(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-05
(45)【発行日】2025-03-13
(54)【発明の名称】光触媒空気処理
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20250306BHJP
A61L 9/18 20060101ALI20250306BHJP
B01J 19/24 20060101ALI20250306BHJP
B01D 53/88 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/18
B01J19/24 Z
B01D53/88
(21)【出願番号】P 2022577404
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 GB2021050968
(87)【国際公開番号】W WO2021255413
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-31
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ テニソン レイリー
(72)【発明者】
【氏名】ベン トーマス エドモンズ
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202983421(CN,U)
【文献】中国実用新案第204933250(CN,U)
【文献】特開2001-121000(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0122078(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0375187(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
長手方向の第1の端部に入口を、第2の端部に出口を有し、空気流を受けるように構成される長手形状の反応チャンバと、
前記反応チャンバの内周面に配置される基板と、
前記基板の表面上に配置されて前記空気流の中の1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダイオードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える長手形状の発光ダイオード回路基板とを有し、
前記長手形状の発光ダイオード回路基板は前記長手形状の反応チャンバの長さに亘って延伸し、
前記基板は、光触媒分解を促進するために、1つ以上の前記第1の発光ダイオードおよび1つ以上の前記第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置されて、前記反応チャンバの前記入口から出口まで通過する空気流が前記基板の長手方向の長さに亘って前記光触媒に接触する、
光触媒反応器。
【請求項2】
前記基板は、前記発光ダイオード回路基板を取り囲むように配置される、請求項1に記載の光触媒反応器。
【請求項3】
前記発光ダイオード回路基板は、前記反応チャンバの長手方向に沿って配置される、請求項1又は2に記載の光触媒反応器。
【請求項4】
入口と
出口とを備え、前記
入口と前記
出口との間を通過する空気流が前記光触媒に接触するように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項5】
前記発光ダイオード回路基板は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項6】
前記基板は、表面を備え、前記表面から前記発光ダイオード回路基板に向かって延在する1つ以上の突起をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気流を処理するための光触媒反応器および光触媒反応器を備える空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気処理装置は、空気を処理して汚染物質を除去する。従来の空気処理装置は、サイズ排除によって空中粒子を物理的に捕捉する微粒子フィルタを単独で使用し、高効率微粒子空気(HEPA)フィルタによって0.3μm粒子の少なくとも99.97%を除去する。一部の空気処理装置は、活性炭フィルタを使用して空気中の揮発性化学物質を濾過する。活性炭は、空気の浄化に使用されるとき、汚染物質を吸着によって除去するため、限られた除去容量しか有せず、その結果、濾過性能を維持する場合には、活性炭フィルタを交換する必要がある。汚染物質を捕捉するよりもむしろ、光触媒酸化(PCO)などの技術を使用して、特定の大気汚染物質を破壊することが可能である。光触媒酸化は、有害な大気汚染物質を酸化して害の少ない化合物にするために、例えば、揮発性有機化合物(VOC)を二酸化炭素および水へと酸化するために、使用され得る。この反応は、光子の吸収によって活性化される触媒表面によって触媒される。空気中の水分および酸素は、反応が進行するために必要な水素原子および酸素原子を提供するため、汚染物質以外に反応性化学物質が消費されることはない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように構成された光触媒反応器が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダイオードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板を備える。基板は、光触媒分解を促進するために、1つ以上の第1の発光ダイオードおよび1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置される。
【0004】
基板は、発光ダイオード回路基板を遮るように配置され得る。基板は、発光ダイオード回路基板から放出された光が基板に衝突するように配置され得る。基板は、発光ダイオード回路基板を取り囲むように配置され得る。発光ダイオード回路基板は、基板内に同心円状に配置され得る。
【0005】
