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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】試験問題特定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20250306BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20250306BHJP
   G09B 5/08 20060101ALI20250306BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20250306BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G09B5/02
G09B5/08
G06Q50/20 300
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021115112
(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公開番号】P2023011315
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】521307820
【氏名又は名称】株式会社タンクル
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】小笹 諒介
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第6823330(JP,B1)
【文献】特開2020-095686(JP,A)
【文献】特開2019-185343(JP,A)
【文献】特開2019-061000(JP,A)
【文献】特開2019-045764(JP,A)
【文献】特開2017-032921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0098380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する、
過去の所定の期間内の試験で出題された複数の試験問題を取得するステップと、
前記複数の試験問題毎に、当該試験問題に含まれている所定の専門用語に用語重要度ランクを付与するステップと、
前記専門用語に付与した前記用語重要度ランクに基づいて前記複数の試験問題毎に問題重要度ランクを付与することにより前記複数の試験問題を複数の前記問題重要度ランクに分類するステップと、
前記複数の試験問題の総数に対する前記分類された前記問題重要度ランク毎の前記試験問題の数の割合である出現率を、複数の前記問題重要度ランクそれぞれについて算出するステップと、
最も高い前記問題重要度ランクに対応する出現率から、前記問題重要度ランクが高い順番に前記問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して積算値を算出するステップと、
前記積算値が合格に必要な正答率に対応する基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記出現率に対応する前記問題重要度ランクを特定するステップと、
最も高い前記問題重要度ランクから前記特定した前記問題重要度ランクまでに対応する前記複数の試験問題を特定するための情報を出力するステップと、
を有する試験問題特定方法。
【請求項2】
前記用語重要度ランクを付与するステップの前に実行される、複数の前記専門用語を含む用語情報を取得するステップをさらに有し、
前記用語重要度ランクを付与するステップにおいて、前記複数の試験問題に含まれている複数の用語のうち前記用語情報に含まれている前記専門用語に前記用語重要度ランクを付与する、
請求項1に記載の試験問題特定方法。
【請求項3】
前記用語重要度ランクを付与するステップは、
前記複数の試験問題における問題文、正解の選択肢、又は不正解の選択肢のうち、前記専門用語が含まれている一以上の箇所を特定するステップと、
特定した前記一以上の箇所それぞれに応じて定められた基準ポイントを合算した合計ポイントを前記専門用語に付与するステップと、
複数の前記専門用語それぞれに対して、前記合計ポイントが大きいほどランクの高い前記用語重要度ランクを付与するステップと、
を有する、
請求項1又は2に記載の試験問題特定方法。
【請求項4】
前記用語重要度ランクを前記専門用語に付与するステップは、
前記複数の専門用語の総数から、前記用語重要度ランクを付与した専門用語の総数を減算して、前記用語重要度ランクを付与していない専門用語の数である未ランク用語数を算出するステップと、
前記未ランク用語数を、前記用語重要度ランクの総数から前記専門用語に付与された前記用語重要度ランクの数を減算した残ランク数で除算して、一の前記用語重要度ランクに前記専門用語を分配する分配数を算出するステップと、
前記用語重要度ランクが付与されていない前記専門用語のポイントのうち、最小の前記ポイントから順番に、それぞれの前記ポイントに対応する前記専門用語の数を積算して用語数積算値を算出するステップと、
