(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】吊金物
(51)【国際特許分類】
E04B 9/18 20060101AFI20250310BHJP
【FI】
E04B9/18 B
(21)【出願番号】P 2021067682
(22)【出願日】2021-04-13
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000121729
【氏名又は名称】奥地建産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100213436
【氏名又は名称】木下 直俊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】大隈 友和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 渉
(72)【発明者】
【氏名】斧出 雄太
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-022098(JP,A)
【文献】特開2012-127102(JP,A)
【文献】特開2008-297741(JP,A)
【文献】特開2004-019124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/18 - 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁のフランジを挟み込んで固定される固定部と、
前記固定部から垂下している吊下げ部と、を備え、
前記吊下げ部は、
野縁受けを掛止するフックが形成されたフック部と、
前記フック部の高さを調節するインタフェースと、を有し、
前記インタフェースは、前記フック部よりも上方に配置されて
おり、
前記固定部は、鉛直方向に沿う方向に向くU字形状に形成されており、当該U字形状の谷の内側面に、前記フック部を嵌め込んで当該フック部の昇降をガイドするガイド部を有する吊金物。
【請求項2】
前記吊下げ部は、前記固定部から垂下し、前記フック部と螺合する吊下げボルトを有し、
前記インタフェースとして前記吊下げボルトを回転させることにより前記フック部の高さを調節する請求項1に記載の吊金物。
【請求項3】
前記固定部は、前記吊下げボルトを挿通する貫通孔が形成された吊下げ支持部を有し、
前記吊下げボルトは、ボルト頭部を前記吊下げ支持部に係合させて前記固定部に吊下げ支持されている請求項2に記載の吊金物。
【請求項4】
前記ボルト頭部と前記吊下げ支持部との間に弾性体が配置されている請求項3に記載の吊金物。
【請求項5】
前記吊下げ支持部は、前記梁の延在方向と交差する方向が長手方向となるように延在し、板面が水平方向に沿う支持板と、前記支持板の短手方向の両端部から鉛直方向における下方に延出する側板とを有し、
前記側板には、前記梁から離間している側から前記梁に対向する側に向けて切欠いた切欠き部が形成されている請求項3又は4に記載の吊金物。
【請求項6】
前記吊下げ部は、前記吊下げボルトに螺合されたナットを有し、前記ナットを、高さ調整された前記フック部に当てて、前記フック部の高さ位置を固定する請求項3から5のいずれか一項に記載の吊金物。
【請求項7】
前記フック部には、それぞれ反対方向を向く前記フックが配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の吊金物。
【請求項8】
前記固定部は、
水平方向に沿う方向に向くU字形状に形成されており、当該U字形状の谷の内側に前記フランジをはめ込み可能な嵌め込み部と、
前記嵌め込み部における前記U字形状の片側側面に支持された固定ボルトと、を有し、
前記固定ボルトは、前記フランジを前記嵌め込み部の谷の内側面に押し付けて前記固定部を当該フランジに固定する請求項1から7のいずれか一項に記載の吊金物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊金物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二重天井下地構造及びその施工方法が記載されている。この二重天井下地構造は、野縁を支持する野縁受けと野縁受け金具を備えている。野縁受けは、2本1組の断面略コ字状鋼部材で構成されている。断面略コ字状鋼部材は、互いを背合わせで配向し、対面する背面板の間にスペーサを介在させて背面板間にスリット状溝を形成している。野縁受け金具は通孔が形成された水平面状の固定座板部と、鉛直面状の挿入板部とを備えている。野縁受け金具は、固定座板部の通孔にネジボルトを挿通される。そして、固定座板部を跨ぐ両側に螺設された固定調整用ナットによりネジボルトに固定される。野縁受けと野縁受け金具とは、野縁受けのスリット状溝に野縁受け金具の挿入板部を挿入した状態で、外側から螺入されたビスによって相互に連結される。野縁は、野縁受けの開口溝部にその端部を挿入することにより、野縁受けに直交する方向に横架させる。野縁受けの位置調整及び高さ調整は、野縁受け金具の固定調整用ナットを螺退進させることにより鉛直方向の調整が可能となっている。
