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特許7646140置換された{1,2,4,}トリアゾロ{1,5-A}ピリミジン化合物および微小管の安定化におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】置換された{1,2,4,}トリアゾロ{1,5-A}ピリミジン化合物および微小管の安定化におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20250310BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20250310BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250310BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
C07D487/04 146
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61K31/55
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/28
A61P35/00
A61P35/02
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022562242
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021026791
(87)【国際公開番号】W WO2021211408
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】63/009,727
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(73)【特許権者】
【識別番号】503257376
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブランデン、カート アール.
(72)【発明者】
【氏名】トロヤノフスキー、ジョン キュー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス、アモス ビー.、ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】リー、バージニア エム-ワイ
(72)【発明者】
【氏名】バラトレ、カルロ
(72)【発明者】
【氏名】アッレ ティボー
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-527543(JP,A)
【文献】国際公開第2006/100038(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/100037(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/169111(WO,A1)
【文献】特表2004-502691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物であって、前記化合物が、
【化1】
から選択される、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物において、前記化合物が、
【化2】
である、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物において、前記化合物が、
【化3】
である、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物において、前記化合物が、
【化4】
である、組化合物。
【請求項5】
神経変性疾患を治療するための組成物であって、
【化5】
である化合物の治療有効量を含む、組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の組成物において、前記化合物が、
【化6】
である、組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の組成物において、前記化合物が、
【化7】
である、組成物。
【請求項8】
請求項5に記載の組成物において、前記化合物が、
【化8】
である、組成物。
【請求項9】
がんを治療するための組成物であって、
【化9】
である化合物の治療有効量を含む、組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物において、前記化合物が、
【化10】
である、組成物。
【請求項11】
請求項9に記載の組成物において、前記化合物が、
【化11】
である、組成物。
【請求項12】
請求項9に記載の組成物において、前記化合物が、
【化12】
である、組成物。
【請求項13】
それを必要とする対象における神経変性疾患を治療するための薬剤の調整のための治療有効量の化合物の使用であって、前記化合物が、
【化13】
である、使用。
【請求項14】
請求項13に記載の使用において、前記化合物が、
【化14】
である、使用。
【請求項15】
請求項13に記載の使用において、前記化合物が、
【化15】
である、使用。
【請求項16】
請求項13に記載の使用において、前記化合物が、
【化16】
である、使用。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか一項に記載の使用において、前記神経変性疾患が、前記対象の脳におけるタウオパシーまたは微小管機能の低下によって特徴付けられる、使用。
【請求項18】
請求項13~16のいずれか一項に記載の使用において、前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、ピック病、進行性核上性麻痺(PSP)、皮質基底変性症、パーキンソン病(PD)、認知症を伴うPD、認知症を伴うレビー小体病、または筋萎縮性側索硬化症である、使用。
【請求項19】
請求項13~16のいずれか一項に記載の使用において、前記神経変性疾患が、外傷性脳損傷または外傷後ストレス障害である、使用。
【請求項20】
請求項19に記載の使用において、前記外傷性脳損傷は、反復性外傷性脳損傷または慢性外傷性脳症である、使用。
【請求項21】
請求項13~16のいずれか一項に記載の使用において、前記神経変性疾患が統合失調症である、使用。
【請求項22】
それを必要とする対象におけるがんを治療するための薬剤の調整のための治療有効量の化合物の使用であって、前記化合物が、
【化17】
である、使用。
【請求項23】
請求項22に記載の使用において、前記組成物が、
【化18】
である、使用。
【請求項24】
請求項22に記載の使用において、前記組成物が、
【化19】
である、使用。
【請求項25】
請求項22に記載の使用において、前記組成物が、
【化20】
である、使用。
【請求項26】
請求項22~25のいずれか一項に記載の使用において、前記癌が脳癌である、使用。
【請求項27】
請求項26に記載の使用において、前記癌がグリオーマまたは星細胞腫である、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、National Institutes of Healthから授与されたAG044332およびAG061173の政府支援を受けて行われたものである。政府は、この発明について一定の権利を有する。
【0002】
本出願は、2020年4月14日に出願された米国仮出願第63/009,727号の優先権の利益を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、癌またはアルツハイマー病や前頭側頭葉変性症のような神経変性タウパチーの治療のための化合物および方法を対象とする。
【背景技術】
【0004】
アルツハイマー病(AD)などの神経変性タウパチーは、微小管(MT)に結合するタンパク質であるタウの誤形成および凝集によって特徴づけられる。通常、タウはMTに結合して安定化し、神経細胞の軸索輸送に不可欠な微小管のネットワークを維持する。ADでは、タウは神経原線維変化(NFT)や神経原線維糸と呼ばれる凝集体に隔離され、MTとの結合が減少する。このタウの機能低下やオリゴマーあるいはフィブリラータウの形成は、MTの不安定化とそれに伴う軸索輸送障害につながり、神経細胞の機能障害や死に至る可能性があると考えられている。
【0005】
MTの機能が低下する可能性のある他の神経変性疾患には、前頭側頭葉変性症、多発性硬化症、パーキンソン病、筋萎縮性物質硬化症、統合失調症、ハンチントン病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、特にボクサー痴呆および反復性サッカーでの脳震盪によるもの、およびIEDによる軍隊での閉鎖性頭部外傷による起こる、これは慢性外傷性脳症(CTE)としても知られる反復性TBI(rTBI)が含まれる。
【0006】
MTに関連するタンパク質であるタウのミスフォールディングや凝集に少なくとも部分的に起因する神経変性疾患の治療には、血液脳関門を通過してMTを効果的に安定化できる化合物が必要とされる。
【0007】
微小管(MT)活性を有する[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連複素環化合物は、抗真菌剤として報告されて以来、癌化学療法や神経変性疾患治療など様々な応用が期待される分子として注目されてきた。セビパブリン(化合物1)は、強力な抗がん作用を有する化合物である。この化合物は、ビンクリスチンと同様にチューブリンのヘテロダイマーと相互作用し、グアノシン三リン酸(GTP)の交換速度を阻害することができるため、MTへの結合についてビンクリスチンと競合するがタキソールやコルヒチンとは競合しない。参照:Zhang,"Synthesis and SAR of[1,2,4]triazolo[1,5-a]pyrimidines,a class of anticancer agents with a unique mechanism of tubulin inhibition,"J.Med.Chem.,2007,50:319-27。
【化1】
【0008】
ビンクリスチン/ビンブラスチンの活性とは反対に、トリアゾロピリミジン化合物2は、とりわけMTにのみ結合し、未重合チューブリンヘテロ二量体には結合しない。Saez-Calvo,"Triazolopyrimidines Are Microtubule-Stabilizing Agents that Bind the Vinca Inhibitor Site of Tubulin,"Cell Chemical Biology,2017,24,737-750e6.を参照。
【化2】
【0009】
トリアゾロピリミジンの構造修飾は、MTの安定化を促進することもあれば、MTの完全性を崩壊させることもある。これらの違いは、異なる結合様式を示すなど、トリアゾロピリミジンの治療応用に重要かつ未知の影響を及ぼす可能性がある。
【0010】
神経変性疾患の治療のために、適切に置換されたトリアゾロピリミジン化合物の必要性が残される。
【0011】
略述
式Iによる置換{1,2,4,}トリアゾロ{1,5-A}ピリミジン化合物が提供され、
【化3】
式中、
は、Clであり、
は、CH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、CH(tert-ブチル)CH、またはCH(メチルジアジリニル)CHであり、ここでRは、任意でモノまたはポリ重水素化されても良く、
は、Hまたはアルキルであるか、または、RおよびRは、それらが結合するN原子とともに、C-C複素環または3-メトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イルであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、ヨード、シアノ、エチニル、または-C≡C-(CH-Rであり、ここでn=0~3であり、RはH、-OH、-NH、-NHCH、または-N(CHであり、ここでRは、任意でモノまたはポリ重水素であって良く、
は、Hまたはアルキルであり、
またはそれらの立体化学異性体であり、
またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0012】
また、治療有効量の式Iによる化合物を含む神経変性疾患または癌を治療するための組成物、および治療有効量の式Iによる化合物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における神経変性疾患または癌を治療する方法が開示される。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 国際公開第2019/169111号
(特許文献2) 米国特許出願公開第2013/0274243号明細書
(特許文献3) 米国特許第7,329,663号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2006/0183755号明細書
(特許文献5) 米国特許第4,579,848号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2008/0293713号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2007/0249634号明細書
(特許文献10) 米国特許第7,148,227号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) (YUAN,S et al.)Bronsted acid-prompted'on-water'C(sp3)-H functionalization for the synthesis of isoindolinone/[1,2,4]triazolo[1.5.-a]pyrimidine derivatives targeting the SKP2-CKS1 interaction. Chinese Chemical Letters. 2020,Epub 10 July 2019,Vol.31,No.2;pages 349-352;page 350,figure 1;DOI:10.1016/j.cclet.2019.07.019
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
微小管(MT)活性を有する[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(TPD)および関連複素環分子は、神経変性疾患の治療への応用のための潜在的候補として注目されてきた。本発明者らは、これまでに、多数のMT安定化およびMT不安定化TPDを特徴付けてきた。例えば、米国特許第第9,649,317号は、そのような化合物の使用方法を開示する。本開示は、指定されたC6-フェニル置換を含む新規TPDを提供する。MT安定化の細胞ベースのアッセイにおけるTPDのMT安定化特性に関する事前の調査により、置換パターンを変化させると、MT安定化を促進するか、逆にMT安定化を破壊することができる分子になることが明らかになった。TPD内の特定の構造的特徴がMT安定性の増加を引き出すのに重要であるという観察に基づいて、本発明者らは、TPD足場のSARのより体系的な探求に取り組んだ。このSAR研究は、本明細書に記載されるように、新規なC6ニトリルおよびアルキン置換TPDの合成につながった。重要なことは、本明細書に開示される分子は、以前に記載された例と比較して、MT安定化活性および薬学的特性が改善されていることである。
【0014】
