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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】アクチュエータ装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/24 20060101AFI20250306BHJP
   F16J 3/02 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
F16H25/24 L
F16J3/02 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023188295
(22)【出願日】2023-11-02
(65)【公開番号】P2025009687
(43)【公開日】2025-01-20
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】112124342
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518435873
【氏名又は名称】東佑達自動化科技股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No.55, Xinji 3rd Rd., Annan Dist., Tainan City, 70947 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ツォン クン チョン
(72)【発明者】
【氏名】スー ミン チー
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/034804(WO,A1)
【文献】特開2013-007444(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115648(WO,A1)
【文献】特開2017-072197(JP,A)
【文献】特開2000-186971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0048988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/24
F16J 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に沿って延伸する台座ユニットと、前記軸線方向に沿って前記台座ユニットに対して移動可能に取り付けられるスライダーユニットと、圧力調節手段と、駆動手段とを備えたアクチュエータ装置であって、
前記台座ユニットは、軸線方向に沿って延伸し、且つ、収容空間を囲む台座本体と、前記台座本体の1つの端部に接続されると共に、外部から前記収容空間まで延伸する通気孔と第1のオイル注入孔と前記収容空間まで延伸するように前記第1のオイル注入孔に取り付けられるオイル注入ノズルとを有する第1のサイドブロックと、前記軸線方向において前記1つの端部の反対側にある他の1つの端部に接続される第2のサイドブロックと、を有するように構成されており、
前記スライダーユニットは、前記軸線方向に沿って移動できるように前記台座ユニットに取り付けられるスライドブロックと、前記スライドブロックに接続される受動部材と、前記オイル注入ノズルに連通するように、前記スライドブロックと前記台座ユニットとの間に配置される接続孔と、を有するように構成されており、
前記圧力調節手段は、前記第1のサイドブロックの前記通気孔に配置されることにより、前記収容空間から前記台座ユニット外への片方向にのみ空気を排出するように構成されており、
前記駆動手段は前記台座ユニットに配置されると共に、前記スライダーユニットの前記台座ユニットに対する相対移動を駆動するように構成されており、
前記台座ユニットの前記第1のサイドブロックには、前記台座本体に固定されるオイル注入台と、前記台座本体の前記オイル注入台の反対側に固定される空気排出台と、を有し、前記通気孔は、前記空気排出台に形成される第1の孔部と、前記オイル注入台に形成される第2の孔部と、を有し、前記第1のオイル注入孔及び前記オイル注入ノズルは、前記オイル注入台に配置されることを特徴とするアクチュエータ装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記空気排出台の前記オイル注入台に面する側の反対側において配置される回転駆動部と、
前記回転駆動部により回転駆動されると共に、前記受動部材に螺合して前記回転駆動部からの駆動力を前記受動部材に伝搬して前記受動部材を前記軸線方向に沿って駆動する動力出力軸と、
前記スライドブロックに接続される内側端部から前記第2のサイドブロック外に露出する外側端部まで延伸し、前記スライドブロックと共に前記動力出力軸に対して移動可能、且つ、管内に前記動力出力軸が挿通する中空パイプと、を有し、