前記用語数積算値が前記分配数を超えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記専門用語の数に対応する前記ポイントを特定するステップと、
前記用語重要度ランクを付与していない前記専門用語のうち、前記最小のポイントから、前記特定したポイントまでに対応する前記専門用語に、他の前記専門用語に付与されていない前記用語重要度ランクのうち、最も低い前記用語重要度ランクを付与するステップと、
を有する請求項3に記載の試験問題特定方法。
【請求項5】
前記分類するステップは、前記複数の試験問題それぞれに含まれている前記複数の専門用語それぞれの前記用語重要度ランクのうち、最も低い前記用語重要度ランクに対応する前記問題重要度ランクを前記複数の試験問題に付与するステップを有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の試験問題特定方法。
【請求項6】
前記問題重要度ランクを特定するステップの前に実行される、ユーザが入力した前記基準値を取得するステップをさらに有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の試験問題特定方法。
【請求項7】
コンピュータに、
過去の所定の期間内の試験で出題された複数の試験問題を取得するステップと、
前記複数の試験問題毎に、当該試験問題に含まれている所定の専門用語に用語重要度ランクを付与するステップと、
付与した前記専門用語の前記用語重要度ランクに基づいて前記複数の試験問題毎に問題重要度ランクを付与することにより前記複数の試験問題を複数の前記問題重要度ランクに分類するステップと、
前記複数の試験問題の総数に対する前記分類された前記問題重要度ランク毎の前記試験問題の数の割合である出現率を、複数の前記問題重要度ランクそれぞれについて算出するステップと、
最も高い前記問題重要度ランクに対応する出現率から、前記問題重要度ランクが高い順番に前記問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して積算値を算出するステップと、
前記積算値が合格に必要な正答率に対応する基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記出現率に対応する前記問題重要度ランクを特定するステップと、
最も高い前記問題重要度ランクから前記特定した前記問題重要度ランクまでに対応する前記複数の試験問題を特定するための情報を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験問題特定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
資格試験の過去の試験問題を評価する技術が知られている。例えば、特許文献1には、過去の試験問題を解析し、試験に合格するために過去の試験問題を正解することが求められる度合いを評価する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-95686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、過去の試験問題の重要度を評価することしかできないので、試験勉強をする人が、大量にある過去の試験問題のうちどの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを把握することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、試験勉強をする人が、どの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、コンピュータが実行する、過去の所定の期間内の試験で出題された複数の試験問題を取得するステップと、前記複数の試験問題毎に、当該試験問題に含まれている所定の専門用語に用語重要度ランクを付与するステップと、前記専門用語に付与した前記用語重要度ランクに基づいて前記複数の試験問題毎に問題重要度ランクを付与することにより前記複数の試験問題を複数の前記問題重要度ランクに分類するステップと、前記複数の試験問題の総数に対する前記分類された前記問題重要度ランク毎の前記試験問題の数の割合である出現率を、複数の前記問題重要度ランクそれぞれについて算出するステップと、最も高い前記問題重要度ランクに対応する出現率から、前記問題重要度ランクが高い順番に前記問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して積算値を算出するステップと、前記積算値が合格に必要な正答率に対応する基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記出現率に対応する前記問題重要度ランクを特定するステップと、最も高い前記問題重要度ランクから前記特定した前記問題重要度ランクまでに対応する前記複数の試験問題を特定するための情報を出力するステップと、を有する試験問題特定方法を提供する。
【0007】
前記試験問題特定方法は、前記用語重要度ランクを付与するステップの前に実行される、複数の前記専門用語を含む用語情報を取得するステップをさらに有し、前記用語重要度ランクを付与するステップにおいて、前記複数の試験問題に含まれている複数の用語のうち前記用語情報に含まれている前記専門用語に前記用語重要度ランクを付与してもよい。
