IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】タイヤ保管システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20250305BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
B65G1/137 Z
B60C19/00 J
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021134335
(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公開番号】P2023028556
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2024-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】細見 和正
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-003871(JP,A)
【文献】特開2005-138956(JP,A)
【文献】特開2018-205861(JP,A)
【文献】中国実用新案第203938074(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0184450(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを収容可能な複数の保管スペースを備える保管部と、
前記保管部に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得するタイヤ識別情報取得手段と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成し、
前記タイヤの寸法情報は、タイヤの幅寸法情報と、タイヤの許容圧縮量情報と、を含む、タイヤ保管システム。
【請求項2】
前記制御部は、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報と、に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項1に記載のタイヤ保管システム。
【請求項3】
前記各保管スペースの寸法情報は、各保管スペースの幅寸法情報を含み、
前記制御部は、
前記各保管スペースの幅寸法情報と、前記各保管スペースのタイヤ在庫情報とに基づき、各保管スペースにおける空きスペース情報を算出し、
算出された前記各保管スペースにおける空きスペース情報と、入庫するタイヤについての前記タイヤの幅寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項2に記載のタイヤ保管システム。
【請求項4】
前記タイヤの寸法情報は、タイヤの径寸法情報を含み、
前記各保管スペースの寸法情報は、前記各保管スペースの収容可能高さ情報を含み、
前記制御部は、前記各保管スペースの収容可能高さ情報と、入庫するタイヤの径寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項2または請求項3に記載のタイヤ保管システム。
【請求項5】
前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報と、前記各保管スペースの寸法情報と、前記各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する、請求項2~4のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項6】
前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくタイヤの許容圧縮量情報と、前記各保管スペースの寸法情報と、前記各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する、請求項2~4のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項7】
前記タイヤ在庫情報は、前記保管部に既に入庫されているタイヤの許容圧縮量情報を含む、請求項6に記載のタイヤ保管システム。
【請求項8】
前記制御部は、新たに入庫するタイヤを入庫可能とするために、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する必要があると判定したときに、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する指示を含むタイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項9】
前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくタイヤ重量情報と、各保管スペースの耐荷重情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報と、に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項10】
前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくホイール装着有無情報に基づき、前記タイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項11】
前記タイヤ識別情報取得手段は、同時に入庫する異なるサイズの複数本のタイヤのタイヤ識別情報を取得し、
前記制御部は、異なるサイズの複数本のタイヤを同時に入庫するためのタイヤ入庫ガイド情報を生成する、請求項1~10のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項12】
前記制御部は、入庫したタイヤの圧縮状態を示す情報と、タイヤ保管期間情報に基づいて、タイヤの圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報を生成する、請求項1~11のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項13】
前記制御部は、出庫タイヤ指示情報を取得し、取得した出庫タイヤ指示情報に基づいて、複数の保管スペースの中から、出庫対象となるタイヤが保管されている保管スペースを特定し、出庫対象となるタイヤの出庫ガイド情報を生成する、請求項1~12のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項14】
前記タイヤ識別情報取得手段は、タイヤに設けられたRFIDタグの情報を取得するRFIDリーダである、請求項1~13のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項15】
さらに表示部を備え、
前記表示部は、前記制御部により生成された前記タイヤ入庫ガイド情報を表示する、請求項1~14のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項16】
さらにプリンタを備え、
前記プリンタは、前記タイヤ識別情報取得手段が、前記保管部に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得した際に、タイヤの種類を示す情報を含むタイヤ情報が印刷された印刷物を出力する、請求項1~15のいずれか1項に記載のタイヤ保管システム。
【請求項17】
前記印刷物には、入庫するタイヤが収容されるべき保管スペースの情報が印刷されている、請求項16に記載のタイヤ保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤラックが知られている。例えば、特許文献1には、自動車、オートバイ等の車両用のタイヤを保管するタイヤラックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-131919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のタイヤラックには、タイヤ径の異なる2種類のタイヤを載置することができる。しかしながら、特許文献1のタイヤラックは、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを混載するときに、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することまでは考慮していない。
【0005】
本発明の目的は、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを収容するときに、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することが可能なタイヤ保管システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タイヤ保管システムであって、タイヤを収容可能な複数の保管スペースを備える保管部と、前記保管部に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得するタイヤ識別情報取得手段と、制御部と、を備え、前記制御部は、取得した前記タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成し、前記タイヤの寸法情報は、タイヤの幅寸法情報と、タイヤの許容圧縮量情報と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを収容するときに、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することが可能なタイヤ保管システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のタイヤ保管システム1の概要を示す図である。
