(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20250306BHJP
B65H 9/14 20060101ALI20250306BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20250306BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
H04N1/04 106A
B65H9/14
G03G15/00 450
H04N1/12 Z
H04N1/00 567M
(21)【出願番号】P 2021148540
(22)【出願日】2021-09-13
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 泰正
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-006570(JP,A)
【文献】特開2013-146034(JP,A)
【文献】特開2016-183039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04- 1/207
B65H 9/14
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送路に搬送されるシートの斜行補正を行うための複数個のレジストローラ対が、前記シートを搬送する搬送方向に間隔をおいて設けられたシート搬送装置であって、
前記複数個のレジストローラ対全ての前記斜行補正を行わない非レジスト斜行補正モードと、
前記複数個のレジストローラ対のうちの1個又は2個以上のレジストローラ対により前記斜行補正を行うレジスト斜行補正モードと
を有し、
ユーザーにより設定された設定モードに応じて、非レジスト斜行補正モード又はレジスト斜行補正モードを行
い、
前記レジスト斜行補正モードは、前記複数個のレジストローラ対のうちの1個以上前記複数個未満のレジストローラ対により前記斜行補正を行う第1レジスト斜行補正モードと、前記複数個のレジストローラ対全てにより前記斜行補正を行う第2レジスト斜行補正モードとを有し、
前記設定モードとして画質を優先した画質優先モードが選択可能とされ、
前記画質優先モードが選択されると、前記第1レジスト斜行補正モード又は前記第2レジスト斜行補正モードを行うことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置であって
、
前記設定モードに応じて、前記非レジスト斜行補正モード、前記第1レジスト斜行補正モード及び前記第2レジスト斜行補正モードのうちの何れか1つを行うことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート搬送装置であって、
前記シートとして複数種類のシートが搬送可能とされ、
前記設定モードとして前記シートの種類に応じて複数のシート種類モードが選択可能とされ、
前記複数のシート種類モードのうち何れか1つが選択されると、前記第1レジスト斜行補正モード又は前記第2レジスト斜行補正モードを実行することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1つに記載のシート搬送装置であって、
前記シートの斜行補正を前記複数個のレジストローラ対による前記斜行補正以外の斜行補正として前記シートの斜行を画像処理により補正する画像処理斜行補正モードをさらに有し、
前記設定モードとして前記画像処理
斜行補正モードを実行する斜行補正設定モードが選択可能とされ、
前記斜行補正設定モードが選択されると、前記非レジスト斜行補正モードを実行して前記複数個のレジストローラ対全ての前記斜行補正を行わない代わりに、前記画像処理斜行補正モードを実行することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1つに記載のシート搬送装置であって
、
前記設定モード毎に、前記非レジスト斜行補正モード、前記第1レジスト斜行補正モード及び前記第2レジスト斜行補正モードのうちの何れか1つを設定可能とされていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載のシート搬送装置であって
、
前記設定モードとして静音を優先した静音優先モードが選択可能とされ、
前記静音優先モードが選択されると、前記非レジスト斜行補正モード又は前記第1レジスト斜行補正モードを行うことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか1つに記載のシート搬送装置であって、
前記複数個のレジストローラ対よりも前記シートの搬送方向における上流側に設けられた供給ローラを備え、
前記レジスト斜行補正モードにて前記斜行補正を行う前記レジストローラ対は、前記複数個のレジストローラ対のうちの前記供給ローラよりも前記シートの搬送方向における下流側の前記供給ローラに一番近いレジストローラ対であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項7に記載のシート搬送装置であって、
前記複数個のレジストローラ対のうち、前記供給ローラに一番近いレジストローラ対への前記シートの第1押込み量は、前記供給ローラに一番近いレジストローラ対以外のレジストローラ対への前記シートの第2押込み量よりも大きいことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1つに記載のシート搬送装置であって、
前記シートである原稿を前記シート搬送路における所定の読取位置で読み取る原稿送り装置とされ、
前記複数個のレジストローラ対よりも前記原稿の搬送方向における上流側に設けられた供給ローラと、前記読取位置よりも前記原稿の搬送方向における上流側の前記読取位置の一番近くに設けられた読取前搬送ローラ対とを備え、
前記複数個のレジストローラ対は、前記読取前搬送ローラ対よりも前記原稿の搬送方向における上流側に設けられた第1レジストローラ対と、前記第1レジストローラ対よりも前記原稿の搬送方向における下流側かつ前記読取前搬送ローラ対よりも上流側に設けられた第2レジストローラ対とからなる2個のレジストローラ対であり、
前記非レジスト斜行補正モードでは、前記第1レジストローラ対及び前記第2レジストローラ対の双方により前記斜行補正を行わず、
前記レジスト斜行補正モードは、前記第1レジストローラ対により前記斜行補正を行う第1レジスト斜行補正モードと、前記第1レジストローラ対及び前記第2レジストローラ対の双方により前記斜行補正を行う第2レジスト斜行補正モードとを有することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか1つに記載のシート搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置及びそれを備えた複写機、複合機、プリンタ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート搬送装置として、シート搬送路に搬送されるシートの斜行補正を行うための複数個のレジストローラ対が間隔をおいて設けられたものがある(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
詳しくは、特許文献1には、スキュー量が所定値以下の場合は、第1の搬送手段(第1レジストローラ対)及び第2の搬送手段(第2レジストローラ対)のうちいずれか一方を用いてシートの斜行補正を行う構成が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、シートを第1ローラ対(第1レジストローラ対)で斜行補正を行う第1制御モードか、第1ローラ対(第1レジストローラ対)で斜行補正を行った後、第2ローラ対(第2レジストローラ対)で斜行補正を行う第2制御モードかを選定する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-54747号公報