【0003】
特許文献2には、吊りボルトにハンガーを介して野縁受けを保持する吊金具及びこれを用いた天井下地が記載されている。この天井下地では、吊金具に保持された野縁受けにクリップを介して野縁を吊るし、この野縁に天井材を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-257205号公報
【文献】特開2013-060713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
天井下地材である野縁や野縁受けは長尺状の部材である。床面で作業する作業者にとって、高所においてこのような長尺状の部材用いて天井下地を構築する作業は作業性の良いものではない。例えば、高さを調節しつつ野縁受け等を吊金具に固定する作業は、作業難易度の高いものである。また、天井下地の設置後にこれらの高さ調整をする場合には、天井下地を再度解体してから調整を要するなど、作業性の良いものではない。そのため、天井下地の高さ調整の作業性改善が望まれる。
【0006】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、天井下地の高さ調整の作業性を改善した吊金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る吊金物は、
梁のフランジを挟み込んで固定される固定部と、
前記固定部から垂下している吊下げ部と、を備え、
前記吊下げ部は、
野縁受けを掛止するフックが形成されたフック部と、
前記フック部の高さを調節するインタフェースと、を有し、
前記インタフェースは、前記フック部よりも上方に配置されている。
【0008】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記吊下げ部は、前記固定部から垂下し、前記フック部と螺合する吊下げボルトを有し、
前記インタフェースとして前記吊下げボルトを回転させることにより前記フック部の高さを調節してもよい。
【0009】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記固定部は、前記吊下げボルトを挿通する貫通孔が形成された吊下げ支持部を有し、
前記吊下げボルトは、ボルト頭部を前記吊下げ支持部に係合させて前記固定部に吊下げ支持されてもよい。
【0010】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記ボルト頭部と前記吊下げ支持部との間に弾性体が配置されてもよい。
【0011】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記吊下げ支持部は、前記梁の延在方向と交差する方向が長手方向となるように延在し、板面が水平方向に沿う支持板と、前記支持板の短手方向の両端部から鉛直方向における下方に延出する側板とを有し、
前記側板には、前記梁から離間している側から前記梁に対向する側に向けて切欠いた切欠き部が形成されてもよい。
【0012】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記吊下げ部は、前記吊下げボルトに螺合されたナットを有し、前記ナットを、高さ調整された前記フック部に当てて、前記フック部の高さ位置を固定してもよい。
【0013】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記フック部には、それぞれ反対方向を向く前記フックが配置されてもよい。
【0014】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記固定部は、
水平方向に沿う方向に向くU字形状 に形成されており、当該U字形状の谷の内側に前記フランジをはめ込み可能な嵌め込み部と、
前記嵌め込み部における前記U字形状の片側側面に支持された固定ボルトと、を有し、
前記固定ボルトは、前記フランジを前記嵌め込み部の谷の内側面に押し付けて前記固定部を当該フランジに固定してもよい。
【0015】
本発明に係る吊金物は、更に、
前記固定部は、鉛直方向に沿う方向に向くU字形状に形成されており、当該U字形状の谷の内側面に、前記フック部を嵌め込んで当該フック部の昇降をガイドするガイド部を有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
天井下地の高さ調整の作業性を改善した吊金具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】吊金物を用いた天井下地構造の説明図である。
【
