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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】バッグ類
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
A45C3/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024082499
(22)【出願日】2024-05-21
【審査請求日】2024-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518157551
【氏名又は名称】株式会社OFFICINA CREATIVA
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】中谷 美香
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3073772(JP,U)
【文献】特開2018-038596(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215962(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209742(US,A1)
【文献】米国特許第05160001(US,A)
【文献】特開2020-146343(JP,A)
【文献】登録実用新案第3074826(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1533532(KR,B1)
【文献】特開2000-185741(JP,A)
【文献】実開昭58-003820(JP,U)
【文献】特開2007-319218(JP,A)
【文献】特表2018-520751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向して配置されるバッグ側壁片、このバッグ側壁片の底部相互間に配されたバッグ底壁片、及びバッグ側壁片の端縁相互間を連繋しているサイド壁片から、上部に開口が構成されたボックス状に形成されているバッグ本体と、
のバッグ本体の開口を開閉させるよう相対向してバッグ側壁片の上部に連続した開口部片と、
互間で近接された開口部片の端部に形成された相対向した重合部を、重合部のいずれか一方が他方の上位置に乗りあがり、他方が一方の下位置に潜り込むように上下に重ね合わせて磁着接合させる接合手段とから成り、
接合手段は、相対向する開口部片それぞれの端部の隅角部分を、バッグ本体の内方がわに三角形状に折り曲げ傾斜させて形成した前記重合部に磁石を配置し、開口部片相互を近接したときに対向している重合部が上下で重なり、磁着されるようにして成る、
ことを特徴とするバッグ類。
【請求項2】
接合手段によって重合部相互が上下で重ね合せられて接合されたとき、開口部片の中央部分がせり上がり状となって開口間隙が形成される請求項1に記載のバッグ類。
【請求項3】
開口間隙の直下のバッグ本体内に収納ポケットを配置形成してある請求項2に記載のバッグ類。
【請求項4】
開口部片には、持ち手を連結してあって、この持ち手によって相対向した開口部片を近接あるいは離反させるようにしてある請求項1に記載のバッグ類。
【請求項5】
サイド壁片それぞれには、バッグ本体の外側に突出する支持マチ部が相対向して形成されていて、この支持マチ部はサイド壁片におけるバッグ底壁片との連続部位から上方に若干の間隔を隔てた部位からバッグ本体の開口部に至るまでほぼ鉛直状に設けられている請求項1に記載のバッグ類。
【請求項6】
支持マチ部相互間には、電子端末機器あるいは仕切ポケット盤が支持収納されるようにしてある請求項5に記載のバッグ類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば持ち手の近接・離反によって開口部を簡単に開閉でき、閉塞状態でも例えばスマートフォンなどの携帯情報端末を出し入れでき、さらにはノートパソコンなどの電子端末機器も収納保持でき、これらを収納したときには自立可能にするばかりでなく、男女を問わずビジネス用としても、またプライベート用としても使用可能なバッグ類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、持ち手(提げ手・取っ手)を有する、いわゆるトートバッグと称される各種のバッグ類が提案されている。その開口部は、常時開放形態であるタイプ、閉じ具を有して全面的あるいは部分的な閉塞形態となるタイプなどの各種のものが用意されている。
【0003】
開口部を閉塞する閉じ具として、ファスナーであったり、ボタン・フックであったり、ループ具であったり、磁石であったりなどがある。磁石を利用した磁着構成は、磁石面を合致させる磁着作用で閉塞でき、また強制的に離反させることで開口部を開放できる至便性がある。
