(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/17 20190101AFI20250306BHJP
G06F 16/38 20190101ALI20250306BHJP
【FI】
G06F16/17 200
G06F16/38
(21)【出願番号】P 2024089950
(22)【出願日】2024-06-03
【審査請求日】2024-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(72)【発明者】
【氏名】坂根 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰洋
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-182309(JP,A)
【文献】特開2019-053433(JP,A)
【文献】特開2018-151969(JP,A)
【文献】特許第7471044(JP,B1)
【文献】特表2022-520731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 40/00-40/58
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
所定の前記バージョン識別子を指定すると、当該バージョン識別子に対応する前記入力情報を前記レポジトリから取得する取得ステップとを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記バージョン識別子が異なる複数の前記入力情報をそれぞれ前記学習済みモデルへ入力した結果同士を比較及び評価の少なくとも一方を行う、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記レポジトリ内に、前記入力情報に対応するブランチ情報を格納する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記格納ステップは、取得した前記入力情報に基く前記学習済みモデルから出力情報を当該入力情報に紐付けて前記レポジトリに格納する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記入力情報に応じて前記学習済みモデルからの前記出力情報を得るために必要な追加情報を生成し、当該追加情報を付加した前記入力情報を取得する、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記出力情報に対応する前記バージョン識別子を生成しかつ前記レポジトリに格納する、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記入力情報及び前記出力情報の少なくとも一方を閲覧可能に出力する出力ステップと、を含む、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記入力情報を、自然言語による検索条件情報にて検索を実施する検索ステップと、を含む、
請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
情報処理装置が実行する情報処理システムであって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成部と、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納実行部と、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新部と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、学習済みモデルを利用したデバイスが開示されている。このデバイスでは、セキュアなコンポーネントでパラメータと学習済みモデルのバージョン情報を管理し、学習済みモデルへ入力する入力情報に基づいて学習済みモデルを展開しかつ学習済みモデルによる処理を実行する。これにより、外部攻撃から保護しつつ学習済みモデルを利用した処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、学習済みモデルを用いて情報処理を行う場合、学習済みモデルからの処理結果を所望するものとするために入力情報の調整を行うことがあるが、効率よく入力情報の調整を行う場合には変更履歴の管理を行うことが好ましい。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、所望する処理結果を効率良く得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報処理方法によれば、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、を含む。
【0007】
一実施形態に係る情報処理方法によれば、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納ステップと、を含む。
【0008】
一実施形態に係るプログラムによれば、情報処理装置に、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、を含む情報処理方法を実行させる。
【0009】
一実施形態に係るプログラムによれば、情報処理装置に、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納ステップと、を含む情報処方法を実行させる。
【0010】
一実施形態に係る情報処理システムによれば、情報処理装置が実行する情報処理システムであって、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成部と、前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納部と、前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新部と、を有する。
【0011】
一実施形態に係る情報処理システムによれば、情報処理装置が実行する情報処理システムであって、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
一実施形態によれば、所望する処理結果を効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第一実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】第一実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】第一実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示す図である。
【
図5】第二実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】第二実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示す図である。
【
図7】第三実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図8】第三実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一実施形態)
以下、
図1~
図4を用いて、本発明に係る情報処理システムの第一実施形態について説明する。なお、各図において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
(システム概要)
まず、本実施形態に係る情報処理システム10の概要について説明する。本実施形態に係る情報処理システム10は、学習済みモデルへ入力するための入力情報の管理を行うためのシステムである。この入力情報は、本実施形態では一例として、学習済みモデルとしての大規模言語モデルへ入力するプロンプトとされている。このプロンプトは、自然言語、動画像、音声等のデータによるものである。また、プロンプトは、その少なくとも一部が変更や追加が可能ないわゆるテンプレートも含む。
【0016】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、情報処理装置としてのサーバ12と、情報処理装置としての利用者端末14と、を備える。ネットワークNは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又はこれらの組み合わせである。
