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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】洗濯機及び洗濯方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/52 20200101AFI20250305BHJP
   D06F 25/00 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
D06F33/52
D06F25/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021140015
(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公開番号】P2023033994
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 亜季
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-034554(JP,A)
【文献】特開2013-223770(JP,A)
【文献】特開2019-154843(JP,A)
【文献】特開平11-164984(JP,A)
【文献】特開2003-210887(JP,A)
【文献】特開2011-072459(JP,A)
【文献】特開2004-313416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0287709(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101173447(CN,A)
【文献】特開2017-018256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/52
D06F 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードを実行する制御部と、
ユーザが乾燥工程の追加を指示するためのボタンである指示部と、
ユーザが前記洗濯モードの実行を一時停止することを指示するためのボタンである一時停止指示部と
を備え、
前記制御部は、
前記洗濯モードの実行中に前記一時停止指示部から前記洗濯モードの実行を一時停止することを指示された場合、前記洗濯モードの実行を一時停止し、
前記洗濯モードの実行を一時停止しているときに、前記指示部から前記乾燥工程の追加が指示された場合、前記洗濯モードの完了後に前記乾燥工程を実行する、洗濯機。
【請求項2】
前記制御部は、前記洗濯モードの実行を一時停止しているときに、前記指示部から前記乾燥工程の追加が指示された場合、一時停止している前記洗濯モードを再開して、前記洗濯モードの完了後に前記乾燥工程を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードを実行する制御部と、
ユーザが乾燥工程の追加を指示するためのボタンである指示部と、
を備え、
前記洗い工程又は前記すすぎ工程の実行中に、前記指示部から前記乾燥工程の追加を指示された場合、前記制御部は、前記脱水工程の脱水時間を延長する、洗濯機。
【請求項4】
洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードを実行する制御部と、
ユーザが乾燥工程の追加を指示するためのボタンである指示部と、
を備え、
前記制御部は、前記脱水工程の実行中に前記指示部から前記乾燥工程の追加を指示された場合、前記脱水工程が終った後、前記乾燥工程の前に、追加の脱水工程を実行する、洗濯機。
【請求項5】
洗濯物の量を測定する量センサーと、
報知を行う報知部と
をさらに備え、
前記乾燥工程の追加を指示された場合、前記洗濯物の量が前記乾燥工程の乾燥容量を超えているときに、前記報知部が容量超過の報知を行う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記報知部は、前記洗濯物の乾燥に関するアドバイスの報知を行う、請求項5に記載の洗濯機。
【請求項7】
天気情報を取得する天気情報取得部をさらに備え、
前記報知部は、前記天気情報に基づき、前記乾燥工程の追加提案の報知を行う、請求項5又は請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
ユーザが乾燥工程の追加を指示するためのボタンである指示部と、ユーザが洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードの実行を一時停止することを指示するためのボタンである一時停止指示部と、を備えた洗濯機の洗濯方法であって、
前記洗濯モードを実行するステップと、
前記洗濯モードの実行中に前記一時停止指示部から前記洗濯モードの実行を一時停止することを指示された場合、前記洗濯モードの実行を一時停止するステップと、
