 7/1464 20220101ALI20250305BHJP
   A43B 7/1475 20220101ALI20250305BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20250305BHJP
   A43B 17/14 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
A43B7/14 A
A43B7/142
A43B7/144
A43B7/1464
A43B7/1475
A43B17/00 E
A43B17/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022122638
(22)【出願日】2022-08-01
(65)【公開番号】P2024019888
(43)【公開日】2024-02-14
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591025901
【氏名又は名称】株式会社村井
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100173680
【弁理士】
【氏名又は名称】納口 慶太
(72)【発明者】
【氏名】村井 ▲隆▼
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-110774(JP,A)
【文献】特開2002-306208(JP,A)
【文献】特開平09-140405(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0117353(US,A1)
【文献】特開2006-198101(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105795596(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 17/00
A43B 7/142
A43B 7/144
A43B 7/1464
A43B 17/02
A43B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したベビー用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部が形成されており、
この横アーチ用凸部は、
頂点が、前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さの足骨格の横アーチを矯正しない程度にされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されたなだらかな形状であり、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さにされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを特徴とする子供用中敷。
【請求項2】
表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したトドラー用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されたなだらかな形状であり、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの 「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを特徴とする子供用中敷。
【請求項3】
表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したプレジュニア用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されており、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを特徴とする子供用中敷。
【請求項4】
表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したジュニア用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されており、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを成人に近い程度に整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを特徴とする子供用中敷。
【請求項5】
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の中足部、後足部を包むためのコーナ部の裏面を除く、平板形状であり、
離可能としている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の子供用中敷。
【請求項6】
前記上層部材及び高さ調整シートは、ウレタン材であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の子供用中敷。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
子どもの足は、10歳頃までに足の基本骨格が完成するため、幼いころに良い形に整えておくことが望ましい。
【0003】
子供の足骨格の成長において、その骨の数は、出生時から2歳程度までは成人の半分程 度で、8~10歳程度に至り初めて骨の数は全て出現するが、まだ骨は未熟で完成されて いない。
【0004】
例えば、特許文献1は、子供の足の成長を4つの段階に分け、4種類(0~2歳専用、3~5歳専用、6~7歳専用、8歳~10歳専用)の異なる形状で子どもの足の成長をサポートする構造にして、成長する子供の足の各時期の成長に合わせることができるようにされている。
【0005】
(0~2歳専用)
0~2歳専用は、内側縦アーチ用凸部は、中央付近の内縁側が6mm~12mmであり、ここから端部に向かっ て次第に低く形成されている。また、横アーチ用凸部は、足骨格の横アーチを矯正しない程度の1mm~5mm程度の高さで、横アーチを整える程度の卵円形にされている。
【0006】
また、ヒールカップ部は、幅が6mm~10mm程度で、深さは6mm~12mm程度にされている。
【0007】
(3~5歳専用)
3~5歳専用は、内側縦アーチ用凸部は、中央付近の内縁側 が10mm~14mm程度で端部に向かって次第に低く形成されている。また、横アーチ用凸部は、横アーチを整える程度の3mm~7mm程度の高さの卵形状にされている。
【0008】
また、ヒールカップ部は、幅が8mm~12mm程度で、深さは8mm~14mm程度にされており。
さらに、 外側縦アーチ用部は、10mm~14mm程度の半楕円形状にされている。
【0009】
(6~7歳専用)
6~7歳専用は、内側縦アーチ用凸部は、中央付近の高さは内縁側が12mm~16mm程度で端部に向かって次第に低く形成されている。
【0010】
また、横アーチ用凸部は、横アーチを整える程度の高さが5mm~9mm程度にされている。また、ヒールカップ部は、幅が10mm~14mm程度で、深さは10mm~16mm程度にされている。
さらに、外側縦アーチ用凸部は、高さが12mm~16mm程度の半楕円形状にされている。
【0011】
(8歳~10歳専用)
8歳~10歳専用は、内側縦アーチ用凸部は、高さは内側縁が14mm~18 mm程度で端部に向かって次第に低く形成されている。
また、横アーチ用凸部は、横アーチを整える程度の7mm~11mm程度の高さにされている。
また、ヒールカップ部は、幅が12mm~16mm程度で、深さは12mm ~18mm程度にされている。
さらに、外側縦アーチ用凸部は、高さが14mm~18mm程度の半楕円形状にされいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許第43076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