【0008】
前記用語重要度ランクを付与するステップは、前記複数の試験問題における問題文、正解の選択肢、又は不正解の選択肢のうち、前記専門用語が含まれている一以上の箇所を特定するステップと、特定した前記一以上の箇所それぞれに応じて定められた基準ポイントを合算した合計ポイントを前記専門用語に付与するステップと、複数の前記専門用語それぞれに対して、前記合計ポイントが大きいほどランクの高い前記用語重要度ランクを付与するステップと、を有してもよい。
【0009】
前記用語重要度ランクを前記専門用語に付与するステップは、前記複数の専門用語の総数から、前記用語重要度ランクを付与した専門用語の総数を減算して、前記用語重要度ランクを付与していない専門用語の数である未ランク用語数を算出するステップと、前記未ランク用語数を、前記用語重要度ランクの総数から前記専門用語に付与された前記用語重要度ランクの数を減算した残ランク数で除算して、一の前記用語重要度ランクに前記専門用語を分配する分配数を算出するステップと、前記用語重要度ランクが付与されていない前記専門用語のポイントのうち、最小の前記ポイントから順番に、それぞれの前記ポイントに対応する前記専門用語の数を積算して用語数積算値を算出するステップと、前記用語数積算値が前記分配数を超えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記専門用語の数に対応する前記ポイントを特定するステップと、前記用語重要度ランクを付与していない前記専門用語のうち、前記最小のポイントから、前記特定したポイントまでに対応する前記専門用語に、他の前記専門用語に付与されていない前記用語重要度ランクのうち、最も低い前記用語重要度ランクを付与するステップと、を有してもよい。
【0010】
前記分類するステップは、前記複数の試験問題それぞれに含まれている前記複数の専門用語それぞれの前記用語重要度ランクのうち、最も低い前記用語重要度ランクに対応する前記問題重要度ランクを前記複数の試験問題に付与するステップを有してもよい。
【0011】
前記試験問題特定方法は、前記問題重要度ランクを特定するステップの前に実行される、ユーザが入力した前記基準値を取得するステップをさらに有してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、コンピュータに、過去の所定の期間内の試験で出題された複数の試験問題を取得するステップと、前記複数の試験問題毎に、当該試験問題に含まれている所定の専門用語に用語重要度ランクを付与するステップと、付与した前記専門用語の前記用語重要度ランクに基づいて前記複数の試験問題毎に問題重要度ランクを付与することにより前記複数の試験問題を複数の前記問題重要度ランクに分類するステップと、前記複数の試験問題の総数に対する前記分類された前記問題重要度ランク毎の前記試験問題の数の割合である出現率を、複数の前記問題重要度ランクそれぞれについて算出するステップと、最も大きい前記問題重要度ランクに対応する出現率から、前記問題重要度ランクが高い順番に前記問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して積算値を算出するステップと、前記積算値が合格に必要な正答率に対応する基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された前記出現率に対応する前記問題重要度ランクを特定するステップと、最も高い前記問題重要度ランクから前記特定した前記問題重要度ランクまでに対応する前記複数の試験問題を特定するための情報を出力するステップと、を実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、試験勉強をする人が、どの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを把握できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】試験問題特定システムの概要を説明するための図である。
図2】試験問題特定装置1の構成を説明するための図である。
図3】専門用語リストの一例である。
図4】出現箇所に応じて定められたポイントの一例である。
図5】専門用語のポイント分類表である。
図6】すべての専門用語に用語重要度ランクを付与した結果得られる専門用語の分類表である。
図7】試験問題の分類表である。
図8】専門用語に用語重要度ランクを付与する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】試験問題を特定する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[試験問題特定システムSの概要]
図1は、試験問題特定システムSの概要を説明するための図である。試験問題特定システムSは、試験勉強をする受験者Uに、過去の複数の試験問題のうち、試験に合格するために解く必要がある試験問題を特定するための問題特定情報を出力するためのシステムである。以下の説明においては、試験で出題される試験問題が択一式の試験問題であるものとして説明するが、試験問題の形式は任意である。
【0016】