図2】保管部2に収容されるタイヤの一例を示す図である。
図3】タイヤの収容例を示す図である。
図4】本実施形態の制御部100のブロック図である。
図5A】第1の入庫作業例を説明するための図である。
図5B】第1の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図6A】第2の入庫作業例を説明するための図である。
図6B】第2の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図7A】第3の入庫作業例を説明するための図である。
図7B】第3の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図7C】タイヤの許容圧縮量情報を説明するための図である。
図8A】第4の入庫作業例を説明するための図である。
図8B】第4の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図9A】第5の入庫作業例を説明するための図である。
図9B】第5の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図10A】第6の入庫作業例を説明するための図である。
図10B】第6の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図10C】第6の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図11A】第7の入庫作業例を説明するための図である。
図11B】第7の入庫作業例における、入庫ガイド情報の表示例である。
図12A】第8の入庫作業例を説明するための図である。
図12B】入庫不可能であることを示す、入庫ガイド情報の表示例である。
図13A】第9の入庫作業例を説明するための図である。
図13B】入庫不可能であることを示す、入庫ガイド情報の表示例である。
図14】タイヤ保管情報の表示例である。
図15】出庫ガイド情報の表示例である。
図16】第10の入庫作業例を説明するための図である。
図17】タイヤ保管システムの変形例を示す図である。
図18】本実施形態のタイヤ保管システムの主要な処理の流れを示すフローチャートである。
図19】本実施形態のタイヤ保管システムの処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
図20】本実施形態のタイヤ保管システムの処理における、タイヤ入庫ガイド情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係るタイヤ保管システムについて説明する。図1は、本実施形態のタイヤ保管システム1の概要を示す図である。
【0010】
タイヤ保管システム1は、保管部2と、タイヤ識別情報取得手段としてのRFIDリーダ50と、制御部100と、を有する。また、タイヤ保管システム1は、さらに表示部としてのモニタ300を有する。
【0011】
保管部2は、複数のタイヤを収容可能な複数の保管スペースを有する。本実施形態においては、保管部2は、第1ラック10と、第2ラック20を有する。第1ラック10は、第1の保管スペースとしての第1ラック下段11と、第2の保管スペースとしての第1ラック上段12と、を有する。第2ラック20は、第3の保管スペースとしての第2ラック下段21と、第4の保管スペースとしての第2ラック上段22と、を有する。このように、保管部2は、タイヤを収容可能な複数の保管スペースを有する。本実施形態においては、4つの保管スペース11、12、21、22が示されている。なお、保管スペースの数はこれに限らない。例えば、10個以上であってもよい。なお、ひとつの保管スペースに、複数のタイヤを収容することが可能である。
【0012】
保管部2に収容されるタイヤには、識別情報保持媒体としてのRFIDタグRが設けられている。RFIDタグRには、タイヤ識別情報が保持されている。RFIDタグRに保持されているタイヤ識別情報は、タイヤの個体や種類を識別できる情報であればよく、例えば、タイヤの種類やタイヤの寸法情報等のタイヤ情報と関連付けられているシリアル番号であってもよい。あるいは、タイヤ識別情報は、タイヤの種類を示す情報であってもよい。
【0013】
タイヤ識別情報取得手段としてのRFIDリーダ50は、保管部2に入庫するタイヤに設けられたRFIDタグRから、タイヤ識別情報を取得する。RFIDリーダ50は、タイヤに近接可能に設けられているハンディタイプのRFIDリーダであることが好ましい。ただし、これに限らない。RFIDリーダ50は、制御部100に接続されている。
【0014】
制御部100は、タイヤを保管部2に入庫する際に、入庫ガイド情報を生成するための制御などを行う。制御部100による処理内容については後述する。
【0015】
表示部としてのモニタ300は、制御部100が生成した入庫ガイド情報などの案内画像を表示する。
【0016】
保管部2は、様々なサイズのタイヤを収容する。図2は、保管部2に収容されるタイヤの一例を示す図である。
【0017】
保管部2には、例えば、タイヤA、タイヤB、タイヤC、タイヤD、タイヤEといった、様々なサイズのタイヤが収容される。例えば、タイヤAの幅寸法はW1、径寸法はD1である。タイヤBの幅寸法はW2、径寸法はD2である。タイヤCの幅寸法はW3、径寸法はD3である。タイヤDの幅寸法はW4、径寸法はD4である。タイヤEの幅寸法はW5、径寸法はD5である。
【0018】
一例であるが、上述のタイヤに関する寸法は、W1=155mm、D1=520mm、W2=155mm、D2=630mm、W3=205mm、D3=670mm、W4=305mm、D4=670mm、W5=235mm、D5=810mmであってもよい。
【0019】
図1に示すように、第1ラック10の保管スペースの幅寸法はWR1である。第2ラック20の保管スペースの幅寸法はWR2である。すなわち、第1の保管スペース11および第2の保管スペース12の幅寸法はWR1である。また、第3の保管スペース21および第4の保管スペース22の幅寸法はWR2である。
【0020】
一例であるが、上述の保管スペースに関する寸法は、WR1=680mm、WR2=920mmであってもよい。
【0021】
なお、本実施形態においては、各保管スペース11、12、21、22それぞれに対して、収容可能高さが設定されている。例えば、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12、第3の保管スペース21の収容可能高さは700mmであり、第4の保管スペースの収容可能高さは850mmである。この場合、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12および第3の保管スペース21には、タイヤの径寸法が700mmを超えるタイヤを収容することはできない。第4の保管スペース22には、タイヤの径寸法が850mmを超えるタイヤを収容することはできない。
【0022】
なお、本実施形態においては、各保管スペース11、12、21、22それぞれに対して、載置可能な重量の限界を示す耐荷重が設定されている。
【0023】
図3は、タイヤの収容例を示す図である。図3には、図2に示される複数の様々なサイズのタイヤが、効率的に配置されて、保管部2に収容されている状態が示されている。具体的には、図3には、1本のタイヤA、4本のタイヤB、2本のタイヤC、4本のタイヤD、3本のタイヤEの全てが、効率的に配置されて、保管部2に収容されている状態が示されている。本実施形態によれば、モニタ300に表示される、後述の入庫ガイド情報に基づいてオペレータが入庫作業を行うことにより、様々なサイズのタイヤが複数存在しても、複数の保管スペースを利用して、このように効率的に収容することができる。
【0024】
図4は、本実施形態の制御部100のブロック図である。
【0025】
図4に示すように、制御部100は、タイヤ識別情報取得部110と、タイヤ情報取得部120と、入庫ガイド情報生成部130と、入庫ガイド情報出力部140と、タイヤ保管情報管理部150と、タイヤ保管情報出力部160と、出庫タイヤ指示情報取得部170と、出庫ガイド情報生成部180と、出庫ガイド情報出力部190と、記憶部200と、を有する。
【0026】
タイヤ識別情報取得部110は、タイヤ識別情報を取得する。より詳細には、タイヤ識別情報取得部110は、RFIDリーダ50が読み取った、タイヤのRFIDタグRに保持されているタイヤ識別情報を取得する。
【0027】
タイヤ情報取得部120は、取得したタイヤ識別情報に基づき、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報を取得する。タイヤの寸法情報には、タイヤの幅寸法情報が含まれる。また、タイヤの寸法情報には、タイヤの許容圧縮量情報が含まれてもよい。さらに、タイヤの寸法情報には、タイヤの径寸法情報が含まれてもよい。なお、タイヤ情報には、タイヤの重量情報が含まれていてもよい。また、タイヤ情報には、タイヤにホイールが装着されているか否かを示すホイール装着有無情報が含まれていてもよい。
【0028】
タイヤ情報取得部120は、例えば、タイヤ識別情報取得部110が取得したタイヤ識別情報と、データベースとを照合することにより、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報を取得する。タイヤ識別情報は、タイヤの個体や種類を識別できる情報であればよく、例えば、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報と関連付けられているシリアル番号であってもよい。シリアル番号等のタイヤ識別情報と、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報とを関連付けるデータベースは、後述の記憶部200に記憶されていてもよい。この場合、タイヤ情報取得部120は、取得したシリアル番号等のタイヤ識別情報と、データベース内の情報とを照合することにより、タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報等のタイヤ情報を取得する。なお、データベースには、タイヤ識別情報と関連付けられているタイヤの種類情報や、タイヤ製造年月日や、ホイール装着有無情報等の各種情報が含まれていてもよい。なお、タイヤに対してホイールの着脱作業をした際に、データベース内の、ホイール装着有無情報を書き換えてもよい。
