(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】腎臓結石治療システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20250307BHJP
【FI】
A61B17/22
(21)【出願番号】P 2024549752
(86)(22)【出願日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 US2023014276
(87)【国際公開番号】W WO2023167926
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2024-10-18
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524311549
【氏名又は名称】カリクソ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CALYXO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】トン, リン
(72)【発明者】
【氏名】ラム, カルビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ケジン
(72)【発明者】
【氏名】カタニーズ ザ サード, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】シン, ジー
(72)【発明者】
【氏名】リム, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】タチバナ, ブライアン ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ユレック, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アデール, キャラリン リーヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン, アンドリュー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス, エディ
(72)【発明者】
【氏名】ファム, エイリー
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5830214(US,A)
【文献】特開2001-245967(JP,A)
【文献】特開2021-122740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を運ぶように構成され、トリガ機構内を通る部分を有する、灌流管と、
前記灌流管と2箇所で接続され、前記灌流管の前記トリガ機構内の前記部分を通過することなく前記灌流管の第1の部分から前記灌流管の第2の部分に流体が流れることができるように構成された、バイパス構造と、
を備える、腎臓結石除去機構であって、前記トリガ機構が、ユーザによって操作可能なトリガを含み、前記トリガ機構が、前記トリガのユーザ操作に応じて治療領域を灌流するために前
記灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させるように操作可能である、
腎臓結石除去機構。
【請求項2】
前記バイパス構造が流れ制限部を備える、請求項
1に記載の腎臓結石除去機構。
【請求項3】
前記トリガのユーザ押下げにより、前記灌流管が漸進的に開放される、請求項
1または2に記載の腎臓結石除去機構。
【請求項4】
前記トリガ機構によって作動されるように構成された吸引管をさらに備える、請求項
1に記載の腎臓結石除去機構。
【請求項5】
その近位端部において前記腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、
前記腎臓結石除去機構の近位端部に位置する操縦機構であって、前記操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために前記遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、
をさらに備える、請求項
1または4に記載の腎臓結石除去機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、生体内における対象物の案内除去のためのシステム、デバイス、および方法に関し、より具体的には、腎臓結石などの対象物の灌流および除去のための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]腎臓結石は、世界中の数百万人の人々に悪影響を及ぼす一般的な医療問題である。腎臓結石は、通常、人の尿管、腎臓、および/または膀胱を含む尿路の部分において形成される結晶からなる物質の1つまたは複数の固体塊を含む。腎臓結石のサイズは、小さいもの(約1cm未満)から非常に大きいもの(4cm超)にわたり、人に著しい痛みを引き起こし、腎臓に損傷を与え得る。外科医によって治療される結石の圧倒的多数は、1cm未満である。
【0003】
[0003]腎臓結石の除去に推奨される治療は、腎臓結石のサイズ、数、および位置を含む多くの要因によって異なる。腎臓結石の最も一般的な治療は、衝撃波砕石術(結石を破砕するために超音波を使用)、尿管鏡検査(膀胱から挿入した内視鏡を使用して結石を破砕および除去)、および経皮的腎結石摘出術(患者の背中から腎臓内に挿入したシースを通して差し込まれる内視鏡を使用して結石を破砕および除去)である。
【0004】
[0004]最も大きな腎臓結石は、通常、経皮的腎臓結石摘出術または腎臓結石砕石術によって除去される。これらの処置では、結石を破砕および除去するために使用されるより大きな内視鏡を収容するために、腎臓近くの患者の背中に小さな切開を行い、シースを腎臓内に通す。結石は、管を通して直接除去されるか、患者の体内に置かれたまま小さな断片に砕かれ、次いで、吸引または他の周知の方法で除去され得る。
【0005】
[0005]腎臓結石摘出術、腎臓結石砕石術、および皮膚切開を必要とする他の侵襲的手術には、関連する多くの欠点がある。すなわち、このような外科技術では、患者に著しく多量の麻酔を投与することが必要な場合があり、手術はより複雑で、患者にとって感染および合併症のリスクが高くなり、手術では患者にかなりの切開が必要となり、傷痕が残る場合がある。さらに、処置の侵襲性を考慮すると、経皮的処置は、通常、結石のサイズおよび位置に応じて、より小さな腎臓結石(例えば、1cm未満)には好ましくない。
【0006】
[0006]従来、より小さな腎臓結石は、尿管鏡検査を含むより侵襲性の低い技術を用いて治療されてきた。尿管鏡検査では、通常、外科医が尿管鏡を尿道から膀胱および尿管に通し、尿管または腎臓に存在し得る腎臓結石を直接視認できるようにする。次いで、腎臓結石が尿路を難なく通過できるほど十分小さい場合には、外科医は、バスケットデバイスを用いて腎臓結石を直接除去するか、レーザもしくは他の破壊デバイスを使用して腎臓結石をより小さな欠片に破砕する。レーザ砕石デバイスは、尿管鏡を通して挿入され、より大きな腎臓結石をより小さな欠片に粉砕するために使用される。腎臓結石をより小さな欠片に破壊した後に、外科医は、レーザまたは破壊デバイスを取り外し、バスケットまたは摘出カテーテルを挿入して、尿管鏡の直接的な視認下で腎臓結石の断片を捕捉する。腎臓結石の断片の一部を回収した後、外科医は患者からバスケットを取り外し、バスケットから腎臓結石の断片を排出する。このプロセスは、臨床的に重要な腎臓結石および腎臓結石の断片が砕かれ、身体から除去されるまで繰り返される。
【0007】
[0007]腎臓結石および腎臓結石の断片を完全に除去するために、外科医がスコープおよびバスケットを何度も患者に挿入し取り出す必要があるので、このプロセスは非常に時間とコストがかかり、非効率的であることは明らかである。バスケット除去デバイスを使用して腎臓結石または腎臓結石の断片を捕捉する方法には、バスケットを腎臓結石の断片の隣に配置し、断片を効果的に回収するように操作することが困難であるという他の欠点がある。このような処置に必要な訓練は軽視できるものではなく、バスケット除去技術は、最も熟練した外科医にとっても困難であり得る。さらに、外科医は、腎臓結石回収バスケットの操作に長時間を要することにより、手の疲労を受けやすい。さらに、患者は、局所麻酔下にあり、かつ/または長時間にわたって動かないままであることを必要とされる。さらにまた、バスケット回収デバイスの挿入および除去が繰り返されることにより、尿路に炎症が引き起こされる。
【0008】
[0008]したがって、腎臓結石の低侵襲的に除去できる新しいデバイスおよび方法に対する要求は、未だ満たされていない。
【発明の概要】
【0009】
[0009]本発明の一態様によれば、腎臓結石除去機構が提供される。この機構は、灌流管と、吸引管と、トリガ機構とを備える。トリガ機構は、ユーザによって操作可能なトリガを含む。トリガは、腎臓結石除去機構の近位端部に位置することができる。トリガ機構は、ユーザによるトリガ操作に応じて治療領域を灌流するために灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させ、トリガのユーザ操作に応じて腎臓結石の一部または全体を除去するために吸引管内の吸引を選択的に引き起こすように操作可能であり得る。トリガのユーザ押下げにより、灌流管を漸進的に開放することができる。一実施形態では、トリガは第1の突出部を備え、トリガのユーザ操作により、第1の突出部が灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させる。トリガのユーザ押下げにより、第1の突出部は灌流管を漸進的に開放させることができる。一実施形態では、トリガは第2の突出部を備え、トリガのユーザ押下げにより、第2の突出部が吸引管内の吸引を選択的に引き起こすことができる。トリガのユーザ押下げにより、第2の突出部は、吸引管内の吸引を漸進的に引き起こすことができる。腎臓結石除去機構は、
その近位端部において腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテル
をさらに備えることができる。カテーテルは、カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する。腎臓結石除去機構の近位端部に操縦機構が位置することができる。操縦機構は、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために遠位先端部を操縦するように操作可能である。操縦機構は、遠位先端部を所望の位置に移動させて腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするための、操縦機構とカテーテルとの間に接続された少なくとも1つのワイヤを備えることができる。
【0010】
[0010]第1の突出部は、ローラを備えることができる。第2の突出部は、ローラを備えることができる。トリガは第3の突出部を備えることができ、トリガ機構は、トリガの予め定められた量の押下げをユーザに警告するために、第3の突出部と選択的に係合可能な第1の移動止めを備えることができる。第1の移動止めは、トリガ機構の内部にある突出部の縁部を含むことができるか、トリガ機構の内部にある引っ込み部の縁部を含むことができる。トリガの第3の突出部は、ローラを備えることができる。腎臓結石除去機構は、トリガの完全な量の押下げをユーザに警告するために第2の移動止めをさらに備えることができる。第2の移動止めは、トリガ機構の内部にある突出部を含むことができる。第2の移動止めは、トリガ機構の内部にある引っ込み部の対向縁部を含むことができる。ローラは、引っ込み部の対向縁部と係合し、トリガの完全な量の押下げをユーザに警告することができる。
【0011】
[0011]一実施形態によれば、トリガ機構は、ユーザの親指によって操作できるように、腎臓結石除去機構の近位端部に位置することができる。トリガ機構は、ユーザの指によって操作できるように、腎臓結石除去機構の近位端部に位置することができる。操縦機構は、ユーザの親指によって操作できるように、腎臓結石除去機構の近位端部に位置することができる。
【0012】
[0012]一実施形態によれば、腎臓結石除去機構は、トリガのユーザ解放に応答してトリガ機構を基準位置に戻すようにトリガ機構と相互作用する弾性デバイスをさらに備える。弾性デバイスは、ばねを備えることができる。
【0013】
[0013]一実施形態によれば、腎臓結石除去機構は、吸引管に接続された吸引作動管をさらに備える。第2の突出部は、吸引作動管を挟んで閉じることによって吸引管内の吸引を引き起こすことができる。第2の突出部は、吸引作動管のポートを覆うことによって吸引管内の吸引を引き起こすことができる。
【0014】
[0014]本発明の一態様によれば、流体を運ぶように構成され、トリガ機構内を通る部分を有する、灌流管と、灌流管と2箇所で接続され、灌流管のトリガ機構内の部分を通過することなく灌流管の第1の部分から灌流管の第2の部分に流体が流れることができるように構成された、バイパス構造とを備える腎臓結石除去機構が提供される。トリガ機構は、ユーザによって操作可能なトリガを含む。トリガ機構は、トリガのユーザ操作に応じて治療領域を灌流するために第1の灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させるように操作可能であり得る。バイパス構造は、流れ制限部を備えることができる。トリガのユーザ押下げにより、灌流管が漸進的に開放され得る。腎臓結石除去機構は、トリガ機構によって作動されるように構成された吸引管をさらに備えることができる。腎臓結石除去機構は、その近位端部において腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、カテーテルが、カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、
腎臓結石除去機構の近位端部に位置する操縦機構であって、操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、をさらに備えることができる。
【0015】
[0015]本発明の別の態様によれば、灌流管と、吸引管と、結石捕獲アセンブリに接続された流れ指示器を含む流れ指示器機構と、を備える腎臓結石除去機構が提供される。一実施形態では、流れ指示器は、流体または空気の流れに応答して動く1つまたは複数の羽根を備えることができる。腎臓結石除去機構は、その近位端部において腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、カテーテルが、カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、腎臓結石除去機構の近位端部に位置する操縦機構であって、操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、をさらに備えることができる。
【0016】
[0016]一態様によれば、腎臓結石除去機構は、ノズルをさらに備えることができる。ノズルは、吸引管と連通しており、腎臓結石または腎臓結石の断片を除去するようにサイズ決定された吸引内腔と、灌流管と連通している1つまたは複数の灌流ポートであって、灌流ポートが、ノズルの遠位端部分に配置され、ノズルの遠位端部分から前方および側方に灌流流体を導くための30~60度の範囲内の灌流ポート出射角を有する、1つまたは複数の灌流ポートと、を含むことができる。一実施形態では、灌流ポートのうちの少なくとも1つは、円弧の形状を有する。
【0017】
[0017]本発明の別の態様によれば、腎臓結石除去カテーテルと、カテーテルの遠位端部に含まれるノズルアセンブリとを備える腎臓結石除去機構が提供される。ノズルは、腎臓結石または腎臓結石の断片を除去するようにサイズ決定された吸引内腔と、ノズルの遠位端部分における1つまたは複数の灌流ポートと、を備えることができる。灌流ポートのうちの少なくとも1つは、ノズルの遠位端部分から前方および側方に灌流流体を導くための30~60度の範囲内の灌流ポート出射角を有する。一実施形態では、腎臓結石除去機構は、灌流流体を前方には導くが半径方向に広がる方向には導かないように構成された第1の灌流ポートと、灌流流体を半径方向に広がる方向に導くように構成された第2の灌流ポートとを備える。一実施形態では、灌流ポートのうちの少なくとも2つは、異なる開口サイズ、異なる形状、および/または異なる灌流ポート出射角を有する。一実施形態では、灌流ポートのうちの第1の灌流ポートは、円形、楕円形、または円弧形状のうちの1つであり、灌流ポートのうちの第2の灌流ポートは、第1の灌流ポートとは異なる形状を有し、円形、楕円形、または円弧形状のうちの1つである。第1の灌流ポートは、第2の灌流ポートと第3の灌流ポートとの間に直接配置され得、第1の灌流ポートと第2の灌流ポートとの間の円弧距離は、第1の灌流ポートと第3の灌流ポートとの間の円弧距離とは異なる。
【0018】
[0018]一実施形態では、腎臓結石除去機構は、画像センサおよび光源をさらに備える。ノズルは、画像センサおよび光源を受け入れるための上部凹部を含むことができる。腎臓結石除去機構は、ノズルの近位端部内に挿入されるように構成された遠位マニホールドをさらに備えることができ、遠位マニホールドが、灌流流体をノズルの灌流ポートに導くための導管を有する。
【0019】
腎臓結石除去機構は、遠位マニホールドに接続するように構成されたシャフトマニホールドをさらに備えることができ、シャフトマニホールドが、灌流流体を遠位マニホールドの導管に向けるための灌流内腔を有する。
【0020】
[0019]ノズルは、丸みを帯びたまたは湾曲した縁部を有する遠位面を含むことができる。吸引内腔は、ノズルの中心からオフセットされ得る。ノズルは、カテーテルと灌流ポートとの間に流体経路を設けるための少なくとも1つの導管を備えることができる。少なくとも1つの導管は、灌流ポートに流体を導くための仕切りを備えることができる。
【0021】
[0020]本発明の一態様によれば、吸引管と、吸引管に取外し可能に挿入されるように構成されたレーザガイドと、を備える腎臓結石除去システムが提供される。レーザガイドは、レーザデバイスを受け入れるように構成された内腔を有する管状本体と、吸引管内に管状本体の遠位端部セグメントを案内し、管状本体と吸引管との間に流れギャップを作り出すための、管状本体の遠位端部セグメントから延在するウィングと、を備える。
【0022】
[0021]一実施形態では、管状本体は、管状本体が吸引管に完全に挿入され、動作位置に配置されたとき、吸引管の遠位端部から延在しないように構成される。一実施形態では、ガイドは、2~4つのウィングを備える。一実施形態では、ガイドは、3つまたは4つのウィングからなり、周方向距離が、隣り合うウィングの各対の間で同じである。一実施形態では、ガイドは、3つまたは4つのウィングからなり、隣り合うウィングの第1の対の間の周方向距離は、隣り合うウィングの第2の対の間の周方向距離とは異なる。隣り合うウィングの第1の対および第2の対は、共通のウィングを共有することができる。いくつかの実施形態では、ギャップのうちの少なくとも2つは、異なるサイズを有する。
【0023】
[0022]一実施形態では、各ウィングは、管状本体へと下るテーパ状端部セグメントに移行する矩形形状を有する中間セグメントを備える。いくつかの実施形態では、各ウィングは、長手方向軸に沿ってウィングの近位端部からウィングの遠位端部まで増加する可変厚さを有する。いくつかの実施形態では、各ウィングは、管状本体の長手方向軸に対してある角度にある長手方向軸を有する。
【0024】