したがって、現在、あるクラスの微小管安定化化合物が、神経変性疾患、特にタウパチー、例えば、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、ピック病、進行性核上性麻痺(PSP)、および大脳皮質変性症の治療に有用であることが発見された。さらに、本発明の化合物は、タウ病理が併発する、または微小管機能が低下する他の疾患、例えば、統合失調症、パーキンソン病(PD)、認知症を伴うPD、認知症を伴うレビー小体病、および筋萎縮性側索硬化症に有用であると考えられる。
【0015】
本発明の化合物は、外傷性脳損傷(TBI)、特に反復性TBI(rTBI)、例えばボクサー痴呆および反復性サッカーでの脳震盪によるもの、およびIEDによる軍隊での閉鎖性頭部外傷による起こる、これは慢性外傷性脳症(CTE)としても知られる反復性TBI(rTBI)として知られており、タウオパシーまたはAD様病理の特徴を有する、を治療するために用いることも可能である。CTEもPTSDから出現するのではないかと推測される。
【0016】
本開示において、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含み、特定の数値への参照は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、少なくともその特定の数値を含む。したがって、例えば、「ある材料」への言及は、当業者に知られているそのような材料およびその等価物の少なくとも1つへの言及である、などである。
【0017】
値が記述子「約」の使用によって近似値として表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるだろう。一般に、用語「約」の使用は、開示された主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値を示し、その機能に基づいて、使用される特定の文脈で解釈されるものである。当業者であれば、日常的に解釈することが可能だろう。場合によっては、特定の値に使用される有効数字の数は、「約」という言葉の範囲を決定する1つの非限定的な方法である可能性がある。他の場合では、一連の値で使用される階調を使用して、各値について「約」という用語に利用可能な意図された範囲を決定することができる。存在する場合、すべての範囲は包括的であり、組み合わせが可能である。すなわち、範囲内に記載された値への言及は、その範囲内のすべての値を含む。
【0018】
リストが提示される場合、特に断らない限り、そのリストの個々の要素およびそのリストのすべての組み合わせは、別々の実施形態として解釈されるものと理解されるものとする。例えば、「A、B、またはC」として提示された実施形態のリストは、「A」、「B」、「C」、「AまたはB」、「AまたはC」、「BまたはC」、または「A、B、またはC」という実施形態が含まれると解釈される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、約1~約20個の炭素原子(およびその中の炭素原子の範囲および特定の数のすべての組み合わせおよび下位組み合わせ)を有する任意に置換された、飽和直鎖または分枝状の、炭化水素ラジカルを指す。例えば、「アルキル」は、約1~20、1~15、1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、または1~3の炭素原子を有する置換または非置換の、直鎖または分岐炭化水素ラジカルを指す場合がある。いくつかの実施形態では、「アルキル」は、約1~6個の炭素原子を有する非置換の直鎖ラジカルを指す。適切な場合、「アルキル」は「アルキレン」を意味し得る。例えば、Xが-R、およびRが「アルキル」であると言われる場合、「アルキル」は「アルキレン」を意味すると正しく解釈されることがある。
【0020】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、2~12個の炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子を含む安定な3~18員非芳香環ラジカルを意味する。いくつかの実施形態では、唯一のヘテロ原子は、RおよびRが結合している窒素原子である。本明細書に登場する場合、「3~18」などの数値範囲は、与えられた範囲内の各整数を指し、例えば、「3~18環原子」は、ヘテロシクリル基が3環原子、4環原子、等々、18環原子までで構成されていて良いことを意味する。本明細書において特に記載がない限り、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、または四環式環系であり、縮合環系または架橋環系が含まれていても良い。ヘテロシクリルラジカル中のヘテロ原子は、任意に酸化されていても良い。存在する場合、1つまたはそれ以上の窒素原子は、任意に四級化される。ヘテロシクリルラジカルは、部分的にまたは完全に飽和している。ヘテロシクリルは、環(複数可)の任意の原子を介して分子の残りの部分に結合していても良い。ヘテロシクリルラジカルの例としては、アゼパニル、アゾカニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリン、1-オキソチオオモリニルおよび1,1-ジオキソチオモリニルなどを含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクリル」は、通常3~7個の環原子を有する一方の非芳香族環が、酸素、硫黄、および窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子に加えて少なくとも2個の炭素原子を含む二環系、ならびに前述のヘテロ原子の少なくとも1つを含む組み合わせ、および通常3~7個の環原子を有する他方の環が、任意に酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、芳香族ではない環系も含むことができる。ヘテロシクリル部分は、ハロ(F、Cl、Br、またはI、好ましくはF)、-OH、-OC1-6アルキル、-CN、-NH、-NH(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、C3-8シロアルキル、ヘテロシクリル、アリル、またはヘテロアリルから選ばれる1、2または3の置換基によって任意に置換される。
【0021】
明確化のために、本明細書において別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることが理解されるものとする。すなわち、明らかに非互換または除外されない限り、個々の実施形態は、他の任意の実施形態(複数可)と組み合わせ可能であるとみなされ、そのような組み合わせは、別の実施形態であるとみなされる。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別々にまたは任意のサブコンビネーションで提供されても良い。さらに、特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草することができることに留意されたい。このように、本明細書は、請求項要素の記載に関連して、「単独で」、「のみ」などの排他的用語の使用、または「否定」制限の使用に対する先行根拠として機能することを意図している。最後に、実施形態は、一連の工程の一部またはより一般的な構造の一部として記載される場合があるが、各前記は、それ自体独立した実施形態とみなされる場合もある。
【0022】
本発明化合物には、式Iの化合物が含まれる。
【化4】
式中
はClであり、
は、CH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、CH(tert-ブチル)CH、またはCH(メチルジアジリニル)CHであり、ここでRは、任意でモノまたはポリ重水素化されても良く、
はHまたはアルキルであるか、あるいは、RおよびRは、それらが結合しているN原子とともに、C-Cヘテロ環または3-メトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イルを形成し、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、ヨード、シアノ、エチニル、または-C≡C-(CH-Rであり、ここでn=0~3であり、RはH、-OH、-NH、-NHCH、または-N(CHであり、ここでRは、任意でモノまたはポリ重水素であって良く、
は、Hまたはアルキルであり、
またはその立体化学異性体であり、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0023】
式Iの化合物の立体異性体形態、例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロピソマーも、式Iの任意の化合物または立体異性体の薬学的に許容される塩と同様に、本発明の範囲内である。本明細書で使用される場合、「立体異性体」は、本発明のすべてのエナンチオマー/ジアステレオマー的に純粋な化合物およびエナンチオマー/ジアステレオマー的に濃縮された化合物を指す。アトロピソマー、すなわち、単結合についての回転を妨げられて生じる立体異性体もまた、用語「立体異性体」の範囲内である。
【0024】
本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」とは、一般に医薬用途として安全であると考えられる本発明の化合物の塩を指す。例えば、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、およびイソエトン酸塩を含む。
【0025】
は、Hまたはアルキルである。特定の実施形態において、RはHである。他の実施形態において、Rはアルキル、例えば、C-Cアルキルである。
【0026】
本化合物の特定の実施形態において、Rはヨードである。これらの実施形態のいくつかでは、RおよびRは両方ともFであり、RはHである。RおよびRが両方ともFである実施形態では、Rは、例えば、CH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、またはCH(tert-ブチル)CHであっても良い。
【0027】
本化合物の特定の実施形態において、Rはシアノである。これらの実施形態のいくつかにおいて、RおよびRは両方ともFである。RおよびRが両方ともFである実施形態において、RはCH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、またはCH(tert-butyl)CHであっても良い。RおよびRがともにFである他の実施形態では、RおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、ピペリジニル、アゼパニル、またはアゾカニルを形成しても良い。
【0028】
がシアノである特定の他の実施形態では、RはHであり、RはFである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、CH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、またはCH(tert-ブチル)CHであっても良い。これらの実施形態のいくつかの他のものでは、RおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、ピペリジニル、アゼパニル、またはアゾカニルを形成している。
【0029】
他の実施形態では、Rはエチニルである。これらの実施形態のうちのあるものに関して、RおよびRは、両方ともFであっても良い。これらの実施形態のうちのあるものに関して、Rは、CH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、またはCH(tert-ブチル)CHとしても良い。これらの実施形態の特定の他のものでは、RおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、ピペリジニル、アゼパニル、またはアゾカニルを形成する。
【0030】
がエチニルである特定の他の実施形態では、RはHであり、RはFである。これらの実施形態のいくつかにおいて、RはCH(CH)CF、CH(イソプロピル)CF、CH(イソプロピル)CH、またはCH(tert-ブチル)CHである。これらの実施形態の他の特定のものにおいて、RおよびRは、それらが結合しているN原子とともに、ピペリジニル、アゼパニル、またはアゾカニルを形成する。
【0031】
いくつかの実施形態において、Rは、-C≡C-(CH-Rこれらの実施形態のうちのあるものにおいて、nは1~3である。これらの実施形態のいくつかにおいて、RおよびRは、両方ともFである。
【0032】
本開示による例示的な化合物は、以下の表1に描かれる。
【表1】
【0033】
また、上述の実施形態のいずれか1つに従う化合物の治療有効量を含む、神経変性疾患または癌を治療するための組成物も提供される。また、上述の実施形態のいずれか1つに従う化合物の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における神経変性疾患または癌を治療する方法も開示される。
【0034】
本明細書で使用する場合、「治療上有効な量」という語句は、研究者、獣医師、医学博士または他の臨床医が組織、系、動物、個体またはヒトにおいて求めている生物学的または薬学的応答を誘発する活性化合物の量を指し、以下の1または複数が含まれる。
(1)疾患または状態またはその症状を少なくとも部分的に予防すること、例えば、疾患、状態、または障害の素因を有し得るが、疾患の病態または症状をまだ経験または示さない個体において、疾患、状態、または障害を予防すること。
(2)疾患または状態を抑制すること、例えば、疾患、状態、または障害の病態または症状を経験または示している個体における疾患、状態または障害を抑制すること(すなわち、病態および/または症状のさらなる進展を阻止することを含む)、および
(3)疾患または状態を少なくとも部分的に改善すること、例えば、疾患、状態、または障害の病態または症状を経験または示している個体において疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病態および/または症状を逆転させることを含む)。
【0035】
本開示による化合物は、任意のタイプの投与のために製剤化された組成物において提供されても良い。例えば、組成物は、経口、局所、非経口、経腸、または吸入による投与のために製剤化されても良い。活性化合物は、ニート投与のために、または従来の医薬担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて処方されても良く、これらは液体または固体であっても良い。適用可能な固体担体、希釈剤、または賦形剤は、特に、結合剤、崩壊剤、充填剤、潤滑剤、滑沢剤、圧縮助剤、加工助剤、着色剤、甘味料、保存剤、懸濁/分散剤、錠剤崩壊剤、カプセル化材料、フィルム形成剤またはコーティング、香味剤、または印刷インクとして機能しても良い。任意の投与単位形態の調製に使用される任意の材料は、好ましくは、採用される量において薬学的に純粋であり、実質的に非毒性である。さらに、活性化合物は、徐放性調剤および製剤に組み入れることができる。この点における投与は、特に以下の経路:静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、眼科、舌下および頬を含む経皮;眼科、皮膚、眼、直腸および鼻を含む局所気腹、エアゾール、および直腸全身を介した吸入による投与を含む。
【0036】