【0029】
なお、RFIDタグのユーザーメモリ内に、タイヤ識別情報の一部して、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報を記憶させておいてもよい。この場合は、タイヤ識別情報が、タイヤの寸法情報等のタイヤ情報を含んでいるため、タイヤ情報取得部120は、データベース内の情報との照合作業を行うことなく、タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報等のタイヤ情報を取得することができる。なお、RFIDタグRのユーザーメモリ内に、タイヤの種類情報や、タイヤ製造年月日や、ホイール装着有無情報等の各種情報を記憶させておいてもよい。なお、タイヤに対してホイール着脱作業をした際に、RFIDタグRのユーザーメモリ内の、ホイール装着有無情報を書き換えてもよい。
【0030】
入庫ガイド情報生成部130は、取得したタイヤ情報に基づくタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。入庫ガイド情報生成部130は、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを収容する上で、スペースを最も効率的に利用できるようなタイヤの配置状態を算出し、タイヤ入庫ガイドを生成する。
【0031】
より詳細には、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22の寸法情報と、各保管スペース11、12、21、22のタイヤ在庫情報と、入庫される1つまたは複数のタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。ここで、タイヤ在庫情報とは、保管部2に既に入庫されているタイヤについてのタイヤ情報であり、例えば、保管部2に既に入庫されているタイヤの寸法情報を含む。
【0032】
ここで、タイヤの寸法情報は、タイヤの幅寸法情報を含む。各保管スペース11、12、21、22の寸法情報は、各保管スペースの幅寸法情報を含む。例えば、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの幅寸法情報と、各保管スペース11、12、21、22それぞれに既に入庫されているタイヤの幅寸法情報と、に基づき、各保管スペース11、12、21、22における現在の空きスペース情報を算出する。そして、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22における現在の空きスペース情報と、入庫されるタイヤの幅寸法情報に基づいて、入庫されるタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0033】
なお、タイヤの寸法情報には、タイヤの許容圧縮量情報が含まれていてもよい。入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22における現在の空きスペース情報と、入庫されるタイヤの許容圧縮量情報に基づいて、入庫されるタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成する。なお、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22における現在の空きスペース情報と、入庫されるタイヤの許容圧縮量情報と、保管部2に既に入庫されているタイヤの許容圧縮量情報に基づいて、入庫されるタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成してもよい。なお、タイヤの許容圧縮量情報は、圧縮状態のタイヤの幅寸法の許容値で表現されてもよいし、圧縮状態のタイヤの圧縮率の許容値で表現されてもよい。ここで、圧縮率とは、通常時のタイヤの幅寸法に対して、圧縮状態のタイヤの幅寸法がどれぐらい小さくなったかを示す割合である。
【0034】
なお、タイヤの寸法情報は、タイヤの径寸法情報を含んでもよい。各保管スペース11、12、21、22の寸法情報は、各保管スペースの収容可能高さ情報を含んでもよい。入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの収容可能高さ情報と、入庫されるタイヤの径寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成してもよい。
【0035】
なお、タイヤ情報は、タイヤの重量情報を含んでもよい。例えば、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの耐荷重情報と、各保管スペース11、12、21、22それぞれに既に入庫されているタイヤの重量情報と、に基づき、各保管スペース11、12、21、22に、あとどのくらいの重量のタイヤを載置できるのかを示す追加載置許容重量を算出する。そして、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22における追加載置許容重量と、入庫されるタイヤの重量情報に基づいて、入庫されるタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成してもよい。
【0036】
入庫ガイド情報出力部140は、入庫ガイド情報生成部130が生成した入庫ガイド情報をモニタ300に出力する。
【0037】
タイヤ保管情報管理部150は、タイヤの保管状態を示す情報を管理する。例えば、タイヤ保管情報管理部150は、入庫したタイヤの圧縮状態を示す情報と、タイヤ保管期間情報に基づいて、タイヤの圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報を生成する。
【0038】
タイヤ保管情報出力部160は、オペレータからの要求等に応じて、タイヤ保管情報管理部150が生成したタイヤ保管情報をモニタ300に出力する。
【0039】
出庫タイヤ指示情報取得部170は、出庫対象となるタイヤの指示情報を取得する。例えば、オペレータによって入力される、出庫対象となるタイヤの種類等を示す情報である出庫タイヤ指示情報を取得する。
【0040】
出庫ガイド情報生成部180は、出庫タイヤ指示情報に基づいて、複数の保管スペースの中から、出庫対象となるタイヤが保管されている保管スペースを特定し、出庫対象となるタイヤの出庫ガイド情報を生成する。
【0041】
出庫ガイド情報出力部190は、出庫ガイド情報生成部180が生成した出庫ガイド情報をモニタ300に出力する。
【0042】
記憶部200は、各種の情報を記憶している。例えば、タイヤ識別情報とタイヤの寸法情報等のタイヤ情報とを関連付けるデータベースが記憶されている。また、記憶部200は、各保管スペースの寸法情報や、各保管スペースのタイヤ在庫情報も記憶している。なお、各保管スペースのタイヤ在庫情報は、タイヤの入庫または出庫を行う度に、書き換えられる。記憶部200は、タイヤ保管情報管理部150によって管理されている情報も随時更新しながら記憶している。
【0043】
図5A図16は、本実施形態のタイヤ保管システム1によって行われる、タイヤの入庫または出庫作業時等の例を説明するための図である。
【0044】
図5Aおよび図5Bは、第1の入庫作業例を説明するための図である。図5Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0045】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤD(幅寸法W4=305mm)であると判定する。
【0046】
制御部100は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの幅寸法情報と、各保管スペース11、12、21、22のタイヤ在庫情報、すなわち、各保管スペース11、12、21、22それぞれに既に入庫されているタイヤの幅寸法情報と、に基づき、各保管スペース11、12、21、22における現在の空きスペース情報を算出する。この例では、制御部100は、空きスペース情報の算出結果より、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12、および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第3の保管スペース21(幅寸法WR2=920mm)には、2本のタイヤD(幅寸法W4=305mm)が収容されているものの、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を1本収容するための空きスペース(310mm)が存在していると判断する。
【0047】
よって、制御部100は、運び込まれたタイヤDを第3の保管スペース21に入庫できると判断し、入庫ガイド情報を生成する。表示部300は、図5Bに示すような、運び込まれたタイヤDを、第3の保管スペース21(第2ラック下段21)に収容するようにオペレータに対して指示する入庫ガイド情報を表示する。
【0048】
なお、空きスペース情報は、過去のタイヤの入出庫時のタイミングで算出され、その情報が記憶部200に記憶されていてもよい。
【0049】
図6Aおよび図6Bは、第2の入庫作業例を説明するための図である。図6Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、複数本のタイヤ、ここではタイヤAおよびタイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0050】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれた複数本のタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれた複数本のタイヤそれぞれの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤA(W1=155mm)およびタイヤD(幅寸法W4=305mm)であると判定する。なお、このとき、制御部100は、連続して取得したタイヤ識別情報の数により、同時に入庫するタイヤの本数を認識してもよい。