【0004】
例えばバッグ類に係る特許文献1、バッグに係る特許文献2及び3などがある。特許文献1のバッグ類は、バッグ本体の開口部で相対向している開口部片の内側面に多数の磁石を配置し、磁着する部位を選択することで開口形態を変更できるとする。特許文献2のバッグは、バッグ本体の開口部における相対向する上縁部相互間を磁石によって閉じ合わせるとする。特許文献3のバッグは、バッグ本体の開口部を覆う別部材の蓋カバーをバッグ本体に磁石止めするとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-38596号公報
【文献】実用新案登録第3096891号公報
【文献】実用新案登録第3065907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが上述した従来の磁着式閉じ具構造は、バッグ本体の開口部の上縁部分を対面状で重ね合せるから、バッグ本体の上方から内部が覗かれるおそれはない反面、閉じ合わせた状態ではバッグ本体内に収納した収納品の取り出しには開口部全体を開放する必要がある。開口部を完全に覆うことができる蓋カバーではこれを別部材として用意しているから、その取り扱い、管理は面倒である。しかも従来の閉じ具構造では、特に障害者にとってはその取り扱いが面倒で不便であることも多く、また、障害者に限らず閉じることなく、そのまま開放した状態で使用していることもあり、防犯上からも好ましいものではなかった。
【0007】
そればかりでなく、近時は各種小物類を収納するバッグとしてのみならず、バッグ類に各種の電子機器、例えばスマートフォンなどの携帯情報端末、ノートパソコンなどの電子端末機器その他を収納して持参携帯するように、ビジネス上で使用することが多くなりつつある。こうした電子機器、その周辺機器その他を収納持参するのに、従来から主として女性が使用するトートバッグでは、収納した小物類とこれらとがバッグ内で乱雑に入り混じり、整理が困難な状況となっている。
【0008】
また、ビジネス用に用意されているいわゆるビジネスバッグでは、堅牢性が考慮されていることとも相俟ち、女性が使用するには躊躇せざるを得ない状況である。また、女性にとってはスマートフォンなどの携帯情報端末を直接に身に着けるには、衣服類に適当な収納ポケットがないために、携帯するバッグ類に収納して持参することがある。そうすると着信時などで取り出すときには、その都度、バッグ類を開放する手間が掛かり、面倒であった。一方、男性にとってもこうした電子機器、周辺機器その他をバッグ類に収納するとしても、大型のバッグ類ではバッグ自体が嵩張るものとなり、その取り扱いも面倒であった。
【0009】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、バッグ本体の開口部に設けた相対向する開口部片相互間の近接あるいは離反によって開口部を簡単に開閉でき、閉じ合わせ閉塞状態でも収納したスマートフォンなどの携帯情報端末を簡単に出し入れでき、しかもノートパソコンなどの電子端末機器をも簡単に収納保持でき、これらの収納保持によってバック自体を自立可能とさせるばかりでなく、性別を問わずに利用可能な体裁が良好なバッグ類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、相対向して配置されるバッグ側壁片2、このバッグ側壁片2の底部相互間に配されたバッグ底壁片3、及びバッグ側壁片2の端縁相互間を連繋しているサイド壁片4から、上部に開口が構成されたボックス状に形成されているバッグ本体1と、このバッグ本体1の開口を開閉させるよう相対向してバッグ側壁片4の上部に連続した開口部片5と、相互間で近接された開口部片5の端部に形成された相対向した重合部11を、重合部11のいずれか一方が他方の上位置に乗りあがり、他方が一方の下位置に潜り込むように上下に重ね合わせて磁着接合させる接合手段10とから成ることを特徴とする。
接合手段10によって重合部11相互が上下で重ね合せられて接合されたとき、開口部片5の中央部分がせり上がり状となって開口間隙15が形成されるように構成することができる。
この開口間隙15の直下のバッグ本体1内に収納ポケット8Aを配置形成して構成することができる
接合手段10は、相対向する開口部片5それぞれの端部の隅角部分を、バッグ本体1の内方がわに三角形状に折り曲げ傾斜させて形成した重合部11に磁石12を配置し、開口部片5相互を近接したときに対向している重合部11が上下で重なり、磁着されるようにして構成することができる。
開口部片5には、持ち手6を連結してあって、この持ち手6によって相対向した開口部片5を近接あるいは離反させるようにして構成することができる。