粉末では、担体、希釈剤、または賦形剤は、細かく分割された活性成分と混和される細かく分割された固体であって良い。錠剤では、活性成分は、必要な圧縮特性を有する担体、希釈剤または賦形剤と適切な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。経口治療投与の場合、活性化合物は、担体、希釈剤、または賦形剤と一緒に組み込まれ、摂取可能な錠剤、頬錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で使用され得る。このような治療上有用な組成物中の活性化合物(複数可)の量は、好ましくは、適切な投与量が得られるような量である。
【0037】
液体担体、希釈剤、または賦形剤は、溶液、懸濁液、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などを調製する際に使用することができる。本発明の有効成分は、水、有機溶媒、両者の混合物、または薬学的に許容される油脂などの薬学的に許容される液体に溶解または懸濁させることができる。液体担体、賦形剤、または希釈剤は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香味剤、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定剤、または浸透圧調整剤などの他の適切な医薬添加物を含むことができる。
【0038】
適切な固体担体、希釈剤、および賦形剤としては、例えば、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス、イオン交換樹脂、クロスカルメロースカーボン、アカシア、ゼラチン化デンプン、クロスポビドン、HPMC、ポビドン、二酸化チタン、多結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、寒天、トラガカント、またはそれらの混合物などを含む。
【0039】
液体担体、希釈剤および賦形剤の好適な例としては、例えば、経口、局所、または非経口投与のための、水(特に上記のような添加物を含む、例えばセルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコールを含む、例えばグリコール)およびそれらの誘導体、ならびに油(例えば分別ココナッツ油およびアラキス油)、またはそれらの混合物などを含む。
【0040】
非経口投与の場合、担体、希釈剤、または賦形剤は、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルのような油性エステルであることもできる。また、非経口投与のための無菌液体形態組成物に使用される無菌液体担体、希釈剤、または賦形剤も企図される。遊離塩基または薬学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と好適に混合した水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物、ならびに油中に調製することができる。通常の保管および使用条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含んでいても良い。
【0041】
注射用に適した医薬形態としては、例えば、無菌の水溶液または分散液、無菌の注射用溶液または分散液を即席で調製するための無菌の粉末が挙げられる。いずれの場合においても、その形態は、好ましくは、容易に注射できるように滅菌され、流動性を有するものである。それは、好ましくは、製造および貯蔵の条件下で安定であり、好ましくは、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保存される。担体、希釈剤、または賦形剤は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、これらの適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であっても良い。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合には必要な粒子径の維持、界面活性剤の使用などによって維持することができる。また、微生物の作用の防止は、各種抗菌剤、抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖類または塩化ナトリウムを含むことが好ましいだろう。注射用組成物の長時間の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によって達成され得る。
【0042】
無菌注射液は、活性化合物を薬学的に適切な量で、適切な溶媒中に、必要に応じて上記に列挙した様々な他の成分と一緒に取り込み、その後、濾過滅菌することにより調製することができる。一般に、分散液は、滅菌された活性成分を、基本的な分散媒と上記に列挙した成分のうち必要な他の成分を含む無菌ビヒクルに取り込むことにより調製することができる。無菌注射液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分または成分の粉末を得る真空乾燥および凍結乾燥技術、ならびにその前に無菌ろ過した溶液からの任意の追加の所望の成分を含むことができる。
【0043】
したがって、活性化合物は、医療分野で十分に確立された従来の技術のいずれかによって、有効な量で本発明の組成物および方法に含まれていても良い。例えば、投与は、1日あたり約0.1mg~約500mgの量であっても良い。いくつかの実施形態では、投与は、約250mg/kg/日の量であって良い。したがって、投与は、約0.1mg/日、約0.5mg/日、約1.0mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約20mg/日、約50mg/日、約100mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、または約500mg/日の量であり得る。
【0044】
本開示による対象における神経変性疾患を治療する方法に従って、神経変性疾患は、対象の脳におけるタウオパシーまたは低下した微小管機能によって特徴付けられることがある。特定の実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、ピック病、進行性核上性麻痺(PSP)、皮質基底変性症、パーキンソン病(PD)、認知症を伴うPD、認知症を伴うレビー小体病、または筋萎縮性側索硬化症であり得る。他の実施形態では、神経変性疾患は、外傷性脳損傷または外傷後ストレス障害である。外傷性脳損傷は、例えば、反復性外傷性脳損傷または慢性外傷性脳症であっても良い。他の実施形態において、神経変性疾患は、統合失調症である。
【0045】
本開示による対象における癌の治療方法に従って、癌は、癌腫、肉腫、メラノーマ、リンパ腫、または白血病であって良い。一般的な癌腫は、例えば、皮膚、肺、乳房、膵臓、および他の器官および腺に由来する癌を含む。肉腫は、骨、筋肉、脂肪、血管、軟骨、または身体の他の軟組織または結合組織に発生する癌で表される。本発明の方法に従って治療され得る例示的な癌には、グリオーマおよび星細胞腫などの脳癌、膀胱癌、乳癌、結腸または直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、白血病、肝肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、すい臓癌、前立腺癌、または甲状腺癌が含まれる。
【0046】
以下、本開示を例示することを目的とした実施例を通じて、本開示をより詳細に説明するが、本開示は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0047】
実施例1-合成の手順
この研究の一環として、7つの既知のトリアゾロピリミジン、25の特許文献に例示されている化合物、41の構造的に新規な化合物を含む、合計73の化合物が合成され、試験された。いずれの場合も、適切なジエチルマロネート(79-95、スキーム1)と1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミンの環縮合反応によってトリアゾロピリミジン環にアクセスした。次に、オキシ塩化リン処理により、対応する5,7-ジクロロトリアゾロピリミジン(96-112,スキーム1)を得た。(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-アミン-2を用いてC7を化学選択的にアミノ化すると、トリアゾロピリミジン6-22が得られた(スキーム1)。
【表2】
スキーム1.試薬と反応条件:a)79-88,90-94の場合、Ar-X、CuBr、NaH、1,4-ジオキサン、60-100℃,12時間、19-74%;89の場合、Ar-CHBr、NaH、N,N-ジメチルホルムアミド、0℃,1時間,90%;95の場合:Ar-F、KCO、NaH、N,N-ジメチルホルムアミド、60℃、4時間,90%:Ar-F、KCO、N,N-ジメチルホルムアミド、60℃、4時間、86%;b)N-トリブチルアミン、170-180℃、2-6時間;c)オキシ塩化リン、110-130℃,6-16時間,46-58%二段で処理する。d)適切なアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、rt-90℃,1-18時間,12-50%;e)Fe、NHCl、HO/MeOH(40/50)、80℃,2時間、69%.
【0048】
対照化合物6に比べてC6とC7の両断片が修飾された化合物61-78(スキーム5)の合成は、適切なトリアゾロピリミジンジクロリド(98、99、109、または110)とアミン断片を反応させて行った(スキーム5)。特定の場合(すなわち67および68)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、個々のアトロポイソマーが得られ、その構造はX線結晶学によって決定することができた(スキーム5)。
【表3】
スキーム5.試薬と反応条件:a)適切なアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、rt、1時間、56-86%。
【実施例2】
【0049】
実施例2-材料と方法
溶媒はすべて試薬グレードを使用した。すべての試薬はAldrichまたはAcrosから購入し、受け取ったまま使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.25mmE.Merckプレコートシリカゲルプレートで実施した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、Silicycle and Sorbent Technologies社から供給されたシリカゲル60(粒子径0.040-0.062mm)を用いて行った。TLCスポットは、UVライト下で観察することにより検出した。融点(mp)はMel-TempII(モデル:1001)で取得し、未補正である。赤外(IR)スペクトルは、Bruker、モデルAlpha分光計(部品番号1003271/03)で記録された。プロトン(H)および炭素(13C)NMRスペクトルは、500MHzBruker AMX-500スペクトロメーターまたは600MHz Bruker AvanceIIIスペクトロメーターで記録された。化学シフトは溶媒に対する相対値で報告された。高分解能質量スペクトルは、Jet stream エレクトロスプレーイオン化源(ESI)を備えたAgilent6230飛行時間型質量分析計(TOFMS)を使用して測定された。単結晶X線構造決定は、APEXII検出器、ダブルバウンスマイクロフォーカス光学系、Cu回転陽極線源を備えたBruker MicroStarで実施された。分析用逆相(Sunfire C18;4.6mm×50mm、5mL)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、UVおよび質量検出器を備えたGilsonHPLCで実施された。すべてのサンプルは、8分かけて水中のCHCNの10%から90%までの線形勾配と1mL/分の流速を採用して分析し、特に断らない限り、純度レベルは>95%であった。分取逆相HPLC精製は、Waters SunFire分取C18OBDカラム(5μm19mm×50mmまたは19mm×100mm)を使用するGilson装置で実施した。精製は、水中CHCNの10%から90%までの線形勾配を用い、20mL/分の流速で15分間実施した。特に断りのない限り、すべての最終化合物は、HPLC/MSおよびNMRによって決定されるように、95%以上の純度を有することが確認された。
【0050】
一般手順A(ジエチルマロネート誘導体の合成)
の下、60℃で無水1,4-ジオキサン(あらかじめNで脱気)中のNaH(鉱油中60重量%)(1.00equiv)の懸濁液(臭化アリール誘導体から1.75mol/L)にマロン酸ジエチル(3.00equiv)をゆっくり加え、10分間攪拌した。次に、CuBr(1.20equiv)と臭化アリール誘導体を加え、反応物を還流で一晩加熱した。その後、r.t.でHCl12N(1.40equiv)で反応をクエンチした。混合物を濾過し、HOで洗浄した。濾液をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、vacuoで濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは分取逆相HPLCで精製し、純粋なジエチルマロネート誘導体を得た。
【0051】
一般手順B(ジクロロトリアゾロピリミジン誘導体の合成)
密閉管にジエチルマロネート誘導体(1.00等量)、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(1.05等量)およびトリブチルアミン(1.05等量)を入れ、170℃で2時間撹拌し、130℃に冷却後、トルエンを加えた(ジエチルマロネート誘導体から1.00mol/L)。その後、50℃で冷却し、NaOH(50%wt)水溶液(ジエチルマロン酸誘導体から160μL/mmol)を加えた。その後、0℃で10分間攪拌し、濾過した。生成した固体を冷却したトルエンで洗浄し、乾燥させた。このジスアミド誘導体(1.00等量)とPOCl(17.80等量)を密閉管内で混合し、130℃で6時間加熱した。その後、反応をHOでクエンチし、EtoAcで抽出した(×2)。結合した有機抽出物を水(×5)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。得られた生成物は、さらに精製することなく、次の反応に直接使用した。
【0052】
一般手順C(アミンの添加)
報告されている手順(Zhang et al.,J.Med.Chem.,2007,50,319-327)、室温でDMF(0.1M)中の5,7-ジクロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(1.0等量)に、必要に応じてi-PRNEt(3.0等量)またはEtN(3.0等量)および適当なアミン(1.5~3.0等量)を添加した。反応混合物を0.5-16時間撹拌し、HOで希釈した。有機層を1N塩酸溶液(2×)で洗浄し、水相をEtOAc(3×)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×)で洗浄、乾燥(MgSO)、ろ過、および濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーまたは逆相HPLCで精製した。
【0053】
一般手順D(側鎖の付加)