【0017】
利用者端末14は、ユーザUにより各種情報の入力及び表示のための操作を行う情報処理装置の一例である。利用者端末14は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、サーバ装置、マイクロコンピュータ、ウェアラブルデバイス、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0018】
サーバ12は、利用者端末14から入力された情報を取得し、当該情報を基に処理を行い結果を出力する情報処理装置の一例である。サーバ12は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、サーバ装置、マイクロコンピュータ、又はこれらの組み合わせであってもよい。サーバ12の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0019】
(ハードウェア構成)
図2は、サーバ12のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ12は、バスBを介して相互に通信可能に接続された、プロセッサ120と、メモリ122と、ストレージ124と、通信I/F126と、入出力I/F128と、ドライブ装置134と、を備える。
【0020】
プロセッサ120は、ストレージ124に記憶された各種プログラムをメモリ122に展開して実行することにより、サーバ12の各構成を制御し、サーバ12の機能を実現する。プロセッサ120が実行するプログラムは、OS(Operating System)及び後述するプログラム220を含むが、これに限られない。プロセッサ120がこれらプログラムを実行することにより、本実施形態に係る状態可視化方法の一部が実現される。プロセッサ120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。
【0021】
メモリ122は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0022】
ストレージ124は、OS、後述する各種プログラム、及び各種のデータを記憶する。ストレージ124は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0023】
通信I/F126は、サーバ12を、ネットワークNを介して、利用者端末14を含む外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F126は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信(例えば、Fibre Channel)に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0024】
入出力I/F128は、サーバ12に入力装置132及び出力装置130を接続するためのインタフェースである。入力装置132は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。出力装置130は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0025】
ドライブ装置134は、ディスクメディア136のデータを読み書きする。ドライブ装置134は、例えば、磁気ディスクドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、又はこれらの組み合わせである。ディスクメディア136は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、FD(Floppy Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、又はこれらの組み合わせである。
【0026】
なお、本実施形態において、プログラムは、サーバ12の製造段階でメモリ122又はストレージ124に書き込まれてもよいし、ネットワークNを介してサーバ12に提供されてもよいし、ディスクメディア136などの非一時的でコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介してサーバ12に提供されてもよい。
【0027】
また、利用者端末14のハードウェア構成については、上述したサーバ12のハードウェア構成と略同一の構成とされているため、詳細な説明については省略する。
【0028】
(機能構成)
次に、サーバ12の機能構成について説明する。
図3は、サーバ12の機能構成の一例を示す図である。各種プログラムを実行する際に、サーバ12は上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。サーバ12は、サーバ12が実現する機能構成として、通信部20と、記憶部22と、制御部24と、を有している。各機能構成は、プロセッサ120がメモリ122又はストレージ124に記憶されたプログラム220を読み出し、実行することで実現される。
【0029】
通信部20は、通信I/F126により実現される。通信部20は、ネットワークNを介して、利用者端末14との間で情報の送受信を行う。通信部20は、利用者端末14から入力された情報を受信する。また、通信部20は、利用者端末14に対して情報を送信し、利用者端末14からユーザUによるリクエストを受信する。さらに、通信部20は、外部のシステムとAPI等を利用して情報の送受信を行う。
【0030】
記憶部22は、メモリ122及びストレージ124により実現される。記憶部22には、プログラム220と、学習済みモデル222と、プロンプトDB224と、ユーザ情報DB226と、処理結果DB228と、が格納される。
【0031】
学習済みモデル222は、少なくとも一つの学習済み機械学習モデルにより構成されている。この学習済みモデル222は、前述のように一例として大規模言語モデルとされ、インターネット上の記事、書籍及びウェブサイトなどからの大量のテキストデータを学習させたモデルとされており、入力情報としてプロンプトと称されるテキストデータを入力すると、プロンプトに応じた情報処理を実行し結果としてテキストデータを含む各種データ生成し当該データを出力情報として出力する。なお、学習済みモデル222は、それぞれ記憶部22ではなく外部の通信可能なサーバ等に格納されたものであってもよい。
【0032】
また、学習済みモデル222は、後述するプロンプトのテンプレートについて、必要に応じて追加情報を生成する。すなわち、プロンプトのテンプレートの内容が更新された場合に更新前と更新後のプロンプトのテンプレートによる出力情報同士を比較し評価することでプロンプトのテンプレート自体の評価を行う場合、当該テンプレートに沿った追加情報を生成する。一例として、プロンプトのテンプレートが「以下のとおり翻訳を行ってください。原文の言語: 、翻訳後の言語: 、翻訳後の文章の調子(ビジネス向け、カジュアル、一般利用者にわかりやすく、など): 、翻訳の対象となる文章: 」となっている場合、このテンプレートにおいては、「原文の言語」、「翻訳後の言語」、「翻訳後の文章の調子(ビジネス向け、カジュアル、一般利用者にわかりやすく、など)」、「翻訳の対象となる文章」にプレースホルダが設定されている。このプレースホルダは、後でユーザーが具体的な情報を入力するために設けられた一時的なスペースや目印等である。学習済みモデル222は、追加情報としてこのプレースホルダに対応する情報を生成する。前述の例では、一例として、「原文の言語」に対して、「英語」、「翻訳後の言語」に対して「日本語」、「翻訳後の文章の調子(ビジネス向け、カジュアル、一般利用者にわかりやすく、など)」に対して「ビジネス向け」、「翻訳の対象となる文章」に対して「A picture is worth a thousand words.」等の追加情報を生成する。この追加情報をテンプレートに付加してプロンプトとして学習済みモデル222へ入力することにより、出力情報を取得することができる。
【0033】
さらに、学習済みモデル222は、内容が更新される前の(テンプレートを基にした)プロンプトと、内容が更新された(テンプレートを基にした)プロンプトとで出力情報がどのように変化するか比較し、その出力情報がプロンプトの意図に沿っているか否かを評価する。換言すると、プロンプトのテンプレートの更新が所望する出力情報を得られるか否かを判定できる。この比較評価については、学習済みモデル222に評価を実行する指示のプロンプトと共に出力情報を入力することで実施するが、これに限らず、外部の通信可能に接続された学習済みモデルにて評価を実行する構成としてもよい。これにより、異なる視点での評価や客観的な評価をすることができる。
