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7645242対向ピストン内燃エンジンを伴うハイブリッド駆動システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】対向ピストン内燃エンジンを伴うハイブリッド駆動システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/34 20071001AFI20250306BHJP
   F02B 75/24 20060101ALI20250306BHJP
   F02B 75/28 20060101ALI20250306BHJP
   F02F 1/00 20060101ALI20250306BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20250306BHJP
   B60K 6/28 20071001ALI20250306BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20250306BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20250306BHJP
   B60K 6/36 20071001ALI20250306BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20250306BHJP
【FI】
B60K6/34
F02B75/24
F02B75/28 E
F02F1/00 Q
B60K6/26 ZHV
B60K6/28
B60K6/46
B60K6/40
B60K6/36
B60K6/54
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022512369
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 US2020046850
(87)【国際公開番号】W WO2021041092
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】16/555,952
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506405644
【氏名又は名称】アカーテース パワー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルドン,ファビアン,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】サルヴィ,アシュウィン,エー.
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0054781(US,A1)
【文献】国際公開第2007/010186(WO,A1)
【文献】特開2017-193209(JP,A)
【文献】米国特許第02401188(US,A)
【文献】特開平03-143201(JP,A)
【文献】特開平08-308019(JP,A)
【文献】特表2017-501325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
F02B 75/24 - 75/28
F02F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド駆動システムであって、
少なくとも1つのシリンダと、前記シリンダのボア内に配置されて前記シリンダ内で対向して摺動する一対のピストンとを備える対向ピストン内燃エンジンと、
前記対向ピストン内燃エンジンによって駆動されるように結合されるパワートランスデューサ装置と、
前記パワートランスデューサ装置から電力を受けるように構成されるハイブリッドパワートレインシステムと、
を備え
前記ハイブリッドパワートレインシステムが、バッテリ装置および第1の電気モータ/発電機装置を備え、前記パワートランスデューサ装置が、第2の電気モータ/発電機装置を備え、
前記対向ピストン内燃エンジンは、第1のクランクシャフトと、第2のクランクシャフトと、を備え、
前記パワートランスデューサ装置は、第3の電気モータ/発電機装置を更に備え、
前記第2の電気モータ/発電機装置のモータシャフトが前記第1のクランクシャフトに結合され、前記第3の電気モータ/発電機装置のモータシャフトが前記第2のクランクシャフトに結合され、前記第1の電気モータ/発電機装置のモータシャフトが変速機アセンブリに結合され、
前記ハイブリッド駆動システムは、制御機構を更に備え、前記制御機構は、前記ハイブリッド駆動システムを、
前記バッテリ装置によって電力が供給されて、前記第1の電気モータ/発電機装置がモータモードで動作する、動作の第1のモード、
前記対向ピストン内燃エンジンが動作している状態で、前記バッテリ装置によって電力が供給されて、前記第1の電気モータ/発電機装置がモータモードで動作し、一方、前記第2の電気モータ/発電機装置および前記第3の電気モータ/発電機装置の両方が前記バッテリ装置の充電を維持するために発電機モードで動作する、動作の第2のモード、および
