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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】指力トレーニング器
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/16 20060101AFI20250306BHJP
   A63B 22/16 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
A63B23/16
A63B22/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024066644
(22)【出願日】2024-04-17
【審査請求日】2024-08-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518059130
【氏名又は名称】五十嵐 啓晋
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓晋
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/220609(WO,A1)
【文献】YouTube,2022年09月02日,https://www.youtube.com/watch?v=hRDORebNra4
【文献】インターネット,2023年09月23日,https://web.archive.org/web/20230923211225/https://tential.jp/journals/exercise/balance_disc/003
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/16
A63B 22/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面は上方に向けて凸形状として略球面であって指を載置する指台と掌を載置する掌台とを形成した盤体を有し、
前記盤体は上から見た場合に略半円状の部位を有し、
下面は前記盤体の縁部から下方に向けて凸形状となり、かつ前記略半円状の部位の表面の各部位が凸面となるバランス体を有しており、
前記バランス体は、前記盤体における前記掌台の側で前記指台の側よりも傾斜しない形状となっていることを特徴とする指力トレーニング器。
【請求項2】
前記バランス体は、前記盤体の傾斜を妨げる支えとなる支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の指力トレーニング器。
【請求項3】
前記支持部は、前記バランス体に対して着脱可能で複数個装着可能であることを特徴とする請求項2に記載の指力トレーニング器。
【請求項4】
前記支持部は、複数個装着することで前記盤体を傾斜不能とすることができることを特徴とする請求項3に記載の指力トレーニング器。
【請求項5】
前記バランス体は、前記盤体における中心部位の側で外側よりも曲率が大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の指力トレーニング器。
【請求項6】
前記盤体に掌を固定する固定具を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指力トレーニング器。
【請求項7】
内部に空気室を形成して弾性変形可能としてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指力トレーニング器。
【請求項8】
前記バランス体の下面は、小さな突起を無数に形成してあり、ある突起の頂点と周縁の突起の頂点とを結ぶ曲線が、下方に向け凸形状となっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指力トレーニング器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の指への負荷角度を可変することができる指力トレーニング器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手の指への負荷角度を変更可能な指力トレーニング器として、特許文献1に開示されるものが知られている。
この指力トレーニング器は、表面は上方に向けて凸形状として略球面であって指を載置する指台と掌を載置する掌台とを形成した盤体を有している。
【0003】
また、盤体の裏面の中央部分から突出するバランスパーツを備えている。バランスパーツは媒体の外形よりも小さい形状の円錐形状、かまぼこ形状が開示されており、また、媒体の外形と同じ円錐形状が開示されている。
盤体の表面に手を載せた状態で、水平バランスを取るトレーニングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許7043018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来文献に開示された指力トレーニング器で水平バランスを取るトレーニングを行う場合、バランスパーツの頂部と盤体の縁部とが床面に接触する角度以外では、バランスパーツの頂部でのみ媒体を支えることになる。この状態は安定しないため、水平バランスを取るためには強い指力が必要になり、初心者にはトレーニングしづらい。
