(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250307BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250307BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20250307BHJP
【FI】
H04N1/00 912
G06Q50/10
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2021101900
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】名古 大介
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-345953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
G06Q 50/10
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置であって、
前記操作部の操作を検出する操作検出部、
複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面を前記ディスプレイに表示する選択画面表示部、
前記所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用処理を実行する適用処理部、
前記適用処理部によって前記適用データを適用する適用処理が実行される場合に、当該適用処理を実行中であり、前記情報処理装置を使用できないことを前記ユーザに報知するための使用不可報知画面を前記ディスプレイに表示する使用不可報知画面表示部、
配信データをネットワークから取得する取得部、
前記適用データを前記端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断する判断部、
前記判断部によって即応答可能でないことが判断された場合に、前記情報処理装置の使用を待機することを前記ユーザに報知するための第1報知画面を前記ディスプレイに表示する第1報知画面表示部、および
前記判断部によって即応答可能でないことが判断された場合に、前記配信データを前記適用データに変換する変換処理を実行する変換部を備え、
前記適用処理部は、前記変換部によって変換された前記適用データを前記端末用データとして適用
し、
前記使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1報知画面表示部は、前記判断部によって即応答できることが判断された場合に、前記第1報知画面を表示しない、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置で実行される情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置のプロセッサに、
前記操作部の操作を検出する操作検出ステップ、
複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面を前記ディスプレイに表示する選択画面表示ステップ、
前記所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用ステップ、
前記適用ステップにおいて前記適用データを適用する場合に、当該適用ステップを実行中であり、前記情報処理装置を使用できないことを前記ユーザに報知するための使用不可報知画面を前記ディスプレイに表示する使用不可報知画面表示ステップ、
配信データをネットワークから取得する取得ステップ、
前記適用データを前記端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断する判断ステップ、
前記判断ステップにおいて即応答可能でないことを判断した場合に、前記情報処理装置の使用を待機することを前記ユーザに報知するための報知画面を前記ディスプレイに表示する報知画面表示ステップ、および
前記判断ステップにおいて即応答可能でないことを判断した場合に、前記配信データを前記適用データに変換する変換ステップを実行させ、
前記適用ステップは、前記変換ステップにおいて変換した前記適用データを前記端末用データとして適用
し、
前記使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理プログラム。
【請求項4】
ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置の情報処理方法であって、
(a)前記操作部の操作を検出するステップ、
(b)複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面を前記ディスプレイに表示するステップ、
(c)前記所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用処理を実行するステップ、
(d)
前記ステップ(c)において前記適用データを適用する適用処理を実行する場合に、当該適用処理を実行中であり、前記情報処理装置を使用できないことを前記ユーザに報知するための使用不可報知画面を前記ディスプレイに表示するステップ、
(
e)配信データをネットワークから取得するステップ、
(
f)前記適用データを前記端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断するステップ、
(
g)前記ステップ(
f)において即応答可能でないことを判断した場合に、前記情報処理装置の使用を待機することを前記ユーザに報知するための報知画面を前記ディスプレイに表示するステップ、および
(
h)前記ステップ(
f)において即応答可能でないことを判断した場合に、前記配信データを前記適用データに変換するステップを含み、
前記ステップ(c)は、前記ステップ(
h)において変換した前記適用データを前記端末用データとして適用
し、
前記使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関し、特にたとえば、表示手段および操作手段を備える、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。特許文献1に開示される画像形成システムは、コンテンツ管理サーバまたはコンテンツ提供サーバから提供されるコンテンツのうち、ユーザ属性と印刷所要時間とに基づき選択されたコンテンツを印刷中に画像形成装置の表示装置に表示する。
【0003】
また、背景技術の他の例が特許文献2に開示される。特許文献2には、コンビニエンスストアに設置された画像形成装置でテストチャートを読み取ったテストチャート画像データをサーバに送信し、サーバは、テストチャート画像データに基づいて画像形成装置の設定内容を変更するための補正データを生成し、生成した補正データを他の複数の画像形成装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-138298号公報