試験問題特定装置1は、過去の複数の試験問題から、解く必要がある試験問題を特定する装置である。まず、試験問題特定装置1は、過去に実施された試験で出題された複数の試験問題を、各試験問題に含まれている専門用語の重要度ランクである用語重要度ランクに基づいて、複数の重要度ランクに分類する。本明細書において、試験問題の重要度ランクを問題重要度ランクという。次に、試験問題特定装置1は、最も高い問題重要度ランクの試験問題から問題重要度ランクが高い順番に基づいて、複数の試験問題のうち受験者Uが解く必要がある試験問題を特定する。試験問題特定装置1は、複数の試験問題の総数に対する特定した試験問題の数の割合が、試験の合格に必要な正答率に対応する基準値を超えるように、解く必要がある試験問題を特定する。
【0017】
そして、試験問題特定装置1は、解く必要がある試験問題を特定するための問題特定情報を受験者端末2に出力する。試験問題特定装置1は、問題特定情報として、例えば特定した複数の試験問題の問題番号を、問題特定情報の出力指示を送信した受験者端末2に出力する。受験者端末2は、問題番号を表示部に表示させる。図1の例では、解く必要がある試験問題の問題番号として、2、3、5、7が受験者端末の表示部に表示されている。
【0018】
このようにすることで、試験問題特定装置1は、大量にある過去の試験問題のうちどの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを受験者Uに通知できる。その結果、受験者Uは、どの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを把握できるので、試験勉強の効率を高めることができる。
【0019】
[試験問題特定装置1の構成]
図2は、試験問題特定装置1の構成を説明するための図である。試験問題特定装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、各種情報を送受信可能な通信モジュールである。通信部11は、例えばインターネットを介して受験者端末2及び管理者端末3と各種情報を送受信できる。管理者端末3は、試験問題特定装置1を受験者Uに試験勉強を教える塾の講師などが使用する端末である。
【0020】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。
【0021】
記憶部12は、過去の複数の試験問題を記憶している。過去の複数の試験問題は、管理者端末3を使用する管理者が記憶させることができる。例えば、管理者は、管理者端末3に過去の複数の試験問題を入力し、入力した過去の複数の試験問題を管理者端末3から試験問題特定装置1に送信させることにより、記憶部12に過去の複数の試験問題を記憶させる。
【0022】
記憶部12は、複数の試験問題で用いられている複数の専門用語を含む用語情報(以下「専門用語リスト」という。)を記憶している。図3は、専門用語リストの一例である。図3の専門用語リストは、看護師国家試験で用いられる専門用語の一例である。
【0023】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、用語分類部132、問題分類部133、出現率算出部134、問題特定部135及び情報出力部136としての機能を実現する。
【0024】
情報取得部131は、過去の試験で出題された複数の試験問題から、複数の試験問題を取得する所定の期間(以下「問題取得期間」という。)を取得する。例えば、情報取得部131は、問題取得期間を受験者端末2から取得する。そして、情報取得部131は、問題取得期間で実施された試験で出題された複数の試験問題を記憶部12から取得する。一例を挙げると、情報取得部131は、受験者端末2に問題取得期間として10年が入力された場合、過去10年間の試験で出題された複数の試験問題を記憶部12から取得する。なお、情報取得部131は、管理者端末3から、問題取得期間を取得してもよい。
【0025】
情報取得部131は、専門用語リストを記憶部12から取得する。なお、情報取得部131は、管理者が管理者端末3に入力した専門用語リストを、管理者端末3から取得してもよい。この場合、情報取得部131は、取得した専門用語リストを記憶部12に記憶させる。
【0026】
情報取得部131は、合格に必要な正答率に対応する基準値を管理者端末3から取得する。基準値は、試験に合格するために解く必要がある試験問題の数を決定するための値である。基準値を用いて試験問題の数を決定する処理は後述するが、基準値が大きいほど解く必要がある試験問題の数は多くなり、基準値が小さいほど解く必要がある試験問題の数は少なくなる。基準値は、例えば合格に必要な正答率に所定の加算値を加えた値である。合格に必要な正答率は、例えば管理者により試験毎に設定される。この場合、管理者は、合格に必要な正答率及び加算値を管理者端末3に入力し、情報取得部131は、合格に必要な正答率及び加算値を管理者端末3から取得する。
【0027】
情報取得部131は、受験者端末2に受験者Uが入力した、基準値を設定するための情報を取得し、取得した基準値を設定するための情報に基づいて基準値を定めてもよい。例えば、情報取得部131は、受験者端末2から、基準値を設定するための情報として、受験者Uが希望する合格確率を示す確率情報を取得して、取得した確率情報に基づいて、基準値を設定してもよい。確率情報は数値情報であってもよく、例えば「合格確率高」、「合格確率中」又は「合格最低ライン」といったように、合格確率と関連付けられたテキスト情報であってもよい。