[0023]本発明の別の態様によれば、腎臓結石除去システムは、吸引管内で管状本体を動かすためのアクチュエータをさらに備える。一実施形態では、アクチュエータは、付勢要素と、管状本体に結合され、付勢要素の作動によって吸引管内で管状本体を前後方向に動かすシャフトと、を備える。一実施形態では、シャフトは、管状本体の近位端部に取外し可能に結合されるように構成される。代替実施形態では、シャフトは、管状本体の近位端部に恒久的に取り付けられる。
【0025】
[0024]一実施形態では、付勢要素は、シャフトの遠位区画に結合されたバンドを備える。アクチュエータは、バンドに結合されてシャフトを受け入れるように構成された円筒形ハウジングであって、バンドの内側への圧縮および解放により、シャフトの一部を円筒形ハウジングに対して伸縮自在に出入りさせるようになっている、円筒形ハウジングをさらに備えることができる。アクチュエータは、レーザデバイスを受け入れるためのチャネルを備える。チャネルは、管状本体の内腔と連通するように構成される。
【0026】
[0025]本発明の別の態様によれば、吸引管と、破片粉砕デバイスを受け入れるために吸引管内に取外し可能に配置されるように構成された案内デバイスと、を備えるカテーテルアセンブリが提供される。案内デバイスは、粉砕デバイスが吸引管の遠位端部に配置されたときに粉砕デバイスの意図しない動きを防止しつつ、流体および破片が粉砕デバイスを通過し、吸引管を通って流れることを可能にするように構成される。カテーテルシステムは、破片を取り除くために吸引管内で案内デバイスを動かすための作動デバイスをさらに含むことができる。粉砕デバイスは、レーザファイバであり得る。
【0027】
[0026]本発明の別の態様によれば、本発明の実施形態のすべてを使用する腎臓結石除去方法が提供される。本発明の一態様によれば、上記および本明細書で説明された腎臓結石除去機構を動作させるステップを含む腎臓結石除去方法が提供される。
【0028】
[0027]次に、本発明の態様が、縮尺通りに描かれていない添付の図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態による、腎臓結石治療システムの概略斜視図である。
【
図2】一実施形態による、腎臓結石除去機構の斜視図である。
【
図6】一実施形態による、トリガ作動機構の分解図である。
【
図7】一実施形態による、トリガの1つの位置を示す図である。
【
図8】一実施形態による、トリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図9】一実施形態による、トリガの連続するさらに別の位置を示す図である。
【
図10】一実施形態による、トリガ作動機構の反対側の図である。
【
図11】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの1つの位置を示す図である。
【
図12】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図13】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの1つの位置を示す図である。
【
図14】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図15】一実施形態による、トリガ作動機構の図である。
【
図16】一実施形態の腎臓結石除去機構の正面図である。
【
図17】一実施形態の腎臓結石除去機構の側面図である。
【
図18】一実施形態の腎臓結石除去機構の背面図である。
【
図19】一実施形態による、トリガの1つの位置を示す図である。
【
図20】一実施形態による、トリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図21】一実施形態による、トリガの連続するさらに別の位置を示す図である。
【
図23】一実施形態による、トリガ機構の分解図である。
【
図25】一実施形態による、トリガ機構の1つの位置を示す図である。
【
図26】一実施形態による、トリガ機構の連続する別の位置を示す図である。
【
図27】一実施形態による、トリガ機構の連続するさらに別の位置を示す図である。
【
図28】一実施形態による、腎臓結石治療システムを示す図である。
【
図30】一実施形態による、腎臓結石除去機構の一部分の図である。
【
図31】一実施形態による、
図30の構造内のトリガの1つの位置を示す図である。
【
図32】一実施形態による、
図30の構造内のトリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図33】一実施形態による、
図30の構造内のトリガの連続するさらに別の位置を示す図である。
【
図34】一実施形態による、
図30の構造内のトリガの連続するさらにまた別の位置を示す図である。
【
図35】一実施形態による、吸引/吸出し制御システムおよび方法の概略図である。
【
図36】一実施形態による、吸引/吸出し制御システムおよび方法の概略図である。
【
図37】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの1つの位置を示す図である。
【
図38】一実施形態による、トリガ作動機構におけるトリガの連続する別の位置を示す図である。
【
図39】一実施形態による、機構の流れバイパス構造を示す図である。
【
図40】一実施形態による、機構の流れバイパス構造の断面図である。
【
図41】一実施形態による、機構の流れバイパス構造の断面図である。
【
図42】一実施形態による、機構の流れバイパス構造の断面図である。
【
図43】一実施形態による、腎臓結石除去機構の図である。
【
図44】一実施形態による、腎臓結石除去機構の一部分の回転拡大図である。
【
図45】一実施形態による、結石捕獲アセンブリの分解図である。
【
図46】一実施形態による、流れ指示器機構の1つの図である。
【
図47】一実施形態による、流れ指示器機構の別の図である。
【
図48A】一実施形態による、遠位アセンブリの斜視図である。
【
図48B】一実施形態による、遠位アセンブリの斜視図である。
【
図49A】一実施形態による、遠位アセンブリの斜視図である。
【
図49B】一実施形態による、遠位アセンブリの斜視分解図である。
【
図50A】一実施形態による、遠位アセンブリの端面図である。
【
図50B】一実施形態による、遠位アセンブリの端面図である。
【
図50C】一実施形態による、遠位アセンブリの端面図である。
【
図51A】一実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図51B】別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図52A】さらに別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図52B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図53A】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図53B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図54A】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図54B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図55A】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図55B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図56】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図57】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図58A】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図58B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図59A】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図59B】さらにまた別の実施形態による、ノズル先端を示す図である。
【
図60】一実施形態による、遠位アセンブリを示す図である。
【
図61】一実施形態による、遠位アセンブリを示す図である。
【
図62A】遠位アセンブリのノズル先端の一実施形態の図である。
【
図62B】遠位アセンブリのノズル先端の一実施形態の図である。
【
図62C】遠位アセンブリのノズル先端の一実施形態の図である。
【
図63A】ノズル先端設計の、罹患領域を測定するための試験装置の概略図である。
【
図63B】ノズル先端設計の、罹患領域を測定したときの試験結果の写真である。
【
図64】カテーテルシャフトアセンブリの一区画の断面図である。
【
図67】吸引管の内部に配置されたガイドの一実施形態の概略前面図である。
【
図68】ガイドの一実施形態の遠位区画の概略図である。
【
図69A】ガイドのためのウィングまたは延長部の一実施形態を示す上面図である。
【
図69B】ガイドのためのウィングまたは延長部の別の実施形態を示す上面図である。
【
図71A】ガイドを作動させるためのアクチュエータの一実施形態の斜視図である。
【
図71B】アクチュエータの一実施形態の上面図である。
【
図72】アクチュエータの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0080]生体内における対象物の案内除去のためのシステム、デバイス、および方法が、本明細書で開示される。特に、システム、デバイス、および方法は、尿路など、コンパクトな領域を通過し、吸引管を介した吸入によって、腎臓結石または腎臓結石の断片など、破片を除去するように適応され得る。本明細書で使用される「腎臓結石」という用語は、本明細書で説明されるデバイスを用いた、または別のデバイスによるなど、腎臓結石の治療的破砕によって生じた断片を含む、腎臓結石の断片を指し得る。
【0031】
[0081]
図1は、腎臓結石など、破片を除去するために使用される治療システム10の一実施形態を示す。システム10はハンドル機構12を含み、ハンドル機構からカテーテル14が延びる。システム10はハンドル機構12を含み、ハンドル機構からカテーテル14が延びる。以下で説明される実施形態では、ハンドル12は、例えば、能動灌流モードのみ(すなわち、能動灌流オン/吸引オフ)および吸引モードと組み合わせた能動灌流モード(すなわち、能動灌流オン/吸引オン)の2つのモードを含むか、それら2つのモードからなる、単一トリガ設計を提供するように構成され得る。以下で説明される実施形態では、ハンドル12は、例えば、受動灌流オン/能動灌流オフ/吸引オフ、受動灌流オン/能動灌流オン/吸引オフ、受動灌流オン/能動灌流オン/吸引オンの3つのモードを含むか、それら3つのモードからなる、単一トリガ設計を提供するように構成され得る。一実施形態では、吸引がオフであるモードでも、最小受動量の負圧が存在し得る。流れ設計のいくつかの態様では、吸引が作動されるときには高い流れが存在し、吸引が作動されないときには最小の流れが存在するか流れが存在しないように、デバイスの端部と吸引源との間の途切れない導管が実現される。カテーテル14は、吸引内腔と、カテーテル14の長さに沿って延びる灌流内腔とを含む、様々なポートおよび内腔を含むことができる。システム10はまた、医師にリアルタイム撮像を提供するための、カテーテル14の端部、遠位面、または遠位部分に配置されたカメラ(デジタル可視化および照明、例えば、ビデオチップおよびLED)を含むことができる。遠位アセンブリ16は、吸引内腔を通して印加される負圧の助けを借りた破片の灌流および除去のために、カテーテル14の遠位端部にある。ハンドル機構12により、医師は、システム10を保持し操作することが可能である。ハンドル機構12は、カメラ、吸引圧力、灌流および灌流圧力の量、ならびにカテーテル14の操作能を含む、システムの様々な機能を術者が操作できるようにする特徴を含むことができる。例えば、ハンドル機構12は、当技術分野でよく知られているように、医師が、負圧の量を調整し、灌流流体の排出を調節し、ケーブルに取り付けられたホイールおよび/またはレバーを使用して蛇行した解剖学的通路を通してカテーテルを操縦することを可能にする、機械的および電子的制御を含むことができる。システム10は、コネクタ20を介して制御ユニット18に結合され得る。制御ユニット18は、システム10の動作の態様の制御、または制御の支援を行うことができる。例えば、制御ユニット18は、システム10の可視化態様の制御、または制御の支援を行うことができる。コネクタ20は、有線接続および/または無線接続であり得る。
【0032】
[0082]ハンドル機構
図2は、一実施形態による、腎臓結石除去を行うためのハンドル機構12を示す。指把持部分22は、機構12の長さの一部分に延びる。任意選択の棚部分24は、ユーザが機構12を把持する際にユーザの手が位置する部分に位置する。任意選択の棚部分24の上方には、後述のトリガ機構の一部であるトリガ26がある。トリガ機構は、吸引(または吸出し)および空気流を制御し、機構12の灌流動作も制御する。ユーザは、ユーザの指のうちの1本を用いてトリガ26を操作することができる。遠位先端部操縦制御部28は、機構12の近位端部分に位置する。ユーザの親指は、レバー30を操作することによってカテーテルの遠位先端部の位置決めおよび/または操縦を制御できる。機構12と共に様々なタイプのカテーテルが用いられる可能性があり、これには米国特許第11,116,530号明細書で示され説明されるものを含むが、これらに限定されない。米国特許第11,116,530号明細書には、1つまたは複数のプルワイヤが示され、説明されており、1つまたは複数のプルワイヤは、1つまたは複数のプルワイヤが取り付けられ得るレバー30の操作によってカテーテルの遠位先端部を操縦することができる。
図2はまた、吸引/吸出しポート32および灌流ポート34、ならびにカテーテル張力緩和部36を示す。結石捕獲受け部38は、ポート40を介して、摘出された腎臓結石および/または断片を受け入れる。アクセスまたは作業チャネルポート42は、レーザなどの治療器具をカテーテルの遠位端部に差し込むことを可能にするための、カテーテル(図示せず)へのアクセスを可能にする。
【0033】
[0083]
図3は、ハンドル機構12の背面図を示す。
図3には、結石捕獲受け部38および遠位先端部操縦制御部28のように、吸引ポート32、灌流ポート34、およびカテーテル張力緩和部36が示される。
図4は、機構12の側面図を示す。
図4では、
図2と同じ要素の多くが示される。指把持部分22は、その上方に棚部分24が位置し、アクセスまたは作業チャネルポート42の上方にユーザの手を適合させる。吸引ポート32、灌流ポート34、およびカテーテル張力緩和部36は、結石捕獲受け部38の背後にあり、機構12の底部に位置する。腎臓結石、または腎臓結石の断片もしくは部分を結石捕獲受け部38内に堆積させるポート40も示される。機構12の正面図である
図5では、
図2と同じ要素の多くが示される。指把持部分22は、その上方に棚部分24が位置し、アクセスまたは作業チャネルポート42の上方にユーザの手を適合させる。カテーテル張力緩和部36は、結石捕獲受け部38の背後にあり、機構12の底部に位置する。腎臓結石、または腎臓結石の部分を結石捕獲受け部38内に堆積させるポート40も示される。
【0034】
[0084]
図6は、機構12の頂部における一部分の分解図である。
図6中の部品が一体となることで、トリガ機構アセンブリ44が構成される。
図6の上から下に向かって、ねじまたはボルト46が、ワッシャ48と、トリガ機構52の開口部50とを通過する。トリガ機構52は、突出部54、56、および58を含む。トリガ機構52の作動中のこれらの突出部の機能については、
図7~
図9を参照して以下でより詳細に説明される。ねじまたはボルト46はまた、ばね60または他の弾性デバイスを通過し、ねじ/ボルト受け部62によって受けられる。いくつかの例では、ボルト46は、ばね60を捕捉するベースプレートボスに対してしっかりとトリガを保持する。ばね60は、ユーザがトリガ26から圧力を解放するか除去すると、トリガ機構52が元の基準位置に戻るように、トリガ機構52に弾性を付与する。ばね60または他の弾性デバイスは、機構ケーシングまたは本体66の開口部64内に位置する。機構本体66はまた、第1の移動止め68および第2の移動止め70を含み、それらの機能は、
図7~
図9に関して以下でより詳細に説明される。いくつかの例では、機構本体66は、より多くのまたはより少ない移動止めを含み得る。ハンドル機構12が組み立てられたとき、機構ケーシング66は見えなくなる。
図6およびそれ以降の図面では、トリガ機構52の機能を説明しやすくするために、機構ケーシング66は露出されている。灌流管(図示せず)は、開口部72から入り、開口部74を通って被覆部分76の下に進み、開口部78から出る。吸引作動管(図示せず)は、機構ケーシング66の内部に位置し、開口部80から出る。
【0035】
[0085]
図35および
図36まで進むと、
図35および
図36には、吸引/吸出し制御システムおよび方法82の概略図が示される。吸出し出口管84は、吸出し開口部86を含み、吸出し開口部は吸引/吸出し源(図示せず)に接続される。吸出し出口管84を通る流れは矢印Sの方向にある。吸出し対象管88は、吸出し/吸引の対象となる領域の近くにあるデバイスの一部分に接続された対象開口部90を含む。
図36は、吸出し対象管88を通る流れが矢印Tの方向にある構成を示す。作動管92は、周囲大気に解放された作動開口部94を含む。作動ピンチ機構96は、作動管92の隣に配置され、作動管92を通る矢印Bの方向の流れを可能にする第1の位置(
図35に示されている)と、作動管92を通る作動開口部94からの流れを防止する第2の位置(
図36に示されている)とから、矢印Pの方向に移動可能である。システムおよび方法82は、作動ピンチ機構96が吸引/吸出し流の制御を可能にすることを示す。吸引源(図示せず)は、一定量の吸出し(例えば、200mmHg)を提供するように設置され得、作動ピンチ機構96は、作動管92の開放または閉鎖を行うことによって吸引/吸出しのオン/オフ制御を行う。
図35に示されている構成では、作動ピンチ機構96は、空気が作動管92を通って矢印Bの方向に流れ、吸出し出口管84を通って矢印Sの方向に流れ、吸引/吸出し源に排出されるように配置される。
図35に示す構成では、対象領域から吸出し対象管88を通って吸出し出口管84に向かう流れは、ほとんどまたは全くない。
図35に示す構成では、対象領域に適用される吸出しはなく(または比較的少なく)、対象領域において吸引はオフである。
図36に示す構成では、作動ピンチ機構96は、空気が作動管92を通って流れないように配置される。
図36に示す構成では、すべての流れは、対象領域から矢印Tの方向に吸出し対象管88を通って吸出し出口管84に向かい、矢印Sの方向で吸出し開口部86から排出される。
図36に示す構成では、対象領域において吸引はオンである。
【0036】
[0086]
図7~
図9は、トリガ26の連続する位置を示す。
図6では、トリガ26は非押下げ位置にある。トリガ26がその位置にある場合、ハンドル機構12内の吸引および灌流はオフにされる。いくつかの例では、灌流バイパス構造は、トリガ26が非押下げ位置にあるときでも最小量の灌流が流れることを可能にし得る。突出部54は灌流管98を挟んでいる。突出部56は移動止め68と接触していない。突出部58は、吸引作動管100に接触し得るが、吸引作動管100を圧縮しない(例えば、
