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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】水底設置用筒状体及びその水底設置方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/28 20060101AFI20250305BHJP
【FI】
E02D5/28
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021169013
(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公開番号】P2023059098
(43)【公開日】2023-04-26
【審査請求日】2024-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(74)【代理人】
【識別番号】100088719
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 博史
(72)【発明者】
【氏名】久松 明史
(72)【発明者】
【氏名】道前 武尊
(72)【発明者】
【氏名】三浦 成久
(72)【発明者】
【氏名】前田 一成
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-299551(JP,A)
【文献】特開昭50-156187(JP,A)
【文献】特開2022-076730(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2560006(GB,A)
【文献】特開昭61-274011(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102071691(CN,A)
【文献】特開2019-124025(JP,A)
【文献】特開2003-239297(JP,A)
【文献】特開平04-085406(JP,A)
【文献】実開昭58-095293(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底地盤に貫入して設置される水底設置用筒状体において、
両端が開口した筒状体本体と、該筒状体本体の内部長手方向を上隔室と下隔室とに仕切る隔壁部材と、前記筒状体本体の両端開口部を閉鎖する着脱可能な蓋部材と、前記下隔室内を加減圧する加減圧手段とを備えていることを特徴とする水底設置用筒状体。
【請求項2】
前記加減圧手段は、一端が前記下隔室内に露出した配気管と、該配気管内の圧力を調整する調圧弁と、前記配気管を通して前記下隔室内を加減圧するポンプとを備え、
前記配気管は、一端が前記隔壁部材を通して前記下隔室内と連通し、他端側が前記上隔室の周壁を貫通して外部に設置された前記ポンプに接続されている請求項1に記載の水底設置用筒状体。
【請求項3】
前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用の蓋部材とを備えている請求項1又は2に記載の水底設置用筒状体。
【請求項4】
前記蓋部材は、鋼材からなる支圧部と、該支圧部の片面に突設されたプラグ部とを備え、該プラグ部の一部又は全部がゴム又は強化プラスチックによって構成されている請求項1~3の何れか一に記載の水底設置用筒状体。
【請求項5】
下隔室側開口部を閉鎖する蓋部材は、一端が前記下隔室側開口部を閉鎖する蓋部材に連結された連結用ワイヤと、該連結用ワイヤの他端に連結された浮体とを備えている請求項1~4の何れか一に記載の水底設置用筒状体。
【請求項6】
筒状体を起立させ、該筒状体の下端部を水底地盤に着底させた後、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させて設置する筒状体の水底設置方法において、
前記筒状体は、内部長手方向が隔壁部材で上隔室と下隔室とに仕切られ、
両端開口部を着脱可能な蓋部材で閉鎖した前記筒状体を水上に横たえた状態で浮かべ、該筒状体を水中に浮かべた状態で前記筒状体の上隔室側を上方に回動させて前記筒状体を起立させた後、
前記下隔室内を加圧して下隔室側開口部を閉鎖する蓋部材を離脱させ、
しかる後、前記下隔室内を減圧しつつ前記筒状体の下端部を水底地盤に着底させることを特徴としてなる筒状体の水底設置方法。
【請求項7】
船舶に回転可能に支持された筒状体把持手段に前記筒状体を把持させ、前記筒状体把持手段を回転させて上隔室側を上方に回動させ、起立させる請求項6に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項8】
前記下隔室内を減圧しつつ前記筒状体を前記水底地盤に貫入させる請求項6又は7の何れか一に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項9】
