(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】電動作業車
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20250307BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20250307BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20250307BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20250307BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
B60L9/18 J
B60L50/60
B60K1/04 Z
(21)【出願番号】P 2021211647
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆之介
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 一人
(72)【発明者】
【氏名】河端 真一
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-132857(JP,A)
【文献】特開2015-64957(JP,A)
【文献】特開2009-259442(JP,A)
【文献】国際公開第2019/054079(WO,A1)
【文献】特開平11-262136(JP,A)
【文献】特開2017-114153(JP,A)
【文献】特開2021-957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
B60L 9/18
B60L 50/60
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前車輪及び後車輪を有し、前記機体を走行させる走行装置と、
前記前車輪を支持する車軸ユニットと、
作業装置へ動力を伝達するための作動機構と、
前記走行装置と前記作動機構との少なくとも一方を回転駆動させるモータと、
前記モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリからの直流電流を交流電流に変換して前記モータへ供給するインバータと、
前記バッテリと前記インバータとの夫々に通電接続され、前記直流電流を前記インバータに導電する第一導電ケーブルと、
前記インバータと前記モータとの夫々に通電接続され、前記交流電流を前記モータに導電する第二導電ケーブルと、が備えられ、
前記インバータは、前記第一導電ケーブルと通電接続する第一コネクタと、前記直流電流を前記交流電流に変換するインバータモジュールと、前記第二導電ケーブルと通電接続する第二コネクタと、を有し、
前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルとの接続を保持する第一ロック機構が備えられ、
前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルとの接続を保持する第二ロック機構が備えられ
、
前記第一コネクタと前記第二コネクタとの夫々は、前記前車輪と前記後車輪との間において前記前車輪側に位置し、かつ、前記機体の上下方向において前記車軸ユニットと前記バッテリとの間に位置する電動作業車。
【請求項2】
機体と、
前記機体を走行させる走行装置と、
作業装置へ動力を伝達するための作動機構と、
前記走行装置と前記作動機構との少なくとも一方を回転駆動させるモータと、
前記モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリからの直流電流を交流電流に変換して前記モータへ供給するインバータと、
前記バッテリと前記インバータとの夫々に通電接続され、前記直流電流を前記インバータに導電する第一導電ケーブルと、
前記インバータと前記モータとの夫々に通電接続され、前記交流電流を前記モータに導電する第二導電ケーブルと、が備えられ、
前記インバータは、前記第一導電ケーブルと通電接続する第一コネクタと、前記直流電流を前記交流電流に変換するインバータモジュールと、前記第二導電ケーブルと通電接続する第二コネクタと、を有し、
前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルとの接続を保持する第一ロック機構が備えられ、
前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルとの接続を保持する第二ロック機構が備えられ、
前記インバータと前記モータとが前記機体の前後方向に沿って並ぶ状態で配置され、
前記モータは、前記第二導電ケーブルと接続する第三コネクタを有し、
前記第二コネクタと前記第三コネクタとの夫々が、互いに対向する状態、かつ、前記機体の前後方向視において左右に位置ずれする状態で配置され、
前記第二コネクタは、前記機体の前後方向に対して前記第三コネクタの位置する側に傾斜する姿勢となる状態で設けられてい
る電動作業車。
【請求項3】
