(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】管コネクタ
(51)【国際特許分類】
F16L 33/22 20060101AFI20250307BHJP
F16L 33/025 20060101ALI20250307BHJP
【FI】
F16L33/22
F16L33/025
(21)【出願番号】P 2022570540
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2021062912
(87)【国際公開番号】W WO2021233798
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-06
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597035528
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリック,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】ラングロワ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ビーニャ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】クレキ,クリスティーヌ
(72)【発明者】
【氏名】コトン,トマ
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-102606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0137509(US,A1)
【文献】実開昭61-066287(JP,U)
【文献】特開2001-193881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0146386(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/22
F16L 33/025
F16L 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプシステムであって、
少なくとも1本の可撓性チューブと、
バーブアダプタであって、少なくとも1本の可撓性チューブと、流体システムの入口または出口との間に接続部を形成するために、少なくとも1本の可撓性チューブの内部空洞内に挿入されるバーブアダプタと、
接続部の外側を取り囲む2つの半円形ハーフクランプと、
ハーフクランプの内面上の複数の歯と、
ハーフクランプの内面上の位置決め溝と、
接続部の周りでハーフクランプを固定する少なくとも1つのイヤークランプと、
少なくとも1つの可撓性チューブの外面を径方向に圧縮するための、ハーフクランプの内
面上の密封縁部と、
を備え、
複数の歯は、ハーフクランプの内面において円周方向に互いに離間している、クランプシステム。
【請求項2】
2つのハーフクランプは互いに同一である、請求項1に記載のクランプシステム。
【請求項3】
少なくとも1つのイヤークランプは、ハーフクランプの外面上の凹部内にある、請求項1および2のどちらか一項に記載のクランプシステム。
【請求項4】
少なくとも1つのイヤークランプはステンレス鋼で出来ている、請求項1~3のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項5】
ハーフクランプの外面の少なくとも一部と結合するクラムシェルをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項6】
ハーフクランプは、クラムシェルの内面の溝内に嵌合することができる位置決めリブを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項7】
クラムシェルの内面は複数の溝を備える、請求項6に記載のクランプシステム。
【請求項8】
少なくとも1つのイヤークランプは複数のイヤークランプであり、複数のイヤークランプが複数の溝内に配置されている、請求項6に記載のクランプシステム。
【請求項9】
可撓性チューブ、バーブアダプタ、およびハーフクランプのうちの少なくとも1つが、ポリマー材料で出来ている、請求項1~8のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項10】
流体システムの入口または出口は、可撓性チューブまたはバイオコンテナのポートから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項11】
少なくとも1つの可撓性チューブは低硬度シリコーン管である、請求項1~10のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項12】
2つのイヤークランプは、接続部の周りでハーフクランプを固定する、請求項1~11のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項13】
3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個のイヤークランプは、接続部の周りでハーフクランプを固定する、請求項1~11のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項14】
配管システムの耐圧性を高める方法であって、