【0051】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第1の保管スペース11および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第2の保管スペース12(幅寸法WR1=680mm)には、3本のタイヤB(幅寸法W2=155mm)が収容されているものの、空きスペース(215mm)が存在していると判断する。また、制御部100は、第3の保管スペース21(幅寸法WR2=920mm)には、2本のタイヤD(幅寸法W4=305mm)が収容されているものの、空きスペース(310mm)が存在していると判断する。
【0052】
制御部100は、これらの複数の保管スペースの空きスペースの情報と、運び込まれた複数本のタイヤの幅寸法の情報に基づき、運び込まれた複数本のタイヤが、保管部2に入庫可能であるか否かを判断する。この例では、制御部100は、第2の保管スペース12には、タイヤA(幅寸法W1=155mm)を1本収容するための空きスペース(215mm)が存在し、第3の保管スペース21には、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を1本収容するための空きスペース(310mm)が存在していると判断する。
【0053】
よって、制御部100は、運び込まれた複数本のタイヤ(タイヤA、タイヤD)を保管部2に入荷できると判断し、入庫ガイド情報を生成する。表示部300は、図6Bに示すような、タイヤAを第2の保管スペース12(第1ラック上段12)に収容し、タイヤDを第3の保管スペース21(第2ラック下段21)に収容するようにオペレータに対して指示する入庫ガイド情報を表示する。
【0054】
このように、同時に入庫する異なるサイズの複数本のタイヤのタイヤ識別情報がRFIDリーダ50によって取得される。制御部100は、タイヤ識別情報に基づき、同時に入庫する異なるサイズの複数本のタイヤのタイヤ寸法情報を取得する。そして、制御部100は、異なるサイズの複数本のタイヤを同時に入庫するためのタイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0055】
図7A図7Cは、第3の入庫作業例を説明するための図である。図7Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0056】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤD(幅寸法W4=305mm、許容圧縮率CR=5%)であると判定する。
【0057】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第2の保管スペース12、第3の保管スペース21、および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第1の保管スペース11(幅寸法WR1=680mm)には、2本のタイヤC(幅寸法W3=205mm、許容圧縮率CR=5%)が収容されているものの、空きスペース(270mm)が存在していると判断する。
【0058】
制御部100は、複数の保管スペース11、12、21、22のうち、第1の保管スペース11が、最も広い空きスペースを有していると判断する。しかしながら、制御部100は、このままでは、第1の保管スペース11の空きスペース(270mm)に、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を収容できないと判断する。
【0059】
ここで、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの許容圧縮量情報も取得している。また、制御部100は、タイヤ在庫情報として、保管部2に既に入庫されているタイヤについても、タイヤの許容圧縮量情報を記憶している。
【0060】
図7Cは、タイヤの許容圧縮量情報を説明するための図である。タイヤは、図7Cの左図に示すように、ホイールのリムが装着されている場合においては、幅寸法Waが小さくなるようにタイヤの幅方向に圧縮することは困難である。一方、図7Cの右図に示すように、ホイールのリムが装着されていない場合は、幅寸法Waが幅寸法Wbとなるようにタイヤの幅方向に圧縮することが可能である。ここで、タイヤの許容圧縮量情報は、圧縮状態のタイヤの幅寸法Wb自体で表現されてもよいし、圧縮状態のタイヤの圧縮率で表現されてもよい。圧縮状態のタイヤの圧縮率、すなわち許容圧縮率CRは、通常時のタイヤの幅寸法Waに対して、許容される圧縮状態のタイヤの幅寸法Wbがどれぐらい小いかを示す割合であり、許容圧縮率CR=(Wa-Wb)/Waで表される。なお、リムが装着されていない状態のタイヤの許容圧縮率CRは、0%よりも大きい数値に設定されており、その許容圧縮率CRの数値が、例えば記憶部200に記憶されている。そして、空きスペース等の状況に応じて、この許容圧縮率CRが、タイヤを配置するための計算に用いられる。なお、許容圧縮率CRは、タイヤの種類ごとに設定されていてもよい。一方、リムが装着された状態のタイヤの許容圧縮率は、0%に設定されている。すなわち、リムが装着された状態のタイヤの場合は、タイヤの幅寸法Waが圧縮されないものであるとして、タイヤを配置するための計算に用いられる。入庫ガイド情報生成部130は、タイヤの幅寸法情報およびタイヤの許容圧縮情報を含むタイヤの寸法情報に基づき、保管スペースにおけるタイヤの配置位置の候補を決定し、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0061】
制御部100は、運び込まれた1本のタイヤDおよび、既に保管部2に入庫されている2本のタイヤCの全てを許容圧縮率CR以下の圧縮率で圧縮すれば、保管部2に入荷できる場合、入庫ガイド情報を生成する。この例では、運び込まれたタイヤD、既に保管部2に入庫されているタイヤCとも、許容圧縮率CRが5%であったとする。制御部100は、運び込まれた1本のタイヤDおよび、既に保管部2に入庫されている2本のタイヤCの全てを圧縮率5%で圧縮すれば、保管部2に入荷できると判断し、入庫ガイド情報を生成する。
【0062】
表示部300は、図7Bに示すような、運び込まれたタイヤDを、第1の保管スペース11(第1ラック下段11)に収容するようにオペレータに指示する入庫ガイド情報を表示する。このように、制御部100は、入庫するタイヤの許容圧縮量情報に加えて、タイヤ在庫情報、すなわち、保管部2に既に入庫されているタイヤの許容圧縮量情報に基づいて、入庫ガイド情報を生成してもよい。なお、タイヤを圧縮して収容する必要があることを示す情報を、入庫ガイド情報に含ませることが好ましい。
【0063】
なお、タイヤを圧縮すれば入庫可能な保管スペースが複数ある場合は、制御部100は、運び込まれたタイヤを入庫する保管スペースとして、タイヤの圧縮率が最小となるような保管スペースを選択する。
【0064】
図8A図8Bは、第4の入庫作業例を説明するための図である。図8Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0065】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤD(幅寸法W4=305mm)であると判定する。
【0066】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12、および第3の保管スペース21には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第4の保管スペース22(幅寸法WR2=920mm)には、3本のタイヤE(幅寸法W5=235mm)が収容されているものの、空きスペース(215mm)が存在していると判断する。
【0067】
制御部100は、複数の保管スペース11、12、21、22のうち、第4の保管スペース22が、最も広い空きスペースを有していると判断する。しかしながら、制御部100は、このままでは、第4の保管スペース22の空きスペース(215mm)に、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を収容できないと判断する。よって、制御部100はさらに、入庫済みのタイヤの収容位置を変更することで、すなわち、在庫タイヤの組み換え作業を行うことで、運び込まれたタイヤを含めた全てのタイヤを、保管部2に収容できるか否かを判断する。
【0068】
この例では、制御部100は、入庫済みのタイヤとして、第3の保管スペース21に収容されている1本のタイヤB(W=155mm)を、第4の保管スペース22の空きスペース(215mm)に移すことが可能であると判断する。そして、第3の保管スペース21(幅寸法WR2=920mm)には、2本のタイヤD(幅寸法W4=305mm)が残るものの、タイヤD(幅寸法W4=305mm)をさらに1本収容するための空きスペース(310mm)を作ることができると判断する。
【0069】
よって、制御部100は、入庫済みのタイヤの収容位置を変更することにより、運び込まれたタイヤDも入庫可能であると判断し、入庫ガイド情報を生成する。表示部300は、図8Bに示すような、入庫済みのタイヤBの収容位置を、第3の保管スペース21(第2ラック下段21)から第4の保管スペース22(第2ラック上段22)に移動する指示と、運び込まれたタイヤDを、第3の保管スペース21(第2ラック下段21)に収容する指示をオペレータに対して行う入庫ガイド情報を表示する。なお、オペレータが行うべき作業の順番に関する情報を、入庫ガイド情報に含ませることが好ましい。
【0070】
