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特許7644665圃場管理方法、圃場管理システム、及び圃場管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】圃場管理方法、圃場管理システム、及び圃場管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20250305BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20250305BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250305BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/02
G06T7/00 640
A01G7/00 603
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021103765
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2023002917
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】田中 徹士
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104008552(CN,A)
【文献】特開2013-145507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 7/00
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、前記圃場を含む領域の輪郭を検出することと、
前記複数の撮像画像において検出された前記輪郭に基づき、前記輪郭に囲まれた前記圃場の圃場領域を検出することと、
を含む圃場管理方法。
【請求項2】
前記圃場を検出することは、
前記複数の撮像画像において検出された前記輪郭を重ねることで、前記輪郭に囲まれた前記圃場を検出すること
を含む請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項3】
前記複数の撮像画像は、電波を用いて撮像した電波画像を含む
請求項1または2に記載の圃場管理方法。
【請求項4】
前記複数の撮像画像における検出された前記圃場の変化に基づき、前記圃場で行われた作業の種類を検出することをさらに含む
請求項1から3のいずれか1項に記載の圃場管理方法。
【請求項5】
前記複数の撮像画像は光波を用いて撮像した光波画像を含み、
前記圃場で行われた作業の種類を検出することは、
前記光波画像おける前記圃場の変化に基づき、前記圃場で行われた作業の種類を検出すること
を含む請求項4に記載の圃場管理方法。
【請求項6】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における前記圃場の変化に基づき、前記圃場で行われた作業の種類を検出することと、
検出された前記作業の種類を表す作業情報を出力することと、
を含む圃場管理方法。
【請求項7】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、前記圃場を含む領域の輪郭を検出する輪郭検出部と、
前記複数の撮像画像において検出された前記輪郭に基づき、前記輪郭に囲まれた前記圃場を検出する圃場検出部と、
を備える圃場管理システム。
【請求項8】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における前記圃場の変化に基づき、前記圃場で行われた作業の種類を検出する作業検出部と、
検出された前記作業の種類を表す作業情報を出力する出力部と、
を備える圃場管理システム。
【請求項9】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、前記圃場を含む領域の輪郭を検出することと、
前記複数の撮像画像において検出された前記輪郭に基づき、前記輪郭に囲まれた前記圃場の圃場領域を検出することと、
を演算装置に実行させる圃場管理プログラム。
【請求項10】
異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における前記圃場の変化に基づき、前記圃場で行われた作業の種類を検出することと、
検出された前記作業の種類を表す作業情報を出力することと、
を演算装置に実行させる圃場管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場管理方法、圃場管理システム、及び圃場管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圃場において行われた作業に関する情報を用いて栽培管理の分析を行うことが研究されている。栽培管理の分析を行うために、作業が行われる圃場がシステムに登録される場合がある。
【0003】