青年になると、膝、足首を歩行ラインに対して外側に向くように捩じるようにして足を運ぶと、見栄えが悪いし、足に負担がかかるので、歩行ラインに対して真っ直ぐに足を運ぶようになることが望まれている。
【0014】
子どもの足の基本骨格が完成するのは10歳頃とされており、この時期に、走行ラインに対して真っ直ぐに足を運ぶことができるようになる癖をつけ、かつ骨格を良い形に整えることが重要である。
【0015】
一方、特許文献1の0~2歳専用、3~5歳専用、6~7歳専用、8歳~10歳専用の子供用中敷は、ヒールカップ部は、深くなっているので、後端コーナの立ち上がり部分をどうしても多くとならといけないので、靴が抜けやすくなる。このため、活発に活動する子供時期においてもより安全になる子供用中敷が求められていた。
【0016】
本願発明は以上の課題を鑑みてなされたもので、膝、足首をはじめ体に負担をかけないで、青年時においては走行ラインにそって真っ直ぐに足を運ぶ癖をつけることができると共に、靴が抜けやすくなるのを防げる子供用中敷を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る子供用中敷は、表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したベビー用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部が形成されており、
この横アーチ用凸部は、
頂点が、前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さの足骨格の横アーチを矯正しない程度にされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されたなだらかな形状であり、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さにされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを要旨とする。
【0018】
また、本発明に係る子供用中敷は、表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したトドラー用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されたなだらかな形状であり、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝)が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを要旨とする。
【0019】
また、本発明に係る子供用中敷は、表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したプレジュニア用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されており、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、こと要旨とする。
【0020】
さらに、本発明に係る子供用中敷は、表皮部材と、上層部材と、高さ調整シート部材とを熱圧着して形成したジュニア用の子供用中敷であって、
前記上層部材は、
足内側縦アーチ用凸部及び横アーチ用凸部並びに足外側縦アーチ用凸部が形成されており、
前記横アーチ用凸部は、
頂点が前記足内側縦アーチ用凸部の最大高さ以下で、足外側コーナの最大高以下の高さにされて前記足内側縦アーチ用凸部に連接されており、
さらに、前記上層部材の踵部コーナの後端の高さは、
前記横アーチ用凸部の頂点以下で、踵部対応領域の厚み以上の高さの横アーチを成人に近い程度に整える程度にされており、さらに、
前記上層部材の裏面には、
第3中足骨と、第3基節骨との間付近となる箇所から第1中足骨の骨頭直後を斜めに通って内側縁に至る斜め溝が形成されており、
前記高さ調整シート部材は、
前記上層部材の裏面の斜め溝に対応する箇所に、この斜め溝に略対応する幅及び長さの「斜めきりかけ」が形成されて、前記上層部材の裏面に熱圧着されている、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、膝、足首をはじめ体に負担をかけないで、青年時においては走行ラインにそって真っ直ぐに足を運ぶ癖をつけることができると共に、靴が抜けやすくなるのを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ベビー用インソールの上面図である。
図2】トドラー用インソールの上面図である。
図3】プレジュニア用インソールの上面図である。
図4】ジュニア用インソールの上面図である。
図5】ベビー用インソールの詳細構造の説明図(1)である。
図6】ベビー用インソールの詳細構造の説明図(2)である。
図7】トドラー用インソールの詳細構造の説明図(1)である。
図8】トドラー用インソールの詳細構造の説明図(2)である。
図9】プレジュニア用インソールの詳細構造の説明図(1)である。
図10】プレジュニア用インソールの詳細構造の説明図(2)である。
図11】ジュニア用インソールの詳細構造の説明図(1)である。
図12】ジュニア用インソールの詳細構造の説明図(2)である。
図13】本実施の形態の下層部材と上層部材の詳細構成図である。
図14】本実施の形態の子供用インソールの使用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に示す実施の形態は、発明の技術的思想(構造、配置)を具体化するための装置や方法を例示したものであって、本発明の技術的思想は、下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
特に、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。以下に1~2歳用(ベビー用ともいう:0歳を含めてもよい)と、3~5歳用(トドラー用ともいう)と、6~7歳用(プレジュニア用ともいう)と、8~10歳用(ジュニアともいう)とを子供用インソールとして順に説明する。
【0025】
図1はベビー用インソールの上面図であり、左足用(以下、ベビー用左足側インソール100と称する)を示している。但し、左足を載置して上から見た図であり、後述するベビー用屈曲誘導溝部Raが裏面に刻まれていることを示す。
【0026】
図2はトドラー用インソールの上面図であり、左足用(以下、トドラー用左足側インソール200と称する)を示している。但し、左足を載置して上から見た図であり、後述するトドラー用屈曲誘導溝Rbが裏面に刻まれていることを示す。
【0027】
図3はプレジュニア用インソールの上面図であり、左足用(以下、プレジュニア用左足側インソール300と称する)を示している。但し、左足を載置して上から見た図であり、後述するプレジュニア用屈曲誘導溝Rcが裏面に刻まれていることを示す。
図4はジュニア用インソールの上面図であり、左足用(以下、ジュニア用左足側インソール400と称する)を示している。但し、左足を載置して上から見た図であり、後述するジュニア用屈曲誘導溝Rd(但し、実線で示している)が裏面に刻まれていることを示す。
【0028】
人体の骨は出生時すなわち、人体の骨は出生時すなわち、0~2歳では、図1に示すように、全ての骨が出現しているわけではなく、3~5歳では図2に示すごとく成長し、6~7歳では図3に示すごとく成長し、さらに、8~10歳では図4に示すごとく成長して、成人とほぼ同数の数が揃う。
【0029】
しかし、その骨は未成熟であり、骨成長の特徴として、例えば長管骨(細長いパイプ状の骨)の成長は、最初に骨幹部が出現し、次に両端の骨端部が出現して、その間隙は成長線と呼ばれる骨端軟骨となる。
この骨端軟骨の完全な骨性癒合は、男性は18~22歳、女性は16~20歳とされ、この年齢に至る成長過程における骨端軟骨の構造的強度は、他の骨化した部 分と比較すると脆弱であり、成長期に骨端軟骨を損傷すると、その後の骨成長に障害を生じる。