図9A図9Bは、第5の入庫作業例を説明するための図である。図9Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0071】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤD(幅寸法W4=305mm)であると判定する。
【0072】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第1の保管スペース11、第3の保管スペース21、および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第2の保管スペース12(幅寸法WR1=680mm)には、3本のタイヤB(幅寸法W5=155mm)が収容されているものの、空きスペース(215mm)が存在していると判断する。
【0073】
制御部100は、複数の保管スペース11、12、21、22のうち、第2の保管スペース12が、最も広い空きスペースを有していると判断する。しかしながら、制御部100は、このままでは、第2の保管スペース12の空きスペース(215mm)に、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を収容できないと判断する。よって、制御部100はさらに、入庫済みのタイヤの収容位置を変更することで、すなわち、在庫タイヤの組み換え作業を行うことで、運び込まれたタイヤを含めた全てのタイヤを、保管部2に収容できるか否かを判断する。
【0074】
この例では、制御部100は、入庫済みのタイヤとして、第1の保管スペース11に収容されている1本のタイヤA(W=155mm)を、第2の保管スペース12の空きスペース(215mm)に移すことが可能であると判断する。そして、第1の保管スペース11(幅寸法WR1=680mm)には、2本のタイヤC(幅寸法W4=205mm)が残るものの、空きスペース(270mm)を作ることができると判断する。
【0075】
この例では、制御部100は、まだこのままでは、第1の保管スペース11の空きスペース(270mm)に、タイヤD(幅寸法W4=305mm)を収容できないと判断する。
【0076】
しかしながら、第3の入庫作業例で説明したように、制御部100は、運び込まれた1本のタイヤDおよび、既に保管部2に収容されている2本のタイヤCの全てを許容圧縮率CRまで圧縮すれば、保管部2に入荷可能であると判断し、入庫ガイド情報を生成する。表示部300は、図9Bに示すような、入庫済みのタイヤAの収容位置を、第1の保管スペース11(第1ラック下段11)から第2の保管スペース12(第1ラック上段12)に移動する指示と、運び込まれたタイヤDを、第1の保管スペース11(第1ラック下段11)に収容する指示をオペレータに対して行う入庫ガイド情報を表示する。このとき、運び込まれたタイヤDを、第1の保管スペース11(第1ラック下段11)に収容する際に、タイヤを圧縮して収容する必要があることを示す情報を、入庫ガイド情報に含ませることが好ましい。
【0077】
図10A図10Cは、第6の入庫作業例を説明するための図である。図10Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤEが運び込まれた場合について考える。
【0078】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤE(径寸法D5=810mm、幅寸法W5=235mm)であると判定する。
【0079】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第1の保管スペース11および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第2の保管スペース12(幅寸法WR1=680mm)には、2本のタイヤB(幅寸法W2=155mm)および1本のタイヤA(幅寸法W1=155mm)が収容されているものの、空きスペース(215mm)が存在していると判断する。また、第3の保管スペース21(幅寸法WR2=920mm)には、2本のタイヤD(幅寸法W4=305mm)が収容されているものの、空きスペース(310mm)が存在していると判断する。
【0080】
制御部100は、各保管スペース11、12、21、22の寸法情報として、各保管スペースの収容可能高さ情報も記憶している。例えば、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12、第3の保管スペース21の収容可能高さは700mm以下であり、第4の保管スペースの収容可能高さは850mm以下である。よって制御部100は、第1の保管スペース11、第2の保管スペース12および第3の保管スペース21(収容可能高さ=700mm)には、タイヤE(径寸法D5=810mm)を収容できないと判断する。
【0081】
制御部100は、第1の保管スペース11に既に収容されているタイヤBを、他の保管スペースに移動できるか否かを判断する。この例では、制御部100は、入庫済みのタイヤとして、第4の保管スペース22に収容されている1本のタイヤB(幅寸法W2=155mm)を、第3の保管スペース21の空きスペース(310mm)、または第2の保管スペース12の空きスペース(215mm)に移すことが可能であると判断する。
【0082】
これにより、第4の保管スペース22(幅寸法WR2=920mm)には、2本のタイヤE(幅寸法W5=235mm)および1本のタイヤB(幅寸法W2=155mm)が残るものの、タイヤE(幅寸法W5=235mm)をさらに1本収容するための空きスペース(295mm)を作ることができると判断する。
【0083】
よって、制御部100は、入庫済みのタイヤの収容位置を変更することにより、運び込まれたタイヤDも入庫可能であると判断し、入庫ガイド情報を生成する。
【0084】
図10Bは、制御部100が、入庫済みタイヤの移動負担が小さくなるような条件で、入庫ガイド情報を生成した例である。この場合、表示部300は、入庫済みのタイヤBの収容位置を、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)から第3の保管スペース21(第2ラック下段21)に移動する指示と、運び込まれたタイヤEを、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)に収容する指示をオペレータに対して行う入庫ガイド情報を表示する。これにより、入庫済みタイヤのタイヤ位置の組み換え作業が容易になる。なお、入庫済みタイヤの移動負担が小さくなる条件とは、入庫済みタイヤの組み換え本数や移動量が考慮されて決定される条件である。
【0085】
図10Cは、制御部100が、デッドスペースが少なくなるような条件で、入庫ガイド情報を生成した例である。この場合、表示部300は、入庫済みのタイヤBの収容位置を、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)から第2の保管スペース12(第1ラック上段12)に移動する指示と、運び込まれたタイヤEを、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)に収容する指示をオペレータに対して行う入庫ガイド情報を表示する。これにより、さらに追加で入庫するタイヤが運び込まれたときに、入庫済みタイヤのタイヤ位置の組み換え作業をせずに、入庫できる可能性が高まる。
【0086】
なお、入庫ガイド情報を生成する上で優先される上述の条件は、オペレータにより選択できるように構成されていることが好ましい。
【0087】
図11Aおよび図11Bは、第7の入庫作業例を説明するための図である。図11Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤBが運び込まれた場合について考える。
【0088】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤB(幅寸法W2=155mm)であると判定する。また、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤBの重量情報も取得する。なお、制御部100は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの耐荷重情報を記憶している。
【0089】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第1の保管スペース11、第3の保管スペース21および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。一方、制御部100は、第2の保管スペース12(幅寸法WR1=680mm)には、3本のタイヤB(幅寸法W2=155mm)が収容されているものの、空きスペース(215mm)が存在していると判断する。
【0090】
制御部100は、各保管スペース11、12、21、22それぞれの耐荷重情報と、各保管スペース11、12、21、22それぞれに既に入庫されているタイヤの重量情報と、に基づき、各保管スペース11、12、21、22に、あとどのくらいの重量のタイヤを載置できるのかを示す追加載置許容重量を算出する。そして、入庫ガイド情報生成部130は、各保管スペース11、12、21、22における追加載置許容重量と、入庫されるタイヤの重量情報に基づいて、入庫されるタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成する。例えば、制御部100は、タイヤBの重量情報と、第2の保管スペース12の追加載置許容重量を比較し、第2の保管スペース12に、タイヤBを追加で収容すると、耐荷重を超えてしまうと判断する。この場合、制御部100は、タイヤBよりも軽いタイヤ(タイヤA)を、第2の保管スペース12に移動し、その移動により空いた明きスペースに、運び込まれたタイヤBに移動できるか否かを判断する。
【0091】
この例では、制御部100は、入庫済みのタイヤとして、第4の保管スペース22に収容されている1本のタイヤA(幅寸法W2=155mm)を、第2の保管スペース12の空きスペース(215mm)に移すことが可能であると判断する。すなわち、制御部100は、第2の保管スペース12に、3本のタイヤBと、1本のタイヤAを収容しても、第2の保管スペース12の耐荷重を超えないと判断する。
