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特許7644998商品管理システム、商品管理プログラム及び商品管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】商品管理システム、商品管理プログラム及び商品管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250306BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250306BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20250306BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
G06Q50/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023125868
(22)【出願日】2023-08-01
(65)【公開番号】P2025021856
(43)【公開日】2025-02-14
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】716002725
【氏名又は名称】日本紙工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 智紀
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-276434(JP,A)
【文献】特開2003-067024(JP,A)
【文献】特開2006-251922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を管理する商品管理システムであって、
前記商品管理システムは、記憶部と、受付部と、商品判定部と、表示処理部と、を備え、
前記記憶部は、前記商品が生産される複数の生産ラインを識別するための生産ライン識別ID、前記商品の名前を含む商品情報を識別するための商品IDと、前記商品が生産される商品生産時間帯を紐づけて格納し、
前記受付部は、測定装置が前記商品を測定した情報である測定情報と、前記測定装置が前記商品を測定している生産ラインを示す商品生産ラインIDと、を受け付け、前記測定情報と、前記商品生産ラインIDと、を紐づけて前記記憶部に格納し、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記商品判定部は、前記測定装置の商品生産ラインIDに基づいて前記生産ライン識別IDを参照し、更に、参照する生産ライン識別IDに紐づく商品生産時間帯に前記測定時刻が含まれるかを照合して商品IDを判定し、
前記表示処理部は、判定の結果に基づいて、前記測定情報と、前記商品情報と、を表示処理する、
商品管理システム。
【請求項2】
前記生産ラインは、工場の生産ラインである、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項3】
前記商品管理システムは、更に、集計部を備え、
前記測定情報は、前記商品が良品であるか否かを表す情報である良品不良品情報を含み、
前記集計部は、前記良品不良品情報から良品及び不良品の商品の数を集計し、前記商品生産ラインIDと、前記商品IDと、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記商品生産ラインID及び/又は商品IDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記商品管理システムは、更に、良品不良品判定部と、集計部と、を備え、
前記記憶部は、更に、前記商品IDと、前記商品が良品であるか否かを判定するための情報である良品不良品判定情報と、を紐づけて格納し、
前記良品不良品判定部は、前記測定情報と、前記商品生産ラインIDに基づいて判定した商品IDに紐づく良品不良品判定情報と、を用いて、前記商品が良品であるか否かを判定し、
前記集計部は、判定した良品及び不良品の商品の数を集計し、前記商品生産ラインIDと、前記商品IDと、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記商品生産ラインID及び/又は商品IDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項5】
前記商品管理システムは、更に、予測部を備え、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記予測部は、前記測定時刻及び集計した良品の商品の数を用いて、生産される良品の商品の数が商品の予定生産数に到達する時刻を予測し、
前記表示処理部は、更に、予定生産数に到達すると予測される時刻の所定時間前に、前記予定生産数に到達すると予測される時刻を表示処理する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項6】
前記商品が良品であるか否かは、(a)~(f)の少なくとも1つの手段によって判定される、
請求項に記載の商品管理システム。
(a)前記商品の重量を測定し、前記重量が予め設定された重量範囲に含まれるか否かを判定する手段
(b)前記商品にX線を照射して透過量を測定し、前記透過量が予め設定された透過量範囲に含まれるか否かを判定する手段
(c)前記商品に金属が含まれるか否かを判定する手段
(d)前記商品に印字される印字に間違いや問題がないかを検査する手段
(e)前記商品の形状を検査する手段
(f)前記商品に異物が含まれるか否かを選別する手段
【請求項7】
前記商品管理システムは、更に、予測部を備え、
前記予測部は、前記測定情報を用いて学習を行い、
前記表示処理部は、更に、学習の結果に基づいて、良品の商品の数が商品の予定生産数に到達しない場合、又は、予定よりも不良品率が高い場合、アラート又はアドバイスを表示処理する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項8】
