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<図1A>
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図1A
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図1B
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図2A
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図2B
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図3
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図4A
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図4B
  • 特許-中空ペレットおよび浸漬方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】中空ペレットおよび浸漬方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/12 20060101AFI20250307BHJP
   B29B 9/16 20060101ALI20250307BHJP
   C08J 3/12 20060101ALI20250307BHJP
【FI】
B29B9/12
B29B9/16
C08J3/12 Z CER
C08J3/12 CEZ
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021555801
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2019080379
(87)【国際公開番号】W WO2020198920
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ウェンイー
(72)【発明者】
【氏名】ホルストマン、ニコラス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェンゼル、ジェフリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コウ、チエン
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヤーピン
(72)【発明者】
【氏名】エッセガー、モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユンフォン
(72)【発明者】
【氏名】コン、ヨンファ
(72)【発明者】
【氏名】マー、ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】コーゲン、ジェフリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ホン
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-509201(JP,A)
【文献】特開平04-327909(JP,A)
【文献】特開平01-207334(JP,A)
【文献】特開2011-148178(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161273(WO,A1)
【文献】特開2010-031196(JP,A)
【文献】特開平04-029806(JP,A)
【文献】特表2007-500596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/12 - 9/16
C08J 3/12 - 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットであって、
第1の端部および対向する第2の端部を有する本体であって、ポリマー材料から構成され、長さおよび直径(本体直径)を有し、前記長さが1.0ミリメートル(mm1.8mmである、本体と、
直径(チャネル直径)を有するチャネルであって、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延伸し、前記チャル直径が0.1mm~0.6mmである、チャネルと、を含み、
前記ペレットは、0.05~0.25のチャネル直径対本体直径比を有し、
各端は、それぞれのオリフィスとそれぞれの面を有し、
前記本体は、シェルおよび外表面を含む体表面を有し、前記体表面は、シェル表面積および外表面積を含む体表面積を有し、
前記チャネルは、チャネル表面積を含むチャネル表面を有し、
前記ペレットは、0.03~0.15のチャネル表面積対体表面積比を有する、ペレット。
【請求項2】
前記本体直径が、1.0mm~4.0mmである、請求項に記載のペレット。
【請求項3】
前記チャネル直径が、0.15mm~0.55mmである、請求項1~のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項4】
前記本体に添加剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項5】
前記チャネル内に前記添加剤を含み、前記添加剤は液体状態にあり前記チャネル表面を通じて前記本体に吸収されている、請求項に記載のペレット。
【請求項6】
前記本体が、ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ワックス、ホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、ゴム、芳香族ビニルポリマー、脂肪族ビニルポリマー、芳香族アルケニルポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料から構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項7】
プロセスであって、