図35および
図35の作動管92も参照されたい)。吸引作動管100は、一端が周囲空気に対して開放されており、端部102において、吸引源から、吸引対象領域に延びる吸引内腔まで延びる吸引管組織と接続されている。ばね60または他の弾性デバイスは、灌流および吸引がオフにされるように、ユーザがトリガ26を解放するとトリガ26が初期位置に戻るように、トリガ機構52に弾性的に係合する。いくつかの実施形態では、トリガ26が初期位置に戻るときに、灌流は最小レベルで部分的にオン状態であり、吸引はオフである。
図8では、トリガ26は、突出部56が機構本体66内の移動止め68に接触するポイントまで部分的に押し下げられ、これは、動作中の第1の停止ポイントに達したことをユーザに示す。トリガ26がこの位置にある場合、突出部54は灌流管98との係合を部分的に解除し、灌流管98をわずかに開放し、いくらかの灌流(または、いくつかの実施形態では、完全な灌流流)を可能にする。突出部58は吸引作動管100を部分的に閉鎖するが、空気は依然として吸引作動管100を通って流れることができるので、対象領域における吸引は依然としてオフである。
図9では、トリガ26が完全に押し下げられている。突出部56は、移動止め68を通過して進み、移動止め70と接してはまる。この位置では、突出部58は吸引作動管100を挟み、これにより対象領域における吸引をオンにする。突出部54は灌流管98をさらに開放し、その結果、灌流が継続し、腎臓結石および/または腎臓結石の欠片を除去し、結石捕獲受け部38内に堆積させることができる(
図2~
図5)。
図10は、
図7~
図9に示されているものの反対側からの機構本体66の図を示す。灌流管98は、入口104および出口106を有する。作動管100は、機構本体66を通って延びる。トリガ26は、トリガ26の押下げの程度に応じて灌流管98および作動管100と相互作用する突出部(図示せず)を有する。腎臓結石除去機構の上記の説明では、入口104および出口106の機能は逆にすることができ、その結果、要素104は灌流出口として動作し、要素106は灌流入口として動作する。
【0037】
[0087]
図11は、一実施形態による、腎臓結石除去機構108の一部分を示す。機構ケーシングまたは本体110は、灌流入口114および灌流出口116を有する灌流管112を含む。トリガ118は、灌流管112と相互作用する突出部120を有する。トリガ118が押し下げられていないとき、
図11に示されているように、突出部120は灌流管112を閉鎖するか、少なくとも収縮する。ばね122または他の弾性デバイスは、ユーザがトリガ118を解放したときにトリガ118を非押下げ状態に戻すように、トリガ118のユーザ押下げの力に抗して動く。押し下げられたとき、トリガ118は、枢動点124を中心として回転し、突出部120を灌流管112から離れるように動かし、管を開放し、灌流を可能にする。
図12は、
図12ではトリガ118が押し下げられ、その結果、突出部120が灌流管112から離れるように動いて灌流管を開放していることを除いて、
図11の構造と同様の構造を示す。
図13は、
図11の構造と同様の、ただし機構本体110の反対側からの構造を示す。トリガ118は、
図13では、
図11と同じ位置にある。トリガ118がこの位置にあるとき、位置126における吸引管(図示せず)は挟まれず、その結果、吸引または吸出しはオフになる。
図13を
図11と比較すると、吸引または吸出しがオフであるとき、灌流もオフである。
図14は、
図14ではトリガ118が押し下げられ、その結果、位置126における吸引管(図示せず)が挟まれ、したがって吸引または吸出しがオンになることを除いて、
図13の構造と同様の構造を示す。
図14を
図12と比較すると、他の説明された実施形態と同様に、吸引または吸出しがオンであるとき、灌流もオンである。
【0038】
[0088]
図7~
図9の実施形態とは異なり、
図11~
図14は、トリガ118の中間押下げ位置を示していない。しかしながら、当業者は、腎臓結石除去機構108がトリガ118の様々な押下げ位置を可能にすることを理解するであろう。したがって、
図7~
図9の実施形態と同様に、トリガ118の中間押下げがあり、それにより、灌流管112はわずかに挟まれず、灌流が流れることを可能にする一方、吸引管(図示せず)はわずかに挟まれ、その結果、吸引または吸出しは依然としてオフになる。
【0039】
[0089]
図15は、一実施形態による、
図11中の構造と同様の、腎臓結石除去機構108の一部分の写真である。機構本体110は、灌流入口114および灌流出口116を有する灌流管112を含む。トリガ118は、灌流管112と相互作用する突出部120を有する。トリガ118が押し下げられていないとき、
図15に示されているように、突出部120は灌流管112を閉鎖するか、少なくとも収縮する。ばね122または他の弾性デバイスは、ユーザがトリガ118を解放したときにトリガ118を非押下げ状態に戻すように、トリガ118のユーザ押下げの力に抗して動く。押し下げられたとき、トリガ118は、枢動点124を中心として回転し、突出部120を灌流管112から離れるように動かし、管を開放し、灌流を可能にする。トリガ118は、
図15では、
図13と同じ位置にある。トリガ118がこの位置にあるとき、位置126における吸引管(図示せず)は挟まれず、その結果、吸引または吸出しはオフになる。吸引または吸出しがオフであるとき、灌流もオフである。上記の説明では、入口114および出口116の機能は逆にすることができ、この場合、要素114は灌流出口として動作し、要素116は灌流入口として動作する。
【0040】
[0090]
図16~
図22は、一実施形態による腎臓結石除去機構128を示す。指把持部分は、機構の長さの一部分に延びる。トリガ機構130は、腎臓結石除去機構128の近位端部に位置する。同じく腎臓結石除去機構128の近位端部に位置する遠位先端部操縦機構132により、腎臓結石の破砕および/または除去のために所望されるように遠位端部を位置決めするように、カテーテル、特にカテーテルの遠位端部の操作が可能である。カテーテルは、カテーテル張力緩和部134に接続される。結石捕獲受け部136は、除去された腎臓結石および/またはその欠片を受け入れる。作業チャネルポート138は、デバイスおよび器具の挿入のためのカテーテルへのアクセスを可能にする。腎臓結石除去機構128の正面図を示す
図16では、カテーテル張力緩和部134のより詳細な図がある。結石捕獲受け部136の正面図もある。アクセスまたは作業チャネルポート138は、レーザなどの治療器具をカテーテルの遠位端部に差し込むことを可能にするための、カテーテルへのアクセスを可能にする。
図16はまた、トリガ130の正面図と、遠位先端部操縦機構132の側面図とを示す。
図17は、腎臓結石除去機構128の側面図を示す。吸引出口140および灌流入口142、ならびにカテーテル張力緩和部134、結石捕獲受け部136、および指把持部143が見られる。腎臓結石除去機構128の背面図を示す
図18では、カテーテル張力緩和部134のように、吸引出口140および灌流入口142が見られる。遠位先端部操縦機構132も見られる。
図19~
図21は、
図19中の非押下げ状態から
図21中の完全押下げへの、腎臓結石除去機構132のトリガ130の連続する位置の拡大図を示す。
図22は、
図19~
図21の斜視側面図を示す。
【0041】
[0091]
図23は、一実施形態による、トリガ機構アセンブリ144の分解図を示す。ボルト146およびワッシャ148が、トリガ機構152内のスロット150を通過する。灌流管154が、灌流入口166および灌流出口168を有する。ばね156が、トリガ158を非押下げ位置に対して付勢する。ピボット160が、トリガ機構152内の穴162を通ることによってトリガ機構152を受け入れる。ユーザがトリガ158を作動させたとき、トリガ機構152はピボット160を中心として回転する。開口部164が、吸引出口(図示せず)に通じている。
図24は、
図23のトリガ機構の組立てバージョンを示す。
図23に関して上述した要素は、
図24において同じ参照番号で示されている。
【0042】
[0092]
図25~
図27は、関連する部品の対応する動きと共に、
図25中の非押下げ状態から
図27中の完全押下げへの、トリガ機構144のためのトリガ158の連続する位置を示す。
図25では、トリガ158は通常位置にあり、通常位置は、ばね156または他の弾性デバイス(前の図に示されている)が印加する付勢から生じる。ローラ167が、バーまたはレバー170の一端においてピン169に備え付けられている。バーまたはレバー170の他端172において、バーまたはレバー170が取り付けられるマウント174がある。この構造では、バーまたはレバー170は、トリガ158が押し下げられたとき、マウント174を中心として枢動する。また、
図25では、ローラ167は、吸引出口(図示せず)に通じる開口部164から離れて配置される。ローラ167は灌流管154を押し下げ、灌流を遮断する。したがって、
図25に示されているトリガ位置では、灌流と吸引の両方がオフにされる。
図25は、突出部176および178をさらに示し、その機能は、
図26および
図27を参照して説明される。
図26は、トリガ158の中間位置を示し、それに対応して、ローラ167の中間位置が開口部164により近くなる。トリガ158の押下げにより、バーまたはレバー170は、マウント174を中心として回転する。
図26に示されている程度までトリガ158を押下げることにより、ローラ167が突出部178と接触し、より大きな抵抗が付与され、トリガ158が中間位置にあることがユーザに伝えられる。この位置では、ローラ167が灌流管154に及ぼす圧力は、より小さい。したがって、
図26に示されているトリガ位置では、吸引は依然としてオフにされるが、灌流のオンが開始される。
図27は、トリガ158の完全押下げ位置を示す。この位置では、ユーザがトリガ158を押し下げることにより、ローラ167が突出部178上を進み、開口部164を覆い、灌流管154からさらに離れるように動く。ローラ167は、突出部176に接して上に動き、トリガ158が完全に押し下げられたことをユーザに知らせる。この位置では、吸引と灌流の両方がオンにされ、その結果、腎臓結石および/または腎臓結石の欠片が除去され得る。
【0043】
[0093]
図28は、一実施形態による腎臓結石除去のための機構180を示す。
図28では、ユーザは、腎臓結石の破壊および/または除去を行うための適切な操作を実行するようにカテーテル184の位置決めおよび/または操縦を行うために、遠位先端部操縦制御部182を採用し得る。1つまたは複数のプルワイヤ(図示せず)により、カテーテル184の位置決めおよび/または操縦を容易に行うことができる。トリガ186のユーザ制御により、本明細書でさらに説明されるトリガ機構の動作が制御され、カテーテル184を通して吸引および灌流が制御される。ハンドル部分188は、ユーザが機構180を保持するようにサイズ決定されており、ユーザの親指が遠位先端部操縦制御部182を操作し、ユーザの指のうちの1本がトリガ186を操作する。あるいは、ユーザの親指がトリガ186を操作し、ユーザの指が遠位先端部操縦制御部182を操作してもよい。また、
図28では、ポート190は吸引源(図示せず)に接続する。カテーテル184は、カテーテル張力緩和部192に取り付けられる。一実施形態では、ポート194が、カテーテル184の遠位端部にレーザなどの治療器具を差し込むことを容易にするための、カテーテル184内の作業チャネルへのアクセスを提供する。
図29は、遠位先端部操縦制御部182と、トリガ186と、ハンドル部分188の上部との拡大図を示す。
【0044】
[0094]
図30は、
図28および
図29の実施形態において使用され得るトリガ機構の一例を示す。灌流管196は、所望の領域を灌流するために、灌流源に接続された入口198と、遠位先端部(図示せず)に接続された出口200とを有する。ポスト202は、遠位先端部操縦制御部182を保持するように位置決めされ、サイズ決定され、遠位先端部操縦制御部は、ポスト202中の穴204を通過する1つまたは複数のピン(同じく図示せず)によってポスト202に取り付けられ得る。遠位先端部操縦制御部182の一部として、カテーテルの遠位先端部を腎臓結石除去処置のための適切な位置に操作するための適切な動作を実行するように先端の動きおよび位置を案内するためのプルワイヤ(図示せず)が設けられ得る。トリガ186の押下げにより、ピボットピン206を中心としたトリガ186の回転が引き起こされ、ピン210を介して取り付けられたローラ208が、図示の位置から、作動管(図示せず)を介して周囲空気に連通するポート212を覆う位置に移動する。すなわち、ポート212を覆うことは、ポート212が覆われたときに周囲空気から吸引源への流れが存在しなくなるという点で、
図35および
図36の作動ピンチ機構96と同じように機能する。ポート212が覆われていないとき、吸引は対象領域においてオフである。ポート212が覆われるとき、吸引は対象領域においてオンである。
【0045】
[0095]
図31~
図34は、トリガ186の漸進的な押下げを示す。これらの図では、説明を容易にするために、ポスト202は同じ位置にとどまり、すなわち、遠位先端部操縦制御部182は操作されていない。
図31は、非押下げ位置におけるトリガ186を示す。この位置では、ローラ208は、ポート212が開いている間に灌流管196を閉鎖するか、少なくとも制限する。ローラ208は、接触縁部214から離隔して設置される。この位置は、吸引と灌流の両方がオフ状態であることに対応する。
図32では、トリガ186の最初の押下げにより、トリガ186が、ピボットピン206を中心としてわずかに右方に回転し、ローラ208がわずかに上方および右方に動く。この位置では、灌流管196はさらに開放され、治療される領域の灌流が可能になる。トリガ186のこの位置決めは灌流のみの状態に対応し、ポート212が開いたままであることによって、吸引は依然としてオフである。
図33では、トリガ186のさらなる押下げにより、トリガ186が、ピボットピン206を中心としてわずかにより右方に回転し、ローラ208がわずかにより上方および右方に動く。ローラ208がこの位置にある場合、ポート212は開いたままであるため、吸引は依然としてオフである。灌流管196はあまり圧迫されず、罹患領域のさらなる灌流が可能である。この位置では、ローラ208は、一実施形態によれば、移動止めとして機能する縁部214に接触する。ローラ208が縁部214に接触したとき、ユーザは、トリガ186の押下げに対する抵抗に遭遇することによる警告を受ける。
図34において、ユーザが縁部214における抵抗を克服し、トリガ186をさらに押し下げると、トリガ186は、ローラ208がポート212を覆うまで、さらに上方および右方に回転する。このポイントにおいて、ローラ208はくぼみ216内にはまり、それ以上動くことができない。このようにして、ユーザは、トリガ押下げが最大であることに気づく。トリガ186がこの位置にあるとき、灌流はオン状態のままであり、ポート212が閉鎖されることによって吸引がオンになる(例えば、
図35および
図36で説明されたように実行する)。
【0046】
[0096]
図37および
図38は、機構を通る最小灌流流を常に提供するように機能する灌流バイパス構造220を含む機構218の一実施形態を示す。灌流バイパス構造220は、上記で開示された実施形態のいずれかで実装され得、機構218に限定されない。
図37および
図38は、単一のトリガ230を使用して灌流および吸引/吸出しを制御するために本明細書の他の実施形態において開示されるように機能する、突出部224、226、および228を有する機構ヘッド222を示す。場合によっては、ユーザは、トリガ230を作動させることなく、機構218を通る最小灌流流を維持したい場合がある。本明細書で開示される機構のいくつかの実施形態では、突出部224は、突出部224が配置される灌流管を突出部224が完全には閉鎖しないように実装され得る。そのような実装形態は、いくつかの場合には適切であり得るが、他の場合には、十分に明確に定められた最小流量を提供しない可能性がある。すなわち、灌流管の不完全な閉鎖の程度は、所望されるよりも大きく変化し得る。
図37および
図38は、灌流管の不完全な閉鎖よりも灌流バイパス構造220を介してより明確に定められた最小灌流流を提供できる、一実施形態を提供する。
【0047】
[0097]
図37は、突出部224が灌流管234を挟んで閉じることによって灌流管を閉鎖し、その流れを停止するまでの、入口232から灌流管234を通る灌流流体の流れの大部分の流路FPを示す。灌流流体のより低い量の流れは、入口232から灌流バイパス構造220を通って、結石除去デバイスの遠位端部に接続された出口236に向かう。したがって、この実施形態では、少なくともいくらかの灌流は、常時、結石除去デバイスの遠位端部に流れている。
図38は、トリガ230が押し下げられ、それにより、突出部224が灌流管234から離れるように動き、灌流管234が開放される構成を示す。灌流管234が開いている場合、灌流流体は、入口232から機構ヘッド222を通って出口236まで、流路FPに沿って流れることができる。いくらかの少量の灌流流体が依然としてバイパス構造220を通って流れ得るが、灌流流体の大部分は機構ヘッド22を通って流れる。
【0048】
[0098]
図39は、入口管238と出口管242とを有する灌流バイパス構造220を示す。入口管238は、入口232を供給出口236と接続する入口内腔240を画定する。出口管242は、戻り入口246を出口236と接続する出口内腔244を画定する。灌流管(図示せず)は、供給出口236を戻り入口246と接続し、本明細書で開示される様々な実施形態の機構ヘッドおよびトリガ作動機構を通して灌流流体を運ぶ。入口管238は、バイパスコネクタ254によって接続された一対のバイパス管252を含むバイパス250によって、出口管242と接続される。
図39は、ホースバーブとしてのバイパス管252と、管組織としてのバイパスコネクタ254とを示すが、同様の構造の他の同等の構成が使用され得る。バイパス250は、バイパス250を通って流れることができる灌流流体の量を制限する狭い内腔(入口内腔240の直径よりも狭い)である流れ制限部256を含む。
図39では、製造効率の観点から、同じ部品を2つを製造し、コネクタ254を介してそれらの部品を接続して灌流バイパス構造220を形成することが望ましい場合があるため、2つの流れ制限部256を示しているが、本明細書で開示される灌流バイパス構造220の機能を提供するためには、単一の流れ制限部256でも十分であり得る。いくつかの実施形態では、流れ制限部256の内径は、入口内腔240の内径の約5%~約30%であってもよく、いくつかの実施形態では入口240の内径の約20%の範囲内であってもよい。例えば、入口内腔240の内径が約2.5mmであるとき、流れ制限部256の内径は約0.5mmとすることができる。開示されたパーセンテージ範囲内の他の特定の内径は、バイパス構造の範囲内にある。流量は直径の四乗に比例して変化するので、流れ制限部256の内径と入口内腔240の内径との比は、トリガ機構およびバイパス構造を通る流量の分配量に直接影響する。表面張力および圧力降下などの他の要因が、流量がこのべき乗則関係に支配される程度に影響を及ぼし得る。
【0049】
[0099]
図40は、同様の灌流バイパス構造220の実施形態における線Cに沿った平面によって画定された断面で見た代替実施形態の灌流バイパス構造258を示す。このバイパス構造は、上記で開示された実施形態のいずれかで実装され得る。灌流バイパス構造258は、入口内腔262を画定する入口管260と、出口内腔266を画定する出口管264とを含む。これらの内腔は、本明細書で開示される機構ヘッドおよびトリガ作動システムを通して灌流流体を運ぶ灌流管(図示せず)によって接続される。