また、360度どの方向にも傾くので、掌台の側に傾くと、手首を深く曲げてしまうことになり、痛くなることがある。なお、かまぼこ形状の場合としても、容易に掌台の側に傾くことができ、手首を深く曲げてしまうことになる。
【0006】
本発明は、水平バランスのトレーニングを行いやすい指力トレーニング器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面は上方に向けて凸形状として略球面であって指を載置する指台と掌を載置する掌台とを形成した盤体を有し、前記盤体は上から見た場合に略半円状の部位を有し、下面は前記盤体の縁部から下方に向けて凸形状となり、かつ前記略半円状の部位の表面の各部位が凸面となるバランス体を有しており、前記バランス体は、前記盤体における前記掌台の側で前記指台の側よりも傾斜しない形状となっている。
【0008】
また、本発明の他の実施形態においては、前記バランス体は、前記盤体の傾斜を妨げる支えとなる支持部を有する構成となっている。
【0009】
さらに、本発明の他の実施形態においては、前記支持部は、前記バランス体に対して着脱可能で複数個装着可能な構成としてある。
また、本発明の他の実施形態においては、前記支持部は、複数個装着することで前記盤体を傾斜不能とすることができる構成となっている。
【0010】
また、本発明の他の実施形態においては、前記バランス体は、前記盤体における中心部位の側で外側よりも曲率が大きくなっている。
さらに、本発明の他の実施形態においては、前記盤体に掌を固定する固定具を有している。
【0011】
さらに、本発明の他の実施形態においては、内部に空気室を形成して弾性変形可能とした構成としてある。
また、本発明の他の実施形態においては、前記バランス体の下面は、小さな突起を無数に形成してあり、ある突起の頂点と周縁の突起の頂点とを結ぶ曲線が、下方に向け凸形状となっている構成としてある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の指力トレーニング器のバランス体は、盤体における指台の部位の縁部から下方に向けて凸形状となり、かつ表面の各部位が凸面となっているため、下面の任意の位置で床面等に接しており、任意の傾斜であっても、極端に不安定な状態とならず、指力が十分でないときでも、水平バランスを取るトレーニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例にかかる指力トレーニング器の正面図である。
図2】同指力トレーニング器の側面図である。
図3】同指力トレーニング器の平面図である。
図4】同指力トレーニング器のバランス体の断面図である。
図5】変形例にかかる指力トレーニング器の正面図である。
図6】同指力トレーニング器の底面図である。
図7】同指力トレーニング器のバランス体のA-A線断面正面図である。
図8】同指力トレーニング器のバランス体のB-B線断面正面図である。
図9】変形例にかかる指力トレーニング器の正面図である。
図10】同指力トレーニング器の底面図である。
図11】変形例にかかる指力トレーニング器のバランス体の断面図である。
図12】変形例にかかる指力トレーニング器の正面図である。
図13】同指力トレーニング器の底面図である。
図14】同変形例にかかる指力トレーニング器の変形状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる指力トレーニング器を正面図により示しており、図2は、同指力トレーニング器を側面図により示しており、図3は、同指力トレーニング器を平面図により示しており、図4は、同指力トレーニング器のバランス体を断面図により示している。
同図において、本指力トレーニング器10は、外周が円形で、上面と下面とがそれぞれ球面状であり、上面の一部に隆起形状がある。最外周縁で水平方向に分割したとき、上方部分を盤体20と呼び、下方部位をバランス体30と呼ぶ。
【0015】
盤体20は、球技ボール大の球体の外郭曲面の一部を切取ったような傾斜面21を有しており、この傾斜面21の一部が指を広げて添わせる指台21aとなる。例えば、図3に示すように、左手であれば、各指が着く位置は部位S、部位I、部位M、部位R、部位Pとなる。球面状の傾斜面21であるので、利用者の手の形、指の長さ、右手か左手かによって、部位S、部位I、部位M、部位R、部位Pの位置は変化する。
【0016】
また、隆起形状の部位は、掌をのせる台であり、掌台22と呼ぶ。この掌台22は下方部位が円柱状となっているとともに、上方部位が概略球面形状であり、盤体20の傾斜面21の一部に形成した円形の穴に同円柱状の部位を埋め込むようにして固定してある。掌台22が突き出る高さは、指台21aのもっとも高い天頂部よりも段差dだけ高くなるように形成してある。
【0017】