前記商品管理システムは、更に、工場判定部を備え、
前記生産ラインは、工場の生産ラインであり、
前記記憶部は、更に、前記工場を識別するための工場IDと、前記生産ライン識別IDと、を紐づけて格納し、
前記工場判定部は、前記商品生産ラインIDと、前記生産ライン識別IDと、を照合して特定の工場IDを判定し、
前記集計部は、更に、集計した良品及び不良品の商品の数を、前記商品生産ラインIDから照合した工場ID、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記工場IDに紐づく良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項9】
前記商品管理システムは、更に、測定装置と、表示装置と、を備え、
前記受付部は、前記測定装置が測定した測定情報を受け付け、
前記表示処理部は、表示処理のための情報を前記表示装置に送信する、
請求項に記載の商品管理システム。
【請求項10】
商品を管理する商品管理プログラムであって、
コンピュータを、記憶部と、受付部と、商品判定部と、表示処理部と、として機能させ、
前記記憶部は、前記商品が生産される複数の生産ラインを識別するための生産ライン識別ID、前記商品の名前を含む商品情報を識別するための商品IDと、前記商品が生産される商品生産時間帯を紐づけて格納し、
前記受付部は、測定装置が前記商品を測定した情報である測定情報と、前記測定装置が前記商品を測定している生産ラインを示す商品生産ラインIDと、を受け付け、前記測定情報と、前記商品生産ラインIDと、を紐づけて前記記憶部に格納し、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記商品判定部は、前記測定装置の商品生産ラインIDに基づいて前記生産ライン識別IDを参照し、更に、参照する生産ライン識別IDに紐づく商品生産時間帯に前記測定時刻が含まれるかを照合して商品IDを判定し、
前記表示処理部は、判定の結果に基づいて、前記測定情報と、前記商品情報と、を表示処理する、
商品管理プログラム。
【請求項11】
商品を管理する商品管理システムが実行する商品管理方法であって、
前記商品管理システムは、記憶部と、受付部と、商品判定部と、表示処理部と、を備え、
前記記憶部が、前記商品が生産される複数の生産ラインを識別するための生産ライン識別ID、前記商品の名前を含む商品情報を識別するための商品IDと、前記商品が生産される商品生産時間帯を紐づけて格納するステップと、
前記受付部が、測定装置が前記商品を測定した情報である測定情報と、前記測定装置が前記商品を測定している生産ラインを示す商品生産ラインIDと、を受け付け、前記測定情報と、前記商品生産ラインIDと、を紐づけて前記記憶部に格納するステップと、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記商品判定部が、前記測定装置の商品生産ラインIDに基づいて前記生産ライン識別IDを参照し、更に、参照する生産ライン識別IDに紐づく商品生産時間帯に前記測定時刻が含まれるかを照合して商品IDを判定するステップと、
前記表示処理部が、判定の結果に基づいて、前記測定情報と、前記商品情報と、を表示処理するステップと、を含む、
商品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理システム、商品管理プログラム及び商品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生産ラインの生産状況を管理する技術が存在する。
【0003】
特許文献1には、「生産管理システム100は、稼働状態取得装置20aと生産管理装置10とを備える。稼働状態取得装置20aは製造ラインL1に配置されている生産設備31に後付けにて装着または生産設備31の近傍に後付けにて配置され、生産設備31の稼働状態を示す検出信号を出力する検出部21a、検出信号を送信するための送信部22aを備える。生産管理装置10は、稼働状態取得装置20aから受信した検出信号を用いて製造ラインL1の生産状況に関する情報を生成する生成部、生成された生産状況に関する情報を表示する表示装置とを備える」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-003593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、通常の生産ラインの生産状況を管理することはできるものの、1日に複数種類又は所定の期間、例えば、数日、数週間おき等に複数種類の商品の生産を行う生産場所の生産状況を管理することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、複数種類の商品の生産を行う生産場所の生産状況の管理を行う技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、商品を管理する商品管理システムであって、
前記商品管理システムは、記憶部と、受付部と、商品判定部と、表示処理部と、を備え、
前記記憶部は、前記商品が生産される複数の場所を識別するための生産場所識別IDと、前記商品の名前を含む商品情報を識別するための商品IDと、を紐づけて格納し、
前記受付部は、測定装置が前記商品を測定した情報である測定情報と、前記商品が測定された場所を表す測定場所IDと、を受け付け、前記測定情報と、前記測定場所IDと、を紐づけて前記記憶部に格納し、
前記商品判定部は、前記測定場所IDと、前記生産場所識別IDと、に基づいて前記商品IDを照合判定し、
前記表示処理部は、照合判定の結果に基づいて、前記測定情報と、前記商品情報と、を表示処理する。
【0008】
このような構成とすることで、商品の管理を行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記生産場所識別IDは、商品を生産するための生産ラインを識別するための生産ライン識別IDであり、