前記対向ピストン内燃エンジンが動作している状態で、前記バッテリ装置、前記第2の電気モータ/発電機装置および前記第3の電気モータ/発電機装置によって電力が供給されて、前記第1の電気モータ/発電機装置がモータモードで動作し、一方、前記第2の電気モータ/発電機装置および前記第3の電気モータ/発電機装置が発電機モードで動作する、動作の第3のモードにおいて、
作動させるように構成されている、ハイブリッド駆動システム。
【請求項2】
前記制御機構は、前記モータモードで前記第2の電気モータ/発電機装置又は前記第3の電気モータ/発電機装置のいずれかを動作させて前記対向ピストン内燃エンジンをクランク作動させることによって、前記対向ピストン内燃エンジンの動作を開始させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のハイブリッド駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド駆動システムに関する。特に、本発明は、非燃焼駆動装置が駆動シャフトに機械的なトルク及び回転をもたらすとともに、対向ピストン内燃エンジン装置が非燃焼駆動システムにエネルギーを与える、車両用のハイブリッド駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な国際的な考慮事項が、エネルギー効率を高めるとともに内燃エンジンにより駆動される車両の望ましくない排出を低減する要求を推進している。これらの目的は、電気自動車及び車両用ハイブリッド電気パワートレインの開発につながった。従来の内燃エンジンは、高出力及び高エネルギー密度を有する低コストプラットフォームをもたらし、それにより、車両レンジの消費者の期待を満たすが、低燃費を提示し続ける。電気自動車は、良好な車両運転性特性を伴う低炭素シグネチャ(低CO送電網を想定)をもたらす。しかしながら、電気自動車のエネルギー影響は、販売量が少なく、コストが高く、インフラストラクチャのサポートが少なく、車両レンジが限られているために低い。ハイブリッド電気自動車は、距離、利便性、及び、効率の向上の観点から、両方の駆動技術の望ましい組み合わせを益々提供する。しかしながら、現在構成される従来の内燃エンジンの効率及び排出制限は、ハイブリッド電気自動車の潜在的な利点を益々抑制する。したがって、これらの車両の内燃効率及び排出特性を改善することは、全世界のエネルギー消費及び排出に大きな有益な影響を及ぼし得る。
【0003】
解析的調査は、対向ピストンエンジンが従来の内燃エンジンに優る基本的燃料効率利点を有することを示してきた。非特許文献1他の調査により、対向ピストンエンジンが厳しい排出規制、特にNOxに関する規制を満たす可能性が確認されている。非特許文献2ガソリン動力対向ピストンエンジン性能における最近の進歩は、ハイブリッド用途で使用される従来の2ストローク及び4ストローク内燃エンジンよりも燃料効率及び排出量において大きなマージンが達成可能であることを示している。非特許文献3
【0004】
しかしながら、今日まで、自動車、バス、及び、トラックなどの車両用のハイブリッド駆動システムは、単一ピストン/シリンダ構成に基づく従来の内燃エンジンアーキテクチャに合わせて設計及び適合されてきた。したがって、燃料効率の向上を達成し、ハイブリッド駆動システムの内燃構成要素の望ましくない排出を低減するために、ハイブリッド駆動システムにおける従来の内燃エンジンを対向ピストン内燃エンジンで置き換えることを考慮することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
従来の内燃エンジンに関連する望ましくない効率及び排出特徴を低減又は排除するための駆動を考慮して、2つの動力源を備える本発明に係るハイブリッド駆動システムは、非燃焼駆動装置が駆動シャフトのための機械的なトルク及び回転を与え、非燃焼駆動装置に電力を供給するエネルギー蓄積装置に対して対向ピストン内燃エンジン装置が非燃焼駆動装置のためのエネルギーを与えるように構成される。
【0006】
本発明によれば、ハイブリッド駆動システムは、対向ピストン内燃エンジンと、対向ピストン内燃エンジンによって駆動されるように結合されるパワートランスデューサ装置と、パワートランスデューサ装置から電力を受けるように構成されるハイブリッドパワートレインシステムとを含むことができる。
【0007】
好ましくは、ハイブリッドパワートレインシステムが第1の電気モータ/発電機装置を備えてもよく、パワートランスデューサ装置が第2の電気モータ/発電機装置を備えてもよい。
【0008】
幾つかの例において、対向ピストン内燃エンジンは、第1のクランクシャフトと、第2のクランクシャフトと、第1のクランクシャフトと第2のクランクシャフトとを連結する機械的接続部とを備えてもよく、第2の電気モータ/発電機装置のモータシャフトは、第1のクランクシャフト、第2のクランクシャフト、及び、機械的接続部のうちの1つに結合されてもよい。
【0009】
他の例において、対向ピストン内燃エンジンは、第1のクランクシャフトと、第2のクランクシャフトと、第1のクランクシャフトと第2のクランクシャフトとを連結する機械的接続部とを備えてもよく、パワートランスデューサ装置は第3の電気モータ/発電機装置を備えてもよく、第2の電気モータ/発電機装置のモータシャフトが第1のクランクシャフトに結合されてもよく、第3の電気モータ/発電機装置のモータシャフトが第2のクランクシャフトに結合されてもよい。