前記筒状体を前記水底地盤に貫入させた後、前記上部開口部を閉鎖する蓋部材を撤去する請求項6~8の何れか一に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項10】
前記筒状体の下隔室側を水底地盤に着底させた後、上端開口部を閉鎖する前記蓋部材を打ち込み、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させる請求項9に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項11】
前記筒状体を水底地盤に着底させた後、前記上隔室内に注水する請求項6~8の何れか一に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項12】
前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用蓋部材とを備え、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させた後、前記隔壁用蓋部材を撤去する請求項6~10の何れか一に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項13】
前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用蓋部材とを備え、前記筒状体を前記水底地盤に着底させた後、前記隔壁用蓋部材を撤去する請求項6又は7に記載の筒状体の水底設置方法。
【請求項14】
両端開口部を蓋部材で閉鎖した前記筒状体を、水上に横たえた状態で浮かべ施工場所まで曳航する請求項6~13の何れか一に記載の筒状体の水底設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着床式洋上風力発電設備の基礎や桟橋等の水上・水中に設置される構造物に用いられる水底設置用筒状体及びその水底設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
着床式洋上風力発電設備では、水底地盤に貫入させた筒状体からなるモノパイル式基礎に風車設備等を支持させるものが知られている。また、桟橋等の構造物では、水底地盤に貫入させた筒状体(鋼管杭)に上部工を支持させたものが知られている。
【0003】
水上・水中構造物としての着床式洋上風力発電設備を設置するには、先ず、陸上の工場や製作ヤードで製作されたモノパイル等の水底設置用筒状体、風車及び風車を支持する柱体等を基地港に移送し、当該基地港において昇降式台船(以下、SEP船という)のクレーンを用いてSEP船上に積込み、SEP船にて水底設置用筒状体を設置海域まで海上輸送する方法等がある。
【0004】
設置海域に到着した後、SEP船のレグを降下して着底させ、レグに支持されたSEP船本体を水上に上昇させ、SEP船本体を波浪等に対し安定した状態とする。
【0005】
次に、SEP船のクレーンを用いてSEP船上に積載されたモノパイル等の水底設置用筒状体を吊り上げて起立させ、その状態で水底地盤まで吊り下ろし着底させる。
【0006】
そして、水底地盤に着底させた水底設置用筒状体の頭部をハンマ等で打ち込み、水底設置用筒状体を水底地盤に貫入させて設置する。
【0007】
次に、SEP船のクレーンによって風車及び風車を支持する柱体を吊り上げ、設置された水底設置用筒状体上に連結させ、着床式洋上風力発電設備の設置が完了する。
【0008】
即ち、基礎の施工から風車の据え付けまでの工程がSEP船によって安定した状態で施工されるようになっている。
【0009】
一方、水底設置用筒状体を設置海域まで移送する方法には、筒状体の両端開口部を蓋部材によって閉鎖し、筒状体を水上に浮かべて曳航する方法も知られている。
【0010】
この方法では、設置海域へ曳航し、筒状体の両端部を閉鎖する蓋部材を離脱させた後、SEP船又は起重機船によって筒状体を起立させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2012-112239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、近年では、風車等の風力発電装置の大型化に伴い、風車を支持するモノパイル式基礎を構成する筒状体も大重量化・長尺化しており、調達したSEP船のクレーンでは吊り上げ能力が不足し、船体への筒状体の積込み、積み込んだ筒状体の移送及び建て込み作業が困難となる場合があった。
【0013】
その場合には、SEP船のクレーンより吊り上げ能力が大きいクレーンを有する大型起重機船を別途手配する必要があり、その分、費用が嵩むとともに作業が大掛かりになるという問題があった。
【0014】
また、筒状体の両端開口部を蓋部材によって閉鎖し、筒状体を水上に浮かべて曳航する場合においても、大型の筒状体では、筒状体を起立させる際に大型の起重機船が必要となる。