前記測定場所IDは、前記測定装置が前記商品を測定している生産ラインを示す商品生産ラインIDである。
【0010】
このような構成とすることで、生産される商品の管理を行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記生産ラインは、工場の生産ラインである。
【0012】
このような構成とすることで、工場で生産される商品の管理を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、集計部を備え、
前記測定情報は、前記商品が良品であるか否かを表す情報である良品不良品情報を含み、
前記集計部は、前記良品不良品情報から良品及び不良品の商品の数を集計し、前記商品生産ラインIDと、前記商品IDと、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記商品生産ラインID及び/又は商品IDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する。
【0014】
このような構成とすることで、商品の良品及び不良品の数の管理を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、良品不良品判定部と、集計部と、を備え、
前記記憶部は、更に、前記商品IDと、前記商品が良品であるか否かを判定するための情報である良品不良品判定情報と、を紐づけて格納し、
前記良品不良品判定部は、前記測定情報と、前記商品生産ラインIDに基づいて照合判定した商品IDに紐づく良品不良品判定情報と、を用いて、前記商品が良品であるか否かを判定し、
前記集計部は、判定した良品及び不良品の商品の数を集計し、前記商品生産ラインIDと、前記商品IDと、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記商品生産ラインID及び/又は商品IDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する。
【0016】
このような構成とすることで、商品の良品及び不良品の数の管理を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、更に、前記生産ライン識別IDと、前記商品IDと、前記商品IDの商品が生産される時間帯である商品生産時間帯と、を紐づけて格納し、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記商品判定部は、更に、前記商品生産ラインIDと、前記生産ライン識別IDと、に基づいて前記商品生産時間帯を参照し、前記測定時刻と、参照した商品生産時間帯と、を照合して商品IDを判定する。
【0018】
このような構成とすることで、生産ラインで生産される商品の数を時間帯ごとに管理することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、予測部を備え、
前記測定情報は、前記測定装置が前記商品を測定した測定時刻を含み、
前記予測部は、前記測定時刻及び集計した良品の商品の数を用いて、生産される良品の商品の数が商品の予定生産数に到達する時刻を予測し、
前記表示処理部は、更に、予定生産数に到達すると予測される時刻の所定時間前に、前記予定生産数に到達すると予測される時刻を表示処理する。
【0020】
このような構成とすることで、会社間の段取り、準備、荷受出荷を管理することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記商品が良品であるか否かは、(a)~(f)の少なくとも1つの手段によって判定される。
(a)前記商品の重量を測定し、前記重量が予め設定された重量範囲に含まれるか否かを判定する手段
(b)前記商品にX線を照射して透過量を測定し、前記透過量が予め設定された透過量範囲に含まれるか否かを判定する手段
(c)前記商品に金属が含まれるか否かを判定する手段
(d)前記商品に印字される印字に間違いや問題がないかを検査する手段
(e)前記商品の形状を検査する手段
(f)前記商品に異物が含まれるか否かを選別する手段
【0022】
このような構成とすることで、生産される商品の良品及び不良品の数の管理をより正確に行うことができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、予測部を備え、前記予測部は、前記測定情報を用いて学習を行い、前記表示処理部は、更に、学習の結果に基づいて、良品の商品の数が商品の予定生産数に到達しない場合、又は、予定よりも不良品率が高い場合、アラート又はアドバイスを表示処理する。
【0024】
このような構成とすることで、生産される商品の進捗状況の管理を行うことができる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、工場判定部を備え、
前記生産ラインは、工場の生産ラインであり、
前記記憶部は、更に、前記工場を識別するための工場IDと、前記生産ライン識別IDと、を紐づけて格納し、
前記工場判定部は、前記商品生産ラインIDと、前記生産ライン識別IDと、を照合して特定の工場IDを判定し、
前記集計部は、更に、集計した良品及び不良品の商品の数を、前記商品生産ラインIDから照合した工場ID、に紐づけて前記記憶部に格納し、
前記表示処理部は、更に、前記工場IDに紐づく良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する。
【0026】
このような構成とすることで、工場の生産ラインで生産される商品の数を工場ごとに管理することができる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記商品管理システムは、更に、測定装置と、表示装置と、を備え、
前記受付部は、前記測定装置が測定した測定情報を受け付け、