【0010】
更なる例において、対向ピストン内燃エンジンは第1のクランクシャフト及び第2のクランクシャフトを備えてもよく、パワートランスデューサ装置は第3の電気モータ/発電機装置を更に備えてもよく、第2の電気モータ/発電機装置のモータシャフトは、第1のクランクシャフトに結合されてもよく、第3の電気モータ/発電機装置のモータシャフトは、第2のクランクシャフトに結合されてもよい。
【0011】
他の態様から、本発明は、電気駆動装置が駆動シャフト及び対向ピストン内燃エンジン装置に機械的トルク及び回転を与えるように構成され、内燃エンジン装置が電気駆動装置に電力を供給するために電気駆動装置のための電気エネルギーを電気エネルギー蓄積装置に提供するように構成されたシリアルハイブリッドシステム又は拡張範囲電気エンジンシステムに関することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来技術の典型的な対向ピストン内燃エンジンの概略図である。
【0013】
図2】本発明に係るハイブリッド駆動システムで使用するように構成される対向ピストン内燃エンジン装置の概略図である。
【0014】
図3】本発明に係る直列配置で構成されたハイブリッド駆動システムの第1の実施形態の概略図である。
【0015】
図4】本発明に係る直列配置で構成されたハイブリッド駆動システムの第2の実施形態の概略図である。
【0016】
図5】本発明に係る直列配置で構成されたハイブリッド駆動システムの第3の実施形態の概略図である。
【0017】
図6】本発明に係る対向ピストン内燃エンジンを備えるハイブリッド駆動システムによって動力供給されるハイブリッド車両を動作させるための一般的な制御手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
対向ピストンエンジンは、シリンダの長手方向軸に沿って対向する方向で往復運動するようにシリンダのボア内に配置される2つのピストンの配列によって特徴付けられる内燃エンジンである。対向ピストン内燃エンジンは、シリンダ内に単一のピストンを有する従来の内燃エンジンとは多くの点で異なる。対向ピストンエンジンでは、シリンダ内で移動する2つの対向するピストンの端面間でシリンダ内に燃焼室が形成され、従来のエンジンでは、シリンダヘッドとシリンダ内で移動する単一のピストンの端面との間に燃焼室が形成される。対向ピストンエンジンにおいて、空気は、シリンダの2つの端部のうちの一方の近くでシリンダを貫通して開口するピストン制御式吸気ポートを通じてシリンダに入り、また、排気は、シリンダの2つの端部のうちの他方の近くでシリンダを貫通して開口するピストン制御式排気ポートを通じてシリンダから出る。従来のエンジンにおいて、空気及び排気は、シリンダヘッド内のそれぞれのバルブ制御式吸気ポート及び排気ポートを介してシリンダの一端を通過する。
【0019】
一般に、対向ピストンエンジンは、クランクシャフトの単一の完全な回転とクランクシャフトに接続されたピストンの2ストロークとで動作サイクルを完了する。ストロークは、圧縮行程及び爆発行程として示される。各ピストンは、シリンダのそれぞれの端部に最も近く且つ他方のピストンから最も遠いシリンダ内の下死点(BC)領域と、それぞれの端部から最も遠く且つ他方のピストンに最も近いシリンダ内の上死点(TC)領域との間で移動する。シリンダは、それぞれのBC領域付近にポートを有する。対向ピストンのそれぞれは、ポートのうちの対応するポートを制御し、それがそのBC領域に移動するとポートを開き、それがBCからそのTC領域に移動するとポートを閉じる。一方のポートは、給気(「掃気」と呼ばれることもある)をボアに入れる役目を果たし、他方のポートは、ボアからの燃焼生成物のための通路を与え、これらはそれぞれ「吸気」ポート及び「排気」ポートと呼ばれる(幾つかの説明では、吸気ポートは「空気」ポート又は「掃気」ポートと呼ばれる)。ユニフロー掃気対向ピストンエンジンでは、加圧給気がシリンダの一端付近の吸気ポートを通じてシリンダに入ると、排気ガスが反対側の端部付近のその排気ポートから流出する。したがって、ガスは、吸気ポートから排気ポートへと一方向で(「ユニフロー」)シリンダを通じて流れる。
【0020】
図1は、典型的な対向ピストンエンジンの概略図である。好ましくは、エンジンは、少なくとも1つのシリンダを含む2サイクルユニフロー掃気対向ピストンエンジン(以下、「対向ピストンエンジン8」という)である。対向ピストンエンジンは、圧縮点火原理で動作されてもよく、又は、電子的もしくは光学的な点火支援で動作してもよい。対向ピストンエンジン8は、1つのシリンダを有してもよく、或いは、2つのシリンダ又は3つ以上のシリンダを備えてもよい。いずれの場合でも、シリンダ10は、対向ピストンエンジン8の単一シリンダ構成及び複数シリンダ構成の両方に相当する。シリンダ10は、ボア12と、シリンダのそれぞれの端部付近でシリンダ内に機械加工、成形、又は、他の様態で形成された長手方向に離間する吸気ポート14及び排気ポート16とを含む。