【0015】
尚、筒状体の両端開口部を蓋部材で閉鎖したまま、筒状体の浮力を利用して起立させることによって、クレーンの吊り上げ負担を軽減する方法も考えられるが、その場合、筒状体を起立した後に両端開口部を閉鎖する蓋部材を筒状体から安全に離脱させることが難しいという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、筒状体を起立させる際のクレーンの負担を軽減でき、安全且つ効率的に作業を行うことができる水底設置用筒状体及びその水底設置方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、水底地盤に貫入して設置される水底設置用筒状体において、両端が開口した筒状体本体と、該筒状体本体の内部長手方向を上隔室と下隔室とに仕切る隔壁部材と、前記筒状体本体の両端開口部を閉鎖する着脱可能な蓋部材と、前記下隔室内を加減圧する加減圧手段とを備えていることにある。
【0018】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記加減圧手段は、一端が前記下隔室内に露出した配気管と、該配気管内の圧力を調整する調圧弁と、前記配気管を通して前記下隔室内を加減圧するポンプとを備え、前記配気管は、一端が前記隔壁部材を通して前記下隔室内と連通し、他端側が前記上隔室の周壁を貫通して外部に設置された前記ポンプに接続されていることにある。
【0019】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用の蓋部材とを備えていることにある。
【0020】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1~3の何れか一の構成に加え、前記蓋部材は、鋼材からなる支圧部と、該支圧部の片面に突設されたプラグ部とを備え、該プラグ部の一部又は全部がゴム又は強化プラスチックによって構成されていることにある。
【0021】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1~4の何れか一の構成に加え、下隔室側開口部を閉鎖する蓋部材は、一端が前記下隔室側開口部を閉鎖する蓋部材に連結された連結用ワイヤと、該連結用ワイヤの他端に連結された浮体とを備えていることにある。
【0022】
請求項6に記載の発明の特徴は、筒状体を起立させ、該筒状体の下端部を水底地盤に着底させた後、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させて設置する筒状体の水底設置方法において、前記筒状体は、内部長手方向が隔壁部材で上隔室と下隔室とに仕切られ、両端開口部を着脱可能な蓋部材で閉鎖した前記筒状体を水上に横たえた状態で浮かべ、該筒状体を水中に浮かべた状態で前記筒状体の上隔室側を上方に回動させて前記筒状体を起立させた後、前記下隔室内を加圧して下隔室側開口部を閉鎖する前記蓋部材を離脱させ、しかる後、前記下隔室内を減圧しつつ前記筒状体の下端部を水底地盤に着底させることにある。
【0023】
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、船舶に回転可能に支持された筒状体把持手段に前記水上に横たえた状態で浮かぶ筒状体を把持させ、前記筒状体把持手段を回転させて該筒状体を水中に浮かべた状態で前記筒状体の上隔室側を上方に回動させ、前記筒状体を起立させることにある。
【0024】
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項6又は7の構成に加え、前記下隔室内を減圧しつつ前記筒状体を前記水底地盤に貫入させることにある。
【0025】
請求項9に記載の発明の特徴は、請求項6~8の何れか一の構成に加え、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させた後、上隔室側開口部を閉鎖する蓋部材を撤去することにある。
【0026】
請求項10に記載の発明の特徴は、請求項9の構成に加え、前記筒状体の下隔室側を水底地盤に着底させた後、上隔室側開口部を閉鎖する前記蓋部材を打ち込み、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させることにある。
【0027】
請求項11に記載の発明の特徴は、請求項6~8の何れか一の構成に加え、前記筒状体を水底地盤に着底させた後、前記上隔室内に注水することにある。
【0028】
請求項12に記載の発明の特徴は、請求項6~10の何れか一の構成に加え、前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用の蓋部材とを備え、前記筒状体を前記水底地盤に貫入させた後、前記隔壁用の蓋部材を撤去することにある。
【0029】