バーブアダプタを可撓性チューブ内に挿入することと、
可撓性チューブの表面上で少なくとも1つのイヤークランプを可撓性チューブの長手方向に摺動させることと、
ハーフクランプの内
面の位置決め溝をバーブアダプタの突出部に一致させることによりバーブアダプタおよび可撓性チューブ上にハーフクランプを位置決めして、バーブアダプタおよび可撓性チューブをハーフクランプで取り囲むことであって、ハーフクランプの内
面が複数の歯をさらに含
み、複数の歯が、ハーフクランプの内面において円周方向に互いに離間していることと、
ハーフクランプの外面上の凹部で少なくとも1つのイヤークランプを締め付けることにより、ハーフクランプの内
面の密封縁部で可撓性チューブを圧縮することと、
を備える、方法。
【請求項15】
ハーフクランプの位置決めリブをクラムシェルの内面上の溝内に挿入することによりハーフクランプをクラムシェル内に固定し、それによって配管システムの耐性を高めることをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
本方法が配管システムの耐圧性を4バール超に高める、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
配管システムの耐圧性が2バール超高められる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
配管システムの耐圧性が、ステンレス鋼配管システムの耐圧性まで高められる、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのイヤークランプをクラムシェルの内面上の追加の溝内に挿入することをさらに備える、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ハーフクランプの内面上の複数の歯は、少なくとも1つの可撓性チューブの外面に直接接触し、該外面を半径方向に圧縮する、請求項1~13のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項21】
少なくとも1つのイヤークランプを締め付けることによって、さらにハーフクランプの内
面の複数の歯が、少なくとも1つの可撓性チューブの外面を半径方向に圧縮する、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、コネクタに関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、可撓性管(flexible tubing)をバーブフィッティング(barb fitting)とも呼ばれるバーブアダプタと接続するための2つのハーフクランプ(half clamps)を有するクランプシステムに関する。或る実施形態では、ハーフクランプは、少なくとも1つのイヤークランプ(ear clamp)で定位置に保持され、本明細書ではクラムシェル(clamshell)と呼ばれるクラムシェル型ホルダ内に配置される。
【背景技術】
【0002】
単回使用システム(SUS)は、バイオテクノロジープロセスの開発およびスケールアップにおいて重要な資産となっている。当技術分野で現在使用されているSUSは、製造における柔軟性を高め、開発および切り替えにおける洗浄コストを低減するが、これらのシステムにおける可撓性管との接続部は、高圧運転に耐えるのに苦労する可能性がある。SUSアセンブリは、最も一般的にはポリマー材料で作られる。SUSの可撓性管などのプラスチック構成要素の耐圧性(pressure tolerance)は、一般に、従来のステンレス鋼配管システム(stainless-steeel piping systems)の耐圧性よりも低い。
【0003】
現在、可撓性管への確実な接続を可能にするために、ケーブルタイ、ホースクランプ、またはバーブクランプが当技術分野で一般的に使用されている。これらの接続手段は、特定の条件では引き抜き強度が不十分であり、固有の漏れ経路をもたらすことが観察されている。安全で漏れのない接続部は、医療分野および製薬分野において、例えば、血液ポンプ、酸素濃縮器、睡眠時無呼吸機器、医療輸送容器、およびIVバッグに使用されるようなルアーフィッティング、迅速接続、および衛生フィッティングにおいて特に重要である。
【0004】
低硬度シリコーン管マニホルドで作られた流路では、管は、2バールを超える圧力を受けるとクラムシェルから外へ膨張して、管の変形および潜在的な漏れを引き起こすことが観察されている。例えば、4バールの圧力を受けると、シリコーン管は、すべての外部境界面上でクラムシェルの外側に膨張することが観察されている。外部接続用の管の内部に少なくとも部分的に挿入されたバーブアダプタ上でも膨張が観察された。
【0005】
フィルムまたは管の流路が最大で4バールまたは4バール超の高圧印加に耐えることを可能にする、ハードウェアクラムシェル内に収容された独自の単回使用流路を提供するシステムは、当技術分野における発明的進歩を表す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の欠点は、漏れ耐性接続部とチューブの膨張および/または変形を低減または防止するためのハーフクランプとを有する流路を提供する、本明細書に開示される複数の実施形態を含む本明細書に記載の実施形態によって克服される。さらに、複数の実施形態では、本明細書に記載の流路は、流路の各構成要素の圧力定格を個々に超える高圧用途に適合される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載の或る実施形態は、少なくとも1つの可撓性チューブと、バーブアダプタであって、少なくとも1つの可撓性チューブと入口または出口との間に接続部を形成するために、少なくとも1つの可撓性チューブの内部空洞内に挿入されるバーブアダプタと、接続部の外側を取り囲む2つの半円形ハーフクランプと、ハーフクランプの内面上の複数の歯と、ハーフクランプの内面上の位置決め溝と、接続部の周りでハーフクランプを固定する少なくとも1つのイヤークランプと、少なくとも1つの可撓性チューブの外面を径方向に圧縮するための、ハーフクランプの内側の密封縁部と、を備える流路を提供する。
