(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】システム、携帯端末、商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20250306BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/00 301D
(21)【出願番号】P 2021072866
(22)【出願日】2021-04-22
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠紀
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えたシステムであって、
前記商品販売データ処理装置は、
顧客を特定する顧客情報を取得する入力部と、
入力された顧客情報を含むシンボルを生成する生成部と、
生成された前記シンボルを視覚的に出力する出力制御部と、
を備え、
前記携帯端末は、
ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部と、
撮像部と、
前記出力制御部によって出力された前記シンボルを前記撮像部で撮像する撮像制御部と、
撮像した前記シンボルに含まれる前記顧客情報をダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記商品販売データ処理装置は表示部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記表示部に前記シンボルを表示させ、
前記撮像制御部は、前記表示部に表示された前記シンボルを撮像する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像制御部は、商品を特定する商品特定情報と、当該商品の価格を値引く値引情報を含む商品シンボルをさらに撮像し、
前記携帯端末は、
前記商品特定情報と、前記値引情報または値引いた商品の価格の情報を含む商品情報を記憶する商品情報制御部、をさらに備えた、
を備える請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えた、システムにおける前記携帯端末であって、
ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部と、
撮像部と、
前記商品販売データ処理装置に表示された顧客を特定する顧客情報を含むシンボルを前記撮像部で撮像する撮像制御部と、
撮像した前記シンボルに含まれる前記顧客情報をダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部と、
を備えた携帯端末。
【請求項5】
前記撮像制御部は、商品を特定する商品特定情報と、当該商品の価格を値引く値引情報を含む商品シンボルをさらに撮像し、
前記商品特定情報と、前記値引情報または値引いた商品の価格の情報を含む商品情報を記憶する商品情報制御部、をさらに備えた、
を備えた請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、
ダウンロードしたアプリケーションを動作させて前記商品の商品登録処理を行う携帯端末と、を備えた、システムにおける前記商品販売データ処理装置であって、
顧客を特定する顧客情報を入力する入力部と、
入力された顧客情報を含むシンボルを生成する生成部と、
表示部と、
前記携帯端末にダウンロードした前記アプリケーションを動作させる前記顧客情報を設定するために、前記携帯端末が撮像する前記シンボルを前記表示部に表示する出力制御部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、システム、携帯端末、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において、従業員等の省人化が進められている。そのため、商品の情報を印したバーコードや二次元コード等のシンボルを顧客が携帯する携帯端末のカメラ機能を使用して顧客自身が撮像することで商品登録処理を行うスタイルが提案されている。
【0003】
このような処理は、例えば、顧客が携帯する携帯端末に専用のアプリケーションをダウンロードすることで、携帯端末において商品登録処理の機能を実行することができる。
【0004】
しかしながら、顧客は、自らアプリケーションを携帯端末にダウンロードすることや、ダウンロードしたアプリケーションに会員情報の登録をすることを手間に感じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、アプリケーションのダウンロードの促進につながることが可能なシステム、携帯端末、商品販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のシステムは、販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えた、システムであって、前記商品販売データ処理装置は、顧客を特定する顧客情報を取得する入力部と、入力された顧客情報を含むシンボルを生成する生成部と、生成された前記シンボルを視覚的に出力する出力制御部と、を備え、前記携帯端末は、ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部と、撮像部と、前記出力制御部によって出力された前記シンボルを前記撮像部で撮像する撮像制御部と、撮像した前記シンボルに含まれる前記顧客情報をダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、店舗に設置された第1実施形態に係るシステムを示す説明図である。
【
図2】
図2は、陳列棚の商品の陳列状況を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、システムの接続関係を示す説明図である。
【
図4】
図4は、店舗サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、POS端末および携帯端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、携帯端末の制御処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、携帯端末の制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、店舗サーバの制御処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、POS端末の制御処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係るシステムの接続関係を示す説明図である。
【
図13】
図13は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、POS端末および携帯端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図15】
