(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】少なくとも1つの屈曲ユニットを備える発光ダイオードフィラメント構成
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20250306BHJP
F21K 9/237 20160101ALI20250306BHJP
F21S 4/24 20160101ALI20250306BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20250306BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250306BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20250306BHJP
F21Y 109/00 20160101ALN20250306BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20250306BHJP
【FI】
F21K9/232 100
F21K9/237
F21S4/24
F21V19/00 215
F21Y115:10
F21Y107:70
F21Y109:00
F21Y113:13
(21)【出願番号】P 2022516606
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2020075999
(87)【国際公開番号】W WO2021053080
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-13
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-311380(JP,A)
【文献】特開2015-056667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/232
F21K 9/237
F21S 4/24
F21V 19/00
F21Y 115/10
F21Y 107/70
F21Y 109/00
F21Y 113/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い可撓性のLEDフィラメントであって、前記LEDフィラメントの伸長部に沿って配置された複数のLEDを有する、LEDフィラメントと、
本体を有する屈曲ユニットであって、前記本体内にチャネルが形成されており、前記チャネルは、少なくとも部分的に湾曲している、屈曲ユニットと、を備える発光ダイオード、つまりLEDの、フィラメント構成であって、
前記LEDフィラメントの一部分が、前記屈曲ユニットの前記チャネル内に配置され、前記屈曲ユニットは、前記LEDフィラメントに屈曲を生じさせる、及び前記LEDフィラメントを屈曲した形態に保持するように適合されており、
前記屈曲ユニットの長さは、前記LEDフィラメントの長さの0.05~0.3倍であ
る、LEDフィラメント構成。
【請求項2】
前記屈曲ユニットの前記長さは、前記LEDフィラメントの前記長さの0.08~0.25倍
である、請求項1に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項3】
前記屈曲ユニットは、少なくとも部分的に光透過性である、請求項1又は2に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項4】
前記屈曲ユニットは、少なくとも部分的に遮光性である、請求項1又は2に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項5】
前記屈曲ユニットは、少なくとも200Wm
-1K
-1の熱伝導率を有する材料を含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項6】
前記屈曲ユニットは、前記LEDフィラメントを前記チャネル内へと挿入するためのスリットを備え、前記スリットは、前記チャネルの伸長部に沿って延在する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項7】
前記チャネルの壁を画定する前記本体の表面が、少なくとも1つの凹部を備える、請求項1乃至6の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項8】
前記凹部は、前記チャネルの延長部に沿って延在する、請求項7に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項9】
前記チャネルの壁を画定する前記本体の表面が、少なくとも85%の反射率を有する、請求項1乃至8の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項10】
