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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】印刷システムおよび印刷方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20250306BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250306BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 303
G06F3/12 374
G06F3/12 338
G06F3/12 322
B41J29/38 201
B41J29/38 203
H04N1/00 127A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021105285
(22)【出願日】2021-06-25
(65)【公開番号】P2023003908
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】河野 真一
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-087985(JP,A)
【文献】特開2013-228788(JP,A)
【文献】特開2017-058793(JP,A)
【文献】特開2017-027291(JP,A)
【文献】特開2018-027644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末で生成した印刷ジョブを情報処理装置を介して画像形成装置で実行する印刷システムであって、
前記ユーザ端末は
前記印刷ジョブに含まれる前記画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が前記画像形成装置の使用者として登録されているかどうか判断する判断部、および
前記判断部によって、前記画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が前記画像形成装置の使用者として登録されていると判断したとき、前記識別情報を含む印刷ジョブを前記情報処理装置へ送信する送信部を備え、
前記情報処理装置は、
前記判断部の判断結果に基づいて前記ユーザ端末から送信された印刷ジョブを保存する保存部、および
前記画像形成装置から要求があったとき該当する識別情報を含む印刷ジョブのジョブ一覧を前記画像形成装置へ送信する送信部を備え、
前記画像形成装置は、
前記ジョブ一覧に含まれる印刷ジョブを前記情報処理装置から受信する受信部、および
前記受信した印刷ジョブを実行する実行部を備える、印刷システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、前記判断部が該当の装置ユーザが対象の画像形成装置に登録されていないと判断したとき、前記印刷ジョブをキャンセルするキャンセル部を備える、請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
ユーザ端末で生成した印刷ジョブを情報処理装置を介して画像形成装置で実行する印刷システムの印刷方法であって、
前記ユーザ端末は、
前記印刷ジョブに含まれる前記画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が前記画像形成装置の使用者として登録されていかどうか判断し、そして
前記判断の結果が、前記画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が前記画像形成装置の使用者として登録されていることを示すとき、前記識別情報を含む印刷ジョブを前記情報処理装置へ送信する送信し、
前記情報処理装置では前記判断結果に基づいて前記ユーザ端末から送信された印刷ジョブを保存し、
前記画像形成装置から前記情報処理装置へ該当する識別情報を含む印刷ジョブのジョブ一覧の送信を要求し、
前記画像形成装置は前記ジョブ一覧に含まれる印刷ジョブを前記情報処理装置から受信し、
前記画像形成装置は前記受信した印刷ジョブを実行する、印刷システムにおける印刷方法。
【請求項4】
前記情報処理装置は、画像形成装置の印刷ジョブログから印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集することにより、識別情報一覧のデータを生成する生成部を含む、請求項1または2記載の印刷システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、画像形成装置の印刷ジョブログから印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集することにより、識別情報一覧のデータを生成する、請求項3記載の印刷システムにおける印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷処理システムおよび印刷方法に関し、特にたとえば、複数の画像形成装置を含み、ユーザ端末で生成した印刷ジョブを所望の画像形成装置で印刷処理を実行できる、印刷システムおよび印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1の技術では、ファイル名に含まれるキーワードに関連付けられた、印刷許可ユーザを設定しておき、認証印刷を行うファイル名に含まれるキーワードに関連付けられたユーザが印刷を実行するユーザであると判断した場合、パスワードを入力することで印刷を実行する。