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特許7644668燃料噴射器制御のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】燃料噴射器制御のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F02D 41/40 20060101AFI20250305BHJP
   F02D 41/34 20060101ALI20250305BHJP
   F02M 51/06 20060101ALI20250305BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
F02D41/40
F02D41/34
F02M51/06 M
F02D45/00 380
F02D45/00 345
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021105828
(22)【出願日】2021-06-25
(65)【公開番号】P2022008264
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】63/045,006
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ゼレンスキー ディビッド
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-044473(JP,A)
【文献】特開2014-214837(JP,A)
【文献】特表2018-528632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/00-45/00
F02M 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又はそれ以上のコントローラを介して、エンジンに含まれた電気作動式電磁弁の測定電流を監視することと、
燃料供給要求が開始されること、エンジン温度が所定の温度範囲内にあること、及び、最後に前記電気作動式電磁弁の閉鎖時間を判定してから閾値期間が経過したこと、に応答して、ローパスフィルタを介して、前記測定電流をフィルタリングすることと、
前記1又はそれ以上のコントローラを介して、前記電気作動式電磁弁の前記閉鎖時間を、前記測定電流前記フィルタリングされた測定電流比較であって、該測定電流と該フィルタリングされた測定電流との間の絶対差を決定することを含む比較、に基づいて判定することと
を含む方法。
【請求項2】
前記電気作動式電磁弁の前記測定電流を監視することは、電気作動式電磁弁の開放に続く所定の時間帯の前記測定電流を監視することを含、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
らに、
判定された閉鎖時間に基づいて以前に判定された閉鎖時間を更新することと、
前記判定された閉鎖時間に基づいて、前記ンジンの1又はそれ以上の動作条件を調整することと、
を含、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記判定された閉鎖時間と予想閉鎖時間との間の差が閾値差よりも大きいことに応じて、前記電気作動式電磁弁の劣化の指標を生成すること、
をさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルタリングされた測定電流が、前記測定電流の二次導関数よりも高い信号対雑音比を有する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定電流および前記フィルタリングされた測定電流比較に基づいて前記閉鎖時間を判定することが、
前記フィルタリングされた測定電流が前記測定電流の変曲点における該測定電流の閾値差内にあることに応じて、変曲点における前記閉鎖時間を判定することを含、請求項に記載の方法。
【請求項7】
エンジンのための方法であって、
電流センサに接続された電磁弁を開放することと、
前記電流センサを用いて電流を測定することと、
ローパスフィルタを用いて、燃料供給要求が開始されること、エンジン温度が所定の温度範囲内にあること、及び、測定された前記電流の変曲点を最後に判定してから閾値期間が経過したこと、に応答して、測定された前記電流をフィルタリングすることと、
測定された前記電流とフィルタリングされた前記電流との比較であって、測定された前記電流とフィルタリングされた前記電流との絶対差を決定することを含む比較によって、測定された前記電流の前記変曲点を決定することと、
1又はそれ以上のエンジン動作条件を前記変曲点に基づいて調整することと、
を含む方法。
【請求項8】
前記電磁弁を開放することが、該電磁弁に作動電圧を印可することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記変曲点が、前記電磁弁の閉鎖時のインダクタンス変化を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記変曲点が、ローカル最小である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁弁が前記エンジンのユニットポンプ燃料噴射器アセンブリにおける燃料噴射弁である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記1又はそれ以上のエンジン動作条件が、1又はそれ以上の燃料噴射タイミング、燃料噴射進角、及び、噴射される燃料の量、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ローパスフィルタのフィルタ係数が、前記エンジンの用途、該エンジンの構成、及び、前記ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリの構成に基づいて、調整される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
燃料噴射弁を介して燃料噴射器と流体連通する燃料噴射ポンプと、
燃料噴射弁に接続されたセンサと、
前記燃料噴射ポンプ、前記燃料噴射器、前記燃料噴射弁及び前記センサの各々に通信可能に接続されたコントローラであって、非一時的なメモリに含まれた命令を実行することによって、
前記センサから、測定されたサンプリングデータを受信し、
ローパスフィルタを用いて該測定されたサンプリングデータを処理して、燃料供給要求が開始されること、エンジン温度が所定の温度範囲内にあること、及び、最後に前記燃料噴射弁の閉鎖点を判定してから閾値期間が経過したこと、に応答してフィルタリングされたサンプリングデータを取得し、
前記測定されたサンプリングデータと前記フィルタリングされたサンプリングデータとの比較であって、該測定されたサンプリングデータと該フィルタリングされたサンプリングデータとの間の絶対差を決定することを含む比較、に基づいて前記燃料噴射弁の前記閉鎖点を判定し、
前記燃料噴射ポンプ、前記燃料噴射器及び前記燃料噴射弁のうちの1つ以上の動作を前記閉鎖点に基づいて調整する、
ントローラと、
を具備する車両システム。
【請求項15】
前記センサが電流センサであり、
前記測定されたサンプリングデータを処理すること
所定の時間帯のn回目の反復についての電流測定値と、所定の時間帯の(n-1)回目の反復についてのフィルタリングされた電流測定値とをそれぞれ前記ローパスフィルタに入力して、n回目の反復についてのフィルタリングされた電流測定値を得ること