前記洗濯モードの実行を一時停止しているときに、前記指示部から前記乾燥工程の追加が指示された場合、前記洗濯モードの完了後に前記乾燥工程を実行するステップと
を含む、洗濯方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機及び洗濯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾燥機能を備える洗濯機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-018256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の洗濯機では、洗濯をスタートした後に、乾燥工程の追加はできない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗濯をスタートした後に乾燥工程を追加することができる洗濯機及び洗濯方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、洗濯機は、制御部と、指示部とを備える。前記制御部は、洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードを実行する。前記指示部は、乾燥工程の追加を指示する。前記制御部は、前記洗濯モードの実行中に前記乾燥工程の追加が指示された場合、前記洗濯モードの完了後に前記乾燥工程を実行する。
【0007】
本発明の他の一局面によれば、洗濯方法は、洗い工程、すすぎ工程、又は脱水工程を含む洗濯モードを実行するステップと、乾燥工程の追加を指示するステップと、前記洗濯モードの実行中に前記乾燥工程の追加が指示された場合、前記洗濯モードの完了後に前記乾燥工程を実行するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗濯をスタートした後に乾燥工程を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1の洗濯機の斜視図である。
図2】実施形態1の洗濯機の断面図である。
図3】実施形態1の洗濯機のブロック図である。
図4】実施形態1の洗濯機の乾燥工程追加のフローチャートである。
図5】本発明の実施形態2に係る洗濯システムの概要図である。
図6】実施形態2に係る洗濯システムのブロック図である。
図7】実施形態2に係る洗濯システムの乾燥工程追加のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[実施形態1]
本発明の実施形態1の洗濯機100について説明する。図1は、実施形態1の洗濯機100の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、洗濯機100は、筐体1と、蓋10と、蓋開ボタン13と、接続口14と、操作パネル15とを備える。
【0013】
筐体1は、各種機能部を収容する(図2参照)。図1の例では、筐体1は、縦長の略直方体状のケーシングである。筐体1は、開口11を有する。開口11は、筐体1の前面に位置する。
【0014】
蓋10は、開口11に設けられる。蓋10は、閉じた状態において開口11を覆い、開口11を塞ぐ。一方、蓋10は、開いた状態において開口11を開放する。例えば、蓋10は、蝶番部(ヒンジ部)により開閉可能に支持される。蓋開ボタン13は、筐体1の前面に設けられ、蓋10に隣接する。蓋開ボタン13が操作されることで、蓋10が開く。
【0015】
接続口14は、筐体1の上部に設けられる。接続口14は、水道等の給水源に接続される。
【0016】
操作パネル15は、筐体1の上部に設けられる。操作パネル15は、ユーザーから洗濯機100に対する入力操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
【0017】
次に、洗濯機100についてさらに説明する。図2は、洗濯機100の断面図である。
【0018】
図2に示すように、洗濯機100は、洗濯部110と、制御部120とをさらに備える。洗濯部110と、制御部120とは、筐体1の内部に収容される。
【0019】
洗濯部110は、洗濯物を洗濯する。具体的には、洗濯部110は、水槽2と、回転ドラム3と、ドラムモータ4とを有する。
【0020】
水槽2は、有底筒状(例えば有底円筒形状)の容器である。従って、水槽2の一側の端部が開口している。つまり、水槽2は開口20を有する。回転ドラム3は、水槽2の内側に配置される。水槽2は、水平方向に対して斜め上方に傾斜している。水槽2に対して、接続口14から水が供給される。水槽2は、筐体1内において揺動可能に支持されている。
【0021】
回転ドラム3は、有底筒状(例えば有底円筒形状)の容器である。従って、回転ドラム3の一側の端部が開口している。つまり、回転ドラム3は、開口30を有する。開口30は、開口20の内側に配置される。回転ドラム3は、水平方向に対して斜め上方に傾斜している。回転ドラム3は多数の小孔32(一部のみ図示)を有する。多数の小孔32は、回転ドラム3の周壁の全面に亘って貫通形成されている。回転ドラム3は、開口11、20、30を介して投入された洗濯物を収容する。