【文献】特開2009-107782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザーは、使用状況によっては、例えば、レジストローラ対の回転開始音(クラッチ音)がユーザーを不快にさせるような静音環境下では、レジストローラ対の斜行補正を行いたくない場合がある。
【0007】
この点に関し、特許文献1,2に記載の構成では、ユーザーの使用状況によってレジストローラ対の斜行補正を行わないようにする構成にはなっていない。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザーの使用状況によってレジストローラ対の斜行補正を行わないようにすることができるシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明に係るシート搬送装置は、シート搬送路に搬送されるシートの斜行補正を行うための複数個のレジストローラ対が、前記シートを搬送する搬送方向に間隔をおいて設けられたシート搬送装置であって、前記複数個のレジストローラ対全ての前記斜行補正を行わない非レジスト斜行補正モードと、前記複数個のレジストローラ対のうちの1個又は2個以上のレジストローラ対により前記斜行補正を行うレジスト斜行補正モードとを有し、ユーザーにより設定された設定モードに応じて、非レジスト斜行補正モード又はレジスト斜行補正モードを行い、前記レジスト斜行補正モードは、前記複数個のレジストローラ対のうちの1個以上前記複数個未満のレジストローラ対により前記斜行補正を行う第1レジスト斜行補正モードと、前記複数個のレジストローラ対全てにより前記斜行補正を行う第2レジスト斜行補正モードとを有し、前記設定モードとして画質を優先した画質優先モードが選択可能とされ、前記画質優先モードが選択されると、前記第1レジスト斜行補正モード又は前記第2レジスト斜行補正モードを行うことを特徴とする。また、本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係るシート搬送装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、ユーザーの使用状況によってレジストローラ対の斜行補正を行わないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る原稿送り装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【
図2】本実施の形態に係る原稿送り装置を示す斜視図である。
【
図3】原稿送り装置における原稿搬送部部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図4】原稿送り装置の動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】原稿送り装置における原稿搬送部を側面から視た模式図である。
【
図6A】原稿送り装置における原稿搬送部を時系列的に示す平面図であり、最小サイズの原稿が回転停止中の第1レジストローラ対に押し込まれている状態を示す図である。
【
図6B】原稿送り装置における原稿搬送部を時系列的に示す平面図であり、最小サイズよりも大きいサイズの原稿が回転停止中の第1レジストローラ対に押し込まれている状態を示す図である。
【
図6C】原稿送り装置における原稿搬送部を時系列的に示す平面図であり、最小サイズよりも大きいサイズの原稿が回転停止中の第2レジストローラ対に押し込まれている状態を示す図である。
【
図7A】表示部の第1選択画面の一例を示す平面図である。
【
図7B】設定モードに応じて行う非レジスト斜行補正モード、第1レジスト斜行補正モード及び第2レジスト斜行補正モードの組み合わせの一例を示す図表である。
【
図8A】設定モード毎に、非レジスト斜行補正モード、第1レジスト斜行補正モード及び第2レジスト斜行補正モードのうちの何れか1つを設定するための第1設定画面を示す平面図であり、通常モードの初期設定状態を示す図である。
【
図8B】
図8Aに示す通常モードにおいて普通紙モードの第1レジスト斜行補正モードから第2レジスト斜行補正モードに変更した設定例を示す平面図である。
【
図9A】表示部の第2選択画面の一例を示す平面図である。
【
図9B】設定モードに応じて行う非レジスト斜行補正モード及び第1レジスト斜行補正モードの組み合わせの一例を通常モードと共に示す図表である。
【
図10A】設定モード毎に、非レジスト斜行補正モード又は第1レジスト斜行補正モードを設定するための第2設定画面を示す平面図であり、静音優先モードの初期設定状態を示す図である。
【
図10B】
図10Aに示す静音優先モードにおいて薄紙モードの非レジスト斜行補正モードから第1レジスト斜行補正モードに変更した設定例を示す平面図である。
【
図11A】表示部の第3選択画面の一例を示す平面図である。
【
図11B】設定モードに応じて行う第1レジスト斜行補正モード及び第2レジスト斜行補正モードの組み合わせの一例を通常モード及び静音優先モードと共に示す図表である。
【
図12A】設定モード毎に、第1レジスト斜行補正モード又は第2レジスト斜行補正モードを設定するための第3設定画面を示す平面図であり、画質優先モードの初期設定状態を示す図である。
【
図12B】
図12Aに示す画質優先モードにおいて厚紙モードの第2レジスト斜行補正モードから第1レジスト斜行補正モードに変更した設定例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
[画像形成装置]
図1は、本実施の形態に係る原稿送り装置200を備えた画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。なお、
図1において、符号Xは、横方向(左右方向)を、符号Yは、奥行方向(前後方向)を、符号Zは、上下方向(高さ方向)を示している。
【0014】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102によって読み取られた原稿G(シートの一例)の画像を外部に送信する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102にて読み取った原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で用紙(記録材)に画像形成する。なお、画像形成装置100は、モノクロの画像を形成するものであってもよい。
【0015】
画像読取装置102は、原稿送り装置200(シート搬送装置の一例)を備えている。原稿送り装置200は、画像読取部130の上側に設けられており、画像読取部130に対して開閉自在に支持されている。原稿送り装置200は、1枚又は複数枚の原稿Gを1枚ずつ順に搬送する。画像読取装置102は、原稿送り装置200により1枚又は複数枚の原稿のうち1枚ずつ搬送される原稿Gを読み取る。画像読取装置102は、原稿Gを載置する原稿載置台130a(原稿台)と、原稿載置台130a上に載置された原稿Gを読み取る載置原稿読取機能とを備えている。画像形成装置100は、原稿送り装置200が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿Gを手置きで置くことができるようになっている。また、原稿送り装置200は、原稿Gを載置する原稿載置トレイ210と、外部に排出された原稿Gを積載する原稿排出トレイ250とを備えている。画像読取装置102は、原稿送り装置200にて搬送された原稿Gを読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿送り装置200は、原稿載置トレイ210に載置された原稿Gを画像読取部130における原稿読取部130b上に搬送する。画像読取部130は、走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿Gを読み取るか又は原稿送り装置200にて搬送される原稿Gを読み取って画像データを生成する。
【0016】