対向ピストンエンジン8の空気処理システム15が、これらのポートによってエンジン内への給気34の輸送及びエンジンからの排気の輸送を管理する。吸気ポート及び排気ポートのそれぞれは、シリンダボアと関連するマニホールド又はプレナムとの間で連通する1つ以上の開口を含む。多くの場合、ポートは、隣接する開口がシリンダ壁の中実部分(「ブリッジ」又は「バー」とも呼ばれる)によって分離される開口の1つ以上の周方向配列を備える。説明によっては、各開口が「ポート」と呼ばれるが、そのような「ポート」の周方向配列の構造は、図1に示されるポート構造と変わらない。燃料噴射器17は、シリンダ内に通じる穴に固定されるノズルを含む。対向ピストンエンジン8の燃料システム18は、噴射器17によるシリンダ内への直接側方噴射のための燃料を供給する。2つのピストン20,22は、それらの端面20e、22eを互いに対向させてボア12内に配置される。便宜上、ピストン20は、それが吸気ポート14を開閉するため、「吸気」ピストンと呼ばれる。同様に、ピストン22は、それが排気ポート16を開閉するため、「排気」ピストンと呼ばれる。必須ではないが、好ましくは、吸気ピストン20及び他の全ての吸気ピストンは、対向ピストンエンジン8のクランクシャフト30に結合され、また、排気ピストン22及び他の全ての排気ピストンは、エンジン8のクランクシャフト32に結合される。
【0021】
対向するピストンは、それらの端面間で起こる燃焼に応じて、それらのピストンがシリンダ10内のそれらの最も内側の位置にあるそれぞれのTC位置から離れるように移動する。ピストンは、それらのTC位置から移動している間、それらのピストンがシリンダ内のそれらの最も外側の位置にあり且つそれらのピストンの関連するポートが開いているそれぞれのBC位置に近づくまで、それらのピストンの関連するポートを閉じたままにする。給気が吸気ポート14を通じてシリンダ10に流入すると、吸気ポート開口の形状及び対向ピストン端面の表面特徴は、空気/燃料の混合、効果的な燃焼、及び、汚染物質の低減を促進する給気の乱流を誘発する。
【0022】
図2は、本発明に係るハイブリッド駆動システムにおける対向ピストン内燃エンジン装置(「対向ピストンエンジン装置」)を示す。対向ピストンエンジン装置50は、図1に示されるように構成されて動作される対向ピストンエンジン52と、対向ピストンエンジンから伝達される機械的動力によって動作されるパワートランスデューサ装置53とを含む。対向ピストンエンジン52は、2つの離間したクランクシャフト58,59間に配置される少なくとも1つのシリンダ56を収容するエンジンブロック54を備えてもよい。例えば、対向ピストンエンジン52は、1つ、2つ、又は、3つ以上のシリンダを備えてもよい。いずれの場合でも、シリンダ56は、対向ピストンエンジン52の単一シリンダ構成及び複数シリンダ構成の両方に相当する。2つのクランクシャフト58,59は、エンジンブロック54のそれぞれのクランクケース部60,61において回転可能に支持される。パワートランスデューサ装置53は、クランクシャフトの機械的な回転を、電動ハイブリッド駆動システムタイプ、油圧駆動ハイブリッド駆動システムタイプ、又は、空気圧駆動ハイブリッド駆動システムタイプの非燃焼要素によって使用されるように出力される特定の形態の電力に変換するようになっている。2つのピストン57a,57bは、シリンダ56の長手方向軸に沿って対向する方向で往復動するようにシリンダ56のボア内に配置される。ピストン57aはクランクシャフト58に結合され、ピストン57bはクランクシャフト59に結合される。
【0023】
以下に示されて説明される本発明の例及び実施形態は、電動ハイブリッド駆動システムタイプを対象としているが、これは、他のハイブリッド駆動システムタイプへの本発明の適用を排除しようとするものではない。また、これらの例及び実施形態は、車輪付きハイブリッド車両を含む用途を対象とする。この出願は、例示のみを目的としており、自動車、バン、トラック、及び、バスなどの車輪付きハイブリッド車両、農業用車両、建設用車両、並びに、採鉱用車両、軍用車両、海上及び淡水の船舶、機関車、及び、航空機を限定を伴うことなく含み得る他のタイプのプラットフォーム用途を排除しようとするものではない。
【0024】
図2を更に参照すると、パワートランスデューサ装置53は、クランクシャフト58,59の機械的な回転を、パワートランスデューサ装置53が電気式のハイブリッドパワートレインシステムに出力する電気エネルギーに変換するようになっている。電気ハイブリッドパワートレインシステムは、蓄電池装置65と、少なくとも1つの電気モータ装置、この場合にはモータ/発電機装置67とを備えてもよい。パワートランスデューサ装置53は、電気バスライン62によってハイブリッドパワートレインシステム55に電力を供給するために結合される。電気モータ/発電機装置67のACモータ部分は、駆動シャフト、車軸、及び、ハブフランジのうちの1つ以上によってハイブリッド車両の1つ以上の車輪に機械的なトルク及び回転を与えるように結合されてもよい関連する回転モータシャフト69を有する。例えば、電気モータ/発電機装置67は、ハイブリッド車両の1つ以上の車輪73に与えるために変速機アセンブリ71を介して駆動シャフト72に結合されてもよい。或いは、ハイブリッドパワートレインシステムは、各車輪におけるハブフランジを介して多輪ハイブリッド車両の複数の車輪のそれぞれを駆動するための1つ以上のモータ/発電機装置を備えてもよい。