そのため、この特許文献1の技術によれば、画像形成装置(複合機)に対して印刷ジョブを送ったユーザとは別のユーザが、認証印刷を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008‐207456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、画像形成装置に対して予めキーワードと印刷許可ユーザとの関連付けを設定しておかなくてはならず、決まった画像形成装置からしか印刷できなかった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、印刷システムおよび印刷方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、印刷ジョブを代行する際の利便性を向上させることができる、印刷システムおよび印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の実施例は、ユーザ端末で生成した印刷ジョブを情報処理を介して画像形成装置で実行する印刷システムであって、ユーザ端末は、印刷ジョブに含まれる画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されているかどうか判断する判断部、および判断部によって、画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されていると判断したとき、識別情報を含む印刷ジョブを情報処理装置へ送信する送信部を備え、情報処理装置は、判断部の判断結果に基づいてユーザ端末から送信された印刷ジョブを保存する保存部、および画像形成装置から要求があったとき該当する識別情報を含む印刷ジョブのジョブ一覧を画像形成装置へ送信する送信部を備え、画像形成装置は、ジョブ一覧に含まれる印刷ジョブを情報処理装置から受信する受信部、および受信した印刷ジョブを実行する実行部を備える、印刷システムである。
【0009】
第1の発明では、印刷システム(10:実施例において相当する部分を例示する、限定を意図しない参照符号。以下同様。)は、ユーザ端末(12)、画像形成装置(14)および情報処理装置(16)を含み、ユーザ端末(12)で生成した印刷ジョブを情報処理装置(16)を介して画像形成装置(14)で実行する。ユーザ端末(12)は、印刷ジョブに含まれる画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されているかどうか判断する判断部(20、S15)を備え、送信部(20、22、S17)は、その判断部によって、画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されていると判断したとき、識画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報を含む印刷ジョブを情報処理装置(14)へ送信する。情報処理装置(16)は、保存部(76)に、判断部の判断結果に基づいてユーザ端末(12)から送信された印刷ジョブを保存する。そして、送信部(64、66、S39)は、画像形成装置(14)から要求があったとき該当する識別情報を含む印刷ジョブのジョブ一覧を画像形成装置へ送信する。画像形成装置(14)は、ジョブ一覧(112)に含まれる印刷ジョブを情報処理装置から受信する受信部(46、42、S57)、および受信した印刷ジョブを実行する実行部(38、S61)を備える。
【0010】
第1の実施例によれば、印刷ジョブに含まれる画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されていると判断したとき、ユーザ端末から識画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報を含む印刷ジョブを情報処理装置へ送信するので、画像形成装置によって印刷ジョブの代行が確実に実行され、画像形成装置が代行する際の利便性を向上させることができる。
【0011】
第2の実施例は、第1の実施例に従属する印刷システムであって、ユーザ端末は、判断部が該当の装置ユーザが対象の画像形成装置に登録されていないと判断したとき、印刷ジョブをキャンセルするキャンセル部を備える。
【0012】
第2の発明では、ユーザ端末(12)において、判断部(20、S15)が印刷ジョブに含まれる識別情報を有する装置ユーザが対象とする画像形成装置に登録されているかどうか判断し、キャンセル部(20、S7)は、判断部が該当の装置ユーザが対象の画像形成装置に使用者として登録されていないと判断したとき、印刷ジョブをキャンセルする。
【0013】
第2の発明によれば、画像形成装置の使用者として登録されている装置ユーザを指定する識別情報を含まない印刷ジョブはキャンセルされるので、印刷ジョブが確実に対象の画像形成装置に届けられる。
【0014】
第3の実施例は、ユーザ端末で生成した印刷ジョブを情報処理を介して画像形成装置で実行する印刷システムの印刷方法であって、ユーザ端末は、印刷ジョブに含まれる画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されていかどうか判断し、そして判断の結果が、画像形成装置の装置ユーザを示す識別情報が画像形成装置の使用者として登録されていることを示すとき、識別情報を含む印刷ジョブを前記情報処理装置へ送信する送信し、情報処理装置では判断結果に基づいてユーザ端末から送信された印刷ジョブを保存し、画像形成装置から情報処理装置へ該当する識別情報を含む印刷ジョブのジョブ一覧の送信を要求し、画像形成装置はジョブ一覧に含まれる印刷ジョブを情報処理装置から受信し、画像形成装置は受信した印刷ジョブを実行する、印刷システムにおける印刷方法である。
【0015】
第3の実施例によれば、第1の実施例と同様の効果が期待できる。
第4の実施例は、第1または第2の実施例に従属する印刷システムであって、情報処理装置は、画像形成装置の印刷ジョブログから印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集することにより、識別情報一覧のデータを生成する生成部を含む。
第5の実施例は、第3の実施例に従属する印刷システムにおける印刷方法であって、情報処理装置は、画像形成装置の印刷ジョブログから印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集することにより、識別情報一覧のデータを生成する。