報告されている手順に従い(Zhang et al.,J.Med.Chem.,2007,50,319-327;Zhang et al.,Bioorg.Med.Chem.2009,17,111-8)に、DMSOとTHFの2:1混合液(0.35M)中のNaH(4.0等量)の懸濁液にアミノアルコール(4.0等量)を加え、この混合物を60℃で1時間加熱し、得られた溶液をDMSOとTHFの1:1混合液(0.5M)中のトリフルオロアルペン(1.0等量)の溶液で処理しました。反応混合物を60℃で3時間攪拌し、LCMSでモニターした。3時間後に出発物質が残っている場合、追加のアミノアルコール(4.0等量)およびNaH(4.0等量)を順次加え、反応混合物を16時間加熱した。出発物質の完全消費後、反応混合物を室温に冷却し、HOおよびEtOAcで希釈した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、合わせた水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCで精製した。
【0054】
【化5】
(19)
(S)-4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(30mg,0.094mmol)および(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-アミン(22mg,0.190mmol)を使用して一般手順Cに従い、化合物を合成した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0-40%EtOA)による精製で、表題化合物を白色粉末として得た(20mg,0.050mmol,54%)。
HNMR(600MHz,CDCl)δ8.41(s,1H)、7.44(t,J=7.1Hz,2H),6.00(d,J=10.7Hz,1H)、4.77(s,1H),1.45(d,J=6.9Hz,3H)ppm。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.28(dd,J=256.4,5.9Hz)、160.87(dd,J=254.7,6.0Hz)、156.84,155.68、154.32、124.46(q,J=282.1Hz)、116.58(t,J=11.8Hz)、116.47(ddd、J=67.6,25.4,4.1Hz)、115.79(d,J=3.5Hz)、116.58(t、J=11.8Hz)、116.47(ddd、J=67.6,25.4,4.1Hz)、115.79(d、J=3.5Hz)、114.93(t、J=20.0Hz)、90.61、51.27(q、J=32.2Hz)、29.83、15.14ppm.である。
IR:2923、2239、1617、1556、1141cm-1
15ClF[M+H]403.0492のために計算されたHRMS(ES+)、403.0486がわかった。
【0055】
【化6】
(61)
(S)-4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル:
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(40mg,0.13mmol)および(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-アミン(31mg,0.27mmol)を使用して一般手順Cに従い、化合物を製造した。逆相HPLCによる精製で、表題化合物を白色粉末として得た(31mg,0.070mmol,54%)。
アトロポイソマーの混合物
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.41(s,1H)、7.68(ddd,J=7.8,3.8,1.5Hz,1H)、7.61(ddd、J=8.4,3.8,1.5Hz,1H)、7.57(t,J=7.4Hz,1H)、7.57(ddd,J=8.5Hz,1H)、7.61(t,J=7.4Hz,1H)、7.61(ddd,J=7.4Hz,1H)、7.63(d,J=3.5Hz,1H)50(t,J=7.3Hz,1H)、5.94(d,J=11.0Hz,1H)、5.57(d,J=10.8Hz,1H)、4.97(s,1H),4.50(s,1H)、1.40(d,J=6.9Hz,3H)ppmがわかった。
13CNMR(150MHz,CDCl)δ161.29(d,J=52.0Hz)、159.61(d,J=50.4Hz)、156.65(d,J=24.9Hz)、155.72(d,J=11.0Hz)、154.20(d,J=57.5Hz)、145.65(d,J=62.8Hz)、135.00(d,J=2.0Hz)、133.84(d,J=2.2Hz)、129.21(d,J=2.2Hz)、134.65(d,J=2.5Hz)、155.75(d,J=2.5Hz21(d,J=4.2Hz),124.97(dd、J=16.2,13.1Hz)、124.67(qd,J=282.3,34.7Hz)、120.62(dd,J=74.3,25.2Hz)、116.71(qd,J=4.2Hz)、126.61(qd,J=3.2Hz)、126.61(qd,J=4.2Hz)67(d,J=2.8Hz)、116.33(dd,J=9.3,5.2Hz)、97.66,96.61,51.26(dq,J=37.9,31.8Hz)、15.13,14.99ppmとなった。
【0056】
【化7】
(62)
(R)-4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(55mg,0.17mmol)および(R)-1,1,1-トリフルオロ-3-メチル-2-ブチルアミン(48mg,0.34mmol)を使用して一般手順Cに従い、表題化合物を製造した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(26mg,0.060mmol,36%)。
HNMR(600MHz,CDCl、混合アトロポイソマー)δ8.81(s,0.5H)、8.69(s,0.5H)、7.46(t,J=9Hz,2H)、7.33(d,J=12Hz,1H)、6.28(bs,1H)、4.00(bs,1H)、2.19(hept,J=6Hz,1H).33(d,J=12Hz,1H)、6.28(bs,1H),4.00(bs,1H)、2.19(hept,J=6Hz,1H)、1.04(d,J=6Hz,1H)、0.97(d,J=6Hz,1H)ppm.であることが確認された。
13C NMR(150MHz,CDCl、アトロポイソマー混合物)δ162.05,162.01,161.79,161.74,161.54,161.49,160.35,160.30,160.10,160.07,159.86,159.814,158.37,157.23,157.16,155.65,154.61,152.15,146.27,144.77,139.17,134.16,155.16,155.16,154.16,155.16,154.16,152.16,144.27,157.17,157.19,154.19,157.19,157.20,157.30,160.40,158.3079,133.47,124.33(q,J=283.88Hz),117.41,116.85,116.82,116.78,116.70,116.68,116.65,116.40,116.17,116.00,115.84,115.30,115.04,114.91,113.00,109.71,106.86,59.28(q,J=28.69Hz),28.28,19.80,16.60ppm.(以下同)
1817ClFN[M+H]429.0659のために計算されたHRMS(ES+)、429.0655がわかった。
【0057】
【化8】
(63)
(R)-4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(51mg,0.17mmol)および(R)-1,1,1-トリフルオロ-3-メチル-2-ブチルアミン(47mg,0.34mmol)を使用して一般手順Cに従い、化合物を調製した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(13mg,0.060mmol,19%)。
H NMR(600MHz,CDCl3,混合アトロポイソマー)δ8.42(s,0.5H),7.69(d,J=7.9Hz,0.5H),7.63(d,J=8.2Hz,0.5H),7.60(d,J=8.2Hz,0.5H),7.55(t,J=7.5Hz,0.5H)、7.45(t,J=7.5Hz,0.5H),4.86(d,J=10.2Hz,0.5H),7.42(d,J=5.5Hz,0.5H。5H),7.48(t,J=7.3Hz,0.5H),4.86(d,J=10.2Hz,0.5H),4.40(d,J=4.1Hz,0.5H),2.14(hept,J=6.9Hz,1H),1.02(d,J=6.1Hz,3H),0.97(d,J=6.7Hz,3H)となった。
13C NMR(150MHz,CDCl3,混合アトロポイソマー)δ160.44(dd,J=253.68,28.69Hz),158.91,155.66,155.60,134.88,134.50,129.18,129.02,126.68,124.86,120.97,120.81,120.39,120.61、129.63、139.63、159.63、159.63、159.64、129.67、129.67(dd))21,116.74(t,J=3.0Hz),116.42(t,J=13.4Hz)116.36(t,J=13.4Hz)59.08(q,J=28.7Hz),55.89(q,J=28.7Hz),28.33,28.19,27.75,19.92,19.80,17.11,16.74,16.69ppm.が得られた。
1817ClFN[M+H]411.0754のために計算されたHRMS(ES+)、411.0747がわかった。
【0058】
【化9】
(66)
(R)-4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(30mg,0.092mmol)および(R)-3-メチルブタン-2-アミン(17mg,0.190mmol)を使用して一般手順Cに従った。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(28mg,0.074mmol,81%)。
H NMR(600MHz,DMSO-d)δ8.62(s,1H),8.11(t,J=7.8Hz,2H),7.88(s,1H),1.78(dq,J=13.9,6.8Hz,1H),1.10(d,J=6.6Hz,3H),0.74(dd,J=6.8,2.9Hz,6H)となった。
13C NMR(151MHz,DMSO-d)δ160.71(dd,J=249.2,6.8Hz),160.38(dd,J=249.5,6.3Hz),155.02,146.81,117.00(ddd,J=26.3,12.6,3.9Hz),116.48(d,J=3.5Hz),114.83(t,J=12.8Hz).となった。
IR:2966、2220、1690、1562、1422、1204cm-1
1716ClF[M+H]377.1088のために計算されたHRMS(ES+)、377.1089がわかった。
【0059】
【化10】
(67),(68)
(R)-4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(48mg,0.15mmol)および(R)-3-メチルブタン-2-アミン(37mg,0.42mmol)を使用して一般手順Cに従って、4-フルオロベンゾニトリル(48mg,0.15mmol)、4-メチルフタレート(0.5mmol)を得た。混合物を真空中で乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、アトロポイソマーAを白色固体として(29mg,0.081mmol,39%)およびアトロポイソマーB(23mg,0.064mmol,30%)を得た。
アトロポソマーA
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.35(s,1H)、7.63(dd,J=12.0、3.0Hz、1H)、7.56(dd、J=12.0,3.0Hz,1H)、7.53(t,J=9.0Hz,1H)、6.30(δδδδ)、6.29(d,J=12.0Hz,1H)、3.00(bs,1H)、1.64(oct,J=6.0Hz1H)29(d,J=12.0Hz,1H)、3.00(bs,1H)、1.64(oct,J=6.0Hz,1H)、0.99(d,J=6Hz,3H)、0.80(d,J=6Hz,3H)、0.77(d,J=6Hz,3H)ppm.であることが確認された。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.37、159.70、156.91、155.15、153.15、145.67、134.39、128.71、128.69、127.13(d,J=16.6Hz)、120.02(d,J=25.7Hz)、116.98、115.50(d,J=9.1Hz)、94.53、55.04、33.48、18.16、17.80、17.14ppm。
アトロポイソマーB
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.35(s,1H)、7.63(dd,J=12.0,3.0Hz,1H)、7.56(dd,J=12.0、3.0Hz、1H)、7.52(t,J=9.0Hz、1H)、6.60(dd,J=3.0Hz,1H)、6.60(d,J=3.0Hz、1H)、7.60(d,J=2.0Hz,1H),8.60(s,1H)30(bs,1H),3.05(bs,1H)、1.61(oct,J=6.0Hz,1H)、1.05(d,J=6Hz,3H)、0.79(d,J=6Hz,3H)、0.75(d,J=6Hz,3H)ppm.であった。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.40、159.73、156.90、155.19、153,57、145.67、135.08、134.40(d,J=3.0Hz)、128.55(d,J=4.5Hz)、127.05(d,J=4.5Hz)、120.22(d,J=25.7Hz)、117.01、115.45(d,J=9.1Hz)、94.37,54.05(δδ)、03(d,J=15.1Hz)、120.22(d,J=25.7Hz)、117.01、115.45(d,J=9.1Hz)、94.37、54.85、33.80、18.20,17.90、17.82ppm.となった。
IR:2963、2220、1608、1570、1260、1156cm-1
1817ClFN[M+H]359.1182のために計算されたHRMS(ES+)、359.1184.がわかった。
【0060】
【化11】
(69)
(R)-4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(20mg,0.060mmol)および(R)-3,3-ジメチルブタン-2-アミン(13mg,0.13mmol)を使用して一般手順Cに従い、化合物を調製した。逆相HPLCによる精製で、表題化合物を白色粉末として得た(18mg,0.046mmol,75%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.36(s,1H),7.45-7.41(m,2H),6.52(d,J=10.8Hz,1H),2.94(s,1H),1.02(d,J=6.7Hz,3H),0.84(s,9H)ppm。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.33(dd,J=253.8,6.2Hz),161.05(dd,J=253.8,6.2Hz),157.12,155.22,146.03,116.22(d,J=4.0Hz),116.13-115.95(m),115.95-115.82(m),58.57,34.93,25.86,16.56ppm。
HRMS(ES+)calculated forC1818ClF[M+H]391.1244,found391.1241.