【文献】特開2017-219679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術の画像形成装置では、サーバから提供されるコンテンツまたはサーバから配信されるデータを適用するとき、適用する時間帯では、画像形成装置にデータを適用するための処理が実行されるため、画像形成装置を使用することができない。このため、画像形成装置を使用することができないことをユーザに報知(または、案内)する必要があるが、上述の特許文献1および特許文献2にはそのような報知等について考慮されていない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、配信データを適用する際の報知を適切に行うことができる、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置であって、操作部の操作を検出する操作検出部、複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面をディスプレイに表示する選択画面表示部、所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用処理を実行する適用処理部、適用処理部によって適用データを適用する適用処理が実行される場合に、当該適用処理を実行中であり、情報処理装置を使用できないことをユーザに報知するための使用不可報知画面をディスプレイに表示する使用不可報知画面表示部、配信データをネットワークから取得する取得部、適用データを端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断する判断部、判断部によって即応答可能でないことが判断された場合に、情報処理装置の使用を待機することをユーザに報知するための第1報知画面をディスプレイに表示する第1報知画面表示部、および判断部によって即応答可能でないことが判断された場合に、配信データを適用データに変換する変換処理を実行する変換部を備え、適用処理部は、変換部によって変換された適用データを端末用データとして適用し、使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理装置である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1報知画面表示部は、判断部によって即応答できることが判断された場合に、第1報知画面を表示しない。
【0012】
第3の発明は、ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置で実行される情報処理プログラムであって、情報処理装置のプロセッサに、操作部の操作を検出する操作検出ステップ、複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面をディスプレイに表示する選択画面表示ステップ、所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用ステップ、適用ステップにおいて適用データを適用する場合に、当該適用ステップを実行中であり、情報処理装置を使用できないことをユーザに報知するための使用不可報知画面をディスプレイに表示する使用不可報知画面表示ステップ、配信データをネットワークから取得する取得ステップ、適用データを端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断する判断ステップ、判断ステップにおいて即応答可能でないことを判断した場合に、情報処理装置の使用を待機することをユーザに報知するための報知画面をディスプレイに表示する報知画面表示ステップ、および判断ステップにおいて即応答可能でないことを判断した場合に、配信データを適用データに変換する変換ステップを実行させ、適用ステップは、変換ステップにおいて変換した適用データを端末用データとして適用し、使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理プログラムである。
【0013】
第4の発明は、ディスプレイおよび操作部を備え、所定のサービスを提供する情報処理装置の情報処理方法であって、(a)操作部の操作を検出するステップ、(b)複数のサービスからユーザが提供を受けるサービスを選択するための選択画面をディスプレイに表示するステップ、(c)所定のサービスを提供するために記憶部に記憶される端末用データとして適用データを適用する適用処理を実行するステップ、(d)ステップ(c)において適用データを適用する適用処理を実行する場合に、当該適用処理を実行中であり、情報処理装置を使用できないことをユーザに報知するための使用不可報知画面をディスプレイに表示するステップ、(e)配信データをネットワークから取得するステップ、(f)適用データを端末用データとして適用することの要求に対して即応答可能であるかどうかを判断するステップ、(g)ステップ(f)において即応答可能でないことを判断した場合に、情報処理装置の使用を待機することをユーザに報知するための報知画面をディスプレイに表示するステップ、および(h)ステップ(f)において即応答可能でないことを判断した場合に、配信データを適用データに変換するステップを含み、ステップ(c)は、ステップ(h)において変換した適用データを端末用データとして適用し、使用不可報知画面は、時間的制約の無い適用処理を実行中である場合の第2報知画面と、当該第2報知画面と異なる内容であって、時間的制約の有る適用処理を実行中である場合の第3報知画面を含む、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、適用データを適用する際の報知を適切に行うことができる。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1はこの発明の一実施例である情報処理システムの外観構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は
図1に示す情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は
図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4はホーム画面の一例を示す図解図である。
【
図5】
図5は第1報知画面の一例を示す図解図である。
【
図6】
図6は第2報知画面の一例を示す図解図である。
【
図7】
図7は第3報知画面の一例を示す図解図である。
【
図8】
図8はホーム画面の表示制御および配信データの管理の流れを説明するための図である。
【
図9】
図9は
図2に示す情報処理装置のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図10】
図10は
図2に示す情報処理装置のCPUの情報処理の一部を示すフロー図である。
【
図11】
図11は
図2に示す情報処理装置のCPUの情報処理の他の一部であって、
図10に後続するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1はこの発明の情報処理システム100の構成の一例を示す図である。この
図1を参照して、この発明の実施例である情報処理システム100は、情報処理装置10および画像形成装置70を含む。
【0018】
情報処理装置10は、スーパーマーケット、レストランまたはコンビニエンスストアなどの店舗、並びに駅、バスターミナル、空港、役所または図書館などの公共施設に配置されるマルチメディアキオスク(MMK)端末である。この情報処理装置10は、配置される場所に応じて各種情報または所定の商品またはサービス(以下、「サービス等」ということがある。)をユーザに提供する。また、詳細は後述するが、情報処理装置10は、画像形成装置70と協働して、コピー、プリント、ファクス、スキャン、行政サービスなどの所定のサービスをユーザに提供することもできる。
【0019】
