(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】水まわり機器の通信システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20250306BHJP
A47K 17/00 20060101ALI20250306BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
A47K17/00
E03D11/00 A
(21)【出願番号】P 2021011938
(22)【出願日】2021-01-28
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】坂西 宏一
(72)【発明者】
【氏名】杉本 賢二郎
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-204833(JP,A)
【文献】特開2019-96397(JP,A)
【文献】特開2018-60475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/00
H04M11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
E03D11/00-11/18
A47K17/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して外部機器と接続されるネットワーク機器と、
トイレ室に設置され、前記ネットワーク機器と接続される複数の水まわり機器と、
を備え、
前記複数の水まわり機器は、それぞれ、機器本体と、前記機器本体に接続され前記機器本体から受信した情報を前記ネットワーク機器に送信する通信機と、を有し、
前記ネットワーク機器は、前記通信機と前記ネットワーク機器との間に水が流れる通水部が位置するように配置され、前記通信機から受信した前記情報を前記ネットワークを介して前記外部機器に送信し、
前記ネットワーク機器は、前記外部機器から送信される指令信号に基づいて、
前記情報を送信する通常モードと、
前記通常モードで送信する情報のうち、一部の情報を送信するフィルタリングモードと、
を実行可能であ
り、
前記複数の水まわり機器の1つは、洗面台に設けられた自動水栓であり、
前記自動水栓の前記通信機は、前記洗面台の洗面ボウル部の下方に配置され、
前記ネットワーク機器は、前記自動水栓の前記通信機と前記ネットワーク機器との間に前記洗面ボウル部が位置するように、前記洗面ボウル部の上方に配置されることを特徴とする水まわり機器の通信システム。
【請求項2】
ネットワークを介して外部機器と接続されるネットワーク機器と、
トイレ室に設置され、前記ネットワーク機器と接続される複数の水まわり機器と、
を備え、
前記複数の水まわり機器は、それぞれ、機器本体と、前記機器本体に接続され前記機器本体から受信した情報を前記ネットワーク機器に送信する通信機と、を有し、
前記ネットワーク機器は、前記通信機と前記ネットワーク機器との間に水が流れる通水部が位置するように配置され、前記通信機から受信した前記情報を前記ネットワークを介して前記外部機器に送信し、
前記ネットワーク機器は、前記外部機器から送信される指令信号に基づいて、
前記情報を送信する通常モードと、
前記通常モードで送信する情報のうち、一部の情報を送信するフィルタリングモードと、
を実行可能であ
り、
前記複数の水まわり機器の1つは、小便器ユニットであり、
前記小便器ユニットの前記通信機は、前記小便器ユニットの小便器ボウル部に向かう使用者から見て前記小便器ボウル部の前方に配置され、
前記ネットワーク機器は、前記小便器ユニットの前記通信機と前記ネットワーク機器との間に前記小便器ボウル部が位置するように、前記使用者から見て前記小便器ボウル部の後方に配置されることを特徴とする水まわり機器の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、水まわり機器の通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水まわり機器におけるIoT(Internet of Things)として、例えば、水まわり機器をゲートウェイなどのネットワーク機器を介してネットワークに接続することが行われている。これにより、水まわり機器において得られた情報をネットワーク機器を介してネットワークに接続されたサーバ(クラウド)へ蓄積することができる。
【0003】
水まわり機器において得られる情報の用途は多岐に渡るため、より多くの情報を蓄積することが望ましい。しかし、水まわり機器において得られた情報の全てをサーバに送信すると、場合によっては通信トラフィックが混雑してしまい、データロストやデータ遅延の確率が増加してしまうおそれがある。また、水まわり機器において得られた情報の全てをサーバに送信すると、データ容量が増加し、通信費用が増大してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、通信トラフィックの混雑や通信費用の増大を抑制できる水まわり機器の通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ネットワークを介して外部機器と接続されるネットワーク機器と、トイレ室に設置され、前記ネットワーク機器と接続される複数の水まわり機器と、を備え、前記複数の水まわり機器は、それぞれ、機器本体と、前記機器本体に接続され前記機器本体から受信した情報を前記ネットワーク機器に送信する通信機と、を有し、前記ネットワーク機器は、前記通信機と前記ネットワーク機器との間に水が流れる通水部が位置するように配置され、前記通信機から受信した前記情報を前記ネットワークを介して前記外部機器に送信し、前記ネットワーク機器は、前記外部機器から送信される指令信号に基づいて、前記情報を送信する通常モードと、前記通常モードで送信する情報のうち、一部の情報を送信するフィルタリングモードと、を実行可能であることを特徴とする水まわり機器の通信システムである。