図15は、携帯端末の制御処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、POS端末の制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態では、POS端末を商品販売データ処理装置の一例として説明する。また第1実施形態では、携帯端末、POS端末、店舗サーバをシステムとして説明するが、店舗サーバはシステムとして必須ではない。なお、以降の第1実施形態の説明で本願発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、第1実施形態のシステムが設置された店舗を示す説明図である。
図1に示すように、店舗Tは、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアであり、商品を販売する店舗である。店舗Tは、ショッピングエリアSHと精算エリアSとバックヤードBを有している。ショッピングエリアSHには、商品が陳列された一または複数の陳列棚Cが設置されている。各陳列棚Cに商品が商品別に陳列されている。また、精算エリアSには、一台または複数台のPOS(Point of Sales)端末3が設置されている。POS端末3は、陳列された商品についての商品登録処理と決済処理を行う。バックヤードBには、店舗サーバ1が設置される。
【0010】
POS端末3が処理する商品登録処理とは、後述するスキャナ46(
図5を参照)が読み取ったシンボルに基づいて当該商品を特定する商品コード(商品特定情報)を取得し、取得した商品コードに基づいて後述する商品マスタ342(
図5を参照)から当該商品に係る商品情報(商品名、商品の価格、等)を読み出し、当該商品情報を商品情報部331(
図5を参照)に記憶する処理をいう。顧客がPOS端末3で商品登録をする場合に、POS端末3は商品登録処理を実行する。
【0011】
決済処理とは、商品情報部331に記憶されている商品情報に基づいて、当該取引に係る決済を行う処理をいう。また、決済処理は、合計金額や商品情報を印字したレシートの発行を含む。決済処理が終了すると、一顧客との取引が終了する。
【0012】
また、POS端末3は、顧客が携帯端末5にアプリケーションソフト(以降「アプリケーション」という)をダウンロード(以降「DL」という)し、インストールした場合に、顧客が当該携帯端末5を利用するための情報の設定をサポートする。例えば、POS端末3は、当該携帯端末5が設定する会員情報の表示を行う。POS端末3は、例えば顧客から預かったポイントカードに印刷されたバーコード等のシンボルをスキャナ46で読み取る、あるいはシンボルを撮像する(以降、これらの操作を「読み取る」という)。バーコードには、顧客を特定する顧客コードの情報(顧客情報)が含まれており、POS端末3は、シンボルを読み取ることで、バーコードに含まれている顧客コードを取得(入力)する。次にPOS端末3は、入力された顧客コードに基づいて、店舗サーバ1に対し、当該顧客の情報と電子レシートID(Identity)を問い合わせる。電子レシートIDは、顧客に電子レシートを送信する際に顧客を特定するID(顧客情報)であり、例えば電子レシート情報を送信する携帯端末のメールアドレスの情報、あるいはメールアドレスに関連付けられた情報である。POS端末3は、問合せに対して応答した店舗サーバ1から、当該顧客に係る電子レシートIDが設定されていない旨の情報、または電子レシートIDを受信する。次にPOS端末3は、取得した顧客コード及び/または顧客に係る会員情報を示す会員情報のシンボル(例えば二次元コード)を生成する。POS端末3は、店舗サーバ1から電子レシートIDを受信している場合には、取得した会員情報と受信した電子レシートIDを含む会員情報のシンボルを生成する。当該シンボルは、携帯端末5が撮像して解析が可能なコードである。POS端末3は、生成したシンボルを表示部43に表示する。
【0013】
また、POS端末3は、携帯端末5を介して商品登録処理がされた商品情報に基づいて決済処理を実行する。POS端末3は、商品登録処理を行った携帯端末5によって表示された識別情報を示すシンボル(例えば、会員情報を含む)をスキャナ46で読み取る。POS端末3は、読み取った識別情報に基づいて、店舗サーバ1から、顧客が携帯端末5を操作することによって商品登録処理を行った当該会員の商品情報を受信する。POS端末3は、当該商品情報に基づいた決済処理を実行する。
【0014】
携帯端末5は、店舗Tにおいて使用するアプリケーションをDLしインストールする。このアプリケーションは、携帯端末5が店舗T内において購入する商品について商品登録処理を行う機能を有する。このアプリケーションは、例えば図示しないインターネット回線を介してホームページ等からDLする。携帯端末5は、DLしたアプリケーションがインストールされ、インストールしたアプリケーションに会員情報が設定されることで、商品登録処理が実行可能となる。また、携帯端末5は、後述する携帯端末5が処理する商品登録処理による割引価格が適用される。
【0015】
携帯端末5が処理する商品登録処理とは、後述するカメラである撮像部63(
図6を参照)が撮像したシンボルに基づいて当該商品を特定する商品コードを取得して、取得した商品コードに基づいて当該商品に係る商品情報(商品名、商品の価格、等)を店舗サーバ1から受信して、表示部61(
図6を参照)に表示するとともに、当該商品情報を商品情報記憶部532(
図6を参照)に記憶する処理をいう。顧客が携帯端末5で商品登録をすると、携帯端末5は商品登録処理を実行する。
【0016】
また、携帯端末5は、POS端末3と連携して、インストールされたアプリケーションに顧客の会員情報を設定することを可能とする。携帯端末5は、アプリケーションを起動し、アプリケーションとともに動作する撮像部63を介して、POS端末3の表示部43に表示された会員情報を含むシンボルを撮像する。携帯端末5は、撮像したシンボルから会員情報を取得して、会員情報部543(
図6を参照)に記憶する。すなわち、携帯端末5は、インストールされたアプリケーションに会員情報を設定する。例えば、顧客は、POS端末3において精算の順番を待つレジ待ちをしている間などに、アプリケーションをDLおよびインストールして起動しておく。顧客が例えば会員情報を特定する顧客コードなどを印字したポイントカードなどのメディアを店員に渡すと、店員が当該ポイントカードの顧客コードをスキャナ46に読み取らせる。POS端末3は取得した顧客コードに基づき会員情報を取得すると、取得した取得した会員情報をシンボル化して表示する。顧客は、表示されたシンボルを携帯端末5で撮像するだけで、アプリケーションに当該会員情報を容易に設定することができる。そのため、アプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0017】
また、アプリケーションに会員情報が設定された携帯端末5では、携帯端末5が処理する商品登録処理による割引価格が適用される。携帯端末5は、アプリケーションを介して、陳列棚Cに陳列されている商品に対応して陳列棚Cに貼付されているPOPに印刷されている、二次元コード等で形成される商品シンボルを撮像して、解析することが可能となる。
図2は、陳列棚Cの商品の陳列状況を説明するための説明図である。
図2に示すように、各陳列棚Cには、商品Dが、商品別に陳列されている。また、陳列棚Cの各商品付近には、当該商品の商品名や通常価格等の商品情報が表示されたポップEが貼付されている。また、ポップEには、二次元コードで構成されたシンボルG(商品シンボル)が表示されている。シンボルGには、商品を特定する商品コードと、当該商品の価格を値引く(あるいは割り引く)値引情報(例えば割引率の情報)が含まれる。アプリケーションの商品登録処理においてシンボルGが撮像されると、携帯端末5は、撮像したシンボルGを解析して、当該商品の商品コードと値引情報を取得することができる。携帯端末5によってシンボルGを撮像しない顧客は、通常価格からの値引きの特典を受けることができない。