【0034】
入力情報は、前述のように学習済みモデル222への処理を指示するプロンプトとされており、自然言語によるテキストデータとされている。この入力情報は、ユーザUにより入力されるが、これに限らず、システムが自動で生成したものや改変したものでもよい。
【0035】
プロンプトDB224は、ユーザUが入力したプロンプトを示す情報が格納されるデータベースである。プロンプトは、自然言語とされており、プロンプトDB224には一例として、プロンプトと、当該プロンプトが入力された際のアカウント情報(後述)とが紐付けられて格納されている。また、プロンプトDB224は、プロンプトのすべてだけではなく追加情報を入力させるための余地を残したプロンプトの少なくとも一部も格納される。このプロンプトの少なくとも一部は、プロンプトのテンプレートに相当する。そして、テンプレートに対して追加入力情報が入力された状態のものがプロンプトに相当する。
【0036】
プロンプトDB224には、プロンプト(テンプレートも含む、以下同)に対応したバージョン識別子も併せて格納される。バージョン識別子は、プロンプトのバージョンを一意に識別するための任意のテキストデータとされており、プロンプトの内容が更新されるとこれに伴って新たに生成される(詳細は後述)バージョン識別子もプロンプトDB224に格納される。
【0037】
ユーザ情報DB226は、情報処理システム10を利用するにあたり利用登録したユーザU及びマネージャM等の各種情報が格納されるデータベースである。格納される各種情報の例として、一意に識別するためのユーザ識別情報、興味情報などのユーザ嗜好情報、これまでの利用状況など含むユーザ履歴情報、職業、役職、権限などのユーザ属性情報などが含まれる。
【0038】
処理結果DB228は、プロンプトに基いて処理を実行した結果(処理の実行結果及び処理結果とも言う)を示す情報を格納するデータベースである。処理結果は、テキスト情報や画像情報を含む各種情報であり、処理結果DB228には、処理結果、プロンプト及びユーザ情報が互いに紐付けられて格納されている。また、処理結果DB228は、複数の異なるバージョン識別子にそれぞれ対応するプロンプトを学習済みモデル222へ入力して得られる出力情報同士を評価及び比較の少なくとも一方が格納される。
【0039】
制御部24は、プロセッサ120がメモリ122(
図2参照)からプログラム220を読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。制御部24は、情報取得部242と、情報処理部244と、出力部246と、を備える。
【0040】
情報取得部242は、情報処理部244での処理において必要となる各種情報を取得する。具体的には、記憶部22や外部の通信可能に接続されたデータベース等を含む格納部に格納されたプロンプトやユーザUが入力するプロンプトを取得する。なお、取得する各種プロンプトはテキストデータに限らず、音声入力、ジェスチャ、ハードウェアの操作、アイトラッキング、生体センサ等各種センサからの情報を利用するものでもよい。
【0041】
また、情報取得部242は、記憶部22や外部の通信可能に接続されたデータベース等格納されたプロンプトの検索を実行するための各種情報を取得する。すなわち、情報取得部242は、利用者端末14やAPI等を利用して通信可能に接続された外部のシステム等から各種情報として検索の実行指示情報、検索条件情報を取得する。この検索条件情報は、プロンプトの内容を含む自然言語によるキーワードやタグ、バージョン識別子、ブランチ識別子、ブランチ名(詳細は後述する)、作成者、作成日時等のメタデータに基づくものである。つまり、情報取得部242は、請求項15、16に記載の「入力情報取得部」に相当する。また、検索条件情報は、検索キーワード、検索語、検索フレーズ、クエリ、検索入力情報とも言い換えることができる。
【0042】
情報処理部244は、プロンプトに基づいて学習済みモデル222による情報処理を行う。学習済みモデル222は、その内部に蓄積された知識に基づいて、プロンプトに対応する回答や生成結果を出力する。
【0043】
また、情報処理部244は、取得されたプロンプトを常時監視し、プロンプトの内容が格納部に格納されている既存のプロンプトと一致するかどうかを判定する。この判定は、一例として、プロンプトのハッシュ値やチェックサムを生成し、既存のプロンプトデータと比較し、一致するプロンプトが存在しない場合、新たなプロンプトとして扱うように実施される。これ以外にも、キーワードマッチング、学習済みモデル222を利用した自然言語処理、ユーザやシステムによるフィードバック情報の利用、等により一致判定を行ってもよい。そして、同一のプロンプトが存在しない場合、情報処理部244は新たなプロンプトとして当該プロンプトに対して一意のバージョン識別子を生成する。このバージョン識別子は、プロンプトを識別するために用いられ、一例として、現在の日時やランダムな値を利用して、一意性を保証する識別子を生成する。さらに、情報処理部244は、生成されたバージョン識別子とともに、新たなプロンプトを格納部に格納する。なお、情報処理部244は、学習済みモデル222からの出力情報に対してもバージョン識別子を生成可能とされている。
【0044】
さらにまた、情報処理部244は、必要に応じてプロンプトのテンプレート内のプレースホルダに対応する追加情報を生成する。具体的には、情報処理部244は、テンプレートのプレースホルダの抽出し、プレースホルダに挿入されるべき追加情報を生成する。追加情報は、動的に生成されたデータ(例として外部から取得した最新情報)や静的なデータ(固定された情報)が含まれ、プレースホルダに対して指定されているデータ形式(例として「NAME」,「DATE」,「TIME」など)に応じて生成される。なお、学習済みモデル222にテンプレートと、プレースホルダに応じた追加情報を生成する指示とをプロンプトとして入力して、その出力情報を利用して追加情報を得てもよい。また、情報処理部244は、必要に応じてユーザUに追加情報の入力を求めてもよい。これはチャット形式でシステムとユーザUが会話するなどのインタラクティブなシステムで特に有効である。そして、生成された追加情報をプレースホルダに挿入することで、より具体的かつカスタマイズされたプロンプトが形成される。
【0045】
また、情報処理部244は、異なるバージョンのプロンプトに基づいた出力結果同士を比較し評価を行う。この比較評価により、バージョン毎のパフォーマンスや有用性の違いを明確にすることができる。
【0046】
さらに、情報処理部244は、ユーザUまたはシステムから取得した実行指示情報、検索条件情報に基づいて、格納部内のプロンプトを検索するためのクエリを生成し、実行する。検索結果は、対応するプロンプトのリストやメタデータとして利用者端末14を通じてユーザUに提供される。さらにまた、情報処理部244は、特定のバージョン識別子に対応するにプロンプトに対してユーザUの操作に応じてブランチを作成し、そのブランチ情報についてもプロンプトDB224へ格納可能とされている。すなわち、特定(オリジナル)のバージョン識別子を参照して、ユーザUのブランチ作成操作に基づく新しい入力情報が作成され、それに対する新規のバージョン識別子が生成される。生成されたバージョン識別子とオリジナルのバージョン識別子を関連付けて、ブランチ情報としてのブランチ識別子及びブランチ名の少なくとも一方が生成される。この情報はプロンプトDB224に格納される。つまり、情報処理部244は、請求項15、16に記載の「バージョン識別子生成部」、「格納実行部」及び「更新部」に相当する。
【0047】
以上、情報処理部244がプロンプトやテンプレート等の入力情報、出力情報及びバージョン識別子の管理を行うと共に、プロンプトDB224にて入力情報及びバージョン識別子を格納しかつ処理結果DB228にて出力情報を格納することから、プロンプトDB224と処理結果DB228と情報処理部244が連携することで、レポジトリとして機能する。
【0048】
出力部246は、情報処理部244の処理結果を利用者端末14に出力するように制御する。
【0049】
(情報処理システム10が実行する処理)
次に、情報処理システム10の作用について説明する。
図4は、情報処理システム10による処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ120がストレージ124に記憶されたプログラム220を読み出して、メモリ122に展開して実行することにより、処理が行われる。なお、図示しないが、プロセッサ120は、情報処理システム10の作動終了操作情報、又は実行中の判定処理において利用者端末14より操作終了の情報(これらを単に「終了操作」と称する)を受信した場合は、処理中のプログラム220に基づく処理を終了する。