本体を有するペレットを提供することであって、前記本体は第1の端部および対向する第2の端部を有し、前記本体はポリマー材料から構成され、前記本体は1.0ミリメートル(mm1.8mmの長さを有し、前記ペレットは、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延伸するチャネルを有し、前記チャルが0.1mm~0.6mmの直径を有し、各端部がそれぞれのオリフィスおよびそれぞれの面を有し、前記本体がシェルおよび外表面を含む体表面を有し、前記体表面は、シェル表面積および外表面積を含む体表面積を有し、前記チャネルは、チャネル表面積を含むチャネル表面を有し、前記ペレットは、0.03~0.15のチャネル表面積対体表面積比を有し、前記本体が長さおよび直径(本体直径)を有し、前記チャネルがチャネル直径を有し、前記ペレットが、0.05~0.25のチャネル直径対本体直径比を有する、提供することと、
ペレットを添加剤に浸漬することであって、前記添加剤は液体状態にあり、前記添加剤は、シラン、有機過酸化物、イソシアヌレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を有する、浸漬することと、
前記本体内に前記材料を含む装填されたペレットを形成することとを含む、プロセス。
【請求項8】
前記装填されたペレットが添加剤容量を有し、前記プロセスが、周囲温度で、6時間以下の時間で、浸漬により、前記添加剤容量の少なくとも95%を得ることを含む、請求項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記浸漬することが、前記添加剤の一部前記チャネル表面を通って前記本体に吸収させることを含む、請求項またはに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリマー樹脂のペレットを、添加剤をポリマーペレットに注ぐか、さもなければ組み合わせるために、液体添加剤に浸してからさらなる処理を行うことが知られている。たとえば、電源ケーブル用のプラスチックコーティングの製造では、オレフィン系のポリマーペレットを液体過酸化物に浸してから、他の成分と溶融混合または溶融押出しすることがよくある。
【0002】
残念ながら、オレフィン系のポリマーペレットの添加剤浸漬にはいくつかの欠点がある。多くのオレフィン系のポリマーペレットは、ペレットに十分な量の添加剤を組み込むために、長い浸漬時間(10時間以上)を必要とする。このような長い浸漬時間は、浸漬装置に資本コストが追加され、生産スループット率を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多孔質ペレットの使用が、オレフィン系のポリマーペレットの浸漬時間を短縮する方法として知られている。しかしながら、多孔質オレフィン系のポリマーペレットは、製造するのに費用がかかり、産業におけるそれらの実際の使用を制限する。多孔質オレフィン系のポリマーペレットも、溶融混合または押出し時に不均一性の問題を示す。その結果、当技術分野は、下流の製造工程に悪影響を与えることなく添加剤の浸漬時間を短縮することができるポリマー樹脂ペレットの必要性を認識している。
【0004】
当技術分野はさらに、表面積が増加したペレットの必要性を認識している。
【0005】
本開示は、ペレットを提供する。一実施形態では、ペレットは、第1の端部および対向する第2の端部を有する本体を含む。本体は、ポリマー材料から構成される。本体は長さと直径(本体の直径)を有する。直径(チャネル直径)を有するチャネルは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延伸する。ペレットは、0.05~0.45のチャネル直径対本体直径比を有する。
【0006】
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態では、プロセスは、本体を有するペレットを提供することを含み、本体は、第1の端部および対向する第2の端部を有し、本体は、ポリマー材料から構成され、ペレットは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延伸するチャネルを有する。プロセスは、ペレットを添加剤に浸すことを含む。添加剤は液体状態にある。添加剤は、シラン、有機過酸化物、イソシアヌレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を有する。プロセスは、本体内に材料を有する装填されたペレットを形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、本開示の一実施形態による、ペレット本体を通って延伸するチャネルを有するペレットの斜視図である。
図1B図1Bは、本開示の実施形態による、中空ペレットの斜視図である。
図2A図2Aは、図1Bの線2A~2Aに沿って見たペレットの断面図である。
図2B図2Bは、図1Bの線2B~2Bに沿って見たペレットの断面図である。
図3図3は、図1Bのペレットの分解図である。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による閉じたペレットの斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aの線4B~4Bに沿って見た閉じたペレットの断面図である。
図5図5は、添加剤容量のパーセント割合対浸漬時間のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
米国特許実務の目的のため、参照されるいかなる特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるあらゆる定義と矛盾しない程度に)および当該技術分野における一般的知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(またはその同等の米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0009】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値からの、それらを含む全ての値を含む。明示的な値(例えば、1、または2、または3~5、または6、または7まで)を含む範囲について、任意の2つの明示的な値の間のあらゆる下位範囲(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6)なども含まれる。