【0030】
子供の足に対する市販の履き物用中敷きを概観するに、成人用と同様の急峻なアーチ構造を有する中敷きを散見するが、これは大きな間違いである。
【0031】
なぜならば、こうした中敷きは、整形外科の治療法の一つである足底板療法の理論に基づいており、これは履き物用中敷きに近似した形状を用いて、そのアーチの凸構造が足裏を圧迫すると、軟部組織を介し、自分の体重を利用して骨格構造を矯正するという理論に基づいた設計になっているが、図1および図2に示すように、概ね3~5歳程度までの子供の足には、矯正しようとする足の骨すら、未だ出現していないためである。
【0032】
人体発達学、および解剖学的検討もなしに、ただ成人用の足底板療法に用いる医療器具である足底板の形状を模倣して、これを小型化し、子供用として製造および販売することは、健やかなる子供の足の成長にとって著しく危険である。
【0033】
成人用と同様の急峻なアーチ構造が不必要な理由としては、成人の足には、筋肉や靭帯などの足骨格を保持するための組織が完成されており、基本的には足裏からの中敷きによる支持や矯正を必要としないが、長時間の起立や歩行、または筋肉や靭帯の弛緩による足骨格の崩れなどに対処するため、中敷きのアーチの凸形状による足裏からの圧迫で、足の骨格構造を保持することが必要となることが多い。
【0034】
この場合、足裏の脂肪層が薄く、平らな面と間隙を生じるため、これを埋める必要性を生じるが、子供の足は足裏の脂肪層が厚く、ある程度アーチクッションの役割を果し、足骨格を保持する筋肉や靭帯の代償として働くためである。
【0035】
しかしながら、子供の足を構成する骨、筋肉、靭帯などの組織は未成熟であり、立位、歩行、走行における安定性と足部剛性は、成人に比較して著しく脆弱であるため、的確な保持および支持が必要であり、さらには軽微な足の諸問題や小児足部疾患を回避するため、ある程度の矯正的効果も視野に入れる必要がある。
【0036】
一方では、青年期になったときを考慮すると、走行ラインに対して真っ直ぐに足を運ぶことができるようになる癖をつけておくことが重要である。
【0037】
こうした人体発達学、走行における安定性および解剖学的知見並びに走行ラインに対して真っ直ぐに足を運ぶことができるようになる癖をつけておくということを鑑みて、子供の足の成長段階に適合した履き物用中敷き、およびこれを使用した履き物を提供するため、各々の足の成長段階に応じた上記図1図4の子供用インソールについて特徴を次から説明する。
【0038】
(ベビー用)
図1に示すように、ベビー用の足は、概ね足骨格を構成するのは、第1末節骨53と、第1基節骨43と、第2末節骨57と、第2中節骨55と、第2基節骨45と、第3末節骨61と、第3中節骨59と、第3基節骨47と、第4末節骨65と、第4中節骨63と、第4基節骨49と、第5末節骨69と、第5中節骨67と、第5基節骨51と、第1中足骨17と、第2中足骨19と、第3中足骨21と、第4中足骨23と、第5中足骨25と、距骨3と、踵骨1であるが、各々の骨の骨端部はまだ出現しておらず、前足部71を除いて特に中足部73、後足部75を構成する第1楔状骨、第2楔状骨、第3楔状骨、舟状骨、立方骨が出現していない。
【0039】
また、第1基節骨43と第1中足骨17との接続部分である母指球及び、第5中足骨25と第5基節骨51との接続部分である小指球もはっきりと出現していない(骨頭が大きくなっていない)。このため、本実施の形態では、ベビー仮母指球Ba、ベビー仮小指球SAと称する。
【0040】
このような、ベビー用の足を載置できるインソール(中敷ともいう)を図1に示している。図1に示すベビー用インソール100は、ベビー用横アーチ用凸部CAaと、ベビー用内側縦アーチ用凸部CAbとを形成している。外側縦アーチ用凸部なしにしているが、あってもよい。
【0041】
また、裏面には後述するベビー用屈曲誘導溝部Raを形成している。さらに、ベビー用インソールコーナ部100Aを形成している。このベビー用インソールコーナ部100Aは、図1に示すように、ベビー用インソール内側コーナ部100bと、ベビー用インソール踵コーナ100cと、ベビー用インソール外側コーナ部100aとよりなる。
【0042】
前述のベビー用インソール踵コーナ100cのベビー用インソール後端100Bの高さは非常に低い(周辺も低い)。例えば、後足部75が載置される後足載置領域部75Aの中心(ベビー用インソールヒール中心Paという)以上でベビー用横アーチ用凸部CAaの頂点以下の高さ(裏面からの高さ)となっている。なお、後足載置領域部75A(踵部対応領域ともいう)の形状は略楕円形状(75aと記載している)。
【0043】
なお、図1においては、当該インソールの前足部対応領域部71Aと、中足部対応領域部73Aと記載している。
また、ベビー用インソール外側コーナ部100aは、ベビー仮小指球SA付近から次第に高さを増して後足載置領域部75Aの先縁あたりで最大高さとなってベビー用インソール後端100Bに至る。
【0044】
さらに、ベビー用インソール内側コーナ部100bは、ベビー仮母指球Ba付近から次第に高さを増してベビー用横アーチ用凸部CAaの頂点付近あたりで最大高さとなってベビー用インソール後端100Bに至る。
【0045】
また、ベビー用屈曲誘導溝部部Raは、ベビー用インソール後端100Bとベビー用インソールヒール中心Paとを通ってベビー用インソール先端100Fに至る直線(ベビー用インソールヒール中心線LAaという)を記載している。
さらに、ベビー用屈曲誘導溝部部Raは、ベビー仮小指球SAの中心と、ベビー仮母指球Baの中心とを通る直線LAbに対してθa度(30度~38度:好ましくは34度)で裏面に刻まれている。
【0046】
このベビー用屈曲誘導溝部Raは、幅が2mm~3mm(2.5mm程度が好ましい)で長さが30mm~40mm(好ましくは35mm)で深さは0.3mm~0.6mm(0.4mm程度が好ましい)である。
具体的には、ベビー用屈曲誘導溝部Raの一方端は第3基節骨47と、第3中足骨21の骨頭との間付近であり、他方端は、第1中足骨17の骨頭下付近を通って内縁に至っている。
【0047】
次に、ベビー用インソールの詳細構造を図5及び図6を用いて説明する。但し、上図と同一符号のものについては説明を省略する。
図5(a)はベビー用インソール100の裏面図であり、図5(b)はベビー用インソール100を足内側縁方向から見た場合の側面図であり、図5(c)は図5(a)のA5-A5(Laライン)断面図である。
【0048】
図6はベビー用インソール100の横断図である。図6(a)は図5(a)のA1-A1断面であり、図6(b)は図5(a)のA2-A2断面である。図6(c)は図5(a)のA3-A3断面であり、図6(d)は図5(a)のA4-A4断面である。図6(e)は図5(a)のFa方向から見た場合の図である。
【0049】
図5(b)、図5(c)に示すように、ベビー用インソール100は下層部材(以下、ベビー下層部材110という:ウレタン)と、上層部材(以下、ベビー上層部材120という:ウレタン)と、表層部材(以下、ベビー表層部材130という:布地、不織布、ガーゼ)とを圧着して形成している。
【0050】
このベビー下層部材110は、子供の成長に合わせてインソール高さを調整することを可能となるものだから、高さ調整シート部材とも称する。
前述のベビー下層部材110は、図5(a)に示すように、裏面全体に張り付けられており、ベビー上層部材120を剥ぎ取ることができる。
【0051】
熱圧着でベビー上層部材120とベビー下層部材110とを圧着するので、ベビー下層部材110のベビー上層部材120と接触する面(表面)が、ベビー上層部材120の下面(裏面)にくっつき、成長によって靴が小さくなってきた場合は、このベビー下層部材110を剥ぎ取る。
【0052】
また、図5(a)に示すように、ベビー下層部材110(厚み1mm程度)、ベビー上層部材120(前足部対応領域部の厚み2mm程度)には、ベビー用屈曲誘導溝部Raが形成されている。このベビー用屈曲誘導溝部Raの詳細は後述するが、幅が2mm~3mm(2.5mm程度が好ましい)で長さが30mm~40mm(好ましくは35mm)の「斜めきりかけきりかけ部分」と、ベビー上層部材120の裏に設けられている上層側誘導溝[(深さは0.3mm~0.6mm(0.4mm程度が好ましい)、幅が0.6mm~1mm(0.6mm程度が好ましい)で、長さが28mm~38mm程度(好ましくは34mm程度))とよりなる。
