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特許7645935無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置の実行方法及びネットワーク側装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置の実行方法及びネットワーク側装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20250307BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20250307BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20250307BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W24/08
H04W88/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023108708
(22)【出願日】2023-06-30
(65)【公開番号】P2024007514
(43)【公開日】2024-01-18
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】202210777261.9
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ユ
(72)【発明者】
【氏名】フォン ルゥ
(72)【発明者】
【氏名】リ アンシン
(72)【発明者】
【氏名】川合 裕之
(72)【発明者】
【氏名】チェン ラン
(72)【発明者】
【氏名】大藤 義顕
(72)【発明者】
【氏名】藤塚 拓実
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-544458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 52/02
H04W 24/08
H04W 88/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報を記憶する記憶部であって、前記隣接期間帯が前記履歴期間帯よりも将来期間帯に近い記憶部と、
前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報とに基づいて、将来期間帯のトラフィックを予測する処理部と、
含み、
前記履歴期間帯及び前記隣接期間帯は、前記将来期間帯の関連期間と、前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間とを含み、又は、前記隣接期間帯は、前記将来期間帯の関連期間と、前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間とを含み、
前記処理部は、さらに、前記将来期間帯のトラフィックと、関連期間帯のトラフィックと、基準期間帯のトラフィックとの相関性を示す第1の係数に基づいて、前記将来期間帯のトラフィックを予測する、無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置。
【請求項2】
前記処理部は、さらに前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの間の相関性を示す第2の係数に基づいて、前記将来期間帯のトラフィックを予測する請求項に記載のネットワーク側装置。
【請求項3】
前記処理部は、複数の候補係数から前記将来期間帯との相関性が最も大きい候補係数を前記第1の係数として選択する請求項に記載のネットワーク側装置。
【請求項4】
履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報を取得する工程であって、前記隣接期間帯は前記履歴期間帯よりも将来期間帯に近い工程と、
前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報とに基づいて、将来期間帯のトラフィックを予測する工程と、
含み、
前記履歴期間帯及び前記隣接期間帯は、前記将来期間帯の関連期間と、前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間とを含み、又は、前記隣接期間帯は、前記将来期間帯の関連期間と、前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間とを含み、
前記将来期間帯のトラフィックを予測する工程は、前記将来期間帯のトラフィックと、関連期間帯のトラフィックと、基準期間帯のトラフィックとの相関性を示す第1の係数に基づいて、前記将来期間帯のトラフィックを予測する工程をさらに含む、ネットワーク側装置による無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信の分野に関し、さらに具体的には、無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置により実行される方法、及び対応するネットワーク側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークシステムは、様々なタイプの通信内容、例えば音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージ伝送、ブロードキャストなどを提供するために広く配置される。典型的な無線通信ネットワークシステムは、共有可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信電力等)を採用することにより複数の通信装置と通信することができる多元接続技術を採用することができる。このような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)及びロングタームエボリューション(LTE)を含む。LTE/LTEアドバンスト(LTE-Advanced)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって配信される汎用移動通信システム(UMTS)に対する移動規範の拡張セットである。
【0003】
無線通信ネットワークシステムは、複数のネットワーク側装置、例えば、複数の基地局を含んでもよい。各基地局は、複数の通信装置との通信を同時にサポートすることができ、これらの通信装置をユーザ装置(user equipment、UE)と呼ばれる。UEは、下りリンク及び上りリンクを介して基地局と通信することができる。下りリンクとは、基地局からUEまでの通信リンクを指し、上りリンクとは、UEから基地局までの通信リンクを指す。
【0004】
基地局は、複数のUEと通信する必要があるため、基地局では大量の電力を消費せざるを得ない。現在のカーボン・ニュートラル(carbon neutrality)の大環境で、基地局での電力消費を節約することが早急に解決する問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】TW 201528203A、《行動スクリーン自動化信号線トラフィック成長予測システム》
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題に対して、本開示の一態様によれば、記憶部であって、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報を記憶する記憶部であって、前記隣接期間帯が前記履歴期間帯よりも将来期間帯に近い、記憶部と、前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報及び前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、将来期間帯のトラフィックを予測する処理部と、を含む無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報を取得する工程であって、前記隣接期間帯は前記履歴期間帯よりも将来期間帯に近い、工程と、前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報及び前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、将来期間帯のトラフィックを予測する工程と、を含むネットワーク側装置による無線通信方法が提供される。
【0008】
本開示の上記一態様のネットワーク側装置及び方法によれば、将来の期間帯における基地局により処理される必要があるトラフィックを精度よく予測することができ、それにより基地局は、上記トラフィックを処理することができる一部のリソースを提供して他のリソースをオフにして、基地局での電力消費を節約する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面を参照して本開示の実施例をさらに詳細に説明することにより、本開示の上記目的及び他の目的、特徴及び利点はより明らかになる。図面は本開示の実施例に対する更なる理解を提供するために用いられ、かつ明細書の一部を構成し、本開示の実施例と共に本開示を説明するために用いられ、本開示を限定するものではない。図面において、同じ参照符号は、通常、同じ構成要素又はステップを表す。
図1図1は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の方法のフローチャートを示す。
図2A図2Aは、本開示の一つの実施例に係るトラフィック予測の概略図を示す。
図2B図2Bは、本開示の別の実施例に係るトラフィック予測の概略図を示す。
図3図3は、係数α、β、γの値の一日中の変化を示す概略図である。
図4図4Aから図4Eは、本開示の実施形態に係る過去4日のトラフィックに基づいて第1の係数を求める図である。
図5図5は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の方法のフローチャートを示す。
図6A図6Aは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークモデルをトレーニングする際のいずれのトレーニングデータを示す。
図6B図6Bは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークモデルをトレーニングする際の概略図を示す。
図7図7Aから図7Cは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークをトレーニングする際に添加された節電レベル情報の概略図を示す。
図8A図8Aは、本開示の実施例に係る改良前の損失関数の概略図を示す。
図8B図8Bは、本開示の実施例に係る改良後の損失関数の概略図を示す。
図9図9Aから図9Cは、本開示の実施例に係る融合重みを得る概略図を示す。
図10図10Aから図10Bは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークをトレーニングする際のデータ正規化処理の概略図を示す。
図11図11は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の他の方法のフローチャートを示す。
図12図12Aから図12Bは、本開示の一実施例に係るネットワーク側装置が使用するリソースの概略図を示す。
図13図13Aから図13Cは、本開示の実施例に係るネットワーク側装置が使用するリソースの他の概略図を示す。
図14図14は、本開示の実施例に係るデータスループット低下率及び電力消費の概略図を示す。
図15図15は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1500のブロック図である。
図16図16は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1600のブロック図である。
図17図17は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1700のブロック図である。
図18図18は、本開示の一実施形態に係るネットワーク側機器のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下に図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。図面において、同じ参照符号は常に同じ要素を示す。なお、本開示の記述する実施例は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
基地局は、大量のUEと通信する必要があるため、基地局で大量の電力を消費せざるを得ない。基地局での電力消費を節約するために、いくつかの基地局用の節電方法を提供する。例えば、異なる時間帯に基づいてノード制御を行う方法を提供する。例えば、午前0時から6時までの一定の低トラフィック期間帯に、基地局における一部又は全てのセルをオフにすることにより、節電の目的を達成する。しかしながら、当該方法では、全期間帯に節電を行うことができず、節電効果が低く、かつトラフィックが変化する場合(例えば午前0時から6時にアクセスするUEが急激に増加する)、基地局は依然として節電モードにあり、基地局のデータスループットが低下し、ユーザのネットワークエクスペリエンスに影響を与える。
【0012】
また、例えば、リアルタイムトラフィックに基づいてノード制御を行う方法を提供する。例えば、観測されたリアルタイムトラフィックに基づいて、観測されたリアルタイムトラフィックが予め設定されたトラフィック閾値より低い場合、基地局における一部又は全てのセルをオフにすることにより、節電の目的を達成する。しかしながら、無線インテリジェントコントローラ(Radio Intelligent Controller、RIC)が配置されたシナリオに対して、コントローラ(例えばRIC)がリアルタイムトラフィック(例えば15から30分間)を取得するには遅延があるため、基地局が節電モードを正確に選択することができない。
【0013】
また、履歴トラフィックデータを利用して将来の期間帯のトラフィックを予測し、かつ予測されたトラフィックに基づいて基地局における一部又は全てのセルをオフにすることにより、節電の目的を達成することができる。しかしながら、このような態様は、履歴トラフィックのみ考慮して行われるので、大まかな予測誤差が大きく、基地局が節電モードを正確に選択することができず、節電効果が低いか又はデータスループットの低下をもたらす。
【0014】
本開示の一態様によれば、基地局のネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法を提供し、また、当該方法は将来の期間帯にネットワーク側装置が処理する必要があるトラフィックを高精度に予測することができ、それによりネットワーク側装置は、予測結果に基づいてより正確な節電動作を行う。以下に図面を参照して本開示の一態様により提供されるネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法及び対応するネットワーク側装置を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の方法のフローチャートを示す。図1に示す方法は、ネットワーク側装置により実行されてもよい。一例として、ネットワーク側装置は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置は、基地局外部と基地局とがインタラクティブする動作管理・メンテナンス(Operation Administent and Maintenance、OAM)モジュール又はサービス管理・オーケストレーション(Service Management and Orchestration、SMO)モジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは本開示により提供される方法を実行することにより予測された将来の時間帯のトラフィック情報を例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する動作を行う。
【0016】
図1に示すように、ステップS110において、ネットワーク側装置は、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報とを取得することができ、ここで前記隣接期間帯は、前記履歴期間帯よりも将来の期間帯に近い。
【0017】
例として、上記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置の内部記憶部に記憶することができ、例えばメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)及び電気的消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)である。又は、上記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置と対話する外部記憶部又はクラウドに記憶されることができる。
【0018】
一例として、時間帯は、時間単位又は分単位の時間であってもよい。例えば、期間帯は、1時間又は2時間であってもよい。また、期間帯は、15分又は30分であってもよい。
【0019】
本開示の実施例において、将来の期間帯は、予測される将来のある期間帯であってもよい。例えば、将来の時間帯は、現在時刻の直後の時間帯であってもよく、例えば現在時刻が12:00であれば、将来の時間帯は13:00-14:00であってもよい。また、例えば、将来の時間帯は、現在時刻と所定の時間を隔てる時間帯であってもよく、例えば現在時刻が12:00であれば、将来の時間帯は、2時間間隔以下の時間帯15:00-16:00であってもよい。
【0020】
履歴期間帯は、将来の期間帯が存在する当日よりも前の日の期間帯であってもよい。例えば、履歴期間帯は、将来の時間帯が存在する日の前日又は数日前の期間帯であってもよい。それに応じて、履歴期間帯のトラフィックは、将来の時間帯が存在する日の前の日の期間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。例えば、期間帯が1時間であるとすると、履歴期間帯のトラフィックは、将来の時間帯が存在する日の前の日中に、各時間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。
【0021】
また、隣接期間帯は、当日中の将来の期間帯よりも前の期間帯であってもよい。例えば、隣接期間帯は、当日内の将来の期間帯の前の一つの期間帯又は複数の期間帯であってもよい。また、例えば、将来の時間帯が当日の16時から17時までであるとすると、隣接時間帯は、当日の15時から16時までであってもよいし、当日の10時から11時等であってもよい。それに応じて、隣接期間帯のトラフィックは、当日内に将来の時間帯の前の期間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。例えば、期間帯が1時間であるとすると、隣接期間帯のトラフィックは、当日内に将来の時間帯の前の時間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。
【0022】
ステップS120において、ネットワーク側装置は、前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報及び前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、将来の期間帯のトラフィックを予測することができる。
【0023】
一例として、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置によりリアルタイムに取得することができる。又は、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置が実際のニーズに応じて予め設定された時刻に取得することができる。
【0024】
本開示の一つの実施例によれば、ステップS120において、履歴期間帯のうち前記将来の時間帯に対応する時間帯のトラフィックに関する情報、履歴期間帯のうち特定の隣接時間帯に対応する時間帯のトラフィックに関する情報、及び前記特定の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、前記将来の時間帯のトラフィックを予測することができる。
【0025】
図2A及び図2Bは、本開示の実施形態に係る予測トラフィックを示す概略図である。図2A及び図2Bに示す例では、1時間を一つの期間帯とすることを例として説明する。
【0026】
図2Aは、本開示の一つの実施例に係るトラフィック予測の概略図を示す。図2Aに示す例では、その中のトラフィックを予測する将来の時間帯が当日中の12:00-13:00の期間帯であることが好ましく、また当該期間帯のトラフィックをxと記す。図2Aに示すように、履歴期間帯のうち当該将来の時間帯に対応する期間帯は、前日中の12:00-13:00の期間帯であり、また、当該期間帯のトラフィックをaと記す。特定の隣接期間帯は、当日に既にトラフィックが記憶されている任意の期間帯であってよい。例えば、将来の期間帯の直前の期間帯、即ち、11:00-12:00の期間帯であり、当該期間帯のトラフィックをeと記す。また、履歴期間帯のうち特定の隣接期間帯に対応する期間帯は、前日中の11:00-12:00の期間帯であり、当該期間帯のトラフィックをdと記す。ネットワーク側装置は、ステップS120において、上記a、d及びeに基づいてxを予測することができる。
【0027】
図2Aに示す例では、そのうちのトラフィックを予測する将来の期間帯が、それを予測するための特定の隣接期間帯に隣接されることが望ましい。又は、将来の期間帯と現在の時刻との間に、一つ又は複数の間隔期間帯(この場合、観測遅延とも呼ばれる)が存在してもよい。図2Bは、本開示の別の実施例に係るトラフィック予測の概略図を示す。図2Bに示すように、その中のトラフィックを予測する将来の時間帯が、当日中の12:00-13:00の期間帯であることが好ましく、当該期間帯のトラフィックをxと記す。履歴期間帯のうち当該将来の時間帯に対応する期間帯は、前日のうち12:00-13:00の時間帯であり、また当該期間帯のトラフィックをaと記す。現在時刻が11時であるとすると、図2に示すように、現在時刻が11時である。特定の隣接期間帯は、当日中の8:00-9:00の期間帯であってもよく、また当該期間帯のトラフィックをfと記す。履歴期間帯のうち特定の隣接期間帯に対応する期間帯は、前日中の8:00-9:00の期間帯であり、また当該期間帯のトラフィックをcと記す。ネットワーク側装置は、ステップS120において、上記a、c及びfに基づいてxを予測することができる。
【0028】
本開示の別の実施例によれば、前記履歴期間帯及び前記隣接期間帯は、前記将来の期間帯の関連期間帯、及び前記将来の期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯を含むか、又は、前記隣接期間帯は、前記将来の期間帯の関連期間帯、及び前記将来の期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯を含む。この場合、ステップS120において、さらに前記将来の期間帯のトラフィック及び関連期間帯のトラフィックと基準期間帯のトラフィックとの間の相関性を示す第1の係数に基づいて、前記将来の期間帯のトラフィックを予測することができる。
