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  • 特許-カスパーゼ阻害剤及びその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】カスパーゼ阻害剤及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 237/08 20060101AFI20250306BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250306BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20250306BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20250306BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20250306BHJP
   C12N 9/48 20060101ALI20250306BHJP
   C07C 237/12 20060101ALI20250306BHJP
   C07C 237/24 20060101ALI20250306BHJP
   C07C 237/20 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 239/42 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 257/04 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 215/38 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 215/20 20060101ALI20250306BHJP
   C07D 215/40 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
C07C237/08 CSP
A61P1/00
A61P11/00
A61P9/10
A61P17/00
A61P29/00 101
A61P13/12
A61P37/06
A61P25/00
A61P29/00
A61P1/16
A61P35/00
A61P27/02
A61K38/05
A61K38/06
C12N9/48
C07C237/12
C07C237/24
C07C237/20
C07D213/74
C07D239/42 Z
C07D257/04 A
C07D215/38
C07D215/20
C07D215/40
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021552886
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2020021324
(87)【国際公開番号】W WO2020181165
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】62/815,270
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】524113253
【氏名又は名称】ノボ メディシン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アルフレド ピー. スパダ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェイ. ターナンスキー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ミューラー
【審査官】小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515854(JP,A)
【文献】特開2007-023030(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053864(WO,A1)
【文献】特表2005-533825(JP,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2008年11月05日,Vol.19, No.1,p199-202,doi:10.1016/j.bmcl.2008.10.117
【文献】Journal of Cell Death,2010年06月02日,Vol.3,p33-40,doi:10.4137/JCD.S445
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N 1 -((S)-1-(((S)-5-(ベンジルオキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)オキサルアミド、
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-5-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド、
N1-((S)-1-(((S)-5-((4-クロロベンジル)オキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)オキサルアミド、
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-オキソ-1-(((S)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-5-(チオフェン-3-イルメトキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)プロパン-2-イル)オキサルアミド、
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-5-メトキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド、
(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-3-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-4-オキソ-5-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンチルフェニルカルボナート、
(S)-3-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-4-オキソ-5-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンチル安息香酸エステル、
(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)アセトアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((2-(tert-ブチル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)-2-メチルプロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-6-オキソ-7-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘプタン酸、
(S)-4-(1-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)シクロペンタン-1-カルボキサミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-((2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-(2-(7-クロロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)アセトアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((4-フルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((3-フルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((4-メチルフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((3-メチルフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((2-メチルフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((2-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((3-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((5-メチルピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
ベンジル(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート、
(S)-4-((S)-2-(2-((5-クロロピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((4-アセチルフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((2-シアノフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-6-((2,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)オキシ)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(キノリン-3-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-(ナフタレン-1-イルアミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(キノリン-8-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(ピリジン-4-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(R)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(ピリジン-2-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(ピリジン-3-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-4-((S)-2-(2-((4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)アミノ)-2-オキソアセトアミド)プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、
(S)-5-オキソ-4-((S)-2-(2-オキソ-2-(ピリミジン-2-イルアミノ)アセトアミド)プロパンアミド)-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸、及び
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-6-(ヒドロキシアミノ)-2,6-ジオキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド
から選択される化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項3】
消化器疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、自己免疫疾患、CNS疾患、炎症性疾患、肝疾患、癌及び眼科疾患から選択される疾患を治療することにおいて使用するための、請求項2に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.関連出願)
本出願は、2019年3月7日に出願された米国仮出願第62/815,270号の優先権の利益を主張し、その開示はその全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
(2.分野)
本明細書で提供されるのは、カスパーゼ阻害剤である化合物、それら化合物を含む医薬組成物、及びそのような化合物及び医薬組成物の使用方法である。
【背景技術】
【0003】
(3.背景)
12種のヒトカスパーゼが知られている。カスパーゼ-1は、インターロイキン転換酵素(ICE)としても知られ、最初に同定されたヒトカスパーゼである。10種のカスパーゼが、それらの効果に基づいて、アポトーシス誘導型カスパーゼ(カスパーゼ2、3、6、7、8、9及び10)と、炎症誘導型カスパーゼ(カスパーゼ1、4及び5)の2つのグループに分類されている。2個の追加的なヒトカスパーゼ(12及び14)の機能は、それほど特徴付けられていない。
【0004】
カスパーゼは、アポトーシス及び細胞分解のためのシグナル伝達経路における重要なメディエータである、システインプロテアーゼ酵素の1ファミリーである(Thornberryの文献、Chem.Biol., 1998, 5, R97-R103)。これらのシグナル伝達経路は、細胞の種類や刺激によって異なるが、全てのアポトーシス経路は共通のエフェクター経路に収束し、最重要タンパク質のタンパク質分解を導くことを示している。カスパーゼは、シグナル伝達経路のエフェクター段階とその開始である更に上流との両方に関与している。開始イベントに関係した上流のカスパーゼが活性化されると、後のアポトーシス段階に関与する他のカスパーゼが次々に活性化される。
【0005】
ヒトICEの基質特異性は、酵素の切断部位にまたがるペプチドを使用して特定されている。ペプチド基質の2つの特徴が、この酵素による触媒的認識に必要である。最初に、切断部位に隣接するアスパラギン酸が強く要求され、それはIL-1β前駆体及びペプチド基質内のこの残基の置換のいずれかが触媒反応速度の実質的な低下をもたらす(Kosturaらの文献、Proc.Natl.Acad.Sci., 86:5227, 1989; Sleathらの文献、J.Biol.Chem., 265:14526, 1990; Howardらの文献、J.Immunol., 147:2964, 1991)。
【0006】
酵素的に活性なカスパーゼ-1は、インフラマソームとして知られるタンパク質複合体の作用によって、その不活性な前駆体であるプロカスパーゼ-1から生成される。インフラマソームの生化学的機能は、活性なカスパーゼ-1を生成することである。活性カスパーゼ-1は、不活性な前駆体、プロインターロイキン-1β(プロIL-1β)を活性なサイトカイン、インターロイキン-1β(IL-1β)へ転換し、同様に、プロ-IL-18を成熟型の活性IL-1βへ転換する。IL-1βは炎症誘導型マスターサイトカインとして知られており、多数のヒト疾患に関与している。IL-18は又、ヒト疾患に関係する炎症誘導型サイトカインでもある。カスパーゼ-1は又、タンパク質ガスダーミンDを切断し、ピロトーシスとして知られる炎症性細胞死の1形態を開始する。Sollberger, G.らの文献、Innate Immunity 20, pp.115-125 (2013)及びDenes, Aらの文献、Cell Death Disease 3, e338 (2012)。カスパーゼ-1は、炎症誘導型サイトカインの産生を調節し、ピロトーシスを活性化する役割を持つため、多くの炎症性疾患症状に関連している。カスパーゼ-1及びIL-1βは、自己炎症性疾患、自己免疫疾患、CNS疾患、肝疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、眼科疾患、及び癌と関連づけられている。Flores, J.らの文献、Nature Comm.9, 3916 (2018); McKenzie, B.らの文献、PNAS 115, (26), E6065-E6074 (2018); Melnikov,V.らの文献、J Clin Invest.110, pp.1083-1091 (2002); Wang, W.らの文献、PNAS, 113, (34) pp.9587-9592 (2016); Morrison, M.らの文献、Int J Obesity Res.40, pp.1416-1423 (2016); Guo B.らの文献、Sci Rep.6, p.36107 (2016); Stack, J.らの文献、J.Immunol.175, pp.2630-2634 (2005); Kim,R.らの文献、Am.J.Resp.Care Med.196, pp.283-297 (2017); Rudolphi, K.らの文献、Osteoarthritis Cartilage 11, pp.738-746 (2003); Audia, J.らの文献、Basic Res.Cardiol.113, (5), pp.32 (2018); Aira, L.らの文献、J.Invest.Derm.DOI: 10.1016/j.jid.2018.11.031 (2018), Wooff, Y.らの文献、Sci.Rep.10, p.2263 (2020)。従って、カスパーゼ-1、カスパーゼ(capsase)-4及びカスパーゼ-5の炎症誘発性及び病原性作用の阻害剤は、複数のヒト疾患の治療に有益である可能性がある。
【0007】
カスパーゼ阻害剤の複数の用途の観点から、ある種のカスパーゼを選択的に阻害することができる、新しく、より効果的な化合物を開発する一定の要求が存在している。
【発明の概要】
【0008】
(4.概要)
本明細書で提供されるのは、化合物、その化合物を含む医薬組成物、並びに、限定されるものではないが、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5を含むある種のカスパーゼによって変調される疾患の治療における、それらの使用方法である。一の実施態様では、本明細書で提供される組成物及び方法における使用のための化合物は、式Iのもの、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化1】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X、Y、Y1、Y2及びZ3は、本明細書中の別のところで定義されているとおりである)。
【0009】
同様に、本明細書で提供されるのは、1以上の式Iの化合物及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬組成物である。
【0010】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、治療的有効量の本明細書で提供される化合物を投与することによる、炎症性カスパーゼ(即ち、カスパーゼ-1、カスパーゼ(caspae)-4及びカスパーゼ-5)に関係する疾患若しくは症状、及び/又は、炎症性カスパーゼの変調の治療方法である。治療は、緩解、緩和及び/又は予防を含むことができる。ある実施態様では、炎症性カスパーゼに関係する症状若しくは疾患、及び/又は、炎症性カスパーゼの変調は、自己免疫疾患、炎症性疾患、CNS疾患、肝疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、及び癌から選択される。ある実施態様では、炎症性カスパーゼに関係する症状若しくは疾患、及び/又は、炎症性カスパーゼの変調は、自己免疫疾患、炎症性疾患、CNS疾患、肝疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、眼科疾患及び癌から選択される。
【0011】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、治療的有効量の本明細書の化合物を投与することによる、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5に関係する疾患若しくは症状、及び/又は、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5の変調の治療方法である。治療は、緩解、緩和及び/又は予防を含むことができる。ある実施態様では、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5に関係する症状若しくは疾患、及び/又は、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5の変調は、自己炎症性、自己免疫疾患、炎症性疾患、CNS疾患、肝疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、及び癌から選択される。ある実施態様では、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5に関係する症状若しくは疾患、及び/又は、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5の変調は、自己炎症性、自己免疫疾患、炎症性疾患、CNS疾患、肝疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、眼科疾患及び癌から選択される。
【0012】
一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、自己炎症性疾患、神経炎症性疾患、自己免疫疾患の、及び他の炎症性症状の、治療、予防又は緩解に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、肝疾患、特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、自己免疫性肝炎(AIH)及びウイルス性肝炎の治療に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、消化器疾患、特に炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病の治療に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、CNS疾患及び神経炎症性疾患、特に多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病、ハンチントン病(HD)、パーキンソン病(PD)及びてんかんの治療に有用である。本明細書に記載された組成物は、心血管疾患及び代謝性疾患、特に心筋梗塞(MI)、アテローム性動脈硬化、2型糖尿病、及び1型糖尿病の治療に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、腎疾患、特に急性腎臓傷害(AKI)、糸球体腎炎及びループス腎炎の治療に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、皮膚疾患、特に乾癬及び座瘡の治療に有用である。一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、リウマチ性疾患、特に関節リウマチ(RA)、骨関節炎(OA)及び痛風の治療に有用である。本明細書の化合物を適用することのできる、例示的な特別な自己免疫疾患には、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、浮腫性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、スティーブン-ジョンソン症候群、内分泌性眼障害及びバセドウ病を含めることもできる。
【0013】
一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は又、喘息、ステロイド抵抗性喘息、肺気腫、及びその他の閉塞性又は炎症性気道疾患の治療、予防又は緩解に有用である。
【0014】
一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、又、加齢性黄斑変性症(AMD)等の網膜変性疾患等の眼科疾患の治療、予防又は緩解に有用である。
【0015】
一の実施態様では、本明細書に記載された組成物は、癌の治療に使用してもよい。
【0016】
一の実施態様では、本開示は、癌の治療及び/又は予防のための、本明細書で提供される化合物の使用に関する。典型的な癌には、結腸直腸癌(CRC)、メラノーマ、胃癌(食道癌を含む)、腎細胞癌(RCC)、乳癌、前立腺癌、頭頸部癌、膀胱癌、肝細胞癌(HCC)、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膵臓癌、神経内分泌癌、血液癌(特に、多発性骨髄腫、急性骨髄芽球性白血病(AML))、及び胆道癌が含まれる。
【0017】
一の実施態様では、本化合物は、少なくとも部分的に炎症性ベースを有する癌の治療を改善するための療法を提供する。一の実施態様では、本化合物は、少なくとも部分的に炎症性ベースを有する癌の治療及び/又は予防に有用である。別の態様では、本明細書で提供されるのは、癌の治療及び/又は予防のための化合物の投与のための、特別な臨床的投薬レジメンである。別の態様では、本明細書で提供される化合物は、1以上の治療薬(例えば、化学療法薬)と共にそれを必要とする対象へ投与され、かつ/或いは、ある実施態様での対象は、本明細書の化合物の投与に加えて、腫瘍減量術を受けた/受ける予定である。
【0018】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、それを必要とするヒト対象中の癌を治療又は予防する方法であって、対象へ治療的有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法である。
【0019】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、癌治療用医薬品の製造のための化合物の使用である。
【0020】
幾つかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、家族性地中海熱(FMF)、全身型若年性特発性関節炎(SJIA)、高免疫グロブリンD症候群(HIDS)並びに腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)の治療又は予防、中でも、家族性寒冷蕁麻疹、新生児期発症多臓器系炎症性疾患、SJIA及びFMF、並びにマックルウェルズ症候群の治療又は予防に使用される。
【0021】
本方法の実施では、治療的に有効な濃度の化合物を含む、有効量の化合物又は組成物を、治療されるべき疾患又は障害の症候を示す個体へ投与する。その量は、疾患又は障害の1以上の症候を緩解へ導く又は取り除くために有効なものである。
【0022】
更に提供されるのは、医薬組成物の1以上の成分で満たされた1以上の容器を含む、医薬パック又はキットである。任意で、そのような容器へ、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形式の注意書きを添付してもよく、この注意書きは、ヒト投与用の製造、使用又は販売に関する機関による承認を反映している。このパック又はキットには、投与様式、薬物投与の順序(例えば、別々に、逐次的に又は同時に)等に関する情報が、ラベル付けされてもよい。
【0023】
本明細書に記載された主題のこれら態様及び他の態様は、下記詳細な説明を参照することにより明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
(5.図面の簡単な説明)
図1図1は、THP 1細胞におけるIL-1βの阻害に関する、実施例6の化合物及び参照化合物IDN-7314の用量反応研究を提供する。
【0025】
図2図2は、Jurkat細胞におけるFas誘導されたアポトーシスに関する、実施例6の化合物及び参照化合物IDN-7314の用量反応研究の結果を提供する。
【0026】
図3図3は、実施例6の化合物及び参照化合物MCC950による、炎症性サイトカインIL-1β及びIL 18のインビボ阻害を示す。
【0027】
図4図4は、潰瘍性大腸炎モデルにおける体重減少の予防に関する、実施例6の化合物及び参照化合物の一日2回経口投与の効果を提供する。
【0028】
図5図5は、潰瘍性大腸炎モデルにおける結腸の組織学的パラメータに対する、実施例6の化合物及び参照化合物の一日2回経口投与の効果を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(6.実施態様の詳細な説明)
(6.1.定義)
他に明記しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。全ての特許、出願、公開出願、及び他の刊行物は、その全体が引用により組み込まれている。本明細書において、1つの用語に複数の定義がある場合、別の記載がない限りこの項目の定義が優先される。
【0030】
本明細書で使用される「ハロゲン」は、全てのハロゲンを指し、即ちハロゲン置換基は、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)又はヨード(I)で有り得る。
【0031】
「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0032】
「チオ」は、-SH基を指す。
【0033】
本明細書で使用される「低級アルキル」は、1~6炭素原子(特に定義されない限り)を含むアルカン由来の基を意味し、直鎖アルキル又は分岐状アルキルを含む。本明細書で使用される用語「アルキル」は、メチル、エチル、tert-ブチル、iso-プロピル、n-オクチル等の、直鎖又は分岐状C1~C10炭素鎖を意味する。直鎖又は分岐状アルキル基は、化学的に利用可能であり、任意の可能な点で結合して安定した化合物を生成する。実施態様では、低級アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル等の、1~6、1~4若しくは1~2炭素原子を含む、直鎖又は分岐状アルキル基である。「置換された低級アルキル」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意に独立して置換された低級アルキルを示し、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、-F、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)、-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rc、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。
【0034】
「アルキレン」は、不飽和を含まず炭素及び水素のみからなる直鎖又は分岐状の二価の炭化水素鎖を指す。「低級アルキレン」は、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン等の、不飽和を含まず1~6炭素原子を有する炭素及び水素のみからなる直鎖又は分岐状二価の炭化水素鎖を指す。ある実施態様では、アルキレン及び低級アルキレンは、上記アルキル基の定義で記載された1以上の置換基で置換されている。
【0035】
単独又は組み合わせられた「低級アルケニル」は、2~6炭素原子(特に定義されない限り)及び少なくとも1個の、1~3個、1~2個若しくはただ1個の炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐状炭化水素を意味する。用語「アルケニル」は、少なくとも1個の、1~3個、1~2個若しくはただ1個の炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐状C1~C10炭素鎖を意味する。炭素-炭素二重結合は、直鎖部分又は分岐状部分のどちらかの中に含まれていてもよい。直鎖又は分岐状低級アルケニル基は化学的に利用可能であり、任意の可能な点で結合して安定した化合物を生成する。低級アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル等が含まれる。「置換された低級アルケニル」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換された低級アルケニルを示し、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、-F、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。
【0036】
単独又は組み合わせられた「低級アルキニル」は、2~6炭素原子(特に定義されない限り)及び少なくとも1個の、又はただ1個の炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐状炭化水素を意味する。用語「アルキニル」は、少なくとも1個の若しくはただ1個の炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐状C1~C10炭素鎖を意味する。直鎖又は分岐状低級アルキニル基は化学的に利用可能であり、任意の可能な点で結合して安定した化合物を生成する。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、ブチニル等が含まれる。「置換された低級アルキニル」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換された低級アルキニルを示し、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、-F、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Re、及び-Rgからなる群から選択される。
【0037】
「シクロアルキル」は、飽和又は不飽和非芳香族の、環あたり環員が3~10、同様に3~8若しくは3~6である、単環式、二環式又は三環式炭素環系、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、cis-又はtrans-デカリン、ビシクロ[2.2.l]ヘプト-2-エン、シクロヘキサ-1-エニル、シクロペンチ-1-エニル、1,4-シクロオクタジエニル等を指す。用語「(シクロアルキル)アルキル」は、シクロアルキル環で置換された上記で定義されたアルキル基を意味する。その基の例には、(シクロヘキシル)メチル、3-(シクロプロピル)-n-プロピル、5-(シクロペンチル)ヘキシル、6-(アダマンチル)ヘキシル等が含まれる。
【0038】
「置換されたシクロアルキル」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換されたシクロアルキルであり、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Re、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、3~6炭素原子を含むシクロアルキルを示し、「C3-5シクロアルキル」は、3~5炭素原子を含むシクロアルキルを示す。
【0039】
「ヘテロシクロアルキル」は、飽和又は不飽和非芳香族の、5~10原子を含むシクロアルキル基を指し、その環中の1~3個の炭素原子はヘテロ原子O、S又はNで置換されており、任意で5~6環員のベンゾ又はヘテロアリールと縮合されている。ヘテロシクロアルキルは又、スルフィニル、スルホニル及び三級の環構成窒素のN-オキシド等の、酸化されたS又はNを含むことも意図される。ヘテロシクロアルキルは又、環構成炭素がオキソ置換されてもよい、即ち環構成炭素がカルボニル基である化合物、ラクトン及びラクタム等を含むことも意図される。ヘテロシクロアルキル環の結合点は、安定した環が保持されるような炭素又は窒素原子である。ヘテロシクロアルキル基の例には、限定されるものではないが、モルホリノ、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピリジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペラジニル、ジヒドロベンゾフリル、及びジヒドロインドリルが含まれる。「窒素含有ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個のヘテロ原子がNであるヘテロシクロアルキルを指す。用語「(ヘテロシクロアルキル)アルキル」は、ヘテロシクロアルキル環で置換された、上記で定義されたアルキル基を意味する。
【0040】
「置換されたヘテロシクロアルキル」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換されたヘテロシクロアルキルであり、任意の利用可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Re、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。
【0041】
単独又は組み合わせられた「アリール」は、フェニル又はナフチル等の、芳香族炭化水素を含有する単環式又は二環式環系を指し、任意で、例えば5~7環員、又は、例えば、5~6環員のシクロアルキルと縮合されていてもよい。「置換されたアリール」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換されたアリールであり、任意の利用可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Re、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。幾つかの実施態様では、置換基は、1~3個の、ハロ、トリハロメチル、アミノ、保護されたアミノ、アミノ塩、一置換されたアミノ、二置換されたアミノ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボン酸塩、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロキシ基の塩、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキル、置換された低級アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換された(シクロアルキル)アルキル、フェニル、置換されたフェニル、フェニルアルキル、及び置換されたフェニルアルキル基から選択される。ある実施態様では、置換基は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル及びトリヨードメチルから選択される。幾つかの実施態様では、置換基は1以上のトリフルオロメチルである。
【0042】
用語「置換されたフェニル」は、上記で特定された「アリール」置換基から選ばれる1以上の置換基で置換されたフェニル基を示す。実施態様では、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボキシメチル、保護されたカルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル、アミノ、保護されたアミノ、(一置換された)アミノ、保護された(一置換された)アミノ、(二置換された)アミノ、カルボキサミド、保護されたカルボキサミド、N-(低級アルキル)カルボキサミド、保護されたN-(低級アルキル)カルボキサミド、N,N-ジ(低級アルキル)カルボキサミド、N-((低級アルキル)スルホニル)アミノ、N-(フェニルスルホニル)アミノ、又は、置換若しくは非置換のフェニル基から選択され、後者の場合はビフェニル又はナフチル基となるように選択される。用語「置換されたフェニル」の例には、モノ-、ジ-、トリ-又はテトラ(ハロ)フェニル基、例えば2-、3-若しくは4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,5,6-テトラクロロフェニル、2-、3-若しくは4-ブロモフェニル、2,6-ジブロモフェニル、2,5-ジブロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、2,3,5-トリブロモフェニル、2,3,5,6-テトラブロモフェニル、2-、3-若しくは4-フルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,5,6-テトラフルオロフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル等;モノ又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば2-、3-若しくは4-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、その保護されたヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば2-、3-若しくは4-ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば2-,3-又は4-シアノフェニル;モノ-又はジ(アルキル)フェニル基、例えば2-、3-若しくは4-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-、3-若しくは4-(イソプロピル)フェニル、2-、3-若しくは4-エチルフェニル、2-、3-若しくは4-(n-プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば2,6-ジメトキシフェニル、2-、3-若しくは4-(イソプロポキシ)フェニル、2-、3-若しくは4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキシ-4-メトキシフェニル等;2-、3-又は4-トリフルオロメチルフェニル;モノ-若しくはジカルボキシフェニル又は(保護されたカルボキシフェニル基、例えば2-、3-若しくは4-カルボキシフェニル等又は2,4-ジ(保護されたカルボキシ)フェニル;モノ-若しくはジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護されたヒドロキシメチル)フェニル、例えば2-、3-若しくは4-(保護されたヒドロキシメチル)フェニル又は3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノ-若しくはジ(アミノメチル)フェニル又は(保護されたアミノメチル)フェニル、例えば2-、3-若しくは4-(アミノメチル)フェニル又は2,4-(保護されたアミノメチル)フェニル;又は、モノ-又はジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば2-、3-若しくは4-(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニルが含まれる。又、用語「置換されたフェニル」は、異なる置換基で二置換されたフェニル基を表し、例えば、3-メチル-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロロフェニル等である。