前記動力出力軸の前記回転駆動部から離れた先端に可動リングが取り付けられることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項3】
前記台座ユニットは、前記第2のサイドブロックに第2のオイル注入孔が形成され、前記第2のオイル注入孔を経由して前記第2のサイドブロックと前記中空パイプとの間にオイルを注入できることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項4】
前記台座ユニットの前記第2のサイドブロックは、前記台座本体に繋がっているサイドブロック本体と、前記サイドブロック本体に取り付けられるサイドキャップとを有し、前記サイドブロック本体と前記サイドキャップとの間に、前記中空パイプに連通するオイル貯蔵室が画成されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項5】
前記スライダーユニットは、前記スライドブロックに配置されると共に、それぞれ複数のビーズからなるビーズセットを有する2つのビーズベアリング手段と、前記接続孔及び前記接続孔と前記ビーズベアリング手段とを連通させるオイル案内溝が形成されるオイル案内台と、を有することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
【請求項6】
前記圧力調節手段は、バルブ本体と、前記バルブ本体内に取り付けられて前記収容空間から前記台座ユニットの外側への空気の流れのみを可能とする片方向フィルムと、を有することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
【請求項7】
前記圧力調節手段における前記片方向フィルムはポリテトラフルオロエチレンにより構成されることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ装置に関し、特に、リニアアクチュエータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には除湿器を設けることでアクチュエータ装置内の湿度を下げる技術が記載されている。
【0003】
また、特許文献2にはハウジング本体とフロントカバとの間にフロントカバ用シール部材を挟み、ハウジング本体とリアカバとの間にリアカバ用シール部材を挟むことで、防塵・防水性能を向上させる技術が記載されている。
【0004】
このように、特許文献2ではハウジングの外側に位置する第1ロッド用シール部材とハウジングの内側に位置する第2ロッド用シール部材とがフロントカバに配置されており、塵や水などの異物が第1ロッド用シール部材を突破して侵入しても、第2ロッド用シール部材により遮断されるので、塵や水がハウジング本体の両端から進入することを防いでアクチュエータの防塵・防水性能を向上させることができる。
【0005】
この他、第1ロッド用シール部材の後端側にソフトワイパが配置され、ハウジングの内部において生じるオイルや粉末などの異物を拭き取り、ハウジングの外部への漏れを防止することができる。
【0006】
しかしながら、上記従来の技術には、相対運動を実行する部材の間において防塵・防水効果を発揮する構成が記載されていない。例えば、特許文献2において、スライドブロックが駆動される際、ハウジング本体の中に空気の流れが発生するため、ハウジング本体は厳密な気密性能を発揮することが出来ず、優れた防塵・防水効果を発揮することが出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6025625号
【文献】特許第5968732号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は相対運動を実行する部材の間においても防塵・防水効果を有するアクチュエータ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明は、軸線方向に沿って延伸する台座ユニットと、前記軸線方向に沿って前記台座ユニットに対して移動可能に取り付けられるスライダーユニットと、圧力調節手段と、駆動手段とを備えたアクチュエータ装置であって、
前記台座ユニットは、軸線方向に沿って延伸し、且つ、収容空間を囲む台座本体と、前記台座本体の1つの端部に接続されると共に、外部から前記収容空間まで延伸する通気孔と第1のオイル注入孔と前記収容空間まで延伸するように前記第1のオイル注入孔に取り付けられるオイル注入ノズルとを有する第1のサイドブロックと、前記軸線方向において前記1つの端部の反対側にある他の1つの端部に接続される第2のサイドブロックと、を有するように構成されており、
前記スライダーユニットは、前記軸線方向に沿って移動できるように前記台座ユニットに取り付けられるスライドブロックと、前記スライドブロックに接続される受動部材と、前記オイル注入ノズルに連通するように、前記スライドブロックと前記台座ユニットとの間に配置される接続孔と、を有するように構成されており、