【0007】
この水まわり機器の通信システムによれば、通常モードとフィルタリングモードとを実行可能なネットワーク機器を設けることで、例えば、通信トラフィックが混雑した際やデータ容量が増加した際に、通常モードよりも送信する情報のデータ容量や送信頻度が少ないフィルタリングモードでネットワーク機器から外部機器に情報を送信することができる。これにより、送信する情報のデータ容量や送信頻度を削減することができる。したがって、通信トラフィックの混雑や通信費用の増大を抑制できる。また、水まわり機器がトイレ室に設置される場合には、水まわり機器の通信機とネットワーク機器との間に水が流れる通水部が位置することが考えられる。この場合に、通信機においてフィルタリングモードを実行しようとすると、外部機器からネットワーク機器を介して通信機に送信されるフィルタリングモードの指令信号が通水部を流れる水によって干渉し、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じるおそれがある。これに対し、通信機ではなく、ネットワーク機器においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、通信機とネットワーク機器との間に通水部が位置する場合であっても、外部機器から送信されるフィルタリングモードの指令信号が通水部を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記複数の水まわり機器の1つは、洗面台に設けられた自動水栓であり、前記自動水栓の前記通信機は、前記洗面台の洗面ボウル部の下方に配置され、前記ネットワーク機器は、前記自動水栓の前記通信機と前記ネットワーク機器との間に前記洗面ボウル部が位置するように、前記洗面ボウル部の上方に配置されることを特徴とする水まわり機器の通信システムである。
【0009】
この水まわり機器の通信システムによれば、通信機ではなく、ネットワーク機器においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、自動水栓の通信機とネットワーク機器との間に通水部である洗面ボウル部が位置する場合であっても、外部機器から送信されるフィルタリングモードの指令信号が洗面ボウル部を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記複数の水まわり機器の1つは、小便器ユニットであり、前記小便器ユニットの前記通信機は、前記小便器ユニットの小便器ボウル部に向かう使用者から見て前記小便器ボウル部の前方に配置され、前記ネットワーク機器は、前記小便器ユニットの前記通信機と前記ネットワーク機器との間に前記小便器ボウル部が位置するように、前記使用者から見て前記小便器ボウル部の後方に配置されることを特徴とする水まわり機器の通信システムである。
【0011】
この水まわり機器の通信システムによれば、通信機ではなく、ネットワーク機器においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、小便器ユニットの通信機とネットワーク機器との間に通水部である小便器ユニットの小便器ボウル部が位置する場合であっても、外部機器から送信されるフィルタリングモードの指令信号が小便器ボウル部を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、通信トラフィックの混雑や通信費用の増大を抑制できる水まわり機器の通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る水まわり機器の通信システムの全体を模式的に表すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る水まわり機器の通信システムの一部を模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る水まわり機器から送信される情報の一例を表す表である。
【
図4】実施形態に係る水まわり機器の通信システムのネットワーク機器の情報送信動作を模式的に表すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、それぞれ、ネットワーク機器及び通信機を模式的に表す斜視図である。
【
図6】洗面台の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す正面図である。
【
図7】洗面台の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の別の一例を表す正面図である。
【
図8】小便器ユニットの周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
【
図9】小便器ユニット及び温水洗浄便座の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
【