本実施形態では、傾斜面21の外郭曲面の基準となる球技ボールとは、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ラグビーボール、アメリカンフットボール、ベースボール等、手でボールを扱うスポーツで使用されるボールとすると好適である。
なお、指力トレーニング器10は円盤状であり、膨らんだドーム面を上面11と呼び、反対側を下面12と呼ぶことがある。
【0018】
このように、指力トレーニング器10は盤体20を有し、指力トレーニング器10の上面11は、上方に向けて凸形状として略球面であって指を載置する指台21aと掌を載置する掌台22とを形成してある。
【0019】
なお、図3において、部位S、部位I、部位M、部位R、部位Pに指を付けて体を支えた場合の重心位置を指台中心軸21a1と呼ぶ。同図に示すように、指台中心軸21a1は、外周円形の盤体20の中心である本体垂直中心軸21bとはずれており、また、略球面状とした掌台22の掌台垂直中心軸22aも本体垂直中心軸21bとずれている。
【0020】
本実施形態においては、掌台22は盤体20の天頂部に対し、段差dだけ高くしているが、同等もしくは僅かに高くなっていればよい。また、掌台22の上端は球面状としているが、平坦面としてもよい。
【0021】
指力トレーニング器10の下面12は、バランス体30であり、図4に示すように、直径φ0の球体面の外郭曲面となるように形成されている。すなわち、指力トレーニング器10の下面は外径円形の盤体20の縁部から下方に向けて凸形状となっており、表面は球体面となっている。
【0022】
球体面であるので、表面の各部位は全て凸面となっている。本実施形態においては、盤体20が外径円形であるので、バランス体30も全体的には外径円形となっている。しかし、後述するように盤体20が外径円形となっていない場合は、少なくとも盤体20における指台21aの部位の縁部から下方に向けて凸形状となり、表面の各部位は全て凸面となるようにすればよい。
このバランス体30は、指力トレーニングの一つとして水平バランスを取るトレーニングを行うために形成してある。
【0023】
また、盤体20には帯状のバンドである固定具23が装着することも可能であり、この帯状の固定具23と指台21aとの間に指と掌を入り込ませることにより、指力トレーニング器10を手に装着することができるようになる。
【0024】
次に、使用法について説明する。本発明を使用するときは、1台で片手のみ、又は2台で左右1台ずつ両手で同時に使用する。盤体20の傾斜面21の一部である指台21aに指の腹全体を接触させ、掌台22に掌をのせる。掌台22は、手首が無理な角度に曲がらないようにすることができる。
(イ)腕立伏せの状態、又は膝を着いた腕立伏せの上体で上方から自己体重の一部をかける事により、掌だけではなく、指に負荷が分散され、バランスを取ることで、指の筋力や感覚のトレーニングをする。
【0025】
(ロ)また、上半身を起こした状態で、本発明を手の届く場所に設置して使用することで、より少ない負荷で安全に指の筋力や感覚が鍛えられる。
(ハ)バランス体30があることで、指力トレーニング器10が傾いても必ずどこかで床面などに接地しており、指力トレーニングに加えて、バランスをとりながらのトレーニングで、指力と同時に体幹も鍛えることができる。
【0026】
すなわち、バランス体30の少なくとも指台21aの下面側の表面の各部位は全て凸面となっているので、指力トレーニング器10を傾けたとき、バランスの取れる最下点で床面等と接触する。
【0027】
例えば、従来例に開示されるようなバランスパーツの場合、バランスがずれた場合にはバランスパーツの頂部と指力トレーニング器の外縁部の二カ所が床面に当接して停止する。従って、徐々に倒していくというようなトレーニングを行うことができない。
これに対して、下面が盤体20における指台21aの部位の縁部から下方に向けて凸形状となり、かつ表面の各部位が凸面となるバランス体30である場合は、下面のいずれの点においても傾斜に対する負荷を小さくしつつバランスが安定する状態が生じるため、バランストレーニングであったり体幹トレーニングを行うことができる。
このように傾斜面をもった盤体20を本体とするが、傾斜面21は曲面や平面の場合がある。また盤体20は円盤体に限らない立体で、木材、樹脂、金属に限らず様々な材質の場合がある。傾斜面21には指台21aがあり、指台21aに指を沿わせ、指のガイドとすることで指関節に極端で不自然な負荷がかかることを防ぎ、指先などの特定部分だけでなく指全体に負荷をかけることができる。
【0028】
また、掌が指よりも上方に位置するように、掌をのせる台すなわち掌台22を突設し、指台21aと掌台22の段差dを設けることで、掌に対する手首の角度が自然に広がった状態で負荷を指に加えることができる。
【0029】
このように、本発明によれば、本体下面全体が曲面の傾斜面を有することで、接地点が変わることで、本体横軸の角度が変わることで本体、掌台、指台、それぞれの中心軸と本体横軸の角度も前後左右全方向において変わり、本体、掌台、指台、それぞれの中心軸間の距離も変わることで負荷を指に加えることができる。
【0030】