前記チャネルの壁を画定する前記本体の表面が、金属、又はポリマー及び光散乱粒子を含むコーティング層で覆われている、請求項1乃至9の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項11】
前記屈曲ユニットの前記チャネル内に構成されている、前記LEDフィラメントの前記一部分は、2つ以上のLEDを備える、請求項1乃至10の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項12】
複数の屈曲ユニットを更に備え、各屈曲ユニットが、前記LEDフィラメントに屈曲を生じさせるように適合されている、請求項1乃至11の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項13】
前記チャネルの少なくとも部分的な湾曲部は、前記チャネルがU字形を有するように丸みを帯びている、請求項1乃至12の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項14】
前記屈曲ユニットは、管状の形状を有する、請求項1乃至13の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載のLEDフィラメント構成と、
前記LEDフィラメント構成を少なくとも部分的に包囲する、少なくとも部分的に光透過性の外囲器と、
前記外囲器が取り付けられている口金であって、照明器具ソケットに接続されるように適合されている、口金と、を備える、照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には固体照明の分野に関する。具体的には、LEDフィラメントに屈曲を生じさせるための屈曲ユニットを備える発光ダイオード(LED)フィラメント構成に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱ランプは、発光ダイオード(LED)ベースの照明ソリューションによって急速に置き換えられつつある。それにも関わらず、白熱電球によって提供される外観及び審美性は、既存の照明器具においてレトロフィットLEDランプを使用する機会をも高く評価する消費者によって好まれている。したがって、LEDベース照明の開発者の目標は、審美的に心地よい外観及び照明を提供する装飾的なレトロフィットLEDランプを提供することである。
【0003】
LEDランプから十分な照明を供給するために、いくつかの短いLEDフィラメントが使用されてもよい。しかしながら、各LEDフィラメントが個別に電気的に接続される必要があるので、製造が複雑である場合がある。
【0004】
別の選択肢は、様々な構成を作製するために屈曲され得る、より長い可撓性フィラメントを使用することである。一方、そのような解決策は、屈曲された、又は応力下にあるLEDフィラメント部分が信頼性の問題の影響を受けやすい場合があるので、不規則な挙動を呈する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点のうちの少なくともいくつかを克服することである。この目的及び他の目的は、添付の独立請求項において定義されるようなLEDフィラメント構成によって達成される。従属請求項によって、他の実施形態が定義される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によると、発光ダイオード(LED)フィラメント構成が提供される。LEDフィラメント構成は、LEDフィラメントの伸長部に沿って(すなわち、伸長方向に沿って)配置された複数のLEDを有する細長い可撓性LEDフィラメントを備える。構成は、本体を有する屈曲ユニットを更に備え、本体内には少なくとも部分的に湾曲したチャネルが形成されている。LEDフィラメントの一部分が、屈曲ユニットのチャネル内に配置されている。屈曲ユニットは、LEDフィラメントに屈曲を生じさせるように適合されている。
【0007】
LEDフィラメントの更なる部分が、屈曲ユニット内に配置されていないことが理解されるであろう。LEDフィラメントに屈曲を生じさせるために屈曲ユニットを提供することが、LEDフィラメント構成の信頼性を向上させ得る。例えば、LEDフィラメントに屈曲を生じさせるための屈曲ユニットを用いるLEDフィラメント構成は、LEDフィラメントの初期(意図された)形状をより良好に保持することができる。更に、屈曲ユニットは、LEDフィラメントが真っ直ぐにならないように又は屈曲されすぎないように、LEDフィラメントを屈曲させた形態で保持することができる。過度に屈曲された、又は曲げ伸ばしの回数が過度に多いLEDフィラメントでは、LED間の電気的接続が、例えば損傷する場合がある。更に、多くのLEDフィラメントは、基材を備え、基材の上にLEDが配置され、LEDと基材の少なくとも一側面とを封入材が覆っている。そのようなLEDフィラメントを過度に屈曲させると、又は曲げ伸ばしの回数が過度に多いと、LEDフィラメントの封入材が基材及び/又はLEDから剥がれる場合があり、より低い均一性の光分布をもたらす場合がある。屈曲ユニットは、可撓性LEDフィラメントに所望の屈曲/向きを生じさせるように予め形成されてもよいことが理解されるであろう。このように、所望の装飾的外観を得ることができる。更に、LEDフィラメントのより最適な構成及び向きが得られ維持され得るので、光分布は強化され得る。屈曲ユニットは、5~50mmの範囲内の長さを有してもよい。具体的には、屈曲ユニットは、8~30mmの範囲内の長さを有してもよい。より具体的には、屈曲ユニットは、10~20mmの範囲内の長さを有してもよい。