前記表示処理部は、表示処理のための情報を前記表示装置に送信する。
【0028】
このような構成とすることで、測定された情報を管理し表示することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、複数種類の商品の生産を行う生産場所の生産状況の管理を行う技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態に係る商品管理システムのシステム構成図を示す。
図2】実施形態に係る商品管理装置及び測定装置、表示装置のハードウェア構成図を示す。
図3】実施形態に係るデータベースが格納する情報の一例を示す。
図4】実施形態に係るデータベースが格納する情報の一例を示す。
図5】実施形態に係る商品管理システムの概略イメージ図を示す。
図6】実施形態に係る商品管理システムの処理手順のフローチャートを示す。
図7】実施形態に係る表示装置の画面表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を用いて、本発明の商品管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0032】
例えば、本実施形態では商品管理システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0033】
本発明は、1日に複数種類又は所定の期間、例えば、数時間、数日、数週間おき等に複数種類の商品の生産を行う生産場所の生産状況を管理する技術に関する。本発明における商品は、菓子、飲料等の食品、医薬品、化粧品等の工場で生産されるもの、農地、牧場等で生産される野菜、食肉等の食料、海で漁獲される水産物、内職によって生産される商品等が含まれる。つまり、生産場所は、これらが生産され得る場所であればどこでも良く、工場、農地、牧場、漁港、住宅等が考えられる。つまり、後述の生産場所識別IDは、商品が生産される複数の場所を識別するためのIDである。
【0034】
本実施形態では、商品管理システムが、工場で生産される商品を管理する形態を示す。よって、本実施形態では、商品管理システムが工場で生産される商品を管理するため、生産場所識別IDは、商品を生産するための生産ラインを識別するための生産ライン識別IDであり、測定場所IDは、測定装置が商品を測定している生産ラインを示す商品生産ラインIDとなる。さらに本実施形態では、管理される商品が食品である形態を示す。しかしながら、本発明はこれに限定されず、工場、農地、牧場、漁港、住宅、等で生産される商品の生産状況を管理することに適用可能であり、ウェイトチェッカー等のデジタル検査機を用いて測定を行うことが可能な場所、商品に適用可能である。例えば、農地で生産された野菜であれば、生産ラインに載せることで異物が混入しているか否かをデジタル検査機で測定することができる。つまり、農地、牧場、漁港などで収穫した食物であれば、生産は、検品を終えて出荷可能な状態にすることである。また、住宅で内職によって生産された商品であれば、生産された商品をデジタル計量器に載せることで重量を測定することができる。よって、デジタルな測定装置は、農地、住宅等のあらゆる場所で商品を測定できるため、測定場所IDは、商品が測定された場所を表すためのIDである。
【0035】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る商品管理システムのシステム構成図である。図1に示すように、商品管理システム1は、商品管理装置2と、測定装置3と、表示装置4と、データベースDBと、を備える。
【0036】
商品管理システム1は、ネットワークNWを介して商品管理装置2、測定装置3及び表示装置4と通信可能に構成されている。また、図1において、測定装置3及び表示装置4をそれぞれ1つのみ示したが、複数存在しても良い。
【0037】
商品管理装置2は、サーバ(クラウドサーバ等)として動作する。測定装置3は、工場の生産ラインに配置され、生産された商品に関する情報である測定情報、例えば、生産された商品の重量等を取得するための装置である。表示装置4は、ユーザが生産状況、例えば、測定装置3が取得した測定情報等を確認するためのものである。
【0038】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0039】
なお、商品管理装置2として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、商品管理システム1を構成することも可能である。
【0040】
測定装置3として、ウェイトチェッカー、X線検査機、金属探知機、カメラ検査機、形状検査機、選別機、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)のような電波、磁気や電子を利用して検出する非接触検出機、の少なくとも何れか1つを利用することができ、複数の組み合わせであっても良い。例えば、1つの生産ラインに、ウェイトチェッカー及びカメラ検査機等の複数の測定装置3が設置されても良い。また、1つの測定装置3が、1つの生産ラインの商品を測定しても良いし、複数の生産ラインの商品を測定しても良い。さらに、商品が野菜、果物等の農作物の場合、測定装置3は、農作物の生育状況を測定しても良い。測定装置3が農作物の生育状況を測定し、商品管理装置2が、出荷可能な農作物を良品として、測定した生育状況から良品であるか否かを判定しても良い。測定装置3は、生育状況として農作物の大きさ等を測定することができる。カメラ検査機は、カメラで商品の印字検査を行うカメラ印字検査機の他に、カメラで商品のデザインの柄、傷、汚れ、穴、破れ、噛み込み等を検査する検査機を含む。
【0041】
本実施形態に係る測定装置3は、IoT(Internet of Things)機器と接続することでデータ抽出が可能となる。ウェイトチェッカー等の測定装置3は、IoT機器とLAN(Local Area Network)ケーブル等によって接続され、IoT機器に対して、取得したデータを出力する。IoT機器は、測定装置3の出力情報をデータ一覧へ変換する。そして、IoT機器がネットワークNWを介して商品管理装置2に対して、取得したデータを送信する。また、IoT機器が、後述の商品管理装置2の機能構成を備え、各種処理を実行しても良い。