【0061】
【化12】
(70)
(R)-4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(40mg,0.13mmol)および(R)-3,3-ジメチルブタン-2-アミン(28mg,0.27mmol)を使用して一般手順Cに従って、4-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル(4-FBP)を生成させた。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(27mg,0.072mmol,56%)。
アトロポイソマーの混合物
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.41-8.34(m,1H)、7.67-7.61(m,1H)、7.60-7.55(m,1H)、7.55-7.49(m,1H)、6.37(s,1H)、2.94(m,1H)、1.01(d,J=6.7Hz,1H)、0.94(d,J=6.7Hz,2H)、0.82(s,5H)、0.81(s,4H)ppm.であった。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.71-159.28(m)、156.76、156.67,145.96、135.28(d,J=2.4Hz)、133.96(d,J=2.3Hz)、128.65(d,J=4.1Hz)、128.43(d,J=4.1Hz)、119.97(m,J=4.1MHz)、134.99(m,J=4.2MHz)、161.97(m,J=5.4MHz)、154.99(m,J=5.3MHz)、144.99(m,j=5.4MHz)96(dd,J=37.6,25.4Hz)、116.86(d,J=2.8Hz)、115.42(dd,J=16.7,9.3Hz)、94.27,94.14,58.27,58.07,35.01,34.82、25.77(d,J=1.9Hz)、16.42(d,J=2.2Hz)ppm.[1]。
1819ClFN[M+H]373.1338のために計算されたHRMS(ES+)、373.1338がわかった。
【0062】
【化13】
(74)
4-(5-クロロ-7-(ピペリジン-1-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(48mg,0.15mmol)およびピペリジン(25mg,0.30mmol)を使用して一般手順Cに従った。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(5mg,0.010mmol,9%)。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ160.71(dd,J=253.7,9Hz)、157.05,155.60,155.44、150.84、118.10(t,J=15.1Hz)、116.22(d,J=6Hz)、116.04、115.06(t,J=12.1Hz)、96.75、51.34、25.92、23.57ppm.
1817ClFN[M+H]375.0931のために計算されたHRMS(ES+)、375.0931がわかった。
【0063】
【化14】
(75)
4-(7-(アゼパン-1-イル)-5-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
(51):
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(20mg,0.060mmol)およびアゼパン(13mg,0.13mmol)を使用して一般手順Cに従った。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(15mg,0.039mmol,63%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.38(s,1H),7.40(d,J=6.0Hz,2H),3.45-3.39(m,4H),1.78-1.70(m,4H)、1.64-1.60(m,4H)ppm.が得られた。
13CNMR(150MHz,CDCl)δ160.74(dd,J=253.4,6.6Hz)、157.14、155.26、152.10、118.61(t,J=19.7Hz)、116.30-115.97(m)、115.12(t,J=11.9Hz)、97.32、53.99、51.22、28.27、28.17、27.28、27.07ppm。
IR:2928、2857、2238、1589、1515、1422cm-1
1816ClF[M+H]389.1088のために計算されたHRMS(ES+)、found389.1085がわかった。
【0064】
【化15】
(76)
4-(7-(アゼパン-1-イル)-5-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(55):
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(40mg,0.13mmol)およびアゼパン(27mg,0.27mmol)を使用して一般手順Cに従った。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を白色粉末として得た(27mg,0.073mmol,56%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.34(s,1H)、7.61(dd,J=7.9,1.6Hz,1H)、7.53(dd,J=8.7,1.6Hz,1H)、7.48(t,J=7.5Hz,1H)、1.71(dq,J=8.0,4.2Hz,4H)、7.61(dd,J=6.5Hz,1H)48(t,J=7.5Hz,1H)、3.38-3.33(m,4H)、1.71(dq,J=8.0,4.2Hz,4H)、1.60(p,J=3.0Hz,4H)ppmであった。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ160.85,159.18、156.93、155.27、155.18、151.61、134.44(d,J=2.8Hz)、128.60(d,J=3.9Hz)、128.48、120.11、119.94、117.09(d,J=2.8Hz)、114.68(d,J=9.2Hz)、103.59,54.05、28.27、28.03ppm。
IR:2926,2235、1589,1519、1446cm-1
1817ClFN[M+H]371.1182のために計算されたHRMS(ES+)、371.1180がわかった。
【0065】
【化16】
(77)
4-(7-(アゾカン-1-イル)-5-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(54mg,0.17mmol)およびアゾカン(19mg,0.17mmol)を用いて一般手順Cに従い、4-(1,2,3-ジクロロ-[1,4]トリアゾロ[1,4-a]ピリジン-6-イル)を得た。混合物を真空中で乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を白色固体として得た(31mg,0.077mmol,46%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.29(s,1H)、7.30(d,J=6.0Hz,2H)、3.36(t,J=5.7Hz,5H)、1.62(t,J=5.8Hz,5H)、1.52(t,J=5.5Hz,6H)、1.44(d,J=6.0Hz,2H).
13C NMR(151MHz,CDCl)δ160.68(dd,J=253.6,6.5Hz)、157.23、155.73、155.12、151.06、118.55(t,J=19.8Hz)、116.38、116.34、116.23、116.19,115.23(t,J=11.8Hz)、97.29、52.24、27.72、26.80,24.44ppm。
1817ClFN[M+H]403.1244のために計算されたHRMS(ES+)、403.1240がわかった。
【0066】
【化17】
(78)
4-(7-(アゾカン-1-イル)-5-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(48mg,0.15mmol)およびアゾカン(35mg,0.30mmol)を用いて一般手順Cに従い、4-フルオロベンゾニトリル(48mg,0.15mmol)を得た。混合物を真空乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を白色固体として得た(32mg,0.083mmol,53%)。
H NMR(600MHz,CDCl3,混合アトロポイソマー)δ8.59(s,0.4H)、8.42(s,0.3H)、7.80-7.77(m,0.6H)、7.30(d,J=6Hz,0.3H)、7.16(d,J=12Hz,0.4H)、3.41(d,J=6Hz,1.2H)、3.32(bs,1.8H)1.70-1.41(m,10H)ppm.であった。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ163.68、159.94(dd,J=250.7,19.6Hz)、157.21、155.29、154.79、151.33、150.39、148.23、145.52、144.37、142.0、140.38、134.19、133.98、133.96、132.10、130.25、130.20、129.25、128.98、128.89、128.86、128.51、128.40、128.33、128.30、128.26、128.21、126.15、120.38、120.30、120.22、120.13、117.09、116.88、114.89、114.83、114.73、114.67、103.26、99.78、54.20、52.27、51.56、50.31、44.80、27.71、26.84、25.57、25.70、24.27、23.95、23.42、22.69、22.55、22.51、21.84、21.52ppmとなった。
1817ClFN[M+H]385.1338のために計算されたHRMS(ES+)、385.1332がわかった。
【0067】
【化18】
(92)
2-(4-シアノ-2,6-ジフルオロフェニル)マロン酸ジエチル
3,4,5-トリフルオロベンゾニトリル(1.00g,6.37mmol、1等量)、炭酸カリウム(1.76g,12.7mmol,2.00等量)およびマロン酸ジエチル(1.03g,6.43mmol,1.01等量)の混合物を杏林で攪拌した。DMF(6.37ml)をN、65℃でTLCで示されるように出発物質が消費されるまで攪拌した。反応混合物をr.t.まで冷却し、1MHCl(50mL)で洗浄し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、飽和aq.NaClで洗浄し、anh.Naで乾燥させた。NaSO、濾過し、バキュオで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中で最大30%EtOAc)による精製で、表題化合物を白色固体として得た(1.40g,4.69mmol,73%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ7.30(d,J=7.0Hz,2H)、5.01(s,1H)、4.31-4.24(m,4H)、1.29(t,J=7.4Hz,6H)ppmを得た。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ165.54、161.02(dd,J=254.0,7.8Hz)、116.78(t,J=18.5Hz)、116.20(t,J=3.4Hz)、115.94-115.48(m)、113.88(t,J=12.4Hz)、62.60,47.24,13.87ppm.
IR:2856、2178、1695cm-1
LCMS。[M+H]298.
【0068】
【化19】
(93)
2-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)マロン酸ジエチル
窒素下、乾燥フラスコに、3,4-ジフルオロベンゾニトリル(4.00g,28.8mmol,1等量)、炭酸カリウム(7.95g,57.5mmol,2.00等量)、マロン酸ジエチル(4.66g,29.1mmol,1.01等量)および無水DMF(24ml)を加えて65℃で加熱し、出発物質が消費されるまでの間、出発物質がTLCに基づき消費されるまで加熱した。反応混合物をr.t.まで冷却し、50mlの1NHClを含む分離漏斗に添加した。混合物をEtOAcで抽出し(x3)、合わせた有機層を水および飽和aq.NaClで洗浄した。有機層をanh.aq.NaCl上で乾燥させた。NaSO、濾過し、バキュオで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中で最大30%EtOAc)による精製により、表題化合物を無色オイルとして得た(6.73g,24.1mmol,84%)。
H NMR(600MHz,CDCl)δ7.64(t,J=7.6Hz,1H)、7.47(dd,J=8.0,1.6Hz,1H)、7.38(dd,J=9.2,1.6Hz,1H),4.98(s,1H)、4.28-4.18(m,4H)、1.26(t,J=7.2Hz,6H).
13C NMR(150MHz,CDCl)δ166.55,160.04(d,J=252.0Hz)、131.98(d,J=3.5Hz)、128.26(d,J=4.0Hz)、126.21(d,J=14.4Hz)、119.23(d,J=26.0Hz)、117.28(d,J=2.9Hz)、113.71(d,J=9.8Hz)、62.554Hz)、119.23(d,J=26.0Hz)、117.28(d,J=2.9Hz)、113.71(d,J=9.8Hz)、62.55、50.44(d,J=2.9Hz)、14.00
IR:2984,2236,1733,1219cm-1
LCMS[M+H]280
【0069】
【化20】
(96)
5,7-ジクロロ-6-フェニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン
2-フェニルマロン酸ジエチル(780mg,3.30mmol)および3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(292mg,3.47mmol)を用いて一般手順Bに従い、2-フェニルマロン酸ジエチルを製造する。次に、中間体ナトリウム6-フェニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-5,7-ビス(オレート)(740mg,2.71mmol)およびPOCl3(7.41g,48.4mmol)を使用して、表題化合物を茶色固体(527mg,1.99mmol,73%)として提供する。
H NMR(500MHz,CDCl)δ8.56(s,1H)、7.58-7.51(m,3H)、7.38-7.34(m,2H).
13C NMR(126MHz,CDCl)δ156.93、156.65、153.35、139.90、131.72、130.07、129.95、129.16、124.01を得た。
IR(KBr)ν3437、1637、1458、1383、1267、1205、1180,867、802,764、740,698,652cm-1
11Cl[M+H]265.0042のために計算されたHRMS(ES+)、265.0043がわかった。
【0070】
【化21】
(109)
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(22):
2-(4-シアノ-2,6-ジフルオロフェニル)マロン酸ジエチル(500mg,1.68mmol)および3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(500mg,1.68mmol)および3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(148mg,1.77mmol)を用いて一般手順Bに従い、以下の操作を行った。中間体ナトリウム6-(4-シアノ-2,6-ジフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-5,7-ビス(オレート)(400mg,1.20mmol)およびPOCl(3.28g,21.4mmol)により表題化合物を茶色固体として得る(210mg,1.20mmol,53%).
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.65(s,1H)、7.47(d,J=6.2Hz,2H)ppm。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ161.21(d,J=6.4Hz)、159.51(d,J=6.2Hz)、157.66,155.57、116.85,116.62-116.30(m)、115.86(t,J=3.5Hz)、114.64(t,J=19.6Hz)ppm。
IR:3087、2195,1571、1338、1195cm-1
LCMS[M+H]327
【0071】
【化22】
(110)
4-(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(23):
2-(4-シアノ-2,6-ジフルオロフェニル)マロン酸ジエチル(500mg,1.68mmol)および3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(148mg,1.77mmol)を用いて一般手順Bに従い、2-シアノ-2,6-ジフルオロフェニル-2-トリアゾール(500mg、1.68mmol)を得た。次に中間体ナトリウム6-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-5,7-ビス(オレート)(3.00g、9.52mmol)およびPOCl(26.0g,169mmol)を用いて、表題化合物を茶色固体として提供した(1.97g,9.52mmol,67%).