光触媒反応器は、空気入口と空気出口とを備え、空気入口と空気出口との間を通過する空気流が光触媒に接触するように配置され得る。
【0006】
回路基板は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備え得る。基板は、表面を備え得る。基板は、表面と、表面から発光ダイオード回路基板に向かって延在する1つ以上の突起または突出とを備え得る。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて汚染物質の1つ以上を光触媒分解するための光触媒と、光触媒を照射して光触媒分解を促進するための1つ以上の光源と、1つ以上の光源の間に配置され、1つ以上の光源を分離する少なくとも2つの透過材料の層と、を備える。
【0009】
少なくとも2つの透過材料の層は、隙間によって第2の層の透過材料から分離された第1の層の透過材料を備え得る。透過材料は、空気に対して不透過性であり得る。少なくとも2つの透過材料の層は、光触媒反応器を、光触媒を含む第1の部分と、1つ以上の光源を含む第2の部分と、に分離し得る。第1の部分は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受けるように配置され得、第2の部分は、1つ以上の光源に接触して空冷を提供する空気流を受けるように配置される。1つ以上の光源は、1つ以上の発光ダイオードを備え得、好ましくは、回路基板に取り付けられた1つ以上の発光ダイオードを備える。
【0010】
少なくとも2つの透過材料の層は、1つ以上の光源の周りに同心円状に配置され1つ以上の光源を光触媒から分離する少なくとも2つの導管を備え得、各導管の少なくとも一部は、透過材料を備える。少なくとも2つの導管のうちの1つ以上は、透過材料の管を備え得る。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が提供される。
【0012】
本発明の第5の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器を備える空気処理装置が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ、1つ以上の第2の発光ダイオードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板と、を備える。基板は、1つ以上の第1の発光ダイオードおよび1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置される。光触媒反応器は、発光ダイオード回路基板と光触媒との間に配置され、発光ダイオード回路基板を光触媒から分離する少なくとも2つの透過材料の層をさらに備える。
【0013】
本発明の第6の態様によれば、第5の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が提供される。
【0014】
もちろん、本発明の一態様に関連して説明した特徴は、本発明の他の態様に組み込まれ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】空気処理装置内で使用するための光触媒反応器の一例の斜視図である。
【
図2A】空気処理装置内で使用するためのさらなる光触媒反応器の一例の斜視図である。
【
図3A】空気処理装置内で使用するための別の光触媒反応器の一例の斜視図である。
【
図4】空気処理装置内で使用するためのさらなる光触媒反応器の一例の端面図である。
【
図5A】空気処理装置内で使用するための別の光触媒反応器の別の例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、改良された光触媒反応器の例を、
図1Aおよび1Bを単なる例として参照して説明する。光触媒反応器は、概して参照番号1000で示される。光触媒反応器1000は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された反応チャンバ1001と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒1004と、を備え、光触媒1004は、反応チャンバ1001によって提供される基板1003上に配置される。光触媒反応器1000は、プリント回路基板1008の第1の側面1006に取り付けられた複数の発光ダイオード1009を有するプリント回路基板1008を備える発光ダイオードプリント回路基板(「LED PCB」)1012をさらに備える。光触媒反応器1000は、光触媒分解を促進するために、基板1003が発光ダイオード1009によって照らされるように配置される。特に、基板1003は、LED PCB1012の発光ダイオード1009から放出された光が基板1003に衝突するように、LED PCB1012を遮るように配置される。
【0017】
図1Aおよび1Bに示される例では、光触媒反応器1000は、反応チャンバ1001の長さに沿って延在する細長いLED PCB1012を取り囲む細長い反応チャンバ1001を備える。反応チャンバ1001は、反応チャンバ1001の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ1001の第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板1003上に配置された光触媒1004と接触する。次に、隔壁/障壁1005A、1005Bは、光触媒1004の反応チャンバをLED PCB1012から分離し、隔壁1005A、1005Bの少なくとも一部は、発光ダイオード1009によって放出される放射線に対して透過性であるため、光触媒1004は、発光ダイオード1009によって照らされ得る。次に、LED PCB1012の複数の発光ダイオード1009は、離間し、LED PCB1012の長さの第1の側面1006に沿って長手方向に整列し、それによって、光触媒反応器1000の全長に沿って光源を提供する。
【0018】