【0053】
図5(b)に示すように、ベビー用インソール内側コーナ部100bはベビー用屈曲誘導溝部Ra付近から次第に立ち上がって、ベビー用横アーチ用凸部CAa付近に対向する内側縁の高さがhb7(11mm~13mm:好ましくは12mm(表層及びベビー下層部材110を含む))となっている。
【0054】
なお、図5(b)には、図5(a)のA5-A5(La)断面のベビー下層部材110の表面線(点線)を「Lad」と記載している。また、図5(a)のA5-A5(La)断面で見えるベビー用インソール外側コーナ部100aの表面を二重点線で示している。
また、図5(c)に示すように、前足対応領域部の高さはha1(2.5~3.3mm:好ましくは3.0mm)であり、ベビー用横アーチ用凸部CAaの頂点の高さはha2(5.0~6.0mm:好ましくは5.41mm)であり、踵部対応領域のベビー用インソールヒール中心Pa5付近の高さha3(厚み)は、3.0~3.4mm(好ましくは、3.26mm)である。
【0055】
また、ベビー用インソール後端100Bの高さは、ha4(3.8~4.8mm:好ましくは4.5mm)である。
さらに、図5(a)、図5(b)、図5(c)には、線Lm1と、Lk1と、Lk2とを記載して、ベビー下層部材110がベビー上層部材120に埋め込まれていることを説明する。但し、図5(b)は、裏面からのベビー下層部材110を斜線で示しているが、この斜線全部がベビー下層部材110ではない。実際は、線Lm1とLk1との間となっている。詳細は後述する図13で説明する。
【0056】
すなわち、図5(b)に示すように、足内側から見た場合は、ベビー下層部材110はLm1とLk1との範囲は、ベビー上層部材120に埋め込まれているので、見えない。このため、図5(b)ではベビー下層部材110を点線で示し、Lk1とLk2(100B)との間は、ベビー上層部材120であることを示すために白地にしている。
また、図5(b)には、100Bに向かうのに従って急激に高さが下がる範囲をLah(5mm~10mm:好ましくは8mm)と記載している。
【0057】
次に、図6を用いて詳細に説明する。図6(a)に示すように、図5(a)のA1-A1断面では高さda1(3.8~4.5mm:好ましくは4.01mm)である。
また、図6(b)に示すように、、図5(a)のA2-A2断面では高さda2(5.0~5.5mm:好ましくは5.36mm)である。ベビー用横アーチ用凸部CAaの頂点は、第2中足骨19の中央付近と、第3中足骨21の中央付近との間より、前側3mm~5mmのあたりにある。
【0058】
また、図6(c)に示すように、図6(a)のA3-A3断面では高さda3(3.1~3.5mm:好ましくは3.28mm)である。図6(c)に示すように、A3-A3断面は踵部対応領域の部分であり、高さも(厚みも)薄いのでベビー用横アーチ用凸部CAaが見えている。
【0059】
また、図6(d)に示すように、図5(a)のA4-A4断面では高さda4(3.9~4.3mm:好ましくは4.16mm)である。図6(d)に示すように、A4-A4断面は踵部対応領域において、ベビー用インソール踵コーナ100cを形成し始める箇所であるので、A3-A3断面よりは少し高くなっている。
【0060】
また、図6(e)は、図5(a)のFa方向からベビー用インソール踵コーナ100cを見た場合の側面図であるが、A4-A4断面の高さda4(3.9~4.3mm:好ましくは4.16mm)と比較すると、高さがha4(3.8~4.8mm:好ましくは4.5mm)であり、ほぼ踵対応領域部の高さ程度である。つまり、100Bの周囲が低い。
すなわち、ベビー用靴(図示せず)にベビー用インソール100は入れて、ベビーの足を入れた場合は、踵部が後ろ側のアッパーに蜜に接することになる。
【0061】
このため、足が前にずれることもないし、踵部(後足部)の周囲がベビー用インソール内側コーナ部100bと、ベビー用インソール外側コーナ部100aとで囲まれるので横ずれすることもない。
また、ベビー用横アーチ用凸部CAaは高さも低いので、幼児の骨格形成に影響を与えない。さらに、さらに、ベビー用屈曲誘導溝部部Raを形成しているので、骨格形成に影響を与えることなく、真っすぐに歩くことができる。
【0062】
(トドラー用)
トドラー用においても、足骨格、前足部、中足部、後足部、前足部対応領域部、中足部対応領域部、後足対応領域部は、上図と同一符号を用いて説明する。
【0063】
図2に示すように、トドラー用の足は、足骨格を構成するのは、第1末節骨53、第1基節骨43、第2末節骨57、第2中節骨55、第2基節骨45、第3末節骨61、第3中節骨59、第3基節骨47、第4末節骨65、第4中節骨63、第4基節骨49、第5末節骨69、第5中節骨67、第5基節骨51、第1中足骨17、第2中足骨19、第3中足骨21、第4中足骨23、第5中足骨25、第1楔状骨9、立方骨15、距骨3、踵骨1であり、前足部71および中足部73を構成する骨の骨端部が出現し、第2中足骨19の骨頭77b、第3中足骨21の骨頭77c、第4中足骨23の骨頭77d、第5中足骨25の骨頭77eが出現し、かつ第2楔状骨、第3楔状骨、舟状骨が出現していなことが特徴である。
【0064】
しかし、ベビー用の足と比較すると、骨は少し大きくなってはいるが、母指球及び、小指球もまだはっきりと出現していない(骨頭が大きくなっていない)。
上記のベビー用と区別するために、本実施の形態では、トドラー仮母指球Bb、トドラー仮小指球SBと称する。このような、トドラー用の足に用いるインソールをトドラー用インソール200と称している。
【0065】
図2に示すトドラー用インソール200は、トドラー用横アーチ用凸部CBaと、トドラー用内側縦アーチ用凸部CBbと、トドラー用外側縦アーチ用凸部CBcとを形成している。
【0066】
また、裏面には後述するトドラー用屈曲誘導溝部Rbを形成している。さらに、トドラー用インソールコーナ部200Aを形成している。このトドラー用インソールコーナ部200Aは、図2に示すように、トドラー用インソール内側コーナ部200bと、トドラー用インソール踵コーナ200cと、トドラー用インソール外側コーナ部200aとよりなる。
【0067】
前述のトドラー用インソール踵コーナ200cはトドラー用インソール後端200Bの高さは非常に低い。例えば、後足部75が載置される後足載置領域部75Aの中心(トドラー用インソールヒール中心Pbという)以上でトドラー用横アーチ用凸部CBaの頂点以下の高さ(裏面からの高さ)となっている。なお、後足載置領域部75A(踵部対応領域ともいう)の形状は略楕円形状である。
【0068】
なお、図2においては、当該インソールの前足部対応領域部71Aと、中足部対応領域部73Aと記載している。
また、トドラー用インソール外側コーナ部200aは、トドラー仮小指球SB付近から次第に高さを増して後足載置領域部75Aの先縁あたりで最大高さとなってトドラー用インソール後端200Bに至る。
【0069】
さらに、トドラー用インソール内側コーナ部200bは、トドラー仮母指球Bb付近から次第に高さを増してトドラー用横アーチ用凸部CBaの頂点付近あたりで最大高さとなってトドラー用インソール後端200Bに至る。
【0070】
また、トドラー用屈曲誘導溝部部Rbは、トドラー用インソール後端200Bとトドラー用インソールヒール中心Pbとを通ってトドラー用インソール先端200Fに至る直線(トドラー用インソールヒール中心線LBaという)を記載している。
さらに、トドラー用屈曲誘導溝部部Rbは、トドラー仮小指球SBの中心と、トドラー仮母指球Bbの中心とを通る直線LBbに対してθb度(30度~38度:好ましくは34度)で裏面に刻まれている。
【0071】
このトドラー用屈曲誘導溝部Rbは、幅が2mm~3mm(2.5mm程度が好ましい)で長さが30mm~40mm(好ましくは35.5mm)で深さは0.3mm~0.6mm(0.4mm程度が好ましい)である。