特許文献1には、上空から撮像した衛星写真と、作業装置が圃場内を走行した走行経路データとに基づき、圃場の形状を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-101446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、作業装置が圃場内を走行した走行経路データを必要とし、走行経路データが不足しているとき、圃場を検出できない。また、圃場の形状を特定するために、各圃場の領域を分割して検出可能な衛星写真を用いる。しかし、衛星写真を撮像した時期によっては、衛星写真に写された画像から隣接する複数の圃場の領域を分割できない場合がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、上空から撮像した撮像画像を利用することで、ユーザによる圃場の情報の入力操作を低減し、栽培管理の分析を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理方法は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、圃場(400)を含む領域(500)の輪郭(510)を検出することを含む。また、圃場管理方法は、複数の撮像画像において検出された輪郭(510)に基づき、輪郭(510)に囲まれた圃場(400)の圃場領域を検出することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理方法は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における圃場(400)の変化に基づき、圃場(400)で行われた作業を検出することを含む。また、圃場管理方法は、検出された作業を表す作業情報を出力することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理システム(1000)は、輪郭検出部(150)と、圃場管理部(160)とを備える。輪郭検出部(150)は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、圃場(400)を含む領域(500)の輪郭(510)を検出する。圃場管理部(160)は、複数の撮像画像において検出された輪郭(510)に基づき、輪郭(510)に囲まれた圃場(400)の圃場領域を検出する。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理システム(1000)は、作業検出部(170)と、出力部(180)とを備える。作業検出部(170)は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における圃場(400)の変化に基づき、圃場(400)で行われた作業を検出する。出力部(180)は、検出された作業を表す作業情報を出力する。
【0012】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理プログラム(300)は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像において、圃場(400)を含む領域(500)の輪郭(510)を検出することを演算装置(120)に実行させる。また、圃場管理プログラム(300)は、複数の撮像画像において検出された輪郭(510)に基づき、輪郭(510)に囲まれた圃場(400)の圃場領域を検出することを演算装置(120)に実行させる。
【0013】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場管理プログラム(300)は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場(400)を含む地域を上空から撮像した複数の撮像画像における圃場(400)の変化に基づき、圃場(400)で行われた作業を検出することを演算装置(120)に実行させる。また、圃場管理プログラム(300)は、検出された作業を表す作業情報を出力することを演算装置(120)に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の形態によれば、ユーザによる圃場の情報の入力操作を低減し、栽培管理の分析を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態における圃場管理システムの構成図である。
図2】一実施の形態において、撮像装置により撮像される地域を説明するための図である。
図3】一実施の形態において、撮像装置が撮像した画像を表す図である。
図4】一実施の形態において、撮像装置が撮像した画像を表す図である。
図5】一実施の形態における圃場管理装置の構成図である。
図6】一実施の形態における圃場管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図7】一実施の形態における端末の構成図である。
図8】一実施の形態における圃場管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による圃場管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、圃場管理システム1000は、圃場管理装置100と、端末200とを備える。圃場管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、画像取得装置50と通信可能に接続されている。
【0017】
画像取得装置50は、図2に示すように、撮像装置60、例えば人工衛星が上空から複数の圃場400を撮像した撮像画像を表す画像情報を取得する。撮像装置60は、異なる時期に少なくとも同じ複数の圃場400、例えば道路に隣接している第1圃場400-1と、第2圃場400-2と、第3圃場400-3と、第4圃場400-4とを含む地域を上空から複数の画像を撮像する。例えば、撮像装置60は、図3、4に示すように、第1圃場400-1と、第2圃場400-2とを含む第1領域500-1における作物が収穫される前であり、かつ、第3圃場400-3を含む第2領域500-2における作物が収穫された後である時期に、上空から圃場400を撮像する。また、撮像装置60は、第1圃場400-1を含む第4領域500-4における作物が収穫される前であり、かつ、第2圃場400-2と第3圃場400-3とを含む第5領域500-5における作物が収穫された後である時期に、上空から圃場400を撮像する。画像取得装置50は、撮像装置60により撮像された複数の撮像画像を表す画像情報を撮像装置60から取得して、図1に示す圃場管理装置100に送信する。