第4および第5の実施例においては、ユーザ端末からの要求に応じて識別情報一覧を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、たとえば印刷ジョブの代行を依頼された登録ユーザが任意の画像形成装置で印刷することができるので、印刷ジョブを代行する際の利便性を向上させることができる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はこの発明の一実施例の画像形成システムを示すブロック図である。
図2図2図1実施例におけるユーザ端末の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図3図1実施例における画像形成装置(複合機)の電気的な構成を示すブロック図である。
図4図4図1実施例における印刷サーバ(情報処理装置)の電気的な構成を示すブロック図である。
図5図5図1実施例のユーザ端末におけるRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図6図6は印刷ジョブデータの一例を示す図解図である。
図7図7図1実施例のユーザ端末の動作の一例を示すフロー図である。
図8図8図1実施例のユーザ端末における印刷設定画面の一例を示す図解図である。
図9図9図1実施例のユーザ端末における識別情報要求画面の一例を示す図解図である。
図10図10図1実施例における情報処理装置の主記憶部のメモリマップの一例を示す図解図である。
図11図11図1実施例における情報処理装置のコンピュータの動作の一例を示すフロー図である。
図12図12図1実施例において画像形成装置が表示する印刷ジョブ一覧の一例を示す図解図である。
図13図13図1実施例における画像形成装置の主記憶部のメモリマップの一例を示す図解図である。
図14図14図1実施例における画像形成装置の動作の一例の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1はこの発明の一実施例である印刷システム10を示すブロック図である。この図1を参照して、この実施例の印刷システム10は、ユーザ端末12、複数の画像形成装置14および情報処理装置(印刷サーバ)14を含む。複数の画像形成装置14の各々は、インターネットまたはLANのようなネットワーク18を介して、ユーザ端末12、他の画像形成装置14および情報処理装置16と通信可能に接続される。
【0020】
なお、図1では、1台の情報処理装置16がネットワーク18上に接続される場合について示してあるが、2台以上の情報処理装置16が用いられてもよい。
【0021】
図1実施例におけるユーザ端末12は、図2に示すように、主制御部20、通信部22および補助記憶部24を備える。また、ユーザ端末12は、表示部26および操作部28を備える。これらは、共通のバス30を介して互いに接続される。
【0022】
主制御部20は、ユーザ端末12の全体的な制御を司る、当該ユーザ端末12における制御手段である。このため、主制御部20は、CPU、プロセサあるいはコンピュータを含む。さらに、主制御部20は、ユーザ端末12における主記憶手段としての主記憶部32を備える。この主記憶部32は、たとえばRAMおよびROMを含む。
【0023】
通信部22は、ネットワーク18(図1)を介しての双方向の通信処理を行える、ユーザ端末12における通信手段である。
【0024】
補助記憶部24は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどを含む、ユーザ端末12における補助記憶手段である。
【0025】
表示部26は、表示手段としてのディスプレイ34を有する。このディスプレイ34は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機ELディスプレイなどであってもよい。
【0026】
操作部28は、操作受付手段として機能し、一例として、ディスプレイ34と協働するタッチパネル(図示せず)を有し、さらに押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチを含んでよい。
【0027】
図1実施例における画像形成装置14は、複合機であり、図3がこの画像形成装置14の電気的な構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置14は、画像読取り部36、画像形成部38および給紙部40を備える。画像形成装置14は、また、通信部42および入出力インターフェース(I/O)部44を備える。さらに、画像形成装置14は、主制御部46、補助記憶部48および外部記憶媒体接続部50を備える。また、画像形成装置14は、表示部52および操作部54を備える。これらは、共通のバス56を介して互いに接続される。
【0028】
画像読取り部36は、よく知られているように、原稿の画像を読み取って、原稿の画像に応じた2次元の画像データを出力する、画像読取手段である。このため、画像読取り部36は、いずれも図示しないが、原稿載置台、光源、複数のミラー、結像レンズ、ラインセンサなどを備える。
【0029】
画像形成部38は、記録用紙上に電子写真方式によって画像を形成する、画像形成手段である。このため、画像形成部38は、いずれも図示しないが、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備える。この画像形成部38による画像形成処理に供される画像データとしては、たとえば画像読取り部36から出力される画像データがある。また、後述する外部記憶媒体から取り込まれる各種ファイルに基づく画像データなども、画像形成部38による画像形成処理に供される場合がある。なお、画像形成部38は、白黒の画像形成処理のみならず、カラーの画像形成処理を行うこともできる。
【0030】
給紙部40は、給紙カセット(図示せず)を含み、この給紙カセットに収容されている記録用紙を1枚ずつ画像形成部38に送り込む、給紙手段である。
【0031】