なお、この明細書では、方向を用いて説明する場合には、情報処理装置10のユーザに対向する面、つまり後述するディスプレイ14が設けられる側の面を前面(正面)とし、正面とは反対側の面を背面とする。また、ユーザが情報処理装置10を正面から見た場合の上下方向および左右方向を、情報処理装置10の上下方向および左右方向とする。これらのことは、画像形成装置70についても同様である。
【0020】
たとえば、コピーサービスにおいては、原稿のコピーを取ることができ、詳しくは当該原稿の画像を読み取って、この読み取られた画像を画像記録媒体としてのシート状の用紙に形成(印刷)することができる。ここで言う用紙としては、普通紙、光沢紙、写真用紙などがある。コピーサービスを受ける者、つまり画像形成装置70を使用するユーザは、これらの中から任意の用紙を選択することができる。
【0021】
プリントサービスには、PDF(Portable Document Format)プリントサービス、写真プリントサービス、ネットワークプリントサービスなどが含まれる。
【0022】
PDFプリントサービスにおいては、外部記憶媒体としてのメディアに記憶されているPDFファイルの印刷をすることができ、詳しくは当該PDFファイルに基づく画像を前述の用紙に形成することができる。ここで言うメディアとしては、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカードなどの半導体メディア、および、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのディスクメディアがある。また、PDFプリントサービスにおいては、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器に記憶されているPDFファイルを無線LAN(Local Area Network)経由で画像形成装置70へ転送して、印刷をすることも可能である。さらに、携帯機器が赤外線通信機能を備える場合には、この赤外線通信機能により当該携帯機器から画像形成装置70へPDFファイルを転送して、印刷をすることも可能である。すなわち、PDFプリントサービスにおいては、携帯機器をPDFファイルの供給源(ソース)とすることも可能である。
【0023】
写真プリントサービスにおいては、前述のメディアに記憶されている所定形式の画像ファイルの印刷をすることができ、とりわけ高品質で印刷をすることができる。この写真プリントサービスにおける印刷先の用紙としては、一般に、写真用紙が選択されるが、普通紙や光沢紙などの当該写真用紙以外の用紙が選択されてもよい。また、この写真プリントサービスにおいても、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器を画像ファイルの供給源とすることができる。
【0024】
ネットワークプリントサービスにおいては、専用のウェブサイトに予め登録されたファイルの印刷をすることができる。ここで言う専用のウェブサイトに登録可能なファイルとしては、PDFファイル、所定形式の画像ファイル、所定形式の文書ファイル、所定形式の表計算ファイル、所定形式のプレゼンテーションファイルなどがある。
【0025】
ファクスサービスにおいては、ファクス送信をすることができ、詳しくは原稿の画像を読み取って、この読み取られた画像を電子化して相手方装置としての任意のファクス装置へ送信することができる。また、ファクスサービスにおいては、中継センターを介してのファクス受信をすることもでき、つまり当該中継センターを介して受信された電子化画像(画像データ)の印刷をすることもできる。
【0026】
スキャンサービスにおいては、原稿の画像を読み取って、この読み取られた画像を電子化して前述の外部記憶媒体、とりわけUSBメモリに、記憶することができる。また、読み取られた画像を電子化したデータを電子メールで所望の宛先に送信することもできる。
【0027】
行政サービスにおいては、住民票の写しや印鑑登録証明書などの所定の公的証明書の発行を受けることができる。この行政サービスを受けるには、カード型記憶媒体としての住民基本台帳カードまたは個人番号カードが必要になる。この行政サービスにより発行される公的証明書は、普通紙に印刷された状態で提供される。
【0028】
詳細な説明は省略するが、上述したサービス以外のサービス(以下、「その他のサービス」という)としては、コンサート、映画、レジャー施設、交通機関などの各種のチケット予約および販売、プリペイドカードの販売、オンラインショップおよびネットサービスの料金支払い、スポーツ振興くじの販売など、様々な事業者と連携したサービスが該当する。
【0029】
図1に戻って、情報処理装置10は、タッチパネル12付きのディスプレイ14、記録媒体接続部16、紙片用プリンタ18、符号読取部20、近距離通信部22、貨幣処理部24、および写真用プリンタ26を含む装置本体28を備える。
【0030】
タッチパネル12付きのディスプレイ14は、情報処理装置10(装置本体28)の上端部に配置される。タッチパネル12は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この実施例では、タッチパネル12としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ14の表示面上にタッチパネル12が設けられる。ただし、タッチパネル12とディスプレイ14とが一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。また、ディスプレイ14としては、LCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0031】
記録媒体接続部16は、各種の記録媒体を装着するための装着部(たとえばドライブおよびメモリスロット)を含む。各種の記録媒体は、光ディスク(たとえばCD-R、DVD-RおよびBD-Rなど)およびフラッシュメモリ(たとえばUSBメモリ、SDメモリカードおよびメモリースティックなど)などである。ただし、光ディスクは、ドライブに装着される。また、フラッシュメモリは、メモリスロットに装着される。
【0032】
紙片用プリンタ18は、たとえばサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)またはドットインパクトプリンタであり、レシート、ジャーナルまたはクーポン券などの画像が印刷された紙片を発行する。具体的には、紙片用プリンタ18は、ロール紙上に各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷し、印刷済の紙片を排紙部18aから排出する。
【0033】
符号読取部20は、たとえばレーザスキャナまたはカメラなどを含み、商品、カード、レシートなどに付された符号またはユーザ端末(携帯端末)の画面に表示された符号などを読み取ることができる。符号読取部20で読み取ることができる符号には、バーコード(1次元バーコード)または2次元コード(たとえばQRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODEなど)などがある。
【0034】