請求項13に記載の発明の特徴は、請求項6又は7の構成に加え、前記隔壁部材を貫通する開口部と、該開口部を閉鎖する隔壁用の蓋部材とを備え、前記筒状体を前記水底地盤に着底させた後、前記隔壁用の蓋部材を撤去することにある。
【0030】
請求項14に記載の発明の特徴は、請求項6~13の何れか一の構成に加え、両端開口部を蓋部材で閉鎖した前記筒状体を、水上に横たえた状態で浮かべ施工場所まで曳航することにある。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る水底設置用筒状体は、請求項1に記載の構成を具備することによって、筒状体を起立させる際、筒状体自体の浮力を利用してクレーンの負担を軽減することができる。
【0032】
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、下隔室内の圧力を好適に調節し、水底設置用筒状体の起立作業から着底までの作業を円滑に行うことができる。
【0033】
また、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、隔壁用の蓋部材を再利用することができ、材料費の低減を図ることができる。
【0034】
また、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、支圧部によって圧力に対抗し、プラグ部によって確実に開口部に嵌合し、開口部を密閉することができ、且つ、プラグ部が軽量なことにより円滑に取り外すことができる。
【0035】
また、本発明において、請求項5に記載の構成を具備することによって、水中で取り外した蓋部材の位置を的確に把握することができ、容易に水上から回収することができる。
【0036】
また、本発明において、請求項6に記載の構成を具備することによって、筒状体を起立させる際、筒状体自体の浮力を利用してクレーンの負担を軽減することができる。
【0037】
また、本発明において、請求項7に記載の構成を具備することによって、下隔室部分の浮力が取り除かれるまでの間、水底設置用筒状体を安定した状態で保持することができる。
【0038】
本発明において、請求項8に記載の構成を具備することによって、下隔室内に減圧することによって、効率よく貫入作業を行うことができる。
【0039】
本発明において、請求項9に記載の構成を具備することによって、蓋部材を再利用し、材料費の低減を図ることができる。
【0040】
本発明において、請求項10に記載の構成を具備することによって、上隔室側開口部を閉鎖する上蓋部材を受け部材とし、打設時の筒状体本体の破損を防止することができるとともに、筒状体打設時の水中騒音を低減することができる。
【0041】
本発明において、請求項11に記載の構成を具備することによって、取り込んだ水の荷重が加わり、水底設置用筒状体を円滑に下降させ、着底作業及び貫入作業を円滑に行うことができる。
【0042】
本発明において、請求項12に記載の構成を具備することによって、地盤に貫入する際に下隔室内を円滑に減圧することができ、貫入作業を効率よく行うことができ、且つ、撤去した隔壁用の蓋部材を再利用できるので材料費の低減を図ることができる。
【0043】
本発明において、請求項13に記載の構成を具備することによって、下隔室の圧力を開放することができ、且つ、撤去した隔壁用の蓋部材を再利用できるので材料費の低減を図ることができる。
【0044】
本発明において、請求項14に記載の構成を具備することによって、SEP船等の台船に積載が困難な大型の筒状体であっても好適に設置水域まで移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】(a)は本発明に係る水底設置用筒状体の一例を示す正面図、(b)は同A-A線矢視断面図である。
図2】同上の隔壁部を示す部分拡大断面図である。
図3】同上の下隔室側開口部を示す部分拡大断面図である。
図4】(a)は同上の上隔室側開口部を示す部分拡大断面図、(b)は同打設時の状態を示す部分拡大断面図、(c)は同上の上隔室側開口部の他の態様を示す部分拡大断面図である。
図5】本発明に係る水底設置用筒状体の設置方法に使用する昇降式台船の一例を示す正面図である。
図6】同上のクレーンの記載を省略した平面図である。
図7】本発明に係る水底設置用筒状体の設置方法における作業開始時の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図8】同上の水底設置用筒状体の起立作業開始時の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図9】同上の平面図である。
図10】同上の水底設置用筒状体の起立作業時の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図11】同上の水底設置用筒状体を起立させた状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図12】同上の平面図である。