前記第一ロック機構は、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との一方に備えられ、かつ、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との他方と係合する係合位置と前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との他方と係合しない非係合位置とに亘って回動する第一回動機構と、前記第一回動機構を前記係合位置に保持する保持位置と前記第一回動機構を前記係合位置に保持しない非保持位置とに亘ってスライドする第一スライド機構と、を有し、
前記第二ロック機構は、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との一方に備えられ、かつ、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との他方と係合する係合位置と前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との他方と係合しない非係合位置とに亘って回動する第二回動機構と、前記第二回動機構を前記係合位置に保持する保持位置と前記第二回動機構を前記係合位置に保持しない非保持位置とに亘ってスライドする第二スライド機構と、を有する請求項1
または2に記載の電動作業車。
【請求項4】
前記インバータは、前記第一コネクタから前記インバータモジュールへ前記直流電流を導電するための複数のバスバーを有する第一導電部と、前記インバータモジュールから前記第二コネクタへ前記交流電流を導電するための複数のバスバーを有する第二導電部と、前記第一導電部と前記第二導電部との夫々における前記複数のバスバーの振動を抑える防振部材と、を有する請求項1から3の何れか一項に記載の電動作業車。
【請求項5】
前記防振部材は導電不能な絶縁体で構成されている請求項4に記載の電動作業車。
【請求項6】
前記防振部材に、前記防振部材で前記複数のバスバーを挟持する複数の溝部が形成されている請求項5に記載の電動作業車。
【請求項7】
前記防振部材に、前記複数のバスバーを纏めて挟持する二つの棒状体が備えられている請求項5または6に記載の電動作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示された電動作業車にインバータが備えられ、インバータは、バッテリからの直流電力を交流電力に変換してモータへ供給するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリからインバータを介してモータに電力が供給されると、モータへ大きな電流が流れる。このため、バッテリとインバータとに通電接続される導電ケーブルと、インバータとモータとに通電接続される導電ケーブルと、にも大きな電流が流れる。このことから、これらの導電ケーブルは、インバータに対して脱落しないように、強固に連結される必要がある。
【0005】
本発明の目的は、インバータに対して導電ケーブルをしっかりと通電接続させる電動作業車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動作業車は、機体と、前車輪及び後車輪を有し、前記機体を走行させる走行装置と、前記前車輪を支持する車軸ユニットと、作業装置へ動力を伝達するための作動機構と、前記走行装置と前記作動機構との少なくとも一方を回転駆動させるモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリからの直流電流を交流電流に変換して前記モータへ供給するインバータと、前記バッテリと前記インバータとの夫々に通電接続され、前記直流電流を前記インバータに導電する第一導電ケーブルと、前記インバータと前記モータとの夫々に通電接続され、前記交流電流を前記モータに導電する第二導電ケーブルと、が備えられ、前記インバータは、前記第一導電ケーブルと通電接続する第一コネクタと、前記直流電流を前記交流電流に変換するインバータモジュールと、前記第二導電ケーブルと通電接続する第二コネクタと、を有し、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルとの接続を保持する第一ロック機構が備えられ、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルとの接続を保持する第二ロック機構が備えられ、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの夫々は、前記前車輪と前記後車輪との間において前記前車輪側に位置し、かつ、前記機体の上下方向において前記車軸ユニットと前記バッテリとの間に位置することを特徴とする。
【0007】
本発明によると、第一導電ケーブルの接続口及び第一コネクタがインバータと第一導電ケーブルとの接続箇所であって、第二導電ケーブルの接続口及び第二コネクタがインバータと第二導電ケーブルとの接続箇所である。そして、これらの接続箇所に第一ロック機構または第二ロック機構が備えられているため、第一導電ケーブルと第二導電ケーブルとの夫々は、インバータに対して脱落しないように、強固に連結される。これにより、インバータに対して導電ケーブルをしっかりと通電接続させる電動作業車が実現される。
【0008】