【0025】
また、本発明に係るハイブリッド駆動システムは制御機構を含んでもよく、制御機構は、プログラムされたコントローラ、複数のセンサ、幾つかのアクチュエータ、及び、ハイブリッド駆動システム及び/又はハイブリッド車両の全体にわたって配設された他の機械装置を備えるコンピュータベースのシステムである。制御機構は、ハイブリッド駆動システムの様々な構成要素の動作を管理する。プログラムされたコントローラは、関連するセンサ、アクチュエータ、及び、他の機械装置に電気的に接続される1つ以上の制御ユニット(CU)を含む。図2に示されるように、対向ピストンエンジン装置50及びハイブリッドパワートレインシステム55(場合によっては、ハイブリッド駆動システムに関連する他のシステム)の制御は、プログラムされた電子制御ユニット(ECU)80を含む制御機構によって実施される。ECU80は、1つ以上のマイクロプロセッサ、メモリ、I/O部、コンバータ、ドライバなどで構成されてもよく、様々なハイブリッド駆動システム動作条件下で制御アルゴリズムを実行するようにプログラムされる。そのようなアルゴリズムは、ハイブリッド駆動システムの動作を調整するためにECU80によって実行されるシステム制御プログラムの一部である制御モジュールにおいて具現化されてもよい。場合によっては、アルゴリズムは、手動モード又は自律的な自動運転モードで動作される車輪付きハイブリッド車両に関して構築及び実行されてもよい。
【0026】
ECU 80に加えて、制御機構は、様々なセンサ(物理的及び/又は仮想的)を備えてもよい。これらは、車両動作センサ(キー、シフト、加速要求、ブレーキ要求、車速など)を含んでもよい。ハイブリッド駆動システムセンサは、エンジンセンサ(エンジン動作状態、エンジン速度、エンジンシステムなど)、モータセンサ(モータ速度、発電機電流など)、及び、バッテリ状態センサ(充電状態、電圧、電流、温度など)を含んでもよい。更に、制御機構は、対向ピストンエンジンの燃料システム、空気処理システム、及び、冷却システムに見られるような様々なアクチュエータを備えてもよい。これに関しては、例えば、PCT公開WO2013/062921A1及びWO2015/026628A1を参照されたい。制御機構は、モータ、発電機、及び、バッテリ装置(コンバータ、インバータ等)のための様々なアクチュエータを更に備えてもよい。
【0027】
図2に示される例において、パワートランスデューサ装置53は、対向ピストンエンジン52に機械的に結合される回転モータシャフトを伴う1つ以上のモータ/発電機装置を備えてもよい。更に、対向ピストンエンジン52の2つのクランクシャフト58,59は、機械的に連結されてもされなくてもよい。図2に係るハイブリッド駆動システムの実施形態が図3図4、及び、図5に示される。
【0028】
図3は本発明の第1の実施形態の概略図であり、この場合、対向ピストン内燃エンジン装置50は、ハイブリッド車両の1つ以上の車輪に動力を伝達することができるハイブリッド駆動システムにおけるハイブリッドパワートレインシステム55と直列に配置される。この実施形態において、対向ピストンエンジン52は、クランクシャフト58,59を連結する機械的接続部63を含む。機械的接続部63は、ベルト、チェーン、ギアトレイン、又は、場合によっては別の種類のリンクを備えてもよい。パワートランスデューサ装置53は、インバータ91を介してバッテリ装置65に電力を供給するとともにバッテリ装置から電力を受けることができるモータ/発電機(M/G)装置90を備える。モータ/発電機装置90のACモータ部分の回転モータシャフト93は、例えばギアトレインのアイドラギアを介して対向ピストン内燃エンジン52に又はクランクシャフト58、59のいずれかに対して直接に結合され或いは変速機アセンブリ(図示せず)によって結合されてもよい。
【0029】
対向ピストンエンジン52は、ECU80による燃料及び空気の調整に応じて、ガソリン、ディーゼル燃料、気体燃料、又は、これらの任意の組み合わせを燃焼させることによって動力を発生する内燃式のものである。モータ/発電機装置67(第1のモータ/発電機装置と称される)は、電気モータ又は発電機のいずれかとして動作され得るパワートランスデューサである。同様に、モータ/発電機装置90(第2のモータ/発電機装置と称される)は、電気モータ又は発電機のいずれかとして動作され得るパワートランスデューサである。これに関して、モータ/発電機装置67は主にモータとして動作され、それにより、バッテリ装置65に蓄えられる電気エネルギーが供給される際にそのモータシャフト69を介してハイブリッド駆動システムの出力電力が供給される。また、モータ/発電機装置67が回生制動システムを備える特定のハイブリッド車両用途において発電機として動作することもできる場合がある。モータ/発電機装置67は、インバータ68を介してバッテリ装置65から電力を受け、バッテリ装置に電力を供給することができる。モータ/発電機装置90は、そのモータ構成要素がそのモータシャフト93を介して対向ピストンエンジン52によって駆動されるときに発電機として動作する。