【0043】
用語「アリールアルキル」は、上記で説明されたアルキル基の一つへ結合されたアリール基を意味し、用語「置換されたアリールアルキル」は、1以上の上記で定義された置換基で置換された、アリール若しくはアルキルのいずれか、又はそれら両方を意味する。「アリールアルキル」置換基の例には、例えば、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルイソプロピル等が含まれる。「置換されたフェニル」基の例には、2-フェニル-1-クロロエチル、2-(4'-メトキシフェニル)エチル、4-(2',6'-ジヒドロキシフェニル)n-ヘキシル、2-(5'-シアノ-3'-メトキシフェニル)n-ペンチル、3-(2',6'-ジメチルフェニル)n-プロピル、4-クロロ-3-アミノベンジル、6-(4'-メトキシフェニル)-3-カルボキシ(n-ヘキシル)、5-(4'-アミノメチルフェニル)-3-(アミノメチル)n-ペンチル、5-フェニル-3-オキソ-n-ペンタ-1-イル、(4-ヒドロキシナフタ-2-イル)メチル等が含まれる。
【0044】
単独又は組み合わせられた「ヘテロアリール」は、5又は6環構成原子を含有する単環式芳香族環構造、又は、8~10原子を有する二環式芳香族基を指し、独立してO、S、及びNからなる群から選択される、1個以上の、例えば、1~4、1~3又は1~2ヘテロ原子を含み、任意で、例えば5~7環員、又は、例えば、5~6環員のシクロアルキルと縮合されていてもよい。ヘテロアリールは又、スルフィニル、スルホニル及び三級の環構成窒素のN-オキシド等の、酸化されたS又はNを含むことも意図される。炭素又は窒素原子が、安定した化合物が生成されるような、ヘテロアリール環構造の結合点である。(置換若しくは非置換いずれかの)ヘテロアリール基の例には、限定されるものではないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、キノキサリル、インドリジニル、ベンゾ[b]チエニル、キナゾリニル、プリニル、インドリル、キノリニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサチアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、ピロリジニル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニルテトラゾロ、1,5-[b]ピリダジニル及びプリニル、並びにベンゾ縮合誘導体、例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル及びインドリルが含まれる。「窒素含有ヘテロアリール」は、少なくとも1個のヘテロ原子がNであるヘテロアリールを指す。場合によっては、例えば、窒素のR基がその窒素と組み合わされて5又は7員の窒素含有ヘテロアリールを形成する場合、そのような5又は7員のヘテロアリール中のいずれかのヘテロ原子はNである。「任意で置換されたヘテロアリール」は、別に示されない限り、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で、任意で独立して置換されたヘテロアリールであり、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を生成する。ここで、この置換基は、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Ro、-S-Ro、-O-C(O)-Ro、-O-C(S)-Ro、-C(O)-Ro、-C(S)-Ro、-C(O)-O-Ro、-C(S)-O-Ro、-S(O)-Ro、-S(O)2-Ro、-C(O)-N(H)-Ro、-C(S)-N(H)-Ro、-C(O)-N(Ro)-Ro、-C(S)-N(Ro)-Ro、-S(O)2-N(H)-Ro、-S(O)2-N(Ro)-Ro、-C(NH)-N(H)-Ro、-C(NH)-N(Rp)-Rc、-N(H)-C(O)-Ro、-N(H)-C(S)-Ro、-N(Ro)-C(O)-Ro、-N(Ro)-C(S)-Ro、-N(H)-S(O)2-Ro、-N(Ro)-S(O)2-Ro、-N(H)-C(O)-N(H)-Ro、-N(H)-C(S)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(O)-NH2、-N(Ro)-C(S)-NH2、-N(Ro)-C(O)-N(H)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(H)-Ro、-N(H)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(H)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(O)-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-C(S)-N(Ro)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-NH2、-N(Ro)-S(O)2-N(H)-Ro、-N(H)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(Ro)-S(O)2-N(Ro)-Ro、-N(H)-Ro、-N(Ro)-Ro、-Rd、-Re、-Rf、及び-Rgからなる群から選択される。
【0045】
上記任意で置換されたヘテロアリール環の置換基は、例えば「アリール」基及び「フェニル」基のために上記で示されている。ある実施態様では、置換基は、1~3個の、ハロ、トリハロメチル、アミノ、保護されたアミノ、アミノ塩、一置換されたアミノ、二置換されたアミノ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボン酸塩、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロキシ基の塩、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキル、置換された低級アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換された(シクロアルキル)アルキル、フェニル、置換されたフェニル、フェニルアルキル、及び置換されたフェニルアルキル基から選択される。
【0046】
本明細書で使用される、「ピリジル」は、1個の「N」原子を有する6員の芳香族環を指す。本明細書で使用される「ピリダジニル」は、2個の「N」原子を1位及び2位に有する6員の芳香族環を指し、「ピリミジル」は、2個の「N」原子を1位及び3位に有する6員の芳香族環を指し、「ピラジニル」は、2個の「N」原子を1位及び4位に有する6員の芳香族環を指す。
【0047】
上記で定義された「ピリジル」、「ピリダジニル」、「ピリミジル」及び「ピラジニル」基のための置換基は、例えば「アリール」、「フェニル,」及び「ヘテロアリール」基のために上記で示されたとおりである。幾つかの実施態様では、置換基は、1~3個の、ハロ、トリハロメチル、アミノ、保護されたアミノ、アミノ塩、一置換されたアミノ、二置換されたアミノ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボン酸塩、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロキシ基の塩、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキル、置換された低級アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換された(シクロアルキル)アルキル、フェニル、置換されたフェニル、フェニルアルキル、及び置換されたフェニルアルキル基から選択される。ある実施態様では、置換基は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル及びトリヨードメチルから選択される。幾つかの実施態様では、置換基は、1以上のトリフルオロメチルである。
【0048】
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、フェニル、ナプチル(napthyl)及びヘテロアリールのための、任意の置換基の記載において使用される変数Ro、Rp、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、下記の通りに定義される:
・それぞれのRo、Rp及びRcは、独立してRd、Re、Rf及びRgからなる群から選択されるか、又は、Rp及びRcは、それらが結合している窒素と組み合わされて5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールを形成し、この5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールは、ハロゲン、-NO2、-CN、-OH、-NH2、-O-Ru、-S-Ru、-N(H)-Ru、-N(Ru)-Ru、-Rx、及び-Ryからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
・それぞれのRdは独立して、低級アルキルであり、この低級アルキルは、フルオロ、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rk、-S-Rk、-O-C(O)-Rk、-O-C(S)-Rk、-C(O)-Rk、-C(S)-Rk、-C(O)-O-Rk、-C(S)-O-Rk、-S(O)-Rk、-S(O)2-Rk、-C(O)-N(H)-Rk、-C(S)-N(H)-Rk、-C(O)-N(Rk)-Rk、-C(S)-N(Rk)-Rk、-S(O)2-N(H)-Rk、-S(O)2-N(Rk)-Rk、-C(NH)-N(H)-Rk、-C(NH)-N(Rm)-Rn、-N(H)-C(O)-Rk、-N(H)-C(S)-Rk、-N(Rk)-C(O)-Rk、-N(Rk)-C(S)-Rk、-N(H)-S(O)2-Rk、-N(Rk)-S(O)2-Rk、-N(H)-C(O)-N(H)-Rk、-N(H)-C(S)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(O)-NH2、-N(Rk)-C(S)-NH2、-N(Rk)-C(O)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(H)-Rk、-N(H)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(H)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-NH2、-N(Rk)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(H)-Rk、-N(Rk)-Rk、-Ri、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
・それぞれのReは独立して低級アルケニルであり、この低級アルケニルは、フルオロ、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rk、-S-Rk、-O-C(O)-Rk、-O-C(S)-Rk、-C(O)-Rk、-C(S)-Rk、-C(O)-O-Rk、-C(S)-O-Rk、-S(O)-Rk、-S(O)2-Rk、-C(O)-N(H)-Rk、-C(S)-N(H)-Rk、-C(O)-N(Rk)-Rk、-C(S)-N(Rk)-Rk、-S(O)2-N(H)-Rk、-S(O)2-N(Rk)-Rk、-C(NH)-N(H)-Rk、-C(NH)-N(Rm)-Rn、-N(H)-C(O)-Rk、-N(H)-C(S)-Rk、-N(Rk)-C(O)-Rk、-N(Rk)-C(S)-Rk、-N(H)-S(O)2-Rk、-N(Rk)-S(O)2-Rk、-N(H)-C(O)-N(H)-Rk、-N(H)-C(S)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(O)-NH2、-N(Rk)-C(S)-NH2、-N(Rk)-C(O)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(H)-Rk、-N(H)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(H)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-NH2、-N(Rk)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(H)-Rk、-N(Rk)-Rk、-Rh、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
・それぞれのRfは独立して低級アルキニルであり、この低級アルキニルは、フルオロ、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rk、-S-Rk、-O-C(O)-Rk、-O-C(S)-Rk、-C(O)-Rk、-C(S)-Rk、-C(O)-O-Rk、-C(S)-O-Rk、-S(O)-Rk、-S(O)2-Rk、-C(O)-N(H)-Rk、-C(S)-N(H)-Rk、-C(O)-N(Rk)-Rk、-C(S)-N(Rk)-Rk、-S(O)2-N(H)-Rk、-S(O)2-N(Rk)-Rk、-C(NH)-N(H)-Rk、-C(NH)-N(Rm)-Rn、-N(H)-C(O)-Rk、-N(H)-C(S)-Rk、-N(Rk)-C(O)-Rk、-N(Rk)-C(S)-Rk、-N(H)-S(O)2-Rk、-N(Rk)-S(O)2-Rk、-N(H)-C(O)-N(H)-Rk、-N(H)-C(S)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(O)-NH2、-N(Rk)-C(S)-NH2、-N(Rk)-C(O)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(H)-Rk、-N(H)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(H)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-NH2、-N(Rk)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(H)-Rk、-N(Rk)-Rk、-Rh、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
・それぞれのRgは独立して、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、このシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rk、-O-C(O)-Rk、-O-C(S)-Rk、-C(O)-Rk、-C(S)-Rk、-C(O)-O-Rk、-C(S)-O-Rk、-S(O)-Rk、-S(O)2-Rk、-C(O)-N(H)-Rk、-C(S)-N(H)-Rk、-C(O)-N(Rk)-Rk、-C(S)-N(Rk)-Rk、-S(O)2-N(H)-Rk、-S(O)2-N(Rk)-Rk、-C(NH)-N(H)-Rk、-C(NH)-N(Rm)-Rn、-N(H)-C(O)-Rk、-N(H)-C(S)-Rk、-N(Rk)-C(O)-Rk、-N(Rk)-C(S)-Rk、-N(H)-S(O)2-Rk、-N(Rk)-S(O)2-Rk、-N(H)-C(O)-N(H)-Rk、-N(H)-C(S)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(O)-NH2、-N(Rk)-C(S)-NH2、-N(Rk)-C(O)-N(H)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(H)-Rk、-N(H)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(H)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(O)-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-C(S)-N(Rk)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-NH2、-N(Rk)-S(O)2-N(H)-Rk、-N(H)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(Rk)-S(O)2-N(Rk)-Rk、-N(H)-Rk、-N(Rk)-Rk、-Rh、-Ri、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、Rk、Rm、及びRnは各場合ごとに独立して、Rh、Ri、及びRjからなる群から選択されるか、又は、Rm及びRnはそれらが結合している窒素と組み合わされて5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールを形成し、この5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールは、ハロゲン、-NO2、-CN、-OH、-NH2、-O-Ru、-S-Ru、-N(H)-Ru、-NRuRu、-Rx、及び-Ryからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRhは独立して、低級アルキルであり、フルオロ、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rr、-S-Rr、-O-C(O)-Rr、-O-C(S)-Rr、-C(O)-Rr、-C(S)-Rr、-C(O)-O-Rr、-C(S)-O-Rr、-S(O)-Rr、-S(O)2-Rr、-C(O)-N(H)-Rr、-C(S)-N(H)-Rr、-C(O)-N(Rr)-Rr、-C(S)-N(Rr)-Rr、-S(O)2-N(H)-Rr、-S(O)2-N(Rr)-Rr、-C(NH)-N(H)-Rr、-C(NH)-N(Rs)-Rt、-N(H)-C(O)-Rr、-N(H)-C(S)-Rr、-N(Rr)-C(O)-Rr、-N(Rr)-C(S)-Rr、-N(H)-S(O)2-Rr、-N(Rr)-S(O)2-Rr、-N(H)-C(O)-N(H)-Rr、-N(H)-C(S)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(O)-NH2、-N(Rr)-C(S)-NH2、-N(Rr)-C(O)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(H)-Rr、-N(H)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(H)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-NH2、-N(Rr)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(H)-Rr、-N(Rr)-Rr、-Ri、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRiは独立して、低級アルケニル及び低級アルキニルからなる群から選択され、この低級アルケニル又は低級アルキニルは、フルオロ、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rr、-S-Rr、-O-C(O)-Rr、-O-C(S)-Rr、-C(O)-Rr、-C(S)-Rr、-C(O)-O-Rr、-C(S)-O-Rr、-S(O)-Rr、-S(O)2-Rr、-C(O)-N(H)-Rr、-C(S)-N(H)-Rr、-C(O)-N(Rr)-Rr、-C(S)-N(Rr)-Rr、-S(O)2-N(H)-Rr、-S(O)2-N(Rr)-Rr、-C(NH)-N(H)-Rr、-C(NH)-N(Rs)-Rt、-N(H)-C(O)-Rr、-N(H)-C(S)-Rr、-N(Rr)-C(O)-Rr、-N(Rr)-C(S)-Rr、-N(H)-S(O)2-Rr、-N(Rr)-S(O)2-Rr、-N(H)-C(O)-N(H)-Rr、-N(H)-C(S)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(O)-NH2、-N(Rr)-C(S)-NH2、-N(Rr)-C(O)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(H)-Rr、-N(H)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(H)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-NH2、-N(Rr)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(H)-Rr、-N(Rr)-Rr、及び-Rjからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRjは独立して、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、このシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、-C(O)-OH、-C(S)-OH、-C(O)-NH2、-C(S)-NH2、-S(O)2-NH2、-N(H)-C(O)-NH2、-N(H)-C(S)-NH2、-N(H)-S(O)2-NH2、-C(NH)-NH2、-O-Rr、-S-Rr、-O-C(O)-Rr、-O-C(S)-Rr、-C(O)-Rr、-C(S)-Rr、-C(O)-O-Rr、-C(S)-O-Rr、-S(O)-Rr、-S(O)2-Rr、-C(O)-N(H)-Rr、-C(S)-N(H)-Rr、-C(O)-N(Rr)-Rr、-C(S)-N(Rr)-Rr、-S(O)2-N(H)-Rr、-S(O)2-N(Rr)-Rr、-C(NH)-N(H)-Rr、-C(NH)-N(Rs)-Rt、-N(H)-C(O)-Rr、-N(H)-C(S)-Rr、-N(Rr)-C(O)-Rr、-N(Rr)-C(S)-Rr、-N(H)-S(O)2-Rr、-N(Rr)-S(O)2-le、-N(H)-C(O)-N(H)-Rr、-N(H)-C(S)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(O)-NH2、-N(Rr)-C(S)-NH2、-N(Rr)-C(O)-N(H)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(H)-Rr、-N(H)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(H)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(O)-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-C(S)-N(Rr)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-NH2、-N(Rr)-S(O)2-N(H)-Rr、-N(H)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-S(O)2-N(Rr)-Rr、-N(Rr)-Rr、シクロアルキルアミノ、及び-Rxからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRr、Rs、及びRtは各場合ごとに独立して、低級アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、この低級アルキルは、-Ry、フルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており、かつ、このC3-6アルケニル若しくはC3-6アルキニルは、-Ry、フルオロ、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており、かつ、このシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されているか、又は、Rs及びRtは、それらが結合している窒素と組み合わされて5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールを形成し、この5~7員のヘテロシクロアルキル又は5員若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールは、ハロゲン、-NO2、-CN、-OH、-NH2、-O-Ru、-S-Ru、-N(H)-Ru、-N(Ru)-Ru、-Rx、及び-Ryからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRuは独立して、低級アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、この低級アルキルは、-Ry、フルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており、かつ、このC3-6アルケニル又はC3-6アルキニルは、-Ry、フルオロ、-OH、-NH2、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており、かつ、このシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRxは、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルからなる群から選択され、この低級アルキルは、-Ry、フルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており、かつ、この低級アルケニル又は低級アルキニルは、-Ry、フルオロ、-OH、-NH2、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されており;
〇ここで、それぞれのRyは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、このシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2、-CN、低級アルキル、フルオロ置換された低級アルキル、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、例えば1、2、3、4若しくは5個の、同様に1、2若しくは3個の置換基で任意で置換されている。
【0049】
幾つかの実施態様では、任意で置換された低級アルキル、任意で置換された低級アルケニル、任意で置換されたC3-6アルケニル、任意で置換された低級アルキニル、又は任意で置換されたC3-6アルキニルの全ての場合において、フルオロ、-NO2、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-O-C(O)-R1a、-O-C(S)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(S)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-C(NH)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-N(R1a)-C(O)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(S)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-N(R1a)-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており;ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、-NO2、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-O-C(O)-R1a、-O-C(S)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(S)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-C(NH)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-N(R1a)-C(O)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(S)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-N(R1a)-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、-R1b、及び任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、低級アルキルからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており;かつ、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロアルキル、任意で置換された5~7員のヘテロシクロアルキル、任意で置換されたアリール、任意で置換されたヘテロアリール、又は任意で置換された5若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールの全ての場合において、ハロゲン、-NO2、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-O-C(O)-R1a、-O-C(S)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(S)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-C(NH)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-N(R1a)-C(O)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(S)-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-N(R1a)-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、-R1b、及び任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、低級アルキルからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており;ここで、R1aは、任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、水素、-R1b、及び低級アルキルからなる群から選択され、かつ、ここで、-R1bは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意に置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0050】
幾つかの実施態様では、任意で置換された低級アルキル、任意で置換された低級アルケニル、任意で置換されたC3-6アルケニル、任意で置換された低級アルキニル、又は任意で置換されたC3-6アルキニルの全ての場合において、フルオロ、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、-R1b、及び任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、低級アルキルからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており;かつ、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロアルキル、任意で置換された5~7員のヘテロシクロアルキル、任意で置換されたアリール、任意で置換されたヘテロアリール、又は任意で置換された5若しくは7員の窒素含有ヘテロアリールの全ての場合において、ハロゲン、-CN、-O-R1a、-S-R1a、-N(R1a)-R1a、-C(O)-R1a、-C(S)-R1a、-C(O)-O-R1a、-C(O)-N(R1a)-R1a、-C(S)-N(R1a)-R1a、-S(O)2-N(R1a)-R1a、-N(R1a)-C(O)-R1a、-N(R1a)-C(S)-R1a、-N(R1a)-S(O)2-R1a、-S(O)-R1a、-S(O)2-R1a、-R1b、及び任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、低級アルキルからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されており;ここでR1aは、水素、-R1b、及び任意でフルオロ、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び-R1bからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で置換されている、低級アルキルからなる群から選択され、かつ、ここで、-R1bは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、低級アルコキシ、フルオロ置換された低級アルコキシ、低級アルキルチオ、フルオロ置換された低級アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及びシクロアルキルアミノからなる群から選択される、1個以上の、同様に1、2若しくは3個の基又は置換基で任意で置換されている。
【0051】
本明細書で使用される「低級アルコキシ」は、-ORz基を示す(式中、Rzは低級アルキルである)。「置換された低級アルコキシ」は、本明細書で表示された、例えば、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を提供する、置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールの説明を含む式Iの化合物の説明にあるような、Rzが1以上の置換基で置換された低級アルキルである低級アルコキシを示す。幾つかの実施態様では、低級アルコキシの置換は、1、2、3、4若しくは5個の置換基、同様に1、2若しくは3個の置換基でなされる。例えば、「フルオロ置換された低級アルコキシ」は、低級アルキルが1個以上のフッ素原子で置換されている低級アルコキシを示し、幾つかの実施態様では、低級アルコキシは、1、2、3、4若しくは5個のフッ素原子、同様に1、2若しくは3個のフッ素原子で置換される。アルコキシ上の置換は化学的に実行可能であり、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を提供することが理解される。
【0052】
上記で定義された全ての可能な置換には、本明細書で表示された、例えば式Iの化合物の説明にあるようなそれら置換のサブセットであって、任意の可能な原子で結合して安定した化合物を提供するものが含まれることが理解される。例えば、「フルオロ置換されたフェニル」は、1以上のフッ素原子で置換されたフェニル基を示し、その場合、例えばフェニルは1、2、3、4又は5個のフッ素原子で置換されている、例えば2,3,5,6-テトラフルオロフェニルである。上記の定義に従いなされた任意の置換は、化学的に実行可能であり、かつ任意の可能な原子で結合して安定した化合物を提供することも又、理解される。
【0053】
本明細書で提供される化合物は、キラル中心を含む可能性もあることが理解できる。このようなキラル中心は、(R)若しくは(S)のいずれの立体配置であってもよく、又はそれらの混合物でもよい。従って、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であってもよく、又は立体異性体混合物若しくはジアステレオ異性体混合物でもよい。そのため、当業者は、インビボでエピメリ化を受ける化合物に関しては、(R)体の化合物の投与は、その(S)体の化合物の投与と同等であることを認識するであろう。
【0054】
本明細書で使用される「実質的に純粋」は、このような純度を評価するために当業者が使用する、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び質量分析(MS)等の標準的な分析方法により決定される、容易に検出可能な不純物を含まないように見える程度に充分同質であること、又は、更なる精製は、その物質の酵素活性及び生物活性等の物理的及び化学的性質を、検知できるほどには変化させないであろう程度に充分に純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を調製するための化合物精製する方法は、当業者に公知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であってもよい。そのような場合、更なる精製は、化合物の比活性(specific activity)を増加させ得る。本開示は、このような存在し得る異性体の全て、並びにそれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを意図する。光学活性(+)及び(-)、(R)及び(S)、又は(D)及び(L)異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製可能であり、逆相HPLC等の従来技術を用いて分割してもよい。本明細書に記載された化合物が、オレフィン性二重結合又は他の幾何不斉中心を有する場合、別に記載がない限り、その化合物は、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性体も又、含まれることが意図される。
【0055】
ある実施態様では、本明細書で提供される方法で使用される化合物は、「立体化学的に純粋」である。立体化学的に純粋な化合物は、当業者により「純粋」と認識されるであろうレベルの立体化学的純度を有する。ある実施態様では、「立体化学的に純粋」は、代わりの異性体を実質的に含まない化合物を示す。特別な実施態様では、化合物は、他の異性体を85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%含まない。
【0056】
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「前記/該(the)」は、文脈上で別途明確に指示されない限り、複数形の参照対象を含む。
【0057】
本明細書で使用される「対象」は、患者等のヒトを含む哺乳動物等の動物である。
【0058】
本明細書で使用される「生物活性」は、化合物のインビトロ又はインビボでの活性、又は化合物、組成物、又は他の混合物のインビボ投与の結果生じる生理学的応答反応を指す。従って、生物活性は、このような化合物、組成物、及び混合物の治療効果及び薬物動態学的挙動を包含する。生物活性は、このような活性について試験するために設計されたインビトロ及びインビトロの系において観察できる。
【0059】
本明細書で使用される、化合物の「医薬として許容し得る誘導体」には、その塩、エステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグが含まれる。そのような誘導体は、そのような誘導体化のための公知の方法を使用して、当業者によって容易に製造され得る。製造された化合物は、実質的な毒性効果なしに、動物又はヒトへ投与され得るものであり、医薬的に活性であるか又はプロドラッグであるかのいずれかである。医薬として許容し得る塩には、限定されるものではないが、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及び他のヒドロキシアルキルアミン類、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミン及び他のアルキルアミン類、ピペラジン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等が挙げられるが、これらに限定されないアミンの塩;リチウム、カリウム、及びナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されないアルカリ金属の塩;バリウム、カルシウム、及びマグネシウム等が挙げられるが、これらに限定されないアルカリ土類金属の塩;亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されない遷移金属の塩;並びにリン酸水素ナトリウム及びリン酸二ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない無機塩が挙げられるが、これらに限定されず;更に又、塩酸塩及び硫酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない鉱酸の塩;並びに酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、メシル酸塩、及びフマル酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない有機酸の塩が含まれる。医薬として許容し得るエステルには、限定されるものではないが、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸、及びボロン酸を含むがこれらに限定されない酸性基の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、及びシクロアルキルエステルが含まれる。医薬として許容し得る溶媒和物及び水和物は、1以上の溶媒又は水の分子、又は1~約100、若しくは1~約10、若しくは1~約2、3、若しくは4個の溶媒又は水の分子と、化合物との複合体である。例示的なプロドラッグは、J.Rautio、NA.Meanwell、L.di、MJ.Hagemanの文献、「現代の創薬設計及び開発におけるプロドラッグの拡大する役割(The expanding role of prodrugs in contemporary drug design and development)」、Nat Rev Drug Discov.2018;17(8):559-587に発表されているものを含み、この文献全体は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0060】