を含請求項14に記載の車両システム。
【請求項16】
記閉鎖点を判定すること
前記n回目の反復について、前記電流測定値と前記フィルタリングされた電流測定値との間の絶対差が収束閾値未満であるかを判定すること
を含む、請求項15に記載の車両システム。
【請求項17】
前記燃料噴射器と前記燃料噴射ポンプと前記燃料噴射弁とが、ディーゼル内燃機関に含まれ、
燃料噴射器が、ディーゼル内燃機関のシリンダに流動的に結合されている、請求項14に記載の車両システム。
【請求項18】
道車両である、請求項14に記載の車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、燃料噴射器制御のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両などの車両には、ディーゼル内燃機関(diesel internal combustion engines)などの動力源(power source)が含まれる。車両は、1つ以上のエンジンシリンダに取り付けられた1つ以上の燃料噴射器と流体連通した(in fluid communication with)、1つ以上の噴射ポンプを含み得る。所与の噴射ポンプは、1つまたは複数の燃料噴射器の少なくとも1つに供給するための燃料を加圧することができる。そして、燃料は、それぞれの燃料噴射弁を介して少なくとも1つの燃料噴射器に移動し、そして、動力源の少なくとも1つの対応するエンジンシリンダに移動し、そこで燃料を燃焼させて車両に電力を供給することができる。
【0003】
いくつかの例では、1つまたは複数の燃料噴射器の各々は、それぞれのユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ(unit pump fuel injector assembly)に含まれてもよく、1つまたは複数のエンジンシリンダの各々は、1つまたは複数の噴射ポンプのそれぞれ1つで構成されてもよい。これにより、燃料噴射時期(fuel injection timing)、燃料噴射進角(fuel injection advance angle)、燃料噴射量(amount of fuel to be injected)を精密に調整することにより、1つ以上のエンジンシリンダのそれぞれに対する燃料噴射を個別に制御することができる。このような精密な調整を達成するために、電磁弁を開閉するための指令に応答して電流を受信し得る、電気作動式(electrically-actuated)電磁弁燃料噴射器を使用することができる。なお、燃料噴射時期、燃料噴射進角、燃料噴射量は、電磁弁の開閉時間を調整することにより適宜調整することができる。電磁弁が閉じたと判定されたら、燃料噴射を開始してもよい。
【0004】
したがって、電磁弁の閉鎖時間の検出精度を高めることにより、動力源の効率を高めることができる。したがって、電磁弁の測定電流(measured electric current)のシグネチャ(signature)を変換して閉鎖時間を判定するための様々なアルゴリズムが存在する。一例として、測定電流の二次導関数(second derivative)を求めてもよい。電流の二次導関数が閾値を超えて増加すると、電磁弁が閉じたと判定され、燃料噴射が開始され得る。しかしながら、電流の二次導関数は、低い信号対雑音比に対して特に敏感であり得る。その結果、電磁弁の閉弁に先立って、二次導関数のスプリアススパイク(spurious spike)が閾値に達することがあり、燃料噴射時期、燃料噴射進角、及び燃料噴射量のそれぞれの制御が低下する。したがって、より高い精度および/またはアーチファクト(artifact)に対するより低い感度を有する検出アルゴリズムを実施することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、方法は、電気作動式電磁弁の電流を監視し、電流をフィルタリングし、電流およびフィルタリングされた電流のそれぞれに基づいて電気作動式電磁弁の閉鎖時間を判定することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の一実施形態による、1つ以上の電気作動式電磁弁燃料噴射器を備えた車両の概略図を示す。
図2】本開示の一実施形態による、1つ以上の電気作動式電磁弁燃料噴射器の閉鎖時間を検出する方法のフローチャートを示す。
図3A】いくつかの検出アルゴリズムによって提供される異常な閉鎖時間の検出を例示する、例示的な電磁弁の測定電流およびその二次導関数のプロットを示す。
図3B】いくつかの検出アルゴリズムによって提供される異常な閉鎖時間の検出を例示する、例示的な電磁弁の測定電流およびその二次導関数のプロットを示す。
図4A】本開示の一実施形態による、例示的な電磁弁の測定電流およびフィルタリングされた電流のプロットを示し、ここで、フィルタリングされた電流は、例示的な電磁弁の閉鎖時間を決定するために利用され得る。
図4B】本開示の一実施形態による、例示的な電磁弁の測定電流およびフィルタリングされた電流のプロットを示し、ここで、フィルタリングされた電流は、例示的な電磁弁の閉鎖時間を決定するために利用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、以下の説明において開示され、電磁弁の閉鎖時間または閉鎖点(closing point)を検出するためのシステムおよび方法に関する。このような電磁弁は、車両システム内に配置された電気作動式電磁弁燃料噴射器内に含まれてもよい。電磁弁の閉鎖時間(closing time:閉弁時間)を正確に検出することは、車両システムのエンジンの効率を高めるために望ましい。したがって、測定電流のフィルタリングされたバージョンで測定電流の変曲点を判定することによって電磁弁の閉鎖時間を判定する方法が提供される。変曲点は、閉鎖(閉弁)を示す電磁弁のインダクタンス(inductance)の変化と解釈することができる。
【0008】
本明細書で提供される方法の実施形態は、各燃料噴射の前に利用され、閉鎖時間の精度のリアルタイム更新を提供し得る。このように、いくつかの実施形態では、電磁弁の劣化を示す異常について閉鎖時間をさらに監視してもよい。このような実施形態の技術的効果は、電磁弁の閉鎖時間を正確に特徴付けることによって燃料噴射の効率を向上させることができ、それによって、望ましくない燃料噴射の進行/遅延および電磁弁の劣化に起因する問題を低減することである。したがって、エミッション基準および予想される燃料補給を維持しながら、時間の経過とともに交換される構成部品が少なくなるため、車両運転者のフラストレーションは軽減され得、メンテナンスコストは最小化され得、一貫した車両運転が維持され得る。
【0009】
図1は、1つ以上の電気作動式燃料噴射器が設置され得るシステムの実施形態を示す。具体的には、図1は、車両システム100の一実施形態のブロック図を示す。図示の例では、エンジンは車両に連結され、鉄道車両106(例えば機関車)として示されている。車両は、複数の車輪112を介してレール102上を走行し得る。図示のように、車両はエンジン104を含み得る。エンジンは、複数のシリンダ101(図1に示される唯一の代表的なシリンダ)を含んでもよく、各シリンダは、少なくとも1つの吸気弁103と、排気弁105と、燃料噴射器107とを含む。各吸気弁103、排気弁105、および燃料噴射器107は、エンジンのコントローラ110からの信号によって作動され得るアクチュエータを含み得る。他の非限定的な実施形態では、エンジンは固定プラットフォーム(stationary platform)内にあってもよい。適切な固定プラットフォームは、発電所用途(power-plant application)を含み得る。その他の適切な車両には、船舶、鉱山または産業用機器、オンロード車両、およびオフハイウェイ車両推進システムが含まれる。