図1Aおよび1Bに示される例では、反応チャンバ1001の基板1003は複数の突起を備え、この複数の突起は、フィン1011A、1011Bによって設けられ反応チャンバ1001の内面から離れて各々内向きに延在し、光触媒1004が、各フィン1011A、1011Bの少なくとも1つの面上に配置される。これらのフィン1011A、1011Bは、汚染物質の光触媒分解のための高い表面積を提供する。各フィン1011A、1011Bは、細長く、細長い反応チャンバ1001の長さに沿った長さLと、フィン1011A、1011Bが反応チャンバ1001のそれぞれの内面から離れて内向きにどれだけ延在するかによって画定される高さHと、を有する。したがって、フィン1011A、1011Bは、長手形状であり、各フィン1011A、1011Bの長手方向軸は、発光ダイオード1009の光軸に対して垂直である。したがって、フィン1011A、1011Bは、空気入口から空気出口への空気の流のための反応チャンバ1001の長さに沿って延在するチャネル1002をフィン1011A、1011Bの間に画定する。図示の例では、各フィン1011A、1011Bは、その高さに沿って部分的に湾曲した断面(すなわちフィンの輪郭)を有する。しかしながら、別の配置では、各フィン1011A、1011Bは、直線状の断面を有し得る。
【0019】
フィン1011A、1011Bは、第1のセットのフィン群1011Aのおよび第2のセットのフィン群1011Bを備え、光触媒1004は、各フィン上に配置される。第1のセットのフィン群1011Aおよび第2のセットのフィン群1011Bは、発光ダイオード1009からの光が各フィン1011A、1011Bの面1013の長さの少なくとも一部を面1013の高さ全体に沿って照らすように配置される。換言すれば、各発光ダイオード1009は、隣接するフィンからの影を受けることなく、各フィン1011A、1011Bの少なくとも1つの面1013の全高を照らす。とはいえ、フィン1011A、1011Bの全長を照らすために、複数の発光ダイオード(例えば、長手方向に分布した複数の発光ダイオード)1009が必要とされ得る。発光ダイオード1009は、各フィン1011A、1011Bの少なくとも1つの面1013の長さの、異なるが重複する可能性がある部分を各々照らすように分布する。
【0020】
図1Aおよび1Bに示される例では、第1のセットのフィン群1011Aの各々は、フィン1011Aの基端1015からフィンの先端1016を通って延在するライン(例えば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似するライン)が第1の収束点または交点F1に向けられるように配置される。次いで、第2のセットのフィン群1011Bの各々は、フィン1011Bの基端1015からフィン1011Bの先端1016を通って延在するラインが第2の収束点F2に向けられるように配置される。第1の収束点F1は、第2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と第2の収束点F2との両方は、発光ダイオード1009の位置に対してオフセットする。
【0021】
第1のセットのフィン群1011Aは、反応チャンバ1001の第1の内面1018Aから内向きに延在し、第2のセットのフィン群1011Bは、反応チャンバ1001の第2の内面1018Bから内向きに延在し、第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、概して発光ダイオード1009に面する。第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、発光ダイオードの光軸Oの周りに対称的に配置され、その結果、第1のセットのフィン群1011Aは、各発光ダイオード1009の第1の半分によって照らされるように配置され、第2のセットのフィン群1011Bは、各発光ダイオード1009の第2の半分によって照らされるように配置される。
図1Aおよび1Bに示される例では、光触媒1004はまた、反応チャンバ1001の第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bの両方の上に配置される。
【0022】
第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、別個の円弧形状の輪郭(すなわち、それらの断面は、異なる焦点を有する湾曲セグメントである)を有し、第1の内面1018Aの輪郭は、第2の内面1018Bの輪郭の鏡像である。換言すれば、第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、互いの反射であり、その結果、それらが共に鏡/反射対称性を有する。第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、各々、円弧形状の輪郭および放物線形状の輪郭のいずれかを有し得る。
【0023】
図1Aおよび1Bに示される例では、隔壁1005A、1005Bは、発光ダイオード1009と光触媒1004との間に配置され、それらを分離する2つの透過材料の層を備える。これらの2つの透過材料の層は、隙間によって第2の透過材料の層1005Bから分離された第1の透過材料の層1005Aを備える。これらの透過材料の層1005A、1005Bは、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード1009によって放出される放射に対して透過性である。
図1Aおよび1Bに示される例では、2つの透過材料の層1005A、1005Bは、管状であり、LED PCB1012の周りに同心円状に配置され、これらの管の最も内側は、その内にLED PCB1012が位置し、発光ダイオード1009を冷却するために空気流が導管を通過することが可能であるように配置される導管を提供する。
【0024】
発光ダイオード1009と光触媒1004との間に二重層の隔壁を設けることによって、汚染物質を含有する空気流を受け入れるように配置された反応チャンバ1001の第1の部分1019と、LED PCB1012を収容する第2の部分1020との間の熱損失が減少し、それによってエネルギー効率が改善する。この熱損失の減少は、発光ダイオード1009の能動冷却を実施するときに特に有益である。
【0025】