【0029】
例えば図2Aを参照すると、履歴期間帯は、前日中の10:00-11:00、11:00-12:00又は12:00-13:00期間帯であってもよい。隣接期間帯は、当日の10:00-11:00、または11:00-12:00の期間帯であってもよい。
【0030】
一例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、履歴期間帯及び隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は、前日中の12:00-13:00の時間帯であってもよい。履歴期間帯及び近傍期間帯に含まれるそれぞれ将来期間帯及び関連期間帯に対応する基準期間帯は、それぞれ、当日中の11:00-12:00の期間帯と、前日中の11:00-12:00の期間帯であってもよい。第1の係数αは、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィック及び前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと、当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィック及び前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの間の相関性を示すことができる。
【0031】
もう一つの例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、履歴期間帯及び隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は、当日中の11:00-12:00の時間帯であってもよい。履歴期間帯及び隣接期間帯に含まれるそれぞれ将来の時間帯と関連時間帯とに対応する基準期間帯は、それぞれ、前日中の12:00-13:00の期間帯と、前日中の11:00-12:00の期間帯であってもよい。第1の係数は、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィック及び当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと、前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィック及び前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと、の間の相関性を示すことができる。例えば、この場合、第1の係数βは、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの差と、前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの差と、の相関性を示すことができる。又は、第1の係数γは、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの比と、前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの比と、の相関性を示すことができる。
【0032】
もう一つの例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は、当日中の11:00-12:00の時間帯であってもよい。隣接期間帯に含まれる前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯は、当日中の11:00から12:00までの期間帯と、当日中の10:00から11:00までの期間帯であってもよい。第1の係数δは、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと、当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと当日中の10:00-11:00の時間帯のトラフィックと、の間の相関性を示すことができる。
【0033】
ここで、α、β、γ、δに対応する式は以下の表1に示す通りでである。
【表1】
【0034】
なお、以上の図2A及び表1を参照して説明された第1の係数の例では当日の前日を例として説明したが、当日から一日又は複数日離れた過去のある日を例として説明した説明も同様に上記方法を適用することができる。
【0035】
第1の係数は、履歴トラフィックデータを統計して取得することができる。以下、図4Aから図4Eを参照してこれをさらに説明する。又は、第1の係数は、実際のニーズに応じて固定値として予め設定することができる。第1の係数の絶対値が大きいほど関連性が高いことを示してもよいし、第1の係数の絶対値が小さいほど関連性が低いことを示してもよい。例えば、第1の係数の値が+1又は-1である場合に相関性が高く、第1の係数の値が0である場合に相関性が低いことを示す。一日中の異なる期間帯に対して、第1の係数の値が異なる場合がある。また、ある特定の期間帯に対して、異なる方法に基づいて取得された第1の係数(例えば、上記式α、β、γ、δ)の値が異なる場合がある。したがって、本開示の別の実施例によれば、将来の期間帯のトラフィックを実際に予測する場合、実際の状況に応じて異なる方法に基づいて取得された候補係数からいずれを選択して第1の係数として予測することができる。例えば、ネットワーク側装置は、複数の候補係数から前記将来の期間帯と相関性が最も大きい候補係数を前記第1の係数として選択してもよい。
【0036】
図3は係数、α、β、γを例として、一日中の係数α、β、γの値の変化を示す図である。図3に示すように、午前5時から6時までの間に、係数αの絶対値は、係数β又はγの絶対値より明らかに小さく、他の期間帯において、係数β又はγは、係数αの絶対値より明らかに大きい。このような場合、ステップS120において、相関値の最大になる係数を第1の係数として選択してもよい。例えば、α、β、γ、δは、第1の係数に対する候補係数であってもよい。ステップS120において、そのトラフィックを予測しようとする将来の時間帯に対して、候補係数α、β、γ、δから最大になる係数を第1の係数として選択してもよい。
【0037】
例えば、図3に示す例において、午前5時から6時までの間に、上記表1における方法2又は3に対応する候補係数を上記第1の係数に決定することにより、将来の時間帯のトラフィックを予測し、他の期間帯に上記表1における方法1に対応する候補係数を上記第1の係数に決定することにより、将来の時間帯のトラフィックを予測することができる。
【0038】
したがって、本開示により提供される方法は、異なる候補係数に基づいて将来の時間帯のトラフィックを予測することができ、それにより本開示の提供する方法は柔軟かつ多様である。
【0039】
また、本開示の提供する上記方法により、関連性が最も大きい候補係数を選択して将来の時間帯のトラフィック変化(例えば将来の時間帯のトラフィックの増大又は減少)及び将来の時間帯のトラフィックをより正確に予測することができる。
【0040】
上記本開示の提供する方法の詳細な説明から分かるように、本開示の提供する方法は、上記第1の係数を使用することにより、本開示の提供する方法でもって将来の時間帯のトラフィック変化を正確に予測することができるが、偶発的に変化の大きさの予測が正確ではない状況が存在する。当該状況に対して、本開示はさらに上記方法の更なる改善を提供する。
【0041】
本開示のさらにもう一つの実施例によれば、ステップS120において、前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの間の相関性を指示する第2の係数に基づいて、前記将来の時間帯のトラフィックを予測するステップをさらに含んでもよい。
【0042】
例として、前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの間の関係は、前記関連期間帯のトラフィック大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィック大きさとの比であってもよく、それらの間のトラフィックの平均値の比又はトラフィックの最大値の比であってもよい。
【0043】
例えば、以下の表2に示す例において、当日の将来の時間帯(例えば13:00-14:00)のトラフィックの平均値をxと記す。関連期間帯は、前日のうち将来の時間帯に対応する時間帯であり、そのトラフィックの平均値をaと記し、大きさが10である。関連期間帯の基準期間帯は、前日のうち隣接期間帯に対応する期間帯であり、そのトラフィックの平均値をdと記し、大きさが3である。第2係数をLとする。このような場合、第2の係数Lは、10/3であってもよく、すなわち第2の係数Lは3に等しく、この場合、上記表1における方法1の式は、x=a+L*α*(e-d)に変形することができる。αが1であるとすると、この場合に予測された将来の時間帯のトラフィックxは30である。方法1を変形する前に予測されたx=a+α*(e-d)であり、すなわちxが16である。その後、将来の期間帯における実際のトラフィックは、30である。
【0044】
関連期間帯は、さらに過去2日中の将来の期間帯に対応する期間帯であってもよく、そのトラフィックの平均値の大きさは20であり、また当該関連期間帯の基準期間帯は、過去2日中の隣接期間帯に対応する期間帯であってもよく、そのトラフィックの平均値の大きさは6である。このような場合、第2の係数Lは20/6であってもよく、すなわち第2の係数Lは3に等しい。この場合、上記表1における方法1の公開はx=a+L*α*(e-d)に変形することができる。αが1であるとすると、この場合に予測された将来の時間帯のトラフィックxは30である。方法1を変形する前に予測されないx=a+α*(e-d)であり、すなわちxが16である。その後、将来の期間帯における実際のトラフィックは30である。
【表2】
【0045】
よって、第2の係数を導入することにより、本開示の提供する方法は、将来の時間帯のトラフィック変化を正確に予測することができるだけでなく、将来の時間帯のトラフィックの変化の大きさをより正確に予測することができ、それにより予測されたトラフィックがより正確である。
【0046】
将来の期間帯のトラフィックを正確に予測した後、ネットワーク側装置は、上記予測されたトラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。例えば、ネットワーク側装置が3つのアンテナだけで将来の期間帯のトラフィックを処理することができる場合、ネットワーク側装置は、残りのアンテナをオフにすることができ、残りのアンテナを動作させず、それによりネットワーク側装置での電力消費を節約する。さらに、例えば、ネットワーク側装置が2つのコンポーネントキャリア(Component Carrier)だけで将来の期間帯のトラフィックを処理することができる場合、ネットワーク側装置は、残りのコンポーネントキャリア(CC)を送信せず、それによりネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0047】
以上、図1から図3を参照しながら、本開示により提供される無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置が実行可能な方法について説明した。本開示の提供する方法は、第1の係数を使用することにより、本開示の提供する方法に基づいて将来の時間帯のトラフィックの変化をより正確に予測することができる。本開示の提供する方法は、また上記第2の係数を使用することにより、本開示の提供する方法は将来の時間帯のトラフィックの大きさの変化をより正確に予測することができる。それにより本開示の提供する方法は、将来の期間帯にネットワーク側装置が処理する必要があるトラフィックを高精度に予測することができ、さらにネットワーク側装置は、上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0048】
上記本開示の提供する方法において説明したように、履歴トラフィックデータを統計することにより第1の係数を取得することができ、以下は一例の形態でこれを説明する。
【0049】
図4Aから図4Eは、本開示の実施形態に係る過去4日のトラフィックに基づいて第1の係数を求める図である。
【0050】
図4Aを参照し、図4Aにて灰色の点線枠で囲まれた過去4日間のトラフィックを選択する。図4Aにおける過去4日の隣接期間11:00から12:00までのトラフィックと将来の期間12:00から13:00に対応する履歴期間帯のトラフィックは、図4Bに示す通りでであるとする。この場合に、以下では候補係数αを上記第1の係数とすることを例として説明する。なお、他の三つの候補係数を算出する方法は類似するので、再度の説明は省略する。
【0051】
まず、「2日x2期間」の2*2のスライドウィンドウで、図4Cに示すような3つの2*2のデータを切り出す。
【0052】
次に、同じ期間帯内のデータに対して、隣接日の差を演算し、すなわち11-8=3、9-6=3、8-7=1、6-5=1、7-8=-1、5-5=0であり、図4Dに示すようなデータを得る。
【0053】
次に、図4Dに示すデータに対して、同じ期間帯のデータ平均動作を行い、即ち(3+1+(-1))/3=1、(3+1+0)/3=4/3であり、図4Eに示すようなデータを得る。
【0054】
最後に、上記データを以下の式(1)に代入すれば係数αの数値を得ることができる。
【数1】
【0055】
ここで、(xi-x)は、図4Dにおける同じ期間帯(即ち11:00-12:00)の各データと対応する平均値を減算演算し、(yi-y)は、図4Dにおける同じ期間帯(即ち12:00-13:00)の各データと対応する平均値を減算演算することを示す。ただし、iは、正の整数である。
【0056】
上記データを上記式(1)に代入した後、以下の結果を得る:
【数2】
【0057】
上記算出されたα値を上記表1における方法1の公式に代入すれば、予測された将来の時間帯のトラフィックを得ることができる。例として、図4Aにおいて、dの値が5であり、aの値が4であり、eの値が6であるとすると、上記方法1により以下に示すようなトラフィックを算出して取得する。
【数3】
【0058】
本開示は、上記将来の時間帯のトラフィックを予測する方法の他に、さらに将来の時間帯のトラフィックを予測する方法を提供し、以下に図5図10Bを参照してこれを説明する。
【0059】
図5は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の方法のフローチャートを示す。図5に示す方法は、ネットワーク側装置により実行されることができる。一例として、ネットワーク側装置は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置は、基地局外部と基地局とがインタラクティブする動作管理・メンテナンス(Operation Administent and Maintenance、OAM)モジュール又はサービス管理・オーケストレーション(Service Management and Orchestration、SMO)モジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは、本開示の提供する方法を実行することにより予測された将来の時間帯のトラフィック情報を例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する動作を行う。
【0060】
図5に示すように、ステップS510において、ネットワーク側装置は、過去の時間帯のトラフィックに関する情報、時間標識情報及びセクタ方向指示情報を取得することができ、ここで、前記時間標識情報は、前記過去の時間帯のトラフィックが第1時期であるか又は第2時期であるかを指示することができ、前記セクタ方向指示情報は、前記ネットワーク側装置に対応するセルのセクタ方向を指示することができる。
【0061】
一例として、上記過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、上記図1に記載された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報であってもよい。過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置の内部記憶部に記憶されることができ、例えばメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)及び電気的消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)である。又は、過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置と対話する外部記憶部又はクラウドに記憶されることができる。
【0062】
例として、上記第1時期は、作業日、例えば月曜日から金曜日までの毎日又は全ての日であってもよい。上記第2時期は、休日、例えば土曜日から日曜日までの毎日又は全ての日であってもよい。
【0063】
例として、前記セクタ方向は、以下に図12Aに記載された均一なセクタを結合する際に各角度に対応するセクタ方向、又は図13Aに記載された非均一なセクタを結合する際に各角度に対応するセクタ方向を指す。異なる角度に対応するセクタ方向により伝送されるトラフィックは同じであってもよく、異なってもよい。したがって、セクタ方向に基づいて将来の時間帯トラフィック情報の予測を行うことは、予測された将来の時間帯トラフィック情報をより正確にすることに役立つ。
【0064】
ステップS520において、ネットワーク側装置は、前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報、前記時間標識情報及び前記セクタ方向指示情報に基づいて、ニューラルネットワークモデルを利用して、将来の時間帯のトラフィック情報を予測することができる。
【0065】
本開示の一つの実施例によれば、前記ニューラルネットワーク(Neural Network、NN)モデルは、予めトレーニング済みのニューラルネットワークモデルである。前記ニューラルネットワークモデルは、従来の任意の適切なニューラルネットワークモデルであってもよく、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convoluting Neural Network、CNN)モデル、回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)モデルなどである。
【0066】
前記ニューラルネットワークモデルは、過去の時間帯のトラフィックに関する情報、時間標識情報及びセクタ方向指示情報に基づいて、トレーニングされてもよい。
【0067】
一例として、過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去100日の各日中の各時刻内に発生されたトラフィックであってもよい。時間標識情報は、過去100日における一日当たりに発生されたトラフィックが、平日のトラフィックであるか休日のトラフィックであるかを示す。セクタ方向指示情報は、上記トラフィックを生成する際に前記ネットワーク側装置に対応するセルのセクタ方向を指示することができ、例えば、以下では図12Aに記載された60度に対応するセクタ方向と組み合わせて説明する。
【0068】
図6Aに示すように、図6Aは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークモデルをトレーニングする際のいずれのトレーニングデータを示す。このトレーニングデータは、4日目(day4)における5時間目のトラフィック(T )を予測するものとする。この場合、4日目の4時間前のトラフィック(すなわちT~T)及び4日目の前の三日内の各時間のトラフィック(すなわちday1におけるT~T24、day2におけるT~T24、及びday3におけるT~T24)を過去の期間帯のトラフィックとして選択してもよい。4日目の前のいずれか一日又は複数日内の各時間のトラフィックを選択してもよい。
【0069】
続いて図6Aを参照し、この場合、時間標識情報は、0011との合計4ビットの情報であってもよい。「0011」における第1ビットの「0」は、day1内に発生されたトラフィックがいずれも休日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第2ビットの「0」は、day2内に発生されたトラフィックがいずれも休日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第三ビットの「1」は、day3内に発生されたトラフィックがいずれも稼働日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第四ビットの「1」は、day4内に発生されたトラフィックがいずれも稼働日のトラフィックであることを表すことができる。
【0070】
セクタ方向指示情報は、010000の総6ビットの情報であってもよい。この6ビットの情報は、左から右に、それぞれ、図12Aで説明した30度、90度、150度、210度、270度、330度に対応する方向を示すことができる。対応する方向でトラフィックを伝送する場合、上記6ビットの情報における対応するビットを1に設定することができる。対応する方向でトラフィックが伝送されない場合、上記6ビットの情報における対応するビットを0に設定することができる。この場合、上記「010000」は、90度に対応するセクタ方向のみにトラフィックを伝送することを示すことができる。
【0071】
続いて図6Aを参照し、上記1つのトレーニングデータをニューラルネットワークに入力した後、ニューラルネットワークは、予測されたトラフィックT を一つ取得する。当該予測されたトラフィックT と当該時刻の実際のトラフィックTに基づいて、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了することができる。
【0072】
又は、上記1つのトレーニングデータをニューラルネットワークに入力した後、ニューラルネットワークは、予測されたトラフィックT 、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報を取得する。この場合、当該予測されたトラフィックT 及び当該時刻の実際のトラフィックT、当該予測された時間標識情報及び当該時刻の実際の時間標識情報、及び当該予測されたセクタ方向情報及び当該時刻の実際のセクタ方向情報に基づいて、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了することができる。
【0073】
また、図6Bに示すように、トレーニングされたニューラルネットワークの予測効果をよりよくするために、実際のトレーニングにおいて、まず、多くの日内(以下の表3に示す)の上記1つのトレーニングデータと類似する大量のデータを選択してニューラルネットワークに入力してトレーニングする。
【表3】
【0074】