本明細書で使用される、「治療」は、疾患若しくは障害、又は、疾患若しくは障害の1以上の症候を緩解させるか、さもなければ有益な方向に変化させる任意の方法を意味する。治療は又、癌を治療するための使用等の、本明細書の組成物のいかなる医薬的使用をも包含する。本明細書での「治療」の言及は又、予防、緩解又は緩和を含む。
【0061】
本明細書で使用される「予防」は、疾患若しくは障害にかかるリスク、又は疾患若しくは障害の1以上の症候を経験するリスクが低減されるいずれかの方法を意味する。そのようなリスクは、例えば約5%~100%の間で、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%低減することができる。
【0062】
本明細書で使用される、特定の化合物又は医薬組成物の投与による特定の障害の症候の「緩解」又は「緩和」は、互換的に使用され、永続的又は一時的のいずれか、持続性又は一過性のいずれかの、化合物又は組成物の投与に起因する又は関連する可能性のある症候軽減を指す。
【0063】
本明細書で使用される「合併症」は、症状又は疾患に関連して発症する症状を指す。合併症は、症状又は疾患によって引き起こされる直接的結果である可能性があるが、又は原因となる(primary)症状若しくは疾患の存在に関連する可能性もある。幾つかの実施態様では、疾患の合併症は、症候として現れる可能性があり、その場合において、この2つの用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0064】
他に明記しない限り、本明細書で使用される用語「管理する(manage)」、「管理している/管理すること(managing)」、及び「管理(management)」は、特定の疾患又は障害を既に患ったことのある患者における、その疾患又は障害の再発を予防すること、及び/又は、その疾患又は障害を患ったことのある患者が、寛解のままでいる時間を延長させることを包含する。これらの用語は、その疾患又は障害のしきい値、発症、及び/若しくは期間を調節すること、又はその疾患又は障害への患者の反応の仕方を変化させることを包含する。
【0065】
本明細書で使用される、用語「組み合わせて」は、1を超える療法の使用を指す(例えば、カスパーゼ阻害剤及び他の薬剤)。用語「組み合わせて」の使用は、療法(例えば、カスパーゼ阻害剤及び他の薬剤)を障害を有する対象へ実施する順序を制限しない。最初の療法(例えば、カスパーゼ阻害剤及び他の薬剤)は、他の療法(例えば、カスパーゼ阻害剤及び他の薬剤)の実施に先立って(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、若しくは12週間前)、その他の療法の実施と同時に、又はその他の療法の実施に続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、若しくは12週間後)に、障害を有する対象へ実施できる。
【0066】
本明細書で使用される用語「非経口」は、皮下の、皮内の、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内及び頭蓋内注射又は注入技術を使用する、対象への化合物の投与を含む。
【0067】
本明細書で使用される「カスパーゼ-1、カスパーゼ-4、及び/又はカスパーゼ-5の選択的な阻害剤」は、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4、及び/又はカスパーゼ-5に対して、カスパーゼ-3,カスパーゼ6、及び/又はカスパーゼ7に対するよりも更に選択的に結合する、本明細書で提供される化合物を意味する。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、他のカスパーゼと比較して、少なくとも2倍高いカスパーゼ-1への結合親和性を有する。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、カスパーゼ-3、カスパーゼ6、及び/又はカスパーゼ7と比較して、少なくとも5倍、10倍、50倍、100倍、1000倍又はそれを超えて高い、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4、及び/又はカスパーゼ-5への結合親和性を有する。
【0068】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、他に明記しない限りは、この用語が修飾する値よりも10%上を超えない又は10%下を超えない値を指す。例えば、用語「約10 mg」は、9 mg~11 mgの範囲を意味する。
【0069】
保護基、アミノ酸及び他の化合物のために本明細書で使用される略語は、別に示されない限り、それらの一般的な使用法、承認されている略語、又はIUPAC IUB 生化学命名委員会(Biochem.1972, 11:942 944を参照)に従う。
【0070】
(6.2.カスパーゼ阻害剤化合物)
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、
式Iを有する化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化2】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)であって、それらそれぞれは任意で置換されている;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクリル、任意で置換されたアリール、任意で置換されたヘテロアリールである;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和又は不飽和二環式環Bを形成し;
Y2は、存在しないか、水素若しくは任意で置換されたアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくは任意で置換されたアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくは任意で置換されたアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
X、Y、R3並びにY1は、XがOである場合は、Y1及びR3は環Bを形成できないように選択され;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたハロアルキル、任意で置換されたヒドロキシアルキル、任意で置換されたアルコキシアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたアリール、任意で置換されたヘテロアリール又は任意で置換されたヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又は任意で置換されたアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであって、それらそれぞれは任意で置換されている;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、任意で置換されたアルキル若しくは任意で置換されたシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成する;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又は任意で置換されたアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1並びにZ2は下記の通りに選択される:
i) Z1は水素若しくは任意で置換されたアルキルであり;かつZ2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルであり、それぞれは任意で置換されている;又は
ii) Z1及びZ2は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Cを形成する)。
【0071】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和又は不飽和二環式環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択され;
Y2は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくはアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
X、Y、R3並びにY1は、XがOである場合は、Y1及びR3は環Bを形成できないように選択され;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1並びにZ2は下記の通りに選択され:
i) Z1は水素若しくはアルキルであり;かつZ2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されている;又は
ii) Z1及びZ2は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Cを形成し、環C上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ3基から選択される;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;かつ
tは0~2である)。
【0072】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル若しくはアリールであり;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ3基から選択され;
Y2は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくはアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
X、Y、R3並びにY1は、XがOである場合は、Y1及びR3は環Bを形成できないように選択され;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-R11C(O)NH2から選択され;
それぞれのR11は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0073】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ3基から選択され;
Y2は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくはアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
X、Y、R3並びにY1は、XがOである場合は、Y1及びR3は環Bを形成できないように選択され;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0074】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化3】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1並びにZ2は下記の通りに選択され:
i) Z1は水素若しくはアルキルであり;かつZ2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されている;又は
ii) Z1及びZ2は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Cを形成し、環C上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ3基から選択される;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;かつ
tは0~2である)。
【0075】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;かつ
tは0~2である)。
【0076】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル若しくはアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
それぞれのRbは独立して、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-R11C(O)NH2から選択され;
それぞれのR11は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0077】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
それぞれのR11は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0078】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
【化4】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0079】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
それぞれのRdは独立して、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Q1は、ハロ、アルキル及びハロアルキルから選択され;
mは、0~4であり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0080】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素であり;
Q1は、ハロ、アルキル及びハロアルキルから選択され;
mは、0~4であり;
R10はアルキレンであり;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択され
Y2は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくはアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0081】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
【化5】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素であり;
Q5は、ハロ、アルキル及びハロアルキルから選択され;
pは、0~3であり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0082】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Vの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化6】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~3である)。
【0083】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Vの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
それぞれのR11は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~2である)。
【0084】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化7】
(式中、Yは、水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
Rdは、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0085】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Yは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又は-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15又は-C(O)NH2から選択され;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;かつ
mは、0~4である)。
【0086】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Yは、水素、メチル、-C(O)Rdであり;該メチルは、任意でフェニル、クロロフェニル又はチエニルで置換されており;
Rdは、フェニル又はフェニルオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはメチルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、シクロペンチル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はメチルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
Q5は、フルオロ、メチル又はトリフルオロメチルであり;
Z1は水素であり;
Z2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、-C(O)CH3、シアノ、-C(O)NH2、ベンジル及びテトラゾリルから選択され;かつ
mは、0~4である)。
【0087】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化8】
(式中、Rdは、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;又は
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0088】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
Q5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;かつ
mは、0~4である)。
【0089】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、それぞれのRdは独立して、フェニル又はフェニルオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはメチルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、シクロペンチル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はメチルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
Q5は、フルオロ、メチル又はトリフルオロメチルであり;
Z1は水素であり;
Z2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、-C(O)CH3、シアノ、-C(O)NH2、ベンジル及びテトラゾリルから選択され;かつ
mは、0~4である)。
【0090】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化9】
(式中、Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
Rbは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
Q5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
mは、0~4であり;
tは0~2である)。
【0091】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Rbは水素であり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
Q5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
mは、0~4であり;かつ
tは0~2である)。
【0092】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
Q5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;かつ
mは、0~4である)。
【0093】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Rbは水素であり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、3~5員のシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
Q5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;かつ
mは、0~4である)。
【0094】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、Rbは水素であり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはメチルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、シクロペンチル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はメチルであり;
R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり;
Q5はフルオロ、メチル及びトリフルオロメチルであり;
Z1は水素であり;
Z2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、-C(O)CH3、シアノ、-C(O)NH2、ベンジル及びテトラゾリルから選択され;かつ
mは、0~4である)。
【0095】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
【化10】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Q5は、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0096】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Q5はハロであり;
mは、0~4であり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0097】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式IXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
Q5はフルオロであり;
mは、0~4であり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0098】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Xの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
【化11】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
Rcは水素又はアルキルであり;
Rdは、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R10はアルキレンであり;
Q5は、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0099】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Xの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-OHであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、飽和若しくは不飽和環Aを形成し;
R10はアルキレンであり;
Q5は、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0100】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式Xの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-OHであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、飽和若しくは不飽和環Aを形成し;
R10はアルキレンであり;
Q5はハロであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0101】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化12】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0102】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~2である)。
【0103】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル又はハロであり;
それぞれのQ5は独立して、ハロ又はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~2である)。
【0104】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化13】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2である)。
【0105】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
それぞれのRdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R15は、ヒドロキシル又はアルキルであり;かつ
それぞれのQ5は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルである)。
【0106】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル又はハロであり;かつ
それぞれのQ5は独立して、ハロ又はハロアルキルである)。
【0107】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
【化14】
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb若しくは-RaN(Rc)(Rd)である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(Rc)-であり;Yは水素、-C(O)Rd、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのRdは独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R10はアルキレンであり;
Q5は、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
【0108】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbである;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)Rdであり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル又はアリールであり;
Rdは、アリール又はアリールオキシであり;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R3、R4、R5及びR6は水素であり;
Q5はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;
R10はアルキレンであり;
R3、Y1、Y2並びにY3は下記の通りに選択され:
i) Y1はR3と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択され
Y2は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y3は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R3は水素若しくはアルキルであり;Y1及びY2は一緒に=Oとなり;かつY3は-N(Z1)(Z2)である;
Z1は水素又はアルキルであり;
Z2は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q3で置換されており;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-C(O)R15及び-C(O)NH2から選択され;
R11は、アルキレン又は直接結合であり;
R12は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R15は、ヒドロキシル又はアルキルである)。
【0109】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、Q5はトリフルオロアルキルであり、かつ残りの変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0110】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII若しくはXIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R10は-CH2-又は-CH2-CH2-であり、かつ残りの置換基は本明細書に記載される通りである)。
【0111】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV、V、VI、VII若しくはVIII、IX、X、XI、XII若しくはXIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である
(式中、R1及びR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素若しくはメチルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、シクロペンチル環を形成する;かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0112】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I若しくはIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R9は、アリール若しくはヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;かつ残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0113】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I若しくはIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R9は、フェニル若しくはピリミジニルであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;かつ残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0114】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV、VI、VII若しくはVIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、Z2は、6~10員のアリール又はヘテロアリールから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択され、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0115】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV若しくはVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R10は、-CH2-又は-CH2-CH2-であり;かつZ2は、6~10員のアリール又はヘテロアリールから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択され、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0116】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV若しくはVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R10は、-CH2-又は-CH2-CH2-であり;かつZ2は、6~10員のアリール又はヘテロアリールから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択され、ここで、ヘテロアリールは窒素及びイオウから選択される1若しくは2個のヘテロ原子を含み、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0117】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV、VI、VII若しくはVIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、Z2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択され、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0118】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III若しくはVIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R10は、-CH2-又は-CH2-CH2-であり;かつZ2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択され、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0119】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III、IV、VI、VII若しくはVIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、Z2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、-C(O)CH3、シアノ、-C(O)NH2、ベンジル及びテトラゾリルから選択され、かつ、残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0120】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式I、II、III若しくはIVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である(式中、R10は、-CH2-又は-CH2-CH2-であり;かつZ2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ3基で置換されており、かつそれぞれのQ3は独立して、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、-C(O)CH3、シアノ、-C(O)NH2、ベンジル及びテトラゾリルから選択され、かつ残りの置換基は、本明細書に記載される通りである)。
【0121】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化15】
(式中、XはC=Oであり;
Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb又は-RaN(Rc)(Rd)であり;それぞれは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
Rdは、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
nは、0~3である)。
【0122】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、XはC=Oであり;
Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-RaORb又は-RaN(Rc)(Rd)であり;それぞれは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
それぞれのQ1は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ1は任意で1~3個のQ2基で置換されており;それぞれのQ2は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのRaは独立して、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのRcは独立して、水素又はアルキルであり;
Rdは、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-RaORbであり;
それぞれのRdは任意で1~3個のQ1基で置換されており;
R1並びにR2は下記の通りに選択され:
i) R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R1及びR2は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ1基から選択される;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q1で置換されており;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R11OR12、-R11OR11OR12、-R11N(R13)(R14)、-R11SR12、-R11OR11N(R13)(R14)、-R11C(J)N(R13)(R14)、-R11OR11C(J)N(R13)(R14)、-C(J)R15及びR11S(O)tR16から選択され;それぞれのQ3は任意で1~3個のQ4基で置換されており、それぞれのQ4は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR11は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR12は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R13並びにR14は下記の通りに選択され:
i) R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R13及びR14は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR15は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR16は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
nは、0~3である)。
【0123】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
R1及びR2はそれぞれ水素であり;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個のハロで置換されており;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3はハロであり;かつ
nは、0~3である)。
【0124】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化16】
(式中、変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0125】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
R9は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個のハロで置換されており;かつ
Q3は、ハロである)。
【0126】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化17】
(式中、それぞれのQ7はハロであり、xは0~4であり、かつ残りの変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0127】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
R1及びR2はそれぞれ水素であり;
R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのQ7はハロであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3はハロであり;
xは0~4であり;かつ
nは、0~3である。
【0128】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化18】