サイド壁片4それぞれには、バッグ本体1の外側に突出する支持マチ部7が相対向して形成されていて、この支持マチ部7はサイド壁片4におけるバッグ底壁片3との連続部位から上方に若干の間隔を隔てた部位からバッグ本体1の開口部に至るまでほぼ鉛直状に設けられて構成することができる。
支持マチ7部相互間には、電子端末機器あるいは仕切ポケット盤Bが支持収納されるようにして構成することができる。
【0011】
以上のように構成された本発明に係るバッグ類にあって、バッグ本体1の相対向するバッグ側壁片2に連続した開口部片5相互の近接、離反は、接合手段10において、開口部片5の端部に配した重合部11相互が近接したときは、重合部11相互が上下方向で重なり、磁石12によって磁着することで、バッグ本体1の開口部を閉塞させる。逆に開口部片5相互が離反したときは、重合部11相互の磁着状態を強制的に解除して、バッグ本体1の開口部を開放させる。
三角形状に折り曲げてバッグ本体1の内方がわに傾斜している重合部11は、開口部片5相互の近接に伴い、いずれか一方が他方の上位置に乗りあがり、他方が一方の下位置に潜り込むようになり、上下で重ね合せて磁着固定させてバッグ本体1の開口部を半ば閉塞させる。逆に、開口部片5相互の強制的な離反は、磁着固定状態を解除させ、開口部片5相互を広げ、バッグ本体1の開口部を開放させる。
接合手段10によって開口部片5がバッグ本体1を閉塞させるも、せり上がり状で僅かに開放されている開口間隙15を経て、例えば直下に配した収納ポケット8Aに収納保持した例えばスマートフォンなどの携帯情報端末Tを出し入れさせる。
相対向しているサイド壁片4の支持マチ部7は、その相互間に例えばノートパソコンなどの電子端末機器Pが挿入されることで、電子端末機器Pを収納保持させると共に、バッグ本体1自体の自立、バッグ本体1内を仕切らせての収納する各種の小物、物品類の整理などに役立たせる。
開口部片5に連結した持ち手6の近接、離反は、相対向した開口部片5相互をも追随させて近接、離反させ、バッグ本体1の開放、閉塞を直接に操作させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上説明したように構成されているため、バッグ本体1の開口部に相対向して設けた開口部片5相互の近接、離反によって開口部を、ワンタッチ式に力を入れずとも簡単に閉塞あるいは開放できる。しかも開口部片5の端部相互間の接合手段10による磁着作用で閉じ合わせても、僅かに開放されている開口間隙15を経てのスマートフォンなどの携帯情報端末Tの出し入れを可能にさせる。また、ノートパソコンなどの電子端末機器Pをも支持マチ部7相互間で収納保持でき、収納保持したときにはバッグを自立可能にさせ、しかもトートバッグとして性別、年齢、障害の有無、ファッションの好みなどを問わず、シーンを選ばずに長期にわたり使用可能であるなどの利点を有する。
【0013】
すなわちこれは本発明において、上部に開口が構成されたボックス状に形成されているバッグ本体1において、相対向しているバッグ側壁片2の上部それぞれに連続した開口部片5相互間に、近接された開口部片5の端部に形成された重合部11を上下に重ね合わせて接合させる接合手段10を設けたからである。これによって、開口部片5相互間の近接、離反によってバッグ本体1を開放、閉塞でき、また閉塞状態でも例えば携帯情報端末Tの出し入れを可能させている。
【0014】
また、接合手段10は、開口部片5の端部における重合部11の上下で重なる磁着作用によるので、重合部11相互の近接、離反によって簡単にバッグ本体1を開閉でき、しかも、開口部片5に持ち手6を連結してあることで、この持ち手6による操作で面倒な手間を要せず、ワンタッチ式に開閉作用を一層簡単に行うことができ、持ち手6相互を近づけるだけで自然に閉じ合わせることができる。
【0015】
重合部11は、開口部片5の端部の隅角部分を三角形状に折り曲げてバッグ本体1の内方がわに傾斜させてあることで、開口部片5相互の近接は重合部11を上下で重ね合せることになり、磁石12相互を磁着させ、バッグ本体1の開口部を簡単に閉塞させることができる。開口部の閉塞は、開口間隙15が僅かに開放されているのみであることで、例えばバッグ本体1の上方からの第三者による覗き込みがあっても、それを困難にさせ、プライバシーを保つことができ、防犯にも役立てることができる。
【0016】
重合部11相互を磁着させる接合手段10によるバッグ本体1の閉塞時では、重合部11相互が上下で重なり、三角形状であることと相俟ち、開口部片5の中央部分がせり上がり状となって開口間隙15が形成されている。これによって、この開口間隙15を経て、開口間隙15の直下に設けた収納ポケット8Aに収納した、例えば携帯情報端末Tなどを出し入れでき、その都度の開口部の開閉操作を要せず、大きく開放する必要もなく、例えば着信時では迅速に取り出すことができる。
【0017】