表3において、トレーニングデータは、ニューラルネットワークをトレーニングするために用いられる。ニューラルネットワークは、複数回トレーニングされ、検証データは、各回のトレーニングされたニューラルネットワークを検証するために用いられ、トレーニング過程において、検証データのうち確率が最も高いニューラルネットワークのみ保留する。例えば、現在のニューラルネットワークは50回トレーニングされたとすると、検証データにおいて確率が最も高いものは、25回目にトレーニングされたニューラルネットワークである。そして、51回目のトレーニングを行った後、51回目にトレーニングされたニューラルネットワークの検証データにおける確率が25回目にトレーニングされたニューラルネットワークの確率より低い場合、当該51回目にトレーニングされたニューラルネットワークを保留せずに、続いてトレーニングを継続する。51回目にトレーニングされたニューラルネットワークの検証データにおける確率が25回目でトレーニングされたニューラルネットワークの確率よりも高い場合、当該51回目でトレーニングされたニューラルネットワークを保留し、すなわち25回目でトレーニングされたニューラルネットワークを削除して51回目のみを残してニューラルネットワークをトレーニングし、続いてトレーニングを継続し、所定の要求に達するニューラルネットワークをトレーニングするまで継続する。テストデータは最終的にトレーニングされたニューラルネットワークをテストするために用いられる。
【0075】
各トレーニングデータに基づいて予測されたトラフィックT と当該時刻の実際のトラフィックTに基づいて、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了する。前記損失関数は、任意の適切な損失関数であってもよく、例えば平均二乗誤差(mean squferror、MSE)損失関数、交差エントロピー損失関数(例えばsoftmax)などである。
【0076】
最後に、上記トレーニングが完了された後、ニューラルネットワークの各重みが固定される。すなわち、上記処理を経た後、ニューラルネットワークはトレーニングされ、かつ将来の時間帯のトラフィック情報を予測することができる。
【0077】
一例として、予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の時間帯のトラフィック、将来の時間帯の時間標識及び将来の時間帯のセクタ方向のうちの一つ又は複数であってもよい。
【0078】
以上、本開示により提供されるネットワーク側装置における無線通信の方法について詳細に説明した。なお、本開示の提供する方法は大量のデータを経てトレーニングされたニューラルネットワークを使用するため、本開示の提供する方法は将来の時間帯のトラフィック情報を正確に予測することができる。上記図1を参照して説明した方法と比較して、図5を参照して説明した方法がより便利で迅速である。
【0079】
また、上記図5を参照して説明した方法により予測された将来の時間帯のトラフィック情報はさらに判断されることで、当該将来の期間帯においてネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定することができ、さらにネットワーク側装置に対応する節電動作を行うことができる。例えば、図5を参照して説明した方法により予測された将来の時間帯のトラフィックは、以下に図11を参照して説明された方法と組み合わせることにより、当該将来の時間帯においてネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定することができる。ある場合に、上記節電レベルを決定する方法は適切ではなく、例えば節電レベルの境界値付近の点であまり正確ではない場合がある。これに基づいて、本開示は図5を参照して説明した方法の更なる改善を提供する。
【0080】
本開示の実施例によれば、図5を参照して説明した方法は、さらに、前記過去の時間帯のトラフィックに対応する前記ネットワーク側装置のための節電レベル情報、及び前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報、前記時間標識情報、前記セクタ方向指示情報及び前記節電レベル情報を取得し、前記ニューラルネットワークモデルを利用して、将来の時間帯のトラフィック情報を予測する。
【0081】
一例として、節電レベル情報は、予め決定された節電(Energy Saving、ES)レベル情報であってもよい。例えば、以下の表4に示すように、ここでnとNは正の整数である。
【表4】
【0082】
本開示の一つの実施例において、上記節電レベル情報も入力データとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。トレーニングされたニューラルネットワークを実際に使用する際に、その予測された将来の期間帯のトラフィック情報は、将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0083】
一例として、ニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータに各トラフィックに対応する節電レベル情報を加えることができる。図7Aに示すように、トラフィックTが上記表4におけるESレベルESに対応するとする。トラフィックTは上記表4中のESレベルESに対応する。トラフィックTは、上記表4中のESレベルESに対応する。上記ES~ESも、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含んでもよい。
【0084】
もう一つの例として、いくつかの場合に、将来の期間帯に対応する節電レベルに比べて現在の節電レベルが低下したか又は増加したかのみ知りたい場合がある。上記節電レベルの変化のみを知りたいシーンでは、図7Bに示すように、節電レベルの変化情報をニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。具体的には、トラフィックTに対応するESレベルが0に変化するとする。トラフィックTに対応するESレベルは、(ES-ES)である。トラフィックTに対応するESレベルは、(ES-ESn-1)である。上記0、(ES-ES)・・・(ES-ESn-1)も、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の期間帯に対応する節電レベル変化情報を含んでもよい。
【0085】
もう一つの例として、いくつかの場合に、将来の期間帯のトラフィックに対応する節電レベルの境界値のみ知りたい場合がある。上記節電レベルの境界値のみを知りたいシーンでは、図7Cに示すように、各トラフィックに対応する節電レベルの境界値をニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。具体的には、トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は、[境界0、境界1](例えば上記表4における[0、100])であるとする。トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は、[境界1、境界2](例えば上記表4における[100、200])である。トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は、[境界n-1、境界n](例えば上記表4における[N-1、N])である。上記のトラフィック毎に対応する境界値を、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてもニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の時間帯のトラフィックに対応する節電レベルの境界値を含んでもよい。
【0086】
上記3つの実施例において、ニューラルネットワークモデルをトレーニングする場合、ニューラルネットワークモデルは、節電レベル情報を利用して算出されたニューラルネットワークモデルのモデル予測損失(例えば上記損失関数)に基づいて、ニューラルネットワークモデルのパラメータを調整して予めトレーニングされ、それによりトレーニングされたニューラルネットワークが実際の使用際に予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の時間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置は対応する節電動作を行う。
【0087】
上記3つの例において、いずれもニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータを増加させることにより、節電レベル情報を利用して算出されたニューラルネットワークモデルのモデル予測損失に基づいてニューラルネットワークモデルのパラメータを調整して予めトレーニングされる。
【0088】
ニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータを増加させず、モデル予測損失を改良することによりトレーニングされたニューラルネットワークを実際の使用際に予測された将来の期間帯のトラフィック情報は、将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0089】
本開示の別の実施例において、前記モデル予測損失は、前記節電レベル情報に対応するトラフィック範囲情報及び前記ニューラルネットワークモデルが予測したトラフィック情報に基づいて、前記ニューラルネットワークモデルのモデル予測損失を算出することで、算出される。
【0090】
一例として、図8A及び図8Bに示すように、モデル予測損失がMSE損失関数であることを例として説明する。図8Aは、本開示の実施例に係る改良前の損失関数の概略図を示す。図8Bは、本開示の実施例に係る改良後の損失関数の概略図を示す。
【0091】
図8Aを参照し、改良される前に、ニューラルネットワークをトレーニングする際に、ニューラルネットワークのMSELOSSは、予測されたトラフィックT’(n=0,1…m、ここでn及びmはいずれも整数である)を実際のトラフィックT(n=0,1…m、n及びmはいずれも整数である)と比較演算することで、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0092】
図8Bを参照し、改良された後、ニューラルネットワークをトレーニングする場合、まず、各予測されたトラフィックに対応する実際のトラフィックの対応節電レベルを決定し、例えば実際のトラフィックT(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)に対応する節電レベルはES(n=0、1…m、ここでn及びmはいずれも整数である)である。
【0093】
次に、当該節電レベルに対応するトラフィック範囲を決定し、例えば、決定されたES2に対応するトラフィック範囲は100~200である(上記表4に示す通りでである)。
【0094】
次に、当該範囲内の代表的な値を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択する。例えば、当該範囲内の中央値mid(n=0,1…m、ここでn及びmはいずれも整数である)を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択する(図8Bに示す通りでである)。又は、当該範囲内の極値を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。例えば、当該範囲が0~100である場合、最小値0を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。当該範囲が100~200である場合、最小値100を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。さらに、例えば、当該範囲が0~100である場合、最大値100を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。当該範囲が100~200である場合、最大値200を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。
【0095】
最後に、ニューラルネットワークのMSELOSSは、予測されたトラフィック(n=0,1…m、n及びmはいずれも整数である)を上記選択された節電レベルに対応するトラフィック値(例えばmid(n=0,1…m、ここでn及びmはいずれも整数である))と比較演算することで、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0096】
上記改良により、トレーニングが完了されたニューラルネットワークモデルは実際的に使用される際に予測された将来の時間帯のトラフィック情報に、将来の時間帯に対応する節電レベル情報を含むことができ、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0097】
なお、ニューラルネットワークをトレーニングする際に大量のデータを使用してトレーニングを行い、上記トレーニングニューラルネットワークの態様はデータに基づく規則をよくマイニングすることができるが、人の経験知識を結合することができず、それによりトレーニングされたニューラルネットワークがさらに改善されることにより、より好ましい結果を得る。上記場合に対して、本開示は図5を参照して説明した方法の更なる改善を提供する。
【0098】
具体的には、ニューラルネットワークをトレーニングする際に、上記図1を参照して説明した方法で使用された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報、及び第1の係数(例えば、上述α、β、γ、δ)のうちの少なくとも一つと、上記図5を参照して説明した態様で使用された少量の過去の時間帯のトラフィックの情報、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報に基づいて、ニューラルネットワークをトレーニングし、例えばニューラルネットワークを採用して組み合わせてトレーニングする態様を採用することができる。
【0099】
ニューラルネットワークをトレーニングする際に、上記少量の過去の時間帯のトラフィックの情報、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報を第1ニューラルネットワークに入力してトレーニングするとする。当該第1ニューラルネットワークを用いてトレーニングする際の重みをαとする(m=0,1,2…nであり、ここでmとnはいずれも整数である)。
【0100】
上記図1を参照して説明された方法で使用された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報、及び第1の係数(例えば、上述α、β、γ、δ)のうちの少なくとも一つは、予め所定の重みが与えられ、例えばβ(m=0,1,2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)である。
【0101】
上記二つの重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力されてトレーニングして、αとβの重み(pと記す)を得る。重みα、β、pに基づいて、上記第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークを含むニューラルネットワーク全体の融合重みを取得することができる。前記第2ニューラルネットワークは、従来の任意の適切なニューラルネットワークであってもよく、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolt Neural Network、CNN)、回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)などである。
【0102】
最後に、上記第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークを含むニューラルネットワーク全体の融合重みを調整することにより、損失関数を最小にしてニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0103】
本開示の実施例によれば、異なるニーズに応じて融合重みを取得することができる。
【0104】
図9A図9Cは、本開示の実施例に係る融合重みを得る概略図を示す。
【0105】
例として、図9Aに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、重みpを得る。次に、α、β、pに基づいて融合重みを取得する。
【0106】
もう一つの例として、図9Bに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、対応する一組の重みp(m=0、1、2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)を得る。次に、pに基づいて融合重みを取得する。
【0107】
もう一つの例として、図9Cに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、融合重みw(m=0、1、2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)を直接的に得る。
【0108】
本開示の実施例によれば、前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含むことができ、図5を参照して説明した方法は、さらに複数の集合における各過去の時間帯のトラフィックデータを前記複数の集合における最大値で割ることにより、各過去の時間帯のトラフィックデータを正規化し、正規化されたトラフィックデータに基づいて、前記ニューラルネットワークモデルを用いて、将来の時間帯のトラフィック情報を予測することができる。又は、各集合における各トラフィックデータを前記各集合における最大値で割ることにより、各トラフィックデータを正規化し、正規化されたトラフィックデータに基づいて、前記ニューラルネットワークモデルを用いて、将来の時間帯のトラフィック情報を予測することができる。
【0109】
上記図5を参照して説明した方法及びその改良された方法において、ニューラルネットワークをトレーニングする場合、ニューラルネットワークはバッチ(batch)で上記データに対して正規化処理を行い、各バッチのデータはランダムに数本のデータで構成される。例えば、いずれのバッチのデータはn個(nは整数である)の図6Aに示すような過去の期間帯のトラフィックであってもよい。すなわち、各バッチのトレーニングの過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含んでもよい。
【0110】
図10A図10Bは、本開示の実施例に係るニューラルネットワークをトレーニングする際のデータ正規化処理の概略図を示す。
【0111】
図10Aを参照すると、ニューラルネットワークに入力されてトレーニングさせる当該バッチのデータは、n個の集合(すなわち1-n、ここでnは整数である)を含むとする。i番目の集合に対して、当該集合のデータは、過去72個の期間帯内のトラフィックを含むことができ、すなわちχ0,0~χ0,71である。正規化処理の態様を改善しない前に、ニューラルネットワークは、当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチのデータ内の全てのトラフィックデータの総和(sum)で割って、正規化処理の目的を達成し、図10Aに示す通りでである。
【0112】
各トラフィックデータの値が比較的大きい(例えば、数十万の数値に達する)ため、当該バッチのトラフィックデータの総和が大きい。当該バッチデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチデータ内の全てのトラフィックデータの総和で割った後のデータは非常に小さい。それでは、後続のトレーニング過程で生成された誤差が小さいが、sumを乗算することで、僅かな誤差による予測トラフィック誤差が大きい。
【0113】
これに対して、本開示の改良方法は、当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチのデータ内の全てのトラフィックデータ中の最大値(max)で割ることにより、正規化処理の目的を達成し、図10Aに示す通りである。当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータの値と最大値との差が小さいため、トレーニングされたニューラルネットワークが良好で速い。
【0114】
また、各バッチの過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含んでもよい。例えば、第1バッチのデータは、第1、3及び5の計3個の集合データで構成される。第2バッチのデータは、第1、2及び4の計3個の集合データで構成される。上記改善方法に基づいて正規化処理を行う場合、第1バッチのデータにおける1番目の集合データを当該バッチのデータの最大値max 1で割り、第2バッチのデータにおける1番目の集合データを当該バッチのデータの最大値max 2で割る必要がある。max 1とmax 2は常に異なるため、ニューラルネットワークは、トレーニングされる際に同様の1つの集合データが正規化処理される際に異なる値で割ることにより、トレーニングされたニューラルネットワークの予測精度を低下させる場合がある。
【0115】
上記場合に対して、本開示のもう一つの改善方法は、当該バッチのデータ内の各集合のデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該集合のデータ内の全てのトラフィックデータの最大値(max)で割ることにより、正規化処理の目的を達成し、図10Bに示すように、それによりトレーニングされたニューラルネットワークがさらに迅速で正確である。
【0116】
なお、上記説明の図5を参照して説明した方法の異なる改善は同時に行うことができ、選択的に行うことができ、それにより改善された後の方法は少なくとも上記各改善点のうちの少なくとも一つを含む。
【0117】
以上、図5から図10を参照して、本開示により提供される無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置が実行可能な方法について説明した。本開示の提供する方法は、ニューラルネットワークの使用により、本開示の提供する方法に基づいて将来の時間帯のトラフィック情報を迅速かつ正確に予測することができる。本開示の提供する方法は、さらにニューラルネットワークをトレーニングする際に節電レベル情報を導入するため、本開示の提供する方法は、将来の期間帯のトラフィックに対応する節電レベル情報を正確に予測することができ、それによりネットワーク側装置は対応する節電動作をより便利に実行することができる。本開示の提供する方法は、さらに重みの使用を融合するため、本開示の提供する方法は、予測された将来の時間帯のトラフィック情報の精度をさらに向上させることができる。本開示の提供する方法は、さらに正規化態様を改善するため、本開示の提供する方法は将来の時間帯のトラフィック情報をさらに迅速にかつ正確に予測することができる。さらに、ネットワーク側装置は上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0118】
