IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ストライカー・コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図1
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図2
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図3A
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図3B
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図4
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図5
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図6
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図7
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図8
  • 特許-無線充電システム用異物検出 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】無線充電システム用異物検出
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20250306BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20250306BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20250306BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/90
H02J50/10
H02J7/00 301D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022507708
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020045432
(87)【国際公開番号】W WO2021026466
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】62/884,092
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ジャドソン,バートン,シー.
(72)【発明者】
【氏名】ガスリー,ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィソン,ティモシー・カレン
(72)【発明者】
【氏名】リーズナー,スティーブン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィデティッチ,ジョン,グレゴリー
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511109(JP,A)
【文献】特表2007-537688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/60
H02J 50/90
H02J 50/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物を検出するための無線充電システムであって、
前記無線充電システムの実電気消費量を決定するように構成された第1のコントローラを備える無線充電デバイスと、
無線充電式電池であって、
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
1つまたは複数の電池セルと、
電気負荷であって、前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されているとき、前記無線充電式電池が充電構成にあり、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されているとき、前記無線充電式電池が、異物検出構成にある、電気負荷と、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定し、前記無線充電式電池を、前記充電構成と前記異物検出構成との間で切り替えるように構成された第2のコントローラとを備える無線充電式電池と
を備え、
前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、または前記第1および第2のコントローラの組み合わせが、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの送信コイルから第1の距離に置かれることに応答して、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第2のコントローラによって測定された電圧に基づいて前記無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、
前記第1の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行い、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの前記送信コイルから前記第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、
前記無線充電式電池が前記第2の距離に置かれている場合に前記第2のコントローラによって測定された電圧に基づいて、前記無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、
前記第2の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第2の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、無線充電システム。
【請求項2】
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、前記電力供給信号の電気的特性を測定するように構成されていることによって、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定するように構成されている、請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項3】
前記無線充電式電池が、
前記受信コイルに接続され、前記受信コイルから第1の電圧を受信し、前記第1の電圧から第2の電圧を生成するように構成されている電圧整流器と、
前記電圧整流器に接続され、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信し、前記第2の電圧から第3の電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータとを備え、
前記1つまたは複数の電池セルは、前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信するように構成され、
前記無線充電式電池内で前記測定された誘導電圧が、前記第2の電圧である、請求項1または2に記載の無線充電システム。
【請求項4】
前記電気負荷が、前記充電構成において前記1つまたは複数の電池セルに供給される最大電力と実質的に等しい電力量を消散するようにサイズ設定された少なくとも1つの抵抗器を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項5】
前記第2のコントローラが、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に測定された電圧に基づいて、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記異物検出構成にあり、かつ前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合、第2の電気的特性として、前記電気負荷に供給される信号の電気的特性を決定することと
を行うように構成されており、
前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量が、前記第1および第2の電気的特性に基づいて決定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項6】
前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記第2のコントローラが、前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第2のコントローラによって測定された前記電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項7】
前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、
前記第2のコントローラが、前記較正データ内における、前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第2のコントローラによって測定された前記電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定することによって、前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第2のコントローラによって測定された前記電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、請求項6に記載の無線充電システム。
【請求項8】
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、
前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
前記電力供給信号の前記電気的特性を前記無線充電システムの前記実電気消費量として設定することと、
第3の電気的特性として、前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと
を行うように構成されており、
前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量が、前記第3の電気的特性に基づいてさらに決定される、請求項5から7のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項9】
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第2のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから、前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記第3の電気的特性、および前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと、
前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれることに応答して、前記第1の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項8に記載の無線充電システム。
【請求項10】
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第1のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記第1および第2の電気的特性を示す前記受信データおよび前記第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量を決定することと、
前記第1の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれることに応答して、前記第1の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項8に記載の無線充電システム。
【請求項11】
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に、前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に、第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に、前記電力供給信号の前記電気的特性、および前記第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定することと
を行うように構成されていることによって、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定するように構成されている、請求項5から7のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項12】
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第1のコントローラが
記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記受信データに基づいて、前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれることに応答して、前記第1の予測電気消費量および前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項11に記載の無線充電システム。
【請求項13】
前記無線充電デバイスが、前記無線充電デバイスの前記電気損失を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記第1のコントローラが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すように構成されていることによって、前記無線充電デバイスの前記予測電気損失を決定するように構成されている、請求項8から12のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項14】
前記第1のコントローラまたは前記第2のコントローラが、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記第1のコントローラによって決定された前記実電気消費量と、前記第1の予測電気消費量との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれていることに応答して、かつ前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電システムに近接していると決定することと
を行うように構成されている、請求項1から13のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項15】
前記第1のコントローラまたは前記第2のコントローラが、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
を行うように構成されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の無線充電システム。
【請求項16】
無線充電式電池と、前記無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、電力を前記無線充電式電池に送信する前記無線充電デバイスと、を含む無線充電システムに近接している異物を検出するための無線充電式電池であって、
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
1つまたは複数の電池セルと、
電気負荷であって、前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されているとき、前記無線充電式電池が充電構成にあり、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されているとき、前記無線充電式電池が、異物検出構成にある、電気負荷と、
コントローラであって、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスから第1の距離に置かれることに応答して、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記無線充電式電池を、前記充電構成と前記異物検出構成との間で切り替えることと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に前記コントローラによって測定された電圧に基づいて前記無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の距離に置かれている場合に、前記無線充電システムの前記第1の予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行い、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスから前記第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記無線充電式電池を、前記充電構成と前記異物検出構成との間で切り替えることと、
前記無線充電式電池が前記第2の距離に置かれている場合に前記コントローラによって測定された電圧に基づいて、前記無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第2の距離に置かれている場合に前記第2の予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されたコントローラと
を備える、無線充電式電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書により組み込まれている、2019年8月7日に出願した米国仮特許出願第62/884,092号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
導電性の異物が、無線充電システムの送信コイルに近接して置かれているとき、送信コイルは、異物内に電流を誘導し、それにより異物が温度を増大させる。異物の温度が増大すると、無線充電システム内および周辺に使用されている材料を損傷するとともに、ユーザを予期せずやけどさせる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一例では、無線充電デバイスに近接している異物を検出するためのシステムは、無線充電式電池を含む。無線充電式電池は、無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスから電力を受信する受信コイルと、1つまたは複数の電池セルと、電気負荷とを備える。システムはまた、1つまたは複数の電池セルを充電するために、受信コイルが1つまたは複数の電池セルに接続され、電気負荷から切り離されている第1の構成と、電気負荷に電力を供給するために、受信コイルが電気負荷に接続され、1つまたは複数の電池セルから切り離されている第2の構成との間で、無線充電式電池を切り替えるように構成されている少なくとも1つのコントローラを含む。少なくとも1つのコントローラはまた、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、測定電圧に基づいて、無線充電式電池の予測電気損失を、第1の電気的特性として決定することと、無線充電式電池が第2の構成にある場合、電気負荷の第2の電気的特性を決定することと、を行うように構成されている。少なくともコントローラは、第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定するようにさらに構成されている。
【0004】
別の例では、無線充電デバイスは、無線充電式電池が送信コイルに近接しているとき、無線充電式電池に電力を送信するための送信コイルと、送信コイルに接続され、送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源と、少なくとも1つのコントローラとを備える。少なくとも1つのコントローラは、電力供給信号の第1の電気的特性を決定することと、無線充電デバイスの予測電気損失を、第2の電気的特性として決定することと、第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを行うように構成されている。
【0005】
さらなる例では、無線充電デバイスと、無線充電式電池とを備える無線充電システムに近接している異物を検出するための方法が提供され、無線充電式電池は、受信コイルが無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスから電力を受信するための受信コイルと、1つまたは複数の電池セルと、電気負荷とを有する。方法は、電力を電気負荷に供給するために、受信コイルが電気負荷に接続され、1つまたは複数の電池セルから切り離される第1の構成に、無線充電式電池を切り替えることと、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、測定電圧に基づいて無線充電式電池の予測電気損失を、第1の電気的特性として決定することと、を含む。方法はまた、無線充電式電池が第1の構成にある場合、電気負荷の第2の電気的特性を決定することと、第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを含む。
【0006】