図40は、入口内腔262および出口内腔266が、第1のバイパス継手270および第2のバイパス継手272によって形成されたバイパス268によっても接続されることを示す。第1のバイパス継手270および第2のバイパス継手272は、相補的な特徴を介して接続し、Oリング274を介して液密シールを形成する。接続されたとき、第1のバイパス継手270および第2のバイパス継手272は、流体バイパスのための導管を形成し、この導管は、入口内腔262よりも狭い内腔を有する流れ制限部276を含む。したがって、灌流バイパス構造258は、機構ヘッド内の灌流管がトリガ機構によって閉鎖されたとき、明確に定められた最小灌流流量を提供するように機能する。
【0050】
[0100]
図41は、同様の灌流バイパス構造220および258の実施形態における線Cに沿った平面によって画定された断面で見た別の代替実施形態の灌流バイパス構造278を示す。このバイパス構造は、上記で開示された実施形態のいずれかで実装され得る。灌流バイパス構造278は、入口内腔282を画定する入口管280と、出口内腔286を画定する出口管284とを含む。これらの内腔は、本明細書で開示される機構ヘッドおよびトリガ作動システムを通して灌流流体を運ぶ灌流管(図示せず)によって接続される。
図41は、入口内腔282および出口内腔286が、第1のバイパス継手290および第2のバイパス継手292によって形成されたバイパス288によっても接続されることを示す。第1のバイパス継手290および第2のバイパス継手292は、相補的な特徴を介して接続し、圧縮性部材294を介して液密シールを形成し、圧縮性部材は、弾性のある可撓性材料で形成され、内部流れ制限部296を含む。圧縮性部材294は、液密シールを提供するという点でOリングまたはグロメットと形状または機能が類似しているが、圧縮性部材はまた、第1のバイパス継手290と第2のバイパス継手292とが接続されたときに予め定められた直径をとる流れ制限部296の形態の内腔を提供する。流れ制限部6664のこの予め定められた直径は、入口内腔282の直径よりも狭い。したがって、灌流バイパス構造278は、機構ヘッド内の灌流管がトリガ機構によって閉鎖されたとき、明確に定められた最小灌流流量を提供するように機能する。
【0051】
[0101]
図42は、同様の灌流バイパス構造220、258、および278の実施形態における線Cに沿った平面によって画定された断面で見た別の代替実施形態の灌流バイパス構造298を示す。このバイパス構造は、上記で開示された実施形態のいずれかで実装され得る。灌流バイパス構造298は、入口内腔302を画定する入口管300と、出口内腔306を画定する出口管304とを含む。これらの内腔は、本明細書で開示される機構ヘッドおよびトリガ作動システムを通して灌流流体を運ぶ灌流管(図示せず)によって接続される。
図42は、入口内腔302および出口内腔306が、第1のバイパス継手310および第2のバイパス継手312によって形成されたバイパス308によっても接続されることを示す。第1のバイパス継手310および第2のバイパス継手312は、相補的な特徴を介して接続し、Oリング314を介して液密シールを形成し、Oリングは、弾性のある可撓性材料で形成される。第2のバイパス継手312はまた、入口内腔300の直径よりも狭い直径を有する内部流れ制限部316を含む。したがって、灌流バイパス構造298は、機構ヘッド内の灌流管がトリガ機構によって閉鎖されたとき、明確に定められた最小灌流流量を提供するように機能する。
【0052】
[0102]あるいは、本明細書で説明される様々な流れ制御機構およびバイパス構造は、デバイスのハンドルとは別個のユニットに存在することができる。このシナリオでは、可撓性灌流管と可撓性吸引ラインとが、別個のユニットをハンドルと接続する。別個のユニットは、フットペダル、タッチスクリーン、または他の同様の作動機構を介してユーザによって制御され得る。別個のユニット内の機構は、機械的に、電気機械的に、電磁的に、または他の同様の制御方法によって制御され得る。一例では、別個のユニットは、制御ユニット18と同様の、または制御ユニット18とに含まれる、再使用可能なユニットである。この例では、制御ユニット18は、撮像制御に加えて灌流流体および負圧をシステムに提供する。
【0053】
[0103]
図43は、一実施形態による腎臓結石除去を行うための機構12を示す。機構の下部は、吸引入口32と流体連通している結石捕獲受け部38を含む。
図44は、
図43のボックスW内部の機構12の回転拡大図であり、機構12上での流れ指示器318の位置を示す。流れ指示器318は、空気および/または流体が機構12を通って吸引入口32に流れ出しているかどうかの視覚的(および任意選択的に可聴)指示を提供する。機構12を通る流体の流れがないことは、結石除去デバイス内の流体経路内のどこかに詰まりがあることを示すことができる。詰まりは、カテーテル区画または機構12内にある可能性があり、詰まりの存在下で腎臓を灌流し続けることによって引き起こされる腎臓内の過圧を防止するために、そのような詰まりに対処することが重要であり得る。
【0054】
[0104]
図45は、機構12の一部として構成され、上記で説明された実施形態のいずれかで実装され得る結石捕獲アセンブリ320の分解図である。流れ指示器322が、Oリング326を有する流れ指示器ハウジング324内に含まれ、Oリングは、ユーザが流れ指示器322の動きを観察することができるように透明または半透明である流れ指示器カバー328で流れ指示器ハウジング324を密封する。心棒330により、流れ指示器322は流れの存在下で回転可能である。ハウジング内の流れに応答して目に見えるように動く任意の構成など、流れ指示器の代替構成は、本開示の範囲内にある。流れ指示器ハウジング324は、Oリング334などの液密シールによって、結石捕獲受け部キャップアセンブリ332に接続される。結石捕獲受け部キャップアセンブリ332は、結石捕獲受け部シール338を介して結石捕獲受け部336と接続される。結石捕獲受け部キャップアセンブリ332はまた、流入アセンブリ340と接続される。使用中、結石捕獲アセンブリ320内の(腎臓結石破片を含む)流体の流れの方向は、結石除去デバイスのカテーテル区画および結石捕獲受け部336に接続された流入アセンブリ340を通る。流体および空気が結石捕獲受け部フィルタ342を通って吸い上げられ、結石捕獲受け部フィルタは、破片を結石捕獲受け部336内にとどめ、流体および空気が通過して最終的に流れ指示器ハウジング324に入って、流れ指示器322と相互作用することを可能にする。したがって、流れ指示器322が腎臓結石破片で詰まったり塞がったりする可能性は低い。流れ指示器の任意の実施形態では、流れ指示器は、破片が流れ指示器自体と相互作用することによって動きを停止されることから保護されるべきである。
【0055】
[0105]
図46および
図47は、流れ指示器ハウジング324内に配置された流れ指示器322を含む流れ指示器機構の2つの図である。結石捕獲受け部336からの流体は、流れ入口344を介して流れ指示器ハウジング324に入り、流れ入口は、流れ指示器322と相互作用するように流れ指示器ハウジング324に流体を導入するために指示器入口346と接続される。流体は、流れ出口350と接続された指示器出口348を介して流れ指示器ハウジング324を出る。流れ指示器322は、流体が指示器入口346から指示器出口348に移動するときに流体と相互作用する少なくとも2つの流れ指示器羽根352を含む。指示器入口346と指示器出口348との間の流体の動きは、流れ指示器羽根352を押し、心棒330を中心として流れ指示器羽根を回転させることによって流れ指示器322の動きを作り出す。指示器入口346および指示器出口348は、流体の流れが指示器入口346と指示器出口350との間の経路上の2つ以上の流れ指示器羽根352と相互作用するように、流れ指示器ハウジング324内の様々な場所に配置され得る。
【0056】
[0106]本明細書で開示される流れ指示器実施形態は、腎臓結石除去処置中のデバイスおよび/または解剖学的構造における過圧を防止するための1つの手法である。流れ指示器に加えて、またはその代わりに、本明細書で開示される機構およびデバイスは、液圧が特定の予め定められた安全閾値を超えたときに液圧を逃がすことができる圧力逃し弁を含み得る。圧力逃し弁は、機構ハンドル上に、カテーテル上に、ハンドルとカテーテルとの間の接合部に、流体供給ライン上に、および/または流体供給ラインとハンドルとの接合部に含まれ得る。
【0057】
[0107]遠位アセンブリおよびノズル
再び
図1を参照すると、挿入可能な治療システム10の遠位アセンブリ16は、可撓性で操縦可能であり、灌流を適用するように構成され、灌流流体の排液を可能にするように構成され、吸入(吸引および/または吸出しと呼ぶことができる)を適用するように構成され、少なくとも1つの画像センサおよび少なくとも1つの発光ダイオード(LED)などの可視化能力を含む。カテーテル14は、遠位アセンブリ16の操作を容易にするために、カテーテルシャフト内に1つまたは複数の内腔および/または他の細長い構造を含む。例えば、カテーテル14は、1つまたは複数のプルワイヤなど、操縦アセンブリの部分を含むことができる。カテーテル14は、遠位アセンブリ16からの吸入を容易にするために、ハンドル12と流体接続している1つまたは複数の吸引内腔を含むことができる。カテーテル14は、遠位アセンブリ16からの灌流を容易にするために、ハンドル12と流体接続している1つまたは複数の灌流内腔を含むことができる。さらに、これらの細長い構造は、カテーテル14の全長に沿って、またはカテーテル14の部分的な長さに沿って延びることができる。
【0058】
[0108]
図48Aおよび
図48Bを参照すると、各々が、挿入可能な治療システム10の遠位区画の一部である遠位アセンブリ400の斜視図を示す。
図48Bは、
図48Aと比較して、外側部材402が引っ込んだ遠位アセンブリ400の図を示す。外側部材402は、管状構造の1つまたは複数の層であり得、管状構造の層のうちの1つまたは複数は、カテーテルのシャフトの近位区画の外側部分の一部であり得る。外側部材402の層は、比較的硬い内層の上に、比較的柔らかく、より可撓性の高い外層を含むことができる。遠位アセンブリ400は、吸引シャフト406によって画定された吸引内腔404を備える。吸引シャフト406の遠位端部は、ノズル先端408の遠位端部において、またはその近くで終端する。ノズル先端408は、1つまたは複数の灌流ポート410および412を含む。灌流ポート410および412は、溝形状を有し、ノズル先端408の遠位端部から前方および側方に灌流流体を導くことができる。遠位アセンブリは、画像センサ414と、画像センサ414の両側の光源416とをさらに備える。画像センサ414は、画像取込みのために設計された半導体チップであり得、光源416は、発光ダイオードまたは同様の光源であり得る。画像センサ414および光源416の周りの領域は、材料が生体適合性であるか、または、医療デバイスと共に使用するのに適していることを条件に、電子機器で一般的に使用されるタイプのポッティング材料で充填され得る。
図48Bは、画像センサ414および光源416と接続されたプリント回路基板418を示す。プリント回路基板418の周りの領域も、ポッティング材料で充填され得る。
図48Bはまた、挿入可能な治療システム10の遠位アセンブリ16を操縦するために使用され得るプルワイヤ420の遠位端部を示す。ノズル先端408は、プルワイヤ420のための遠位取付けポイントを提供するために、プルワイヤ420の端部上のフェルールまたは同様の継手が挿入され得る凹部を含む。
【0059】
[0109]
図49Aは、遠位アセンブリ400の複数の部分の斜視図を示し、
図49Bは、
図49Aの部分の斜視分解図を示す。ノズル先端408は、ノズル先端408の内部に遠位マニホールド422を受容するように構成される。遠位マニホールド422は導管424を含むが、遠位マニホールド422の他の例は、より多いまたはより少ない完全な導管を含むことができる。導管424は、灌流ポート410および412に灌流流体を導くように機能する。遠位マニホールド422はまた、少なくとも1つのプリント回路基板418と、少なくとも1つの光源416と、少なくとも1つの画像センサ414とを含むがこれらに限定されない、撮像アセンブリ(またはその構成要素)を収容するための上部凹部426を含む。遠位マニホールド422はまた、一方の側のノズル先端408と他方の側のシャフトマニホールド430とを接合し、それらに対して密封するための構造部材を提供する、近位フランジ428を含む。近位フランジ428の両側のシールは、液密であり得る。遠位マニホールド422はまた、挿入可能な治療システム10の操縦を容易にするために、操縦プルワイヤを遠位アセンブリ16に取り付けるためのプルワイヤ凹部432を含む。
図49Bは、シャフトマニホールド430がプルワイヤ内腔434および複数の灌流内腔436(
図49Bに示されている5つの灌流内腔436のうちの1つのみがラベル付けされている)を含むことを示す。カテーテル14のシャフトのいくつかの例では、シャフトマニホールド430は、カテーテル14のシャフトの全長、またはカテーテル14のシャフトの長さの一部分のみを延長することができる。カテーテル14のいくつかの例では、シャフトマニホールドはなく、外側部材402によって画定された内腔は、灌流内腔として、およびプルワイヤなどの操縦機構のための経路として機能する。
【0060】
[0110]
図50A、
図50B、および
図50Cは、遠位アセンブリ400の部品の端面図を示す。
図50Aは、2つのプルワイヤ内腔434および複数の灌流内腔436(
図4Aに示されている5つの灌流内腔436のうちの1つのみがラベル付けされている)を有するシャフトマニホールド430を示す。
図50Bは、導管424と、上部凹部426と、近位フランジ428と、プルワイヤ凹部432とを有する遠位マニホールド422を示す。
図50Cは、灌流ポート410および412を有するノズル先端408を示す。
【0061】
[0111]
図51Aおよび
図51Bは、ノズル先端408の2つの異なる例を示す。
図51Aは、画像センサ414および光源416がノズル先端408上に備え付けられ、複数の灌流ポート410および412が存在する、ノズル先端408の一例を示す。この例は、前の図に示された例と概念的に同様である。ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。
図51Bは、画像センサ414および光源416が、ノズル先端408、遠位アセンブリ400、カテーテル14のシャフト、および/または挿入可能なシステム10に対して摺動され得る細長い挿入可能な部材440上に備え付けられている、代替例を示す。細長い挿入可能な部材440は、治療または診断デバイスが細長い挿入可能な部材440に対して摺動され得る作業内腔442を含む。そのようなデバイスの例は、レーザ、センサ、および把持器を含むが、これらに限定されない。さらに、作業内腔442は、細長い挿入可能な部材440が適当な位置にある間に、流体および腎臓結石の断片の吸入を可能にすることができる。挿入可能な細長い部材440の外径は、約1mm~約4mmとすることができ、作業内腔442の内径は、約0.3mm~約1.5mmとすることができる。
【0062】
[0112]
図52Aおよび
図52Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図52Aでは、ノズル先端408は、単一の画像センサ414および単一の光源416を含み、
図52Bでは、ノズル先端408は、単一の画像センサ414および3つの光源416を含む(1つの光源416のみがラベル付けされている)。
図52B中の光源416の配置は、その配置が画像センサ414の両側に光源416を置くことによってより均一な照明を提供し得るので、いくつかの例では好ましい場合がある。
図52Aおよび
図52Bは、各々、6つの灌流ポート410(1つの灌流ポート410のみがラベル付けされている)を示す。これらの灌流ポート410は、ノズル先端408から遠位方向および横方向に流体を導くように構成される。
図52Aおよび
図52Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。
【0063】
[0113]
図53Aおよび
図53Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図53Aおよび
図53Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、ハンドル12からカテーテル14の下方に灌流流体を送る1つまたは複数の灌流内腔と流体連通しており、灌流ポートの各々への流体経路を提供する。
図53Aおよび
図53Bでは、ノズル内腔438は、ノズル先端408の中心からオフセットされる。
図53Aは、溝形状の灌流ポート448および450を示す。灌流ポート448は、灌流ポート450よりも大きい。灌流ポート448および450の各々の内部は、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成される。
図53Bは、円形灌流ポート452および454を示し、円形灌流ポート452および454は同様にサイズ決定される。灌流ポート452は、ノズル先端408の前面上にある。灌流ポート454の開口部は前面上にあり、ノズル先端408の側壁に延びる。灌流ポート452および454の各々の内部は、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成される。灌流ポート454の構成は、灌流ポート454がポート452よりも半径方向外側に流体を導くことを可能にする。いくつかの例では、流体の方向は、溝形状の例と円形状の例の両方において、ノズル先端408の中心軸線から離れるほうに向かう螺旋に近似してもよい。
【0064】
[0114]
図54Aおよび
図54Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図54Aおよび
図54Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、灌流ポートの各々への流体経路を提供するために、1つまたは複数の灌流導管456と流体連通している。
図54Aおよび
図54Bでは、ノズル内腔438は、ノズル先端408の外径と同心である。
図54Aは、6つの円形灌流ポート458を示す。灌流ポート458は、楕円形状、溝形状、または円弧形状であり得る。灌流ポート458の開口部は、前面から、ノズル先端408の側壁に延びる。
図54Bは、5つの円形灌流ポート458を示し、5つの円形灌流ポート458は同様にサイズ決定される。灌流ポート458の各々の内部は、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成される。
図54Aおよび
図54Bに示されている灌流ポートのための出口角度は、ノズル先端408の中心軸線に対してほぼ45度であり、ノズル先端408から離れる灌流流体の方向は、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に離れている。
【0065】
[0115]
図55Aおよび
図55Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図55Aおよび
図55Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル内腔438は、ノズル先端408の中心からオフセットされる。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、ハンドル12からカテーテル14の下方に灌流流体を送る1つまたは複数の灌流内腔と流体連通しており、灌流ポートの各々への流体経路を提供する。