【0018】
なお、シンボルGは暗号化処理がされているため、アプリケーションをインストールしていない携帯端末5でシンボルGを撮像しても、商品コードと値引情報を取得することはできない。携帯端末5にインストールされているアプリケーションが暗号を解析することで携帯端末5は商品コードと値引情報を取得することができる。
【0019】
携帯端末5を携帯する顧客は、購入する商品D付近に貼付されたポップEに表示されたシンボルGを、アプリケーションの商品登録処理において撮像部63(
図6を参照)を介して撮像する。携帯端末5(アプリケーション)は、撮像したシンボルGを解析して、当該商品Dの商品コードと値引情報を取得する。そして携帯端末5は、取得した所品コードに基づいて、店舗サーバ1に商品情報を問合せ、受信した商品情報に基づいて当該商品Dの商品登録処理を実行する。
【0020】
携帯端末5は、商品登録処理として、店舗サーバ1から受信した商品情報に含まれる当該商品Dの通常価格と、上記取得した値引情報である割引率に基づいて、当該商品Dの会員価格(通常価格から値引きされた価格)を算出する。そして携帯端末5は、算出した当該商品Dの会員価格を記憶する。
【0021】
また、携帯端末5は、購入するすべての商品Dの商品登録処理が終了して、顧客によって会計キー621(決済指示部、
図6を参照)が操作されると、商品登録処理した商品情報を会員情報とともに店舗サーバ1に送信する。また、携帯端末5は、POS端末3に読み取らせる会員情報と決済をすることを示す情報を例えば二次元コード等のシンボルで表示する。
【0022】
店舗サーバ1は、店舗Tの売上情報を管理する。また店舗サーバ1は、電子レシートIDを含む顧客情報を顧客コードに対応させて顧客別に記憶する。また、店舗サーバ1は、POS端末3から問合せがあると、携帯端末5から受信した商品情報をPOS端末3に送信する。
【0023】
また、店舗Tの入口I付近には、例えばバーコードや二次元コード等のシンボルで形成されたチェックインコードSHが表示されている。チェックインコードSHには例えば当該店舗Tに設置された店舗サーバ1と携帯端末5が接続できるためのアクセス情報(例えば店舗サーバ1のアドレス情報)が含まれる。アプリケーションをインストールした携帯端末5を使用して、店舗Tへの来店時に入口IにおいてチェックインコードSH撮像すると、携帯端末5は、当該店舗Tに設置された店舗サーバ1へのアクセス情報を取得する。
【0024】
次に、システム10の接続構成について説明する。
図3は、システム10の接続関係を示す説明図である。システム10は、店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5を備える。店舗サーバ1とPOS端末3は、例えばLAN(Local Area Network)等の通信回線Lを介して接続され、相互に情報を送受信することが可能である。また、店舗サーバ1と携帯端末5は、例えば中継器9および無線LAN等の通信回線MLを介して接続され、相互に情報を送受信することが可能である。
【0025】
次に、店舗サーバ1のハードウェアについて説明する。
図4は、店舗サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、店舗サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する店舗サーバ1に係る制御処理を実行する。
【0026】
RAM13は、売上管理部131を有する。売上管理部131は、店舗Tにおいて各POS端末3が決済処理した商品Dの商品情報や決済情報を累積的に記憶する。
【0027】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。メモリ部14は、制御プログラム部141、顧客マスタ142、商品マスタ143を備える。制御プログラム部141は、店舗サーバ1を制御するための制御プログラムを記憶する。顧客マスタ142は、当該店舗サーバ1を携帯する顧客を特定する顧客コードを記憶する。顧客マスタ142は、顧客コード別に、当該顧客に係る顧客情報(顧客の氏名、住所、電話番号、電子レシートID、等)を記憶する。商品マスタ143は、商品を特定する商品コード別に、当該商品の商品情報(商品名、商品の価格(通常価格)、等)を記憶する。
【0028】
また、制御部100は、バス15およびコントローラ16を介して、表示部21、操作部22と電気的に接続する。表示部21は、例えば液晶表示器であり、店舗サーバ1を操作する顧客に情報を表示する。操作部22は、例えば表示部21上に設けられたタッチパネル等のキーボードである。
【0029】
また、制御部100は、バス15を介して、通信部23、通信部24と接続している。通信部23は、例えばLAN回線である通信回線Lを介してPOS端末3と接続して、相互に情報の送受信を行う。また、通信部24は、例えば無線LAN回線である通信回線MLを介して携帯端末5と接続して、相互に情報の送受信を行う。
【0030】
次に、POS端末3のハードウェアについて説明する。
図5は、POS端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、POS端末3は、CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34等を備えている。CPU31は制御主体となる。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM33はプログラムや各種データを展開する。メモリ部34は各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34は、互いにバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32やメモリ部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末3に係る制御処理を実行する。
【0031】
RAM33は、商品情報部331を有する。商品情報部331は、スキャナ46で商品コードを読み取った商品Dの商品情報を記憶する。また、商品情報部331は、携帯端末5で商品登録処理を行った商品Dの商品情報を、店舗サーバ1から受信して記憶する。制御部300は、商品情報部331に記憶されている商品情報に基づいて決済処理を実行する。
【0032】
メモリ部34は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。メモリ部34は、制御プログラム部341、商品マスタ342を有する。制御プログラム部341は、POS端末3を制御するための制御プログラムを記憶する。商品マスタ342は、商品Dを特定する商品コードに対応付けて商品Dの商品情報を記憶する。商品マスタ342は、商品マスタ143と同じ情報を記憶する。
【0033】
また、制御部300は、バス35およびコントローラ36を介して、操作部41、表示部42、表示部43、キーボード44、プリンタ45、スキャナ46と電気的に接続する。操作部41は、締めキー411を含むキーボードである。締めキー411は、POS端末3において商品登録処理を終了し、決済処理に移行する際に操作する。操作部41は、表示部42上に設けられたタッチキーを含む。表示部42は、例えば液晶表示器であり、POS端末3を操作する操作者に情報を表示する。表示部43は、例えば液晶表示器であり、顧客に情報を表示する。プリンタ45は、決済処理した商品Dの商品情報と決済情報を印字したレシートを発行する。スキャナ46は、カメラまたは光学的読取装置であって、バーコードや二次元コード等のシンボルを読み取る。