通信部42は、ネットワーク18を介しての双方向の通信処理を行える、通信手段である。また、通信部42は、Wi-Fi(登録商標)方式などの無線方式による通信も実行可能である。
【0032】
入出力インターフェース部44は、各種センサやモータなどに接続され、厳密にはそれらのドライブ回路に接続される。各種センサとしては、給紙カセット内における用紙の有無を検出するためのセンサや、現像装置内のトナーセンサ、給紙カセットから排紙部までの用紙の搬送経路中に適宜に設けられた用紙検出センサなどがある。また、モータとしては、用紙の搬送経路中に適宜に設けられた用紙搬送用のモータや、前述の感光体ドラムを駆動するためのモータなどがある。この入出力インターフェース部28を介して、それぞれのセンサからの出力信号が主制御部46に送られ、また、当該主制御部46からそれぞれのモータへ制御信号等が送られる。
【0033】
主制御部46は、画像形成装置14の全体的な制御を司る、制御手段である。このため、主制御部46は、CPU、プロセサあるいはコンピュータを含み、また、これらCPU、プロセサあるいはコンピュータが直接アクセス可能な主記憶手段としての主記憶部58を備える。この主記憶部58は、たとえばRAMおよびROMを含む。
【0034】
補助記憶部48は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどを含む、補助記憶手段である。この補助記憶部48には、主制御部46のCPU、プロセサあるいはコンピュータによる制御に従って、たとえば画像読取り部36から出力される画像データなどの各種の画像データや、画像データ以外の各種のデータが適宜に記憶される。
【0035】
外部記憶媒体接続部50は、たとえばUSBメモリなどの外部記憶媒体が接続可能な接続口を有しており、当該外部記憶媒体との間で各種ファイルなどのデータの送受信を行う。したがって、たとえば、外部記憶媒体に記録されている各種ファイルなどのデータを画像形成装置14側に取り込んだり、当該画像形成装置14側から外部記憶媒体に各種ファイルなどのデータを送り込んで記憶させたりすることが可能である。
【0036】
表示部52は、表示手段としてのディスプレイ60を有する。このディスプレイ60は、操作部54のタッチパネル62と協働して、タッチパネル付きディスプレイ(タッチスクリーン)を構成する。このディスプレイ60は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機ELディスプレイなどであってもよい。また、表示部52は、ディスプレイ60以外に、発光ダイオードなどの適宜の発光素子を含んでよい。
【0037】
操作部54は、操作受付手段としてのタッチパネル62を有する。このタッチパネル62は、前述の如くディスプレイ60と協働して、タッチパネル付きディスプレイを構成する。このため、タッチパネル62は、一例として、ディスプレイ60の表示面上に重なるように設けられる。また、操作部54は、タッチパネル62以外に、押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチを含んでよい。
【0038】
図1実施例における情報処理装置(印刷サーバ)16は、図4に示すように、主制御部64、通信部66および補助記憶部68を備える。また、情報処理装置16は、表示部70および操作部72を備える。これらは、共通のバス74を介して互いに接続される。
【0039】
主制御部64は、情報処理装置16の全体的な制御を司る、当該情報処理装置16における制御手段である。このため、主制御部64は、CPU、プロセサあるいはコンピュータを含む。さらに、主制御部64は、情報処理装置16における主記憶手段としての主記憶部76を備える。この主記憶部76は、たとえばRAMおよびROMを含む。
【0040】
通信部66は、ネットワーク18を介しての双方向の通信処理を行える、情報処理装置16における通信手段である。
【0041】
補助記憶部68は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどを含む、情報処理装置16における補助記憶手段である。
【0042】
表示部70は、表示手段としてのディスプレイ78を有する。このディスプレイ78は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機ELディスプレイなどであってもよい。
【0043】
操作部72は、操作受付手段としての機能し、一例として、ディスプレイ78と協働するタッチパネル(図示せず)を有してもよい。
【0044】
概略的に説明すると、図1実施例の印刷システム10においては、ユーザ端末12のユーザ(以下、「端末ユーザ」ということがある。)がこのユーザ端末12において、印刷ジョブ(プリントドキュメントファイル)を生成する。この印刷ジョブには、端末ユーザが所望する、画像形成装置14を利用しているユーザ(以下、「装置ユーザ」ということがある。)の識別情報が付加されている。
【0045】
そして、その印刷ジョブをユーザ端末12から情報処理装置(印刷サーバ)16に送信する。情報処理装置16は、ユーザ端末12から受信した印刷ジョブを保存する。
【0046】
装置ユーザは画像形成装置14にログインした後、操作画面(後述)で情報処理装置16に保存している、当該装置ユーザの識別情報を含む印刷ジョブのリスト(印刷ジョブ一覧)を情報処理装置16に要求する。
【0047】
情報処理装置16から該当する印刷ジョブ一覧とともに対象の印刷ジョブデータを受信すると、その印刷ジョブ一覧を画像形成装置14の表示部に表示するとともに、印刷ジョブデータを主記憶部に記憶する。
【0048】
装置ユーザは、たとえばタッチ操作によって、表示されている印刷ジョブ一覧から1つまたは2つ以上の印刷ジョブを選択する。印刷ジョブが選択されると、その選択された印刷ジョブが主記憶部から読み出され、したがって、画像形成装置14は、端末ユーザが指定した、装置ユーザの操作に応じて、印刷ジョブを実行(印刷)する。
【0049】
図5図1実施例のユーザ端末12の主記憶部(RAM)32のメモリマップの一例を示す図解図である。