図13】同上の下蓋部材の取り外し作業時の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図14】同上の水底設置用筒状体の着底作業の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図15】同上の水底設置用筒状体を水底地盤に貫入させ始めた際の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
図16】同上の水底設置用筒状体を水底地盤に貫入させ、上部蓋部材及び隔壁用の蓋部材を撤去する際の状態を示すクレーンの記載を省略した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明に係る水底設置用筒状体の実施態様を図1図4に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は洋上風力発電設備の基礎等に用いられるモノパイル等の水底設置用筒状体である。
【0047】
水底設置用筒状体1は、図1に示すように、鋼管等からなる両端が開口した筒状体本体2によって構成され、水底地盤3に貫入して設置されるようにしたものである。尚、図中符号4は水面である。
【0048】
この水底設置用筒状体1は、筒状体本体2の内部長手方向を上隔室5と下隔室6とに仕切る隔壁部材7と、筒状体本体2の両端開口部を閉鎖する着脱可能な蓋部材(以下、それぞれ上蓋部材8、下蓋部材9という)とを備え、筒状体本体2の両端開口部を蓋部材8,9で閉鎖することで横たえた状態で水上に浮かべることができるようになっている。
【0049】
筒状体本体2は、鋼管等によって構成され、円筒状の基管部2aの上端に円錐台筒状のテーパ筒部2bが連結され、下隔室6側の開口部が上隔室5側の開口部より大径に形成されている。尚、筒状体本体2の態様は、本実施例に限定されず、上端部にテーパ筒部2bを設けずともよい。
【0050】
また、筒状体本体2には、上隔室5の外面に玉掛け用突起10,10が突設されており、この玉掛け用突起10,10にクレーン23の吊りワイヤ28を連結し、吊り上げることによって水底設置用筒状体1を引き起こし、起立させるようになっている。
【0051】
隔壁部材7は、鋼材、ゴム又は強化プラスチック等によって中央に開口部7aを有する円環状に形成され、筒状体本体2の内部長手方向の所定の位置に固定され、筒状体本体2内部を上隔室5と下隔室6とに仕切っている。
【0052】
なお、水底設置用筒状体1内に隔壁部材7を設ける位置は、水底設置用筒状体1の打設深度によって異なるが、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入させた際に、水底地盤3表面より上部となる位置で、かつ水底地盤3表面の近辺に設け、下隔室側開口部を閉鎖する下蓋部材9を離脱させるために下隔室6への圧気を行う際の圧気用の空気量が少なくなるようにすることが望ましい。
【0053】
また、隔壁部材7は、中央の開口部7aが着脱可能な隔壁用の蓋部材(以下、隔壁用蓋部材という)11によって閉鎖され、状況・用途に応じて隔壁用蓋部材11を取り外すことができるようになっている。
【0054】
尚、隔壁部材7は、隔壁用蓋部材11との十分な密閉性を確保するため、図2に示すように、中央部に隔壁部材7の板厚より軸方向長さが長く、下隔室6側に突出した円筒部7bを備え、該円筒部7bの内側に開口部7aが形成されるようにしてもよい。
【0055】
隔壁用蓋部材11は、円盤状の支圧部11aと、支圧部11aの片面(隔室部材7側に向けられる面)に突設されたプラグ部11bと、支圧部11aのプラグ部側の面の外縁部に配置された円環状のパッキン部11cとを備えた栓状を成している。
【0056】
支圧部11aは、鋼材等の剛性部材によって一定の厚みを有する円盤状に形成され、その外径が開口部7aの内径より大きく形成されている。
【0057】
プラグ部11bは、支圧部11aの片面(隔室部材7側に向けられる面)に突設され、鋼材又は強化プラスチック等の一定の剛性を有する部材によってドーナツ状(円錐台筒状)に形成された核部11dと、核部11dの外周を覆うゴム材等の弾性部材からなる止水部材11eとを備え、開口部7aに圧入・嵌合されるようになっている。
【0058】
また、隔壁用蓋部材11のプラグ部11bによる隔壁部材7への嵌合強度は、下蓋部材9のプラグ部9bによる下隔室側開口部への嵌合強度より高くなるように設定されている。
【0059】
尚、隔壁用蓋部材11は、核部11dを強化プラスチックで構成することにより、重量を低減でき、撤去し易くすることができる。
【0060】
また、プラグ部11bは、全体を強化プラスチック等の一定の剛性を有しつつ弾性を発揮可能な素材によって一体に構成するようにしてもよく、外周に止水部材11eに替えて止水テープを巻いたネジ部を設け、開口部7aに螺合できるようにしてもよく、隔壁部材7及び隔壁用蓋部材11が共に鋼材によって構成されている場合には、溶接によって固定することもできる。