具体的には、トドラー用屈曲誘導溝部Rbの一方端Rbaは第3中足骨21の骨頭77cと第3基節骨47の間付近であり、他方端Rbbは、第1中足骨17の骨頭下付近を斜めに通って内縁に至っている。
【0072】
次に、トドラー用インソールの詳細構造を図7及び図8を用いて説明する。但し、上図と同一符号のものについては説明を省略する。
図7(a)はトドラー用インソール200の裏面図であり、図7(b)はトドラー用インソール200を足内側縁方向から見た場合の側面図であり、図7(c)は図7(a)のB5-B5(Lbライン)断面図である。
【0073】
図8はトドラー用インソール200の横断図である。図8(a)は図7(a)のB1-B1断面であり、図8(b)は図7(a)のB2-B2断面である。図8(c)は図7(a)のB3-B3断面であり、図8(d)は図7(a)のB4-B4断面である。図8(e)は図7(a)のFb方向から見た場合の図である。
【0074】
図7(b)、図7(c)に示すように、トドラー用インソール200はトドラー下層部材210(ウレタン)と、トドラー上層部材220(ウレタン)と、トドラー表層部材230(布地、不織布又はガーゼ)とを圧着して形成している。
前述の下層部材220は、図7(a)に示すように、裏面全体に張り付けられており、上層部材220を剥ぎ取ることができる。
【0075】
熱圧着で上層部材220とトドラート下層部材210とを圧着するので、トドラー下層部材210のトドラー上層部材220(前足部対応領域部の厚みは2.3mm程度)と接触する面(表面)がドラー下層部材210の下面(裏面)にくっつき、成長によって靴が小さくなってきた場合は、このトドラー下層部材210を剥ぎ取る。
【0076】
また、図7(a)に示すようにトドラー下層部材210には、トドラー用屈曲誘導溝部Rbが形成されている。このトドラー用屈曲誘導溝部Rbの詳細は後述するが、トドラー下層部材210(厚みは1mm程度)に設けられるのは、幅が2mm~3mm(2.5mm程度が好ましい)で長さが30mm~40mm(好ましくは35mm)の「斜めきりかけ部分」と、上層部材220に設けられている上層側誘導溝[(深さは0.3mm~0.6mm(0.4mm程度が好ましい)、幅が0.6mm~1mm(0.6mm程度が好ましい)で、長さが28mm~38mm程度(好ましくは36mm程度))よりなる。
【0077】
図7(b)に示すように、上層部材210のトドラー用インソール内側コーナ部200bはトドラー用屈曲誘導溝部Rb付近から次第に立ち上がって、トドラー用横アーチ用凸部CBa付近で高さがhb7(12mm~14mm:好ましくは13mm(表層及びトドラー下層部材210を含む))となっている。
【0078】
なお、図7(b)には、図7(a)のB5-B5(Lb)断面のトドラー下層部材210の表面線(点線)を「Lbd」と記載している。また、図7(a)のB5-B5(Lb)断面で見えるトドラー用インソール外側コーナ部200aの表面を二十点線で示している。
【0079】
また、図7(c)に示すように、前足対応領域部の高さはhb1(2.7~3.8mm:好ましくは3.6mm)であり、トドラー用横アーチ用凸部CBaの頂点の高さはhb2(6.0~8.0mm:好ましくは7.53mm)であり、踵部対応領域のトドラー用インソールヒール中心Pb付近の高さhb3(厚み)は、4.0~4.5mm(好ましくは、4.47mm)である。
【0080】
また、トドラー用インソール後端200Bの高さは、hb4(6.3~7.3mm:好ましくは6.8mm)である。
さらに、図7(a)、図7(b)、図7(c)には、線Lm2と、Lk3と、Lk4とを記載して、トドラー下層部材210がトドラー上層部材220に埋め込まれていることを説明する。但し、図7(b)は、裏面からのトドラー下層部材210を斜線で示しているが、この斜線全部がトドラー下層部材210ではない。実際は、線Lm2とLk2との間である。詳細は後述する図13で説明する。
【0081】
すなわち、図7(b)に示すように、足内側から見た場合は、トドラー下層部材210はLm2とLk3との範囲は、トドラー上層部材220に埋め込まれているので、見えない。このため、図7(b)ではトドラー下層部材210を点線で示し、Lk3とLk4(200B)との間は、トドラー上層部材220であることを示すために白地にしている。
また、図7(b)には、200Bに向かうのに従って急激に高さが下がる箇所は図5(b)のLah(5mm~10mm:好ましくは8mm)と同様である。
【0082】
次に、図8を用いて詳細に説明する。図8(a)に示すように、図7(a)のB1-B1断面では高さdb1(4.3~4.8mm:好ましくは4.48mm)である。
また、図8(b)に示すように、図7(a)のB2-B2断面では高さdb2(6.8~7.3mm:好ましくは7.17mm)である。
【0083】
また、図8(c)に示すように、図7(a)のB3-B3断面では高さdb3(4.1~4.6mm:好ましくは4.52mm)である。図8(c)に示すように、B3-B3断面は踵部対応領域の部分であり、高さも(厚みも)薄いのでトドラー用横アーチ用凸部CBaが見えている。
【0084】
また、図8(d)に示すように、図7(a)のB4-B4断面では高さdb4(4.8~5.3mm:好ましくは5.17mm)である。B4-B4断面は、B3-B3断面よりは少し高くなっている。
【0085】
また、図8(e)は、図7(a)のFc方向からトドラー用インソール踵コーナ200cを見た場合の側面図であるが、B4-B4断面と比較すると、高さがhb4(5.8~6.8mm:好ましくは6.5mm:200B)であり、踵対応領域部の高さより少し高い程度である。すなわち、トドラー用靴(図示せず)にトドラー用インソール200を入れて、トドラーの足を入れた場合は、踵部が後ろ側のアッパーに蜜に接することになる。
【0086】
このため、足が前にずれることもないし、踵部(後足部)の周囲がトドラー用インソール内側コーナ部200bと、トドラー用インソール外側コーナ部200aとで囲まれるので横ずれすることもない。
また、トドラー用横アーチ用凸部CBaは高さも低いので、トドラー児の骨格形成に影響を与えない。さらに、トドラー用屈曲誘導溝部部Rbを形成しているので、真っすぐに歩くことができる。
【0087】
(プレジュニア)
図3に示すように、プレジュニア用の足は、概ね足骨格を構成するのは、基本的に成人と同様であるが、その骨は発達途上であり、特に第1末節骨53、第1基節骨43、第2末節骨57、第2中節骨55、第2基節骨45、第3末節骨61、第3中節骨59、第3基節骨47、第4末節骨65、第4中節骨63、第4基節骨49、第5 末節骨69、第5中節骨67、第5基節骨51、第1中足骨17、第2中足骨19、第3 中足骨21、第4中足骨23、第5中足骨25では、骨端部が出現し、骨幹部とは骨端軟骨による軟骨性結合であるため強度が弱く、第1楔状骨9、第2楔状骨11、第3楔状骨13、立方骨15、舟状骨7、踵骨1、距骨3は出現しているものの、その骨形状は丸く、強固な関節を構成するには至っていないことが特徴である。
【0088】
従って、図3に示すように、足を構成する全ての骨が出現しているため、この状態が基本となって成長することになり、この時期から次第に足骨格の基本構造である3つのアーチを正しい位置に保持することが重要である。
成人では内側縦アーチを保持するために、その頂点を構成する舟状骨7の直下に、内側縦アーチ部の頂点を位置させるが、発達途上の骨形状は強固な関節を構成しないため、内側縦アーチの中央部付近に、その頂点を位置させ、全体的に内側縦アーチを保持するようにし、足が内倒れしない機能が要求される。
【0089】
また、横アーチについては、第1中足骨17~第5中足骨25間を連結する靭帯や筋肉が 発達途上であり、骨端部も出現して基本的な骨構造を呈してくるため、横アーチ部により圧迫を加えて、横アーチの正しい形成を促進させることが重要である。
一方、外側縦アーチについては、これを構成する立方骨15が成長しているので、骨配列を保持するための外側縦アーチ部の圧迫により、足が外倒れしない機能が要求され 、内側縦アーチ部と外側縦アーチ部が足を両側から挟み込むようにして、安定性を増加させることが必要である。