それによって生成される電力は、バッテリ装置65に、(インバータ68を介して)モータ発電機67に、又は、その両方に向けられてもよい。モータ/発電機装置90は、インバータ91を介してバッテリ装置65に電力を供給し、バッテリ装置から電力を受けることができる。各インバータ68,91は、電気バスライン62を介してバッテリ装置65に接続される。インバータ68,91は、モータ発電機装置67,90のいずれかが他方及び/又はバッテリ装置65に直接に電力を供給できるようにするべく構成される。各モータ/発電機装置のモータ機能は、その関連するインバータによって調整される。したがって、インバータ68は、ECU80によって発行される第1のトルクコマンドの大きさ及び極性にしたがってモータ/発電機装置67に供給される又はモータ/発電機装置から得られる電力量を制御し、また、インバータ91は、ECU80によって発行される第2のトルクコマンドの大きさ及び極性にしたがってモータ/発電機装置90から得られる又はモータ/発電機装置に供給される電力量を制御する。
【0030】
図3に示されるハイブリッド駆動システムは、ECU80によってシリーズハイブリッドの態様で制御されてもよく、これにより、ECU80は、それぞれのトルクコマンドを介してモータとしての動作と発電機としての動作との間でモータ/発電機装置67,90のそれぞれの切り換えを調整することができる。対向ピストン内燃エンジンがオフであるハイブリッド駆動システム動作の第1のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65によって電力が供給されるモータモードで動作することができる。ハイブリッド駆動システムがハイブリッド車両に動力を供給する場合、バッテリ装置65によって給電されるモータ/発電機装置67がモータモードで動作すると、その出力が1つ以上の車輪71を駆動するべく結合される。ハイブリッド車両が回生制動システムを備えている場合、モータ/発電機装置67を発電機モードで動作させて、バッテリ装置65を充電することができる。対向ピストンエンジン52が動作しているハイブリッド駆動システム動作の第2のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65によって電力が供給されるモータモードで動作することができ、一方、発電機モードで動作されるモータ/発電機装置90は、バッテリ装置65の電荷を維持又は補充する。対向ピストンエンジン52が動作しているハイブリッド駆動システム動作の第3のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65及びモータ/発電機装置90によって電力が供給されるモータモードで動作することができ、モータ/発電機装置90は発電機モードで動作する。対向ピストンエンジン52の動作が開始される場合、モータ/発電機装置90は、対向ピストンエンジン52をクランク作動するためにモータモードで動作することができる。
【0031】
図4は、図3に示される第1の実施形態の変形例である本発明の第2の実施形態の概略図であり、この実施形態において、対向ピストン内燃エンジン装置50は、ハイブリッド車両の1つ以上の車輪に動力を伝達することができるハイブリッド駆動システムにおけるハイブリッドパワートレインシステム55と直列に配置される。この実施形態において、第2のモータ/発電機装置90のモータシャフト93は、クランクシャフト58(第1のクランクシャフトと称される)に結合され、また、モータシャフト96を伴う第3のモータ/発電機装置95は、そのモータシャフト96を介してクランクシャフト59(第2のクランクシャフトと称される)に結合される。したがって、第2の実施形態において、パワートランスデューサ装置53は、第2のモータ/発電機装置(M/G)90と、関連するインバータ97を伴う第3のモータ/発電機装置(M/G)95とを備える。第2の実施形態において、対向ピストンエンジン52は、クランクシャフト58,59を連結する機械的接続部63を含む。第1の実施形態と同様に、機械的接続部63は、ベルト、チェーン、ギアトレイン、又は、場合によっては別の種類のリンクを備えてもよい。
【0032】
モータ/発電機装置95は、そのモータ構成要素がそのモータシャフト96を介して対向ピストンエンジン52によって駆動される際に発電機として動作する。それによって生成される電力は、バッテリ装置65に、又は、(インバータ68を介して)モータ発電機装置67の発電機部分に、又は、その両方に向けられる。モータ/発電機装置95は、電気バスライン62によってバッテリ装置65に接続されるインバータ97を介してバッテリ装置65に電力を供給し、バッテリ装置から電力を受けることができる。インバータ97は、モータ/発電機装置96が他のモータ/発電機装置67,90のいずれか又は両方に直接に電力を供給する又はそれらから電力を受けることができるようにするべく構成される。モータ/発電機装置95のモータ機能は、その関連するインバータ97によって調整される。したがって、インバータ97は、制御ユニット80によって発行される第3のトルクコマンドの大きさ及び極性にしたがってモータ/発電機装置95に供給される又はモータ/発電機装置95から得られる電力の量を制御する。