【0022】
回転ドラム3は、ドラムモータ4の出力軸40に連結されている。そして、ドラムモータ4は、回転ドラム3を回転させる。従って、回転ドラム3は、水槽2の内部で回転する。回転ドラム3が回転することで、洗剤等の洗濯処理剤を含む水が、回転ドラム3の複数の孔32を通して、回転ドラム3と水槽2との間を往き来する。その結果、洗濯物が洗濯される。
【0023】
制御部120は、操作パネル15及び洗濯部110(具体的にはドラムモータ4)を制御する。制御部120は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。
【0024】
引き続き図2を参照して、洗濯機100に対する給水を説明する。洗濯機100は、給水弁51、主給水管52、副給水管53、給水ノズル54、及び、冷却水管55をさらに備える。給水弁51は、多連形の電磁弁である。給水弁51は、第1給水出口51aと、第2給水出口51bと、第3給水出口51cと、第4給水出口51dとを有する。第4給水出口51dは、接続口14と接続されている。
【0025】
第1給水出口51aは、主給水管52によって水槽2の上面に接続される。給水弁51が給水先を第1給水出口51aに切換えた場合、給水源及び接続口14からの給水は、主給水管52を通って水槽2の内部に送り込まれる。
【0026】
第2給水出口51bは、副給水管53によって給水ノズル54に接続される。給水ノズル54は、導入ダクト61の中途に設けられる。給水弁51が給水先を第2給水出口51bに切換えた場合、給水源及び接続口14からの給水は、副給水管53を通って給水ノズル54に達する。そして、給水ノズル54は、導入ダクト61の内部に給水する。
【0027】
第3給水出口51cは、冷却水管55によって、水槽2の前側下部に接続される。水槽2には、凹溝22が形成されている。凹溝22は、水槽2の下部周面において軸方向に延びる。軸方向は、出力軸40の軸方向を示す。また、水槽2には、凹溝22の上部を覆うように冷却板23が配置される。冷却板23は、水平方向に対して上方に傾斜している。給水弁51が給水先を第3給水出口51cに切換えた場合、給水源及び接続口14からの給水は、冷却水管55を通って冷却板23の前側上部に送り込まれる。冷却板23の前側上部に送り込まれた水は、冷却板23の上表面に沿って後方に流れる。そして、冷却板23の上表面に沿って後方に流れる水は、後述のように循環する乾燥風を冷却する冷却水として使用される。
【0028】
引き続き図2を参照して、洗濯機100からの排水を説明する。洗濯機100は排水部220をさらに備える。排水部220は、水槽2の内部の水を、筐体1の外部に排出する。具体的には、排水部220は、排水管24と、排水弁26と、排水ホース27とを有する。排水管24は、凹溝22の後端部に接続される。排水ホース27は、筐体1の外部に連通する。
【0029】
排水弁26は、排水管24を開閉する。排水弁26が開状態のとき、排水管24が開放される。その結果、水槽2の内部の水が、排水管24と排水ホース27とを介して筐体1の外部に排出される。一方、排水弁26が閉状態のとき、排水管24が閉塞される。その結果、水槽2の内部に水が貯留される。排水弁26が閉状態のとき、水槽2への給水が行われる。
【0030】
引き続き図2を参照して、洗濯機100の乾燥機能を説明する。洗濯機100は、乾燥風路59と、乾燥部160と、連結ダクト63と、導入管64とをさらに備えている。乾燥風路59は、乾燥風を循環させる。乾燥風路59は、水槽2の底面に沿って延びる。具体的には、乾燥風路59は、水槽2と一体形成された導出ダクト60及び導入ダクト61を有している。
【0031】
導出ダクト60の下部は、導出口62に連通している。導出口62は、冷却板23の後方において水槽2内に向かって開口する。導出ダクト60の上端部は、連結ダクト63に連通している。
【0032】
導入ダクト61は、導入管64に連通している。導入管64は、水槽2の上部周面において上向きに延びる。導入ダクト61からは、ドラムモータ4の出力軸40が突出している。また、導入ダクト61には、導入口65が設けられる。導入口65は、水槽2の内部に向けて開口する。導入口65は、円形であり、出力軸40と同軸になるように配置される。
【0033】
乾燥部160は、回転ドラム3内の洗濯物を乾燥する。詳細には、乾燥部160は、ファン70と、フィルタ71と、ヒータ72とを有する。ファン70は、乾燥風を発生する。乾燥風とは、洗濯物を乾燥させるための風のことである。ファン70は、水槽2の上方に配置される。ファン70は、筐体1の内部に固定される。ファン70は、ファン70の吸込側のフィルタ71とファン70の吐出側のヒータ72と共にユニット化されている。フィルタ71は、ファン70の吸込側において乾燥風を浄化する。ヒータ72はファン70の吐出側において乾燥風を加熱する。連結ダクト63の端部は、ファン70の吸込側に連結される。導入管64の端部は、ファン70の吐出側に連結されている。