【0090】
立位および歩行時に重要となる踵、つまり踵骨1は、相当発達してきているものの、未だ不安定であるため、足全体の支持が不十分となるので、コーナによって 、踵骨1を垂直に支持し、後足部75を支持することが必要である。
また、第1基節骨43と第1中足骨17との接続部分である母指球及び、第5中足骨25と第5基節骨51との接続部分である小指球も完全ではない(骨頭が完全に大きくなっていない)。このため、本実施の形態では、プレジュニア母指球Bc、プレジュニア小指球SCと称する。
【0091】
このような、プレジュニア用の足を載置できるインソール(中敷ともいう)を図3に示している。図3に示すプレジュニア用インソール300は、プレジュニア用横アーチ用凸部CCaと、プレジュニア用内側縦アーチ用凸部CCbと、プレジュニア用外側縦アーチ用凸部CCcとを形成している。
【0092】

また、裏面には後述するプレジュニア用屈曲誘導溝部Rcを形成している。さらに、プレジュニア用インソールコーナ部300Aを形成している。このプレジュニア用インソールコーナ部300Aは、図3に示すように、プレジュニア用インソール内側コーナ部300bと、プレジュニア用インソール踵コーナ300cと、プレジュニア用インソール外側コーナ部300aとよりなる。つまり、300Bは低い。
【0093】
前述のプレジュニア用インソール外側コーナ部300aはプレジュニア用インソール後端300Bの高さは非常に低い。例えば、後足部75が載置される後足載置領域部75Aの中心(プレジュニア用インソールヒール中心Pcという)以上でプレジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点以下の高さ(裏面からの高さ)となっている。なお、後足載置領域部75A(踵部対応領域ともいう)の形状は略楕円形状である。
なお、図3においては、当該インソールの前足部対応領域部71Aと、中足部対応領域部73Aと記載している。
【0094】
また、プレジュニア用インソール外側コーナ部300aは、プレジュニア小指球SC付近から次第に高さを増して後足載置領域部75Aの先縁あたりで最大高さとなってプレジュニア用インソール後端300Bに至る。
一方、プレジュニア用インソール内側コーナ部300bは、プレジュニア母指球BC付近から次第に高さを増してプレジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点付近あたりで最大高さとなってプレジュニア用インソール後端300Bに至る。
【0095】
また、プレジュニア用屈曲誘導溝部部Rcは、プレジュニア用インソール後端300Bとプレジュニア用インソールヒール中心Pcとを通ってプレジュニア用インソール先端300Fに至る直線(プレジュニア用インソールヒール中心線LCaという)を記載している。
さらに、プレジュニア用屈曲誘導溝部部Rcは、プレジュニア小指球SCの中心と、プレジュニア母指球BCの中心とを通る直線LCbに対してθc度(25度~35度:好ましくは32度)で裏面に刻まれている。
【0096】
具体的には、プレジュニア用屈曲誘導溝部Rcの一方端Rcaは第3基節骨47と、第3中足骨21の骨頭との間付近であり、他方端Rcbは、第1中足骨17の骨頭下付近を斜めに通って内縁に至っている。
【0097】
次に、プレジュニア用インソールの詳細構造を図9及び図10を用いて説明する。但し、上図と同一符号のものについては説明を省略する。
図9(a)はプレジュニア用インソール300の裏面図であり、図9(b)はプレジュニア用インソール300を足内側縁方向から見た場合の側面図であり、図9(c)は図9(a)のC5-C5(Lcライン)断面図である。
【0098】
図10はプレジュニア用インソール300の横断図である。図10(a)は図9(a)のC1-C1断面であり、図10(b)は図9(a)のC2-C2断面である。図10(c)は図9(a)のC3-C3断面であり、図10(d)は図9(a)のC4-C4断面である。図10(e)は図9(a)のFc方向から見た場合の図である。
【0099】
図9(b)、図9(c)に示すように、プレジュニア用インソール300はプレジュニア下層部材310(ウレタン)と、プレジュニア上層部材320(ウレタン)と、プレジュニア表層部材330(布地、不織布、ガーゼ)とを圧着して形成している。前述のプレジュニア下層部材310は、図9(a)に示すように、裏面全体に張り付けられており、プレジュニア上層部材320を剥ぎ取ることができる。
【0100】
熱圧着でプレジュニア上層部材320とプレジュニア下層部材310とを圧着するので、プレジュニア下層部材310のプレジュニア上層部材320と接触する面(表面)がプレジュニア下層部材310の下面(裏面)にくっつき、成長によって靴が小さくなってきた場合は、このプレジュニア下層部材310を剥ぎ取る。
【0101】
また、図9(a)に示すようにプレジュニア下層部材310には、プレジュニア用屈曲誘導溝部Rcが形成されている。このプレジュニア用屈曲誘導溝部Rcの詳細は後述するが、プレジュニア下層部材310(厚みは1mm~2mm程度:好ましくは1.5mm)に設けられるのは、幅が3・5mm~4mm(3.2mm程度が好ましい)で長さが35mm~43mm(好ましくは40mm)の「斜めきりかけ部分」と、プレジュニア上層部材320に設けられている上層側誘導溝[(深さは0.8mm~1.0mm(0.8mm程度が好ましい)、幅が0.7mm~1.2mm(0.8mm程度が好ましい)で、長さが30mm~40mm程度(好ましくは38mm程度))とよりなる。
【0102】
図9(b)に示すように、プレジュニア上層部材320のプレジュニア用インソール内側コーナ部300bはプレジュニア用屈曲誘導溝部Rc付近から次第に立ち上がって、プレジュニア用横アーチ用凸部CCa付近で高さがhc7(14mm~17mm:好ましくは15.5mm(表層及びプレジュニア下層部材310を含む))となっている。
【0103】
なお、図9(b)には、図9(a)のC5-C5(Lc)断面のプレジュニア下層部材310の表面線(点線)を「Lcd」と記載している。また、図9(a)のC5-C5(Lc)断面で見えるベプレジュニア用インソール外側コーナ部300aの表面を二重点線で示している。
【0104】
また、図9(c)に示すように、前足対応領域部の高さはhc1(3.5~4.5mm:好ましくは4.08mm)であり、プレジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点の高さはhc2(6.5~7.5mm:好ましくは6.88mm)であり、踵部対応領域のプレジュニア用インソールヒール中心Pc付近の高さhc3(厚み)は、2.5~3.4mm(好ましくは、2.75mm)である。
【0105】
また、プレジュニア用インソール後端300Bの高さは、hc4(3.4~4.2mm:好ましくは3.8mm)である。
さらに、図9(a)、図9(b)、図9(c)には、線Lm3と、Lk5と、Lk6とを記載して、プレジュニア下層部材310がプレジュニア上層部材320に埋め込まれていることを説明する。但し、図9(b)は、裏面からのプレジュニア下層部材310を斜線で示しているが、この斜線全部がプレジュニア下層部材310ではない。実際は、線Lm3とLk5との間である。詳細は後述する図13で説明する。
【0106】
すなわち、図9(b)に示すように、足内側から見た場合は、プレジュニア下層部材310はLm3とLk5との範囲は、プレジュニア上層部材320に埋め込まれているので、見えない。このため、図9(b)ではプレジュニア下層部材310を点線で示し、Lk5とLk6(300B)との間は、プレジュニア上層部材320であることを示すために白地にしている。
【0107】
また、図9(b)には、300Bに向かうのに従って急激に高さが下がり始める箇所はhc8と記載している当たりである。
次に、図10を用いて詳細に説明する。図10(a)に示すように、図9(a)のC1-C1断面では高さdc1(3.8~4.5mm:好ましくは4.08mm)である。