上記図面を参照して説明したネットワーク側装置及び対応する方法は、将来の期間帯におけるトラフィックを正確に予測することができ、それによりネットワーク側装置は上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を全期間帯に節約することを達成する。
【0119】
また、本開示の提供する上記方法は、将来の期間帯のトラフィックを正確に予測することができるが、ネットワーク側装置に比較的簡単な粗い節電制御動作を行うことしかできない場合がある。このような状況に対して、本開示の別の態様によれば、将来の期間帯においてネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定する方法を提供することで、ネットワーク側装置は節電レベルを正確に選択することができ、さらに節電効果又はデータスループットの更なる改善をもたらす。以下、これについて図11から図14を参照して詳細に説明する。
【0120】
図11は、本開示の実施例に係るネットワーク側装置での無線通信の他の方法のフローチャートを示す。図11に示す方法は、ネットワーク側装置により実行されることができる。一例として、ネットワーク側装置は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置は、基地局外部と基地局と対話する上記OAMモジュール又はSMOモジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは、本開示の提供する方法を実行して得られた節電レベルに関する情報、予測された将来時間帯のトラフィック情報及び節電レベルに対応するリソース情報を、例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する節電動作を行う。
【0121】
図11に示す通り、ステップS1110において、ネットワーク側装置は、将来の期間帯のトラフィック及び予め決定された節電レベルテーブルに基づいて、前記将来の期間帯において前記ネットワーク側装置において用いられる節電レベルを決定することができ、ここで、前記節電レベルテーブルは、前記ネットワーク側装置の無線伝送能力及び前記ネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されたリソースに対応する複数の節電レベルを含んでもよい。
【0122】
一例として、将来の時間帯のトラフィックは、上記図1から図4Eを参照して説明した方法又は上記図5を参照して説明した方法に基づいて取得することができる。ネットワーク側装置は、上記将来の期間帯のトラフィックをリアルタイムに取得するか又は予め設定された時刻で取得することができる。
【0123】
本開示の実施例において、ネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されるリソースは、時間領域リソース、周波数領域リソース、空間領域リソース及び電力領域(Power domain)リソースのうちの少なくとも一つ、又はそれらの組み合わせであってもよい。時間領域リソースは、サブフレーム(subframe)、スロット(slot)、マイクロスロット(スロット)、シンボル(symbol)などのリソースを含んでもよい。周波数領域リソースは、コンポーネントキャリア(Component Carrier、CC)、一部の帯域幅(Bandwidth、BWP)、サブバンド(subband)、参照信号グループ(refsignal group)、サブキャリアグループ(subcarrier group)などのリソースを含んでもよい。空間領域リソースは、アンテナ素子(enna element)、送受信ユニット(TxRU)、仮想アンテナポート(virantenna port)などのリソースを含んでもよい。電力領域リソースは、送信されたデータ(Data)、制御(control)、参照信号(reference signal、RS)、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block、SSB)などのうちの一つ又は複数のチャネルの最大送信電力、パワースペクトル密度(power spectral/spectrum density、PSD)などのうちの少なくとも一つを調整するために必要なリソースを含んでもよい。
【0124】
一例として、予め決定された節電レベルテーブルは、ネットワーク側装置の無線伝送能力及びネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されるリソースに基づいて予め決定されてもよい。例えば、以下の表5に示す節電(Energy Saving、ES)レベル表を予め決定することができる。
【表5】
【0125】
ここで、ESレベルを5つのレベルに分け、すなわちES1~ES4である。実際のニーズに応じてESレベルを任意の複数のレベルに分割してもよい。
【0126】
表5において、ES1~ES4の節電レベルは、高い順にソートすると、ES1、ES2、ES3、ES4の通りである。省電力レベルES1は、ネットワーク側装置でのエネルギー消費が最も低いことを示すことができる。節電レベルES4は、ネットワーク側装置でのエネルギー消費が最も高いことを示すことができる。節電レベルES2及びES3は、ネットワーク側装置での消費電力がES1とES4との間にあることを示している。ネットワーク側装置でのエネルギー消費の高低を指示する他の態様が設計されてもよい。
【0127】
表5におけるリソースは、ネットワーク側装置が無線伝送際に使用するリソースを示すことができる。例えば、時間領域リソース、周波数領域リソース、空間領域リソース及び電力領域リソースのうちの少なくとも一つ又はそれらの組み合わせである。
【0128】
表5における無線伝送能力は、対応するリソースを使用する際のネットワーク側装置の無線伝送能力を示すことができる。一例として、ネットワーク側装置の伝送能力は、過去の一定の時間帯内のネットワーク側装置の伝送データ量の最大値、平均値、加重平均値などであってもよい。例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は、過去の期間帯内にコンポーネントキャリアの単位時間帯内にデータ量の最大値又は加重平均値であってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は、一定の期間帯内に所定のコンポーネントキャリアでの全てのUE伝送速度の平均値と当該所定のコンポーネントキャリアの帯域幅との積であってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は所定の変調符号化方式(Modulation and Coding scheme、MCS)又はランク(Rank)数の場合のコンポーネントキャリアの最大レートであってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は、実際の伝送データ量とリソース使用率との比率であってもよい。
【0129】
前記リソースが、前記ネットワーク側装置が使用可能な複数のコンポーネントキャリアを含む場合、本開示の一つの実施例によれば、各コンポーネントキャリアは、前記コンポーネントキャリアに対応する優先度を有することができ、ここで、前記節電レベルテーブルにおいて、エネルギー消費が高いほど節電レベルがオンにする低優先度のコンポーネントキャリアが多い。
【0130】
図12Aから図12Bは、本開示の一実施例に係るネットワーク側装置が使用するリソースの概略図を示す。また、前記リソースは、ネットワーク側装置が使用可能な4つのコンポーネントキャリアを含んでもよい。図12Aに示すように、当該4つのコンポーネントキャリアは、それぞれCC1、CC2、CC3及びCC4と記す。CC1は中心周波数が800 Mであり、ビーム幅(Beamwidth)が55 Mであり、ビームカバレッジ半径が902メートル(m)である。CC2は、中心周波数が1.5 Gであり、ビーム幅(Beamwidth)が50Mであり、ビームカバレッジ半径が654mである。CC3は、中心周波数が1.7Gであり、ビーム幅(Beamwidth)が45Mであり、ビームカバレッジ半径が613mである。CC4は、中心周波数が2.0 Gであり、ビーム幅(Beamwidth)が45 Mであり、ビームカバレッジ半径が564 mである。中心周波数が低いコンポーネントキャリアほど優先度が低い。すなわち、当該4つのコンポーネントキャリアの優先度は高いから順にCC4、CC3、CC2及びCC1である。また、コンポーネントキャリアのカバレッジ範囲、伝送を許可するトラフィック、トラフィック伝送に消費される電力などの要因に基づいて、コンポーネントキャリアの優先度を決定してもよい。
【0131】
この場合、上記表5におけるリソース列の内容は、具体的には、上記コンポーネントキャリアCC1-CC4にすると、以下の表6に示す内容を取得する。
【表6】
【0132】
上記節電レベルテーブル6において、エネルギー消費が最も高い節電レベルES4は、全ての4つのコンポーネントキャリアをオンにする。エネルギー消費が最も低い節電レベルES1は、その中のコンポーネントキャリアCC1のみを起動する。ES4とES1との間にエネルギー消費があるES2とES3がオンにするコンポーネントキャリアの数は、ES4とES1との間にある。したがって、エネルギー消費が高い節電レベルは、エネルギー消費が低い節電レベルに比べて、起動された低優先度のコンポーネントキャリアが多い。
【0133】
また、無線通信ネットワークは、一つ又は複数のセクタを含むことができ、前記一つ又は複数のセクタもネットワーク側装置に利用可能なリソースである。前記複数のセクタは均一であってもよく、この場合に各セクタのカバー領域の大きさは同じである。前記複数のセクタは不均一であってもよく、この場合に各セクタのカバー領域の大きさが異なってもよい。均一なセクタの場合について、以下に図12A及び図12Bを組み合わせて、上記表5及び6における基地局の無線伝送能力の決定を説明する。不均一なセクタの状況に対して、以下に図13Aから図13Cを参照して上記表5及び6における基地局の無線伝送能力の決定を説明する。
【0134】
続いて図12Aを参照し、図12Aに示す概略図において、ネットワーク側装置は、各コンポーネントキャリアで均一なセクタを有する。すなわち、図12Aに示すように、ネットワーク側装置は、各コンポーネントキャリアでいずれも6つの均一なセクタを有し、それぞれ30度(deg)、90度、150度、210度、270度及び330度方向のビームに対応する。この場合、いずれかの角度に対応するセクタ内の伝送データ量を選択して、残りの他の角度の伝送データ量を示すことにより、上記表3又は4における基地局の無線伝送能力を決定することができる。
【0135】
以下では、30度に対応する伝送データ量を例に説明する。
【0136】
前日内のコンポーネントキャリアの1時間内の伝送データ量の最大値を、ネットワーク側装置の無線伝送能力とする。
【0137】
まず、所定時間(例えば、前日)内の各コンポーネントキャリアの1時間内の伝送データ量の最大値を統計する必要がある。統計の結果を以下の表7に示す。表7には、統計されたコンポーネントキャリア毎の30度における伝送データ量が示されている。また、表7にはさらに統計された各コンポーネントキャリアが90度での伝送データ量を示す。なお、実際のニーズに応じて全てのコンポーネントキャリアの伝送データ量を統計することができる。なお、上記伝送データ量は実際の状況に応じて決定された経験値であってもよい。
【表7】
【0138】
次に、コンポーネントキャリアの優先度に基づいて以下の割り当て動作を行う。具体的には、CC1をエネルギー消費が最も低いことを示す電力レベルES1に対応するように割り当て、この場合にCC1に対応するデータ伝送量(すなわち、5842)をネットワーク側装置の無線伝送能力として決定する。CC1及びCC2をいずれも節電レベルES2に対応するように割り当て、CC1に対応するデータ伝送量(すなわち、5842)及びCC2に対応するデータ伝送量(すなわち、6786)の和(すなわち、5842+6786=12628)をネットワーク側装置の無線伝送能力として決定する。CC1乃至CC3をいずれも節電レベルES3に対応するように割り当て、CC1に対応するデータ伝送量(すなわち、5842)、CC2に対応するデータ伝送量(すなわち、6786)及びCC3に対応するデータ伝送量(すなわち、10739)の和(すなわち、5842+6786+10739=23367)をネットワーク側装置の無線伝送能力として決定する。CC1乃至CC4をいずれも節電レベルES4に対応するように割り当て、CC1に対応するデータ伝送量(すなわち、5842)、CC2に対応するデータ伝送量(すなわち、6786)、CC3に対応するデータ伝送量(すなわち、10739)及びCC4に対応するデータ伝送量(すなわち、9148)の和(すなわち、5842+6786+10739+9148=32515)をネットワーク側装置の無線伝送能力として決定する。上記決定されたネットワーク側装置の無線伝送能力を上記表5及び6に対応するデータと記す。
【0139】
このように、上記動作により、均一なセクタに対する節電レベルテーブルを予め決定することができる。この場合、節電レベルの柱状概略図は12Bに示す通りである。図12A及び図12Bに示すように、節電レベルES1では、CC1のみオンにする。節電レベルES2では、CC1、CC2がオンにする。節電レベルES3では、CC1乃至CC3がオンにする。節電レベルES4では、全てのコンポーネントキャリアをオンにし、すなわちCC1乃至CC4である。よって、節電レベルES4でネットワーク側装置のエネルギー消費が最も高い。節電レベルES1でネットワーク側装置のエネルギー消費が最も低い。
【0140】
以上が均一セクタを例にしてネットワーク側装置の無線伝送能力の決定方法を説明する。しかし、いくつかの場合、基地局のセクタ分布は不均一となる場合がある。この場合、本発明は、さらに不均一なセクタを有するネットワーク側装置に対してネットワーク側装置の無線伝送能力を決定するための方法を提供する。これについて、図13Aから図13Cを用いて説明する。
【0141】
図13Aに示すように、当該ネットワーク側装置には5つのコンポーネントキャリアが使用され、それぞれCC1、CC2、CC3、CC4及びCC5と記す。CC1は、中心周波数が700 Mであり、ビームのカバー半径が966メートル(m)であり、かつ0度に対応する一つのセクタで伝送される。CC2は、中心周波数が800 Mであり、ビームのカバー半径が902 mであり、それぞれ0度、150度及び270度のセクタで伝送される。CC3は、中心周波数が1.5 Gであり、ビームカバレッジ半径が654 mであり、かつそれぞれ0度、30度、60度、150度及び270度に対応するセクタで伝送される。CC4の中心周波数は1.7 Gであり、ビームカバレッジ半径は613 mでありかつそれぞれ0度、60度、150度及び270度に対応するセクタで伝送される。CC5は、中心周波数が2.0 Gであり、ビームカバレッジ半径が564 mであり、かつそれぞれ0度、30、60度、150度及び270度に対応するセクタで伝送される。また、図7Aに示すように、CC1、CC3及びCC4に対応するセクタの中心点と比べて、CC5及びCC2に対応するセクタの中心点が右へ39 mオフセットされている。また、図7Aに示すように、CC5は、5つのセクタに対応され、CC4は、4つのセクタに対応され、CC3は、5つのセクタに対応され、CC2は、3つのセクタに対応され、CC1は、1つのセクタに対応される。
【0142】
図13Aに示すネットワーク側装置が不均一なセクタを有する状況に対して、不均一隣接セクタに対応する伝送データ量を統合することにより、異なるコンポーネントキャリアを統合された後のセクタ方向のカバレッジに近接させることにより、ネットワーク側装置の節電性能を向上させることができる。
【0143】
例として、まず、所定時間(例えば、過去5時間)内の各コンポーネントキャリアの1時間内の伝送データ量の最大値を統計する必要がある。統計結果は、以下の表8に示す通りであり、ここで、●は、当該周波数CCが当該角度に対応する方向にセクタでカバーされることを示し、データを統計することができる。○は、当該周波数CCが当該角度に対応する方向にセクタでカバーされていないが、その隣接角度に対応する方向でのセクタでカバーされる可能性があることを示す。なお、上記伝送データ量は、実際の状況に応じて決定された経験値であってもよい。
【表8】
【0144】
次に、0度、30度及び60のデータを合併し、以下の表9に示す内容を得る。
【表9】
【0145】
合併されたビーム方向の効果は、図13Bに示す通りである。
【0146】
最後に、上記合併されたデータに基づいてネットワーク側装置の無線伝送能力を決定する。次に、ネットワーク側装置の無線伝送能力を決定するプロセスは、上記図12A図12Bを参照して説明したプロセスと類似し、さらなる説明を省略する。この場合の節電レベルの棒グラフは、図13Cのように表すことができる。
【0147】
本開示のさらにもう一つの実施例において、ステップS1110は、前記将来の期間帯のトラフィックを、予測誤差、目標節電量又は目標データスループットのうちの一つ又は複数に応じて調整し、調整された将来の期間帯のトラフィックと予め決定された節電レベルテーブルに基づいて、前記将来の期間帯において前記ネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定するステップをさらに含んでもよい。
【0148】
本開示の一つの実施例において、将来の時間帯のトラフィックと実際のトラフィックとの間に一定の誤差が存在する場合がある。当該誤差が小さいが、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルをより正確に決定するために、将来の期間帯のトラフィックを調整することができる。例えば、経験値又は統計値に基づいて将来の時間帯のトラフィックと実際のトラフィックとの間の相対誤差がx%であることを決定すると、この場合に以下の式により将来の時間帯のトラフィックを調整することができる。
【0149】
b=a/(1-x%)(4)
ここで、aは調整前の将来の時間帯のトラフィックであり、bは調整された将来の時間帯のトラフィックである。
【0150】
本開示の別の実施例において、決定された将来の期間帯においてネットワーク側装置の節電レベルが高いほど、ネットワーク側装置で使用されるリソースが少なくなり、それによりデータスループットも少なくなり、将来の期間帯のトラフィックを調整する際に目標節電量及び目標データスループットのうちの少なくとも一つに基づいてスケーリング係数を決定することができる。例えば、統計データは、スケール係数x=1.1である場合、ネットワーク側装置でのデータスループットの低下を2%以内に制御することができ、それにより節電レベルを調整する際にUEへのサービス影響が制御可能な範囲内にあることを示す。この場合、以下の式により将来の時間帯のトラフィックを調整することができる。
【0151】
b=a*x(5)
ここで、aは調整前の将来の時間帯のトラフィックであり、bは調整された将来の時間帯のトラフィックである。
【0152】
本開示のさらにもう一つの実施例において、上記スケーリング係数は、さらに目標シーンに基づいて取得することができる。例えば、目標シーンは、都市マクロ基地局(Umi、Urban Microcell)、都市マクロ基地局(Uma、Urban Macrocell)、農村(Rma、Rural Macrocell)、屋内ホットスポット(InH、Indoor Hot×t)などのシーンを含んでもよい。上記異なるシーン及び経験に基づいてスケーリング係数のモード又はスケーリング係数テーブルを事前に設計し、次に実際の商用がニーズに応じて達成される目標データスループット及び目標シーン要件に基づいて具体的なスケーリング係数を選択してもよい。上記予測誤差、目標節電量、目標データスループット又は目標シーンのうちの一つ又は複数の考慮により、将来の期間帯のトラフィックに基づいて全てのトラフィックを送信する際にネットワーク側装置に必要な最小節電レベルをできるだけ選択してもよい。
【0153】
図14に示すように、スケーリング係数の増大に伴い、将来の期間帯のトラフィックが絶えず増幅され、それによりより低い節電レベルを選択する。すなわちスケーリング係数の増大に伴い、ネットワーク側装置はより多くのリソースを使用してデータを伝送することで、ネットワーク側装置でのデータスループット低下率を連続的に低下させ、それによりネットワーク側装置でのビデオ部(AAU)での電力消費を随際に増加させる。例えば、スケール係数が1.1である場合、ネットワーク側装置でのデータスループットが1.7%低下し、ネットワーク側装置でのビデオ部(AAU)での消費電力が53.9%に増加する。
【0154】
図11に戻り、ステップS1120において、ネットワーク側装置は、決定された節電レベルに基づいて節電動作を行うことができる。
【0155】
一例として、ネットワーク側装置が行う節電動作はシャットダウンを待つことにより使用し続ける必要がないリソースを閉じることを含んでもよい。例えば、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルが上記表6におけるES3であると決定した場合、将来の期間ネットワーク側装置は、前に起動されたCC4をオフにする。CC4を具体的にオフにする際に、新たなUEをオフにするCC4にアクセスせず、かつCC4により伝送されたデータを全て伝送した後、CC4をオフにし、例えばCC4により伝送されたデータ量が少ない場合(このような状況に一定の待機遅延が存在する)。
【0156】
もう一つの例として、ネットワーク側装置が行う節電動作はアンインストール(offload)法により使用し続ける必要がないリソースをオフにすることを含んでもよい。例えば、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルが上記表6におけるES3であると決定した場合、将来の期間ネットワーク側装置は前に起動されたCC4をオフにする。CC4を具体的にオフにする際に、新たなUEをオフにするCC4にアクセスせず、かつCC4により伝送されたデータをCC1-CC3のうちのいずれか一つ又は複数にアンインストール(offload)して伝送することができ、最後にCC4をオフにする。上記状況は当該CCにより伝送されたトラフィックが多い状況に適用され、かつこのアンインストール法により一定のシグナリングオーバーヘッド及びシグナリングインタラクション遅延をもたらす。
【0157】
もう一つの例として、ネットワーク側装置の前記節電動作はオフ待ちのCCにより送信されたトラフィック及びUEの数に基づいて上記待ち受けオフ法及びオフロード(offload)法のうちの一つ又は二つを柔軟に運用することを含んでもよい。
【0158】
もう一つの例として、ネットワーク側装置が行う節電動作は、セル特性、接続されたUEのトラフィック及びタイプ、及びコンポーネントキャリアタスクの優先度のうちの一つ又は複数を組み合わせることにより、閉じる必要があるコンポーネントキャリアを選択することを含んでもよい。
【0159】
