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特許7645247干渉粒子検出及び小サイズ寸法を有する粒子の検出のための高度なシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】干渉粒子検出及び小サイズ寸法を有する粒子の検出のための高度なシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20240101AFI20250306BHJP
【FI】
G01N15/14 Z
【請求項の数】 61
(21)【出願番号】P 2022517769
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 US2020061493
(87)【国際公開番号】W WO2021102256
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】62/939,232
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】エリス, ティモシー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ボニーノ, クリス
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ランプキン, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ロディエ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】セーラー, ドゥワイト
(72)【発明者】
【氏名】モハダム, メヘラン ヴァダニ
(72)【発明者】
【氏名】ラミン, トーマス
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-047464(JP,A)
【文献】特開2010-066240(JP,A)
【文献】実開平05-034559(JP,U)
【文献】特開2008-209238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14-15/1492
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するための光源と、
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを前記フローセルに通すことにより、前記粒子によって散乱される電磁放射線を生成するためのビーム成形光学系と、
前記フローセルから電磁放射線を受信するための少なくとも1つの光学検出器アレイであって、前記光源、前記ビーム成形光学系、及び、前記光学検出器アレイが、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を可能にするように構成される、少なくとも1つの光学検出器アレイと、
光学ベンチであって、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、及び、前記少なくとも1つの光学検出器アレイが前記光学ベンチによって支持される、光学ベンチと、
前記光学ベンチが外部環境から熱的に分離されるように前記光学ベンチを取り囲む筐体と、
前記光源の温度を制御するように構成された閉ループ温度制御システムを含む能動温度制御システムであって、前記閉ループ温度制御システムが、前記光源に熱的に結合された熱電冷却器及び温度センサと、前記熱電冷却器及び前記温度センサと電気的に通信する温度コントローラであって、前記光源の温度を制御するように構成されている温度コントローラと、を含む、能動温度制御システムと、
を備え、
前記能動温度制御システムが、前記光学ベンチを含む前記筐体の内部容積の温度を制御するように構成され、
温度、圧力、振動の程度、及び、音波の程度のうちの少なくとも1つ、又は、これらの任意の組み合わせがそれぞれ、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するべく、選択された許容範囲内に独立して維持されるように構成される、粒子検出システム。
【請求項2】
前記光源、前記ビーム成形光学系、及び、前記光学検出器アレイが、コヒーレント電磁放射線の構造化プローブビームを前記フローセルに通すことによって、前記粒子の構造化ビーム干渉検出を行なうように構成される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項3】
前記光源、前記ビーム成形光学系、及び、前記光学検出器アレイが、軸外散乱光を収集し、軸外散乱光散乱光を基準ビームと組み合わせて、干渉信号を形成することによって、前記粒子のヘテロダイン干渉検出を行なうように構成される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項4】
前記光源及び前記光学検出器アレイが、前記粒子のシングル又はマルチビーム干渉検出を行なうように構成される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項5】
前記光源及び前記光学検出器アレイが、前記粒子の構造化暗ビーム干渉検出を行なうように構成される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項6】
前記光学検出器アレイが、前記フローセルを透過する入射電磁放射線と前記粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるために前記フローセルと光通信する状態で配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項7】
前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が、前方散乱される電磁放射線を含む、請求項6に記載の粒子検出システム。
【請求項8】
前記フローセルを透過する前記入射電磁放射線及び前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受ける、請求項6又は7に記載の粒子検出システム。
【請求項9】
前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項10】
前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項11】
前記光学検出器アレイが、前記粒子及び前記粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するために前記フローセルと光通信する状態で設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項12】
前記システムが、以下の条件、すなわち、
i.1℃/hr未満の速度における最大5℃のTの変化
ii.最大300mbarのPの変化
iii.最大10mmのビーム経路長の変化
iv.最大2mmのビーム焦点位置の変化
v.最大20%のビーム出力の変化
vi.最大200ミクロン/秒の振動レベルl
vii.最大+/-5度のビーム角度の変化
viii.最大<2%(RMS)のレーザーノイズの状態
ix.最大<1.3のレーザーのMの変化
x.最大<100MHzのレーザーの線幅の変化
xi.最大<50%のRHの変化
xii.電気(ラインパワー)安定性及びノイズの制御
xiii.これらの任意の組み合わせ
のうちの1つ又は複数に晒される際に内部粒子計数プロセスの有意な性能低下を伴うことなく、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう、請求項1~11のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項13】
前記システムが、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせに動作可能に結合されるコントローラを更に備え、前記コントローラが、周囲条件、内部刺激、外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせに応じて前記システムパラメータの変化を補償するためのものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項14】
前記周囲条件、前記内部刺激、又は、前記外部刺激が、温度の変化、圧力の変化、振動、音波、又は、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、請求項13に記載の粒子検出システム。
【請求項15】
前記コントローラが、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームの位置を監視するとともに、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせを能動的に制御するためのビームアライメントシステムである、請求項13又は14に記載の粒子検出システム。
【請求項16】
前記ビームアライメントシステムが熱膨張光学ドリフトの補償をもたらす、請求項15に記載の粒子検出システム。
【請求項17】
前記ビームアライメントシステムが低周波振動補償をもたらす、請求項15又は16に記載の粒子検出システム。
【請求項18】
前記ビームアラインメントシステムが、250Hz以上の周波数で5マイクロラジアン以下の範囲内において、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせのリアルタイム制御を行なう、請求項15~17のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項19】
前記ビームアライメントシステムが閉ループシステムである、請求項15~18のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項20】
前記ビームアライメントシステムが1つ又は複数の光センサ及びアクチュエータシステムを備える、請求項15~19のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項21】
前記1つ又は複数の光センサが前記システムの配置された直交光センサであり、前記アクチュエータシステムが1つ又は複数の圧電駆動ナノポジショナを備える、請求項20に記載の粒子検出システム。
【請求項22】
前記光センサが閉ループシステムへの入力を備え、前記アクチュエータシステムが前記閉ループシステムに出力を供給する、請求項20又は21に記載の粒子検出システム。
【請求項23】
前記コントローラが、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイを周囲条件の変化、内部刺激、動作環境の外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせから分離するための1つのアイソレータ又は複数のアイソレータである、請求項13~22のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項24】
前記アイソレータが、外部動作環境から前記システムへの振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である、請求項23に記載の粒子検出システム。
【請求項25】
前記アイソレータが、前記システム自体内から発生する振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である、請求項23又は24に記載の粒子検出システム。
【請求項26】
前記制振構成要素が、60Hz以上の基本周波数を有する振動の伝達を1%未満に低減するように設計される、請求項24又は25に記載の粒子検出システム。
【請求項27】
前記制振構成要素が、制振ばね機構、少なくとも2つの質量ダンパ、又は、これらの任意の組み合わせを備える、請求項24~26のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項28】
前記コントローラが、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの温度を制御することができる能動冷却構成要素である、請求項13に記載の粒子検出システム。
【請求項29】
前記能動冷却構成要素が、伝熱リンクを介して、前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、光学ベンチ、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせと熱連通している、請求項28に記載の粒子検出システム。
【請求項30】
前記能動冷却構成要素が熱電冷却器を備える、請求項28又は29に記載の粒子検出システム。
【請求項31】
前記熱電冷却器が、前記システムの外部筐体と熱連通しない状態で設けられる、請求項30に記載の粒子検出システム。
【請求項32】
前記熱電冷却器が、該熱電冷却器から熱を除去して前記システムの外部の環境に熱を注入するための熱交換構造体と熱連通した状態で設けられる、請求項30又は31に記載の粒子検出システム。
【請求項33】
前記熱交換構造体がフィン付き熱交換器である、請求項32に記載の粒子検出システム。
【請求項34】
前記熱電冷却器が、冷却側の湿気凝縮を防止するために乾燥ガスでパージされる、請求項30~33のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項35】
熱放散を高めるべく高温側熱交換器を横切って流れるように乾燥ガスで前記熱電冷却器がパージされる、請求項30~34のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項36】
前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせが、周囲条件、内部刺激、又は、外部刺激に応じて前記システムパラメータの変化を補償するための受動的分離を行なうように構成される、請求項1~35のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項37】
前記受動的分離が、以下の特徴、すなわち、
i.1つ又は複数の振動アイソレータの組み込み
ii.レンズへの1つ又は複数の接着剤層の組み込み
iii.1つ又は複数の熱硬化性又は熱可塑性の機械的拘束の組み込み
iv.光源及び構成要素のサイズ及び/又は質量の減少
v.150Hz以上の固有振動数を有するレンズマウントの組み込み
vi.光源及び構成要素から機械的に分離されるフローセルの組み込み
vii.熱膨張係数適合材料
viii.低熱膨張係数光学部品
のうちの1つ又は複数によって行なわれる、請求項36に記載の粒子検出システム。
【請求項38】
前記光源がコヒーレント入射ビームを供給する、請求項1~37のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項39】
前記光源がガウス入射ビームを供給する、請求項1~38のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項40】
前記光源が、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを生成するための1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子を備える、請求項1~39のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項41】
前記1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子が、回折要素、偏光要素、強度変調要素、位相変調要素、又は、これらの任意の組み合わせである、請求項40に記載の粒子検出システム。
【請求項42】
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが構造化非ガウスビームを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項43】
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが暗ビームを含む、請求項42に記載の粒子検出システム。
【請求項44】
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが1つ又は複数の線特異点によって特徴付けられるビームを含む、請求項42又は43に記載の粒子検出システム。
【請求項45】