近距離通信部22は、たとえば、ISO/IEC18092等の通信規格(いわゆるNFC(Near Field Communication))に従って、通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うものである。たとえば、近距離通信部22は、Felica(登録商標)等の通信規格に従って、電子マネー媒体等の通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行う。電子マネー媒体とは、ICカードおよび携帯端末(フィーチャーフォン、スマートフォンおよびタブレットPC等)のことである。また、電子マネー媒体は、電子マネーによる決済に係るデータ(電子マネーデータ)を記憶する記憶部を備える。近距離通信部22の通信可能距離は、数cm~数m程度である。たとえば、近距離通信部22は、電子マネー媒体に対して、電子マネー媒体に記憶された電子マネーデータの読み出しを指示する信号(読出し命令)を送信する。電子マネー媒体は、読出し命令に対する応答として電子マネーデータを近距離通信部22に送信する。また、近距離通信部22は、電子マネー媒体に書き込むデータ(書き込みデータ)とともに書き込みを指示する信号(書き込み命令)を送信する。電子マネー媒体は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを記憶部に書き込む(記憶する)。このように、近距離通信部22は、電子マネー読取部としても機能する。なお、近距離通信部22は、電子マネー媒体以外の通信対象(たとえば身分証、会員証または社員証など)との間で電子マネーデータ以外のデータ通信を行うこともできる。
【0035】
貨幣処理部24は、貨幣投入部24aおよび硬貨返却口24bを含む。貨幣投入部24aは、硬貨投入口、紙幣投入口および釣銭返却レバー等を含み、近距離通信部22の下方に配置される。硬貨投入口から投入された硬貨および紙幣投入口から投入された紙幣は、それぞれ種類毎に分類されて所定の貨幣格納部に収容される。貨幣格納部は、硬貨用の格納部および紙幣用の格納部を含む。硬貨または紙幣が投入されると、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額が算出される。情報処理装置10において所定のサービス等が実行されると、そのサービス等の内容に応じた費用(サービス等の提供に係る料金)が投入金額から減算され、投入金額から料金を差し引いて残った金額(残額)が算出される。また、釣銭返却レバーが操作されると、残額に応じて、硬貨または紙幣が返却される。ただし、硬貨は、貨幣投入部24aの下方に設けられる硬貨返却口24bから返却され、紙幣は、紙幣投入口から返却される。
【0036】
写真用プリンタ26は、たとえば昇華型プリンタまたはインクジェットプリンタであり、写真用の用紙(写真用紙)上に画像を印刷する。写真用プリンタ26で印刷された写真は、排出部26aに排出される。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データとしては、記録媒体接続部16に接続された記録媒体に記憶された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。また、写真用プリンタ26で印刷される写真のサイズは、L判サイズ、はがきサイズまたは2L判サイズなどである。
【0037】
図2は
図1に示す情報処理装置10の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、情報処理装置10はCPU32を含む。CPU32には、バス60を介してRAM34、ROM36、タッチパネル制御回路38、表示制御回路40、記録媒体接続部16、紙片用プリンタ18、符号読取部20、近距離通信部22、貨幣処理部24、写真用プリンタ26および通信回路44が接続される。また、タッチパネル制御回路38にはタッチパネル12が接続され、表示制御回路40にはディスプレイ14が接続される。
【0038】
CPU32は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。RAM34は、CPU32のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。ROM36は、情報処理装置10の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値を記憶する。
【0039】
タッチパネル制御回路38は、タッチパネル12に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル12のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU32に出力する。
【0040】
表示制御回路40は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU32の指示の下、GPUは、RAM34に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ14に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ14に出力する。
【0041】
通信回路44は、LANまたは/およびインターネットなどのネットワークに接続するための通信回路である。この通信回路44は、有線通信回路または無線通信回路であり、CPU32からの指示に従って、ネットワークを介して、サーバ等の外部コンピュータ(外部端末)と通信する。一例として、サーバは、情報処理装置10が提供する行政サービスおよびその他のサービスの管理者または運営者が使用するサーバである。ただし、通信回路44は、ネットワークを介さずに、有線または無線(たとえば赤外線方式、WiFi(登録商標)方式またはブルートゥース(Bluetooth;登録商標)方式)で、画像形成装置70および携帯端末などと直接通信することも可能である。
【0042】
なお、
図2に示す情報処理装置10の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0043】
図1に戻って、画像形成装置70は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
【0044】
画像形成装置70は、画像読取部72、画像形成部74、給紙装置76および排紙トレイ78を含む装置本体80を備える。ただし、画像形成装置70は、情報処理装置10の近傍に設置される。たとえば、画像形成装置70は、情報処理装置10の右側に隣接して設けられる。
【0045】
画像読取部72は、透明材によって形成される原稿載置台を備え、装置本体80に内蔵される。原稿載置台の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー72aが開閉自在に取り付けられる。
【0046】
また、画像読取部72は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部72は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
【0047】
画像形成部74は、装置本体80に内蔵され、画像読取部72の下方に設けられる。この画像形成部74は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置などを備える。画像形成部74は、給紙装置76等から搬送される記録媒体(用紙)上に電子写真方式によって画像を形成し、画像形成済みの用紙を画像読取部72および画像形成部74の間に設けられる排紙トレイ78に排出する。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部72で読み取った画像データ、情報処理装置10から送信された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。また、記録媒体としては、紙からなる用紙に限定されず、OHPフィルムなどの紙以外のシートも用いられる。
【0048】
図3は