セル特性に対して、カバレッジが小さいCC(例えば周波数が高く、幅が狭いCC、例えば上記図12Aを参照して説明されたCC4又は図13Aを参照して説明されたCC5)を優先的にオフにすることができ、その伝送されたデータ量が小さいCCを優先的にオフにすることができ、送信電力の高いCCを優先的にオフにすることができ、又は単位電力伝送能力が低いCCを優先的にオフにすることができる。実際の応用に応じて、カバレッジが大きく、その伝送によるデータ量が大きく、送信電力が低く、又は単位電力伝送能力が高いCCを優先的に閉じることができる。
【0160】
接続されたUEのトラフィック及びタイプに対して、それにより伝送されたトラフィックの少ないCCを優先的にオフにし、当該CCをプライマリセル(Cell、Pscell)又はセカンダリセル(Cell、Scell)に設定するUE数が最も小さいCC(このような場合に、引き起こされたシグナリングオーバーヘッドが小さい)を優先的にオフにすることができ、当該CCをPscellとするUEの数が最も小さいCCを優先的にオフにすることができる(このような場合に、もたらしたシグナリングオーバーヘッドが小さい)、又は低い終了UE数が最も小さいCCを優先的にオフにすることができる。代替可能に、実際の応用に応じて、それにより伝送された通信量が大きく、UEの数が最大であるか、又は低い終了したUE数が最大であるCCを優先的にオフにすることができる。
【0161】
コンポーネントキャリアタスクの優先度に対して、優先度の低いCC、例えば上記図12A又は図13Aを参照して説明されたCC1を優先的にオフにすることができる。又は、優先度の高いCCを優先的にオフにすることができる。
【0162】
以上、図11図14を参照して、本開示により提供される他の方法について詳細に説明した。本開示の提供する上記方法は将来の期間帯のトラフィックと予め決定された節電レベルテーブルに基づいて将来の期間帯においてネットワーク側装置の節電レベルを正確に決定することができ、それによりネットワーク側装置は節電レベルを正確に選択することができ、かつ決定された節電レベルに基づいて動作する際に必要なトラフィックを伝送する最小リソースのみを正確に保留することができ、それにより最適な節電効果を達成する。
【0163】
以上では図1から図14を参照して本開示のネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法を説明し、以下に図15から図17を参照して本開示の提供する無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置を説明する。図15に示すネットワーク側装置1500は図1から図4Eを参照して説明したネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法に対応し、図16に示すネットワーク側装置1600は図5から図10Bを参照して説明したネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法に対応し、及び図17に示すネットワーク側装置1700は図11図14を参照して説明したネットワーク側装置での無線通信に用いられる方法に対応するため、ここで簡単に説明するために、同じ内容の詳細な説明を省略する。
【0164】
図15は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1500のブロック図である。図16は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1600のブロック図である。図17は、本開示の実施形態に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置1700のブロック図である。
【0165】
図15を参照すると、ネットワーク側装置1500は、記憶部1510及び処理部1520を含んでもよい。当該例示では、ネットワーク側装置1500は、記憶部1510及び処理部1520を含む。なお、ネットワーク側装置1500は、さらに他の部材を含むことができるが、これらの部材は本開示の実施例の内容と無関係であるため、ここではその図示及び説明を省略する。
【0166】
一例として、ネットワーク側装置1500は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置1500は、OAMモジュール又はSMOモジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは本開示の提供する方法を実行することにより、予測された将来の時間帯のトラフィック情報を例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する動作を行う。
【0167】
図15に示すように、記憶部1510は、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報を記憶してもよく、ここで前記隣接期間帯は前記履歴期間帯よりも将来の期間帯に近い。
【0168】
例として、上記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置の内部記憶部に記憶されることができ、例えばメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)及び電気的消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)である。又は、上記履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置と対話する外部記憶部又はクラウドに記憶されることができる。
【0169】
一例として、時間帯は、時間単位又は分単位の時間であってもよい。例えば、期間帯は1時間又は2時間であってもよい。また、期間帯は15分又は30分であってもよい。
【0170】
本開示の実施例において、将来の期間帯は、予測される将来のある期間帯であってもよい。例えば、将来の時間帯は、現在時刻の直後の時間帯であってもよく、例えば現在時刻が12:00であれば、将来の時間帯は13:00-14:00であってもよい。また、例えば、将来の時間帯は、現在時刻と所定の時間を隔てる時間帯であってもよく、例えば、現在時刻が12:00であれば、将来の時間帯は、2時間間隔以下の時間帯15:00-16:00であってもよい。
【0171】
履歴期間帯は、将来の期間帯が存在する当日よりも前の期間帯であってもよい。例えば、履歴期間帯は、将来の時間帯が存在する日の前日又は過去数日の期間帯であってもよい。それに応じて、履歴期間帯のトラフィックは、将来の時間帯が存在する日の前の日の期間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。例えば、期間帯が1時間であるとすると、履歴期間帯のトラフィックは将来の時間帯が存在する日の前の日中に、各時間内に発生されたトラフィックであってもよい。
【0172】
また、隣接期間帯は、当日中の将来の期間帯よりも前の期間帯であってもよい。例えば、隣接期間帯は、当日内の将来の期間帯の前の一つの期間帯又は複数の期間帯であってもよい。また、例えば、将来の時間帯が当日の16時から17時までであるとすると、隣接時間帯は、当日の15時から16時までであってもよいし、当日の10時から11時等であってもよい。それに応じて、隣接期間帯のトラフィックは、当日内に将来の時間帯の前の期間帯内に発生されたトラフィックであってもよい。例えば、期間帯が1時間であるとすると、隣接期間帯のトラフィックは当日内に将来の時間帯の前の時間内に発生されたトラフィックであってもよい。
【0173】
処理部1520は、前記履歴期間帯のトラフィックに関する情報及び前記隣接期間帯のトラフィックに関する情報、又は記憶された複数の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、将来の期間帯のトラフィックを予測してもよい。
【0174】
一例として、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置によりリアルタイムに取得することができる。又は、履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置が実際のニーズに応じて予め設定された時刻に取得することができる。
【0175】
本開示の一つの実施例によれば、処理部1520は、履歴期間帯のうち前記将来の期間帯に対応する期間帯のトラフィックに関する情報、履歴期間帯のうち特定の隣接期間帯に対応する期間帯のトラフィックに関する情報、及び前記特定の隣接期間帯のトラフィックに関する情報に基づいて、前記将来の期間帯のトラフィックを予測してもよい。
【0176】
本開示の別の実施例によれば、前記履歴期間帯及び前記隣接期間帯は、前記将来の期間帯の関連期間帯、及び前記将来の期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯、又は前記隣接期間帯において前記将来の期間帯を含む関連期間帯、及び前記将来の期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯を含む。この場合、処理部1520は、さらに、前記将来の時間帯のトラフィック及び関連期間帯のトラフィックと基準時間帯のトラフィックとの間の関連性を指示する第1の係数に基づいて、前記将来の時間帯のトラフィックを予測してもよい。
【0177】
例えば、上記図2Aを参照すると、履歴期間帯は、前日中の10:00-11:00、11:00-12:00又は12:00-13:00の期間帯であってもよい。隣接期間帯は、当日の10:00-11:00、または11:00-12:00の期間帯であってもよい。
【0178】
一例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、履歴期間帯及び隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は、前日中の12:00-13:00の時間帯であってもよい。履歴期間帯及び近傍期間帯に含まれるそれぞれ将来期間帯及び関連期間帯に対応する基準期間帯は、それぞれ、当日中の11:00-12:00の期間帯と、前日中の11:00-12:00の期間帯であってもよい。第1の係数は、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの間の相関性を示すことができる。
【0179】
もう一つの例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、履歴期間帯及び隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は、当日中の11:00-12:00の時間帯であってもよい。また、前日中の12:00-13:00の期間帯と、前日中の11:00-12:00の期間帯とは、それぞれ前日中の12:00-13:00の期間帯であってもよい。第1の係数は、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの間の相関性を示すことができる。例えば、この場合、第1の係数は、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの差と、前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの差、の相関性を示すことができる。又は、第1の係数は当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの比と、前日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと前日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックとの比と、の相関性を示すことができる。
【0180】
もう一つの例として、将来の時間帯は、当日中の12:00-13:00の時間帯であってもよく、隣接期間帯に含まれる将来の時間帯の関連時間帯は当日中の11:00-12:00の時間帯であってもよい。隣接期間帯に含まれる前記将来期間帯及び関連期間帯にそれぞれ対応する基準期間帯は、当日中の11:00から12:00までの期間帯と、当日中の10:00から11:00までの期間帯であってもよい。第1の係数は、当日中の12:00-13:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと当日中の11:00-12:00の時間帯のトラフィックと当日中の10:00-11:00の時間帯のトラフィックとの間の相関性を示すことができる。
【0181】
ここで、α、β、γ、χに対応する式は、表1に示す通りである。
【0182】
なお、以上の図2A及び表1を参照して説明された第1の係数の例では当日の前日を例として説明したが、当日から一日又は複数日の過去のある日を例として説明した説明も同様に上記方法を適用してもよい。
【0183】
第1の係数は、履歴トラフィックデータにより統計して取得することができる。これについて、例えば図4Aから図4Eを用いて説明した。又は、第1の係数は実際のニーズに応じて固定値として予め設定することができる。第1の係数の絶対値が大きいほど関連性が高いことを示すことができ、第1の係数の絶対値が小さいほど関連性が低いことを示すことができる。例えば、第1の係数の値が+1又は-1である場合に相関性が高く、第1の係数の値が0である場合に相関性が低いことを示す。一日異なる期間帯に対して、第1の係数の値が異なる場合がある。また、ある特定の期間帯に対して、異なる方法に基づいて取得された第1の係数(例えば、上記α、β、γ、及びδ)の値が異なる場合がある。したがって、本開示の別の実施例によれば、将来の期間帯のトラフィックを実際に予測する場合、実際の状況に応じて異なる方法に基づいて取得された候補係数からいずれを選択して第1の係数として予測することができる。例えば、ネットワーク側装置は複数の候補係数のうちから前記将来の期間帯と相関性が最も大きい候補係数を前記第1の係数として選択してもよい。
【0184】
上記図3は、係数α、β、γを例にして、係数α、β、γの値の変化の一日中の値の変化を示す図である。上記図3に示すように、午前5時から6時までの間に、係数αの絶対値は係数β、γの絶対値より明らかに小さく、他の期間係数において係数β、γの絶対値より明らかに大きい。この場合、処理部1520は、相関値が最大になる係数を第1の係数として選択してもよい。例えば、α、β、γ、及びδは、第1の係数に対する候補係数であってもよい。処理部1520において、そのトラフィックを予測しようとする将来の時間帯に対して、候補係数α、β、γ、δにおいて最大になる係数を第1の係数として選択してもよい。
【0185】
したがって、本開示の提供するネットワーク側装置は、異なる候補係数に基づいて将来の時間帯のトラフィックを予測することができ、それにより本開示の提供するネットワーク側装置は柔軟かつ多様である。
【0186】
また、本開示の提供する上記ネットワーク側装置により、関連性が最も大きい候補係数を選択して将来の時間帯のトラフィック変化(例えば将来の時間帯のトラフィックの増大又は減少)及び将来の時間帯のトラフィックをより正確に予測することができる。
【0187】
上記本開示の提供するネットワーク側装置の詳細な説明から分かるように、本開示の提供するネットワーク側装置は、上記第1の係数を使用することにより、本開示の提供するネットワーク側装置は、将来の時間帯のトラフィック変化を正確に予測することができるが、偶発的に変化の大きさ予測が正確でない状況が存在する。当該状況に対して、本開示はまた上記ネットワーク側装置に対する更なる改善を提供する。
【0188】
本開示のさらにもう一つの実施例によれば、処理部1520は、さらに前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの間の相関性を指示する第2の係数に基づいて、前記将来の期間帯のトラフィックを予測してもよい。
【0189】
例として、前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの間の関係は、前記関連期間帯のトラフィックの大きさと前記関連期間帯の基準期間帯のトラフィックの大きさとの比であってもよく、それらの間のトラフィックの平均値の比又はトラフィックの最大値の比であってもよい。
【0190】
例えば、上記表2に示す例では、当日の将来の時間帯(例えば13:00-14:00)のトラフィックの平均値をxと記す。関連期間帯は、前日のうち将来の時間帯に対応する時間帯であり、そのトラフィックの平均値をaと記し、大きさが10である。関連期間帯の基準期間帯は、前日のうち隣接期間帯に対応する期間帯であり、そのトラフィックの平均値をdと記し、大きさが3である。第2係数をLとする。このような場合、第2の係数Lは10/3であってもよく、すなわち第2の係数Lは3に等しく、この場合、上記表1における方法1の公開はx=a+L*α*(e-d)に変形することができる。αが1であるとすると、この場合に予測された将来の時間帯のトラフィックxは30である。方法1を変形する前に予測されないx=a+α*(e-d)であり、すなわちxが16である。その後、将来の期間帯における実際のトラフィックは30である。
【0191】
関連期間帯は、さらに過去2日のうち将来の期間帯に対応する期間帯であってもよく、そのトラフィックの平均値の大きさは20であり、かつ当該関連期間帯の基準期間帯は、過去2日のうち隣接期間帯に対応する期間帯であってもよく、そのトラフィックの平均値の大きさは、6である。このような場合、第2の係数Lは20/6であってもよく、すなわち、第2の係数Lは3に等しい。この場合、上記表1における方法1の公開はx=a+L*α*(e-d)に変形することができる。αが1であるとすると、この場合に予測された将来の時間帯のトラフィックxは30である。方法1を変形する前に予測されないx=a+α*(e-d)であり、すなわちxが16である。その後、将来の期間帯における実際のトラフィックは30である。
【0192】
よって、第2の係数を導入することにより、本開示により提供されるネットワーク側装置は、将来の時間帯のトラフィック変化を正確に予測することができるだけでなく、将来の時間帯のトラフィックの変化の大きさをより正確に予測することができ、それにより予測されたトラフィックをより正確にする。
【0193】
将来の期間帯のトラフィックを正確に予測した後、ネットワーク側装置は、上記予測されたトラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。例えば、ネットワーク側装置は、3つのアンテナだけで将来の期間帯のトラフィックを処理することができる場合、ネットワーク側装置は残りのアンテナをオフにすることができ、残りのアンテナを動作させず、それによりネットワーク側装置での電力消費を節約する。さらに、例えば、ネットワーク側装置は、2つのコンポーネントキャリアだけを必要とすれば将来の期間帯のトラフィックを処理することができる場合、ネットワーク側装置は、残りのコンポーネントキャリアを送信せず、それによりネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0194】
以上、添付図面を参照しながら、本開示により提供される無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置について説明した。本開示の提供するネットワーク側装置は、第1の係数を使用することにより、本開示により提供されるネットワーク側装置が将来の時間帯のトラフィックの変化をより正確に予測することができる。本開示の提供するネットワーク側装置は、また上記第2の係数を用いることにより、本開示の提供するネットワーク側装置は、将来の期間帯のトラフィックの大きさの変化をより正確に予測することができる。それにより本開示の提供するネットワーク側装置は将来の期間帯にネットワーク側装置が処理する必要があるトラフィックを高精度に予測することができ、さらにネットワーク側装置は上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0195】
図16を参照すると、ネットワーク側装置1600は、取得部1610及び処理部1620を含んでもよい。当該例示では、ネットワーク側装置1600は、取得部1610及び処理部1620を含む。なお、ネットワーク側装置1600は、さらに他の部材を含むことができ、しかし、これらの部材は本開示の実施例の内容と無関係であるため、ここではその図示及び説明を省略する。
【0196】
一例として、ネットワーク側装置1600は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置1600は、基地局外部と基地局がインタラクティブする動作管理・メンテナンス(Operation Administent and Maintenance、OAM)モジュール又はサービス管理・オーケストレーション(Service Management and Orchestration、SMO)モジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは、本開示により提供される方法を実行することにより予測された将来の時間帯のトラフィック情報を例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する動作を行う。
【0197】
図16に示すように、取得部1610は、過去の時間帯のトラフィックに関する情報、時間標識情報及びセクタ方向指示情報を取得するように構成されてもよく、ここで、前記時間標識情報は、前記過去の時間帯のトラフィックが第1時期であるか第2時期であるかを指示することができ、前記セクタ方向指示情報は前記ネットワーク側装置に対応するセルのセクタ方向を指示することができる。
【0198】
一例として、上記過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、上記図1に記載された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報であってもよい。過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置の内部記憶部に記憶されることができ、例えばメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)及び電気的消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)である。又は、過去の期間帯のトラフィックに関する情報は、ネットワーク側装置と対話する外部記憶部又はクラウドに記憶されることができる。
【0199】
例として、上記第1時期は、作業日、例えば月曜日から金曜日までの一日又は全ての日であってもよい。上記第2時期は、休日、例えば土曜日から日曜日のうちの一日又は全ての日であってもよい。
【0200】
例として、前記セクタ方向は、図12Aに記載された均一なセクタを結合する際に各角度に対応するセクタ方向、又は、図13Aに記載された非均一なセクタを結合する際に各角度に対応するセクタ方向を指すことができる。異なる角度に対応するセクタ方向により伝送されるトラフィックは、同じである可能性があり、異なる可能性もある。したがって、セクタ方向に基づいて将来の時間帯トラフィック情報の予測を行うことは、予測された将来の時間帯トラフィック情報をより正確にすることに役立つ。
【0201】