図8】吊金物へ野縁受けを掛止する手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面に基づいて、本発明の実施形態に係る吊金具について説明する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る吊金物100を用いた天井下地構造200を示している。吊金物100は、例えば鉄骨造の骨組みを有する複数階建ての住宅のような建物の天井下地構造に採用される。このような建物には、複数の居室が形成される。建物は、鉄筋コンクリート造の基礎と、柱や梁などの骨組部材で構成された骨組架構と、壁や床などを形成するパネルとを有し、基礎に固定された上部構造体とで構成される。骨組部材やパネルは、予め規格化(標準化)されたものとすることができる。この場合、骨組部材などを予め工場にて製造して建築現場に搬入し、建物を組み立てることができる。
【0020】
図1、2に示すように、天井下地構造200は例えば、梁80、梁80に固定される吊金物100、吊金物100に吊下げ支持される野縁受け4、野縁受け4に支持される野縁5及び野縁5に吊下げ支持される天井材89(
図1参照)を備えている。
【0021】
図1に示すように、吊金物100は、天井下地構造200において、天井下地である野縁受け4や野縁5を梁80に吊下げ支持するために用いられる金具である。吊金物100は、梁80のフランジ81を挟み込んで固定される固定部1と、固定部1から垂下している吊下げ部2と、を備えている。吊下げ部2は、野縁受け4を掛止するフック33が設けられたフック部3と、フック部3の高さを調節するインタフェースの一例としての吊下げボルト20と、を有し、当該インタフェースの一例としての吊下げボルト20は、フック部3よりも上方に配置されている。
図1、
図2では、一例として、天井下地構造200が、長尺状の野縁5と、野縁5の長手方向における端部を支持する野縁受け4と、吊金物100と、を備えており、吊金物100が野縁受け4を梁80に吊り下げる場合を示している。
【0022】
吊金物100は、上述のように、固定部1と吊下げ部2とを備え、固定部1には、後述するように、梁80に固定される嵌め込み部10が形成されている。
図1に示すように、吊金物100では、梁80に近い側に嵌め込み部10が形成されており、梁80に遠い側に吊下げ部2が配置されている。
【0023】
以下の説明では、鉛直方向における上向き側を単に、上もしくは上方などといい、その逆を下もしくは下方などと言う。例えば
図1では、吊金物100は、野縁5よりも上に配置されている。また、以下の説明では、吊金物100において、梁80に遠い側であって、吊下げ部2が配置されている側を吊金物100の正面と称し、梁80に近い側であって、嵌め込み部10が配置されている側を吊金物100の背面と称し、梁80の延在方向に交差する側を吊金物100の側面と称する。吊金物100の左右を説明する場合は、吊金物100の正面から見た左右の意味である。
【0024】
図1、
図3に示すように、固定部1は、吊下げ部2を吊下げる吊下げ支持部15と、U字形状に形成されており、当該U字形状の谷の内側にフランジ81(
図1参照)をはめ込み可能となっている嵌め込み部10と、フランジ81を嵌め込み部10の谷の内側面に押し付けて固定部1をフランジ81に固定する固定ボルト14と、固定ボルト14を螺合させる座板13と、上下方向に延在するガイド部17と、を有する。
【0025】
図3に示すように、吊下げ支持部15は、吊下げ部2を吊下げて支持する座となる部材である。本実施形態では、吊下げ支持部15は、梁80(
図1参照)の延在方向と交差(本実施形態では直行)する方向が長手方向となるように延在し、板面が水平方向に沿う支持板15aと、支持板15aの短手方向の両端部から鉛直方向における下方に延出する側板15b,15bを有する。側板15b,15bには、梁80と離間している側から梁80に対向する側に向けて切欠いた切欠き部15c,15cが形成されている。吊下げ支持部15は、正面視における断面が、支持板15aが谷底板となる角張ったU字形状となっている。支持板15aには、上下方向に貫通する挿通孔16が形成されている。挿通孔16は、支持板15aの延在方向において、切欠き部15cの縁部よりも梁80から離間している側に配置される。挿通孔16には、後述する吊下げボルト20が挿通される。吊下げ支持部15は、
図4、
図5に示すように左右対称の形状である。
【0026】
図1、
図3に示すように、嵌め込み部10は、梁80のフランジ81を挟み込んで固定されることにより、吊金物100を梁80に固定する固定座である(
図1参照)。嵌め込み部10は、水平方向に沿う方向に向くU字形状に形成されており、当該U字形状における、谷の内側の底面を梁80に対向させている。そして、嵌め込み部10のU字形状の谷の内側にフランジ81をはめ込み可能となっている。本実施形態では、吊下げ支持部15の両方の側板15bを、梁80に対向する側から梁80と離間している側に向けて水平方向に沿って切欠いて、嵌め込み部10のU字形状が形成されている。以下では、嵌め込み部10のU字形状における、上方のU字側面(片側側面)部分を側面部11、下方のU字側面を側面部12と称する。
【0027】
固定ボルト14は、フランジ81(