【0010】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びこれらの派生語は、任意の追加の成分、ステップ、又は手順が、本明細書で具体的に開示されているかに関わらず、それらの存在を除外するよう意図されない。疑義が生じないようにするために、「含む」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、相反する記載がない限り、(ポリマーであるか、ポリマーでないかに関わらずに)、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物を含むことができる。対照的に、「本質的に~からなる」という用語は、実施可能性に必須ではないものを除いて、あらゆる後続の列挙の範囲から、他のいかなる成分、ステップ、または手順も除外する。「からなる」という用語は、明確に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を除外する。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙された構成部分を個別に、並びに任意の組合せで指す。単数形の使用は、複数形の使用を含み、その逆も同じである。
【0011】
相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセント割合は、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0012】
「混合」、「ポリマー混合」および同様の用語は、2つ以上のポリマーの組み合わせを指す。そのような混合は、混和性であっても、そうでなくてもよい。そのような組み合わせは、相分離しても、しなくてもよい。そのような組み合わせは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当該技術分野で知られている任意の他の方法から決定される1つ以上のドメイン構成を含んでも、含まなくてもよい。
【0013】
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合エチレンモノマーを含有し、任意選択により、少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、互換的に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例は、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖ポリエチレンを含む。直鎖ポリエチレンの非限定的な例は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系共重合体(EPE)、エチレン/α-オレフィンマルチブロック共重合体(オレフィンブロック共重合体(OBC)の別称でも知られる)、シングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に直鎖状又は直鎖状のプラストマー/エラストマー、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。一般に、ポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒などの不均質触媒系、第4族遷移金属およびメタロセンなどのリガンド構造を含む均質触媒系、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロバレントアリールオキシエーテル、ホスフィンイミン、およびその他などを使用して、気相、流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶液プロセス反応器で生成することができる。不均一触媒および/または均一触媒の組み合わせもまた、単一反応器または二重反応器構成のいずれかにおいても使用され得る。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、その中に重合された芳香族コモノマーを含有しない。
【0014】
「エチレンプラストマー/エラストマー」は、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む、均一短鎖分岐分布を含有する、実質的に直鎖状、または直鎖状のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。エチレンプラストマー/エラストマーは、0.870g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/ccから0.900g/cc、または0.902g/cc、または0.904g/cc、または0.909g/cc、または0.910g/cc、または0.917g/ccの密度を有する。エチレンプラストマー/エラストマーの非限定的な例は、AFFINITY(商標)プラストマーおよびエラストマー(The Dow Chemical Companyから入手可能)、EXACT(商標)プラストマー(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、Tafmer(商標)(Mitsuiから入手可能)、Nexlene(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)、およびLucene(商標)(LG Chem Ltd.で入手可能)を含む。
【0015】
「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)は、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、もしくはC~Cα-オレフィンコモノマー、および0.94g/cc超、もしくは0.945g/cc、もしくは0.95g/cc、もしくは0.955g/cc~0.96g/cc、もしくは0.97g/cc、もしくは0.98g/ccの密度を有するエチレンホモポリマーまたはエチレン/α-オレフィンコポリマーである。HDPEは、単峰性コポリマーまたは多峰性コポリマーである。「単峰性エチレンコポリマー」は、分子量分布を示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において1つの明確なピークを有するエチレン/C~C10α-オレフィンコポリマーである。「多峰性エチレンコポリマー」は、分子量分布を示すGPCにおいて少なくとも2つの明確なピークを有するエチレン/C~C10α-オレフィンコポリマーである。多峰性には、2つのピーク(双峰性)を有するコポリマー、ならびに3つ以上のピークを有するコポリマーが含まれる。HDPEの非限定的な例としては、各々The Dow Chemical Companyから入手可能なDOW(商標)高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ELITE(商標)強化ポリエチレン樹脂、およびCONTINUUM(商標)双峰性ポリエチレン樹脂、LyondellBasellから入手可能なLUPOLEN(商標)、ならびにBorealis、Ineos、およびExxonMobilからのHDPE製品が挙げられる。