【0010】
一実施形態では、各燃料噴射器107は、比例(proportional)電磁弁又は比例スプール弁のようなそれぞれの弁109に流動的に(fluidly)結合された電気作動式燃料噴射器であってもよく、その開閉はコントローラによって調節されてもよい。したがって、コントローラは、(コントローラによって指示されるように)所望の燃料流量で燃料噴射器への燃料流量を制御するために、弁に対して、全閉する、全開する、または全閉と全開との間の位置にするように命令することができる。
【0011】
図示のように、弁109は、燃料ポンプ111にさらに流動的に結合されてもよく、これにより、液体燃料が、コントローラを介して弁によって調節されるように、燃料ポンプによって燃料噴射器に送り込まれ得る。したがって、燃料流れ(fuel flow)に対して、燃料ポンプは、燃料噴射器の上流に配置され得る弁の上流に配置され得る。このように、燃料噴射器、弁、および燃料ポンプは、ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ113に含まれてもよく、ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリは、複数のシリンダの1つにそれぞれ結合された1つ以上のユニットポンプ燃料噴射器アセンブリの1つである。したがって、1つ以上のエンジンシリンダの各々への燃料噴射は、コントローラによって個別に制御されてもよい。例えば、コントローラは、1つ以上のエンジンアクチュエータを制御して、燃料噴射時期、燃料噴射進角、および/または所定のシリンダに噴射される燃料の量を、対応するユニットポンプ燃料噴射器アセンブリの監視に基づいて調整してもよい。
【0012】
比例ソレノイド弁および比例スプール弁は、少なくとも1つの弁の例示的な実施形態であるが、任意の適切な制御要素を使用することができる。例えば、弁の電流を制御することにより、弁の位置または状態を電気的に制御することができる。別の例として、弁の位置または状態は、弁を調整するサーボモータを制御することによって、機械的、油圧的、油圧機械的、電気的、電気機械的、磁気的、または電磁的に制御され得る。
【0013】
エンジンは、燃焼用の吸気を吸気通路114から受け得る。吸気通路114は、車両外部からの空気を濾過するエアフィルタ160を含み得る。エンジン内での燃焼に起因する排気ガスは、排気通路116に供給され得る。排気ガスは、排気通路を通って、鉄道車両の排気スタックから流出してもよい。排気通路は、排気ガスの温度及び/又は空燃比を監視し得、コントローラと結合して監視データを提供し得る、排気ガスセンサ162を含んでもよい。
【0014】
一例では、エンジンは、圧縮点火によって空気およびディーゼル燃料を燃焼するディーゼルエンジンであってもよい。別の例では、エンジンは、空気燃料混合物(air-gaseous fuel mixture)の圧縮中にディーゼル燃料を噴射したときに気体燃料と空気の混合物を燃焼させ得るデュアルまたはマルチフュエルエンジン(dual or multi-fuel engine)であってもよい。他の非限定的な実施形態では、エンジンは、圧縮点火(および/または火花点火)によって、ガソリン、灯油、天然ガス、バイオディーゼル、または同様の密度の他の石油蒸留物を含む燃料をさらに燃焼させてもよい。
【0015】
適切な鉄道車両は、ディーゼル電気機関車であってもよい。好適なディーゼル電気機関車には、本線運搬車、重運搬貨物運搬車、旅客鉄道車両、シャント(shunter)、入れ換え機関車(switcher)などが含ま得る。ディーゼル電気機関車は、ハイブリッド電気(バッテリー)エンジン、燃料電池エンジン、水素エンジン等の他の動力源を含んでもよい。ディーゼルが燃料の例として使用されるが、他の燃料を使用してもよい。適切な他の燃料としては、ガソリン、灯油、エタノール、バイオディーゼル、天然ガス、およびこれらの組み合わせが挙げられ得る。図1に示されるように、エンジンは発電システムに結合されてもよく、発電システムは、オルタネータ/ジェネレータ122および複数の電気牽引モータ124(electric traction motors)を含む。例えば、エンジンは、オルタネータ/ジェネレータに伝達され得るトルク出力を生成するディーゼル及び/又は天然ガスエンジンであってよく、オルタネータ/ジェネレータは、エンジンに機械的に結合されている。本明細書の一実施形態では、エンジン104は、ディーゼル燃料および天然ガスで作動する多燃料エンジンであってもよい。
【0016】
オルタネータ/ジェネレータによって生成された電力は、その後の様々な下流電気構成要素への伝搬のために、格納され、印加され得る。一例として、オルタネータ/ジェネレータは、複数の電気牽引モータに電気的に結合されてもよく、オルタネータ/ジェネレータは、複数の電気牽引モータに電力を供給してもよい。図示されているように、複数の電気牽引モータの各々は、複数の車輪のうちの1つに結合されて、鉄道車両を推進するための牽引力を供給してもよい。一例の構成は、車輪セット(例えば、複数の車輪のサブセット)ごとに1つの電気牽引モータを含んでもよい。ここに示されるように、6つの電気牽引モータは、鉄道車両の6対の駆動輪(motive wheel)の各々に対応し得る。別の例では、オルタネータ/ジェネレータは、1つ以上の抵抗グリッド126(resistive grid)に結合されてもよい。抵抗グリッドは、オルタネータ/ジェネレータによって生成された電気からグリッドによって生成された熱を介して過剰なエンジントルクを消散させ得る。追加的に、または代替的に、抵抗グリッドは、牽引モータによって生成された電気を消散させるために、動的制動モードで使用されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、車両システムは、吸気通路114と排気通路116との間に配置されたターボチャージャ120を含んでもよい。ターボチャージャは、吸気通路に吸い込まれる周囲空気の空気チャージ(air charge)を増加させて、燃焼中により大きなチャージ密度(charge density)を供給し、発電出力および/またはエンジン動作効率を増加させ得る。ターボチャージャは、少なくとも1つの対応するタービン(図示せず)によって少なくとも部分的に駆動され得る少なくとも1つの圧縮機(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、車両システムは、ターボチャージャの上流および/または下流の排気通路に連結された後処理システムを含んでもよい。一実施形態では、後処理システムは、ディーゼル酸化触媒(DOC:diesel oxidation catalyst)および/またはディーゼル微粒子フィルタ(DPF:diesel particulate filter)を含んでもよい。他の実施形態では、後処理システムは、1つ以上のエミッションコントロール装置を追加的または代替的に含んでもよい。かかるエミッションコントロール装置は、選択的接触還元(SCR:selective catalytic reduction)触媒、三元触媒、NOxトラップ、またはその他の様々な装置もしくは排気後処理システムを含んでもよい。
【0018】