本発明において、前記第一ロック機構は、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との一方に備えられ、かつ、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との他方と係合する係合位置と前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との他方と係合しない非係合位置とに亘って回動する第一回動機構と、前記第一回動機構を前記係合位置に保持する保持位置と前記第一回動機構を前記係合位置に保持しない非保持位置とに亘ってスライドする第一スライド機構と、を有し、前記第二ロック機構は、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との一方に備えられ、かつ、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との他方と係合する係合位置と前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との他方と係合しない非係合位置とに亘って回動する第二回動機構と、前記第二回動機構を前記係合位置に保持する保持位置と前記第二回動機構を前記係合位置に保持しない非保持位置とに亘ってスライドする第二スライド機構と、を有すると好適である。
【0009】
本構成によると、第一回動機構と第二回動機構との夫々が、導電ケーブル(第一導電ケーブルと第二導電ケーブルとを含む)とインバータのコネクタ(第一コネクタと第二コネクタとを含む)とを係合させるように構成されている。第一回動機構と第二回動機構との夫々が係合位置に位置すると、導電ケーブルとインバータのコネクタとの係合状態が保持される。また、第一スライド機構が第一回動機構の係合位置を保持するように構成され、第二スライド機構が第二回動機構の係合位置を保持するように構成されている。このことから、第一ロック機構と第二ロック機構との夫々は二重にロックされる構成となっている。これにより、第一導電ケーブルと第二導電ケーブルとの夫々がインバータに対して脱落する虞が一層回避される。
【0010】
本発明の電動作業車は、機体と、前記機体を走行させる走行装置と、作業装置へ動力を伝達するための作動機構と、前記走行装置と前記作動機構との少なくとも一方を回転駆動させるモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリからの直流電流を交流電流に変換して前記モータへ供給するインバータと、前記バッテリと前記インバータとの夫々に通電接続され、前記直流電流を前記インバータに導電する第一導電ケーブルと、前記インバータと前記モータとの夫々に通電接続され、前記交流電流を前記モータに導電する第二導電ケーブルと、が備えられ、前記インバータは、前記第一導電ケーブルと通電接続する第一コネクタと、前記直流電流を前記交流電流に変換するインバータモジュールと、前記第二導電ケーブルと通電接続する第二コネクタと、を有し、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第一コネクタと前記第一導電ケーブルとの接続を保持する第一ロック機構が備えられ、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルの接続口との少なくとも一方に、前記第二コネクタと前記第二導電ケーブルとの接続を保持する第二ロック機構が備えられ、前記インバータと前記モータとが前記機体の前後方向に沿って並ぶ状態で配置され、前記モータは、前記第二導電ケーブルと接続する第三コネクタを有し、前記第二コネクタと前記第三コネクタとの夫々が、互いに対向する状態、かつ、前記機体の前後方向視において左右に位置ずれする状態で配置され、前記第二コネクタは、前記機体の前後方向に対して前記第三コネクタの位置する側に傾斜する姿勢となる状態で設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によると、第一導電ケーブルの接続口及び第一コネクタがインバータと第一導電ケーブルとの接続箇所であって、第二導電ケーブルの接続口及び第二コネクタがインバータと第二導電ケーブルとの接続箇所である。そして、これらの接続箇所に第一ロック機構または第二ロック機構が備えられているため、第一導電ケーブルと第二導電ケーブルとの夫々は、インバータに対して脱落しないように、強固に連結される。また、本構成によって、第二コネクタと第三コネクタとが厳密に位置合わせされていなくても、第二導電ケーブルがインバータとモータとに接続され易くなる。これにより、インバータに対して導電ケーブルをしっかりと通電接続させる電動作業車が実現される。
【0012】
本発明において、前記インバータは、前記第一コネクタから前記インバータモジュールへ前記直流電流を導電するための複数のバスバーを有する第一導電部と、前記インバータモジュールから前記第二コネクタへ前記交流電流を導電するための複数のバスバーを有する第二導電部と、前記第一導電部と前記第二導電部との夫々における前記複数のバスバーの振動を抑える防振部材と、を有すると好適である。
【0013】