【0008】
代わりに、屈曲ユニットの長さは、LEDフィラメントの長さに対して画定されてもよい。例えば、屈曲ユニットの長さは、LEDフィラメントの長さの0.05~0.3倍であってもよい。具体的には、屈曲ユニットの長さは、LEDフィラメントの長さの0.08~0.25倍であってもよい。より具体的には、屈曲ユニットの長さは、LEDフィラメントの長さの0.1~0.2倍の範囲内であってもよい。
【0009】
屈曲ユニットは、内径、すなわちチャネルの直径を更に有してもよい。例えば、屈曲ユニットは、1~10mmの範囲内の内径(すなわち、チャネルの直径)を有してもよい。具体的には、屈曲ユニットは、2~7mmの範囲内の内径を有してもよい。より具体的には、屈曲ユニットは、3~5mmの範囲内の内径を有してもよい。
【0010】
代わりに、屈曲ユニットの内径は、LEDフィラメントの直径に対して画定されてもよい。例えば、屈曲ユニットの内径は、LEDフィラメントの直径の0.8~1.5倍であってもよい。具体的には、屈曲ユニットの内径は、LEDフィラメントの直径の0.9~1.3倍であってもよい。より具体的には、屈曲ユニットの内径は、LEDフィラメントの直径の1~1.2倍であってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、屈曲ユニットは、少なくとも部分的に光透過性であってもよい。
【0012】
例えば、屈曲ユニットの本体は、半透明又は透明であってもよい。そのような実施形態は、チャネル内に配置されたLEDフィラメントの部分により放出される光が遮断されないので、改善された光分布(又は増加した照明)を提供し得る。
【0013】
そのような少なくとも部分的に光透過性の屈曲ユニットは、ガラス又はポリマーなどの材料を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、屈曲ユニットは、少なくとも部分的に遮光性であってもよい。
【0015】
そのような屈曲ユニットを備える構成は、複数のより短いLEDフィラメントが使用されているという錯覚又は外観を与え得る。
【0016】
少なくとも部分的に遮光性の屈曲ユニットは、銅又はアルミニウムなどの材料を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、屈曲ユニットは、200Wm-1K-1以上の熱伝導率を有する材料を含んでもよい。
【0018】
そのような実施形態は、改善された温度管理を提供することができる。例えば、チャネル内に配置されたLEDフィラメントの部分により生成される熱の伝達が改善され、それにより、LEDフィラメントが適切な温度に維持され得る。
【0019】
具体的には、本体は、少なくとも250Wm-1K-1の熱伝導率を有する材料を含んでもよい。より具体的には、本体は、少なくとも350Wm-1K-1の熱伝導率を有する材料を含んでもよい。例えば、本体は、アルミニウム、鉄、鋼鉄、又は銅などの高熱伝導材料を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、屈曲ユニットは、チャネルの伸長部に沿って本体を通って延在するスリットを備えてもよい。スリットは、LEDフィラメントをチャネル内へと挿入するために適合されてもよい。
【0021】
スリットは、チャネル全体に沿って延在してもよい。スリットは、LEDフィラメントをチャネル内へと挿入するための開口部として更に機能してもよい。そのようなスリットは、LEDフィラメントをチャネル内へと横向きに挿入することを可能にしてもよい。したがって、LEDフィラメント全体を所望の部分までチャネルを通して送り込まなくてもよい。更に、LEDフィラメントは、大部分がチャネルを通して送り込まれることなく、屈曲ユニット内に配置され得るので、LEDフィラメントが不必要に屈曲されることがなくなり得る。
【0022】
例えば、スリットの幅は、LEDフィラメントの直径より大きくてもよいが、チャネルの内径又は幅より小さくてもよい。代わりに、スリットの幅は、LEDフィラメントの直径より僅かに小さくてもよい。そのような実施形態では、LEDフィラメントが一定の可撓性を有する場合(例えば、可撓性封入材を備える場合)、LEDフィラメントがチャネル内へと挿入されてもよい。したがって、LEDフィラメントは、屈曲ユニット内に固定されてもよい。
【0023】