図1に示すように、車両システムは、熱管理システム150(例えば、エンジン冷却システム)を含んでもよいる。冷却システムは、エンジンを通って冷却剤(例えば、水、グリコールなど)を循環させて、エンジン廃熱を吸収し、加熱された冷却剤をラジエータ152(例えば、ラジエータ熱交換器)などの熱交換器に分配してもよい。適当な冷却剤は水であってもよい。ファン154をラジエータに結合して、車両がゆっくり動いているとき、またはエンジンが作動している間に停止しているときに、ラジエータを通る空気流を維持してもよい。いくつかの例において、ファンの速度は、コントローラによって制御され得る。ラジエータで冷却された冷却剤はタンク(図示せず)に入ってもよい。そして、冷却剤は、水または冷却剤ポンプ156によって、エンジンまたは車両システムの別の構成要素に戻され得る。
【0019】
コントローラは、車両に関連する様々な構成要素を制御し得る。一例として、車両システムの様々な構成要素は、通信チャネルまたはデータバスを介してコントローラに結合されてもよい。一例では、コントローラはコンピュータ制御システムを含み得る。コントローラは、追加的に又は代替的に、鉄道車両の動作のオンボード監視及び制御を可能にするコードを含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(図示せず)を保持するメモリを含んでもよい。いくつかの例では、コントローラは、エンジンを制御するための第1のコントローラ及び鉄道車両の他の動作パラメータ(牽引モータ負荷、ブロワ速度など。)を制御するための第2のコントローラのような、互いに通信する複数のコントローラを含んでもよい。第1のコントローラは、第2のコントローラから受け取った出力に基づいて様々なアクチュエータを制御してもよく、および/または、第2のコントローラは、第1のコントローラから受け取った出力に基づいて様々なアクチュエータを制御してもよい。
【0020】
コントローラは、複数のセンサから情報を受信してもよく、複数のアクチュエータに制御信号を送信してもよい。コントローラは、エンジンおよび/または鉄道車両の制御および管理を監視しながら、動作パラメータおよび動作条件を決定し、それに応じて種々のエンジンアクチュエータを調整してエンジンおよび/または鉄道車両の動作を制御するために、本明細書でさらに詳細に説明する種々のエンジンセンサから信号を受信してもよい。例えば、コントローラは、限定されないが、エンジン速度、エンジン負荷、吸気マニホルド空気圧、過給圧、排気圧力、周囲圧力、周囲温度、排気ガス温度、排気ガス空燃比、微粒子フィルタ温度、微粒子フィルタ背圧、エンジン冷却剤圧力などを含む、種々のエンジンセンサからの信号を受信してもよい。いくつかの実施形態では、様々なエンジンセンサは、各燃料噴射弁109に結合されてそこの電流を測定する電流センサ115を含んでもよく、この電流センサは、コントローラに通信可能に結合され、このような電流測定値をコントローラに送信するように構成され得る。冷却剤温度センサなどの追加のセンサを冷却システム内に配置してもよい。これに対応して、コントローラは、複数の電気牽引モータ、オルタネータ/ジェネレータ、燃料噴射器、弁(例えば、弁109)、冷却剤ポンプなどの様々な構成要素に指令を送ることによって、エンジンおよび/または鉄道車両を制御してもよい。例えば、コントローラは、エンジン冷却システム内の(例えば、弁のような)制限要素(restrictive element)の動作を制御してもよい。コントローラによって制御可能な他のアクチュエータは、鉄道車両内の様々な位置に結合され得る。
【0021】
一例では、図2を参照して詳細に説明されるように、測定された電流およびフィルタリングされた電流のそれぞれに基づいて燃料噴射弁の閉鎖時間を判定する方法が提供される。いくつかの例において、閉鎖時間は、測定された電流の変曲点に基づき得る。変曲点を判定する例は、図4Aおよび図4Bのプロットによって図示される。別の例では、図3Aおよび図3Bを参照して後述するように、閉鎖時間は、フィルタリングされた電流よりも低い信号対雑音比を有し得る、測定電流の二次導関数に基づいてもよい。
【0022】
ここで、図2を参照すると、燃料噴射弁の閉鎖点(closing point)を検出する方法200を示すフローチャートが示されている。いくつかの例では、燃料噴射弁は、ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ内の電気作動式電磁弁であってもよい。一例として、燃料噴射弁は、図1の弁109であってもよい。燃料噴射弁の電流を測定して、(例えばローパスフィルタを使用して)フィルタリングしてもよいし、さもなければ数学的に減衰させてもよい。測定された電流およびフィルタリングされた電流は、測定された電流の変曲点を判定するために監視されてもよく、これは、閉鎖点(例えば、燃料噴射弁の動作が実質的に停止した点)に対応するインダクタンス変化を示し得る。そして、閉鎖点を使用して、所望の燃料噴射時期、燃料噴射進角及び燃料噴射量が期待通りに実現されることを確実にしてもよい。
【0023】
具体的には、燃料噴射弁の閉鎖(閉弁)と燃料噴射の開始との差(例えば、燃料噴射器のニードルリフト)は小さく、かつ予測が困難であり得るため、燃料噴射弁の閉鎖点(closing point:閉弁点)は、燃料噴射の開始に最も近い時点として、コントローラによって実質的に代用されてもよい(燃料噴射弁の閉鎖点は、燃料噴射器が最も上流側の燃料圧力または燃料ポンプによって送出される燃料流量に曝される時点に対応し得るため)。カムシャフト圧力、全体的な燃料ポンプ圧力、燃料ポンプの入口における燃料圧力、噴射タイミング、ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリの噴射ライン内の燃料の体積(いくつかの例では燃料噴射量に相当する)、燃料噴射弁の物理的構造、及びそれらの組み合わせを含む、多数の追加的な要因が、シリンダへの実際の燃料供給を決定し得る。例えば、エンジンアプリケーション(engine application)および作動モードに応じて、燃料噴射の開始は、燃料噴射弁の閉鎖に先立って開始してもよく(例えば、燃料噴射弁が開いている間に、一部の燃料がシリンダに入ってもよい)、または燃料噴射弁が閉鎖されたと判定されるまで燃料補給を遅らせてもよい。
【0024】
追加または代替の例では、燃料噴射弁の劣化を監視および診断するために、エンジン運転中に閉鎖点を定期的に更新してもよい。一例では、予想される閉鎖点は、シミュレーションおよび/またはテスト(実験)データ(例えば、マップまたはルックアップテーブルに格納される)によって判定されてもよく、それによって、検出された閉鎖点は、燃料噴射弁の劣化を診断するために予想される閉鎖点と比較され得る。
【0025】
方法200を実行するための命令は、コントローラのメモリに記憶された命令に基づいて、および燃料噴射弁に結合された電流センサなどのエンジンシステムのセンサから受信された信号に関連して、図1のコントローラ110などのコントローラによって実行されてもよい。さらに、コントローラは、以下に説明する方法200に従って、エンジン動作を調整するためにエンジンシステムのエンジンアクチュエータを使用してもよい。方法200を実行するための命令及びそれから生成されるエンジンアクチュエータへのコマンドは、(オペレータコマンド(operator command)の後で、事前に設定された間隔で、および/または事前に設定された条件で、)コントローラ及びエンジンシステムによって自動的に実行されてもよい。さらに、方法200は、1つの燃料噴射弁を参照して以下に説明されるが、方法200は、車両システム内の複数の同様に構成された燃料噴射弁に対して、順次または並行して適用されてもよい。したがって、方法200の例示的実施形態は、ユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ内の1つ以上の電気作動式電磁弁の閉鎖点の検出及び監視を可能にすることができる。