図10】小便器ユニット及びハンドドライヤの周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る水まわり機器の通信システムの全体を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、ネットワークシステム200は、サーバ5と、管理者端末6と、表示部7と、ネットワーク機器10と、水まわり機器20と、を備える。ネットワーク機器10及び水まわり機器20は、水まわり機器の通信システム100を構成している。
【0015】
サーバ5は、ネットワーク8を介してネットワーク機器10と接続され、ネットワーク8を介してネットワーク機器10と通信を行う。サーバ5は、例えば、クラウドサーバである。ネットワーク8は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などである。ネットワーク8は、サーバ5とネットワーク機器10とを有線で接続するものでもよいし、無線で接続するものでもよいし、有線と無線との組み合わせでもよい。ネットワーク8は、サーバ5とネットワーク機器10との間の通信を可能にする任意のネットワークでよい。
【0016】
なお、本願明細書において、「接続」とは、通信可能な状態になることである。換言すれば、「接続」とは、信号の送受信が可能な状態になることである。信号は、例えば、指令信号や情報を含むデータ信号である。
【0017】
ネットワーク機器10は、ネットワーク8を介してサーバ5と接続されている。また、ネットワーク機器10は、複数の水まわり機器20と接続されている。ネットワーク機器10は、ネットワーク8を介してサーバ5と通信を行うとともに、水まわり機器20と通信を行う。ネットワーク機器10は、例えば、サーバ5側のネットワーク8のプロトコルと水まわり機器20側の通信のプロトコルとの変換を行うゲートウェイである。
【0018】
水まわり機器20は、例えば、温水洗浄便座、大便器ユニット、小便器ユニット、オートソープディスペンサ、自動水栓、電気温水器、ハンドドライヤ、紙巻き器・ホルダ、リモコン、タブレット、人感・行列センサ、ドア・鍵センサ、ストック棚、照明、スピーカ、音声再生機、映像表示機、生体センサなどである。各水まわり機器20は、それぞれ、ネットワーク機器10と接続されている。水まわり機器20とネットワーク機器10とは、無線接続されている。
【0019】
水まわり機器の通信システム100は、例えば、公衆のトイレ室などに関連して用いられる。ネットワーク機器10及び水まわり機器20は、例えば、トイレ室に設置されて使用される。サーバ5は、トイレ室に設置されてもよいし、トイレ室とは別の部屋に設置されてもよい。
【0020】
水まわり機器の通信システム100は、例えば、複数のネットワーク機器10と、各ネットワーク機器10に接続される複数の水まわり機器20と、を有する。換言すれば、水まわり機器の通信システム100は、例えば、複数のグループを有し、各グループは、1つのネットワーク機器10と、これに接続される複数の水まわり機器20と、からなる。なお、水まわり機器の通信システム100は、少なくとも1つのグループを有していればよい。つまり、水まわり機器の通信システム100は、少なくとも、1つのネットワーク機器10と、このネットワーク機器10に接続される2つ以上の水まわり機器20と、を有していればよい。
【0021】
この例では、水まわり機器の通信システム100は、第1~第3グループGR1~GR3を有する。第1グループGR1は、ネットワーク機器10aと、ネットワーク機器10aに接続される複数の水まわり機器20aと、を有する。第2グループGR2は、ネットワーク機器10bと、ネットワーク機器10bに接続される複数の水まわり機器20bと、を有する。第3グループGR3は、ネットワーク機器10cと、ネットワーク機器10cに接続される複数の水まわり機器20cと、を有する。ネットワーク機器10a~10cは、ネットワーク8に接続するために、例えば、同じルータに接続される。
【0022】
各水まわり機器20は、例えば、各水まわり機器20の使用状態、動作、故障などに関する複数の情報を、ネットワーク機器10及びネットワーク8を介してサーバ5に送信する。このように、各水まわり機器20は、各水まわり機器20に関する複数の情報をサーバ5などの外部機器に送信する。
【0023】
これにより、水まわり機器の通信システム100では、複数の水まわり機器20に関する情報をサーバ5で一元管理できるようにする。水まわり機器の通信システム100では、例えば、水まわり機器20の使用頻度などの情報をサーバ5に蓄積することができる。また、水まわり機器の通信システム100では、例えば、水まわり機器20からの情報に基づいて、サーバ5を介して管理者などに水まわり機器20の故障を報知することができる。また、水まわり機器の通信システム100では、例えば、水まわり機器20からの情報に基づいて、電池やトイレットペーパなどの消耗品の補充や交換を管理者などに報知することができる。これらにより、水まわり機器の通信システム100では、公衆のトイレ室などに水まわり機器20が設置される場合にも、水まわり機器20の管理をし易くすることができる。
【0024】
ネットワーク機器10と水まわり機器20との間の通信は、少なくとも水まわり機器20からネットワーク機器10への情報の送信を行えればよい。但し、ネットワーク機器10と水まわり機器20との間の通信は、双方向の通信でもよい。サーバ5とネットワーク機器10との間の通信は、双方向の通信である。
【0025】
なお、水まわり機器20から情報を送信する送信先の外部機器は、サーバ5に限ることなく、情報を必要とする任意の機器でよい。
【0026】
管理者端末6及び表示部7は、それぞれ、サーバ5に有線または無線で接続されている。管理者端末6及び表示部7は、例えば、サーバ5に蓄積された水まわり機器20からの情報を表示する。管理者端末6は、例えば、サーバ5、ネットワーク8、及びネットワーク機器10を介して、水まわり機器20に信号などを送信してもよい。