屈曲ユニットの本体は、チャネルの壁を画定する表面を備えてもよい。壁の形状は、あるタイプのLEDフィラメントの円周に適合されていてもよく、それにより、当該タイプのLEDフィラメントがチャネルに嵌まるようになっていてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、チャネルの壁を画定する表面は、少なくとも1つの凹部を備えてもよい。例えば、壁の表面は、少なくとも2つの凹部を備えてもよい。具体的には、表面は、少なくとも3つの凹部を備えてもよい。そのような実施形態は、改善された温度管理を提供することができる。具体的には、凹部は、屈曲ユニット内において空気が流れることを可能にし、これにより、LEDフィラメントから熱を奪うことができる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの凹部は、チャネルの伸長部に沿って延在してもよい。例えば、少なくとも1つの凹部は、チャネルの全長に沿って延在してもよい。そのような実施形態は、更に改善された温度管理を提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、チャネルの壁を画定する本体の表面は、少なくとも85%の反射率を有してもよい。
【0027】
具体的には、表面/壁は、少なくとも90%の反射率を有してもよい。より具体的には、表面/壁は、少なくとも92%の反射率を有してもよい。
【0028】
高い反射率は、光が反射され、かつ屈曲ユニットの端部で放出されることを可能にすることができる。光が屈曲ユニットにより吸収される代わりに反射される場合、より少ない熱が生成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、チャネルの壁を画定する表面は、金属を含むコーティング層でコーティングされてもよい。例えば、コーティング層は、銀又はアルミニウムを含んでもよい。金属コーティングが、表面の反射率を改善し得る。金属コーティングがまた、表面の熱伝導率を改善し得る。
【0030】
例えば、金属層は、例えば物理蒸着又は化学蒸着などの堆積技術を使用して適用されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、チャネルの壁を画定する表面は、ポリマー及び光散乱粒子を含むコーティング層でコーティングされてもよい。例えば、ポリマーはシリコーンであってもよい。光散乱粒子は、例えば、硫酸バリウム(BaSO4)、酸化アルミニウム(III)(Al2O3)、及び/又は二酸化チタン(TiO2)を含んでもよい。光散乱粒子を有するポリマーコーティングが、屈曲ユニットの光分布を改善し得る。そのようなコーティング層が、表面の反射率を更に増加させてもよい。
【0032】
例えば、コーティング層は、粒子を含むポリマーマトリックスなどのマトリックス材料を含んでもよい。そのような粒子は、上述したような銀ベース粒子、アルミニウムベース粒子、又は光散乱粒子を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、チャネル内に配置された、LEDフィラメントの部分は、2つ以上のLEDを備えてもよい。
【0034】
例えば、チャネル内に配置された、LEDフィラメントの部分は、4つ以上のLEDを備えてもよい。具体的には、チャネル内に配置された、LEDフィラメントの部分は、6つ以上のLEDを備えてもよい。より具体的には、チャネル内に配置された、LEDフィラメントの部分は、8つ以上のLEDを備えてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、構成は、複数の屈曲ユニットを備えてもよい。各屈曲ユニットは、LEDフィラメントに屈曲を生じさせるように適合されてもよい。
【0036】
例えば、複数の屈曲ユニットは、少なくとも3つの屈曲ユニットを備えてもよい。具体的には、複数の屈曲ユニットは、少なくとも5つの屈曲ユニットを備えてもよい。より具体的には、複数の屈曲ユニットは、少なくとも7つの屈曲ユニットを備えてもよい。
【0037】
具体的には、各屈曲ユニットは、LEDフィラメントの別々の部分に屈曲を生じさせるように適合されてもよい。複数の屈曲ユニットを使用することにより、単一のLEDフィラメントに複数の屈曲を生じさせ得る。更に、複数の屈曲ユニットを使用することにより、他の方法では(すなわち、屈曲ユニットなしでは)信頼性の問題なしでは不可能である複数の屈曲を、単一のLEDフィラメントにおいて生じさせ得る。
【0038】
複数の屈曲ユニットを使用して、LEDフィラメントが、例えば王冠形状、ジグザグ形状、又は螺旋形状に配置されてもよい。屈曲ユニットを使用することで、他の多くの形状及び構成が可能であり得ることが理解されるであろう。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、チャネルの少なくとも部分的な湾曲部は、チャネルがU字形状を有するように丸みを帯びていてもよい。
【0040】