図55Aは、約45度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、3つの円形灌流ポート458と、半径方向に広がる方向ではなくノズル先端408の中心軸線から下方に45度の角度で流体を導く2つの楕円形灌流ポート460とを示す。楕円形灌流ポート460の開口部は、ノズル先端408の前面上にある。円形灌流ポート458の開口部は、前面と側壁の両方を包含する。
図55Bは、約45度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、5つの円形灌流ポート458と、半径方向に広がる方向ではなくノズル先端の中心軸線から下方に45度の角度で流体を導く2つの楕円形灌流ポート460とを示す。
【0066】
[0116]
図56は、先端マニホールド446を有する(例えば、説明されたノズル先端のいずれかであり得る)ノズル先端408の背面斜視図を示し、先端マニホールドは、ノズル先端408の遠位面上の様々な灌流ポートへの流体経路を提供する。ノズル先端408はまた、カテーテル14から先端マニホールド446への流体のための経路を提供するノズル灌流内腔462を含む。
【0067】
[0117]
図57は、ノズル先端408の代替例を示す。ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル内腔438は、ノズル先端408の中心からオフセットされる。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、ハンドル12からカテーテル14の下方に灌流流体を送る1つまたは複数の灌流内腔と流体連通しており、灌流ポートの各々への流体経路を提供する。
図57は、約45度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、溝状灌流ポート464を示す。灌流ポート464は、流体の実質的な掃引を提供する140度の円弧を有する。ノズル先端408は、半径方向に広がる方向ではなくノズル先端の中心軸線から下方に45度の角度で流体を導く、2つの楕円形灌流ポート466を含む。
【0068】
[0118]
図58Aおよび
図58Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図58Aおよび
図58Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル内腔438は、ノズル先端408の中心からオフセットされる。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、ハンドル12からカテーテル14の下方に灌流流体を送る1つまたは複数の灌流内腔と流体連通しており、灌流ポートの各々への流体経路を提供する。
図58Aは、各々が約45度の出口角度を有し、ノズル先端468の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、2つの溝状灌流ポート468を示す。各灌流ポートは、約70度の円弧を有し、約40度の円弧を有する中心領域によって分離される。一緒に、灌流ポート468は、約180度の流体の掃引を提供することができる。
図58Bは、各々が約65度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、2つの溝状灌流ポート470を示す。各灌流ポート470は、約70度の円弧を有し、灌流ポート470は、約40度の円弧を有する中心領域によって分離される。一緒に、灌流ポート470は、約180度の流体の掃引を提供することができる。
図58Aおよび
図58Bは、灌流ポート468および470が、ノズル先端408の遠位面から遠位方向と横方向の両方に流体を導くように構成されることを示す。
【0069】
[0119]
図59Aおよび
図59Bは、ノズル先端408の代替例を示す。
図59Aおよび
図59Bでは、ノズル先端408は、いくつかの例では吸引シャフト406を収容することができ、代替例では吸引内腔404を画定することができる、ノズル内腔438を含む。ノズル内腔438は、ノズル先端408の中心からオフセットされる。ノズル先端408はまた、少なくとも1つのプルワイヤ凹部444を含む。ノズル先端408は、流体を灌流ポートに導くように構成された先端マニホールド446を含む。先端マニホールド446は、ハンドル12からカテーテル14の下方に灌流流体を送る1つまたは複数の灌流内腔と流体連通しており、灌流ポートの各々への流体経路を提供する。
図59Aは、各々が約45度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、2つの溝状灌流ポート472を示す。各灌流ポート472は、約70度の円弧を有し、灌流ポート472は、約40度の円弧を有する中心領域によって分離される。一緒に、灌流ポート472は、約180度の流体の掃引を提供することができる。
図59Aは、灌流ポート472が、ノズル先端408の遠位面から遠位方向と横方向の両方に流体を導くように構成されることを示す。
図59Bは、各々が約45度の出口角度を有し、ノズル先端408の中心軸線から半径方向に流体を導くように構成された、4つの溝状灌流ポート474および476を示す。各灌流ポートは、約20度の円弧を有する。灌流ポート474は、約50度の円弧を有する中心領域によって分離される。隣り合う灌流ポート474および476は、約40度の円弧を有する領域によって分離される。灌流ポート474および476は、合わせて、約180度の流体の掃引を提供することができる。
図59Aおよび
図59Bは、灌流ポートが、ノズル先端408の遠位面から遠位方向と横方向の両方に流体を導くように構成されることを示す。
【0070】
[0120]本明細書で提示される灌流ポート構成の様々な例は、灌流ポートのサイズ、形状、および数、灌流ポートの出口角度、ノズル先端の遠位面上の(すなわち、完全に遠位面上の、または、図によって示されているように、ノズル先端の部分的に遠位面上かつ部分的に外側部分上の)灌流ポートの配置など、変数を操作することによって、ノズル先端が様々な噴霧パターンを達成することができることを実証している。さらに、灌流ポートのうちの1つまたは複数は、同じノズル先端上の灌流ポートのうちの1つまたは複数の構成と同じであるか、その構成とは異なるように構成され得る。
【0071】
[0121]
図60および
図61は、各々、挿入可能な治療システム10の遠位区画にある遠位アセンブリ400の一実施形態の斜視図である。
図60と
図61の両方は、遠位アセンブリ400に含まれる外側部材または外側ハイポチューブ402を示す。本明細書で開示されるように、遠位アセンブリ400の外側部材402は、管状構造の1つまたは複数の層を含むことができる。
図60および
図61では、外側ハイポチューブ402は、より可撓性の高い外層(図示せず)によって少なくとも部分的に覆われ得る。
図60および
図61は、遠位アセンブリ400内のノズル先端408によって画定され、遠位アセンブリ400の近位のデバイスの部分において吸引シャフト(図示せず)によって画定された、吸引内腔404を示す。
図60および
図61中のノズル先端408は、ノズル先端408の最も遠位の表面積を低減するように傾斜した遠位面を含み、これにより、デバイスが遠位方向に進められたときの組織への外傷の可能性を低減することができる。遠位面の縁部は、外傷の可能性を低減することと同じ理由のために、鋭角のコーナーと比較して湾曲し、丸みを帯びているか滑らかである。この傾斜した遠位面、または丸みを帯び滑らかである縁部は、上記で開示されたノズル先端408の構成のいずれかで実装され得る。ノズル先端408は、一対の上部灌流ポート412および一対の下部灌流ポート410の2つの対で配置された4つの灌流ポートを含むように示されているが、
図60および
図61の斜視図では、各対のうちの1つのみが見える。灌流ポート410および412の対は、溝形状を有し、ノズル先端150の遠位端部から前方および側方に灌流流体を導くことができる。画像センサ414はノズル先端408上に設置され、光源416は画像センサ414の両側にあり得る。前の実施形態と同様に、画像センサ414は、画像取込みのために設計された半導体チップであり得、光源416は、発光ダイオードまたは同様の光源であり得る。画像センサ414および光源416の周りの領域は、材料が生体適合性であるか、または、医療デバイスと共に使用するのに適していることを条件に、一般的に電子機器と共に使用されるタイプのポッティング材料で充填され得る。
【0072】
[0122]
図62Aおよび
図62Bは、遠位アセンブリ400のノズル先端408の一実施形態の斜視図および側面図をそれぞれ示す。ノズル先端408は、吸引内腔404の周りに配置された一対の上部灌流ポート412および一対の下部灌流ポート410を含む。ノズル先端408は、画像センサおよび光源を備え付けるための場所を提供する上部凹部478を含む。
図62Bは、ノズル先端408の傾斜した遠位面を示す。ノズル先端408は、灌流ポート410および412とカテーテルのシャフト区画内の灌流内腔との間に流体経路を提供する2つの導管480を、ノズル先端408の各側に1つずつ含む。ノズル先端408は、複数の導管480を含むことができる。
図62Aおよび
図62Bに示されている例では、各導管480は、灌流ポート410および412の各々に流体を導くのを助ける仕切り482を含む。ノズル先端における灌流ポートの数に応じて、流体を灌流ポートに分配するための複数の仕切りが導管内に存在することができる。仕切りの寸法は、各灌流ポートにおける灌流流体の流れ特性に影響を及ぼし、各ポートにおける所望の流れ特性を達成するように変更され得る。
【0073】
[0123]
図62Cは、ノズル先端408の端面図を示し、上部灌流ポート412および下部灌流ポート410が前面開口部を含むことを示す。本明細書で開示されるように、灌流ポート410および412の内部は、本明細書で説明されるように、灌流流体がノズル先端の中心軸線に対して出射角でノズル先端を出るように角度付けすることができる。灌流ポート410および412は、パラメータの中でも、形状、半径方向分布、出射角、および前面領域により特徴付けられ得る。
【0074】
[0124]ノズル(例えば、上記で説明されたノズル先端408のいずれか)のいくつかの例では、灌流ポートの半径方向分布は、灌流ポートがノズルの円周の周りに実質的に均一に分布するようなものである。いくつかの例(例えば、上記で説明されたノズル408のいずれか)では、ノズル先端の断面図において、各灌流ポートの中心から中心まで測定された任意の2つの隣り合う灌流ポート間の最大角度は、約110度未満であり、ノズル上の灌流ポートの数に依存する。3つを超える灌流ポートの場合、各灌流ポートの中心から中心まで測定された角度が実質的に約110度であり、いくつかの他の灌流ポートが、実質的に約110度未満である各灌流ポートの中心から中心まで測定された角度を有する、一対の隣り合う灌流ポートが存在し得る。
【0075】
[0125]ノズル(例えば、上記で説明されたノズル先端408のいずれか)のいくつかの例では、灌流ポートは、ノズルの中心長手方向軸に対してある角度にある主軸線を有する。この角度またはノズル出口角度は、約30度~約60度の範囲内にあり得、灌流ポート出射角と呼ばれ得る。ノズルは、同じノズル上の他の灌流ポートとは異なる出射角、またはその灌流ポートと同一の出射角を有する灌流ポートで構成され得る。灌流ポートのセットは同じ出射角を有することができ、その角度は、同じノズル上の灌流ポートの別のセットとは異なり得る。いくつかの好ましい例では、灌流ポート出射角は約45度である。他の好ましい例では、灌流出射ポート角は、30度、31度、32度、33度、34度、35度、36度、37度、38度、39度、40度、41度、42度、43度、44度、45度、46度、47度、48度、49度、50度、51度、52度、53度、54度、55度、56度、57度、58度、59度、または60度である。好ましい一例では、あるノズル上には、34度の出射角を有する灌流ポートの1つのセットと、50度の出射角を有する灌流ポートの別のセットとがある。表1は、いくつかの異なるノズル設計についての灌流ポートの対の出射角を示す。
【0076】
【0077】
[0127]水力直径は、様々な灌流ポート構成を特徴付けるための有用なパラメータであり得る。一般に、水力直径は、円形チャネルに一般的な流体計算において非円形チャネルでの流れを特徴付けるときに使用される。断面がチャネル長さに沿って均一である場合、水力直径D
Hは、次のように定義される、
【数1】
ここで、Aは流れの断面積であり、Pは断面の潤辺である。
【0078】
[0128]ノズル先端設計の好ましい例を特徴付けるために、いくつかのノズル先端が作製された。ノズル先端は、頂部および底部(すなわち、上部および下部)が、同じ溝形状および出射角を有する対称的な対である、灌流ポートの2つの対を含んでいた。表2は、いくつかの異なるノズル設計の関連寸法を示す。対の各個々のポートの面積および周長が表に示されている。
【0079】
【0080】
[0130] 試験サンプルは、完全に構築されたデバイスの圧力降下および流れ特性を近似するために、代表的な吸引内腔およびカメラワイヤを用いて構築された。
【0081】
[0131]流量は、時間の関数としてノズルを出る水の質量を測定することによって決定され得る。実験設定は、デバイスのカテーテル区画およびノズル区画と接続された、特定の圧力(例えば、2psiまたは4psi)下の従来の生理食塩水灌流バッグを含んでいた。表3は、いくつかのノズル配置についての流量試験の結果をグラム毎秒単位で示す。
【0082】
【0083】
[0133]複数の灌流ポートを含む様々なノズル設計の経験的分析から、2psiにおける生理食塩水バッグからの好ましい最小灌流質量流量は約0.55g/sであり、4psiにおける生理食塩水バッグからの好ましい最小灌流質量流量は約0.75g/sである。ノズルでは、各灌流ポートは総質量流量の1/Nに寄与し、ここで、Nは灌流ポートの数であり、この分数はパーセンテージに変換され得る。4つの灌流ポートを有する様々なノズル設計の経験的分析から、様々な灌流ポートは、計算された25%の量と比較して、総灌流質量流量の15%~30%に寄与すると測定された。ノズルのいくつかの例では、灌流質量流量は灌流ポートの各々と実質的に同様である。ノズルの他の例では、灌流質量流は、いくつかの灌流ポートからのものが、他の灌流ポートからのものよりも、2~4倍大きくなり得る。この非対称性は、好適には、ノズルからいくつかの方向に高い灌流質量流を提供するために使用され得る。
【0084】
[0134]ノズル設計によって影響を受ける領域は、経験的に決定され得る。
図63Aは、平坦な試験面486を含む、影響を受けた領域を決定するための試験装置484を示し、試験面は、約1.8mm~2.0mmのサイズ範囲を有する腎臓結石の断片488または模擬腎臓結石の断片のベッドが広げられた格子模様を有する。好ましい試験装置は、実質的に均一なサイズを有する腎臓結石の断片のベッドを含む。試験装置は、ノズル408を含む、デバイスの遠位端部を、格子模様上の腎臓結石のベッドの上に一定の距離で、ベッドと平行に位置合わせするためのマウント490を含む。加圧された生理食塩水バッグを使用して、灌流流体が、設定時間の間ノズルを通して送出され、ノズルから噴出する流体の影響を受ける面積が、格子模様を使用して計算される。生理食塩水バッグに対する圧力は、約0.5psi~約6.0psiの範囲内であり得る。いくつかの好ましい例では、生理食塩水バッグに対する圧力は2psiまたは4psiである。次いで、ノズルが、ノズルの長手方向軸を中心として一定量回転され、試験が繰り返され、流体の影響を受ける面積が計算される。
図63Bは、試験が実行された後の試験ベッドの上面図を示す。腎臓結石の断片がない領域が表面上に見られ、この領域は、表面上の格子模様を使用して測定され得る。
【0085】
[0135]試験の好ましい例では、4回の試験実行によってノズル上の灌流ポート配置の影響を受ける三次元体積を近似できるように、ノズルは90度回転される。さらに、格子表面の上方のノズルの距離は、より大きなまたはより小さな三次元体積に近似するように変更され得る。いくつかの好ましい例では、ノズルから格子表面までの距離は約6mmである。表4は、いくつかのノズル配置についての罹患領域試験の結果を平方ミリメートル単位で示す。
【0086】
【0087】
[0137]格子表面試験ベッドは、解剖学的スケールの空洞と比較して開いており、事実上無限大である、大きな体積に近似する。腎盂または腎杯のような閉鎖系を近似するために、別の試験方法が使用され得る。
【0088】
[0138]閉鎖系試験装置の一例では、約1.8mm~2.0mmのサイズ範囲を有する腎臓結石の断片または模擬腎臓結石の断片を試験管に入れる。試験管の長さおよび直径は、試験空洞の容積を規定する。例えば、直径14mmおよび長さ100mmを有する試験管は、解剖学的に関連するスケールで閉鎖環境に近似することができる。試験装置は、ノズルを含む、デバイスの遠位端部を、試験管の断面と同軸的に位置合わせするための固定具またはマウントを含む。灌流流体が所与の圧力で適用される間に、ノズルの遠位端部が試験管の端部に対して前進及び後退させることができる。腎臓結石の断片の運動の程度は、距離の関数として測定される。表5は、閉鎖環境試験の結果を示しており、表中の距離は、灌流流体を2psiで供給する際に、ノズル設計が試験装置内の結石の断片の運動を引き起こす可能性のある最大距離を反映している。
【0089】
【0090】
[0140]本明細書で開示されている様々なノズル構成の実証試験により、腎臓結石の断片を流動化することが望ましい方法の態様について、いくつかの好ましい性能特性が示された。いくつかの好ましい例における流体速度は、印加圧力が2psiであるとき、約0.50m/s~約1.50m/sの範囲内であり、好ましくは少なくとも約1.00m/sである。他の好ましい例における流体速度は、印加圧力が4psiであるとき、約0.9m/s~約2.00m/sの範囲内であり、好ましくは少なくとも約1.45m/sである。
【0091】
[0141]
図64は、カテーテル14の一部分の断面図を示す。カテーテル14の外側部材は、外側ジャケット492および外側ハイポチューブ494を含む。外側部材内には、プルワイヤ496がプルワイヤハイポチューブ498に対して長手方向に自由に摺動するように、プルワイヤハイポチューブ498内に配置されたプルワイヤ496がある。いくつかの例では、プルワイヤハイポチューブ498は、外側部材に対して、かつ外側部材の両側に固定され得る。他の例では、プルワイヤハイポチューブ498は、カテーテル14の遠位端部においてのみ固定される。電気ケーブル500も外側部材内にあり、遠位アセンブリ内の画像センサをハンドルと接続する。電気ケーブル500は、外側部材内で自由に動くことができるが、外側部材内で遠位端部および近位端部において、またはそれらの近くで固定される。吸引内腔504を包含する吸引シャフト502も外側部材内にあり、ノズル先端によって画定された吸引内腔504をハンドル12と接続する。吸引シャフト502も、外側部材内で自由に動くことができるが、外側部材内で遠位端部および近位端部において、またはそれらの近くで固定される。プルワイヤハイポチューブ498、電気ケーブル500、または吸引シャフト502によって占有されていない外側部材内の残りの空間は、灌流流体がハンドルから遠位アセンブリ内の導管に流れることができる灌流空間506である。電気ケーブル500および吸引シャフト502は外側部材内で自由に動くことができるので、灌流空間506は固定形状ではない。この配置の1つの利点は、専用の灌流シャフトがなく、これにより、カテーテルシャフトアセンブリ14内の構造数を減少できることである。より少ない構造は、製造を容易にし、カテーテルシャフトアセンブリにおける柔軟性を高める。例えば、カテーテルシャフトが略直線状であるとき、灌流空間は、外側部材と吸引シャフトとの間の環状部の一般的な形状をとり得るが、カテーテルシャフトが湾曲しているとき、灌流空間は、吸引シャフトが外側部材の内壁に押し付けられるときに一般的な三日月形状をとり得る。