【0016】
「インターポリマー」(または、コポリマー)は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されたポリマーである。この総称は、2つの異なるモノマーから調製されたポリマー、および3つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマーなどを指すために通常用いられるコポリマーを含む。
【0017】
「低密度ポリエチレン」(または「LDPE」)は、エチレンホモポリマー、または0.915g/cc~0.940g/ccの密度を有し、幅広いMWDを有する長鎖分岐を含有する少なくとも1つのC~C10α-オレフィン、好ましくはC~Cを含むエチレン/α-オレフィンコポリマーからなる。LDPEは、典型的には、高圧フリーラジカル重合(フリーラジカル開始剤を用いる管状反応器またはオートクレーブ)の方式で生成される。LDPEの非限定的な例としては、MarFlex(商標)(Chevron Phillips)、LUPOLEN(商標)(LyondellBasell)、ならびにBorealis、Ineos、ExxonMobilなどからのLDPE製品が挙げられる。
【0018】
「線状低密度ポリエチレン」(または「LLDPE」)は、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含有する線状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。LLDPEは、従来のLDPEとは対照的に、長鎖分岐があるとしてもわずかであることを特徴とする。LLDPEは、0.910g/cc、または0.915g/cc、または0.920g/cc、または0.925g/cc~0.930g/cc、または0.935g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。LLDPEの非限定的な例としては、各々the Dow Chemical Companyから入手可能なTUFLIN(商標)線状低密度ポリエチレン樹脂およびDOWLEX(商標)ポリエチレン樹脂、ならびにMARLEX(商標)ポリエチレン(Chevron Phillipsから入手可能)が挙げられる。
【0019】
「多成分エチレン系コポリマー」(または「EPE」)は、特許参照の米国特許第6,111,023号、米国特許第5,677,383号、および米国特許第6,984,695号に説明されているように、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む。EPE樹脂は、0.905g/cc、または0.908g/cc、または0.912g/cc、または0.920g/cc~0.926g/cc、または0.929g/cc、または0.940g/cc、または0.962g/ccの密度を有する。EPE樹脂の非限定的な例としては、ELITE(商標)強化ポリエチレンおよびELITE AT(商標)先端技術樹脂(それぞれDow Chemical Companyから入手可能)、SURPASS(商標)ポリエチレン(PE)樹脂(Nova Chemicalsから入手可能)、およびSMART(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)が挙げられる。
【0020】
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意に少なくとも1つのコモノマーを含有し得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーが挙げられる。「オレフィン」および同様の用語は、水素と炭素からなる炭化水素を指し、その分子は、二重結合によって互いに結合された一対の炭素原子を含む。
【0021】
「ポリマー」は、同一の種類または異なる種類であるかにかかわらず、重合モノマーによって調製される化合物であり、重合形態で、ポリマーを成す複数ならびに/または反復「単位」もしくは「構造単位」を提供する。したがって、ポリマーという総称は、1つのタイプのモノマーのみから調製されたポリマーを指すために通常用いられるホモポリマーという用語、および少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために通常用いられるコポリマーという用語を包含する。また、例えば、ランダム、ブロック等の全ての形態のコポリマーも包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、エチレンまたはプロピレンを、それぞれ1種以上の追加の重合可能なα-オレフィンモノマーと重合させることにより調製される、上述のようなコポリマーを示す。ポリマーは、多くの場合、特定されたモノマーまたはモノマーの種類に「基づいて」、特定されたモノマー含有量を「含有している」等、1つ以上の特定されたモノマーから「作成される」ものとして言及されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定されたモノマーの重合残留物を指し、非重合種には言及していないと理解されることに留意されたい。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0022】
「シングルサイト触媒線状低密度ポリエチレン」(または「m-LLDPE」)は、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む、均一短鎖分岐分布を含有する線状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。m-LLDPEは、0.913g/cc、または0.918g/cc、または0.920g/cc~0.925g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。m-LLDPEの非限定的な例としては、EXCEED(商標)メタロセンPE(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、LUFLEXEN(商標)m-LLDPE(LyondellBasellから入手可能)、およびELTEX(商標)PF m-LLDPE(Ineos Olefins&Polymersから入手可能)が挙げられる。