図1に示す画像形成装置70の電気的な構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像形成装置70はCPU82を含む。CPU82には、バス90を介してRAM84、HDD86、画像読取部72、画像形成部74および通信回路92が接続される。
【0049】
CPU82は、画像形成装置70の全体的な制御を司る。RAM84は、CPU82のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0050】
HDD86は、画像形成装置70の主記憶装置であって、CPU82が画像形成装置70の各部位の動作を制御するための制御プログラムおよび各種の画面についての表示画像データ等を適宜記憶する。ただし、HDD86に代えて、またはHDD86とともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。
【0051】
通信回路92は、LANまたは/およびインターネットなどのネットワークに接続するための通信回路である。この通信回路92は、有線通信回路または無線通信回路であり、CPU82からの指示に従って、ネットワークを介して、情報処理装置10等の外部コンピュータと通信する。ただし、通信回路92は、ネットワークを介さずに、有線または無線で、情報処理装置10と直接通信することも可能である。
【0052】
なお、
図3に示す画像形成装置70の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0053】
このような構成の情報処理システム100では、情報処理装置10が起動(または、再起動)されると、
図4に示すようなホーム画面(「メニュー画面」または「ポータル画面」とも呼ばれる)200が、ディスプレイ14に表示される。
【0054】
上述したように、情報処理装置10は、画像形成装置70と協働して、コピーサービス、プリントサービス、ファクスサービス、スキャンサービス、行政サービスおよびその他のサービスをユーザに提供するため、ユーザが各サービスを選択(または、実行)するためのボタン(または、操作キー)202、204、206、208、210および212がホーム画面200に設けられる。また、ホーム画面200の背景には、所定の色(たとえば、青色)の画像が表示される。ボタン202~212の各々には、対応するサービス(機能)を表す文字列が記載される。
【0055】
なお、ホーム画面200を操作することにより、各種のサービスの提供を受けることは周知であり、また、本願発明の本質的な内容では無いため、詳細な説明は省略する。また、各サービスについては、上述したとおりである。
【0056】
また、
図4のホーム画面200では、ボタン202~212の画像のみを表示してあるが、ホーム画面200の背景または/およびボタン202~212の背景には、アニメキャラクタまたはご当地キャラクタなどの所定のキャラクタが表示されてもよい。また、ボタン202~212のデザイン(たとえば、模様または/および形状など)が所定のキャラクタにされてもよい。
【0057】
各種のサービスにおいては、該当するサービスについての設定等の操作を行う場合には、適宜の操作画面が表示され、サービスが実行されると、サービスについてのジョブの実行中では、実行中画面がディスプレイ14に表示され、ジョブの実行を終了すると、終了画面がディスプレイ14に表示され、第1所定時間(たとえば、30秒~1分)が経過した後に、ホーム画面200がディスプレイ14に表示される。
【0058】
また、ホーム画面200がディスプレイ14に表示されている状態において、ホーム画面200の操作が行われない時間が第2所定時間(たとえば、5分~10分)を経過すると、待機画面がディスプレイ14に表示され、さらに、ホーム画面200の操作が行われない時間が第3所定時間(たとえば、15分~30分)を経過すると、スクリーンセーバが実行される。
【0059】
一例として、情報処理装置10では、待機画面では、情報処理装置10が配置される店舗などのガイド画像または地域におけるイベント情報の画像が表示されたり、映画、コンサートなどイベントについての特典映像(または、プレミアム動画)のような動画が表示されたりする。また、情報処理装置10では、スクリーンセーバでは、所定のアニメーションの画像が表示される。所定のアニメーションは、情報処理装置10が配置される店舗などに関する情報を含む内容であったり、情報処理装置10が配置される店舗などのイベント情報を含む内容であったりする。
【0060】
また、情報処理装置10の起動時(再起動時も含む)には、第1報知画面250がディスプレイ14に表示される。第1報知画面250を表示するのは、情報処理装置10の起動時に、情報処理装置10の使用を待機することをユーザに知らせるためである。一例として、第1報知画面250には、画面の中央に、「しばらくお待ちください。」との文字列が記載され、背景には、所定の色(たとえば、青色)の画像が表示される。
【0061】
また、情報処理装置10では、各種の画面(スクリーンセーバを含む)のデザインが変更されたり、提供するサービスの料金または/および税率が変更されたりする。つまり、情報処理装置10または情報処理装置10が提供するサービスに関するデータ(以下、「端末用データ」ということがある)が変更(一時的な変更を含む)されたり、端末用データが追加(一時的な追加を含む)されたりする。端末用データを変更または追加するためのデータ(以下、「適用データ」という)は、ネットワーク(ネットワーク上のサーバ)から配信される。ただし、ネットワークから配信されるデータ(以下、「配信データ」という)には、上記の適用データのみならず、情報処理装置10の管理者等へのメッセージについてのメッセージデータなども含まれる。
【0062】
情報処理装置10は、配信データを取得(または、受信)すると、配信データが適用データである場合には、適宜のタイミングで適用データを端末用データとして当該情報処理装置10に適用する。ただし、配信データは圧縮または暗号化されて配信される場合もあり、その場合には、配信データ(適用データ)は伸張(または、展開)または復号されてから適用される。つまり、配信データは情報処理装置10に適用可能なデータに変換される。
【0063】
また、適用データには、適用される期間(以下、「適用期間」という)が決められているものと、適用期間が決められていないものとがある。適用期間は、適用データの適用を開始する開始日時(年月日および時分を含む)から適用データの適用を終了する終了日時(年月日および時分を含む)で規定される。ただし、終了日時は、無い場合または設定されていない場合もある。また、適用期間が決められている適用データでは、適用期間の開始日時に適用されていることを厳守する必要の有る(以下、「時間的制約が有る」という)ものと、適用期間の開始日時に適用されることを厳守する必要の無い(以下、「時間的制約が無い」という)ものとがある。
【0064】
時間的制約が有るものとしては、上述の例では、税率および料金のテーブルと、特典映像のような動画についての適用データである。税率の変更については法律を遵守する必要があり、また、料金については、複数の情報処理装置10について一律に実行される必要があるからである。さらに、イベント情報および特典映像については、複数の情報処理装置10で一律に告知される必要があるからである。
【0065】
時間的制約が無いものとしては、上述の例では、ガイド画像についての適用データである。ガイド画像は、法律による規制および一律に適用される必要が無いからである。
【0066】
ただし、これらは一例であり、法律を遵守する場合を除いて、時間的制約の有無は、配信データを配信する者が任意に設定可能である。
【0067】