【0027】
図2は、実施形態に係る水まわり機器の通信システムの一部を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、ネットワーク機器10は、第1通信部11と、第2通信部12と、制御部13と、記憶部14と、を有する。
【0028】
第1通信部11は、水まわり機器20及び制御部13と接続されており、水まわり機器20と制御部13との間の通信を行う。第1通信部11は、送信部11aと、受信部11bと、を有する。第1通信部11の送信部11aは、水まわり機器20に情報を送信する。第1通信部11の受信部11bは、水まわり機器20からの情報を受信する。
【0029】
第2通信部12は、サーバ5及び制御部13と接続されており、サーバ5と制御部13との間の通信を行う。第2通信部12は、送信部12aと、受信部12bと、を有する。第2通信部12の送信部12aは、サーバ5に情報を直接的または間接的に送信する。第2通信部12の受信部12bは、サーバ5からの情報を受信する。
【0030】
制御部13は、第1通信部11、第2通信部12、及び記憶部14と接続されている。制御部13は、第1通信部11を介して水まわり機器20から受信した情報を、第2通信部12を介してサーバ5に送信する。また、制御部13は、第2通信部12を介してサーバ5から受信した情報を、第1通信部11を介して水まわり機器20に送信する。
【0031】
記憶部14は、ネットワーク機器10のモードの設定を記憶する。より具体的には、記憶部14は、通常モードの設定と、フィルタリングモードの設定と、を記憶する。
【0032】
水まわり機器20は、機器本体25と、通信機26と、人体検知センサ28と、を有する。機器本体25は、水まわり機器20の動作を制御する制御部(図示せず)を有する。機器本体25は、通信機26及び人体検知センサ28と接続されている。
【0033】
人体検知センサ28は、機器本体25と接続されている。人体検知センサ28は、水まわり機器20が設けられた空間(例えば、トイレ室)における人体を検知し、検知結果を機器本体25に送信する。機器本体25は、人体検知センサ28の検知結果などの情報を通信機26に送信する。人体検知センサ28は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0034】
通信機26は、例えば、電波によりネットワーク機器10と通信する電波モジュールである。通信機26は、機器本体25と接続されている。通信機26は、例えば、機器本体25に取り付けられている。通信機26は、第1通信部21と、第2通信部22と、制御部23と、を有する。
【0035】
第1通信部21は、機器本体25及び制御部23と接続されており、機器本体25と制御部23との間の通信を行う。第1通信部21は、送信部21aと、受信部21bと、を有する。第1通信部21の送信部21aは、機器本体25に情報を送信する。第1通信部21の受信部21bは、機器本体25からの情報を受信する。
【0036】
第2通信部22は、ネットワーク機器10及び制御部23と接続されており、ネットワーク機器10と制御部23との間の通信を行う。第2通信部22は、送信部22aと、受信部22bと、を有する。第2通信部22の送信部22aは、ネットワーク機器10に情報を送信する。第2通信部22の受信部22bは、ネットワーク機器10からの情報を受信する。
【0037】
制御部23は、第1通信部21及び第2通信部22と接続されている。制御部23は、第1通信部21を介して機器本体25から受信した情報を、第2通信部22を介してネットワーク機器10に送信する。また、制御部23は、第2通信部22を介してネットワーク機器10から受信した情報を、第1通信部21を介して機器本体25に送信する。
【0038】
機器本体25から情報が送信されると、通信機26は、第1通信部21を介して情報を受信する。機器本体25から情報を受信すると、通信機26は、第2通信部22を介して、ネットワーク機器10に受信した情報を送信する。通信機26から情報が送信されると、ネットワーク機器10は、第1通信部11を介して情報を受信する。通信機26から情報を受信すると、ネットワーク機器10は、第2通信部12を介して、サーバ5に受信した情報を送信する。なお、サーバ5から機器本体25や通信機26に信号が送信される場合には、これとは逆の順序で信号が送信される。
【0039】
サーバ5へ情報を送信する際、ネットワーク機器10は、記憶部14に記憶された通常モードの設定またはフィルタリングモードの設定に基づいて、サーバ5へ情報を送信する。つまり、ネットワーク機器10は、サーバ5へ情報を送信する際に、通常モードまたはフィルタリングモードで情報を送信する。換言すれば、ネットワーク機器10は、通常モードと、フィルタリングモードと、を実行可能である。
【0040】
ネットワーク機器10は、通常モードにおいて、通信機26からの情報の少なくとも一部を送信する。つまり、ネットワーク機器10は、通常モードにおいて、通信機26からの情報の一部または全部を送信する。ネットワーク機器10は、通常モードにおいて、例えば、通信機26からの情報の全部を送信する。換言すれば、ネットワーク機器10は、通常モードにおいて、例えば、送信する情報を制限しない。
【0041】
一方、ネットワーク機器10は、フィルタリングモードにおいて、通常モードで送信する情報の一部のみを送信する。つまり、ネットワーク機器10は、フィルタリングモードにおいて、通常モードで送信していた情報のうち一部の情報を送信し、通常モードで送信していた情報のうち別の一部の情報を送信しない。換言すれば、ネットワーク機器10は、フィルタリングモードにおいて、送信する情報を制限する。フィルタリングモードにおいて送信される情報のデータ容量は、通常モードにおいて送信される情報のデータ容量よりも小さい。