前記圧力調節手段は、前記第1のサイドブロックに形成される通気孔を有することにより、前記収容空間から前記台座ユニット外への片方向にのみ空気を排出するように構成されており、
前記駆動手段は前記台座ユニットに配置されると共に、前記スライダーユニットの前記台座ユニットに対する相対移動を駆動するように構成されることを特徴とするアクチュエータ装置。を提供する。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によると、本発明は駆動手段の駆動によりスライダーユニットが第1のサイドブロックに接近すると、第1のサイドブロックの第1のオイル注入孔及びオイル注入ノズルはスライダーユニットに対してオイルを供給し、且つ、スライダーユニットが台座ユニットに対して移動する際において生じるスリップストリームは圧力調節手段を経由して外に排出されるので、台座ユニットの内部の圧力を調整して、優れた防塵・防水効果を発揮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のアクチュエータ装置の実施例が示される斜視図である。
図2】同実施例の分解斜視図である。
図3】同実施例におけるオイル案内台の斜視図である。
図4】同実施例におけるオイル案内台の斜視図である。
図5】同実施例の断面図である。
図6図5の一部の拡大説明図である。
図7図5の他の一部の拡大説明図である。
図8図6におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図6におけるIX-IX線に沿った断面図である。
図10図7におけるX-X線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では各図面を参照して本発明の各部構成について詳しく説明する。
【0013】
図1図2に示されるように、図示される本発明のアクチュエータ装置の実施例は、軸線方向Xに沿って延伸する台座ユニット10と、軸線方向Xに沿って台座ユニット10に対して移動可能に取り付けられるスライダーユニット20と、圧力調節手段30と、駆動手段40と、を備える。
【0014】
図5図9をも併せて参照すると、台座ユニット10は、軸線方向Xに沿って延伸し、且つ、収容空間111を囲む台座本体11と、台座本体11の1つの端部に接続されると共に、外部から収容空間111まで延伸する通気孔15と第1のオイル注入孔131と収容空間111まで延伸するように第1のオイル注入孔131に取り付けられるオイル注入ノズル132とを有する第1のサイドブロック12と、台座本体11の軸線方向Xにおいて上記1つの端部の反対側にある他の1つの端部に接続される第2のサイドブロック16と、を有するように構成されている。
【0015】
台座ユニット10の第1のサイドブロック12には、台座本体11に固定されるオイル注入台13と、台座本体11のオイル注入台13の反対側に固定される空気排出台14と、を有し、第1のオイル注入孔131及びオイル注入ノズル132は、オイル注入台13に配置される。通気孔15は、空気排出台14に形成される第1の孔部151と、オイル注入台13に形成される第2の孔部152と、を有する。
【0016】
図7図10をも併せて参照すると、台座ユニット10の第2のサイドブロック16は、台座本体11に繋がっているサイドブロック本体161と、サイドブロック本体161に取り付けられるサイドキャップ162とを有し、サイドブロック本体161とサイドキャップ162との間に、中空パイプ43(後述)に連通するオイル貯蔵室163が画成されている。また、第2のサイドブロック16に第2のオイル注入孔164が形成され、第2のオイル注入孔164を経由して第2のサイドブロック16と中空パイプ43(後述)との間にオイルを注入できる。
【0017】
図6図8をも併せて参照すると、スライダーユニット20は、軸線方向Xに沿って移動できるように台座ユニット10に取り付けられるスライドブロック21と、スライドブロック21に接続される受動部材22と、スライドブロック21に配置されると共に、それぞれ複数のビーズからなるビーズセット24を有する2つのビーズベアリング手段23と、接続孔251及び接続孔251とビーズベアリング手段23とを連通させるオイル案内溝252が形成されるオイル案内台25と、を有する。接続孔251は、オイル注入ノズル132に連通し、且つ、スライドブロック21と台座ユニット10との間に配置されるように、オイル案内台25に形成される。
【0018】
圧力調節手段30は、第1のサイドブロック12に形成される通気孔15に配置され、収容空間111から台座ユニット10外への片方向にのみ空気を排出するように構成されている。圧力調節手段30は、バルブ本体31と、バルブ本体31内に取り付けられて収容空間111から台座ユニット10の外側への空気の流れのみを可能とする片方向フィルム32と、を有し、圧力調節手段30における片方向フィルム32はポリテトラフルオロエチレンにより構成されることができる。
【0019】
駆動手段40は台座ユニット10に配置されると共に、スライダーユニット20の台座ユニット10に対する相対移動を駆動するように構成される。