画像形成装置100は、画像形成部110を備えている。画像形成部110は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、中間転写ベルト7、定着装置12、用紙搬送路S、給紙カセット18、用紙排出トレイ141(胴内排出トレイ)を備えている。
【0017】
画像形成部110では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置100の画像転写部50には、4種類のトナー像を形成するための現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0018】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0019】
感光体ドラム3の上側には、中間転写ベルト7を介して中間転写ローラ6が配置されている。中間転写ベルト7は、転写駆動ローラ7a及び転写従動ローラ7bに張架され、矢符Cの方向へ周回移動する。画像形成装置100では、ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収し、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写ベルト7の表面にカラーのトナー像を形成する。
【0020】
2次転写部11の転写ローラ11aは、中間転写ベルト7との間にニップ領域が形成されており、用紙搬送路Sを通じて搬送されてきた用紙をニップ領域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ領域を通過する際に、中間転写ベルト7の表面のトナー像が転写されて定着装置12に搬送される。
【0021】
定着装置12は、用紙を挟んで回転する定着ローラ12a及び加圧ローラ12bを備えている。定着装置12は、定着ローラ12a及び加圧ローラ12bの間にトナー像が転写された用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像を用紙に定着させる。
【0022】
給紙カセット18は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。用紙は、呼込ローラ16(ピックアップローラ)によって給紙カセット18から引き出されて、用紙搬送路Sに搬送される。用紙搬送路Sに搬送された用紙は、2次転写部11や定着装置12を経由し、排出ローラ対17に搬送され、用紙排出トレイ141に排出される。用紙搬送路Sには、搬送ローラ対13、レジストローラ対14及び排出ローラ対17が配置されている。搬送ローラ対13は、用紙の搬送を促す。レジストローラ対14は、用紙を一旦停止させて、用紙の先端を揃える。レジストローラ対14は、一旦停止した用紙を中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングに合わせて搬送する。中間転写ベルト7上のトナー像は、中間転写ベルト7と転写ローラ11aとの間のニップ領域で用紙に転写される。なお、
図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成としてもよい。
【0023】
また、画像形成装置100は、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排出ローラ対17から用紙反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送された用紙の表裏を反転し、レジストローラ対14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ対14に導かれた用紙を表面と同様にして裏面に画像形成し、用紙排出トレイ141に搬出する。
【0024】
画像読取部130は、画像形成装置本体101の上面に設けられている。画像読取部130上には、原稿送り装置200が取り付けられている。
【0025】
[原稿送り装置]
図2は、本実施の形態に係る原稿送り装置200を示す斜視図である。
図3は、原稿送り装置200における原稿搬送部230部分を拡大して示す拡大断面図である。
図4は、原稿送り装置200の動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。
図5は、原稿送り装置200における原稿搬送部230を側面から視た模式図である。また、
図6Aから
図6Cは、原稿送り装置200における原稿搬送部230を時系列的に示す平面図である。
図6Aは、最小サイズ(この例では名刺縦サイズ)の原稿Gが回転停止中の第1レジストローラ対2331に押し込まれている状態を示している。
図6B及び
図6Cは、それぞれ、最小サイズよりも大きいサイズ(図示例ではA4横サイズ)の原稿Gが回転停止中の第1レジストローラ対2331及び回転停止中の第2レジストローラ対2332に押し込まれている状態を示している。
【0026】
原稿送り装置200は、原稿載置トレイ210と、原稿供給部220と、原稿搬送部230と、原稿排出部240と、原稿排出トレイ250と、制御部260と、搬送駆動部270と、搬送駆動伝達機構280とを備えている。原稿載置トレイ210は、原稿Gを載置する。原稿供給部220は、原稿載置トレイ210に載置された原稿Gを1枚ずつ原稿搬送部230に供給する。原稿搬送部230は、原稿供給部220にて供給された原稿Gを搬送方向Hに直交する幅方向Wにおける中央基準で搬送する。原稿排出部240は、原稿搬送部230にて搬送された原稿Gを排出する。原稿排出部240は、排出ローラ対241を備えている。原稿排出トレイ250は、原稿排出部240にて排出された原稿Gを積載する。原稿送り装置200において、原稿載置トレイ210と原稿排出トレイ250とが上下方向で重なるように配設されている。
【0027】
詳しくは、原稿搬送部230は、シート搬送路231を形成する一対の搬送ガイド232(232a,232b)と、複数個(この例では2個)のレジストローラ対233~233(2331,2332)と、読取前搬送ローラ対234と、読取後搬送ローラ対235と、排出前搬送ローラ対236とを備えている。複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235及び排出前搬送ローラ対236は、シート搬送路231に沿って順に配設されている。
【0028】
原稿供給部220は、呼込ローラ221(ピックアップローラ)と、供給ローラ222(給紙ローラ)と、分離部材〔分離ローラ又は分離パッド(この例では分離ローラ223)〕と、供給駆動伝達機構224とを備えている。
【0029】
呼込ローラ221は、原稿載置トレイ210上に積載された原稿Gのうち最上位の原稿Gを呼び込む。供給ローラ222及び分離ローラ223は、呼込ローラ221にて呼び込んだ原稿Gを1枚ずつ分離搬送する。供給ローラ222は、呼込ローラ221にて呼び込んだ原稿Gを分離ローラ223と共に1枚ずつ一対の搬送ガイド232に向けて搬送する。分離ローラ223は、供給ローラ222に対向して配設されている。分離ローラ223は、原稿載置トレイ210上に積載される原稿Gのうちの上から2枚目以降の原稿Gの搬送方向Hへの搬送を規制すると共に最も下(最終の原稿G)の搬送方向Hへの搬送を許容することができる。供給駆動伝達機構224は、ギヤ列又はプーリ及びベルトで構成されており、供給ローラ222に送られてきた回転駆動力を呼込ローラ221に伝達する。呼込ローラ221、供給ローラ222及び分離ローラ223は、幅方向Wにおける中央部(
図6Aから
図6C参照)に位置している。これにより、幅方向Wにおける中央基準で原稿Gを呼び込んで供給することができる。原稿供給部220は、従来公知のものであり、その他の詳細な構成については説明を省略する。
【0030】
一対の搬送ガイド232は、原稿供給部220と原稿排出部240との間でシート搬送路231を形成する。シート搬送路231は、原稿Gを略水平方向に搬送して下方にUターンした後に斜め上方向に搬送するように形成されている。シート搬送路231は、最下部において原稿Gの画像を読み取る読取位置R(
図3、
図5参照)を有している。
【0031】