また、図10(b)に示すように、図9(a)のC2-C2断面では高さdh2(6.5~7.0mm:好ましくは6.97mm)である。
【0108】
また、図10(c)に示すように、図10(a)のC3-C3断面では高さdc3(2.8~3.5mm:好ましくは3.13mm)である。図10(c)に示すように、C3-C3断面は踵部対応領域の部分であり、高さも(厚みも)薄いのでプレジュニア用横アーチ用凸部CCaが見えている。
【0109】
また、図10(d)に示すように、図5(a)のA4-A4断面では高da4(3.9~4.3mm:好ましくは4.16mm)である。図6(d)に示すように、A4-A4断面は踵部対応領域において、ベビー用インソール踵コーナ100cを形成し始める箇所であるので、A3-A3断面よりは少し高くなっている。
【0110】
また、図10(e)は、図9(a)のFc方向からプレジュニア用インソール踵コーナ300cを見た場合の側面図であるが、C4-C4断面の高さ高dc4(3.9~4.3mm:好ましくは4.16mm)と比較すると、高さがhc4(3.8~4.8mm:好ましくは4.5mm)であり、ほぼ踵対応領域部の高さ程度である。
【0111】
すなわち、プレジュニア用靴(図示せず)にプレジュニア用インソール300は入れて、足を入れた場合は、踵部が後ろ側のアッパーに蜜に接することになる。このため、足が前にずれることもないし、踵部(後足部)の周囲がプレジュニア用インソール内側コーナ部300bと、プレジュニア用インソール外側コーナ部300aとで囲まれるので横ずれすることもない。
【0112】
また、プレジュニア用横アーチ用凸部CCaはトドラーと比較すると、高さは少し高いだけなので、プレジュニアの骨格形成に影響を与えない。さらに、プレジュニア用屈曲誘導溝部部Rcを形成しているので、真っすぐに歩くことができる。
【0113】
(ジュニア)
図4に示すように、ジュニア用の足は、概ね足骨格を構成するのは、基本的に成人と同様であるが、その骨は発達途上であり、すでに成人の小型の形状を呈し、特に第1末節骨53、第1基節骨43、第2末節骨57、第2中節骨55、第2基節骨45、第3末節骨61、第3中節骨59、第3基節骨47、第4末節骨65、第4中節骨63、第4基節骨49、第5末節骨69、第5中節骨67、第5基節骨51、第1中足骨17、第2中足骨19、第3中足骨21、第4中足骨23、第5中足骨25では、骨端部が発達し、骨幹部とは骨端軟骨による軟骨性結合であるものの、ある程度の強度があり、第1楔状骨9、第2楔状骨11、第3楔状骨13、立方骨15、舟状骨7、踵骨1、踵骨3は、強固な関節を構成するには至っていないが、ある程度の強度があり、成人に準じた状態であることが特徴である。
【0114】
このため、本実施の形態では、母指球をジュニア母指球Bd、小指球をジュニア小指球SDと称する。
このような、ジュニア用の足を載置できるインソール(中敷ともいう)を図4に示している。図4に示すジュニア用インソール400は、ジュニア用横アーチ用凸部CDaと、ジュニア用内側縦アーチ用凸部CDbと、ジュニア用外側縦アーチ用凸部CDcとを形成している。
【0115】
また、裏面には後述するベビー用屈曲誘導溝部Rdを形成している。さらに、ジュニア用インソールコーナ部400Aを形成している。このジュニア用インソールコーナ部400Aは、図4に示すように、ジュニア用インソール内側コーナ部400bと、ジュニア用インソール踵コーナ400cと、ジュニア用インソール外側コーナ部400aとよりなる。
【0116】
前述のジュニア用インソール外側コーナ部400aはジュニア用インソール後端400Bの高さは非常に低い。例えば、後足部75が載置される後足載置領域部75Aの中心(ジュニア用インソールヒール中心Pdという)以上でジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点以下の高さ(裏面からの高さ)となっている。なお、後足載置領域部75A(踵部対応領域ともいう)の形状は略楕円形状である。
【0117】
なお、図4においては、当該インソールの前足部対応領域部71Aと、中足部対応領域部73Aと記載している。
また、ジュニア用インソール外側コーナ部400aは、ジュニア小指球SD付近から次第に高さを増して後足載置領域部75Aの先縁あたりで最大高さとなってジュニア用インソール後端400Bに至る。
【0118】
さらに、ジュニア用インソール内側コーナ部400bは、ジュニア母指球Bd付近から次第に高さを増してジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点付近あたりで最大高さとなってジュニア用インソール後端400Bに至る。
また、ジュニア用屈曲誘導溝部部Rdは、ジュニア用インソール後端400Bとジュニア用インソールヒール中心Pdとを通ってジュニア用インソール先端400Fに至る直線(ジュニア用インソールヒール中心線LDaという)を記載している。
【0119】
さらに、ジュニア用屈曲誘導溝部部Rdは、ジュニア小指球SDの中心と、ジュニア母指球BDの中心とを通る直線LDbに対してθd度(25度~36度:好ましくは35度)で裏面に刻まれている。
このジュニア用屈曲誘導溝部Rdは、幅が3.5mm~5mm(4.5mm程度が好ましい)で長さが35mm~50mm(好ましくは40mm)で深さは0.5mm~1mm(0.8mm程度が好ましい)である。
【0120】
具体的には、ジュニア用屈曲誘導溝部Rdの一方端Rdaは第3基節骨47と、第3中足骨21の骨頭との間付近であり、他方端Rdbは、第1中足骨17の骨頭下付近を斜めに通って内縁に至っている。
次に、ジュニア用インソールの詳細構造を図11及び図12を用いて説明する。但し、上図と同一符号のものについては説明を省略する。
【0121】
図11(a)はジュニア用インソール400の裏面図であり、図11(b)はジュニア用インソール400を足内側縁方向から見た場合の側面図であり、図11(c)は図11(a)のD5-D5(Ldライン)断面図である。
図12はジュニア用インソール400の切断片の断面図である。図12(a)は図11(a)のD1-D1断面であり、図12(b)は図11(a)のD2-D2断面である。
図12(c)は図6(a)のD3-D3断面であり、図12(d)は図12(a)のD4-D4断面である。図12(e)は図11(a)のFd方向から見た場合の図である。
【0122】
図11(b)、図11(c)に示すように、ジュニア用インソール400はジュニア下層部材410という:ウレタン)と、ジュニア上層部材420という:ウレタン)と、ジュニア表層部材430(布地、不織布、ガーゼ)とを圧着して形成している。前述のジュニア下層部材410は、図11(a)に示すように、裏面全体に張り付けられており、ジュニア上層部材420を剥ぎ取ることができる。
【0123】
熱圧着でジュニア上層部材420とジュニア下層部材410とを圧着するので、ジュニア下層部材410のジュニア上層部材420と接触する面(表面)が、ジュニア上層部材420の下面(裏面)にくっつき、成長によって靴が小さくなってきた場合は、このジュニア下層部材410を剥ぎ取る。
【0124】
また、図11(a)に示すように、ジュニア下層部材410(厚み1mm~2mm程度:好ましくは1.5mm)、ジュニア上層部材420(前足部対応領域部の厚み3mm程度)には、ジュニア用屈曲誘導溝部Rdが形成されている。このジュニア用屈曲誘導溝部Rdの詳細は後述するが、幅が4mm~6mm(4.5mm程度が好ましい)で長さが40mm~46mm(好ましくは43mm)の「斜めきりかけ部分」と、ジュニア上層部材420に設けられているジュニア上層側誘導溝[(深さは0.5mm~1.3mm(1.0mm程度が好ましい)、幅が2.3mm~3.5mm(3.0m程度が好ましい)で、長さが40mm~43mm程度(好ましくは41mm程度)]とよりなる。
【0125】
図11(b)に示すように、ジュニア用インソール内側コーナ部400bはジュニア用屈曲誘導溝部Rd付近から次第に立ち上がって、ジュニア用横アーチ用凸部CCa付近で高さがhd7(12mm~14mm:表層及びジュニア下層部材410を含む))となっている。