【0026】
ステップ205において、方法200は、1つ以上のエンジン動作条件を検出及び/又は推定及び/又は測定することを含み得る。例として、1つまたは複数のエンジン動作条件は、エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン温度、周囲条件(例えば、周囲温度、圧力、湿度など。)、現在の操作者トルク要求、マニホルド圧力、マニホルド空気流、燃料温度、排気ガス空燃比等を含み得る。1つまたは複数のエンジン動作条件は、コントローラに通信可能に結合された1つまたは複数のセンサによって測定されてもよいし(例えば、排気ガス空燃比は、排気ガスセンサ162を介して直接測定され得る)、または、利用可能なデータに基づいて推測されてもよい(例えば、エンジン温度は、エンジン冷却剤温度センサによって測定されたエンジン冷却剤温度から推定され得る)。
【0027】
コントローラは、1つ以上のエンジン動作条件を使用して、エンジン動作の現在の状態を推測し、エンジン動作の現在の状態が閉鎖点検出(closing point detection)を実行するのに適しているかどうかを判断してもよい。具体的には、ステップ210において、方法200は、1つ以上の閉鎖点検出条件が満たされているかどうかを判定することを含み得る。例えば、1つまたは複数の閉鎖点検出条件は、コントローラで受信された燃料供給要求の開始、最後に閉鎖点を判定してから経過した閾値期間、所定の温度範囲内にあるエンジン温度などを含み得る。1つの例において、閉鎖点検出は、(所定のシリンダに関連付けられた所定のユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ内の)所定の燃料噴射器が燃料を噴射するように命令されるたびに開始されてもよい。別の例では、エンジン温度が第1の閾値温度より高く、かつ/または、第2の閾値温度より低く、第1の閾値温度が第2の閾値温度より低い場合に、閉鎖点検出が開始されてもよい。1つ以上の閉鎖点検出条件が満たされない場合、方法200は215に進んでもよく、ここで、方法200は、現在のエンジン動作を維持することを含み得る。このような例では、閉鎖点検出は開始されなくてもよい。
【0028】
1つ以上の閉鎖点検出条件が満たされる場合、方法200は220に進んでもよく、ここで方法200は閉鎖点検出を行うことを含み得る。具体的には、コントローラは、作動電圧を印加することによって燃料噴射弁の開放(open)を指令してもよい。同時に、または燃料噴射弁の開放に続く所定の時間帯(window)の間に、コントローラは、燃料噴射弁に結合された電流センサからサンプリングデータを周期的にまたは実質的に連続的に受信してもよい。したがって、いくつかの例では、サンプリングデータは、燃料噴射弁の測定電流であり得る。
【0029】
いくつかの例では、所定の時間帯は、最大サンプル数またはサンプリング閾値に基づき得る。したがって、所定の時間帯は、サンプリング閾値とサンプリングレートとの積として決定されるサンプリング期間(sampling duration)以下であってもよい。サンプリング期間は、燃料噴射弁が開いていると予想される時間の長さに基づいて決定され得る。例えば、閉鎖時間がサンプリング期間内に取得され得るように、燃料噴射弁の指令された開放後にサンプリング期間をずらしてもよい(例えば、サンプリング期間は、燃料噴射弁が開放し、燃料を燃料噴射器に送るために開いたままにして、閉鎖する、ために十分な時間があることを確実にするように、選択されてもよい)。いくつかの例では、燃料噴射弁が開くと予想される時間の長さは、少なくとも、燃料噴射弁の入口における燃料圧力(これは、さらに、低側(low-side)燃料システム圧力およびポンプ速度のそれぞれの関数であってもよい)、および燃料噴射量(さらに、これは、トルク/電力需要の関数であってもよい)に基づいて判定されてもよい。
【0030】
上述のように、測定された電流の変曲点が特定されると、閉鎖点が判定されてもよい。いくつかの例では、変曲点は、測定された電流とフィルタリングされた電流が互いに閾値内にあるときに識別され得る。一例では、変曲点は、測定された電流とフィルタリングされた電流とが実質的に等しいときに識別され得る。したがって、閉鎖点検出は、収束に達するまでn個のサンプリングステップまで反復する反復アルゴリズムに基づき得る。
【0031】
したがって、閉鎖点検出は、1つ以上の変数の初期化から開始し得る。具体的には、225において、方法200は、nを(例えば0または1に)初期化すること、すなわち、最初の反復をインデックス化する(indexing)ことを含み得る。230において、方法200は、サンプリングデータに基づいてbuff(n)を初期化することを含み得る。いくつかの例において、buff(n)は、コントローラのメモリに記憶された第1のバッファであってもよく、ここで、buff(n)は、現在の反復(current iteration)について測定された電流を保持してもよい。235において、方法200は、temp(n)=buff(n)を初期化することを含み得る。いくつかの例において、temp(n)は、コントローラのメモリに格納される第2のバッファであってもよく、ここで、最初の反復を超える反復について、temp(n)は、現在の反復についてフィルタリングされた電流を保持してもよい(下記250参照)。
【0032】
1つ以上の変数が初期化されると、反復アルゴリズムが開始され、収束に達するまで1つ以上の変数が反復的に更新され得る。240において、方法200は、nを1だけインクリメントすることを含み得る。ステップ245において、方法200は、サンプリングデータに基づいてbuff(n)を更新することを含み得る。例えば、buff(n)は、現在の反復の測定電流で更新され得る。250において、方法200は、temp(n-1)およびbuff(n)に基づいてtemp(n)を更新することを含み得る(例えば、現在の反復における第2のバッファは、現在の反復の前の最新の反復における第2のバッファと、現在の反復における第1のバッファとに基づいて更新され得る)。いくつかの例では、ローパスフィルタをbuff(n)に適用してtemp(n)を更新してもよい。このような例において、temp(n)は、以下のように決定され得る。
temp(n)=FF*temp(n-1)+(1-FF)*buff(n) (1)
ここで、FFは、所定のエンジンアプリケーション(ここで、「アプリケーション(application)」は、どのような条件下でどれだけの電力をエンジンが出力しているかの意味で使用される)、弁アセンブリの構成(ここで、「構成(configuration)」は、弁アセンブリの構成要素が、どのようにして、互いに組み立てられ、機械的、電気的、流体的等に相互作用するかという意味で使用される)、エンジンの構成(ここで、「構成(configuration)」は、エンジンの構成部品が、どのようにして、互いに組み立てられ、機械的、電気的、流体的等に相互作用するかという意味で使用される)などについて調整され得る、較正可能なフィルタ係数である。一例では、FF=0.5である。いくつかの例では、燃料噴射弁の閉鎖と燃料噴射の開始との間の差異を説明する(account for)ように、ローパスフィルタに固有の遅れを利用してもよい。
【0033】