さらなる例では、接続無線充電デバイスに近接している異物を検出する方法が提供され、無線充電デバイスは、無線充電式電池が送信コイルに近接しているとき、無線充電式電池に電力を送信するための送信コイルと、送信コイルに接続され、送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを有する。方法は、電力供給信号の第1の電気的特性を決定することと、無線充電デバイスの予測電気損失を、第2の電気的特性として決定することと、第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを含む。
【0007】
さらなる例では、異物を検出するための無線充電システムは、無線充電デバイスと、無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスから電力を受信する無線充電式電池とを含む。無線充電デバイスは、無線充電システムの実電気消費量を決定するように構成された第1のコントローラを備える。無線充電式電池は、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定するように構成された第2のコントローラを備える。第1のコントローラ、第2のコントローラ、または第1および第2のコントローラの組み合わせは、測定電圧に基づいて無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとを行うように構成されている。
【0008】
さらなる例では、無線充電システムに近接している異物を検出するための無線充電式電池が提供されている。無線充電システムは、無線充電式電池と、無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電式電池に電力を送信する無線充電デバイスとを備える。無線充電式電池は、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、測定電圧に基づいて無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、無線充電システムの予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとを行うように構成されたコントローラを備える。
【0009】
さらなる例では、無線充電デバイスと、無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスから電力を受信する無線充電式電池とを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法が提供されている。方法は、無線充電デバイスによって、無線充電システムの実電気消費量を決定することと、無線充電式電池によって、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定することとを含む。方法は、無線充電デバイス、無線充電式電池、または無線充電デバイスおよび無線充電式電池の組み合わせによって、測定電圧に基づいて、無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、無線充電デバイス、無線充電式電池、または無線充電デバイスおよび無線充電式電池の組み合わせによって、予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとをさらに含む。
【0010】
さらなる例では、無線充電式電池と、無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電式電池に電力を送信する無線充電デバイスとを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法が提供されている。方法は、無線充電式電池によって、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、無線充電式電池によって、測定電圧に基づいて無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、無線充電式電池によって、無線充電システムの予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとを含む。
【0011】
別の例では、異物を検出するための無線充電システムは、無線充電式電池と、無線充電式電池が送信コイルに近接して置かれているとき、無線充電式電池を充電するための送信コイルを有する無線充電デバイスとを含む。無線充電システムは、無線充電式電池が無線充電デバイスの送信コイルから第1の距離に置かれることに応答して、第1の距離に対応する無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、第1の予測電気消費量に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを行うように構成された少なくとも1つのコントローラをさらに含む。少なくとも1つのコントローラは、無線充電式電池が無線充電デバイスの送信コイルから第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、第2の距離に対応する無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、第2の予測電気消費量に基づいて、異物が無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを行うようにさらに構成されている。
【0012】
別の例では、無線充電式電池と、無線充電式電池が送信コイルに近接して置かれているとき、無線充電式電池を充電するための送信コイルを有する無線充電デバイスとを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法が提供される。方法は、無線充電式電池が無線充電デバイスの送信コイルから第1の距離に置かれることに応答して、第1の距離に対応する無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、第1の予測電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとを含む。方法は、無線充電式電池が無線充電デバイスの送信コイルから第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、第2の距離に対応する無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、第2の予測電気消費量に基づいて、異物が無線充電システムに近接しているか否かを判定することとをさらに含む。
【0013】
別の例では、無線充電システムに近接している異物を検出するための無線充電式電池を較正するための方法が提供され、無線充電システムが、無線充電式電池と、送信コイルを有する無線充電デバイスとを含み、無線充電式電池が、受信コイルと、受信コイルに接続された電気負荷と、不揮発性記憶デバイスとを有する。方法は、受信コイルが送信コイルから第1の距離に位置するように、無線充電デバイスに近接して無線充電式電池を配置することと、受信コイルが送信コイルから第1の距離に位置するように無線充電式電池が無線充電デバイスに近接して配置されている間に、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の第1の誘導電圧を測定することと、電気負荷に供給される信号の第1の電気的特性、および無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の第1の電気的特性を測定することと、電気負荷の第1の電気的特性、無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の第1の電気的特性、および無線充電デバイスの予測電気損失に基づいて、無線充電式電池の第1の電気損失を決定することとを含む。方法は、受信コイルが送信コイルから第1の距離と異なる第2の距離に位置するように無線充電式電池を無線充電デバイスに近接して配置することと、受信コイルが送信コイルから第2の距離に位置するように無線充電デバイスに近接して無線充電式電池が配置されている間に、無線充電デバイスによる無線充電式電池内の第2の誘導電圧を測定することと、電気負荷に供給される信号の第2の電気的特性、および無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の第2の電気的特性を測定することと、電気負荷の第2の電気的特性、無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の第2の電気的特性、および無線充電デバイスの予測電気損失に基づいて、無線充電式電池の第2の電気損失を決定することとをさらに含む。方法はまた、無線充電式電池の第1の電気損失、無線充電式電池の第2の電気損失、第1の測定電圧、および第2の測定電圧に基づいて無線充電式電池用の較正データを生成することと、無線充電式電池の不揮発性記憶デバイス内に較正データを記憶することとを含む。
【0014】
さらなる例では、異物を検出するための無線充電システムは、無線充電デバイスと、無線充電式電池が1つまたは複数の電池セルを充電するために無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスからの受信電力から充電されるように構成された1つまたは複数の電池セルを有する無線充電式電池と、少なくとも1つのコントローラとを備える。少なくとも1つのコントローラは、無線充電式電池が無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルを開始することと、充電サイクル中に、無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の電気的特性を監視することと、監視される電気的特性に基づいて異物検出サイクルをトリガすることとを行うように構成されている。
【0015】
別の例では、1つまたは複数の電池セルを有する無線充電式電池と、無線充電式電池の1つまたは複数の電池セルを充電するための無線充電デバイスとを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法が提供される。方法は、無線充電デバイスに近接して無線充電式電池を配置することと、充電サイクルを開始することと、充電サイクル中に、無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の電気的特性を監視することと、監視される電気的特性に基づいて異物検出サイクルをトリガすることとを含む。
【0016】
本開示の利点は、添付図面に関連して考慮すると容易に理解され、以下の詳細な記述を参照することによってより良好に理解されるであろう。本開示の非限定的で非網羅的な実施形態が、以下の図を参照して説明されており、様々な図の全体を通じて、別段の指定がない限り、同様の数字は、同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】無線充電システムに近接している異物を検出するための無線充電システムを例示する図である。
図2】無線充電システムの構成要素を例示する図である。
図3A】無線充電システムの無線充電デバイスに対する無線充電式電池の位置の変化を例示する図である。
図3B】無線充電システムの無線充電デバイスに対する無線充電式電池の位置の変化を例示する図である。
図4】無線充電システムの無線充電式電池と無線充電デバイスとの間の距離の関数として、無線充電システムの電力消費量を例示する図である。
図5】無線充電システムに近接している異物を検出するための方法を説明する図である。
図6】無線充電システムの無線充電式電池の予測電力消費量を決定するための較正データを例示する図である。
図7】無線充電システムの無線充電式電池を充電するための電力特性を例示する図である。
図8】複数の無線充電式電池を充電するための充電デバイスを例示する図である。
図9】無線充電式電池を収容するための除菌可能な容器を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書全体にわたって、「一事例(one instance)」、「事例(an instance)」、「一例(one example)」、「例(an example)」への参照は、例または事例に関連して記述されている特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの事例に含まれている、ことを意味する。本明細書全体にわたる様々な箇所において、「一事例(one instance)では」、「事例(an instance)では」、「一例(one example)では」、「例(an example)では」という語句の体裁は、すべて同一の事例または例を参照するとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の事例または例において、任意の好適な組み合わせおよび/または部分的組み合わせで、組み合わされ得る。加えて、本明細書で提供されている図は、当業者への説明目的のためのものであり、図面は、必ずしも一定の比率に縮小して描かれていないことが、理解されよう。
【0019】
図1は、無線充電システム10に近接している異物12を検出するように構成された無線充電システム10を例示している。異物12、またはより詳細には、導電性の異物12が偶発的に、無線充電システム10に近接して置かれているとき、無線充電システム10は、異物12内に電流を誘導する可能性があり、これにより異物12の温度が上昇する。加熱された異物12は、隣接する樹脂材料を溶融させるなどして、無線充電システム10内、および周辺に使用されている材料を損傷したり、無線充電システム10および異物12に接触するユーザをやけどさせたりする可能性がある。したがって、無線充電システム10は、異物12が無線充電システム10に近接しているか否かを検出し、そのような異物12の検出に応答して、充電動作を無力化し、ユーザに警告するように構成される。
【0020】
無線充電システム10は、無線充電式電池14および無線充電デバイス16を含む。無線充電デバイス16は、充電面18を含む。無線充電デバイス16は、無線充電式電池14が、充電面18に近接して置かれているとき、無線充電式電池14を充電するように構成される。詳細には、無線充電デバイス16は、無線充電式電池14を充電する電気的信号を無線充電式電池14内に誘導する。
【0021】
図1はまた、充電面18に近接して置かれている異物12を例示している。異物12は、上で説明されているように、無線充電システム10が電流を誘導する導電材料を含み得る。図示されている例では、異物12は、紙クリップである。他の限定されない例として、異物12は、硬貨、鍵、または指輪であり得る。異物12はまた、裏に金属箔が付けられた滅菌インジケータなどの医療用物体であり得る。
【0022】
図2は、無線充電システム10の構成要素、より詳細には、無線充電式電池14および無線充電デバイス16の構成要素を例解している。無線充電デバイス16は、電源20、充電器制御回路22、および送信コイル(送電コイル)(transmitting coil)24を含む。充電器制御回路22は、DC/AC変換器26を含む。無線充電システム10の動作中、電源20は、壁コンセントなどの商用電源28から商用電源信号を受信する。商用電源信号は、交流(AC)である。電源20は、受信商用電源信号から電力供給信号を出力するように構成される。詳細には、電源20は、AC/DC変換器であり、電力供給信号は、供給電圧vsupply、供給電流isupply、および供給電力Psupplyを有する直流(DC)信号であり得る。電源20は、電力供給信号を充電器制御回路22のDC/AC変換器26に供給するように構成される。DC/AC変換器26は、電力供給信号から送信コイル24を通る(across)AC信号を生成するように構成され得る。送信コイル24を通るAC信号は、無線充電式電池14が充電面18に近接して置かれているとき、無線充電式電池14の受信コイル30(受電コイル)(receiving coil)に対応するAC信号を誘導する電磁場を生成する。
【0023】
受信コイル30に加えて、無線充電式電池14は、電圧整流器32、電圧レギュレータ34、電池制御回路36、および1つまたは複数の電池セル38を含み得る。無線充電式電池14の受信コイル30が充電面18に近接して置かれているとき、送信コイル24によって誘導される受信コイル30の電気的信号が、電圧整流器32に供給される。電圧整流器32は、受信コイル30の誘導信号から入力電力を生成するように構成される。入力電力信号は、受信電圧vrecを有するDC信号である。電圧整流器32は、入力電力信号を電圧レギュレータ34に提供するように構成され、電圧レギュレータ34は次に、受信電力信号から負荷信号を出力するように構成される。負荷信号は、負荷電圧vload、負荷電流iload、および負荷電力Ploadを有するDC信号である。無線充電システム10が、充電モードで動作しているとき、電池制御回路36は、電池セル38を充電するために、負荷信号を電池セル38に送信するように構成される。
【0024】
所定のイベントが発生すると、無線充電システム10は、充電モードから、異物12が無線充電デバイス16の充電面18に近接しているか否かを判定する異物検出モードに遷移するように構成される。無線充電システム10は、異物12が存在しないと仮定して無線充電システム10の予測電気消費量を特定することと、異物12が電力を無線充電システム10から消費しているか否かを判定するために、無線充電システム10の予測電気消費量と実電気消費量とを比較することと、によってこの判定を行い得る。
【0025】
無線充電システム10の電気消費量は、電池セル38などの無線充電システム10の負荷による、無線充電システム10の電気損失および電気消費量の関数であり得る。無線充電システム10の電気損失は、異物12が存在する場合、異物12によって消散される電力を含む無線充電システム10の電力損失に相当し、無線充電システム10の負荷による電気消費量は、無線充電システム10の負荷によって消散される電力に相当する。したがって、無線充電システム10の電気消費量は、無線充電システム10による供給電力、より詳細には、電源20によって供給され、無線充電システム10によって消費される電力、および異物12が無線充電システム10に近接しているとき、異物12によって消費される電力に相当する。
【0026】
無線充電システム10による電力消費量は、種々のソースに起因する。たとえば、電力は、充電器制御回路22および送信コイル24などの、無線充電デバイス16の固有の構造によって消散され得る。電力はまた、電圧整流器32、電圧レギュレータ34、および電池制御回路36などの、無線充電式電池14の固有の構造によって消散され得る。電力は、電池セル38などの、無線充電式電池14の負荷によってさらに消散され得る。無線充電デバイス16の固有の構造によって消散される電力は、本明細書では、無線充電デバイス16の電力損失PTx lossesと称され、無線充電式電池14の固有の構造によって消散される電力は、本明細書では、無線充電式電池14の電力損失PRx lossesと称され、無線充電式電池14の負荷によって消費される電力は、本明細書では、Ploadと称される。
【0027】
無線充電システム10によって消費される電力は、PTx losses、PRx losses、およびPloadの和に実質的に等しい。異物12が、無線充電デバイス16の送信コイル24に近接して置かれていないと仮定すると、この合計は、本明細書では、Psupplyで称される電源20による供給電力に実質的に等しい。換言すると、異物12が存在しない場合、以下の関係が、真である。
【0028】
0≒Psupply-PTx losses-PRx losses-Pload
【0029】
しかしながら、異物12が、無線充電デバイス16の送信コイル24に近接して置かれているとき、電源20による供給電力Psupplyのいくらかは、異物12によっても消費される。詳細には、導電性材料を含む異物12が、送信コイル24によって生成された磁場に入ると、磁場は、導電性材料内に渦電流を誘導する。これらの電流によって、異物12は無線充電システム10からの電力を消散する。異物12によって消散される電力は、本明細書ではPFOと称される。したがって、異物12が存在する場合、以下の関係が、真である。
【0030】
FO≒Psupply-PTx losses-PRx losses-Pload
【0031】
したがって、異物12が存在するか否かを判定するために、無線充電システム10は、無線充電システム10の実電力消費量と称される電源20による供給電力Psupplyと、異物12が存在しないと仮定した無線充電システム10の予測電力消費量との間の差異を決定するように構成される。差異が所定の閾値を下回る場合、無線充電システム10は、異物12が存在しないと判定するように構成される。差異が所定の閾値以上である場合、異物12が電力PFOを消散している可能性があり、無線充電システム10は、異物12が存在すると判定するように構成される。
【0032】
無線充電システム10によって、またはより詳細には、無線充電式電池14によって消費される電力はまた、無線充電デバイス16の送信コイル24に対する無線充電式電池14の受信コイル30の位置の関数であり得る。詳細には、受信コイル30は、送信コイル24から様々な距離の間隔を空けられるが、依然として送信コイル24から電力を受信し得る。たとえば、図3Aを参照すると、無線充電式電池14は、受信コイル30が、送信コイル24から距離D1で離隔するように無線充電デバイス16の充電面18上に配置され、ここで距離D1は、無線充電式電池14の筐体の厚さに相当する。別の例として、図3Bを参照すると、無線充電式電池14は滅菌可能な容器39内に配置され、無線充電デバイス16の充電面18上に、受信コイル30が送信コイル24から距離D2で離隔するように配置されている。ここで距離D2は、無線充電式電池14の筐体の厚さおよび滅菌可能な容器39の厚さの両方を含み、距離D1よりも大きい。さらなる例として、無線充電式電池14は、受信コイル30が、送信コイル24から中心が外れた状態で、無線充電デバイス16の充電面18上に配置される。