図2Aおよび2Bは、改良された光触媒反応器のさらなる例を示す。光触媒反応器は、概して参照番号2000によって示される。光触媒反応器2000は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された反応チャンバ2001と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒2004とを備え、光触媒2004は、反応チャンバ2001によって提供される基板2003上に配置される。光触媒反応器2000は、
図1Aおよび1Bを参照して上述したものと非常に類似しており、したがって、対応する参照番号は、これらの実施形態の同様のまたは対応する部分もしくは特徴に使用される。特に、光触媒反応器2000は、反応チャンバ2001の長さに沿って延在する細長いLED PCB2012を取り囲む細長い反応チャンバ2001を備える。反応チャンバ2001は、反応チャンバ2001の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)を備え、反応チャンバ2001の第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板2003上に配置された光触媒2004に接触する。次いで、隔壁/障壁2005は、反応チャンバ2001をLED PCB2012から分離し、この隔壁2005の少なくとも一部は、発光ダイオード2009、2010によって放出される放射線に対して透過性であるため、光触媒2004は、発光ダイオード2009、2010によって照らされ得る。
【0026】
図2Aおよび2Bに示される例では、LED PCB2012は、両面を有する。したがって、LED PCB2012は、プリント回路基板の第1の側面2006に取り付けられた複数の第1の発光ダイオード2009とプリント回路基板の第2の側面2007に取り付けられた複数の第2の発光ダイオード2010とを有するプリント回路基板2008を備える。したがって、LED PCB2012は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備える。LED PCB2012の第1の発光ダイオード2009は、離間し、LED PCB2012の長さの第1の側面2006に沿って長手方向に整列し、第2の発光ダイオード2010は、離間し、LED PCB2012の長さの第2の側面2007に沿って長手方向に整列し、それによって、光触媒反応器2000の全長に沿って光源を提供する。
【0027】
次に、光触媒分解を促進するために、基板2003が第1の発光ダイオード2009および第2の発光ダイオード2010の両方によって照射されるように、光触媒反応器2000が配置される。特に、基板2003は、LED PCB2012を遮るように配置され、LED PCB2012の発光ダイオード2009、2010から放出された光は、基板2003に衝突する。そのために、基板2003は、LED PCB2012を取り囲むように配置される。
【0028】
図2Aおよび2Bに示される例では、光触媒反応器2000の反応チャンバ2001もまた、両面を有する。したがって、反応チャンバ2001は、第1の側面2001Aおよび第2の側面2001Bを備え、第1の側面2001Aは、プリント回路基板2008の第1の側面2006および第2の側面2001Bに設けられた第1の発光ダイオード2009によって照らされるように配置され、プリント回路基板2008の第2の側面2007に設けられた第2の発光ダイオード2010によって照らされるように配置される。
【0029】
両面光触媒反応器を提供することによって、全体の容積を損なうことなく反応器の長さを短縮する。これは、光触媒反応器を家庭用空気処理装置に統合するときに特に重要であり、材料のコスト、特に隔壁2005A、2005Bおよびプリント回路基板2008に関連するコストを削減する。
【0030】
次いで、反応チャンバ2001の第1の側面2001Aおよび第2の側面2001Bは、
図1Aおよび1Bに示される反応チャンバ1001のフィン付き配置をそれぞれ複製する。具体的には、反応チャンバ2001の第1の側面2001Aは、第1のセットのフィン群2011Aのおよび第2のセットのフィン群2011Bを備え、反応チャンバ2001の第2の側面2001Bは、第3のセットのフィン群2011Cおよび第4のセットのフィン群2011Dを備え、光触媒2004は、各フィン2011の少なくとも1つの面2013上に配置される。第1のセットのフィン群2011Aおよび第2のセットのフィン群2001Bは、第1の発光ダイオード2009からの光が各フィン2011A、2011Bの面2013の長さの少なくとも一部を面2013の高さ全体に沿って照らすように配置される。次に、第3のセットのフィン群2011Cおよび第4のセットのフィン群2011Dは、第2の発光ダイオード2010からの光が各フィン2011C、2011Dの面2013の長さの少なくとも一部を面2013の高さ全体に沿って照らすように配置される。
【0031】
反応チャンバ2001の第1の側面2001A上で、第1のセットのフィン群2011Aの各々は、フィン2011Aの基端2015からフィンの先端2016を通って延在するライン(例えば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似するライン)が第1の収束点または交点F1に向けられるように配置される。次いで、第2のセットのフィン群2011Bの各々は、フィン2011Bの基端2015からフィン2011Bの先端2016を通って延在する線が第2の収束点F2に向けられるように配置される。第1の収束点F1は、第2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と第2の収束点F2との両方が、第1の発光ダイオード2009の位置に対してオフセットする。
【0032】
対応して、反応チャンバ2001の第2の側面2001B上で、第3のセットのフィン群2011Cの各々は、フィン2011Cの基端2015からフィンの先端2016を通って延在するラインが第3の収束点または交点F3に向けられるように配置される。次いで、第4のセットのフィン群2011Dの各々は、フィン2011Dの基端2015からフィン2011Dの先端2016を通って延在するラインが第4の収束点F4に向けられるように配置される。第3の収束点F3は、第4の収束点F4とは異なり、第3の収束点F3と第4の収束点F4との両方が、第2の発光ダイオード2010の位置に対してオフセットする。