【0061】
パッキン部11cは、ゴム材等の弾性部材によって円環状に形成され、支圧部11aと隔壁部材7の上面との間に介在されるようになっている。
【0062】
尚、隔壁用蓋部材11の態様は、上述の実施例に限定されず、起立時の空気圧強度及び下隔室6内を減圧した際の空気圧強度を勘案して設定することができる。
【0063】
尚、隔壁蓋部材11は、上隔室5側の開口部径よりも小さく、状況に応じて隔壁用蓋部材11を隔壁部材7より取り外し、上隔室5側の開口部より撤去できるようになっている。
【0064】
下蓋部材9は、図3に示すように、円盤状の支圧部9aと、支圧部9aの片面(下隔室側開口部側に向けられる面)に突設されたプラグ部9bと、支圧部9aのプラグ側面の外縁部に配置された円環状のパッキン部9cとを備えた栓状を成している。
【0065】
支圧部9aは、鋼材等の剛性部材によって一定の厚みを有する円盤状に形成され、その外径が下隔室側開口部の内径より大きく形成されている。
【0066】
プラグ部9bは、支圧部9aの片面(下隔室側開口部側に向けられる面)に突設され、鋼材又は強化プラスチック等の一定の剛性を有する部材によってドーナツ状(円錐台筒状)に形成された核部9dと、核部9dの外周を覆うゴム材等の弾性部材からなる止水部材9eとを備え、下隔室側開口部に圧入されるようになっている。尚、下蓋部材9は、核部9dを強化プラスチックで構成することにより、重量を低減でき、撤去し易くすることができる。
【0067】
尚、プラグ部9bは、全体を強化プラスチック等の一定の剛性を有しつつ弾性を発揮可能な素材によって一体に構成するようにしてもよい。
【0068】
パッキン部9cは、ゴム材等の弾性部材によって円環状に形成され、支圧部と隔壁部材7の上面との間に介在されるようになっている。
【0069】
また、下蓋部材9には、連結ワイヤ12の一端が連結され、この連結ワイヤ12の他端にブイ等の浮体13が連結されており、下蓋部材9を水中で取り外した後、浮体13が水上に浮上するので、水中での下蓋部材9の位置を容易に把握することができ、水上から容易に下蓋部材9を回収することができる。
【0070】
上蓋部材8は、図4(a)に示すように、円盤状の支圧部8aと、支圧部8aの片面(上隔室側開口部側に向けられる面)に突設されたプラグ部8bとを備えた栓状を成している。
【0071】
支圧部8aは、鋼材等の剛性部材によって一定の厚みを有する円盤状に形成され、その外径が上隔室側開口部の内径より大きく形成されている。
【0072】
プラグ部8bは、支圧部8aの片面(上隔室側開口部側に向けられる面)に突設され、鋼材又は強化プラスチック等の一定の剛性を有する部材によってドーナツ状(円錐台筒状)に形成された核部8dと、核部8dの外周を覆うゴム材等の弾性部材からなる止水部材8eとを備え、上隔室側開口部に圧入されるようになっている。尚、上蓋部材8は、核部8dを強化プラスチックで構成することにより、重量を低減でき、撤去し易くすることができる。
【0073】
また、プラグ部8bは、全体を強化プラスチック等の一定の剛性を有しつつ弾性を発揮可能な素材によって一体に構成するようにしてもよい。
【0074】
この上蓋部材8は、図4(b)に示すように、支圧部8aが直接上隔室側開口縁部に当接し、支圧部8aに作用する打撃の衝撃エネルギが直接伝播するので、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入させるために頭部をハンマ等で打ち込む際にも装着しておくことで打ち込み時の受け部材としても機能するようになっている。また、打ち込み時に上蓋部材8を設置しておくことで水中に伝播する打ち込み時の水中騒音を低減することができる。
【0075】
尚、上蓋部材8は、図4(c)に示すように、上隔室側開口部の内側に円筒状の張出受け部2aを設け、支圧部8aの外径を上隔室側開口部より小さくし、且つ、プラグ部8bが張出受け部2aの内側に圧入されるようにしてもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
その場合、支圧部8aは、上隔室側開口部を通して筒状体本体2の内側に入り込み、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入する際、筒状体本体2の上面がハンマ等によって打ち込まれるようになっている。
【0077】
また、この水底設置用筒状体1には、下隔室6内を加減圧する加減圧手段14を備え、下隔室6内の圧力を調節することによって、下蓋部体9の離脱から筒状体本体2の水底地盤3への着底・貫入作業を円滑に行えるようになっている。
【0078】
加減圧手段14は、図2に示すように、一端が下隔室6内に露出した一対の配気管(以下、給気用配気管15及び吸気用配気管16という)と、各配気管15,16内の圧力を調整する調圧弁17,17とを備え、給気用配気管15が給気ポンプ18に、吸気用配気管16が吸引ポンプ19にそれぞれ接続され、下隔室6内を加減圧できるようになっている。