【0008】
或る実施形態では、流路の2つのハーフクランプは互いに同一である。或る実施形態では、少なくとも1つのイヤークランプは、ハーフクランプの外面上の凹部内にある。流路の或る実施形態では、少なくとも1つのイヤークランプは、金属、例えばステンレス鋼で作られる。或る実施形態では、流路は、ハーフクランプの外面の少なくとも一部と結合するクラムシェルをさらに備える。或る実施形態では、ハーフクランプの外面は、クラムシェルの内面の溝内に嵌合することができる位置決めリブを有する。或る実施形態では、イヤークランプ上の突出部が、クラムシェルの内面の溝内に嵌合する。或る実施形態では、クラムシェルの内面は2つ以上の溝を備える。或る実施形態では、少なくとも1つのイヤークランプは2つ以上の溝内にある。或る実施形態では、可撓性チューブ、バーブアダプタ、およびハーフクランプのうちの少なくとも1つは、ポリマー材料で作られる。
【0009】
或る実施形態では、入口および/または出口は、可撓性チューブまたはバイオコンテナのポートから選択される。或る実施形態では、可撓性チューブは低硬度シリコーン管である。或る実施形態では、2つのイヤークランプが、接続部の周りでハーフクランプを固定する。複数の実施形態では、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個のイヤークランプが、接続部の周りでハーフクランプを固定する。
【0010】
本明細書に記載の複数の実施形態は、配管システムの耐圧性を高める方法を提供し、本方法は、バーブアダプタを可撓性チューブ内に挿入するステップと、可撓性チューブの表面上で少なくとも1つのイヤークランプを摺動させるステップと、ハーフクランプの内側の位置決め溝をバーブアダプタの突出部に一致させることによりバーブアダプタおよび可撓性チューブ上にハーフクランプを位置付けて、バーブアダプタおよび可撓性チューブをハーフクランプで取り囲むステップと、ハーフクランプの外面上の凹部でイヤークランプを締め付けることにより、ハーフクランプの内側の密封縁部で管を圧縮するステップと、ハーフクランプの位置決めリブをクラムシェルの内面上の溝内に挿入することによりハーフクランプをクラムシェル内に固定し、それによって配管システムの耐性を高めるステップと、備える。
【0011】
或る実施形態では、本方法は耐圧性を4バール超に高める。本方法の或る実施形態では、耐圧性は2バール超高められる。本方法の或る実施形態では、耐圧性は4バール未満だけ高められる。本方法の或る実施形態では、耐圧性は、ステンレス鋼配管システムの耐圧性まで高められる。或る実施形態では、本方法は、少なくとも1つのイヤークランプをクラムシェルの内面上の追加の溝内に挿入するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】ハーフクランプの或る実施形態の分解図である。
【
図1B】組み立てられた1組のハーフクランプの或る実施形態の図である。
【
図2A】ハーフクランプの或る実施形態の分解図である。
【
図2B】組み立てられた1組のハーフクランプの或る実施形態の図である。
【
図4】完全に組み立てられた流路の或る実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面は、本明細書での開示の或る実施形態を示し、したがって、本発明が他の同等に効果的な実施形態を認めることができるため、範囲を限定すると見なされるべきではない。任意の実施形態の要素および特徴がさらに列挙することなく他の実施形態に見出され得ること、可能であれば、図に共通している同等の要素を示すために同一の参照番号が使用されていることも理解されるべきである。
【0014】
本明細書での開示では、可撓性管とバーブアダプタとの接続部を取り囲む内面を有するハーフクランプを備える流路の或る実施形態を説明する。或る実施形態では、可撓性管は、気体流体の供給源、液体流体の供給源、流体の送達場所、または気体流体もしくは液体流体が可撓性管を流れることを可能にする追加の可撓性管に接続される。あるいは、或る実施形態では、可撓性管は、気体流体または液体流体をバイオコンテナ内へ輸送している。
【0015】
ここで図を参照すると、
図1Aおよび
図2Aは、ハーフクランプ1a、1bの或る実施形態の分解図を提供する。
図1Bおよび
図2Bは、組み立てられた1組のハーフクランプ1a、1bの或る実施形態の図を提供する。
図1A、
図1B、
図2A、および
図2Bに示されるように、或る実施形態では、管の膨張および/または変形を最小にする流路は、2つのハーフクランプ1(1aおよび1bとして別々に指定される)を備える。或る実施形態では、2つのハーフクランプ1は互いに同一である。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、少なくとも1つのイヤークランプ4(