【0020】
具体的には、駆動手段40は、空気排出台14のオイル注入台13に面する側の反対側において配置される回転駆動部41と、回転駆動部41により回転駆動されると共に、受動部材22に螺合して回転駆動部41からの駆動力を受動部材22に伝搬して受動部材22を軸線方向Xに沿って駆動する動力出力軸42と、スライドブロック21に接続される内側端部431から第2のサイドブロック16外に露出する外側端部432まで延伸し、スライドブロック21と共に動力出力軸42に対して移動可能、且つ、管内に動力出力軸42が挿通する中空パイプ43と、を有する。
【0021】
動力出力軸42は、空気排出台14の第1の孔部151及びオイル注入台13の第2の孔部152に挿し込まれる連接部分421と、連接部分421の反対側にある先端部分422と、先端部分422(すなわち、回転駆動部41から離れた先端)に取り付けられる可動リング423と、を有する。
【0022】
中空パイプ43は、スライドブロック21に接続される内側端部431と、内側端部431の反対側に位置し、且つ、第2のサイドブロック16を挿通して第2のサイドブロック16の外側に露出する外側端部432と、内側端部431から外側端部432まで延伸する外周面433と、外周面433の反対側(内側)において中空部434を囲む内周面435と、を有する。第2のサイドブロック16のオイル貯蔵室163は中空パイプ43の外周面433に隣接し、そして第2のオイル注入孔164を経由して中空パイプ43と第2のサイドブロックとの間の空間に対してオイルを供給することができる。動力出力軸42側の可動リング423の外周面が可動的に中空パイプ43の内周面435に当接することにより、動力出力軸42のサポートを受けていない先端部分422の揺動を抑えてその安定性を向上させることができる。
【0023】
以下は図1及び図5図7を参照し、本発明のアクチュエータ装置の稼働状態について詳しく説明する。まず、台座ユニット10に取り付けられるスライダーユニット20は、受動部材22が駆動手段40の動力出力軸42に螺合するため、回転駆動部41が起動されて動力出力軸42を回転駆動すると、動力出力軸42の回転により受動部材22及びスライドブロック21(すなわち、スライダーユニット20)を軸線方向Xに沿って台座ユニット10に対して移動させることが出来、これにより加工物を搬送したり、または直線状の推進力を提供したりすることができる。
【0024】
スライダーユニット20が台座ユニット10に対して相対移動する際、内側端部431がスライドブロック21に接続される中空パイプ43は、スライドブロック21と共に移動するので、挿通する第2のサイドブロック16及び動力出力軸42に対して移動するようになる。
【0025】
駆動されるスライダーユニット20が台座ユニット10の中間部(第1のサイドブロック12よりの位置)にあるオイル注入位置に移動し、スライダーユニット20側のオイル案内台25が台座ユニット10側のオイル注入ノズル132に向かい合い、且つ互いに接続するようになると、第1のオイル注入孔131及びオイル注入ノズル132を経由してオイルを注入することによって、オイル案内溝252に通じて各ビーズベアリング手段23に対してオイルを供給し、スライドブロック21と台座ユニット10との相対移動はオイルが補充されたビーズベアリング手段23の働きによりスムーズに行うことができる。
また、第2のオイル注入孔164を経由してオイルを注入する場合、注入されるオイルはオイル貯蔵室163に提供され、そして、オイル貯蔵室163が中空パイプ43の外周面433に隣接するので、中空パイプ43と第2のサイドブロック16との間の空間に対してオイルを供給することが出来、台座ユニット10と中空パイプ43との相対移動はよりスムーズに行うことができる。
【0026】
特に、スライダーユニット20が台座ユニット10に対して移動する際、収容空間111の中にスリップストリームが生じるので、圧力調節手段30のバルブ本体31にある片方向フィルム32を用いて収容空間111内の空気圧に合わせて収容空間111から空気を通気孔15から台座ユニット10の外部に排出するように調整すると共に、水や塵などが圧力調節手段30を経由して収容空間111内に進入することを防ぐことができるので、防塵・防水性能を向上させることができる。
【0027】
従って、本発明は全体の配置関係を利用して、IP(Ingress Protection)68の防塵・防水性能を発揮することができる。
【0028】
以上をまとめると、本発明のアクチュエータ装置は単純な構造を有するため組立も比較的に容易となる上、十分な防塵・防水性能を発揮することもできるので、相対運動を実行する部材の間においても防塵・防水効果を有するアクチュエータ装置を提供する目的を確実に達成することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
軸線方向に沿って延伸する台座ユニットと、前記軸線方向に沿って前記台座ユニットに対して移動可能に取り付けられるスライダーユニットと、圧力調節手段と、駆動手段とを備えたアクチュエータ装置であって、