【0050】
図5に示すように、主記憶部32は、プログラム記憶領域80およびデータ記憶領域82を含む。プログラム記憶領域80には、ユーザ端末12の制御プログラムが記憶される。
【0051】
ユーザ端末12の制御プログラムは、表示制御プログラム84a、操作検出プログラム84b、通信プログラム84c、印刷システムプログラム84dおよび識別情報取得プログラム84e等を含む。
【0052】
表示制御プログラム84aは、ディスプレイ34の画面に各種の画面を表示させるのに必要な表示画面データを後述の表示画像生成データ86aなどに基づいて生成し、その表示画面データを用いて、表示部26がディスプレイ34に画像を表示させるプログラムである。
【0053】
操作検出プログラム84bは、ユーザ端末12の操作部28への操作に対応する操作データ(後述)86bを検出するためのプログラムである。たとえば、タッチパネル(図示せず)がタッチされた場合には、主制御部(コンピュータ)20は、操作検出プログラム84bに従って、タッチパネルから出力されたタッチ座標データを操作データ86bとして取得して、主記憶部32のデータ記憶領域82に記憶する。また、ユーザ端末12が備えるハードウェアのボタンないしキー(図示せず)が押圧または操作された場合には、主制御部20は、操作検出プログラム84bに従って、ボタンないしキーの押圧または操作による操作データ86bを取得して、主記憶部32のデータ記憶領域82に記憶する。
【0054】
通信プログラム84cは、通信部22を制御して、ネットワーク18(図1)を通して画像形成装置14や情報処理装置(印刷サーバ)16等と通信するためのプログラムである。
【0055】
印刷システムプログラム84dは、図1実施例において、画像形成装置14に対して印刷代行を依頼するときに使うアプリケーションプログラムであり、種々の印刷条件(パラメータ)を設定した印刷ジョブを生成したり、その印刷ジョブを情報処理装置16に送信したりするプログラムである。
【0056】
識別情報取得プログラム84eは、このユーザ端末12から画像形成装置14に対して印刷代行を依頼するときに必要な、画像形成装置14に利用可能と登録されている装置ユーザの識別情報、たとえばユーザIDなどを取得するためのプログラムである。具体的には、情報処理装置16に対して、識別情報の送信要求を送信し、識別情報を情報処理装置16から受信(取得)して、後述の識別情報データ86cとして、データ記憶領域82に記憶する。
【0057】
図示は省略するが、プログラム記憶領域80には、ユーザ端末12の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0058】
データ記憶領域82には、表示画像生成データ86a、操作データ86b、識別情報86cおよび印刷ジョブデータ86d等が記憶される。
【0059】
表示画像生成データ86aは、表示画像を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。また、表示画像生成データ86aには、ソフトウエアキーに対応する画像データや、後述の各画面を表示するための画像生成データ等も含まれる。
【0060】
操作データ86bは、操作検出プログラム84bに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。なお、操作データ86bは、主制御部20の処理に使用された後に削除される。
【0061】
識別情報データ86cは、上述したように、情報処理装置16から取得した画像形成装置14に利用可能と登録されている装置ユーザの識別情報である。
【0062】
印刷ジョブデータ86dは、たとえば図6に示すように、区切り文字(たとえば、「@」または「@!」)で挟まれた上述の識別情報(画像形成装置14に登録している装置ユーザのID)と、印刷を依頼する文書等(ファイル)の、ファイル名および識別子を含むデータである。
【0063】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域82には、ユーザ端末12の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、制御プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0064】
図7を参照して、ユーザ端末12の主制御部20は、最初のステップS1で、図8に示す印刷設定画面88においてユーザが印刷ボタン92を操作したかどうか判断する。
【0065】
ここで、印刷設定画面88について簡単に説明する。この印刷設定画面88は、図5に示す印刷システムプログラム84dに従ってディスプレイ34(図2)に表示されるGUI画面であって、詳細設定部90および印刷ボタン92等を表示する。詳細設定部90では、印刷部数や両面(片面)印刷の別などの通常の印刷時に設定可能な項目(印刷パラメータ)が設定できるし、さらには仕上げ方法なども設定可能である。印刷ボタン92はこの詳細設定部90での印刷パラメータの設定が終了したときに操作され、そのときに図6に示すような印刷ジョブデータが生成され、図5に示す印刷ジョブデータ86dとして主記憶部32のデータ記憶領域82に記憶される。
【0066】
ステップS1で“YES”を判断すると、主制御部20は、続くステップS3で、印刷ジョブデータを取得する。ここでの印刷ジョブデータとは、先に説明した図6に示す印刷ジョブデータのことである。
【0067】
次のステップS5では、主制御部20は、取得した印刷ジョブデータに装置ユーザの識別情報が含まれているかどうか判断する。
【0068】
ステップS5で“NO”を判断したとき、主制御部20は、ステップS7において、先に登録した印刷ジョブデータ86dを消去することによって、印刷ジョブをキャンセルして終了する。
【0069】
ステップS5で“YES”を判断したとき、すなわち印刷ジョブデータに装置ユーザの識別情報が含まれていると判断したとき主制御部20は、次のステップS9で、送信先の画像形成装置14にユーザとして登録されている装置ユーザの識別情報を取得する。つまり、ステップS9では、主制御部20は、情報処理装置16に対して、装置ユーザの識別情報のリスト(一覧)を送信するよう、要求する。