【0023】
「超低密度ポリエチレン」(または「ULDPE」)および「極低密度ポリエチレン」(または「VLDPE」)はそれぞれ、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含有する線状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。ULDPEおよびVLDPEはそれぞれ、0.885g/cc、または0.90g/cc~0.915g/ccの密度を有する。ULDPEおよびVLDPEの非限定的な例としては、各々The Dow Chemical Companyから入手可能なATTANE(商標)ULDPE樹脂およびFLEXOMER(商標)VLDPE樹脂が挙げられる。
【0024】
「溶融混合」は、少なくとも2つの成分が組み合わされるか、そうでなければ一緒に混合され、成分のうちの少なくとも1つが溶融状態にあるプロセスである。溶融混合は、例えば、バッチ混合、押出混合、押出成型などの1つ以上の様々な既知のプロセスによって達成され得る。「溶融混合」組成物は、溶融混合のプロセスを通じて形成された組成物である。
【0025】
「熱可塑性ポリマー」および同様の用語は、加熱すると繰り返し軟化して流動可能になり、室温まで冷却すると硬化状態に戻ることができる直鎖または分岐ポリマーを意味する。熱可塑性ポリマーは、通常、ASTMD638-72に従って測定した場合に68.95MPa(10,000 psi)を超える弾性率を有する。さらに、熱可塑性ポリマーは、軟化状態まで加熱されると、任意の所定の形状の物品に成形または押出され得る。
【0026】
発明の詳細
本開示は、ペレットを提供する。一実施形態では、ペレットは、ポリマー材料から構成される本体を含む。本体は、第1の端部および本体の反対側に位置する第2の端部を有する。本体は、長さおよび直径を含む。本体は、チャネル直径を有するチャネルを有する。チャネルは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延伸する。ペレットは、0.05~0.45のチャネル直径対本体直径比を有する。
【0027】
ペレット
図面、最初に図1Aを参照すると、本開示の複数のペレットが示されている。図1Bは、個々のペレット10を示し、ペレット10は、本体20を含む。本体20は、第1の端部15および第2の端部25を含む。ペレット10はチャネル30を含む。チャネル30は、第1の端部15から第2の端部25まで本体20を通って延伸する。本体20およびそれを通って延伸するチャネル30を有するペレット10は、以後、互換的に「中空ペレット」と呼ばれる。
【0028】
一実施形態では、本体20は円筒形状を有する。本体20は、第1の端部15および第2の端部25を含み、これらの端部は、円形または略円形の形状を有する。第1の端部15および第2の端部25は、本体20の両側に配置されている。対称軸Aは、端部15および25によって形成される円の中心に位置する。ペレット10は、対称軸Aに平行なチャネル30を含む。チャネル30は、円筒形、または略円筒形の形状を有し、本体20の中心に配置されている。チャネル30は、本体20の全長に及んでいる。チャネル30は、第1の端部15から第2の端部25まで延伸する。
【0029】
本体20は、円形、または略円形の断面形状を有する。本体20はまた、円筒形、または略円筒形の形状を有する。本体20の円形の断面形状は、工業規模の生産および/またはペレットがまだ溶融状態にある間のペレットの取り扱い中にペレット10に加えられる力のために、変化(すなわち、圧搾、プレス、または充填)し得ることが理解される。結果として、本体20の断面形状は、形状が円形よりも楕円形である可能性があり、したがって、「断面形状が略円形」の定義となる。
【0030】
本体20およびチャネル30はそれぞれ、それぞれの直径(本体直径40およびチャネル直径45)を有する。本明細書で使用される「直径」という用語は、本体/チャネルの対称軸Aに沿って中心を通って延びる、本体/チャネル表面上の2点間の最大の長さである。換言すれば、ペレット10が(円形ではなく)楕円形である場合、直径は楕円の長軸である。一実施形態では、本体20の形状は、アイスホッケー用パックに似ている。
【0031】
図2Aは、ペレット10の本体直径40およびチャネル直径45を示している。一実施形態では、本体直径40は、0.7ミリメートル(mm)、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmである。さらなる実施形態では、本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmである。一実施形態では、チャネル直径45は、0.10mm、または0.13mm、または0.15mm、または0.18mm~0.3mm、または0.4mm、または0.5mm、または0.6mm、または0.8mmまたは1mm、または1.6mm、または1.8mmである。さらなる実施形態では、チャネル直径45は、0.10~1.8mm、または0.15~1.6mm、または0.18~1mm、または0.18~0.8mm、または0.18~0.6mmである。
【0032】
ペレット10は、チャネル直径対本体直径(CBD)比を有する。本明細書で使用される「チャネル直径対本体直径(または「CBD」)比」という用語は、チャネル直径を本体直径で割ることによって得られる結果を指す(すなわち、CBDはチャネル直径と体の直径の商である)。たとえば、チャネルの直径が2.0mmで、ボディの直径が7.0mmの場合、CBD比は0.29である。一実施形態では、CBD比は、0.03、または0.05、または0.07、または0.11~0.13、または0.15、または0.2、または0.25、または0.3、または0.35、または0.4、または0.45、または0.5である。さらなる実施形態では、CBD比は、0.03~0.5、または0.05~0.45、または0.05~0.25、または0.05~0.15、または0.11~0.15である。
【0033】