例えば、第一導電部と第二導電部との夫々におけるバスバーにおいて共振が発生すると、バスバーの長手方向における中央領域が両端部よりも大きく振動し、ボルトの緩み等の原因となる恐れがある。本構成によると、第一導電部と第二導電部との夫々に防振部材が配置されている。このため、第一導電部と第二導電部との夫々におけるバスバーにおいて共振が発生する場合があっても、バスバーが余計に大きく振動する虞が回避される。
【0014】
本発明において、前記防振部材は導電不能な絶縁体で構成されていると好適である。
【0015】
本構成によって、第一導電部と第二導電部との夫々に防振部材が容易に配置される。
【0016】
本発明において、前記防振部材に、前記防振部材で前記複数のバスバーを挟持する複数の溝部が形成されていると好適である。
【0017】
本構成によって、複数のバスバーが防振部材によって強固に支持され、バスバーの振動が抑制される。
【0018】
本発明において、前記防振部材に、前記複数のバスバーを纏めて挟持する二つの棒状体が備えられていると好適である。
【0019】
本構成によって、複数のバスバーが二つの棒状体によって強固に支持され、バスバーの振動が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】機体フレームを断面で示し、インバータ周囲の配線を示す図である。
【
図5】機体フレームを断面で示し、インバータ周囲の配線を示す図である。
【
図6】インバータの内部及びインバータの周囲を平面視で示す図である。
【
図7】インバータに対する配線のロック機構を示す図である。
【
図8】インバータに対する配線のロック機構を示す図である。
【
図9】インバータに対する配線のロック機構を示す図である。
【
図10】第一導電部に対する防振部材を示す図である。
【
図11】第二導電部に対する防振部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0022】
〔トラクタの全体構成〕
以下では、本実施形態のトラクタについて説明する。
図1に示すように、トラクタは、左右の前車輪10、左右の後車輪11、カバー部材12を備えている。
【0023】
また、トラクタは、機体フレーム2及び運転部3を備えている。機体フレーム2は、左右の前車輪10及び左右の後車輪11に支持されている。
【0024】
カバー部材12は、機体前部に配置されている。そして、運転部3は、カバー部材12の後方に設けられている。言い換えれば、カバー部材12は、運転部3の前方に配置されている。
【0025】
運転部3は、保護フレーム30、運転座席31、ステアリングホイール32を有している。オペレータは、運転座席31に着座可能である。これにより、オペレータは、運転部3に搭乗可能である。ステアリングホイール32の操作によって、左右の前車輪10は操向操作される。オペレータは、運転部3において、各種の運転操作を行うことができる。
【0026】
トラクタは、走行用バッテリ4を備えている。また、カバー部材12は、機体左右方向に沿う開閉軸芯Q周りに揺動可能に構成されている。これにより、カバー部材12は、開閉可能に構成されている。カバー部材12が閉状態であるとき、走行用バッテリ4は、カバー部材12に覆われている。
【0027】
図2に示すように、トラクタは、インバータ14及びモータMを備えている。走行用バッテリ4は、インバータ14へ電力を供給する。インバータ14は、走行用バッテリ4からの直流電力を交流電力に変換してモータMへ供給する。そして、モータMは、インバータ14から供給される交流電力により駆動する。
【0028】
図2及び
図3に示すように、トラクタは、静油圧式無段変速機15及びトランスミッション16を備えている。
図3に示すように、静油圧式無段変速機15は、油圧ポンプ15a及び油圧モータ15bを有している。
【0029】
油圧ポンプ15aは、モータMからの回転動力により駆動する。油圧ポンプ15aが駆動することにより、油圧モータ15bから回転動力が出力される。尚、静油圧式無段変速機15は、油圧ポンプ15aと油圧モータ15bとの間で回転動力が変速されるように構成されている。また、静油圧式無段変速機15は、変速比を無段階に変更可能に構成されている。
【0030】
油圧モータ15bから出力された回転動力は、トランスミッション16に伝達される。トランスミッション16に伝達された回転動力は、トランスミッション16の有するギヤ式変速機構によって変速され、左右の前車輪10及び左右の後車輪11へ分配される。これにより、左右の前車輪10及び左右の後車輪11が駆動する。
【0031】
また、
図2及び
図3に示すように、トラクタは、ミッドPTO軸17及びリヤPTO軸18を備えている。モータMから出力された回転動力は、油圧ポンプ15a、ミッドPTO軸17、リヤPTO軸18へ分配される。これにより、ミッドPTO軸17及びリヤPTO軸18が回転する。
【0032】
ミッドPTO軸17またはリヤPTO軸18に作業装置が接続されていれば、ミッドPTO軸17またはリヤPTO軸18の回転動力により、作業装置が駆動することとなる。例えば、
図2に示すように、本実施形態では、ミッドPTO軸17に草刈装置19が接続されている。ミッドPTO軸17の回転動力により、草刈装置19が駆動する。
【0033】
ミッドPTO軸17及びリヤPTO軸18は、本発明の『作動機構』に相当する。草刈装置19は、本発明の『作業装置』に相当する。左右の前車輪10及び左右の後車輪11は、本発明の『走行装置』に相当する。