【0050】
プロセッサ120は、入力情報を取得したか否かを判定する(ステップS100)。入力情報を取得していない場合(ステップS100:NO)、プロセッサ120は、後述するステップS130へ処理を移行する。一方、入力情報を取得した場合(ステップS100:YES)、プロセッサ120は、当該入力情報の内容が格納部に格納されている既存の入力情報と一致するかどうかを判定する(ステップS102)。一致する場合、つまり新しい入力情報でない場合(ステップS102:YES)、プロセッサ120は、後述するステップS108へ処理を移行する。一方、一致しない場合、つまり新しい入力情報である場合(ステップS102:NO)、プロセッサ120は、当該入力情報に対してバージョン識別子を生成し(ステップS104)、当該入力情報とバージョン識別子とを格納部へ格納する(ステップS106)。なお、上述したステップS100の処理が請求項1に記載の「入力情報取得ステップ」に相当する。また、ステップS104の処理が請求項1に記載の「バージョン識別子生成ステップ」に相当する。さらに、ステップS106の処理が請求項1に記載の「格納ステップ」に相当する。
【0051】
プロセッサ120は、入力情報の更新の有無を監視し(ステップS108)、更新の有無を判定する(ステップS110)。更新が無い場合(ステップS110:NO)、プロセッサ120は、後述するステップS130へ処理を移行する。一方、更新がある場合(ステップS110:YES)、プロセッサ120は、更新された入力情報に対してバージョン識別子を生成し(ステップS112)、更新された入力情報とバージョン識別子とを格納部へ格納する(ステップS114)。なお、ステップS108からステップS114の処理が請求項1に記載の「更新ステップ」に相当する。
【0052】
プロセッサ120は、入力情報に対して追加情報が必要か否か(つまり入力情報がプレースホルダを有するテンプレートであるか否か)を判定する(ステップS116)。追加情報が必要ではない場合(ステップS116:NO)、プロセッサ120は、後述するステップS120へ処理を移行する。一方、追加情報が必要である場合(ステップS116:YES)、プロセッサ120は、追加情報を生成する(ステップS118)。
【0053】
プロセッサ120は、入力情報を学習済みモデル222へ入力し(ステップS120)、学習済みモデル222からの出力情報を取得する(ステップS122)。そして、プロセッサ120は、取得した出力情報に対してバージョン識別子を生成する(ステップS124)。
【0054】
プロセッサ120は、バージョンが異なる入力情報に対応する出力情報同士を比較する(ステップS126)。このバージョンが異なるものについては、最新のバージョンのものと直前のバージョンのものとの比較でもよいし、任意の異なるバージョン同士のものとの比較でもよい。プロセッサ120は、比較結果から出力情報ひいては入力情報を評価し(ステップS128)、評価結果を入力情報と紐づけて格納部に格納する(ステップS130)。
【0055】
プロセッサ120は、検索の実行指示情報及び検索条件情報を取得したか否かを判定する(ステップS132)。取得していない場合(ステップS132:NO)、プロセッサ120は、プログラム220に基づく処理を終了する。一方、取得した場合(ステップS132:YES)、プロセッサ120は、検索を実行し(ステップS134)、当該検索結果を利用者端末14に表示するように出力して(ステップS136)、プログラム220に基づく処理を終了する。なお、ステップS132からステップS136の処理が請求項2に記載の「取得ステップ」に相当する。また、ステップS132からステップS134の処理が請求項11に記載の「検索ステップ」に相当する。なお、図示しないが、検索結果を基にユーザUがブランチ作成操作を行う場合には、当該操作に応じてブランチ識別子及びブランチ名が生成され、プロンプトDB224へ格納される。
【0056】
(第一実施形態の作用効果)
本実施形態に係る情報処理システム10によれば、学習済みモデル222へ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、入力情報及び当該入力情報に対応するバージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、レポジトリ内の入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の入力情報とこれに対応するバージョン識別子をレポジトリ内に格納する更新ステップと、を実行する。したがって、入力情報取得ステップにより取得された入力情報は、その都度バージョン識別子生成ステップによって一意のバージョン識別子が生成される。これにより、異なるバージョンの入力情報が識別可能となり、各バージョンの変更履歴が明確に管理される。また、格納ステップにより、取得された入力情報とそのバージョン識別子がレポジトリに格納される。これによって、入力情報のバージョンごとに保存されるため、過去のバージョンと現行のバージョンを区別して追跡することが可能になる。この履歴管理により、どのバージョンの入力情報が学習済みモデルに対して利用されたかを容易に識別できる。さらに、更新ステップにより、レポジトリ内の入力情報が更新される度に、新たなバージョン識別子が生成され、更新後の入力情報とともにレポジトリに格納される。これにより、入力情報の調整履歴が体系的に管理されるため、効率的に入力情報の変更や調整が行える。この履歴をもとに、過去の変更内容を参照し、最適なプロンプトを迅速に生成することが可能となる。このようにして管理された入力情報とそのバージョン履歴により、適切なバージョンの入力情報を選定して学習済みモデル222に供給することが可能となる。その結果、所望する処理結果を効率よく得ることができる。また、版管理された情報に基づいて処理結果を比較・評価することで、最適なプロンプトの生成と調整が促進される。これにより、学習済みモデルによる情報処理の効果を最大限に引き出すことができる。
【0057】
また、情報処理システム10が実行するステップとして、所定のバージョン識別子を指定すると、当該バージョン識別子に対応する入力情報をレポジトリから取得する取得ステップとを含むことから、ユーザや他のシステムが所望するバージョン識別子を指定することで、指定されたバージョンの入力情報を正確にレポジトリから取得することができる。これにより、特定のバージョンの履歴や変更内容を容易に追跡し、参照することが可能となる。
【0058】
さらに、情報処理システム10は、バージョン識別子が異なる複数の入力情報をそれぞれ学習済みモデル222へ入力した結果同士を比較及び評価の少なくとも一方を行うことから、バージョン識別子が異なる複数の入力情報を学習済みモデルに入力することにより、それぞれのプロンプトバージョンの性能が比較・評価される。これにより、どのバージョンが最も高精度な結果を生成するのかを特定し、モデルの精度を向上させるためのフィードバックを得ることが可能である。また、複数の入力情報バージョンを比較することで、最適なプロンプトの形態を見いだし、そのプロンプトを標準化することができる。これにより、最適なプロンプトが効率的に生成され、所望の処理結果を迅速に達成することが可能となる。さらに、情報処理システム10において、異なるバージョンの入力情報を用いた結果の比較を通じて、データの多様性とモデルのロバスト性を評価することができる。多様な条件下での学習済みモデル222の動作を確認し、システム全体の耐障害性や信頼性を向上させるための手がかりを得ることができる。さらにまた、複数バージョンの履歴を比較することにより、各バージョンの入力情報がどのように処理結果に影響を与えたかを詳細に分析できる。これにより、各バージョンの改善点や変更内容の影響を特定し、さらなる改善策を講じることができる。また、バージョン識別子ごとの入力情報を利用して結果を比較することで、学習済みモデル222のチューニングや再学習の材料とすることができる。これにより、学習済みモデル222の性能向上および安定運用が実現する。さらに、比較評価の結果を用いて、ユーザUにとって最も有用なプロンプトバージョンを選定し提供することが可能となる。これにより、ユーザ体験の最適化が図られ、満足度の向上が期待できる。さらにまた、バージョン間の比較評価を自動化することにより、プロンプトの生成から評価、フィードバック、適応までの一連のプロセスを効率的に実行できる。これにより、システムは常に最新の最適なプロンプトを選定し活用する。このフィードバックループの形成により、プロンプトの品質が継続的に向上し、学習済みモデル222の性能が最適化される。