【0092】
[0142]器具案内デバイス
上記のカテーテルの進歩により、カメラ構成要素、レーザ構成要素、吸入構成要素、および灌流構成要素を1つのシステムに組み合わせて、腎臓結石除去処置を合理化し、腎臓結石治療処置に関連する悪影響の可能性、最も具体的にはすべての結石を除去するために尿管鏡および摘出カテーテルの挿入および除去を繰り返す必要性を低減する能力が提供された。しかしながら、カテーテルシステムに関連する課題は、適切なカテーテル直径を維持することができないことにあった。特にレーザなどの構成要素の統合は追加のチャネルを必要とするため、カテーテルの寸法が所望よりも大きくなる。より大径のカテーテルは、尿管、腎盂、および腎杯を通り抜けるとき、より多くの組織炎症および損傷を引き起こす可能性がある。場合によっては、大径のカテーテルは、狭いおよび/または蛇行した尿管のために、腎臓に全くアクセスできないことがある。したがって、カテーテルの低寸法を維持するために、(上記で説明された)吸引内腔など、既存の内腔が、レーザおよび他の器具のために使用され得る。吸引内腔はレーザを収容するのに十分広いので、吸引内腔の使用は妥当である。レーザファイバは、吸引内腔よりも小径である(吸引内腔の直径は、レーザデバイスを受け入れる従来の尿管鏡の作業チャネルの直径よりもはるかに大きい)。しかしながら、直径のこの大きな違いは、吸引内腔内でのレーザファイバの動きをもたらす。レーザファイバの望ましくない動きによって、臨床医は正確に結石に狙いをつけことができなくなる。吸引内腔内のレーザファイバの横方向の動きは、結石の粉砕化を困難にするだけでなく、レーザが近くの組織に損傷を引き起こすリスクを高め得る。器具案内デバイスの実施形態は、特に、腎臓結石を粉砕するための摘出カテーテルシステムと共にレーザが効果的に使用されることを可能にし、同時に、結石がレーザを通過して吸引内腔を通って流れることを可能にするための器具を提供する。
【0093】
[0143]カテーテルおよびノズルの(例えば、上記で説明された内腔404および504についての)吸引内腔は、砕石デバイス、または最も好ましくはレーザ砕石デバイスなど、結石粉砕誘導デバイスを挿入および抜去するために使用され得る。内管の内径または吸引内腔(例えば、404および504)の直径は、多数の結石の断片が詰まらずに通過することに対応するのに十分大きい必要がある。本発明の実施形態では、吸引内腔(例えば、404および504)の直径は、例えば、2.0mm~3.0mm、またはいくつかの構成では約2.5mmであり得る。しかしながら、レーザファイバおよび砕石デバイスは、吸引内腔直径よりもかなり小径である。直径のこの大きな違いにより、動作中に粉砕誘導デバイスが吸引内腔内で動き回るか、ずれる。レーザの意図しない動きによって、術者は結石を正確に狙うことが困難になる。
【0094】
[0144]したがって、本発明の実施形態は、粉砕誘導デバイス(好ましくはレーザデバイスまたはファイバ)を吸引内腔(例えば、404および504)に固定するための中間デバイスを提供する。中間デバイスは、吸引内腔の機能を妨げず、流体および固体がレーザファイバを通過して流れることを可能にしながら、吸引内腔の遠位端部におけるレーザファイバの動きを完全に防止するか大幅に最小化するように構成される。
図65は、本明細書ではガイド508と呼ぶ中間デバイスを示す。ガイド508は細長い本体または管510を含み、細長い本体または管は、ハンドル12の作業チャネル(例えば、ポート42および138)を通して、およびカテーテル14の近位端部を通して挿入され、ガイド508の遠位端部が吸引内腔(例えば、吸引内腔404および504)の遠位端部に正確にまたはその遠位端部にほぼ隣接して(例えば、遠位アセンブリ400およびノズル先端408の端部に)配置されるまで吸引内腔を通して押されるように構成される。一実施形態では、ガイド508の長さは、ガイドが配置されることになる吸引内腔の長さと同等である。好ましくは、ガイド508は、ガイド508が吸引内腔内に完全に、または動作位置に配置されたとき、ガイド508の遠位先端部が吸引内腔404(またはノズル先端408)の遠位端部開口部を超えて延びない、すなわち、レーザ先端を吸引内腔404(またはノズル先端408)の遠位端部において保持するように構成される。ガイド508は、少なくとも2つのウィング、リッジ、フランジ、または延長部512を含み、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。ウィング512は、細長い本体510の遠位セグメントから突出するか延出する。一実施形態では、ウィング512は、細長い本体510が吸引内腔404内の動作位置に配置されたとき、ウィング510がノズル先端408の吸引内腔404の最も遠位のセグメントに存在するように、細長い本体510の遠位セグメントから延びる。ウィング510は、細長い本体510の一体型延長部であり得、これは、本体510およびウィング512が、一体品から作られるか、一体品から成形されることを意味する。あるいは、ウィング512は、細長い本体510の遠位セグメントの上に設けられ、遠位セグメントに取り付けられたより小さな管の延長部であり得る。内腔514が、粉砕誘導デバイス、好ましくはレーザファイバを受け入れるために細長い本体510の中心を通って延びる。内腔514は、使用されるレーザファイバを収容するための直径を有する。言い換えれば、内腔514の直径は、レーザファイバを内腔に自由に挿入し、内腔から抜去することを可能にするのに十分大きいが、レーザファイバの非回転または横方向の動きを防止するか大幅に最小化するのに十分小さい。ウィング512の前方のガイド508の非常に遠位の端部は、細長い本体510よりも小径のテーパ状端部を有するノブセグメント516を含むことができる。ノブセグメント516は、ハンドル12のアクセスポートおよび吸引内腔(例えば、404および504)へのガイド508の挿入を容易にする。ノズル先端408の吸引内腔(例えば、404および504)は、テーパ状セグメント(図示せず)を含むことができる。ノブセグメント516は、ノズル先端408のこの小さなテーパ状端部に接触して、ストップとして機能し、ガイド508が吸引内腔404から延出するのを防止することができる。
【0095】
[0145]
図66は、ガイド508の一実施形態の前面図を示す。ガイドは、細長い本体510から延びる2つのウィング512aおよび512bを含む(または2つのウィングからなる)。ウィング512aおよび512bは、吸引内腔(およびノズル内腔)内でのガイド508のウィング付き区画の横方向または非回転の動きを防止しながら、ガイド508が吸引内腔(例えば、内腔404および504、ならびにノズル内腔、例えば、内腔438)の内外に自由に滑ることを可能にするようにサイズ決定される。言い換えれば、ウィング512の幅(すなわち、高さ)を含むガイド508の最大直径Dは、ウィング512が吸引内腔を通って横行することを可能にするが、吸引内腔内でのウィング512の著しい横方向の動きを防止するために、吸引内腔の内径よりもわずかに小さくなければならない。一実施形態では、直径Dは、吸引内腔(例えば、
図48Aおよび
図48Bの吸引内腔404)の内径に一致するか、内径にほぼ等しくすることができる。ここで、ウィング512は、吸引内腔を通って適合されたときにウィング512がわずかに圧縮することを可能にする、より柔らかいまたはより柔軟なプラスチック材料から作られ得る。
【0096】
[0146]好ましい2ウィング設計が
図66に示されているが、ガイド508は、3つのウィング512または4つのウィング512を含む(またはそれらのウィングからなる)ことができる。本発明の実施形態は、任意の数のウィングを含むことができるが、ウィングが多くなることで、結石が吸引内腔を詰まらせるか、吸引内腔と細長い本体510との間に結石が引っかかることにより、吸引内腔の機能が阻害される可能性があるので、2~4つのウィング設計が好ましい。
【0097】
[0147]
図67は、吸引管518の遠位先端部においてレーザデバイスまたはファイバの先端を固定するために吸引管518の最も遠位の端部(または、例えば、
図48Aおよび
図48Bの吸引シャフト406)に配置された4つのウィング512a~512dを備える(またはそれらのウィングからなる)ガイド508の一般的な概略前面図である。ガイド508の内腔514に配置されたレーザデバイスまたはファイバ520が概略的に示されている。内腔514の制限された直径は、ガイド508を通るレーザファイバ520の挿入および抜去を可能にしながら、医師が意図しない吸引管518内のレーザファイバ520の動きを防止するか大幅に最小化する。レーザ520が安定性することにより、医師が極めて正確に腎臓結石にレーザパルスを印加することができ、これにより、ずれたレーザパルスによって引き起こされる損傷のリスクを低減しながら結石を効果的に粉砕することが可能になる。ウィング512a~512dは、ガイド508と吸引管518との間にギャップ522を作り出すのに十分な幅または高さ(すなわち、細長い本体510と吸引管518との間の距離)でなければならない。ギャップ522により、レーザ処置全体を通じて、吸引内腔が流体、破片、および腎臓結石の断片を除去するための吸出し行うことが可能になる。ウィング512の数は、ギャップ522の数を定める。例えば、2つのウィング512は2つの大きなギャップ522をもたらし、3つのウィング512は3つの中間サイズのギャップ522をもたらし、図示された4ウィング512構成は、4つのより小さなギャップ522をもたらす。より大きなギャップ522は、入口ポイントにおいて、またはガイド508の遠位区画に沿って、結石が詰まったり引っかかったりする可能性を最小化するのに好ましい。
【0098】
[0148]
図67は、4つのウィング512a~512dを示し、周方向距離は、任意の2つの隣り合うウィングの間で同じである。すなわち、512a~512b、512b~512c、512c~512d、および512d~512aの各々の間の距離は等しい。一実施形態では、2つの隣り合うウィング間の周方向距離は、(1つの共有ウィングがある場合でも)隣り合うウィングの別の対の距離とは異なり得る。例えば、隣り合うウィング512a~512bの間の距離と512c~512dの間の距離とは同じであり得、512a~512dの間の距離と512b~512cの間の距離とは同じであり得るが、512a~512bの間の距離または512d~512cの間の距離は、512a~512dの間の距離または512b~512cの間の距離よりも小さい。この構成は、より小さな結石の通過を可能にするための2つの小さなギャップ522と、より大きな結石の通過を可能にするための2つの大きなギャップ522とを設け、ギャップ522が同じサイズだった場合、より大きな結石は除去できていない可能性がある。3ウィング構成では、各ウィング間の距離は変化することができ、したがって、各々が異なるサイズを有する3つのギャップ522が設けられる。あるいは、3ウィング構成では、隣り合うウィングの2つの対の間の距離は同じであり得るが、第3の対は異なる距離で離隔される。いくつかの実施形態では、ギャップ522のサイズを変化させるためにウィング512間の距離を変更する代わりに、またはそれに加えて、ウィングの幅(細長い管510と吸引内腔518との間の距離)が変化し、したがって、異なるサイズのギャップ522を設けることができる。異なる幅を有するウィング512を設けることによって、レーザヘッドの位置は、吸引内腔の中心からずれる。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの異なるサイズのギャップ522が設けられ得る。
【0099】
[0149]
図68は、ウィング512設計の一実施形態である。ウィング512は、遠位セグメント512-2および近位セグメント512-3に延在する中間区画512-1を含む。中間区画512-1の(x方向の、すなわち長手方向軸に沿った)長さは、遠位セグメント512-2および近位セグメント512-3の長さよりも大きい。中間区画512-1は、(y方向の、すなわち半径方向軸線に沿った)一定の幅を有することができる。中間区画512-1は矩形形状を有することができ、これは、中間区画が吸引内腔の内側との十分な表面接触を有することを可能にして、安定性を作り出し、ウィング512が位置するガイド508の遠位端部の意図しないずれを防止する。ウィング34の遠位セグメント512-2および近位セグメント512-3は、中間区画512-1から細長い管32まで傾斜しているか先細になっている。ウィング512の(z方向の)厚さは、ウィング512の全スパンに沿って同じであり得る。代替実施形態では、ウィング512の(z方向の)厚さは、ウィング512がx方向または長手方向に沿って先細になるように変化することができる。例えば、
図69Aに最も良く示されているように、ウィング512は、ウィングの先端の遠位端部において最も厚い寸法を有し、ウィングの近位端部において最も薄い寸法を有することができる。一実施形態では、ウィング512の側壁は、上から見たときに二等辺三角形の形状を有するウィング512を提供するように、
図69Aに示されているようにある角度で収束することができる。別の実施形態によれば、
図69Bに示されているように、ウィング512の長手方向軸は、ガイド508の長手方向x軸と位置合わせされていない。ウィング512の長手方向軸は、ガイド508のx軸に対して回転される。図示されていない別の実施形態によれば、ウィング512は、長手方向に長く曲率半径を有することができる。ウィング512は、細長い本体または管510の周りに対称に配置され得るか、ウィング512は、細長い本体または管510の周りに非対称に配置される。
【0100】
[0150]
図70は、ガイド508の別の実施形態を示す。ガイド508は、ガイド30が適切な位置に配置されたときに吸引内腔(例えば、内腔404および438またはノズル先端408)から延びるように構成された遠位端部区画524を含む。遠位端部区画524は、例えば、柔らかい先端であり得る。ウィング512は、遠位端部区画524の近位に配置されているが、吸引管の遠位端部セグメントに位置するように設計されている。
【0101】
[0151]ガイド508により、吸引内腔が、レーザ処置中に、腎臓結石の粉砕と同時に、結石、破片、および流体の吸入が可能になり、吸引内腔またはノズル先端の遠位先端部においてレーザファイバのヘッドが固定的に支持される。しかしながら、ガイド508の存在は、吸引内腔の作業内径を低減する。したがって、ガイド508は、より大きなサイズの結石が吸引内腔の入口ポイントにおいて、ならびにギャップ522内にまたはウィング512間に蓄積する可能性および/または引っかかる可能性を高める。そのような詰まりは、排出効率を低下させ、手動で破片を取り除くこと、または内圧を増加させることを必要とする可能性がある。(上記で説明された)ハンドル12の流れ指示器322は、ユーザに詰まりおよび排出低減のフィードバックを提供することができる。したがって、引っかかったまたは詰まった結石を取り除くか押し出すために、ガイド508の前後の動き、振動、または揺動を引き起こすためにデバイスが使用され得る。ガイド508のわずかな前後移動は、破片を取り除き、吸引内腔を清掃するのに有効であり得る。一実施形態によれば、
図71Aおよび
図71Bに示されているように、ガイド508に恒久的に取り付けられるか、ガイド508と取外し可能に結合され得る、アクチュエータ526が設けられる。アクチュエータ526は、付勢バンド528を含むことができる。付勢バンド528は、バンド528の内側圧縮(すなわち、圧迫)および解放が吸引内腔(例えば、内腔404および438の場合)内でガイド508およびウィング512の前後運動を引き起こすことができるような自己復帰型本体である。シャフト530の一端が、バンド528の穴532を貫通している。シャフト530は、シャフト530から延びる対向タブ534の2つの対によってバンド528に固定的に固定され得る。円筒形ハウジング536が、シャフト530の対向端部を受け入れる。シャフト530は、バンド528が圧縮され、解放されるとき、円筒形ハウジング536内で伸縮自在に前後に動かすことができる。円筒形ハウジング536は、シャフト530が結合されたバンド528の反対側に結合される。シャフト530は、ガイド508の近位テールに恒久的に取り付けられ得るシャフトヘッド537を含むことができるか、あるいは、シャフトヘッド537は、ガイド508の近位テールに取外し可能に結合可能であるように構成され得る。例えば、シャフトヘッド537とガイド508の近位テールとは、雌/雄型結合部材を有することができる。管状部材538が、円筒形ハウジング536の近位端部から延びることができる。部材538は、カテーテルのハンドル(例えば、上記で説明されたハンドル12)に接続し、ハンドルから切断するように構成され得る。アクセスチャネル540が、部材538、シリンダハウジング536、およびシャフト530から延び、ガイド508の内腔514と連通することができる。レーザファイバは、アクセスチャネル540の入口開口部に挿入され、アクチュエータ526を通され、ガイド508の内腔514に挿入され得る。レーザファイバは、レーザのヘッドが吸引内腔の遠位先端部(またはノズル先端)に達するまでガイド508の内腔514を通して押され得、ガイド508のウィング512はレーザのヘッドの意図しない移動を防止する。
【0102】
[0152]
図72は、アクチュエータ542の別の実施形態を示す。アクチュエータ542は、ガイド508に恒久的に取り付けられるか、ガイド508と取外し可能に結合され得る。アクチュエータ542は、支点バー548を介して第2の(または下部または近位)レバー546に結合された第1の(または、図において方向づけられているように、上部または遠位)レバー544を含むことができる。アクチュエータ542は自己復帰型であり、レバー544および/または546の内側圧縮(すなわち、圧迫)および解放により、吸引内腔(例えば、内腔404および428)内でガイド508およびウィング512の前後運動を引き起こすことができる。シャフト550は、上部レバー544に結合され、上部レバー544の開口部から延びる。円筒形ハウジング552は、シャフト550の対向端部を受け入れる。シャフト550は、レバー554および/または546が圧縮され、解放されるとき、円筒形ハウジング552内で伸縮自在に前後に動かすことができる。円筒形ハウジング552は、下部レバー546に結合される。シャフト550は、ガイド508の近位テールに恒久的に取り付けられ得るシャフトヘッド554を含むか、あるいは、シャフトヘッド554は、ガイド508の近位テールに取外し可能に結合可能であるように構成され得る。例えば、シャフトヘッド554とガイド508の近位テールとは、雌/雄型結合部材を有することができる。管状部材556は、円筒形ハウジング552の近位端部から延びることができる。管状部材556は、カテーテルのハンドル(例えば、上記で説明されたハンドル12)に接続し、ハンドルから切断するように構成され得る。チャネル558が部材556からアクセス可能であり、部材558、円筒形ハウジング552、およびシャフト550から延び、ガイド508の内腔514と連通することができる。レーザファイバは、アクセスチャネル558の入口開口部に挿入され、アクチュエータ542を通され、ガイド508の内腔514に挿入され得る。レーザファイバは、レーザのヘッドが吸引内腔の遠位先端部またはノズル先端に達するまでガイド508の内腔514を通して押され得、ガイド508のウィング512は、レーザファイバのヘッドの意図しない移動を防止する。動作中、アクチュエータ542が位置P1において内側に圧迫された(例えば、上部レバー554および下部レバー546が互いに対して締め付けられている)場合、シャフト550は、外側に(図では上向きに)、下部レバー546から離れるように作動する。ここで、上部レバー544および/または下部レバー546は、支点アーム548を中心として枢動して、アクチュエータ542のシャフト端部においてレバー544/546間のより広いギャップを作り出し、位置P1とラベル付けされた端部においてレバー544/546間のより小さなギャップを作り出す。アクチュエータ542が位置P2において内側に圧迫された(例えば、上部レバー554および下部レバー546が互いに対して締め付けられるか、上部レバー554が下部レバー546に向かって下方に押される)場合、シャフト550は、内側に(図では下向きに)、下部レバー546に向かって作動する。ここで、上部レバー544および/または下部レバー546は、支点アーム548を中心として枢動して、アクチュエータ542のシャフト端部においてレバー544/546間のより小さなギャップを作り出し、位置P1とラベル付けされた端部においてレバー544/546間のより広いギャップを作り出す。したがって、シャフトヘッド554の移動は、P1またはP2のいずれかにおいて印加される力に基づいて、下部レバー546から離れるか、下部レバー546に向かうことができる。