図2Bは、本体20の長さ35を示している。一実施形態では、長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmである。さらなる実施形態では、長さ35は、0.4から4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmである。
【0034】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7ミリメートル(mm)、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)チャネル直径45は、0.10mm、または0.13mm、または0.15mm、または0.18mm~0.3mm、または0.4mm、または0.5mm、または0.6mm、または0.8mmまたは1mm、または1.6mm、または1.8mmである。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)チャネル直径45は、0.10~1.8mm、または0.15~1.6mm、または0.18~1mm、または0.18~0.8mm、または0.18~0.6mmである。
【0035】
図1Bに戻り、ペレット10の第1の面55が示されている。第1の面55は、第1の端部15に位置している。第1のオリフィス50は、第1の面55の中心に配置されている。第1のオリフィス50は、形状が円形、または略円形であり、チャネル30に通じている。第1のオリフィス50は、チャネル直径45の関数である面積を有する。第1のオリフィス50の領域は空隙であり、第1のオリフィス50には表面がないことが理解される。第1の面55および第1のオリフィス50は、対称軸Aによって二分された同心円を形成する。第1の面55は、第1のオリフィス50を含まない表面を有する。言い換えれば、第1の面55は、平坦なリングの形状を有する。
【0036】
第2のオリフィス60は、第2の面65の中心に配置されている。第2のオリフィス60は、形状が円形、または略円形であり、チャネル30に通じている。第2のオリフィス60は、チャネル直径45の関数である面積を有する。第2のオリフィス60の領域は空隙であり、第2のオリフィス60には表面がないことが理解される。第2の面65および第2のオリフィス60は、対称軸Aによって二分された同心円を形成する。第2の面65は、第2のオリフィス60を含まない表面を有する。言い換えれば、第2の面65は、平坦なリングの形状を有する。
【0037】
第1の面55は、式(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])という積である「第1の表面積」を有する。第2の面65は、式(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])という積である「第2の表面積」を有する。第1の面55の表面積は、第2の面65の表面積に等しいか、または実質的に等しい。
【0038】
本体20は、「外表面」を含む体面を有する。外表面は、第1の面55および第2の面65を含む。外表面は、第1の面55の表面積と第2の面65の表面積との合計である「外表面積」を有する。外表面積は、式2×(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])という積である。
【0039】
図3はシェル70を示している。シェル70は、対称軸Aに平行な本体20の外面である。シェル70は、円筒形、または略円筒形の形状を有する。シェル70は、「シェル表面」および「シェル表面積」を含み、後者は、式(π×本体直径40×長さ35)という積である。本体20は、シェル表面および外表面を含む「体表面」を有する。体表面は、シェル表面積と外表面積の合計である「体表面積」を有する。一実施形態では、体表面積は、25平方ミリメートル(mm)、または30mm、または32mm、または34mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mmである。さらなる実施形態では、体表面積は、25~50mm、または30~45mm、または35~40mmである。
【0040】
チャネル30は、「チャネル表面積」を含むチャネル表面75を有する。チャネル表面積は、式(π×チャネル直径45×長さ35)という積である。一実施形態では、チャネル表面積は、0.5mm、または1mm、または2mm、または3mm~6mm、7mm、または8mm、または9mm、または10mm、または11mmである。さらなる実施形態では、チャネル表面積は、0.5~11mm、または1~9mm、または1~8mm、または2~8mmである。
【0041】
ペレット10は、体表面積とチャネル表面積の合計である表面積を有する。一実施形態では、ペレットの表面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmである。さらなる実施形態では、ペレット表面積は、15~80mm、または30~60mm、または35~50mmである。
【0042】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7mm、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mmから3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)ペレットの表面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmであり、(iv)CBD比は、0.03、または0.05、または0.07、または0.11~0.13、または0.15、または0.2、または0.25、または0.3、または0.35、または0.4、または0.45、または0.5である。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)ペレットの表面積は、15~80mm、または30~60mm、または35~50mmであり、(iv)CBD比は、0.03~0.5、または0.05~0.45、または0.05~0.25、または0.05~0.15、または0.11~0.15である。
【0043】