前記台座ユニットは、軸線方向に沿って延伸し、且つ、収容空間を囲む台座本体と、前記台座本体の1つの端部に接続されると共に、外部から前記収容空間まで延伸する通気孔と第1のオイル注入孔と前記収容空間まで延伸するように前記第1のオイル注入孔に取り付けられるオイル注入ノズルとを有する第1のサイドブロックと、前記軸線方向において前記1つの端部の反対側にある他の1つの端部に接続される第2のサイドブロックと、を有するように構成されており、
前記スライダーユニットは、前記軸線方向に沿って移動できるように前記台座ユニットに取り付けられるスライドブロックと、前記スライドブロックに接続される受動部材と、前記オイル注入ノズルに連通するように、前記スライドブロックと前記台座ユニットとの間に配置される接続孔と、を有するように構成されており、
前記圧力調節手段は、前記第1のサイドブロックの前記通気孔に配置されることにより、前記収容空間から前記台座ユニット外への片方向にのみ空気を排出するように構成されており、
前記駆動手段は前記台座ユニットに配置されると共に、前記スライダーユニットの前記台座ユニットに対する相対移動を駆動するように構成されることを特徴とするアクチュエータ装置である。
第2の態様は、
前記台座ユニットの前記第1のサイドブロックには、前記台座本体に固定されるオイル注入台と、前記台座本体の前記オイル注入台の反対側に固定される空気排出台と、を有し、前記通気孔は、前記空気排出台に形成される第1の孔部と、前記オイル注入台に形成される第2の孔部と、を有し、前記第1のオイル注入孔及び前記オイル注入ノズルは、前記オイル注入台に配置されることを特徴とする第1の態様におけるアクチュエータ装置である。
第3の態様は、
前記駆動手段は、前記空気排出台の前記オイル注入台に面する側の反対側において配置される回転駆動部と、
前記回転駆動部により回転駆動されると共に、前記受動部材に螺合して前記回転駆動部からの駆動力を前記受動部材に伝搬して前記受動部材を前記軸線方向に沿って駆動する動力出力軸と、
前記スライドブロックに接続される内側端部から前記第2のサイドブロック外に露出する外側端部まで延伸し、前記スライドブロックと共に前記動力出力軸に対して移動可能、且つ、管内に前記動力出力軸が挿通する中空パイプと、を有し、
前記動力出力軸の前記回転駆動部から離れた先端に可動リングが取り付けられることを特徴とする第2の態様におけるアクチュエータ装置である。
第4の態様は、
前記台座ユニットは、前記第2のサイドブロックに第2のオイル注入孔が形成され、前記第2のオイル注入孔を経由して前記第2のサイドブロックと前記中空パイプとの間にオイルを注入できることを特徴とする第1の態様におけるアクチュエータ装置である。
第5の態様は、
前記台座ユニットの前記第2のサイドブロックは、前記台座本体に繋がっているサイドブロック本体と、前記サイドブロック本体に取り付けられるサイドキャップとを有し、前記サイドブロック本体と前記サイドキャップとの間に、前記中空パイプに連通するオイル貯蔵室が画成されていることを特徴とする第4の態様におけるアクチュエータ装置である。
第6の態様は、
前記スライダーユニットは、前記スライドブロックに配置されると共に、それぞれ複数のビーズからなるビーズセットを有する2つのビーズベアリング手段と、前記接続孔及び前記接続孔と前記ビーズベアリング手段とを連通させるオイル案内溝が形成されるオイル案内台と、を有することを特徴とする第1の態様におけるアクチュエータ装置である。
第7の態様は、
前記圧力調節手段は、バルブ本体と、前記バルブ本体内に取り付けられて前記収容空間から前記台座ユニットの外側への空気の流れのみを可能とする片方向フィルムと、を有することを特徴とする第1の態様におけるアクチュエータ装置である。
第8の態様は、
前記圧力調節手段における前記片方向フィルムはポリテトラフルオロエチレンにより構成されることを特徴とする第7の態様におけるアクチュエータ装置である。
【符号の説明】
【0030】
10 台座ユニット
11 台座本体
111 収容空間
12 第1のサイドブロック
13 オイル注入台
131 第1のオイル注入孔
132 オイル注入ノズル
14 空気排出台
15 通気孔
151 第1の孔部
152 第2の孔部
16 第2のサイドブロック
161 サイドブロック本体
162 サイドキャップ
163 オイル貯蔵室
164 第2のオイル注入孔
20 スライダーユニット
21 スライドブロック
22 受動部材
23 ビーズベアリング手段
24 ビーズセット
25 オイル案内台
251 接続孔
252 オイル案内溝
30 圧力調節手段
31 バルブ本体
32 片方向フィルム
40 駆動手段
41 回転駆動部
42 動力出力軸
421 連接部分
422 先端部分
423 可動リング
43 中空パイプ
431 内側端部
432 外側端部
433 外周面
434 中空部
435 内周面
X 軸線方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10