チャネルの丸みを帯びた湾曲部が、LEDフィラメントにおける鋭い屈曲を防止し得る。鋭い屈曲がいくつかのLEDフィラメントに歪みを生じさせる場合があるので、LEDフィラメント構成の信頼性は改善され得る。
【0041】
更に、屈曲ユニットは、2つ以上の屈曲を形成してもよい。例えば、屈曲ユニットは、蛇行形状を有してもよい。屈曲ユニットは、1つ以上のループを形成する螺旋形状を更に有してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、屈曲ユニットは、管状の形状を有してもよい。換言すれば、屈曲ユニットは、丸みを帯びた中空の形状を有してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、照明デバイスが提供され得る。照明デバイスは、前述の実施形態の何れかを参照して上述したようなLEDフィラメント構成を備えてもよい。照明デバイスは、LEDフィラメント構成を少なくとも部分的に包囲し得る、少なくとも部分的に光透過性の外囲器を更に備えてもよい。照明デバイスは、外囲器が上に取り付けられ得る口金を更に備えてもよい。口金は、照明器具ソケットに接続されるように適合されてもよい。照明デバイスは、例えば、ランプ又は電球であってもよい。
【0044】
上述の実施形態において列挙された特徴の全ての可能な組み合わせを使用する、他の実施形態が想定され得る点に留意されたい。それゆえ、本開示はまた、本明細書で言及される特徴の全ての可能な組み合わせにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
ここで、以下の添付図面を参照して、例示的な実施形態がより詳細に説明される。
【
図1】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の概略図である。
【
図3a】いくつかの実施形態による、屈曲ユニットの図面を示し、
図3aは、屈曲ユニットの斜視図であり、
図3bは、線A-A'に沿って見た断面図である。
【
図3b】いくつかの実施形態による、屈曲ユニットの図面を示し、
図3aは、屈曲ユニットの斜視図であり、
図3bは、線A-A'に沿って見た断面図である。
【
図4a】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の図面を示し、
図4aは、LEDフィラメント構成の斜視図であり、
図4bは、線B-B'に沿って見た断面図である。
【
図4b】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の図面を示し、
図4aは、LEDフィラメント構成の斜視図であり、
図4bは、線B-B'に沿って見た断面図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、屈曲ユニットの断面の概略図である。
【
図6a】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の図面を示し、
図6aは、LEDフィラメント構成の斜視図であり、
図6bは、線C-C'に沿って見た断面図である。
【
図6b】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の図面を示し、
図6aは、LEDフィラメント構成の斜視図であり、
図6bは、線C-C'に沿って見た断面図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、LEDフィラメント構成の概略図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、照明デバイスの図面である。
【0046】
図に示されるように、要素及び領域の大きさは、説明のために誇張されている場合があり、それゆえ、実施形態の大まかな構造を示すように提示されている。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで、現時点で好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、例示的実施形態が、以降でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するものである。
【0048】
図1を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント構成100が説明される。LEDフィラメント構成100は、細長い可撓性LEDフィラメント110を備える。LEDフィラメント構成100は、3つの屈曲ユニット120を更に備える。各屈曲ユニットは、本体を備え、本体内にチャネル121が画定又は形成されている。各屈曲ユニットのチャネル内に、LEDフィラメント110の一部分が配置されている。屈曲ユニット120のチャネル121は、LEDフィラメント110に屈曲を生じさせるように湾曲している。