【0018】
圃場管理装置100は、画像取得装置50から取得した複数の撮像画像に基づき、圃場400の領域である圃場領域を検出する。例えば、圃場管理装置100は、圃場400を含む領域500の輪郭510を検出し、検出された輪郭510に基づき、圃場400の圃場領域を検出する。
【0019】
また、圃場管理装置100は、時期の異なる複数の撮像画像に基づき、撮像した2つの時期の間に圃場400に行われた作業、例えば作付、収穫などを検出する。例えば、図3、4に示す例において、圃場管理装置100は、第2圃場400-2において、作物が収穫されたことを検出する。
【0020】
このように、圃場管理装置100は、複数の撮像画像に基づき、圃場400の圃場領域と、圃場400で行われた作業を検出する。ユーザ、例えば圃場400において作業を行う作業者、圃場400の所有者などは、圃場管理装置100が検出した圃場400の圃場領域と圃場400において行われた作業とを把握し、栽培管理の分析を行うことができる。このため、圃場管理装置100は、ユーザ、例えば圃場400において作業を行う作業者、圃場400の所有者などによる圃場400の情報の入力操作を低減し、ユーザによる栽培管理の分析を支援する。
【0021】
(圃場管理システムの構成)
圃場管理装置100の構成を説明する。圃場管理装置100は、図5に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。圃場管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0022】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、画像取得装置50から取得する画像情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0023】
記憶装置140は、作業領域を検出するための様々なデータ、例えば圃場管理プログラム300を格納する。記憶装置140は、圃場管理プログラム300を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。圃場管理プログラム300は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0024】
演算装置120は、圃場管理プログラム300を記憶装置140から読み出し実行して、圃場領域と圃場400で行われた作業とを検出するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0025】
演算装置120は、圃場管理プログラム300を読み出し実行することで、図6に示すように、輪郭検出部150と、圃場検出部160と、作業検出部170と、出力部180とを実現する。輪郭検出部150は、撮像画像において、圃場400を含む領域500の輪郭510を検出する。圃場検出部160は、検出された領域500の輪郭510に基づき、圃場400の圃場領域を検出する。作業検出部170は、撮像画像に基づき、圃場400で行われた作業を検出する。出力部180は、圃場400に関する圃場情報を出力する。
【0026】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、図7に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0027】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して圃場管理装置100との通信を行う。通信装置230は、圃場管理装置100から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を圃場管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0028】
記憶装置240は、圃場情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム310を格納する。記憶装置240は、表示プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0029】
演算装置220は、表示プログラム310を読み出し実行することで、図6に示すように、入出力装置210と協働して、表示部250を実現する。表示部250は、圃場管理装置100から圃場情報を取得して、圃場情報、例えば圃場400の領域を表す情報と、圃場400において行われた作業を表す情報とを表示する。
【0030】
(圃場管理システムの動作)
図1に示す撮像装置60は、複数の圃場400を含む地域を上空から撮像し、撮像した複数の撮像画像を表す画像情報を画像取得装置50に送信する。例えば、撮像装置60は、定期的に圃場400を撮像し、撮像した撮像画像を表す画像情報を画像取得装置50に送信する。画像取得装置50は、撮像装置60から送信された画像情報を記憶する。撮像画像は、電波、例えば合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar;SAR)を用いて圃場400を撮像した天気の影響が少ない電波画像、例えばSAR画像を含んでもよい。また、撮像画像は、光波、例えば可視光を受光して撮像した光波画像を含んでもよい。
【0031】
図5に示す圃場管理装置100の演算装置120は、圃場管理プログラム300を実行し、圃場管理方法である図8に示す処理を開始する。例えば、演算装置120は、所定の時刻に達したときに、圃場管理プログラム300を実行する。また、演算装置120は、端末200の演算装置220からの要求に応じて、圃場管理プログラム300を実行してもよい。この場合、端末200の演算装置220は、入出力装置210に圃場400を検出するための操作が入力されると、圃場管理装置100の演算装置120に圃場管理プログラム300を実行するための信号を出力する。