【0042】
IoT機器に出力されたデータを商品管理装置2に送信する際、本来であれば有線LANを経由することが通信安定の観点から望ましい。しかし、工場の作業者が有線のケーブルに引っかかる等によって怪我をする可能性があるため、本実施形態ではネットワークNWを介してデータを送信する。
【0043】
また、本実施形態では、工場の作業者がIoT機器の電源コードに引っかかることを防ぐため、電源コードを天井から引くことで作業者導線を確保する。さらに、本実施形態では、ウェイトチェッカー等からIoT機器にLANケーブルを接続する際、生産室内の原料由来による粉塵がウェイトチェッカー等の基盤内に侵入し、機械トラブルの原因となり得るため、LANケーブルは基盤の下側から引き出し、隙間を養生し固定する。また、IoT機器に粉塵が入りこむのを防ぐため、通信障害を起こさない薄い素材、例えば、異物混入を防ぐために破れにくいポリエチレン製袋で覆う。
【0044】
表示装置4として、モニター、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。
【0045】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、商品管理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。商品管理装置2は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を備える。
【0046】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る施工管理プログラム、OS(Operating System)、その他のアプリケーションを実行することで、商品管理装置2の動作処理全体を制御する。
【0047】
記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る商品管理プログラム及び、制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されている商品管理プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0048】
通信部203は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、商品管理装置2を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0049】
図2(b)は装置9(図1における測定装置3及び表示装置4)のハードウェア構成の一例を示す図である。装置9は、ハードウェア構成として、制御部901と、記憶部902と、通信部903と、入力部904と、出力部905と、を備える。
【0050】
装置9の制御部901は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、装置9の動作処理全体を制御する。装置9の記憶部902は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、制御部901がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0051】
装置9の通信部903は、ネットワークNWとの通信を制御する。装置9の入力部904は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部901に入力する。装置9の出力部905は、ディスプレイ等であって、制御部901の処理の結果等を表示する。
【0052】
<機能構成>
図1に示すように、商品管理装置2は、受付部21と、商品判定部22と、表示処理部23と、集計部24と、良品不良品判定部25と、工場判定部26と、予測部27と、を備える。
【0053】
受付部21は、測定装置3が工場で生産された商品を測定した情報である測定情報と、その商品が生産された生産ラインを表す商品生産ラインIDと、を受け付ける。受付部21は、受け付けた測定情報を商品生産ラインIDに紐づけて、図3(c)又は図3(d)のように、データベースDBに格納する。
【0054】
商品判定部22は、受付部21が受け付けた商品生産ラインIDと、工場の生産ラインを識別するための生産ライン識別IDと、に基づいて商品IDを照合判定する。商品判定部22は、受付部21が商品生産ラインIDを受け付けることによって、受け付けた商品生産ラインIDと、データベースDBが格納する図3(a)のような生産ライン識別IDと、に基づいて、商品生産ラインIDで生産される商品IDを照合判定することができる。
【0055】
図3(a)のように、データベースDBは、生産ライン識別IDと、商品IDと、商品IDの商品が生産される時間帯である商品生産時間帯と、を紐づけて格納しても良い。受付部21は、測定装置3が商品を測定した測定時刻を測定情報として受け付ける。商品判定部22は、更に、受付部21が受け付けた商品生産ラインIDと、図3(a)のような生産ライン識別IDと、に基づいて商品生産時間帯を参照し、受付部21が受け付けた測定時刻と、参照した商品生産時間帯と、を照合して商品IDを判定する。
【0056】
商品IDは、商品の種別を識別するためのIDでも良いし、同一の商品の中で商品の1つ1つを識別するためのIDであっても良い。本実施形態では、商品の種別を識別するためのIDを表す。また、商品IDが商品の種別を識別するためのIDである場合、商品生産時間帯による切り替えではなく、工場の管理者等が、工場端末を介して、生産ライン識別IDで生産される商品を選択して切り替えても良い。
【0057】