図1に示される特定の実施形態では、屈曲ユニット120は、LEDフィラメント110がジグザグ形状(すなわち、交互の急激な左右の曲がり又は上下の曲がりなど)を形成するように配置されている。本実施形態では、屈曲ユニット120の外側及び屈曲ユニットの間の、LEDフィラメント110の部分は、実質的に真っ直ぐである。
【0049】
更に、本実施形態では、屈曲ユニット120は、少なくとも部分的に光透過性である。具体的には、屈曲ユニット120は透明であり、これは、屈曲ユニット120のチャネル121内(内側)に配置された、LEDフィラメント110の部分が、屈曲ユニット120を通して見えることを意味する。屈曲ユニット120が透明なので、屈曲ユニット120内に配置されたLEDフィラメント110の部分により放出された光が、屈曲ユニット120を通して放出され得る。
【0050】
図2を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント構成200が説明される。
【0051】
図2に示されるLEDフィラメント構成200は、
図1を参照して説明したようなLEDフィラメント110と同等であり得るLEDフィラメント210を備える。LEDフィラメント構成200は、5つの屈曲ユニット220を更に備える。
図1を参照して上述したように、屈曲ユニットはそれぞれ、チャネルを備え、チャネル内にLEDフィラメント220の一部分が配置されている。しかしながら、本実施形態の屈曲ユニット220は、遮光性なので、これらのチャネルは
図2では見えない。更に、チャネルの湾曲と屈曲ユニットの構成とが、LEDフィラメント210のS字様の湾曲を生じさせ、屈曲ユニット220が、S字湾曲部の曲がりのそれぞれの最も外側の点に配置されている。
【0052】
図3a及び
図3bを参照して、いくつかの実施形態による屈曲ユニット320が説明される。
図3aは、屈曲ユニット320の斜視図である。
図3bは、チャネルの局所的な延長部に対して垂直である線A-A'に沿って見た屈曲ユニット320の断面図である。
【0053】
屈曲ユニット320は、本体322を備え、本体内にチャネル321が形成されている。本実施形態では、本体322は光透過性である。他の実施形態では、本体は、少なくとも部分的に遮光性であってよいことが理解されるであろう。更に、屈曲ユニット320(具体的には、本体322)は、少なくとも200Wm-1K-1の熱伝導率を有する材料を含んでもよい。例えば、屈曲ユニット320は、アルミニウム、鉄、鋼鉄、又は銅などの任意の高熱伝導材料を含んでもよい。
【0054】
屈曲ユニット320は、チャネル321の壁を画定する表面323を有する。表面323は、高反射性であってもよく、例えば、少なくとも85%の反射率を有してもよい。表面323は、更に高い反射率を有してもよく、例えば、反射率は90%、92%、又はそれより高くてもよい。
【0055】
表面323は、コーティング層を更に含んでもよい。コーティング層は、銀又はアルミニウムなどの金属を含んでもよい。コーティング層はまた、シリコーンなどのポリマー、及び硫酸バリウム(BaSO4)、酸化アルミニウム(III)(Al2O3)、又は二酸化チタン(TiO2)などの光散乱粒子を含んでもよい。
【0056】
本実施形態の屈曲ユニット320は、屈曲/湾曲した管状の形状を有する。
図3bに見られるように、屈曲ユニット320の断面は、実質的に円形の外周を有する。更に、チャネルの壁を画定する表面323も、断面図において実質的に円形である。屈曲ユニットのチャネル及び本体は、他の実施形態では、異なる形状の断面を有してもよいことが理解される。具体的には、チャネルは、使用されることが意図されるタイプのLEDフィラメントを収容するように成形されてもよい。
【0057】
図4a及び
図4bを参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント構成400が説明される。
図4aは、LEDフィラメント構成400の斜視図である。
図4bは、屈曲ユニット420及びLEDフィラメント410の局所的な延長部に対して垂直である線B-B'に沿って見た断面図である。
【0058】
LEDフィラメント410は、先の図を参照して説明されたLEDフィラメントの何れかと同等であってもよい。屈曲ユニット420は、スリット424を備えることを除いて、
図1~
図3を参照して説明された前述の屈曲ユニットの何れかと同等であってもよい。スリット424は、屈曲ユニット420の外側とチャネルとの間において屈曲ユニット420の伸長部に沿って延在する開口部を提供する。スリット424は、チャネル内へのLEDフィラメント410の挿入を可能にするように適合されている。具体的には、本実施形態では、スリット424は、LEDフィラメント410をチャネル内へと横向きに挿入することを可能にするように適合されている。LEDフィラメント410をチャネル内へと横向きに挿入するために、LEDフィラメント410は、スリット424と平行に整列されてもよい。LEDフィラメント又は屈曲ユニットの何れか(又は両方)に(軽い)力を加えて、それらを押圧し、それによりLEDフィラメント410をスリット424内へと挿入してもよい。したがって、屈曲ユニット420は、一定の可撓性/弾性を有してもよく、これにより、挿入時に屈曲ユニット420が僅かに変形し、次いで元の形状に戻ることが可能になり得る。