なお、図11(b)には、図11(a)のD5-D5(Ld)断面のジュニア下層部材410の表面線(点線)を「Ldd」と記載している。また、図11(a)のD5-D5(Ld)断面で見えるジュニア用インソール外側コーナ部400aの表面を二重点線で示している。
【0126】
また、図11(c)に示すように、前足対応領域部の高さはhd1(2.5~3.3mm:好ましくは3.0mm)であり、ジュニア用横アーチ用凸部CCaの頂点の高さはhd2(7.0~8.0mm:好ましくは7.56mm)であり、踵部対応領域のジュニア用インソールヒール中心Pd付近の高さhd3(厚み)は、3.2mm~3.6mm(好ましくは、3.46mm)である。
【0127】
また、ジュニア用インソール後端400Bの高さは、hd4(3.8~4.8mm:好ましくは4.5mm)である。
さらに、図11(a)、図11(b)、図11(c)には、線Lm5と、Lk7と、Lk8とを記載して、ジュニア下層部材410がジュニア上層部材420に埋め込まれていることを説明する。但し、図11(b)は、裏面からのジュニア下層部材410を斜線で示しているが、この斜線全部がジュニア下層部材410ではない。実際は、線Lm5とLk7との間になっている。詳細は後述する図13で説明する。
【0128】
すなわち、図11(b)に示すように、足内側から見た場合は、ジュニア下層部材410はLm5とLk7との範囲は、ジュニア上層部材420に埋め込まれているので、見えない。このため、図11(b)ではジュニア下層部材410を点線で示し、Lk7とLk8(400B)との間は、ジュニア上層部材420であることを示すために白地にしている。
【0129】
また、図11(b)には、400Bに向かうのに従って急激に高さが下がる箇所をhd9(5mm~10mm:好ましくは8mm)と記載している。なお、LddはD5-D5(Ld)断面でのジュニア上層部材420の表面を示す。
次に、図12を用いて詳細に説明する。図12(a)に示すように、図11(a)のD1-D1断面では高さdd1(3.8~4.5mm:好ましくは4.01mm)である。
また、図12(b)に示すように、、図11(a)のD2-D2断面では高さdd2(5.8~6.2mm:好ましくは6.02mm)である。
【0130】
また、図12(c)に示すように、図11(b)のD3-D3断面では高さdd3(3.0~3.6mm:好ましくは3.47mm)である。図12(c)に示すように、D3-D3断面は踵部対応領域の部分であり、高さも(厚みも)薄いのでジュニア用横アーチ用凸部CCaが見えている。
【0131】
また、図12(d)に示すように、図11(a)のD4-D4断面では高さdh4(3.0~3.6mm:好ましくは3.47mm)である。図12(d)に示すように、D4-D4断面は踵部対応領域において、ジュニア用インソール踵コーナ400cを形成し始める箇所であるので、D3-D3断面よりは少し高くなっている。
【0132】
また、図12(e)は、図6(a)のFd方向からジュニア用インソール踵コーナ400cを見た場合の側面図であるが、D4-D4断面の高さdd4(3.5mm)と比較すると、高さがhd4(3.8~4.8mm:好ましくは4.5mm)であり、僅かになっているが、ほぼ踵対応領域部の高さ程度である。
【0133】
すなわち、ベビー用靴(図示せず)にジュニア用インソール400は入れて、ジュニアの足を入れた場合は、踵部が後ろ側のアッパーに蜜に接することになる。このため、足が前にずれることもないし、踵部(後足部)の周囲がジュニア用インソール内側コーナ部400bと、ジュニア用インソール外側コーナ部400aとで囲まれるので横ずれすることもない。
【0134】
また、各凸部は高さも成人とさほど変わらないので、3アーチを適切に保てる。
さらに、ジュニア用屈曲誘導溝部部Rdを形成しているので、真っすぐに歩くことができる。
【0135】
(下層部材と上層部材の詳細説明)
図13は本実施の形態の下層部材と上層部材の詳細構成図である。本実施の形態では、ジュニア用を例にして説明する。図13(a)はジュニア下層部材410を示し、図13(b)にはジュニア上層部材420を示し、図13(c)にはジュニア上層部材420にジュニア下層部材410を熱圧着して形成したジュニア用インソール400の裏面を示す。
さらに、図13(d)には、図13(b)のm-m断面を示す。
【0136】
図13(a)に示すように、ジュニア下層部材410には、ジュニア用屈曲誘導溝部Rdを形成するための、「斜めきりかけ」部分Rd1が形成されている。この「斜めきりかけ」部分Rd1は、幅が4.0mm~6mm(4.5mm程度が好ましい)で長さが40mm~46mm(好ましくは43mm)である。
【0137】
一方、図13(b)に示すように、ジュニア上層部材420の裏には、ジュニア用屈曲誘導溝部Rdを形成するための、斜め溝Rd2が形成されている。この斜め溝Rd2は、幅が3.0mm~3.5mm(3mm程度が好ましい)で長さが40mm~43mm(好ましくは41mm)である。
【0138】
また、ジュニア上層部材420の裏には、略U字状壁420Lが形成されている。この略U字状壁420Lによって略U字状壁420Lに囲まれている部分は凹状にされている(図13(d)参照)。ただし、外側の略U字状壁420Lは前側に向かうに従って高さが低くなっている。
従って、ジュニア上層部材420の略U字状壁420Lにジュニア下層部材410をはめて熱圧着すると、図13(c)に示すように一体化する。
【0139】
(使用例)
また、本実施の形態の子供用インソールは、後端が低くなっている。このため、子供用インソールを靴に入れて、子供が履いた場合は、図14に示すように、足の踵は、略平行に載ることになり、かつ踵端がアッパーに密着する。 このため、元気には走ったとしても、靴が抜けにくい。従って安全である。さらに、コーナ(内、外)によって踵骨が略包み込まれるようになるので、さらに安全である。
【0140】
なお、図14にはアッパー500と、ジュニア用インソール400と、中底520と、本底540を示している。
すなわち、子供用インソールの裏面に所定角度(θa、θb、θc、θd)の屈曲誘導溝部を有することで、歩行又は走行時での足の着地時には、従来の歩行ラインに対する向き角度よりも、より内側に向くことになる。
【0141】
具体的には、母指球を抜ける荷重方向も歩行ライン側にやや向かって荷重軌跡として抜けていく。すなわち、蹴出し時には、歩行ライン及び膝進行方向略平行となるので、膝、足首等をはじめ体に負担をかけることなく蹴り出すことができるので姿勢を崩すことなく歩行ができる。
【0142】
(他の実施形態)
なお、表層部材は、織物、編み物、不織布などの生地や 、合成皮革あるいは天然皮革でもかまわない。下層部材は、弾性体(スポンジ、エラストマ-)またはコルクであってもよい。
【0143】
市販の子供用履き物のサイズの多くは、1cm刻みであるため、その中間サイズ、例え ば16cmと17cmの間の16.5cmのように、0.5cm刻みの微調整ができれば、成長する子供足に一層適合した履き物として例えば靴を使用させることができる。
【0144】
すなわち、子供用履き物に使用した場合、成長によって靴がきつくなった時点で、サイズ調整シートである下層部材を剥ぎ取ると、例えば0.5cm刻みの微調整ができる。
【0145】
また、上記実施の形態では、下層部材を上層部材に埋め込むような構造(略U字状壁420Lを有する裏面が凹型)としたが、上層部材の裏面全体を平らにして、単に上記説明の下層部材を熱圧着してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1 踵骨
3 距骨
7 舟状骨
15 立方骨
17 第1中足骨
19 第2中足骨
21 第3中足骨
23 第4中足骨
25 第5中足骨
27 第5中足骨骨底
29 第1中足骨 骨 頭
31 第2中足骨 骨 頭
33 第3中足骨 骨 頭
35 第4中足骨 骨 頭
37 第5中足骨 骨 頭
71 前足部
73 中足部
75 後足部
100 ベビー用インソール
200 トドラー用インソール
300 プレジュニア用インソール
400 ジュニア用インソール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14