【0033】
無線充電式電池14によって消費される電力、および同様に無線充電システム10によって消費される電力は、無線充電式電池14の受信コイル30と、無線充電デバイス16の送信コイル24との間の距離の関数として変化し得る。たとえば、図4は、異物12が無線充電デバイス16に近接していないときの、無線充電システム10によって消費される電力を示す実線のグラフを、無線充電デバイス16によって無線充電式電池14に誘導された受信電圧vrecの関数として例示している。図示されているように、受信コイル30と送信コイル24との間の距離が大きいほど、無線充電デバイス16によって無線充電式電池14に誘導される受信電圧vrecが小さくなり、相応して、無線充電システム10によって消費される電力が大きくなる。
【0034】
図4はまた、異物12が無線充電デバイス16に近接しているときに消費される無線充電システム10の電力を示す点線を、無線充電デバイス16によって無線充電式電池14に誘導される受信電圧vrecの関数として例示している。図示されているように、異物12が無線充電デバイス16に近接しているとき消費される無線充電システム10の電力は、異物12が存在していないが、受信コイル30と送信コイル24との間の距離が増大しているとき消費され無線充電システム10の電力と、類似している場合がある。この状況は、図3Aおよび3Bに示す例によって、表現され得る。
【0035】
無線充電システム10は、無線充電式電池14が、異物12なしで無線充電デバイス16からある距離に配置されている事例と、無線充電式電池14が無線充電デバイス16からより遠くの距離に配置されるとともに、異物12が無線充電デバイス16に近接している事例とを、たとえ無線充電システム10の消費電力が両方の事例で類似していたとしても、区別するように構成される。より詳細には、無線充電システム10は、実行時に測定された無線充電システム10の電気的特性と無線充電システム10に特有の所定の較正データに基づいて、無線充電システム10の予測電力消費量を決定するように構成される。無線充電システム10の予測電力消費量は、異物12が無線充電デバイス16に近接していないと仮定している。無線充電システム10はまた、実行時に測定された無線充電システム10の電気的特性に基づいて、無線充電システム10の実電力消費量を決定するように構成される。例えば、実電力消費量は、電源20によって提供される電力Psupplyに相当する。無線充電システム10の予測電力消費量は異物12によって失われる任意の電力PFOを含まないが、電力PFOが異物12によって消散されると、供給電流isupplyは増大するので、電力PFOが異物12によって消散される場合、無線充電システム10について決定される実電力消費量は増大する。したがって、予測電力消費量と異なり、実電力消費量は異物12によって失われる電力PFOを含む。ゆえに、実電力消費量が、予測電力消費量に対して所定の閾値よりも大きく異なる場合、無線充電システム10は、異物12が無線充電デバイス16に近接していると判定するように構成される。
【0036】
電力消費量の代わりに、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するために無線充電システム10によって特定される電気消費量が、無線充電システム10を通る電流によって定義され得る。詳細には、物体によって消散される電力は、物体を横断する電圧および物体を通る電流の関数であり、無線充電システム10を横断する電圧は、所与の異物検出サイクルの間、実質的に一定に維持されるので、無線充電システム10は、異物12が存在しないと仮定して、無線充電システム10を通る予測電流を決定し、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するために、予測電流と、無線充電システム10に供給される実電流とを比較するように構成され得る。無線充電システム10に供給される実電流は、供給電流isupplyに相当する。実電流が、予測電流に対して所定の閾値よりも大きく異なる場合、無線充電システム10は、異物12が無線充電デバイス16に近接していると判定するように構成される。したがって、以下の例においては、異物12の存在を検出するために、無線充電システム10によって供給され、消費される電力を参照するが、無線充電システム10によって供給され、消費される電流を、代替として用いてもよいことが理解されよう。
【0037】
無線充電式電池14および無線充電デバイス16は各々、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するために、センサ40およびコントローラ42を含み得る。無線充電式電池14のセンサ40Aは、無線充電式電池14内の電気的信号の電気的特性を示すデータを生成するように構成され、無線充電デバイス16のセンサ40Bは、無線充電デバイス16内の電気的信号の電気的特性を示すデータを生成するように構成される。非限定的な一例として、無線充電式電池14および無線充電デバイス16の各々のセンサ40は、電圧センサおよび電流センサを含む。
【0038】
コントローラ42は、センサ40によって生成されたセンサデータによって示される電気的特性に基づいて、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するように構成される。詳細には、本明細書で説明されているように、コントローラ42は、センサデータに基づいて、無線充電システム10の予測電気消費量を決定し、無線充電システム10の予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するように構成される。
【0039】
無線充電システム10の電気消費量は、電池セル38を通る電流を含む、無線充電システム10を通る電流の関数であり得る。電池セル38のインピーダンスは、その充電レベルによって変化するので、電池セル38が充電されているときに電池セル38を通る電流の関数としての無線充電システム10の予測電気消費量を決定することは、決定を複雑にし、不正確な結果をもたらし得る。したがって、無線充電式電池14は、異物検出を実行するための電気負荷46も含む。電気負荷46は、所定の固定インピーダンスを有し得る。いくつかの例では、電気負荷46は、電池セル38が満充電または実質的に満充電されているときの、電池セル38のインピーダンスを表す。換言すると、電気負荷46は、電池セル38の充電中に、電池セル38がほぼ満充電されているときに生じる、電池セル38に供給され得る最大電力量に実質的に等しい電力量を消散するようにサイズ設定されたインピーダンスを有する。たとえば、電気負荷46は、8.3オームの合成抵抗をもたらすようにサイズ設定され、15ワットの電力を消費する、1つまたは複数の抵抗器を含み得る。
【0040】
無線充電式電池14は、接続接続電圧レギュレータ34と電池セル38との間のスイッチ48A、および電圧レギュレータ34と電気負荷46との間のスイッチ48Bなどの、1つまたは複数のスイッチ48を含み、受信コイル30が、電池セル38を充電するために電池セル38に接続されている充電構成と、受信コイル30が、電気負荷46に電力を供給するために電気負荷46に接続されている異物検出構成との間を切り替える。電池コントローラ42Aは、無線充電式電池42Aを、これらの構成間で切り替えるように構成される。詳細には、充電サイクルがトリガされたとき、電池コントローラ42Aは、スイッチ48Aを係合するとともに、係合されていたスイッチ48Bを解放し、受信コイル30が電池セル38に接続され、電気負荷46からは切り離されるように構成される。結果として、受信コイル30からの電力は、電池セル38を充電するために供給される。異物検出サイクルがトリガされたとき、電池コントローラ42Aは、係合されていたスイッチ48Aを解放するとともに、スイッチ48Bを係合し、受信コイル30が電気負荷46に接続され、電池セル38からは切り離されるように構成される。結果として、受信コイル30からの電力は、電気負荷46に供給される。無線充電式電池14が無線充電デバイス16に近接していない、または異物12が検出されているなど、、無線充電システム10によって充電サイクルも異物検出サイクルも実行されていない場合、電池コントローラ42Aは、スイッチ48A、48Bの両方を解放し、電池セル38も電気負荷46も、受信コイル30からの電力を受け取らないように構成される。その後、充電サイクルまたは異物検出サイクルがトリガされることに応答して、電池コントローラ42Aは、スイッチ48Aまたはスイッチ48Bをそれぞれ係合するように構成される。
【0041】
電池セル38が満充電または実質的に満充電されているときの電池セル38のインピーダンスを有する電気負荷46の代わりに、電気負荷46は、各異物検出サイクル中に、送信コイル24によって受信コイル30に送信される電力量を最小化するためのインピーダンスを有するように構成されてもよい。換言すると、電気負荷46は、例えば、所与の異物検出サイクル中に約2ワットの電力を消費する約56オームの、比較的大きなインピーダンスを有するように構成することができる。より小さな消費電力量は、無線充電システム10が、予測電気消費量からのより小さい変化を検出することを可能にし、異物12の検出の増加に寄与する。
【0042】
無線充電システム10の各コントローラ42は、プロセッサ50、メモリ52、不揮発性記憶装置54を含み得る。プロセッサ50は、不揮発性記憶装置54内に記憶され、メモリ52内に読み出される動作命令に基づいて信号(アナログまたはデジタル)を操作するマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス、ステートマシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または他の任意のデバイスから選択された1つまたは複数のデバイスを含み得る。メモリ52は、限定されないが、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/または情報を記憶可能な他の任意のデバイスを含む、単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスを含み得る。不揮発性記憶装置54は、ハードドライブ、光ドライブ、テープドライブ、不揮発性固体デバイス、および/または情報を持続的に記憶可能な他の任意のデバイスなどの、1つまたは複数の持続的データ記憶デバイスを含み得る。
【0043】
各コントローラ42のプロセッサ50は、本明細書で示されているコントローラ42の機能、機構、処理、方法、およびモジュールを実行するようにプログラムされる。詳細には、プロセッサ50は、不揮発性記憶装置54内にあるコンピュータ実行可能命令によって具現化されたソフトウェアの制御下で動作する。コンピュータ実行可能命令は、限定されないが、Java(登録商標)、C、C++、C#、Objective C、Fortran、Pascal、Java Script(登録商標)、Python(登録商標)、Perl、およびPL/SQLを単体または組み合わせのどちらかで含む、種々のプログラミング言語および/または技術によって、コンパイルまたは解釈実行され得る。動作中、プロセッサ50は、コンピュータ実行可能命令をメモリ52内に読み出し、次にコンピュータ実行可能命令を実行するように構成される。コンピュータ実行可能命令は、プロセッサ50が実行すると、プロセッサ50に、本明細書で説明されているコントローラ42の機能、機構、処理、方法、およびモジュールを実施させるように構成される。
【0044】
たとえば、コントローラ42の不揮発性記憶装置54内にあるコンピュータ実行可能命令は、コントローラ42のプロセッサ50によって実行されると、プロセッサ50に、センサ40を使用するなどしてコントローラ42によって測定された電気的特性に基づいて、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定させるように構成される。詳細には、電池コントローラ42Aのコンピュータ実行可能命令は、実行されると、プロセッサ50Aに、無線充電式電池14内の電気的信号に対応する電気的特性を決定させるように構成される。電池コントローラ42Aによって決定された電気的特性は、無線充電式電池14の予測電気消費量を示し得る。同様に、充電器コントローラ42Bのコンピュータ実行可能命令は、実行されると、プロセッサ50Bに、無線充電デバイス16内の電気的信号に対応する電気的特性を決定させるように構成される。充電器コントローラ42Bによって決定された電気的特性は、無線充電デバイス16の予測電気消費量を示し、無線充電システム10によって供給される電力を示し得る。
【0045】
コントローラ42のコンピュータ実行可能命令は、実行されると、プロセッサ50に、コントローラ42のうちの1つにおいて決定された電気的特性に基づいて生成されたデータを集約させるように構成され得る。これに応じて、1つのコントローラ42のコンピュータ実行可能命令は、実行されると、このコントローラ42のプロセッサ50に、本明細書で説明されるように、集約されたデータに基づいて、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定させるように構成される。
【0046】
コントローラ42間のデータ通信を支援するために、無線充電式電池14および無線充電デバイス16の各々は、通信デバイス44を含む。いくつかの例では、通信デバイス44は、無線充電式電池14が、無線充電デバイス16に近接して置かれているとき、電池コントローラ42Aと充電器コントローラ42Bとの間の無線通信を支持するように構成された無線通信デバイスである。たとえば、限定されないが、通信デバイス44は各々、赤外線、NFC、RFID、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、および/またはWi-Fiプロトコルを使用して、データを無線で送信および受信するように構成され得る。
【0047】
コンピュータ実行可能命令によって具現化されたソフトウェアプログラムに加えて、各コントローラ42の不揮発性記憶装置54はまた、本明細書で示されているコントローラ42の機能、機構、処理、方法、およびモジュールを支持するデータを記憶し得る。たとえば、各コントローラ42の不揮発性記憶装置54は、コントローラ42が予測電気消費量を決定することを可能にする較正データを記憶する。各コントローラ42は、異物12の存在の判定を支援するために、コントローラ42の不揮発性記憶装置54内に記憶された較正データを照会するように構成され得る。
【0048】
非限定的な一例として、不揮発性記憶装置54Aは、無線充電式電池14内に誘導され、電池コントローラ42Aによってセンサ40Aを使用して測定される電圧vrecの関数として、無線充電式電池14の予測電気損失を示す較正データを含む。無線充電式電池14の予測電気損失は、上で説明されているように、無線充電式電池14の予測電力損失PRx losses、または無線充電式電池14の予測電力損失PRx lossesに寄与する無線充電式電池14を通る電流であり得る。電池コントローラ42Aは、予測電気損失に基づいて、無線充電式電池14の予測電気消費量を決定し、無線充電式電池14の予測電気消費量に基づいて、無線充電システム10の予測電気消費量を決定するように構成される。
【0049】
さらなる非限定的な例として、充電器コントローラ42Bの不揮発性記憶装置54Bは、無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれているときの無線充電デバイス16の予測電気損失を示す較正データを記憶する。無線充電デバイス16の予測電気損失は、上で説明されているように、無線充電デバイス16の予測電力損失PTx losses、または無線充電デバイス16の予測電力損失PTx lossesに寄与する無線充電デバイス16を通る電流であり得る。充電器コントローラ42Bは、無線充電デバイス16予測電気損失に基づいて、無線充電デバイス16の予測電気消費量を決定し、無線充電デバイス16の予測電気消費量に基づいて、無線充電システム10の予測電気消費量を決定するように構成される。
【0050】
図5は、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するための方法300を例示している。方法300は、コントローラ42によって実行される。詳細には、電池コントローラ42Aは、方法300の1つまたは複数のブロックを実行するように構成され、充電器コントローラ42Bは、方法300の1つまたは複数の他のブロックを実行するように構成される。
【0051】
ブロック302では、所定のイベントが発生したか否かの判定が行われる。詳細には、充電器コントローラ42Bなどの、少なくとも1つのコントローラ42が、1つまたは複数の所定のイベントの発生を監視するように構成される。1つまたは複数の所定のイベントのうちの1つの発生の検出に応答して、コントローラ42は、異物検出サイクルをトリガするように構成される。
【0052】
コントローラ42のうちの少なくとも一方によって監視される所定のイベントのうちの1つは、無線充電式電池14が無線充電デバイス16の充電面18に近接して置かれることである。一例では、充電器コントローラ42Bは、電源20から出力された電力供給信号の供給電流isupplyに基づいて、この所定のイベントが発生したか否かを判定するように構成される。より詳細には、充電器コントローラ42Bは、DC/AC変換器26に送信コイル24を通るAC信号を周期的に出力させ、次に電源20によって出力される電力供給信号の供給電流isupplyを測定することによって、無線充電デバイス16に近接している無線充電式電池14の存在を定期的に調べるように構成される。無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に近接して置かれている場合、出力された電力供給信号は、受信コイル30内に電気エネルギーを誘導し、相応して、電力供給信号の供給電流isupplyは増大する。したがって、充電器コントローラ42Bは、測定された供給電流isupplyが、所定の閾値を上回る値に増大したか否かを判定することによって、無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に近接したか否かを判定するように構成される。測定された供給電流isupplyが、所定の閾値を上回る値に増大したとの判定に応答して、充電器コントローラ42Bは、無線充電式電池14が無線充電デバイス16の充電面18に近接して置かれたと判定するように構成される。
【0053】
さらなる例として、コントローラ42のうちの少なくとも一方は、通信デバイス44を使用して、無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれたか否かを判定するように構成され得る。詳細には、信号伝達通信デバイス44とも称される通信デバイス44のうちの1つは、無線充電式電池14が無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれたとき、承認通信デバイス44とも称さる他の通信デバイス44によって受信されるビーコン信号を定期的に通知するように構成される。一例では、通信デバイス44Bは、信号伝達通信デバイス44として構成され、通信デバイス44Aは、承認通信デバイス44として構成される。無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれることに応答して、承認通信デバイス44は、ビーコン信号を受信し、応答的に承認信号を信号伝達通信デバイス44に伝達する。信号伝達通信デバイス44は次に、無線充電式電池14が、現在、無線充電デバイス16の充電面18に隣接していることを知らせるために、信号伝達通信デバイス44に接続されたコントローラ42に信号を伝達する。
【0054】
いくつかの例では、無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれたとの判定に応答して、コントローラ42のうちの少なくとも一方は、無線充電式電池14と無線充電デバイス16が適合することを検証するように構成される。たとえば、各コントローラ42の不揮発性記憶装置54は、認証データを記憶する。充電器コントローラ42Bなどのコントローラ42のうちの一方は、その記憶された認証データを、通信デバイス44を通じて他方のコントローラ42に伝達するように構成される。他方のコントローラ42は次に、受信された認証データが、その不揮発性記憶装置54に記憶されている認証データと一致するか否かを判定するように構成される。受信された認証データが、その認証データと一致するとの判定に応答して、他方のコントローラ42は、無線充電式電池14と無線充電デバイス16が適合すると判定するように構成される。
【0055】
無線充電式電池14が、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して置かれることなどの、所定のイベントの発生の判定(ブロック302の肯定判定)、および/またはブロック304において、無線充電式電池14を無線充電デバイス16と共に使用することの認証に応答して、異物検出サイクルがトリガされる。このため、所定のイベントの発生を判定し、および/または無線充電式電池14を無線充電デバイス16と共に使用することを認証したコントローラ42は、通信デバイス44を通じて、他方のコントローラ42に異物検出サイクルの実行開始を指示する信号を伝達するように構成される。
【0056】
ブロック306では、送信コイル24は、無線充電式電池14の受信コイル30に電力を送信するために通電される。詳細には、充電器コントローラ42Bは、DC/AC変換器26に、電源20から受信した供給電力信号から送信コイル24を通るAC信号を生成させるように構成される。送信コイル24を通るAC信号は、受信コイル30内に対応するAC信号を誘導する電磁場を生成する。
【0057】
ブロック308では、異物検出が無線充電式電池14内で実行される。詳細には、電池コントローラ42Aは、スイッチ48Bを係合するとともに係合されていたスイッチ48Aを解放し、受信コイル30が電気負荷46に接続され、電池セル38から切り離されるように構成される。このようにして、無線充電デバイス16から無線充電式電池14に提供される電力の一部は、電気負荷46に供給され、電気負荷46によって消散される。