複数個のレジストローラ対233~233は、この例では、第1レジストローラ対2331及び第2レジストローラ対2332からなっている。第1レジストローラ対2331、第2レジストローラ対2332、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235及び排出前搬送ローラ対236は、シート搬送路231に沿って、供給ローラ222から搬送方向Hにおける下流側に向けて順に設けられている。読取前搬送ローラ対234と読取後搬送ローラ対235との間には読取位置Rが設けられている。排出前搬送ローラ対236は、排出ローラ対241よりも搬送方向Hにおける上流側の排出ローラ対241の一番近くに設けられている。
【0032】
第1レジストローラ対2331、第2レジストローラ対2332、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235及び排出前搬送ローラ対236は、駆動ローラ2331a,2332a,234a~236aと従動ローラ2331b,2332b,234b~236bとで構成されている。排出ローラ対241は、駆動ローラ241aと従動ローラ241bとで構成されている。
【0033】
搬送駆動部270(ブラシレスDCモータ)(
図4参照)は、制御部260の出力系に電気的に接続されている。これにより、制御部260は、所定のタイミングで搬送駆動部270を駆動させることができる。搬送駆動伝達機構280は、搬送駆動部270からの回転駆動力を供給ローラ222、駆動ローラ2331a,2332a,234a~236a,241aに伝達する。
【0034】
搬送駆動伝達機構280は、第1レジストクラッチ281及び第2レジストクラッチ282を備えている。第1レジストクラッチ281及び第2レジストクラッチ282は、それぞれ、駆動ローラ2331a,2332aに設けられ、駆動ローラ2331a,2332aに対する回転駆動力の遮断及び接続を選択的に切替可能な構成となっている。駆動ローラ2331a,2332aは、それぞれ、第1レジストクラッチ281及び第2レジストクラッチ282がオンされることで回転駆動される。第1レジストクラッチ281及び第2レジストクラッチ282は、制御部260の出力系に電気的に接続されている。これにより、制御部260は、所定のタイミングで第1レジストクラッチ281及び第2レジストクラッチ282をオンオフさせることができる。
【0035】
従動ローラ2331b,2332b,234b~236b,241bは、駆動ローラ2331a,2332a,234a~236a,241aに従動回転される。ここで、駆動ローラ2331a,2332a,234a~236a,241aの直径は何れも同じ径(具体的には18mm)とされている。従動ローラ2331b,2332b,236b,241bの直径は何れも同じ径(具体的には18mm)とされている。また、従動ローラ234b,235bの直径は何れも同じであり、他の従動ローラ2331b,2332b,236bの径よりも小さい径(10mm)とされている。
【0036】
第1レジストローラ対2331、第2レジストローラ対2332、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235、排出前搬送ローラ対236及び排出ローラ対241は、
図6Aから
図6Cに示すように、中央部のローラ部を含む複数箇所のローラ部2331c~2331c,2332c~2332c,234c~234c,235c~235c,236c~236c,241c~241cを有している。なお、
図6Aに示すように、最小サイズの原稿G(この例では縦サイズの名刺)は、第1レジストローラ対2331、第2レジストローラ対2332、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235及び排出前搬送ローラ対236において、中央部の1箇所のローラ部2331c,2332c,234c,235c,236cに挟持搬送され、排出ローラ対241において、中央部の2箇所のローラ部241c,241cに挟持搬送される。
【0037】
<制御部>
図4に示すように、制御部260は、原稿Gの斜行(斜め送り)を補正する斜行補正制御を行うものである。制御部260は、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータからなる処理部261と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部262と、を有している。なお、制御部260は、画像形成装置100に備えられていてもよい。
【0038】
制御部260では、処理部261によって、記憶部262のROMに予め格納された制御プログラムが呼び出され、記憶部262のRAM上にロードされると、各種構成要素の作動の制御が実行される。
【0039】
また、画像形成装置100は、操作表示部150を備えている。操作表示部150は、受付部151(この例ではタッチパネル)と、表示部152(この例では表示パネル)と、を備えている。受付部151は、制御部260の入力系に電気的に接続されている。受付部151は、利用者による入力操作情報を受け付ける。表示部152は、制御部260の出力系に電気的に接続されている。表示部152は、表示データに基づいて各種情報を表示画面に表示する。受付部151は、表示部152上に設けられている。操作表示部150は、表示部152に表示される各種ソフトウェアキーへの利用者によるタッチ操作情報を受付部151で受け付ける。
【0040】
原稿送り装置200は、第1搬送検知部291と、第2搬送検知部292と、第3搬送検知部293とを備えている。
【0041】
第1搬送検知部291、第2搬送検知部292及び第3搬送検知部293は、何れも光を照射して原稿Gからの反射光を受光する光反射型のフォトカプラ(搬送タイミングセンサ)である。
【0042】
<第1搬送検知部>
第1搬送検知部291は、搬送方向Hにおいて第1レジストローラ対2331よりも所定の第1距離d1(
図5参照)だけ上流側に設けられている。第1搬送検知部291は、原稿Gが第1レジストローラ対2331よりも第1距離d1だけ上流側を通過したか否かを検知する。第1搬送検知部291は、制御部260の入力系に電気的に接続されている。
【0043】
(第1レジストローラ対で斜行補正を行う場合)
制御部260は、供給ローラ222により原稿Gを搬送し、第1搬送検知部291で原稿Gを検知したタイミングから回転停止中の第1レジストローラ対2331のニップ部に原稿Gを突き当ててさらに原稿Gを突き当てたタイミングから所定の第1押し込み量(所定の第1押し込み時間)だけ原稿Gを搬送する。これにより、原稿Gの先端G1を第1レジストローラ対2331のニップ部に確実に沿わせることができる。
【0044】
(第1レジストローラ対で斜行補正を行わない場合)
制御部260は、第1レジストローラ対2331を回転させた状態で、供給ローラ222から送られてきた原稿Gを第1レジストローラ対2331により第2レジストローラ対2332に向けてそのまま搬送する。
【0045】
<第2搬送検知部>
第2搬送検知部292は、搬送方向Hにおいて第2レジストローラ対2332よりも所定の第2距離d2(
図5参照)だけ上流側に設けられている。第2搬送検知部292は、原稿Gが第2レジストローラ対2332よりも第2距離d2だけ上流側を通過したか否かを検知する。第2搬送検知部292は、制御部260の入力系に電気的に接続されている。
【0046】
(第2レジストローラ対2332で斜行補正を行う場合)
制御部260は、第1レジストローラ対2331により原稿Gを搬送し、第2搬送検知部292で原稿Gを検知したタイミングから回転停止中の第2レジストローラ対2332のニップ部に原稿Gを突き当ててさらに原稿Gを突き当てたタイミングから所定の第2押し込み量(所定の第2押し込み時間)だけ原稿Gを搬送する。これにより、原稿Gの先端G1を第2レジストローラ対2332のニップ部に確実に沿わせることができる。
【0047】
(第2レジストローラ対2332で斜行補正を行わない場合)
制御部260は、第2レジストローラ対2332を回転させた状態で、供給ローラ222から送られてきた原稿Gを第2レジストローラ対2332により読取前搬送ローラ対234に向けてそのまま搬送する。