【0059】
また、情報処理システム10における格納ステップは、取得した入力情報に基く学習済みモデルから出力情報を当該入力情報に紐付けてレポジトリに格納することから、入力情報と出力情報の関連性が明確化される。これにより、どの入力情報がどの出力情報をもたらしたのかを容易に追跡・理解することができる。さらに、入力情報とそれに対応する出力情報が一体となって保存されるため、必要に応じて迅速かつ効率的に参照・再利用することが可能である。これにより、過去の処理結果をもとに新たな分析や改善が容易に行える。さらにまた、入力情報と紐付けられた出力情報をレポジトリに格納することにより、特定の出力結果に基づいた検索が容易に行える。これにより、特定の条件に一致する入力情報およびその出力結果を迅速に取得することができる。
【0060】
さらに、情報処理システム10は、入力情報に応じて学習済みモデル222からの出力情報を得るために必要な追加情報を生成し、当該追加情報を付加した入力情報を取得することから、プレースホルダを有するテンプレート形式の入力情報であっても当該テンプレートのプレースホルダ内に生成した追加情報を付加して学習済みモデル222に入力することで、当該テンプレートが所望する処理結果を得ることができるか否かを判定することが可能となる。換言すると、テンプレートを含む入力情報の評価と改良が効率的に行える。各バージョンの入力情報に対する評価結果を基に、新たな入力情報の改善ポイントが明確になるため、継続的な改良サイクルを形成することができる。
【0061】
さらにまた、出力情報に対応するバージョン識別子を生成しかつレポジトリに格納することから、各出力情報が一意に識別可能となる。これにより、どの入力情報に対してどの出力情報が生成されたかを容易に追跡できる。
【0062】
また、入力情報及び出力情報の少なくとも一方を閲覧可能に出力する出力ステップと、を含むことから、入力情報に対する学習済みモデルの出力結果を比較・評価することが可能となる。これにより、最適なプロンプトを選定し、学習済みモデルやシステム全体の応答精度を向上させることができる。
【0063】
さらに、レポジトリ内に、入力情報に対応するブランチ情報を格納することから、各バージョン識別子に基づいて複数の異なる修正版を評価したり、多様なシナリオに基づいて入力情報を展開したりすることが可能になる。これにより、所望する処理結果を一層効率よく得ることができる。
【0064】
さらにまた、入力情報を、自然言語による検索条件情報にて検索を実施する検索ステップと、を含むことから、ユーザUは自身の質問や要求をそのままの形で入力できるため、ストレスなく検索を進めることができる。これにより、ユーザUの満足度を向上させることができる。
【0065】
なお、入力情報を自然言語による検索条件情報にて検索するために、入力情報について予め構造化されたメタデータ等を付与してもよい。具体的な例として、入力情報に「意図」、「テーマ」、「分類」等のコンテキスト情報をメタデータとして、ユーザU等により手動又は学習済みモデル222により自動での付与を行い、これをベクトル化する。そして、検索ステップにて入力された検索条件情報もベクトル化して、ベクトル間の類似度が高い入力情報を取得する。これにより、検索精度をより高めることができる。
【0066】
(第二実施形態)
次に、
図5、
図6を用いて、本発明の第二実施形態に係る情報処理システム500について説明する。第二実施形態に係る情報処理システム500は、基本的な構成は第一実施形態と同様とされ、入力情報におけるタグ情報を取得し格納部に格納される点に特徴がある。なお、第一実施形態と同一の構成ついては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0067】
(機能構成)
情報処理システム500におけるサーバ70の機能構成について説明する。
図5は、サーバ70の機能構成の一例を示す図である。各種プログラムを実行する際に、サーバ70は第一実施形態のサーバ12と同様のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。サーバ70は、サーバ70が実現する機能構成として、通信部20と、記憶部72と、制御部74と、を有している。各機能構成は、プロセッサ120がメモリ122又はストレージ124に記憶されたプログラム720を読み出し、実行することで実現される。
【0068】
記憶部72は、メモリ122及びストレージ124により実現される。記憶部72には、プログラム720と、学習済みモデル222と、プロンプトDB724と、ユーザ情報DB226と、処理結果DB228と、が格納される。
【0069】
プロンプトDB724は、第一実施形態のプロンプトDB224と同様にユーザUが入力したプロンプトを示す情報、テンプレート及びバージョン識別子が格納される。また、プロンプトDB724は、タグ情報も格納される。タグ情報については後述する。
【0070】
制御部74は、プロセッサ120がメモリ122(
図2参照)からプログラム720を読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。制御部74は、情報取得部742と、情報処理部744と、出力部246と、を備える。
【0071】
情報取得部742は、第一実施形態の情報取得部242と同様、情報処理部744での処理において必要となる各種情報や、プロンプトの検索のための各種情報を取得する。また、情報取得部742は、タグ情報を取得する。情報取得部742が取得するタグ情報は、ユーザUが直接入力したタグの情報であり、一例として、入力情報が技術に関するものである場合にタグ情報として「技術」とユーザUが直接入力したものを取得する。このユーザUが直接タグ情報を入力する形式は、キーワード等を直接入力ものや、事前に定義された情報を選択して入力するものなどが含まれる。また、情報取得部742は、ユーザUが直接入力したタグ情報以外にも、情報処理部744が生成するタグ情報(詳細は後述)を取得する。つまり、情報取得部742は、請求項16に記載の「入力情報取得部」、「タグ情報取得部」に相当する。
【0072】
情報処理部744は、第一実施形態の情報処理部244と同様、プロンプトに基づいて学習済みモデル222による情報処理、取得されたプロンプトを常時監視、プロンプトのテンプレート内のプレースホルダに対応する追加情報を生成、異なるバージョンのプロンプトに基づいた出力結果同士を比較し評価の実行、格納部内のプロンプトを検索を行う。また、情報処理部744は、タグ情報を生成し格納部へ格納する。情報処理部744が生成するタグ情報は、入力情報からキーワード抽出により生成されたもの、学習済みモデル222を利用して生成されたもの、外部のタグ付けサービスをAPI連携等により利用したものなどが含まれる。なお、タグ情報の具体例として、以下のようなカテゴリがある。まず、入力情報の主題やテーマに基づくタグとして、「技術」、「ビジネス」、「健康」、「教育」、「エンターテインメント」などが含まれる。また、入力情報におけるユーザUの意図や目的を反映するタグとして、「質問」、「提案」、「問題解決」、「情報検索」、「フィードバック」などが挙げられる。次に、入力情報の感情やトーンに基づくタグとして、「ポジティブ」、「ネガティブ」、「中立」、「疑問」、「感謝」などがある。さらに、入力情報の具体的な用途に基づくタグとして、「マーケティング」、「商品レビュー」、「カスタマーサポート」、「教育資料」、「プロジェクト管理」などが含まれる。加えて、入力情報に含まれる特定のキーワードやフレーズに基づくタグも挙げられる。例としては、「機械学習」、「API」、「ヘルスケア」、「ブロックチェーン」、「リーダーシップ」などがある。また、入力情報が対象とするユーザー層や市場に基づくタグとして、「初心者向け」、「専門家向け」、「学生向け」、「企業向け」、「一般向け」などが挙げられる。さらに、入力情報が特定の地域や場所に関連する場合のタグとして、「日本」、「アメリカ」、「東京」、「ニューヨーク」、「地域情報」などが考えられる。それ以外にも、入力情報が特定の時間や期間に関連する場合のタグとして、「2023年」、「今週」、「次月」、「年間イベント」、「歴史」などが含まれる。これらのタグ情報は、入力情報の内容や目的に応じて適切に生成され、管理される。具体的には、例として「技術に関する最新のAI技術について解説してください。」という入力情報に対しては、「技術」、「AI」、「教育」、「専門家向け」などのタグが生成される。このようにして、タグ情報を用いることで、入力情報の検索や分類が容易になり、情報処理システムの効率が向上する。つまり、情報処理部744は、請求項16に記載の「格納実行部」に相当する。