また、サイド壁片4それぞれに形成した支持マチ部7は、バッグ本体1の外側に突出させて相対向して形成されていて、支持マチ部7相互間には、電子端末機器Pが支持収納されるようにしてあることで、この電子端末機器Pさらには仕切ポケット盤Bなどがバッグ本体1内に支持収納されたときには、バッグ本体1の自立を一層確実に維持させ、またこれを仕切として利用することでバッグ本体1内に収納した小物、物品類の整理、整頓に役立てることができる。電子端末機器P、仕切ポケット盤Bなどの支持収納は自在、任意であるから、これらを利用しての仕切、利用しないでのバッグ本体1の使用も可能であるから、収納物の選択と共に使用目的に合わせた仕様変更で様々なシーンでフレキシブルに選択使用できる。
【0018】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を実施するための一形態において、収納物品を収納している開放状態時の斜視図である。
図2】同じく閉じ合わせ、閉塞状態時の斜視図である。
図3】同じく開放あるいは閉塞操作時の側面図で、その(A)は開放時、その(BA)は閉鎖あるいは開放途中、その(C)は閉鎖時をそれぞれ示す。
図4】同じくバッグ本体における相対向している開口部片の要部の正面図である。
図5】同じく各種機器その他の収納状態のイメージを示す斜視図である。
図6】同じく物品収納状態の断面図である。
図7】同じく電子端末機器などの物品収納状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1はバッグ本体であり、このバッグ本体1は、図に示すように、相対向して配置されるバッグ側壁片2、このバッグ側壁片2の底部相互間に配されたバッグ底壁片3、及びバッグ側壁片2の端縁相互間を連繋しているサイド壁片4から、上部に開口が構成されたボックス状に形成されている。
【0021】
また、これらの壁片2,3,4は例えば皮革材、キャンバス地材その他の一般的なバッグ類を構成している各種素材によって形成されており、撥水性ある、軽量なレーザー素材が主として予定されている。そして、特に、バッグ側壁片2、サイド壁片4は、バッグ本体1を自立させる程度の剛性を有していることが好ましいが、後述する相対向する開口部片5が持ち手6の操作によって相互に近接して重なり、逆に持ち手6の操作で離反するようになっていればよいから、バッグ側壁片2、サイド壁片4それぞれが剛性であることは必ずしも要求されない。
【0022】
バッグ側壁片2の上部には、このバッグ側壁片2が相対向状態であることと同様に、相対向している開口部片5が連続して設けられている。この開口部片5は、前記サイド壁片4の上方には設けられておらず、バッグ本体1の開口を開閉するもので、バッグ本体1の開口部の閉塞時では互いに近接し、上下方向で重ね合せられるようになっている。
【0023】
開口部片5には、持ち手6が連結されており、持ち手6相互間の近接あるいは離反によって開口部片5相互も近接、離反するようになっており、持ち手6による操作に開口部片5が追随するように、開口部片5には持ち手6の動きに追随する程度の剛性が備えられている。
【0024】
重ね合せられるときの接合状態を維持する接合手段10が開口部片5に設けられている。この接合手段10は、開口部片5それぞれの端部に配した磁石12相互間に生じる磁着作用によるものとしてあり、重ね合わせられる端部では接合可能なように極性が異なっている。
【0025】
接合手段10は、図3に示すように、相対向する開口部片5それぞれの端部の隅角部分を三角形状に折り曲げて形成した重合部11に磁石12を配置し、開口部片5相互を近接したときに対向している重合部11が上下で重なり、磁着されるようにして成る。重合部11は、バッグ本体1の内方がわ、すなわち対向している他方の開口部片5に向かってやや傾斜しており、相互に近接したとき、いずれか一方が上位置に他方が下位置となって上下間で生じる磁着作用で重ね合せられるようになっており、持ち手6の操作でいわば半自動的に開閉できるようにしている。なお、三角形状の重合部11自体は、例えばやや硬質な剛性資材を内装しておくことで、その保形性と、バッグ本体1の内方がわへの傾斜状態の付勢とを図っている。
【0026】
なお、重合部11に配置した磁石12は、例えば円盤状に形成してあって、重合部11が重ね合わせられるときには、上位置の重合部11上面からは磁石12が外観されないように配慮しておくとよい。
【0027】
相対向する開口部片5が接合手段10によって、それらの端部が重ね合わせられるとき、開口部片5それぞれの中央部分ではややせり上がり状となって、開口部片5相互間には、バッグ本体1内に収納保持した小物・物品などを出し入れ可能とさせる開口間隙15が形成されるようにしてある。この開口間隙15は、接合手段10におけるやや傾斜している三角形状の重合部11が相互に重ね合せられることに伴い生じるもので、開口部片5の長さ幅・高さ、重合部11の大きさ・傾斜角度その他の適宜な調整によって開口間隙15の大きさなどが設定される。