(式中、それぞれのQ7はハロであり、xは0~4であり、かつ残りの変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0129】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
それぞれのQ7はハロであり;
それぞれのQ3はハロであり;
xは0~4であり;かつ
nは、0~3である)。
【0130】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化19】
(式中、それぞれのQ7はハロであり、かつ残りの変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0131】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XVIIIの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、XはC=Oであり;かつ、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
R1及びR2はそれぞれ水素であり;
R4、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのQ7はハロであり;
R10はアルキレンであり;
それぞれのQ3はハロであり;かつ
nは、0~3である)。
【0132】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である:
【化20】
(式中、それぞれのQ7はハロであり、かつ残りの変数は、本明細書に記載される通りである)。
【0133】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
それぞれのQ7はハロであり;かつ
それぞれのQ3はハロである)。
【0134】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、式XIXの化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体である;
(式中、Yは-RaORbであり;
Raは、アルキレン又は直接結合であり;
Rbは水素又はアルキルであり;
それぞれのQ7はフルオロであり;かつ
それぞれのQ3はクロロである)。
【0135】
(6.3.治療方法)
本明細書で提供される化合物は、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5に関係する又はこれらにより変調される症状の治療方法に使用される。
【0136】
従って、一実施態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される化合物を対象へ投与することを含む、対象においてカスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5により変調される疾患を治療又は予防するための方法である。
【0137】
本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる疾患状態は、限定されるものではないが、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性障害、感染症、及び変性疾患を含む。
【0138】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる炎症性疾患は、限定されるものではないが、骨関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、喘息、及び成人呼吸窮迫症候群を含む。
【0139】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる炎症性疾患は、限定されるものではないが、例えば、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)等の自己炎症性疾患、及び多発性硬化症(MS)、パーキンソン病及びアルツハイマー病等の神経炎症性疾患等の、慢性並びに急性疾患を含む。例えば、敗血症性ショック、敗血症及び成人呼吸窮迫症候群等の急性炎症性疾患の治療も又、本明細書で提供される方法によって対象とされる。
【0140】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる自己免疫疾患は、限定されるものではないが、糸球体腎炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、バセドウ病、自己免疫性胃炎、インスリン依存性真正糖尿病(I型)、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症,炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、アトピー性皮膚炎及び移植片対宿主病を含む。
【0141】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる疾患は、限定されるものではないが、骨粗鬆症及び多発性骨髄腫関連骨障害等の破壊性骨障害を含む。
【0142】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる疾患は、限定されるものではないが、敗血症、敗血症性ショック、及び細菌性赤痢等の感染症を含む。
【0143】
一の実施態様では、本明細書で提供される化合物及び/又はそれらの医薬組成物により治療又は予防することのできる変性疾患は、限定されるものではないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、心筋虚血、脊髄性筋委縮症、多発性硬化症、AIDS関連脳炎、HIV関連脳炎、老化、脱毛症、及び、脳溢血(stroke)による神経的損傷を含む。
【0144】
炎症性又はアポトーシス性要素を含む他の疾患も、本明細書で提供される化合物により治療又は予防することができる。それらの疾患は、全身性疾患又は肝臓若しくは他の器官に局所的な影響を伴う疾患であってもよく、例えば、過度の飲食用アルコール摂取又はHBV、HCV、HGV、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、及び日本脳炎ウイルス等のウイルスによって引き起こされてもよい。
【0145】
一実施態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される化合物を対象へ投与することを含む、対象において疾患を治療又は予防する方法であり、その疾患は、炎症又は炎症性疾患、炎症性腸疾患、敗血症及び敗血症性ショック、変性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症、球脊髄性萎縮症、プリオン疾患、認知症を含む);脳低酸素症、無酸素症、高酸素症;動脈管開存又は左総頚動脈を含む更に直接的な経路からの血行動態異常によって引き起こされた、MCAの皮質枝若しくはレンズ核線条体枝における虚血性多発性病変、中大脳動脈(MCA) 若しくは左大脳半球領域の虚血性病変;限局性動脈梗塞、網膜周皮細胞アポトーシス、網膜ニューロンアポトーシス緑内障、網膜変性疾患、局所性虚血に起因する加齢性黄斑変性症(AMD)網膜損傷、糖尿病性網膜症(retinopaty)、てんかん、脊髄損傷でのアポトーシス、外傷性脳損傷に起因するアポトーシス、網膜虚血、限局性脳虚血の病理的状況でのアポトーシス、自己免疫疾患及び移植拒絶を伴う細胞傷害性T細胞及びナチュラルキラー細胞媒介性アポトーシス、心不全、心筋症、心臓のウイルス性若しくは細菌性感染、心筋虚血、心筋梗塞、及び心筋虚血、を含む心臓細胞の細胞死、冠動脈バイパス移植、例えば化学療法若しくはHIV療法の結果としてのミトコンドリア薬物毒性、ウイルス性感染若しくは細菌性感染中の細胞死、卵胞期から卵母細胞期への細胞死、卵母細胞期から成熟卵期への細胞死、及び精子の細胞死(例えば、卵巣組織の凍結及び移植方法、人工授精(fecondation))、又は化学療法後の女性及び男性の生殖能力を保存するため、若しくは雌及び雄動物の生殖能力を保存するため、黄斑変性症及び緑内障、急性肝炎、慢性活動性肝炎、B型肝炎及びC型肝炎、脱毛、及び男性型禿頭症、放射線療法、化学療法又は感情的ストレスに起因する脱毛、皮膚の損傷(高レベルの放射線、熱、火傷、化学物質、太陽への曝露、及び自己免疫疾患に起因する)、骨髄異形成症候群(MDS)における骨髄細胞の細胞死、膵臓炎、呼吸器症候群、又は骨関節炎(osteoarthitis)、関節リウマチ、乾癬、糸球体腎炎、アテローム性動脈硬化症(atheroscerosis)、並びに移植片対宿主病、炎症の増加に伴う疾患状態から選択される。
【0146】
幾つかの実施態様では、本明細書で提供されるのは、癌の治療及び/又は予防のための本明細書の化合物の使用方法である。典型的な癌は、肺癌、結腸直腸癌(CRC)、メラノーマ、胃癌(食道癌を含む)、腎細胞癌(RCC)、乳癌、前立腺癌、頭頸部癌、膀胱癌、肝細胞癌(HCC)、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膵臓癌、神経内分泌癌、血液癌(特に、多発性骨髄腫、急性骨髄芽球性白血病(AML))、及び胆道癌を含む。
【0147】
一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、少なくとも部分的に炎症性ベースを有する癌、例えば肺癌等の本明細書に記載された癌の治療を改善するための療法である。一の実施態様では、本明細書で提供されるのは、少なくとも部分的に炎症性ベースを有する癌、例えば肺癌等の本明細書に記載された癌の治療及び/又は予防のための、本明細書の化合物の使用である。別の態様では、本明細書で提供されるのは、癌の治療及び/又は予防のための本明細書の化合物の投与のための、特別な臨床的投薬レジメンである。別の態様では、肺癌を含む、少なくとも部分的に炎症性ベースを有する癌に罹患した対象は、本明細書の化合物の投与に加えて、1以上の治療薬(例えば、化学療法薬)を投与されるか、及び/又は、腫瘍減量術を受けた/受ける予定である。
【0148】
幾つかの実施態様では、治療的有効量の本明細書で提供される化合物を対象へ投与することを含む、それを必要とするヒト対象中の癌を治療又は予防する方法である。
【0149】
本発明の別の態様は、癌治療用医薬品の製造のための、本明細書の化合物の使用である。
【0150】
幾つかの実施態様では、本明細書の化合物は、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、家族性地中海熱(FMF)、全身型若年性特発性関節炎(SJIA)、高免疫グロブリンD症候群(HIDS)並びに腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)の治療又は予防、中でも、家族性寒冷蕁麻疹、新生児期発症多臓器系炎症性疾患、SJIA及びFMF、並びにマックルウェルズ症候群の治療又は予防に使用される。
【0151】
幾つかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、上記で挙げられた方法のいずれにおいて使用されても良い。
【0152】
(6.4.医薬組成物)
本明細書で提供される医薬組成物は、治療的有効量の、例えば4.4節に記載のもの等の、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/若しくはカスパーゼ-5に関係する、若しくはこれらにより変調される1以上の症状、又はカスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/若しくはカスパーゼ-5に関係する、若しくはこれらにより変調される症状の1以上の症候の予防、治療、又は緩解において有用である、1種以上の本明細書で提供される化合物、並びに医薬として許容し得る担体を含有する。
【0153】
化合物は、経口投与のための、液剤、懸濁剤、錠剤、分散錠、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出製剤、若しくはエリキシル剤、又は非経口投与のための無菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮吸収型貼付剤及びドライパウダー吸入剤等の、適切な医薬調製物として製剤化できる。一の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、当分野で周知の技術及び手順を用いて医薬組成物へ製剤化される(例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第20版、Mack Publishing, Easton PA (2000)を参照)。
【0154】
本組成物においては、有効な濃度の1種以上の化合物又は医薬として許容し得る誘導体は、好適な医薬担体又はビヒクルと混合される。本化合物は、上記で説明されたように、対応する塩、エステル、酸、塩基、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグとして、製剤化の前に誘導体化することができる。組成物中の化合物の濃度は、投与において、4.4節に記載の1以上のカスパーゼによって変調された、症状、又は症状の1以上の症候を治療、予防、又は緩解する量の送達に有効なものである。
【0155】
一実施態様では、本組成物は、単回投薬量投与のために製剤化される。組成物を製剤化するためには、治療する症状が軽減する又は緩解するのに有効な濃度で、重量分率の化合物を、選択されたビヒクル中に、溶解、懸濁、分散、若しくは混合する。本明細書で提供される化合物の投与に適した医薬担体又はビヒクルには、特定の投与様式のために好適であると当業者に公知である担体の全てが含まれる。
【0156】
更に、本化合物は、組成物中で唯一の医薬的活性成分として製剤化されていてもよく、又は他の活性成分と組み合わされてもよい。腫瘍標的化リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液も又、医薬として許容し得る担体として好適であり得る。これらは、当業者に公知の方法に従い調製できる。例えば、リポソーム製剤は、当分野で知られているとおりに製造できる。簡略に説明すると、多重膜ベシクル(MLV)等のリポソームは、フラスコ内で、卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)をドライダウンすることによって形成することができる。本明細書で提供される化合物を、二価カチオンを含まないリン酸緩衝食塩水(PBS)の溶液で添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振盪する。得られたベシクルを洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によりペレット化し、次にPBS中に再懸濁する。
【0157】
活性化合物は、治療される患者に望ましくない副作用を及ぼすことなく治療的に有効な効果を発揮するのに充分な量で、医薬として許容し得る担体に含有される。治療的に有効な濃度は、当分野で公知のインビトロ系及びインビボ系で化合物を試験することにより、実験的に決定可能であり、そしてヒトへの投薬量もその試験から推定できる。
【0158】
医薬組成物中の活性化合物の濃度は、その活性化合物の吸収速度、不活性化速度及び排泄速度、化合物の物理化学的性質、投薬計画、及び投与量、並びに、当業者に公知の他の因子に依存するであろう。
【0159】
一の実施態様では、治療的に有効な投薬量は、約0.1ng/ml~約50~100μg/ml、約0.5ng/ml~約80μg/ml、約1ng/ml~約60μg/ml、約5ng/ml~約50μg/ml、約5ng/ml~約40μg/ml、約10ng/ml~約35μg/ml、約10ng/ml~約25μg/ml、約10ng/ml~約10μg/ml、約25ng/ml~約10μg/ml、約50ng/ml~約10μg/ml、約50ng/ml~約5μg/ml、約100ng/ml~約5μg/ml、約200ng/ml~約5μg/ml、約250ng/ml~約5μg/ml、約500ng/ml~約5μg/ml、約1μg/ml~約50μg/ml、約0.1ng/ml~約5ng/ml、約1ng/ml~約10ng/ml、又は約1μg/ml~約10μg/mlの活性成分の血清中濃度を生じさせるべきである。医薬組成物は、ある実施態様では、1日あたり体重1kgあたり約0.001mg~約2000mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.002mg~約1000mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.005mg~約500mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.005mg~約250mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.005mg~約200mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.005mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.001mg~約0.005mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.01mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.02mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.05mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.1mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.5mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.75mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約1mg~約100mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約1mg~約10mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約0.001mg~約5mgの化合物、1日あたり体重1kgあたり約200mg~約2000mgの化合物、又は1日あたり体重1kgあたり約10mg~約100mgの化合物の投薬量を提供すべきである。医薬投与量単位形態は、投与量単位形態あたり、約1mg~約1000mg、約1mg~約800mg、約5mg~約800mg、約1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約5mg~約100mg、約10mg~約50mg、約10mg~約100mg、約25mg~約50mg、及び約10mg~約500mgの、必須活性成分又は必須成分の組合せを提供するよう製造される。
【0160】
活性成分は、1回で投与されてもよく、より少量の複数の用量に分割され、時間間隔を置いて投与されてもよい。正確な投薬量及び治療期間は、治療される疾患の作用によって変更されるものであり、公知の試験プロトコルを用いて、又はインビボ若しくはインビトロでの試験データからの推定によって、実験的に決定できることが理解される。濃度及び投薬量の値も又、緩和されるべき症状の重症度に伴い変動し得ることに留意すべきである。任意の特定の対象のための、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断に従い、時間をかけて調整されるべきものであること、及び本明細書に記載の濃度範囲は、例示的なものにすぎず、特許請求される組成物の範囲又は実施を制限する意図はないことが更に理解されるはずである。
【0161】
医薬として許容し得る誘導体には、酸、塩基、及びエステル、塩、エステル、水和物、溶媒和物、並びにプロドラッグの形態が含まれる。誘導体は、その薬物動態学的性質が、対応するニュートラルな化合物を上回るように選択される。
【0162】
上記より、効果的な濃度又は量の1以上の本明細書に記載された化合物又はその医薬として許容し得る誘導体は、全身投与、標的局所投与、又は局所投与に適した医薬担体又はビヒクルと混合され、医薬組成物を形成する。化合物は、例えば4.4節に記載のもの等の、カスパーゼ-1、カスパーゼ-4及び/又はカスパーゼ-5に関係する又はこれらにより変調される1以上の症候を緩解させるため、又は、症状を治療若しくは再発を予防するために効果的な量で含まれる。組成物中の活性化合物の濃度は、その活性化合物の吸収速度、不活性化速度及び排泄速度、投薬計画、投与量、特定の製剤、並びに当業者に公知の他の因子に依存するであろう。
【0163】
組成物は、経口で、非経口で、硝子体内注射で、薬物含浸コンタクトレンズで、経直腸で、標的局所的に、局所的に、吸入噴霧によって、経鼻で、口腔内頬側から、経膣で、移植されたリザーバーにより、又は、経鼻胃管若しくは経口胃管を介する経路を含む、適切な経路により投与されることを意図される。幾つかの実施態様では、投与は経口経路による。他の実施態様では、投与は非経口経路による。経口投与には、カプセル剤及び錠剤を使用できる。組成物は、液体、半液体、又は固体の形態であり、各投与経路に適するような方法で製剤化される。一の実施態様では、投与の様式には、非経口及び経口投与様式が含まれる。ある実施態様では、経口投与が意図される。
【0164】
非経口適用、硝子体内適用、皮内適用、皮下適用、又は標的局所用に使用される液剤又は懸濁剤は、以下の成分: 注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド、又は他の合成溶媒等の無菌希釈剤;ベンジルアルコール及びメチルパラベン等の抗菌剤;アスコルビン酸及び亜硫酸水素ナトリウム等の抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、及びリン酸塩等の緩衝剤;並びに、塩化ナトリウム又はブドウ糖等の等張性調整剤、のいずれかを含むことができる。非経口調製物は、ガラス、プラスチック、又は他の好適な材料製の、アンプル、使い捨てシリンジ、又は単回若しくは複数用量バイアルに封入できる。
【0165】
化合物が不充分な溶解性を示す場合、化合物の可溶化法を用いることができる。そのような方法には、当業者に公知であり、限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の共溶媒を使用する、TWEEN(登録商標)等の界面活性剤を使用する、又は炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解させる、こと等が含まれる。
【0166】
化合物の混合又は添加によって得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であり得る。得られる混合物の形態は、意図する投与様式、及び選択された担体又はビヒクルへの化合物の溶解性を含む、多くの因子に依存する。効果的な濃度は、治療する疾患、障害、又は症状の症候を緩解させるのに充分なものであって、実験的に決定することができる。
【0167】
医薬組成物は、化合物又はその医薬として許容し得る誘導体の好適な量を含有する、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、無菌非経口液剤又は懸濁剤、及び経口液剤又は懸濁剤、並びに油/水エマルジョン等の、単位剤形(単位投与量形態)で、ヒト及び動物への投与のために提供される。医薬的治療活性のある化合物及びその誘導体は、単位剤形又は複数剤形で製剤化され、投与される。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト対象及び動物対象に適した物理的に個々に分離された単位を指し、当分野で公知のように個別に包装される。各単位投与量は、必要とされる医薬担体、ビヒクル、又は希釈剤と共に、所望の治療効果を生じさせるのに充分な所定量の治療活性化合物を含有する。単位剤形の例には、アンプル及びシリンジ、並びに個別に包装された錠剤又はカプセル剤が含まれる。単位剤形は、その分数で又はその倍数で投与することもできる。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるための単一容器に包装された、複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例には、錠剤若しくはカプセル剤の、バイアル、瓶、又はパイント瓶若しくはガロン瓶が含まれる。このように、複数剤形は、包装中では分離されていない複数の単位投与量である。
【0168】
持続放出調製物も又、製造可能である。持続放出調製物の好適な例には、本明細書で提供される化合物を含有する疎水性固体ポリマーの半透過性マトリックスであって、そのマトリックスは、例えばフィルム又はマイクロカプセルである成形製品の形状であるものが含まれる。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸、L-グルタミン酸及びエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なミクロスフェア)等の分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、並びにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸等のポリマーが、100日を超える期間、分子の放出を可能とする一方、ある種のヒドロゲルは、より短い期間でタンパク質を放出する。封入された化合物が、体内に長時間維持されると、それらは、37℃で水分へ曝露される結果、変性又は凝集することがあり、結果的に生物活性の喪失を生ずると共に、その化合物の構造の変化が起こり得る。関与する作用機序に応じて、安定性のための合理的戦略を考案することができる。例えば、凝集機序が、チオ-ジスルフィド交換を介する分子間S-S結合の形成であると判明した場合、安定化は、スルフヒドリル残基を修飾すること、酸性溶液から凍結乾燥させること、水分含量を制御すること、好適な添加物を使用すること、及び特定のポリマーマトリックス組成物を開発することにより達成することができる。
【0169】
活性成分0.001%~100%、活性成分0.002%~100%、活性成分0.005%~90%、活性成分0.01%~100%、活性成分0.05%~100%、活性成分0.05%~90%、活性成分0.1%~100%、活性成分0.1%~1%、活性成分0.1%~0.5%、活性成分1%~100%、活性成分1%~99%、活性成分1%~98%、活性成分1%~97%、活性成分1%~96%、活性成分1%~95%、活性成分5%~95%、活性成分10%~100%、活性成分10%~95%、活性成分15%~95%、活性成分20%~95%、活性成分25%~100%、活性成分50%~100%、活性成分50%~95%、活性成分60%~95%、若しくは活性成分75%~100%の範囲で、無毒な担体から構成される残りと共に、活性成分を含む剤形又は組成物を製造することができる。経口投与のためには、医薬として許容し得る無毒な組成物は、例えば医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム又はサッカリンナトリウム等の、通常採用されるいずれかの賦形剤を組み込むことによって形成される。そのような組成物には、液剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤、散剤、及び、限定されるものではないが、インプラント及びマイクロカプセル化送達系等の持続放出製剤、並びにコラーゲン、エチレン-酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、その他等の生分解性の生体適合性ポリマーが含まれる。これらの組成物の製造方法は、当業者に公知である。意図された組成物は、0.001%~100%の活性成分を、一実施態様では75~95%の活性成分を含有することができる。
【0170】
活性化合物又は医薬として許容し得る誘導体は、タイムリリース型の製剤又はコーティング等の、化合物が体内から迅速に除去されることから保護する担体と共に製造することができる。
【0171】
本組成物は、所望の性質の組合せを得るために、他の活性化合物を含むことができる。本明細書で提供される化合物、又は本明細書に記載されたその医薬として許容し得る誘導体は又、同じ症状を治療するのに価値があると一般的な当分野において公知の、他の薬理剤と一緒に、1以上のカスパーゼにより変調される症状を有する対象へ、治療又は予防目的で、有利に投与することができる。そのような併用療法は本明細書で提供される組成物及び治療方法の更なる態様を構成することが、理解されるはずである。
【0172】
(経口投与用の組成物)
経口医薬剤形は、固体、ゲル、又は液体のいずれかである。固体剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、及び混合散剤である。経口錠剤の種類には、圧縮型の、チュアブルな、ロゼンジ錠及び錠剤が挙げられ、これらは腸溶性コーティング、糖コーティング、又はフィルムコーティングされていてもよい。カプセル剤は、硬質又は軟質のゼラチンカプセル剤であってもよく、一方、顆粒剤及び散剤は、当業者に公知の他の成分と組合せと共に非発泡性又は発泡性の形態で提供されてもよい。
【0173】
ある実施態様では、製剤は、カプセル剤又は錠剤等の固体剤形である。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、下記成分:結合剤;希釈剤;崩壊剤;潤滑剤;流動化剤;甘味剤;及び香味料、のいずれか又は類似する性質の化合物を含有することができる。
【0174】
結合剤の例には、微結晶性セルロース、トラガカントガム、ブドウ糖液、アラビアゴム漿、ゼラチン溶液、スクロース、及びデンプン糊が含まれる。潤滑剤には、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、石松子、及びステアリン酸が含まれる。希釈剤には、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール、及びリン酸二カルシウムが含まれる。流動化剤には、限定されるものではないが、コロイド状二酸化ケイ素が含まれる。崩壊剤には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天、及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。着色剤には、例えば、認可され、保証された水溶性FD及びC染料、それらの混合物;並びにアルミナ水和物に懸濁された非水溶性FD及びC染料のいずれかが含まれる。甘味剤には、スクロース、ラクトース、マンニトール、及びサッカリン等の人工甘味剤、並びに任意の数の噴霧乾燥香料が含まれる。香味料には、果実等の植物から抽出された天然香料、並びに、これらに限定されるものではないが、ペパーミント及びサリチル酸メチル等の、心地良い感覚を生じさせる化合物の合成配合物が含まれる。湿潤剤には、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、及びポリオキシエチレンラウラル(laural)エーテルが含まれる。催吐性(Emetic)コーティングには、脂肪酸、脂肪、ワックス、セラック、アンモニア処理したセラック、及び酢酸フタル酸セルロースが含まれる。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが含まれる。
【0175】
経口投与が望ましい場合、化合物は、胃の酸性環境からその化合物を保護する組成物内で提供することができる。例えば、組成物は、胃の中ではその完全性を維持し、腸の中で活性化合物を放出する腸溶性コーティング内に製剤化することができる。組成物は又、制酸薬又は他のそのような成分と組み合わせて製剤化することもできる。
【0176】
投与量単位形態が、カプセル剤である場合、カプセル剤は、上記の種類の材料に加えて、脂肪油等の液体担体を含有することができる。更に、投与量単位形態は、投与量単位の物理的形態を修飾する様々な他の材料、例えば、糖及び他の腸溶性剤のコーティングを含有することができる。化合物は又、エリキシル剤、懸濁液剤、シロップ剤、ウエハース剤、スプリンクル剤、チューインガム剤等の成分として投与することも可能である。シロップ剤は、活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロース、並びにある種の防腐剤、染料、及び着色料、並びに香料を含有することができる。
【0177】
活性材料は又、制酸薬、H2遮断薬、及び利尿薬等の、所望の作用を損なわない他の活性材料、又は所望の作用を補完する材料と混合することもできる。活性成分は、本明細書に記載の化合物又はその医薬として許容し得る誘導体である。約98重量%までのより高濃度の活性成分を含有させることもできる。
【0178】
錠剤中に含まれる医薬として許容し得る担体は、結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味料、及び湿潤剤である。腸溶性コーティング錠は、腸溶性コーティングにより、胃酸の作用に抵抗し、中性又はアルカリ性の腸内で溶解又は崩壊する。糖衣錠は、医薬として許容し得る物質の様々な層が適用された圧縮錠である。フィルムコーティング錠は、ポリマー又は他の好適なコーティングで被覆されている圧縮錠である。多重圧縮錠は、上記記載の医薬として許容し得る物質を使用して、1を超える圧縮サイクルによって製造される圧縮錠である。着色剤も又、上記の剤形で使用できる。香味料及び甘味剤は、圧縮錠、糖衣錠、多重圧縮錠、及びチュアブル錠で使用される。香味料及び甘味剤は、チュアブル錠及びロゼンジ錠の形成において特に有用である。
【0179】
液体経口剤形には、水性液剤、エマルジョン、懸濁剤、非発泡性顆粒剤から再構成された液剤及び/又は懸濁剤、並びに発泡性の顆粒剤から再構成された発泡性調製物が含まれる。水性液剤には、例えば、エリキシル剤及びシロップ剤が含まれる。エマルジョン剤は、水中油型又は油中水型のいずれかである。
【0180】
エリキシル剤は、清澄な、甘味付けされた、含水アルコール調製物である。エリキシル剤で使用される医薬として許容し得る担体には、溶媒が含まれる。シロップ剤は、糖、例えば、スクロースの濃縮水性液剤であり、防腐剤を含有してもよい。エマルジョン剤は、一方の液体が、他方の液体の全体に小球の形態で分散されている二相系である。エマルジョン剤に使用される医薬として許容し得る担体は、非水性液体、乳化剤、及び防腐剤である。懸濁剤には、医薬として許容し得る懸濁化剤及び防腐剤が使用される。液体経口剤形へ再構成するために非発泡性顆粒剤で使用される医薬として許容し得る物質には、希釈剤、甘味剤、及び湿潤剤が含まれる。液体経口剤形へ再構成するために発泡性顆粒剤で使用される医薬として許容し得る物質には、有機酸及び二酸化炭素源が含まれる。着色料及び香味料は、上記の剤形の全てで使用される。
【0181】
溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップが含まれる。防腐剤の例には、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸アッド(benzoic add)、安息香酸ナトリウム、並びにアルコールが含まれる。エマルジョン剤で使用される非水性液体の例には、鉱油及び綿実油が含まれる。乳化剤の例には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、及び、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の界面活性剤が含まれる。懸濁化剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ペクチン、トラガカント、ビーガム(Veegum)、及びアカシアが含まれる。希釈剤には、ラクトース及びスクロースが含まれる。甘味剤には、スクロース、シロップ、グリセリン、及び、サッカリン等の人工甘味剤が含まれる。湿潤剤には、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが含まれる。有機酸には、クエン酸及び酒石酸が含まれる。二酸化炭素源には、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムが含まれる。着色剤には、認可され、保証された水溶性FD及びC染料及びそれらの混合物のいずれかが含まれる。香味料には、果実等の植物から抽出される天然香料、及び心地良い味覚を生じさせる化合物の合成配合物が含まれる。
【0182】
固体剤形については、例えば、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の液剤又懸濁剤をゼラチンカプセルに封入可能である。そのような液剤、並びにその調製及び封入は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に開示されている。液体剤形については、投与のために容易に計量できるように、例えば、例としてポリエチレングリコール中の液剤を、充分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば、水で希釈することができる。
【0183】
或いは、液体又は半固体経口製剤は、活性化合物又は塩を、植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)、及び他のそのような担体に溶解又は分散させ、これらの溶液又は懸濁液を硬質又は軟質ゼラチンカプセル殻に封入することにより製造してもよい。他の有用な製剤には、限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量を指す)を含むがこれらに限定されるものではない、ジアルキル化されたモノ-又はポリ-アルキレングリコール、並びに、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメート等の1以上の抗酸化剤、を含有するものが含まれる。
【0184】
他の製剤には、限定されるものではないが、医薬として許容し得るアセタールを含有する水性アルコール溶液を含む。これらの製剤で使用されるアルコールは、任意の医薬として許容し得る1以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒であり、限定されるものではないが、プロピレングリコール及びエタノールを含む。アセタールには、限定されるものではないが、アセトアルデヒドジエチルアセタール等の、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールが含まれる。
【0185】
全ての実施態様において、錠剤及びカプセル剤の製剤は、活性成分の溶解を変化させる又は維持するために、当業者に公知のようにコーティングすることができる。従って、例えば、それらは、サリチル酸フェニル、ワックス、及び酢酸フタル酸セルロース等の、従来の腸内消化性コーティング剤でコーティングすることができる。
【0186】
(注射剤、液剤、及びエマルジョン剤)
一般に、皮下、筋肉内、硝子体内、又は静脈内のいずれかへの注射を特徴とする非経口投与も又、本明細書において意図される。注射剤は、液状の溶液剤又は懸濁剤としてか、注射前に液状の溶液若しくは懸濁液に好適な固体形態としてか、又はエマルジョン剤としてかのいずれかの従来の形態で製造することができる。好適な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、又はエタノールである。更に、望ましい場合、投与される医薬組成物は又、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定化剤、溶解促進剤、並びに、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、及びシクロデキストリン等の他のそのような薬剤等の無毒の補助物質を少量含有することもできる。一定レベルの投薬量が維持されるような、徐放系又は持続放出系の埋め込みも又、本明細書で意図される。簡略に説明すると、本明細書で提供される化合物は、固体の内側マトリックス中に分散される。この固体の内側マトリックスは、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン-カーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルであり、外側のポリマー性膜により囲まれている。この外側のポリマー性膜は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンと塩化ビニルのコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーであり、体液に不溶なものである。化合物は、放出速度制御段階で外側のポリマー性膜を通って拡散する。そのような非経口組成物内の活性化合物の割合は、その具体的な性質、並びに化合物の活性及び対象の必要性に高度に依存する。
【0187】
組成物の非経口投与には、静脈内、硝子体内、皮下、及び筋肉内投与が含まれる。非経口投与用の調製物には、すぐに注射可能な無菌液剤、使用直前に溶媒と組み合わせることができる、凍結乾燥散剤等の無菌乾燥可溶性製品であって皮下注射用錠剤を含むもの、すぐに注射可能な無菌懸濁剤、使用直前にビヒクルと組み合わせることができる無菌乾燥不溶性製品、及び無菌エマルジョン剤が含まれる。この液剤は、水性又は非水性のいずれであってもよい。
【0188】
静脈内投与する場合、好適な担体には、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、並びにグルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール並びにそれらの混合物等の、増粘及び可溶化剤を含有する溶液が含まれる。
【0189】
非経口調製物で使用される医薬として許容し得る担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁及び分散剤、乳化剤、封鎖又はキレート化剤、並びに他の医薬として許容し得る物質が含まれる。
【0190】