【0073】
(情報処理システム500が実行する処理)
次に、情報処理システム500の作用について説明する。
図6は、情報処理システム500による処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ120がストレージ124に記憶されたプログラム720を読み出して、メモリ122に展開して実行することにより、処理が行われる。なお、第一実施形態と同一の処理については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0074】
ステップS102にて新しい入力情報である場合(ステップS102:NO)、プロセッサ120は、タグ情報が利用者端末14を通じてユーザUから入力されたか否かを判定する(ステップS200)。入力された場合(ステップS200:YES)、プロセッサ120は、ステップS104へ処理を移行し、ステップS106にて格納部に当該タグ情報を含めて格納する。一方、入力されていない場合(ステップS200:NO)、プロセッサ120は、入力情報を基にタグ情報を生成する(ステップS202)し、その後ステップS104へ処理を移行し、ステップS106にて格納部に当該タグ情報を含めて格納する。なお、ステップS202の処理が請求項10に記載の「タグ生成ステップ」に相当する。
【0075】
(第二実施形態の作用効果)
本実施形態に係る情報処理システム500においても、入力情報におけるタグ情報を取得し格納部に格納される点等以外は第一実施形態と同様の構成とされているので、第一実施形態と同様の作用効果が得られる。また、情報処理システム500は、学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得ステップと、入力情報及びタグ情報をレポジトリに格納する格納ステップとを有することから、レポジトリに格納されたタグ情報を利用することで、特定の条件に合致する入力情報の検索やフィルタリングが迅速に行える。これにより、必要なデータを効率的に取得し、分析や処理がスムーズに行える。また、タグ情報を活用することで、ユーザーは自身の入力情報に基づいて適切なタグを設定し、後から簡単に情報を検索・参照することができる。これにより、システムの使いやすさが向上し、ユーザーエクスペリエンスが向上する。
【0076】
さらに、情報処理システム500は、入力情報を基にタグ情報を生成するタグ生成ステップと、を含むことから、手動でのタグ付け作業が大幅に削減され、効率的なデータ処理が可能となる。これにより、ユーザUや管理者等の負担が軽減され、システム全体の運用効率の向上を図ることができる。また、自動タグ生成により、一貫性のあるタグ付けが可能となる。これにより、異なるユーザーや時期に応じても、タグ付けの基準が統一され、データの整合性と精度が向上する。
【0077】
なお、上述した実施形態では、入力情報を基にタグ情報を生成するタグ生成ステップが含まれた構成とされているが、これに限らず、タグ情報を生成せずにユーザUが直接入力したタグ情報や他のシステム等のタグ情報を取得するのみの構成としてもよい。
【0078】
(第三実施形態)
次に、
図7、
図8を用いて、本発明の第三実施形態に係る情報処理システム600について説明する。第三実施形態に係る情報処理システム600は、基本的な構成は第一実施形態と同様とされ、入力情報に対するフィードバック情報を取得する点に特徴がある。なお、第一実施形態と同一の構成ついては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
(機能構成)
情報処理システム600におけるサーバ80の機能構成について説明する。
図7は、サーバ80の機能構成の一例を示す図である。各種プログラムを実行する際に、サーバ80は第一実施形態のサーバ12と同様のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。サーバ80は、サーバ80が実現する機能構成として、通信部20と、記憶部82と、制御部84と、を有している。各機能構成は、プロセッサ120がメモリ122又はストレージ124に記憶されたプログラム820を読み出し、実行することで実現される。
【0080】
記憶部82は、メモリ122及びストレージ124により実現される。記憶部82には、プログラム820と、学習済みモデル222と、プロンプトDB824と、ユーザ情報DB226と、処理結果DB228と、が格納される。
【0081】
プロンプトDB824は、第一実施形態のプロンプトDB224と同様にユーザUが入力したプロンプトを示す情報、テンプレート及びバージョン識別子が格納される。また、プロンプトDB824は、フィードバック情報も格納される。フィードバック情報については後述する。
【0082】
制御部84は、プロセッサ120がメモリ122(
図2参照)からプログラム720を読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。制御部84は、情報取得部842と、情報処理部844と、出力部246と、を備える。
【0083】
情報取得部842は、第一実施形態の情報取得部242と同様、情報処理部844での処理において必要となる各種情報や、プロンプトの検索のための各種情報を取得する。また、情報取得部842は、フィードバック情報を取得する。つまり、情報取得部842は、請求項19に記載の「フィードバック情報取得部」に相当する。情報取得部842が取得するフィードバック情報は、ユーザUが直接入力した入力情報に対するフィードバックの情報であり、一例として、満足度や精度に関する定量的な評価がある。この評価の具体的な例として、1(非常に不満)から5(非常に満足)までの評価スコアなどが挙げられる。さらに、入力情報やその処理結果に対する具体的な意見や感想を表すコメントもフィードバック情報に含まれる。例えば、「説明がわかりやすかった」や「もう少し詳細な情報が欲しい」といったコメントが含まれる。次に、単純な肯定・否定を表すフィードバックとして、サムズアップ(いいね、など)またはサムズダウン等が挙げられる。また、フィードバックとして追加的にタグ情報を付けることも可能であり、「役に立った」、「関連性が高い」、「具体的」といったタグ情報でもよい。さらに、ユーザーが入力情報や結果を利用した時間もフィードバック情報に含まれる。これにより、情報の有用性や関与度を測定することができる。使用時間は例えば5分、10分、30分といった形で記録される。さらにまた、提供された複数の結果からユーザUが選択した結果もフィードバック情報として利用できる。また、入力情報や結果に関するエラーやバグの報告も重要であり、「リンクが切れている」や「情報が間違っている」といったエラー報告もフィードバック情報に含まれる。加えて、ユーザUがどのようなアクションをとったかのログもフィードバック情報である。行動ログには例えば「リンクをクリックした」、「ダウンロードを行った」といった情報が含まれる。さらに、特定の項目に対する満足度を示す満足度指数もフィードバック情報に含まれる。例えば、「応答速度」、「情報の正確さ」、「使いやすさ」などに対する満足度が含まれる。このほかに、ユーザUからの追加情報やフォローアップのリクエストもフィードバック情報となる。例えば、「次のステップを教えてほしい」や「類似の情報が欲しい」といったフォローアップリクエストが含まれる。
【0084】
情報処理部844は、第一実施形態の情報処理部244と同様、プロンプトに基づいて学習済みモデル222による情報処理、取得されたプロンプトを常時監視、プロンプトのテンプレート内のプレースホルダに対応する追加情報を生成、異なるバージョンのプロンプトに基づいた出力結果同士を比較し評価の実行、格納部内のプロンプトを検索を行う。また、情報処理部844は、フィードバック情報を基に必要に応じて入力情報の修正提案及び修正案の少なくとも一方を生成する。すなわち、具体的な例を挙げると、入力情報として「AI技術の最新動向について詳細に説明してください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報として「処理に時間がかかりました。具体例を減らすと良いかもしれません。」とのコメントが得られた場合、修正提案として「詳細な説明を簡略化して、具体例の数を減らす」というものが生成される。この修正案としては、「AI技術の最新動向について概要を説明してください。」とすることができる。
【0085】