【0034】
以上のように構成された乾燥風路59と乾燥部160とにおいては、ファン70が駆動された場合、ファン70は、導出ダクト60及び連結ダクト63から乾燥風を吸い込んで加圧する。そして、ファン70は、乾燥風を、ヒータ72及び導入管64を経由して、導入ダクト61に送り出す。導入ダクト61内に送り出される乾燥風は、ヒータ72による加熱後の乾燥風であり、導入口65から回転ドラム3内に導入される。回転ドラム3内の洗濯物は乾燥風によって乾燥される。回転ドラム3内に導入された乾燥風は、多数の小孔32を通って水槽2内に流出する。そして、水槽2内に流出した乾燥風は、導出口62を経て導出ダクト60内に導出され、連結ダクト63を経由してファン70に再度吸い込まれる。
【0035】
詳細には、洗濯機100の乾燥運転では、制御部120は、ファン70を駆動し、ヒータ72を動作させる。加えて、制御部120は、ドラムモータ4を駆動し、回転ドラム3を反復回転させる。さらに、制御部120は、給水弁51の給水先を第3給水出口51cに切換え、冷却板23上に冷却水を流す。
【0036】
乾燥風路59の内部には、ファン70を駆動することにより乾燥風の循環が生じる。乾燥風は、ヒータ72を通過する際に加熱されて回転ドラム3内に導入される。回転ドラム3の内部の洗濯物は、ドラムモータ4の回転による持ち上げ及び落下を繰り返している。回転ドラム3内に導入される乾燥風は、回転ドラム3内の洗濯物の水分を奪って水槽2内に流出する。そして、乾燥風は、水槽2の底面下部に開口する導出口62に向けて流れる。
【0037】
このように流れる乾燥風は、水槽2の下部に設けられた冷却板23上の冷却水と接触して冷却され、含有水分を凝縮除去された乾き空気となる。乾き空気となった乾燥風は、導出口62に達し、導出ダクト60内に送り出される。また、凝縮除去された水分は、冷却板23上を冷却水と共に後向きに流れ、凹溝22内に流れ落ちる。
【0038】
一方、乾き空気となった乾燥風は、導出ダクト60内を上昇し、連結ダクト63を経てファン70に吸い込まれて加圧される。そして、ファン70によって送り出される乾燥風は、ヒータ72により再加熱されて高温、低湿の温風となって回転ドラム3の内部に導入される。回転ドラム3内の洗濯物は、以上のように冷却及び加熱を伴って循環する乾燥風(温風)と接触を繰り返すことで乾燥される。
【0039】
次に、図3を参照して、制御部120が実行するモードについて説明する。図3は、洗濯機100のブロック図である。図3に示すように、洗濯機100は、記憶部175をさらに備える。洗濯機100は、報知部90、天気情報取得部95、及び量センサー170をさらに備えていてもよい。また、操作パネル15は、一時停止指示ボタン15bをさらに含んでいてもよい。一時停止指示ボタン15b、報知部90、天気情報取得部95、及び、量センサー170については後述する。
【0040】
記憶部175は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部175は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー及び/又はソリッドステートドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部175は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部175は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0041】
制御部120は、記憶部175に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、「洗濯モード」、「洗濯乾燥モード」又は「乾燥のみモード」を実行する。
【0042】
「洗濯モード」は、洗い工程、すすぎ工程、又は、脱水工程を含む。以下、「洗濯モード」は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とを含む。また、「洗濯乾燥モード」は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程と乾燥工程(乾燥運転)とを含む。「乾燥のみモード」は、乾燥工程を含む。「乾燥のみモード」は、洗い工程、すすぎ工程、及び、脱水工程を含まない。
【0043】
洗い工程では、洗剤を含む水によって洗濯物を洗浄する。すすぎ工程では、洗濯物に付着した洗剤をすすぐ。脱水工程では、洗濯物から水分を除去する。乾燥工程では、乾燥風により洗濯物を乾燥する。なお、例えば、「洗濯モード」における脱水工程の脱水時間(脱水期間)の長さは、「洗濯乾燥モード」における脱水工程の脱水時間(脱水期間)の長さより短い。
【0044】