【0042】
以下では、通常モードにおいて送信される情報のうち、フィルタリングモードにおいて送信されない情報を「フィルタリング対象」の情報と称する。また、通常モードにおいて送信される情報のうち、フィルタリングモードにおいて送信される情報を「フィルタリング非対象」の情報と称する。「フィルタリング非対象」の情報は、換言すれば、通常モード及びフィルタリングモードの両方で送信される情報、つまり、モードに関係なく送信される情報である。
【0043】
このように、通常モードとフィルタリングモードとを実行可能なネットワーク機器10を設けることで、例えば、通信トラフィックが混雑した際やデータ容量が増加した際に、通常モードよりも送信する情報のデータ容量や送信頻度が少ないフィルタリングモードでネットワーク機器10からサーバ5に情報を送信することができる。これにより、送信する情報のデータ容量や送信頻度を削減することができる。したがって、通信トラフィックの混雑や通信費用の増大を抑制できる。
【0044】
図3は、実施形態に係る水まわり機器から送信される情報の一例を表す表である。
図3に表したように、水まわり機器20から送信される情報は、例えば、機器本体25の使用状態に関する情報(使用情報)、機器本体25の動作に関する情報(動作情報)、機器本体25の故障に関する情報(故障情報)などを含む。使用情報は、例えば、人体検知、着座検知、巻き動作検知、出入検知、局部洗浄、便器洗浄、吐出、送風、操作、本体連動、再生、出力、取得生体情報などに関する情報を含む。動作情報は、例えば、室温などに関する情報を含む。
【0045】
また、水まわり機器20から送信される情報は、例えば、機器本体25において使用される消耗品の残量に関する情報(残量情報)を含んでもよい。また、水まわり機器20から送信される情報は、例えば、機器本体25の各種使用履歴、各種設定状態、各種遠隔設定、各種情報要求などに関する情報を含んでもよい。水まわり機器20から送信される情報は、例えば、水まわり機器20(機器本体25)の種類によって異なる。
【0046】
ネットワーク機器10は、通常モードにおいて、例えば、水まわり機器20から受信したこれらの情報のすべてをサーバ5に送信する。一方、ネットワーク機器10は、フィルタリングモードにおいて、例えば、水まわり機器20から受信したこれらの情報のうち一部のみをサーバ5に送信する。
【0047】
ネットワーク機器10は、サーバ5から送信される指令信号に基づいて、通常モードとフィルタリングモードとを実行可能である。言い換えれば、ネットワーク機器10は、サーバ5から送信される指令信号に基づいて、通常モードとフィルタリングモードとを切り替える。指令信号とは、例えば、通常モードとフィルタリングモードとを切り替える信号や、フィルタリング情報を変更したり書き換えたりする信号のことを指す。
【0048】
なお、通常モードとフィルタリングモードとの切り替えは、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。管理者は、例えば、任意のタイミングで管理者端末6からサーバ5を介して通常モードとフィルタリングモードとの切り替えに関する指令信号をネットワーク機器10に送信することで、ネットワーク機器10における通常モードとフィルタリングモードとを手動で切り替えることができる。サーバ5は、例えば、通信のデータ量などに応じて、通常モードとフィルタリングモードとの切り替えに関する指令信号をネットワーク機器10に送信することで、ネットワーク機器10における通常モードとフィルタリングモードとを自動で切り替えることができる。
【0049】
また、管理者は、フィルタリング対象の情報とフィルタリング非対象の情報とを任意に設定することができる。より具体的には、例えば、管理者は、管理者端末6からサーバ5を介してフィルタリングモードの設定の変更に関する信号をネットワーク機器10に送信することで、ネットワーク機器10の記憶部14に記憶されたフィルタリングモードの設定を書き換えることができる。このように、フィルタリングモードの設定は、水まわり機器20の使用を開始した後に、水まわり機器20の使用状況などに応じて変更可能である。本発明の実施形態における通信システムにおいては、ネットワーク機器10の設置施工後に管理者端末6からフィルタリング情報を書き換えることができる。このため、現場に赴き、点検口等を開けての作業をしなくてよい。このことにより、本通信システムの各機器の設置施工のスケジュールとフィルタリング情報の確定日を切り離して推進できる利点がある。
【0050】
図4は、実施形態に係るネットワーク機器の情報送信動作を模式的に表すフローチャートである。
図4に表したように、ネットワーク機器10は、通信機26から情報を受信するまで待機する(ステップS101:No)。通信機26から情報を受信すると(ステップS101:Yes)、ネットワーク機器10は、通常モードか否かを判定する(ステップS102)。
【0051】
通常モードの場合(ステップS102:Yes)、ネットワーク機器10は、受信した情報をサーバ5へ送信する(ステップS103)。フィルタリングモードの場合(ステップS102:No)、ネットワーク機器10は、受信した情報がフィルタリング非対象か否かを判定する(ステップS104)。
【0052】
受信した情報がフィルタリング非対象の場合(ステップS104:Yes)、ネットワーク機器10は、受信した情報をサーバ5へ送信する(ステップS103)。受信した情報がフィルタリング対象の場合(ステップS104:No)、ネットワーク機器10は、受信した情報をサーバ5へ送信せずに終了する。