次に、フィードバック情報として評価スコアが提供された場合の例について説明する。入力情報として「AI技術の最新動向について詳細に説明してください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報として評価スコアが2とされた場合、当該スコアからユーザUが不満であると推定して修正提案の一例として「プロンプトの内容を簡略化し、わかりやすくする」が生成される。この修正案としては、「AI技術の最新動向について概要を説明してください。」とすることができる。
【0086】
次に、フィードバック情報としてサムズアップ/サムズダウン情報が提供された場合の例である。入力情報として「マーケティング戦略の基礎を教えてください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報としてサムズダウン情報が提供された場合、当該フィードバック情報からユーザUが不満であると推定して修正提案の一例として「プロンプトの内容を具体化し、実践的な要素を追加する」が生成される。この修正案としては、「マーケティング戦略の基礎と具体的な事例を教えてください。」とすることができる。
【0087】
次に、フィードバック情報としてタグ情報が提供された場合の例である。入力情報として「深層学習アルゴリズムの最適化手法について詳細に解説してください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報として「難解」というタグが付与された場合、修正提案の一例として「難解な用語を簡素化し、わかりやすい説明を追加する」が生成される。この修正案としては、「深層学習アルゴリズムの最適化手法について、初心者にもわかりやすく解説してください。」とすることができる。
【0088】
次に、フィードバック情報として使用時間が提供された場合の例である。入力情報として「なぜこの問題が解決できなかったのか説明してください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報が「使用時間(滞在時間)2分」という情報がありそれがこの状況においては短いと判断される場合、より詳細な説明を求める必要があると推定して、修正提案の一例として「より詳細な説明を追加し、ユーザーが長く滞在するようにする」が生成される。この修正案としては、「この問題がどのようにして発生したのか、もう少し詳しく教えていただけますか?」とすることができる。
【0089】
次に、フィードバック情報として結果の選択が提供された場合の例である。入力情報として「経済学の理論について教えてください。」というプロンプトがあり、フィードバック情報として簡単な説明を選択した場合、修正提案の一例として「初心者向けに内容を簡素化する」が生成される。この修正案としては、「経済学の基礎理論について、初心者にもわかりやすく教えてください。」とすることができる。なお、上述した例はプロンプトの場合であるが、テンプレートの場合についても同様である。すなわち、プロンプトのテンプレートとして「〇〇〇(〇〇〇はプレースホルダに相当)について最新の情報を詳細に説明してください。具体的な事例を5つ含めてください。」というものがあり、フィードバック情報として「処理に時間がかかりました。具体例を少なくすると良いかもしれません。」とのコメントが得られた場合、修正提案の一例として「具体例の数を減らし、概要を重視する」というものが生成される。この修正案としては、「〇〇〇について最新の情報を説明してください。具体的な事例を2つ含めてください。」とすることができる。なお、本実施形態では、修正提案と修正案とをそれぞれ生成する構成とされているが、これに限らず、修正提案及び修正案の少なくとも一方のみ生成する構成としてもよい。
【0090】
(情報処理システム600が実行する処理)
次に、情報処理システム600の作用について説明する。
図7は、情報処理システム600による処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ120がストレージ124に記憶されたプログラム720を読み出して、メモリ122に展開して実行することにより、処理が行われる。なお、第一実施形態と同一の処理については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0091】
ステップS136の処理後、プロセッサ120は、フィードバック情報を取得したか否かを判定する(ステップS300)。フィードバック情報が取得していない場合(ステップS300:NO)、プロセッサ120は、プログラム820に基づく処理を終了する。一方、フィードバック情報を取得した場合(ステップS300:YES)、プロセッサ120は、当該フィードバック情報を解析して入力情報の修正提案及び修正案の少なくとも一方が必要か否かを判定する(ステップS302)。修正提案等が必要なければ(ステップS302:NO)、プロセッサ120は、プログラム820に基づく処理を終了する。一方、修正提案等が必要であれば(ステップS302:YES)、プロセッサ120は、修正提案及び修正案の少なくとも一方を生成して(ステップS304)、ステップS300へ処理を移行する。なお、上述のステップS300が請求項11に記載の「フィードバック情報取得ステップ」に相当する。また、上述のステップS302が請求項12に記載の「修正レコメンドステップ」に相当する。
【0092】
(第三実施形態の作用効果)
本実施形態に係る情報処理システム600においても、入力情報に対するフィードバック情報を取得する点等以外は第一実施形態と同様の構成とされているので、第一実施形態と同様の作用効果が得られる。また、情報処理システム600は、入力情報に対するフィードバック情報を取得することから、どの入力情報が多くの修正を必要としているか、どの入力情報が最も効果的かを特定できる。これにより、入力情報の更新においてリソースを最も効果的に配分し、開発および改善の効率を高めることが可能となる。
【0093】
また、情報処理システム600は、フィードバック情報を基に入力情報の修正提案及び修正案の少なくとも一方を生成する修正レコメンドステップと、を実行することから、ユーザUは自身で問題を見つけて修正する必要がない。これにより、ユーザUの負担が軽減され、快適にシステムを利用できるようになる。また、フィードバック情報と修正レコメンドステップの相乗効果により、入力情報を継続的に改良することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態では、フィードバック情報を解析して必要に応じて入力情報の修正提案及び修正案の少なくとも一方の生成を行うが、これに限らず、フィードバック情報を解析してそれが良いフィードバック情報である場合は、当該フィードバック情報に対応する入力情報の推奨レベルを高めたり、評価の際の基準に設定するなど、修正提案や修正案の生成以外を実行してもよい。また、良いフィードバック情報を得た入力情報については、この入力情報に対応する出力情報を所定のタイミングで出力するように制御してもよい。この所定のタイミングとは、一例として、良いフィードバック情報を得た入力情報と同一あるいは類似する入力情報が別のタイミングで入力された際である。つまり、再度学習済みモデル222にて情報処理することなく出力情報を返すことができるので、計算コストを抑制しながらユーザUにとって(良いフィードバック情報を得ていることから)満足度が高いと推定される出力情報を素早く出力することができる。
【0095】
(変形例1)
また、上述した情報処理システムを異なる視点で捉えると、本実施形態に係る情報処理システムの解決しようとする課題(目的)を、「学習済みモデルを切り替えた場合であっても所望する処理結果を効率良く得る」と捉えることもできる。
【0096】
上記のように課題を捉えると、課題を解決するための手段としての発明は、例えば以下のようになる。
「情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記学習済みモデル及び前記学習済みモデルとは異なる学習済みモデルへ所定の前記バージョン識別子に対応する前記入力情報を入力した結果である出力情報をそれぞれ取得する出力情報取得ステップと、
それぞれの前記出力情報を比較し評価する評価ステップと、
前記評価の結果が所定の結果となる場合に前記入力情報の変更を行う調整ステップと、
を含む情報処理方法。」
【0097】