処理部1620は、前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報、前記時間標識情報及び前記セクタ方向指示情報に基づいて、ニューラルネットワークモデルを利用して、将来の時間帯のトラフィック情報を予測してもよい。
【0202】
本開示の一つの実施例によれば、前記ニューラルネットワーク(Neural Network、NN)モデルは、予めトレーニング済みのニューラルネットワークモデルである。前記ニューラルネットワークモデルは、従来の任意の適切なニューラルネットワークモデルであってもよく、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convoluting Neural Network、CNN)モデル、回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)モデルなどである。
【0203】
前記ニューラルネットワークモデルは、過去の時間帯のトラフィックに関する情報、時間標識情報及びセクタ方向指示情報に基づいて、トレーニングすることができる。
【0204】
一例として、過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去100日の各日中の各時刻内に発生されたトラフィックであってもよい。時間標識情報は、過去100日における一日当たりに発生されたトラフィックが、平日のトラフィックであるか休日であるかを示すトラフィックであってもよい。セクタ方向指示情報は、上記トラフィックを生成する際に前記ネットワーク側装置に対応するセルのセクタ方向を指示することができ、例えば図12Aに記載された60度に対応するセクタ方向を結合する。
【0205】
図6Aに示すように、当該トレーニングデータが4日目(day4)における5時間内のトラフィック()を予測しようとするとする。この場合、4日目の4時間前のトラフィック(すなわちT~T)及び4日目の前の三日内の各時間のトラフィック(すなわちday1におけるT~T24、day2におけるT~T24、及びday3におけるT~T24)を過去の期間帯のトラフィックとして選択してもよい。4日目の前のいずれか一日又は複数日内の各時間のトラフィックを選択してもよい。
【0206】
続いて図6Aを参照し、この場合、時間標識情報が0011合計4ビットの情報であってもよい。「0011」における第1ビットの「0」はday1内に発生されたトラフィックがいずれも休日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第2ビットの「0」はday2内に発生されたトラフィックがいずれも休日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第三ビットの「1」は、day3内に発生されたトラフィックがいずれも稼働日のトラフィックであることを表すことができる。「0011」における第四ビットの「1」はday4内に発生されたトラフィックがいずれも稼働日のトラフィックであることを表すことができる。
【0207】
セクタ方向指示情報は、010000の6ビットの情報であってもよい。この6ビットの情報は、図12Aで説明した30度、90度、150度、210度、270度、330度に対応する方向を左から右にそれぞれ示すことができる。対応する方向がトラフィックを伝送する場合、上記6ビットの情報における対応するビットを1に設定することができる。対応する方向にトラフィックが伝送されない場合、上記6ビットの情報における対応するビットを0に設定することができる。この場合、上記「010000」は、90度に対応するセクタ方向のみにトラフィックを伝送することを示すことができる。
【0208】
続いて図6Aを参照し、上記1つのトレーニングデータをニューラルネットワークに入力した後、ニューラルネットワークは、予測されたトラフィックT を取得する。当該予測されたトラフィックT と当該時刻の実際のトラフィックTに基づくと、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することによりニューラルネットワークのトレーニングを完了することができる。
【0209】
上記1つのトレーニングデータをニューラルネットワークに入力した後、ニューラルネットワークは予測されたトラフィックT 、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報を取得する。この場合、当該予測されたトラフィックT 及び当該時刻の実際のトラフィックT、当該予測された時間標識情報及び当該時刻の実際の時間標識情報、及び当該予測されたセクタ方向情報及び当該時刻の実際のセクタ方向情報に基づいて、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することにより、ニューラルネットワークのトレーニングを完了することができる。
【0210】
また、図6Bに示すように、トレーニングされたニューラルネットワークの予測効果をよりよくするために、実際のトレーニングにおいて、まず、多くの日内(例えば上記表3に示す)の上記1つのトレーニングデータと類似する大量のデータを選択してニューラルネットワークに入力してトレーニングする。
【0211】
上記表3において、トレーニングデータは、ニューラルネットワークをトレーニングするために用いられる。ニューラルネットワークは、複数回トレーニングし、検証データは、毎回のトレーニングされたニューラルネットワークを検証するために用いられ、トレーニング過程において検証データにおいて最も高いニューラルネットワークのみを保留する。例えば、現在のニューラルネットワークは50回トレーニングされたとすると、検証データにおいて最も高いものは25回目にトレーニングされたニューラルネットワークである。そして、51回目のトレーニングを行った後、51回目にトレーニングされたニューラルネットワークの検証データにおける確率が25回目にトレーニングされたニューラルネットワークの確率より低い場合、当該51回目にトレーニングされたニューラルネットワークを保留せずに続いてトレーニングを継続する。51回目にトレーニングされたニューラルネットワークの検証データにおける確率が25回目でトレーニングされたニューラルネットワークの確率よりも高い場合、当該51回目でトレーニングされたニューラルネットワークを保留し、すなわち25回目でトレーニングされたニューラルネットワークを削除して51回目のみを残してニューラルネットワークをトレーニングし、続いてトレーニングを継続し、所定の要求に達するニューラルネットワークをトレーニングするまで継続する。テストデータは最終的にトレーニングされたニューラルネットワークをテストするために用いられる。
【0212】
各トレーニングデータに基づいて予測されたトラフィックと当該時刻の実際のトラフィックに基づいて、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することによりニューラルネットワークのトレーニングを完了する。前記損失関数は任意の適切な損失関数であってもよく、例えば平均二乗誤差(mean squferror、MSE)損失関数、交差エントロピー損失関数(例えばsoftmax)などである。
【0213】
最後に、上記トレーニングが完了された後、ニューラルネットワークの各重みが固定される。すなわち、上記処理を経た後、ニューラルネットワークは、トレーニングされ、かつ将来の時間帯のトラフィック情報を予測することができる。
【0214】
一例として、予測された将来の時間帯のトラフィック情報は、将来の時間帯のトラフィック、将来の時間帯の時間標識及び将来の時間帯のセクタ方向のうちの一つ又は複数であってもよい。
【0215】
以上、本開示により提供されるネットワーク側装置について詳細に説明した。なお、本開示の提供するネットワーク側装置は、大量のデータを経てトレーニングされたニューラルネットワークを使用するため、本開示の提供する方法は、将来の時間帯のトラフィック情報を正確に予測することができる。上記図15を参照して説明したネットワーク側装置と比較して、図16を参照して説明したネットワーク側装置はより便利かつ迅速である。
【0216】
また、上記図15を参照して説明したネットワーク側装置が予測した将来の時間帯のトラフィック情報をさらに判断してこそ当該将来の時間帯にネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定することができ、さらにネットワーク側装置に対応する節電動作を行うことができる。ある場合に、上記節電レベルを決定する態様は不適切であり、例えば節電レベルの境界値付近の点であまり正確ではない場合がある。これに基づいて、本開示は図16を参照して説明したネットワーク側装置の更なる改善を提供する。
【0217】
本開示の実施例によれば、取得部1610は、さらに前記過去の時間帯のトラフィックに対応する前記ネットワーク側装置のための節電レベル情報を取得するように構成され、処理部1620は、さらに前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報、前記時間標識情報、前記セクタ方向指示情報及び前記節電レベル情報に基づいて、前記ニューラルネットワークモデルを利用して、将来の時間帯のトラフィック情報を予測してもよい。
【0218】
一例として、節電レベル情報は、予め決定された節電(Energy Saving、ES)レベル情報であってもよい。例えば、上記表4に示すように、ここでnとNは、正の整数である。
【0219】
本開示の一つの実施例において、上記節電レベル情報も入力データとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。トレーニングされたニューラルネットワークを実際に使用する際に、その予測された将来の期間帯のトラフィック情報は将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0220】
一例として、ニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータに各トラフィックに対応する節電レベル情報を加えることができる。図7Aに示すように、トラフィックTが上記表4におけるESレベルがESであるとする。トラフィックTが上記表4中のESレベルに対応してESである。トラフィックTは上記表4中のESレベルに対応してESである。上記ES~ESも、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含んでもよい。
【0221】
もう一つの例として、いくつかの場合に、将来の期間帯に対応する節電レベルに比べて現在の節電レベルが低下したか又は増加したかのみ知りたい場合がある。上記節電レベルの変化のみを知りたいシーンでは、図7Bに示すように、節電レベルの変化情報をニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。具体的には、トラフィックTに対応するESレベルが0に変化するとする。トラフィックTに対応するESレベルは、(ES-ES)である。トラフィックTに対応するESレベルは、(ES-ESn-1)である。上記0、(ES-ES)・・・(ES-ESn-1)も、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は将来の期間帯に対応する節電レベル変化情報を含んでもよい。
【0222】
もう一つの例として、いくつかの場合に、将来の期間帯のトラフィックに対応する節電レベルの境界値のみ知りたい場合がある。上記節電レベルの境界値のみを知りたいシーンでは、図7Cに示すように、各トラフィックに対応する節電レベルの境界値をニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されるデータとしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。具体的には、トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は[境界0、境界1](例えば上記表4における[0、100])であるとする。トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は[境界1、境界2](例えば上記表4における[100、200])である。トラフィックTに対応する節電レベルの境界値は[境界n-1、境界n](例えば上記表4における[N-1、N])である。上記のトラフィック毎に対応する境界値を、ニューラルネットワークをトレーニングする際に用いられるデータとしてもニューラルネットワークをトレーニングする。よって、トレーニングされたニューラルネットワークが実際に使用される際に、その予測された将来の時間帯のトラフィック情報は将来の時間帯のトラフィックに対応する節電レベルの境界値を含んでもよい。
【0223】
上記3つの実施例において、ニューラルネットワークモデルをトレーニングする場合、ニューラルネットワークモデルは節電レベル情報を利用して算出されたニューラルネットワークモデルのモデル予測損失(例えば上記損失関数)に基づいてニューラルネットワークモデルのパラメータを調整して予めトレーニングされ、それによりトレーニングされたニューラルネットワークが実際の使用際に予測された将来の時間帯のトラフィック情報は将来の時間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置は対応する節電動作を行う。
【0224】
上記3つの例において、いずれもニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータを増加させることにより、節電レベル情報を利用して算出されたニューラルネットワークモデルのモデル予測損失に基づいてニューラルネットワークモデルのパラメータを調整して予めトレーニングされる。
【0225】
ニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されたデータを増加させず、モデル予測損失を改良することによりトレーニングされたニューラルネットワークを実際の使用際に予測された将来の期間帯のトラフィック情報は将来の期間帯に対応する節電レベル情報を含み、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0226】
本開示のさらにもう一つの実施例において、前記モデル予測損失は、前記節電レベル情報に対応するトラフィック範囲情報及び前記ニューラルネットワークモデルが予測したトラフィック情報に基づいて、前記ニューラルネットワークモデルのモデル予測損失を算出することで、算出される。
【0227】
例として、図8A及び図8Bに示すように、モデル予測損失がMSE損失関数であることを例として説明する。
【0228】
上記の図8Aを参照し、改良される前に、ニューラルネットワークをトレーニングする際に、ニューラルネットワークのMSELOSSは予測されたトラフィックT´n(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)を実際のトラフィックTn(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)と比較演算することで、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することによりニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0229】
図8Bを参照し、改良された後、ニューラルネットワークをトレーニングする場合、まず、各予測されたトラフィックに対応する実際のトラフィックの対応する節電レベルを決定し、例えば実際のトラフィックTn(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)に対応する節電レベルはES(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)である。
【0230】
次に、当該節電レベルに対応するトラフィック範囲を決定し、例えば、決定されたES2に対応するトラフィック範囲は100~200である(上記表4に示す通りである)。
【0231】
次に、当該範囲内の代表的な値を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択する。例えば、当該範囲内の中央値mid(n=0、1…m、n及びmはいずれも整数である)を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択する(図8Bに示す通りである)。又は、当該範囲内の極値を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。例えば、当該範囲が0~100である場合、最小値0を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。当該範囲が100~200である場合、最小値100を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。さらに、例えば、当該範囲が0~100である場合、最大値100を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。当該範囲が100~200である場合、最大値200を当該節電レベルに対応するトラフィック値として選択してもよい。
【0232】
最後に、ニューラルネットワークのMSELOSSは予測されたトラフィック(n=0,1…m、ここでn及びmはいずれも整数である)を上記選択された節電レベルに対応するトラフィック値(例えばmid(n=0,1…m、ここでn及びmはいずれも整数である))と比較演算することで、損失関数に基づいてニューラルネットワークの重みを調整することによりニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0233】
上記改良により、トレーニングが完了されたニューラルネットワークモデルは、実際的に使用される際に予測された将来の時間帯のトラフィック情報に、将来の時間帯に対応する節電レベル情報を含むことができ、それによりネットワーク側装置に対応する節電動作を行う。
【0234】
なお、ニューラルネットワークをトレーニングする際に大量のデータを使用してトレーニングを行い、上記トレーニングニューラルネットワークの態様はデータに基づく規則をよくマイニングすることができるが、人の経験知識を結合することができず、それによりトレーニングされたニューラルネットワークがさらに向上されることにより、より好ましい結果を得る。上記場合に対して、本開示は図5を参照して説明した方法の更なる改善を提供する。
【0235】
具体的には、ニューラルネットワークをトレーニングする際に、上記図1を参照して説明した方法で使用された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報、及び第1の係数(例えば、上述α、β、γ、δ)のうちの少なくとも一つと、上記図5を参照して説明した態様で使用された少量の過去の時間帯のトラフィックの情報、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報に基づいてニューラルネットワークをトレーニングし、例えばニューラルネットワークを採用して組み合わせてトレーニングする態様を採用することができる。
【0236】
ニューラルネットワークをトレーニングする際に、上記少量の過去の時間帯のトラフィックの情報、予測された時間標識情報及び予測されたセクタ方向情報を第1ニューラルネットワークに入力してトレーニングするとする。当該第1ニューラルネットワークを用いてトレーニングする際の重みはα(m=0,1,2…nであり、ここでmとnはいずれも整数である)とする。
【0237】
上記図1を参照して説明された方法で使用された履歴期間帯のトラフィックに関する情報と隣接期間帯のトラフィックに関する情報、及び第1の係数(例えば、上述α、β、γ、δ)のうちの少なくとも一つは、予め所定の重みが与えられ、例えばβ(m=0,1,2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)である。
【0238】
上記二つの重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力してトレーニングして、αとβの重み(pと記す)を得る。重みαとβとpに基づいて、上記第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークを含むニューラルネットワーク全体の融合重みを取得することができる。前記第2ニューラルネットワークは従来の任意の適切なニューラルネットワークであってもよく、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolt Neural Network、CNN)、回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)などである。
【0239】
最後に、上記第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークを含むニューラルネットワーク全体の融合重みを調整することにより、損失関数を最小にしてニューラルネットワークのトレーニングを完了する。
【0240】
本開示の実施例によれば、異なるニーズに応じて融合重みを取得することができる。
【0241】
例として、図9Aに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、重みpを得る。次に、αとβとpに基づいて融合重みを取得する。
【0242】
もう一つの例として、図9Bに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、対応する一組の重みp(m=0、1、2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)を得る。次に、pに基づいて融合重みを取得する。
【0243】
もう一つの例として、図9Cに示すように、重みαとβを第2ニューラルネットワークに入力した後、融合重みw(m=0、1、2…n、ここでm及びnはいずれも整数である)を直接的に得る。
【0244】
本開示の実施例によれば、前記過去の時間帯のトラフィックに関する情報は過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含むことができ、処理部1620は、さらに複数の集合における各過去の時間帯のトラフィックデータを前記複数の集合における最大値で割ることにより、各過去の時間帯のトラフィックデータを正規化し、正規化されたトラフィックデータに基づいて、前記ニューラルネットワークモデルを用いて、将来の時間帯のトラフィック情報を予測してもよい。又は、処理部1620は、さらに各集合における各トラフィックデータを前記各集合における最大値で割ることにより各トラフィックデータを正規化し、かつ正規化されたトラフィックデータに基づいて、前記ニューラルネットワークモデルを用いて、将来の時間帯のトラフィック情報を予測してもよい。
【0245】