【0092】
制御部100は、第4の保管スペース22に収容されている1本のタイヤAを、第2の保管スペース12の空きスペースに移した場合、第4の保管スペース22(幅寸法WR2=920mm)には、3本のタイヤE(幅寸法W5=235mm)が残るものの、タイヤB(幅寸法W2=155mm)をさらに1本収容するための空きスペース(215mm)を作ることができると判断する。
【0093】
よって、制御部100は、入庫済みのタイヤの収容位置を変更することにより、運び込まれたタイヤBも入庫可能であると判断し、入庫ガイド情報を生成する。表示部300は、図11Bに示すような、入庫済みのタイヤAの収容位置を、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)から第2の保管スペース12(第1ラック上段12)に移動する指示と、運び込まれたタイヤBを、第4の保管スペース22(第2ラック上段22)に収容する指示をオペレータに対して行う入庫ガイド情報を表示する。このとき、入庫ガイド情報には、入庫可否に関する警告情報を含ませることが好ましい。運び込まれたタイヤBは、サイズ的には、保管スペース12に収容することができる。よって、タイヤBを第2の保管スペース12に収容すると、保管スペースの耐荷重を超えてしまうことを示す情報を、入庫ガイド情報に含ませることが好ましい。
【0094】
図12Aおよび図12Bは、第8の入庫作業例を説明するための図である。図12Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、タイヤDが運び込まれた場合について考える。
【0095】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、タイヤD(幅寸法W4=305mm)であると判定する。
【0096】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第2の保管スペース12、第3の保管スペース21および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。また、制御部100は、最も空きスペースの広い第1の保管スペース11(幅寸法WR1=680mm)においても、1本のタイヤC(幅寸法W3=205mm)および1本のタイヤD(幅寸法W2=305mm)が収容されているため、空きスペース(170mm)が、タイヤDを入庫する上で十分でないと判断する。
【0097】
この場合、制御部100は、入庫ガイド情報として、入庫不可能であることを示す情報を生成する。表示部300は、図12Bに示すような、入庫不可能であることをオペレータに知らせるための情報を表示する。
【0098】
図13Aおよび図13Bは、第9の入庫作業例を説明するための図である。図13Aに示すように、保管部2の各保管スペースには、既に複数のタイヤが保管されている。この状態において、保管部2に入庫するために、ホイールが装着された状態のタイヤDであるタイヤDhが運び込まれた場合について考える。ここで、前述のとおり、ホイールのリムが装着された状態のタイヤは、幅寸法が小さくなるようにタイヤの幅方向に圧縮することは困難である。
【0099】
オペレータは、RFIDリーダ50を用いて、運び込まれたタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づき、運び込まれたタイヤの種類およびその寸法情報等を取得する。この例では、制御部100は、運び込まれたタイヤが、ホイール付きのタイヤDh(幅寸法W4=305mm)であると判定する。
【0100】
制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報に基づく空きスペースの算出結果より、第2の保管スペース12、第3の保管スペース21および第4の保管スペース22には、空きスペースがほとんど無いと判断する。また、制御部100は、最も空きスペースの広い第1の保管スペース11(幅寸法WR1=680mm)においても、ホイールが装着されている状態のタイヤCであるタイヤCh(幅寸法W3=205mm)が2本収容されているため、空きスペース(270mm)が、ホイール付きのタイヤDhを入庫する上で十分でないと判断する。
【0101】
この場合、制御部100は、入庫ガイド情報として、入庫不可能であることを示す情報を生成する。表示部300は、図13Bに示すような、入庫不可能であることをオペレータに知らせるための情報を表示する。
【0102】
図14は、モニタ300による、タイヤ保管情報の表示例である。
【0103】
制御部100は、入庫したタイヤの圧縮状態を示す情報と、タイヤ保管期間情報に基づいて、タイヤの圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報を生成する。そして、制御部100は、外部からの要求等に応じて、タイヤの圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報をモニタ300に出力する。
【0104】
例えば、保管部2に保管されているタイヤの中に、圧縮状態で保管されているタイヤがある場合、制御部100は、圧縮状態が所定時間経過したタイミングで、タイヤ圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報をモニタ300に出力する。あるいは、オペレータによる問い合わせ操作に応じて、タイヤの圧縮状態を示す情報含むタイヤ保管情報をモニタ300に出力する。
【0105】
なお、タイヤの圧縮状態を示す情報は、前記各保管スペース幅寸法情報と、各保管スペースに入庫されているタイヤの幅寸法情報に基づき、算出可能である。ここで、タイヤ圧縮状態を示す情報は、タイヤの圧縮率であってもよい。
【0106】
なお、図14の表示例に示されるように、タイヤ保管情報に、圧縮状態のタイヤが保管されている保管スペースの位置を示す情報を含めてもよい。また、タイヤ保管情報に、圧縮状態が維持されている経過時間情報を含ませてもよい。
【0107】
圧縮状態で長期間タイヤを保管することは、好ましくない場合がある。本実施形態の構成により、保管部2に保管されているタイヤの状態を適切に管理することができる。
【0108】
図15は、モニタ300による、出庫ガイド情報の表示例である。
【0109】
制御部100は、出庫タイヤ指示情報に基づいて、複数の保管スペースの中から、出庫対象となるタイヤが保管されている保管スペースを特定し、出庫対象となるタイヤの出庫ガイド情報を生成する。
【0110】
例えば、制御部100に接続された不図示の入力部に、タイヤCの出庫を指示する入力があった場合、制御部100は、タイヤCが保管されている保管スペースを特定し、タイヤCの出庫ガイド情報を生成する。そして、制御部100は、生成した出庫ガイド情報をモニタ300に出力する。
【0111】
なお、図15の表示例に示されるように、出庫ガイド情報には、出庫が指示されたタイヤの保管スペースの位置を示す情報が含まれている。なお、出庫ガイド情報には、出庫が指示されたタイヤの在庫本数情報や、タイヤが圧縮状態で収容されていることを示す情報や、他の種類のタイヤも同じ保管スペースに保管されていることを示す情報といった、各種の報知情報が含まれていてもよい。
【0112】
これにより、複数の保管スペースに、複数の異なる種類のタイヤを保管している場合であっても、出庫対象のタイヤを探すべき保管スペースが特定されるため、オペレータは、出庫対象のタイヤを効率的に出庫することができる。
【0113】
図16は、第10の入庫作業例を説明するための図である。図16に示すように、保管部2に一度に入庫するタイヤの本数に制限はなく、例えば10本~30本程度であってもよい。また、保管スペースの数は、さらに多くてもよい。
【0114】
このような場合、RFIDリーダ50は、同時に入庫する複数本の異なるサイズのタイヤのタイヤ識別情報を取得する。制御部100は、タイヤ識別情報に基づき、同時に入庫する複数本の異なるサイズのタイヤのタイヤ寸法情報を取得する。そして、制御部100は、複数本の異なるサイズのタイヤを同時に入庫するためのタイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0115】
例えば、制御部100は、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、各保管スペースの空きスペース情報を算出し、算出された各保管スペースの空きスペース情報と、同時に入庫する複数本の異なるサイズのタイヤの幅寸法情報と、に基づいて、入庫するどのタイヤをどの保管スペースに入庫すべきかを示すタイヤ入庫ガイド情報を生成する。このようにして、制御部100は、タイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報等のタイヤ情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成することが可能である。制御部100はさらに、前述のタイヤおよび保管スペースに関するに各種の情報を利用して、タイヤ入庫ガイド情報を生成してもよい。
【0116】
図17は、タイヤ保管システム1の変形例を示す図である。
【0117】
この変形例においては、タイヤ保管システム1は、制御部100と接続されたプリンタ400を備える。
【0118】
RFIDリーダ50が、保管部2に入庫するタイヤに設けられたRFIDタグRからタイヤ情報を取得した際に、プリンタ400は、タイヤ情報が印刷されたシールや紙等の目印となる印刷物Mを出力する。印刷されるタイヤ情報は、例えば「タイヤD」といった、タイヤの種類を示す情報が含まれることが好ましい。なお、印刷物Mには、入庫するタイヤが収容されるべき保管スペースの位置の情報が追加で印刷されていてもよい。保管スペースの位置の情報は、「第2ラック下段」といった文字情報であってもよいし、イラストによる情報であってもよい。
【0119】