【0028】
また、対向する前記サイド壁片4それぞれには、バッグ本体1の外側に突出する支持マチ部7が相対向して形成されている。この支持マチ部7は、平面から見てV字状を呈し(図7参照)、サイド壁片4におけるバッグ底壁片3との連続部位から上方に若干の間隔を隔てた部位からバッグ本体1の開口部に至るまでほぼ鉛直状に設けられており、やや硬質の剛性材によって形成されている。
【0029】
そして、相対向する支持マチ部7の奥底部相互の間隔は、例えばノートバソコンの如き電子端末機器Pあるいは複数のポケットなどが配設されている、ウォールポケットと称される仕切ポケット盤Bなどの幅員に対応しており、これらが支持マチ部7相互間に上方からスライドさせて挿入支持されることで、支持マチ部7相互間で挟むようにして着脱自在に収納、使用されるようにしてある(図5参照)。また、バッグ側壁片2の高さは、電子端末機器Pの高さに比し小さくはないものとしてあって、支持マチ部7相互間の上下位置でぴったりと収納保持されるようにしてある。こうしてぴったりと収納保持されることで、バッグ本体1自体を半ば剛性化させ、バッグ本体1を一層確実に自立させ、しかも仕切としても機能させることによってバッグ本体1内に収納した小物、物品類の整理、整頓に役立てることができるようにしてある。もとより、電子端末機器P、仕切ポケット盤Bなどの使用、収納はいずれも任意である。
【0030】
一方、バッグ本体1には、図6に示すように、各種の小物類、物品などが収納される収納ポケット8A、仕切壁8Bその他が設けられている。特に、前記開口間隙15を経て直接に、例えばスマートフォンなどの携帯情報端末Tが収納される収納ポケット8Aが例えばバッグ側壁片2の内側面の開口間隙15の直下に位置させて形成されている。また、バッグ本体1のバッグ底壁片3面には、例えば収納した電子端末機器Pに対する外部からの衝撃その他を防止する緩衝盤8Cが着脱自在に装入されるようにしてある。また、仕切壁8Bその他は、バッグ本体1内に収納する各種の小物類、物品などに対応して形状、大きさ、位置などはそれらの要否も含め、任意に設定され、図示例に限定されない。
【0031】
また、サイド壁片4の外側面には、バッグ本体1の開口部上で対角線状に配置されるショルダーベルトSを着脱自在に連繋する連繋リング9が設けられている。バッグ本体1の外部には、外部ポケット8Dが設けられている。
【0032】
次にこれの使用の一例を説明すると、バッグ本体1内に適宜の各種の小物、物品類を収納するのであり、必要に応じ、支持マチ部7相互間に所定の電子端末機器Pを挿入支持して、バッグ底壁片3上にセットした緩衝盤8Cを介して収納し、収納ポケット8Aには携帯情報端末Tなどを収納しておく(図1参照)。そして、持ち手6それぞれを持ち上げ相互に接近させると、これに伴い開口部片5相互も近接し、開口部片5の端部の接合手段10の磁石12が磁着接合して開口部が閉塞される(図2参照)。この状態でそのまま携帯、持参すればよい。
【0033】
例えば携帯情報端末Tに着信があれば、バッグ本体1を開放させることなく、開口間隙15を経てそのまま取り出せばよく、使用後は同様に開口間隙15を経て収納ポケット8Aに収納させればよい。
【0034】
収納した電子端末機器Pは、バッグ本体1内から取り出し使用でき、使用後は相対向している支持マチ部7相互間に挿入し、収納保持すれば良い。
【符号の説明】
【0035】
B…仕切ポケット盤
P…電子端末機器
S…ショルダーベルト
T…携帯情報端末
1…バッグ本体
2…バッグ側壁片
3…バッグ底壁片
4…サイド壁片
5…開口部片
6…持ち手
7…支持マチ部
8A…収納ポケット
8B…仕切壁
8C…緩衝盤
8D…外部ポケット
9…連繋リング
10…接合手段
11…重合部
12…磁石
15…開口間隙
【要約】
【課題】持ち手の近接・離反によって開口部を簡単に開閉でき、閉塞状態でも例えば携帯情報端末を出し入れでき、さらには電子端末機器も収納保持できるようにする。
【解決手段】相対向して配置したバッグ側壁片2、このバッグ側壁片2の底部相互間に配したバッグ底壁片3、バッグ側壁片2の端縁相互間を連繋しているサイド壁片4から、上部に開口を構成したボックス状のバッグ本体1を形成する。バッグ側壁片2の上部に連続して相対向した開口部片5と、相互間で近接された開口部片5の端部に形成した重合部11を上下に重ね合わせて磁着接合する接合手段10とを設ける。接合手段10によって重合部11相互を上下で重ね合せて接合したとき、開口部片5の中央部分がせり上がり状となる開口間隙15を形成し、この開口間隙15の直下のバッグ本体1内に収納ポケット8Aを配する。サイド壁片4には外側に突出する支持マチ部7を設ける。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7