制御部120は、操作パネル15の操作に従って、「洗濯モード」、「洗濯乾燥モード」、又は、「乾燥のみモード」を実行する。具体的には、ユーザーから操作パネル15が受け付けた入力操作が「洗濯モード」を指示しているときには、制御部120は、「洗濯モード」を実行する。また、ユーザーから操作パネル15が受け付けた入力操作が「洗濯乾燥モード」を指示しているときには、制御部120は、「洗濯乾燥モード」を実行する。さらに、ユーザーから操作パネル15が受け付けた入力操作が「乾燥のみモード」を指示しているときには、制御部120は、「乾燥のみモード」を実行する。
【0045】
また、操作パネル15は、指示ボタン15aを含む。指示ボタン15aは、「指示部」の一例である。指示ボタン15aは、制御部120に対して、「洗濯モード」の実行中に乾燥工程の追加を指示する。例えば、ユーザーは、「洗濯モード」の実行中に、指示ボタン15aを押圧する。押圧された指示ボタン15aは、乾燥工程の追加を指示する信号を制御部120に出力する。
【0046】
制御部120は、指示ボタン15aによって「洗濯モード」の実行中に乾燥工程の追加が指示された場合、「洗濯モード」の完了後に乾燥工程を実行する。例えば、制御部120は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程と乾燥工程とを、この順に実行する。つまり、この場合は、制御部120は、脱水工程の後に乾燥工程を追加する。
【0047】
以上、図3を参照して説明したように、実施形態1によれば、指示ボタン15aを介して指示によって、洗濯をスタートした後に乾燥工程を追加することができる。例えば、制御部120は、「洗濯モード」の実行中であっても、指示ボタン15aを介して乾燥工程の追加を受け付けるので、ユーザーは「洗濯モード」の完了を待つことなく、洗濯機100に対して乾燥工程の追加を指示できる。また、例えば、ユーザーは、一度洗濯機100の電源を切って「洗濯乾燥モード」を選択することもなく、乾燥工程を追加することができる。その結果、ユーザーにとって利便性が高まる。
【0048】
ここで、図3に示すように、操作パネル15は、一時停止指示ボタン15bをさらに含んでもよい。一時停止指示ボタン15bは、「一時停止指示部」の一例である。一時停止指示ボタン15bは、制御部120に対して、「洗濯モード」の実行を一時停止することを指示する。例えば、ユーザーは、「洗濯モード」の実行中に、一時停止指示ボタン15bを押圧する。押圧された一時停止指示ボタン15bは、「洗濯モード」の一時停止を指示する信号を制御部120に出力する。制御部120は、一時停止指示ボタン15bによって「洗濯モード」の実行中に一時停止が指示された場合、「洗濯モード」を一時停止する。例えば、制御部120は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とのうち、実行中の工程を一時停止する。一例として、洗濯モードの実行を一時停止した場合に、乾燥工程の追加を可能にしてもよい。その結果、誤って乾燥工程が追加されることを抑制できる。
【0049】
例えば、「洗濯モード」をスタートした後で、制御部120は、一時停止指示ボタン15bによる一時停止指示に従って、洗い工程、すすぎ工程又は脱水工程中に「洗濯モード」の実行を一時停止する。そして、指示ボタン15aによる乾燥工程の追加が可能になる。指示ボタン15aによって乾燥工程の追加が指示されなかった場合、制御部120は、洗い工程、すすぎ工程又は脱水工程を再開し、「洗濯モード」の運転を続ける。一方、指示ボタン15aによって乾燥工程の追加が指示された場合、制御部120は、洗い工程、すすぎ工程又は脱水工程を再開し、「洗濯モード」の脱水工程が終了した後、乾燥工程をスタートする。
【0050】
次に図4を参照して、洗濯機100の動作について説明する。図4は、洗濯機の乾燥工程追加のフローチャートである。図4に示すように、ステップS101において、制御部120は、「洗濯モード」が選択されて、「洗濯モード」を実行する。具体的には、制御部120は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とを、この順に実行していく。
【0051】
次に、ステップS102において、一時停止指示ボタン15bは、ユーザーの操作に応じて、制御部120に対して、「洗濯モード」を一時停止することを指示する。その結果、制御部120は、「洗濯モード」の実行を一時停止する。例えば、制御部120は、洗い工程の実行中に、一時停止指示ボタン15bから一時停止の指示を受けると、洗い工程の実行を一時停止する。例えば、制御部120は、すすぎ工程の実行中に、一時停止指示ボタン15bから一時停止の指示を受けると、すすぎ工程の実行を一時停止する。例えば、制御部120は、脱水工程の実行中に、一時停止指示ボタン15bから一時停止の指示を受けると、脱水工程の実行を一時停止する。
【0052】
次に、ステップS103において、制御部120は、乾燥工程を追加するか否かを判定する。指示ボタン15aの指示によって乾燥工程を追加すると制御部120が判定すると(ステップS103で、Yes)、処理がステップS104に進む。一方、指示ボタン15aから乾燥工程を追加する指示を受けていないと制御部120が判定すると(ステップS103で、No)、処理がステップS105へ進む。