また、本体上面に掌を固定する固定具を設置すると、本体を手に装着することができ、床面に対する指立て伏せだけではなく、傾斜面は壁面に対して体を斜めにしてトレーニングすることができる。体の角度を斜めにすることで負荷の大きさを変更することができるため、トレーニング強度を変更できる。
【0031】
図5は、変形例にかかる指力トレーニング器を正面図により示しており、図6は、同指力トレーニング器を底面図により示しており、図7は、同指力トレーニング器のバランス体を図6A-A線断面図により示しており、図8は、同指力トレーニング器のバランス体を図6B-B線断面図により示している。
【0032】
図5に示すように、本指トレーニング器110は、盤体120と、バランス体130とを備えている。盤体20における掌台22の上面が球面状であったが、この掌台122は全体が円柱形状となっていて上面は平坦面となっている。また、指トレーニング器110の外径は、全体が円形ではなく、指台121aの部位において半円形となっており、その他は矩形形状となっている。盤体120の上面の傾斜面121についても半円形部位については概略球面形状となっているが、矩形形状部位については円柱表面状となっている。なお、図5の破線で示すように、指トレーニング器110の上面の盤体120については、盤体20と同様に外径円形の球面状としても良い。
【0033】
バランス体130については、その外径は、指台121aに対応する部位において半円形となっており、その他は矩形形状となっている。また、半円形部位については概略球面形状となっており、矩形形状部位については図8の断面図に示すように円柱表面状となっている。
【0034】
円柱表面状となっているため、例えば、掌台垂直中心軸22aから本体垂直中心軸21bと指台中心軸21a1を通る直線方向に対して左右に揺れるように回転することは可能である。
しかし、図7の断面図に示すように本体垂直中心軸21bから指台中心軸21a1の側へ向かう部位では直線状になっており、床面などに置いたときは接地面と直線状の底面とが当接するので傾かない。
【0035】
掌台122を設置することで本来であれば手首が無理な角度に曲がらないようにすることができる。しかし、バランス体30を設けたときに、手首が無理な角度に曲がらないようにするために、盤体120における掌台122の側で指台121aの側よりも傾斜しない形状としている。
【0036】
具体的には、バランス体130は、盤体120における掌台122から指台121aの方向において、断面が直線状の部位を有している。掌台122から指台121aの方向というのは、指台中心軸21a1を超えた先まで直線上とする必要は無いし、指台中心軸21a1よりも掌台122に近い手前まででも構わない。トレーニング中に、掌台122に体重がかかる場合があるから、そのときに手首が無理な角度に曲がらないようにするためには掌台垂直中心軸22aのあたりまでは直線状である必要がある。
【0037】
図1図4に示す球面状のバランス体30と比較すると、図5図8に示すバランス体130は、手首が無理な角度に曲がらないようにするために付加された部位があり、この部位が支持部となる。この支持部は、バランス体130の盤体120の傾斜を妨げる支えとなる。
【0038】
また、この支持部は、盤体120における指台121aから掌台122に続く線上の部位にある。
【0039】
本実施例でも、指台中心軸121a1は本体垂直中心軸121bとはずれており、また、掌台垂直中心軸122aも本体垂直中心軸121bとずれている。指台中心軸121a1が本体垂直中心軸121bとずれているので、バランスが取れるのは、指トレーニング器110がやや前傾した状態となる。これに対して、指台中心軸121a1と本体垂直中心軸121bとを一致させると、バランスが取れるのは、指トレーニング器110がほぼ水平の状態となる。このとき、バランストレーニングとしては、水平状態から前方に傾斜させる際に行うことができ、後方に対しては傾斜させないことで手首を保護することができる。
【0040】
図9は、変形例にかかる指力トレーニング器を正面図により示しており、図10は、同指力トレーニング器を底面図により示している。
【0041】
支持部は、バランス体130の一部の形状を変更するようにして形成しても良いし、図9に示すように、指トレーニング器210は盤体220とバランス体230とを有しており、バランス体230を全体的には球面形状としつつ、本体垂直中心軸221bに対して、掌台垂直中心軸222aよりも遠い側から突出してバランス体230の頂部と同じ高さまで突き出る支持部232として形成しても良い。
支持部232がバランス体230の天頂部と同じ高さまで突き出ることにより、例えば掌台222に体重をかけたとしても、バランス体230は傾かない。すなわち、手首が無理な角度に曲がらないようにすることができる。
【0042】
図11は、変形例にかかる指力トレーニング器のバランス体を断面図により示している。
これまではバランス体30,130,230の底面は、下方に向けて凸形状となり、かつ表面の各部位が凸面となる一例として球面の一部を形成するものとしていた。
【0043】