【0033】
図4に示されるハイブリッド駆動システムは、ECU80によってシリーズハイブリッドの態様で制御されてもよく、これにより、ECU80は、それぞれのトルクコマンドを介してモータとしての動作と発電機としての動作との間でモータ/発電機装置67,90,95のそれぞれの切り換えを調整することができる。対向ピストンエンジン52がオフであるハイブリッド駆動システム動作の第1のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65によって電力が供給されるモータモードで動作することができる。ハイブリッド駆動システムがハイブリッド車両に動力を供給する場合、バッテリ装置65によって給電されるモータ/発電機装置67がモータモードで動作すると、その出力が1つ以上の車輪71を駆動するべく結合される。ハイブリッド車両が回生制動システムを備えている場合、モータ/発電機装置67を発電機モードで動作させて、バッテリ装置65を充電することができる。対向ピストンエンジン52が動作しているハイブリッド駆動システム動作の第2のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65によって電力が供給されるモータモードで動作することができ、一方、モータ/発電機装置90及びモータ/発電機装置95の両方は、バッテリ装置65の充電を維持するために発電機モードで動作する。対向ピストンエンジン52が動作しているハイブリッド駆動システム動作の第3のモードにおいて、モータ/発電機装置67は、バッテリ装置65、モータ/発電機装置90、及び、モータ/発電機装置95によって電力が供給されるモータモードで動作することができ、モータ/発電機装置90及びモータ/発電機装置95は発電機モードで動作する。対向ピストン52の動作を開始すべき場合、モータ/発電機装置90又はモータ/発電機装置95のいずれかをモータモードで動作させて、対向ピストンエンジン52をクランク作動させることができる。
【0034】
図5は、図4に示される第2の実施形態の変形例である本発明の第3の実施形態の概略図であり、この実施形態において、対向ピストン内燃エンジン装置50は、ハイブリッド車両の1つ以上の車輪に動力を伝達することができるハイブリッド駆動システムにおけるハイブリッドパワートレインシステム55と直列に配置される。この実施形態において、第2のモータ/発電機装置90のモータシャフト93は第1のクランクシャフト58に結合され、また、第3のモータ/発電機装置95のモータシャフト96は第2のクランクシャフト59に結合される。しかしながら、第3の実施形態において、対向ピストンエンジン52は、クランクシャフト58,59を連結するいかなる機械的接続部も含まず、したがって除外する。
【0035】
図2図5のように、クランクシャフト58,59は、1つ以上のモータ/発電機装置に結合される。そのような結合がどのように構成されるかは、設計上の選択の問題である。これに関して、それぞれのモータ/発電機装置の回転モータシャフトは、クランクシャフトに対して直接に結合されてもよく、或いは、ベルトによって、クラッチを含む可能性があるギア装置によって、又は、他の変速装置によって、クランクシャフトを連結する装置に結合されてもよい。
【0036】
図3図4、及び、図5の3つの実施形態のいずれか1つに係る対向ピストン内燃エンジンを備えるハイブリッド駆動システムは、2つのクランクシャフト58,59の両方を使用して発電する。これにより、システムは、シリーズハイブリッド又はレンジエクステンダハイブリッド用途における動作に適したものになる。
【0037】
図6は、図2図5に示される実施形態のいずれかに係るハイブリッド駆動システムを備えるハイブリッド車両を動作させるための一般的な制御手順の一例を示すフローチャートである。ハイブリッド車両がオフである場合、ステップS605でECU80に入力される(ECU80によって受けられる)車両「キーオン」信号(点火信号、始動信号)がハイブリッド駆動システムの動作を開始する。ハイブリッド車両の初期化は、バッテリ装置65によって保持される電荷ノレベル(充電状態、すなわちSOC)のECU80による決定を含む。これは、バッテリ装置65によって保持される電荷のレベルがECU80によって測定されるステップS610におけるGET SOC手順の実行によって行なわれる。ステップS615において、ECU80は、電荷のレベル(SOC)がモータ/発電機装置67によるハイブリッド車両の移動を可能にして様々な他の車両システムに給電するのに十分であるかどうかを評価する。ステップS615においてECU80によって実行される評価は、測定されたSOCを初期充電状態閾値SOCt1と比較することを含むことができる。バッテリ装置65によって保持される電荷のレベル(測定されたSOC)が初期充電状態閾値SOCt1に少なくとも等しい(又はそれより大きい)と仮定すると、ステップS617において、ECU80は、ドライバによって又は自律型自動運転車両によって要求されるときにモータ/発電機67にハイブリッド車両を移動させるように条件付けられたトルクコマンドTm1を発行する。