いくつかの例では、ローパスフィルタの数学的形式および/またはパラメータ(例えば、較正可能なフィルタ係数)は、シミュレーションおよび/またはテスト(実験)データに基づいて調整されてもよい。例えば、シミュレーションおよび/またはテストデータは、他の動作モードが外挿/近似される、アイドルおよび定格電力(例えばハイパワー)の条件のそれぞれに基づいて取得されてもよい。シミュレーションおよび/またはテストデータは、追加的にまたは代替的に、ローパスフィルタが燃料噴射弁の異常値ならびに共通の動作モードまたは状況を説明し得るように、選択されてもよい。一例において、(異常値および共通の動作モードまたは状況の両方についての)インダクタンス/抵抗は、ばね定数、質量、および燃料噴射弁の摩擦のうちの1つ以上に加えて、ローパスフィルタを定式化し、測定された電流の特徴の電気特性を判定するために使用され得る。
【0034】
ステップ255において、方法200は、buff(n)とtemp(n)との間の絶対差(absolute difference)が収束閾値(convergence threshold)より小さいか否かを判定することを含み得る。収束閾値は、車両システムのオペレータまたは製造者によって任意の精度レベルに調整され得る。例えば、収束閾値は、測定された電流及びフィルタリングされた電流における任意のノイズと閉鎖点の所望の精度とのバランスをとるように、選択されてもよい。255では、絶対差ベースの収束閾値が使用されるが、他の例では、追加のまたは代替の収束基準(たとえば、動的にスケーラブルな係数、二乗平均平方根偏差など)が使用されてもよい。
【0035】
buff(n)とtemp(n)との間の絶対差が収束閾値以上である場合、方法200は260に進んでもよく、ここで、方法200はnがサンプリング閾値より大きいか否かを判定することを含み得る。いくつかの例では、サンプリング閾値は、所定の時間帯(window)の間に得られるサンプルの最大数に対応してもよい。サンプルの最大数は、サンプリング期間をサンプリングレートで割った値に対応してもよい。一例では、サンプルの最大数は150であり得る。追加のまたは代替の例では、サンプリングレートは100kHzであり得る。nがサンプリング閾値以下である場合、方法200は240に戻り、nを1だけインクリメントすることによって反復アルゴリズムを継続してもよい。
【0036】
nがサンプリング閾値より大きい場合、方法200は280に進んでもよく、方法200は、閉鎖点検出を終了し、第1ドライバ指示(driver indication)を生成し、第1診断コードを記憶し、および/または、第1ドライバ指示および/または第1診断コードに基づいて1つ以上のエンジン動作条件を変更することを含み得る。第1ドライバ指示及び/又は第1診断コードは、オペレータ、製造者、技術者等に、所定の時間帯の間に閉鎖点が検出されなかったこと、及び燃料噴射弁が劣化した可能性があることを示してもよい。このような例では、閉鎖点が更新されない可能性がある。
【0037】
一例では、第1ドライバ指示は、異常インジケーターランプ(MIL:malfunction indicator lamp)を点灯させることを含んでもよく、第1診断コードは、コントローラのメモリに設定され格納されてもよい。MILの点灯は、車両システムの整備要求(request that the vehicle system be serviced)を示してもよく、設定される第1診断コードは、燃料噴射弁が劣化していることを技術者に示してもよい。そして、MILおよび第1診断コードは、車両システムの整備が完了した後(例えば、燃料噴射弁を交換した後)にリセットしてもよい。
【0038】
255に戻ると、buff(n)とtemp(n)との間の絶対差が収束閾値未満である場合、インダクタンス変化が検出されてもよく、方法200は265に進み、ここで方法200は、閉鎖点を更新する(例えば、コントローラのメモリに記憶される)ことと、1つ以上のエンジン動作条件を変更することとを含み得る。一例として、燃料噴射の開始は、更新された閉鎖点に基づいて、後続の燃料噴射イベントの間に進められてもよいし、遅延してもよい。別の例として、燃料噴射進角は、更新された閉鎖点に基づいて、後続の燃料噴射イベントの間に増加または減少されてもよい。さらに別の例として、燃料噴射量は、更新された閉鎖点に基づいて、後続の燃料噴射イベントの間に増加または減少されてもよい。閉鎖点を更新することは、エイジングカウンタ(aging counter)を1だけインクリメントすることをさらに含み得る。このように、いくつかの例では、エイジングカウンタは、有効寿命(useful life)を過ぎた劣化の判定または予測のために、燃料噴射弁の燃料噴射サイクルの総数を追跡してもよい。
【0039】
ステップ270において、方法200は、燃料噴射弁が劣化しているか否かを判定することを含み得る。いくつかの例では、(265で更新されるような)閉鎖点は、予想される閉鎖点(例えば、マップまたはルックアップテーブルに格納される)と比較され得る。例えば、(検出された)閉鎖点と予想される閉鎖点との差が閾値差より大きい場合に、燃料噴射弁が劣化していると判定されてもよい。追加のまたは代替の例では、(265でインクリメントされる)エイジングカウンタを閾値カウントと比較してもよい。例えば、エイジングカウンタが閾値カウントより大きい場合、燃料噴射弁が劣化していると判定されてもよい。燃料噴射弁が劣化していないと判定された場合、方法200は、方法275に進んでもよく、方法200は、閉鎖点検出を終了し、エンジン動作を継続することを含み得る(例えば、サンプリングデータをアクティブに処理およびフィルタリングせずにエンジンを作動させる)。このような例では、燃料噴射弁は劣化していないと表示され得る。
【0040】
燃料噴射弁が劣化していると判定された場合、方法200は280に進んでもよく、方法200は、閉鎖点検出を終了し、第2ドライバ指示を生成し、第2診断コードを記憶し、および/または、第2ドライバ指示および/または第2診断コードに基づいて1つ以上のエンジン動作条件を変更することを含んでもよい。第2ドライバ指示および/または第2診断コードは、閉鎖点検出が燃料噴射弁が劣化している可能性があることを示していることを、オペレータ、製造者、技術者などに示してもよい。
【0041】
一例では、第2ドライバ指示は、MILを点灯させることを含んでもよく、第2診断コードは、コントローラのメモリに設定され格納されてもよい。MILの点灯は、車両システムの整備要求を示してもよく、設定される第2診断コードは、燃料噴射弁が劣化していることを技術者に示してもよい。そして、MILおよび第2診断コードは、車両システムの整備が完了した後(例えば、燃料噴射弁を交換した後)にリセットしてもよい。
【0042】
方法200は、燃料噴射弁に限定されるものではなく、他の電磁弁の実装と共に使用するために適用され得る。さらに、方法200は、他の(例えば、電磁弁の他の)電気作動式構成要素におけるインダクタンス変化の検出およびモニタリングに適用され得る。
【0043】
次に、図3Aおよび図3Bを参照すると、機関車に含まれる例示的な電磁弁の、時間に対する測定電流およびその二次導関数のプロットが示されている。図3Aは、機関車のアイドル運転時の例示的な電磁弁についての測定電流及び測定電流の二次導関数をそれぞれ示すプロット300及び325を示す。図3Bは、機関車の定格出力運転における(例えば、ノッチN8における)例示的な電磁弁についての測定電流及び測定電流の二次導関数をそれぞれ示すプロット350及び375を示す。測定電流(mA)はプロット300及び350のそれぞれの縦軸で表され、測定電流の二次導関数(mA/s)はプロット325及び375のそれぞれの縦軸で表され、サンプル数はプロット300,325,350及び375のそれぞれの横軸で表される。サンプルは、100kHzなどの所定のサンプリングレートで収集され得る。プロット300および350において、曲線301および351は、それぞれ、測定電流を示す。プロット325および375において、曲線302および352は、それぞれ、測定電流の二次導関数を示す。さらに、プロット325および375において、曲線303および353は、それぞれ、測定電流の二次導関数によって超過された場合に、いくつかの検出アルゴリズムにおける例示的な電磁弁の閉鎖点を示し得る正の閾値を示す。測定電流の二次導関数は、プロット325および375内の破線のボックス304および354によってそれぞれ近似されるように、所定のウィンドウ(window)の間に判定され得る。