【0070】
ステップS9では、主制御部20は、印刷システムプログラム84dに従って表示部26を制御し、ディスプレイ34に図9に示す識別情報一覧要求画面94を表示する。この識別情報一覧要求画面94は、一覧要求ボタン96を含み、この一覧要求ボタン96をユーザが操作すると、主制御部20は、ネットワーク18を介して情報処理装置16に対して、一覧要求を送信する。情報処理装置16は、この印刷システム10に包含されているすべての画像形成装置14の装置ユーザを一元的に掌握しているので、ユーザ端末12から識別情報一覧の送信要求があると、ネットワーク18を通して、図9に示すような識別情報一覧98をユーザ端末12に向けて送信する。具体的には、情報処理装置16は、各画像形成装置14の印刷ジョブログから、印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集することによって、識別情報一覧のデータを生成する。
【0071】
ただし、この識別情報一覧要求画面94に設けられているOKボタン100は、情報処理装置16から識別情報一覧98を受信したとき操作され、それによって情報処理装置16へ識別情報一覧の受信を通知することができる。
【0072】
図9に示す例では、識別情報一覧98に示すように、各部門に画像形成装置が設置されていて、各画像形成装置に対してそれぞれ複数のユーザ登録がされていることがわかる。
【0073】
このような、識別情報一覧98がステップS9で取得される。したがって、主制御部20は、図6に示す印刷ジョブデータに含まれている識別情報が、この識別情報一覧98の中に存在しているかどうか判断することができる。たとえば、図6の印刷ジョブデータの内、最初の印刷ジョブデータについてみると、識別情報「S1100001」が含まれていて、その識別情報は、図9の識別情報一覧98に含まれているので、その印刷ジョブに含まれる、ユーザ端末12の端末ユーザが指定した、画像形成装置14の装置ユーザは既に登録されていることがわかる。
【0074】
もし、印刷ジョブデータに含まれている識別情報が識別情報一覧98の中に存在していないとき、ユーザ端末12の端末ユーザがそのとき指名した画像形成装置の装置ユーザが新規ユーザであることがわかる。
【0075】
その場合、主制御部12は、ステップS11において、印刷システムプログラム84dに従って表示部26(図2)を制御して、その新規の装置ユーザを登録するかどうかユーザ端末12の端末ユーザに確認するGUI(図示せず)をディスプレイ34に表示させる。
【0076】
このGUIに対して、端末ユーザが登録する旨の入力をした場合、ステップS11で“YES”が判断される。ユーザ入力が“YES”を示す場合、ステップS13で当該識別情報を識別情報データ86cとして主記憶部32のデータ記憶領域82に登録する。それとともに、このステップS13で、または別の適宜のステップで、ネットワーク18を介して、その新規の装置ユーザの識別情報を情報処理装置16へ送信する。情報処理装置16では、図示しないが、ユーザ端末12において登録された画像形成装置の装置ユーザの識別情報を識別情報データ108c(後述)として、主記憶部76(図4)に登録する。
【0077】
続くステップS15で、主制御部20は、送信しようしている印刷ジョブ(図6)に識別情報が送信先の画像形成装置のユーザとして登録されているかどうか、図5の識別情報データ86cを参照して、判断する。このステップS15で“NO”が判断されると、先のステップS7において印刷ジョブを削除して、終了する。
【0078】
ステップS15で“YES”を判断したとき、主制御部20は、次のステップS17で、印刷ジョブを情報処理装置16(図1)へ送信する。
【0079】
この印刷ジョブを受ける情報処理装置16の主記憶部76は、図10に示すように、プログラム記憶領域102およびデータ記憶領域104を含む。プログラム記憶領域102には、情報処理装置(印刷サーバ)16の制御プログラムが記憶される。
【0080】
情報処理装置16の制御プログラムは、表示制御プログラム106a、操作検出プログラム106b、通信プログラム106cおよび印刷システムプログラム106d等を含む。
【0081】
表示制御プログラム106aは、ディスプレイ78(図4)の画面に各種の画面を表示させるのに必要な表示画面データを後述の表示画像生成データ108aなどに基づいて生成し、その表示画面データを用いて、表示部70がディスプレイ78に画像を表示させるプログラムである。
【0082】
操作検出プログラム106bは、情報処理装置16の操作部72への操作に対応する操作データ108b(後述)を検出するためのプログラムである。
【0083】
通信プログラム106cは、通信部66を制御して、ネットワーク18(図1)を通してユーザ端末12や画像形成装置14等と通信するためのプログラムである。
【0084】
印刷システムプログラム106dは、図1実施例において、ユーザ端末12が画像形成装置14に対して印刷代行を依頼するときのアプリケーションプログラムであり、印刷ジョブをユーザ端末12から受信したり、ユーザ端末12からの求めに応じて各画像形成装置14に登録している装置ユーザの識別情報一覧(図9)を送信したり、受信した印刷ジョブをその印刷ジョブが含む識別情報を登録している画像形成装置14に送信したりするためのプログラムである。
【0085】
図示は省略するが、プログラム記憶領域102には、情報処理装置16の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0086】
データ記憶領域104には、表示画像生成データ108a、操作データ108b、識別情報108cおよび印刷ジョブデータ108d等が記憶される。
【0087】
表示画像生成データ108aは、表示画像を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。また、表示画像生成データ108aには、ソフトウエアキーに対応する画像等の画像生成データ等も含まれる。