【0034】
また、制御部300は、バス35を介して、通信部47と接続している。通信部47は、通信回線Lを介して店舗サーバ1と接続して、情報の送受信を行う。
【0035】
ここからは、携帯端末5のハードウェア構成について説明する。
図6は、携帯端末5のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6に示すように、携帯端末5は、CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54等を備えている。CPU51は制御主体となる。ROM52は各種プログラムを記憶する。RAM53はプログラムや各種データを展開する。メモリ部54は各種プログラムを記憶する。CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54は、互いにバス55を介して接続されている。CPU51とROM52とRAM53が、制御部500を構成する。すなわち、制御部500は、CPU51がROM52やメモリ部54に記憶されRAM53に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する携帯端末5に係る制御処理を実行する。
【0036】
RAM53は、コード情報部531、商品情報記憶部532、サーバ情報部533を有する。コード情報部531は、シンボルGから取得した商品コードと値引情報を関連付けて記憶する。商品情報記憶部532は、取得した商品コードに基づいて店舗サーバ1から受信した当該商品Dの商品名、通常価格、通常価格と値引情報から算出した値引き後の価格(例えば、会員価格)等を商品コード別に記憶する。サーバ情報部533は、携帯端末5がチェックインコードSHを撮像して取得した、当該店舗Tに設置された店舗サーバ1へのアクセス情報を記憶する。
【0037】
メモリ部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。メモリ部54は、制御プログラム部541、アプリ部542、会員情報部543、会員登録フラグ部544を有する。制御プログラム部541は、携帯端末5を制御するための制御プログラムを記憶する。アプリ部542は、DLしてインストールしたアプリケーションのプログラムを記憶する。会員情報部543は、POS端末3が表示した会員情報(顧客コード、電子レシートIDを含む)のシンボルを携帯端末5の撮像部63を介して撮像し、取得した当該顧客の会員情報を記憶する。会員登録フラグ部544は、インストールしたアプリケーションに顧客の会員情報が設定された場合(すなわち、会員情報部543に会員情報が設定された場合)に、会員登録フラグを「1」にする。また、会員登録フラグ部544は、インストールしたアプリケーションに顧客の会員情報が設定されていない場合(すなわち、会員情報部543に会員情報が設定されていない場合)に、会員登録フラグを「0」にする。
【0038】
また、制御部500は、バス55およびコントローラ56を介して、表示部61、操作部62、撮像部63と電気的に接続する。表示部61は、携帯端末5を操作する顧客に情報を表示する。操作部62は、会計キー621を含むキーボードである。会計キー621は、携帯端末5において、商品登録処理を終了して会計を行う場合に操作する。撮像部63は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサからなる携帯端末5に内蔵されたカメラである。撮像部63は、バーコードや二次元コード等のシンボルを撮像する。
【0039】
また、制御部500は、バス55を介して、通信部64と接続している。通信部64は、通信回線MLを介して店舗サーバ1と接続しており、相互に情報の送受信を行う。
【0040】
次に、システム10を構成するPOS端末3と携帯端末5の機能構成について説明する。
図7は、POS端末3および携帯端末5の機能構成を示す機能ブロック図である。POS端末3の制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、入力部301、生成部302、出力制御部303、決済部304として機能する。
【0041】
入力部301は、顧客を特定する顧客情報を入力する。具体的には、入力部301は、スキャナ46が、ポイントカード等から顧客情報である顧客コードを読み込んで入力する。
【0042】
生成部302は、入力された顧客情報を含むシンボルを生成する。具体的には、生成部302は、入力された顧客コードと、当該顧客コードに基づいて取得した電子レシートIDを含む二次元コードを生成する。
【0043】
出力制御部303は、生成されたシンボルを出力する。具体的には、出力制御部303は、生成された二次元コードを表示部43に表示する。
【0044】
決済部304は、決済が指示されると商品情報に基づいて決済処理を実行する。具体的には、決済部304は、携帯端末5から会員情報が入力されると、当該会員情報に関連付けられた商品情報を店舗サーバ1から取得して商品情報部331に記憶する。決済部304は商品情報部331に記憶された商品情報に基づいて決済処理を実行する。なお、携帯端末5によって商品登録された商品情報は、店舗サーバ1に記憶される。また、決済部304は、POS端末3における商品登録処理と、商品登録された商品について決済処理を実行する。
【0045】
また、携帯端末5の制御部500は、ROM52やメモリ部54の制御プログラム部541に記憶された制御プログラムに従うことで、記憶部501、撮像制御部502、設定部503、商品情報制御部504、送信部505として機能する。
【0046】
記憶部501は、DLしてインストールしたアプリケーションを記憶する。具体的には、記憶部501は、DLしてインストールしたアプリケーションをアプリ部542に記憶する。
【0047】
撮像制御部502は、表示されたシンボルを撮像部63で撮像する。具体的には、撮像制御部502は、POS端末3の表示部43に表示された会員情報を含む二次元コードを、撮像部63を動作させて撮像する。また、撮像制御部502は、表示部43に表示された会員情報を含む二次元コードを撮像部63が撮像することで会員情報を取得したかを判断する。
【0048】
設定部503は、撮像したシンボルに含まれる顧客情報をインストールしたアプリケーションを動作させるために設定する。具体的には、設定部503は、撮像したシンボルに含まれる会員情報をインストールしたアプリケーションを動作させるために会員情報部543に設定する。
【0049】
商品情報制御部504は、アプリケーションが動作して携帯端末5に会員情報が設定された後の機能であって、商品コードと、通常価格から値引きした会員価格を含む商品情報を記憶する。具体的には、アプリケーションが動作して会員情報が設定された後に、商品情報制御部504は、商品コードと会員価格を含む商品情報を商品情報記憶部532に記憶する商品登録処理を実行する。
【0050】
送信部505は、決済が指示されると商品情報制御部504によって記憶された商品情報を送信する。具体的には、送信部505は、会計キー621が操作されると、会員情報部543に記憶されている会員情報と商品情報記憶部532によって記憶された商品情報を店舗サーバ1に送信する。