したがって、時間的制約が有る場合には、ユーザの使用により、適用期間の開始日時に適用データを適用できないことを回避するために、適用データを適用するための準備期間が予め設定されている。この実施例では、準備期間は、適用期間の開始日時の30分前の時刻から適用期間の開始日時までに設定されている。したがって、適用期間が決められている適用データは、準備期間の開始日時よりも少し前、たとえば、適用期間の開始日時の45分前に情報処理装置10に配信される。
【0068】
適用データの適用処理が実行される場合には、情報処理装置10を使用することができないため、適用処理は、ユーザが情報処理装置10を使用していないときに実行される。また、ユーザの邪魔にならないように、適用処理は、ユーザが使用する可能性が低い時間帯(以下、「実行可能な時間帯」という)で実行される。実行可能な時間帯は、情報処理装置10が配置される場所に応じて適宜設定することができ、一例として、午前0時から午前5時の間に設定される。ただし、実行可能な時間帯は、2つ以上設定されてもよい。
【0069】
適用処理の実行中には、適用処理を実行中であり、情報処理装置10を使用できない状態であることがユーザに報知される。ただし、適用期間が決められている適用データを用いた適用処理では、準備期間においても、情報処理装置10を使用できないない状態である。
【0070】
図6は適用期間が決められていない適用データを用いて適用処理を実行する場合に、配信データを適用するときに、すなわち、適用処理を開始するときに、ディスプレイ14に表示される報知画面(この実施例では、「第2報知画面という)260の一例を示す。
図6に示すように、一例として、第2報知画面260には、画面の中央に、「ただいまシステムメンテナンス中です。」、「しばらくお待ちください。」および「終了まで時間がかかる場合があります。」の3つの文字列が縦方向に3段で記載され、背景には、所定の色(たとえば、青色)の画像が表示される。つまり、第2報知画面260は、時間的制約の無い適用処理を実行中であり、情報処理装置10を使用できないことを報知するための画面である。
【0071】
また、第2報知画面260は、適用処理を終了すると消去され、ホーム画面200が表示される。ただし、システム(情報処理装置10)の再起動が必要な場合には、情報処理装置10は、適用処理を終了すると、再起動を実行する。したがって、再起動の実行中では、第1報知画面250がディスプレイ14に表示され、上述したように、システムが再起動され、操作可能な状態になると、ホーム画面200がディスプレイ14に表示される。
【0072】
図7は適用期間が決められている適用データを用いて適用処理を実行する場合に、準備期間の開始日時に、ディスプレイ14に表示される報知画面(この実施例では、「第3報知画面」)270の一例を示す。
図7に示すように、一例として、第3報知画面270には、画面中央に、「ただいまシステムメンテナンス中です。」、「ご利用になれません。」、「メンテナンス予定期間」、「2021年1月22日23時30分~2021年1月23日00:10」、および「予定期間は、若干前後する場合があります。」の5つの文字列が縦方向に5段で記載され、背景には、所定の色(たとえば、青色)の画像が表示される。ただし、2つ目の文字列と3つ目の文字列の間には、空白の行が設けられる。つまり、第3報知画面270は、時間的制約の有る適用処理を実行中であり、情報処理装置10を使用できないことを報知するための画面である。
【0073】
また、第3報知画面270は、適用処理を終了すると消去され、ホーム画面200が表示される。ただし、システム(情報処理装置10)の再起動が必要な場合には、情報処理装置10は、適用処理を終了すると、再起動を実行する。したがって、再起動の実行中では、第1報知画面250がディスプレイ14に表示され、上述したように、システムが再起動され、操作可能な状態になると、ホーム画面200がディスプレイ14に表示される。
【0074】
図8はホーム画面200の表示制御および配信データの管理についての流れを説明するための図である。ホーム画面200の表示制御は、表示プログラムに従って処理され、配信データの管理は、配信データの管理プログラム(以下、「配信データ管理プログラム」という)に従って処理される。ただし、表示プログラムは、ホーム画面200以外の他の画面も表示制御する。
【0075】
表示プログラムによって、ホーム画面200がディスプレイ14に表示されている場合において、配信データ(適用データ)の適用処理を実行可能な状態であれば、配信データの適用が必要であるかどうかの判断(以下、「適用要否判断」という)の要求に対して、即応答可能であるかどうかの判断(以下、「即応答可否判断」という)が配信データ管理プログラムに要求される。
【0076】
ただし、配信データの適用処理を実行可能な状態とは、ユーザが情報処理装置10を使用していない状態であって、適用処理の実行可能な時間帯である状態を意味する。
【0077】
すると、配信データ管理プログラムに従って、ダウンロードされた配信データが管理状態になっているかどうかが判断される。この実施例では、ダウンロードされた配信データは一旦送受信バッファ304aに記憶され、その後、RAM34のデータ記憶領域304(
図9参照)に記憶されて、配信データ管理プログラムによる管理状態となる。
【0078】
なお、図示は省略するが、情報処理装置10は、サーバと通信することにより、サーバからダウンロードされる配信データを受信する。
【0079】
また、配信データ管理プログラムでは、配信データが管理状態である場合には、即応答可能でないことが判断される。後述するように、配信データが管理状態である場合には、適用要否判断の要求があった場合に、配信データを確認(または、参照)したり、圧縮または暗号化された配信データを伸張(展開)または復号したりする必要があるからである。一方、配信データ管理プログラムでは、配信データが管理状態でない場合には、即応答可能であることが判断される。
【0080】
配信データ管理プログラムに従って、即応答可否判断の結果が表示プログラムに応答される。即応答できる場合には、表示プログラムに従って、ホーム画面200の表示が継続される。一方、即応答できない場合には、表示プログラムに従って、第1報知画面250がディスプレイ14に表示され、適用要否判断が配信データ管理プログラムに要求される。配信データは、適用データ以外のデータも含むため、配信データが適用データであるかどうかを判断することが配信データ管理プログラムに要求される。
【0081】
配信データ管理プログラムは、記憶された配信データを確認し、配信データが適用データであるかどうかを判断し、配信データが適用データである場合には、適用期間を確認し、さらに、準備期間が設定されているかどうかを判断する。ただし、配信データは圧縮または暗号化されている場合もあり、その場合には、適用要否判断に先立って、配信データを伸張(展開)または復号する処理が実行される。
【0082】
準備期間が設定されていない場合には、表示プログラムは、適用期間の開始日時になると、第2報知画面260をディスプレイ14に表示して、配信データ(適用データ)の適用要求を配信デー管理プログラムに要求する。これに応じて、配信データ管理プログラムは、配信データ(適用データ)の適用処理を実行する。ただし、準備期間が設定されていないため、ユーザの使用状況によっては、適用期間の開始日時から多少遅れることもある。
【0083】
準備期間が設定されている場合には、表示プログラムは、準備期間の開始日時になると、第3報知画面270をディスプレイ14に表示して配信データ(適用データ)の適用要求を配信デー管理プログラムに要求する。これに応じて、配信データ管理プログラムは、準備期間を終了し、適用期間の開始日時になると、配信データ(適用データ)の適用処理を実行する。ただし、準備期間が設定されているため、ユーザの使用による影響を受けずに、適用期間の開始日時から適用される。