ステップS620は、ECU80に入力(受信)される車両「キーオン」信号がないかどうかのECU80による継続的なチェックに相当し、この信号がないと、ECU80は、モータ/発電機67に動作を停止させるように条件付けられたトルクコマンドTm1を発行し、それにより、ハイブリッド車両の移動を防止する。ステップS615に戻って、バッテリ装置65によって保持される電荷のレベル(測定されたSOC)が初期充電状態閾値SOCt1未満である場合、ステップS625において、ECU80は、ハイブリッド電力システム55に供給するための電力を生成するために対向ピストン内燃エンジン52の動作を開始する。ECU80は、パワートランスデューサ装置53によってエンジン52をクランク作動させることにより、エンジン52を始動させる。対向ピストン内燃エンジン52がクランク作動されると、ECU 80は、ステップS630において、エンジン52を所望の動作点で動作させる動作パラメータ(エンジン回転数、ブースト、空気流、燃料など)を設定する。エンジン52が所望の動作点になると、ECU80は、ステップS635でパワートランスデューサ装置53を切り換えて、対向ピストン内燃エンジン52に発電機動作を与えるとともに電気バスライン62に電力を供給し、それにより、バッテリ装置65の電荷のレベルが補充される。パワートランスデューサ装置53の構造に応じて、ECU80は、1つのトルクコマンド(図3の実施形態におけるTm2)で又は2つのトルクコマンド(図4及び図5の実施形態のいずれかにおけるTm2及びTm3)でそのような切り換えを可能にしてもよい。一般的な制御手順におけるこの時点で、ECU80がドライバ又は自動運転コントローラからトルク要求を受信してしまっている場合、ECU80は、トルクコマンド(Tm1)でモータ/発電機67を駆動することもできる。エンジン52が動作してハイブリッドパワートレインシステム55のための動力を生成していると、ECU80は、ステップS637において、バッテリ装置65の電荷のレベル(SOC)を第2の充電状態閾値SOCt2に対してチェックする。この場合、SOCt2はSOCt1よりも高い値を有する(SOCt2>SOCt1)ことが好ましい。バッテリ装置65によって保持される電荷のレベル(測定されたSOC)が第2の充電状態閾値SOCt2未満であり、「キーオン」信号が維持される限り(ステップS640)、ECU80は、ループS630、S635、S637、S40(「充電ループ」)によってエンジン52を動作状態に維持する。バッテリ装置65によって保持される電荷のレベル(測定されたSOC)が第2の充電状態閾値SOCt2よりも大きい場合、ECU80は、ステップS637からの否定的な出口に従い、ステップS645においてエンジン52をオフにする。同様に、ステップS640においてECU80が車両「キーオン」信号を検出しない場合、ECU80は、ステップS640からの否定的な出口に従い、ステップS645においてエンジン52をオフにする。
【0038】
図6は、SOC及び車両キー信号に応じた対向ピストン内燃エンジン52の動作状態の制御を示すが、これは、ECU80によるより詳細な解析を必要とする他の制御因子の使用を排除すべきではない。これに関して、ECU80は、接続された自動化車両から受信した情報に応じて及び/又は将来の車両要件を分析するために予測方法を使用するアルゴリズム的な機械学習活動に応じて、対向ピストン内燃エンジン52をオン又はオフにすることができる。
【0039】
実施ごとに異なり得る多数の具体的な詳細に関連して本発明の実施形態を説明してきた。説明された実施形態の特定の適合及び修正を行なうことができる。他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであり得る。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図され、本発明の真の範囲及び思想は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0040】
【文献】Herold,R.,Wahl,M.,Regner,G.,Lemke,J.,and Foster,D.,(2011)、´´Thermodynamic Benefits of Opposed-Piston Two-Stroke Engines,´´SAE Technical Paper2011-01-2216,2011.
【文献】Kalebjian,C.,Redon,F.,and Wahl,M.,(2012)、´´Low Emissions and Rapid Catalyst Light-Off Capability for Upcoming Regulations with an Opposed-Piston,Two-Stroke Diesel Engine´´、Global Automotive Management Council and Emissions2012,Ypsilanti,MI.
【文献】Hanson,R.、Strauss,S.、Redon,F.、Salvi,A.、(2017)、´´Progress in Light-Duty OPGCI Engine Design and Testing´´、SIA Powertrain International Conference、Versailles.
図1
図2
図3
図4
図5
図6