水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張ブドウ糖注射液、無菌水注射液、ブドウ糖加乳酸リンゲル注射液が含まれる。非水性非経口ビヒクルとしては、野菜起源の不揮発性油、綿実油、コーン油、ゴマ油、及びピーナッツ油が含まれる。静菌又は静真菌濃度の抗微生物剤が、複数用量容器中に包装された非経口調製物へ添加される必要があり、抗微生物剤には、フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル及びプロピルエステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、並びに塩化ベンゼトニウムが含まれる。等張化剤には、塩化ナトリウム及びブドウ糖が含まれる。緩衝剤には、リン酸塩及びクエン酸塩が含まれる。抗酸化剤には、硫酸水素ナトリウムが含まれる。局所麻酔剤には、プロカイン塩酸塩が含まれる。懸濁及び分散剤には、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcelluose)ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。乳化剤には、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が含まれる。金属イオンの封鎖又はキレート化剤には、EDTAが含まれる。医薬担体には又、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、又は乳酸が含まれる。
【0191】
医薬的活性化合物の濃度は、注射が所望の薬理効果を生じさせる有効量が提供されるように調整される。正確な用量は、当分野で公知なように、患者又は動物の年齢、体重、及び症状に依存する。
【0192】
単位投与量の非経口調製物は、アンプル、バイアル、又は針付きシリンジに充填される。全ての非経口投与用の調製物は、当分野で公知でありかつ実施されているように、無菌状態でなければならない。
【0193】
具体的には、活性化合物を含有する無菌水性液剤の静脈内、硝子体内、又は動脈内注入は、有効な投与様式である。別の実施態様は、所望の薬理効果を生じさせるために必要に応じて注射される、活性材料を含有する無菌の水性又は油性の液剤又は懸濁剤である。
【0194】
注射剤は、局所及び全身投与用に設計される。ある実施態様では、治療的に有効な投薬は、治療される(1又は複数の)組織に対して、少なくとも約0.1%w/wから最高で約90%w/w以上の濃度、又は1%w/wを超える濃度の活性化合物を含有するように製剤化される。活性成分は、1回で投与されてもよく、より少量の複数の用量に分割され、時間間隔を置いて投与されてもよい。正確な投薬量及び治療期間は、治療される組織の機能によって変更されるものであり、公知の試験プロトコルを用いて、又はインビボ若しくはインビトロでの試験データからの推定によって、実験的に決定できることが理解される。濃度及び投薬量の値も又、治療される個体の年齢によっても変動し得ることに留意すべきである。任意の特定の対象に対する、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性及び製剤を投与する者又は製剤の投与を監督する者の専門的な判断に従い、時間をかけて調整されるべきものであること、及び本明細書に記載の濃度範囲は、例示的なものにすぎず、特許請求される製剤の範囲又は実施を制限する意図はないことが更に理解されるはずである。
【0195】
化合物は、微粒子化形態又は他の好適な形態で懸濁してもよく、誘導体化してより溶けやすい活性な生成物を作製するか、又はプロドラッグを作製してもよい。得られる混合物の形態は、意図する投与様式、及び選択された担体又はビヒクル中での化合物の溶解性を含む、多くの因子に依存する。効果的な濃度は、症状の症候を緩解させるのに充分なものであって、実験的に決定することができる。
【0196】
(凍結乾燥散剤)
本明細書において興味深いのは又、投与のために、液剤、エマルジョン剤、及び他の混合物として再構成可能な凍結乾燥散剤である。これらは又、固体又はゲルとして、再構成及び製剤化されることもできる。
【0197】
無菌凍結乾燥散剤は、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る誘導体を、好適な溶媒中に溶解させることにより調製される。溶媒は、散剤又は散剤から調製される再構成液剤の安定性又は他の薬理学的成分を向上させる賦形剤を含有してもよい。使用できる賦形剤には、限定されるものではないが、ブドウ糖、ソルビトール(sorbital)、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、又は他の好適な剤が含まれれる。溶媒は又、クエン酸塩、リン酸ナトリウム若しくはリン酸カリウム、又はほとんど中性のpHの、当業者に公知の他のそのような緩衝剤等の緩衝剤を含有することもできる。当業者に公知の標準条件下での、その後の溶液の無菌濾過及びそれに続く凍結乾燥によって、所望の製剤が提供される。通常、得られた溶液は、凍結乾燥用のバイアルに分注されるであろう。各バイアルは、単回投薬量(10~1000mg又は100~500mg)又は複数回投薬量の化合物を含有するだろう。凍結乾燥散剤は、約4℃~室温等の好適な条件下で貯蔵することができる。
【0198】
この凍結乾燥散剤の注射用水による再構成は、非経口投与で使用するための製剤を提供する。再構成のためには、無菌水又は他の好適な担体1mLあたり、約1~50mg、5~35mg、又は約9~30mgの凍結乾燥散剤を添加する。正確な量は、選択された化合物に依存する。そのような量は、実験的に決定することができる。
(標的局所投与)
標的局所用混合物は、局所及び全身投与について説明したように製造される。得られる混合物は、液剤、懸濁剤、エマルジョン剤等であってもよく、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、エマルジョン剤、液剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ剤、ペースト剤、フォーム剤、エアロゾル剤、灌注洗浄剤、スプレー剤、坐剤、包帯剤、経皮パッチ剤、コンタクトレンズ又は標的局所適用に好適な任意の他の製剤として製剤化される。
【0199】
化合物又はその医薬として許容し得る誘導体は、吸入によるもの等の標的局所適用のためのエアロゾル剤として製剤化できる(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾル剤を記載している米国特許第4,044,126号、第4,414,209号、及び第4,364,923号を参照)。気道への投与のためのこれらの製剤は、ネブライザ用のエアロゾル剤又は液剤の形態でもよく、単独の、又はラクトース等の不活性担体と組み合わせた吹送用の超微細粉末でもよい。そのような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満又は10ミクロン未満の直径を有するだろう。
【0200】
化合物は、局所適用若しくは標的局所適用のために、製剤化でき、例えば、ゲル剤、クリーム剤、及びローション剤の形態での、眼科領域等の皮膚及び粘膜への標的局所適用のため、並びに目への適用のため、又は大槽内若しくは髄腔内適用のため等に製剤化できる。標的局所投与は、経皮送達のため、及び同様に、目若しくは粘膜への投与のため、又は吸入療法のためにも意図される。活性化合物単独の、又は活性化合物と他の医薬として許容し得る賦形剤との組み合わせの点鼻液も又、投与可能である。
【0201】
これらの液剤、特に、眼科的使用を意図するものは、好適な塩を含む0.01%~10%等張溶液(pH約5~7)として製剤化できる。
【0202】
(他の投与経路用の組成物)
標的局所適用、経皮パッチ、及び直腸投与等の他の投与経路も又、本明細書において意図される。
【0203】
例えば、直腸投与用の医薬剤形は、全身作用のための直腸坐剤、カプセル剤、及び錠剤である。本明細書で使用される直腸坐剤は、直腸へ挿入するための固形物を意味し、これは、体温で融解又は軟化し、1以上の薬理活性成分又は治療活性成分を放出する。直腸坐剤で使用される医薬として許容し得る物質は、基剤又はビヒクル、及び融点を上昇させる薬剤である。基剤の例には、ココアバター(カカオ脂)、グリセリンゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、並びに脂肪酸のモノ、ジ、及びトリグリセリドの好適な混合物が含まれる。様々な基剤の組合せを用いてもよい。坐剤の融点を上昇させる薬剤には、鯨蝋及びワックスが含まれる。直腸坐剤は、圧縮法又は成形法のいずれで製造されてもよい。ある実施態様では、直腸坐剤の重量は、約2~3グラムである。
【0204】
直腸投与用の錠剤及びカプセル剤は、経口投与用の製剤化と、同じ医薬として許容し得る物質を用いて、同じ方法で製造される。
【0205】
(持続放出組成物)
本明細書に提供される化合物等の活性成分は、当業者に周知である制御放出手段又は送達デバイスにより投与可能である。例としては、限定されるものではないが、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号、及び第6,699,500号に記載されているものが含まれ、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている。そのような剤形は、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを用いて、1以上の活性成分の徐放又は制御放出を提供して、様々な割合での所望の放出プロファイルを提供することができる。本明細書に記載されているものを含む当業者に公知の好適な制御放出製剤は、本明細書で提供される活性成分と共に使用するために容易に選択することができる。従って、提供される組成物は、限定されるものではないが、制御放出に適している錠剤、カプセル剤、ゼラチンカプセル(gel cap)、及びカプレット等の経口投与に好適な単回単位投与量剤形を包含する。
【0206】
全ての制御放出医薬製品は、薬物療法を、それらに対応する制御無し対照物によって達成されるものと比べて向上させるという共通の目的を有する。理想的には、医学的治療における最適に設計された制御放出調製物の使用は、症状を最小限の量の時間で治癒又は制御するために最小限の薬物物質が使用されることを特徴とする。制御放出製剤の利点には、薬物活性効果の延長、投薬頻度の低下、及び対象の服薬コンプライアンスの向上が含まれる。更に、制御放出製剤は、活性作用の開始時間又は薬物の血中レベル等の他の特徴に影響を及ぼすために使用可能であり、従って、副作用(例えば、有害な作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0207】
大部分の制御放出製剤は、所望の治療効果を即座に生じさせる量の薬物(活性成分)を最初に放出し、かつ長期間にわたってこのレベルの治療又は予防効果を維持するために別の量の薬物を徐々にかつ継続的に放出するように設計される。この一定レベルの薬物を体内で維持するために、薬物は、代謝され、体から排出される量の薬物と置き換わる速度で、剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、限定されるものではないが、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件若しくは化合物を含む様々な条件によって刺激することができる。
【0208】
ある実施態様では、薬物は、静脈内注入、埋め込み型の浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、又は他の投与様式を用いて投与できる。一の実施態様では、ポンプを使用できる(Seftonの文献、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201 (1987); Buchwaldらの文献、1980; 88:507; Saudekらの文献、N.Engl.J.Med.1989; 321: 574を参照)。別の実施態様では、ポリマー性材料を使用できる。更に別の実施態様では、制御放出系は、対象において、熟練した専門家により決定された好適な部位に配置することができ、すなわち、そのために、全身用量の一部のみしか必要としない(例えば、Goodsonの文献、Medical Applications of Controlled Release, vol.2, 1984, pp.115-138を参照)。他の制御放出系は、Langerの総説(Science 1990; 249:1527-1533)に記載されている。活性成分は、固体の内側マトリックス中に分散されることができる。この固体の内側マトリックスは、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン-カーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルであり、外側のポリマー性膜により囲まれている。この外側のポリマー性膜は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンと塩化ビニルのコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーであり、体液に不溶なものである。その後、活性成分は、放出速度制御段階で外側のポリマー性膜を通って拡散する。そのような非経口組成物内の活性化合物の割合は、その具体的な性質、及び対象の必要性に高度に依存する。
【0209】
(標的化製剤)
本明細書に提供される化合物又はその医薬として許容し得る誘導体は、治療される対象の身体の特定の組織、受容体、又は他の部位を標的とするように製剤化できる。多くのそのような標的化方法は、当業者に周知である。全てのそのような標的化方法は、本組成物における使用のために本明細書において意図される。標的化方法の非限定的な例については、例えば、米国特許第6,316,652号、第6,274,552号、第6,271,359号、第6,253,872号、第6,139,865号、第6,131,570号、第6,120,751号、第6,071,495号、第6,060,082号、第6,048,736号、第6,039,975号、第6,004,534号、第5,985,307号、第5,972,366号、第5,900,252号、第5,840,674号、第5,759,542号、及び第5,709,874号を参照されたい。
【0210】
一の実施態様では、腫瘍標的化リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液も又、医薬として許容し得る担体として好適であり得る。これらは当業者に公知の方法に従い製造することができる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号に記載されているように製造できる。簡略に説明すると、多重膜ベシクル(MLV)等のリポソームは、フラスコ内部で、卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)をドライダウンすることによって形成することができる。本明細書で提供される化合物の、二価のカチオンを欠くリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液を加え、フラスコを、脂質膜が分散するまで振盪する。得られたベシクルを洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によりペレット化し、その後PBS中に再懸濁する。
【0211】
(投薬量及び単位投与量剤形)
ヒトの治療では、医師は、予防的又は治療的処置に応じて、並びに、治療される対象に固有の、年齢、体重、疾患のステージ、及び他の因子に応じて、その医師が最適と考える薬量法を決定するであろう。通常、用量は、成人一人用に1日あたり約1~約1000mg、又は成人一人用に1日あたり約5~約250mg、又は成人一人用に1日あたり約10~50mgである。ある実施態様では、用量は、成人一人用に1日あたり約5~約400mg又は成人一人用に1日あたり25~200mgである。1日あたり約50~約500mgの投与速度も又、意図される。
【0212】
ある実施態様では、結腸癌の治療又はその1以上の症候の予防において効果的な化合物又は組成物の量は、疾患又は症状の性質及び重症度、並びに活性成分が投与される経路ともに変化するであろう。頻度及び投薬量も又、実施される具体的な療法(例えば、治療用又は予防用薬剤)、障害、疾患、又は症状の重症度、投与の経路、並びに、対象の年齢、身体、体重、反応応答、及び過去の病歴に依存する、各対象に固有の因子に応じて変化するものである。効果的な用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定することができる。
【0213】
組成物の例示的な用量には、対象又はサンプル動物重量1kgあたりミリグラム又はマイクログラム量の化学療法薬及びカスパーゼ阻害剤が含まれる(例えば、約0.001~1000 mg/Kg、約0.01~100 mg/Kg、約0.01~50 mg/Kg、約0.1~25 mg/Kg、又は約0.1~10 mg/Kg)。ある実施態様では、対象へ投与される投薬量は、対象の体重に対して0.20 mg/Kg~2.00 mg/Kgの間、又は0.30 mg/Kg~1.50 mg/Kgの間である。
【0214】
ある実施態様では、本明細書に記載されるカスパーゼ阻害剤、及び、任意で、適用可能な場合には、本明細書に記載される症状のために共投与される化学療法薬の、推奨される一日投与用量の範囲は、単一の1日1回用量として、又は、1日間での分割された複数用量としての場合に、1日あたり化学療法薬及びカスパーゼ阻害剤それぞれ約0.1mg~約1000mgの範囲にある。一の実施態様では、一日投与用量は、均等に分割された投与用量で、1日2回投与される。具体的には、一日投与用量の範囲は、1日あたり約10mg~約200mg、より具体的には、1日あたり約10mg~約150mgの間、又は更により具体的には1日あたり約25~約100mgの間であるべきである。当業者にとって明らかであろうように、場合によっては、本明細書に開示された範囲外の活性成分の投薬量の使用が必要となる場合もある。更に又、臨床医又は治療医は、対象の反応に関連して療法をどのように及びいつ中断、調整、又は終了させるかを知っているであろうことに留意すべきである。
【0215】
当業者によって容易に知られるであろうように、異なる治療的有効量を、異なる疾患及び症状のために適用可能である。同様に、そのような障害を予防、管理、治療、又は緩解するのに充分な量ではあるが、本明細書に記載される化合物に関連する有害作用を引き起こすのには不充分な量、又は該有害作用を減少するのに充分な量も又、上記で説明された投薬量及び投与頻度スケジュールに包含される。更に、対象が、本明細書に記載される化合物の複数回投薬量を投与される場合には、全ての投薬量が同じである必要はない。例えば、対象に投与される投薬量は、化合物の予防又は治療効果を向上させるために増加可能であり、該投薬量を特定の対象が被っている1以上の副作用を低下させるために減少させてもよい。
【0216】
一の実施態様では、対象における障害、又はその1以上の症候を予防、治療、管理、又は緩解するために投与される、本明細書に記載される化合物の投薬量は、対象の体重に対して0.1 mg/kg、1 mg/kg、2 mg/kg、3 mg/kg、4 mg/kg、5 mg/kg、6 mg/kg、10 mg/kg、若しくは15 mg/kg又はそれを超える。別の実施態様では、対象における障害、又はその1以上の症候を予防、治療、管理、又は緩解するために投与される、本明細書に提供される化合物の投薬量は、0.1mg~200mg、0.1mg~100mg、0.1mg~50mg、0.1mg~25mg、0.1mg~20mg、0.1mg~15mg、0.1mg~10mg、0.1mg~7.5mg、0.1mg~5mg、0.1~2.5mg、0.25mg~20mg、0.25~15mg、0.25~12mg、0.25~10mg、0.25mg~7.5mg、0.25mg~5mg、0.5mg~2.5mg、1mg~20mg、1mg~15mg、1mg~12mg、1mg~10mg、1mg~7.5mg、1mg~5mg、又は1mg~2.5mgの単位投与量である。
【0217】
ある実施態様では、治療又は予防は、カスパーゼ阻害剤、及び任意で、適用可能な場合には共投与される化学療法薬の1回以上の負荷投与用量で開始し、それに、1回以上の維持用量を続けることもできる。そのような実施態様では、負荷用量は、例えば、1日あたり約60~約400mg又は1日あたり約100~約200mgを1日~5週間であり得る。負荷用量の次に、1回以上の維持用量を続けることもできる。各維持用量は、独立して、1日あたり約10mg~約200mg、より具体的には、1日あたり約25mg及び約150mgの間、又は更により具体的には1日あたり約25mg及び約80mgの間、又は1日あたり約25mg及び約50mgの間であり得る。維持用量は、毎日投与でき、それぞれを単回用量として、又は分割された用量として投与できる。
【0218】
ある実施態様において、本明細書に提供されるカスパーゼ阻害剤、及び任意で、適用可能な場合には共投与される化学療法薬の用量は、対象の血中又は血清中の活性成分の定常状態濃度を達成するよう投与できる。定常状態濃度は、当業者に利用可能な技術に従った測定により決定可能であり、又は身長、体重、及び年齢等の、対象の身体的特徴に基づくこともできる。ある実施態様では、約300~約4000ng/mL、約400~約1600ng/mL、又は約600~約1200ng/mLの対象の血中又は血清中定常状態濃度を達成するために充分な量の本明細書で提供される化合物が、投与される。負荷投与用量は、1~5日間、約1200~約8000ng/mL又は約2000~約4000ng/mLの血中又は血清中定常状態濃度を達成するよう投与できる。維持用量は、約300~約4000ng/mL、約400~約1600ng/mL、又は約600~約1200ng/mLの対象の血中又は血清中定常状態濃度を達成するよう投与できる。
【0219】
ある実施態様では、同一化合物の投与を繰り返してもよく、かつ、各投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、又は6ヶ月の間隔をあけてもよい。他の実施態様では、同一の予防薬又は治療薬の投与を繰り返してもよく、投与は、少なくとも少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、又は6ヶ月の間隔をあけてもよい。
【0220】
ある態様では、本明細書に提供されるのは、投与に好適な形態の化合物又はその医薬として許容し得る誘導体を含む単位投与量である。そのような形態は、上記で詳細に記載されている。ある実施態様では、単位投与量は、1~1000mg、5~250mg、又は10~50mgの活性成分を含む。特別な実施態様では、単位投与量は、約1、5、10、25、50、100、125、250、500、又は1000mgの活性成分を含む。そのような単位投与量は、当業者によく知られた技術に従い製造できる。
【0221】
(6.5.製造品)
化合物又は医薬として許容し得る誘導体は、包装材料、カスパーゼにより変調される症状又はその症状に関係する1以上の症候の治療、予防又は緩解に使用される本明細書で提供される化合物又はその医薬として許容し得る誘導体、並びに、その化合物又はその医薬として許容し得る誘導体は、症状又はその症状の1以上の症候の治療、予防又は緩解に使用されることを表示するラベルを含む、製造品として包装されることができる。
【0222】
本明細書で提供される製造品は、包装材料を含む。医薬製品を包装するために使用するための包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号、及び第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の例には、限定されるものではないが、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、瓶、及び選択された製剤並びに意図する投与様式及び治療に好適な任意の包装材料が含まれる。本明細書に提供される化合物及び組成物の多様な製剤が想定される。
【0223】
(6.6.キット)
更に提供されるのは、本明細書で提供される化合物を治療方法中で使用するためのキットである。キットは、カスパーゼ阻害剤又はその組成物、及び、1以上のカスパーゼにより変調される症状を治療又は予防するための使用に関する情報を医療提供者へ提供する説明書を含むことができる。説明書は、印刷された形態、CD若しくはDVD等の電子媒体の形態、又はそのような説明書を得ることのできるウェブサイトアドレスの形態で提供可能である。カスパーゼ阻害剤若しくはその組成物の単位投与量は、対象に投与された場合に、治療的に又は予防的に効果的な化合物又は組成物の血漿レベルが、対象において、少なくとも1日間維持可能であるような投薬量を含み得る。幾つかの実施態様では、化合物又は組成物は、無菌の、水性医薬組成物又は乾燥粉末(例えば、凍結乾燥された)組成物として含まれ得る。
【0224】
(6.7.化合物の調製物の概略)
本明細書で提供される化合物は、下記スキームに概略する一般的なプロセスにより調製できる。スキーム1~4では、Ar及びAr'はそれぞれアリールであり、かつR1、R2、R3、Y1、Y2及びY3は本明細書の別所に記載される通り選択される。
【0225】
スキーム1:
【化21】
【0226】
スキーム2
【化22】
【0227】
スキーム3
【化23】
【0228】
スキーム4
【化24】
(式中、Mは低級アルキレン、ORm又はNRnRoであり、Rmは任意で置換されたアリール又は任意で置換されたヘテロアリールであり、Rn及びRoはそれぞれ独立して、水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアリール又は任意で置換されたヘテロアリールであるか、又はRn及びRoは、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、複素環又はヘテロアリール環を形成し、それらそれぞれは任意で置換されている)。
【0229】
下記実施例はある例示的な実施態様を示すものであり、実例のためであって、限定のためを意図するものではない。
【実施例
【0230】
(7.実施例)
下記実施例は、実例のためであって、限定のために提示されていない。当業者は、例示された実施例に示された手順を改変して、所望の生成物に到達可能である。
(実施例1)
【化25】
【0231】
エチル2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセテート(3):トリエチルアミン(27.2 mL、193.8 mmol、1当量)を、2,6-ジフルオロアニリン(25.0 g、193.8 mmol、1当量)のTHF(1 L)の溶液へ、0~5℃で加えた。エチルオキサリルクロライド(21.6 mL、193.8 mmol、1当量)を、温度を5℃未満に維持しながら60分かけて滴加した。反応物を室温まで温め、24時間攪拌した。反応物をセライト(Celite)に通して濾過し、セライトをメチルt-ブチルエーテル(500 mL)で洗浄し、一緒にした有機層を1N HCl(2×200 mL)及び水(400 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮し、所望の生成物をベージュ色の油として得た(44.8 g、定量的収率)。
【0232】
2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸(4): 1N水酸化リチウム(233mL、233 mmol、1.2当量)を、化合物3(44.8 g、193.8 mmol、1当量)のTHF(233 mL)溶液へ加えた。室温で4時間攪拌後、反応物を0℃まで冷却し、濃HClでpH 2となるまで酸性化した。水性混合物を塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチル(6×200 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮し、所望の生成物を白色固体として得た(18.3 g、47%収率)。
【0233】
エチル(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)-L-アラニナート(7): EDC・HCl(25.9 g、135 mmol、1.4当量)を、化合物4(19.4 g、96.5 mmol、1.0当量)、HOAt(18.4 g、135 mmol、1.4当量)のアセトニトリル(1.0 L)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。L-アラニンエチルエステル塩酸塩(14.8 g、96.5 mmol、1.0当量)及びN-メチルモルホリン(19.5 g、193 mmol、2.0当量)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮し、湿った固体を酢酸エチル(300 mL)及び水(100 mL)で希釈した。二層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(200 mL)に溶解させ、セライト(30 g)上に吸着させた。Interchim自動化システム(330 gカラム)にかけて、0~5%グラジエントの酢酸エチルでジクロロメタン溶出させることにより精製すると、化合物7が白色固体として得られた(18.2 g、62.8%収率)。
【0234】
(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)-L-アラニン(8): 1N水酸化リチウム(1.0 N、71.5 mL、71.5 mmol、1.2当量)を、化合物7 (17.9 g、59.6 mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(240 mL)溶液へ、室温で加えた。48時間攪拌後、LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を氷冷浴内で冷却し、濃HClでpH 2となるように調整した。飽和塩水(300 mL)を加え、二層を分離した。水層を酢酸エチル(50 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。湿った固体を25%酢酸エチルのトルエン溶液(400 mL)と40℃で30分間混合し、減圧下で濃縮し、真空下、40℃で一晩乾燥させ、化合物8を白色固体として得た(14.1 g、86.9%収率)。
【0235】
【化26】
tert-ブチル2-(7-クロロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)アセテート(化合物14B): 7-クロロイソキノリン-1-オール(18 g、100.2 mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(65.3 g、200 mmol、2.0当量)及びt-ブチルブロモアセテート(29.3 g、22 mL、150 mmol、1.5当量)の混合物を、ジメチルホルムアミド(500 mL)中、24時間、80℃で攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(1000 mL)で希釈し、水(3×300 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた油状物質をジクロロメタン(500 mL)に溶解させ、シリカゲル(100 g)上に吸着させた。材料を4等分した。各部分を、Interchim HPLCシステム(シリカゲルカラム、330 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、所望の生成物を白色固体として得た(25.8 g、88%収率)。
【0236】
2-(7-クロロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)酢酸(化合物15):化合物14B(14.3 g、49.1 mmol)及びトリフルオロ酢酸(27.9 g、18.8 mL、245 mmol、5.0当量)の混合物を、ジクロロメタン(300 mL)中、48時間、室温で攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。得られた固体をメチルt-ブチルエーテル(500 mL)でトリチュレートし、吸引濾過し、メチルt-ブチルエーテル(3×200 mL)で洗浄した。その固体を真空下、室温で一晩で乾燥させ、所望の生成物を白色固体として得た(8.1 g、69%収率)。
【0237】
【化27】
tert-ブチル(S)-(5-(ベンジルオキシ)-1-ブロモ-2-オキソペンタン-3-イル)カルバメート(19-3):クロロぎ酸イソブチル(6.59 mL、50.8 mmol、1.5当量)をBoc--O-ベンジル-L-ホモセリン(19-1)(10.5 g、33.9 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(5.96 mL、54.2 mmol、1.6当量)のTHF(113 mL)の溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を無色油として得て(13.9 g)、次で使用した。
【0238】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、21.8 g、101.6 mmol、1当量)のジエチルエーテル(113 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(17.1 g、304.8 mmol、3当量)と、エタノール(34 mL)及び水(27 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(10 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0239】
上記で調製したての混合した無水物(13.9 g、33.9 mmol、1当量)のジエチルエーテル(75 mL)溶液を、すり合わせ(clear-seal)ジョイント付きフラスコ内に配置し、氷浴中で0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ101.6 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(26.8 mL、237 mmol、7当量)及び酢酸(26.8 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(100 mL)で希釈し、水(3×100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物19-3を無色油として得た(9.0 g、73%収率)。
【0240】
tert-ブチル(S)-(5-(ベンジルオキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)カルバメート(19-4):フッ化カリウム(5.46 g、94.0 mmol、4当量)を、化合物19-3(9.0 g、23.5 mmol、1当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(4.29 g、28.8 mmol、1.1当量)のDMF(120 mL)溶液へ加えた。室温で16時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(100 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(100 mL)及び飽和塩水(100 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、10~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物19-4を無色油として得た(5.40 g、49%収率)。
【0241】
(S)-3-アミノ-5-(ベンジルオキシ)-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(19-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(3.5 mL、13.8 mmol、1.2当量)を、化合物19-4(5.40 g、11.5 mmol、1当量)のアセトニトリル(60 mL)溶液へ、5℃で滴加した。その混合物を次に、室温まで温め、一晩攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(2.30 mL、9.2 mmol、0.8当量)を加え、混合物を、6時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物19-5を明るい黄色の固体として得た(4.0 g、86%収率)。
【0242】
N1-((S)-1-(((S)-5-(ベンジルオキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)オキサルアミド(19-6、実施例1): EDC・HCl(0.907 g、4.73 mmol、1.1当量)を、化合物8 (1.17 g、4.30 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.702 g、5.16 mmol、1.2当量)のアセトニトリル(20 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物19-5 (1.75 g、4.30 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.20 mL、8.6 mmol、2.0当量)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチル(40 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(30 mL)及び飽和塩水(30 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、Interchim自動化システム(40 gカラム)にかけて、10~70%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物19-6(実施例1)を明るい黄色の固体として得た(1.90 g、71%収率)(質量分析m/z=626.1(M+H))。
【0243】
(実施例2)
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-5-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド(19-7、実施例2):化合物(1.30 g、2.08 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(130 mg、50%湿潤))と、テトラヒドロフラン(18 mL)及びメタノール(18 mL)との混合物を、45 psi(310.3kPa)で3時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(20 g)に通して濾過し、追加的なメタノール(25 mL)で洗浄した。粗生成物を、Interchim自動化システムに二回かけて精製した。2個の40 gカラムを精製に使用した。第1回精製を、シリカゲルカラム40 gにかけて、0~10%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出して行った。次にその材料を更に、第2のシリカゲルカラム40 gにかけて、30~90%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製した。生成物をジエチルエーテル(3 mL)に溶解させ、ヘプタン(5 mL)の添加により沈殿させた。固体をフィルタ上で乾燥させ、所望の生成物を得た。生成物を、Interchim自動化システム(Teledyne ISCOカラムGold C18 50Gカラム)にかけて、0~50%グラジエントのアセトニトリルで水溶出させて精製し、化合物19-7(実施例2)を白色固体として得た(325 mg、29%収率)(質量分析m/z=536(M+H))。
【0244】
(実施例3)
【化28】
N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(4-クロロベンジル)-L-ホモセリン(42-2a): 鉱油中60%分散形態の水素化ナトリウム(6.02 g、150.5 mmol、2.2当量)を、化合物42-1 (15.0 g、68.4 mmol、1当量)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(100.0 mL)溶液へ、0℃で加えた。0℃で1.5時間攪拌後、4-クロロベンジルブロミド(15.465 g、75.3 mmol、1.1当量)を加え、反応物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を氷冷水(200 mL)で希釈し、ジエチルエーテル(2×800 mL)で抽出した。水層を3M HCl(30 mL)でpH 3.4となるまで酸性化し、酢酸エチル(1 L)で抽出した。有機層を、飽和塩水溶液(1 L)及び水(3×1 L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(150 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(30 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、330 g)にかけて、0~10%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、化合物42-2aを粘稠な薄黄色油として得た(3.9 g、16%収率)。
【0245】
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(4-クロロベンジル)-L-ホモセリナート(42-3a):炭酸カリウム(1.369 g、9.9 mmol、2.0当量)を化合物42-2a(1.7 g、4.9 mmol、1.0当量)のDMF(10 mL)溶液へ加えた。室温で10分間攪拌後、ヨウ化メチル(0.617 mL、9.9 mmol、2.0当量)を加え、反応物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(500 mL)で希釈し、飽和塩水溶液(3×500 mL)及び水(500 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(4 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-3aを無色油として得た(1.4 g、78%収率)。
【0246】