【0084】
図9は
図2に示す情報処理装置10のRAM34のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
図9に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、上述したように、情報処理装置10用の情報処理プログラムが記憶される。この情報処理プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、表示プログラム302c、配信データ管理プログラム302dおよび適用プログラム302eを含む。
【0085】
通信プログラム302aは、ネットワーク上の画像形成装置70、サーバ等の他のコンピュータないし他の機器とデータを通信(送受信)するためのプログラムである。
【0086】
操作検出プログラム302bは、タッチ入力を検出するためのプログラムであり、CPU32は、この操作検出プログラム302bに従って、タッチパネル12から出力されたタッチ座標データを取得し、取得したタッチ座標データを時系列に従ってRAM34に記憶する。
【0087】
表示プログラム302cは、後述する画像生成データ304cを用いて、表示画像データ、すなわち、上述した各種の画面などの画面データを生成し、ディスプレイ14に出力するためのプログラムである。
【0088】
配信データ管理プログラム302dは、通信プログラム302aに従ってネットワークから取得した配信データを管理するプログラムである。具体的には、配信データ管理プログラム302dは、取得した配信データを確認し、配信データが適用データであるかどうかを判断したり、配信データ(適用データ)の適用処理が実行可能であるかどうかの判断の要求に対して即応答可能かどうかを判断したり、配信データ(適用データ)の適用処理の要否を判断したりする。また、配信データ管理プログラム302dは、取得した配信データを確認し、配信データ(適用データ)の適用期間を確認し、さらに、準備期間が設定されているかどうかを判断する。
【0089】
適用プログラム302eは、適用期間の有無に応じて、適宜のタイミングで適用データを適用する。上述したように、適用期間が無い場合には、情報処理装置10がユーザによって使用されていないタイミングで適用データが適用される。また、適用期間が有る場合には、適用期間の開始日時になったタイミングで適用データが適用される。
【0090】
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、情報処理システム100における各種のサービスを提供するためのプログラム、および情報処理装置10が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0091】
また、RAM34のデータ記憶領域304には、送受信バッファ304aが設けられるとともに、操作入力データ304b、画像生成データ304c、端末用データ304dおよび配信データ304eなどが記憶される。
【0092】
送受信バッファ304aは、通信プログラム302aに従って、送信されるデータおよび受信されるデータを一時的に記憶する。
【0093】
操作入力データ304bは、操作検出プログラム302bに従って検出されたタッチ座標データを時系列に従って記憶したデータである。
【0094】
画像生成データ304cは、ディスプレイ14に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのデータである。
【0095】
端末用データ304dは、情報処理装置10および情報処理装置10で提供されるサービスで使用されるデータであって、上述したように、ガイド画像またはイベント情報の画像のデータ、特典映像(または、プレミアム動画)のような動画のデータ、スクリーンセーバのデータ、税率および料金のテーブルについてのデータなどである。
【0096】
配信データ304eは、ネットワークから取得したデータであって、配信データ管理プログラム302dに従って管理されるデータである。配信データ304eのうち、端末用データ304dとして適用されるデータが上述の適用データである。
【0097】
図示は省略するが、データ記憶領域304には、情報処理装置10用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、情報処理装置10用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0098】
図10および
図11は、
図2に示す情報処理装置10のCPU32で実行される情報処理(表示制御処理)の一例を示すフロー図である。この情報処理は、情報処理装置10が起動(電源をオン)されたときに、情報処理装置10が再起動されたときに、および、情報処理装置10が動作中である場合には、第4所定時間(たとえば、1分)毎に、実行される。
【0099】
以下、
図10および
図11を参照しながら情報処理について説明するが、焼き付き防止のための画面表示およびスクリーンセーバについては本願発明の本質的な内容ではないため、図示および詳細な説明については省略する。
【0100】
図10に示すように、CPU32は、情報処理を開始すると、ステップS1で、システム起動中かどうかを判断する。つまり、情報処理装置10において、オペレーティングシステムの立ち上げ中であるかどうかを判断する。
【0101】
ステップS1で“YES”であれば、つまり、システム起動中であれば、ステップS3で、
図5に示したような第1報知画面250をディスプレイ14に表示して、ステップS1に戻る。
【0102】
一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり、システム起動中でなければ、システムが操作可能な状態(起動済み)であると判断し、ステップS5で、
図4に示したようなホーム画面200をディスプレイ14に表示する。
【0103】
続くステップS7では、適用処理を実行可能かどうかを判断する。ここでは、CPU32は、ユーザの操作中でなく、適用処理を実行可能な時間帯であるかどうかを判断する。CPU32は、現在時刻における操作入力データ304bがデータ記憶領域304に記憶されていない場合に、ユーザの操作中でないことを判断する。また、CPU32は、時計回路(RTC:Real Time Clock)から現在時刻を取得し、現在時刻が適用処理を実行可能な時間帯に含まれているかどうかを判断する。CPU32は、現在時刻が適用処理を実行可能な時間帯に含まれている場合には、適用処理を実行可能であると判断する。一方、CPU32は、現在時刻が適用処理を実行可能な時間帯に含まれていない場合には、適用処理を実行可能でないと判断する。
【0104】
なお、図示は省略するが、システム起動後において、最初に、ステップS7でユーザの操作中でないことが判断されたときに、タイマがスタートされ、ユーザの操作中でなく、適用処理を実行しない時間が継続し、タイマのカウント値が第2所定時間(たとえば、5分~10分)を経過すると、待機画面がディスプレイ14に表示され、さらに、第3所定時間(たとえば、15分~30分)を経過すると、スクリーンセーバが実行される。待機画面が表示されたり、スクリーンセーバが実行されたりしている場合に、ユーザが操作すると、ホーム画面200が表示される。
【0105】
ステップS7で“NO”であれば、つまり、適用処理を実行可能でなければ、