【0058】
ブロック310では、電源20によって出力された電力供給信号の電気的特性が測定される。例として、測定された電気的特性は、電力供給信号によって提供される供給電力Psupplyまたは供給電流isupplyである。測定された電力供給信号の電気的特性は、上で説明されているように、無線充電システム10の実電気消費量として使用される。充電器コントローラ42Bは、センサ40Bを使用して、電力供給信号の電気的特性を決定するように構成される。
【0059】
ブロック312では、無線充電デバイス16の予測電気損失が決定される。無線充電デバイス16の予測電気損失は、一定値として扱われ、そのため、流通(distribution)の前に、測定され、充電器コントローラ42Bの不揮発性記憶装置54B内の較正データとして保存される。詳細には、無線充電デバイス16の製造後、異物12または無線充電式電池14が無線充電デバイス16の充電面18に近接していない状態で、技術者は、電源20に電力供給信号を生成させ、この電力供給信号によって送信コイル24を通るAC信号を発生させる。異物12および無線充電式電池14が存在しないので、この動作中の電力供給信号は、無線充電デバイス16の電気損失に相当する。換言すると、供給電流isupplyおよび供給電圧vsupplyの積によって示される電力供給信号の電力Psupply、または単純に供給電流isupplyは、測定されて無線充電デバイス16の予測電気損失として使用される。このような無線充電デバイス16の電気損失の決定に応答して、無線充電デバイス106の決定された電気損失を示す較正データは、充電器コントローラ42Bの不揮発性記憶装置54Bに記憶される。その後、ブロック312では、充電器コントローラ42Bが、較正データを不揮発性記憶装置54Bから読み出すことによって、無線充電デバイス16の予測電気損失を決定するように構成される。
【0060】
ブロック314では、電気負荷46の電気的特性が決定される。たとえば、電池コントローラ42Aは、センサ40Aを使用して、電気負荷46の電気的特性を測定するように構成される。より詳細には、電池コントローラ42Aは、負荷電圧vloadおよび負荷電流iloadを測定し、これらの2つの値を互いに乗じることによって、または負荷電圧vloadを測定し、この値の2乗を電気負荷46のインピーダンスによって除算することなどによって、固定電気負荷46の決定された電気的特性として、電気負荷46によって消散された電力Ploadを測定するように構成される。あるいは、電池コントローラ42Aは、負荷電流iloadを、電気負荷46の決定された電気的特性として測定し、使用するように構成されてもよい。あるいは、電圧レギュレータ34からの電圧は、各異物検出サイクル中、実質的に一定であるので、11.2ボルトなどの電気負荷46の決定された電気的特性は、各異物検出サイクル中、実質的に一定に維持される。したがって、電力Ploadまたは電流iloadなどの電気的特性は、無線充電式電池14の流通の前などに、電池コントローラ42Aの不揮発性記憶装置54A内の較正データとして予め決定され、記憶される。その後、異物検出サイクルが、無線充電式電池14でトリガされたことに応答して、電池コントローラ42Aは、不揮発性記憶装置54A内に記憶された較正データから電気的特性を読み出すことによって、電気負荷46の電気的特性を決定するように構成される。
【0061】
ブロック316では、無線充電デバイス16による無線充電式電池14内の誘導電圧が測定される。より詳細には、受信コイル30を通って生成されたAC信号は、電圧整流器32に供給され、電圧整流器32は、受信電圧vrecの入力電力信号を出力する。電池コントローラ42Aは、センサ40Aを使用して、受信電圧vrecを測定するように構成される。代わりに、電池コントローラ42Aが、無線充電デバイス16によって無線充電式電池14内に誘導された測定電圧として、受信コイル30を通るAC電圧を測定し、使用するように構成されてもよい。
【0062】
ブロック318では、無線充電式電池14の予測電気損失は、受信電圧vrecなどの測定電圧に基づいて決定される。前に説明されているように、無線充電デバイス16に対する無線充電式電池14の位置的偏差によって、無線充電式電池14内に誘導される電圧が異なり、相応して無線充電式電池14に異なる電気損失が生じる。したがって、電池コントローラ42Aは、受信電圧vrecなどの測定された誘導電圧に基づいて、無線充電式電池14の予測電気損失を決定するように構成される。無線充電式電池14の決定された予測電気損失は、測定電圧が無線充電式電池14内に誘導され、異物12が存在しない状態で事前に発生した無線充電式電池14の電気損失に相当する。
【0063】
より具体的には、電池コントローラ42Aの不揮発性記憶装置54Aは、異物12が存在しないときの、無線充電式電池14の無線充電デバイス16に対する位置の変化に対応する、無線充電式電池14の予測電気損失の変化を示す較正データを記憶する。予測電気損失の変化は、それぞれ、異なる電圧の較正データに関連付けられ、これらの電圧は、異物12が存在しない状態で無線充電デバイス16によって無線充電式電池14内に誘導されたとき、無線充電式電池14には、その電圧に関連付けられた予測電気損失に相当する電気損失が生じる。電池コントローラ42Aは、したがって、較正データ内の測定された誘導電圧に関連付けられた較正データで示される予測電気損失を決定することによって、無線充電式電池14内で測定された誘導電圧に基づいて、無線充電式電池14の予測電気損失を決定するように構成されている。
【0064】
図6は、無線充電式電池14の予測電気損失を決定するために、電池コントローラ42Aの不揮発性メモリ52A内に記憶された較正データによって表されるグラフ402を例示している。グラフのY軸は、異物12が存在しないときの、無線充電式電池14の予測電力損失の変化を表し、X軸は、無線充電デバイス16によって無線充電式電池14内に誘導され、ブロック316において電池コントローラ42Aによって測定される電圧の変化を表す。グラフ402によれば、異物12が存在しないときの無線充電式電池14の予測電力損失と、無線充電式電池14内で測定された誘導電圧との間の関係は、非線形の減少関数である関数404によって定義される。換言すると、異物12が存在しないと仮定すると、無線充電式電池14と無線充電デバイス16との間の距離が減少すると、無線充電式電池14内で受信される誘導電圧vrecが増加し、無線充電式電池14の予測電気損失は減少する。
【0065】
代わりの例では、異物12が存在しないときの無線充電式電池14の予測電力損失と、無線充電式電池14内で測定された誘導電圧との間の関係は、U字型関数404によって定義され得る。より詳細には、最初に受信コイル30が、無線充電デバイス16による無線充電式電池14の充電が可能な最大距離から、送信コイル24の近くに移動すると、無線充電式電池14内の誘導電圧は増大し、それとともに無線充電式電池14の予測電力損失は減少する。しかしながら、受信コイル30の送信コイル24への移動継続中、いくつかの点では、無線充電式電池14の予測電力損失を増大させる渦電流が、無線充電式電池14の金属構成要素内で誘導される可能性がある。したがって、無線充電式電池14内の誘導電圧が増大する一方で、無線充電式電池14の予測電力損失が増大し、U字型波形をもたらす。
【0066】
電池コントローラ42Aの不揮発性記憶装置54Aに記憶されている較正データは、無線充電式電池14が異物検出構成にあり、異物12が存在しない状態で、無線充電デバイス16の充電面18に隣接して、受信コイル30と送信コイル24との間の距離が変化するような種々の位置に置かれているとき、無線充電式電池14の電気損失を測定することによって決定される。詳細には、無線充電式電池14の無線充電デバイス16に対する位置ごとに、無線充電デバイス16による無線充電式電池14内の誘導電圧、電気負荷46の電気的特性、電源20によって出力された電力供給信号の電気的特性、および無線充電デバイス16の電気損失が決定される。上で説明されているように、無線充電デバイス16の電気損失は、充電器コントローラ42Bの不揮発性記憶装置54Bに較正データとして記憶され、他のデータは、コントローラ42によって測定される。無線充電式電池14の電気損失は、データに基づいて決定される。たとえば、コントローラ42のうちの1つは、無線充電式電池14の無線充電デバイス16に対する現在位置による無線充電式電池14の電気損失を決定するために、電力供給信号の電気的特性から、電気負荷46の電気的特性および無線充電デバイス16の電気損失を減算するように構成され得る。
【0067】
したがって、コントローラ42は、無線充電式電池14の無線充電デバイス16に対する位置ごとに較正サンプル406を生成し、各較正サンプル406は、異物12が存在しないときの、測定された無線充電デバイス16による無線充電式電池14内の誘導電圧と、対応する無線充電式電池14の電気損失とを含む。測定された無線充電式電池14内の誘導電圧に基づいて、無線充電式電池14の予測電気損失を決定するための較正データは次に、較正サンプル406に基づいて決定され得る。
【0068】
たとえば、コントローラ42は、関数404を生成するために非線形回帰などの曲線フィッティングアルゴリズムを較正サンプル406に適用するように構成され試験装置に較正サンプル406を伝達するように構成される。試験装置は、関数404を示す較正データを生成し、そのような較正データを、電池コントローラ42Aの不揮発性記憶装置54Aに記憶させるために、電池コントローラ42Aに伝達する。続く異物検出サイクル中に、電池コントローラ42Aは、無線充電式電池14の予測電気損失を決定するために、測定された無線充電式電池14内の誘導電圧を、較正データによって示される関数404に適用するように構成される。さらなる例として、コントローラ42および/または試験装置は、較正サンプル406または決定された関数404から取得されたサンプルを含むルックアップテーブルを生成し、ルックアップテーブルで示す較正データを、電池コントローラ42Aの不揮発性記憶装置54Aに記憶するように構成してもよい。続く異物検出サイクル中に、電池コントローラ42Aは、測定された無線充電式電池14内の誘導電圧に基づいて、示されたルックアップテーブルから、無線充電式電池14の予測電気損失を推定(interpolate)するように構成される。
【0069】
いくつかの例では、無線充電システム10のコントローラ42のうちの少なくとも一方は、実行時、例えば測定された無線充電システム10の電気的特性に基づいて、較正データによって示された関数404などの較正データを調整するように構成され得る。たとえば、コントローラ42Bなどのコントローラ42のうちの少なくとも一方は、電力供給信号の供給電圧vsupplyが、較正データを生成するために使用される供給電圧と異なるとの判定に応答して、関数404を調整するように構成される。別の例として、コントローラ42のうちの少なくとも一方は、受信コイル30および/または送信コイル24のインダクタンスが、較正データを決定するために使用されたものと異なるとの判定に応答して、関数404を調整するように構成され得る。さらなる例として、コントローラ42Aなどのコントローラ42のうちの少なくとも一方は、無線充電式電池14の測定温度に基づいて、関数404を調整するように構成され得る。このために電池制御回路36のセンサ40Aはまた、無線充電式電池14の温度を示すデータを生成するように構成された温度センサを含み得る。
【0070】
ブロック320では、コントローラ42のうちの一方で、例えば通信デバイス44を使用して、コントローラ42によって決定されたデータが集約される。たとえば、充電器コントローラ42Bは、電源20によって出力された電力供給信号の電気的特性、および無線充電デバイス16の電気損失を、電池コントローラ42Aに伝達するように構成される。代わりに、電池コントローラ42Aが、無線充電式電池14の予測電気損失、および電気負荷46の電気的特性を示すデータを、充電器コントローラ42Bに伝達するように構成されてもよい。たとえば、電池コントローラ42Aは、無線充電式電池14の予測電気損失、および電気負荷46の電気的特性の各々を、充電器コントローラ42Bに伝達するように構成され、または無線充電式電池14の予測電気損失、および電気負荷46の電気的特性の合計を、充電器コントローラ42Bに伝達するように構成され得る。
【0071】
ブロック322では、無線充電システム10の予測電気消費量が、集約されたデータに基づいて決定される。より詳細には、データが集約されたコントローラ42は、無線充電デバイス16の電気損失、無線充電式電池14の予測電気損失、および固定電気負荷46の電気的特性に基づいて、無線充電システム10の予測電気消費量を決定するように構成される。たとえば、コントローラ42は、無線充電システム10の予測電気消費量を決定するために、これらの項目を合計するように構成される。前に説明されているように、無線充電システム10の予測電気消費量は、無線充電デバイス16に近接している異物12に対応する電気損失は含まない場合がある。
【0072】
ブロック324では、無線充電システム10の実電気消費量は、無線充電システム10の予測電気消費量と比較される。詳細には、データが集約されたコントローラ42は、無線充電システム10の実電気消費量と、無線充電システム10の予測電気消費量との間の差を決定するように構成される。前に説明されているように、測定された電力供給信号の電気的特性は、無線充電システム10の実電気消費量として使用される。
【0073】
代わりの例では、無線充電システム10の実電気消費量は、電源20によって出力された電力供給信号の決定された電気的特性、および無線充電デバイス16の決定された電気損失の両方に基づき得る。たとえば、無線充電システム10の実電気消費量は、これらの2つの値の合計として設定してもよく、これは無線充電デバイス16の送信電力に相当する。この場合、無線充電システム10の予測電気消費量は、無線電池14の決定された予測電気損失、および電気負荷46の決定された電気的特性に基づく。たとえば、無線充電システム10の予測電気消費量は、これらの2つの値の合計として設定してもよく、これは無線充電式電池16の予測電気消費量に相当する。先の例と同様に、無線充電システム10の実電気消費量は、無線充電式電池14および存在する場合、異物12による実電気消費量に相当し、無線充電システム10の予測電気消費量は、異物12が存在しないと仮定した無線充電式電池14の予測電気消費量に相当する。
【0074】
これらの代わりの例では、電池コントローラ42Aは、電池コントローラ42Aによって決定されたデータ、すなわち無線充電式電池14の予測電気損失、および電気負荷46の電気的特性に基づいて、無線充電システム10の予測電気消費量を決定するように構成され、充電器コントローラ42Bは、充電器コントローラ42Bによって決定されたデータ、すなわち電源20によって出力された電力供給信号の電気的特性、および無線充電デバイス16の電気損失に基づいて、無線充電システム10の実電気消費量を決定するように構成される。詳細には、各コントローラ42は、その決定されたデータを合計するように構成される。その後、ブロック320においてデータを集約するために、電池コントローラ42Aは、無線充電システム10の予測電気消費量を、充電器コントローラ42Bに伝達するように構成され、または充電器コントローラ42Bが、無線充電システム10の実電気消費量を、電池コントローラ42Aに伝達するように構成される。代わりに、コントローラ42のうちの一方が、その決定されたデータ項目を、実および予測電気消費量を決定するための合算を実行する他方のコントローラ42に伝達するように構成してもよい。その後、ブロック324では、データが集約されたコントローラ24は、例えば、無線充電システム10の実電気消費量と、無線充電システム10の予測電気消費量との間の差を決定することによって、無線充電システム10の実電気消費量を、無線充電システム10の予測電気消費量と比較するように構成される。
【0075】
ブロック326において、電源の電気的特性が、無線充電システム10の実電気消費量として使用されたか否か、または無線充電システム10の実電気消費量が、電源の電気的特性および無線充電デバイス16の電気損失に基づいて決定されたか否かに関わらず、ブロック324において決定された差が所定の閾値以上であるか否かの判定が、例えばデータが集約されたコントローラ42によって行われる。所定の閾値は、データが集約されたコントローラ42の不揮発性記憶装置54に、一定値として、またはルックアップテーブル内に記憶される。いくつかの例では、所定の閾値は、異物12が安全でない温度に到達することなく消散する最大電力PFOに相当する。いくつかの例では、図4を参照すると、所定の閾値は、黒線と点線との間の差の平均、または黒線と点線との間の差の最小値に相当する。他の例では、ブロック326の比較で使用される所定の閾値は、実行時に測定される無線充電システム10の電気的特性に基づいて変化してもよい。たとえば、図4を参照すると、コントローラ42は、電池コントローラ42Aによって測定された誘導電圧における黒線と点線との間の値、例えば中央値、に相当する所定の閾値を使用するように構成される。
【0076】
実および予測電気消費量間の差が所定の閾値を上回らないとの判定に応答して(ブロック326の否定判定)、ブロック328では、充電サイクルがトリガされる。このために、電池コントローラ42Aは、スイッチ48Aを係合するとともにスイッチ48bを解放し、受信コイル30が電池セル38に接続され、電気負荷46から切り離されるように構成される。さらに、無線充電デバイス16は、電池セル38を充電するための送信コイル24を通る信号を出力する。たとえば、電池コントローラ42Aは、負荷電流iloadの目標電流を示す電流設定値を、電圧レギュレータ34に伝達するように構成される。たとえば、目標電流は、1.4アンペアである。充電サイクルがトリガされたことに応答して、電圧レギュレータ34は、電圧レギュレータ34が目標電流を電池セル38に提供可能な電流を無線充電デバイス16から得るように構成される。
【0077】
代わりに、実および予測電気消費量間の差が所定の閾値を上回るとの判定に応答して(ブロック326の肯定判定)、ブロック330では、異物12が無線充電デバイス16に近接していると判定される。その後、ブロック332では、送信コイル24が、非活性化される。詳細には、充電器コントローラ42Bは、DC/AC変換器26が、電池セル38を充電するために、送信コイル24を通る電力供給信号を出力することを防止するように構成される。ブロック334では、無線充電システム10の警告が発せられる。警告は、聴覚的、視覚的、または触覚的な警告である。たとえば、無線充電デバイス16は、聴覚的警告を発するように構成されたスピーカを含み得る。無線充電デバイス16はまた、図8に示すように、異物12の検出に応答して光を放出するように構成された発光デバイス508などの発光デバイスを含み得る。無線充電デバイス16は、異物12の検出に応答して振動するように構成された、振動モータをさらに含み得る。
【0078】
ブロック334での警告のトリガ、またはブロック328での充電サイクルのトリガに応答して、方法300は、1つまたは複数の所定のイベントの継続監視のために、ブロック302に戻る。無線充電式電池14が無線充電デバイス16に近接して置かれることに加えて、無線充電システム10によって監視される1つまたは複数の所定のイベントは、最終の異物検出サイクルの実行からの所定時間の経過を含む。たとえば、無線充電システム10は、無線充電システム10によって実行された最終の異物検出サイクルから5分経過するごとに、異物検出サイクルをトリガするように構成され得る。
【0079】
いくつかの例では、無線充電システム10によって監視される1つまたは複数の所定のイベントはまた、衝撃(bump)検出イベントを含む。上で説明されているように、充電サイクル中、充電器コントローラ42Bは、一定の負荷電流iloadが電池セル38を充電するために提供される定電流充電技術を実行するように構成される。電池セル38が充電されると、しかしながら、電池電圧が増大し、そのことが、電池セル38の実効インピーダンスを増大させ、相応して負荷電流iloadを低下させる。それに応じて、無線充電式電池14、またはより詳細には電圧レギュレータ34は、負荷電流iloadを目標レベルに維持するために、無線充電デバイス16から追加の電流を得るように構成される。相応して、供給電力Psupplyおよび供給電流isupplyが増大する。図7を参照すると、実線は、無線充電システム10によって実行される、一定の負荷電流iloadで無線充電式電池14を充電するための、時間経過に対する供給電力Psupplyを示す出力曲線を例示している。
【0080】
電源20によって出力される電力供給信号の供給電力Psupplyおよび供給電流isupplyは、電池セル38への負荷電流iloadを一定に維持するために、充電サイクルにわたり増大する。しかしながら、電力供給信号の供給電力Psupplyおよび供給電流iloadはまた、異物17を、無線充電システム10からより多くの電力PFOを吸収する位置に移動させ、それによって無線充電システム10の電力消費量を増大させる無線充電システム10の衝撃に応答して、増大する。図7を参照すると、点線は、衝撃イベントに応答して発生し得る、供給電力Psupplyの変化を例示している。
【0081】
このように、充電サイクル中、充電器コントローラ42Bは、無線充電デバイス16によって提供される電力供給信号の電気的特性を監視し、電気的特性の監視に基づいて、衝撃イベントの発生を判定するように構成される。たとえば、電気的特性は、電源20によって出力される電力供給信号の供給電力Psupply、または電力供給信号の供給電流isupplyであり得る。充電器コントローラ42Bは、電気的特性の現在のレベルと、現在の充電サイクルの開始時点の電気的特性の初期レベルとの間の差を継続的に追跡し、差が、所定の閾値以上であるか否かを判定するように構成される。所定の閾値は、無線充電システム10の総電力消費量の所定の増大量に相当する。一例として、所定の増大量は、400ミリワットである。換言すると、充電器コントローラ42Bは、最終の異物検出サイクルから、供給電力Psupplyが400ミリワット増大したこと応答して、所定のイベントの発生を判定するように構成される。