以上の説明において、ニューラルネットワークをトレーニングする場合、ニューラルネットワークは、バッチ(batch)で上記データに対して正規化処理を行い、かつ各バッチのデータはランダムに数本のデータで構成される。例えば、いずれのバッチのデータは図6Aに示すようなn(nは整数)本の時間帯のトラフィックであってもよい。すなわち、各バッチのトレーニングの過去の時間帯のトラフィックに関する情報は過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含んでもよい。
【0246】
図10Aを参照すると、ニューラルネットワークに入力されてトレーニングさせる当該バッチのデータは、n個の集合(すなわち1-n、nは整数である)を含むとする。i番目の集合に対して、当該集合のデータは、過去72個の期間帯内のトラフィックを含むことができ、すなわちx0,0~x0,71である。正規化処理の態様を改善しない前に、ニューラルネットワークは、当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチのデータ内の全てのトラフィックデータの総和(sum)で割って、正規化処理の目的を達成し、図10Aに示す通りである。
【0247】
各トラフィックデータの値が比較的大きい(例えば、数十万の数値に達する)ため、当該バッチのトラフィックデータの総和が大きい。当該バッチデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチデータ内の全てのトラフィックデータの総和で割った後のデータは非常に小さい。それでは、後続のトレーニング過程で生成された誤差が小さいが、sumを乗算することで、僅かな誤差による予測トラフィック誤差が大きい。
【0248】
これに対して、本開示の改良方法は、当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該バッチのデータ内の全てのトラフィックデータ中の最大値(max)で割ることにより、正規化処理の目的を達成し、図10Aに示す通りである。当該バッチのデータ内の各期間帯内のトラフィックデータの値と最大値との差が小さいため、トレーニングされたニューラルネットワークがさらに速い。
【0249】
また、各バッチの過去の時間帯のトラフィックに関する情報は、過去の時間帯のトラフィックデータの複数の集合を含んでもよい。例えば、第1バッチのデータは、第1、3及び5の計三個の集合データで構成される。第2バッチのデータは、第1、2及び4の計三個の集合データで構成される。上記改善方法に基づいて正規化処理を行う場合、第1バッチのデータにおける1番目の集合データを当該バッチのデータの最大値max 1で割り、第2バッチのデータにおける1番目の集合データを当該バッチのデータの最大値max 2で割る必要がある。max 1とmax 2は常に異なるため、ニューラルネットワークはトレーニングされる際に同様の1つの集合データが正規化処理される際に異なる値で割ることによりトレーニングされたニューラルネットワークの予測精度を低下させる場合がある。
【0250】
上記場合に対して、本開示のもう一つの改善方法は当該バッチのデータ内の各集合のデータ内の各期間帯内のトラフィックデータをいずれも当該集合のデータ内の全てのトラフィックデータの最大値(max)で割ることにより、正規化処理の目的を達成し、図10Bに示すように、それによりトレーニングされたニューラルネットワークがさらに迅速で正確である。
【0251】
なお、上記説明した図面を参照して説明したネットワーク側装置の異なる改良は同時に行われてもよく、選択的に行われてもよく、それにより改善されたネットワーク側装置は少なくとも上記各改善点の少なくとも一つを含む。
【0252】
以上、添付図面を参照しながら、本開示により提供される無線通信ネットワークにおけるネットワーク側装置について説明した。本開示により提供されるネットワーク側装置は、ニューラルネットワークの使用により、本開示の提供するネットワーク側装置が将来の時間帯のトラフィック情報を迅速かつ正確に予測することができる。本開示の提供するネットワーク側装置は、さらにニューラルネットワークをトレーニングする際に節電レベル情報を導入するため、本開示により提供されるネットワーク側装置は将来の期間帯のトラフィックに対応する節電レベル情報を正確に予測することができ、それによりネットワーク側装置は、対応する節電動作をより便利に実行することができる。本開示の提供するネットワーク側装置は、さらに融合重みの使用により、本開示の提供するネットワーク側装置は、予測された将来の時間帯のトラフィック情報の精度をさらに向上させることができる。本開示の提供するネットワーク側装置は、さらに正規化態様の改善により、本開示の提供するネットワーク側装置は、将来の時間帯のトラフィック情報をさらに迅速にかつ正確に予測することができる。さらに、ネットワーク側装置は、上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を節約する。
【0253】
上記図面を参照して説明したネットワーク側装置及び対応する方法は、将来の期間帯におけるトラフィックを正確に予測することができ、それによりネットワーク側装置は、上記トラフィックを処理できる一部のリソースを提供するだけで他のリソースをオフにすることにより、ネットワーク側装置での電力消費を全期間帯に節約することを達成する。
【0254】
図17を参照すると、ネットワーク側装置1700は、処理部1710及び制御部1720を含んでもよい。この例では、ネットワーク側装置1700は、処理部1710と制御部1720を含む。なお、ネットワーク側装置1700はさらに他の部材を含むことができ、しかし、これらの部材は本開示の実施例の内容と無関係であるため、ここではその図示及び説明を省略する。
【0255】
一例として、ネットワーク側装置1700は、基地局であってもよい。又は、ネットワーク側装置1700は、基地局外部と基地局と対話する上記OAMモジュール又はSMOモジュールであってもよい。ネットワーク側装置が上記OAM又はSMOモジュールである場合、前記OAM又はSMOモジュールは本開示の提供する方法を実行して得られた節電レベルに関する情報、予測された将来時間帯のトラフィック情報及び節電レベルに対応するリソース情報を例えば基地局に伝送する必要があり、基地局により対応する節電動作を行う。
【0256】
処理部1710は、将来の期間帯のトラフィック及び予め決定された節電レベルテーブルに基づいて、前記将来の期間帯において前記ネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定するように構成され、ここで、前記節電レベルテーブルは前記ネットワーク側装置の無線伝送能力及び前記ネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されたリソースに対応する複数の節電レベルを含んでもよい。
【0257】
一例として、ネットワーク側装置は、リアルタイムに取得するか又は予め設定された時刻で上記将来の期間帯のトラフィックを取得することができる。
【0258】
本開示の実施例において、ネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されるリソースは時間領域リソース、周波数領域リソース、空間領域リソース及び電力領域リソースのうちの少なくとも一つ又はそれらの組み合わせであってもよい。時間領域リソースはサブフレーム(subframe)、スロット(slot)、マイクロスロット(スロット)、シンボル(mbol)などのリソースを含んでもよい。周波数領域リソースはコンポーネントキャリア(Component Carrier、CC)、一部の帯域幅(Bandwidth、BWP)、サブバンド(subband)、参照信号グループ(refsignal group)、サブキャリアグループ(subcarrier group)などのリソースを含んでもよい。空間領域リソースはアンテナ素子(enna element)、送受信部(TxRU)、仮想アンテナポート(virantenna port)などのリソースを含んでもよい。電力領域リソースは送信されたデータ(Data)、制御(control)、参照信号(ref変調signal、RS)、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block、SSB)などのうちの一つ又は複数のチャネルの最大送信電力、パワースペクトル密度(powerウォブルームdensity、PSD)などのうちの少なくとも一つを調整するために必要なリソースを含んでもよい。
【0259】
一例として、予め決定された節電レベルテーブルは、ネットワーク側装置の無線伝送能力及びネットワーク側装置が無線伝送する際に使用されるリソースに基づいて予め決定されてもよい。例えば、上記表5に示すような節電(Energy Saving、ES)レベル表を予め決定することができる。
【0260】
上記表5において、ESレベルを5つのレベルに分け、すなわちES1-ES4である。実際のニーズに応じてESレベルを任意の複数のレベルに分割してもよい。
【0261】
上記表5において、ES1-ES4の節電レベルは、高い順にES1、ES2、ES3、ES4との順である。省電力レベルES1は、ネットワーク側装置でのエネルギー消費が最も低いことを示すことができる。節電レベルES4は、ネットワーク側装置でのエネルギー消費が最も高いことを示すことができる。節電レベルES2及びES3は、ネットワーク側装置での消費電力がES1とES4との間にあることを示している。ネットワーク側装置でのエネルギー消費の高低を指示する他の態様を設計することもできる。
【0262】
上記表5におけるリソースは、ネットワーク側装置が無線伝送際に使用するリソースを指示することができる。例えば、時間領域リソース、周波数領域リソース、空間領域リソース及び電力領域リソースのうちの少なくとも一つ又はそれらの組み合わせである。
【0263】
上記表5における無線伝送能力は、対応するリソースを使用する際にネットワーク側装置の無線伝送能力を示すことができる。一例として、ネットワーク側装置の伝送能力は、過去の一定の時間内のネットワーク側装置の伝送データ量の最大値、平均値、加重平均値などであってもよい。例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は、過去の期間帯内にコンポーネントキャリアの単位時間内にデータ量の最大値又は加重平均値であってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は、一定の期間帯内に所定のコンポーネントキャリアでの全てのUE伝送速度の平均値と当該所定のコンポーネントキャリアの帯域幅との積であってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は所定の変調符号化方式(Modulation and Coding scheme、MCS)又は(Rank)数の場合のコンポーネントキャリアの最大レートであってもよい。また、例えば、ネットワーク側装置の伝送能力は実際の伝送データ量とリソース使用率との比率であってもよい。
【0264】
前記リソースが前記ネットワーク側装置が使用可能な複数のコンポーネントキャリアを含む場合、本開示の一つの実施例によれば、各コンポーネントキャリアは、前記コンポーネントキャリアに対応する優先度を有することができ、ここで、前記節電レベルテーブルにおいて、エネルギー消費が高いほど節電レベルがオンにする低優先度のコンポーネントキャリアが多い。
【0265】
前記リソースは、ネットワーク側装置が使用可能な4つのコンポーネントキャリアを含んでもよい。図12Aに示すように、当該4つのコンポーネントキャリアはそれぞれCC1、CC2、CC3及びCC4と記す。CC1の中心周波数は800 Mであり、幅(Beamwidth)は55 Mでありかつビームカバレッジ半径は902メートル(m)である。CC2の中心周波数は1.5 Gであり、幅(Beamwidth)はビームでありかつビームカバレッジ半径は654 mである。CC3の中心周波数は1.7 Gであり、幅(Beamwidth)は45 Mでありかつビームカバレッジ半径は613 mである。CC4の中心周波数は2.0 Gであり、幅(Beamwidth)は45 Mでありかつビームカバレッジ半径は564 mである。中心周波数が低いコンポーネントキャリアほど優先度が低い。すなわち当該4つのコンポーネントキャリアの優先度は高いから順にCC4、CC3、CC2及びCC1である。また、コンポーネントキャリアのカバレッジ範囲、伝送を許可するトラフィック、トラフィック伝送に消費される電力などの要因に基づいてコンポーネントキャリアの優先度を決定することができる。
【0266】
この場合、上記表5におけるリソース列の内容は具体的には上記コンポーネントキャリアCC1-CC4であると、上記表6に示すようなコンテンツを取得する。
【0267】
上記節電レベルテーブル6において、エネルギー消費が最も高い節電レベルES4は、全ての四つのコンポーネントキャリアをオンにする。エネルギー消費が最も低い節電レベルES1はいずれのコンポーネントキャリアCC1のみを起動する。ES4とES1との間にエネルギー消費があるES2とES3がオンにするコンポーネントキャリアの数はES4とES1との間にある。ようするに、エネルギー消費が高い節電レベルはエネルギー消費が低い節電レベルに比べて起動された低優先度のコンポーネントキャリアほど多い。
【0268】
また、無線通信ネットワークは一つ又は複数のセクタを含むことができ、かつ前記一つ又は複数のセクタもネットワーク側装置に利用可能なリソースである。前記複数のセクタは均一であってもよく、この場合に各セクタのカバー領域の大きさは同じである。前記複数のセクタは不均一であってもよく、この場合に各セクタのカバー領域の大きさが異なる。均一なセクタの状況に対して、以上は図12A及び図12Bを参照して上記表5及び6における基地局の無線伝送能力の決定を説明した。不均一なセクタの状況に対して、先に図13A図13Cを参照して上記表5及び6における基地局の無線伝送能力の決定を説明した。ここでは説明を省略する。
【0269】
本開示のさらにもう一つの実施例において、処理部1720は前記将来の時間帯のトラフィックを予測誤差、目標節電量又は目標データスループットのうちの一つ又は複数に応じて調整し、調整された将来の期間帯のトラフィックと予め決定された節電レベルテーブルに基づいて前記将来の期間帯において前記ネットワーク側装置に用いる節電レベルを決定してもよい。
【0270】
本開示の一つの実施例において、将来の時間帯のトラフィックと実際のトラフィックとの間に一定の誤差が存在する場合がある。当該誤差が小さいが、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルをより正確に決定するために、将来の期間帯のトラフィックを調整することができる。例えば、経験値又は統計値に基づいて将来の時間帯のトラフィックと実際のトラフィックとの間の相対誤差がx%であることを決定すると、この場合に上記式(4)により将来の時間帯のトラフィックを調整することができる。
【0271】
本開示の別の実施例において、決定された将来の期間帯においてネットワーク側装置の節電レベルが高いほど、ネットワーク側装置の使用するリソースが少なくなり、それによりデータスループットも少なくなり、したがって将来の期間帯のトラフィックを調整する際に目標節電量及び目標データスループットのうちの少なくとも一つに基づいてスケーリング係数を決定することができる。例えば、統計データはスケール係数x=1.1である場合、ネットワーク側装置でのデータスループットの低下を2%以内に制御することができ、それにより節電レベルを調整する際にUEへのサービス影響が制御可能な範囲内にあることを示す。この場合、上記式(5)により将来の時間帯のトラフィックを調整することができる。
【0272】
本開示のさらにもう一つの実施例において、上記スケーリング係数はさらに目標シーンに基づいて取得することができる。例えば、目標シーンは都市マクロ基地局(Umi、Urban Microcell)、都市マクロ基地局(Uma、Urban Macrocell)、農村(Rma、Rural Macrocell)、屋内ホットスポット(InH、Indoor Hot×t)などのシーンを含んでもよい。上記異なるシーン及び経験に基づいてスケーリング係数のモード又はスケーリング係数テーブルを事前に設計し、次に実際の商用がニーズに応じて達成される目標データスループット及び目標シーン要件に基づいて具体的なスケーリング係数を選択してもよい。上記予測誤差、目標節電量、目標データスループット又は目標シーンのうちの一つ又は複数の考慮により、将来の期間帯のトラフィックに基づいて全てのトラフィックを送信する際にネットワーク側装置に必要な最小節電レベルをできるだけ選択してもよい。
【0273】
上記図14に示すように、スケーリング係数の増大に伴い、将来の期間帯のトラフィックが絶えず増幅され、それによりより低い節電レベルを選択する。すなわちスケーリング係数の増大に伴い、ネットワーク側装置はより多くのリソースを使用してデータを伝送することで、ネットワーク側装置でのデータスループット低下率を連続的に低下させ、それによりネットワーク側装置でのビデオユニット(AAU)での電力消費を随時に増加させる。例えば、スケール係数が1.1である場合、ネットワーク側装置でのデータスループットが1.7%低下し、ネットワーク側装置でのビデオ部(AAU)での消費電力が53.9%に増加する。
【0274】
図17に戻り、制御部1720は決定された節電レベルに基づいて節電動作を行うように構成されてもよい。
【0275】
一例として、ネットワーク側装置が行う節電動作はシャットダウンを待つことにより使用し続ける必要がないリソースを閉じることを含んでもよい。例えば、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルが上記表6におけるES3であると決定した場合、将来の期間ネットワーク側装置は前に起動されたCC4をオフにする。CC4を具体的にオフにする際に、新たなUEをオフにするCC4にアクセスせず、かつCC4により伝送されたデータを全て伝送した後、例えばCC4により伝送されたデータ量が少ない場合(このような状況に一定の待機遅延が存在する)、CC4をオフにする。
【0276】
もう一つの例として、ネットワーク側装置が行う節電動作はアンインストール(offload)法により使用し続ける必要がないリソースをオフにすることを含んでもよい。例えば、将来の期間帯において前記ネットワーク側装置の節電レベルが上記表6におけるES3であると決定した場合、将来の期間ネットワーク側装置は前に起動されたCC4をオフにする。CC4を具体的にオフにする際に、新たなUEをオフにするCC4にアクセスせず、かつCC4により伝送されたデータをCC1-CC3のうちのいずれか一つ又は複数にアンインストール(offload)して伝送することができ、最後にCC4をオフにする。上記状況は当該CCにより伝送されたトラフィックが多い状況に適用され、かつこのアンインストール法により一定のシグナリングオーバーヘッド及びシグナリングインタラクション遅延をもたらす。
【0277】
もう一つの例として、ネットワーク側装置の前記節電動作はオフ待ちのCCにより送信されたトラフィック及びUEの数に基づいて上記待ち受けオフ法及びオフロード(offload)法のうちの一つ又は二つを柔軟に運用することを含んでもよい。
【0278】
もう一つの例として、ネットワーク側装置が行う節電動作はセル特性、接続されたUEのトラフィック及びタイプ、及びコンポーネントキャリアタスクの優先度のうちの一つ又は複数を組み合わせることにより閉じる必要があるコンポーネントキャリアを選択することを含んでもよい。
【0279】
セル特性に対して、カバレッジが小さいCC(例えば周波数が高く、幅が狭いCC、例えば上記図12Aを参照して説明されたCC4又は図13Aを参照して説明されたCC5)を優先的にオフにすることができ、その伝送されたデータ量が小さいCCを優先的にオフにすることができ、送信電力の高いCCを優先的にオフにすることができ、又は単位電力伝送能力が低いCCを優先的にオフにすることができる。実際の応用に応じて、カバレッジが大きく、その伝送によるデータ量が大きく、送信電力が低く、又は単位電力伝送能力が高いCCを優先的に閉じることができる。
【0280】
接続されたUEのトラフィック及びタイプに対して、それにより伝送されたトラフィックの少ないCCを優先的にオフにし、当該CCをプライマリセル(Cell、Pscell)又はセカンダリセル(Cell、Scell)に設定するUE数が最も小さいCC(このような場合に、引き起こされたシグナリングオーバーヘッドが小さい)を優先的にオフにすることができ、当該CCをPscellとするUEの数が最も小さいCCを優先的にオフにすることができ(このような場合に、もたらしたシグナリングオーバーヘッドが小さい)、又は低い終了UE数が最も小さいCCを優先的にオフにすることができる。代替可能に、実際の応用に応じて、それにより伝送された通信量が大きく、UEの数が最大であるか、又は低い終了したUE数が最大であるCCを優先的にオフにすることができる。
【0281】
コンポーネントキャリアタスクの優先度に対して、優先度の低いCC、例えば上記図12A又は図13Aを参照して説明されたCC1を優先的にオフにすることができる。又は、優先度の高いCCを優先的にオフにすることができる。
【0282】
以上、添付図面を参照しながら、本開示により提供されるネットワーク側装置について詳細に説明した。本開示の提供する上記ネットワーク側装置は将来の期間帯のトラフィックと予め決定された節電レベルテーブルに基づいて将来の期間帯においてネットワーク側装置の節電レベルを正確に決定することができ、それによりネットワーク側装置は節電レベルを正確に選択することができ、かつ決定された節電レベルに基づいて動作する際に必要なトラフィックを伝送する最小リソースのみを正確に保留することができ、それにより最適な節電効果を達成する。
【0283】
<ハードウェア構成>
また、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示す。これらの機能ブロック(構成要素)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは物理的又は論理的に結合された一つの装置を用いて実現されてもよく、物理的又は論理的に分離された二つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続してこれらの複数の装置を使用して実現されてもよい。機能ブロックは、上記一の装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0284】
機能的には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、検索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見立て、ブロードキャスト(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring))、割り当て(allocating、mapping(マッピング))、割り当て(assigning(割り当て))などが存在するが、これに限定されない。例えば、機能を発揮する機能ブロック(構成要素)を送信部(transmアルキルエステルunit)又は送信機(transmitter)と呼ぶ。いずれも上記のように、実現方法は特に限定されない。