【0103】
[0153]腎臓結石の治療のために、ガイドワイヤを使用してカテーテルを腎臓内に導くことができる。ガイド508は、カテーテルを患者に挿入する前に吸引内腔に挿入され得る。ガイド508の内腔514は、ガイドワイヤ上でカテーテルを誘導するためにガイドワイヤを受け入れるために使用され得る。あるいは、ガイド508は、カテーテルが意図された位置に達したときを含む、処置中の任意の時点で、カテーテルに挿入され得る。ガイドワイヤが内腔514内にある場合、ガイドワイヤは除去され、続いてレーザファイバが挿入される。レーザファイバは、レーザのヘッドがノブ516の端部に達するまで、ガイド508の内腔514を通って導かれる。医師は、カテーテルおよびノズル吸引内腔を通して破片、結石、および流体を吸入することと同時に、腎臓結石にレーザパルスを印加することができる。結石がガイド508の開口部に引っかかった場合、アクチュエータ526または542は、吸引内腔内でガイド508を移動させて結石を取り除くために使用され得る。レーザ処置の後に、ガイド508は除去され得、吸引内腔は、腎臓結石の治療のために残りの断片にされていない結石または断片にされた結石の摘出のために使用され得る。
【0104】
[0154]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの様々な例、態様、および実施形態は、腎臓結石を治療するために使用される場合に様々な利点を提供する。その利点の1つは、腎臓結石治療中に腎臓に過剰な圧力がかかる可能性を防止するか緩和する能力である。腎臓結石の従来のレーザ砕石術では、尿管鏡検査中および/またはレーザ砕石術中に灌流流体が導入され得る。ほとんどの場合、灌流流体は、尿管鏡とアクセスシースとの間の狭い空間を介してのみ腎臓から排出され得る。この狭い空間は、腎臓結石の断片、血餅、または他の物質など、破片によってさらに狭くなる可能性がある。腎臓からの流体の放出が、そのような狭い空間によって制限される場合、灌流流体の注入の継続は腎臓内の高圧のリスクを生じ、これは、敗血症および/または他の合併症を引き起こす可能性がある。本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、大径吸引内腔を介した、はるかに大きな出口チャネルを提供する。さらに、灌流流体を導入しながら、大径吸引内腔を通して吸引を適用することが可能である。吸引内腔の直径が大きいことは、灌流流体を送達しながら吸引を適用する能力と組み合わせると、腎臓に過剰な圧力をかける可能性を大幅に低減し、より安全な腎臓結石除去処置をもたらす。
【0105】
[0155]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの別の利点は、レーザ砕石術中の腎臓への熱損傷を防止するか緩和する能力である。特により高い出力のレーザを用いた、腎臓結石のレーザ砕石術中には、腎臓内で熱が発生する。この熱は腎臓に損傷を与える可能性があり、レーザ砕石術を行う医師にとっての懸念事項である。灌流流体は、伝導性熱伝達を介して熱の放散を助けることができるが、本明細書で説明されるように、灌流流体は、排出のための経路が比較的狭い場合に腎臓内に蓄積することもある。本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、灌流流体を送達しながら吸引を適用する能力と組み合わせて、大径吸引内腔を介して、はるかに大きな出口チャネルを提供する。本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、加熱された灌流流体を腎臓から迅速に除去し、レーザ砕石術中に比較的低温の灌流流体を連続的に導入することによって、腎臓内の安全な温度を維持することができる。レーザガイドを含む腎臓結石除去システムの例、態様、および実施形態では、加熱された灌流流体は、レーザファイバが腎臓結石を粉砕するために使用されている間でも吸引内腔を容易かつ迅速に流れることができ、比較的低温の灌流流体は、ノズル上の灌流ポートを介して容易かつ迅速に腎臓に入ることができる。迅速に導入され、腎臓から除去される灌流流体を介したこの迅速な熱伝達は、腎臓への熱損傷の可能性を大幅に低減し、より安全な腎臓結石除去処置をもたらす。
【0106】
[0156]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの別の利点は、レーザ砕石術中の腎臓内の視界を改善する能力である。従来のレーザ砕石術では、腎臓結石を粉砕することによる破片は、尿管鏡の撮像部分からの視界をしばしば覆い隠し、医師による腎臓内の関心領域および/または破砕中の腎臓結石の視認が困難になる。医師は、レーザ砕石術中に「スノーグローブ」現象をしばしば経験し、この現象では、破片が腎臓結石からランダムかつ無秩序に放出され、医師の視野が急速に覆われる。本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、灌流流体中で流動化された破片を、大径吸引内腔を通して腎臓から迅速に除去し、レーザ砕石術中に透明な灌流流体を連続的に導入することによって、視界を改善することができる。レーザガイドを含む腎臓結石除去システムの例、態様、および実施形態では、灌流流体中で懸濁されたか流動化された破片は、レーザファイバが腎臓結石を粉砕するために使用されている間でも、吸引内腔を通って容易かつ迅速に流れることができる。さらに、ランダムで無秩序な視野ではなく、本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、破片が視野を横切って吸引内腔に規則的な動きで移動するとき、予測可能なパターンを提供する。そのような規則的なパターンは、医師が視野内の解剖学的ランドマークを用いて方向づけられ続けることを、より容易にする。またさらに、(尿管鏡とアクセスシースとの間の狭いチャネルと比較して)比較的大きな出口チャネルのために、より多くの破片が除去され、本明細書で開示される腎臓結石除去システムを使用してより速く除去される。場合によっては、吸引がほとんどまたは全く適用されていない場合でも、吸引内腔の直径が大きいことは、視界を実質的に改善するのに十分な受動流出をもたらす。吸引内腔の直径が大きいことは、灌流流体を送達しながら吸引を適用する能力と組み合わせ、規則的な破片流れパターンと組み合わせることにより、レーザ砕石術中の視界が著しく改善し、より安全で、より効率的で、より効果的な腎臓結石除去処置が提供される。
【0107】
[0157]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの別の利点は、レーザ砕石術中に腎臓内に治療薬または診断薬を迅速に適用し、除去する能力である。灌流流体は、化学的または生物学的薬剤を、ソースバッグからまたはシステムハンドルに隣り合うポートを使用して灌流流体に適用させることができる。これらの薬剤は、限定はしないが、止血剤、抗生物質製剤、および/または溶菌剤などの治療薬であり得る。また、これらの薬剤は、限定はしないが、造影剤などの診断薬であり得る。
【0108】
[0158]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの別の利点は、吸引内腔の遠位端部に対する灌流ポートの向きである。灌流ポートは、吸引内腔の断面の中心軸線に対して出射角で灌流流体を送達する。この角度を、吸引内腔を介して適用される吸引と組み合わせることにより、デバイスの遠位端部の直径よりもはるかに大きな体積に影響を与える流れパターンが生成される。また、この流れパターンは、乱流ではなく規則的であり得、従来の尿管鏡が腎臓に流体を送達するときに形成され得る渦の低減、緩和、および/または排除を行うことができる。さらに、尿管鏡先端の端部から遠位方向に直線状に流体を送達する灌流ポートでは、遠位先端部から破片を押しやって破片の吸入を困難にすることが、経験的に示されている。対照的に、本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、最初にノズルから離れて広がり、ノズルの遠位端部から離れたところでノズルの中心軸線に戻る規則的な流れパターンを生み出すことによって、破片を吸引内腔に近づけることができる。本明細書で開示される腎臓結石除去システムは、腎臓結石の断片に作用し、腎臓結石の断片を吸引内腔に近づけるために、腎臓結石の断片に直接向けられる必要はない。したがって、本明細書で開示される腎臓結石除去システムの有効領域は、ノズルの真正面の領域よりも大幅に大きく、この有効領域は、ノズルが破片に直接向けられることなく杯から破片を取り除くために使用され得る。
【0109】
[0159]本明細書で開示される腎臓結石除去システムの別の利点は、灌流ポートが、吸引内腔内で使用されている器具に依存しない流量を提供することができることである。従来の尿管鏡は、通常、作業チャネルを通して灌流を提供し、この同じ作業チャネルが、レーザファイバまたはバスケットのためのアクセスを提供するために使用される。作業チャネル内に器具が存在すると、流体力学が変化し、流量および他の流れ特性が変化する。対照的に、本明細書で開示される腎臓結石除去システムでは、吸引内腔内で使用されている器具がある場合でも、その器具とは無関係に流れ特性が維持され、専用の灌流ポートを介して灌流流体を送達する。
【0110】
[0160]本明細書で使用される場合、接続される、取り付けられる、結合される、または連通しているは、互換的に使用され得る用語であり、特徴または要素が、本明細書において、別の特徴または要素に接続され、取り付けられ、結合され、またはそれと連通していると言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素に直接接続され得るか、介在する特徴または要素が存在し得る。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に直接接続されていると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0111】
[0161]特徴または要素が、本明細書において、別の特徴または要素「上」にあると言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素上に直接あり得るか、介在する特徴および/または要素も存在し得る。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素上に直接あると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0112】
[0162]上記の説明は「実施形態」を言及しているが、上記で説明された特徴または実施形態のいずれか1つは、本明細書で説明される特徴または実施形態の他のいずれかと共に使用されるか、実装されるか、組み合わせられ得る。
【0113】
[0163]本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形をも含むことが意図されている。
【0114】
[0164]「備える、含む(comprises)」および/または「備える、含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0115】
[0165]本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組合せを含み、「/」と省略され得る。
【0116】
[0166]「~の下」、「~より下」、「下部」、「~の上」、「上部」など、空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示されているように、ある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を述べるための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図中のデバイスが反転される場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」にあると説明される要素は、他の要素または特徴の「上」に方向づけられる。したがって、例示的な用語「~の下」は、上と下の両方の向きを包含することができる。デバイスは、別々の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。同様に、「上方に」、「下方に」、「垂直」、「水平」などの用語は、別段に明記されない限り、本明細書では説明の目的でのみ使用される。
【0117】
[0167]特徴が別の特徴に「隣接して」設けられると言われる場合、その特徴は、重なり合うまたは下にある部分なしに他の特徴の隣に配置され得るか、隣接する特徴に重なる部分または隣接する特徴の下にある部分を有し得る。
【0118】
[0168]「近位」、「遠位」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、ある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を述べるための説明を容易にするために使用され得る。近位は、ユーザまたはユーザの意図される位置により近い空間位置を述べ、遠位は、ユーザまたはユーザの意図される位置からより遠い位置を述べることが理解されよう。さらに、カテーテルのような低侵襲性デバイスに関して使用される場合、近位位置および遠位位置は、それぞれユーザに近いまたはユーザから遠いことが意図され、デバイスが使用中であるときに変化しない、デバイスの部分を指す。
【0119】
[0169]「第1の」および「第2の」という用語は、本明細書では、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈がそうでないことを示さない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用され得る。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素は第2の特徴/要素と呼ばれ得、同様に、第2の特徴/要素は第1の特徴/要素と呼ばれ得る。
【0120】
[0170]例において使用される場合を含む、本明細書で使用される場合、別段に明示的に指定されない限り、用語が明示的に出現しない場合でも、すべての数字は、「約」または「ほぼ」という語で始まるかのように読まれ得る。「約」または「ほぼ」という語句は、説明された値および/または位置が値および/または位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために、大きさおよび/または位置を説明するときに使用され得る。例えば、数値は、述べられた値(または値の範囲)の+/-0.1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-2%、述べられた値(または値の範囲)の+/-5%、述べられた値(または値の範囲)の+/-10%などの値を有し得る。本明細書で与えられた任意の数値はまた、文脈がそうでないことを示さない限り、約またはほぼその値を含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書で列挙された任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことが意図されている。当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示される場合、「その値以下」、「その値以上」、および値の間の可能な範囲も開示されることも理解されよう。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」ならびに「X以上」も開示されている(例えば、ここで、Xは数値である)。本出願全体を通して、データはいくつかの異なるフォーマットで提供され、このデータは、終了ポイントおよび開始ポイント、ならびにデータポイントの任意の組合せのための範囲を表すことも理解されよう。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10および15よりも大きいこと、それ以上であること、それ未満であること、それ以下であること、およびそれに等しいことが、10から15の間と同様に開示されていると見なされることを理解されよう。2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されていることも理解されよう。例えば、10および15が開示されている場合、11、12、13、および14も開示されている。
【0121】
[0171]生体内における対象物の案内除去のためのシステム、デバイス、および方法が、本明細書で開示される。特に、システム、デバイス、および方法は、尿路など、コンパクトな領域を横行し、吸引管を介した吸入によって、腎臓結石または腎臓結石の断片など、破片を除去するように適応され得る。本明細書で使用される「腎臓結石」という用語は、本明細書で説明されるデバイスを用いた、または別のデバイスによるなど、腎臓結石の治療的破砕によって生じた断片を含む、腎臓結石の断片を指し得る。「腎臓結石」という用語は、尿管ならびに腎臓内にある結石または結石の断片を指し得、本明細書で開示されるシステム、デバイス、および方法は、腎臓または尿管から腎臓結石を除去することが可能であり得る。
【0122】
[0172]様々な例示的な実施形態が上記で説明されたが、特許請求の範囲によって説明されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対していくつかの変更のいずれかが行われ得る。例えば、様々な説明された方法ステップが実行される順序は、代替実施形態においてしばしば変更されてもよく、他の代替実施形態では、1つまたは複数の方法ステップは完全にスキップされてもよい。様々なデバイスおよびシステム実施形態の任意選択の特徴は、いくつかの実施形態では含まれてもよく、他の実施形態では含まれなくてもよい。したがって、上記の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲に記載されているように本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0123】