【0051】
次に、携帯端末5の制御について説明する。
図8は、アプリケーションと制御部500による携帯端末5に会員情報を設定する処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、携帯端末5の制御部500は、アプリケーションをDLしたかを判断する(S11)。DLしたと判断した場合には(S11のYes)、記憶部501は、DLしたアプリケーションをインストールしてアプリ部542に記憶する(S12)。そして制御部500は、S11に戻る。
【0052】
また、アプリケーションのDLではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部500は、会員登録フラグ部544に記憶されている会員登録フラグが「1」であるかを判断する(S13)。会員登録フラグ=1でない場合には(S13のNo)、次に撮像制御部502は、POS端末3から会員情報を取得したかを判断する(S14)。会員情報を取得するまで待機し(S14のNo)、撮像制御部502がPOS端末3の表示部43に表示された二次元コードを撮像することで会員情報を取得したと判断した場合には(S14のYes)、設定部503は、取得した会員情報を会員情報部543に設定(記憶)する(S15)。すなわち、設定部503は、アプリケーションに会員情報を設定する。そして制御部500は、会員登録フラグ部544にフラグ「1」を記憶する(S15)。そして制御部500は、S11に戻る。なお、図示しないが、S14の判断は、S12においてアプリケーションが記憶されている場合に行い、アプリケーションが記憶されていない場合には、S14の判断をすることなくS11に戻る。
【0053】
ここからは、
図9に基づいて説明する。
図9では、アプリケーションを使用して会員価格で商品を提供するための携帯端末5の処理の一例を示す。また、S13において、会員登録フラグ=1であると判断した場合には(S13のYes)、携帯端末5に会員情報が設定されているため、携帯端末5による商品登録処理が可能となる。制御部500は、チェックインコードSHを読み取ったかを判断する(S21)。チェックインコードSHを読み取るまで待機し(S21のNo)、チェックインコードSHを読み取ったと判断した場合には(S21のYes)、制御部500は、読み取ったチェックインコードSHに含まれている店舗サーバ1へのアクセス情報をサーバ情報部533に記憶する(S22)。
【0054】
次に制御部500は、陳列棚Cに貼付されたポップEに表示されたシンボルGを撮像したかを判断する(S31)。シンボルGを撮像したと判断した場合には(S31のYes)、制御部500は、シンボルGを解析して、商品コードと値引情報(割引率)を取得する(S32)。そして制御部500は、取得した商品コードと値引情報を関連付けてコード情報部531に記憶する(S33)。次に制御部500は、取得した商品コードに基づいて、店舗サーバ1に対して商品情報の問合せを行う(S34)。そして制御部500は、店舗サーバ1から問合せに対する応答があったかを判断する(S35)。応答があるまで待機し(S35のNo)、応答があったと判断した場合には(S35のYes)、応答に含まれる商品情報に基づいて、当該商品Dの通常価格と値引情報から当該商品Dの会員価格を算出する(S36)。そして、商品情報制御部504は、商品登録処理を行い、商品コードと算出した会員価格を含む商品情報を商品情報記憶部532に記憶する(S37)。そして制御部500は、S31に戻る。
【0055】
一方、シンボルGの撮像ではないと判断した場合には(S31のNo)、制御部500は、会計キー621が操作されたかを判断する(S41)。会計キー621が操作されたと判断した場合には(S41のYes)、送信部505は、会員情報部543に記憶されている会員情報と商品情報記憶部532に記憶されている商品情報を、店舗サーバ1に送信する(S42)。そして携帯端末5は、送信した会員情報を含む二次元コード等のシンボルを、表示部61に表示する(S43)。そして制御部500は処理を終了する。なお、会計キー621の操作ではないと判断した場合には(S41のNo)、制御部500はS31に戻る。
【0056】
次に、店舗サーバ1の制御について説明する。
図10は、店舗サーバ1の制御処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、店舗サーバ1の制御部100は、携帯端末5から、S34の処理による問合せがあったかを判断する(S51)。携帯端末5から問合せがあったと判断した場合には(S51のYes)、制御部100は、受信した商品コードに対応した商品情報(商品名、商品Dの通常価格、等)を商品マスタ143から抽出する(S52)。そして制御部100は、抽出した商品情報を、問合せがあった携帯端末5に送信する(S53)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0057】
また、携帯端末5からの問合せではないと判断した場合には(S51のNo)、制御部100は、携帯端末5からS42の処理による会員情報と商品情報を受信したかを判断する(S54)。会員情報と商品情報を受信したと判断した場合には(S54のYes)、制御部100は、受信した会員情報と商品情報を関連付けて顧客マスタ142に記憶する(S55)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0058】
また、携帯端末5からの会員情報と商品情報の受信ではないと判断した場合には(S54のNo)、制御部100は、後述するS82の処理による、POS端末3から会員情報を付した問合せを受信したかを判断する(S56)。POS端末3から会員情報を付した問合せがあったと判断した場合には(S56のYes)、受信した会員情報に基づいて顧客マスタ142を検索し、S55の処理で記憶した対応する商品情報を抽出して問合せがあったPOS端末3に送信する(S57)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0059】
また、POS端末3からの会員情報を付した問合せの受信ではないと判断した場合には(S56のNo)、制御部100は、POS端末3から顧客コードを付した問合せを受信したかを判断する(S58)。POS端末3から顧客コードを付した問合せを受信したと判断した場合には(S58のYes)、制御部100は、当該顧客コードに基づいて顧客マスタ142を検索し、顧客の会員情報を抽出する。制御部100は、当該顧客の会員情報を問い合わせがあったPOS端末3に送信する(S59)。例えば、会員情報に電子レシートIDが含まれる場合、制御部100は、当該顧客の電子レシートIDを含めて問合せがあったPOS端末3に送信する。電子レシートIDを抽出しなかった場合、制御部100は、電子レシートIDが設定されていない旨を問合せがあったPOS端末3に送信してもよい。そして制御部100は、S51に戻る。なお、POS端末3からの顧客コードを付した問合せの受信ではないと判断した場合には(S58のNo)、制御部100はS51に戻る。なお、制御部100は、会員情報として、顧客コードの他に、会員の氏名、住所、電話番号等の情報を含めて問い合わせがあったPOS端末3に送信してもよい。
【0060】
次に、POS端末3の制御について説明する。
図11は、POS端末3の制御処理を示すフローチャートである。