表示処理部23は、商品判定部22の照合判定の結果に基づいて、測定情報と、商品情報と、を表示処理する。データベースDBが図3(a)のように、工場の生産ラインを識別するための生産ライン識別IDと、商品の名前を含む商品情報を識別するための商品IDと、を紐づけて格納することによって、表示処理部23は、測定情報と、商品の名前を含む商品情報と、を表示処理することができる。また、商品の名前は、受付部21が受け付ける測定情報に含まれていても良い。商品情報は、図3(b)のような、商品の名前、カテゴリー、形状、等の商品に関する情報である。表示処理部23が測定情報と商品情報を表示処理することによって、工場の管理者等が測定情報から生産ラインの異変にすぐに気づくことが可能となり、その生産ラインの異変に対する迅速な対処を行うことができる。異変後に迅速な対処を行うことによって、異変が起きた生産ラインでの生産再開が早くなるため、結果的に工場の生産性が向上する。
【0058】
受付部21が受け付ける測定情報は、図3(c)のように、工場で生産された商品が良品であるか否かを表す情報である良品不良品情報を含んでも良い。良品不良品情報を含んでいる場合、測定装置3が、生産された商品の良品及び不良品を判定する。
【0059】
集計部24は、図3(c)のような測定情報が含む良品不良品情報から良品及び不良品の商品の数を集計し、図4(f)のように、商品生産ラインIDと、商品IDに紐づけてデータベースDBに格納する。図3(c)の良品不良品情報において、良品が0、不良品が1で表される。
【0060】
受付部21が受け付ける測定情報は、工場で生産された商品が良品であるか否かを表す情報である良品不良品情報を含んでいなくても良い。良品不良品情報を含んでいない場合、データベースDBは、図3(e)のように、商品IDと、工場で生産された商品が良品であるか否かを判定するための情報である良品不良品判定情報と、を紐づけて格納する。本実施形態では、測定装置3がウェイトチェッカーであるため、データベースDBは商品が良品である場合の重量範囲を予め格納する。
【0061】
測定情報が良品不良品情報を含んでいない場合、良品不良品判定部25は、受付部21が受け付ける測定情報と、商品生産ラインIDに基づいて照合判定した商品IDに紐づく良品不良品判定情報と、を用いて、工場で生産された商品が良品であるか否かを判定する。商品判定部22は、受付部21が受け付けた商品生産ラインIDと、図3(a)の生産ライン識別IDと、に基づいて商品IDを参照する。そして、良品不良品判定部25は、データベースDBが図3(e)のような良品不良品判定情報を格納することによって、受付部21が受け付けた図3(d)のような測定情報が含む生産された商品の質量と、商品IDに紐づく良品不良品判定情報と、を用いて、生産された商品が良品であるか否かを判定することができる。さらに、集計部24は、良品不良品判定部25が判定した良品及び不良品の商品の数を集計し、図4(f)のように、商品生産ラインIDと、商品IDと、に紐づけてデータベースDBに格納する。
【0062】
本実施形態では、測定装置3はウェイトチェッカーであり、良品不良品判定情報が重量範囲であるが、本発明はこの限りではない。例えば、測定装置3がX線検査機の場合、生産された商品にX線を照射して透過量を測定するため、良品不良品判定情報として透過量範囲が格納される。この他にも、測定装置3は、デジタル計測機器であれば何でも良く、商品の厚み、硬さ、太さ等を測定するものが考えられ、良品不良品判定情報として予め定められた厚みの範囲、硬さの範囲、太さの範囲等が格納される。
【0063】
表示処理部23は、更に、集計部24が集計した商品IDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する。表示処理部23は、更に、商品生産ラインIDの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理しても良い。表示処理部23が良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理することによって、工場の管理者等が生産ラインの異変にすぐに気づくことが可能となり、その生産ラインの異変に対する迅速な対処を行うことができる。異変後に迅速な対処を行うことによって、異変が起きた生産ラインでの生産再開が早くなるため、結果的に工場の生産性が向上する。
【0064】
工場の管理者等が生産ラインの異変に気づくのが当日の生産終了後になり、そこから管理者が現場に原因を確認し、対策と改善を実施するのが早くても翌日以降になることがあった。また、これまで工場では、生産中に対応が難しい問題が発生した場合、機械を停止し、内線等で管理者を呼び指示を仰ぎ、対処後に機械を再稼働するという取り決めを実行していた。1日に複数種類又は所定の期間、例えば、数時間、数日、数週間おき等に複数種類の商品の生産を行う中小企業の工場等では、生産される商品の種類が定期的に変わるため、不具合が起こりやすく生産性を下げていた。表示処理部23が良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理することにより、管理者が良品及び/又は不良品の商品の数を把握可能なため、不具合に気づきやすく、対処を迅速に行えるようになる。また、中小企業等では、複数の工場で同一の商品を生産していることもあり、複数の工場の複数の生産ラインの良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理することにより、管理者が生産される商品の管理をしやすくなり、指示等もしやすく生産性が向上する。
【0065】
工場判定部26は、商品生産ラインIDと、生産ライン識別IDと、を照合して工場IDを判定する。データベースDBが、図4(g)のように、工場を識別するための工場IDと、生産ライン識別IDと、を紐づけて格納することによって、受付部21が受け付けた商品生産ラインIDから生産ライン識別IDを判定し、更に、商品が生産された工場を判定することができる。
【0066】