【0079】
両配気管15,16は、一端が隔壁部材7を貫通して下隔室6内と連通し、他端側が上隔室5の周壁を貫通して外部に設置された各ポンプ18,19に接続されており、他端側が周壁外に設けられていることで、下隔室6内を圧気する際に圧気が容易となる。
【0080】
次に、上述した水底設置用筒状の設置方法を図5図16に示す実施例に基づいて説明する。尚、図中符号20は、水底設置用筒状体1の設置に使用する昇降式台船(以下、SEP船という)である。また、図6以降の図では、便宜上図中でのクレーン23の記載を省略する。
【0081】
SEP船20は、図5図6に示すように、水上を移動するSEP船本体21と、SEP船本体21に上下動可能に支持された複数のレグ22,22…と、SEP船本体21上に設置されたクレーン23とを備えている。
【0082】
また、このSEP船20には、SEP船本体21に回転可能に支持された筒状体把持手段24を備え、この筒状体把持手段24に水底設置用筒状体1を把持させることができるようになっている。
【0083】
筒状体把持手段24は、水底設置用筒状体1を把持する把持体25の側部が回転軸26に支持され、この回転軸26をSEP船本体21の甲板上に設置された動力部27によって回転させるようになっている。
【0084】
把持体25は、一対の開閉アーム部25a,25aが回動してU字状に開口した状態と両開閉アーム部25a,25aが閉じて水底設置用筒状体1を把持する状態とに開閉するようになっており、把持体25を下向きに回転させた際に両開閉アーム部25a,25aを有する開口側が下側に開口できるように配置されている。
【0085】
このSEP船20は、水底設置用筒状体1の設置海域まで移動した後、図5に示すように、レグ22,22…を降下して水底地盤3に着底させ、レグ22,22…に支持されたSEP船本体21を水上に上昇させ、SEP船本体21を波浪等に対し安定した状態とする。
【0086】
一方、陸上の工場又は製作ヤードにおいて、水底設置用筒状体1を製作し、筒状体本体2の両端開口部及び隔壁部材7の開口部7aを上蓋部材8、下蓋部材9及び隔壁用蓋部材11によって閉鎖し、水底設置用筒状体1を水上に浮かべ、設置海域まで曳航する。
【0087】
曳航時においては、筒状体本体2の両開口部が止水部材8e,9eによって外周を覆われたプラグ部8b,9bが開口部に圧入されているので上蓋部材8及び下蓋部材9によって両開口部が止水され、筒状体本体2内への浸水が防止されている。また、下蓋部材9は、支圧部9aが水圧によって筒状体本体2側に押圧され、パッキン部9cが圧縮されるのでより高い止水性が得られるようになっている。
【0088】
次に、図7に示すように、曳航された水底設置用筒状体1をSEP船20に横付けし、必要に応じて係留する。
【0089】
次に、図8図9に示すように、把持体25の開口部側が斜め下向きになる位置に把持体25を回転させ、開口部が水底設置用筒状体1側に開口した状態とし、玉掛け用突起10に吊りワイヤ28を玉掛けし、その状態で下隔室6側を水中に浮かべたまま上隔室5側をSEP船20のクレーン23によって吊り上げる。
【0090】
その際、下隔室6側を水中に浮かべた状態であるので、水底設置用筒状体1に下隔室6側の浮力が作用し、その分、クレーン23に作用する荷重が軽減されるので、従来ではSEP船20のクレーン23の吊り能力以上のクレーンを用いて吊り上げる必要がある水底設置用筒状体1であっても対応することができる。
【0091】
このとき、下蓋部材9には、曳航時よりも高い水圧が作用するが、剛性の高い支圧部9aが下隔室側開口縁部に当接した状態にあるので、水圧によって下蓋部材9が変形したり筒状体本体2側に水が入り込んだりすることが防止される。
【0092】
また、斜めに引き起こされた水底設置用筒状体1は、把持体25の内側に案内され、開閉アーム部25a,25aを閉じて仮把持した状態とすることで、波浪による動揺を抑えることができる。
【0093】
次に、図10図12に示すように、クレーン23で吊りワイヤ28を巻き上げ、下隔室6側を水中に浮かべた状態で水底設置用筒状体1を傾いた状態から起立する位置まで立ち上げる。
【0094】
その際、把持体25を水底設置用筒状体1の回動とともに回転させ、起立した状態になったら把持体25で水底設置用筒状体1を確実に把持し、水底設置用筒状体1の浮力による挙動を制限する。
【0095】
次に、図13に示すように、加減圧手段14によって下隔室6内の圧力を下蓋部材9にかかる水圧以上になるまで上昇させ、下隔室6側開口部を閉鎖する下蓋部材9を開口部より離脱させる。
【0096】
その際、下隔室側開口部に圧入されたプラグ部9bは、構造上、水圧によって止水部材9eと筒状体本体2との密着度が上昇することがなく、その嵌合強度が変動しない。
【0097】
一方、隔壁蓋部材11は、下隔室6内の圧力上昇によってプラグ部11bが開口部7aから抜け出さないように止水部材11eが開口部7aに圧入されている。