図11に示すように、POS端末3の制御部300は、スキャナ46がポイントカードに表示されたシンボルを読み取ったかを判断する(S61)。シンボルを読み取ったと判断した場合には(S61のYes)、入力部301は、読み取ったシンボルを解析してシンボルに含まれるポイントカードを特定する顧客コードを取得する(S62)。
【0061】
次に制御部300は、取得した顧客コードを付して店舗サーバ1に問合せし、当該顧客コードが特定する顧客の会員情報(例えば、電子レシートID等)を取得する(S63)。次に生成部302は、顧客コード及び/又は会員情報(電子レシートIDを含む)を示すシンボル(二次元コード)を生成する(S64)。そして出力制御部303は、生成したシンボルを表示部43に表示する(S65)。そして制御部300は、S61に戻る。
【0062】
また、ポイントカードに表示されたシンボルの読み取りではないと判断した場合には(S61のNo)、制御部300は、スキャナ46によって商品Dに付されたシンボル(バーコード)を読み取ったかを判断する(S71)。商品Dに付されたシンボルを読み取ったと判断した場合には(S71のYes)、制御部300は、読み取ったシンボルに基づいて商品登録処理を実行する(S72)。そして制御部300は、S61に戻る。
【0063】
また、商品Dに付されたシンボルの読み取りではないと判断した場合には(S71のNo)、制御部300は、S43の処理で携帯端末5の表示部61に表示したシンボルを読み取ったかを判断する(S81)。シンボルを読み取ったと判断した場合には(S81のYes)、制御部300は、当該シンボルに含まれる会員情報を付して、店舗サーバ1に対して問合せを行う(S82)。そして制御部300は、問合せに対する応答として店舗サーバ1から商品情報を受信したかを判断する(S83)。受信するまで待機し(S83のNo)、店舗サーバ1から商品情報を受信したと判断した場合には(S83のYes)、決済部304は、受信した商品情報に基づいて決済処理を実行する(S84)。そして制御部300は、S61に戻る。
【0064】
また、表示部61に表示したシンボルの読み取りではないと判断した場合には(S81のNo)、制御部300は、締めキー411が操作されたかを判断する(S85)。締めキー411が操作されたと判断した場合には(S85のYes)、制御部300は、商品情報部331に記憶されている商品情報に基づいて決済処理を実行する(S84)。そして制御部300は、S61に戻る。また、締めキー411の操作ではないと判断した場合には(S85のNo)、制御部300はS61に戻る。
【0065】
以上説明したように、第1実施形態のシステム10は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10であって、POS端末3は、顧客を特定する顧客情報を取得する入力部301と、入力された顧客コードを含む二次元コードを生成する生成部302と、生成された二次元コードを視覚的に表示部43に出力する出力制御部303と、を備え、携帯端末5は、ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部501と、撮像部63と、出力制御部303によって出力された二次元コードを撮像部63で撮像する撮像制御部502と、撮像した二次元コードに含まれる顧客コードをダウンロードしたアプリケーションを動作させるために会員情報部543に設定する設定部503と、を備える。
【0066】
このような第1実施形態のシステム10は、例えばPOS端末3において精算の順番を待つレジ待ちをしている間にアプリケーションをDLしてインストールしておけば、POS端末3に表示された二次元コードを携帯端末5で撮像するだけで、携帯端末5に会員情報をセットすることができる。そのため、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0067】
また、第1実施形態の携帯端末5は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10における携帯端末5であって、ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部501と、撮像部63と、POS端末3に表示された顧客を特定する顧客コードを含むシンボルを撮像部63で撮像する撮像制御部502と、撮像したシンボルに含まれる顧客コードをダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部503と、を備える。
【0068】
このような第1実施形態の携帯端末5は、例えばPOS端末3において精算の順番を待つレジ待ちをしている間にアプリケーションをDLしてインストールしておけば、POS端末3に表示された二次元コードを携帯端末5で撮像するだけで、携帯端末5に会員情報をセットすることができる。そのため、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0069】
また、第1実施形態のPOS端末3は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10におけるPOS端末3であって、顧客を特定する顧客コードを入力する入力部301と、入力された顧客コードを含むシンボルを生成する生成部302と、表示部43と、生成されたシンボルを表示部43に表示する出力制御部303と、を備える。
【0070】
このような第1実施形態のPOS端末3は、携帯端末5にDLしたアプリケーションを利用する際に設定する会員情報を含む二次元コードを表示部43に表示する。そのため、携帯端末5が当該二次元コードを撮像すれば会員情報を設定できるため、レジ待ちの間に携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0071】
(第2実施形態)
ここからは、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、POS端末3に表示された二次元コードを携帯端末5が撮像することで、携帯端末5に会員情報を設定するものであるが、第2実施形態は、携帯端末5に二次元コードで表示された、携帯端末を特定する端末コード(シンボル)をPOS端末3が読み取ることで、POS端末3が送信した会員情報を携帯端末5が受信して設定するものである。なお、第1実施形態で使用した
図1、
図2、
図4、
図6、
図9、
図10は、第2実施形態においても同様の構成である。また、その他の構成においても、第1実施形態と同一の構成や制御については同一の符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0072】
図12は、第2実施形態に係るシステム10の接続関係を示す説明図である。
図12に示すように、各POS端末3と各携帯端末5は、例えばインターネット等の通信回線Nによって接続可能であり、POS端末3と携帯端末5は、通信回線Nを介して情報の送受信が可能である。
【0073】
図13は、第2実施形態に係るPOS端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図13に示すように、POS端末3のメモリ部34は、端末フラグ部343を備える。端末フラグ部343は、携帯端末5に表示された端末コードの情報、および端末コードを読み取ったことを示す情報(例えばフラグ情報)が記憶される。
【0074】