【0048】
-第1レジストローラ対及び第2レジストローラ対で斜行補正を行う場合-
制御部260は、第1レジストローラ対2331で斜行補正を行う場合は、回転停止中の第1レジストローラ対2331のニップ部に原稿Gが押し込まれた状態において、所定の回転開始タイミングで第1レジストローラ対2331の回転を開始する。また、制御部260は、第2レジストローラ対2332で斜行補正を行う場合は、回転停止中の第2レジストローラ対2332のニップ部に原稿Gが押し込まれた状態において、所定の回転開始タイミングで第2レジストローラ対2332の回転を開始する。
【0049】
-第1レジストローラ対でのみ斜行補正を行う場合-
制御部260は、第1レジストローラ対2331でのみ斜行補正を行う場合は、回転停止中の第1レジストローラ対2331のニップ部に原稿Gが押し込まれた状態において、所定の回転開始タイミングで第1レジストローラ対2331の回転を開始する。また、制御部260は、回転中の第2レジストローラ対2332に原稿Gをそのまま通過させる。
【0050】
-第2レジストローラ対でのみ斜行補正を行う場合-
制御部260は、回転中の第1レジストローラ対2331に原稿Gをそのまま通過させる。また、制御部260は、回転停止中の第2レジストローラ対2332のニップ部に原稿Gが押し込まれた状態において、所定の回転開始タイミングで第2レジストローラ対2332の回転を開始する。
【0051】
-第1レジストローラ対及び第2レジストローラ対で斜行補正を行わない場合-
制御部260は、回転中の第1レジストローラ対2331及び回転中の第2レジストローラ対2332に原稿Gをそのまま通過させる。
【0052】
<第3搬送検知部>
第3搬送検知部293は、搬送方向Hにおいて読取前搬送ローラ対234よりも所定の第3距離d3(
図5参照)だけ上流側に設けられている。第3搬送検知部293は、原稿Gが読取前搬送ローラ対234よりも第3距離d3だけ上流側を通過したか否かを検知する。第3搬送検知部293は、制御部260の入力系に電気的に接続されている。
【0053】
制御部260は、読取前搬送ローラ対234、読取後搬送ローラ対235、排出前搬送ローラ対236及び排出ローラ対241を回転させた状態で、第2レジストローラ対2332から送られてきた原稿Gを読取前搬送ローラ対234により読取位置Rを通過させて読取後搬送ローラ対235、排出前搬送ローラ対236及び排出ローラ対241により原稿排出トレイ250に向けて搬送する。
【0054】
[本実施の形態について]
本実施の形態において、シート搬送装置(原稿送り装置200)は、シート搬送路231に搬送されるシート(原稿G)の斜行補正を行うための複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)が、シート(G)を搬送する搬送方向Hに間隔をおいて設けられている。
【0055】
制御部260は、非レジスト斜行補正モードMDNと、レジスト斜行補正モードMD(MD1,MD2)とを有している。非レジスト斜行補正モードMDNは、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わない。レジスト斜行補正モードMD(MD1,MD2)は、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)のうちの1個又は2個以上のレジストローラ対(2331及び/又は2332)により斜行補正を行う。
【0056】
制御部260は、ユーザーにより設定された設定モードに応じて、非レジスト斜行補正モードMDN又はレジスト斜行補正モードMD(MD1,MD2)を行う。
【0057】
本実施の形態によれば、ユーザーにより設定された設定モードに応じて、非レジスト斜行補正モードMDN又はレジスト斜行補正モードMD(MD1,MD2)を行うので、ユーザーの使用状況によって複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わないようにする構成になっており、これにより、ユーザーの使用状況によって、例えば、レジストローラ対233の回転開始音がユーザーを不快にさせるような静音環境下において、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わないようにすることができる。
【0058】
ここで、使用状況としては、周囲環境(例えばレジストローラ対233の回転開始音がユーザーを不快にさせるような静音環境といった設置環境)の他、シート(G)の種類〔例えば普通紙、厚紙、薄紙といったシート(G)の厚み、A4サイズ、B5サイズ、名刺サイズといったシート(G)のサイズ〕、画像形成条件(例えば高解像度といった画質)などを挙げることができる。普通紙は、所定の基準厚み範囲(所定の基準坪量範囲、例えば50g/m2~100g/m2)の基準紙(標準紙)を意味する。厚紙は、基準厚み(基準坪量の上限、例えば100g/m2)よりも大きい厚み(坪量)の紙を意味する。薄紙は、基準厚み(基準坪量の下限、例えば50g/m2)よりも小さい厚み(坪量)の紙を意味する。
【0059】
(通常モード)
図7Aは、表示部152の第1選択画面S1の一例を示す平面図である。
図7Bは、設定モードに応じて行う非レジスト斜行補正モードMDN、第1レジスト斜行補正モードMD1及び第2レジスト斜行補正モードMD2の組み合わせの一例を示す図表である。
【0060】
設定モードは、この例では、読取モードとして、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードとされている。ここで、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード及び名刺モードは、それぞれ、普通紙、厚紙及び薄紙を搬送するモードである。混載モードは、1回のジョブで異なるサイズの複数枚の原稿Gを搬送するモードである。
【0061】
レジスト斜行補正モードMDは、第1レジスト斜行補正モードMD1と、第2レジスト斜行補正モードMD2とを有している。
【0062】
図7Aに示すように、表示部152の第1選択画面S1には、通常モード〔デフォルト(既定)モード〕において、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードのうち何れか1つをユーザーにより選択可能に表示されている。
図7Aでは、普通紙モードが選択されている状態を示している。
【0063】
記憶部262には、
図7Bに示すように、通常モードにおいて、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モード)毎に、非レジスト斜行補正モードMDN、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2が予め記憶されている。
【0064】
この例では、記憶部262の「通常モード」の記憶領域において、普通紙モード及び厚紙モードでは、第1レジスト斜行補正モードMD1が予め設定されている。薄紙モード、混載モード及び名刺モードでは、第2レジスト斜行補正モードMD2が予め設定されている。また、斜行補正設定モードでは、非レジスト斜行補正モードMDNが予め設定されている。
【0065】
制御部260は、受付部151で設定モードのうち何れか1つの選択操作を受け付けると、受け付けた設定モードに応じたモードを実行する。この例では、普通紙モードが設定されているが、例えば、制御部260は、受付部151で斜行補正設定モードの選択操作を受け付けると、受け付けた斜行補正設定モードに応じた非レジスト斜行補正モードMDNを実行する。
【0066】
<第1実施形態>
第1レジスト斜行補正モードMD1は、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)のうちの1個以上複数個未満(この例では1個)のレジストローラ対233(2331又は2332)により斜行補正を行う。第2レジスト斜行補正モードMD2は、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全てにより斜行補正を行う。
【0067】