【0028】
情報取得部131は、確率情報を取得すると、取得した確率情報に関連付けて記憶部12に記憶された基準値を取得する。予め基準値の初期値が定められている場合、情報取得部131は、取得した確率情報に対応する加算値を初期値に加算することにより基準値を決定してもよい。情報取得部131は、例えば、「合格確率中」を示す確率情報を取得した場合、「合格確率高」に対応する加算値よりも小さく、「合格最低ライン」に対応する加算値よりも大きい加算値を初期値に加算することにより基準値を決定する。
【0029】
用語分類部132は、専門用語リストの複数の専門用語に複数の用語重要度ランクを付与する。例えば、用語分類部132は、複数の試験問題すべてに含まれている複数の用語のうち、記憶部12に記憶されている専門用語リストに含まれている専門用語に用語重要度ランクを付与する。以下、用語分類部132が実行する、専門用語に用語重要度ランクを付与する処理の一例を具体的に説明する。
【0030】
まず、用語分類部132は、複数の試験問題試験すべてに含まれている複数の用語のうち、専門用語リストに含まれている専門用語を特定する。次に、用語分類部132は、複数の試験問題における問題文、正解の選択肢、又は不正解の選択肢のうち、専門用語が含まれている一以上の箇所を特定する。以下、専門用語が試験問題に含まれている箇所を、出現箇所という。
【0031】
次に、用語分類部132は、特定した一以上の出現箇所それぞれに応じて定められた基準ポイントを合算した合計ポイントを専門用語に付与する。複数の出現箇所それぞれに応じて定められたポイントは、予め記憶部12に記憶されている。図4は、出現箇所に応じて定められたポイントの一例である。また、図4に示すように、問題カテゴリに応じてポイントが設定されてもよい。図4を参照して一例を挙げると、[必修]の試験問題の[正解の選択肢]に含まれている専門用語に対して定められたポイントは、6ポイントである。例えば、用語分類部132は、[介護移住]という専門用語が、[必修]の試験問題の[正解の選択肢]と[一般/状況設定]の試験問題の[問題文]に含まれている場合、6ポイントと2ポイントを合算した8ポイントを合計ポイントとして[介護移住]に付与する。
【0032】
用語分類部132は、一の専門用語が、複数の試験問題の各箇所に含まれる回数に基づいて、専門用語にポイントを付与してもよい。具体的には、用語分類部132は、一の箇所の基準ポイントに、複数の試験問題すべてにおける当該箇所に一の専門用語が含まれている回数を乗算したポイントを専門用語に付与する。一例を挙げると、用語分類部132は、過去の10年間の複数の試験問題において[外因性]という専門用語が、必修の正解の選択肢中に3回含まれている場合、6ポイント×3回の18ポイントを、[外因性]に付与する。
【0033】
そして、用語分類部132は、上記の処理を複数の箇所毎(例えば、正解の選択肢、問題文、及び不正解の選択肢)に行い、複数の箇所毎に算出されたポイントを合算して、当該専門用語の最終的なポイントを算出する。例えば、用語分類部132は、過去の10年間の複数の試験問題において[外因性]という専門用語が、必修の正解の選択肢中に3回、必修の問題文中に2回、必修の不正解の選択肢中に2回出現した場合、[外因性]という専門用語に30ポイントを付与する(下記式(1)を参照)。
6ポイント×3回+4ポイント×2回+2ポイント×2回=30ポイント 式(1)
【0034】
図5は、専門用語のポイント分類表である。図5の専門用語のポイント分類表は、すべての専門用語にポイント付与した結果得られる。図5の例では、0ポイントが付与された専門用語の数は141である。同様に、1ポイントが付与された専門用語の数は242であり、2ポイントが付与された専門用語の数は292であり、221ポイントが付与された専門用語の数は1である。
【0035】
用語分類部132は、専門用語に付与されたポイントが大きいほどランクの高い用語重要度ランクを専門用語に付与する。以下、専門用語の総数が2092個であり、用語重要度ランクが高いものから順にS、A、B、C、D、E、F、G、H(9ランク)であるものとして、専門用語に用語重要度ランクを付与する処理を具体的に説明する。
【0036】
まず、用語分類部132は、用語重要度ランクを付与した専門用語(以下「ランク済用語」という。)の総数を特定する。続いて、用語分類部132は、複数の専門用語の総数(2092)から、ランク済用語の総数を減算して、用語重要度ランクを付与していない専門用語(以下「未ランク用語」という。)の数を算出する。用語重要度ランクを一つも付与していない場合、ランク済用語の総数は0であり、未ランク用語の数は2092である。
【0037】
次に、用語分類部132は、専門用語に付与された用語重要度ランク(以下「処理済ランク」という。)の数を特定する。続いて、用語分類部132は、用語重要度ランクの総数(上記具体例ではS~Hの9ランクなので、用語重要度ランクの総数は9となる。)から処理済ランクの数を減算した残ランク数を算出する。そして、用語分類部132は、未ランク用語数を残ランク数で除算して、一の用語重要度ランクに専門用語を分配する分配数を算出する。用語重要度ランクを一つも付与していない場合、処理済ランクの数は0であり、残ランク数は9であり、分配数は232(小数点以下切り捨て)である(下記式(2)を参照)。