本明細書で使用される「標準ペレット」という用語は、チャネルのないペレット(すなわち「固体ペレット」)を指し、それ以外の点では、本開示のペレット10と同一であり、すなわち、標準ペレットはペレット10と同じ本体直径40および同じ本体長さ35を有し、標準ペレットは、ペレット10の本体20と同じポリマー材料でできている。一実施形態では、ペレット10の表面積は、ペレット10にチャネル20が存在するため、標準ペレットの表面積よりも大きい。ペレット表面積対標準ペレット表面積の比率は、「PSP比」と呼ばれる。一実施形態では、PSP比は、1.02、または1.03、または1.05、または1.07~1.09、または1.1、または1.11、または1.12、または1.15、または1.2、または1.4である。さらなる実施形態では、PSP比は、1.02~1.4、または1.05~1.15、または1.05~1.11である。
【0044】
ペレット10は、チャネル表面積対体表面積(CSBS)比を有する。本明細書で使用される「チャネル表面積対体表面積比」(または「CSBS」)という用語は、チャネル表面積を体表面積で割ることによって得られる結果を指す(すなわち、CSBSはチャネル表面積割る体表面積の商である)。たとえば、チャネル表面積が2.0mmで、体表面積が7.0mmの場合、CSBS比は0.29である。一実施形態では、CBD比は0.02、または0.03、または0.06、または0.10、または0.13~0.15、または0.18、または0.21、または0.23、または0.25、または0.3である。さらなる実施形態では、CSBS比は、0.02~0.3、または0.03~0.25、または0.03~0.23、または0.03~0.21、または0.03~0.18である。
【0045】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7mm、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)のペレット面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmであり、(iv)CSBS比は、0.02、または0.03、または0.06、または0.10、または0.13~0.15、または0.18、または0.21、または0.23、または0.25、または0.3である。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)ペレットの表面積は、15から80mm、または30~60mm、または35~50mmであり、(iv)CSBS比は、0.02~0.3、または0.03~0.25、または0.03~0.23、または0.03~0.21、または0.03~0.18である。
【0046】
図1Bは、第1の端部15および第2の端部25が開放端であることを示している。
【0047】
図4A~4Bは、閉じたペレット80を示している。閉じたペレット80は、第1の閉じた端部82、第2の閉じた端部84、およびチャネル30を含む。閉じたペレット80の残りの特徴は、本明細書に記載されるように、ペレット10の特徴と同一である。
【0048】
ボディ20は、ポリマー材料から構成される。一実施形態では、ポリマー材料は、以下の材料から選択される:ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ワックス、ホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、ゴム、芳香族ビニルポリマー、脂肪族ビニルポリマー、芳香族アルケニルポリマー、およびそれらの任意の組み合わせ。さらなる実施形態では、ポリマー材料は、エチレン系ポリマー、オレフィン系ポリマー(すなわち、ポリオレフィン)、有機ポリマー、プロピレン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、ポリマー溶融混合、それらのポリマー混合、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0049】
一実施形態において、本体は、エチレン系ポリマーから構成される。好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーおよびエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーが挙げられる。一実施形態においてアルファ-オレフィンには、C-C20アルファ-オレフィンを含むが、これらに限定されない。さらなる実施形態では、アルファ-オレフィンには、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが含まれる。
【0050】
一実施形態では、本体20のポリマー材料は、芳香族ポリエステル、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、およびそれらの組み合わせである。
【0051】
ポリマー材料は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0052】
一実施形態では、本体20は添加剤を含む。添加剤は本体20に吸収される。一実施形態では、添加剤は体表面に吸着される。さらなる実施形態では、添加剤は、本体20に吸収され、体表面に吸着される。本明細書で使用される「吸収」という用語、およびその派生語(すなわち、「吸収された」)は、添加剤の分子種の、本体20のバルク全体(すなわち、内部)への同化である。本明細書で使用される「吸着」という用語、およびその派生物(すなわち、「吸着された」)は、本体20のバルク内ではなく、体表面での添加剤の分子種の蓄積である。
【0053】
一実施形態では、チャネル30は添加剤を含む。チャネル内の添加剤は液体状態にある。液体添加剤はチャネル30に配置され、液体添加剤はチャネル表面75と直接接触している。液体添加剤は、チャネル表面75に吸着する。一実施形態では、液体添加剤は、チャネル表面75を介して本体20に吸収される。
【0054】
一実施形態では、添加剤は液体であり、シラン、過酸化物、イソシアヌレート、触媒、酸化防止剤、UV安定剤、加工助剤、およびそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態では、添加剤は液体であり、シランと過酸化物の混合物、シランと触媒の混合物、過酸化物と酸化防止剤の混合物、およびそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、過酸化物は有機過酸化物である。別の実施形態では、添加剤は過酸化ジクミル、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、トリアリルイソシアヌレート、メタクリロイルプロピルトリメトキシシランおよびそれらの組み合わせである。