【0033】
第1のセットのフィン群2011Aは、反応チャンバ2001の第1の側面2001A上の第1の内面2018Aから内向きに延在し、第2のセットのフィン群2011Bは、反応チャンバ2001の第1の側面2001B上の第2の内面2018Bから内向きに延在し、第1の内面2018Aおよび第2の内面2018Bは、概して第1の発光ダイオード2009に面する。第3のセットのフィン群2011Cは、反応チャンバ2001の第2の側面2001B上の第3の内面2018Cから内向きに延在し、第4のセットのフィン群2011Dは、反応チャンバ2001の第2の側面2001B上の第4の内面2018Dから内向きに延在し、第3の内面2018Cおよび第4の内面2018Dは、概して第2の発光ダイオード2010に面する。
【0034】
図2Aおよび2Bから分かるように、LED PCB2012は、基板2003によって画定された空間容積内の中心に位置する。次いで、隔壁2005は、発光ダイオード2009、2010と光触媒2004との間に配置され、これらを分離する単層の透過材料を備える。この透過材料の層は、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード2009、2010によって放出される放射線を透過する。
図2Aおよび2Bに示される例では、単層の透過材料2005は、管状であり、LED PCB3012の周りに同心円状に配置される。この透過材料2005の管は、その内にLED PCB1012が位置し、発光ダイオード2009、2010を冷却するために空気流が導管を通過できるように配置された導管を提供する。
【0035】
当業者は、
図1A、1B、2Aおよび2Bの光触媒反応器の重要な特徴を組み合わせることが可能であることを理解するであろう。したがってここに、改良された光触媒反応器のさらなる例を、
図3Aおよび3Bを参照して説明する。光触媒反応器は、概して参照番号3000で示される。光触媒反応器3000は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された反応チャンバ3001と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒3004とを備え、光触媒3004は、反応チャンバ3001によって設けられる基板3003上に配置される。光触媒反応器3000は、
図2Aおよび2Bを参照して上記したものと非常に類似しており、したがって、対応する参照番号は、これらの実施形態の同様のまたは対応する部品もしくは特徴に使用される。特に、光触媒反応器3000は、反応チャンバ3001の長さに沿って延在する細長いLED PCB3012を取り囲む細長い反応チャンバ3001を備える。反応チャンバ3001は、反応チャンバ3001の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ3001の第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板3003上に配置された光触媒3004に接触する。次いで、隔壁/障壁3005A、3005Bは、反応チャンバ3001をLED PCB3012から分離し、この隔壁3005A、3005Bの少なくとも一部は、発光ダイオード3009、3010によって放出される放射に対して透過性であるため、光触媒3004は、発光ダイオード3009、3010によって照らされ得る。
【0036】
図3Aおよび3Bに示される例では、LED PCB3012および反応チャンバ3001の両方は、両面を有する。しかしながら、
図2Aおよび2Bに示される例とは異なり、光触媒304をLED PCB3012から分離する隔壁3005A、3005Bは、2つの透過材料の層を備える。これらの2つの透過材料の層は、隙間によって第2の層の透過材料3005Bから分離された第1の層の透過材料3005Aを備える。これらの層の透過材料3005A、3005Bは、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード3009、3010によって放出される放射に対して透過性である。
図3Aおよび3Bに示される例では、2つの層の透過材料3005A、3005Bは、管状であり、LED PCB3012の周りに同心円状に配置され、これらの管の最も内側は、その内にLED PCB3012が位置し、発光ダイオード3009、3010を冷却するために空気流が導管を通過できるように配置される導管を提供する。
【0037】
改良された光触媒反応器のさらなる例を、
図4を参照して説明する。光触媒反応器は、概して参照番号4000で示され、
図4において、断面で示される。光触媒反応器4000は、各々、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された3つの反応チャンバ4001、4101、4201と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒4004と、を備え、光触媒4004は、反応チャンバ4001、4101、4201の各々によって提供される基板4003上に配置される。光触媒反応器4000は、反応チャンバ4012、4112、4212の各々の内に発光ダイオードプリント回路基板(「LED PCB」)4012、4112、4212をさらに備える。各LED PCB4012、4112、4212は、プリント回路基板4008の第1の側面に取り付けられた複数の発光ダイオード4009を有するプリント回路基板4008を備える。光触媒反応器4000は、光触媒分解を促進するために、反応チャンバ4001、4101、4201の各々によって提供される基板4003が、対応するLED PCB4012、4112、4212の発光ダイオード4009によって照らされるように配置される。特に、反応チャンバ4012、4112、4212の各々によって提供される基板4003は、対応するLED PCB4012、4112、4212を遮るように配置され、LED PCB4012、4112、4212の発光ダイオード4009から放出される光は、基板4003に衝突する。