【0082】
1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して(ブロック302の肯定判定)、ブロック304では、別の異物検出サイクルが、トリガされる。したがって、無線充電式電池14が無線充電デバイス16に近接して置かれることに応答して、無線充電システム10は、無線充電デバイス16が無線充電式電池14を充電する充電サイクルの間を占めるように物体検出サイクルを実行するように構成される。各異物検出サイクルでは、無線充電システム10が電池セル38を充電することを控え、異物12が無線充電デバイス16に近接しているか否かを判定するように構成してもよい。
【0083】
図8は、同時にいくつかの無線充電式電池14を充電するための無線充電デバイス500を例示している。より詳細には、無線充電デバイス500は、コントローラ502、電源504、およびいくつかの充電ベイ(charging bay)506を含む。各充電ベイ506は、充電ベイ506に配置された無線充電式電池14の受信コイル30に電力を提供するための送信コイル24を含む。各充電ベイ506の送信コイル24は、DC/AC変換器などを通して、電源504に接続される。コントローラ502および電源504は、各充電ベイ506を別にすれば、上で説明されている無線充電デバイス16の電源20および充電器コントローラ42Bと同一の機能を反映し、実行するように構成される。換言すると、コントローラ502は、上で説明されているように、各充電ベイ506の充電サイクルおよび異物検出サイクルの実行を支援するように構成される。
【0084】
無線充電デバイス500は、図9で示されている滅菌可能容器600のように、無線充電デバイス500上に配置された滅菌可能容器に収容された無線充電式電池14を充電するように構成されてもよい。詳細には、1つまたは複数の無線充電式電池14は、滅菌後、滅菌可能容器600内に置かれる。滅菌可能容器600も(たとえば、オートクレーブによって)やはり滅菌され、その中に収納された容積(volume)の滅菌状態を保持する。換言すると、滅菌可能容器600は、滅菌可能容器600内の容積が、滅菌可能容器600が開放されるまで滅菌状態に維持されるような、微生物障壁を提供する。
【0085】
代わりに、無線充電式電池14は、滅菌前に滅菌可能容器600内に置かれてもよい。滅菌可能容器600は次に、無線充電式電池14が滅菌可能容器600内に収容された状態で、オートクレーブ処理(または他の好適な滅菌処理)で滅菌される。そのため、無線充電式電池14および滅菌可能容器600は、共に滅菌され、滅菌可能容器600内の容積は滅菌され、または滅菌状態で維持される。
【0086】
無線充電式電池14を滅菌するために、上記の方法のどちらかを使用した後、滅菌可能容器600は、無線充電式電池14および滅菌容積の滅菌状態を維持しながら、所望の使用場所に運ばれ、または移送される。たとえば、滅菌可能容器600は次に、滅菌可能容器600内に置かれた各無線充電式電池14が、異なる充電ベイ506の送信コイル24上に配置されるように、無線充電デバイス500上に配置される。このように、無線充電デバイス500は、無線充電式電池14が滅菌容積内において微生物的に封止された状態を維持しながら、無線充電式電池14に充電電力を提供し得る。各無線充電式電池14はまた、電池作動データ、電池状態データ、および/または他の任意の本明細書で示されている好適なデータを取得するために、無線充電式電池14が滅菌容積内に維持された状態で、無線充電デバイス500と通信し得る。無線充電式電池14は、無線充電デバイス500に移送されている間、無線充電式電池14およびその内部構成要素は、低電力状態にある。
【0087】
別の例では、無線充電式電池14は、滅菌前に滅菌可能容器600内に置かれ、滅菌可能容器600および無線充電式電池14が滅菌されていない状態にある間に、無線充電式電池14が充電電力を受信するように、滅菌可能容器600は、無線充電デバイス500に近接して置かれる。そのような例では、無線充電式電池14が無線充電デバイス500から充電電力を受信した後、滅菌可能容器600および無線充電式電池14は、オートクレーブまたは他の滅菌処理で滅菌され、無線充電式電池14が、滅菌可能容器600が開放されるまで滅菌および充電状態で収容される。代わりに、無線充電式電池14は、無線充電デバイス500を使用して充電され、次に滅菌可能容器600内に配置され、滅菌されてもよい。
【0088】
滅菌可能容器600ではなくむしろ、無線充電式電池14は、青色(滅菌)ラップ(blue wrap)内に配置されて、滅菌され、上の方法のうちの任意のものを使用して充電され得る。したがって、無線充電式電池14は、滅菌状態で維持されながら、青色ラップを通して充電され得る。
【0089】
なお、無線充電式電池14は、電力を受信し、充電するように構成された任意の電力受信デバイスで置換され得ることに留意されたい。たとえば、電力受信デバイスは、電荷を蓄積するように構成された外科用器具であり得る。電力受信デバイスはまた、電荷を蓄積するように構成された冷却装置、または電化を蓄積するように構成された発光デバイスであり得る。
【0090】
いくつかの例示の実施態様が、前述の説明において論じられた。しかしながら、本明細書で論じられている例は、網羅的であること、または本発明を任意の特定の形態に限定することは意図されていない。本明細書で使用された専門用語は、限定する性質の語ではなく、説明する性質の語に属することが意図されている。多くの変更および変形形態が、上述の教示を考慮すると可能であり、本発明は、具体的に記述されたことと異なって実践され得る。
【0091】
本開示の例が、以下の番号が付された条項を用いて、従属条項に提示された特定の特徴と共に、記述され得る。
【0092】
条項
1.無線充電デバイスに近接している異物を検出するためのシステムであって、
無線充電式電池であって、
前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための受信コイルと、
1つまたは複数の電池セルと、
電気負荷と
を備える無線充電式電池と、
前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されている第1の構成と、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されている第2の構成との間で、前記無線充電式電池を切り替えるように構成されている少なくとも1つのコントローラとを備え、、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が第2の構成にある場合、前記電気負荷の第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを行うように構成されている、システム。
【0093】
2.前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷によって消散される電力である、条項1に記載のシステム。
【0094】
3.前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電流損失であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷を通る電流である、条項1に記載のシステム。
【0095】
4.前記無線充電式電池が、
前記受信コイルに接続され、前記受信コイルから第1の電圧を受信し、前記第1の電圧から第2の電圧を生成するように構成されている電圧整流器と、
前記電圧整流器に接続され、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信し、前記第2の電圧から第3の電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータとを備え、
前記無線充電式電池が前記第1の構成にあるとき、前記1つまたは複数の電池セルが、前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信するように構成され、前記無線充電式電池が前記第2の構成にあるとき、前記電気負荷が、前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信するように構成されており、
前記測定電圧が、前記第2の電圧である、条項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【0096】
5.前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、条項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【0097】
6.前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、前記少なくとも1つのコントローラが、前記較正データ内の前記測定電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定するように構成されていることによって、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、条項5に記載のシステム。
【0098】
7.前記電気負荷は、前記1つまたは複数の電池セルが実質的に満充電されているときに前記1つまたは複数の電池セルと同じ量の電力を消散するようにサイズ設定された、少なくとも1つの抵抗器を備える、条項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【0099】
8.前記少なくとも1つの抵抗器が、8.3オームの合成抵抗を有する、条項7に記載のシステム。
【0100】
9.前記少なくとも1つのコントローラが、
第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと、
前記無線充電デバイスによって生成される電力供給信号の第4の電気的特性を決定することと、
前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、を行うように構成されている、条項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【0101】
10.前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失であり、前記第4の電気的特性が、前記電力供給信号によって生成される供給電力である、条項9に記載のシステム。
【0102】
11.前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電流損失であり、前記第4の電気的特性が、前記電力供給信号の供給電流である、条項9に記載のシステム。
【0103】
12.前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記無線充電式電池に統合された電池コントローラを含み、前記電池コントローラは、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を測定することと、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから前記第3および第4の電気的特性を受信することと、
前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、を行うように構成されている、条項9から11のいずれか1項に記載のシステム。
【0104】
13.前記無線充電デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記無線充電デバイスに統合された充電器コントローラを含み、前記充電器コントローラは、
前記第3の電気的特性を決定することと、
前記第4の電気的特性を測定することと、
前記第3および第4の電気的特性を、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記電池コントローラに伝達することと、を行うように構成されている、条項12に記載のシステム。
【0105】
14.前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記無線充電式電池に統合された電池コントローラを含み、前記電池コントローラは、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を測定することと、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記第1および第2の電気的特性を、前記無線充電デバイスに伝達することと、を行うように構成されている、条項9から11のいずれか1項に記載のシステム。
【0106】
15.前記無線充電デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記無線充電デバイスに統合された充電器コントローラを含み、前記充電器コントローラは、
前記第1および第2の電気的特性を受信することと、
前記第3の電気的特性を決定することと、
前記第4の電気的特性を測定することと、
前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、を行うように構成されている、条項14に記載のシステム。
【0107】
16.前記無線充電デバイスが、前記第3の電気的特性を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すように構成されていることによって、前記第3の電気的特性を決定するように構成されている、条項9から15のいずれか1項に記載のシステム。
【0108】
17.前記少なくとも1つのコントローラが、
前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、第5の電気的特性として、前記システムの予測電気消費量を決定することと、
前記第5の電気的特性と前記第4の電気的特性との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記第5の電気的特性と前記第4の電気的特性との間の前記差が、前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電デバイスに近接していると判定することと、を行うように構成されていることによって、前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定するように構成されている、条項9から16のいずれか1項に記載のシステム。
【0109】
18.前記少なくとも1つのコントローラが、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、を行うように構成されている、条項1から17のいずれか1項に記載のシステム。
【0110】
19.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、前記少なくとも1つのコントローラが、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行するように構成されており、前記異物検出サイクルの各々において、前記少なくとも1つのコントローラが、
前記無線充電式電池を前記第2の構成に切り替えることと、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、を行うように構成されており、
前記充電サイクルの各々において、前記少なくとも1つのコントローラが、前記無線充電式電池を前記第1の構成に切り替えるように構成されている、条項1から18のいずれか1項に記載のシステム。
【0111】
20.前記少なくとも1つのコントローラが、1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガするように構成されている、条項19に記載のシステム。
【0112】
21.前記1つまたは複数の所定のイベントが、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることを含む、条項20に記載のシステム。
【0113】
22.前記1つまたは複数の所定のイベントが、最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過を含む、条項20または21に記載のシステム。
【0114】
23.前記1つまたは複数の所定のイベントが、最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大を含む、条項20から22のいずれか1項に記載のシステム。
【0115】
24.無線充電デバイスであって、
前記無線充電式電池が送信コイルに近接しているとき、電力を無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源と、
前記電力供給信号の第1の電気的特性を決定することと、
第2の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、を行うように構成されている、
少なくとも1つのコントローラと
を備える、無線充電デバイス。
【0116】
25.前記第1の電気的特性が、前記電力供給信号によって提供される供給電力であって、前記第2の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失である、条項24に記載の無線充電デバイス。
【0117】
26.前記第1の電気的特性が、前記電力供給信号の供給電流であって、前記第2の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電流損失である、条項24に記載の無線充電デバイス。
【0118】
27.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電式電池の第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのコントローラが、
前記第1および第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から、第3の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失と、前記無線充電式電池の電気負荷の第4の電気的特性と、を受信することと、
前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、を行うように構成されている、条項24から26のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0119】
28.前記第3の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失であり、前記第4の電気的特性が、前記電気負荷によって消散される電力である、条項27に記載の無線充電デバイス。
【0120】
29.前記第3の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電流損失であり、前記第4の電気的特性が、前記電気負荷を通る電流である、条項27に記載の無線充電デバイス。
【0121】
30.前記第2の電気的特性を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのコントローラが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すように構成されていることによって、前記第2の電気的特性を決定するように構成される、条項24から29のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0122】
31.前記少なくとも1つのコントローラが、
前記第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、第5の電気的特性として、前記システムの予測電気消費量を決定することと、
前記第5の電気的特性と前記第1の電気的特性との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記第5の電気的特性と前記第1の電気的特性との間の前記差が、前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、前記異物が前記無線充電デバイスに近接していると決定することと、を行うように構成されていることによって、前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定するように構成されている、条項24から30のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0123】
32.前記少なくとも1つのコントローラが、異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化するように構成されている、条項24から31のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0124】
33.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、前記少なくとも1つのコントローラが、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行するように構成されており、前記異物検出サイクルの各々において、前記少なくとも1つのコントローラが、
前記電力供給信号の前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、充電を無効化することと、を行うように構成されている、条項24から32のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0125】
34.前記少なくとも1つのコントローラが、1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して前記異物検出サイクルの各々をトリガするように構成されている、条項33に記載の無線充電デバイス。