図11に示すように、情報処理を終了する。一方、ステップS7で“YES”であれば、つまり、適用処理を実行可能であれば、ステップS9で、即応答可能であるかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、ネットワークから取得した配信データ304eが管理状態であるかどうかを判断する。ネットワークから取得した配信データ304eが管理状態である場合には、ステップS9で、CPU32は、即応答可能でないと判断する。一方、ネットワークから取得した配信データ304eが管理状態でない場合には、ステップS9で、CPU32は、即応答可能であると判断する。
【0106】
ステップS9で“YES”であれば、つまり、即応答可能であれば、情報処理を終了する。一方、ステップS9で“NO”であれば、つまり、即応答可能でなければ、ステップS11で、
図5に示したような第1報知画面250をディスプレイ14に表示して、ステップS13で、配信データ304eを確認する。したがって、配信データ304eが適用データであるか、適用データ以外のデータであるかを知ることができ、適用データである場合には、準備期間が設定されているかどうかを知ることができる。ただし、ステップS13では、CPU32は、確認した配信データ304eが圧縮または暗号化されている場合には、当該配信データ304eを伸張(展開)または復号する。つまり、CPU32は、配信データ304eを情報処理装置10に適用可能なデータに変換する変換処理を実行する。
【0107】
続く、ステップS15で、配信データ304eの適用が必要であるかどうかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、つまり、配信データ304eの適用が不要であれば、情報処理を終了する。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり、配信データ304eの適用が必要であれば、ステップS17で、準備期間が有るかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、配信データ304eに準備期間が設定されているかどうかを判断する。
【0108】
ステップS17で“NO”であれば、つまり、準備期間が無ければ、ステップS19で、
図6に示したような第2報知画面260をディスプレイ14に表示し、ステップS21で、現在時刻(年月日を含む)が適用期間の開始日時になっているかどうかを判断する。このステップS21では、CPU32は、現在時刻が適用期間の開始日時になった場合のみならず、現在時刻が適用期間の開始日時を経過している場合にも、“YES”と判断する。
【0109】
ステップS21で“NO”であれば、つまり、現在時刻が適用期間の開始日時になっていなければ、ステップS21に戻る。一方、ステップS21で“YES”であれば、つまり、現在時刻が適用期間の開始日時になっていれば、
図11に示すステップS29に進む。
【0110】
また、ステップS17で“YES”であれば、つまり、準備期間が有れば、
図11に示すステップS23で、準備期間の開始日時かどうかを判断する。この実施例では、準備時刻の開始日時は、適用期間の開始日時の30分前に設定されているため、現在時刻が適用期間の開始時時刻の30分前になったかどうかを判断する。
【0111】
ステップS23で“NO”であれば、つまり、準備期間の開始日時でなければ、ステップS23に戻る。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり、準備期間の開始日時であれば、ステップS25で、
図7に示したような第3報知画面270をディスプレイ14に表示する。
【0112】
続くステップS27では、現在時刻が適用期間の開始日時になったかどうかを判断する。ここでは、ステップS21とは異なり、CPU32は、現在時刻が適用期間の開始日時になった場合にのみ、“YES”と判断する。
【0113】
ステップS27で“NO”であれば、つまり、現在時刻が適用期間の開始日時になっていなければ、ステップS27に戻る。一方、ステップS27で“YES”であれば、つまり、現在時刻が適用期間の開始日時になっていれば、ステップS29で、配信データ304e(つまり、適用データ)の適用処理を開始する。
【0114】
続いて、ステップS31で、適用処理を終了したかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり、適用処理を終了していなければ、ステップS31に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり、適用処理を終了すれば、ステップS33で、再起動が必要かどうかを判断する。
【0115】
ステップS33で“YES”であれば、つまり、再起動が必要であれば、ステップS35で、システムの再起動を実行し、情報処理を終了する。一方、ステップS33で“NO”であれば、つまり、再起動が必要でなければ、ステップS37で、ホーム画面200をディスプレイ14に表示して、情報処理を終了する。
【0116】
なお、適用処理が実行される場合には、適用期間を終了した適用データについては適用を除外され、データ記憶領域304から消去される。
【0117】
この実施例によれば、配信データを適用する必要があり、即応答できない場合に限り第1報知画面を表示するので、配信データの有無を確認したり、即応答できたりする合に第1報知画面を表示することが無いため、ユーザが操作できない状態を出来る限り少なくすることができる。
【0118】
なお、この実施例では、端末用データとして適用データを適用する場合について説明したが、情報処理装置および情報処理装置が提供するサービスについてのプログラムを変更(修正または置換)するためのプログラムデータを適用する場合についても同様の処理で実行することができる。
【0119】
また、この実施例では、情報処理装置と画像形成装置を通信可能に設けた情報処理システムを構成するようにしたが、これに限定される必要はない。画像形成装置が情報処理装置としても機能してもよい。この場合、画像形成装置のRAMに、
図9に示した各種のプログラム(情報処理プログラム)および各種のデータが記憶されが、画像形成装置のCPU82によって、
図10および
図11に示した情報処理を実行する。ただし、画像形成装置は、写真用プリンタを備えていないため、写真プリントサービスは提供されない。また、紙片用プリンタおよび貨幣処理部が、画像形成装置と通信可能に設けられる。さらに、符号読取部および近距離通信部が、画像形成装置に設けられる。
【0120】
さらに、上述の実施例で挙げた数値、画面および具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。
【0121】
さらにまた、本発明は、情報処理装置における情報処理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体という形態によっても、提供することができる。この場合、記録媒体に記録された情報処理プログラムが情報処理装置のコンピュータにより読み取られ、当該コンピュータにより実行されることで、本発明と同様の情報処理装置が実現される。ここで言う記録媒体としては、前述と同様の半導体メディアやディスクメディアがある。また、可搬型の媒体ではなく、ROMやハードディスクドライブなどのような情報処理装置(コンピュータシステム)に組み込まれる組込み型(内蔵型)の媒体もまた、ここで言う記録媒体として適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
10 …情報処理装置
12 …タッチパネル
14 …ディスプレイ
32 …CPU
34 …RAM
36 …ROM
70 …画像形成装置
100 …情報処理システム