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームがアナモフィックビームを含む、請求項42又は43に記載の粒子検出システム。
【請求項46】
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームがシルクハット形態のアナモフィックビームを含む、請求項42~45のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項47】
前記光学検出器アレイが検出器の複数のセグメント化された線形又は2次元アレイを備える、請求項1~46のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項48】
前記少なくとも1つの光学検出器アレイが差動検出を可能にする、請求項1~47のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項49】
前記流体が液体又は気体である、請求項1~48のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項50】
前記システムが液体化学物質中の粒子を検出するためのものである、請求項1~49のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項51】
前記システムが超純水中の粒子を検出するためのものである、請求項1~50のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項52】
前記システムが高圧ガス中の粒子を検出するためのものである、請求項1~49のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項53】
前記システムが表面上の粒子を検出するためのものである、請求項1~49のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項54】
流体中の粒子を検出するための方法であって、
粒子を含む前記流体の流れを供給するステップと、
光源を使用して電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するステップと、
ビーム成形光学系を使用して電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを前記フローセルに通すことにより、前記粒子によって散乱される電磁放射線を生成するステップと、
前記フローセルから光学検出器アレイへと電磁放射線を方向付けることによって、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出をもたらすステップと、
前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、及び、前記少なくとも1つの光学検出器アレイを指示する光学ベンチを設けるステップと、
前記光学ベンチが外部環境から熱的に分離されるように前記光学ベンチを取り囲む筐体を設けるステップと、
閉ループ温度制御システムを含む能動温度制御システムによって前記光源の温度を制御するステップであって、前記閉ループ温度制御システムが、前記光源に熱的に結合された熱電冷却器及び温度センサと、前記熱電冷却器及び前記温度センサと電気的に通信する温度コントローラであって、前記光源の温度を制御するように構成されている温度コントローラと、を含む、ステップと、
前記能動温度制御システムによって、前記光学ベンチを含む前記筐体の内部容積の温度を制御するステップと、
を含み、
前記フローセル、前記光源、前記ビーム成形光学系、前記光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように構成される及び/又は制御される、方法。
【請求項55】
前記光学検出器アレイが、前記フローセルを透過する入射電磁放射線と前記粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるために前記フローセルと光通信する状態で配置される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が前方散乱される電磁放射線を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記フローセルを通じて伝送される前記入射電磁放射線及び前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受ける、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられる、請求項54~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる、請求項54~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記光学検出器アレイが、前記粒子及び前記粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するために前記フローセルと光通信する状態で設けられる、請求項54~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記方法が、以下の条件、すなわち、
i.1℃/hr未満の速度における最大5℃のTの変化
ii.最大300mbarのPの変化
iii.最大10mmのビーム経路長の変化
iv.最大2mmのビーム焦点位置の変化
v.最大20%のビーム出力の変化
vi.最大200ミクロン/秒の振動レベルl
vii.最大+/-5度のビーム角度の変化
viii.最大<2%(RMS)のレーザーノイズの状態
ix.最大<1.3のレーザーのMの変化
x.最大<100MHzのレーザーの線幅の変化
xi.最大<50%のRHの変化
xii.電気(ラインパワー)安定性及びノイズの制御
xiii.これらの任意の組み合わせ
のうちの1つ又は複数に晒される際に内部粒子計数プロセスの有意な性能低下を伴うことなく、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう、請求項54~60のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]この出願は、参照により本願に組み込まれる2019年11月22日に出願された米国仮特許出願第62/939,232号の利益及び優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]クリーンルーム条件を必要とする技術及び産業の進歩は、益々小さな粒子の検出及び特性評価の必要性をもたらした。例えば、マイクロエレクトロニクスファウンドリは、サイズが20nm未満、場合によってはサイズが10nm未満の粒子の検出を追求する。これは、これらの寸法の粒子が益々敏感になる製造プロセスや製品に影響を与える可能性があるからである。同様に、医薬品や生体材料を製造するための無菌処理条件の必要性は、健康と人間の安全とに関連するコンプライアンス基準に対処するために、生存可能な粒子及び生存不可能な粒子の正確な特性評価を必要とする。
【0003】
[0003]通常、これらの産業は、小さな粒子の検出及び特性評価のために光学式粒子カウンタに依存する。より小さな粒子を検出できるようにするには、レーザー出力の増大、励起波長の短縮、及び、凝縮核計数などのより複雑な技術を採用したシステムなど、光学粒子計数のための新たなアプローチが必要であり、これにより、ナノメートルスケールの粒子の検出が可能なデバイスのコスト及び全体的な複雑さが劇的に増大する可能性がある。これらの新たなアプローチでは、必要な信頼性及び再現性をもたらすためにより頻繁なキャリブレーション及びメンテナンスが必要になる可能性もある。
【0004】
[0004]様々な光学式粒子カウンタが当技術分野で知られており、例えば、散乱光光学式粒子カウンタが米国特許第7,916,293号で提供され、また、構造化ビーム及び/又は干渉分光法を利用するものを含む透過/消光粒子カウンタが、米国特許第7,746,469号、米国特許第9.983,113号、米国特許第10,416,069号、米国特許出願公開第2019/0277745号、米国特許出願公開第20170176312号、PCT国際公開第2019/082186号で提供される。これらの引用文献のそれぞれは、それらの全体が本願に組み込まれ、具体的には、小さな粒子の検出及び特性評価に有用な粒子カウンタシステムの構成要素及び形態を説明するために組み込まれる。
【0005】
[0005]以上から分かるように、当技術分野では、小さなサイズ寸法を有する粒子の高度な光学的感知を行なうシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明は、粒子の干渉検出及び100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出に関する。粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出のための高度な位置合わせ及び安定性を示すシステム及び方法が提供される。内部及び外部刺激の影響と、干渉ベースの技術及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出のためのシステムを含む、光学的方法による粒子検出の感度及び信頼性を低下させる可能性のある動作条件の変化とを軽減するための補償手段を含むシステム及び方法が提供される。実施形態において、例えば、システム及び方法には、干渉粒子検出システム又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出のための方法及び/又はシステムを含む、光学粒子検出システム又は方法の動作許容範囲を高めるコントローラ、アイソレータ及び/又は補償器などの能動的及び/又は受動的構成要素が設けられる。本システムは、例えば、振動、音波、熱エネルギーの内部又は外部の根源などの動作状態又は動作条件の態様、或いは、温度、圧力などの周囲条件及び/又は動作条件の変化に関して、100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の測定のための光学式粒子カウンタ及び/又は構造化ビーム又はヘテロダイン干渉検出を伴うような干渉粒子カウンタの性能の低下を軽減するために有用である。
【0007】
[0007]一態様において、粒子検出システムは、粒子を含む流体を流すためのフローセルと、電磁放射線の1つ又は複数のコヒーレントビームなどの電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するための光源と、電磁放射線の1つ又は複数のビームをフローセルに通すことにより、粒子によって散乱される電磁放射線を生成するためのビーム成形光学系と、前記フローセルから電磁放射線を受信するための少なくとも1つの光学検出器アレイであって、光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイが、粒子の干渉検出及び/又は少なくとも1つが及び任意選択で全てが100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を可能にするように構成される、少なくとも1つの光学検出器アレイとを備え、システムは、粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出などによって、温度、圧力、振動の程度、及び、音波の程度のうちの少なくとも1つ、又は、これらの任意の組み合わせがそれぞれ、粒子の検出中に高い信号対雑音比を維持するべく、選択された許容範囲内に独立して維持されるように構成される。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態において、システム及び方法は、100nm以下の粒子を検出するためのものであり、散乱ベースの方法又はシステム、蛍光ベースの方法又はシステム、光学的消光ベースの方法又はシステム、干渉ベースの方法又はシステム、凝縮核計数(CNC)ベースの方法又はシステム、及び/又は、これらの任意の組み合わせを使用する。
【0009】
[0009]一実施形態において、光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイは、コヒーレント電磁放射線の構造化プローブビームをフローセルに通すことによって、粒子の構造化ビーム干渉検出を行なうように構成される。一実施形態において、光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイは、軸外散乱光を収集し、軸外散乱光散乱光を基準ビームと組み合わせて、干渉信号を形成することによって前記粒子のヘテロダイン干渉検出を行なうように構成される。一実施形態において、光源及び光学検出器アレイは、共通経路又は差動経路干渉法を含む粒子のシングル又はマルチビーム干渉検出を行なうように構成される。一実施形態において、光源及び光学検出器アレイは、強度の中心線減少などの減衰強度の領域を有する空間強度プロファイルによって特徴付けられる構造化暗ビームなどの、粒子の構造化暗ビーム干渉検出を行なうように構成される。一実施形態において、光源及び光学検出器アレイは、例えば、フローセルを透過する電磁放射線及び粒子によって散乱される電磁放射線の両方の検出によって、粒子のガウス又は非ガウスビーム干渉検出を行なうように構成され、幾つかの例では、自己補正干渉ジオメトリをもたらし、このジオメトリは、ビーム経路長を変更し得る熱効果に対する感度が低いという利点を与える。
【0010】
[0010]一実施形態において、光学検出器アレイは、フローセルを透過する入射電磁放射線と粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるためにフローセルと光通信する状態で配置され、例えば、この場合、粒子によって散乱される電磁放射線は、前方散乱される電磁放射線を含む。一実施形態において、フローセルを通過する入射電磁放射線及び粒子によって散乱される電磁放射線は、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受けることによって、例えば、1つ又は複数の回折パターンを生成する。一実施形態において、光学検出器アレイは、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~1度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~0.1度の範囲内の散乱角で設けられる。一実施形態において、光学検出器アレイは、粒子及び粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するためにフローセルと光通信する状態で設けられる。一実施形態では、光学検出器アレイが差動検出を行なうように設けられる。
【0011】
[0011]本発明のシステム及び方法は、内部又は外部刺激並びに周囲条件及び/又は動作条件の変化に関して許容範囲が改善された、干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう。一実施形態において、システムは、以下の条件、すなわち、1℃/hr未満の速度における最大5℃の温度(T)の変化、最大300mbarの圧力(P)の変化、最大10mmのビーム経路長の変化、最大2mmのビーム焦点位置の変化、最大20%のビーム出力の変化、最大200ミクロン/秒の振動レベルl、最大+/-5度のビーム角度の変化、最大<2%(RMS)のレーザーノイズの状態、最大<1.3のレーザーのMの変化、最大<100MHzのレーザーの線幅の変化、最大<50%のRHの変化、電気(ラインパワー)安定性及びノイズの制御のうちの1つ又は複数に晒される際に内部粒子計数プロセスの有意な性能低下を伴うことなく、粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう。
【0012】
[0012]特定の実施形態のシステム及び方法は、流体流れ中の粒子の正確な干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する流体流れ中の粒子の光学的検出を行なうのに十分な位置合わせ及び安定性を動作中に維持することができるコントローラ構成要素を含む。一実施形態において、システムは、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせに動作可能に結合されるコントローラを更に備え、コントローラは、周囲条件、内部刺激、外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせに応じてシステムパラメータの変化を補償するためのものである。一実施形態において、周囲条件、内部刺激、又は、外部刺激は、温度の変化、圧力の変化、振動、音波、又は、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。