2092÷9=232.444... 式(2)
【0038】
そして、用語分類部132は、未ランク用語に対応するポイントのうち、最小のポイントに対応する専門用語から、ポイントが小さい順番に専門用語それぞれの数を積算して用語数積算値を算出する。例えば、用語分類部132は、用語重要度ランクを一つも付与していない場合、最も小さいポイントである0ポイントに対応する専門用語から、ポイントが小さい順番に専門用語それぞれの数を積算して用語数積算値を算出する。一例を挙げると、用語分類部132は、0ポイントの専門用語の数(141)と1ポイントの専門用語の数(242)を積算して用語数積算値(383)を算出する。
【0039】
次に、用語分類部132は、用語数積算値が分配数を超えたか否かを判定する。上記の例の場合、用語分類部132は、用語数積算値(383)が分配数(232)を超えたと判定する。続いて、用語分類部132は、用語数積算値が分配数を超えたと判定した時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された専門用語の数に対応するポイントを特定する。具体例を挙げると、用語分類部132は、用語数積算値(383)が分配数(232)を超えたと判定した時点の直近に積算された1ポイントを特定する。
【0040】
そして、用語分類部132は、未ランク用語に対応する最小のポイントから特定したポイントまでの一以上のポイントに対応する専門用語に、専門用語に付与されていない用語重要度ランクのうち、最も低い用語重要度ランクを付与する。例えば、用語分類部132は、用語数積算値(383)が分配数(232)を超えたと判定したときに積算されていた0ポイントと1ポイントの専門用語を同じ用語重要度ランクに分類する。一例を挙げると、用語分類部132は、0ポイントから1ポイントまでに対応する専門用語にHランクを付与する。
【0041】
用語分類部132は、未ランク用語がなくなるまで上記の分類する処理を繰り返す。例えば、用語分類部132がHランクを付与した後の処理は以下のとおりである。
【0042】
用語分類部132は、複数の専門用語の総数(2092)から、ランク済用語の総数(383)を減算して、未ランク用語の数(1709)を特定する。続いて、用語分類部132は、未ランク用語の数(1709)を残ランク数(8)で除算して、分配数(213)を特定する。次に、用語分類部132は、2ポイントの専門用語の数が292である場合、積算値(292)が分配数(213)を超えた時点の直近に積算された専門用語の数に対応するポイントが、2ポイントであると特定する。そして、用語分類部132は、2ポイントに対応する専門用語に、専門用語に付与されていない用語重要度ランク(SからGランク)のうち、最も低い用語重要度ランクであるGランクを付与する。
【0043】
以下、この作業を繰り返していき、未ランク用語についてF、E、D、C、B、A、Sの順番に用語重要度ランクを付与する。
【0044】
図6は、すべての専門用語に用語重要度ランクを付与した結果得られる専門用語の分類表である。図6の例では、25ポイントから221ポイントまでに対応する専門用語に、Sランクが付与されている。また、図6の例では、Sランクの専門用語の数は122であり、専門用語の総数に対するSランクの専門用語の数の割合は、6%である。SランクからHランクまでの各ランクに属する専門用語の数の割合は、それぞれ6%、6%、8%、8%、8%、13%、18%、14%、18%となっている。用語分類部132が上記の手順で専門用語の用語重要度ランクを分類することにより、用語重要度ランクが高い専門用語の数を、用語重要度ランクが低い専門用語の数よりも少なくすることができる。
【0045】
問題分類部133は、複数の試験問題毎に問題重要度ランクを付与することにより複数の試験問題を複数の問題重要度ランクに分類する。一例を挙げると、具体的には、問題分類部133は、試験問題に含まれている複数の専門用語それぞれの用語重要度ランクのうち、最も低い用語重要度ランクを当該試験問題の問題重要度ランクとして付与することにより複数の試験問題を分類する。より具体的には、問題分類部133は、試験問題の問題文及び正解の選択肢に含まれる専門用語のうち、最も低い用語重要度ランクを当該試験問題の問題重要度ランクとして付与する。
【0046】
次の試験問題に問題重要度ランクを付与する場合を例に挙げて説明する。
「問:都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。
正解の選択肢:精神保健福祉相談員
不正解の選択肢:ゲートキーパー」
【0047】
問題文中の[精神保健福祉センター]はDランク、正解の選択肢の[ゲートキーパー]はGランク、不正解の選択肢の[精神保健福祉相談員]はAランクの専門用語であるとする。この場合、問題分類部133は、Dランク及びAランクのうち、最も低い用語重要度ランクであるDランクを当該試験問題の問題重要度ランクとして付与する。
【0048】