【0126】
35.前記1つまたは複数の所定のイベントが、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることを含む、条項34に記載の無線充電デバイス。
【0127】
36.前記1つまたは複数の所定のイベントが、最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過を含む、条項34または35に記載の無線充電デバイス。
【0128】
37.前記1つまたは複数の所定のイベントが、最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大を含む、条項34から36のいずれか1項に記載の無線充電デバイス。
【0129】
38.無線充電デバイスと無線充電式電池とを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法であって、前記無線充電式電池は、受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているときに前記無線充電デバイスから電力を受信するための受信コイルと、1つまたは複数の電池セルと、電気負荷とを有し、前記方法は、
前記受信コイルが、電力を前記電気負荷に供給するために前記電気負荷に接続され、前記1つまたは複数の電池セルから切り離される第1の構成に、前記無線充電式電池を切り替えることと、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記第1の構成にある場合、前記電気負荷の第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを含む、方法。
【0130】
39.前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、前記測定電圧に基づいて前記第1の電気的特性を決定することが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて前記第1の電気的特性を決定することを含む、条項38に記載の方法。
【0131】
40.第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと、
前記無線充電デバイスによって生成される電力供給信号の第4の電気的特性を決定することと、
前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとをさらに含む、条項38または39に記載の方法。
【0132】
41.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電式電池が、前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、
前記無線充電式電池によって、前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を、測定することと、
前記無線充電式電池によって、前記測定電圧に基づいて、前記第1の電気的特性を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから前記第3および第4の電気的特性を受信することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとをさらに含む、条項40に記載の方法。
【0133】
42.前記無線充電デバイスによって、前記第3の電気的特性を決定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第4の電気的特性を測定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記第3および第4の電気的特性を前記無線充電式電池に伝達することとをさらに含む、条項41に記載の方法。
【0134】
43.前記無線充電式電池は、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、
前記無線充電式電池によって、前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することと、
前記無線充電式電池によって、前記測定電圧に基づいて前記第1の電気的特性を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記第2の電気的特性を測定することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記第1および第2の電気的特性を前記無線充電デバイスに伝達することとをさらに含む、条項40に記載の方法。
【0135】
44.前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記第1および第2の電気的特性を受信することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第3の電気的特性を決定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第4の電気的特性を測定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、をさらに含む、条項43に記載の方法。
【0136】
45.前記無線充電デバイスが、前記第3の電気的特性を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、前記第3の電気的特性を決定することが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すことを含む、条項40から44のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
46.前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することが、
前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、第5の電気的特性として、前記システムの予測電気消費量を決定することと、
前記第5の電気的特性と前記第4の電気的特性との間の差が、所定の閾値を上回るか否かを判定することと、
前記第5の電気的特性と前記第4の電気的特性との間の差が、前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、前記異物が前記無線充電デバイスに近接していると決定することと、を含む、条項40から45のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
47.異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記無線充電式電池を、前記受信コイルが前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続され、前記電気負荷から切り離される、第2の構成に切り替えることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、をさらに含む、条項38から46のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
48.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行することをさらに含み、前記異物検出サイクルの各々が、
前記無線充電式電池を前記第1の構成に切り替えることと、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて、前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、を含み、
前記充電サイクルの各々が、前記無線充電式電池を、前記受信コイルが前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続され、前記電気負荷から切り離される、第2の構成に切り替えることを含む、条項38から47のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
49.1つまたは複数の所定のイベントの発生を監視することと、
前記1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガすることと、をさらに含む、条項48に記載の方法。
【0141】
50.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれたとの判定に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項49に記載の方法。
【0142】
51.最終の異物検出サイクルから所定時間が経過したとの判定に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項49または50に記載の方法。
【0143】
52.最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項49から51のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
53.無線充電式電池が送信コイルに近接しているとき、前記無線充電式電池に電力を送信するための前記送信コイルと、前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備える無線充電デバイスに近接している異物を検出する方法であって、
前記電力供給信号の第1の電気的特性を決定することと、
第2の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することとを含む、方法。
【0145】
54.前記無線充電デバイスが、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているときに前記無線充電式電池の第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、
前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の電気的特性を決定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から、第3の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失と、前記無線充電式電池の電気負荷の第4の電気的特性と、を受信することと、
前記無線充電デバイスによって、前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、をさらに含む、条項53に記載の方法。
【0146】
55.前記無線充電デバイスが、前記第2の電気的特性を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスをさらに備え、前記第2の電気的特性を決定することが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すことを含む、条項53または54に記載の方法。
【0147】
56.前記第1、第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、前記異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することが、
前記第2、第3、および第4の電気的特性に基づいて、第5の電気的特性として、前記システムの予測電気消費量を決定することと、
前記第5の電気的特性と前記第1の電気的特性との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記第5の電気的特性と前記第1の電気的特性との間の前記差が、前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、前記異物が前記無線充電デバイスに近接していると決定することと、を含む、条項54に記載の方法。
【0148】
57.異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することをさらに含む、条項53から56のいずれか1項に記載の方法。
【0149】
58.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行することをさらに含み、前記異物検出サイクルの各々が、
前記電力供給信号の前記第1の電気的特性を決定することと、
前記第2の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、異物が前記無線充電デバイスに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、を含む、条項53から57のいずれか1項に記載の方法。
【0150】
59.1つまたは複数の所定のイベントの発生を監視することと、
前記1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガすることと、をさらに含む、条項58に記載の方法。
【0151】
60.前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれたとの判定に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項58または59に記載の方法。
【0152】
61.最終の異物検出サイクルから所定時間が経過したとの判定に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項58から60のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
62.最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、条項58から61のいずれか1項に記載の方法。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
異物を検出するための無線充電システムであって、
前記無線充電システムの実電気消費量を決定するように構成された第1のコントローラを備える無線充電デバイスと、
前記無線充電デバイスに近接しているとき、無線充電デバイスから電力を受信する無線充電式電池であって、前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定するように構成された第2のコントローラを備える無線充電式電池と
を備え、
前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、または前記第1および第2のコントローラの組み合わせが、
前記測定電圧に基づいて前記無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、無線充電システム。
[請求項2]
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、前記電力供給信号の電気的特性を測定するように構成されていることによって、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定するように構成されている、請求項1に記載の無線充電システム。
[請求項3]
前記無線充電式電池が、
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
前記受信コイルに接続され、前記受信コイルから第1の電圧を受信し、前記第1の電圧から第2の電圧を生成するように構成されている電圧整流器と、
前記電圧整流器に接続され、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信し、前記第2の電圧から第3の電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータと、
前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信するように構成された1つまたは複数の電池セルとを備え、
前記無線充電式電池内で前記測定された誘導電圧が、前記第2の電圧である、請求項1または2に記載の無線充電システム。
[請求項4]
前記無線充電式電池が、
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
1つまたは複数の電池セルと、
電気負荷とを備え、
前記第2のコントローラが、前記無線充電式電池を、前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されている充電構成と、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されている異物検出構成と、の間で切り替えるように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項5]
前記電気負荷が、前記充電構成において前記1つまたは複数の電池セルに供給される最大電力と実質的に等しい電力量を消散するようにサイズ設定された少なくとも1つの抵抗器を備える、請求項4に記載の無線充電システム。
[請求項6]
前記少なくとも1つの抵抗器が、8.3オームの合成抵抗を有する、請求項5に記載の無線充電システム。
[請求項7]
前記第2のコントローラが、
前記測定電圧に基づいて、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記異物検出構成にある場合、第2の電気的特性として、前記電気負荷に供給される信号の電気的特性を決定することと
を行うように構成されており、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量が、前記第1および第2の電気的特性に基づいて決定される、請求項4から6のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項8]
前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記第2のコントローラが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、請求項7に記載の無線充電システム。
[請求項9]
前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、
前記第2のコントローラが、前記較正データ内の前記測定電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定することによって、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定するように構成されている、請求項8に記載の無線充電システム。
[請求項10]
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、
前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
前記電力供給信号の前記電気的特性を前記無線充電システムの前記実電気消費量として設定することと、
第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと
を行うように構成されており、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量が、前記第3の電気的特性に基づいてさらに決定される、請求項7から9のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項11]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第2のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから前記第3の電気的特性、および前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと、
前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項10に記載の無線充電システム。
[請求項12]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第1のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記受信データおよび第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項10に記載の無線充電システム。
[請求項13]
前記無線充電デバイスが、
電力を前記無線充電式電池に送信するための送信コイルと、
前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成された電源とを備え、
前記第1のコントローラが、
前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの電気損失を決定することと、
前記電力供給信号の前記電気的特性、および前記第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定することと
を行うように構成されていることによって、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定するように構成されている、請求項7から9のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項14]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第2のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから、前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項13に記載の無線充電システム。