【0013】
[0013]一実施形態において、コントローラは、粒子の干渉検出中及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出中に高い信号対雑音比を維持するように、1つ又は複数のビームの位置を監視するとともに、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせを能動的に制御するためのビームアライメントシステムである。一実施形態において、ビームアライメントシステムは、熱膨張光学ドリフトの補償をもたらす。一実施形態において、ビームアライメントシステムは、低周波振動補償をもたらす。一実施形態において、ビームアラインメントシステムは、250Hz以上の周波数で5マイクロラジアン以下の範囲内において、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせのリアルタイム制御を行なう。
【0014】
[0014]一実施形態において、ビームアライメントシステムは、粒子の干渉検出中及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出中に位置合わせ及び/又は安定性を能動的に維持するための入力及び出力を生成/受信することができる閉ループシステムである。一実施形態において、1つ又は複数の光センサは直交光センサ(例えば、システムの折り返しミラーの背後に配置される)であり、アクチュエータシステムは1つ又は複数の圧電駆動ナノポジショナを備える。一実施形態では、光センサが閉ループシステムに入力を供給し、アクチュエータシステムは、動作中に光学的位置合わせを維持して安定化するために出力を供給する。
【0015】
[0015]一実施形態において、コントローラは、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイを周囲条件の変化、内部刺激、動作環境の外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせから分離するための1つのアイソレータ又は複数のアイソレータである。一実施形態において、アイソレータは、外部動作環境からシステムへの振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である。一実施形態において、アイソレータは、ポンプ又は他の振動発生構成要素からのフローセルを通じた流体の輸送から生じるなど、システム自体内から発生する振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である。一実施形態において、制振構成要素は、60Hz以上の基本周波数を有する振動の伝達を初期振幅の1%未満に低減するように設計される。一実施形態において、制振構成要素は、減衰ばね機構、少なくとも2つの質量ダンパ、又は、これらの任意の組み合わせを備える。
【0016】
[0016]一実施形態において、コントローラは、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの温度を制御することができる能動冷却構成要素である。一実施形態において、能動冷却構成要素は、伝熱リンクを介して、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学ベンチ、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせと熱連通している。一実施形態において、能動冷却構成要素は熱電冷却器を備える。一実施形態において、熱電冷却器は、システムの外部筐体と熱連通しない状態で設けられる。一実施形態において、熱電冷却器は、熱電冷却器から熱を除去してシステムの外部の環境に熱を注入するための熱交換構造体と熱連通した状態で設けられる。一実施形態において、熱交換構造体はフィン付き熱交換器である。一実施形態において、熱電冷却器は、冷却側の湿気凝縮を防ぐために乾燥ガスでパージされる。一実施形態において、熱電冷却器は、熱放散を高めるために、高温側熱交換器を横切って流れるように乾燥ガスでパージされる。
【0017】
[0017]一実施形態において、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、周囲条件、内部刺激及び/又は外部刺激に応じてシステムパラメータの変化を補償するための受動的分離を行なうように構成される。一実施形態において、受動的分離は、以下の特徴、すなわち、1つ又は複数の振動アイソレータの組み込み、レンズへの1つ又は複数の接着剤層の組み込み、1つ又は複数の熱硬化性又は熱可塑性の機械的拘束の組み込み、光源及び構成要素のサイズ及び/又は質量の減少、150Hz以上の固有振動数を有するレンズマウントの組み込み、光源及び構成要素から機械的に分離されるフローセルの組み込み、熱膨張係数適合材料、低熱膨張係数光学部品のうちの1つ又は複数によって行なわれる。
【0018】
[0018]一実施形態において、光源は、ガウス入射ビームなどのコヒーレント入射ビームをフローセルに供給する。また、本発明のシステム及び方法は、暗ビーム干渉検出を含む構造化ビーム干渉検出にもうまく適合される。一実施形態において、光源は、電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するための1つ又は複数の整形及び/又は結合光学素子を備える。一実施形態において、1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子は、回折要素、偏光要素、強度変調要素、位相変調要素、又は、これらの任意の組み合わせである。一実施形態において、電磁放射線の1つ又は複数のビームは構造化非ガウスビームを含む。一実施形態において、電磁放射線の1つ又は複数のビームは暗ビームを含む。一実施形態において、電磁放射線の1つ又は複数のビームは、1つ又は複数の線特異点によって特徴付けられるビームを含む。一実施形態において、電磁放射線の1つ又は複数のビームはアナモルフィックビームを含む。一実施形態において、電磁放射線の1つ又は複数のビームは、シルクハット形態のアナモフィックビームを含む。
【0019】
[0019]システム及び方法は、幅広い検出器及び検出器形態に適合する。一実施形態において、前向き軸上検出器対が例えば0度~20度の範囲内の散乱角で設けられる。差動検出は、ノイズの大幅な低減をもたらすために本システム及び方法で使用することができる。
【0020】
[0020]本発明のシステム及び方法は、流体流れ中の単一粒子の検出、計数、及び、寸法付けを含む、粒子の干渉検出及び/又は流れ流体中の100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう。一実施形態では、流体が液体又は気体である。一実施形態において、システムは、液体化学物質中の粒子を検出するためのものである。一実施形態において、システムは、超純水中の粒子を検出するためのものである。一実施形態において、システムは、高圧ガス中の粒子を検出するためのものである。一実施形態において、システムは、空気中の粒子を検出するためのものである。一実施形態において、システムは、表面上の粒子を検出するためのものである。
【0021】
[0021]一態様において、流体中の粒子を検出するための方法は、粒子を含む流体の流れを供給するステップと、光源を使用して、電磁放射線の1つ又は複数のコヒーレントビームなどの電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するステップと、ビーム成形光学系を使用して電磁放射線の1つ又は複数のビームをフローセルに通すことにより、粒子によって散乱される電磁放射線を生成するステップと、フローセルと光通信する少なくとも1つの光学検出器アレイを使用して、前記フローセルから光学検出器アレイへと電磁放射線を方向付けることによって、粒子の干渉検出及び/又は少なくとも1つが及び任意選択で全てが100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を可能にするステップとを含み、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように構成される及び/又は制御される。幾つかの実施形態において、例えば、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、高い信号対雑音比を維持するために及び/又は粒子の干渉検出中及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出中など、粒子の検出中に有意な性能低下を回避するために、1つ又は複数の粒子検出システムパラメータが独立して維持されるように構成され、この場合、そのような粒子検出システムパラメータは、光ビーム経路、光源の位置及び/又は位置合わせ、ビーム成形システムの位置及び/又は位置合わせ、フローセルの位置及び/又は位置合わせ、ビーム収集システムの位置及び/又は位置合わせ、検出器の位置及び/又は位置合わせ、或いは、これらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0022】
[0022]方法の一実施形態において、光学検出器アレイは、フローセルを透過する入射電磁放射線と粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるためにフローセルと光通信する状態で配置され、例えば、この場合、粒子によって散乱される電磁放射線は、前方散乱される電磁放射線を含む。方法の一実施形態において、フローセルを透過する入射電磁放射線及び粒子によって散乱される電磁放射線は、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受ける。方法の一実施形態において、光学検出器アレイは、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~1度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~0.1度の範囲内の散乱角で設けられる。方法の一実施形態において、光学検出器アレイは、粒子及び粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するためにフローセルと光通信する状態で設けられる。一実施形態では、光学検出器アレイが差動検出を行なうように設けられる。
【0023】
[0023]一態様において、粒子検出システムは、粒子を含む流体を流すためのフローセルと、構造化された非ガウスビームを含む電磁放射線の1つ又は複数のコヒーレントビームなどの電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するための光源と、電磁放射線の1つ又は複数のビームをフローセルに通すことによって粒子により散乱される電磁放射線を生成するためのビーム成形光学系と、前記フローセルから電磁放射線を受けるための少なくとも1つの光学検出器アレイであって、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる、少なくとも1つの光学検出器アレイとを備え、光源は、前記フローセルを透過する入射電磁放射線及び前記粒子によって散乱される電磁放射線を受信するために前記フローセルと光通信状態で配置され、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイは、構造化ビーム干渉検出を可能にするように構成され、システムは、温度、圧力、振動の程度、及び、音波の程度のうちの少なくとも1つ、又は、これらの任意の組み合わせがそれぞれ、粒子の検出中に高い信号対雑音比を維持するべく、選択された許容範囲内に独立して維持されるように構成され、システムは、前記フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせを備える光学ベンチなどに動作可能に接続されるコントローラを更に備え、前記コントローラは、周囲条件、内部刺激、外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせに応じて前記システムパラメータの変化を補償するためのものであり、前記コントローラは、任意選択で、(i)前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームの位置を監視するとともに、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせを能動的に制御するための、前記システムの配置された直交光センサ及び1つ又は複数の圧電駆動ナノポジショナなどのビームアライメントシステム、(ii)フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイを周囲条件の変化、内部刺激、動作環境の外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせから分離するための、外部動作環境から前記システムへの振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる、又は、システム自体内から生じる振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素などの1つのアイソレータ又は複数のアイソレータ、及び/又は、(iii)フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせなどのシステムの要素の温度を制御することができる、熱電冷却器などの能動冷却構成要素のうちの1つ又は複数であり、任意選択で、前記コントローラは、閉ループフィードバック制御用に構成される。
【0024】
[0024]一実施形態において、流体中の粒子を検出するための方法は、(i)粒子を含む前記流体の流れを供給するステップと、(ii)光源を使用して構造化された非ガウスビームを含む電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するステップと、(iii)ビーム成形光学系を使用して電磁放射線の1つ又は複数のビームを前記フローセルに通すことにより、前記粒子によって散乱される電磁放射線を生成するステップと、(iv)前記フローセルから光学検出器アレイへと電磁放射線を方向付けるステップであって、前記光学検出器アレイが、電磁放射線の入射する1つ又は複数のビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられるとともに、前記フローセルを透過する入射電磁放射線と前記粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるために前記フローセルと光通信する状態で配置されることにより、前記粒子の構造化ビーム干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なうステップとを含み、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように構成され及び/又は制御され、方法は、前記フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせを備える光学ベンチなどに動作可能に接続されるコントローラを用意するステップを更に含み、前記コントローラは、周囲条件、内部刺激、外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせに応じて前記システムパラメータの変化を補償するためのものであり、前記コントローラは、任意選択で、(i)前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームの位置を監視するとともに、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせを能動的に制御するための、前記システムの配置された直交光センサ及び1つ又は複数の圧電駆動ナノポジショナなどのビームアライメントシステム、(ii)フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイを周囲条件の変化、内部刺激、動作環境の外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせから分離するための、外部動作環境から前記システムへの振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる、又は、システム自体内から生じる振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素などの1つのアイソレータ又は複数のアイソレータ、及び/又は、(iii)フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせなどのシステムの要素の温度を制御することができる、熱電冷却器などの能動冷却構成要素のうちの1つ又は複数であり、任意選択で、前記コントローラは、閉ループフィードバック制御用に構成される。