【0034】
〔インバータ及びインバータ周辺の配線について〕
本実施形態のインバータ14及び周辺配線を、
図4~
図6に基づいて説明する。インバータ14は、走行用バッテリ4からの直流電流を交流電流に変換してモータMへ供給する。
【0035】
図6に示すように、インバータ14にコンデンサ41とインバータモジュール42とが備えられている。コンデンサ41とインバータモジュール42とは通電接続されている。インバータモジュール42は、走行用バッテリ4からの直流電流を交流電流に変換する回路本体であって、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。コンデンサ41は、インバータモジュール42に対する供給電圧を一定に保持する。インバータ14はケース14Aを有し、コンデンサ41及びインバータモジュール42はケース14Aに収容されている。ケース14Aはアルミニウムのダイカストによって作られている。
【0036】
走行用バッテリ4とインバータ14とは電源ケーブル20によって通電接続されている。電源ケーブル20に直流電流が通電する。
図4及び
図6に示すように、インバータ14に入力コネクタ14Bが備えられ、入力コネクタ14Bはケース14Aの前面部よりも前側に突出するとともに電源ケーブル20の接続口20Aと通電接続する。
【0037】
図4及び
図5に示すように、インバータ14とモータMとは給電ケーブル21によって通電接続されている。給電ケーブル21に三相交流電流が通電する。換言すると、給電ケーブル21は、インバータ14とモータMとの夫々に通電接続され、交流電流をモータMに導電する。インバータ14に出力コネクタ14Cが備えられ、出力コネクタ14Cはケース14Aの底面部よりも下側に突出するとともに給電ケーブル21の接続口21Aと通電接続する。モータMは受電コネクタ22を有し、受電コネクタ22は給電ケーブル21の接続口21Bと通電接続する。
【0038】
また、
図6に示すように、インバータ14は、第一導電部43と第二導電部44とを有する。第一導電部43は、入力コネクタ14Bからコンデンサ41へ直流電流を導電するための二つのバスバー43A,43Bを有する。第二導電部44は、インバータモジュール42から出力コネクタ14Cへ交流電流を導電するための三つのバスバー44A,44B,44Cを有する。第二導電部44における三つのバスバー44A,44B,44Cの夫々に、U,V,Wの三相交流電流が通電する。三つのバスバー44A,44B,44Cの長手方向における中央部分に、クランプ式の電流センサ47が配置されている。
【0039】
このように、インバータ14は、電源ケーブル20と通電接続する入力コネクタ14Bと、直流電流を交流電流に変換するインバータモジュール42と、給電ケーブル21と通電接続する出力コネクタ14Cと、を有する。
【0040】
入力コネクタ14Bは、本発明の『第一コネクタ』に相当する。出力コネクタ14Cは、本発明の『第二コネクタ』に相当する。受電コネクタ22は、本発明の『第三コネクタ』に相当する。電源ケーブル20は、本発明の『第一導電ケーブル』に相当する。給電ケーブル21は、本発明の『第二導電ケーブル』に相当する。
【0041】
図4及び
図5に示すように、機体フレーム2は、左右の前後フレーム2Aと横フレーム2Bとを有する。左右の前後フレーム2Aは機体の前後方向に沿って延び、横フレーム2Bは左右の前後フレーム2A同士を繋ぐ。横フレーム2Bは、左右の前後フレーム2Aの下部において左右の前後フレーム2Aの夫々と連結し、かつ、平面視においてインバータ14の前端部の位置する領域とモータMの前端部の位置する領域とに亘って前後に延びる。
【0042】
横フレーム2Bに車軸ユニット10Fが連結され、車軸ユニット10Fは機体の左右に延びる。車軸ユニット10Fの左右両端部に前車輪10が回転可能に支持されている。また、トランスミッション16と車軸ユニット10Fとにプロペラシャフト26が連結され、プロペラシャフト26は横フレーム2Bの下方において機体の前後方向に延びる。
【0043】
インバータ14とモータMとが前後方向において互いに隣り合う状態で配置されている。換言すると、インバータ14とモータMとの夫々は、機体の前後方向に沿って並ぶ状態で配置されている。モータMとインバータ14との夫々は、機体の前後方向に沿って並ぶ状態、かつ、左右の前後フレーム2Aの間に位置する状態で左右の前後フレーム2Aに支持されている。インバータ14はモータMの前方に位置する。
【0044】
出力コネクタ14Cと受電コネクタ22との夫々が互いに対向する状態で配置されている。出力コネクタ14Cは、ケース14Aのうち、モータMの位置する側と反対側の領域に位置する状態で設けられている。給電ケーブル21は、横フレーム2Bよりも上側に位置し、左右の前後フレーム2Aの間の空間に収容されている。つまり、給電ケーブル21は、左右の前後フレーム2Aと横フレーム2Bとケース14Aの底面部とによって囲まれた空間内を前後に延ばされている。これにより、出力コネクタ14Cと給電ケーブル21が異物と接触する虞が回避され、また出力コネクタ14Cと給電ケーブル21が異物と接触することにより外れる虞を軽減できる。
【0045】