図14は、第2実施形態に係るPOS端末3および携帯端末5の機能構成を示す機能ブロック図である。POS端末3の制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、入力部301、決済部304、読取制御部305、顧客情報送信部306として機能する。
【0075】
読取制御部305は、表示されたシンボルを読み取る。具体的には、読取制御部305は、携帯端末5の表示部61に表示された端末コードを含む二次元コードを読み取る(撮像する)。
【0076】
顧客情報送信部306は、読み取った二次元コードから取得した端末コードで特定される携帯端末5に対して、顧客を特定する顧客コードと電子レシートIDを含む会員情報を送信する。この場合、顧客情報送信部306は、通信回線Nを介して携帯端末5に対して会員情報をプッシュ送信する。
【0077】
また、携帯端末5の制御部500は、ROM52やメモリ部54の制御プログラム部541に記憶された制御プログラムに従うことで、記憶部501、商品情報制御部504、送信部505、生成部506、表示制御部507、設定部508として機能する。なお、本実施の形態では、携帯端末5のメモリ部54のアプリ部542にアプリケーションがインストールされているものとする。
【0078】
生成部506は、アプリケーションと共同して携帯端末5を特定する端末コードを含む二次元コード(シンボル)を生成する。具体的には、生成部506は、アプリ部542に記憶されたアプリケーションを起動すると携帯端末5を特定する識別情報を含む二次元コードを生成する。携帯端末5を特定する識別情報としては、携帯のOSやクラウドサービスのアカウント、携帯番号、その他の端末コード、または起動したアプリケーションの識別番号などを含む。
【0079】
表示制御部507は、生成した二次元コードを表示する。具体的には、表示制御部507は、生成した二次元コードを表示部61に表示する。
【0080】
設定部508は、受信した会員情報を、DLしインストールしたアプリケーションを動作させるために設定する。具体的には、設定部508は、POS端末3から受信した顧客コードをDLしインストールしたアプリケーションを動作させるために設定する。
【0081】
図15は、第2実施形態に係る携帯端末5の制御処理を示すフローチャートである。
図15に示すように、携帯端末5の制御部500は、S12の処理後に、会員情報部543から端末コードを読み出す(S91)。そして、生成部506は、読み出した端末コードを含む二次元コード(シンボル)を生成する(S92)。そして表示制御部507は、生成した二次元コードを表示部61に表示する(S93)。すなわち、第2実施形態では、携帯端末5にアプリケーションをDLしインストールすると、端末コードを含む二次元コードが表示部61に表示される。
【0082】
また、S13において、会員登録フラグが「1」ではない(すなわち「0」)と判断した場合には(S13のNo)、制御部500は、POS端末3から会員情報を受信したかを判断する(S94)。会員情報を受信するまで待機し(S94のNo)、会員情報を受信したと判断した場合には(S94のYes)、設定部508は、受信した会員情報を会員情報部543に設定する(S95)。
【0083】
図16は、POS端末3の制御処理を示すフローチャートである。
図16に示すように、読取制御部305は、表示部61に表示された端末コードを含む二次元コードを読み取ったかを判断する(S96)。二次元コードを読み取ったと判断した場合には(S96のYes)、制御部300は、スキャナ46がポイントカードに表示されたシンボルを読み取ったかを判断する(S61)。シンボルを読み取ったと判断した場合には(S61のYes)、制御部300はS62の処理を実行し、シンボルを読み取っていないと判断した場合には(S61のNo)、制御部300は、読み取った端末コードを端末フラグ部343に記憶する(S97)。また、端末コードを読み取ったことを示すフラグ情報(端末コードフラグ=1)も端末フラグ部343に記憶する(S97)。すなわち、S97の状態では、まだ会員情報を携帯端末5に送信しておらず、携帯端末5はアプリケーションをインストールしたが、当該アプリケーションに会員情報は設定されていない。
【0084】
なお、第2実施形態において、アプリケーションをインストールしたが、まだ会員情報を設定していない場合には、携帯端末5はまだシンボルGを解析することができないため、商品Dを会員価格で購入することはできない。すなわち、顧客は商品DをPOS端末3に持ち込んで、POS端末3によって商品登録処理および決済処理がされる。しかしながら、アプリケーションをDLしインストールしたことの特典を受けることができる。すなわち、この場合、S97において、端末フラグ部343に記憶されている端末コードフラグが「1」に設定されるため、S85において、締めキー411が操作された場合、S84の決済処理において、制御部300は、商品Dの通常価格とは異なる値引きされた価格によって決済処理する。この場合の値引きされた商品Dの価格は、通常価格よりは安い価格であり会員価格よりは高い価格で決済処理される。また、会員情報が設定された後は、携帯端末5はまだシンボルGを解析することができるため、会員価格を適用しての決済処理が行われる。
【0085】
以上説明したように、第2実施形態のシステム10は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10であって、携帯端末5は、ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部501と、アプリケーションの記憶に伴い携帯端末5を特定する端末コードを含むシンボルを生成する生成部506と、生成したシンボルを表示する表示制御部507と、を備え、POS端末3は、表示されたシンボルを読み取る読取制御部305と、顧客を特定する顧客コードを取得する入力301部と、読み取ったシンボルから取得した端末コードで特定される携帯端末5に対して顧客コードを送信する顧客情報送信部306と、を備え、携帯端末5は、受信した会員情報をダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部508、を備える。
【0086】
このような第2実施形態のシステム10は、POS端末3において精算の順番を待つレジ待ちをしている間に、アプリケーションをDLしインストールしておけば、携帯端末5に表示された端末コードを含む二次元コードをPOS端末3で読み取るだけで、携帯端末5に会員情報をセットすることができる。そのため、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0087】
また、第2実施形態の携帯端末5は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10における携帯端末5であって、ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部501と、アプリケーションの記憶に伴い携帯端末5を特定する端末コードを含むシンボルを生成する生成部506と、生成したシンボルを表示する表示制御部507と、表示したシンボルを読み取ったPOS端末3に入力された会員情報をPOS端末3から受信して、ダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部508と、を備える。
【0088】