集計部24は、更に、集計した良品及び不良品の商品の数を、商品生産ラインIDから照合した工場ID、に紐づけてデータベースDBに格納する。また、集計部24は、集計した良品及び不良品の商品の数を、工場ID及び商品IDに紐づけてデータベースDBに格納しても良い。工場ID及び商品IDに紐づけて良品及び不良品の商品の数を格納することによって、例えば、工場aで生産される全ての商品b、商品c、・・・をそれぞれ管理することができる。
【0067】
表示処理部23は、更に、工場IDに紐づく良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理する。また、表示処理部23は、更に、工場ID及び/又は商品IDに紐づく良品及び/又は不良品の商品の数を表示処理しても良い。
【0068】
予測部27は、測定装置3が商品を測定した測定時刻を含む測定情報及び集計部24が集計した良品の商品の数を用いて、生産される良品の商品の数が商品の予定生産数に到達する時刻を予測する。具体的には、予測部27は、測定時刻及び良品の商品の数から所定期間、例えば、1時間当たりにおける良品の商品の数を算出し、予定生産数に到達する時刻を予測することができる。
【0069】
予測部27は、更に、測定装置3が測定した測定情報を用いて機械学習を行い、良品又は不良品の商品の数、生産性、ロス率等を予測しても良い。例えば、予測部27は、生産ラインにおける良品又は不良品の順序のパターン、生産ラインの不具合の原因を学習することにより、その生産ラインにおける不良品の数、不具合の原因を予測することができる。また、商品管理システム1は、複数の生産ラインを管理しているため、同一の生産ラインに対して同様の予測をすることができる。予測部27は、測定情報等を用いて学習させた学習済みモデルに、受付部21が受け付けた測定情報を入力し、良品又は不良品の商品の数、生産性、ロス率等を出力する。
【0070】
予測部27は、更に、測定情報ではない情報を用いて機械学習を行い、良品又は不良品の商品の数、生産性、ロス率等を予測しても良い。例えば、予測部27は、表示装置4を監視している人間の属性、過去に不具合の対処に要した時間を学習することにより、将来の良品の商品の数を予測することができる。工場の生産ラインに不具合が生じた場合、その不具合に対処するのは、表示装置4を監視している人間である可能性が高いため、その人間の属性によって将来の良品の商品の数が異なる可能性がある。人間の属性としては、役職、作業歴等が考えられる。この他にも、予測部27は、商品の原料の情報、工場の規模や場所等の情報を用いて機械学習を行い、良品又は不良品の商品の数を予測しても良い。予測部27は、測定情報、人間の属性等を用いて学習させた学習済みモデルに、受付部21が受け付けた測定情報、表示装置4を監視する人間の属性を入力し、良品又は不良品の商品の数、生産性、ロス率等を出力する。
【0071】
予測部27は、この他にも、深層学習、LLM(Large Language Models)を用いて良品又は不良品の商品の数、生産性、ロス率等を予測しても良い。さらに、人間が、工場端末又は表示装置4を介して、大規模言語モデル(LLM)に不具合の対処等について質問すると、LLMが予測部27の過去の学習に基づいて返答しても良い。
【0072】
良品不良品判定部25は、画像処理によって商品が良品であるか否かを判定しても良い。例えば、良品の商品の画像を用いて学習させた学習済みモデルに、測定装置3が撮影した生産された商品の画像を入力し、良品不良品判定部25が良品又は不良品を判定する。
【0073】
表示処理部23は、更に、予定生産数に到達すると予測される時刻の所定時間前に、予定生産数に到達すると予測される時刻を表示処理する。中小企業の工場においては、複数の工場で同一の商品を生産することがある。表示処理部23が、予定生産数に到達すると予測される時刻を表示処理することによって、それぞれの工場の生産進捗を管理して最適なタイミングで必要な段取り、準備、荷受出荷等を行うことが可能となる。
【0074】
測定装置3は金属探知機であっても良く、金属探知機の場合は工場で生産された商品に金属が含まれるか否かの情報又はその情報から生産された商品が良品であるか否かを判定した情報を測定情報として送信する。測定装置3はカメラ印字検査機であっても良く、カメラ印字検査機の場合は工場で生産された商品に印字される印字に間違いや問題がないかを検査した情報又はその情報から生産された商品が良品であるか否かを判定した情報を測定情報として送信する。測定装置3は形状検査機であっても良く、形状検査機の場合は工場で生産された商品の形状を検査した情報又はその情報から生産された商品が良品であるか否かを判定した情報を測定情報として送信する。測定装置3は選別機であっても良く、選別機の場合は工場で生産された商品に異物が含まれるか否かを選別した情報又はその情報から生産された商品が良品であるか否かを判定した情報を測定情報として送信する。
【0075】
測定装置3は、商品が良品か不良品かを判定するために機械学習を用いても良い。例えば、測定装置3がカメラ印字検査機である場合、商品に印字される印字について、正しいものを学習して判定することが考えられる。また、予測部27が学習を行い、判定しても良い。
【0076】
表示処理部23は、更に、判定した良品の商品の数が商品の予定生産数に到達しない場合、又は、予定よりも不良品率が高い場合、アラート又はアドバイスを表示処理する。データベースDBが生産ライン識別IDに紐づけて予定生産数を格納し、集計部24が良品の商品の数を集計することによって、予定生産数に到達しない場合、表示処理部23はアラート又はアドバイスを表示処理することができる。また、データベースDBが生産ライン識別IDに紐づけて所定の良品率又は不良品率を格納し、集計部24が商品生産ラインIDに対する良品率及び不良品率を算出することによって、生産ライン識別IDに紐づく所定の良品率に到達しない場合、又は、生産ライン識別IDに紐づく所定の不良品率を超える場合、表示処理部23はアラート又はアドバイスを表示処理することができる。
【0077】