【0038】
図4に示される例では、反応チャンバ4001、4101、4201の各々は、細長く、反応チャンバ4001、4101、4201の長さに沿って延在するそれぞれの細長いLED PCB4012、4112、4212を取り囲む。反応チャンバ4001、4101、4201の各々は、反応チャンバの第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバの第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)とを備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板4003上に配置された光触媒4004に接触する。次いで、隔壁/障壁4005は、光触媒4004を各LED PCB4012、4112、4212から分離し、隔壁4005の少なくとも一部は、発光ダイオード4009によって放出される放射線に対して透過性であり、光触媒4004は、発光ダイオード4009によって照らされ得る。次に、各LED PCB4012、4112、4212の複数の発光ダイオード4009は、離間し、プリント回路基板4008の長さの第1の側面に沿って長手方向に整列し、それによってそれぞれの反応チャンバ4001、4101、4201の全長に沿って光源を提供する。
【0039】
図4に示される例では、各反応チャンバ4001、4101、4201の基板4003は複数の突起を備え、この複数の突起は、フィン4011A、4011Bによって設けられ反応チャンバ4001A、4001B、4001Cの内面から離れて各々内向きに延在し、光触媒4004が、各フィン4011A、4011Bの少なくとも1つの面上に配置される。これらのフィン4011A、4011Bは、汚染物質の光触媒分解のための高い表面積を提供する。各フィン4011A、4011Bは、細長く、細長い反応チャンバ4001A、4001B、4001Cの長さに沿った長さと、フィン4011A、4011Bが反応チャンバ4001、4101、4201のそれぞれの内面から離れて内向きにどれだけ延在するかによって画定される高さとを有する。したがって、フィン4011A、4011Bは、長手形状であり、各フィン4011A、4011Bの長手方向軸は、発光ダイオード4009の光軸に対して垂直である。したがって、フィン4011A、4011Bは、空気入口から空気出口までの空気の流のためのそれぞれの反応チャンバ4001、4101、4201の長さに沿って延在するチャネル4002をそれらの間に画定する。図示の例では、各フィン4011A、4011Bは、その高さに沿って直線状の断面(すなわち、フィンの輪郭)を有する。しかし、別の配置では、各フィン4011A、4011Bは、湾曲した断面を有し得る。
【0040】
各反応チャンバ4001、4101、4201内のフィン4011A、4011Bは、第1のセットのフィン群4011Aおよび第2のセットのフィン群4011Bを備え、光触媒1004は、各フィン上に配置される。第1のセットのフィン群4011Aおよび第2のセットのフィン群4011Bは、対応する発光ダイオード4009からの光が、面4013の高さ全体に沿って各フィン4011A、4011Bの面4013の長さの少なくとも一部を照らすように配置される。換言すれば、反応チャンバ4001、4101、4201内で、各発光ダイオード4009は、隣接するフィンからの影を受けることなく、各フィン4011A、4011Bの少なくとも1つの面4013の全高を照らす。とはいえ、複数の発光ダイオード4009(例えば、長手方向に分布した複数の発光ダイオード)は、フィン4011A、4011Bの全長を照らすために必要であり得る。各反応チャンバ4001、4101、4201内で、発光ダイオード4009は、各フィン4011A、4011Bの少なくとも1つの面4013の長さの、異なるが重複する可能性がある部分を各々照らすように分布する。
【0041】
図4に示される例では、各反応チャンバ4001、4101、4201内で、第1のセットのフィン群4011Aの各々は、フィン4011Aの基端4015からフィンの先端4016を通って延在するライン(例えば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似するライン)が第1の収束点または交点F1に向けられるように配置される。次いで、第2のセットのフィン群4011Bの各々は、フィン4011Bの基端4015からフィン4011Bの先端4016を通って延在するラインが第2の収束点F2に向けられるように配置される。第1の収束点F1は、第2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と第2の収束点F2との両方は、発光ダイオード4009の位置に対してオフセットする。
【0042】
第1のセットのフィン群4011Aは、それぞれの反応チャンバ4001、4101、4201の第1の内面4018Aから内向きに延在し、第2のセットのフィン群4011Bは、それぞれの反応チャンバ4001、4101、4201の第2の内面4018Bから内向きに延在し、第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、概して発光ダイオード4009に面する。第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、発光ダイオードの光軸の周りに対称的に配置され、その結果、第1のセットのフィン群4011Aは、各発光ダイオード4009の第1の半分によって照らされるように配置され、第2のセットのフィン群4011Bは、各発光ダイオード4009の第2の半分によって照らされるように配置される。
図4に示される例では、光触媒4004はまた、各反応チャンバ4001、4101、4201の第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bの両方の上に配置される。
【0043】