オペレータは、タイヤの入庫に伴って、この印刷物Mを入庫するタイヤに貼り付ける。これにより、タイヤの出庫時において、図15に示される出庫ガイド情報により、出庫対象のタイヤを探すべき保管スペースを特定したのち、タイヤに貼り付けられた印刷物Mを目視確認することで、出庫対象のタイヤをさらに効率的に出庫することができる。
【0120】
なお、在庫タイヤの組み換え作業を行う場合は、プリンタ400は、タイヤ情報および新しい保管スペースの情報が印刷された印刷物Mをプリントアウトしてもよい。オペレータは、組み換え作業を行うタイヤに、新たにプリントアウトされたこの印刷物Mを貼り付ける。
【0121】
図18は、本実施形態のタイヤ保管システム1の主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【0122】
ステップS11において、タイヤ識別情報取得手段としてのRFIDリーダ50は、保管部2に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得する。
【0123】
ステップS12において、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0124】
図19は、本実施形態のタイヤ保管システム1の処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
【0125】
ステップS21において、タイヤ識別情報取得手段としてのRFIDリーダ50は、保管部2に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得する。このステップS21の処理は、図18のフローチャートのステップS11のタイヤ識別情報取得処理に対応する。このとき、制御部100は、連続して取得したタイヤ識別情報の数により、同時に入庫するタイヤの本数を認識してもよい。
【0126】
ステップS22において、制御部100は、タイヤ識別情報に基づき、タイヤ寸法情報等のタイヤ情報を取得する。本実施形態においては、タイヤの寸法情報は、タイヤの幅寸法情報と、タイヤの許容圧縮量情報と、を含んでいる。
【0127】
ステップS23において、制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報とに基づき、各保管スペースにおける空きスペース情報を算出する。なお、このステップは、前回のタイヤ入出庫時におけるタイヤ在庫情報の更新時に行われていてもよい。
【0128】
ステップS24において、制御部100は、算出された各保管スペースにおける空きスペース情報と、入庫するタイヤの幅寸法情報等に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成するタイヤ入庫ガイド情報生成処理を行う。
【0129】
ステップS25において、制御部100は、生成されたタイヤ入庫ガイド情報を、モニタ300に出力する。モニタ300は、生成されたタイヤ入庫ガイド情報を表示する。
【0130】
ステップS26において、制御部100は、タイヤ在庫情報の更新を行う。なお、タイヤを圧縮した状態で入庫した場合は、タイヤの圧縮率の情報を含むタイヤ在庫情報を更新する。
【0131】
図20は、本実施形態のタイヤ保管システム1の処理における、タイヤ入庫ガイド情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0132】
ステップS31において、制御部100は、入庫するタイヤの寸法情報に基づき、在庫タイヤの位置の組み換えをせずに、タイヤを入庫できるか否かを判断する。より詳細には、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報と、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する。この時点では、タイヤを圧縮することなく、タイヤを入庫できるか否かを判断する。
【0133】
ステップS31において、制御部100が、在庫タイヤの位置の組み換えをせずに、タイヤを入庫することができると判断した場合、ステップS32に移行する。
【0134】
一方、ステップS31において、制御部100が、在庫タイヤの位置の組み換えをせずに、タイヤを入庫することはできないと判断した場合、ステップS34に移行する。
【0135】
ステップS34において、制御部100は、タイヤを圧縮すれば、タイヤを入庫することができるか否かを判断する。より詳細には、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの許容圧縮量情報と、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する。なお、タイヤ在庫情報には、保管部2に既に入庫されているタイヤの許容圧縮量情報が含まれていてもよい。
【0136】
ステップS34において、制御部100が、タイヤを圧縮すれば、タイヤを入庫することができると判断した場合、ステップS35に移行する。
【0137】
ステップS35において、タイヤを圧縮すれば入庫可能な保管スペースが複数ある場合は、制御部100は、タイヤの圧縮率が最小となるような保管スペースを判定する、制御部100は、タイヤの圧縮率が最小となるような保管スペースを、タイヤを入庫する保管スペースとして決定し、ステップS32に移行する。
【0138】
ステップS34において、制御部100が、タイヤを圧縮しても、タイヤを入庫することができないと判断した場合、ステップS36に移行する。
【0139】
ステップS36において、制御部100は、在庫タイヤの位置の組み換えをすれば、タイヤを入庫できるか否かを判断する。この時点では、タイヤを圧縮することなく、タイヤを入庫できるか否かを判断する。
【0140】
ステップS36において、制御部100が、在庫タイヤの位置の組み換えをすれば、タイヤを入庫できると判断した場合、ステップS37に移行する。
【0141】
ステップS37において、制御部100は、タイヤの適切な移動手順を決定する。例えば、制御部100は、在庫タイヤの移動負担が少なくなるような移動手順を決定し、ステップS32に移行する。あるいは、制御部100は、保管スペースのデッドスペースが少なくなるような移動手順を決定し、ステップS32に移行する。このように、制御部100は、新たに入庫するタイヤを入庫可能とするために、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する必要があると判定したときに、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する指示を含むタイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0142】
ステップS36において、制御部100が、在庫タイヤの位置の組み換えをしても、タイヤを入庫することができないと判断した場合、ステップS38に移行する。
【0143】
ステップS38において、制御部100は、在庫タイヤの位置の組み換えをし、かつタイヤを圧縮すれば、タイヤを入庫できるか否かを判断する。
【0144】
ステップS38において、制御部100は、在庫タイヤの位置の組み換えをし、かつタイヤを圧縮すれば、タイヤを入庫できると判断した場合、ステップS37に移行し、適切な移動手順を決定する。
【0145】
ステップS38において、制御部100は、在庫タイヤの位置の組み換えをし、かつタイヤを圧縮しても、タイヤを入庫できないと判断した場合、ステップS39に移行し、タイヤを入庫できないと判断する。この場合、入庫不可であることを報知するための情報を出力する。
【0146】
ステップS32では、制御部100は、入庫するタイヤの重量情報に基づき、タイヤを入庫する保管スペースの耐荷重に問題がないかを判断する。
【0147】
ステップS32において、制御部100は、保管スペースの耐荷重に問題があると判断した場合、ステップS36に移行し、在庫タイヤの位置の組み換えをすれば、タイヤを入庫できるか否かを判断する。
【0148】
ステップS32において、制御部100は、保管スペースの耐荷重に問題がないと判断した場合、ステップS33に移行し、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。
【0149】
以上のような構成により、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを収容するときにおいても、タイヤの寸法等を考慮した上で、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0150】
なお、タイヤ情報取得手段は、RFIDリーダに限らない。例えば、タイヤ識別情報取得部110は、ユーザーが手入力した情報を、タイヤ識別情報として取得してもよい。この場合、例えばユーザーは、タイヤを識別するための情報を、制御部100に接続された不図示の入力部に入力する。タイヤ識別情報取得部110は、入力された情報を、タイヤ識別情報として取得する。また、タイヤ識別情報取得部110は、光学的読み取り手段による取得された情報を、タイヤ識別情報として取得してもよい。例えば、タイヤ識別情報取得部110は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末のカメラにより撮影されたタイヤの画像情報を、タイヤ識別情報として取得してもよい。
【0151】
なお、制御部100は、上述のように複数の機能ブロックにより構成されているが、各機能ブロックは必ずしも物理的に分かれている必要は無く、1つのCPUが、複数の機能ブロックの機能を実現してもよい。また、制御部100は、制御対象部の配置等を考慮して、2つ以上に場所に分かれて配置されていてもよい。例えば、制御部100を構成する機能ブロックの一部または全部が、不図示のサーバに設けられていてもよい。また、制御部100を構成する一部または全部が、不図示のスマートフォンやタブレット等の携帯端末に設けられていてもよい。また、スマートフォンやタブレット等の携帯端末の表示部を、本実施形態のモニタ300として用いてもよい。すなわち、携帯端末により、本実施形態の制御部100の一部または全部と、モニタ300とを構成してもよい。さらに、このような携帯端末に、タイヤ識別情報取得部を設けてもよい。