【0053】
なお、フィルタリングモードにおいて送信されなかった情報は、ネットワーク機器10において削除されてもよいし、ネットワーク機器10において一定条件下、例えば一定期間や一定容量、一定回数まで蓄積された後にサーバ5へ送信されてもよい。
【0054】
サーバ5は、例えば、ネットワーク機器10に対してモードに関する情報を送信するように要求する信号(モード情報要求信号)を送信してもよい。モード情報要求信号を受信したネットワーク機器10が通常モード及びフィルタリングモードのいずれのモードであるかに関する情報をサーバ5に送信することで、サーバ5は、ネットワーク機器10のフィルタリングの状態に関する情報を得ることができる。サーバ5からネットワーク機器10へのモード情報要求信号の送信は、所定時間が経過するごとに定期的に行われてもよいし、サーバ5がネットワーク機器10からの情報を受信するたびに行われてもよいし、管理者端末6を介して管理者が任意のタイミングで行ってもよい。
【0055】
図5(a)及び
図5(b)は、それぞれ、ネットワーク機器及び通信機を模式的に表す斜視図である。
図5(a)に表したように、ネットワーク機器10は、本体部51と、アンテナ部52と、を有する。アンテナ部52には、第1通信部11が設けられている。
図5(b)に表したように、通信機26は、本体部61と、アンテナ部62と、を有する。アンテナ部62には、第2通信部22が設けられている。つまり、ネットワーク機器10と通信機26との間の通信は、ネットワーク機器10のアンテナ部52と通信機26のアンテナ部62とを介して行われる。
【0056】
ネットワーク機器10は、通信機26とネットワーク機器10との間に、水が流れる通水部が位置するように配置される。つまり、ネットワーク機器10は、通信機26とネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線上に通水部が位置するように配置される。より具体的には、ネットワーク機器10は、通信機26のアンテナ部62とネットワーク機器10のアンテナ部52との間に通水部が位置するように配置される。つまり、ネットワーク機器10は、通信機26のアンテナ部62とネットワーク機器10のアンテナ部52とを結ぶ仮想直線上に通水部が位置するように配置される。
【0057】
仮想直線は、例えば、
図5(a)に表したネットワーク機器10のアンテナ部52の仮想直線基点52aと、
図5(b)に表した通信機26のアンテナ部62の仮想直線基点62aと、を結ぶ直線である。アンテナ部52の仮想直線基点52aは、例えば、アンテナ部52の重心に位置する。アンテナ部62の仮想直線基点62aは、例えば、アンテナ部62の重心に位置する。なお、本発明におけるアンテナ部の仮想直線基点は、例えば、アンテナ部の重心の位置に限らず、例えばアンテナ部の中央、中心、アンテナ根本(給電点)であってもよい。
【0058】
なお、通水部は、使用時に水が流れるものであればよく、通信機26を有する水まわり機器20の一部であってもよいし、通信機26を有する水まわり機器20とは別に設けられたものであってもよい。通水部は、例えば、洗面台の洗面ボウル部、洗面ボウル部から排水するための排水管、洗面台に設けられた水栓に給水するための給水管、小便器ユニットの小便器ボウル部、小便器ボウル部から排水するための排水管、小便器ボウル部に給水するための給水管のいずれかである。
【0059】
このように、通信機26とネットワーク機器10との間に通水部が位置する場合に、通信機26においてフィルタリングモードを実行しようとすると、サーバ5(外部機器)からネットワーク機器10を介して通信機26に送信されるフィルタリングモードの指令信号が通水部を流れる水によって干渉し、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じるおそれがある。また、通信機26は、使用者が水まわり機器を使用する際に触れるなど、電気的ノイズに曝される機会が多い。そのため、通信機26においてフィルタリングモードを実行する場合には、フィルタリング情報が電気的ノイズによって誤って書き換えられたり、データ化けしてしまったりする可能性がある。したがって、通信機26においてフィルタリングモードを実行する場合には、例えば、定期的にフィルタリング情報が正しいことを確認したり、正しいフィルタリング情報で上書きしたりして運用する必要がある。しかし、このような確認や上書きのための通信も通水部によって妨げられるため、安定した運用がより難しい。
【0060】
これに対し、実施形態によれば、通信機26ではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、通信機26とネットワーク機器10との間に通水部が位置する場合であっても、サーバ5(外部機器)から送信されるフィルタリングモードの指令信号が通水部を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0061】
図6は、洗面台の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す正面図である。
図6に表したように、洗面台300は、カウンター部301と、カウンター部301の下方に設けられたキャビネット部302と、カウンター部301に設けられ湯水を吐出する自動水栓303と、自動水栓303から吐出された湯水を受ける洗面ボウル部304と、を備えている。この例では、水まわり機器20は、自動水栓303である。自動水栓303の吐止水を制御する弁機構や自動水栓303の通信機26などを含む機能部は、キャビネット部302の内部に配置されている。つまり、自動水栓303の通信機26は、洗面ボウル部304の下方に配置されている。