【0025】
[0025]特定の理論に拘束されることを望まないが、本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び、方法に関連する基本的な原理の信念又は理解についての議論が本明細書にあり得る。機構的説明又は仮説の最終的な正しさに関係なく、それにもかかわらず、本発明の実施形態は、有効であり、有用である可能性があることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】光学ベンチの振動絶縁を伴う流体流れ中の粒子の干渉検出のためのシステムの概略図を与える図であり、シングルパス光学ジオメトリを示す図である。
図1B】光学ベンチの振動絶縁を伴う流体流れ中の粒子の干渉検出のためのシステムの概略図を与える図であり、デュアルパス光学ジオメトリを示す図である。
図1C】光学ベンチ及び光学ベンチによって支持される構成要素を含むシステムコンポーネントの振動絶縁を行なうための光学式粒子カウンタの筐体構成要素の概略図である。
図2】振動アイソレータの一例の伝達率対周波数のプロットである。
図3A】光学的位置合わせの閉ループ制御のために直交光センサ及び圧電駆動高速ステアリングミラー(FSM)を使用する実装アライメント制御システムを示す概略図である。
図3B】光学的位置合わせの閉ループ制御のために直交光センサ及び圧電駆動高速ステアリングミラー(FSM)を使用する実装アライメント制御システムを示す概略図である。
図3C】安定な位置合わせされた形態におけるシステムを例示する強度パターン例を示す概略図である。
図3D】不安定な位置ずれした形態におけるシステムを例示する強度パターン例を示す概略図である。
図4】制御された光学的位置合わせを行なうべく、入力としてのクワッド検出器信号及び高速ステアリングミラー(FSM)を使用して光学的位置合わせの閉ループフィードバック制御を行なうための一連のステップ及び基準を示すフロー図である。
図5】対象範囲(例えば、光学ベンチの長さ及び幅)にわたる温度変化対長さ変化のグラフである。
図6】温度制御システムを伴う流体流れ中の粒子の検出のためのシステムの概略図である。
図7】液体粒子カウンタシステムにおける振動隔離及び冷却のためのアプローチ例を示す概略図である。
図8】振動絶縁及び温度制御を行なうための要素を示す液体粒子カウンタシステムの概略斜視図である。
図9A図8の液体粒子カウンタシステムに対して相補的な液体粒子カウンタシステムの概略斜視図である。
図9B】振動アイソレータの構成要素、及び、振動アイソレータが光学ベンチにどのように結合されるのかを示す、液体粒子カウンタシステムの拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0039]以下の説明では、本発明の正確な性質の完全な説明を行なうために、本発明のデバイス、デバイス構成要素、及び方法の多くの特定の詳細が示される。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明はこれらの特定の詳細を伴わずに実施され得る。
【0028】
[0040]一般に、本明細書で使用される用語及び句は、当業者に知られている標準的なテキスト、定期刊行物文献、及び文脈を参照することによって見つけることができる、当業者に認識された意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈におけるそれらの特定の使用を明確にするために与えられる。
【0029】
[0041]「粒子」とは、汚染物質と見なされることが多い小さな物体を指す。粒子は、例えば、2つの表面が機械的に接触し、機械的な動きがある場合に、摩擦の作用によって形成される任意の材料であってもよい。粒子は、ほこり、汚れ、煙、灰、水、すす、金属、酸化物、セラミック、鉱物、或いはこれら又は他の材料又は汚染物質の任意の組み合わせなどの材料の集合体で構成され得る。また、「粒子」は、生物学的粒子、例えば、ウイルス、胞子、及び細菌、真菌、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含む微生物を指す場合がある。幾つかの実施形態において、例えば、生物学的粒子は、0.1~15μmの範囲、任意選択で幾つかの用途においては0.5~5μmの範囲のサイズ寸法(例えば、有効直径)によって特徴付けられる。
【0030】
[0042]粒子は、光を吸収、放出、又は散乱する小さな物体を指す場合があり、したがって、光学式粒子カウンタによって検出可能である。本明細書で使用される場合、「粒子」は、キャリア流体又はサンプル媒体、例えば、水、空気、プロセス液体化学物質、プロセスガスなどの個々の原子又は分子を除外することを意図している。幾つかの実施形態において、粒子は、当初は、微細加工施設のツール表面や製薬製造施設の生産表面などの表面に存在して、表面から遊離し、その後、液体中で分析される。幾つかのシステム及び方法は、サイズ寸法、及び任意選択で、5nm、10nm、20nm、30nm、50nm、100nm、500nmを超える、1μm以上、又は10μm以上の平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長、及び/又は平均若しくは有効幅などの全てのサイズ寸法を有する材料の凝集体を備える粒子を検出することができる。本発明の幾つかの実施形態は、10nm~150μm、任意選択で幾つかの用途においては10nm~10μm、任意選択で幾つかの用途においては10nm~1μm、任意選択で幾つかの用途においては10nm~0.5μm、及び、任意選択で幾つかの用途においては10nm~250μmの範囲から選択される、サイズ寸法、及び任意選択で、平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長、及び/又は平均若しくは有効幅などの全てのサイズ寸法を有する粒子を検出することができる。
【0031】
[0043]「粒子を検出する」という表現は、広義には、平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長、及び/又は平均若しくは有効幅などのサイズ寸法に関して粒子を特性評価するなど、粒子の存在を感知、識別、粒子を数える、及び/又は粒子を特性評価することを指す。幾つかの実施形態では、粒子を検出することは、粒子を数えることを指す。幾つかの実施形態では、粒子を検出することは、平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長さ及び/又は平均若しくは有効幅の1つ又は複数の範囲に対応する粒子を数えるなど、サイズ特性又はサイズ特性の範囲(例えば、サイズビン)に対応する粒子を数えることを指す。幾つかの実施形態では、粒子の検出は、断面寸法、平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長さ、平均若しくは有効幅形状、サイズ、空気力学的サイズ、又はこれらの任意の組み合わせなどの粒子の物理的特性を特性評価する及び/又は測定することを指す。幾つかの実施形態では、粒子の検出は、0.05CFM~10CFM、任意選択で幾つかの用途については0.1CFM~5CFM、任意選択で幾つかの用途については0.5CFM~2CFMの範囲にわたって選択された体積流量を有するガスなどの流動流体中で実行される。幾つかの実施形態では、粒子の検出は、1~1000mL/分の範囲にわたって選択された体積流量を有する液体などの流動流体中で実行される。
【0032】
[0044]「光学式粒子カウンタ」又は「粒子カウンタ」は、互換的に使用され、光学的分析及び/又は検出を使用して、例えば、流体の流れ中及び/又は流体サンプル中の粒子を分析することによって、粒子を検出、計数、及び/又は特性評価する粒子検出システムを指す。光学式粒子カウンタには、例えば、液体又は気体の流れなどの流体流れ中の個々の単一粒子を検出し、例えば、サイズ基準又はサイズ基準の範囲、例えば、平均若しくは有効直径、平均若しくは有効長、及び/又は平均若しくは有効幅(例えば、1つ又は複数のサイズビン)の範囲に基づいて、分析された流体の体積あたりの粒子の数を特性評価することができるシステムを含む、液体粒子カウンタ及びエアロゾル粒子カウンタが含まれる。
【0033】
[0045]幾つかの実施形態では、光学式粒子カウンタは、電磁放射線のビームを(例えば、レーザー又は発光ダイオードを介して)フローセルの分析領域などの相互作用領域に供給し、そこでビームは流体流れ中の粒子と相互作用する。照射は、相互作用領域に供給される入射ビームの集束、フィルタリング、及び/又は成形(例えば、伸長)を伴い得る。粒子の検出及び/又は特性評価は、相互作用領域からの散乱、放出、及び/又は透過された電磁放射線の検出及び分析によって達成することができる。検出は、粒子によって散乱、吸収、隠蔽、及び/又は放出された電磁放射線を、光学検出器アレイなどの1つ又は複数の光検出器に集束、フィルタリング、及び/又は成形することを伴い得る。光学式粒子カウンタ用の様々な検出器は、例えば、単一の検出要素(例えば、フォトダイオード、光電子増倍管など)、光学検出器アレイ(例えば、フォトダイオードアレイ、CMOS検出器、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合デバイス(CCD)、金属酸化物半導体(MOS)検出器など)、カメラを含めて当技術分野で知られており、また、当技術分野で知られている様々な検出器の向きを使用して実装することができる。光学式粒子カウンタは、スプリットビーム差動検出を含む差動検出を組み込むことができる。光学式粒子カウンタは、凝縮粒子カウンタ、凝縮核カウンタなどを含み得る。凝縮粒子カウンタの文脈で使用される場合、光学式粒子カウンタ部は、上流側で核形成及び/又は成長を受けた粒子を特性評価するための検出システム(例えば、電磁放射線源、光学素子、フィルタ、光学収集、検出器、プロセッサなど)を指す。
【0034】
[0046]一実施形態では、例えば、光学式粒子カウンタは、電磁放射線のビームを生成するための光源、流体サンプルが流れている領域、例えばフローセルを通じて液体又はガスが流れている領域にビームを向けて集束させるためのビームステアリング及び/又は成形光学素子を備える。典型的な光学式粒子カウンタは、フローセルと光通信する光学検出器アレイなどの光検出器、及び、入射ビームを通過する粒子によって散乱、透過、及び/又は放出される電磁放射線を収集、成形、及び/又は撮像するための収集光学素子を備える。粒子カウンタは、電流-電圧変換器、パルス高分析器、信号フィルタリング電子機器、増幅電子機器などを含む光検出器によって生成された電気信号の読み出し、信号処理、及び/又は分析のための電子機器及び/又はプロセッサ(例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアによって実装される)を更に備えてもよい。また、光学式粒子カウンタは、フローセルの分析領域を通じて粒子を含む流体サンプルを輸送するための流体流を生成するための、例えば、体積流量によって特性評価される測定値を生成するためのポンプ、ファン、ブロワなどのような1つ又は複数の流体作動システムを備えてもよい。幾つかの実施形態では、光学式粒子カウンタは、0.05CFM~10CFM、任意選択で幾つかの用途においては0.1CFM~5CFM、任意選択で幾つかの用途においては0.5CFM~2CFMの範囲にわたって選択された流量などの選択された流量を生成するための流体作動システムを含む。一部の光学式粒子カウンタでは、1~1000mL/分の範囲で選択された流量を含む1つ又は複数の液体を備えるサンプルに関して流量が生成される。
【0035】
[0047]「粒子の干渉検出」という表現は、1つ又は複数の粒子を検出、計数、及び/又は特性評価するために、少なくとも光学干渉の成分を使用するシステム及び方法を指す。幾つかの実施形態では、電磁放射線のコヒーレントビームが重ね合わされるか、さもなければ組み合わされて、電磁放射線の少なくとも一部と相互作用する粒子のサイズ特性を感知、計数、及び/又は決定するための光学干渉を引き起こす。「構造化ビーム干渉検出」とは、非ガウス強度分布を有する電磁放射線の構造化プローブビームが粒子を含むフローセルに通されるとともに、粒子を感知、計数、及び/又は特性評価するためにフローセルからの光(例えば、透過光、散乱光(例えば、前方散乱光)など)が光学検出器アレイを使用して検出される、干渉測定システム及び方法を指す。「ヘテロダイン干渉検出」とは、コヒーレント電磁放射線のプローブビームがフローセルに通されて別個の基準ビームと組み合わされるとともに、粒子を感知、計数、及び/又は特性評価するためにプローブビームと基準ビームとの組み合わせが光学検出器アレイを使用して検出される、干渉システム及び方法を指す。幾つかの実施形態において、粒子カウンタは、軸外散乱光を収集し、軸外散乱光散乱光を基準ビームと組み合わせて干渉信号を生成することにより、前記粒子のヘテロダイン干渉検出を行なうように構成される。
【0036】
[0048]統計的に有意なデータを提供する態様で、清浄及び超清浄な流体中の小さな粒子(例えば、有効径100nm未満)を検出及び計数するには、高い信号対雑音比(S/N)が必要である。高いS/N比により、ノイズフロアの上方でナノ粒子を明確に検出できる。本明細書で使用される「統計的に有意なデータ」は、流体中の汚染レベルを正確に評価することができるように、単位時間あたりの十分な粒子の検出を指す。幾つかの実施形態では、高いS/Nは、必ずしも寸法付け精度に直接関係するわけではない。例えば、一部の光学式粒子カウンタでは、ビームウエストがフローセルチャネルのごく一部を占めるため、このアプローチでは、放射照度が中心よりも小さいビームの縁を粒子が通過できるように、フロー全体のサブセットを監視する。50nmの粒子がビームの外縁を通過する場合、ビームの中心を通過する10nmの粒子と同様の信号を生成する場合がある。したがって、一部の光学式粒子カウンタでは、寸法付けの精度はあまり高くないが、S/Nが高く、2nmの粒子を検出できる可能性がある。一部の現在の光学式粒子カウンタ及び方法において、目標は、最短時間で超高純度流体の汚染レベルの定量的で統計的に健全な評価を行なうのに十分な粒子を計数できるようにすることである。例えば、現在の最先端の粒子カウンタは、最先端の超純水システムを監視するときに、統計的に適切な濃度(許容可能な相対標準偏差)測定値を与えるのに十分な粒子を計数するために最大40分かかる場合がある。現在のシステム及び方法を通じて高いS/Nを改善及び維持することにより、この統計的に許容可能な最小粒子数を測定するために必要な時間間隔を10倍以上短縮することができる。これにより、ユーザはプロセス管理限界からの逸脱をより迅速に特定できるため、価値がもたらされる。
【0037】
[0049]「高い信号対雑音比」という表現は、小さな物理的寸法(例えば、有効直径が200nm以下、任意選択で幾つかの実施形態の場合には100nm以下、任意選択で幾つかの実施形態の場合には50nm以下)によって特徴付けられる粒子を含む、流体流れ中の粒子の正確で高感度な検出のために十分な光学粒子検出システムの信号対雑音比を指す。一実施形態において、「高い信号対雑音比」は、20nmまでの有効直径、任意選択で幾つかの実施形態の場合には10nmまでの直径、任意選択で幾つかの実施形態の場合には1nmまでの直径を有する粒子など、小さな物理的寸法によって特徴付けられる粒子を感知するのに十分に高い信号対雑音比を指す。一実施形態において、「高い信号対雑音比」は、例えば、1~1000nmの範囲にわたって選択された有効直径を持つ粒子の検出のため、50カウント/L以下の誤検出率で粒子を正確に検出及び計数するのに十分に高い信号対雑音比を指す。一実施形態において、「高い信号対雑音比」は、従来の光学式粒子カウンタよりも少なくとも10倍少ない時間枠で最小の統計的に許容可能な粒子計数を行なうのに十分に高い信号対雑音比を指す。
【0038】