[0173]本明細書に含まれる例および例示は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る特定の実施形態を示す。上述したように、それらの特定の実施形態から、他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置換および変更が行われ得るように利用され、導出され得る。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書では、2つ以上が実際に開示されている場合、単に便宜上、および本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図せずに、「発明」という用語によって個々にまたは集合的に言及され得る。したがって、本明細書では特定の実施形態が示され、説明されたが、同じ目的を達成するために考慮された任意の配置が、図示の特定の実施形態と置き換えられ得る。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応形態または変形形態を網羅することが意図されている。上記の実施形態の組合せ、および本明細書で具体的に説明されない他の実施形態は、上記の説明を検討すれば当業者には明らかであろう。
【0124】
[0174]本開示は、多くの点で、本発明の多数の代替デバイス実施形態の単なる例示であることが理解されよう。本発明の様々な実施形態の範囲を超えることなく、詳細において、特に、様々なデバイス構成要素の形状、サイズ、材料および配置に関して変更が行われ得る。当業者は、例示的な実施形態およびその説明が全体として本発明の単なる例示であることを理解するであろう。本発明のいくつかの原理が上記で説明された例示的な実施形態において明らかにされているが、当業者は、構造、配置、割合、要素、材料および使用方法の修正が、本発明の実施において利用され得、そうでなければ、本発明の範囲から逸脱することなく特定の環境および動作要件に特に適合されることを理解するであろう。さらに、特定の実施形態に関連して特定の特徴および要素が説明されたが、当業者は、それらの特徴および要素が本明細書で開示される他の実施形態と組み合わせられ得ることを理解するであろう。本発明は、例えば以下の項目に記載の実施形態を含む。
[項目1]
腎臓結石除去機構であって、
灌流管と、
吸引管と、
ユーザによって操作可能なトリガを含むトリガ機構であって、前記トリガが前記腎臓結石除去機構の近位端部に位置し、前記トリガ機構が、前記トリガのユーザ操作に応じて治療領域を灌流するために前記灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させ、前記トリガのユーザ操作に応じて腎臓結石の一部または全体を除去するために前記吸引管内の吸引を選択的に引き起こすように操作可能である、トリガ機構と、
を備える、腎臓結石除去機構。
[項目2]
前記トリガが第1の突出部を備え、前記トリガのユーザ操作により、前記第1の突出部が前記灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させる、項目1に記載の腎臓結石除去機構。
[項目3]
前記トリガのユーザ操作により、前記第1の突出部が前記灌流管を漸進的に開放させる、項目2に記載の腎臓結石除去機構。
[項目4]
前記トリガが第2の突出部を備え、前記トリガのユーザ操作により、前記第2の突出部が前記吸引管内の吸引を選択的に引き起こす、項目1~3のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目5]
前記トリガのユーザ操作により、前記第2の突出部が前記吸引管内の吸引を漸進的に引き起こす、項目4に記載の腎臓結石除去機構。
[項目6]
その近位端部において前記腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、
前記腎臓結石除去機構の前記近位端部に位置する操縦機構であって、前記操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために前記遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、
をさらに備える、項目1~5のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目7]
前記操縦機構が、前記遠位先端部を所望の位置に移動させて腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするための、前記操縦機構と前記カテーテルとの間に接続された少なくとも1つのワイヤを備える、項目6に記載の腎臓結石除去機構。
[項目8]
前記第1の突出部がローラを備える、項目2~7のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目9]
前記第2の突出部がローラを備える、項目4~8のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目10]
前記トリガが第3の突出部を備え、前記トリガ機構が、前記トリガの予め定められた量の押下げを前記ユーザに警告するために、前記第3の突出部と選択的に係合可能な第1の移動止めを備える、項目1~9のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目11]
前記第1の移動止めが、前記トリガ機構の内部にある突出部の縁部を含む、項目10に記載の腎臓結石除去機構。
[項目12]
前記第1の移動止めが、前記トリガ機構の内部にある引っ込み部の縁部を含む、項目10に記載の腎臓結石除去機構。
[項目13]
前記第3の突出部がローラを備える、項目10に記載の腎臓結石除去機構。
[項目14]
前記トリガの完全な量の押下げを前記ユーザに警告するために第2の移動止めをさらに備える、項目10~13のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目15]
前記第2の移動止めが、前記トリガ機構の内部にある前記突出部を含む、項目14に記載の腎臓結石除去機構。
[項目16]
前記第2の移動止めが、前記トリガ機構の内部にある引っ込み部の対向縁部を含み、前記第3の突出部が、前記引っ込み部の前記対向縁部と係合し、前記トリガ機構の完全な量の押下げを前記ユーザに警告する、項目14に記載の腎臓結石除去機構。
[項目17]
前記トリガのユーザ解放に応答して前記トリガ機構を基準位置に戻すように前記トリガ機構と相互作用する弾性デバイスをさらに備える、項目1~16のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目18]
前記弾性デバイスがばねを備える、項目17に記載の腎臓結石除去機構。
[項目19]
前記吸引管に接続された吸引作動管をさらに備える、項目1~18のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目20]
前記第2の突出部が、前記吸引作動管を挟んで閉じることによって前記吸引管内の吸引を引き起こす、項目19に記載の腎臓結石除去機構。
[項目21]
前記第2の突出部が、前記吸引作動管のポートを覆うことによって前記吸引管内の吸引を引き起こす、項目19に記載の腎臓結石除去機構。
[項目22]
項目1~21のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構を動作させるステップを含む、腎臓結石除去方法。
[項目23]
流体を運ぶように構成され、トリガ機構内を通る部分を有する、灌流管と、
前記灌流管と2箇所で接続され、前記灌流管の前記トリガ機構内の前記部分を通過することなく前記灌流管の第1の部分から前記灌流管の第2の部分に流体が流れることができるように構成された、バイパス構造と、
を備える、腎臓結石除去機構であって、前記トリガ機構が、ユーザによって操作可能なトリガを含み、前記トリガ機構が、前記トリガのユーザ操作に応じて治療領域を灌流するために前記第1の灌流管を選択的に収縮、閉鎖、および開放させるように操作可能である、
腎臓結石除去機構。
[項目24]
前記バイパス構造が流れ制限部を備える、項目23に記載の腎臓結石除去機構。
[項目25]
前記トリガのユーザ押下げにより、前記灌流管が漸進的に開放される、項目23または24に記載の腎臓結石除去機構。
[項目26]
前記トリガ機構によって作動されるように構成された吸引管をさらに備える、項目23~25のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目27]
その近位端部において前記腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、
前記腎臓結石除去機構の近位端部に位置する操縦機構であって、前記操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために前記遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、
をさらに備える、項目23~26のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目28]
項目23~27のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構を動作させるステップを含む、腎臓結石除去方法。
[項目29]
灌流管と、
吸引管と、
前記吸引管と連通している結石捕獲アセンブリと、
前記結石捕獲アセンブリに接続された流れ指示器を含む流れ指示器機構と、
を備える、腎臓結石除去機構。
[項目30]
前記流れ指示器が、流体または空気の流れに応答して動く1つまたは複数の羽根を備える、項目29に記載の腎臓結石除去機構。
[項目31]
その近位端部において前記腎臓結石除去機構の遠位端部と接続されたカテーテルであって、前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端部に遠位先端部を有する、カテーテルと、
前記腎臓結石除去機構の近位端部に位置する操縦機構であって、前記操縦機構が、腎臓結石の一部または全体の除去を容易にするために前記遠位先端部を操縦するように操作可能である、操縦機構と、
をさらに備える、項目29または30に記載の腎臓結石除去機構。
[項目32]
項目29~31のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構を動作させるステップを含む、腎臓結石除去方法。
[項目33]
ノズルをさらに備え、前記ノズルが、
前記吸引管と連通しており、腎臓結石または腎臓結石の断片を除去するようにサイズ決定された吸引内腔と、
前記灌流管と連通している1つまたは複数の灌流ポートであって、前記灌流ポートが、前記ノズルの遠位端部に配置され、前記ノズルの前記遠位端部から前方および側方に灌流流体を導くための30~60度の灌流ポート出射角を有する、1つまたは複数の灌流ポートと、
を備える、項目1~32のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目34]
前記灌流ポートのうちの少なくとも1つが円弧の形状を有する、項目33に記載の腎臓結石除去機構。
[項目35]
腎臓結石除去カテーテルと、
前記カテーテルの遠位端部に含まれるノズルと、
を備える、腎臓結石除去機構であって、
前記ノズルが、腎臓結石または腎臓結石の断片を除去するようにサイズ決定された吸引内腔と、前記ノズルの遠位端部における1つまたは複数の灌流ポートと、を備え、前記灌流ポートのうちの少なくとも1つが、前記ノズルの前記遠位端部から前方および側方に灌流流体を導くための30~60度の灌流ポート出射角を有する、腎臓結石除去機構。
[項目36]
灌流流体を前方には導くが半径方向に広がる方向には導かないように構成された第1の灌流ポートと、灌流流体を半径方向に広がる方向に導くように構成された第2の灌流ポートとを備える、項目35に記載の腎臓結石除去機構。
[項目37]
前記灌流ポートのうちの少なくとも2つが、異なる開口サイズ、異なる形状、および/または異なる灌流ポート出射角を有する、項目35または36に記載の腎臓結石除去機構。
[項目38]
前記灌流ポートのうちの第1の灌流ポートが、円形、楕円形、または円弧形状のうちの1つであり、前記灌流ポートのうちの第2の灌流ポートが、前記第1の灌流ポートとは異なる形状を有し、円形、楕円形、または円弧形状のうちの1つである、項目37に記載の腎臓結石除去機構。
[項目39]
第2の灌流ポートと第3の灌流ポートとの間に直接配置された第1の灌流ポートを備え、前記第1の灌流ポートと前記第2の灌流ポートとの間の円弧距離が、前記第1の灌流ポートと前記第3の灌流ポートとの間の円弧距離とは異なる、項目35に記載の腎臓結石除去機構。
[項目40]
画像センサおよび光源をさらに備える、項目35~39のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目41]
前記ノズルが、前記画像センサおよび前記光源を受け入れるための上部凹部を含む、項目40に記載の腎臓結石除去機構。
[項目42]
前記ノズルの近位端部内に挿入されるように構成された遠位マニホールドをさらに備え、前記遠位マニホールドが、灌流流体を前記ノズルの前記灌流ポートに導くための導管を有する、項目35~41のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目43]
前記遠位マニホールドに接続するように構成されたシャフトマニホールドをさらに備え、前記シャフトマニホールドが、灌流流体を前記遠位マニホールドの前記導管に向けるための灌流内腔を有する、項目42に記載の腎臓結石除去機構。
[項目44]
前記ノズルが、丸みを帯びたまたは湾曲した縁部を有する遠位面を含む、項目35~43のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目45]
前記吸引内腔が、前記ノズルの中心からオフセットされる、項目35~44のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目46]
前記ノズルが、前記カテーテルと前記灌流ポートとの間に流体経路を設けるための少なくとも1つの導管を備え、前記少なくとも1つの導管が、前記灌流ポートに流体を導くための仕切りを備える、項目35~45のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構。
[項目47]
(a)吸引管と、
(b)前記吸引管に取外し可能に挿入されるように構成されたレーザガイドと、
を備える、腎臓結石除去システムであって、前記レーザガイドが、
(i)レーザデバイスを受け入れるように構成された内腔を有する管状本体と、
(ii)前記吸引管内に前記管状本体の遠位端部セグメントを案内し、前記管状本体と前記吸引管との間に流れギャップを作り出すための、前記管状本体の前記遠位端部セグメントから延在するウィングと、
を備える、腎臓結石除去システム。
[項目48]
前記管状本体が、前記管状本体が前記吸引管に完全に挿入され、動作位置に配置されたとき、前記吸引管の遠位端部から延在しないように構成される、項目47に記載の腎臓結石除去システム。
[項目49]
前記ガイドが、2~4つのウィングを備える、項目47に記載の腎臓結石除去システム。
[項目50]
前記ガイドが、3つまたは4つのウィングからなり、周方向距離が、隣り合うウィングの各対の間で同じである、項目47に記載の腎臓結石除去システム。
[項目51]
前記ガイドが、3つまたは4つのウィングからなり、前記隣り合うウィングの第1の対の間の周方向距離が、隣り合うウィングの第2の対の間の周方向距離とは異なる、項目47に記載の腎臓結石除去システム。
[項目52]
隣り合うウィングの前記第1の対および前記第2の対が、共通のウィングを共有する、項目51に記載の腎臓結石除去システム。
[項目53]
前記ギャップのうちの少なくとも2つが異なるサイズを有する、項目47に記載の腎臓結石除去システム。
[項目54]
各ウィングが、前記管状本体へと下るテーパ状端部セグメントに移行する矩形形状を有する中間セグメントを備える、項目47~53のいずれか一項に記載の腎臓結石除去システム。
[項目55]
各ウィングが、長手方向軸に沿って前記ウィングの近位端部から前記ウィングの遠位端部まで増加する可変厚さを有する、項目47~54のいずれか一項に記載の腎臓結石除去システム。
[項目56]
各ウィングが、前記管状本体の長手方向軸に対してある角度にある長手方向軸を有する、項目47~55のいずれか一項に記載の腎臓結石除去システム。
[項目57]
前記吸引管内で前記管状本体を移動させるためのアクチュエータをさらに備える、項目47~56のいずれか一項に記載の腎臓結石除去システム。
[項目58]
前記アクチュエータが、
(a)付勢要素と、
(b)前記管状本体に結合され、前記付勢要素の作動によって前記吸引管内で前記管状本体を前後方向に動かすシャフトと、
を備える、項目57に記載の腎臓結石除去システム。
[項目59]
前記シャフトが、前記管状本体の近位端部に取外し可能に結合されるように構成される、項目58に記載の腎臓結石除去システム。
[項目60]
前記シャフトが、前記管状本体の近位端部に恒久的に取り付けられる、項目58に記載の腎臓結石除去システム。
[項目61]
前記付勢要素が、前記シャフトの遠位区画に結合されたバンドを備え、前記アクチュエータが、前記バンドに結合されて前記シャフトを受け入れるように構成された円筒形ハウジングであって、前記バンドの内側への圧縮および解放により、前記シャフトの一部を前記円筒形ハウジングに対して伸縮自在に出入りさせるようになっている、円筒形ハウジングをさらに備える、項目58に記載の腎臓結石除去システム。
[項目62]
前記アクチュエータが、前記レーザデバイスを受け入れるためのチャネルを備え、前記チャネルが、前記管状本体の前記内腔と連通するように構成される、項目57~61のいずれか一項に記載の腎臓結石除去システム。
[項目63]
(a)吸引管と、
(b)破片粉砕デバイスを受け入れるために前記吸引管内に取外し可能に配置されるように構成された案内デバイスと、
を備える、カテーテルアセンブリであって、
前記案内デバイスが、前記粉砕デバイスが前記吸引管の遠位端部に配置されたときに前記粉砕デバイスの意図しない移動を防止しつつ、流体および破片が前記粉砕デバイスを通過し、前記吸引管を通って流れることを可能にするように構成される、カテーテルアセンブリ。
[項目64]
破片を取り除くために前記吸引管内で前記案内デバイスを移動させるための作動デバイスをさらに備える、項目63に記載のカテーテルアセンブリ。
[項目65]
前記粉砕デバイスがレーザファイバを備える、項目63または64に記載のカテーテルアセンブリ。
[項目66]
項目47~62のいずれか一項に記載の腎臓結石除去機構または項目63~65のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリを動作させるステップを含む、腎臓結石除去方法。
【要約】
ハンドル機構と、ノズル先端と、案内デバイスとを含む構成要素を有する腎臓結石除去システムが開示される。ハンドル機構は、灌流および吸引/吸出しの制御を可能にするトリガを採用する。トリガの押下げにより、吸引/吸出しおよび灌流の状態がユーザに伝達される。トリガが基準(非押下げ)位置にあるとき、灌流および吸引/吸出しはオフにされる。トリガが完全押下げ位置にあるとき、灌流および吸引/吸出しはオンにされる。トリガが中間位置にあるとき、灌流がオンにされ、吸引/吸出しはオフのままである。ノズルは、灌流流体を導くための30~60度の灌流ポート出射角を有する灌流ポートを含む。案内デバイスは、破片粉砕デバイスを受け入れるためにノズル内に取外し可能に構成される。案内デバイスは、粉砕デバイスの意図しない移動を防止し、流体および破片が粉砕デバイスを通過して吸引管を流れることを可能にする。
【選択図】
図1