【0062】
ネットワーク機器10は、例えば、洗面ボウル部304の上方の天井裏に配置されている。つまり、ネットワーク機器10は、自動水栓303の通信機26とネットワーク機器10との間に通水部である洗面ボウル部304が位置するように配置されている。本発明の通信システムにおいて、通信機26とネットワーク機器10との間であるフレネルゾーンに、通水部である洗面ボウル部304が位置するように配置されている。
【0063】
図6では、自動水栓303の通信機26とネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線VLを2点鎖線で表している。洗面ボウル部304は、仮想直線VL上に位置する。
【0064】
このような配置になっている場合であっても、通信機26ではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が洗面ボウル部304を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0065】
なお、この例では、自動水栓303の通信機26を例に挙げて説明したが、オートソープディスペンサの通信機26とネットワーク機器10との間に洗面ボウル部304が位置するように配置されている場合にも、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が洗面ボウル部304を流れる水によって干渉することを抑制できる。また、電気温水器の通信機26とネットワーク機器10との間に洗面ボウル部304が位置するように配置されている場合にも、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が洗面ボウル部304を流れる水によって干渉することを抑制できる。
【0066】
図7は、洗面台の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の別の一例を表す正面図である。
図7に表したように、この例では、洗面台300a~300eが横方向に並べて設けられている。各洗面台300a~300eは、カウンター部301a~301eと、キャビネット部302a~302eと、自動水栓303a~303eと、洗面ボウル部304a~304eと、を備えている。この例では、水まわり機器20は、自動水栓303a~303eである。各自動水栓303a~303eの通信機26a~26eは、各洗面ボウル部304a~304eの下方に配置されている。
【0067】
ネットワーク機器10は、洗面ボウル部304aの上方の天井裏に配置されている。つまり、自動水栓303aの通信機26aとネットワーク機器10との間には、通水部である洗面ボウル部304aが位置している。自動水栓303bの通信機26bとネットワーク機器10との間には、通水部である洗面ボウル部304bが位置している。自動水栓303cの通信機26cとネットワーク機器10との間には、通水部である洗面ボウル部304cが位置している。自動水栓303dの通信機26dとネットワーク機器10との間には、通水部である洗面ボウル部304cが位置している。自動水栓303eの通信機26eとネットワーク機器10との間には、通水部である洗面ボウル部304dが位置している。
【0068】
図7では、各自動水栓303a~303eの各通信機26a~26eとネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線VL1~VL5を2点鎖線で表している。洗面ボウル部304aは、仮想直線VL1上に位置する。洗面ボウル部304bは、仮想直線VL2上に位置する。洗面ボウル部304cは、仮想直線VL3上及び仮想直線VL4上に位置する。洗面ボウル部304dは、仮想直線VL5上に位置する。
【0069】
このような配置になっている場合であっても、各通信機26a~26eではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が各洗面ボウル部304a~304dを流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0070】
なお、この例では、通信機26dとネットワーク機器10との間には、洗面ボウル部304dではなく、洗面ボウル部304cが位置している。また、通信機26eとネットワーク機器10との間には、洗面ボウル部304eではなく、洗面ボウル部304dが位置している。このように、隣の洗面台の洗面ボウル部が通信機26とネットワーク機器10との間に位置する通水部となっていてもよい。
【0071】
図8は、小便器ユニットの周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
図8に表したように、小便器ユニット400は、小便を受ける小便器ボウル部401と、通信機26と、を備えている。この例では、水まわり機器20は、小便器ユニット400である。小便器ユニット400の通信機26は、小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、小便器ボウル部401の前方(すなわち、小便器ボウル部401の裏側)に配置されている。
【0072】
ネットワーク機器10は、小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、後方かつ上方の天井裏に配置されている。つまり、ネットワーク機器10は、小便器ユニット400の通信機26とネットワーク機器10との間に通水部である小便器ボウル部401が位置するように配置されている。