【0059】
他の実施形態では、LEDフィラメントは、LEDフィラメントの一端をチャネルの一端内へと挿入し、屈曲を生じさせることになる部分がチャネル内に入るまで、チャネルを通してねじ込むことにより、屈曲ユニットのチャネル内へとねじ込まれてもよい。
【0060】
図5を参照して、いくつかの実施形態による屈曲ユニット520が説明される。
図5は、
図3b及び
図4bに示されるものと同様の屈曲ユニットの断面図である。屈曲ユニット520は、チャネルの壁を画定する表面523が複数の凹部525を備えることを除いて、
図4を参照して説明した屈曲ユニット420と同等であってもよい。凹部525は、チャネルの全長に沿って延在してもよい。代わりに、凹部525は、チャネルのいくつかの部分に沿ってのみ延在してもよい。
【0061】
例えば
図1、
図2、
図3a、及び
図3bに示されるものなどのスリットなしの屈曲ユニットが、
図5を参照して本明細書に記載されるような凹部を備えてもよいことが理解されるであろう。更に、異なる実施形態が、内面523(すなわち、チャネルの壁を画定する表面)に沿って、より少ない又はより多くの凹部を備えてもよい。
【0062】
図6を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント構成600が説明される。
図6aは、LEDフィラメント構成600の斜視図である。
図6bは、
図3b、
図4b、及び
図5の断面図と同様な、線C-C'に沿って見た断面図である。
【0063】
LEDフィラメント構成600は、
図1及び
図2を参照して上述した屈曲ユニット120又は220と同等であり得る屈曲ユニット620を備える。LEDフィラメント構成600は、LEDフィラメント610を更に備えてもよい。
【0064】
LEDフィラメント610は、可撓性キャリア611を備え、可撓性キャリアの上に複数のLED612が配置されている。LED612は、キャリア611の第1の表面613上に一列に配置されている。特に、LED612は、LEDフィラメントが伸長方向に沿って(すなわち、伸長部に沿って)配置されている。封入材614がキャリア611及びLED612を覆っている(封入している)。具体的には、キャリア611の第1の表面613と第1の表面とは反対側の表面との両方が、封入材614により覆われて、LEDフィラメント610に丸い形状(すなわち、
図6bに示されるような丸い断面)を与えている。キャリア611は、少なくとも部分的に光透過性、例えば半透明又は透明であってもよい。
【0065】
LED612は、LED光と称され得る光を放出するように構成されている。LED612は、例えば、青色光(青色LED)又は紫外光(UV LED)を放出するように構成されてもよい。代わりに、赤色、緑色、及び青色光を組み合わせて複合光を放出する赤色-緑色-青色(RGB)LEDが使用されてもよい。特に、青色LED又はUV LEDを用いる実施形態では、封入材614は、波長変換(ルミネッセント)材料を含んでもよい。そのような材料は、ある特定の範囲内の波長の光を吸収し、第2の異なる波長範囲で光を再放出することができ、これは変換光と称されてもよい。光を吸収し、かつ異なる波長で再放出するプロセスは、光の波長を変換すると称されてもよい。LEDフィラメントにより放出される光は、LEDフィラメント光と称されてもよい。LEDフィラメント光は、LED光及び/又は変換光を含んでもよい。
【0066】
LEDフィラメント610の一部分が、屈曲ユニット620のチャネル内に配置されている。本実施形態では、屈曲ユニット620により覆われた(すなわち、屈曲ユニット内に配置された)、LEDフィラメント610の部分は、4つのLEDを備える。しかしながら、これは一例に過ぎず、屈曲ユニットは、4つを超える又は下回るLEDを取り囲んでもよい。
【0067】
図6aは、キャリア611上に一列に配置された10個のLED612を示すが、他の実施形態では、LEDフィラメントは、1つ以上の列で又は他の構成でキャリアの1つ以上の側面に配置され得るより少ない又はより多くのLEDを備えてもよい。
【0068】
一般に、LEDフィラメントが、LEDフィラメント光を供給し、線形アレイ状に配置された複数の発光ダイオード(LED)を備え得ることが理解されるであろう。好ましくは、LEDフィラメントは、長さL及び幅Wを有し、L>5Wであってもよい。LEDフィラメントは、直線構成で、又は、例えば湾曲構成、2D/3D渦巻、若しくは螺旋などの、非直線構成で配置されてもよい。好ましくは、LEDは、可撓性(例えば、ポリマー又は金属の例えばフィルム又は箔でできた)であり得る、例えば基材のような、細長いキャリア上に配置される。本開示に記載の屈曲ユニットは、LEDフィラメントに屈曲を生じさせることにより、LEDフィラメントをそのような構成に配置することを助けることができる。