【0088】
操作データ108bは、操作検出プログラム106bに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。
【0089】
識別情報データ108cは、各画像形成装置14の後述の印刷ジョブログデータ120d(図12)から収集して得た、各画像形成装置14において印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報、すなわち各画像形成装置14に利用可能なユーザとして登録されている装置ユーザの識別情報である。ただし、先に説明したように、ユーザ端末12が新しい装置ユーザの識別情報を登録したとき、その識別情報の登録通知を受けて、この識別情報データ108cとして登録する。
【0090】
印刷ジョブデータ108dは、先の印刷システムプログラム106dに従って、上述のようにユーザ端末12から受信した印刷ジョブデータであり、印刷システムプログラム106dに従って、該当する画像形成装置14へ送信される。
【0091】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域104には、情報処理装置16の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、制御プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0092】
図11は、情報処理装置16の動作の一例を示すフロー図であり、最初のステップS21で主記憶部64(図4)は、ユーザ端末12から、識別情報一覧の送信要求があったかどうか判断する。ステップS21で“NO”を判断したとき、ステップS27に進む。
【0093】
ステップS21で“YES”を判断したとき、主制御部64は、次のステップS23で、各画像形成装置14の印刷ジョブログから、印刷ジョブを実行した装置ユーザの識別情報を収集する。そして、ステップS25で、主制御部64は、通信部66を利用して、その収集した識別情報一覧を、ネットワーク18を介してユーザ端末12に送信する。
【0094】
その後、ステップS27において、主制御部64は、印刷システムプログラム106dに従って、どれかの画像形成装置14から印刷ジョブ一覧の要求があったかどうか判断する。このステップS27で“NO”が判断されると、そのまま終了する。
【0095】
ステップS27で“YES”の判断をしたとき、主制御部64は、ステップS29において、印刷ジョブ一覧を要求してきた装置ユーザの識別情報をその要求データから抽出する。つまり、印刷ジョブ一覧を要求するとき、当該ユーザは自身の識別情報を付加して要求するので、ステップS29では、その識別情報を抽出して、装置ユーザを特定する。
【0096】
次のステップS31では、主記憶部76に保存している印刷ジョブデータを抽出し、ステップS33で、主制御部64は、抽出した印刷ジョブは、印刷ジョブ一覧を要求してきた装置ユーザの識別情報を含む印刷ジョブかどうかを判断する。つまり、印刷ジョブ一覧を要求してきた装置ユーザに関係する印刷ジョブがあるかどうかは判断する。
【0097】
ステップS33で“YES”のとき、主制御部64は、ステップS35で、ステップS33で該当する印刷ジョブであると判断した印刷ジョブを、表示する印刷ジョブ一覧に追加する。
【0098】
そして、ステップS31‐S37を繰り返し、ステップS37で“NO”を判断すると、ステップS39でたとえば図12に示す印刷ジョブ一覧を、その印刷ジョブ一覧で示す印刷ジョブデータとともに、情報処理装置16に印刷ジョブ一覧の送信を要求した装置ユーザが登録されている画像形成装置14に送信する。印刷ジョブ一覧は、画像形成装置14のディスプレイ60(図3)に表示されるとともに、印刷ジョブデータが印刷ジョブデータ120e(後述)として記憶される。
【0099】
図12に示す印刷ジョブ一覧表示画面110は、画像形成装置14の主制御部64の制御の下、表示部70がディスプレイ78に表示する。つまり、主記憶部76の印刷ジョブデータの中から抽出された、印刷ジョブ一覧を要求した装置ユーザの識別情報を含む印刷ジョブのリスト(印刷ジョブ一覧)112が表示される。
【0100】
図12の実施例では、印刷ジョブ一覧120は、該当の印刷ジョブのユーザ端末12から情報処理装置16への送信日時112a(上側の例では、2021年2月5日16時32分)および識別子を含むファイル名112b(上側の例では、「見積書」)を含む。ただし、この印刷ジョブ一覧には、図6の例では含まれていたユーザの識別情報は含まない。理由は、この印刷ジョブ一覧112は、ユーザ端末12が指定した装置ユーザの識別情報と一致する識別情報を有する装置ユーザが登録されている画像形成装置14以外には送信されないからである。
【0101】
図13図1実施例の画像形成装置14の主記憶部58のメモリマップの一例を示す図解図である。図13に示すように、主記憶部58は、プログラム記憶領域114およびデータ記憶領域116を含む。プログラム記憶領域114には、画像形成装置14の制御プログラムが記憶される。
【0102】
画像形成装置14の制御プログラムは、表示制御プログラム118a、操作検出プログラム118b、画像読取りプログラム118c、画像生成プログラム118d、通信プログラム118eおよび印刷システムプログラム118f等を含む。
【0103】
表示制御プログラム118aは、ディスプレイ60(図3)の画面に各種の画面を表示させるのに必要な表示画面データを後述の表示画像生成データ120aなどに基づいて生成し、その表示画面データを用いて、表示部52がディスプレイ60に画像を表示させるプログラムである。
【0104】