【0032】
ステップS110において、演算装置120により実現される輪郭検出部150は、画像取得装置50から複数の撮像画像を取得する。取得される複数の撮像画像は、少なくとも同じ複数の圃場400を含む地域を異なる時期に撮像した撮像画像を含む。例えば、撮像画像に撮像された地域は、図2に示すように、第1圃場400-1と、第2圃場400-2と、第3圃場400-3と、第4圃場400-4とを含む。
【0033】
ステップS120において、輪郭検出部150は、取得された複数の撮像画像において、圃場400を含む領域500の輪郭510を検出する。例えば、輪郭検出部150は、撮像画像にエッジ検出処理を施して、圃場400を含む領域500の輪郭510を検出する。例えば、撮像画像の領域500は、図3の例に示すように、周囲と表示形態、例えば色、階調値などが異なる。例えば、第1領域500-1において、作物が収穫される前であり、第2領域500-2と、第3領域500-3とにおいて、作物が収穫された後であるとき、第1領域500-1の色は、第2領域500-2と、第3領域500-3と異なる。また、SAR画像においても、第1領域500-1から受信する電磁波のエネルギーは、第2領域500-2と、第3領域500-3から受信する電磁波のエネルギーと異なる。このため、輪郭検出部150は、撮像画像にエッジ検出処理を行うことで、撮像画像において、領域500の輪郭510を検出する。検出された輪郭510は、図3に示すように、圃場400の輪郭である圃場輪郭の一部を含む。また、検出された輪郭510で囲まれた領域500は、少なくとも1つの圃場400の領域全体を含んでもよい。
【0034】
輪郭検出部150は、エッジ検出処理を、取得された複数の撮像画像、例えば図3に示す例に対して行う。図3に示す例において、輪郭検出部150は、第1圃場400-1と第2圃場400-2とを含む第1領域500-1の輪郭510を検出する。また、輪郭検出部150は、第3圃場400-3を含む第2領域500-2の輪郭510を検出する。さらに、輪郭検出部150は、第4圃場400-4を含む第3領域500-3の輪郭510を検出する。このため、輪郭検出部150は、図3に示す例において、第2圃場400-2と第3圃場400-3との間の圃場輪郭を表す第1輪郭510-1を検出し、第1圃場400-1と第2圃場400-2との間の圃場輪郭を検出しない。
【0035】
輪郭検出部150は、エッジ検出処理を、取得された複数の撮像画像、例えば図4に示す例に対して行う。図4に示す例において、輪郭検出部150は、第1圃場400-1を含む第4領域500-4の輪郭510を検出する。また、輪郭検出部150は、第2圃場400-2と第3圃場400-3とを含む第5領域500-5の輪郭510を検出する。さらに、輪郭検出部150は、第4圃場400-4を含む第6領域500-6の輪郭510を検出する。このため、輪郭検出部150は、図4に示す例において、第1圃場400-1と第2圃場400-2との間の圃場輪郭を表す第2輪郭510-2を検出し、第2圃場400-2と第3圃場400-3との間の圃場輪郭を検出しない。
【0036】
このように、輪郭検出部150は、撮像画像の各々において、圃場400のすべてまたは一部の圃場輪郭を検出する。輪郭検出部150は、さらに、輪郭510を検出するために、エッジ検出処理を施した撮像画像に、後処理、例えばフィルタ処理、2値化処理などを行ってもよい。また、輪郭検出部150は、検出された輪郭510で囲まれた領域が所定の面積より小さいとき、圃場400を含まないとして、対応する輪郭510を除外してもよい。
【0037】
図8に示すステップS130において、圃場検出部160は、複数の撮像画像において検出された輪郭510に基づき、圃場400の圃場領域を検出する。圃場検出部160は、例えば、複数の撮像画像において検出された輪郭510を重ねることで、輪郭510に囲まれた圃場400を検出する。圃場検出部160は、撮像画像に撮像された地域の緯度・経度情報に基づき、エッジ検出処理が施された複数の撮像画像を重ねる。圃場検出部160は、複数の撮像画像において検出された輪郭510を、対応する位置に重ねることで、輪郭510に囲まれた圃場400を検出する。
【0038】
例えば、図3、4に示す例において、圃場検出部160は、領域500の輪郭510を対応する位置に重ねる。圃場検出部160は、第1領域500-1と、第2領域500-2と、第3領域500-3と、第4領域500-4と、第5領域500-5と、第6領域500-6とにおける輪郭510を対応する位置に重ねる。これにより、圃場検出部160は、第2圃場400-2と第3圃場400-3との間の第1輪郭510-1と、第1圃場400-1と第2圃場400-2との間の第2輪郭510-2とを検出する。このため、圃場検出部160は、第1圃場400-1と、第2圃場400-2と、第3圃場400-3とを異なる圃場領域として検出する。また、隣接する圃場400を有しない第4圃場400-4についても、圃場検出部160は、圃場領域として検出する。
【0039】
図8に示すステップS140において、作業検出部170は、異なる時期に撮像した撮像画像における圃場400の変化に基づき、圃場400で行われた作業を検出する。作業検出部170は、例えば、圃場400で行われた作業を検出するために、圃場400で行われた作業と、その作業が行われる前後の撮像画像とを対応付けて記憶する。作業検出部170は、記憶された撮像画像の変化のうち、異なる時期に撮像した撮像画像における圃場400の変化と最も類似する類似撮像画像を検出する。作業検出部170は、類似撮像画像に関連付けられた作業を、圃場400で行われた作業として検出する。
【0040】