H NMR(600MHz,CDCl)δ8.61(s,1H),7.68(dd,J=7.9,1.5Hz,1H),7.61(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),7.54(t,J=7.4Hz,1H)ppm。
13C NMR(150MHz,CDCl)δ160.47、158.79、157.48、155.52、153.79、140.73,133.32、128.86(d,J=4.6Hz)、124.68(d,J=15.7Hz)、120.42(d,J=24.9Hz)、116.76(d,J=2.9Hz)、116.69、116.36(d,J=9.3Hz)ppm。
【実施例3】
【0072】
実施例3-微小管安定化アッセイ
全ての試験化合物を、以前に記載されたMT安定化の細胞ベースのアッセイで評価した(Kovalevich,J.,etal.(2016)CharacterizationofBrain-Penetrant Pyrimidine-Contain ing Moleculeswith Differential Microtubule-Stabilizing Activities Developed as Potential Therapeutic Agents for Alzheimer’s Disease and Related Tauopathies.J Pharmacol Exp Ther 357,432-450,その参照により明細書中に組み込まれる)において、細胞溶解物中のアセチル化α-チューブリンおよび総チューブリンのELISAによる定量化を介して、QBI293細胞を1および10μM化合物で4時間インキュベートした後に、チューブリン重合および総チューブリンレベルにおける化合物依存性の変化を決定した。
【0073】
トリアゾロピリミジンは、MTの安定性と質量を増加させるために、特定の構造的特徴が重要であるという観察から、トリアゾロピリミジン足場のSARをより系統的に探求し、C6およびC7で修飾したトリアゾロピリミジンのMT安定性SARを明らかにした。これらの研究の結果、既存のリードと比較して、インビトロ活性および物理化学的特性が改善された選択的なコンジェネラーが同定された。特に、これらの研究は、トリアゾロピリミジンの所望のクラスI MT安定化効果は、一般に、C6(式IのR)に電子不足フェニル環が存在することを必要とすることを教示した。異なるフッ素化フェニルフラグメントは、活性クラスIコンジェネラー、特にオルト位に1個または2個のフッ素原子を有するもの、および非置換または追加のフッ素もしくはニトロおよびニトリルなどの他の電子吸引基で置換されたパラ位のいずれかを許容することが可能である。さらに、C7に結合したフラグメントの性質は、MT活性トリアゾロピリミジンによって誘発される細胞表現型だけでなく、効力においても重要な役割を果たす可能性があり、この位置に置換窒素が存在することはクラスI活性の必要条件である可能性があることがわかった。最後に、C7の分岐アミン断片のキラル配置の影響も評価した。ほとんどの場合、アミンのキラリティーは化合物の効力に影響し、一方のエナンチオマーは他方よりも一般的に活性が高いことがわかった。
【0074】
以前に記載された例と比較してインビトロ活性が改善された、新規のC6ニトリルおよびアルキン置換トリアゾロピリミジン例であり、式Iに描かれた一般構造を有する。新規C6-ニトリル置換化合物の活性を、MT安定化の以前に記載された細胞アッセイで試験した(Kovalevich,J.,et al.(2016))。以下の表2.にまとめたように、18の実施例を合成し、試験した。すべての場合において、これらの化合物は、活性なクラスIトリアゾロピリミジンであることが確認された。さらに、この一連の同族体のうち、64、66、69、70、および75-77などの選択された化合物が、リード化合物3と比較して改善されたインビトロの効力を有することが確認された。表2は、1μMまたは10μMの被験物質で4時間培養した後のQBI293細胞におけるアセチル化α-チューブリンおよび総α-チューブリンレベルの倍数変化を示す。データは、ビヒクル処理した細胞との相対的な変化として表した。一元配置分散分析により、*p<0.05および**p<0.01とした。
【表4】
これらの結果は、本開示による試験されたC6ニトリル置換トリアゾロピリミジン化合物が、以前に記載された例と比較して、改善されたインビトロ活性を有することを実証した。
【実施例4】
【0075】
実施例4-血漿および脳内化合物の測定
CD1マウス(n=3)に、CNDR-5190およびCNDR-51993(2つのジアステレオ異性体、52017(67)および52016(68)の1:1混合物を表す)をそれぞれ2.5mg/kgで同時投与した。)投与1時間後、マウスを安楽死させ、血液を採取し、次いで生理食塩水で灌流した。マウス脳を10mM酢酸アンモニウム、pH5.7(1:2;w/v)中でハンドヘルドソニックホモジナイザーを用いてホモジナイズした。マウス血漿は、0.5MEDTA溶液を含む1.5mlチューブに採取し、4500g、4℃で10分間遠心分離した血液から得た。脳ホモジネートまたは血漿のアリコート(50μl)を0.2mlのアセトニトリルと混合し、15000xgで遠心分離し、得られた上清をその後のLC-MS/MS分析に使用した。LC-MS/MS分析は、本質的に以前に記載されたような方法(Louら、J.Med.Chem.57:6116-27,2014)を利用して、Inotiv,Inc.によって実施された。結果は、以下の表3に提供される。
【表5】
【実施例5】
【0076】
実施例6-追加の微小管安定化化合物
本開示による追加の微小管安定化化合物を、以下のスキーム1~4にしたがって調製した。
【化23】
スキーム1.試薬と反応条件:a)DiBAl-H,トルエン、-78℃、1時間、51%;b)Bestmann-Ohira reagent、KCO、MeOH、20℃、3時間、20%;
【化24】
【0077】
スキーム2.試薬と反応条件a)NaNO、KI,6MHCl、水、0-20℃,3時間、72%;b)N-トリブチルアミン、170℃、6時間;c)オキシ塩化リン、130℃、6時間、60%(2工程にわたって);d)TAL-628、N,N-ジメチルホルムアミド、rt、16時間、40%;F.TAL-620,F.F.TAL-628、F.F.TAL-626,F.F.N,N-ジメチルホルムアミド、Et_COPYN、rt、1時間、60%;TAL-626とTAL-627は、N,N-ジメチルホルムアミド、EtN、rt、1時間、TAL-62691%とTAL-62788%;e)適切なアルキン、Pd(PPh、CuI、脱気N,N-ジメチルホルムアミド、20℃、8時間、33-99%;e)TAL-626とTAL-627は、ジメチルホルムアミド、EtN、rt、1時間、33-99%,F.D.TAL-626は、ジメチル・フォルマミド、T.f)ジオキサン中の4M HCl、MeOH、20℃、1時間、99%.
【化25】
【0078】
スキーム3.試薬と反応条件:a)NaCr、NaIO、HNO、水、0-20℃、24時間、78%;b)LiAlD、EtO、0℃、0.5時間、99%;c)TAL-627、Pd(PPh、CuI,degassedN,N-ジメチルホルムアミド、20℃、8時間、44%.
【化26】
【0079】
スキーム4.試薬と反応条件:a)NaH、CHI、N,N-ジメチルホルムアミド、0-20℃、2時間、b)but-3-yn-1-ol,Pd(PPh、CuI、degassedN,N-ジメチルホルムアミド、20℃、8時間、17%(2工程にわたって)。
【0080】
前記合成スキームに従って製造した化合物は、微小管安定化用であった。以下の表4は、トリアゾロピリミジン類のMT安定化活性を説明するものである。QBI293細胞を1または10μMの試験化合物で4時間インキュベートした後のアセチル化αチューブリン(AcTub)およびαチューブリン(αTub)レベルの倍率変化。AcTubとα-Tubの値は、コントロール(DMSO)処理細胞に対する変化量(一元配置分散分析によるp<0.05および**p<0.01)を表し、括弧内の数字は陽性コントロール処理細胞(すなわち、100nMのセビパブリン)に対するAcTubの変化量(倍)を表している。コントロールの±15%の変化は、日々のアッセイ変動の範囲内であり、有意ではないと判断される。
【表6】
【0081】
材料と方法溶媒はすべて試薬グレードを使用した。すべての試薬はAldrichまたはEnamineから購入し、受け取ったまま使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.25mmE.Merckプレコートシリカゲルプレートで実施した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、Silicycle and Sorbent Technologies社から供給されたシリカゲル60(粒子径0.040-0.062mm)を用いて行った。TLCスポットは、UVライト下で観察することにより検出した。プロトン(H)および炭素(13C)NMRスペクトルは、600MHzBrukerAVANCEIIIスペクトロメーターで記録された。化学シフトは溶媒に対する相対値で報告された。1HNMRスペクトルのデータは以下のように報告される:化学シフト[ppm、プロチウムを基準;s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、キント=キンテット、dd=ダブレットのダブルト、bs=ブロードシングレット、m=マルチプレット、結合定数(Hz)、積分]。高分解能質量スペクトルは、Jetstreamエレクトロスプレーイオン化源を備えたAgilent6230飛行時間型質量分析計で測定した。HPLCは、UVおよび質量検出器を備えたGilsonHPLCで実施した。すべてのサンプルは、HO中10%から90%までのACNを8分間かけて、流速1mL/minの線形勾配を採用して分析されました。分取逆相HPLC精製は、WatersSunFire分取C18OBDカラム(5μm19mmÅ~50mmまたは19mmÅ~100mm)を使用したGilson装置で実施した。最終的な化合物はすべて、HPLCで95%以上の純度を確認した。
【0082】
一般手順A脱気したDMF(0.2M)中のヨードトリアゾロピリミジン(1等量)の溶液に、CuI(0.15等量)、トリエチルアミン(3等量)および目的のアルキン(3等量)を連続的に添加した。テトラキスパラジウム(0.1等量)を加える前に、混合物を脱気し、窒素で裏込めした。混合物を脱気し、窒素で3回埋め戻し、混合物をrtで8時間攪拌した後、水でクエンチし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc)または逆相HPLC(水/ACN+0.1%FA、(10to90%)、20mL/分、20分ランプ時間)による精製で、所望の化合物を得る。
【0083】
一般手順B.Bocで保護されたアルキニル化TPD(1等量)のMeOH(0.1M)中の溶液に、ジオキサン中のHClの4M溶液(18等量)を添加した。rtで3時間後、混合物を減圧下で蒸発させ、表題化合物をHCl塩として黄色または茶色の固体として得た。
【0084】
【化27】
(R)-5-クロロ-6-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-N-(3-メチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン.0℃で乾燥トルエン(12mL)中の(R)-4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロベンゾニトリル(0.047g,0.125mmol、1等量)溶液に、ジBAl-H(0.170mL,1.1M,0.027g,0.182mmol,1.5等量)を滴下し、この温度で1時間撹拌した後、1MHCl水溶液でクエンチした。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮してアルデヒド中間体を得、これをMeOH(4mL)に直接溶解させた。KCO(0.025g,0.182mmol,1.5等量)およびジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(0.035g,0.182mmol,1.5等量)を連続的に加え、混合物をrtで3時間攪拌した。その後、反応物を焼結ガラス上で濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:90/10to75/25)で精製し、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(0.005g,0.012mmol、2工程にわたって10%)。HNMR(600MHz,CDCl)δ8.39(s,1H)、7.25(d,J=7.5Hz,2H)、6.38(bs,1H)、3.30(bs,1H)、2.71(d,J=5.4Hz,1H)、1.71(bs,1H)、2.4Hz,1H)、1.72?1.67(m,1H)、1.11(d,J=6.6Hz,3H)、0.86(d,J=6.6Hz,3H)、0.84(d,J=6.6Hz,3H)ppm.であった。C1817Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):376.1135,376.1139を発見した。
【0085】
【化28】
2-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)マロン酸ジエチルの製造。0℃に冷却した6N HCl(12mL,71.36mmol,10equiv)中の2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)マロン酸ジエチル(2.050g,7.136mmol,1等量)の溶液に、水(2.7mL)中のNaNO(0.492g,7.136mmol,1等量)の溶液を滴下して添加した。得られた溶液を、温度を0℃に保ちながら、水(5mL)中のKI(4.916g,29.62mmol,4.15equiv)の溶液に滴下して添加した。反応混合物を室温まで温め、3時間撹拌した後、停止し、EtOAcで2回抽出した。合わせた層を10%Naおよびブラインで順次洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:100/0to75/25)を介して精製し、表題化合物(2.054g,5.159mmol,72%)を黄色の油状物として得た。HNMR(600MHz,CDCl)δ7.31(d,J=7.0Hz,1H),4.89(s,1H),4.25(q,J=7.1Hz,4H),1.27(t,J=7.2Hz,6H)ppm.13CNMR(151MHz,CDCl)δ166.36,160.77(dd,J=255.2,7.8Hz),121.41(dd,J=23.6,4.8Hz),101.61(dt,J=20.3,14.7Hz),62.45,47.22,14.05ppm.δを得た。LCMS:[M+H]:339.