用語重要度ランクが高い専門用語は、用語重要度ランクが低い専門用語よりも多くの試験問題に含まれている。そのため、試験問題に含まれている専門用語のうち、最も高い用語重要度ランクを試験問題の問題重要度ランクとして付与すると、問題重要度ランクが高い試験問題が多くなりすぎてしまう。一方、試験問題に含まれている専門用語のうち、最も低い用語重要度ランクを当該試験問題の問題重要度ランクとして付与すると、用語重要度ランクが高い専門用語のみが含まれる試験問題のみが、高い問題重要度ランクを付与されるようになる。言い換えると、問題分類部133は、用語重要度ランクが高い専門用語のみを勉強すれば正答できるようになる試験問題に、用語重要度ランクが低い専門用語を勉強する必要がある試験問題よりも高い問題重要度ランクを付与できる。
【0049】
問題分類部133は、問題取得期間として設定された期間(例えば過去10年間)の試験で実施された複数の試験問題のすべてに問題重要度ランクを付与する。問題分類部133は、各問題重要度ランクに分類された試験問題の数を特定する。図7は、試験問題の分類表である。図7に示す分類表においては、ランクと、問題数と、出現率と、出現率積算値とが関連付けられている。出現率は、複数の試験問題の総数に対する分類された問題重要度ランク毎の試験問題の数の割合である。出現率積算値は、最も高い問題重要度ランクであるSランクに対応する出現率から、問題重要度ランクが高い順番に問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算した値である。図7の例では、Sランクに分類された試験問題の数は18である。図7に示すように、問題分類部133は、各問題重要度ランクについて、分類された試験問題の数を特定する。
【0050】
出現率算出部134は、各問題重要度ランクに分類された試験問題の出現率を算出する。出現率算出部134は、複数の問題重要度ランクそれぞれについて出現率を算出する。図7の例では、Sランクの出現率は9%であり、Aランクの出現率は8%である。
【0051】
出現率算出部134は、最も高い問題重要度ランクであるSランクに対応する出現率から、問題重要度ランクが高い順番に問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して出現率積算値を算出する。例えば、出現率算出部134は、SランクからAランクまでの出現率積算値を17%と算出する(図7を参照)。
【0052】
問題特定部135は、出現率積算値が基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された出現率に対応する問題重要度ランクを特定する。当該問題重要度ランクは、受験者Uが勉強をするべき試験問題の最低の問題重要度ランクであり、以下の説明では「勉強下限ランク」という。例えば、問題特定部135は、受験者Uにより設定された基準値が60%である場合、出現率積算値[62%]に対応する問題重要度ランクであるEランクを勉強下限ランクとして特定する(図7を参照)。
【0053】
問題特定部135は、情報取得部131が設定した基準値を用いて勉強下限ランクを特定する。例えば、問題特定部135は、受験者端末2から取得した確率情報に対応する基準値を用いて勉強下限ランクを特定する。具体例を挙げると、情報取得部131が設定した基準値が90%である場合、問題特定部135は、出現率積算値[90%]に対応する問題重要度ランクであるGランクを勉強下限ランクとして特定する。
【0054】
問題特定部135は、勉強下限ランクを特定すると、試験に合格するために解く必要がある試験問題を特定するための問題特定情報を生成する。問題特定情報は、問題重要度ランクが最も高い問題重要度ランクから勉強下限ランクまでに対応する複数の試験問題を特定するための情報である。問題特定情報は、例えば試験問題の問題番号である。問題特定情報は、試験が実施された年月日及び問題カテゴリを含んでもよい。また、問題特定情報は、特定された試験問題そのものであってもよい。例えば、問題特定部135は、SランクからEランクまでに対応する複数の試験問題の問題番号を示す問題特定情報を生成する。
【0055】
情報出力部136は、問題特定部135が生成した問題特定情報を受験者端末2に出力する。例えば、情報出力部136は、SランクからEランクまでに対応する複数の試験問題の問題番号を示す問題特定情報を受験者端末2に出力する。そして、受験者端末2は、試験問題特定装置1から出力された問題特定情報に示される問題番号を受験者端末2の表示部に表示させる。これにより、表示された問題番号を確認した受験者Uは、試験に合格するために解く必要がある試験問題を把握できる。
【0056】
[専門用語に用語重要度ランクを付与する処理]
図8は、専門用語に用語重要度ランクを付与する処理の一例を示すフローチャートである。図8の処理は、試験に合格するために解く必要がある試験問題を特定する処理が実行される前に実行される。
【0057】
まず、用語分類部132は、複数の専門用語の総数からランク済用語の総数を減算して、未ランク用語の数を算出する(ステップS1)。続いて、用語分類部132は、算出した未ランク用語数を、用語重要度ランクの総数から処理済ランクの数を減算した残ランク数で除算して分配数を算出する(ステップS2)。
【0058】
用語分類部132は、未ランク用語に対応するポイントのうち、最小のポイントに対応する専門用語から、ポイントが小さい順番に専門用語それぞれの数を積算して用語数積算値を算出する(ステップS3)。
【0059】