図5に示すように、接続口21Bと受電コネクタ22との夫々の左右方向の中心を示す線L11と、接続口21Aと出力コネクタ14Cとの夫々の左右方向の中心を示す線L12と、が左右に位置ずれする。つまり、出力コネクタ14Cと受電コネクタ22との夫々が、互いに対向する状態、かつ、機体の前後方向視において左右に位置ずれする状態で配置されている。このため、出力コネクタ14Cは、機体の前後方向に対して受電コネクタ22の位置する側に傾斜する姿勢となる状態で設けられている。
【0046】
図6に示すように、第二導電部44における三つのバスバー44A,44B,44Cは、線L13上に並ぶように、等間隔または略等間隔に配置されている。線L13は機体の横方向に対して傾斜する。これにより、出力コネクタ14Cを受電コネクタ22の位置する側に傾斜させる構成が可能となる。
【0047】
走行用バッテリ4は、インバータ14の真上に位置する状態で、左右の前後フレーム2Aに載置支持されている。具体的には、
図4~
図6に示すように、左右の前後フレーム2Aの夫々の上端部に左右夫々の支持面部23が形成されている。左右の支持面部23に載置台フレーム24が載置され、載置台フレーム24に走行用バッテリ4が載置される。
【0048】
左右の支持面部23は左右の前後フレーム2Aの夫々の上端部において機体の横方向に延出する。尚、
図4及び
図5に示すように、左右の支持面部23の夫々が左右の前後フレーム2Aに対して撓まないように、支持面部23と前後フレーム2Aとに亘って三角リブ27A,27B,27C,27Dが介在し、支持面部23は三角リブ27A,27B,27C,27Dによって補強されている。インバータ14の底部と支持面部23とがボルト連結されている。このことから、インバータ14は、左右の前後フレーム2Aに着脱可能に支持されている。
【0049】
載置台フレーム24は左右の支持面部23の夫々とボルト連結されている。
図4~
図6に示すように、載置台フレーム24は、左右の支持面部23に立設されるC型鋼の縦フレーム24Aと、左右の縦フレーム24Aの上端部において機体の前後方向に延びる左右のアングル鋼24Bと、機体の前後方向に延びる左右のアングル鋼24B同士を繋ぐ横アングル鋼(不図示)と、を溶接によって組み合わせた部材である。載置台フレーム24は機体の前後方向視においてC字型に形成されている。載置台フレーム24は、インバータ14を上方及び左右側方から覆う。
【0050】
アングル鋼24Bの上部における左右両側部と、連結プレート25の下部と、がボルト連結されている。また、走行用バッテリ4の下部における左右両側部と、連結プレート25の上部と、がボルト連結されている。これにより、インバータ14と載置台フレーム24とが連結プレート25を介して連結されている。
【0051】
走行用バッテリ4とインバータ14との夫々が、上下方向において互いに隣り合う状態で配置されている。このように、出力コネクタ14Cは、ケース14Aのうち、走行用バッテリ4の位置する側と反対側の面部から反対側に突出する状態で設けられている。
【0052】
〔インバータに対する配線のロック機構について〕
本実施形態では、電源ケーブル20の接続口20Aと、給電ケーブル21の接続口21Aと、の夫々に、ロック機構として回動部材35及びスライド部材36が備えられている。回動部材35に円弧状の長孔35hが形成されている。長孔35hに突起係止部37が入り込んでいる。突起係止部37は、インバータ14における入力コネクタ14Bと出力コネクタ14Cとの夫々に形成され、コネクタ本体から外側に突起する。
【0053】
電源ケーブル20の接続口20Aにおける回動部材35及びスライド部材36は、本発明の『第一ロック機構』に相当し、給電ケーブル21の接続口21Aにおける回動部材35及びスライド部材36は、本発明の『第二ロック機構』に相当する。電源ケーブル20の接続口20Aにおいて、回動部材35は本発明の『第一回動機構』に相当し、スライド部材36は『第一スライド機構』に相当する。給電ケーブル21の接続口21Aにおいて、回動部材35は本発明の『第二回動機構』に相当し、スライド部材36は『第二スライド機構』に相当する。
【0054】
図7及び
図8に示すように、回動部材35は軸芯X回りに回動可能に構成されている。
図7は、接続口20Aが入力コネクタ14Bと係合しない状態、または、接続口21Aが出力コネクタ14Cと係合しない状態を示している。このときの回動部材35の状態を『非係合位置』と称する。回動部材35が非係合位置に位置する状態で、突起係止部37は長孔35hから抜けることが可能である。
【0055】
図8は、接続口20Aが入力コネクタ14Bと係合する状態、または、接続口21Aが出力コネクタ14Cと係合する状態を示している。このときの回動部材35の状態を『係合位置』と称する。作業者が回動部材35を
図7における矢印の方向に回動させると、回動部材35は非係合位置から係合位置に切り換えられる。
【0056】
長孔35hの一方側端部は、長孔35hの他方側端部よりも軸芯Xに近付くように形成されている。長孔35hは、当該一方側端部の位置する側ほど軸芯Xに近付くように形成されている。このため、回動部材35が係合位置側に回動すると、突起係止部37が当該一方側端部へ向けて長孔35hの内部をスライドし、接続口20Aと入力コネクタ14Bと(または接続口21Aと出力コネクタ14Cと)が接近して強固に連結される。