制御部260は、設定モードに応じて、非レジスト斜行補正モードMDN、第1レジスト斜行補正モードMD1及び第2レジスト斜行補正モードMD2のうちの何れか1つを行う(
図7Bの破線枠α1参照)。
【0068】
こうすることで、ユーザーの使用状況によって複数個(この例では2個)のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わないようにすることができ、これにより、ユーザーの使用状況によって、例えば、レジストローラ対233の回転開始音がユーザーを不快にさせるような静音環境下において、複数個(この例では2個)のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わないようにすることができる。
【0069】
本実施の形態において、シート搬送装置(200)は、シート(G)として複数種類〔この例では複数種類の厚み(坪量)及び/又は複数種類のサイズ〕のシート(G)が搬送可能とされている。
【0070】
ところで、シート(G)の厚み(坪量)が小さくなる程、また、シート(G)のサイズが小さくなる程、特に名刺サイズのうように小さいサイズ(この例では最小サイズ)のシート(G)では、シート(G)が斜行し易い。或いは/さらに、1回のジョブで異なるサイズの複数枚の原稿Gを搬送する場合(混載モード)、搬送する原稿Gのうち最も大きいサイズの原稿Gは幅方向Wの両側に設けられた一対のシート規制部材により両側から支持される一方、小さいサイズの原稿Gは一方のシート規制部材の片側でしか支持されないため、原稿Gが斜行し易い。
【0071】
この点、制御部260は、
図7Aに示す第1選択画面S1において、設定モードとしてシート(G)の種類に応じて複数のシート種類モード(この例では普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード)が選択可能とされ(
図7Bの破線枠α2参照)、複数のシート種類モード(この例では普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード)のうち何れか1つが選択されると、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2を実行する。
【0072】
こうすることで、シート(G)の種類に応じて第1レジスト斜行補正モード(1回以上複数回未満の斜行補正、この例では1回)を行うか、又は、第2レジスト斜行補正モード(複数回の斜行補正、この例では2回)を行うことができ、これにより、シート(G)の種類によってシートの斜行補正の回数を変更することができる。
【0073】
図7Aに示すように、表示部152の第1選択画面S1には、通常モードにおいて、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードのうち何れか1つをユーザーにより選択可能に表示されている。
図7Aでは、普通紙モードが選択されている状態を示している。
【0074】
この例では、制御部260は、受付部151でシート種類モードとして普通紙モード又は厚紙モードを受け付けると、第1レジストローラ対2331による斜行補正のみの1回の斜行補正を行う第1レジスト斜行補正モードMD1を実行する。また、制御部260は、受付部151でシート種類モードとして薄紙モード、混載モード又は名刺モードを受け付けると、第1レジストローラ対2331による斜行補正と第2レジストローラ対2332による斜行補正との2回の斜行補正を行う第2レジスト斜行補正モードMD2を実行する。
【0075】
ところで、制御部260は、非レジスト斜行補正モードMDNを実行して複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全てのシート(G)の斜行補正を行わない場合、このままでは、シート(G)の斜行補正を行うことができない。
【0076】
この点、本実施の形態において、制御部260は、シート(G)の斜行補正を複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)による斜行補正以外の斜行補正としてシート(G)の斜行を画像処理により補正する画像処理斜行補正モードMDP(
図4参照)をさらに有している。
【0077】
そして、制御部260は、
図7Aに示す第1選択画面S1において、設定モードとして画像処理斜行補正モードMDPを実行する斜行補正設定モードが選択可能とされ(
図7Bの破線枠α3参照)、斜行補正設定モードが選択されると、非レジスト斜行補正モードMDNを実行して複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全ての斜行補正を行わない代わりに、画像処理斜行補正モードMDP(
図4参照)を実行する。
【0078】
こうすることで、非レジスト斜行補正モードMDNを実行して複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)全てのシート(G)の斜行補正を行わない場合でも、シート(G)の斜行補正を行うことができる。
【0079】
しかも、シート(G)の斜行を画像処理により容易に補正することができる。ここで、シート(G)の斜行を補正する画像処理としては、シート(G)の画像の検知する画像検知部(イメージセンサ)の検知結果に基づいてシート(G)の先端及び後端、並びに、シート(G)の搬送方向Hに直交する幅方向Wにおける両側端を検出し、検出したシートの先端、後端、両側端で形成される形状を4つ角が全て直角である直角四角形状にする画像処理である。この画像処理は、従来公知の手法で行うことができ、ここでは詳しい説明を省略する。
【0080】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るシート搬送装置(200)において第1実施形態と同じ構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
ところで、ユーザーは、各種の設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)において、シート(G)の斜行補正の回数を所望の回数に設定したい場合がある。
【0082】
この点、本実施の形態において、制御部260は、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)毎に、非レジスト斜行補正モードMDN、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2のうちの何れか1つを設定可能とされている。
【0083】
図8A及び
図8Bは、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)毎に、非レジスト斜行補正モードMDN、第1レジスト斜行補正モードMD1及び第2レジスト斜行補正モードMD2のうちの何れか1つを設定するための第1設定画面T1を示す平面図である。
図8Aは、通常モードの初期設定状態を示しており、
図8Bは、
図8Aに示す通常モードにおいて普通紙モードの第1レジスト斜行補正モードMD1から第2レジスト斜行補正モードMD2に変更した設定例を示している。
【0084】
こうすることで、各種の設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)において、シート(G)の斜行補正の回数を所望の回数に変更することができる。
【0085】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るシート搬送装置(200)において第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
(静音優先モード)
図9Aは、表示部152の第2選択画面S2の一例を示す平面図である。
図9Bは、設定モードに応じて行う非レジスト斜行補正モードMDN及び第1レジスト斜行補正モードMD1の組み合わせの一例を通常モードと共に示す図表である。
【0087】