tert-ブチル(S)-(1-クロロ-5-((4-クロロベンジル)オキシ)-2-オキソペンタン-3-イル)カルバメート(42-4a):ヘキサン中の1.6 M、n-BuLi (12.224 mL、19.5 mmol、5.0当量)を、THF(20 mL)中のジイソプロピルアミン(3.0 mL、21.5 mmol、5.5当量)へ-78℃で加えた。反応物を0℃まで5分間温め、-78℃まで冷却し、-78゜のTHF(20 mL)中の化合物42-3a(1.4 g、3.9 mmol、1.0当量)へ、温度を-72℃未満に維持しつつ、45分かけてゆっくりと加えた。-78℃で45分間攪拌後、酢酸(9 mL)を-78℃で滴加した。反応物を飽和塩水溶液(800 mL)で希釈し、酢酸エチル(500 mL)で抽出した。有機層を、飽和炭酸水素塩水(3×500 mL)及び水(250 mL)で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(6 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-4aを明るい黄色油として得た(1.0 g、67%収率)。
【0247】
2,3,5,6-テトラフルオロフェノールのカリウム塩: 2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(2.0 g、12.0 mmol、1.0当量)を、水酸化カリウム(0.68 g、12.0 mmol、1.0当量)のメタノール溶液へ加えた。室温で18時間攪拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を真空下で室温で16時間乾燥させ、2,3,5,6-テトラフルオロフェノールのカリウム塩を白色固体として得た(2.4 g、97%収率)。
【0248】
tert-ブチル(S)-(5-((4-クロロベンジル)オキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ) ペンタン-3-イル)カルバメート(42-5a): ヨウ化ナトリウム(0.6 g、4.0 mmol、1.5当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノールのカリウム塩(0.813 g、4.0 mmol、1.5当量)を化合物42-4a(1.0 g、2.6 mmol、1.0当量)のアセトン(12 mL)溶液へ加えた。室温で20時間攪拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(500 mL)で希釈し、飽和塩水(250 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(4 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-5aを明るい黄色油として得た(0.89 g、66%収率)。
【0249】
(S)-3-アミノ-5-((4-クロロベンジル)オキシ)-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(42-6a):4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.869 mL、3.5 mmol、2.0当量)を、化合物42-5a(0.885 g、1.7 mmol、1当量)のアセトニトリル(15 mL)溶液へ、5℃で滴加した。混合物を室温まで温め、24時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をヘプタン(3×10 mL)でトリチュレートし、デカントし、真空下で乾燥させて、化合物42-6aをオフホワイト色の固体として得た(0.633 g、81%収率)。
【0250】
N1-((S)-1-(((S)-5-((4-クロロベンジル)オキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)オキサルアミド(42-A、実施例3):
【0251】
EDC・HCl(0.286 g、1.5 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.369 g、1.4 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.221 g、1.6 mmol、1.2当量)の、アセトニトリル(10 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物42-6a(0.6 g、1.4 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.378 mL、2.7 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で20時間で攪拌した。混合物を酢酸エチル(250 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(250 mL)及び飽和塩水(250 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(4 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、42-A(実施例3)を白色固体として得た(0.59 g、65%収率)、(質量分析m/z=660.1(M+H))。
【0252】
N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(チオフェン-3-イルメチル)-L-ホモセリン(42-2d): 鉱油中60%分散形態の水素化ナトリウム(4.29 g、107.3 mmol、2.2当量)を、化合物42-1 (10.69 g、48.78 mmol、1当量)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(80.0 mL)溶液へ、0℃で加えた。0℃で1.5時間攪拌後、3-ブロモメチルチオフェン(9.5 g、53.6 mmol、1.1当量)を加え、反応物を室温で24時間攪拌した。反応混合物を氷冷水(150 mL)で希釈し、酢酸エチル(2×1 L)で抽出した。水層を3M HCl(16 mL)でpH 3.0となるまで酸性化し、酢酸エチル(1 L)で抽出した。有機層を、飽和塩水溶液(1 L)及び水(3×1 L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(150 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(30 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、330 g)にかけて、0~100%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-2dを粘稠な薄黄色油として得た(2.34 g、15%収率)。
【0253】
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(チオフェン-3-イルメチル)-L-ホモセリナート(42-3d):炭酸カリウム(2.05 g、14.8 mmol、2.0当量)を化合物42-2d (2.34 g、7.4 mmol、1.0当量)のDMF(12 mL)溶液へ加えた。室温で10分間攪拌後、ヨウ化メチル(0.923 mL、14.8 mmol、2.0当量)を加え、反応物を室温で24時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(250 mL)で希釈し、飽和塩水溶液(3×250 mL)及び水(250 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(5 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-3dを明るい黄色油として得た(1.9 g、77%収率)。
【0254】
tert-ブチル(S)-(1-クロロ-2-オキソ-5-(チオフェン-3-イルメトキシ)ペンタン-3-イル)カルバメート(42-4d):ヘキサン中の1.6 M n-BuLi (9.5 mL、15.2 mmol、5.0当量)を、THF(15 mL)中のジイソプロピルアミン(2.34 mL、16.7 mmol、5.5当量)へ-78℃で加えた。反応物を0℃まで5分間温め、-78℃まで冷却し、-78℃のTHF(15 mL)中の化合物42-3d (1.0 g、3.0 mmol、1.0当量)へ、30分かけてゆっくりと加えた。-78℃で25分間攪拌後、酢酸(6 mL)を-78℃で滴加した。反応物を飽和塩水溶液(500 mL)で希釈し、酢酸エチル(500 mL)で抽出した。有機層を、飽和炭酸水素塩溶液(3×500 mL)及び水(250 mL)で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(4 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~80%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-4dを明るい黄色油として得た(0.938 g、82%収率)。
【0255】
tert-ブチル(S)-(2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-5-(チオフェン-3-イルメトキシ)ペンタン-3-イル)カルバメート(42-5d): ヨウ化ナトリウム(0.56 g、3.7 mmol、1.5当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノールのカリウム塩(0.763 g、3.7 mmol、1.5当量)を、化合物42-4d (0.938 g、2.5 mmol、1.0当量)のアセトン(10 mL)溶液へ加えた。室温で18時間攪拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(500 mL)で希釈し、飽和塩水(250 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(50 g)で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(4 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物42-5dを明るい黄色油として得た(0.754 g、63%収率)。
【0256】
(S)-3-アミノ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-5-(チオフェン-3-イルメトキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(42-6d): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.78 mL、3.1 mmol、2.0当量)を、化合物42-5d (0.75 g、1.6 mmol、1当量)のアセトニトリル(10 mL)溶液へ、5℃で滴加した。その混合物を次に室温まで温め、24時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。固体をヘプタン(3×10 mL)でトリチュレートし、デカントし、真空下で乾燥させて、化合物42-6dをオフホワイト色の固体として得た(0.514 g、79%収率)。
【0257】
(実施例4)
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-オキソ-1-(((S)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-5-(チオフェン-3-イルメトキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)プロパン-2-イル)オキサルアミド(42-D、実施例4): EDC・HCl(0.146 g、0.8 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.189 g、0.7mmol、1.0当量)及びHOAt(0.113 g、1.0 mmol、1.2当量)のアセトニトリル(8 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物42-6d (0.288 g、0.7 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.193 mL、1.4 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で20時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(250 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(250 mL)及び飽和塩水(250 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料をセライト(3 g)上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、25 g)にかけて、0~90%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、42-D(実施例4)を白色固体として得た(0.2 g、45%収率)(質量分析m/z=632.1(M+H))。
【0258】
(実施例5)
【化29】
tert-ブチル(S)-(1-ブロモ-5-メトキシ-2-オキソペンタン-3-イル)カルバメート(57-3):クロロぎ酸イソブチル(0.84 mL、6.43 mmol、1.5当量)を、N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-メチル-L-ホモセリン(57-1)(1.0 g、4.29 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(0.75 mL、6.86 mmol、1.6当量)のTHF(18 mL)溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を無色油として得て、次で使用した。
【0259】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、2.76 g、12.87 mmol、1当量)のジエチルエーテル(10 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(2.54 g、38.6 mmol、3当量)と、エタノール(6 mL)及び水(5 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(3 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0260】
上記で調製したての混合した無水物(1.37 g、4.29 mmol、1当量)のジエチルエーテル(25 mL)溶液を、すり合わせジョイント付きフラスコ内に配置し、氷浴中で0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ12.87 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(4.0 mL、30.0 mmol、7当量)及び酢酸(4.0 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(10 mL)で希釈し、水(3×15 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物57-3を無色油として得た(0.67 g、50%収率)。
【0261】
tert-ブチル(S)-(5-メトキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)カルバメート(57-4):フッ化カリウム(502 mg、8.64 mmol、4当量)を、化合物57-3 (0.67 g、2.16 mmol、1当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(395 mg、2.38 mmol、1.1当量)のDMF(10 mL)溶液へ加えた。室温で16時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(15 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(20 mL)及び飽和塩水(20 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物57-4を無色油として得た(0.53 g、62%収率)。
【0262】
(S)-3-アミノ-5-メトキシ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(57-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.34 mL、1.34 mmol、1.0当量)を、化合物57-4 (0.53 g、1.34 mmol、1当量)のアセトニトリル(10 mL)溶液へ、5℃で滴加した。混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.34 mL、1.34 mmol、1.0当量)を加え、混合物を、6時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物57-5を明るい黄色液体として得た(0.48 g、100%収率)。
【0263】
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-5-メトキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド(化合物57-A、実施例5): EDC・HCl(0.305 g、1.59 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.393 g、1.446 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.237 g、1.74 mmol、1.2当量)のアセトニトリル(10 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物57-5 (0.48 g、1.446 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.40 mL、2.89 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチル(20 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(20 mL)及び飽和塩水(20 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(120 gカラム)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、57-A(実施例5)を白色固体として得た(0.51 g、64%収率)(質量分析m/z=550.1(M+H))。
【0264】
(実施例6)
【化30】
ベンジル(S)-6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサノアート(58-3):クロロぎ酸イソブチル(5.84 mL、45.0 mmol、1.5当量)を、(S)-5-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(58-1)(10.12 g、30.0 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(5.28 mL、48 mmol、1.6当量)のTHF(100 mL)溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を無色油として得て、次で使用した。
【0265】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、19.28 g、90.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(66 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(15.12 g、270 mmol、3当量)と、エタノール(30 mL)及び水(26 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(10 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0266】
上記で調製したての混合した無水物(12.70 g、30.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(110 mL)溶液を、すり合わせジョイント付きフラスコ内に配置し、氷浴中で0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ90.0 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(24 mL、210.0 mmol、7当量)及び酢酸(24.0 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(80 mL)で希釈し、水(3×100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-3を無色油として得た(8.6 g、69%収率)。
【0267】
ベンジル(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(58-4):フッ化カリウム(4.83 g、83.08 mmol、4当量)を、化合物58-3 (8.6 g、20.77 mmol、1当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(3.79 g、22.85 mmol、1.1当量)のDMF(100 mL)溶液へ加えた。室温で16時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(150 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(200 mL)及び飽和塩水(200 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-4を無色油として得た(6.13 g、59%収率)。
【0268】
(S)-3-アミノ-5-メトキシ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(58-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(3.1 mL、12.3 mmol、1.0当量)を、化合物58-4 (6.13 g、12.28 mmol、1当量)のアセトニトリル(80 mL)溶液へ、5℃で滴加した。混合物を室温まで温めて、一晩攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(3.1 mL、12.3 mmol、1.0当量)を加え、混合物を、6時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物58-5を明るい黄色の固体として得た(6.2 g、100%収率)。
【0269】
ベンジル(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(58-6): EDC・HCl(0.483 g、2.52 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.623 g、2.29 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.374 g、2.75 mmol、1.2当量)のアセトニトリル(15 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物58-5 (1.0 g、2.29 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.638 mL、4.58 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチル(30 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(30 mL)及び飽和塩水(30 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(80 gカラム)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-6を白色固体として得た(0.72 g、48%収率)。
【0270】
(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(化合物58-A、実施例6):化合物58-6 (0.72 g、1.10 mmol、1当量)及び10%パラジウム(炭素上に担持(0.072 g、50%湿潤))の、THF(11 mL)及び酢酸エチル(3.5 mL)混合溶媒懸濁液を、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。反応混合物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(120 gカラム)にかけて、0~10%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、化合物58-A(実施例6)を白色固体として得た(0.56 g、90%収率)(質量分析m/z=564.2(M+H))。
【0271】
(実施例7)
【化31】
メチルO-ベンジル-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-ホモセリナート(56-1):炭酸カリウム(5.53 g、40.0 mmol、2.0当量)を、化合物25-1 (6.18 g、20.0 mmol、1.0当量)のDMF(25 mL)溶液へ加えた。室温で15分間攪拌後、ヨウ化メチル(2.49 mL、40.0 mmol、2.0当量)を加え、反応物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(100 mL)で希釈し、水(3×50 mL)及び飽和塩水溶液(50 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~35%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物56-1を無色油として得た(5.6 g、87%収率)。
【0272】
tert-ブチル(S)-(5-(ベンジルオキシ)-1-クロロ-2-オキソペンタン-3-イル)カルバメート(56-2):テトラヒドロフラン(10 mL)中のクロロヨードメタン(1.16 mL、16.0 mmol、4.0当量)を、化合物56-1 (1.29 g、4.0 mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液へ、ゆっくりと-78℃で加えた。調製したてのリチウムジイソプロピルアミド溶液を、温度を-70℃未満に維持しながら、ゆっくりと30分かけて加えた。-78℃で45分間攪拌後、テトラヒドロフラン(10 mL)中の酢酸(1.7 mL)を、温度を-65℃に維持しながら、ゆっくりと加えた。-78℃で10分間攪拌後、反応物を飽和塩水(60 mL)で希釈し、酢酸エチル(60 mL)で抽出した。有機層を、飽和炭酸水素塩水(3×50 mL)及び水(50 mL)で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~20%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物56-2を明るい黄色油として得た(0.92 g、67%収率)。
【0273】
リチウムジイソプロピルアミド溶液調製物:ヘキサン中の1.6 M n-BuLi (12.25 mL、20.0 mmol、5.0当量)を、THF(20 mL)中のジイソプロピルアミン(3.08 mL、22.0 mmol、5.5当量)へ、-78℃で加えた。反応物を0℃まで30分間温め、-40℃まで冷却した。
【0274】
tert-ブチル(S)-(5-(ベンジルオキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)カルバメート(25-4): ヨウ化ナトリウム(605 mg、4.03 mmol、1.5当量)及びカリウム2,3,5,6-テトラフルオロフェノラート(823 mg、4.03 mmol、1.5当量)を、化合物56-2 (0.92 g、2.69 mmol、1.0当量)のアセトン(15 mL)溶液へ加えた。室温で20時間攪拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(50 mL)で希釈し、飽和塩水(50 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~40%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物25-4を明るい黄色油として得た(1.10 g、87%収率)。
【0275】
(S)-3-アミノ-5-(ベンジルオキシ)-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-2-オン塩酸塩(25-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.80 mL、3.20 mmol、1.2当量)を、化合物25-4 (1.25 g、2.65 mmol、1.0当量)のアセトニトリル(15 mL)溶液へ、5℃で滴加した。その混合物を次に、室温まで温め、一晩攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(0.53 mL、2.12 mmol、0.8当量)を加え、混合物を、6時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物25-5を明るい黄色の固体として得た(1.15 g、98%収率)。
【0276】
N1-((S)-1-(((S)-5-(ベンジルオキシ)-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)オキサルアミド(19-6): EDC・HCl(0.559 g、2.92 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.721 g、2.65 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.433 g、3.18 mmol、1.2当量)のアセトニトリル(15 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物25-5 (1.08 g、2.65 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.74 mL、5.3 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチル(40 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(30 mL)及び飽和塩水(30 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、Interchim自動化システム(120 gカラム)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物19-6を明るい黄色の固体として得た(1.02 g、62%収率)。
【0277】
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-5-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンタン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド(19-7):テトラヒドロフラン(10 mL)及びメタノール(10 mL)中の、19-6 (1.02 g、1.63 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(102 mg、50%湿潤))の混合物を、45 psi(310.3kPa)で3時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、追加的なメタノール(25 mL)で洗浄した。粗生成物を、Interchim自動化システム(120 gカラム)にかけて、0~80%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物19-7を白色固体として得た(350 mg、40%収率)。
【0278】
(S)-3-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-4-オキソ-5-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンチルフェニルカルボナート(56-A、実施例7):フェニルクロロホルメート(0.13 mL、1.05 mmol、1.0当量)を、化合物19-7 (565 mg、1.05 mmol、1.0当量)、ピリジン(0.84 mL、10.5 mmol、10.0当量)及び4-ジメチルアミノピリジン(81 mg、0.66 mmol、0.63当量)の、12 mLジクロロメタン溶液へ、0℃で加えた。反応混合物を、室温で2時間攪拌した。追加的なフェニルクロロホルメート(0.20 mL、1.58 mmol、1.5当量)を、反応物へ加えた。反応混合物を室温で2時間(その時にLCMS分析は反応が完了したことを示した)攪拌した。反応混合物を水(2×10 mL)で洗浄した。一緒にした水層をジクロロメタン(2×10 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩化アンモニウム水(2×10 mL)及び飽和塩水(10 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでジクロロメタン溶出させて精製した。生成物をジエチルエーテル(10 mL)でトリチュレートし、化合物56-A(実施例7)を黄色の固体として得た(160 mg、17%収率)(質量分析m/z=656.2(M+H))。
【0279】
(実施例8)
(S)-3-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-4-オキソ-5-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ペンチル安息香酸エステル(56-B、実施例8):塩化ベンゾイル(0.34 mL、2.97 mmol、2.5当量)を、化合物19-7 (635 mg、1.19 mmol、1.0当量)、ピリジン(0.95 mL、11.9 mmol、10.0当量)及び4-ジメチルアミノピリジン(91 mg、0.75 mmol、0.63当量)の、12 mLのジクロロメタン溶液へ0℃で加えた。室温で2時間攪拌後、反応混合物を水(2×10 mL)で洗浄した。一緒にした水層をジクロロメタン(2×10 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩化アンモニウム水(2×10 mL)及び飽和塩水(10 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでジクロロメタン溶出させて精製した。生成物を、ジエチルエーテル(10 mL)でトリチュレートし、化合物56-B(実施例8)を黄色の固体として得た(280 mg、37%収率)(質量分析m/z=640.2(M+H))。
【0280】
(実施例9)
【化32】
エチル2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセテート(3):トリエチルアミン(27.2 mL、193.8 mmol、1当量)を、2,6-ジフルオロアニリン(25.0 g、193.8 mmol、1当量)のTHF(1 L)の溶液へ、0~5℃で加えた。エチルオキサリルクロライド(21.6 mL、193.8 mmol、1当量)を、温度を5℃未満に維持しながら60分かけて滴加した。反応物を室温まで温め、24時間攪拌した。反応物をセライトに通して濾過し、セライトをメチルt-ブチルエーテル(500 mL)で洗浄し、一緒にした有機層を1N HCl(2×200 mL)及び水(400 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮し、所望の生成物をベージュ色の油として得た(44.8 g、定量的収率)。
【0281】
2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸(4): 1N水酸化リチウム(233mL、233 mmol、1.2当量)を、化合物3 (44.8 g、193.8 mmol、1当量)のTHF(233 mL)溶液へ加えた。室温で4時間攪拌後、反応物を0℃まで冷却し、濃HClでpH 2となるまで酸性化した。水性混合物を塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチル(6×200 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮し、所望の生成物を白色固体として得た(18.3 g、47%収率)。
【0282】
ベンジル(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)グリシナート(60-1): N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(3.99 g、20.83 mmol、1.4当量)を、化合物4(2.99 g、14.88 mmol、1.0当量)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(2.85 g、20.83 mmol、1.4当量)のアセトニトリル(200 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。ベンジルグリシナート塩酸塩(3.0 g、14.88 mmol、1.0当量)及びN-メチルモルホリン(3.01 g、29.76 mmol、2.0当量)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮し、湿った固体を酢酸エチル(60 mL)及び水(20 mL)で希釈した。二層を分離し、水層を酢酸エチル(2×15 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水(100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~5%グラジエントの酢酸エチルでジクロロメタン溶出させて精製した。生成物を更に、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物60-1を白色固体として得た(1.90 g、37%収率)。
【0283】
(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)グリシン(60-2):テトラヒドロフラン(11.5 mL)及び酢酸エチル(3.5 mL)中の、化合物60-1 (1.86 g、5.34 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(186 mg、50%湿潤))の混合物を、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、化合物60-1を白色固体として得た(1.31 mg、95%収率)。
【0284】
ベンジル(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))アセトアミド))-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(60-3): N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.388 g、2.02 mmol、1.1当量)を、化合物60-2 (0.474 g、1.84 mmol、1.0当量)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(0.301 g、2.21 mmol、1.2当量)の、アセトニトリル(15 mL)懸濁液へ加えた。混合物を、室温で全ての固体が溶解するまで攪拌した。化合物58-5 (0.80 g、1.84 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.51 mL、3.68 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチル(40 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(30 mL)及び飽和塩水(30 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(120 gカラム)にかけて、0~70%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物60-3を白色固体として得た(0.42 g、36%収率)。
【0285】
(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))アセトアミド))-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(60-A、実施例9):テトラヒドロフラン(15 mL)及び酢酸エチル(5 mL)中の、化合物60-3 (0.42 g、0.657 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(42 mg、50%湿潤))の混合物を、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、追加的なメタノール(25 mL)で洗浄した。粗生成物を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(80 gカラム)にかけて、0~10%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製した。生成物を、ジエチルエーテル(10 mL)でトリチュレートし、化合物60-A(実施例9)を白色固体として得た(210 mg、58%収率)(質量分析m/z=550.1(M+H))。
【0286】