【0057】
作業者が回動部材35を
図7における矢印と反対の方向に回動させると、回動部材35は係合位置から非係合位置に切り換えられる。このとき、回動部材35が非係合位置側に回動すると、突起係止部37が他方側端部へ向けて長孔35hの内部をスライドし、接続口20Aと入力コネクタ14Bと(または接続口21Aと出力コネクタ14Cと)が離間する。そして、回動部材35が非係合位置に位置する状態で、突起係止部37が長孔35hから抜け出すと、接続口20Aと入力コネクタ14Bと(または接続口21Aと出力コネクタ14Cと)の連結が解除される。
【0058】
このように、回動部材35は、入力コネクタ14Bと係合する係合位置と入力コネクタ14Bと係合しない非係合位置とに亘って回動するように構成されている。
【0059】
スライド部材36は、回動部材35を係合位置に保持する保持位置と回動部材35を係合位置に保持しない非保持位置とに亘ってスライドするように構成されている。
図9に示すように、作業者がスライド部材36を
図9に示す矢印の方向に向けてスライドさせると、回動部材35とスライド部材36とが係合し、回動部材35は係合位置を保持したまま回動不能となる。このときのスライド部材36の位置が保持位置である。
【0060】
また、作業者がスライド部材36を
図9に示す矢印と反対の方向に向けてスライドさせると、回動部材35とスライド部材36との係合が解除され、回動部材35は非係合位置へ回動可能となる。このときのスライド部材36の位置が非保持位置である。
【0061】
〔インバータにおけるバスバーの防振構造について〕
上述したように、インバータ14は、第一導電部43と第二導電部44とを有する。第一導電部43は、入力コネクタ14Bからコンデンサ41へ直流電流を導電するための二つのバスバー43A,43Bを有する。第二導電部44は、インバータモジュール42から出力コネクタ14Cへ交流電流を導電するための三つのバスバー44A,44B,44Cを有する。バスバー43A,43B,44A,44B,44Cの夫々は長尺状の金属平板で構成されている。バスバー43A,43B,44A,44B,44Cの夫々の長手方向における両端部はボルトで固定されている。
【0062】
図6及び
図10に示すように、第一導電部43におけるバスバー43A,43Bの夫々は、入力コネクタ14Bとコンデンサ41の端子41A,41Bとの夫々にボルト連結されている。
図6及び
図11に示すように、第二導電部44におけるバスバー44A,44B,44Cの夫々は、出力コネクタ14Cとインバータモジュール42との夫々にボルト連結されている。
【0063】
入力コネクタ14Bと出力コネクタ14Cとの夫々は、ケース14Aの外面部分よりも外側へ突出する。このため、振動が発生すると、入力コネクタ14Bと出力コネクタ14Cとの夫々の振動はケース14Aの振動よりも大きくなりがちとなる場合が考えられる。この場合、入力コネクタ14Bの振動がバスバー43A,43Bに伝達し、出力コネクタ14Cの振動がバスバー44A,44B,44Cに伝達する。
【0064】
バスバー43A,43B,44A,44B,44Cの夫々は、長尺状の金属平板で構成されている。このため、例えばバスバー43A,43B,44A,44B,44Cの夫々に共振が発生すると、この金属板の長手方向における中央部分が、両端部におけるボルト連結部分よりも余計に大きく振動する虞が考えられる。そして、この振動に起因して、当該ボルト連結部分のボルトが緩む虞が考えられる。このような不都合を回避するため、本実施形態では、
図6,
図11及び
図12に示すように、防振部材45,46が備えられている。
【0065】
防振部材45は第一導電部43におけるバスバー43A,43Bの振動を抑え、防振部材46は第二導電部44におけるバスバー44A,44B,44Cの振動を抑える。防振部材45,46の夫々は、導電不能な絶縁体で構成されている。
【0066】
図11に示すように、防振部材45に二つの溝部45i,45jが形成されている。溝部45i,45jの夫々は、バスバー43A,43Bの厚み分に対応する溝幅に形成され、かつ、バスバー43A,43Bの幅分(短手方向の長さ)よりも深い溝に形成されている。溝部45iにバスバー43Aの長手方向における中央部分が挿入され、溝部45jにバスバー43Bの長手方向における中央部分が挿入されている。防振部材45はケース14Aにボルト固定されている。
【0067】
バスバー43A,43Bの長手方向における両端部は溝部45i,45jよりも外側に位置する。つまり、バスバー43A,43Bの両端部が入力コネクタ14Bと端子41A,41Bとの夫々と接続され、バスバー43A,43Bの長手方向における中央部分が溝部45i,45jの夫々において防振部材45によって挟持される。これにより、バスバー43A,43Bの長手方向における中央部分が両端部よりも余計に大きく振動する虞が回避される。その結果、バスバー43A,43Bの両端部において締結されたボルトが緩む虞が大きく軽減される。
【0068】
本実施形態では、