[0050]「粒子計数プロセスの有意な性能低下」という表現は、流れる流体中の粒子を検出及び計数する粒子検出システムの能力の低下を指す。幾つかの実施形態では、粒子計数プロセスの有意な性能低下は、最小サイズのチャネルにおける検出閾値電圧の20%以上のシフトを指す。幾つかの実施形態では、粒子計数プロセスの有意な性能低下は、50カウント/L以上の偽計数率の増加を指す。幾つかの実施形態では、粒子計数プロセスの有意な性能低下は、5倍以上、任意選択で幾つかの実施形態では10倍以上の最小の統計的に許容可能な粒子計数を行なうのに必要な時間の増加を指す。幾つかの実施形態では、例えば、不十分に管理されたノイズ源の結果としての粒子計数プロセスの有意な性能低下は、S/Nの低下を指し、それにより、最小粒子の不十分な検出可能性をもたらす。例えば、S/Nが低下すると、50nmからの検出信号が20nm粒子からの信号のように見え、20nm粒子信号がノイズと区別できなくなり、その結果、検出可能性が低下し、単位時間あたりに計数される粒子が少なくなる、及び/又は、ノイズレベルの上昇による誤った計数が起こる。
【0039】
[0051]「差動検出」という表現は、例えば、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で、任意選択で幾つかの用途においては入射ビームの光軸に対して0度~0.1度の範囲内の散乱角で、任意選択で0度又はその付近である散乱角で、前向き軸上検出器対からの差動信号を使用する技術及びシステムを指す。最小2つのピクセルを使用して、差動信号(例えば、1つは上側(又は上端)及び1つは下側(又は下端))を生成することにより、差動検出のための単一のピクセル対を形成することができる。或いは、1つ又は複数のピクセル対を備えるセグメント化された差動検出器などの差動検出器のそれぞれのアクティブ検出器領域(例えば、上端部アクティブ領域及び下端アクティブ領域)ごとに複数のピクセルを使用することにより、例えば複数のピクセル対を使用することができ、この場合、各ピクセル対の1つのピクセルは上端アクティブ検出器領域に対応し、また、各ピクセル対のもう1つのピクセルは下端アクティブ領域に対応する。ピクセル対の数は、例えば1~500ピクセルの範囲であり、また、一部の用途では50~100ピクセルの範囲であってもよい。幾つかの実施形態において、差動信号は、上半分及び下半分などのセグメント化された検出器アレイの異なるアクティブ領域に対応するピクセル対からの信号を差動的に追加することによって生成される。差動検出を本システム及び方法で使用して、ノイズを低減し、したがって信号対ノイズ比を向上させることができる。幾つかの実施形態では、例えば、差動検出は、前記フローセルを透過する入射電磁放射線と、フローセル内の流体流れ中の1つ又は複数の粒子によって前方散乱される電磁放射線との組み合わせの検出に使用される。幾つかの実施形態では、例えば、入射光の分布は、例えば、第1及び第2のアクティブ検出領域が10%以内、任意選択で5%以内、任意選択で幾つかの用途においては1%以内の入射放射線出力によって特徴付けられるように、差動検出器の第1及び第2のアクティブ検出領域(例えば上側半分及び下側半分)間で釣り合わされる出力分布を有する。差動検出には、例えば、粒子が存在しないとき(すなわち、粒子からの散乱がないとき)の差動信号のノイズ振幅の評価に基づく、閉ループ制御を有する技術及びシステムが含まれる。幾つかの実施形態では、ステアリングミラーを使用して、検出器上の入射ビーム位置を調整し、ビーム出力が第1及び第2のアクティブ検出器要素(例えば、検出器の上側及び下側の要素)間で均一に分割されるときに起こり得る差動信号のノイズレベルを低減又は最小化する。また、閉ループ制御は、ビーム軸と検出器軸とを位置合わせして差動信号のノイズレベルを低減又は最小化するべく検出器の位置を平行移動して検出器を回転させることによって達成することもできる。
【0040】
[0052]「構造化ビーム」とは、非ガウス空間強度分布を有する電磁放射線(例えば、レーザー)のコヒーレントビームを指す。構造化ビームには、暗ビームなどの減衰領域によって特徴付けられるビーム、暗線特異性を有する線焦点を伴うビーム、2つ以上の離散強度ローブによって特徴付けられるビームなどが含まれる。一実施形態では、構造化ビームは、TEM01などの横方向モードに対応する。構造化ビームには、集束ビーム、合成ビーム、レーザービームが含まれる。構造化ビーム及び暗ビームは、光学マスクの使用、レーザー空洞の修正、複数のビームの組み合わせ、空間及び/又は偏光フィルタ、並びに干渉又は偏光修正スキームなどの他の操作を含む、当技術分野で知られている技術によって生成することができる。
【0041】
[0053]「構造化ビーム検出」は、非ガウス強度分布を有する電磁放射線の構造化ビームが粒子を含むフローセルに通されるとともに、粒子を感知、計数、及び/又は特性評価するために光学検出器アレイを使用してフローセルからの光(例えば、透過光、散乱光(例えば、前方散乱光など))が検出される、システム及び方法を指す。
【0042】
[0054]「暗ビーム検出」は、例えば、強度の中心線の減少などの減衰された強度の領域を有する空間強度プロファイルを有する電磁放射線の暗ビームが、粒子を含むフローセルに通されるとともに粒子を感知、計数、及び/又は特性評価するべく光学検出器アレイを使用して検出される、システム及び方法を指す。
【0043】
[0055]「ビーム伝播軸」は、電磁放射線のビームの進行方向に平行な軸を指す。
【0044】
[0056]「光通信」は、光が構成要素間で伝送できるようにする態様で配置される構成要素を指す。光通信には、2つの要素が直接に光通信状態にあって、光が要素間で直接に移動する形態と、2つの要素が間接的に光通信状態にあって、光が1つ又は複数のレンズ、ミラー、ウィンドウ、ビームスプリッタ、光ファイバ、位相マスク、波長板、ビームコンバイナ、光フィルタなど、又はこれらの任意の組み合わせなどの1つ又は複数の更なる光学素子を介して要素間を移動する形態とが含まれる。
【0045】
[0057]「光軸」とは、電磁放射線がシステムを通じて伝播する方向を指す。
【0046】
[0058]「光学検出器アレイ」は、検出器のアクティブ領域全体にわたって2次元で入力信号(例えば、電磁放射線)を空間的に分解することができる光学検出器を指す。光学検出器アレイは、画像、例えば、検出器のアクティブ領域上の強度パターンに対応する画像を生成することができる。一実施形態において、光学検出器アレイは、本明細書ではピクセルとも呼ばれる個々の検出器要素のアレイ、例えば、光検出器の2次元アレイ、電荷結合デバイス(CCD)検出器、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出器、金属酸化物半導体(MOS)検出器、アクティブピクセルセンサ、マイクロチャネルプレート検出器、又はフォトダイオードの2次元アレイを備える。
【0047】
[0059]「光源」とは、電磁放射線を生成する及び/又はサンプルに送達するためのデバイス又はデバイス構成要素を指す。この用語は、可視光線などによる可視光線に限定されず、広義には、可視光線、紫外線放射、及び/又は赤外線放射を含む任意の電磁放射線を含むために使用される。光源は、幾つかの例を挙げれば、レーザー又はレーザーアレイ、例えば、ダイオードレーザー、ダイオードレーザーアレイ、ダイオードレーザー励起固体レーザー、LED、LEDアレイ、気相レーザー、固体レーザーとして具体化することができる。幾つかの実施形態では、光源は、例えば、光学式粒子カウンタでプローブビームを生成するために、電磁放射線の1つ又は複数のコヒーレントビームなどの電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するためのものである。一実施形態では、光源は、光学式粒子カウンタでプローブビームを供給するために、ビーム成形システム、位相マスク、ビームコンバイナ、偏光コントローラ、波長板、又は暗ビームなどの構造化ビームを生成するための他の構成要素などの1つ又は複数の構成要素を含み得る。
【0048】
[0060]幾つかの実施形態では、ビーム成形光学系は、光源と光通信して、光源から電磁放射線を受けるように設けられ、ビーム成形光学系は、電磁放射線の1つ又は複数のビーム、例えば、選択された強度、指向性及び/又は空間特性を有する1つ又は複数のビームをフローセルに供給するように構成される。特定の実施形態におけるビーム成形光学系は、光源から受けた光を集束、拡張、操向、方向付け、及び/又は組み合わせるための1つ又は複数の光学素子を備えてもよい。特定の実施形態におけるビーム成形光学系は、1つ又は複数のレンズ、反射器、フィルタ、エキスパンダ、偏光コントローラ、ビームコンバイナ、波長板、プリズム、位相マスク、開口、変調器、アクチュエータ、又はこれらの任意の組み合わせを備えてもよい。特定の実施形態におけるビーム成形光学系は、電磁放射線の集束ビームをフローセルに供給するように配置されて構成される。特定の実施形態におけるビーム成形光学系は、10:1~200:1の範囲から選択されるアスペクト比によって特徴付けられるビームなどの高アスペクト比のビームをフローセルに供給するように構成される。
【0049】
[0061]「電磁放射線」及び「光」という用語は、本説明において同義語として使用され、電界及び磁界の波を指す。本発明の方法に有用な電磁放射線としては、紫外線、可視光、赤外光、又は約100ナノメートルから約15ミクロンの波長を有するこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
[0062]「高アスペクト比」ビームは、10:1~200:1の範囲から選択されるアスペクト比を有する、構造化ビーム又は暗ビームを含むレーザービームなどの光ビームを指す。
【0051】
[0063]「100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出」とは、少なくとも1つ及び任意選択で全てが100ナノメートル以下の有効又は平均直径、有効又は平均長、有効又は平均幅などのサイズ寸法を有する粒子を検出することができるシステム及び方法を指す。幾つかの実施形態において、「100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出」とは、流体流れ中において少なくとも1つ及び任意選択で全てが100nm以下のサイズ寸法を有する粒子を有する粒子を例えば、時間、流量などの関数として計数できるシステム及び方法を指す。幾つかの実施形態では、「少なくとも1つ及び任意選択で全てが100nm以下のサイズ寸法を有する粒子を有する粒子の光学的検出」とは、例えば、粒子をあるサイズ範囲(又はサイズビン)に対応するものとして、例えば、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、5nm以下、1nm-10nm、10nm-20nm、20nm-30nm、30nm-40nm、40nm-50nm、50nm-60nm、60nm-70nm、70nm-80nm、80nm-90nm、90nm-100nmに対応するサイズ範囲又はこれらの範囲の任意の組み合わせに対応するものとして分類することによって、サイズ属性、有効又は平均直径、有効又は平均長さ、有効又は平均幅などに基づいて流体流れ中の粒子を特性評価できるシステム及び方法を指す。幾つかの実施形態では、「100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出」とは、100nm以下の粒子の検出に加えて、少なくとも1つ及び任意選択で全てが100nmを超える有効又は平均直径、有効又は平均長さ、有効又は平均幅などのサイズ寸法を有する粒子を検出できるシステム及び方法を指す。100nm以下の粒子を検出するための方法及びシステムの例としては、光散乱ベースの方法及びシステム、蛍光ベースの方法及びシステム、光消光ベースの方法及びシステム、干渉ベースの方法及びシステム、凝縮核計数ベースの方法及びシステム、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
[0064]本システム及び方法は、干渉手段を使用する粒子検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出に有害な影響を与える可能性のある内部或いは外部刺激及び/又は動作条件の変化の影響を防止、軽減及び/又は補償するための能動的及び/又は受動的構成要素を組み込む。本システム及び方法の特徴には、粒子の干渉検出中及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出中の粒子検出システムの光学的位置合わせ及び/又は安定性を高めるコントローラ、補償器及び/又はアイソレータが含まれる。幾つかの実施形態では、粒子検出システムは、粒子の干渉検出中及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出中の光学的位置合わせの変化を最小限にするために、振動、音響及び/又は熱制御を行なう「ボックス内の粒子カウンタボックス」ジオメトリを有する。一実施形態では、例えば、「光学ベンチ」又はその構成要素は、物理的、音響的及び/又は熱的に、筐体によって外部環境入力から分離される。一実施形態では、例えば、干渉粒子検出システムは、メッシュアイソレータなどのアイソレータを組み込んでおり、それにより、例えば、外部又は内部の振動源を能動的に補償することによって、振動安定性をもたらす。
【0053】
[0065]一実施形態では、例えば、粒子検出システムは、以下の特徴又は態様、すなわち、(i)エポキシを使用したレンズ及びその他の光学部品の組み込み、(ii)サイズ/質量の縮小、(ii)レンズマウントを150Hzを超える固有振動数又はその付近に維持、(iii)光学マウント及び装着光学部品を設計するための技術の実装、(iv)筐体から熱的及び振動的に分離される光学部品/レーザーの使用、及び/又は、(v)光学部品から機械的に分離されたフローセルの使用のうちの1つ又は複数を組み込むことなどによって、振動を低減するのではなく、振動許容範囲を向上させる1つ又は複数の受動的又は能動的な構成要素を含む。
【0054】
[0066]本発明は、以下の非限定的な例によって更に理解することができる。
【0055】
[0067]例1:振動絶縁を伴う干渉検出
[0068]光学系における性能低下の重要な原因の1つは、環境から又は光学系に固有のいずれかから課せられる振動である。これらの入力は周期的又はランダムのいずれかである可能性があり、周波数及び振幅の両方の成分を伴う。冷却ファン、能動的な機構、及び一般的な産業環境が、振動源に寄与し、周波数成分を持つ可能性がある。より具体的には、産業環境では、入力の最初のスペクトルピークが約60Hzになり、高調波で振幅が減少する傾向がある。この最初のスペクトルピークが、例えば光学粒子カウントなどの光学系の性能の低下を引き起こすことが最も一般的である。性能の低下の症状は、面内からの画像のぼやけと面外の動きによる焦点ぼけの両方となり得る。光学部品の変位による照準の喪失は、部品マウントの固有振動数が高調波の1つに該当する場合、振動励起で発生する主要なパフォーマンスへの影響となる可能性がある。
【0056】
[0069]特定の実施形態では、例えば、内部及び環境の振動による性能の低下を防ぐための方法及び構成要素が、粒子検出システムにおいて使用される。幾つかの実施形態のシステムの設計は、光学系を外部環境から分離することに基づいている。例えば、「ボックス内のボックス」設計では、周波数成分が60Hzの最初の基本モード以上である外部環境振動源の伝送を防ぐアイソレータに光学アセンブリを取り付ける。光学アセンブリ内では、一部又は全てのマウントが、ほとんどの振動源の基本モードをはるかに超える固有振動数を持つように設計されている。
【0057】
[0070]光学アセンブリの性能低下のもう1つの原因は、振動入力又は熱効果のいずれかによるマウント内の光学部品の動きである。幾つかの実施形態では、これらの効果の影響を低減するために、振動源又は熱効果によって誘発される可能性のあるスティックスリップ運動を防ぐために、光学部品の一部又は全てが接着剤によりマウントに拘束される。更に、温度を制御するためのファンの使用は、その振動源を効果的に排除するために光学アセンブリから分離される。
【0058】
[0071]振動入力の二次源は、外部源からの外部励起の光学アセンブリへの結合である。これらの発生源は、テストセル内の流体の流れ、電気ケーブル、又は外部環境から光アセンブリに通過するために必要な接続が原因である可能性がある。これらの発生源を分離するために、外部格納容器と光学アセンブリとの間に柔軟なリンクが取り付けられている。柔軟なリンクは、振動を伝達する能力が低下又は排除されるため、アイソレータとして機能する。したがって、これらの分離されたリンクは、光学系の性能を低下させることはない。
【0059】
[0072]振動レベルは、粒子測定システムの感度に基づいて一般的な限界を確立するために、システム性能にリンクされ得る。例えば、対象の特徴サイズが小さくなると、測定ツールに加えられる振動の許容レベルも小さくなる。
【0060】
[0073]これを(全ての外部ソースからの)一般的な環境振動入力と対比すると、粒子測定システムを外部ソースから分離する必要性が明らかになる。
【0061】