【0098】
水中で開口部から離脱された下蓋部材9は、連結ワイヤ12を介して接続された浮体13が水上に浮上するので、水中の下蓋部材9の位置を正確に把握することができ、水上から連結ワイヤ12を巻き上げて下蓋部材9を水上まで持ち上げ回収し、再利用することができる。
【0099】
次に、図14に示すように、加減圧手段14によって下隔室6内の空気を吸気して圧力を下降させ、下隔室6内の浮力を低下させつつ、クレーン23で吊り下ろし、水底設置用筒状体1の下端を水底地盤3に着底させる。
【0100】
その際、上隔室5内に注水し、注水による荷重によって水底設置用筒状体1の下降を促進するようにしてもよく、水底設置用筒状体1内に注水されることで、貫入性を高めることができる。
【0101】
また、隔壁蓋部材11は、剛性の高い支圧部11aがパッキン部11cを介して隔壁部材7に当接した状態にあるので、上隔室内5に注水された水の水圧及び下隔室6内の減圧によって隔壁蓋部材11が変形したり下隔室6側に水が入り込んだりすることが防止される。
【0102】
次に、図15に示すように、着底した水底設置用筒状体1の上蓋部材8をハンマ等で打ち込み、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入させる。
【0103】
このとき、図4(b)に示すように、上蓋部材8の支圧部8aと筒状体本体2の上隔室側開口部縁部との間にパッキン部等が介在されておらず、支圧部8aが上隔室側開口部縁部と直接当接しているので、上蓋部材8(支圧部8a)をハンマで打ち込むこと(打撃)による打撃エネルギが効率よく筒状体本体2に伝播するようになっている。
【0104】
その際、加減圧手段14によってさらに下隔室6内の空気を吸気して圧力を減圧させることで、下隔室6内に残存する空気による抵抗を低減し、水底設置用筒状体1を円滑に水底地盤3に貫入させることができる。
【0105】
また、上隔室5内と下隔室6内とを連通する注水管(図示せず)を設けておき、下隔室6内にも注水を行うようにしてもよく、下隔室6内の空気の吸気に併せて注水するようにするとなお良く、これによってさらに貫入性を高めることができる。
【0106】
そして、水底地盤3が隔壁部材7の位置に到達する前に打設を中断する。
【0107】
最後に、図16に示すように、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入させた後、上蓋部材8を撤去して上部開口部より隔壁用蓋部材11を撤去し、水底設置用筒状体1の設置が完了する。
【0108】
なお、隔壁用蓋部材11の撤去については、水底設置用筒状体1を水底地盤3に貫入させた後ではなく、水底設置用筒状体1が水底に着底した際に撤去するようにしてもよい。その場合、着底した際に撤去することによって、水底設置用筒状体1内に注水する際、上隔室5内と下隔室6内とを連通する注水管が無くとも下隔室6への注水を円滑に行うことができる。
【0109】
尚、上述の実施例では、上蓋部材8を取り付けたままとし、上蓋部材8を受け部材としてハンマで打ち込む場合について説明したが、上蓋部材8を撤去した状態で水底設置用筒状体1の上端面を打ち込むようにしてもよい。また、打ち込み時に上蓋部材8以外の部材を受け部材として用いてもよい。
【0110】
また、上述の実施例では、隔壁部材7に開口部7aを設け、開口部7aを隔壁用蓋部材11で閉鎖した場合について説明したが、隔壁部材7を円板状に形成し、常時上隔室5と下隔室6とが仕切られた状態としてもよい。この場合、隔壁用蓋部材11を撤去する必要が無いため、工期の短縮を図ることができる。
【0111】
また、上述の実施例では、把持体25が回転する筒状体把持手段24を使用する場合について説明したが、一般的なパイルグリッパーを使用し、水底設置用筒状体1が起立した後にパイルグリッパーに把持させるようにしてもよい。
【0112】
さらに、上述の実施例では、各蓋部材8,9を開口部に嵌合させる場合について説明したが、各蓋部材の周面及び開口部の内周面に互いに螺合する雌雄ネジ部を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 水底設置用筒状体
2 筒状体本体
3 水底地盤
4 水面
5 上隔室
6 下隔室
7 隔壁部材
8 上蓋部材
9 下蓋部材
10 玉掛け用突起
11 隔壁用蓋部材
12 連結ワイヤ
13 浮体
14 加減圧手段
15 給気用配気管
16 吸気用配気管
17 調圧弁
18 給気ポンプ
19 吸引ポンプ
20 SEP船
21 SEP船本体
22 レグ
23 クレーン
24 筒状体把持手段
25 把持体
26 回転軸
27 動力部
28 吊りワイヤ
図1
図2
図3
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図5
図6
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