図12に示すように、防振部材46に、バスバー44A,44B,44Cを纏めて挟持可能な二つの棒状体46A,46Bが備えられている。二つの棒状体46A,46Bが、長手方向の中央領域において、バスバー44A,44B,44Cの夫々の長手方向における中央部分を挟持する。そして、二つの棒状体46A,46Bの長手方向の両端部がボルト連結されている。これにより、バスバー44A,44B,44Cの長手方向における中央部分が両端部よりも余計に大きく振動する虞が回避される。その結果、バスバー44A,44B,44Cの両端部において締結されたボルトが緩む虞が大きく軽減される。
【0069】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0070】
(1)上述の実施形態では、モータMは走行装置と作動機構との両方を回転駆動させるが、この実施形態に限定されない。モータMは、走行装置と作動機構との一方を回転駆動させる構成であっても良い。
【0071】
(2)上述の実施形態では、第一ロック機構として、電源ケーブル20の接続口20Aにおける回動部材35及びスライド部材36が備えられているが、この実施形態に限定されない。例えば、第一ロック機構としての回動部材35及びスライド部材36は、入力コネクタ14Bに備えられても良い。つまり、入力コネクタ14Bと電源ケーブル20の接続口20Aとの少なくとも一方に、入力コネクタ14Bと電源ケーブル20との接続を保持する第一ロック機構が備えられれば良い。
【0072】
(3)上述の実施形態では、第二ロック機構として、給電ケーブル21の接続口21Aにおける回動部材35及びスライド部材36が備えられているが、この実施形態に限定されない。例えば、第二ロック機構としての回動部材35及びスライド部材36は、出力コネクタ14Cに備えられても良い。つまり、出力コネクタ14Cと給電ケーブル21の接続口21Aとの少なくとも一方に、出力コネクタ14Cと給電ケーブル21との接続を保持する第二ロック機構が備えられれば良い。
【0073】
(4)上述の実施形態では、インバータ14とモータMとが前後方向に沿って並ぶ状態で配置されているが、この実施形態に限定されない。例えば、インバータ14とモータMとが上下方向に沿って並ぶ状態で配置されても良いし、インバータ14とモータMとが左右方向に沿って並ぶ状態で配置されても良い。また、インバータ14とモータMとが互いに隣っていなくても良い。
【0074】
(5)上述の実施形態では、出力コネクタ14Cと受電コネクタ22との夫々が、機体の前後方向視において左右に位置ずれする状態で配置されているが、この実施形態に限定されない。例えば、出力コネクタ14Cと受電コネクタ22との夫々が、機体の前後方向視において上下に位置ずれする状態で配置されても良い。また、出力コネクタ14Cと受電コネクタ22との夫々が、機体の前後方向視において位置ずれしない構成であっても良い。
【0075】
(6)二つの棒状体46A,46Bが第一導電部43におけるバスバー43A,43Bを挟持する構成であっても良い。つまり、防振部材46に、複数のバスバーを纏めて挟持する二つの棒状体46A,46Bが備えられていれば良い。
【0076】
(7)また、防振部材45に、溝部45i,45j以外の溝部が形成されても良い。そして、第二導電部44における三つのバスバー44A,44B,44Cが、防振部材45における複数の溝部に挿入され、防振部材45によって挟持される構成であっても良い。つまり、防振部材45に、防振部材45で複数のバスバーを挟持する複数の溝部が形成されていれば良い。
【0077】
(8)上述の実施形態では、作業装置として草刈装置19が備えられているが、この実施形態に限定されない。例えば、作業装置は、カルティベータ、播種装置、プランタ、施肥装置、切葉装置、散布装置、畝立装置、ベーラー、ロータリーレーキ、及び、テッダー等であっても良い。
【0078】
(9)上述の実施形態では、電動作業車として電動トラクタが示されたが、この実施形態に限定されない。例えば、電動作業車は、電動田植機、電動散布機、電動スプレーヤー、電動コンバイン、電動草刈機、電動ホイールローダ、及び、電動バックホー等であっても良い。
【0079】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、バッテリからの直流電流を交流電流に変換してモータへ供給するインバータを備えた電動作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0081】
4 :走行用バッテリ(バッテリ)
10 :前車輪(走行装置)
11 :後車輪(走行装置)
14 :インバータ
14B :入力コネクタ(第一コネクタ)
14C :出力コネクタ(第二コネクタ)
17 :ミッドPTO軸(作動機構)
18 :リヤPTO軸(作動機構)
19 :草刈装置(作業装置)
20 :電源ケーブル(第一導電ケーブル)
20A :接続口
21 :給電ケーブル(第二導電ケーブル)
21A :接続口
22 :受電コネクタ(第三コネクタ)
35 :回動部材(第一回動機構、第二回動機構、第一ロック機構、第二ロック機構
)
36 :スライド部材(第一スライド機構、第二スライド機構、第一ロック機構、第
二ロック機構)
42 :インバータモジュール
43 :第一導電部
43A :バスバー
43B :バスバー
44 :第二導電部
44A :バスバー
44B :バスバー
44C :バスバー
45 :防振部材
45i :溝部
45j :溝部
46 :防振部材
46A :棒状体
46B :棒状体
M :モータ