[請求項15]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを備え、前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記第1の通信デバイスと通信するための第2の通信デバイスを備え、
前記第1のコントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記受信データに基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている、請求項13に記載の無線充電システム。
[請求項16]
前記無線充電デバイスが、前記無線充電デバイスの前記電気損失を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記第1のコントローラが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すように構成されていることによって、前記無線充電デバイスの前記電気損失を決定するように構成されている、請求項10から15のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項17]
前記第1のコントローラまたは前記第2のコントローラが、
前記実電気消費量と、前記予測電気消費量との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電システムに近接していると決定することと
を行うように構成されている、請求項1から16のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項18]
前記第1のコントローラまたは前記第2のコントローラが、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
を行うように構成されている、請求項1から17のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項19]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、前記第1および第2のコントローラが、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行するように構成されており、
前記異物検出サイクルの各々において、前記第1または第2のコントローラが、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
を行うように構成されている、請求項1から18のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項20]
前記第1または第2のコントローラが、1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガするように構成されている、請求項19に記載の無線充電システム。
[請求項21]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることを含む、請求項20に記載の無線充電システム。
[請求項22]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過を含む、請求項20または21に記載の無線充電システム。
[請求項23]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大を含む、請求項20から21のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項24]
前記予測電気消費量が、前記無線充電システムの予測電力消費量であり、前記実電気消費量が、前記無線充電システムの実電力消費量である、請求項1から23のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項25]
前記予測電気消費量が、前記無線充電システムの予測電力消費量に相当する前記無線充電システムを通る電流であり、前記実電気消費量が、前記無線充電システムの実電力消費量に相当する前記無線充電システムを通る電流である、請求項1から23のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項26]
前記電力供給信号の前記電気的特性が、前記電力供給信号の電力である、請求項2および10から15のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項27]
前記電力供給信号の前記電気的特性が、前記電力供給信号の電流である、請求項2および10から15のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項28]
前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷によって消散される電力であり、前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失である、請求項10から16のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項29]
前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失に相当する電流であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷を通る電流であり、前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失に相当する電流である、請求項10から16のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項30]
無線充電式電池と、前記無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき、電力を前記無線充電式電池に送信する前記無線充電デバイスと、を含む無線充電システムに近接している異物を検出するための無線充電式電池であって、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記測定電圧に基づいて前記無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されたコントローラを備える、無線充電式電池。
[請求項31]
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
前記受信コイルに接続され、前記受信コイルから第1の電圧を受信し、前記第1の電圧から第2の電圧を生成するように構成されている電圧整流器と、
前記電圧整流器に接続され、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信し、前記第2の電圧から第3の電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータと、
前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信するように構成された1つまたは複数の電池セルと
をさらに備え、
前記測定された前記無線充電式電池内の誘導電圧が、前記第2の電圧である、請求項30に記載の無線充電式電池。
[請求項32]
受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、
1つまたは複数の電池セルと、
電気負荷とをさらに備え、
前記コントローラが、前記無線充電式電池を、前記受信コイルが前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されている充電構成と、前記受信コイルが前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されている異物検出構成と、の間で切り替えるように構成されている、請求項30または31に記載の無線充電式電池。
[請求項33]
前記電気負荷が、前記充電構成において前記1つまたは複数の電池セルに供給される最大電力と実質的に等しい電力量を消散するようにサイズ設定された少なくとも1つの抵抗器を備える、請求項32に記載の無線充電式電池。
[請求項34]
前記少なくとも1つの抵抗器が、8.3オームの合成抵抗を有する、請求項33に記載の無線充電式電池。
[請求項35]
前記無線充電式電池は、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、
前記コントローラが、
前記測定電圧に基づいて、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記異物検出構成にある場合、第2の電気的特性として、前記電気負荷に供給される信号の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと
を行うように構成されている、請求項32から34のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項36]
前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスをさらに備え、
前記コントローラが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第2の電気的特性を決定するように構成されている、請求項35に記載の無線充電式電池。
[請求項37]
前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、
前記コントローラが、前記較正データ内の前記測定電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定するように構成されていることによって、前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第2の電気的特性を決定するように構成されている、請求項36に記載の無線充電式電池。
[請求項38]
前記コントローラが、
前記第1および第2の通信デバイスを通して、第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を受信することと、
前記実電気消費量は前記無線充電デバイスによって提供された電力供給信号の測定された電気的特性であり、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと
を行うようにさらに構成されており、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量の決定は、前記第3の電気的特性にさらに基づく、請求項35から37のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項39]
前記コントローラが、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信するようにさらに構成され、
前記実電気消費量が、前記無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の測定された電気的特性、および前記無線充電デバイスの予測電気損失である第3の電気的特性に基づく、請求項35から37のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項40]
前記コントローラが、
前記実電気消費量と、前記実電気消費量との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電デバイスに近接していると決定することと
を行うように構成されている、請求項30から39のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項41]
前記コントローラが、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
を行うように構成されている、請求項30から40のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項42]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、前記コントローラが、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行するように構成されており、
前記異物検出サイクルの各々において、前記コントローラが、
前記予測電気消費量および前記実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
を行うように構成されている、請求項30から41のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項43]
前記コントローラが、1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガするように構成されている、請求項42に記載の無線充電式電池。
[請求項44]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることを含む、請求項43に記載の無線充電式電池。
[請求項45]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過を含む、請求項43から44のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項46]
前記1つまたは複数の所定のイベントは、最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大を含む、請求項43から45のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項47]
前記予測電気消費量が、前記無線充電システムの予測電力消費量であり、前記実電気消費量が、前記無線充電システムの実電力消費量である、請求項30から46のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項48]
前記予測電気消費量が、前記無線充電システムの予測電力消費量に相当する前記無線充電システムを通る電流であり、前記実電気消費量が、前記無線充電システムの実電力消費量に相当する前記無線充電システムを通る電流である、請求項30から46のいずれか1項に記載の無線充電式電池。
[請求項49]
前記電力供給信号の前記電気的特性が、前記電力供給信号の電力である、請求項38または39に記載の無線充電式電池。
[請求項50]
前記電力供給信号の前記電気的特性が、前記電力供給信号の電流である、請求項38または39に記載の無線充電式電池。
[請求項51]
前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷によって消散される電力であり、前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失である、請求項38または39に記載の無線充電式電池。
[請求項52]
前記第1の電気的特性が、前記無線充電式電池の予測電力損失に相当する電流であり、前記第2の電気的特性が、前記電気負荷を通る電流であり、前記第3の電気的特性が、前記無線充電デバイスの予測電力損失に相当する電流である、請求項38または39に記載の無線充電式電池。
[請求項53]
無線充電デバイスと、無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接しているとき前記無線充電デバイスから電力を受信する前記無線充電式電池とを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法であって、
前記無線充電デバイスによって、前記無線充電システムの実電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記無線充電デバイス、前記無線充電式電池、または前記無線充電デバイスと前記無線充電式電池の組み合わせによって、前記測定電圧に基づいて、前記無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電デバイス、前記無線充電式電池、または前記無線充電デバイスと前記無線充電式電池の組み合わせによって、前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を含む、方法。
[請求項54]
前記無線充電デバイスが、前記無線充電式電池に電力を送信するための送信コイルと、前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成されている電源とを備え、
前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定することが、前記電力供給信号の電気的特性を測定することを含む、請求項53に記載の方法。
[請求項55]
前記無線充電式電池が、受信コイルと、前記受信コイルに接続された電圧整流器と、前記電圧整流器に接続された電圧レギュレータと、1つまたは複数の電池セルとを備え、
前記受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記受信コイルによって、前記無線充電デバイスから電力を受信することと、
前記電圧整流器によって、前記受信コイルから第1の電圧を受信することと、
前記電圧整流器によって、前記第1の電圧から第2の電圧を出力することと、
前記電圧レギュレータによって、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信することと、
前記電圧レギュレータによって、前記第2の電圧から第3の電圧を出力することと、
前記1つまたは複数の電池セルによって、前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信することと
をさらに含み、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することが、前記第2の電圧を測定することを含む、請求項53または54に記載の方法。
[請求項56]
前記無線充電式電池が、受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、1つまたは複数の電池セルと、電気負荷とを備え、
前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されている充電構成と、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されている異物検出構成と、の間で前記無線充電式電池を切り替えることをさらに含む、請求項53から55のいずれか1項に記載の方法。
[請求項57]
前記測定電圧に基づいて、前記無線充電式電池によって、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記異物検出構成にある場合、前記無線充電式電池によって、第2の電気的特性として、前記電気負荷に供給される信号の電気的特性を決定することと、
前記第1および第2の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと
をさらに含む、請求項56に記載の方法。
[請求項58]
前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記測定電圧に基づいて前記第1の電気的特性を決定することが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて前記第1の電気的特性を決定することを含む、請求項57に記載の方法。
[請求項59]
前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、
前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定することが、前記較正データ内の前記測定電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定することを含む、請求項57に記載の方法。
[請求項60]
前記無線充電デバイスが、前記無線充電式電池に電力を送信するための送信コイルと、前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成されている電源とを備え、
前記無線充電デバイスによって、前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記電力供給信号の前記電気的特性を前記無線充電システムの前記実電気消費量として設定することと、
前記無線充電デバイスによって、第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を決定することと
をさらに含み、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することが、前記第3の電気的特性にさらに基づく、請求項57から59のいずれか1項に記載の方法。
[請求項61]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを含み、前記無線充電式電池が、第2の通信デバイスを含み、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから前記第3の電気的特性、および前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
をさらに含む、請求項60に記載の方法。
[請求項62]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを含み、前記無線充電式電池が、第2の通信デバイスを含み、