図3および
図4参照)などの外力または装置によって共に保持される。あるいは、或る実施形態では、ハーフクランプの一方1aがオス構成要素を備え、ハーフクランプの一方1bがメス構成要素を備え、メス構成要素は、ハーフクランプ1を共に固定するためにオス構成要素内に嵌合する。或る実施形態では、オス構成要素およびメス構成要素は、ハーフクランプ1を接触面10で互いに連結するように連動する。あるいは、或る実施形態では、2つのハーフクランプ1はヒンジ(図示せず)によって接続される。
【0016】
或る実施形態では、ハーフクランプ1は、可撓性管3が、管3の外面の周りに固定および支持する「シェル」を形成することにより最大で4バールの高圧を受けたときに、管の変形を防止する。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、可撓性管3の外面の周りに完全な径方向シールを提供する。或る実施形態では、完全な径方向シールは、ステンレス鋼製のイヤークランプ4が閉じられるときにハーフクランプ1の内面上の密封縁部5を使用して管を圧縮することによって達成される。或る実施形態では、管3の膨張は、クラムシェル型ホルダ12の内面上の内部溝13内に位置する、ハーフクランプ1の外面上の位置決めリブ6によって防止される。或る実施形態では、ハーフクランプ1の内面上の位置決め溝7および摩擦リブ8も、管の変位を低減するのに役立つ。或る実施形態では、摩擦リブ8は、ハーフクランプ1の内面の全周囲には及ばない。或る実施形態では、ハーフクランプ1の内面上の位置決め溝7および歯14も、管の変位を低減するのに役立つ。或る実施形態では、ハーフクランプ1の外面は、流路の組立中にイヤークランプ4を位置付けるための専用凹部9を有する。
【0017】
図3に示されるように、或る実施形態では、バーブアダプタ2は少なくとも1つの拡張端部11を備える。或る実施形態では、拡張端部11はトリクランプ(TC)接続部である。或る実施形態では、TC接続部は他のTC端部に接続される。或る実施形態では、バーブアダプタ2の円錐形端部が、可撓性管3の開口部内に挿入されて、可撓性管3の内面に接触する。或る実施形態では、バーブアダプタ2の少なくとも一部が、可撓性管3から突出したままである。或る実施形態では、バーブアダプタ2の円錐形端部が可撓性管3の内面と接触すると、バーブアダプタ2の開口部を通して流体を押し流し、流体がバーブアダプタ2の周縁部の周りに流れるのを妨げる。例えば、バーブアダプタ2の少なくとも一部が、バーブアダプタ2と可撓性管3との間の接触、例えばスナグ接続(snug connection)を容易にするために、可撓性管3の内面の周囲と同じまたはそれより大きい周囲を有する外面を有してもよい。或る実施形態では、バーブアダプタ2の周囲は、可撓性管3の内面の周囲よりも最大で10%大きい。或る実施形態では、バーブアダプタ2と可撓性管3の内面との接触は、可撓性管3の内面の全周に及ぶ。或る実施形態では、バーブアダプタ2と可撓性管3の内面との接触は、バーブアダプタ2の外面の全周囲に及ぶ。
【0018】
或る実施形態では、バーブアダプタ2は金属材料を具備する。或る実施形態では、バーブアダプタ2は非金属材料を具備する。或る実施形態では、非金属材料は溶接可能である。例えば、非金属材料は、使い捨てバイオコンテナなどのプロピレンバッグまたはエチレンバッグに熱溶着されてもよい。或る実施形態では、非金属材料は、米国食品医薬品局(FDA)承認のポリプロピレン、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、および熱可塑性ゴム(TPR)から選択される。或る実施形態では、金属材料は非腐食性材料、例えば真鍮である。或る実施形態では、非金属材料はポリエチレンである。或る実施形態では、溶接技術は、プラスチック溶接またはヒートシーリング、例えば、超音波溶接、レーザ溶接、赤外線放射を用いた溶接、または熱溶接からなる群から選択されることができる。
【0019】
或る実施形態では、ハーフクランプ1は、少なくとも1つのイヤークランプ4で定位置に保持される。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、2つのイヤークランプ4で定位置に保持される。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、3つ以上のイヤークランプ4で定位置に保持される。例えば、或る実施形態は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個のイヤークランプ4を備えてもよい。或る実施形態では、少なくとも1つのイヤークランプ4は、ステンレス鋼またはプラスチックから選択された材料で作られる。
【0020】
図4に示されるように、或る実施形態では、可撓性管3の外面、例えば、DOW CORNING(R)Pharma-50管と硬度が同等の低硬度シリコーンの外面の周囲を取り囲むハーフクランプ1のアセンブリが、最大圧力の4バールに耐えかつ可撓性管3の膨張を防止するために、クラムシェル12内に組み込まれた。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、バーブアダプタ2を有する可撓性チューブ3の外面を取り囲む。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、可撓性管3の内面に接触するバーブアダプタ2を有する可撓性管3の外面の少なくとも一部を取り囲むように互いに接触する。
【0021】