【0044】
プロット325および375は、例示的な検出アルゴリズムによって提供される異常な閉鎖点の検出を示す。示されるように、測定電流の二次導関数(曲線302および352)は、比較的低い信号対雑音比を有してもよく、その結果、測定電流の二次導関数は、異常にかつ予想外に、正の閾値(曲線303および353)を超えて増加し得る。いくつかの例では、プロット325および375のそれぞれに示されるように、測定電流の二次導関数は、所定のウィンドウ(破線のボックス304および354)の間に、複数回、正の閾値を超えてもよく、その結果、閉鎖点の早すぎる検出および実際の閉鎖点の不明瞭化が生じる。
【0045】
ここで図4Aおよび図4Bを参照すると、機関車に含まれる例示的な電磁弁の測定電流およびフィルタリングされた電流のプロットが示されている。図4Aは、機関車のアイドル運転時における例示的な電磁弁についての測定電流およびフィルタリングされた電流を示す、プロット400を示す。図4Aにさらに示されるプロット425は、プロット400の挿入部410の拡大図を示す。図4Bは、機関車の定格出力運転における(例えば、ノッチN8における)例示的な電磁弁についての測定電流およびフィルタリングされた電流を示す、プロット450を示す。図4Bにさらに示されるプロット475は、プロット450の挿入部460の拡大図を示す。測定電流(mA)は、プロット400,425,450および475のそれぞれの縦軸で表され、サンプル数は、プロット400,425,450および475のそれぞれの横軸で表される。サンプルは、100kHzなどの所定のサンプリングレートで収集され得る。プロット400および450において、曲線401および451は、それぞれ測定電流を示し、曲線402および452は、それぞれ、フィルタリングされた電流を示し、曲線403および453は、それぞれ、測定電流の変曲点を示し、これは、本明細書に記載される実施形態によって提供される検出アルゴリズムにおける例示的な電磁弁の閉鎖点を示し得る。具体的には、測定電流の変曲点は、フィルタリングされた電流が測定電流と合う(meet)検出アルゴリズムによって判定され得る。フィルタリングされた電流は、測定電流にローパスフィルタを適用することによって得られてもよく、このときのローパスフィルタのフィルタ係数は、例えば0.5である(しかしながら、図2を参照して上述したように、フィルタ係数は、所与のエンジンアプリケーション(given engine application)についてのシミュレーションおよび/またはテストデータに基づいて変化し得る)。フィルタリングされた電流は、プロット425および475内の破線のボックス404および454によってそれぞれ近似されるように、所定のウィンドウの間に決定され得る。
【0046】
図4Aおよび図4Bに示すように、検出アルゴリズムは、測定電流の二次導関数が影響を受けやすい比較的低い信号対雑音比を用いることなく、測定電流の変曲点を正確かつ再現性よく検出することができる。変曲点は、例示的な電磁弁の閉弁中のインダクタンス変化を示す局所最小値に対応し得る。また、閉鎖点をより正確に検出するために、燃料噴射時期、燃料噴射進角、および燃料噴射量のそれぞれを、より正確に制御してもよい。
【0047】
エンジンの燃料噴射器における電磁弁の閉鎖時間または閉鎖点をより正確に判定する方法が提供され得る。いくつかの例では、エンジン運転中に、電磁弁の電流を測定し、(例えば、ローパスフィルタを用いて)フィルタリングしてもよく、フィルタリングされた電流は比較的高い信号対雑音比を有し得る。フィルタリングされた電流が測定電流に実質的に等しい場合、測定された電流の変曲点が判定されてもよく、変曲点は、閉鎖時における電磁弁のインダクタンス変化を示す。測定電流をフィルタリングされた電流と比較して、変曲点を判定し、それによって閉鎖時間を判定することの技術的効果は、いくつかの閉鎖時間検出アルゴリズム(例えば、測定電流の二次導関数に基づく閉鎖時間検出アルゴリズムなど)と比較して、偽陽性の総数が減少し得ることである。さらに、電磁弁の寿命にわたって閉鎖時間を正確に監視することによって、異常な閉鎖時間の傾向を通じて劣化をリアルタイムで示すことができ、オペレータに通知し、および/または緩和措置(mitigating actions)を実施することができる。
【0048】
一例では、方法は、電気作動式電磁弁の電流を監視し、電流をフィルタリングし、電流およびフィルタリングされた電流の各々に基づいて電気作動式電磁弁の閉鎖時間を判定することを含む。本方法の一実施形態では、電気作動式電磁弁の電流を監視することは、電気作動式電磁弁の開放に続いて所定の時間(window)内の電流を監視することを含む。本方法の一実施形態では、電気作動式電磁弁は、エンジンに含まれる。本方法の一実施形態では、本方法は、判定された閉鎖時間に基づいて予め定められた閉鎖時間を更新することと、判定された閉鎖時間に基づいてエンジンの1つ以上の動作条件を調整することとをさらに含む。本方法の一実施形態では、電流は、燃料供給要求が開始されること、エンジン温度が所定の温度範囲内にあること、最後に閉鎖時間を判定してから閾値期間が経過したことのうちの1つ以上に応じて、フィルタリングされる。本方法の一実施形態では、本方法は、判定された閉鎖時間と予想閉鎖時間との差が閾値差よりも大きいことに応じて、電気作動式電磁弁の劣化の指標を生成することをさらに含む。方法の一実施形態では、フィルタリングされた電流は、電流の二次導関数よりも高い信号対雑音比を有する。本方法の一実施形態では、電流およびフィルタリングされた電流のそれぞれに基づいて閉鎖時間を判定することは、フィルタリングされた電流が変曲点における電流の閾値差内にあることに応じて電流の変曲点における閉鎖時間を判定することを含む。
【0049】
別の例では、エンジンについての方法は、電流センサに結合された電磁弁を開くことと、電流センサによって電流を測定することと、ローパスフィルタによって電流をフィルタリングすることと、測定電流をフィルタリングされた電流と比較して測定電流の変曲点を判定することと、変曲点に基づいて1つ以上のエンジン動作条件を調整することとを含む。本方法の一実施形態では、電磁弁を開くことは、電磁弁に作動電圧を印加することを含む。本方法の一実施形態では、変曲点は、電磁弁の閉鎖時のインダクタンス変化を示す。本方法の一実施形態では、変曲点は局所的最小値である。本方法の一実施形態では、電磁弁は、エンジンのユニットポンプ燃料噴射器アセンブリ内の燃料噴射弁である。本方法の一実施形態では、1つまたは複数のエンジン動作条件は、燃料噴射タイミング、燃料噴射進角、および噴射される燃料量の1つまたは複数を含む。本方法の一実施形態では、ローパスフィルタのフィルタ係数は、エンジンの用途(application)、エンジンの構成、およびユニットポンプ燃料噴射器アセンブリの構成のうちの1つ以上に基づいて、調整される。
【0050】