例えば、図3に示す例において、第2圃場400-2を含む第1領域500-1が作物を表す表示形態、例えば緑色彩で表され、図4に示す例において、第2圃場400-2を含む第5領域500-5が土を表す表示形態、例えば土色で表されている。この場合、作業検出部170は、2つの撮像画像、例えば光波(可視光)を用いて撮像した光波画像における第2圃場400-2の表示形態、例えば色彩の変化に基づき、第2圃場400-2において収穫作業が行われたことを推定する。また、作業検出部170は、圃場400において、土を表す表示形態から作物を表す表示形態に変化したとき、圃場400において作物を植え付ける作付作業が行われたことを推定してもよい。
【0041】
図8に示すステップS150において、出力部180は、検出された圃場400に関する圃場情報を端末200の表示部250に出力する。圃場情報は、圃場400の圃場領域を表す領域情報と、圃場400で行われた作業を表す作業情報とを含む。
【0042】
ステップS160において、端末200の表示部250は、圃場管理装置100の出力部180から受信した圃場情報に基づき、入出力装置210に圃場情報を表示する。表示部250は、例えば、地図上に検出された圃場400の領域を表す画像を表示する。また、表示部250は、圃場400の領域に合わせて、圃場400で行われた作業を表す画像を表示する。ユーザは、入出力装置210を確認することで、圃場400の圃場領域と、その圃場400で行われた作業とを把握し、栽培管理の分析を行う。
【0043】
このように、圃場管理システム1000は、ユーザによる栽培管理の分析を支援する。
【0044】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、撮像装置60により撮像される撮像画像は、任意の方法で撮像した撮像画像を含んでもよく、異なる複数の方法で撮像した撮像画像を含んでもよい。例えば、撮像画像は、合成開口レーダを用いて圃場400を撮像したSAR画像と、光波を受光して撮像した光波画像との両方を含んでもよい。
【0045】
圃場検出部160は、図8に示すステップS130において、複数の撮像画像から検出された輪郭510のうち、輪郭条件を満たす輪郭510を用いて、圃場400の圃場領域を検出してもよい。圃場検出部160は、例えば、複数の撮像画像のうち、少なくとも所定の数の撮像画像において検出された輪郭510を用いて、圃場400の圃場領域を検出する。この場合、圃場検出部160は、異なる撮像画像において検出された輪郭510が同じ輪郭510を表すか否かを判定する。例えば、圃場検出部160は、輪郭510の延びる方向と、輪郭510の位置とに基づき、互いに同じ輪郭510を表すか否かを判定する。圃場検出部160は、異なる撮像画像において検出された輪郭510のうち、同じ輪郭510に対応すると判定された輪郭510の数が所定の数より大きいとき、対応する輪郭510を圃場400の圃場領域を検出するために用いる。なお、所定の数は、予め設定された固定値でもよく、撮像画像の数に基づき、決定されてもよい。例えば、所定の数は、撮像画像の数に所定の割合を積算して決定されてもよい。
【0046】
図6に示す作業検出部170は、作業が行われる前後に撮像した撮像画像から、圃場400で行われた作業を推定する人工知能(Artificial Intelligence;AI)を有してもよい。人口知能は、圃場400で行われた作業と、その作業が行われる前後の撮像画像との組み合わせたデータを用いて、学習する。作業検出部170は、図8に示すステップS140において、撮像した撮像画像を学習された人工知能に入力することで、圃場400で行われた作業を検出する。
【0047】
作業検出部170に用いられる撮像画像は、異なる複数の方法で撮像した複数の撮像画像を含んでもよい。例えば、作業検出部170は、異なる複数の方法で撮像した撮像画像、例えば植生の有無や活性度を表す正規化差植生指数(Normalized Difference Vegetation Index;NDVI)画像と、光波画像と、SAR画像とを用いて、圃場400で行われた作業を検出してもよい。作業検出部170は、作業が行われる前後における各々の撮像画像と、撮像装置60により撮像された各々の撮像画像とに基づき、圃場400で行われた作業を検出する。
【0048】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、図1に示す圃場管理システム1000に端末200は含まれなくてもよい。また、圃場管理装置100の処理は、すべてまたは一部が端末200で実行されてもよい。また、端末200の処理は、すべてまたは一部が圃場管理装置100で実行されてもよい。また、圃場管理プログラム300は、表示プログラム310を含んでもよい。
【0049】
また、圃場管理装置100は、作業検出部170を含まなくてもよい。この場合、図8に示す処理において、ステップS140が省略される。
【0050】
また、圃場管理装置100は、圃場検出部160を含まなくてもよい。この場合、図8に示す処理において、ステップS130が省略される。圃場管理装置100の作業検出部170は、圃場400の領域を表す領域情報を記憶する。作業検出部170は、記憶された領域情報に基づき、撮像画像における圃場400の領域を検出し、検出された圃場400で行われた作業を検出する。
【符号の説明】
【0051】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
50 :画像取得装置
60 :撮像装置
100 :圃場管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :輪郭検出部
160 :圃場検出部
170 :作業検出部
180 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
300 :圃場管理プログラム
310 :表示プログラム
400 :圃場
500 :領域
510 :輪郭
1000 :圃場管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8