【0055】
添加剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0056】
一実施形態では、ペレット10は、________に提出された同時係属中の出願__________(弁護士整理番号82430-WO-PCT)に開示されているように製造され、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
プロセス
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態では、プロセスは、ポリマー材料から構成される本体を含むペレットを提供することを含む。本体は、第1の端部と対向する第2の端部とを含む。本体は、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延伸するチャネルを含む。プロセスは、ペレットを添加剤に浸すことを含む。添加剤は、シラン、有機過酸化物、イソシアヌレート、およびそれらの組み合わせから選択される材料を有する。プロセスは、本体内に材料を有する装填されたペレットを形成することを含む。
【0058】
プロセスは、図1Bに示すペレット10を提供することを含む。ペレット10は本体20を含む。本体20は、第1の端部15および第2の端部25を含む。ペレット10はチャネル30を含む。チャネル30は、第1の端部15から第2の端部25まで本体20を通って延伸する。プロセスは、ペレット10を液体状態の添加剤に浸漬することを含む。一実施形態では、浸漬することは、ペレット10と液体添加剤とを、任意選択的に攪拌を用いて接触させることを含む。さらなる実施形態では、浸漬することは、フローティング液体添加剤上にペエレット10を浮かせることを含む。別の実施形態では、浸漬することは、液体添加剤にペレット10を完全に浸すことを含む。
【0059】
添加剤は、シラン、過酸化物、イソシアヌレート、触媒、酸化防止剤、UV安定剤、加工助剤およびそれらの組み合わせから選択させる材料を含む。さらなる実施形態では、添加剤は、シランと過酸化物の混合物、シランと触媒の混合物、過酸化物と酸化防止剤の混合物、およびそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、過酸化物は有機過酸化物である。別の実施形態では、添加剤は、過酸化ジクミル、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、トリアリルイソシアヌレート、メタクリロイルプロピルトリメトキシシランおよびそれらの組み合わせである。
【0060】
一実施形態では、浸漬工程は、攪拌の有無にかかわらず、周囲温度(15℃~25℃)で実施される。さらなる実施形態では、浸漬工程は、攪拌の有無にかかわらず、高温(26℃以上)で実施される。
【0061】
添加剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0062】
プロセスは、装填されたペレットを形成することを含む。本明細書で使用される「装填されたペレット」という用語は、装填されたペレットの本体内に吸収された添加剤の量を有するペレット(中空ペレット)を指す。装填されたペレットはまた、チャネル30に位置するある量の添加剤を含み得ることが理解される。装填されたペレットは、添加剤容量を含む。本明細書で使用される「添加剤容量」という用語は、中空ペレットが吸収および吸着することができる添加剤の最大量である。添加剤容量は、ペレットを過剰な添加剤(液体状態)に24時間浸すことによって決定される。例えば、過剰な液体添加剤に24時間浸漬した後、装填されたペレットの質量が25gであり、初期のペレットの質量が20gである場合、添加剤容量は5gである。
【0063】
一実施形態では、プロセスは、浸漬により、周囲温度で6時間(h)以下の期間でペレットの添加剤容量の少なくとも95%を得ることを含む。さらなる実施形態では、プロセスは、浸漬により、周囲温度で1時間、または2時間、または3時間、または4時間から5時間、または6時間未満の期間で、ペレットの添加剤容量の95%を得ることを含む。
【0064】
浸漬のプロセスは、液体添加剤の一部をチャネル30を介して本体20に吸収することを含む。一実施形態では、液体添加剤はチャネル30を通過し、次に本体20に入る。さらなる実施形態では、添加剤はチャネル30を通過し、次に本体20に吸収される。別の実施形態では、添加剤はチャネル30を通過し、次に本体20に吸収され、同時に本体20に吸着する。
【0065】
本発明は、以下の実施例によりさらに十分に説明される。特に明記しない限り、すべての部およびパーセントは、重量によるものである。
【実施例
【0066】
本発明の実施例(「IE」)を配合するために使用される原材料を、以下の表1に示す。
【表1】
【0067】
1.中空ペレット
本発明の実施例1~8(IE-1~IE-8)は、光学顕微鏡で画像化された中空ペレットである。光学顕微鏡画像を分析して得た寸法を表2に示す。
【表2】
【0068】
2.浸漬試験
XUS38660から構成され、図1B、2A、2Bに示されるような構造を有し、表2の本発明の実施例1(IE-1)の寸法を有する中空ペレットを、過酸化ジクミル、ビニルトリメトキシシラン、硬化助剤、およびUV剤から構成される液体添加剤に浸漬する。XUS38660から構成され、IE-1と同じ本体直径とペレット長(チャネルなし)の固体ペレットを同じ液体添加剤に浸漬する。ペレットを室温で液体添加剤に浸漬し、70rpmの回転速度でローラー上で攪拌する。ペレットは、1.92gの液体添加剤の添加材容量を有する。IE-1の中空ペレットは、5.5時間で添加剤容量(1.82g)の95%を吸収する。固体ペレットは17.5時間で添加剤容量の95%に達する。
【0069】
図5は、本発明のIE-1(中空ペレット)対比較固体ペレットの、浸漬時間に対してプロットされた添加剤容量のパーセンテージを示している。
【0070】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および図に限定されず、実施形態の部分、および以下の特許請求の範囲に含まれる異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、これらの実施形態の改変形態を含むことが特に意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5