【0053】
次に、ステップS104において、制御部120は、「洗濯モード」の完了後に乾燥工程を実行する。例えば、制御部120は、洗い工程、すすぎ工程又は脱水工程を再開し、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程と乾燥工程とを、この順に実行する。そして、洗濯は終了する。
【0054】
一方、ステップS105において、制御部120は、「洗濯モード」を再開する。例えば、制御部120は、洗い工程、すすぎ工程又は脱水工程を再開し、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とを、この順に実行する。そして、洗濯は終了する。
【0055】
なお、ステップS102は省略してもよい。つまり、制御部120は、「洗濯モード」を一時停止することなく、指示ボタン15aからの乾燥工程の追加指示を受け付けてもよい。
【0056】
ここで、制御部120は、指示ボタン15aから「洗濯モード」の洗い工程又はすすぎ工程の実行中に乾燥工程の追加を指示された場合、「洗濯モード」の脱水工程に対して予め設定された初期脱水時間に対して、脱水工程の脱水時間を延長してもよい。この場合、洗濯物を、より効果的に乾燥できる。例えば、制御部120は、脱水工程の脱水時間の長さを、「洗濯乾燥モード」における脱水工程の脱水時間の長さと同じに設定してもよい。
【0057】
また、制御部120は、指示ボタン15aから脱水工程の実行中に乾燥工程の追加を指示された場合、脱水工程が終った後、乾燥工程の前に、追加の脱水工程を実行してもよい。つまり、制御部120は、脱水工程を再度実行してから乾燥工程を実行してもよい。この場合、洗濯物を、より効果的に乾燥できる。
【0058】
また、図3に示すように、洗濯機100は、洗濯物の量を測定する量センサー170と、報知を行う報知部90とをさらに備えてもよい。報知部90は、スピーカー又はディスプレイであってもよい。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイである。量センサー170は、重量センサーであってもよい。例えば、重量センサーは、洗濯物の重量を給水前に測定し、制御部120は、洗濯物の重量を記憶部175に記憶させる。
【0059】
実施形態1では、「洗濯モード」の実行中に指示ボタン15aによって乾燥工程の追加を指示された場合、洗濯物の重量が乾燥工程の乾燥容量を超えているときに、報知部90は、制御部120の制御によって容量超過の報知を行う。乾燥容量とは、洗濯機100が乾燥可能な洗濯物の最大重量を示す。また、報知部90は、制御部120の制御によって、洗濯物の乾燥に関するアドバイスの報知を行ってもよい。例えば、報知部90は、洗濯物の重量が乾燥容量を超えている場合は、「乾燥機能追加不可」又は「X(kg)衣類を減らすと乾燥を追加できる」などのお知らせを実行する。その結果、効果的に乾燥できないことをユーザーは知ることができる。なお、乾燥容量を超えている場合も一旦「乾燥」を追加し、乾きが不十分である場合に、乾燥終了後に「追加乾燥」のお知らせを報知部90が実行してもよい。
【0060】
また、図3に示すように、洗濯機100は、現在地の天気情報を取得する天気情報取得部95をさらに備えてもよい。現在地の天気情報は、洗濯機100の設置場所を含む地域の天気情報を示す。例えば、天気情報取得部95は、通信機であり、ネットワークに接続される。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信機は、例えば、無線通信を行う無線通信モジュール、又は、有線通信を行う有線通信モジュールを含む。無線通信モジュールは、例えば、近距離無線通信を実行する。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、又は、WiFiによる通信規格に準じた通信である。また、例えば、通信機は、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインターフェースコントローラー(NIC)を含んでもよい。所定の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイート(つまり、インターネット・プロトコル・スイート)である。
【0061】
天気情報取得部95は、例えば、サーバーにアクセスして、サーバーから現在地の天気情報を取得する。そして、報知部90は、天気情報に基づき、乾燥工程の追加提案の報知を行う。従って、ユーザーは、現在の天気に応じて乾燥工程の追加の要否を適切に判断できる。
【0062】
天気情報は、例えば、現在の天気を示す情報(例えば、晴れ、曇り、雨等)、又は、洗濯指数を含む。洗濯指数は、天気や気温などの予測から計算した「洗濯物の乾きやすさ」を表し、例えば「部屋干し推奨」、「やや乾く」、「乾く」、「よく乾く」、「大変よく乾く」がある。洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とを含む「洗濯モード」の実行中に、天気情報取得部95は、現在地の天気情報を取得する。取得された天気情報のうちの洗濯指数に基づき、例えば天気情報が、「部屋干し推奨」、「やや乾く」又は「乾く」である場合、洗濯機100は、音声及び/又は表示画面で乾燥工程追加の提案をユーザーに報知する。