上記構成によれば、異なる学習済みモデルにそれぞれ所定のバージョン識別子に対応する入力情報を入力してその出力情報を比較し評価する。そして、評価ステップでの評価結果が所定の結果、すなわち、非類似となる場合に入力情報の変更を行う調整ステップと、を実行することから、変更された入力情報に基づいて出力情報を変化させることができる。つまり、一方の学習済みモデルの出力情報と、他方の学習済みモデルの出力情報とを類似にすることが可能となる。これにより、学習済みモデルを切り替えた場合であっても出力情報の変化を抑制できるので、所望する結果を効率よく得ることができる。なお、一方の学習済みモデルの出力情報と、他方の学習済みモデルの出力情報との評価は、大規模言語モデルにそれぞれの出力情報と、それを比較評価する指示のプロンプトを入力することで実行可能となる。また、調整ステップにおいても、評価結果を踏まえて入力情報を調整する指示のプロンプトを大規模言語モデルに入力することで、入力情報の変更を行うことができる。
【0098】
(変形例2)
さらに、上述した情報処理システムを異なる視点で捉えると、本実施形態に係る情報処理システムの解決しようとする課題(目的)を、「更新した内容を連携した外部のシステム等にも反映させる」と捉えることもできる。
【0099】
上記のように課題を捉えると、課題を解決するための手段としての発明は、例えば以下のようになる。
「情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、
前記入力情報及び前記出力情報の少なくとも一方を利用可能に出力する出力ステップと、を含む情報処理方法。」
【0100】
上記構成によれば、出力ステップにて入力情報及び前記出力情報の少なくとも一方を利用可能に出力することから、更新ステップにて入力情報が更新された場合でもこの更新結果を出力することができる。これにより、本情報処理方法を実行するシステムと連携した外部のシステム等においても、更新した入力情報を利用できるので、変更の即時対応が実現される。つまり、ユーザビリティを向上させることができる。
【0101】
<付記>
本実施形態は、以下の開示を含む。
【0102】
(付記1)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、
を含む情報処理方法。
【0103】
(付記2)
所定の前記バージョン識別子を指定すると、当該バージョン識別子に対応する前記入力情報を前記レポジトリから取得する取得ステップとを含む、
付記1に記載の情報処理方法。
【0104】
(付記3)
前記バージョン識別子が異なる複数の前記入力情報をそれぞれ前記学習済みモデルへ入力した結果同士を比較及び評価の少なくとも一方を行う、
付記1及び付記2に記載の情報処理方法。
【0105】
(付記4)
前記レポジトリ内に、前記入力情報に対応するブランチ情報を格納する、
付記1~付記3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0106】
(付記5)
前記格納ステップは、取得した前記入力情報に基く前記学習済みモデルから出力情報を当該入力情報に紐付けて前記レポジトリに格納する、
付記1~付記4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0107】
(付記6)
前記入力情報に応じて前記学習済みモデルからの前記出力情報を得るために必要な追加情報を生成し、当該追加情報を付加した前記入力情報を取得する、
付記5に記載の情報処理方法。
【0108】
(付記7)
前記出力情報に対応する前記バージョン識別子を生成しかつ前記レポジトリに格納する、
付記5に記載の情報処理方法。
【0109】
(付記8)
前記入力情報及び前記出力情報の少なくとも一方を閲覧可能に出力する出力ステップと、を含む、
付記5に記載の情報処理方法。
【0110】
(付記9)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納ステップと、
を含む情報処理方法。
【0111】
(付記10)
前記入力情報を基に前記タグ情報を生成するタグ生成ステップと、を含む、
付記9に記載の情報処理方法。
【0112】
(付記11)
前記入力情報を、自然言語による検索条件情報にて検索を実施する検索ステップと、を含む、
付記1~付記10のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0113】
(付記12)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報に対応するフィードバック情報を取得するフィードバック情報取得ステップと、
を含む情報処理方法。
【0114】
(付記13)
前記フィードバック情報を基に前期入力情報の修正提案及び修正案の少なくとも一方を生成する修正レコメンドステップと、
付記12に記載の情報処理方法。
【0115】
(付記14)
情報処理装置に、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップと、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新ステップと、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【0116】
(付記15)
情報処理装置に、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納ステップと、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【0117】
(付記16)
情報処理装置に、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報をレポジトリに格納する格納ステップと、
前記レポジトリ内の前記入力情報に対応するフィードバック情報を取得するフィードバック情報取得ステップと、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【0118】
(付記17)
情報処理装置が実行する情報処理システムであって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成部と、
前記入力情報及び当該入力情報に対応する前記バージョン識別子をレポジトリに格納する格納実行部と、
前記レポジトリ内の前記入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の前記入力情報とこれに対応する前記バージョン識別子を前記レポジトリ内に格納する更新部と、
を有する情報処理システム。
【0119】
(付記18)
情報処理装置が実行する情報処理システムであって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、
学習済みモデルへ入力するための入力情報及び当該入力情報におけるタグ情報を取得するタグ情報取得部と、
前記入力情報及び前記タグ情報をレポジトリに格納する格納実行部と、
を有する情報処理システム。
【0120】
(付記19)
情報処理装置が実行する情報処理システムであって、
学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報をレポジトリに格納する格納実行部と、
前記レポジトリ内の前記入力情報に対応するフィードバック情報を取得するフィードバック情報取得部と、
を有する情報処理システム。
【0121】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
10 情報処理システム
12 サーバ(情報処理装置)
14 利用者端末(情報処理装置)
220 プログラム
222 学習済みモデル
242 情報取得部(入力情報取得部)
244 情報処理部(バージョン識別子生成部、格納実行部、更新部)
500 情報処理システム
600 情報処理システム
742 情報取得部(入力情報取得部、タグ情報取得部)
744 情報処理部(バージョン識別子生成部、格納実行部、更新部)
842 情報取得部(入力情報取得部)
844 情報処理部(バージョン識別子生成部、格納実行部、更新部)
【要約】 (修正有)
【課題】所望する処理結果を効率良く得るための情報処理方法、情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、学習済みモデルへ入力するための入力情報を取得する入力情報取得ステップS100と、入力情報のバージョンを識別するためのバージョン識別子を生成するバージョン識別子生成ステップS104と、入力情報及び当該入力情報に対応するバージョン識別子をレポジトリに格納する格納ステップS106と、レポジトリ内の入力情報が更新されると、これに対応して新たなバージョン識別子を生成し更新後の入力情報とこれに対応するバージョン識別子をレポジトリ内に格納する更新ステップS108~S114と、を含む。
【選択図】
図4