【0073】
図8では、小便器ユニット400の通信機26とネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線を2点鎖線で表している。小便器ボウル部401は、仮想直線VL上に位置する。
【0074】
このような配置になっている場合であっても、通信機26ではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が小便器ボウル部401を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0075】
図9は、小便器ユニット及び温水洗浄便座の周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
図9に表したように、温水洗浄便座500は、通信機26を備えている。この例では、水まわり機器20は、温水洗浄便座500である。温水洗浄便座500は、小便器ユニット400の小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、小便器ボウル部401の前方(すなわち、小便器ボウル部401の裏側)に配置されている。また、この例では、温水洗浄便座500と小便器ユニット400との間には、壁が設けられている。
【0076】
ネットワーク機器10は、小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、後方かつ上方の天井裏に配置されている。つまり、ネットワーク機器10は、温水洗浄便座500の通信機26とネットワーク機器10との間に通水部である小便器ボウル部401が位置するように配置されている。
【0077】
図9では、温水洗浄便座500の通信機26とネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線VLを2点鎖線で表している。小便器ボウル部401は、仮想直線VL上に位置する。
【0078】
このような配置になっている場合であっても、通信機26ではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が小便器ボウル部401を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0079】
図10は、小便器ユニット及びハンドドライヤの周辺における通信機とネットワーク機器と通水部との位置関係の一例を表す側面図である。
図10に表したように、ハンドドライヤ600は、通信機26を備えている。この例では、水まわり機器20は、ハンドドライヤ600である。ハンドドライヤ600は、小便器ユニット400の小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、小便器ボウル部401の前方(すなわち、小便器ボウル部401の裏側)に配置されている。また、この例では、ハンドドライヤ600と小便器ユニット400との間には、壁が設けられている。
【0080】
ネットワーク機器10は、小便器ボウル部401に向かう使用者から見て、後方かつ上方の天井裏に配置されている。つまり、ネットワーク機器10は、ハンドドライヤ600の通信機26とネットワーク機器10との間に通水部である小便器ボウル部401が位置するように配置されている。
【0081】
図10では、ハンドドライヤ600の通信機26とネットワーク機器10とを結ぶ仮想直線VLを2点鎖線で表している。小便器ボウル部401は、仮想直線VL上に位置する。
【0082】
このような配置になっている場合であっても、通信機26ではなく、ネットワーク機器10においてフィルタリングモードを実行可能とすることで、サーバ5から送信されるフィルタリングモードの指令信号が小便器ボウル部401を流れる水によって干渉することを抑制できる。したがって、誤作動やフィルタリングモードが実行されないなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0083】
以上のように、実施形態によれば、通信トラフィックの混雑や通信費用の増大を抑制できる水まわり機器の通信システムを提供することができる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、水まわり機器の通信システムが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0085】
5 サーバ、 6 管理者端末、 7 表示部、 8 ネットワーク、 10、10a~10c ネットワーク機器、 11、12 第1、第2通信部、 11a、12a 送信部、 11b、12b 受信部、 13 制御部、 14 記憶部、 20、20a~20c 水まわり機器、 21、22 第1、第2通信部、 21a、22a 送信部、 21b、22b 受信部、 23 制御部、 25 機器本体、 26 通信機、 28 人体検知センサ、 51 本体部、 52 アンテナ部、 52a 仮想直線基点、 61 本体部、 62 アンテナ部、 62a 仮想直線基点、 100 水まわり機器の通信システム、 200 ネットワークシステム、 300、300a~300e 洗面台、 301、301a~301e カウンター部、 302、302a~302e キャビネット部、 303、303a~303e 自動水栓、 304、304a~304e 洗面ボウル部、 400 小便器ユニット、 401 小便器ボウル部、 500 温水洗浄便座、 600 ハンドドライヤ、 GR1~GR3 第1~第3グループ、 VL、VL1~VL5 仮想直線