【0086】
【化29】
5,7-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン。窒素でフラッシュした圧力フラスコに、TAL-541(1.920g,6.459mmol,1等量)、1H-1,2,4-トリアゾル-5-アミン(0.570g,6.782mmol,1.05等量)およびトリブチルアミン(1.620mL,6.782mmol,1.05等量)を装入した。混合物を170?Cに3時間加熱した。次に、10mLのトルエンを110?Cで加え、続いて50%NaOH溶液(1.023mL,19.38mmol,3等量)を50?Cで加えた。rtでいったん混合物を焼結ガラス上でろ過し、トルエンで2回洗浄して、さらなる精製なしに次の工程に従事するビス-フェノラート(2.068g,6.621mmol,97%)にした。中間体ビス-フェノラート(2.000g,4.608mmol,1等量)を入れた丸底フラスコに塩化ホスホリル(7.670mL,82.020mmol,17.8等量)を加え、混合物を130?Cに6時間加熱した。反応物を氷上に注ぎ、水相をCHClで2回抽出し、合わせた有機フラクションをブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc;100/0~70/30)による精製で、表題化合物をオフホワイト固体として得た(1.520g,3.56mmol,77%).H NMR(600MHz,CDCl)δ8.61(s,1H)、7.52(d,J=6.4Hz,2H)ppm.13CNMR(151MHz,CDCl)δ160.45(d,J=6.2Hz)、158.75(d,J=6.2Hz)、157.28、156.13、153.85、141.28、122.05(dd,J=23.0,4.2Hz)、112.35、109.18(t,J=19.8Hz)、95.68(t,J=10.2Hz)ppm.C11ICl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):426.8820、426.8812を発見した。
【0087】
【化30】
(R)-5-クロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-N-(3-メチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン。DMF(1mL)中の5,7-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(0.156g,0.365mmol,1等量)の溶液に(R)-3-メチルブタン-2-アミン(0.064mL、0.048g、0.548mmol,1.5等量)およびトリエチルアミン(0.153mL,0.111g,1.100mmol,3等量)を加え、混合物をrtで1時間撹拌した。反応を水の添加によりクエンチし、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc;100/0to70/30)で精製し、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(0.161g,0.337mmol,92%).HNMR(600MHz,CDCl)δ8.32(s,1H)、7.46(d,J=6.5Hz,2H)、6.35(d,J=7.8Hz,1H)、3.18(s,1H)、1.64(dq,J=13.2,6.7Hz、1H)、1.06(d,J=6.6Hz,3H)、0.79(dd,J=11.6,6.8Hz,6H)ppm.13CNMR(151MHz,CDCl)δ159.60(dd,J=254.9,8.4Hz)、159.56(dd,J=254.8,8.4Hz)、156.51、153.82、152.51、144.76、120.0、153.82、144.76、156.51、153.82、152.51、144.76、120.65(dt,J=24.4,3.7Hz),110.04(t,J=21.1Hz)、93.34(t,J=10.2Hz)、87.81、53.81、32.50、16.95,16.94、16.77ppm.であった。C1616ICl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):478.0101,478.0098を発見した。
【0088】
【化31】
TAL-627(CNDR-52032)
(R)-5-クロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-N-(3,3-ジメチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン。5,7-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(0.156g,0.365mmol,1等量)inDMF(1mL)の溶液に(R)-3,3-ジメチルブタン-2-アミン塩酸塩(0.075g,0.548mmol,1.4)およびトリエチルアミン(0.153mL,0.111g,1.100mmol,3等量)を加え、混合物をrtで1時間撹拌した。水を加えて反応をクエンチし、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc;100/0to70/30)による精製で、表題化合物をオフホワイト固体として得た(0.158g,0.321mmol,88%)。HNMR(600MHz,CDCl)δ8.31(s,1H)、7.46(d,J=6.4Hz,2H)、6.42(s,1H)、3.10(s,1H)、1.00(d,J=6.7Hz,4H)、0.82(s,9H)ppm..13CNMR(151MHz,CDCl)δ160.67(dd,J=254.9,6.2Hz)、160.40(dd,J=254.8,6.0Hz)、157.59、154.89、153.58、146.03、121.82(dd,J=21.213.8,3.9Hz)、151.82(dd,J=254.9,3.9Hz)、157.59(dd)、154.89(dd)、146.03(dd)7,3.9Hz)、121.67(dd,J=21.7,3.9Hz)、111.23(t,J=18.2Hz),94.41(t,J=10.1Hz)、88.71、58.10、34.74、25.77、16.56、16.55ppm.を得た。C1718ICl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):492.0258,492.0256を発見した。
【0089】
【化32】
TAL-640(CNDR-52049)
(S)-5-クロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-N-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン.の溶液に、5,7-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(0,200g,0.468mmol,1等量)をDMF(2mL)中に溶解し、(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-アミン(0.097mL,0.111g,0.984mmol,2.1等量)を加え、40?Cで24時間攪拌した。反応を水の添加によりクエンチし、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:100/0to70/30)による精製で、表題化合物をオフホワイト固体として得た(0.121g,0.240mmol,51%)。HNMR(600MHz,CDCl)δ8.38(s,1H)、7.49(d,J=6.6Hz,2H)、5.97(d,J=9.6Hz,1H)、4.84(bs,1H)、1.43(d,J=6.8Hz,3H).13CNMR(151MHz,CDCl)δ160.61(dd,J=257.4,5.9Hz)、160.29(dd,J=255.8,6.0Hz)、157.41、155.41、154.26、145.87、124.59(q,J=282.1Hz)、122.3、156.4(dd,J=256.3Hz),156.4(dt,J=286.5Hz)32(dd,J=63.0,3.8Hz),122.16(dd,J=62.9,3.7Hz)、109.10(t,J=20.2Hz)、95.55(t,J=10.1Hz)、91.74、51.08(q,J=32.1Hz)、15.16ppm.であった。HRMS(ES+)calculatedforC14ICl[M+H]:503.9506、503.9502を発見した。
【0090】
【化33】
TAL-546(CNDR-52033)
(R)-5-クロロ-6-(4-(3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イン-1-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-N-(3-メチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン.TAL-626(0.070g,0.147mmol)N,N-ジメチルプロプ-2-イン-1-アミン(0.047mL,0.037g,0.440mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCによる精製および純粋画分のEtOAcによる抽出後にオフホワイトとして表題化合物をもたらす(0.043g,0.099mmol,68%).HNMR(600MHz,MeOD)δ8.60(s,1H)、7.33(d,J=8.4Hz,2H)、3.74(s,2H)、3.38(s,1H)、2.56(s,6H)、1.72(pt,J=6.4Hz,1H)、1.11(d,J=6.3Hz,3H)、0.79(d,J=6.5Hz,6H)ppmを得ることができる。C2124Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):433.1714,433.1715を発見した。
【0091】
【化34】
TAL-555(CNDR-52035)
(R)-5-クロロ-6-(4-(3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イン-1-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-N-(3,3-ジメチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン.TAL-627(0.070g,0.142mmol)N,N-ジメチルプロプ-2-イン-1-アミン(0.046mL,0.036g,0.427mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCによる精製および純粋画分のEtoAcによる抽出後にオフホワイトとして表題化合物をもたらす(0.043g,0.096mmol,68%).H NMR (600MHz,MeOD)δ8.50(s,1H),7.33(d,J=7.3Hz,2H),3.58(bs,2H),3.31(bs,1H),2.42(s,6H),1.08(d,J=6.6Hz,3H),0.83(s,9H)ppm.C2226Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):447.1870、447.1872を発見した。
【0092】
【化35】
TAL-576
tert-ブチル(R)-(4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブ-3-エン-1-イル)カルバメート。一般的な手順Aに従って、TAL-626(0.040g,0.084mmol)およびtert-ブチル ブタ-3-イン-1-イルカルバメート(0.043g,0.250mmol)を使用して、シリカゲルクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:90/10to60/40)による精製の後に、表題化合物が黄色固体として得られる(0.043g,0.083mmol,99%).H NMR(600MHz,CDCl)δ8.34(s,1H),7.10(d,J=7.9Hz,2H),6.34(s,1H),4.85(s,1H),3.40(t,J=5.9Hz,2H),3.85(s,1H),3.19(s,1H),2.66(t,J=6.5Hz,2H),1.66-1.62(m,1H),1.47(s,9H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.80(t,J=7.4Hz,6H)ppm.であった。C2529ClO[M+Na]のために計算されたHRMS(ES+):519.2081、519.2083を発見した。
【0093】
【化36】
tert-ブチル(R)-(4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブ-3-エン-1-イル)カルバメート。一般的な手順Aに従って、TAL-627(0.040g,0.081mmol)およびtert-ブチル ブタ-3-イン-1-イルカルバメート(0.041g,0.240mmol)を用い、シリカゲルクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:90/10to60/40)による精製後に表題化合物を黄色固体(0.042g,0.079mmol,97%)で得る。H NMR(600MHz,CDCl)δ8.40(s,1H),7.11(d,J=7.7Hz,2H),6.43(bs,1H),4.85(bs,1H),3.41(d,J=5.1Hz,2H),3.42(bs,1H),3.42(bs,1H),4.54(bs,1H),4.54(bs,1H)1Hz,2H),3.14(bs,1H),2.66(t,J=6.4Hz,2H),1.47(s,9H),1.02(d,J=6.6Hz,3H),0.84(s,9H)ppm.であった。C2632ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):533.2238、533.2238を発見した。
【0094】
【化37】
(R)-4-(4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブタ-3-イン-1-オール.TAL-626(0.040g,0.084mmol)およびブ-3-イン-1-オール(0.019mL,0.018g,0.250mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.012g,0.029mmol,34%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.44(s,1H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),3.77(t,J=6.5Hz,2H),3.31(bs,1H),2.68(t,J=6.5Hz,2H),3.31(bs,1H),2.68(t,J=6.4Hz,2H).68(t,J=6.5Hz,2H),1.80-1.66(m,1H),1.11(d,J=6.6Hz,3H),0.80(d,J=6.7Hz,6H)ppm.C2021ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):420.1397、420.1398を見出した。
【0095】
【化38】
((R)-5-(4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ペンタ-4-イン-1-オール.TAL-626(0.027g,0.057mmol)およびペント-4-イン-1-オール(0.016mL,0.014g,0.170mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.012g,0.028mmol,49%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.43(s,1H),7.22(d,J=8.4Hz,2H),3.71(t,J=6.2Hz,2H),3.31(bs,1H),2.58(t,J=7.1Hz,2H),1.02mmol(1H).1Hz,2H),1.84(p,J=6.7Hz,2H),1.73(dq,J=13.6,6.8Hz,2H),1.11(d,J=6.6Hz,3H),0.80(d,J=6.7Hz,6H)ppm.であった。C2123ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):434.1554、434.1553を発見。