図1参照)を嵌め込み部10の谷の内側面に押し付けて固定部1をフランジ81に固定する固定具である。座板13は、側面部12において下方から支持されており、両方の側板15b,15bに架け渡されている。座板13は、上下方向に貫通するネジ穴13aを形成されている。固定ボルト14は、座板13の下面からネジ穴13aにネジ部を挿通されて座板13に螺合される。固定ボルト14と側面部11との間にフランジ81を嵌め込み、固定ボルト14を締めつけることで、座板13を介して側面部11に支持された固定ボルト14と側面部11とでフランジ81を強く挟み込んで固定部1を梁80(
図1参照)に固定することができる。
【0028】
図3に示すように、ガイド部17は、固定部1における吊下げ支持部15の側板15bの内面側(吊下げ支持部15のU字形状における谷の内側面)に形成された、上下方向に沿う溝である。ガイド部17,17は、吊下げ支持部15の両方の側板15b,15bに形成されている。ガイド部17は、側板15bの下端から上方に向けて直線状に形成されている。ガイド部17は、後述するように、フック部3の昇降をガイドする。
【0029】
吊下げ部2は、野縁受け4を高さ位置調整可能に吊下げ支持する機構である。
図3に示すように、吊下げ部2は、野縁受け4を掛止するフック33が設けられたフック部3と、固定部1から垂下し、フック部3と螺合することによりフック部3の高さを調節する吊下げボルト20と、吊下げボルト20に螺合されるナット20a,20bとを有している。
【0030】
吊下げボルト20は、フック部3を吊下げるための吊下げ具であり、また、フック部3の高さを調節するための調節機構である。また、フック部3の高さを調節する際の、作業者に対する調節作業のインタフェースである。
【0031】
吊下げボルト20は、吊下げ支持部15の挿通孔16に挿通される。そして、
図3から
図5に示すように、吊下げボルト20のボルト頭部21を、支持板15aに係止させ、吊下げ支持部15に吊り下げられる。
図3、
図4では、ナット20aを吊下げボルト20に螺合させ、ボルト頭部21とナット20aとで支持板15aを挟み込み、吊下げボルト20を吊下げ支持部15に固定している場合を図示している。なお、吊下げボルト20とナット20aとの関係は上記記載に限られない。例えば、吊下げボルト20の首下に不完全ネジ部を設け、且つ、ノッチ加工(ネジ山に切り欠き)を行い、ナット20aの位置を固定してもよい。不完全ネジ部は、ナット20aを締めつけても吊下げ支持部15に支圧が作用する前にナット20aが止まる(締めつけられなくなる)ように設けてよい。ノッチ加工を設けると、振動などによるナット20aの緩みを抑制できる。また、ナット20aは使用しなくてもよい。また、ナット20aとしてロックナットを用いることもできる。
【0032】
図1に示すように、フック部3は、野縁受け4を吊下げる吊下げ金具である。
図3、
図4に示すように、フック部3は、吊下げボルト20に吊下げられている。フック部3は、例えば鉄系合金などの金属で形成された板状の吊下げ板30を有する。吊下げ板30は、一例として、曲げ加工などによりクランク形状に形成されている。本実施形態では。吊下げ板30は、第一板部31、第二板部32及び第三板部34を有する。本実施形態において、第一板部31、第二板部32及び第三板部34は曲げ加工やプレス成型により一枚の板材から一体に成型することができる。
【0033】
第一板部31は、長手方向が鉛直方向に沿う板状の部材である。第一板部31には、それぞれ反対方向を向くフック33が配置されている。フック33は、野縁受け4(
図1参照)を掛止するための係止構造である。
【0034】
フック33は、一例として第一板部31の下端側の端部に配置されている。フック33は、一方の面に1つ以上(例えば2つ)形成されている。フック33は、野縁受け4を掛止するための係止構造として、例えば、第一板部31の板面の一部に切れ目を入れたりなどして上方に折り曲げて、先端部が上方に向く釣り針形状ないし鉤状に形成されてよい。
【0035】
第一板部31には、正面側の面(一方の面)と背面側の面(他方の面)のそれぞれにフック33が配置されている。第一板部31における正面側のフック33と、背面側のフック33とは、互いに反対方向を向いている。それぞれのフック33は、
図3に示すように、第一板部31の側面視で背中合わせになる位置関係で配置されている。
【0036】
図3では、第一板部31における一方の面の側に二つのフック33,33が上下方向に沿わせて配置され、他方の面の側にも同様に二つのフック33,33が鉛直方向に沿わせて配置されている場合を示している。以下では、第一板部31の側面視で背中合わせになる位置関係で配置されている状態のフック33を包括して、一対のフック群と称する場合がある。
【0037】
第一板部31は、
図1に示すように、その板面が梁80に対向している。また、第一板部31の板面は、野縁5の延在方向と垂直に交差している。すなわち、一対のフック群のうち、背面側のフック33は、梁80に対向し、正面側のフック33は、梁80に背中側を対向させている。
【0038】
図3に示すように、第二板部32は、板面が水平方向に沿い配置され、一方の端部(正面側の端部)が第一板部31の上端部に接続されている。第二板部32は、第一板部31の上端部から、水平方向における梁80に向かう側へ延出している。