図5は、実施形態に係る商品管理システムの概略イメージ図である。図5のように、工場は生産ラインを有する。具体的には、工場は生産ラインを有し、生産ラインに測定装置3が配置される。生産ラインに配置される測定装置3は、測定情報を含む情報を商品管理装置2に送信する((A)を参照)。図5のように、測定装置3は、複数の工場に配置され、商品管理装置2は、複数の工場の測定装置3から測定情報を受け付ける。また、1つの工場内には、複数の生産ラインが存在することが一般的であり、商品管理装置2は1つの工場に配置される複数の測定装置3から測定情報を受け付けても良い。
【0078】
商品管理装置2は、表示処理のための情報を表示装置4に送信する((B)を参照)。表示装置4は、モニター、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等であり、それぞれ1つであっても良いし、複数であっても良い。また、表示装置4は、図5のように、モニター及びスマートフォンのような複数種類の装置の組み合わせであっても良い。表示装置4は、具体的には、商品管理装置2から受け付けた情報を表示装置4が有する画面上に表示する。表示装置4は、例えば、商品生産ラインIDごとの生産された商品の数、商品IDごとの生産された商品の数、工場ごとの生産された商品の数、良品及び不良品の数を含む商品の数、等を表示する。
【0079】
図6は、実施形態に係る商品管理システムの処理手順のフローチャートである。ステップS601において、測定装置3は、測定情報と、商品生産ラインIDと、を商品管理装置2へ送信する。受付部21は、測定装置3から、測定情報と、商品生産ラインIDと、を受け付ける。
【0080】
ステップS602において、受付部21は、受け付けた測定情報と、商品生産ラインIDと、をデータベースDBに格納する。
【0081】
ステップS603において、商品判定部22は、受け付けた商品生産ラインIDと、データベースDBに格納される生産ライン識別IDと、を照合して商品IDを判定する。
【0082】
ステップS604において、集計部24は、工場で生産された商品の良品及び不良品の数を集計する。
【0083】
ステップS602~604は、処理手順が前後しても良い。
【0084】
ステップS605において、表示処理部23は、表示処理のための情報を表示装置4に送信する。具体的には、ステップS602において測定装置3から受け付けた情報、ステップS603において判定した結果から得られた情報、ステップS604において集計した情報、を表示装置4に送信する。
【0085】
ステップS606において、表示装置4は、商品管理装置2から受け付けた情報を表示装置4が有する画面上に表示する。具体的には、表示装置4は、ステップS602において受け付けた商品生産ラインID、測定時刻、質量等、ステップS603において判定した商品ID、商品の名前等、ステップS604において集計した商品の良品及び不良品の数等、を画面上に表示する。
【0086】
図7は、実施形態に係る表示装置の画面表示例である。表示装置4は、ユーザの要求を受け付けて様々な種類の生産状況を表示することができる。例えば、図7(a)は、PL00001の生産状況の画面表示例である。ユーザが、特定の生産ラインの商品の生産状況を確認したい場合、表示装置4は、生産ラインIDを受け付けてその生産状況を画面に表示する。
【0087】
図7(b)は、商品ID:M006の生産状況の画面表示例である。ユーザが、特定の商品の生産状況を確認したい場合、表示装置4は、商品IDを受け付けてその生産状況を画面に表示する。表示装置4は、商品IDではなく、データベースDBが格納する商品の名前、カテゴリー、形状等の商品情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて生産状況を画面に表示しても良い。
【0088】
図7(c)は、工場ID:F005の生産状況の画面表示例である。ユーザが、特定の工場の生産状況を確認したい場合、表示装置4は、工場IDを受け付けてその生産状況を画面に表示する。表示装置4が工場IDを受け付けた場合、工場IDに紐づく全ての生産ラインの生産状況を表示する。また、表示装置4は、工場ID及び商品ID等の複数の情報を受け付け、複数の情報に基づいて生産状況を画面に表示しても良い。表示装置4は、工場IDではなく、データベースDBが格納する工場の名前等を受け付け、受け付けた情報に基づいて生産状況を画面に表示しても良い。
【0089】
図7(d)は、全ての工場の生産ラインの生産状況の画面表示例である。ユーザが、全ての工場の生産ラインの状況を確認したい場合、表示装置4は、全ての工場の生産ラインの生産状況を画面に表示しても良い。
【0090】
表示装置4は、図3(a)~(e)、図4(f)、(g)のようなデータベースDBが格納する情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて生産状況を画面に表示することができる。受け付ける情報は、データベースDBが格納する商品の名前、工場ID等の情報であれば良く、1つでも複数でも良い。さらに、表示装置4は、データベースDBが格納する測定時刻、良品数等の情報であれば表示することができる。表示装置4は、データベースDBが格納する情報であれば1つでも複数でも表示することができる。さらに、表示装置4は、15分ごと、1時間ごと等の所定の期間の情報を表示しても良く、表示装置4が特定の時間を受け付けても良い。
【0091】
以上のように本発明に係る商品管理システム1によれば、工場の生産ラインに配置される測定装置を利用して測定情報を測定すると共に所定の処理を実行することで、工場における生産ラインの生産状況の管理を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
1 商品管理システム
2 商品管理装置
21 受付部
22 商品判定部
23 表示処理部
24 集計部
25 良品不良品判定部
26 工場判定部
27 予測部
3 測定装置
4 表示装置
DB データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7