【0096】
【化39】
(R)-4-(4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブタ-3-イン-1-オール.TAL-627(0.040g,0.081mmol)およびブ-3-イン-1-オール(0.018mL,0.017g,0.240mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.014g,0.032mmol,40%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.46(s,1H),7.28(dd,J=8.1,1.5Hz,2H),3.77(t,J=6.5Hz,2H),3.31(bs,1H),2.68(t,J=6.5Hz,2H),1.07(d,J=6.7Hz,3H),0.84(s,9H)の各ppmを得た。C2123ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):434.1554、434.1556を見出した。
【0097】
【化40】
(R)-5-(4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ペンタ-4-イン-1-オール.TAL-627(0.040g,0.081mmol)およびペント-4-イン-1-オール(0.023mL,0.021g,0.240mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.036g,0.031mmol,38%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.46(s,1H),7.25(dd,J=8.0,1.5Hz,2H),3.72(t,J=6.2Hz,2H),3.31(bs,1H),2.58(t,J=7.1Hz,2H),1.85(p,J=6.7Hz,2H),1.08(d,J=6.7Hz,3H),0.84(s,9H)ppm.であった。C2225ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):448.1710、448.1711を発見した。
【0098】
【化41】
(S)-4-(4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン- 6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブタ-3-イン-1-オール.TAL-628(0.032g,0.064mmol)およびブ-3-イン-1-オール(0.014mL,0.013g,0.190mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.011g,0.025mmol,39%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.50(s,1H),7.24(d,J=9.0Hz,2H),5.77(bs,1H),3.76(t,J=5.9Hz,2H),3.32(bs,1H),2.68(t,J=5.9Hz,2H),1.46(d,J=6.5Hz,3H)ppm.C1814ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):446.0802,446.0804を発見した。
【0099】
【化42】
(S)-5-(4-(5-クロロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン- 6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ペンタ-4-イン-1-オール.TAL-628(0.033g,0.066mmol)およびペント-4-イン-1-オール(0.020mL,0.017g,0.200mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.010g,0.022mmol,33%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.50(s,1H),7.21(d,J=8.8Hz,2H),5.80(bs,1H),3.71(t,J=6.0Hz,2H),3.32(bs,1H),2.57(t,J=7.0Hz,2H),1.94-1.71(m,2H),1.46(d,J=6.7Hz,3H)ppm.C1916ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):460.0958,460.0961を見出した。
【0100】
【化43】
tert-ブチル (R)-(3-(4-(5-クロロ-7-((3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-) 6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)プロパ-2-イン-1-イル)(メチル)カルバメートの合成を行った。一般的な手順Aに従い、TAL-626(0.050g,0.105mmol)およびtert-ブチルメチル(prop-2-yn-1-yl)carbamate(0.053g,0.314mmol)を使用して、シリカゲルクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:90/10to50/50)による精製後に表題化合物を黄色固体(0.020g,0.039mmol,37%)で得ます。H NMR(600MHz,CDCl)δ8.33(s,1H),7.12(d,J=8.0Hz,2H),6.35(d,J=8.1Hz,1H),4.32(bs,2H),3.16(bs,1H),2.3(bs,1H),2.4(s,2H),3.5(bs,1H),4.5(bs,2H),4.5(d,2.4),6.5(d,2H)99(s,3H),1.65-1.60(m,1H),1.49(s,9H),1.05(d,J=6.6Hz,3H),0.80(d,J=6.9Hz,3H),0.78(d,J=6.9Hz,3H)ppm.であった。C2530ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):519.2081、519.2078を発見した。
【0101】
【化44】
tert-ブチル (R)-(3-(4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)プロパ-2-イン-1-イル)(メチル)カルバメートの合成を行う。一般的な手順Aに従って、TAL-627(0.050g,0.102mmol)およびtert-butyl methyl(prop-2-yn-1-yl)carbamate(0.052g,0.305mmol)を使用して、シリカゲルクロマトグラフィー(Hexanes/EtOAc:90/10to50/50)による精製の後に、黄色固体(0.043g,0.081mmol,79%)として表題化合物を得ます。H NMR(600MHz,CDCl)δ8.32(s,1H),7.12(d,J=7.5Hz,2H),6.43(bs,1H),4.31(bs,2H),2.98(s,3H),1.49(s,9H),1.47-1.45(m,1H),1.01(d,J=6.7Hz,3H),0.83(s,9H)ppmを得ることができた。C2632ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):533.2238、533.2234を発見した。
【0102】
【化45】
(R)-4-(4-(5-クロロ-7-((3,3-ジメチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブタ-3-イン-1,1-d2-1-オール.TAL-627(0.080g,0.160mmol)およびブ-3-イン-1,1-d2-1-オール(0.035g,0.490mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCおよび凍結乾燥による精製後にオフホワイトとして表題化合物を生じる(0.031g,0.071mmol,44%).H NMR(600MHz,MeOD)δ8.46(s,1H),7.27(d,J=7.7Hz,2H),3.32(bs,1H),2.67(s,2H),1.06(d,J=6.7Hz,3H),0.82(s,9H)ppm..C2121ClO[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):436.1679,436.1678を見出した。
【0103】
【化46】
(R)-6-(4-(4-アミノブタ-1-イン-1-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-5-クロロ-N-(3-メチルブタン-2-イル)-[1,2 ,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン塩酸塩.一般的手順Bに従って、TAL-576(0.040g,0.077mmol)を、黄色固体として表題化合物(0.034g,0.075mmol,97%)に変換した。H NMR(600MHz,MeOD)δ8.87(s,1H),7.37(d,J=8.3Hz,2H),3.33(bs,1H),3.23(t,J=6.7Hz,2H),2.92(t,J=6.7Hz,2H),2.92(t,J=6.8Hz,2H),1.77(dq,J=13.6,6.8Hz,1H),1.15(d,J=6.6Hz,3H),0.81(t,J=7.3Hz,6H)ppm.であった。C2022Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):419.1557、419.1560を発見。
【0104】
【化47】
(R)-6-(4-(4-アミノブタ-1-イン-1-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-5-クロロ-N-(3,3-ジメチルブタン-2-イル)-[1 ,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン塩酸塩.一般的手順Bに従って、TAL-576(0.040g,0.075mmol)を、黄色固体として表題化合物(0.034g,0.072mmol,97%)に変換した。HNMR(600MHz,MeOD)δ8.75(s,1H),7.38(dd,J=8.8,3.6Hz,2H),3.33(bs,1H),3.23(t,J=6.8Hz,2H),2.92(t,J=6.8Hz,2H),1.34-1.30(m,1H),1.10(d,J=6.7Hz,3H),0.84(s,9H)ppm.C2124Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):433.1714,433.1716を見出した。
【0105】
【化48】
(R)-5-クロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-(3-(メチルアミノ)プロパン-1-イル)フェニル)-N-(3-メチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミンの塩酸塩。一般的手順Bに従って、TAL-635(0.015g,0.029mmol)を褐色固体として表題化合物(0.011g,0.024mmol,84%)に変換した。H NMR(600MHz,MeOD)δ8.59(s,1H),7.42(d,J=8.2Hz,2H),4.23(s,2H),3.31(bs,1H),2.85(s,3H),1.74(dq,J=13.4,6.7Hz,1H),1.11(d,J=6.5Hz,3H),0.79(d,J=4.4Hz,6H)ppm.C2022Cl[M+H]のために計算されたHRMS(ES+):419.1557、419.1554を発見。
【0106】
【化49】
(R)-5-クロロ-6-(2,6-ジフルオロ-4-(3-(メチルアミノ)プロパン-1-イル)フェニル)-N-(3,3-ジメチルブタン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン塩酸塩。一般的手順Bに従って、TAL-636(0.035g,0.066mmol)を褐色固体として表題化合物(0.028g,0.060mmol,91%)に変換した。H NMR(600MHz,MeOD)δ8.74(s,1H),7.47(dd,J=8.4,3.1Hz,2H),4.24(s,2H),3.33(bs,1H),2.86(s,3H),1.10(d,J=6.7Hz,3H),0.84(s,9H)ppm.,を得た。C2124Cl[M+H]のためにHRMS(ES+)計算された:433.1714,433.1716を見出した。
【0107】
【化50】
(R)-5-クロロ-6-(4-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-1-イン-1-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-N-(3,3-ジメチルブタン-2-イル) -[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン.TAL-627(0.040g,0.081mmol)およびN,N-dimethylbut-3-yn-1-amine(0.029mL,0.024g,0.224mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCによる精製およびEtOAcによる抽出後にオフホワイトとして表題化合物をもたらす(0.023g,0.050mmol,61%).H NMR(600MHz,CDCl)δ8.36(s,1H),7.13(d,J=6.8Hz,2H),6.44(bs,1H),3.34(s,2H),3.23-3.01(m,3H),2.93(s,6H),1.01(d,J=6.3Hz,3H),0.82(s,9H)ppm.
【0108】
【化51】
(R)-4-(4-(5-クロロ-2-メチル-7-(メチル(3-メチルブタン-2-イル)アミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン) -6-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)ブタ-3-イン-1-オール.0?CでDMF(0.8mL)中のTAL-626(0.037g,0.077mmol,1equiv)の溶液に、NaH(60%,0.005g,0.120mmol,1.5equiv)と20分後にヨウ化メチル(0.006mL,0.013g,0.093mmol,1.2equiv)とを追加した。rtで2時間後、反応は水の添加によりクエンチされ、水層はEtOAcで2回抽出された。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO、減圧下で濃縮してビス-メチル化中間体を得たが、これはさらに精製せずに次のステップで使用した。前の中間体(0.013g,0.026mmol)およびブタ-3-イン-1-オール(0.006mL,0.005g,0.077mmol)を用いて一般手順Aに従い、逆相HPLCによる精製およびEtOAcによる抽出後にオフホワイトとして表題化合物が得られる(0.006g,0.013mmol,17%(2工程にわたって).H NMR(600MHz,CDCl)δ7.02(d,J=7.1Hz,1H),4.04(bs,1H),3.84(s,2H),3.42(s,3H),2.71(s,2H),2.52(s,3H),2.54(s,3H),1.65-1.60(m,1H),1.05(d,J=5.9Hz,3H),0.85(d,J=5.5Hz,3H),0.76(d,J=5.8Hz,3H)ppm.であった。