【0152】
なお、記憶部200は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または着脱可能なメモリカード等の記録媒体で構成される。記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible media)が挙げられる。なお、制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサを含んで構成される。制御部100の各種機能は、例えば記憶部200に格納されたプログラム(アプリケーション)を実行することで実現される。プログラム(アプリケーション)は、ネットワークを介して提供されてもよいし、CD-ROM(Compact Disc Read only memory)またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(computer readable storage medium)に記録されて提供されてもよい。なお、制御部100の各機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0153】
本実施形態の情報処理システムによれば、以下の効果を奏する。
【0154】
(1)本実施形態のタイヤ保管システム1は、タイヤを収容可能な複数の保管スペースを備える保管部2と、保管部2に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得するタイヤ識別情報取得手段50と、制御部100と、を備え、制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、複数の保管スペースに対して様々なサイズのタイヤを収容するときにおいても、タイヤの寸法等を考慮した上で、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。ここで、タイヤの寸法情報は、タイヤの幅寸法情報を含むことが好ましい。これにより、よりスペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。また、タイヤの寸法情報は、タイヤの許容圧縮量情報を含むことが好ましい。これにより、よりスペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0155】
(2)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報と、に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0156】
(3)本実施形態のタイヤ保管システム1において、各保管スペースの寸法情報は、各保管スペースの幅寸法情報を含み、制御部100は、各保管スペースの幅寸法情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報とに基づき、各保管スペースにおける空きスペース情報を算出し、算出された各保管スペースにおける空きスペース情報と、入庫するタイヤについてのタイヤの幅寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0157】
(4)本実施形態のタイヤ保管システム1において、タイヤの寸法情報は、タイヤの径寸法情報を含み、各保管スペースの寸法情報は、各保管スペースの収容可能高さ情報を含み、制御部100は、各保管スペースの収容可能高さ情報と、入庫するタイヤの径寸法情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、スペースを適切に利用してタイヤを収容することができる。
【0158】
(5)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの寸法情報と、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する。これにより、作業性も考慮しつつ、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0159】
(6)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤの許容圧縮量情報と、各保管スペースの寸法情報と、各保管スペース内のタイヤ在庫情報と、に基づき、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更することなく、新たに入庫するタイヤを入庫できるか否かを判定する。これにより、作業性も考慮しつつ、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0160】
(7)本実施形態のタイヤ保管システム1において、タイヤ在庫情報は、保管部2に既に入庫されているタイヤの許容圧縮量情報を含む。これにより、在庫タイヤの許容圧縮量情報を考慮した上で、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0161】
(8)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、新たに入庫するタイヤを入庫可能とするために、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する必要があると判定したときに、入庫済みのタイヤの入庫位置を変更する指示を含むタイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができると共に、オペレータが適切にタイヤ入庫作業を行うことができる。
【0162】
(9)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくタイヤ重量情報と、各保管スペースの耐荷重情報と、各保管スペースのタイヤ在庫情報と、に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、保管スペースの耐荷重性も考慮しつつ、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0163】
(10)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、取得したタイヤ識別情報に基づくホイール装着有無情報に基づき、タイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、ホイールの装着の有無も考慮しつつ、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0164】
(11)本実施形態のタイヤ識別情報取得手段50は、同時に入庫する異なるサイズの複数本のタイヤのタイヤ識別情報を取得し、制御部100は、異なるサイズの複数本のタイヤを同時に入庫するためのタイヤ入庫ガイド情報を生成する。これにより、異なるサイズの複数本のタイヤを同時に入庫する場合であっても、スペースを効率的に利用してタイヤを収容することができる。
【0165】
(12)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、入庫したタイヤの圧縮状態を示す情報と、タイヤ保管期間情報に基づいて、タイヤの圧縮状態を示す情報を含むタイヤ保管情報を生成する。これにより、在庫タイヤの圧縮状態を適切に管理することができる。
【0166】
(13)本実施形態のタイヤ保管システム1の制御部100は、出庫タイヤ指示情報を取得し、取得した出庫タイヤ指示情報に基づいて、複数の保管スペースの中から、出庫対象となるタイヤが保管されている保管スペースを特定し、出庫対象となるタイヤの出庫ガイド情報を生成する。これにより、複数の保管スペースに、複数の異なる種類のタイヤを保管している場合であっても、出庫対象のタイヤを探すべき保管スペースが特定されるため、オペレータは、出庫対象のタイヤを効率的に出庫することができる。
【0167】
(14)本実施形態のタイヤ識別情報取得手段50は、タイヤに設けられたRFIDタグRの情報を取得するRFIDリーダである。これにより、簡便にタイヤ入庫ガイド情報を生成することができる。
【0168】
(15)本実施形態のタイヤ保管システム1は、さらに表示部300を備え、表示部300は、制御部100により生成されたタイヤ入庫ガイド情報を表示する。これにより、タイヤ入庫ガイド情報に従って、オペレータが適切にタイヤ入庫作業を行うことができる。
【0169】
(16)本実施形態のタイヤ保管システム1は、さらにプリンタ400を備え、プリンタ400は、タイヤ識別情報取得手段50が、保管部2に入庫するタイヤのタイヤ識別情報を取得した際に、タイヤの種類を示す情報を含むタイヤ情報が印刷された印刷物を出力する。これにより、タイヤの出庫時において、出庫対象のタイヤを効率的に出庫することができる。
【0170】
(17)本実施形態のタイヤ保管システム1において、印刷物Mには、入庫するタイヤが収容されるべき保管スペースの情報が印刷されている。これにより、タイヤの入出庫時の作業確認性が高まる。
【0171】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0172】
1 タイヤ保管システム
2 保管部
10 第1ラック
11 第1ラック下段(第1の保管スペース)
12 第1ラック上段(第2の保管スペース)
20 第2ラック
21 第2ラック下段(第3の保管スペース)
22 第2ラック上段(第4の保管スペース)
50 RFIDリーダ(タイヤ識別情報取得手段)
100 制御部
110 タイヤ識別情報取得部
120 タイヤ情報取得部
130 入庫ガイド情報生成部
140 入庫ガイド情報出力部
150 タイヤ保管情報管理部
160 タイヤ保管情報出力部
170 出庫タイヤ指示情報取得部
180 出庫ガイド情報生成部
190 出庫ガイド情報出力部
200 記憶部
300 モニタ
R RFIDタグ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20