前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記第1、第2、および第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
をさらに含む、請求項60に記載の方法。
[請求項63]
前記無線充電デバイスが、前記無線充電式電池に電力を送信するための送信コイルと、前記送信コイルに接続され、前記送信コイルに電力供給するための電力供給信号を生成するように構成されている電源とを備え、
前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定することが、
前記無線充電デバイスによって、前記電力供給信号の電気的特性を測定することと、
前記無線充電デバイスによって、第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの電気損失を決定することと、
前記無線充電デバイスによって、前記電力供給信号の前記電気的特性、および前記第3の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記実電気消費量を決定することとを含む、請求項57から59のいずれか1項に記載の方法。
[請求項64]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを含み、前記無線充電式電池が、第2の通信デバイスを含み、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電デバイスから前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
をさらに含む、請求項63に記載の方法。
[請求項65]
前記無線充電デバイスが、第1の通信デバイスを含み、前記無線充電式電池が、第2の通信デバイスを含み、
前記無線充電デバイスによって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電式電池から前記第1および第2の電気的特性を示すデータを受信することと、
前記無線充電デバイスによって、前記受信データに基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
をさらに含む、請求項63に記載の方法。
[請求項66]
前記無線充電デバイスが、前記無線充電デバイスの前記電気損失を示す較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを含み、
前記無線充電デバイスの前記電気損失を決定することが、前記不揮発性記憶デバイスから前記較正データを読み出すことを含む、請求項60から65のいずれか1項に記載の方法。
[請求項67]
前記実電気消費量と、前記予測電気消費量との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電デバイスに近接していると決定することと
をさらに含む、請求項53から66のいずれか1項に記載の方法。
[請求項68]
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
をさらに含む、請求項53から67のいずれか1項に記載の方法。
[請求項69]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実施することをさらに含み、
前記異物検出サイクルの各々が、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することとを含む、請求項53から68のいずれか1項に記載の方法。
[請求項70]
1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガすることをさらに含む、請求項69に記載の方法。
[請求項71]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることの検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、請求項69または70に記載の方法。
[請求項72]
最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過の検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの少なくとも1つをトリガすることをさらに含む、請求項69から71のいずれか1項に記載の方法。
[請求項73]
最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大の検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの少なくとも1つをトリガすることをさらに含む、請求項69から72のいずれか1項に記載の方法。
[請求項74]
無線充電式電池と、前記無線充電式電池が無線充電デバイスに近接しているとき前記無線充電式電池に電力を送信する無線充電デバイスとを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法であって、
前記無線充電式電池によって、前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の誘導電圧を測定することと、
前記無線充電式電池によって、前記測定電圧に基づいて前記無線充電システムの予測電気消費量を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記無線充電システムの前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を含む、方法。
[請求項75]
前記無線充電式電池が、受信コイルと、前記受信コイルに接続された電圧整流器と、前記電圧整流器に接続された電圧レギュレータと、1つまたは複数の電池セルとを備え、
前記受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記受信コイルによって、前記無線充電デバイスから電力を受信することと、
前記電圧整流器によって、前記受信コイルから第1の電圧を受信することと、
前記電圧整流器によって、前記第1の電圧から第2の電圧を出力することと、
前記電圧レギュレータによって、前記電圧整流器から前記第2の電圧を受信することと、
前記電圧レギュレータによって、前記第2の電圧から第3の電圧を出力することと、
前記1つまたは複数の電池セルによって、前記電圧レギュレータから前記第3の電圧を受信することと
をさらに含み、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の前記誘導電圧を測定することが、前記第2の電圧を測定することを含む、請求項74に記載の方法。
[請求項76]
前記無線充電式電池が、受信コイルが前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスから電力を受信するための前記受信コイルと、1つまたは複数の電池セルと、電気負荷とを備え、
前記受信コイルが、前記1つまたは複数の電池セルを充電するために前記1つまたは複数の電池セルに接続されており、前記電気負荷から切り離されている充電構成と、前記受信コイルが、前記電気負荷に電力を供給するために前記電気負荷に接続されており、前記1つまたは複数の電池セルから切り離されている異物検出構成と、の間で前記無線充電式電池を切り替えることをさらに含む、請求項74または75に記載の方法。
[請求項77]
前記無線充電式電池が、前記無線充電デバイスの第2の通信デバイスと通信するための第1の通信デバイスを備え、
前記測定電圧に基づいて、前記無線充電式電池によって、第1の電気的特性として、前記無線充電式電池の予測電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池が前記異物検出構成にある場合、前記無線充電式電池によって、第2の電気的特性として、前記電気負荷に供給される信号の電気的特性を決定することと、
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の電気的特性に基づいて、前記無線充電システムの前記予測電気消費量を決定することと
をさらに含む、請求項76に記載の方法。
[請求項78]
前記無線充電式電池が、前記無線充電式電池に特有の較正データを記憶する不揮発性記憶デバイスを備え、
前記測定電圧に基づいて前記第1の電気的特性を決定することが、前記測定電圧および前記較正データに基づいて前記第1の電気的特性を決定することを含む、請求項77に記載の方法。
[請求項79]
前記較正データが、前記無線充電式電池の無線充電デバイスに対する位置の変化に対応する前記無線充電式電池の予測電気損失の変化を示し、前記予測電気損失の各々が、前記較正データ内の異なる電圧に関連付けられており、
前記測定電圧および前記較正データに基づいて、前記第1の電気的特性を決定することが、前記較正データ内の前記測定電圧に関連付けられた前記較正データで示された前記予測電気損失のうちの1つを決定することを含む、請求項78に記載の方法。
[請求項80]
前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、第3の電気的特性として、前記無線充電デバイスの予測電気損失を受信することと、
前記実電気消費量は、前記無線充電デバイスによって提供された電力供給信号の測定された電気的特性であり、前記無線充電式電池によって、前記第1および第2の通信デバイスを通して、前記無線充電システムの前記実電気消費量を受信することと
をさらに含み、
前記無線充電システムの前記予測電気消費量の決定は、前記第3の電気的特性にさらに基づく、請求項77から79のいずれか1項に記載の方法。
[請求項81]
前記無線充電システムの前記実電気消費量をさらに備え、前記実電気消費量が、前記第1および第2の通信デバイスを通して前記無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の測定された電気的特性、および前記無線充電デバイスの予測電気損失である第3の電気的特性に基づく、請求項77から79のいずれか1項に記載の方法。
[請求項82]
前記実電気消費量と、前記実電気消費量との間の差が、所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、異物が前記無線充電システムに近接していると決定することと
をさらに含む、請求項74から81のいずれか1項に記載の方法。
[請求項83]
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、充電サイクルをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと
をさらに含む、請求項74から82のいずれか1項に記載の方法。
[請求項84]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルによって合間が占有される異物検出サイクルを実行することをさらに含み、
前記異物検出サイクルの各々が、
前記予測電気消費量および実電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
異物が前記無線充電デバイスに近接していないとの判定に応答して、前記充電サイクルのうちの1つをトリガすることと、
異物が前記無線充電デバイスに近接しているとの判定に応答して、前記無線充電式電池の充電を無効化することと、を含む、請求項74から83のいずれか1項に記載の方法。
[請求項85]
1つまたは複数の所定のイベントのうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記異物検出サイクルの各々をトリガすることをさらに含む、請求項84に記載の方法。
[請求項86]
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることの検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの1つをトリガすることをさらに含む、請求項84または85に記載の方法。
[請求項87]
最終の異物検出サイクルからの所定時間の経過の検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの少なくとも1つをトリガすることをさらに含む、請求項84から86のいずれか1項に記載の方法。
[請求項88]
最終の異物検出サイクルからの前記無線充電デバイスによる供給電力の所定の増大の検出に応答して、前記異物検出サイクルのうちの少なくとも1つをトリガすることをさらに含む、請求項84から87のいずれか1項に記載の方法。
[請求項89]
異物を検出するための無線充電システムであって、
無線充電式電池と、
前記無線充電式電池が送信コイルに近接して置かれているとき、前記無線充電式電池を充電するための前記送信コイルを含む無線充電デバイスと、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの前記送信コイルから第1の距離に置かれることに応答して、
前記第1の距離に対応する前記無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、
前記第1の予測電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの前記送信コイルから前記第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、
前記第2の距離に対応する前記無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、
前記第2の予測電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を行うように構成されている少なくとも1つのコントローラと
を備える、無線充電システム。
[請求項90]
無線充電式電池と、前記無線充電式電池が送信コイルに近接して置かれているとき前記無線充電式電池を充電するための送信コイルを有する無線充電デバイスとを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための方法であって、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの前記送信コイルから第1の距離に置かれることに応答して、
前記第1の距離に対応する前記無線充電システムの第1の予測電気消費量を決定することと、
前記第1の予測電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスの前記送信コイルから前記第1の距離と異なる第2の距離に置かれることに応答して、
前記第2の距離に対応する前記無線充電システムの第2の予測電気消費量を決定することと、
前記第2の予測電気消費量に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を含む、方法。
[請求項91]
無線充電式電池および無線充電デバイスを含む無線充電システムに近接している異物を検出するための前記無線充電式電池を較正するための方法であって、前記無線充電デバイスが送信コイルを備え、前記無線充電式電池が、受信コイルと、前記受信コイルに接続された電気負荷と、不揮発性記憶デバイスとを備え、
前記方法は、
前記受信コイルが前記送信コイルから第1の距離に位置するように、前記無線充電式電池を前記無線充電デバイスに近接して置くことと、
前記受信コイルが前記送信コイルから第1の距離に位置するように、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれている間に、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の第1の誘導電圧を測定することと、
前記電気負荷に供給される信号の第1の電気的特性、および前記無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の第1の電気的特性を測定することと、
前記電気負荷の前記第1の電気的特性、前記無線充電デバイスによって提供される前記電力供給信号の前記第1の電気的特性、および前記無線充電デバイスの予測電気損失に基づいて、前記無線充電式電池の第1の電気損失を決定することと、
前記受信コイルが前記送信コイルから前記第1の距離と異なる第2の距離に位置するように、前記無線充電式電池を前記無線充電デバイスに近接して置くことと、
前記受信コイルが前記送信コイルから第2の距離に位置するように、前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれている間に、
前記無線充電デバイスによる前記無線充電式電池内の第2の誘導電圧を測定することと、
前記電気負荷に供給される信号の第2の電気的特性、および前記無線充電デバイスによって提供される前記電力供給信号の第2の電気的特性を測定することと、
前記電気負荷の前記第2の電気的特性、前記無線充電デバイスによって提供される前記電力供給信号の前記第2の電気的特性、および前記無線充電デバイスの前記予測電気損失に基づいて、前記無線充電式電池の第2の電気損失を決定することと、
前記無線充電式電池の前記第1の電気損失、前記無線充電式電池の前記第2の電気損失、前記第1の測定電圧、および前記第2の測定電圧に基づいて、前記無線充電式電池用の較正データを生成することと、
前記無線充電式電池の前記不揮発性記憶デバイス内に前記較正データを記憶することと
を含む、方法。
[請求項92]
異物を検出するための無線充電システムであって、
無線充電デバイスと、
無線充電式電池が1つまたは複数の電池セルを充電するために前記無線充電デバイスに近接しているとき、前記無線充電デバイスからの受信電力から充電されるように構成された前記1つまたは複数の電池セルを備える前記無線充電式電池と、
少なくとも1つのコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記無線充電式電池が前記無線充電デバイスに近接して置かれることに応答して、充電サイクルを開始することと、
前記充電サイクル中に、前記無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の電気的特性を監視することと、
前記監視される電気的特性に基づいて異物検出サイクルをトリガすることと
を行うように構成されている、無線充電システム。
[請求項93]
前記監視される電気的特性が、前記電力供給信号によって提供される電力である、請求項92に記載の無線充電システム。
[請求項94]
前記監視される電気的特性が、前記電力供給信号の電流である、請求項92に記載の無線充電システム。
[請求項95]
前記少なくとも1つのコントローラが、
前記監視される電気的特性を所定の閾値と比較することと、
前記比較に基づいて前記異物検出サイクルをトリガすることと
を行うように構成されることによって、前記監視される電気的特性に基づく前記異物検出サイクルをトリガするように構成されている、請求項92から94のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項96]
前記少なくとも1つのコントローラが、
前記電気的特性の現在のレベルと、前記充電サイクルの開始時の前記電気的特性のレベルとの間の差を決定することと、
前記差が、前記所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であるとの判定に応答して、前記異物検出サイクルをトリガすることと
を行うように構成されている、請求項95に記載の無線充電システム。
[請求項97]
前記少なくとも1つのコントローラが、前記充電サイクルの開始前に、異物検出サイクルを実行するように構成されている、請求項92から96のいずれか1項に記載の無線充電システム。
[請求項98]
1つまたは複数の電池セルを有する無線充電式電池と、前記無線充電式電池の前記1つまたは複数の電池セルを充電するための無線充電デバイスとを備える無線充電システムに近接している異物を検出するための方法であって、
前記無線充電デバイスに近接して前記無線充電式電池を置くことと、
充電サイクルを開始することと、
前記充電サイクル中に、前記無線充電デバイスによって提供される電力供給信号の電気的特性を監視することと、
前記監視される電気的特性に基づいて異物検出サイクルをトリガすることと
を含む、方法。
[請求項99]
前記充電サイクル中に前記1つまたは複数の電池セルに提供される電力信号の電気的特性を監視することが、前記充電サイクル中に前記電力信号によって提供される電力を決定することを含む、請求項98に記載の方法。
[請求項100]
前記充電サイクル中に前記1つまたは複数の電池セルに提供される電力信号の電気的特性を監視することが、前記充電サイクル中に前記電力信号の電流を決定することを含む、請求項98に記載の方法。
[請求項101]
前記監視される電気的特性に基づいて前記異物検出サイクルをトリガすることが、
前記電気的特性を所定の閾値と比較することと、
前記比較に基づいて前記異物検出サイクルをトリガすることと
を含む、請求項98から100のいずれか1項に記載の方法。
[請求項102]
前記電気的特性の現在のレベルと、前記充電サイクルの開始時の前記電気的特性の初期レベルとの間の差を決定することと、
前記差が、前記所定の閾値以上であるか否かを判定することと、
前記差が前記所定の閾値以上であることに応答して、前記異物検出サイクルをトリガすることと
をさらに含む、請求項101に記載の方法。
[請求項103]
前記異物検出サイクルが、
前記異物検出サイクル中の前記無線充電システムの実電気消費量を、前記無線充電システムの予測電気消費量と比較することと、
前記比較に基づいて、異物が前記無線充電システムに近接しているか否かを判定することと
を含む、請求項98から102のいずれか1項に記載の方法。
[請求項104]
前記充電サイクルの開始前に、異物検出サイクルを実行することをさらに含む、請求項98から103のいずれか1項に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9