各反応チャンバ4001、4101、4201内で、第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、別個の弧状の輪郭を有し(すなわち、それらの断面は、異なる焦点を有する湾曲セグメントである)、第2の内面4018Bの輪郭の鏡像である第1の内面4018Aの輪郭を有する。換言すれば、第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、互いの反射であり、その結果、共に鏡/反射対称性を有する。第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは各々、円弧形状の輪郭および放物線形状の輪郭のいずれかを有し得る。
【0044】
図4から分かるように、反応チャンバ4001、4101、4201は、共通の軸の周りに分布する。特に、3つの反応チャンバ4001、4101、4201は、配置が共通軸の周りで3回回転対称性を有するように配置される。3つの反応チャンバ4001、4101、4201はまた、反応チャンバ4001、4101、4201の基板4003が、その内にLED PCB4012、4112、4212が位置する空間の容積を画定するように、連続して配置される。隔壁4005は、LED PCB4012、4112、4212の間に配置され、これらを光触媒4004から分離する、単層の透過材料を備える。この透過材料の層は、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード4009によって放出される放射に対して透過性である。
図4に示される例では、単層の透過材料4005は、分岐管の形態を有し、LED PCB4012、4112、4212の周りに同心円状に配置される。この分岐管の透過材料4005は、その内にLED PCB4012、4112、4212が位置し、発光ダイオード4009を冷却するために空気流が導管を通過できるように配置された導管を提供する。
【0045】
上記の光触媒反応器4000は、3つの反応チャンバを備える。当業者は、光触媒反応器4000が任意の数の反応チャンバを備え得ることを理解するであろう。上記の光触媒反応器4000は、細長い。当業者は、必ずしもそうである必要がないことを理解するであろう。
【0046】
図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4の光触媒反応器はすべて、照射される表面積を最大にし、それによって光触媒反応器の効率を最大にするように配置された、フィンを備える。そうすることで、この配置はまた、影の欠如が各発光ダイオードによって照射される表面積を最適化するため、フィンを照らすために必要な発光ダイオードの数を最小限に抑える。
【0047】
図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4の光触媒反応器はすべて、光触媒の比較的大きな表面積を提供するフィンを備える。このようなフィンを備えない代替の改良された光触媒反応器の例を、
図5Aおよび5Bを参照して説明する。光触媒反応器は、概して参照番号5000で示される。光触媒反応器5000は、各々1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された2つの反応チャンバ5001、5101と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒5004と、を備え、光触媒5004は、反応チャンバ5001、5101の各々によって提供される基板5003、5103上に配置される。
図5Aおよび5Bに示される例では、光触媒反応器5000は、両面発光ダイオードプリント回路基板(「LED PCB」)5012をさらに備える。したがって、LED PCB5012は、プリント回路基板5008の第1の側面5006に取り付けられた複数の第1の発光ダイオード5009とプリント回路基板5008の第2の側面5007に取り付けられた複数の第2の発光ダイオード5010とを有する、プリント回路基板5008を備える。したがって、LED PCB5012は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備える。
【0048】
次に、光触媒反応器5000は、第1の反応チャンバ5001の基板5003が、プリント回路基板5008の第1の側面5006に取り付けられた第1の発光ダイオード5009によって照らされるように配置され、一方、第2の反応チャンバ5101の基板5103は、プリント回路基板5008の第2の側面5007に取り付けられた第2の発光ダイオード5010によって照らされるように配置される。特に、第1の反応チャンバ5001の基板5003は、LED PCB5012を遮るように配置され、第1の発光ダイオード5009から放出された光は、基板5003に衝突し、一方、第2の反応チャンバ5101の基板5103は、LED PCB5012を遮るように配置され、第2の発光ダイオード5010から放出された光は、基板5103に衝突する。
【0049】
図5Aおよび5Bに示される例では、光触媒反応器5000は細長く、第1および第2の反応チャンバ5001、5101が光触媒反応器5000の軸の周りに分布し、配置は、軸の周りで2回回転対称を有する。また、反応チャンバ5001、5101は、反応チャンバ5001、5101の基板5003、5103がその内にLED PCB5012が位置する空間容積を画定するように、連続して配置される。特に、LED PCB5012は、細長く、細長い光触媒反応器5000内で軸方向に整列し、反応チャンバ5001、5101の長さに沿って延在する。LED PCB5012の第1の発光ダイオード5009は、離間し、LED PCB5012の長さの第1の側面5006に沿って長手方向に整列し、第2の発光ダイオード5010は、離間し、LED PCB5012の長さの第2の側面5007に沿って長手方向に整列し、それによって、光触媒反応器5000の全長に沿って光源を提供する。
【0050】
次いで、反応チャンバ5001、5101は各々、反応チャンバ5001、5101の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ5001、5101の第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、それぞれの基板5003、5103上に配置された光触媒5004に接触する。次いで、隔壁/障壁5005は、反応チャンバ5001、5101をLED PCB5012から分離し、この隔壁5005の少なくとも一部は、発光ダイオード5009、5010によって放出される放射線に対して透過性であり、光触媒5004は、発光ダイオード5009、5010によって照らされ得る。