本明細書に記載の或る実施形態は、流路が可撓性管3のみの指定の圧力定格を超える圧力条件に耐えるとともに、管の変形を防止することを可能にする。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、管接続部における流体の漏れを低減または防止する。可撓性管3の安全で漏れ防止型接続部は、医療分野、製薬分野、自動車分野、工業分野、およびバイオプロセス分野において重要である。或る実施形態では、液体が接続部内に捕捉されず、例えば細菌の増殖を引き起こさない。
【0022】
I.アセンブリ
或る実施形態では、流路は、バーブアダプタ2を管3の開口部内に挿入することによって組み立てられる。或る実施形態では、2つのハーフクランプ1は、挿入されたバーブアダプタ2を有する可撓性管3の外面の周りに配置され、ハーフクランプ1の内面上の位置決め溝7および歯14を使用して、バーブアダプタ2の外面の少なくとも1つの特徴に基づいてハーフクランプ1を位置決めする。或る実施形態では、2つのハーフクランプ1は、可撓性管3の空洞内に挿入されたバーブアダプタ2の周りにシェルを形成する。或る実施形態では、ハーフクランプ1は、可撓性管3内に一方向に挿入されたバーブアダプタ2の周りにのみ組み立てられることができる。或る実施形態では、少なくとも2つのイヤークランプ4が、ハーフクランプ1の上に配置され、ハーフクランプ1の外面上の専用凹部9内に組み込まれる。或る実施形態では、イヤークランプ4は、ハーフクランプ1の上で締め付けられる。或る実施形態では、可撓性管3、バーブアダプタ2、およびハーフクランプ1のアセンブリは、クラムシェル12内に配置される。或る実施形態では、管の内径(ID)は、約1/8’’(0.125’’)~約1-1/4’’(1.25’’)の範囲内である。或る実施形態では、IDは約1-1/4’’(1.25’’である。或る実施形態では、IDは約1’’である。或る実施形態では、IDは約3/4’’(0.75’’)である。或る実施形態では、IDは約5/8’’(0.625’’)である。或る実施形態では、IDは約1/2’’(0.5’’)である。
【0023】
II.定義
他に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。
【0024】
本明細書で使用される「バーブフィッティング(barb fitting)」という用語は、管用の接続装置を指し、この接続装置は、流体が通過することを可能にし、接続部における漏れを低減または防止するための径方向突出部を有する。
【0025】
本明細書で使用される「バイオコンテナ(biocontainer)」という用語は、生物学的に活性な環境を支援する、任意の製造または特別設計された装置またはシステムを指す。
【0026】
本明細書で使用される「流体(fluid)」という用語は、塊を分離することなく容易に移動しかつ粒子の相対位置を変化させ、圧力に容易に屈する粒子を有する物質を指す。
【0027】
本明細書で使用される「入口(inlet)」という用語は、流体をバイオコンテナの方へ輸送する接続部を指す。
【0028】
本明細書で使用される「出口(outlet)」という用語は、流体をバイオコンテナから離れる向きに輸送する接続部を指す。
【0029】
本明細書で使用される「耐圧性(pressure tolerance)」という用語は、特に可撓性管の膨張および/または変形に対する耐性を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、複数形を含む。
【0031】
均等物
本明細書に列挙される明確な表現のすべての範囲は、それらの間の範囲を含み、終点を含むかまたは除外することができる。随意の含まれる範囲は、それらの間の整数値(または1つの元の終点を含む)からのものであり、記載されている桁数または次に小さい桁数である。例えば、下限値が0.2である場合、随意の含まれる終点は、0.3、0.4、...1.1、1.2など、ならびに1、2、3などとすることができ、高い範囲が8である場合、随意の含まれる終点は、7、6など、ならびに7.9、7.8などとすることができる。3以上などの片側境界も同様に、記載されている桁数または1桁低い桁数の整数値から始まる一貫した境界(または範囲)を含む。例えば、3以上は、4または3.1以上を含む。
【0032】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、「或る実施形態」、または「一実施形態」への言及は、記述される特徴、構造、材料、または特性が本開示の複数の実施形態に含まれることを示す。したがって、「1つまたは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、「複数の実施形態では」、または「一実施形態では」などの言い回しの出現は、本明細書全体を通して必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。
【0033】
本明細書に引用される特許出願および特許の刊行物ならびに他の非特許文献は、あたかも各個々の刊行物または参考文献が、完全に記載されているものとして参照により本明細書に組み込まれるよう具体的かつ個別に指示されているかのように、引用された部分全体にその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。本出願が優先権を主張するどの特許出願も、刊行物および参考文献について上述された方法で参照により本明細書に組み込まれるものとする。