【0285】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図18は、本開示の一実施形態に係るネットワーク側機器のハードウェア構成の一例を示す図である。上述したネットワーク側機器(例えば、前記ネットワーク側機器15、ネットワーク側機器16又はネットワーク側機器17)は、物理的には、プロセッサ1801、メモリ1802、ストレージ1803、通信装置1804、入力装置1805、出力装置1806、バス1807等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0286】
また、以下の説明において、“装置”という用語は、回路、装置、部などに置き換えることができる。ネットワーク側装置のハードウェア構成は図示された各装置が一つ又は複数を含むように構成されてもよく、一部の装置を含まないように構成されてもよい。
【0287】
ネットワーク側装置における各機能について、特定のソフトウェア(プログラム)をプロセッサ1801、メモリ1802などのハードウェアに読み込むことにより、プロセッサ1801で演算しかつ通信装置1804による通信、又はメモリ1802及びストレージ1803におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御して実現される。
【0288】
プロセッサ1801は、例えばオペレーティングシステムを動作してコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1801は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成されてもよい。例えば、上記ネットワーク側装置の制御部、処理部などはプロセッサ1801によって実現されてもよい。
【0289】
また、プロセッサ1801は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどをストレージ1803及び通信装置1804の少なくとも一方からメモリ1802に読み出し、かつそれらに応じて様々な処理を実行する。プログラムとしては、上述した実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ネットワーク側装置の処理部又は制御部はメモリ1802に記憶されかつプロセッサ1801で動作される制御プログラムにより実現されてもよく、他の機能ブロックに対しても同様に実現されてもよい。上記の様々な処理は一つのプロセッサ1801によって実行されるという意味を説明したが、2つ以上のプロセッサ1801によって同時に又は順次実行されてもよい。プロセッサ1801は、1以上のチップによって実現されてもよい。また、プログラムは電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0290】
メモリ1802は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよく、例えばROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも一つで構成される。メモリ1802は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ1802は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を格納することができる。
【0291】
ストレージ1803は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよく、例えばCD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、可撓性ディスク、光磁気ディスク(例えば、圧縮ディスク、デジタル多機能ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード(card)、スティック(stick)、キードライバ(key drive)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ(pe)等の少なくとも一つで構成される。ストレージ1803は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上記の記録媒体は、例えば、メモリ1802及びストレージ1803の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、その他の適切な媒体であってもよい。
【0292】
通信装置1804は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワーク装置、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどとも呼ばれる。通信装置1804は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0293】
入力装置1805は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイク、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置は、外部への出力を行う出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ等)である。また、入力装置1805及び出力装置は一体になった構造(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0294】
また、プロセッサ1801、メモリ1802などの各装置は、情報を通信するためのバスにより接続される。バスは単一のバスを用いて構成されてもよいし、各装置間で異なるバスを使用して構成されてもよい。
【0295】
また、ネットワーク側装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより各機能ブロックの一部又は全部を実現する。例えば、プロセッサ1801はこれらのハードウェアの少なくとも一つを用いて実現されてもよい。
【0296】
<変形例>
また、本開示において、情報の通知は本開示で説明した態様/実施形態に限定されず、他の方法を用いて行ってもよい。例えば、情報の通知は、物理層シグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information))、UCI(Uplink Control Information))、上位レイアシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block))、SIB(System Information Block)))、他の信号又はこれらの組み合わせにより実施されてもよい。また、RRCシグナリングはRRCメッセージと呼ばれてもよく、例えばRRC接続設定(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0297】
本開示で説明する各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)、第6世代移動通信システム(6 th generation mous ication system(6G))、第x世代移動通信システム(xth generation mous ication system(xG))(xG(xは、例えば、整数、小数))、FRA(Fradio Access)、NR(new Radio)、New radio access(NX)、次世代無線アクセス(FX)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA 2000、UMB(Ultra Mobile Broband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(Wi MAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-Wide Band)、Bluetooth(登録商標))、その他の適切なシステムを利用するシステム、並びに、これらに基づいて拡張、修正、作成、規定された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムは組み合わせ(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5 Gの組み合わせ等)で適用されてもよい。
【0298】
本開示において説明される各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾がない限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示で説明した方法について、例示した順序で様々なステップの要素を提示し、提示された特定の順序に限定されない。
【0299】
本開示において基地局により行われる特定の動作は、状況に応じてその上位ノード(upper node)により行われることもある。基地局を有する一つ又は複数のネットワークノード(network nodes)で構成されたネットワークにおいて、端末との通信のために行われた様々な動作は明らかに基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等を考慮するが、これらに限定されない)の少なくとも一つによって行われる。上記では基地局以外の他のネットワークノードが一つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0300】
情報等(※参照「情報、信号」の項目)は、上位レイヤ(上位レイヤ)(又は下位レイヤ(下位レイヤ))から下位レイヤ(又は上位レイヤ)に出力可能である。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0301】
入出力される情報等は、特定の部位(例えば、メモリ)に格納されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新又は追加が可能である。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は、他の装置に送信されてもよい。
【0302】
判定は1ビットで表される値(0又は1)により行われてもよく、真偽値(Flean):真(true)又は偽(false))により行われてもよく、数値の比較(例えば、特定の値との比較)により行われてもよい。
【0303】
本開示で説明した各態様/実施形態は単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよく、実行に伴って切り替えて使用してもよい。また、特定の情報の通知(例えば、“X”の通知)は明示的に行われることに限定されず、暗黙的な態様(例えば、当該特定の情報の通知を行わない)により行われてもよい。
【0304】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとって、本開示が本開示において説明した実施形態に限定されるものではないことは明らかである。特許請求の範囲の記載によって定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本開示は修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0305】
本開示において、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれ、他の名称と呼ばれ、いずれも命令、コール、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能なファイル、実行スレッド、プロセス、機能などを意味すると広く解釈されるべきである。
【0306】
また、ソフトウェア、命令、情報等は伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、有線技術(同軸ケーブル、光ケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を用いてウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースからソフトウェアを送信する場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一つは伝送媒体の定義内に含まれる。
【0307】
本開示において説明された情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを用いて表されてもよい。例えば、上記の説明全体に基づいて言及されてもよいデータ、コマンド、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ(chip)などは電圧、電流、電磁波、磁場又は磁性粒子、ライトフィールド又は光子、又はそれらの任意の組み合わせで表すことができる。
【0308】
また、本開示において説明された用語及び本開示の理解に必要な用語は、同一又は類似の意味を有する用語に置換されてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)はキャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0309】
本開示で用いる「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0310】
また、本開示において説明された情報、パラメータなどは絶対値を用いて表されてもよく、特定の値に対する相対値で表されてもよく、対応する他の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスにより指示されてもよい。
【0311】
上記のパラメータに使用される名称は、あらゆる点で限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを用いた数式等も、本開示において明確に開示されているものとは異なる場合がある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCH等)及び情報要素は任意の適切な名称により識別することができ、したがってこれらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てられた様々な名称は全ての点で限定的な名称ではない。
【0312】
本開示において、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「fixed station」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信点(receivpoint)」、「送受信ポイント(transmission/receivpoint)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」等の用語は交換可能に使用される。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセル等の用語で呼称される場合もある。
【0313】
基地局は一つ又は複数(例えば、三つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバーエリア全体はより小さいエリアに分割することができ、各より小さいエリアも基地局サブシステム(例えば、室内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH:Radio Head))により通信サービスを提供することができる。「セル」又は「セクタ」という用語は当該カバレッジ内で通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバーエリアの一部又は全体を指す。
【0314】
本開示において、“移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)”、“端末”等の用語は交換可能に使用することができる。
【0315】
移動局は、当業者によって、加入者局、移動部、加入者部、無線部、遠隔部、移動機器、無線機器、無線通信機器、リモートデバイス、移動加入者局、アクセス端末、移動端末、無線端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、移動クライアント、クライアント、又は幾つかの他の適切な用語と呼ばれることもある。
【0316】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置等と呼ばれてもよい。また、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載される機器、移動体本体等であってもよい。当該移動体は移動可能な物体であり、移動速度は任意である。また当然ながら移動体が停止している場合も含む。当該移動体は例えば車両、輸送車両、自動車、自動二輪自転車、自転車、ネットワーキング自動車(connected car)、フォークリフト、ブルドーザ、ホイールローダ、ダンプトラック、フォークリフト、列車、バス、後部トレーラ、人力車、船舶(船舶及び他の水輸送工具(and other wraft))、航空機、ロケット、人工衛星、無人航空機(drone)(登録商標)、マルチコプタ(multicopter)、四回転翼(垂直離着陸)ヘリコプタ(quadcopter)、気球、及びそれらに搭載される物体を含み、又はこれに限定されない。また、当該移動体は運行指令に基づいて自律走行する移動体であってもよい。移動体(例えば、車、航空機等)であってもよく、無人で運動する移動体(例えば、無人航空機、自動運転車等)であってもよく、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。また、基地局及び移動局の少なくとも一方は通信動作際に必ずしも移動しない装置をさらに含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方はセンサなどのIoT(Internet of Through)装置であってもよい。
【0317】
また、本開示における基地局はユーザ端末に解読されてもよい。例えば、基地局とユーザ端末との間の通信を複数のユーザ端末間の通信(例えば、D 2D(Device-to-Device)、V 2X(Vehicle-to-Everything))等と呼ばれる)に置き換えた構造に対して、本開示の各態様/実施形態を適用することもできる。この場合、ユーザ端末が、上述した基地局が有する機能を有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの用語は、端末間通信に対応する用語(例えば、「side」)に置き換えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどはサイドチャネルに置き換えられてもよい。
【0318】
同様に、本開示におけるユーザ端末は基地局に解読されてもよい。この場合、基地局が上述したユーザ端末が有する機能を有する構成としてもよい。
【0319】
本開示において用いられる「特定」という用語は、多様な動作を含む場合がある。例えば、“決定”は判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、検索(looking up(検索)、スワイプ、inquiry(照会))(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造における検索)、確認(ascertaining)を“確定”すること等を含むと見なすことができる。また、“決定”は受信(receiving)(例えば、受信情報)、送信(transmコール)(例えば、送信情報)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリにアクセスするデータ)を“判断”、“決定”等を行ったと見なすことができる。また、“判断”、“決定”は解決(resolving)、選択(ing)、選定(chooter)、確立(establishing)、比較(comparing)などを行ったと“判断”、“決定”を行ったと見なすことができる。すなわち、“判断”、“決定”はいくつかの動作を“判断”、“決定”を行ったと見なすことができる。また、「判断(決定)」は、「assuming」、「expecting」、「considering」等に置き換えられてもよい。
【0320】
本開示において“接続され”、“結合され”という用語、又はそれらの全ての変形は二つ又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的な全ての接続又は結合を意味し、互いに“接続”又は“結合”された二つの元素の間に一つ又は一つ以上の中間要素が存在することを含んでもよい。要素間の結合又は接続は物理的であってもよく、論理的であってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、“接続”は“アクセス”に置き換えられてもよい。本開示において使用する場合、考慮することができ、一つ又は一つ以上の電線、ケーブル及び印刷電気接続の少なくとも一つを使用し、かついくつかの非限定的でかつ非限定的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視光及び非可視光の両方)の領域を有する波長を使用する。
【0321】
本開示で用いる「基づく」という記載は、別途明示しない限り、「のみに基づいて」を意味するものではない。換言すれば、「基づく」という記載は、「に基づいて」と「少なくとも基づいて」の両方に基づいていることを意味する。
【0322】
本開示で用いる「第1」、「第2」等の呼称を用いた要素のいずれの参考も、これらの元素の量または順序を包括的に限定するものではない。これらの呼称は、二以上の元素間を区別する便利な方法として本開示で使用することができる。したがって、第1及び第2元素に対する参考は二つの元素しか採用できないか、又は第1元素がいくつかの形態で第2元素よりも優先しなければならないことを意味しない。
【0323】
本開示では、上述した各装置の構成における「部」を「回路」、「機器」等に置き換えてもよい。
【0324】
本開示において、「含む(include)」、「含む(including)」及びそれらの変形を使用する場合、これらの用語は、用語「comprising」と同様に、包括的であることを意味する。さらに、本開示において使用される用語“又は(or)”は排他的論理和ではないことを意味する。
【0325】
以上は本開示を詳細に説明したが、当業者にとって、明らかに、本開示は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。本開示は、特許請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は例示説明を目的とするものであり、本開示に対していかなる制限的な意味を有するものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18