【0063】
[実施形態2]
図5及び図6を参照して、本発明の実施形態2に係る洗濯システム200について説明する。実施形態2では、携帯装置180を備える点が、実施形態1と主に異なる。以下では、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0064】
図5は、実施形態2に係る洗濯システム200の概要図である。図5に示すように、洗濯システム200は、洗濯機100と、携帯装置180とを備える。洗濯機100は、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。携帯装置180は、例えば、タブレット端末又はスマートフォンである。携帯装置180は、ユーザーに所持される。ユーザーは、例えば外出している。携帯装置180は、ネットワークNWに接続される。携帯装置180と洗濯機100とは、ネットワークNWを介して相互に通信する。
【0065】
図6は、洗濯システム200のブロック図である。図6に示すように、洗濯機100は、通信部95aを含む。通信部95aは、「指示部」の一例である。通信部95aは、携帯装置180と無線通信を行う。例えば、通信部95aは、ネットワークNWを介して、携帯装置180と相互に通信する。具体的には、通信部95aは、通信機であり、無線通信を行う無線通信モジュール、又は、有線通信を行う有線通信モジュールを含む。無線通信モジュールは、例えば、近距離無線通信を実行する。また、通信部95aは、ネットワークインターフェースコントローラーを含んでもよい。
【0066】
通信部95aは、制御部120に対して、「洗濯モード」の実行中に乾燥工程の追加を指示する。例えば、携帯装置180は、ユーザーの入力操作に応じて、乾燥工程の追加を指示する情報を洗濯機100に送信する。そして、通信部95aは、携帯装置180から、乾燥工程の追加を指示する情報を受信する。そして、通信部95aは、乾燥工程の追加を指示する情報を制御部120に出力する。その結果、ユーザーが遠隔操作にて乾燥工程を追加することができる。さらに、洗濯機100は、通信部95aによって、ユーザーの携帯装置180に乾燥工程追加の提案を送信してもよい。なお、制御部120が通信部95aから乾燥工程の追加を指示する情報を受け取った後の処理は、実施形態1において制御部120が指示ボタン15aから乾燥工程の追加の指示を受けた場合の処理と同様である。また、通信部95aは、実施形態1の天気情報取得部95(図3)として機能してもよい。
【0067】
次に図7を参照して、洗濯システム200の動作について説明する。図7は、実施形態2に係る洗濯システム200の乾燥工程追加のフローチャートである。図7では、洗濯モードが完了した後の処理を示している。図7に示すように、ステップS201において、制御部120は、通信部95aが携帯装置180から、乾燥工程の追加を指示する情報(乾燥工程追加指示情報)を受信したか否かを判定する。
【0068】
通信部95aが携帯装置180から乾燥工程追加指示情報を受信していないと制御部120が判定すると(ステップS201で、No)、処理が終了する。一方、通信部95aが携帯装置180から乾燥工程追加指示情報を受信していると制御部120が判定すると(ステップS201で、Yes)、処理がステップS202へ進む。
【0069】
次に、ステップS202において、制御部120は、乾燥工程を実行する。そして、処理が終了する。
【0070】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
(1)図1図7を参照して説明した実施形態1、2では、横型ドラム式の洗濯機100を例に説明したが、本発明の洗濯機のタイプや形式は、実施形態に限られるものではなく、種々の構成の洗濯機(例えば、縦型洗濯機)で実施することができる。
【0072】
(2)図1図7を参照して説明した実施形態1、2では、「洗濯モード」は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程とを含む例に説明したが、実施形態に限られるものではなく、「洗濯モード」は、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程との内の少なくとも1つの工程を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、洗濯機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
15a 指示部
15b 一時停止指示部
100 洗濯機
120 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7