[0074]図1Aは、光学ベンチの振動絶縁を伴う流体流れ中の粒子の干渉検出システムにおける概略図を与える。図1Aに示されるように、粒子検出システム(200)は、粒子を有する気体又は液体の流れなどの粒子(フローセル(210)内の円として概略的に示される)を含む流体(150)の流れを輸送するためのフローセル(210)を含む。レーザー源などの光源(220)は、フローセル(210)に供給される暗ビームなどの構造化ビームなどのプローブビーム(222)を生成するためのビームステアリング及び/又は成形システム(221)に供給される電磁放射線を生成する。フローセル(210)を通過するプローブビームのポートを含むフローセル210からの光、及びフローセル(210)から散乱(例えば、前方散乱)又は放出される光は、ファームウェア又はソフトウェア実装プロセッサなどのプロセッサ(101)に出力信号を供給するためにプロセッサ(101)と動作通信状態にある1つ又は複数のピクセル対を備えるセグメント化された1D又は2D光学検出器(240A及び240B)などの軸上光学検出器アレイ(240)に供給される。光学検出器アレイ(240)及び/又はプロセッサ(101)は、例えば、個々のセグメント化された検出器領域がそれぞれ暗ビームなどの構造化ビームの異なる強度ローブ上に配置される構成において、差動検出を行ない得る。任意選択で、フローセル210からの光の収集、成形及び/又はフィルタリングを行なうために、収集及び/又は成形光学素子(223)が、フローセル210と検出器240との間に設けられる。
【0062】
[0075]1つ又は複数の振動アイソレータ(205)が、光源(220)、ビームステアリング及び成形システム(221)、フローセル(210)、光学検出器アレイ(240)、収集及び/又は成形光学素子(223)及び/又はこれらの構成要素の任意の組み合わせを内部又は外部の振動源から能動的又は受動的に分離するために設けられる。また、振動アイソレータ(205)の組み込みは、100nm以下の寸法を有する粒子のヘテロダイン干渉検出及び/又は光学的検出を使用する粒子検出システムとの関連で使用され得る。
【0063】
[0076]プロセッサ(101)は、例えば分析されたサンプル量及び/又は時間に応じた計数及び/又はサイズ特徴付けなどによる粒子の検出を行なうために、例えば、セグメント化された1D又は2D光学検出器(240A及び240B)からの信号の差動信号結合(例えば、差動加算、減算など)の生成及び分析を介して、光学検出器アレイ(240)からの出力信号を受信及び分析する。幾つかの実施形態では、例えば、光学検出器アレイ(240)は、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸に対して0度~0.1度の範囲内の散乱角で設けられる。
【0064】
[0077]プローブビーム(222)のビーム伝搬軸及び光学検出器アレイ(240)の検出器軸に対して軸外に配置される任意選択的な側方散乱光検出器(268)及び側方散乱収集光学素子(267)も図1Aに示される。1つ又は複数のレンズ及び/又はミラーなどの側方散乱収集光学素子(267)は、フローセル(210)内の粒子及びプローブビームとの相互作用から生じる軸外散乱光を受けるように配置される。側方散乱収集光学素子(267)は、粒子を検出及び/又は特性評価するべく分析のためにプロセッサ(101)に出力信号を供給するために、収集された散乱光の少なくとも一部を、動作通信状態にある側方散乱光検出器(268)に向け、任意選択で撮像する。任意選択で、1つ又は複数の振動アイソレータ(205)が、散乱収集光学素子(267)、側方散乱光検出器(268)、及び/又はこれらの任意の組み合わせを内部又は外部の振動源から能動的又は受動的に分離するために設けられる。
【0065】
[0078]図1Bは、光学ベンチの振動絶縁を伴う流体流れ中の粒子の干渉検出のための別のシステムの概略図を与え、この場合、光学ジオメトリは、デュアルパス光学ジオメトリを提供するように設定される。図1Bに示されるように、システム(200)は、光源(220)、ビームステアリング及び成形システム(221)、フローセル(210)、ビームスプリッタ(265)、ミラー(275)、光学検出器アレイ(240)、又はこれらの任意の組み合わせを内部又は外部の振動源から能動的に又は受動的に分離するために設けられる1つ又は複数の振動アイソレータ(205)を含む。図1Bに示されるように、ビームスプリッタ(265)及びミラー(275)は、デュアルパス光学ジオメトリを提供するために設けられる。図1Bに示される実施形態において、ビームステアリング及び成形システム(221)は、フローセル(210)に供給される高アスペクト比ビームをもたらし、また、光学検出器アレイ(240)は対を成す検出器アレイとして構成される。描かれている光学ジオメトリは、感度に役立つビームの建設的及び破壊的な干渉を可能にする。デュアルパス光学ジオメトリ及び差動検出の使用も感度に役立つ。高アスペクト比のビームを使用すると、粒子を検出できるサンプルの量が増え、それにより、単位時間あたりに監視できるサンプルの量が増える。
【0066】
[0079]任意選択で、ビームステアリング及び成形システム(221)は、フローセル(210)に供給される、10:1~200:1の範囲から選択されるアスペクト比によって特徴付けられるビームなどの高アスペクト比ビームを供給し、また、光学検出器アレイ(240)は、対を成す検出器アレイ(240A及び240B、検出器(240)内のそれらの位置から拡張されるとともに、粒子検出事象に対応する信号例の隣、粒子検出概略図の下方に明確にするために別個に概略的に示される)を含む対を成す検出器アレイとして構成される。光学検出器アレイ(240)は、差動検出を行なうように構成されてもよく、この場合、任意選択で、対を成す検出器アレイ(240A及び240B)は、暗ビームなどの構造化ビームの強度ローブ上に配置される。幾つかの実施形態では、例えば、前記光学検出器アレイは、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる。
【0067】
[0080]また、図1Bは、フローセル内でビームを通過する粒子に関して個々の対を成す検出器アレイ(240A及び240B)からの信号を時間の関数として示す(又はビームを通じた粒子軌道)、光学検出器アレイ(240)の代表的な信号も示し、この場合、実線は検出器アレイ240Aからの信号であり、点線は検出器アレイ240Bからの信号である。図1Bに示されるように、個々の対を成す検出器アレイ(240A及び240B)からの信号はそれぞれ、最小値及び最大値によって特徴付けられ、互いに対して反転している。個々の対を成す検出器アレイ(240A及び240B)からの信号は、サイズ、光学特性(例えば、屈折率)及び粒子の組成に関して正確な情報を与えるべく分析され得る差動信号などの信号を供給するために、例えば、差動加算、減算、乗算などを介して組み合わされてもよい。
【0068】
[0081]図1Cは、光学ベンチ及び光学ベンチによって支持される構成要素を含むシステムコンポーネントの振動絶縁を行なうための光学式粒子カウンタの筐体構成要素の概略図を与える。図1Cに示されるように、筐体(250)は、光学ベンチ(255)と、光源、ビームステアリング及び成形システム、フローセル、収集及び/又は成形光学素子、光学検出器、ビームスプリッタ、位相マスク、光学アライメントシステム、アクチュエータ、圧電コントローラ、温度コントローラなど、又はこれらの構成要素の任意の組み合わせ(注:明確にする目的で、光学部品は図1Bに示されない)などの光学ベンチによって支持されるシステムコンポーネントとを取り囲む。ダンパ及び/又は補償器などの振動アイソレータ(260)は、外部源からの振動の伝達が最小化又は回避されるように、例えば、高い信号対雑音比を維持して光学式粒子カウンタの性能の低下を回避するべく、光学ベンチ(255)と動作通信状態で設けられる。
【0069】
[0082]一実施形態において、例えば、内部測定機器を外部環境から分離するために使用される方法は、「光学ベンチ」をアイソレータに取り付けることであり、アイソレータの幾つかは市販されている。アイソレータの一般的な形態は、その固有振動数未満の振動入力のみを伝達するように設計される減衰ばね機構である。アイソレータの固有振動数を超える振動入力は、減衰又は低減される。振幅の減少量は、アイソレータの形態によって異なる。例えば、設計に適切に実装されるときに伝達される振動をその元の振幅の最大90%まで低減できる市販のアイソレータが利用可能である。図2は、アイソレータの例に関する伝達率と周波数との関係のプロットを与える。図2に示されるように、約8Hz(アイソレータの固有振動数)未満では、振動入力がアイソレータを介して伝達される。この例では、伝達率が約1であり、アイソレータの固有振動数まで増加する(約8Hzのピークに留意されたい)。伝達される振動エネルギーの振幅は、その後、周波数とともに減少する。図2に示されるように、最初で一般的に最大の入力周波数である60Hzで1%未満である。
【0070】
[0083]例2:レーザービームドリフト補正
[0084]レーザービーム照準は、時間とともにドリフトする可能性があり、これは、ひいては、安定したポインティング方向に依存する干渉粒子検出システムの性能に悪影響を与える可能性がある。
【0071】
[0085]レーザービームドリフト及び他のソースによる位置ずれに対処するために、レーザービームステアリングサブシステムを、ピエゾ駆動高速ステアリングミラー(FSM)と位置エラー補正のためのフィードバックを与えるセンサとを使用してシステムに組み込むことができる。一般的に使用されるセンサは、クアッドセル検出器である。センサ上の位置(又は位置のエラー)は、アクティブピクセル上の信号のレベルを比較することで計算できる。エラーは、座標位置エラーにデコンボリューションできる。第2のFSMが、第1のFSMからある程度の距離を隔てて利用され、角度エラー補正を行なうべく同様の位置センサと結合される。センサは位置エラー信号を供給し、これらの位置エラー信号は、高速ステアリングミラーの位置の変化をもたらすためにその後に使用される。FSMの位置変化は、レーザービームの変位と角度エラーを補正する。
【0072】
[0086]図3A及び図3Bは、光学的位置合わせの閉ループ制御のための実装アライメント制御サブシステムを示す概略図を与える。例えば、直交光センサを備える光検出器は、入力を与える信号を供給するように構成されてもよく、また、光学的位置合わせの閉ループ制御のための出力を与えるためにピエゾ駆動高速ステアリングミラー(FSM)が設けられてもよい。
【0073】
[0087]図3Aは、光源、第1の高速ステアリングミラー(FSM)、第1のビームスプリッタ、第1のクアッドセル検出器、第2の高速ステアリングミラー(FSM)、第2のビームスプリッタ、及び第2のクワッドセル検出器を備えるアライメント制御システムにおける光ビーム経路を示す概略図を与える。図3Aに示されるように、レーザー光源からの出力は、入射ビームとして第1の高速ステアリングミラーに供給される。ビームの第2の部分は、ビームの一部が継続できるようにする第1のビームスプリッタに向けられ、ビームの一部をクワッドセル検出器に分割する。ビームスプリッタを通じて継続するビームの一部は、第2の高速ステアリングミラー(FSM)に入射する。反射されたビームは、ビームを2つの部分に分割する第2のビームスプリッタに向けられる。ビームの一部は、システム内の後続の光学素子に出力される。第2のビームスプリッタを出るビームの他の部分は、第2のクアッドセル光学検出器に向けられて検出される。
【0074】
[0088]図3Bは、図3Aに示されるものと同様のアライメント制御システムにおける電気信号経路を付加する概略図を与える。図3Aに示されるように、第1及び第2のクアッドセル光学検出器からの信号は、ADC/DACコントローラ、エラーコレクタ、及びFSMコントローラ構成要素に個別に供給される。これらの構成要素は、第1及び第2のクアッドセル検出器からの信号を独立して処理及び分析し、第1及び第2の高速ステアリングミラーを作動させる制御信号を生成することによって全体的な光学的位置合わせのフィードバック制御を行なうように構成される。図3Bには光ビーム経路も示される。図3Cは、安定な位置合わせされた形態のシステムを例示する強度パターンの例を示す概略図を与える。図3Dは、不安定な位置ずれした形態のシステムを例示する強度パターンの例を示す概略図を与える。したがって、強度パターン直交検出器を監視することにより、光学的位置合わせの変化を検出及び監視することができる。そのような検出された変化は、光学的位置合わせの閉ループ制御のための入力の基礎を更に与え得る。
【0075】
[0089]図4は、入力としてのクワッド検出器信号及び高速ステアリングミラー(FSM)を使用して、光学的位置合わせの閉ループフィードバック制御を行なって、制御された光学的位置合わせを行なうための一連のステップ及び基準を示すフローチャートを与える。左側のパネルは、第1の高速ステアリングミラー(FSM)における信号分析及び制御プロセスを示し、右側のパネルは、第2の高速ステアリングミラー(FSM)における信号分析及び制御プロセスを示す。図4に示されるように、ビーム位置データは、クアッドセル検出器から与えられ、ビーム位置エラーの発生を識別及び/又は特性評価するために分析される。ビーム位置エラーが識別される場合には、信号が高速ステアリングミラーに供給され、必要に応じて位置補正が生成される。図4に示されるシーケンスを繰り返して、光学的位置合わせの継続的な監視及び補正を行なう。
【0076】
[0090]一実施形態では、例えば、ミラーが光路で使用される場合、ミラーコーティングは、ミラーに入射する光のうち少量を通過させるように設計され得る。この透過ビームは、クワッド検出器の中心に衝突する可能性がある。ビームがその公称ポインティング方向から外れる場合には、検出器の各象限における照射量が変化する。検出器の照射の変化は、各象限での元の配光を復元することによって意図されたビーム方向を復元するべく、微補正モータなどをトリガーするのに役立つエラー信号を構成し得る。
【0077】
[0091]或いは、部分的にのみ反射するビームサンプリングウィンドウをビームに配置し、反射光をクワッド検出器に向けることができる。クワッド検出器の配光に変化が生じる場合、信号を生成して、ターゲット上の一次ビームの配置を復元することができる。1つの方法は、ビーム内の別のウィンドウを傾けて、送信されたビームを横方向に平行移動し、意図した配置に戻すことである。
【0078】
[0092]例3:温度制御を伴う干渉検出
[0093]干渉粒子検出システムの熱安定性制約は、基本的に、光学性能要件によってもたらされ得る。光学系の機能に影響を与える可能性のある熱不安定性には複数の態様がある。温度安定性の重要なパラメータは、温度勾配と温度変化の全体的な大きさである。システムの性能に影響を与える熱源には、光学素子や電子機器からの熱放散、及び環境からの外部入熱が含まれる。両方の原因により、粒子検出システム内の温度が変化し、性能が低下する可能性がある。例1で説明したように、機器の感度は、性能に影響を与えることなく許容できる温度変化のレベルの表示を与える。
【0079】
[0094]全体的な温度のずれは、長さスケール、温度差、及び材料の熱膨張係数に応じてプレートの長さを変化させる。方程式を以下に示す。
d=aLΔT
ここで、
d=長さの全体的な変化
a=材料の熱膨張係数
L=部品の長さ
ΔT=温度変化
【0080】
[0095]図5は、対象範囲(例えば、光学ベンチの長さ及び幅)にわたる温度変化と長さの変化との関係のグラフを与える。図6に示されるように、公称光学公差(±0.025mm)の場合、許容温度変化は3℃程度である。一般に、これは多くの一般的な光学部品間の間隔及び位置合わせに関する最大許容公差レベルである。光学系には、位置公差が±0.013mm程度であるセクションがあり、それにより、最適な性能温度範囲を更に制限する。
【0081】
[0096]温度制御のための一般的な方法である干渉粒子検出システムにおけるファンの使用は、システム内の空気に振動及び対流勾配を引き起こす可能性がある。圧力と温度の勾配により、空気の屈折率が変化し、光学性能が低下する。特に、これらの温度勾配は本質的に乱流であり、その結果、データ操作によって相殺される可能性のある一定の影響はない。
【0082】
[0097]特定の実施形態の干渉粒子検出システムの熱制御実施形態を提供するために、システムの外部筐体に配置される能動冷却構成要素(例えば、熱電冷却器(TEC)など)を組み込む。これらの冷却機構には、冷却機構から廃熱を除去して外部環境に注入する熱交換構造体及び機構(フィン付き熱交換器、ガスパージなど)が装備される。冷却機構は、伝熱リンク又はヒートパイプを使用してシステムの内部構成要素に接続される。この方法は、外部環境の両方から分離され、内部熱源の影響を軽減する微小環境を生成する。その結果、システムの性能は、内部冷却ファンを利用する従来の冷却システムよりも安定する。
【0083】