操作検出プログラム118bは、画像形成装置14の各操作部への操作に対応する操作検出データを検出するためのプログラムである。たとえば、タッチパネル62がタッチされた場合には、主制御部46は、操作検出プログラム118bに従って、タッチパネル62から出力されたタッチ座標データを後述する操作データ120bとして取得して、主記憶部58のデータ記憶領域116に記憶する。また、画像形成装置14が備えるハードウェアのボタンないしキー(図示せず)が押圧または操作された場合には、主制御部46は、操作検出プログラム118bに従って、ボタンないしキーの押圧または操作による操作データ120bを取得して、主記憶部58のデータ記憶領域116に記憶する
画像読取りプログラム118cは、画像読取り部36(図3)を制御して、原稿台(図示せず)上の原稿を読取るためのプログラムである。
【0105】
画像形成プログラム118dは、たとえば画像読取り部36で生成した原稿画像に基づいて、その原稿画像を印刷したりするプログラムである。
【0106】
通信プログラム118dは、通信部34およびファクシミリ通信部36を制御して、ネットワーク104(図1)を通して外部のコンピュータやファクシミリ装置と通信するためのプログラムである。
【0107】
印刷システムプログラム118fは、図1実施例の印刷システム10において、ユーザ端末12の端末ユーザからの指示(依頼)に応えて、ユーザ端末12で生成下印刷ジョブを代行印刷するためのプログラムである。たとえば、情報処理装置(印刷サーバ)16に、当該画像形成装置14の装置ユーザを指定する印刷ジョブ一覧の送信を要求したり、その印刷ジョブ一覧から選択した印刷ジョブを実行したりする。
【0108】
図示は省略するが、プログラム記憶領域114には、画像形成装置14の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0109】
データ記憶領域116には、表示画像生成データ120a、操作データ120b、原稿画像データ120c、ジョブログデータ120dおよび印刷ジョブデータ120e等が記憶される。
【0110】
表示画像生成データ120aは、表示画像を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。また、表示画像生成データ120aには、ソフトウエアキーに対応する画像および印刷ジョブ一覧110(図12)を表示するための画像生成データ等も含まれる。
【0111】
操作データ120bは、操作検出プログラム118bに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。
【0112】
原稿画像データ120cは、画像読取り部36(図3)が読取った原稿の画像データである。
【0113】
ジョブログデータ120dは、本画像形成装置14にログインして印刷ジョブを実行したことのある装置ユーザを記録したログデータである。ユーザ端末12の端末ユーザは、基本的には、このジョブログデータ120dに記録されている装置ユーザを指定して代行印刷を依頼することになる。
【0114】
印刷ジョブデータ120eは、装置ユーザが情報処理装置16に送信を依頼した印刷ジョブデータである。
【0115】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域116には、画像形成装置14の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、制御プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0116】
図14を参照して、画像形成装置14の主制御部46は、最初のステップS51で、装置ユーザがログインしたかどうか判断する。ログインすると、ステップS51で“YES”が判断され、次のステップS53で、主制御部46は、情報処理装置16に対して印刷ジョブ一覧の送信を要求する。
【0117】
ステップS55において、情報処理装置16から印刷ジョブ一覧(および該当する印刷ジョブデータ)を受信すると、ステップS57において、図12に示す印刷ジョブ一覧画面110をディスプレイ60で表示するとともに、印刷ジョブデータを印刷ジョブデータ120eとして主記憶部58のデータ記憶領域116へ記憶する。
【0118】
そして、主制御部46は、ステップS59で、表示した印刷ジョブ一覧において、装置ユーザがどれかの印刷ジョブを選択したかどうか判断する。たとえば、操作部54のタッチパネル62のタッチ操作があったとき、そのタッチ位置が図12に示す印刷ジョブのどれかを示していれば、印刷ジョブが選択されたものとみなし、ステップS59で“YES”が判断される。
【0119】
ステップS61で、ステップS59で選択されたと判断された印刷ジョブのデータが印刷ジョブデータ120cから読み出され、その印刷ジョブデータに従って、印刷ジョブを実行する。
【0120】
ステップS63で印刷ジョブがなくなると、終了する。
【0121】
なお、画像形成装置14の登録ユーザが、なぜ、ユーザ端末12の端末ユーザによって代行印刷を依頼されたことを知ることができるのか、という理由は、たとえば端末ユーザからその装置ユーザに対して、「印刷ジョブを登録したのでよろしく!」のような電話かメールを送ればよい。つまり、端末ユーザからの連絡によって、装置ユーザは自分が代行印刷を頼まれたことを知ることができる。
【0122】
また、上述の実施例では、画像形成装置14から問合せがあったら(ステップS27、S53)、情報処理装置16は、ステップS39で、ジョブ一覧とそれに含まれる印刷ジョブのデータを画像形成装置に送信するようにした。しかしながら、情報処理装置16からはジョブ一覧だけを画像形成装置14に送信し、印刷ジョブデータは情報処理装置16に留めておき、印刷ジョブデータは画像形成装置14からの要求に応じてその都度画像形成装置14へ送信するようにしてもよい。情報処理装置14の方が画像形成装置14に比べてセキュリティがしっかりしていると考えられるため、画像形成装置14での必要の都度印刷ジョブを画像形成装置14へ送信するようにすれば、印刷ジョブが一層安全に保護され得る。
【符号の説明】
【0123】
10 …印刷システム
12 …ユーザ端末
14 …画像形成装置
16 …情報処理装置(印刷サーバ)
18 …ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14