【0069】
キャリアが、第1主表面及び反対側の第2主表面を備える場合、LEDは、これら表面のうちの少なくとも一方の上に配置されてもよい。キャリアは、反射性であってもよく、又は光透過性、例えば半透明及び好ましくは透明であってもよい。
【0070】
LEDフィラメントは、複数のLEDの少なくとも一部を少なくとも部分的に覆う、封入材を備えてもよい。封入材はまた、第1主表面又は第2主表面のうちの少なくとも一方を、少なくとも部分的に覆ってもよい。封入材は、例えばシリコーンなどの、可撓性であり得るポリマー材料であってもよい。更に、LEDは、例えば種々の色又はスペクトルの、LED光を放出するように構成されてもよい。封入材は、LED光を少なくとも部分的に変換光に変換するように構成されている、ルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体及び/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。
【0071】
LEDフィラメントは、複数のサブフィラメントを含んでもよい。
【0072】
図7を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント構成700が説明される。LEDフィラメント構成700は、
図6を参照して説明したLEDフィラメント610と同等であり得るLEDフィラメント710を備える。LEDフィラメント構成700は、複数の屈曲ユニット720を更に備える。より具体的には、LEDフィラメント構成700は、7つの屈曲ユニット720を備える。屈曲ユニット720は、
図1~
図6を参照して上述した何れかの屈曲ユニットと同等であってもよい。
【0073】
本実施形態では、屈曲ユニット720によって覆われていない(すなわち、そのチャネル内に配置されていない)、LEDフィラメント710の部分は、同様の長さであり、僅かな湾曲を有するか又は湾曲していない(すなわち、実質的に真っ直ぐである)。更に、屈曲ユニット720は、LEDフィラメント710がジグザグ形状を形成するように、交互の向きで配置されている。更に、ジグザグ形状の構成700が王冠状の形状を形成するように、LEDフィラメント710の2つの端点が互いに隣接して配置されている。屈曲が鋭い角の外観を有するこのような構成を、屈曲ユニットを使用して、屈曲ユニットを持たない同様の構成と比較して改善された信頼性を伴って、構築することができる。
【0074】
図8を参照して、いくつかの実施形態による照明デバイス830が説明される。
【0075】
照明デバイス830は、LEDフィラメント構成800を備える。本実施形態では、LEDフィラメント構成800は、
図7を参照して説明したLEDフィラメント構成700と同等であってもよい。しかしながら、他の実施形態に示されるような他の形状のLEDフィラメント構成が使用されてもよい。
【0076】
照明デバイス830は、LEDフィラメント構成800を包囲する少なくとも部分的に光透過性の外囲器831を更に備える。具体的には、外囲器831は透明である。外囲器831は、口金832上に取り付けられている。口金832は、照明器具のソケットに接続されるように適合されている。図示した実施形態は、エジソン型のソケットに接続されるように適合されている。しかしながら、他の実施形態は、他のタイプのソケットに適合されてもよい。
【0077】
外囲器831(又は電球)内にLEDフィラメント構成800を配置するために、構成800は、保持手段833に接続されており、保持手段は、口金832にも接続している。更に、LEDフィラメント810に電力を供給するために、LEDフィラメント810の端点を口金832に接続するための電気接点834が提供される。
【0078】
当業者は、本発明が、上述の好ましい実施形態に決して限定されるものではない点を、理解するものである。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が、添付の請求項の範囲内で可能である。
【0079】
特徴及び要素が、特定の組み合わせで上述されているが、それぞれの特徴若しくは要素は、他の特徴及び要素を伴わずに単独で使用されることができる、又は、他の特徴及び要素の有無に関わらず、様々な組み合わせで使用されることができる。
【0080】
更に、図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に遂行されることができる。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素を排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の特徴が、互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが、有利には使用され得ないことを示すものではない。