ところで、レジストローラ対233の回転開始音(特に厚紙搬送時の回転開始音)がユーザーを不快にさせるような静音環境下では、ユーザーは複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)による斜行補正の回数を減らしたい場合がある。
【0088】
この点、本実施の形態において、制御部260は、
図9Aに示す第2選択画面S2において、設定モード(動作モード)として静音を優先した静音優先モードが選択可能とされ(
図9Bの破線枠α4参照)、静音優先モードが選択されると、非レジスト斜行補正モードMDN又は第1レジスト斜行補正モードMD1を行う。
【0089】
こうすることで、レジストローラ対233の回転開始音がユーザーを不快にさせるような静音環境においても、複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)による斜行補正の回数を減らす又は無くすことができる。
【0090】
図9Aに示すように、表示部152の第2選択画面S2には、静音優先モードにおいて、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードのうち何れか1つをユーザーにより選択可能に表示されている。
図9Aでは、厚紙モードが選択されている状態を示している。
【0091】
記憶部262には、
図9Bに示すように、静音優先モードにおいて、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モード)毎に、非レジスト斜行補正モードMDN又は第1レジスト斜行補正モードMD1が予め記憶されている。
【0092】
この例では、記憶部262の「静音優先モード」の記憶領域において、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード及び斜行補正設定モードでは、非レジスト斜行補正モードMDNが予め設定されている。また、混載モード及び名刺モードでは、第1レジスト斜行補正モードMD1が予め設定されている。
【0093】
制御部260は、受付部151で設定モードのうち何れか1つの選択操作(例えば厚紙モード)を受け付けると(
図9A参照)、受け付けた設定モード(例えば厚紙モード)に応じたモード(例えば非レジスト斜行補正モードMDN)を実行する。
【0094】
図10A及び
図10Bは、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)毎に、非レジスト斜行補正モードMDN又は第1レジスト斜行補正モードMD1を設定するための第2設定画面T2を示す平面図である。
図10Aは、静音優先モードの初期設定状態を示しており、
図10Bは、
図10Aに示す静音優先モードにおいて薄紙モードの非レジスト斜行補正モードMDNから第1レジスト斜行補正モードMD1に変更した設定例を示している。
【0095】
こうすることで、各種の設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)において、シート(G)の斜行補正の回数を所望の回数に変更することができる。
【0096】
(画質優先モード)
図11Aは、表示部152の第3選択画面S3の一例を示す平面図である。
図11Bは、設定モードに応じて行う第1レジスト斜行補正モードMD1及び第2レジスト斜行補正モードMD2の組み合わせの一例を通常モード及び静音優先モードと共に示す図表である。
【0097】
ところで、ユーザーは画質を優先して複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)による斜行補正の回数を増やしたい場合がある。また、画像処理斜行補正モードでは、画像処理で斜行補正するので、画質が低下し易い。このことは、特に2値画像で画像処理を行う場合(例えば斜線が画像処理により階段状になる場合)に顕著となる。
【0098】
この点、本実施の形態において、制御部260は、
図11Aに示す第3選択画面S3において、設定モード(動作モード)として画質を優先した画質優先モードが選択可能とされ(
図11Bの破線枠α5参照)、画質優先モードが選択されると、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2(例えば第2レジスト斜行補正モードMD2)を実行する。
【0099】
こうすることで、画質を優先して複数個のレジストローラ対233~233(2331,2332)による斜行補正の回数を増やすことができる。また、レジストローラ対233により斜行補正を行うので、画質の低下を回避することができる。
【0100】
図11Aに示すように、表示部152の第3選択画面S3には、画質優先モードにおいて、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードのうち何れか1つをユーザーにより選択可能に表示されている。
図11Aでは、斜行補正設定モードが選択されている状態を示している。
【0101】
記憶部262には、
図11Bに示すように、画質優先モードにおいて、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モード)毎に、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2(例えば第2レジスト斜行補正モードMD2)が予め記憶されている。
【0102】
この例では、記憶部262の「画質優先モード」の記憶領域において、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード及び斜行補正設定モードでは、第2レジスト斜行補正モードMD2が予め設定されている。
【0103】
制御部260は、受付部151で設定モードのうち何れか1つの選択操作(例えば斜行補正設定モード)を受け付けると(
図11A参照)、受け付けた設定モード(例えば斜行補正設定モード)に応じたモード(例えば第2レジスト斜行補正モードMD2)を実行する。
【0104】
図12A及び
図12Bは、設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)毎に、第1レジスト斜行補正モードMD1又は第2レジスト斜行補正モードMD2を設定するための第3設定画面T3を示す平面図である。
図12Aは、画質優先モードの初期設定状態を示しており、
図12Bは、
図12Aに示す画質優先モードにおいて厚紙モードの第2レジスト斜行補正モードMD2から第1レジスト斜行補正モードMD1に変更した設定例を示している。
【0105】
こうすることで、各種の設定モード(この例では、普通紙モード、厚紙モード、薄紙モード、混載モード、名刺モード、斜行補正設定モード)において、シート(G)の斜行補正の回数を所望の回数に変更することができる。
【0106】
<第4実施形態>
本実施の形態において、シート搬送装置(200)は、
図3、
図5及び
図6Aから
図6Cに示すように、供給ローラ222を備えている。供給ローラ222は、複数個のレジストローラ対233よりもシート(G)の搬送方向Hにおける上流側の複数個のレジストローラ対233の一番近くに設けられている。
【0107】
ところで、
図6Aから
図6Cに示すように、供給ローラ222は、通常、シート(G)の幅方向Wにおける中央部の一箇所に設けられる。そして、供給ローラ222よりもシート(G)の搬送方向Hにおける下流側に設けられたレジストローラ対が供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(第1レジストローラ対2331)である場合、回転停止中の供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)に押し込まれたシート(G)は(
図6A、
図6B参照)、シート(G)の幅方向Wにおける中央部の一箇所に設けられた供給ローラ222だけに挟持されるので、回転停止中の供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)に押し込まれたシート(G)は、供給ローラ222以外に束縛されることがなく、それだけ、大きく斜行補正を行うことができる。これに対し、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)よりも下流側に設けられた回転停止中の下流側レジストローラ対(第2レジストローラ対2332)に押し込まれたシート(G)は(