このような第2実施形態の携帯端末5は、POS端末3において精算の順番を待つレジ待ちをしている間に、アプリケーションをDLしインストールしておけば、携帯端末5に表示された端末コードを含む二次元コードをPOS端末3で読み取らせれば、携帯端末5に会員情報を送信してセットさせることができる。そのため、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0089】
また、第2実施形態のPOS端末3は、販売する商品Dの精算処理を行うPOS端末3と、携帯端末5と、を備えたシステム10におけるPOS端末3であって、携帯端末5に表示された、携帯端末5を特定する端末コードを含むシンボルを読み取る読取制御部305と、顧客を特定する顧客コードを取得する入力部301と、読み取ったシンボルから取得した端末コードで特定される携帯端末5に対して顧客コードを含む会員情報を送信する顧客情報送信部306と、を備える。
【0090】
このような第2実施形態のPOS端末3は、携帯端末5が表示した端末コードを含むシンボルを読み取って、入力された顧客コードを含む会員情報を該当する携帯端末5に送信する。そのため、携帯端末5は会員情報を設定できるため、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。また、手間に感じる会員情報の設定を携帯端末5が自動的に行うことから、携帯端末5へのアプリケーションのDLの促進につなげることが可能となる。
【0091】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0092】
例えば、第1および第2実施形態では、顧客コードと電子レシートIDを含む会員情報を顧客情報の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、顧客情報は、少なくとも顧客コードが含まれていればよい。
【0093】
また、第1実施形態では、出力制御部303は、POS端末3の表示部43にシンボルを表示するようにした。しかしながらこれに限らず、出力制御部303は、例えば、プリンタ45が発行するレシートにシンボルを印字するようにしてもよい。
【0094】
また、第1および第2実施形態では、店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5をシステム10の構成とした。しかしながらこれに限らず、少なくともPOS端末3、携帯端末5がシステム10を構成すればよい。
【0095】
また、第1および第2実施形態では、携帯端末5の商品情報記憶部532に商品コードと会員価格を記憶するようにした。しかしながらこれに限らず、商品情報記憶部532は、商品コードと、割引率等の値引情報を記憶させるようにしてもよい。この場合、店舗サーバ1またはPOS端末3において、商品Dの通常価格と値引情報に基づいて商品Dの会員価格を算出する。
【0096】
また、第1および第2実施形態では、携帯端末5にインストールしたアプリケーションに会員情報が設定された場合に、携帯端末5による商品登録処理および割引価格が適用されると説明した。しかしながら、これに限らず、携帯端末5は、アプリケーションがインストールされることで商品登録処理が実行可能となり、アプリケーションに会員情報が設定されることで携帯端末5が処理する商品登録処理による割引価格が適用されるとしてもよい。
【0097】
また、第1および第2実施形態では、携帯端末5で商品登録した商品情報に基づいて、POS端末3が決済処理を行うとした。しかしながら、これに限らず、携帯端末5で商品登録した商品情報に基づいて決済処理を専用の清算装置で実行してもよい。
【0098】
なお、第1および第2実施形態の店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0099】
また、第1および第2実施形態の店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、第1および第2実施形態の店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0100】
また、第1および第2実施形態の店舗サーバ1、POS端末3、携帯端末5で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0101】
以下、第2実施形態に係る特許請求の範囲を付記する。
[付記1]
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えたシステムであって、
前記携帯端末は、
ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部と、
前記アプリケーションの記憶に伴い前記携帯端末を特定する端末コードを含むシンボルを生成する生成部と、
生成した前記シンボルを表示する表示制御部と、
を備え、
前記商品販売データ処理装置は、
表示された前記シンボルを読み取る読取制御部と、
顧客を特定する顧客情報を取得する入力部と、
読み取った前記シンボルから取得した前記端末コードで特定される携帯端末に対して前記顧客情報を送信する顧客情報送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
受信した前記顧客情報をダウンロードしたアプリケーションを動作させるために設定する設定部、
を備えるシステム。
[付記2]
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えた、システムにおける前記携帯端末であって、
ダウンロードしたアプリケーションを記憶する記憶部と、
前記アプリケーションの記憶に伴い前記携帯端末を特定する端末コードを含むシンボルを生成する生成部と、
生成した前記シンボルを表示する表示制御部と、
表示した前記シンボルを読み取った前記商品販売データ処理装置に入力された顧客情報を前記商品販売データ処理装置から受信してダウンロードした前記アプリケーションを動作させるために設定する設定部と、
を備える携帯端末。
[付記3]
販売する商品の精算処理を行う商品販売データ処理装置と、携帯端末と、を備えた、システムにおける前記商品販売データ処理装置であって、
前記携帯端末に表示された、前記携帯端末を特定する端末コードを含むシンボルを読み取る読取制御部と、
顧客を特定する顧客情報を取得する入力部と、
読み取った前記シンボルから取得した前記端末コードで特定される携帯端末に対して前記顧客情報を送信する顧客情報送信部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【符号の説明】
【0102】
1 店舗サーバ
3 POS端末
5 携帯端末
10 システム
21 表示部
22 操作部
23 通信部
24 通信部
41 操作部
42 表示部
43 表示部
46 スキャナ
61 表示部
62 操作部
63 撮像部
64 通信部
100 制御部
300 制御部
301 入力部
302 生成部
303 出力制御部
304 決済部
305 読取制御部
306 顧客情報送信部
331 商品情報部
342 商品マスタ
343 端末フラグ部
500 制御部
501 記憶部
502 撮像制御部
503 設定部
504 商品情報制御部
505 送信部
506 生成部
507 表示制御部
508 設定部
531 コード情報部
532 商品情報記憶部
533 サーバ情報部
542 アプリ部
543 会員情報部
544 会員登録フラグ部
T 店舗
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】