さらに別の例では、車両システムは、燃料噴射弁を介して燃料噴射器と流体連通している燃料噴射ポンプと、燃料噴射弁に連結されているセンサと、燃料噴射ポンプ、燃料噴射器、燃料噴射弁、およびセンサのそれぞれと通信可能に連結されているコントローラとを含み、コントローラは、センサからサンプリングデータを受信し、ローパスフィルタでサンプリングデータを処理し、処理されたサンプリングデータに基づいて燃料噴射弁の閉鎖点を判定し、閉鎖点に基づいて燃料噴射ポンプ、燃料噴射器、および燃料噴射弁の1つ以上の動作を調整するための、非一時的なメモリに格納された命令を実行する。車両システムの一実施形態では、センサは電流センサであり、サンプリングデータは複数の電流測定値を含み、サンプリングデータを処理するステップは、所定のウィンドウにおけるn回目の反復のための電流測定値および所定のウィンドウにおける (n-1) 回目の反復のためのフィルタリングされた電流測定値のそれぞれをローパスフィルタに入力して、n回目の反復のためのフィルタリングされた電流測定値を得るステップを含む。車両システムの一実施形態では、閉鎖点を判定することは、n回目の反復について、収束閾値未満の電流測定値とフィルタリングされた電流測定値との間の絶対差を判定することを含む。車両システムの一実施形態では、燃料噴射器、燃料噴射ポンプ、および燃料噴射弁は、ディーゼル内燃機関に含まれ、燃料噴射器は、ディーゼル内燃機関のシリンダに流動的に(fluidly)結合される。車両システムの一実施形態では、車両システムは鉄道車両である。
【0051】
別の表現では、方法は、第1の反復および第2の反復について比例電磁弁の電流サンプリングを反復的に実行することを含み、第1の反復は、比例電磁弁の第1の電流をサンプリングすることと、比例電磁弁の第1の電流を第1のバッファに流すことと、第1のバッファに基づいて第2のバッファを初期化することとを含み、第2の反復は、比例電磁弁の第2の電流をサンプリングすることと、第1の電流をサンプリングした後に第2の電流がサンプリングされることと、第2の電流に基づいて第1のバッファを更新することと、ローパスフィルタに第2のバッファおよび更新された第1のバッファを入力することによって第2のバッファを更新することとを含み、更新された第1のバッファと更新された第2のバッファとの間の絶対差が収束閾値未満であることに応じて、比例電磁弁の閉鎖を示す。本方法の一実施形態では、本方法は、さらに、更新された第1のバッファと更新された第2のバッファとの間の絶対差が収束閾値未満であることに応じて、比例ソレノイド弁の電流サンプリングを終了することを含む。本方法の一実施形態では、本方法は、更新された第1のバッファと更新された第2のバッファとの間の絶対差が収束閾値以上であることに応じて、比例ソレノイド弁の電流サンプリングを継続することをさらに含む。本方法の一実施形態では、本方法は、電流サンプリングの反復の総数がサンプリング閾値よりも大きいことに応じて、比例ソレノイド弁の劣化の指標を生成することをさらに含む。本方法の一実施形態では、比例電磁弁は、ディーゼルエンジンの燃料噴射器に燃料を供給するように構成される。本方法の一実施形態では、ディーゼルエンジンは機関車用の動力源である。本方法の一実施形態では、本方法は、さらに、更新された第1のバッファと更新された第2のバッファとの間の絶対差が収束閾値未満であることに応じて、エイジングカウンタをインクリメントすることと、エイジングカウンタが閾値カウントを超えることに応じて、比例電磁弁の劣化の指標を生成することとを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、単数で記載され、語「a」または「an」で進行する(proceeded with)要素またはステップは、そのような除外が明示的に述べられない限り、複数の前記要素またはステップを除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除しない。さらに、反対のことが明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さない追加のそのような要素を含み得る。「含む(including)」および「in which」という用語は、「備える(comprising)」および「wherein」というそれぞれの用語の平易な言語での等価物として使用される。さらに、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベル(label)として使用され、それらのオブジェクトに数値要件または特定の位置順序を課すことを意図していない。
【0053】
本明細書に開示された制御方法およびルーチンは、実行可能命令として非一時的メモリに記憶されてもよく、種々のセンサ、アクチュエータ、および他のエンジンハードウェアと組み合わせたコントローラを含む制御システムによって実行されてもよい。本明細書に記載される特定のルーチンは、イベント駆動、割り込み駆動、マルチタスク、マルチスレッドなどの任意の数の処理方法(processing strategies)のうちの1つ以上を表してもよい。このように、図示された種々の作用(action)、動作(operation)、および/または機能(function)は、図示された順序で、並行して、または、場合によっては省略して、実行されてもよい。同様に、処理の順序は、本明細書に記載される例示的な実施形態の特徴および効果を達成するために必ずしも必要ではなく、例示(illustration)および説明(description)を容易にするために提供される。例示された作用(action)、動作(operation)、および/または機能(function)のうちの1つまたは複数は、使用される特定の方法(strategy)に応じて繰り返し実行されてもよい。さらに、記述された作用(action)、動作(operation)、および/または機能(function)は、エンジン制御システム内のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の非一時的なメモリにプログラムされるコードをグラフィカルに表してもよく、ここで、記述された作用(action)は、電子コントローラと組み合わせて様々なエンジンハードウェアコンポーネントを含むシステム内で命令を実行することによって実行される。
【0054】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様(best mode)を含む発明を開示し、また、関連する技術分野の通常の当業者が、任意の装置又はシステムを製造または使用し、組み込まれた任意の方法を実施することを含む、発明を実施することを可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する(occur to)他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉(literal language)と相違しない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に相違しない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0055】
関連出願の相互参照
本出願は、「METHODS AND SYSTEMS FOR FUEL INJECTOR CONTROL」と題する、2020年6月26日に出願された米国仮出願第63/045,006号に対する優先権を主張する。上記出願の全内容は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B