しかし、下方に向けて凸形状となり、かつ表面の各部位が凸面となるものとして、部分的に径を異ならせるようにしても良い。すなわち、バランス体330の下面は、盤体320における中心部位の側で直径φ1の球面であり、外側で直径φ2の球面となると共に、φ1>φ2の関係となっている。すなわち、中心部位の側で外側よりも曲率が大きくなるように形成してある。
【0044】
図11においては、内側で直径φ1であり、外側で直径φ2の球面となっている。このように、内側で、外側よりも曲率が大きくなるようにしつつ、表面の各部位が凸面とさせることができる。表面の各部位が凸面となるようにすることで、指トレーニング機器310は、水平に近い状態から徐々に傾けていくときに、最初は僅かな力の差異によって傾き始め、バランスのトレーニングを開始できる。トレーニング開始後、徐々に慣れて行くにつれて、よりバランス体330を床面に当接させつつ傾けていくことができるようになるが、徐々に傾けるための力は大きくなっていく。すなわち、徐々に大きな力をかけてバランストレーニングをしていくことができる。
【0045】
図12は、変形例にかかる指力トレーニング器の正面図により示しており、図13は、同指力トレーニング器を底面図により示しており、図14は、同変形例にかかる指力トレーニング器の変形状態を正面図により示している。
この実施例では、指力トレーニング器410は、盤体420と、バランス体430とを備えている。
【0046】
本実施例では、図9図10に示す支持部の数が増えており、バランス体430に対して合計8カ所に支持部432が備えられている。この支持部432は、バランス体430において対して本体垂直中心軸421bを軸芯として、本体垂直中心軸421bと結ぶ直線が等間隔となるように8個備えられている。支持部432は、バランス体430に対して着脱可能となっている。
【0047】
本体垂直中心軸421bから掌台422の側だけでなく、指台421aの下方の辺りに突出しているので、床面に置いたときに自由に傾かないようにすることができる。すなわち、バランストレーニングを行いたくない初心者などにとってはバランス体430がないのと同じであり、指力トレーニングだけに着目したトレーニングを行うことができる。
このように、支持部432を複数個装着することで盤体420を傾斜不能とすることができる。
また、指台421aの側の支持部432を外すと、掌台422から指台421aの側に向けて傾くことができるが、手首をより深く曲げる方向には傾かないようにすることができるなど、トレーニングにアレンジを加えることができる。
【0048】
指トレーニング器10,110,210,310,410は、上述した形状とするため、木材、樹脂、金属に限らず様々な材質で形成することができる。その全部または一部を、弾性部材で形成することも可能である。弾性部材は、例えば、内部に空気を入れて膨らませるようなインフレータブルのものから、十分な硬度はあるものの適度な柔らかさを兼ね備えることでトレーニング時に撓むことができる程度のものでも良い。また、内部に空気室を備えることで、この空気室の部分が主に変形するようなものでも良い。すなわち弾性変形可能にする。大きく変形するようにすることで、小さくたためるようにして収納しやすくしてもよいし、変形は小さくしてトレーニングにアレンジを加えられる程度にしておいても良い。また、一部は硬質であり、他の部分はインフレータブルとするようにしても良い。
【0049】
バランス体30,130,230,330,430の下面は下方に向けて凸形状となっているが、全体的には凸形状となっているが、小さな突起を無数に形成するようなものも含まれる。この場合、ある突起の頂点と周縁の突起の頂点とを結ぶ曲線が、下方に向け凸形状となるように配置すれば良い。
【0050】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0051】
10…指力トレーニング器、11…上面、12…下面、20…盤体、21…傾斜面、21a…指台、21a1…指台中心軸、21b…本体垂直中心軸、22…掌台、22a…掌台垂直中心軸、23…固定具、30…バランス体、110…指トレーニング器、120…盤体、121…傾斜面、121a…指台、122…掌台、130…バランス体、210…指トレーニング機器、220…盤体、221b…本体垂直中心軸、222…掌台、222a…掌台垂直中心軸、230…バランス体、232…支持部、310…指トレーニング機器、320…盤体、330…バランス体、410…指トレーニング機器、420…盤体、421b…本体垂直中心軸、422…掌台、430…バランス体、432…支持部。
【要約】
【課題】 水平バランスのトレーニングを行いやすい指力トレーニング器を提供する。
【解決手段】
表面は上方に向けて凸形状として略球面であって指を載置する指台21aと掌を載置する掌台22とを形成した盤体20を有し、下面は前記盤体20における指台21aの部位の縁部から下方に向けて凸形状となり、かつ表面の各部位が凸面となるバランス体30となっている。指力トレーニング器10が傾いても必ずどこかで床面などに接地しており、指力トレーニングに加えて、バランスをとりながらのトレーニングで、指力と同時に体幹も鍛えることができる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14