[0098]図6は、温度制御システムを伴う流体の流れ中の粒子を干渉検出するためのシステムの概略図を与える。図6に示されるように、(i)熱リンクを介して熱源、ヒートシンク、及び温度センサに熱連通するとともに、(ii)電気的接続を介して制御電子機器及び温度センサに対して電子的通信状態にあるペルチェ冷却器が設けられる。概略図は、光学式粒子カウンタの光学部品、電気部品、及び/又は機械部品などの熱源に関連して温度を制御するための熱的及び電気的な接続を示す。図6に示される温度コントローラは、光学部品(例えば、レーザー、ミラー、フローセル、検出器、レンズ)、電子部品(例、プロセッサ、コントローラ、アクチュエータなど)又は機械部品(例、ファン、ポンプなど)などの光学式粒子カウンタの個々の熱生成構成要素に対応する熱源に個別に熱的に結合されるモジュール式構成要素として設けられてもよい。ペルチェ冷却器及び/又は熱リンクの数は、熱源の数とペルチェ冷却器の冷却能力に依存する。
【0084】
[0099]粒子カウンタ内の重要な構成要素の熱制御がなければ、システムは適切に機能しない可能性がある。例えば、3℃(摂氏)を超える温度変化に伴って光学素子の位置がずれる可能性がある。レーザーなどの一部の構成要素では、動作中に発生する熱を除去するために積極的な冷却が必要である。チラー又は液体熱交換器はレーザーの冷却に効果的であるが、超高感度測定に悪影響を与える可能性のある振動/ノイズの可能性をもたらし、システム全体のフットプリントを増加させ、そのため、これは望ましくない。
【0085】
[0100]ペルチェ冷却器とも呼ばれる熱電冷却器(TEC)モジュールは、高感度の粒子カウンタに別の熱管理戦略をもたらす。この技術は、熱伝導性プレート間に挟まれた、電子密度が異なる2つの半導体材料で構成される。TECに電圧を印加すると、プレート間に温度差が生じ、冷却が可能になる。粒子カウンタセンブリの内壁又は外壁、及び/又はレーザーや検出器などの個々の構成要素と直接接触するように配置すると、TECはシステムの温度を管理できる。
【0086】
[0101]TECによる熱制御の利点は、コンパクトなサイズ及び冷却システムに必要な冷却剤及びスペースの排除;TECデバイスの長寿命化を可能にする可動部品のないシンプルな設計、を含む。
【0087】
[0102]例4:振動絶縁と能動温度制御を伴う液相粒子カウンタ
[0103]この実施例は、超純水及び/又は他のプロセス液体の流れなどの液体流れ中の100nm以下、任意選択で50nm以下、及び任意選択で20nm以下のサイズ寸法を有する粒子を検出するための振動絶縁及び能動温度制御を伴う液相粒子カウンタシステムを提供する。このシステムは、粒子を有する流体流れを通過させるためのフローセルを含む。レーザー源などの光源からのプローブビームは、ビーム成形光学素子によって(例えば、集束、伸長などによって)成形され、流体流れを含むフローセルに向けられ、この場合、プローブビームと流体流れ中の粒子との相互作用は、散乱電磁放射線を生成する。フローセルからの散乱電磁放射線の一部は、収集されて、検出器アレイなどの光検出器に向けられ、これにより、フローセルからの散乱光の検出に対応する出力信号が生成される。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装プロセッサなどのプロセッサを介した出力信号の分析は、粒子検出事象の発生を識別及び計数するために使用されるとともに、例えば、パルス高分析、パルス面積分析などのパルス分析方法を介して、有効又は平均直径或いはあるサイズ範囲(例えば、特定のサイズ未満又はサイズの範囲内)に対応する粒子の分類などのサイズ特性の観点から検出された粒子を特性評価する。フローセルからの散乱光を監視することによって、検出された粒子の数が、例えば、分析された流体の時間及び/又は量の関数として取得される。
【0088】
[0104]図7は、液体粒子カウンタシステム(500)における振動絶縁と冷却のアプローチ例を示す概略図を与える。図7に示されるように、ファン、ポンプ、流体アクチュエータなどの一次振動源(510)に対応するシステムの構成要素は、システム(500)の筐体(520)に直接又は間接的に取り付けられる。光源、ビーム成形光学系、フィルタ、減衰器、開口、フローセル、窓、散乱光用の収集光学素子、光学検出器、ビームステアリング及び制御要素などのうちの1つ又は複数の科学機器を含む光学ベンチ(530)は、筐体(520)と光学ベンチ(530)との間の伝達率を低減又は最小化して振動絶縁を行なうべく、1つ又は複数の振動アイソレータ(540)を介して筐体(520)から少なくとも部分的に分離される。また、図7には、例えば、使用中の温度変化を最小限に抑えるべく、光学ベンチ(530)及びその構成要素の温度を制御することを含めて、システム(500)の温度を能動的及び/又は受動的に制御するために、筐体(520)に動作可能に接続される冷却モジュール(550)も示される。
【0089】
[0105]図8は、振動絶縁及び温度制御を行なうための要素を示す液体粒子カウンタシステム(500)の斜視図の概略図を与える。内部冷却ファン(560)は、光学ベンチから分離され、筐体本体(520a)及び/又は筐体蓋(520b)などの筐体(520)に取り付けられ、したがって、光学ベンチ(530)から構造的に分離される。筐体の内側からの熱除去は、この実施形態では蓋に取り付けられて示される、蓋(520b)及び/又は筐体本体(520a)などの筐体(520)に取り付けられた別個の冷却モジュール(550)によって達成される。一実施形態では、例えば、冷却モジュール(550)からの気流は、光学ベンチに直接に方向付けられず、光学ベンチに指向されず、及び/又は、光学ベンチを標的にしない。図8に示されるように、振動アイソレータ(540)は、筐体(520)から光学ベンチ(530)の要素への振動の伝達を低減及び/又は最小化するために設けられる。
【0090】
[0106]一実施形態において、冷却モジュール(550)は、例えば、絶縁ガスケットを介して筐体(520)に動作可能に結合された能動ペルチェ熱電冷却器を含む。筐体の外側では、幾つかの実施形態では、システムからの廃熱は、例えば、ファン、ルーツブロワー、圧縮空気、ハウス真空、及び/又は液体伝達媒体を使用して、熱伝達媒体との接触によって放散される。筐体の内部では、幾つかの実施形態では、内部ファンは、熱伝達のために筐体内の熱伝達媒体の分配を支援する。
【0091】
[0107]図9Aは、筐体(520)から光学ベンチ(530)の要素への振動の伝達を低減及び/又は最小化する振動アイソレータ(540)を介して光学ベンチ(530)が筐体(520)から振動的に絶縁されている構成を示す、図8のものを補完する液体粒子カウンタシステム(500)の斜視図を与える。
【0092】
[0108]図9Bは、振動アイソレータ(540)の構成要素及び振動アイソレータ(540)が光学ベンチ(530)にどのように結合されるかを示す液体粒子カウンタシステム(500)の拡大概略図を与える。図9Bに示されるように、非線形振動材料絶縁層を圧縮して光学ベンチ(530)への筐体(520)の振動の伝達を最小限に抑えることによって振動絶縁を調整するために、ブラケットやねじ/ボルトアセンブリなどの調整可能なハードウェア(575)が設けられる。一実施形態では、筐体(520)からの光学ベンチ支持体(535)を振動源から分離するために、異なる特性を有する1つ又は複数の振動絶縁材料又は層が設けられる。
【0093】
[0109]図9Bに示されるように、エラストマー層などの軟質材料層を備えるベース(580)が設けられ、この場合、光学ベンチ(530)は、例えば、光学ベンチサポート(535)を介して、制振システムのベース(580)上に直接又は間接的に配置される。幾つかの実施形態では、エラストマー層などの軟質材料層を含む更なる制振要素(590)が、光学ベンチ支持体(535)と結合構成要素(595)との間に設けられる。例えば、結合構成要素(595)は、ベース(580)と、光学ベンチ支持体(535)の両側で一緒に2つの対向するエラストマー層によって設けられるような更なる制振要素(590)とを機械的に結合するように構成され得る。この配置により、構造的な光学ベンチ支持体(535)は、ベース(580)及び更なる制振要素(590)を含む少なくとも2つの振動層に対して自由に振動することができる。幾つかの実施形態では、ベース(580)及び更なる制振要素(590)などの2つの隔離層の防振特性は、例えば調節可能なハードウェア(575)及び結合部品(595)を使用して振動絶縁層を変形することによって調整される。これは、例えばクランプを含む構成要素(595)と、動的圧縮弾性率を変化させる調整ねじ/ボルト調整可能ハードウェア(575)の相対的な堅さによって達成される。ベース(580)や更なる制振要素(590)などの分離層の材料を選択する際の重要なパラメータには、システムの固有振動数に対する励起周波数の比率、動的せん断比、及び伝達率が含まれる。
【0094】
[0110]実施形態-本発明は、以下の実施形態によって更に説明及び例示される。
【0095】
[0111]実施形態1:粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するための光源と、
電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを前記フローセルに通すことにより、前記粒子によって散乱される電磁放射線を生成するためのビーム成形光学系と、
前記フローセルから電磁放射線を受信するための少なくとも1つの光学検出器アレイであって、前記光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイが、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を可能にするように構成される、少なくとも1つの光学検出器アレイと、
を備え、
温度、圧力、振動の程度、及び、音波の程度のうちの少なくとも1つ、又は、これらの任意の組み合わせがそれぞれ、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するべく、選択された許容範囲内に独立して維持されるように構成される、粒子検出システム。
【0096】
[0112]実施形態2:前記光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイが、コヒーレント電磁放射線の構造化プローブビームを前記フローセルに通すことによって、前記粒子の構造化ビーム干渉検出を行なうように構成される、実施形態1のシステム。
【0097】
[0113]実施形態3:前記光源、ビーム成形光学系、及び、光学検出器アレイが、軸外散乱光を収集し、軸外散乱光散乱光を基準ビームと組み合わせて、干渉信号を形成することによって、前記粒子のヘテロダイン干渉検出を行なうように構成される、実施形態1のシステム。
【0098】
[0114]実施形態4:前記光源及び光学検出器アレイが、前記粒子のシングル又はマルチビーム干渉検出を行なうように構成される、実施形態1のシステム。
【0099】
[0115]実施形態5:前記光源及び光学検出器アレイが、前記粒子の構造化暗ビーム干渉検出を行なうように構成される、実施形態1のシステム。
【0100】
[0116]実施形態6:前記光学検出器アレイが、前記フローセルを通じて伝送される入射電磁放射線と前記粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるために前記フローセルと光通信する状態で配置される、実施形態1~5のいずれかのシステム。
【0101】
[0117]実施形態7:前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が前方散乱される電磁放射線を含む、実施形態6のシステム。
【0102】
[0118]実施形態8:前記フローセルを通じて伝送される前記入射電磁放射線及び前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受ける、実施形態6又は7のシステム。
【0103】
[0119]実施形態9:前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられる、実施形態1~8のいずれかのシステム。
【0104】
[0120]実施形態10:前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる、実施形態1~9のいずれかのシステム。
【0105】
[0121]実施形態11:前記光学検出器アレイが、粒子及び前記粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するために前記フローセルと光通信する状態で設けられる、実施形態1~10のいずれかのシステム。
【0106】
[0122]実施形態12:前記システムが、以下の条件、すなわち、
a.1℃/hr未満の速度における最大5℃のTの変化
b.最大300mbarのPの変化
c.最大10mmのビーム経路長の変化
d.最大2mmのビーム焦点位置の変化
e.最大20%のビーム出力の変化
f.最大200ミクロン/秒の振動レベルl
g.最大+/-5度のビーム角度の変化
h.最大<2%(RMS)のレーザーノイズの状態
i.最大<1.3のレーザーのMの変化
j.最大<100MHzのレーザーの線幅の変化
k.最大<50%のRHの変化
l.電気(ラインパワー)安定性及びノイズの制御
m.これらの任意の組み合わせ
のうちの1つ又は複数に晒される際に内部粒子計数プロセスの有意な性能低下を伴うことなく、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう、実施形態1~11のいずれかのシステム。
【0107】
[0123]実施形態13:システムが、前記フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせに動作可能に結合されるコントローラを更に備え、前記コントローラが、周囲条件、内部刺激、外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせに応じて前記システムパラメータの変化を補償するためのものである、実施形態1~12のいずれかのシステム。
【0108】
[0124]実施形態14:前記周囲条件、内部刺激、又は、外部刺激が、温度の変化、圧力の変化、振動、音波、又は、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、実施形態13のシステム。
【0109】
[0125]実施形態15:前記コントローラが、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームの位置を監視するとともに、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせを能動的に制御するためのビームアライメントシステムである、実施形態13又は14のいずれかのシステム。
【0110】
[0126]実施形態16:前記ビームアライメントシステムが熱膨張光学ドリフトの補償をもたらす、実施形態15のシステム。
【0111】
[0127]実施形態17:前記ビームアライメントシステムが低周波振動補償をもたらす、実施形態15又は16のいずれかのシステム。
【0112】
[0128]実施形態18:前記ビームアラインメントシステムが、250Hz以上の周波数で5マイクロラジアン以下の範囲内において、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの配置及び/又は位置合わせのリアルタイム制御を行なう、実施形態15~17のいずれかのシステム。
【0113】
[0129]実施形態19:前記ビームアライメントシステムが閉ループシステムである、実施形態15~18のいずれかのシステム。
【0114】
[0130]実施形態20:前記ビームアライメントシステムが1つ又は複数の光センサ及びアクチュエータシステムを備える、実施形態15~19のいずれかのシステム。
【0115】
[0131]実施形態21:1つ又は複数の光センサが前記システムの配置された直交光センサであり、アクチュエータシステムが1つ又は複数の圧電駆動ナノポジショナを備える、実施形態20のシステム。
【0116】
[0132]実施形態22:光センサが閉ループシステムに入力を供給し、アクチュエータシステムが前記閉ループシステムに出力を供給する、実施形態20又は21のいずれかのシステム。
【0117】
[0133]実施形態23:前記コントローラが、前記フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイを周囲条件の変化、内部刺激、動作環境の外部刺激、又は、これらの任意の組み合わせから分離するための1つのアイソレータ又は複数のアイソレータである、実施形態13~22のいずれかのシステム。
【0118】
[0134]実施形態24:前記アイソレータが、外部動作環境から前記システムへの振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である、実施形態23のシステム。