図6C参照)、シート(G)のサイズによっては〔この例では最小サイズ(
図6A参照)よりも大きいサイズでは〕シート(G)の幅方向Wにおいて下流側レジストローラ対(2332)よりも上流側のローラ対(第1レジストローラ対2331)の複数箇所に設けられたローラ部(2331c~2331c)に挟持されるので、回転停止中の下流側レジストローラ対(2332)に押し込まれたシート(G)は、上流側のローラ対(2331)の複数のローラ部(2331c~2331c)に束縛され、それだけ、大きく斜行補正を行うことができない。
【0108】
また、シート(G)が斜行している場合、供給ローラ222から離れるほど、シート(G)の幅方向Wにおける横ずれが大きくなる。
【0109】
この点、本実施の形態では、レジスト斜行補正モードMDにて斜行補正を行うレジストローラ対(2331,2332)は、複数個のレジストローラ対233~233のうちの供給ローラ222よりもシート(G)の搬送方向Hにおける下流側の供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)である。
【0110】
こうすることで、回転停止中の供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)に押し込まれたシート(G)は、幅方向Wにおける中央部の一箇所に設けられた供給ローラ222以外に束縛されることがなく、それだけ、大きく斜行補正を行うことができ、また、幅方向Wにおける横ずれを小さく抑えることができる。
【0111】
<第5実施形態>
また、本実施の形態では、第2レジスト斜行補正モードMD2において、複数個のレジストローラ対233~233のうち、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)へのシート(G)の第1押込み量(第1押込み時間)は、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)以外のレジストローラ対(2332)へのシート(G)の第2押込み量(第2押込み時間)よりも大きい。ここで、第1押込み量(第1押込み時間)及び第2押込み量(第2押込み時間)とは、シートがレジストローラ対に突き当たってからシート(G)を停止させるまでのシート(G)の搬送量(搬送時間)、いわばシート(G)の先端部の撓み量である。
【0112】
こうすることで、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)で大きく斜行補正し、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)以外のレジストローラ対(2332)で供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)での斜行補正よりも小さい斜行補正を行うことができる。これにより、先ず、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)で大きな斜行を補正し、次に、供給ローラ222に一番近いレジストローラ対(2331)以外のレジストローラ対(2332)で小さな斜行を精度よく補正することができる。
【0113】
<第6実施形態>
この例では、シート搬送装置は、シートである原稿Gをシート搬送路231における所定の読取位置Rで読み取る原稿送り装置200とされている。シート搬送装置(200)は、複数個のレジストローラ対233~233よりも原稿Gの搬送方向Hにおける上流側の複数個のレジストローラ対233~233の一番近くに設けられた供給ローラ222を備えている。
【0114】
ところで、レジストローラ対233を読取位置Rよりも原稿Gの搬送方向Hにおける上流側の読取位置Rの一番近くに設けることが考えられるが、この場合、最小サイズの原稿G(この例では名刺)を読み取るためにレジストローラ対と読取位置Rとの間のスペースが限られ、レジストローラ対のレジストクラッチを設け難い。また、読取位置Rよりも原稿Gの搬送方向Hにおける上流側の読取位置Rの一番近くに設けられたローラ対は、原稿Gの画像の読み取り動作に関与することから、レジストクラッチのオンオフの振動が原稿Gの読み取り画像に影響を及ぼし易い。
【0115】
この点、シート搬送装置(200)は、読取位置Rよりも原稿Gの搬送方向Hにおける上流側の読取位置Rの一番近くに設けられた読取前搬送ローラ対234を備えている。複数個のレジストローラ対233~233は、読取前搬送ローラ対234よりも原稿Gの搬送方向Hにおける上流側に設けられた第1レジストローラ対2331と、第1レジストローラ対2331よりも原稿Gの搬送方向Hにおける下流側かつ読取前搬送ローラ対234よりも上流側(この例では上流側の読取前搬送ローラ対234の一番近く)に設けられた第2レジストローラ対2332とからなる2個のレジストローラ対(2331,2332)である。
【0116】
こうすることで、読取前搬送ローラ対234にレジストクラッチを設ける必要がなく、最小サイズの原稿G(特に名刺)を読み取るために読取前搬送ローラ対234と読取位置Rとの間のスペースを狭くすることができる。また、第2レジストローラ対2332は、読取前搬送ローラ対234よりも上流側に設けられるので、第2レジストローラ対2332のレジストクラッチのオンオフの振動が原稿Gの読み取り画像に影響を及ぼし難くすることができる。
【0117】
そして、制御部260は、非レジスト斜行補正モードMDNでは、第1レジストローラ対2331及び第2レジストローラ対2332の双方により斜行補正を行わない。制御部260は、第1レジスト斜行補正モードMD1では、第1レジストローラ対2331により斜行補正を行う。また、制御部260は、第2レジスト斜行補正モードMD2では、第1レジストローラ対2331及び第2レジストローラ対2332の双方により斜行補正を行う。
【0118】
これにより、ユーザーの使用状況によって、例えば、レジストローラ対233の回転開始音がユーザーを不快にさせるような静音環境下において、2個のレジストローラ対(2331、2332)全ての斜行補正を行わないようにすることができる。
【0119】
(その他の実施の形態)
以上説明した態様では、複数個のレジストローラ対233を2個としたが、3個以上であってもよい。また、シートを原稿Gとしたが、記録用紙としてもよい。この場合、レジストローラ対は画像形成装置本体101において複数設けられる。
【0120】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0121】
100 画像形成装置
150 操作表示部
151 受付部
152 表示部
200 原稿送り装置(シート搬送装置の一例)
210 原稿載置トレイ
220 原稿供給部
221 呼込ローラ
222 供給ローラ
223 分離ローラ
224 供給駆動伝達機構
230 原稿搬送部
231 シート搬送路
232 搬送ガイド
233 レジストローラ対
2331 第1レジストローラ対
2332 第2レジストローラ対
234 読取前搬送ローラ対
235 読取後搬送ローラ対
236 排出前搬送ローラ対
240 原稿排出部
241 排出ローラ対
250 原稿排出トレイ
260 制御部
261 処理部
262 記憶部
270 搬送駆動部
280 搬送駆動伝達機構
281 第1レジストクラッチ
282 第2レジストクラッチ
291 第1搬送検知部
292 第2搬送検知部
293 第3搬送検知部
G 原稿
G1 先端
H 搬送方向
MD レジスト斜行補正モード
MD1 第1レジスト斜行補正モード
MD2 第2レジスト斜行補正モード
MDN 非レジスト斜行補正モード
MDP 画像処理斜行補正モード
R 読取位置
S1 第1選択画面
S2 第2選択画面
S3 第3選択画面
T1 第1設定画面
T2 第2設定画面
T3 第3設定画面
W 幅方向
d1 第1距離
d2 第2距離
d3 第3距離