図5Aおよび5Bに示される例では、隔壁5005は、管状であり、LED PCB5012の周りに同心円状に配置される、単層の透過材料を備える。この透過材料の管は、その内にLED PCB5012が位置し、発光ダイオード5009、5010を冷却するために空気流が導管を通過可能であるように配置された、導管を提供する。
【0051】
図5Aおよび5Bに示される例では、反応チャンバ5001、5101の各々は、第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bを備え、光触媒5004は、第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bの両方に配置される。第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bは、別個の放物線形状の輪郭を有し、これは、それらの断面が、異なる焦点を有する湾曲セグメントであり、第2の内面5018B、5118Bの輪郭の鏡像である第1の内面5018A、5118Aの輪郭を有することを意味する。次に、光触媒反応器5000は、LED PCB5012の対応する面5006、5007の発光ダイオード5009、5010が第1の内面5018A、5118Aと第2の内面5018B、5118Bとの両方を照らすように配置される。特に、各反応チャンバ5001、5101の第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bは、対応する発光ダイオード5009、5010の光軸Oの周りに対称的に配置され、その結果、第1の内面5018A、5118Aは、発光ダイオード5009、5010の第1の半分によって照らされ、第2の内面5018B、5118Bは、発光ダイオード5009、5010の第2の半分によって照らされるように配置される。各反応チャンバ5001、5101の第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bもまた、連続する。
【0052】
図5Aおよび5Bの配置では、表面特徴(例えば、フィンまたは他の突起)の欠如によって、光触媒5004の総表面積が
図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4に示される配置と比較して減少する一方で、光触媒5004を担持する基板5003、5103が、光触媒5004の放射照度を最大にするために、光源5009、5010のできるだけ近くに配置される。しかしながら、空気が光触媒反応器5000を通過可能にするためには、隔壁5005と基板5003、5103との間に隙間が必要であり、隔壁5005と基板5003、5103との間の離隔距離を最適化することによって、反応チャンバ5001、5101内の空気の洗浄および混合を最適化するより薄い空気の層が提供される。
図5Aおよび5Bに示される例では、隔壁5005は、約35mmの直径Dを有し、隔壁5005の外面と基板5003、5013との間の離隔距離Sは、最大約3mmを有する。しかしながら、離隔距離Sは、最大で10mm以下、好ましくは7mm以下、より好ましくは1mm~7mmであり得る。
【0053】
光触媒反応器内の空気が均等に処理されるように、触媒表面全体に均一な放射照度を生成することも望ましい。ただし、LEDは、円筒対称に光を放出するのではなく、ランベルト分布で光を放出する。LED光源を利用する従来の光触媒反応器は、通常、円筒状の基板を有し、したがって、LEDによって放射される光を基板の表面全体に均一に分布させるために、LEDと基板との間に配置されるレンズを必要とし、レンズの搭載によって、LEDパッケージにコストおよび大きさが追加される。この問題を克服するために、出願人は、断面形状が2つの別個の放物線弧によって画定される基板を提供することによって、基板のより均一な放射照度が得られることを発見した。特に、そのような放物線輪郭の使用は、LED光源によって提供される局所放射照度を考慮に入れるために、触媒を有する内面の成形を容易にする。放物線輪郭を有するこのような内面は、角度αの関数としての内面での放射照度の差を減少させることを可能にし、光触媒を設けた内面でより大きな放射照度均一性を提供する。この点に関して、第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bの各々の断面輪郭形状は、ベジエ曲線、特に2次ベジエ曲線によって画定され得る。したがって、第1の5018A、5118Aおよび第2の5018B、5118Bの各々の断面輪郭は、次の式によって定義される3点ベジエ曲線によって画定され得る。
【0054】
【0055】
ここで、P0は、曲線の始点、P2は、曲線の終点、P1は、曲線の制御点である。ベジエ曲線を使用すると、角度αの関数として、光触媒表面でより均一な放射照度を提供することが可能である。
【0056】
前述のように、当業者は、空気処理装置において従来の光触媒反応器の代わりに上記の光触媒反応器が使用され得ることを理解するであろう。
【0057】
前述の説明において、既知、明白なまたは予見可能な均等物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような均等物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するために特許請求の範囲を参照すべきであり、特許請求の範囲はそのような等価物を包含するように解釈されるべきである。また、好ましい、有利、便利などと記載された本発明の構成要素または特徴は任意であり、独立請求項の範囲を限定しないことを読者は理解するであろう。さらに、そのような任意の整数または特徴は、本発明のいくつかの実施形態では有益である可能性があるが、望ましくない場合があり得、したがって他の実施形態では存在しない場合があり得ることを理解されたい。