(実施例10)
【化33】
ベンジル(S)-6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサノアート(58-3):クロロぎ酸イソブチル(5.84 mL、45.0 mmol、1.5当量)を、(S)-5-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(58-1)(10.12 g、30.0 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(5.28 mL、48 mmol、1.6当量)のTHF(100 mL)の溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を無色油として得て(12.7 g)、次で使用した。
【0287】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、19.28 g、90.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(66 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(15.12 g、270 mmol、3当量)と、エタノール(30 mL)及び水(26 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(10 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0288】
上記で調製したての混合した無水物(12.7 g、30.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(110 mL)溶液を、すり合わせジョイント付きフラスコ内に配置し、氷浴中で0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ90.0 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(24 mL、210.0 mmol、7当量)及び酢酸(24.0 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(120 mL)で希釈し、水(3×120 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~30%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-3を白色固体として得た(7.26 g、59%収率)。
【0289】
ベンジル(S)-6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサノアート(59-1):フッ化カリウム(3.93 g、67.6 mmol、4当量)を、化合物58-3 (7.0 g、16.9 mmol、1当量)及び3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノール(2.8 mL、18.6 mmol、1.1当量)のDMF(70 mL)溶液へ加えた。室温で18時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(120 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(180 mL)及び飽和塩水(180 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepRfシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物59-1を白色固体として得た(6.0 g、63%収率)。
【0290】
ベンジル(S)-4-アミノ-6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5-オキソヘキサノアート塩酸塩(59-2): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(2.9 mL、11.7 mmol、1.2当量)を、化合物59-1 (5.5 g、9.76 mmol、1当量)のアセトニトリル(100 mL)溶液へ、0~5℃で滴加した。混合物を室温まで温めて、6.5時間攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(2.0 mL、7.8 mmol、0.8当量)を加え、混合物を、16時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物59-2を白色固体として得て(4.6 g、95%収率)、次で使用した。
【0291】
ベンジル(S)-6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソヘキサノアート(59-3): (1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(0.84 g、2.2 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.55 g、2.0 mmol、1当量)のジメチルホルムアミド(10 mL)溶液へ、室温で加えた。室温で10分間攪拌後、化合物59-2 (1.0 g、2.0 mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.1 mL、6.0 mmol、3当量)を逐次的に加えた。室温で18時間攪拌後、反応混合物を酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機層を水(2×30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepRfシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、45℃で18時間乾燥させ、化合物59-3をやや黄色の固体として得た(0.72 g、50%収率)。
【0292】
(S)-6-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソヘキサン酸(59-A、実施例10):化合物59-3 (0.53 g、0.74 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(53 mg、50%湿潤))のテトラヒドロフラン(20 mL)懸濁液を、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、それをテトラヒドロフラン(3×50 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物をジクロロメタン(12 mL)に溶解させ、シリカゲル(15 g)上に吸着させた。この材料をドライロードし、Interchim自動化システム(SorbTechシリカゲルカラム、40 g)にかけて、0~8%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、室温で18時間乾燥させ、化合物59-A(実施例10)をオフホワイト色の固体として得た(0.25 g、54%収率)(質量分析m/z=628.1(M+H))。
【0293】
(実施例11)
【化34】
ベンジル(S)-4-((S)-2-(2-((2-(tert-ブチル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(65-1): 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(0.21 g、1.51 mmol、1.2当量)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.29 g、1.51 mmol、1.2当量)を、(2-((2-(tert-ブチル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)-L-アラニン、化合物A(0.37 g、1.26 mmol、1.0当量)の、アセトニトリル(6 mL)及びDMF(3 mL)溶液へ、室温で逐次的に加えた。室温で1時間攪拌後、化合物58-5 (0.55 g、1.26 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.35 mL、2.52 mmol、2当量)を逐次的に加えた。室温で2日間攪拌後、反応物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10 mL)及び水(10 mL)の間で分配した。有機層を水(10 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTech、24 gカラム)にかけて、0~30%グラジエントの酢酸エチルでヘキサン溶出させて精製し、所望の生成物を白色固体として得た(0.49 g、58%収率)。
【0294】
(S)-4-((S)-2-(2-((2-(tert-ブチル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(化合物65-A、実施例11):化合物65-1 (0.49 g、0.73 mmol、1当量)及び10%パラジウム(炭素上に担持(0.1 g、50%湿潤))の、THF(20 mL)及び酢酸エチル(5 mL)懸濁液を、20 psi(137.9kPa)で2時間かけて水素化した。反応混合物を、シリンジフィルタを通して濾過して、減圧下で濃縮した。残渣は、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSep Goldシリカゲルカラム、12 g)に二回かけて、毎回0~5%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、化合物65-A(実施例11)を白色固体として得た(140 mg、33%収率)(質量分析m/z=584.2(M+H))。
【0295】
(実施例12)
【化35】
2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸(4)は、スキーム1において調製した。
【0296】
エチル2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))-2-メチルプロパノアート(61-1):化合物4(1.5 g、7.46 mmol、1.0当量)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(1.421 g、10.44 mmol、1.4当量)を、アセトニトリル(77.3 mL)に溶解させた。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.002 g、10.44 mmol、1.4当量)を加え、混合物を室温で攪拌した。10分後に全てが溶解した。N-メチルモルホリン(1.97 mL、17.9 mmol、2.4当量)を加え、次にエチル2-アミノ-2-メチルプロパノアート塩酸塩(1.25 g、7.46 mmol、1.0当量)を加えた。室温で窒素雰囲気下、20時間攪拌後、反応物を70℃まで追加的に5時間温め、次に室温まで冷却した。酢酸エチル(100 mL)及び水(80 mL)を加え、二層を分離した。水層を酢酸エチル(3×75 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水(75 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、セライト上に吸着させ、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでジクロロメタン溶出させて精製し、化合物61-1を白色固体として得た(0.749 g、32%収率)。
【0297】
2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))-2-メチルプロパン酸(61-2):水酸化リチウム(68.4 mg、2.86 mmol、1.2当量)を含む水(2.8 mL)を、化合物61-1 (0.748 g、2.37 mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(9.3 mL)溶液へ加えた。混合物を室温で3日間攪拌した。追加的な水酸化リチウム(34.2 mg、1.43 mmol)を含む水(0.7 mL)を、反応混合物へ加えた。又1日後(After another day)、追加的な水酸化リチウム(34.2 mg、1.43 mmol)を含む水(0.4 mL)をテトラヒドロフラン1 mLと共に、反応混合物へ加えた。更に3時間後、反応物を0℃まで冷却し、濃HCl(20滴)でpH 2となるように調整した。混合物を酢酸エチル(3×10 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、トルエン及び酢酸エチルの3対1混合物で希釈し、40℃で30分間攪拌し、減圧下で濃縮した。残渣を真空下、40℃で4時間乾燥させ、化合物61-2を白色固体として得た(0.629 g、92%収率)。
【0298】
ベンジル(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))-2-メチルプロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(61-3):化合物61-2 (0.200 g、0.698 mmol、1.0当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.132 g、0.838 mmol、1.2当量)を、アセトニトリル(3.9 mL)に溶解した。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.161 g、0.838 mmol、1.2当量)を加え、混合物を室温で、窒素雰囲気下1時間攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン(0.243 mL、1.4 mmol、2.0当量)を加え、次にアセトニトリル(0.4 mL)中の化合物58-5 (0.304 g、0.698 mmol、1.0当量)を加えた。反応物を室温で22時間攪拌した。酢酸エチル(10 mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水(5 mL)を加え、二層を分離した。水層を酢酸エチル(2×5 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、12 g)にかけて、5~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物61-3を明るい黄色油として得た(0.117 g、25%収率)。
【0299】
この手順では、化合物61-2の0.362 gスケールを繰り返し、化合物61-3を明るい黄色油として得た(0.160 g、19%収率)。
【0300】
(S)-4-(2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))-2-メチルプロパンアミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(61-A、実施例12):化合物61-3 (0.117 g、0.175 mmol、1.0当量)及び10%Pd/C (11.2 mg、50%湿潤)と、テトラヒドロフラン(20 mL)との混合物を、22 psi(151.7kPa)で2時間かけて水素化した。反応混合物をセライトに通して濾過し、テトラヒドロフラン(25 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、Buchi自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、12 g)にかけて、0~10%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、63 mgのピンク色の固体を得た。この固体をジクロロメタン(2 mL)でトリチュレートし、白色固体を得て真空下40℃で一晩乾燥させ、化合物61-Aを白色粉末として得た(43 mg、42%収率)(RC-3-011)。
【0301】
この手順では、化合物61-3の0.180 gスケールを繰り返し、化合物61-A (65.0 mg、42%収率)を得た。この2回のバッチ生成物を一緒にして、61-A、(実施例12)を白色粉末として得た(108 mg)(質量分析m/z=578(M+H))。
【0302】
(実施例13)
【化36】
(S)-2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)-6-オキソヘキサン酸(63-1B): ベンジルアルコール(125 mL、1.21モル、10当量)を、L-2-アミノアジピン酸(63-1A)(19.5 g、0.12モル、1当量)の12M HCl(10 mL、0.12モル、1当量)懸濁液へ滴加した。混合物を100℃で1時間加熱し、次に室温まで冷却した。ジエチルエーテル(700 mL)をこの溶液へ加えた。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテル(3×100 mL)で洗浄し、真空下、室温で18時間乾燥させ、化合物63-1Bを白色固体として得た(22.5 g、65%収率)。
【0303】
(S)-6-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-6-オキソヘキサン酸(63-1):水酸化ナトリウム(2.5 g、62.5 mmol、1.2当量)を、化合物63-1B (15 g、52.1 mmol、1当量)の、アセトニトリル(200 mL)及び水(200 mL)の混合溶媒の溶液へ加えた。混合物を室温で15分間攪拌した。二炭酸ジ-tert-ブチル(14.4 mL、62.5 mmol、1.2当量)を反応混合物へ加え、18時間攪拌した。LCMS分析は、反応が完了していなかったことを示した。追加的に水酸化ナトリウム(1.04 g、26.1 mmol、0.5当量)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(6.0 mL、26.1 mmol、0.5当量)を加え、混合物を、6時間(その時にLCMS分析が反応が完了したことを示した)攪拌した。アセトニトリルを減圧下で除去した。飽和炭酸水素ナトリウム水(200 mL)を水溶液へ加え、その水溶液をジエチルエーテル(3×250 mL)で抽出して、未反応の二炭酸ジ-tert-ブチルを除去した。水溶液を0℃まで冷却し、5M塩酸(おおよそ220 mL)でpH 1となるように調整した。混合物を酢酸エチル(3×500 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水(3×500 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油状物質を真空下、室温で18時間乾燥させ、化合物63-1を黄色液体として得た(15.7 g、86%収率)。
【0304】
ベンジル(S)-7-ブロモ-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-6-オキソヘプタノアート(63-3):クロロぎ酸イソブチル(5.84 mL、45.0 mmol、1.5当量)を、化合物63-1 (10.54 g、30.0 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(5.28 mL、48 mmol、1.6当量)のTHF(100 mL)溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を黄色油として得て(12.3 g)、次で使用した。
【0305】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、19.28 g、90.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(66 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(15.12 g、270 mmol、3当量)と、エタノール(30 mL)及び水(26 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(10 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0306】
上記で調製したての混合した無水物(12.7 g、30.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(110 mL)溶液を、すり合わせジョイント付きフラスコ内に配置し、0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ90.0 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(24 mL、210.0 mmol、7当量)及び酢酸(24.0 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(120 mL)で希釈し、水(3×120 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物63-3を白色固体として得た(4.73 g、37%収率)。
【0307】
ベンジル(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-6-オキソ-7-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘプタノアート(63-4):フッ化カリウム(2.6 g、44 mmol、4当量)を、化合物63-3 (4.7 g、11 mmol、1当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(2.0 g、12.1 mmol、1.1当量)の、DMF(50 mL)溶液へ加えた。室温で18時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(150 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(180 mL)及び飽和塩水(180 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepRfシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物63-4を無色液体として得た(4.31 g、77%収率)。
【0308】
ベンジル(S)-5-アミノ-6-オキソ-7-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘプタノアート塩酸塩(63-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(2.5 mL、10.1 mmol、1.2当量)を、化合物63-4 (4.31 g、8.39 mmol、1当量)のアセトニトリル(100 mL)溶液へ、0~5℃で滴加した。混合物を室温まで温めて、6.5時間攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(1.7 mL、6.7 mmol、0.8当量)を加え、混合物を、18時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物63-5をやや黄色の液体として得て(3.67 g、97%収率)、次で使用した。
【0309】
ベンジル(S)-5-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-6-オキソ-7-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘプタノアート(63-6): アザベンゾ-トリアゾールテトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.93 g、2.44 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.61 g、2.22 mmol、1当量)のジメチルホルムアミド(10 mL)溶液へ、室温で加えた。室温で10分間攪拌後、化合物63-5 (1.0 g、2.22 mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.2 mL、6.66 mmol、3当量)を逐次的に加えた。室温で18時間攪拌後、反応混合物を酢酸エチル(60 mL)で希釈した。有機層を水(2×50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepRfシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、室温で18時間乾燥させて、化合物63-6をやや黄色の固体として得た(0.90 g、61%収率)。
【0310】
(S)-5-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-6-オキソ-7-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘプタン酸(63-A、実施例13):化合物63-6 (0.63 g、0.94 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(活性炭上に担持(63 mg、50%湿潤))のテトラヒドロフラン(30 mL)懸濁液を、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、それを酢酸エチル(3×70 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン(20 mL)に溶解させ、シリカゲル(10 g)上に吸着させた。この材料をドライロードし、Interchim自動化システム(SorbTechシリカゲルカラム、40 g)にかけて、0~8%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、室温で18時間乾燥させ、化合物63-A(実施例13)をオフホワイト色の固体として得た(0.45 g、82%収率)(質量分析m/z=578.1(M+H))。
【0311】
(実施例14)
【化37】
2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸(4)は、スキーム1において調製した。
【0312】
メチル1-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))シクロペンタン-1-カルボキシラート(5):化合物4(1.00 g、4.97 mmol、1.0当量)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(0.81 g、5.97 mmol、1.2当量)を、無水ジクロロメタン(50.0 mL)に溶解させた。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.93 g、5.97 mmol、1.2当量)及びトリエチルアミン(2.01 g、19.89 mmol、4.0当量)を、逐次的に加え、混合物を10分間攪拌した。メチル1-アミノシクロペンタン-1-カルボン酸塩酸塩(0.89 g、4.97 mmol、1.0当量)を加えた。室温で4日間攪拌後、反応混合物を水(50 mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(50 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、セライト上に吸着させ、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物5を白色固体として得た(0.356 g、21%収率)。
【0313】
1-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))シクロペンタン-1-カルボン酸(6):水(2.2 mL)中の水酸化リチウム(52.8 mg、2.206 mmol、2.4当量)を、化合物5 (0.300 g、0.919 mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(10.0 mL)溶液へ加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。反応物を10℃まで冷却し、水(20mL)で希釈し、1N HCl水溶液でpH 2となるように調整した。得られた固体を濾過し、水で洗浄した。固体を真空下、40℃で18時間乾燥させ、化合物6を白色固体として得た(0.160 g、56%収率)。
【0314】
ベンジル(S)-4-(1-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))シクロペンタン-1-カルボキサミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(62-1): [ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(261 mg、1.1当量)及び化合物58-5 (272 mg、0.624 mmol、1.0当量)を、化合物6 (0.195 g、0.624 mmol、1.0当量)の無水ジメチルホルムアミド(3.0 mL)溶液へ逐次的に加えた。20時間攪拌後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水(50 mL)中へ投入し、酢酸エチル(2×80 mL)で抽出した。一緒にした有機層を飽和塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、2×12 g、直列)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物62-1を白色固体として得た(0.178 g、41%収率)。
【0315】
(S)-4-(1-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))シクロペンタン-1-カルボキサミド)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(62-A、実施例14):化合物61-3 (0.178 g、0.257 mmol、1.0当量)及び10%Pd/C (50 mg、50%湿潤)と、テトラヒドロフラン(15 mL)との混合物を、22 psi(151.7kPa)で2時間かけて水素化した。反応混合物をセライトに通して濾過し、それをテトラヒドロフラン(25 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(Sorbtechシリカゲルカラム、12 g)にかけて、0~5%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、油性固体を得た。残渣をアセトニトリル及び水に溶解し、-78℃で凍結し、凍結乾燥して乾固させ、化合物62-A(実施例14)を白色固体として得た(85 mg、55%収率)(質量分析m/z=604.2(M+H))。
【0316】
(実施例15)
【化38】
ベンジル(S)-6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサノアート(58-3):クロロぎ酸イソブチル(5.84 mL、45.0 mmol、1.5当量)を、(S)-5-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(58-1)(10.12 g、30.0 mmol、1当量)及びN-メチルモルホリン(5.28 mL、48 mmol、1.6当量)の、THF(100 mL)溶液へ、-10℃で滴加した。-10℃で20分間攪拌後、反応物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、混合した無水物を無色油として得て(12.7 g)、次で使用した。
【0317】
ジアゾメタン調製物: N-メチル-N'-ニトロソ-p-トルエンスルホンアミド(Diazald(登録商標)、19.28 g、90.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(66 mL)溶液を、添加漏斗を通して、水酸化カリウム(15.12 g、270 mmol、3当量)と、エタノール(30 mL)及び水(26 mL)との混合物へ、油浴中65℃で加えた。ジアゾメタンのエーテル性溶液を採取するための受けフラスコを氷浴で冷却し、受けフラスコへの滴下蒸留を可能とする速度で、Diazald(登録商標)溶液を加えた。全てのDiazald(登録商標)溶液を加え終わった時に、追加的なジエチルエーテル(10 mL)を、添加漏斗を通して、蒸留物が透明になるまで(残存ジアゾメタン無し)加えた。室温まで冷却後、蒸留フラスコ内の混合物をゆっくりと酢酸で、黄色が消失するまでクエンチした。
【0318】
上記で調製したての混合した無水物(12.7 g、29.0 mmol、1当量)のジエチルエーテル(110 mL)溶液を、すり合わせジョイント付きフラスコ内に配置し、氷浴中で0℃まで冷却した。調製したてのジアゾメタンエーテル性溶液(おおよそ90.0 mmol、3当量)を、添加漏斗を通して滴下で、冷却状態を保ちながら加えた。得られた混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温めて、30分間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した。一方、48%HBr水溶液(24 mL、210.0 mmol、7当量)及び酢酸(24.0 mL)の混合物を、0℃まで冷却し、上記の反応混合物へゆっくりと0℃で加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、室温まで温め、30分間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(120 mL)で希釈し、水(3×120 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、220 g)にかけて、0~30%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-3を白色固体として得た(7.12 g、57%収率)。
【0319】
ベンジル(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソ-6-((2-(トリフルオロメチル) ピリミジン-4-イル)オキシ)ヘキサノアート(66-1):フッ化カリウム(1.121 g、19.29 mmol、4当量)を、化合物58-3 (2.0 g、4.83 mmol、1当量)及び2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-オール(0.871 g、5.31 mmol、1.1当量)の、DMF(20 mL)溶液へ加えた。室温で20時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(250 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(300 mL)及び飽和塩水(300 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ(100 g)、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、80 g、サンプルはジクロロメタン(10 mL)でウェットロードした)にかけて、0~30%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物66-1を無色粘稠油として得た(1.805 g、75%収率)。
【0320】
ベンジル(S)-4-アミノ-5-オキソ-6-((2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ヘキサノアート塩酸塩(66-2): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(1.8 mL、7.18 mmol、2.0当量)を、化合物66-1 (1.78 g、3.6 mmol、1当量)のアセトニトリル(70 mL)溶液へ、5℃で滴加した。混合物を室温まで温め、20時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。メタノール(100 mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を真空下、室温で1時間乾燥させた。固体をジエチルエーテル(2×100 mL)で希釈し、デカントした。残渣を真空下、室温で2時間乾燥させ、化合物66-2をオフホワイト色の固体として得た(1.331 g、85%収率)。
【0321】
ベンジル(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-((2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ヘキサノアート(66-3): EDC・HCl(0.583 g、3.0 mmol、1.1当量)を、化合物8 (0.752 g、2.8 mmol、1.0当量)及びHOAt(0.452 g、3.32 mmol、1.2当量)の、アセトニトリル(25 mL)懸濁液へ加えた。混合物を室温で10分間攪拌後、化合物66-2 (1.2 g、2.8 mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.771 mL、5.53 mmol、2.0当量)を逐次的に加え、混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(250 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(250 mL)及び飽和塩水(250 mL)で洗浄した。炭酸水素ナトリウム層を、追加的な酢酸エチル(300 mL)で抽出した。この酢酸エチル層を、最初の飽和塩水溶液で洗浄した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム(100 g)で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepシリカゲルカラム、40 g、サンプルはセライト(4 g)を使用してドライロードした)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、所望の生成物(66-3)をオフホワイト色の固体として得た(1.069 g、59%収率)。
【0322】
(S)-4-((S)-2-(2-((2,6-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-オキソアセトアミド))プロパンアミド)-5-オキソ-6-((2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ヘキサン酸(66-A、実施例15):化合物66-3 (1.069 g、1.64 mmol、1当量)及び10%パラジウム(炭素上に担持(110 mg、50%湿潤))のテトラヒドロフラン(30 mL)懸濁液を、25 psi(172.4kPa)で2.5時間かけて室温で水素化した。LC-MSによる分析では、出発材料から生成物への20%転換を示すことが観察された。反応混合物を、窒素ガスで5分間パージし、追加的な10%パラジウム(炭素上に担持(110 mg、50%湿潤))を加え、更に5分間窒素ガスでパージし、25 psi(172.4kPa)で追加的に3時間かけて室温で水素化した。懸濁液をセライト(50 g)に通して濾過した。セライト床を、酢酸エチル(250 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(RediSepシリカゲルカラム、40 g、サンプルはセライト(4 g)を使用してドライロードした)にかけて、0~10%メタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、所望の化合物66-Aを得た(2つのフラクションとして410 mg、>95.9%HPLC測定純度、及び一つのフラクション;235 mg、94.8%HPLC測定純度)。微量の不純物が1H-NMRで検出されたので、この化合物66-A (410 mg)を、ジクロロメタン(2 mL)でトリチュレートし、濾過して、ジクロロメタン(2 mL)で洗浄した。生成物を真空下、40℃で16時間乾燥させ、化合物66-A(実施例15)を白色固体として得た(0.336 g、36%収率、98.9%HPLC測定純度)(質量分析m/z=562.1(M+H))。
【0323】
(実施例16)
【化39】
ベンジル(S)-6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサノアート(58-3):化合物58-3の調製手順は、スキーム14に示した。
【0324】
ベンジル(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(58-4):フッ化カリウム(2.46 g、44.4 mmol、4当量)を、調製したての化合物58-3 (4.48 g、10.6 mmol、1当量)及び2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(1.94 g、11.7 mmol、1.1当量)の、無水DMF(44 mL)溶液へ加えた。室温で18時間攪拌後、反応物を酢酸エチル(120 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水(120 mL)及び飽和塩水(120 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を、InterChim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、120 g)にかけて、0~25%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、化合物58-4を透明液体として得た(3.98 g、77%収率)。
【0325】