【0119】
[0135]実施形態25:前記アイソレータが、前記システム自体内から発生する振動の伝達を少なくとも部分的に防止することができる制振構成要素である、実施形態23又は24のいずれかのシステム。
【0120】
[0136]実施形態26:前記制振構成要素が、60Hz以上の基本周波数を有する振動の伝達を1%未満に低減するように設計される、実施形態24又は25のいずれかのシステム。
【0121】
[0137]実施形態27:前記制振構成要素が、制振ばね機構、少なくとも2つの質量ダンパ、又は、これらの任意の組み合わせを備える、実施形態24~26のいずれかのシステム。
【0122】
[0138]実施形態28:前記コントローラが、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせの温度を制御することができる能動冷却構成要素である、実施形態13のシステム。
【0123】
[0139]実施形態29:前記能動冷却構成要素が、伝熱リンクを介して、フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学ベンチ、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせと熱連通している、実施形態28のシステム。
【0124】
[0140]実施形態30:前記能動冷却構成要素が熱電冷却器を備える、実施形態28又は29のいずれかのシステム。
【0125】
[0141]実施形態31:前記熱電冷却器が、前記システムの外部筐体と熱連通しない状態で設けられる、実施形態30のシステム。
【0126】
[0142]実施形態32:前記熱電冷却器が、該熱電冷却器から熱を除去して前記システムの外部の環境に熱を注入するための熱交換構造体と熱連通した状態で設けられる、実施形態30又は31のいずれかのシステム。
【0127】
[0143]実施形態33:前記熱交換構造体がフィン付き熱交換器である、実施形態32のシステム。
【0128】
[0144]実施形態34:前記熱電冷却器が、冷却側の湿気凝縮を防止するために乾燥ガスでパージされる、実施形態30~33のいずれかのシステム。
【0129】
[0145]実施形態35:熱放散を高めるべく高温側熱交換器を横切って流れるように乾燥ガスで前記熱電冷却器がパージされる、実施形態30~34のいずれかのシステム。
【0130】
[0146]実施形態36:フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせが、周囲条件、内部刺激、又は、外部刺激に応じて前記システムパラメータの変化を補償するための受動的分離を行なうように構成される、実施形態1~35のいずれかのシステム。
【0131】
[0147]実施形態37:前記受動的分離が、以下の特徴、すなわち、
a.1つ又は複数の振動アイソレータの組み込み
b.レンズへの1つ又は複数の接着剤層の組み込み
c.1つ又は複数の熱硬化性又は熱可塑性の機械的拘束の組み込み
d.光源及び構成要素のサイズ及び/又は質量の減少
e.150Hz以上の固有振動数を有するレンズマウントの組み込み
f.光源及び構成要素から機械的に分離されるフローセルの組み込み
g.熱膨張係数適合材料
h.低熱膨張係数光学部品
のうちの1つ又は複数によって行なわれる、実施形態36のシステム。
【0132】
[0148]実施形態38:前記光源がコヒーレント入射ビームを供給する、実施形態1~37のいずれかのシステム。
【0133】
[0149]実施形態39:前記光源がガウス入射ビームを供給する、実施形態1~38のいずれかのシステム。
【0134】
[0150]実施形態40:前記光源が、電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを生成するための1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子を備える、実施形態1~39のいずれかのシステム。
【0135】
[0151]実施形態41:前記1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子が、回折要素、偏光要素、強度変調要素、位相変調要素、又は、これらの任意の組み合わせである、実施形態40のシステム。
【0136】
[0152]実施形態42:電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが構造化非ガウスビームを含む、実施形態1~41のいずれかのシステム。
【0137】
[0153]実施形態43:電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが暗ビームを含む、実施形態42のシステム。
【0138】
[0154]実施形態44:電磁放射線の前記1つ又は複数のビームが1つ又は複数の線特異点によって特徴付けられるビームを含む、実施形態42又は43のいずれかのシステム。
【0139】
[0155]実施形態45:電磁放射線の前記1つ又は複数のビームがアナモフィックビームを含む、実施形態42又は43のいずれかのシステム。
【0140】
[0156]実施形態46:電磁放射線の前記1つ又は複数のビームがシルクハット形態のアナモフィックビームを含む、実施形態42~45のいずれかのシステム。
【0141】
[0157]実施形態47:光学検出器アレイが検出器の複数のセグメント化された線形又は2次元アレイを備える、実施形態1~46のいずれかのシステム。
【0142】
[0158]実施形態48:少なくとも1つの光学検出器アレイが差動検出を可能にする、実施形態1~47のいずれかのシステム。
【0143】
[0159]実施形態49:前記流体が液体又は気体である、実施形態1~48のいずれかのシステム。
【0144】
[0160]実施形態50:システムが液体化学物質中の粒子を検出するためのものである、実施形態1~49のいずれかのシステム。
【0145】
[0161]実施形態51:システムが超純水中の粒子を検出するためのものである、実施形態1~50のいずれかのシステム。
【0146】
[0162]実施形態52:システムが高圧ガス中の粒子を検出するためのものである、実施形態1~49のいずれかのシステム。
【0147】
[0163]実施形態53:システムが表面上の粒子を検出するためのものである、実施形態1~49のいずれかのシステム。
【0148】
[0164]実施形態54:流体中の粒子を検出するための方法であって、
粒子を含む前記流体の流れを供給するステップと、
光源を使用して電磁放射線の1つ又は複数のビームを生成するステップと、
ビーム成形光学系を使用して電磁放射線の前記1つ又は複数のビームを前記フローセルに通すことにより、前記粒子によって散乱される電磁放射線を生成するステップと、
前記フローセルから光学検出器アレイへと電磁放射線を方向付けることによって、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出をもたらすステップと、
を含み、
フローセル、光源、ビーム成形光学系、光学検出器アレイ、又は、これらの任意の組み合わせは、前記粒子の前記検出中に高い信号対雑音比を維持するように構成される及び/又は制御される、方法。
【0149】
[0165]実施形態53:前記光学検出器アレイが、前記フローセルを通じて伝送される入射電磁放射線と前記粒子によって散乱される電磁放射線とを受けるために前記フローセルと光通信する状態で配置される、実施形態54の方法。
【0150】
[0166]実施形態54:前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が前方散乱される電磁放射線を含む、実施形態55の方法。
【0151】
[0167]実施形態55:前記フローセルを通じて伝送される前記入射電磁放射線及び前記粒子によって散乱される前記電磁放射線が、建設的及び/又は破壊的な光学的干渉を受ける、実施形態55又は56のいずれかの方法。
【0152】
[0168]実施形態56:前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~5度の範囲内の散乱角で設けられる、実施形態54~57のいずれかの方法。
【0153】
[0169]実施形態57:前記光学検出器アレイが、入射ビームの光軸に対して0度~0.5度の範囲内の散乱角で設けられる、実施形態54~58のいずれかの方法。
【0154】
[0170]実施形態58:前記光学検出器アレイが、前記粒子及び前記粒子によって散乱される電磁放射線と照射波面との相互作用を検出するために前記フローセルと光通信する状態で設けられる、実施形態54~59のいずれかの方法。
【0155】
[0171]実施形態59:前記方法が、以下の条件、すなわち、
a.1℃/hr未満の速度における最大5℃のTの変化
b.最大300mbarのPの変化
c.最大10mmのビーム経路長の変化
d.最大2mmのビーム焦点位置の変化
e.最大20%のビーム出力の変化
f.最大200ミクロン/秒の振動レベルl
g.最大+/-5度のビーム角度の変化
h.最大<2%(RMS)のレーザーノイズの状態
i.最大<1.3のレーザーのMの変化
j.最大<100MHzのレーザーの線幅の変化
k.最大<50%のRHの変化
l.電気(ラインパワー)安定性及びノイズの制御
m.これらの任意の組み合わせ
のうちの1つ又は複数に晒される際に内部粒子計数プロセスの有意な性能低下を伴うことなく、前記粒子の干渉検出及び/又は100nm以下のサイズ寸法を有する粒子の光学的検出を行なう、実施形態54~60のいずれかの方法。
【0156】
参照による組み込み及び変形に関する記述
[0172]この出願全体にわたる全ての引用文献、例えば、発行又は付与された特許又は同等物を含む特許文書、特許出願公開公報、及び、非特許文献文書、又は、その他の資料は、各引用文献がこの出願の開示と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で、参照により個別に組み込まれるかのように、参照によりその全体が本願に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する引用文献は、引用文献の部分的に矛盾する部分を除いて参照により組み込まれる)。
【0157】
[0173]以下の特許及び特許出願、すなわち、米国特許第7,746,469号、米国特許出願公開第20170176312号、国際公開第2019/082186号、及び、国際公開第62/838,835号は、構造化ビームを使用する干渉粒子検出に関連し、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0158】
[0174]本明細書中で使用されてきた用語及び表現は、限定の用語としてではなく、説明の用語として使用され、また、示されて説明される特徴又はその一部の同等物を除外するそのような用語及び表現の使用を意図するものではないが、特許請求の範囲に記載される発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、本発明を好ましい実施形態、典型的な実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示される概念の修正及び変形が当業者によって用いられ得ること、及び、そのような修正及び変形が添付の特許請求の範囲によって規定されるこの発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。本明細書で提供される特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、当業者であれば分かるように、本発明は、この明細書本文に記載されたデバイス、デバイス構成要素、方法ステップの多数の変形例を使用して実行され得る。また、当業者に明らかなように、方法及び本方法に有用なデバイスは、多数の任意選択的な構成及び処理要素並びにステップを含むことができる。
【0159】
[0175]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び、「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、当業者に知られている複数のそのようなセル及びその同等物を含む。同様に、「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では交換可能に使用することができる。また、「備える」、「含む」、及び「有する」という用語も交換可能に使用できることに留意すべきである。「請求項XX-YYのいずれかの」という表現(この場合、XX及びYYは請求項番号を指す)は、代替形式で複数の従属請求項を与えることを意図しており、幾つかの実施形態では、「請求項XX-YYのいずれか一項に」という表現と交換可能である。
【0160】
[0176]置換物のグループが本明細書に開示される場合、そのグループの全ての個々の構成要素及び全てのサブグループが別々に開示されることが理解される。マーカッシュグループ又は他のグループが本明細書で使用される場合、グループの全ての個々の構成要素及びグループの想定し得る全ての組み合わせ及び部分組み合わせは、個別に本開示に含まれることが意図される。
【0161】
[0177]本明細書に記載又は例示される全てのデバイス、システム、製剤、構成要素の組み合わせ、又は、方法は、別段述べられなければ、本発明を実施するために使用することができる。
【0162】
[0178]ある範囲、例えば、温度範囲、時間範囲、或いは、組成又は濃度範囲が明細書中で与えられるときはいつでも、全ての中間範囲及び部分範囲、並びに、与えられた範囲に含まれる全ての個々の値は、本開示に含まれるように意図される。本明細書の説明に含まれる範囲内又は部分範囲内の任意の部分範囲又は個々の値は、本明細書の特許請求の範囲から除外され得ることが理解される。
【0163】
[0179]本明細書で言及される全ての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者の技能のレベルを示すものである。本明細書で挙げられる引用文献は、それらの公開日又は出願日の時点での最新技術を示すために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、また、この情報を必要に応じて本明細書中で使用して、先行技術にある特定の実施形態を除外できることが意図される。例えば、物質の組成が特許請求の範囲に記載される場合、出願人の発明の前に当技術分野で知られて利用可能な化合物は、本明細書で挙げられた引用文献で有効な開示が与えられる化合物を含めて、本明細書における物質クレームの組成に含まれるように意図されないことが理解されるべきである。
【0164】
[0180]本明細書で使用される場合、「備える」は、「含む」、「包含する」、又は、「~によって特徴付けられる」と同義であり、包括的又は非制約的であり、更なる引用されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書で使用される「~から成る」は、請求項要素で定められていない任意の要素、ステップ、又は、成分を除外する。本明細書で使用される「本質的に~から成る」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを除外するものではない。本明細書の各例において、「備える」、「本質的に~から成る」、及び、「~から成る」という用語のいずれかを、他の2つの用語のいずれかで置き換えることができる。本明細書に例示的に記載されている発明は、本明細書に具体的に開示されない任意の1つ又は複数の要素、1つ又は複数の制限がない状態で実施することができる。
【0165】
[0181]当業者であれば分かるように、過度の実験に頼ることなく、出発材料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、解析方法、分析方法、及び、具体的に例示されたもの以外の生物学的方法を本発明の実施に使用できる。そのような材料及び方法の全ての当技術分野で知られている機能的同等物は、この発明に含まれることが意図される。使用された用語及び表現は、限定の用語としてではなく説明の用語として使用され、また、そのような用語及び表現の使用において、示されて説明された特徴又はその一部の任意の同等物を除外する意図はないが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、本発明を好ましい実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示される概念の修正及び変形を当業者が用いることができ、また、そのような修正及び変形が添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B