用語分類部132は、用語数積算値が分配数よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。用語分類部132は、用語数積算値が分配数以下の場合(ステップS4でNo)、ステップS3に戻り、再度用語数積算値を算出する。なお、用語分類部132は、ステップS4から戻ってステップS3を実行する場合には、すでに積算した専門用語の数に対応するポイントの中の最大のポイントの次に大きいポイントに対応する専門用語の数を、算出した積算値に加算する。
【0060】
用語分類部132は、用語数積算値が分配数よりも大きい場合(ステップS4でYes)、専門用語に付与されていない用語重要度ランクのうち、最も低い用語重要度ランクを付与する(ステップS5)。例えば、用語分類部132は、用語重要度ランクを一つも付与していない場合、Hランクを付与する。
【0061】
用語分類部132は、未ランク用語が無いか否かを判定する(ステップS6)。用語分類部132は、未ランク用語がある場合(ステップS6でNo)、未ランク用語が無くなるまでステップS1からステップS6までの処理を繰り返す。用語分類部132は、未ランク用語が無い場合(ステップS6でYes)、専門用語を分類する処理を終了する。
【0062】
[受験者Uに提示する試験問題を特定する処理]
図9は、受験者Uに提示する試験問題を特定する処理の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、例えば情報取得部131が受験者端末2から問題特定情報を出力する指示を取得すると実行される。
【0063】
出現率算出部134は、試験問題の出現率を算出する(ステップS11)。例えば、出現率算出部134は、各問題重要度ランクの試験問題の数を、試験問題の総数で除算することにより、出現率を算出する。
【0064】
出現率算出部134は、出現率積算値を算出する(ステップS12)。具体的には、134は、最も高い問題重要度ランクに対応する出現率から、問題重要度ランクが高い順番に問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算して出現率積算値を算出する。一例を挙げると、出現率算出部134は、SランクからAランクまでの出現率積算値を17%と算出する(図7を参照)。
【0065】
出現率算出部134は、出現率積算値が基準値よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。出現率算出部134は、出現率積算値が基準値以下である場合(ステップS13でNo)、ステップS12に戻って、再度出現率積算値を算出する。なお、出現率算出部134は、ステップS13から戻ってステップS12を実行する場合には、すでに積算した出現率に対応する問題重要度ランクのうち、最も高い問題重要度ランクの次に低い問題重要度ランクに対応する出現率を、算出した出現率積算値に加算する。
【0066】
出現率算出部134は、出現率積算値が基準値よりも大きい場合(ステップS13でYes)、勉強下限ランクを特定する(ステップS14)。例えば、問題特定部135は、受験者Uにより設定された基準値が60%である場合、出現率積算値が62%に対応する問題重要度ランクであるEランクを勉強下限ランクとして特定する(図7を参照)。
【0067】
問題特定部135は、問題重要度ランクが最も高い問題重要度ランクから勉強下限ランクまでに対応する複数の試験問題を特定するための問題特定情報を生成する。例えば、問題特定部135は、SランクからEランクまでの試験問題を特定するための問題番号を示す問題特定情報を生成する。そして、情報出力部136は、生成された問題特定情報を受験者端末2に出力する(ステップS15)。
【0068】
[試験問題特定装置1の効果]
以上説明したとおり、試験問題特定装置1は、各試験問題に含まれる専門用語の用語重要度ランクに基づいて各試験問題に問題重要度ランクを付与することにより、複数の試験問題を複数の問題重要度ランクに分類する。次に、試験問題特定装置1は、最も高い問題重要度ランクに対応する出現率から、問題重要度ランクが高い順番に問題重要度ランクそれぞれに対応する出現率を積算した積算値を算出する。そして、試験問題特定装置1は、最も高い問題重要度ランクから、積算値が基準値を越えた時点よりも後であり、かつ当該時点の直近に積算された出現率に対応する問題重要度ランクまでに対応する複数の試験問題を特定するための問題特定情報を受験者端末2に出力する。
【0069】
このようにすることにより、受験者端末2は、例えば試験に合格するために勉強するべき試験問題の問題番号を受験者端末2の表示部に表示させることができる。その結果、表示された問題番号を確認した受験者Uは、どの試験問題を解けるようになると試験に合格できるかを把握できるので、必要以上に多くの問題を勉強することを低減でき、試験勉強の効率を高めることができる。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0071】
S 試験問題特定システム
1 試験問題特定装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 情報取得部
132 用語分類部
133 問題分類部
134 出現率算出部
135 問題特定部
136 情報出力部
2 受験者端末
3 管理者端末
U 受験者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9