ベンジル(S)-4-アミノ-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート塩酸塩(58-5): 4M HClを含む1,4-ジオキサン(2.2 mL、8.7 mmol、1.2当量)を、化合物58-4 (3.6 g、7.2 mmol、1当量)のアセトニトリル(80 mL)溶液へ、0~5℃で滴加した。混合物を室温まで温めて、6.5時間攪拌した。LCMSは反応が完了していなかったことを示した。追加的に4M HClを含む1,4-ジオキサン(1.5 mL、5.8 mmol、0.8当量)を加え、混合物を、18時間(その時にLCMSが反応が完了したことを示した)攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、化合物58-5をオレンジ色の液体として得て(2.87 g、91%収率)、次で使用した。
【0326】
ベンジル(S)-4-(2-(7-クロロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)アセトアミド))-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサノアート(67-1): アザベンゾ-トリアゾールテトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.96 g、2.52 mmol、1.1当量)を、化合物15 (0.54 g、2.3 mmol、1当量)のジメチルホルムアミド(10 mL)溶液へ、室温で加えた。室温で10分間攪拌後、化合物58-5 (1.0 g、2.29 mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.2 mL、6.87 mmol、3当量)を逐次的に加えた。室温で18時間攪拌後、反応混合物を酢酸エチル(80 mL)で希釈した。有機層を水(2×40 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。この粗原料を、Interchim自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、80 g)にかけて、0~50%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、室温で3時間乾燥させ、化合物67-1をオフホワイト色の固体として得た(0.79 g、56%収率)。
【0327】
(S)-4-(2-(7-クロロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)アセトアミド))-5-オキソ-6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン酸(67-A、実施例16): 1M水酸化リチウム(0.64 mL、0.64 mmol、0.95当量)を、化合物67-1 (0.42 g、0.67 mmol、1当量)の、1,4-ジオキサン(12 mL)及び水(3 mL)の混合溶媒溶液へ0℃で加えて、10分間攪拌した。反応混合物を、減圧下、室温で濃縮した。残渣を水(5 mL)で希釈し、ジエチルエーテル(15 mL)で抽出し、全ての有機不純物を除去した。水層を1N HCl(おおよそ1.0 mL)でpH 3となるように調整し、酢酸エチル(3×50 mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(7 mL)及びメタノール(1 mL)の混合物に溶解させ、シリカゲル(10 g)上に吸着させ、Interchim自動化システム(RediSepRfシリカゲルカラム、40 g)にかけて、0~8%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製した。溶出フラクションを減圧下で濃縮後、得られた固体を真空下、室温で4時間乾燥させ、化合物67-A(実施例16)を白色固体として得た(0.30 g、86%収率、97.3%HPLC測定純度)(質量分析m/z=529.1(M+H))。
【0328】
(実施例17~42)
【化40】
化合物68-Aから68-ZZを、上記のスキームで概説した方法により調製した。
【表1】
【0329】
(実施例43)
【化41】
N1-((S)-1-(((S)-6-((ベンジルオキシ)アミノ)-2,6-ジオキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-N2-(2,6ジフルオロフェニル)オキサルアミド: 80-1
ジイソプロピルエチルアミン(0.47 ml、0.34 g、2.66 mmol、3.0当量)を、化合物58-A (0.50 g、0.89 mmol、1.0当量)及びO-ベンジルヒドロキシルアミン(0.17 g、1.06 mmol、1.2当量)の、DMF(15 ml)溶液へ、0℃で滴加した。HATU(1.24 g、1.95 mmol、1.5当量)を少量ずつ加え、反応混合物を徐々に室温まで一晩温めた。LC-MS分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水(100 mL)へ投入し、酢酸エチル(2×70 mL)で抽出した。一緒にした有機層を10%塩化リチウム(100 mL)、飽和塩水(100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、Buchi自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、40 g)にかけて、30~60%グラジエントの酢酸エチルでヘプタン溶出させて精製し、80-1を白色固体として得た(0.44 g、74%収率)(質量分析m/z=669.2(M+H))。
【0330】
N1-(2,6-ジフルオロフェニル)-N2-((S)-1-(((S)-6-(ヒドロキシアミノ)-2,6-ジオキソ-1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)ヘキサン-3-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキサルアミド80-2: 80-1 (0.44 g、0.65 mmol、1.0当量)及び10%パラジウム(炭素上に担持(88 mg、50%湿潤))をTHF(20 ml)中に存在させて、25 psi(172.4kPa)で2時間かけて水素化した。反応が完了してから、反応混合物をセライト(15 g)に通して濾過し、THF(120 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、Buchi自動化クロマトグラフィーシステム(SorbTechシリカゲルカラム、40 g)にかけて、0~5%グラジエントのメタノールでジクロロメタン溶出させて精製し、80-2を黄色の固体として得た(0.32 g、85%収率、90%純度)。生成物を、更にBuchi自動化クロマトグラフィーシステム(RediSep Rf Gold、逆相C18カラム、30 g)にかけて、0~30%グラジエントのアセトニトリルで水溶出させて精製し、80.2をオフホワイト色の固体として得た(0.18 g、48%収率、95%純度)(質量分析m/z=579.2(M+H))。
【0331】
(実施例44)
カスパーゼ酵素活性の阻害及びIC50値測定のためのアッセイ
ヒトカスパーゼを、Enzo Biosciences社から購入し、製造者の使用説明書に従い使用した。例示的な、カスパーゼ-1用のカスパーゼアッセイを、下記に示す。
【0332】
(カスパーゼ-1アッセイ)
カスパーゼ-1を、50mM HEPES、pH 7.4、100mM NaCl、0.1%CHAPS、1mM EDTA、10%グリセロール及び10mM DTTからなるアッセイバッファで、10 U/μlまで希釈した。
【0333】
(反応条件)
45μlのアッセイバッファを、1/2容量マイクロタイタープレートへ添加した。プレートを、アッセイ温度となるように平衡化させた。5μlのカスパーゼ-1 (10 U/μl)を、各好適なウェルへ加えた。カスパーゼ-1無しでアッセイバッファのみを含む、二つ(2個)のブランクウェルも、プレート上に含めた。
【0334】
反応は、最終基質濃度200μMのための、50μlのAc-YVAD-pNA基質の添加により開始された。反応は、405 nmで継続的に監視した。データはOD405nm対時間としてグラフ化し、曲線の直線部分における勾配を決定した。「OD/分」で表された反応速度を、p-ニトロアニリンの吸光係数10,500/(M・cm)を使用して「基質/分」に変換し、サンプルの光路長に合わせて調整した。
【0335】
酵素アッセイを、カスパーゼ-3、6及び7活性について、製造者の使用説明書に従い実施した。本明細書に記載された方法に従って調製した、選択した化合物の、カスパーゼ酵素阻害IC50データを、下記に示す。
(表1)
【表2】
記号: A≦10nM; 10nM<B≦100nM; 100nM<C<1000nM; 1000nM≦D
【0336】
(実施例45)
(細胞ベースモデルにおける活性及び選択性測定のためのアッセイ)
本発明の化合物を、ヒト単球細胞株であるTHP-1細胞で試験して、炎症性サイトカインIL-1β阻害を評価した。THP-1細胞(ATCC TIB-202)を培養で増殖させ、96ウェルプレートにウェルあたり200,000細胞の濃度で、総量150μLで播種した。播種した細胞を、37℃で一晩、5%CO2雰囲気下でインキュベートした。培地を細胞から除去し、細胞をPBSで洗浄した。試験化合物をDMSOストック溶液で希釈し、初期スクリーニング及びIC50測定に適した段階希釈を行った。無血清培地中のLPS(1μg/μLで140 μL)を各ウェルに加えて、IL-1β産生を刺激した。IL-1βは、ELISAアッセイキット(R&D Systems社)によって、製造者の使用説明書に従い測定した。参照化合物として、パンカスパーゼ阻害剤IDN-7314を、細胞ベースのスクリーニング及びIC50アッセイに含めた。
【0337】
下記表2は、10マイクロモルでの、選択したTHP 1スクリーニングデータを提供する。
(表2)
【表3】
記号:A>90%; 90%≧B>50%; 50%≧C>25%
【0338】
THP 1細胞におけるIL-1β阻害に関するIC50値は、用量反応研究で決定した。THP 1細胞における用量反応研究の例を図1に示す。
【0339】
本発明の化合物を、ヒトTリンパ球細胞株であるJurkat細胞で評価し、アポトーシス性細胞死を阻害する化合物の能力を評価した。Jurkat細胞クローンE6-1(ATCC TIB-152)を、培養で増殖させ、細胞密度を50万~200万細胞/mLに維持した。細胞は、使用前にタイパンブルー染色により生存能力及び状態(countion)を試験した。試験化合物を96ウェルプレートに加え、Jurkat細胞をウェルあたり約100,000細胞濃度で加え、ピペット操作により完全に混合した。播種した細胞を、37℃で1時間、5%CO2雰囲気下でインキュベートした。抗Fas抗体を加え、ピペット操作により混合した。プレートを、37℃で20時間、5%CO2雰囲気下でインキュベートした。10マイクロリットルの解凍したWST-8溶液を各ウェルへ加え、4時間インキュベートした。SpectraMax ID5プレートリーダーを使用して、吸光度を450nMで測定し、630nMで対照の読み取り値を測定した。アポトーシス性細胞死は、カスパーゼ3、7及び6によって実行される。これらのカスパーゼに対する活性を持たない化合物は、Jurkat細胞の死を防止できないはずであり、アポトーシス性カスパーゼに関する炎症に対する選択性の機能性テストである。
【0340】
表3は、10マイクロモル濃度でスクリーニングした、選択された実施例のデータを示す。
【0341】
パンカスパーゼ阻害剤IDN-7314は、炎症性カスパーゼ及びアポトーシス性カスパーゼ両方の有力な阻害剤であり、このアポトーシスの細胞ベースアッセイに参照化合物として含めた。
(表3)
【表4】
記号:A>90%; 90%≧B>50%; 50%≧C>25%; 10%≧D
【0342】
Jurkat細胞の、Fas誘導されたアポトーシスに対して保護し、かつ生存率を改善するIC50値を、用量反応研究から決定した。Jurkat細胞におけるFas誘導されたアポトーシスに関する用量反応研究の実施例を図2に示す。
【0343】
(実施例46)
(炎症及びサイトカイン産生のインビボモデルにおける活性アッセイ)
本発明の化合物を、腹膜炎症(腹膜炎)のマウスインビボモデルで試験した。マウスへ、細菌性エンドトキシン(LPS)の腹腔内(intraperotonial)注射を行った。1時間後、試験化合物を腹腔内(IP)注射により投与した。更に1時間後、アデノシン三リン酸(ATP)をIP注射により投与し、炎症性サイトカインIL-1β及びIL 18の産生を更に誘導した。0.5時間後、腹腔内洗浄液を採取し、IL-1β及びIL 18について分析した。NLRP 3インフラマソーム阻害剤MCC950を、IP注射によって投与して参照試験化合物として含めた。実施例6の本発明の化合物は、IL-1β及びIL 18の両方のインビボ産生の、統計的に有意な阻害をもたらした。IL 18レベルは、市販ELISAキットによって、製造者の使用説明書に従い決定した(図3)。
【0344】
(実施例47)
(消化器疾患(潰瘍性大腸炎)インビボモデルにおける活性アッセイ)
本発明の化合物を、潰瘍性大腸炎(UC)の齧歯動物モデルにおいて、経口投与により試験した。潰瘍性大腸炎を、Sprague-Dawleyラットにおいて48 mg/kgのトリニトロベンゼンジスルホン酸(TNBS)を直腸から点滴注入することにより誘発させた。試験には、4つの活性治療群及び1つのビヒクル対照群を含めた。
【0345】
(ビヒクル処置対照群におけるTNBSで誘発されたUCの効果(群1))
【0346】
ラットへの、0.5%ビヒクルカルボキシメチルセルロース(CMC)の一日2回投与を、TNBS点滴注入の24時間後に開始した。その結果、対照群において0日目の体重と比較すると、7日目に17%の体重減少が生じた。
【0347】
7日目の研究終了時に、罹患ラットの平均結腸重量は5.904±2.208 g、平均結腸長は11.0±1.4 cm、平均遠位結腸幅は3.1±1.0 cmであった。複数の腸管ループを伴う重度の癒着、近位結腸膨張をもたらす重度の狭窄、長さ6.4±0.4 cmの潰瘍、及び3.5±0.8 mmの結腸壁厚を組み合わせると、罹患ラットにおける結腸に関する総スコアは11.5±0.8になった。遠位結腸断面画像(section)の組織学的評価により、粘膜、粘膜下層、及び頻度は低いが結腸壁及び漿膜の亜急性炎症;粘膜壊死/腺消失;びらん;粘膜下浮腫;及び上皮過形成が明らかになった。亜急性炎症(亜/粘膜性と、貫壁性/漿膜性とは、別々に等級付けした)は、好中球、好酸球、リンパ球、形質細胞、及びマクロファージの浸潤及び凝集によって特徴付けられる。粘膜壊死は、結腸腺の損傷、壊死、又は完全な消失を特徴とする。びらんは、粘膜筋板の表面の表面上皮の凝固壊死又は喪失によって特徴付けられる。粘膜下浮腫は、透明な空間又は薄い色の好酸球流体による粘膜下層の拡大であって、時にはリンパ管の拡張及び粘膜固有層の類似する浮腫性拡大を伴うものを特徴とする。上皮過形成は、結腸腺の伸長及び上皮の有糸分裂形態数の増加によって特徴付けられる。
【0348】
(陽性対照(プレドニゾロン)での治療的処置の効果(群2))
【0349】
一日1回、10 mg/kgのプレドニゾロンの経口投与を、48 mg/kg TNBSを直腸から点滴注入して24時間後に開始した結果、体重増加に反映されるように、4日目には動物の健康改善が得られた。測定した全ての結腸パラメータは有意に改善され、統計的に有意な、結腸の総スコアの67%減少、及び組織学的パラメータの平均40%防止となる結果を生じた。
【0350】
(実施例6の化合物での治療的処置の効果(群3~5))
【0351】
一日2回、実施例6の化合物の0.5%CMC懸濁液を経口投与すると、群3~5の全ての投与用量レベルで、動物体重への影響によって決定される、動物の健康への統計的に有意な効果があった。最小用量(群3、10 mg/kg/用量)は、体重の有意な改善が4日目から発生した。中用量群(群4、30 mg/kg/用量)及び高用量群(群5、100 mg/kg/用量)は、表4及び図4に示すように、統計的に有意な体重の改善が5日目から発生した。
【0352】
全ての用量群は、結腸の総スコアにおいて統計的に有意な改善を達成した。中用量(群4、30 mg/kg/用量)は、結腸の全体パラメータの最良の改善(結腸の総スコアの40%減少)をもたらした(表4及び図4)。
【0353】
全ての用量群は、結腸組織学的パラメータの合計スコアの統計的に有意な改善を達成した(表4及び図4を参照)。
(表4:平均体重減少に関する疾患及び治療の効果)
【表5】
群1に対する有意性(p値)を、スチューデントのt検定により計算した。
【0354】
(表5:平均結腸組織に対する疾患及び治療の効果)
【表6】
【0355】
前述の詳細な説明及び付随する実施例は、単なる例示であり、本主題の範囲に対する制限として解釈されるべきではないことが理解される。開示された実施態様に対する様々な変更及び修正は、当業者には明らかであろう。そのような変更及び修正は、限定されるものではないが、本明細書で提供される化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成法、製剤法及び/又は使用方法に関連するものを含み、それらはその精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書で引用される米国特許及び刊行物は、引用により組み込まれていう。
【0356】
上記実施態様は、単に例示的なものとして意図されており、当業者であれば、具体的な化合物、材料、及び手順の多数の均等物を認識するか、該等価物を、単なる通常の実験を用いて、確認できるであろう。そのような均等物は全て、特許請求される主題の範囲内であると考えられ、添付された特許請求の範囲に包含されている。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
式Iを有する化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化1)
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R a OR b 若しくは-R a N(R c )(R d )である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(R c )-であり;Yは水素、-C(O)R d 、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
R 3 、Y 1 、Y 2 並びにY 3 は下記の通りに選択され:
i) Y 1 はR 3 と共に、任意で置換された飽和又は不飽和二環式環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 1 基から選択され;
Y 2 は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y 3 は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 3 は水素若しくはアルキルであり;Y 1 及びY 2 は一緒に=Oとなり;かつY 3 は-N(Z 1 )(Z 2 )である;
X、Y、R 3 並びにY 1 は、XがOである場合は、Y 1 及びR 3 は環Bを形成できないように選択され;
それぞれのQ 1 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ 1 は任意で1~3個のQ 2 基で置換されており;それぞれのQ 2 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのR a は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR c は独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのR d は独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-R a OR b であり;
それぞれのR d は任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 1 基から選択される;
R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 1 で置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
Z 1 並びにZ 2 は下記の通りに選択され:
i) Z 1 は水素若しくはアルキルであり;かつZ 2 は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 3 で置換されている;又は
ii) Z 1 及びZ 2 は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Cを形成し、環C上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 3 基から選択される;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-R 11 OR 11 OR 12 、-R 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 SR 12 、-R 11 OR 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-R 11 OR 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-C(J)R 15 及びR 11 S(O) t R 16 から選択され;それぞれのQ 3 は任意で1~3個のQ 4 基で置換されており、それぞれのQ 4 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR 11 は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR 12 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R 13 並びにR 14 は下記の通りに選択され:
i) R 13 及びR 14 はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R 13 及びR 14 は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR 15 は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR 16 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;かつ
tは0~2である)。
(態様2)
X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-R a OR b である;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)R d であり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
R 3 、Y 1 、Y 2 並びにY 3 は下記の通りに選択され:
i) Y 1 はR 3 と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Bを形成し、環B上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 3 基から選択され;
Y 2 は、存在しないか、水素若しくはアルキルであり;かつ
Y 3 は、存在しないか、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 3 は水素若しくはアルキルであり;Y 1 及びY 2 は一緒に=Oとなり;かつY 3 は-N(Z 1 )(Z 2 )である;
X、Y、R 3 並びにY 1 は、XがOである場合は、Y 1 及びR 3 は環Bを形成できないように選択され;
R a は、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル又はアリールであり;
R d は、アリール又はアリールオキシであり;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
Z 2 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 3 で置換されており;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-C(O)R 15 及び-C(O)NH 2 から選択され;
R 11 は、アルキレン又は直接結合であり;
R 12 は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R 15 は、ヒドロキシル又はアルキルである、態様1の化合物。
(態様3)
式IIを有する態様1又は2に記載の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化2)

(態様4)
X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-R a OR b である;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)R d であり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
R a は、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル又はアリールであり;
R d は、アリール又はアリールオキシであり;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
Z 2 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 3 で置換されており;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-C(O)R 15 及び-C(O)NH 2 から選択され;
それぞれのR 11 は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R 12 は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
R 15 は、ヒドロキシル又はアルキルである、態様1~3のいずれか1項に記載の化合物。
(態様5)
R 9 は、フェニル又はピリミジニルであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されている、態様1~4のいずれか1項に記載の化合物。
(態様6)
式IIを有する態様1~3のいずれか1項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化3)
(式中、X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R a OR b 若しくは-R a N(R c )(R d )である;又は
ii) Xは-O-、若しくは-N(R c )-であり;Yは水素、-C(O)R d 、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール若しくはヘテロアリールである;
Yは任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
それぞれのQ 1 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ 1 は任意で1~3個のQ 2 基で置換されており;それぞれのQ 2 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのR a は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR c は独立して、水素又はアルキルであり;
それぞれのR d は独立して、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-R a OR b であり;
それぞれのR d は任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 1 基から選択される;
R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 10 はアルキレンであり;
それぞれのQ 5 は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
Z 2 は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 3 で置換されており;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-R 11 OR 11 OR 12 、-R 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 SR 12 、-R 11 OR 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-R 11 OR 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-C(J)R 15 及びR 11 S(O) t R 16 から選択され;それぞれのQ 3 は任意で1~3個のQ 4 基で置換されており、それぞれのQ 4 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR 11 は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR 12 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R 13 並びにR 14 は下記の通りに選択され:
i) R 13 及びR 14 はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R 13 及びR 14 は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR 15 は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR 16 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
mは、0~4である)。
(態様7)
式Vを有する態様6の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化4)

(態様8)
X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-R a OR b である;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)R d であり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
R a は、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル又はアリールであり;
R d は、アリール又はアリールオキシであり;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 10 はアルキレンであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-C(O)R 15 及び-C(O)NH 2 から選択され;
それぞれのR 11 は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R 12 は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R 15 は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
それぞれのQ 5 は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~2である、態様7の化合物。
(態様9)
X並びにYは下記の通りに選択され:
i) XはC=Oであり;かつ、Yは-R a OR b である;又は
ii) Xは-O-であり;Yは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル若しくは-C(O)R d であり;該アルキル及びアリール基は任意で、アルキル及びハロから選択される1若しくは2個の基で置換されている;
R a は、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル又はアリールであり;
R d は、アリール又はアリールオキシであり;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共にシクロアルキル環を形成する;
R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意でハロ、アルキル及びハロアルキルから選択された1~4個の置換基で置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-C(O)R 15 及び-C(O)NH 2 から選択され;
R 11 は、アルキレン又は直接結合であり;
R 12 は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R 15 は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
それぞれのQ 5 は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;
mは、0~4であり;かつ
nは、0~2である、態様1~4のいずれか1項に記載の化合物。
(態様10)
式VIIIを有する態様1~4のいずれか1項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化5)
(式中、それぞれのQ 6 は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;かつ
mは、0~4である)。
(態様11)
R b は水素であり;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、3~5員のシクロアルキル環を形成する;
R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
Z 1 は水素又はアルキルであり;
Z 2 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 3 で置換されており;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-C(O)R 15 及び-C(O)NH 2 から選択され;
R 10 は-CH 2 -又は-CH 2 -CH 2 -であり;
R 11 は、アルキレン又は直接結合であり;
R 12 は、水素、アルキル又はハロアルキルであり;
R 15 は、ヒドロキシル又はアルキルであり;
Q 6 は独立して、アルキル、ハロ又はハロアルキルであり;かつ
mは、0~4である、態様10の化合物。
(態様12)
R 10 は低級アルキレンである、態様1~11のいずれか1項の化合物。
(態様13)
R 10 は、メチレン又はエチレンである、態様12の化合物。
(態様14)
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素若しくはメチルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、シクロペンチル環を形成する、態様1~13のいずれか1項に記載の化合物。
(態様15)
Z 2 は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、ナフチル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びベンゾイソチアゾリルから選択され;それぞれは任意で1又は2個のQ 3 基で置換されており、かつそれぞれのQ 3 は独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、ヘテロアリール及びアミノカルボニルから選択される、態様1~6又は10のいずれか1項に記載の化合物。
(態様16)
式XIVを有する態様1~4のいずれか1項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化6)
(式中、XはC=Oであり;
Yはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R a OR b 又は-R a N(R c )(R d )であり;それぞれは任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
それぞれのQ 1 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;それぞれのQ 1 は任意で1~3個のQ 2 基で置換されており;それぞれのQ 2 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アリール又はハロアリールである;
それぞれのR a は独立して、アルキレン又は直接結合であり;
R b は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R c は水素又はアルキルであり;
R d は、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は-R a OR b であり;
それぞれのR d は任意で1~3個のQ 1 基で置換されており;
R 1 並びにR 2 は下記の通りに選択され:
i) R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、水素、アルキル若しくはシクロアルキルである;又は
ii) R 1 及びR 2 は、その上にそれらが置換されている炭素原子と共に、任意で置換された飽和若しくは不飽和環Aを形成し、環A上の置換基は、存在する場合、1~3個のQ 1 基から選択される;
R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個の置換基Q 1 で置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
それぞれのQ 3 は独立して、アルキル、ハロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-R 11 OR 12 、-R 11 OR 11 OR 12 、-R 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 SR 12 、-R 11 OR 11 N(R 13 )(R 14 )、-R 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-R 11 OR 11 C(J)N(R 13 )(R 14 )、-C(J)R 15 及びR 11 S(O) t R 16 から選択され;それぞれのQ 3 は任意で1~3個のQ 4 基で置換されており、それぞれのQ 4 は独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ又はシクロアルキルであり;
それぞれのR 11 は独立して、アルキレン、アルケニレン又は直接結合であり;
それぞれのR 12 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
R 13 並びにR 14 は下記の通りに選択され:
i) R 13 及びR 14 はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルである;又は
ii) R 13 及びR 14 は、その上にそれらが置換されている窒素原子と共に、任意で1又は2個の、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ若しくはシクロアルキルで置換されている、5又は6員の、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環を形成する;
それぞれのR 15 は独立して、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルであり;
それぞれのR 16 は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;
JはO又はSであり;
tは0~2であり;かつ
nは、0~3である)。
(態様17)
XはC=Oであり;かつ、Yは-R a OR b であり;
R a は、アルキレン又は直接結合であり;
R b は水素又はアルキルであり;
R 1 及びR 2 はそれぞれ水素であり;
R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立して、水素又はアルキルであり;
R 9 は、アリール又はヘテロアリールであり、それぞれは任意で1~4個のハロで置換されており;
R 10 はアルキレンであり;
それぞれのQ 3 はハロであり;かつ
nは、0~3である、態様16の化合物。
(態様18)
式XVIIを有する態様1又は16~17のいずれか1項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー若しくは該エナンチオマーの混合物、又は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体若しくは多形体:
(化7)
(式中、それぞれのQ 3 はハロであり;nは、0~2であり;それぞれのQ 7 はハロであり、かつxは0~4である)。
(態様19)
Q 3 はクロロであり;nは1であり;それぞれのQ 7 はフルオロであり、かつxは4である、態様17の化合物。
(態様20)
態様1~19のいずれか1項に記載の化合物、及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬組成物。
(態様21)
治療的有効量の、態様1~19のいずれか1項に記載の化合物又は態様20の医薬組成物を投与することを含む疾患の治療方法であって、該疾患は、消化器疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、皮膚疾患、リウマチ性疾患、腎疾患、自己免疫疾患、CNS疾患、炎症性疾患、肝疾患、癌及び眼科疾患から選択される、前記方法。
図1
図2
図3
図4
図5