【0039】
第二板部32には、鉛直方向に貫通するネジ穴32aが形成されている。ネジ穴32aには、吊下げボルト20が螺合される。これにより、フック部3は、吊下げボルト20を介して固定部1の吊下げ支持部15に吊り下げられる。また、吊下げボルト20を回転させることによりネジ穴32aが形成された第二板部32が上下に昇降可能となる。これにより、吊下げ板30が昇降可能となる。すなわち、吊下げボルト20を回転させることでフック部3の鉛直方向における高さを調節可能となっている。吊下げボルト20の回転は、例えばボルト頭部21をスパナなどで回転させることにより行う。このように吊金物100では、吊下げボルト20の回転によりフック部3の高さが容易に調整可能となっており、これにより、野縁受け4や野縁5(
図1参照)の高さ調整が容易に行えるようになっている。
【0040】
図3では、吊下げボルト20にナット20bを螺合させ、ナット20bを第二板部32の板面(例えば上面)に当てて、高さ調整された第二板部32の高さ位置を固定できる場合を示している。なお、ナット20bは使用しなくてもよい。また、ナット20bとしてロックナットを用いることもできる。
【0041】
図3、
図4に示すように、第三板部34は、第二板部32における、第一板部31と接続されている側とは他端側の端部(背面側の端部)に接続されている。第三板部34は、第二板部32の端部から鉛直方向に沿い、上向きに延出している。第三板部34は、その板面が第一板部31に沿っており、例えば平行である。第三板部34は、吊下げ支持部15の両方の側板15b,15bの間の空間に配置されている。
【0042】
第三板部34における、左右の側面には、第三板部34の外側に延出するリブ34a,34aが形成されている。リブ34a,34aは、吊下げ支持部15の側板15b,15bに形成されたガイド部17,17(
図3参照)の溝にはめ込まれる。フック部3は、リブ34aをガイド部17の溝に沿わせてガイドされることにより、上下方向に安定して昇降することができる。
【0043】
図6に示すように、吊金物100は、嵌め込み部10により梁80のフランジ81の任意の位置に固定することができる。吊金物100のフランジ81への取り付けやフランジ81における位置調整は、固定ボルト14(
図3参照)を緩めた状態で、吊金物100をフランジ81に沿って移動させ、所望の位置で固定ボルト14を締めつけて固定するだけの簡単な作業で行える。固定ボルト14の先端にはノッチ加工(ネジ山に切り欠き)を入れてもよい。ノッチ加工により、固定ボルト14の位置ズレを防止できる。例えば、吊金物100の出荷後、運送時の振動による固定ボルト14の位置ズレや脱落を防止することができる。
【0044】
図6に示すように、吊金物100は、フック部3の高さを、吊下げボルト20を回転させるだけの簡単な作業で行える。すなわち、上記で例示した構成の吊金物100では、吊下げボルト20を緩めると、フック部3を下降させることができる。また、吊下げボルト20を締めつけると、フック部3を上昇させることができる。
【0045】
吊金物100では、上記のように、吊下げボルト20がフック部3の高さ調整のインタフェースとなっており、フック部3及びこれに吊り下げられる野縁受け4や野縁5の高さ調整が容易に行える。更に、吊下げボルト20がフック部3よりも上方に配置されていることで、フック部3の高さ調整の作業性が向上されている。このように、吊金物100は、天井下地構造200(
図1、
図2参照)の構築時又は構築後の天井下地の高さ調整の作業性が改善されている。
【0046】
本実施形態では、特に吊下げボルト20のボルト頭部21が吊金物100の最上部に配置されているため、
図1に示すように、吊金物100で野縁受け4や野縁5を吊下げた状態であっても、作業者にとってボルト頭部21は極めて作業しやすい位置にある。これにより、フック部3の高さ調整のインタフェースとしての吊下げボルト20の回転を、ボルト頭部21の回転により容易に行うことができるようになっている。以下では、吊金物100を用いた天井下地構造について詳述する。
【0047】
図7に示すように、野縁受け4は、野縁5の長手方向における端部を支持する支持具である。野縁受け4は、長手方向に交差する断面が角張ったU字形状(カタカナのコの字形状)に形成された、長尺状の部材である。以下では、野縁受け4のU字形状の谷底部の板部分を底板部分40、底板部分40の下端から延出する板部分を下側フランジ41、底板部分40の上端から延出する板部分を上側フランジ42と称する。野縁受け4は、例えば鋼材などの金属で形成されており、板状の鋼材を曲げ加工などして形成することができる。野縁受け4は、
図2に示すように、梁80の長手方向に沿い配置される。野縁受け4のU字形状の谷の内側には、後述するように、野縁5の端部がはめ込まれ、野縁5を支持可能となっている。すなわち、野縁受け4のU字形状の谷の内側が野縁支持部である。
【0048】
下側フランジ41は、U字の内側にやや鋭角曲げとするとよい。これにより、野縁5が野縁受け4のU字形状の谷の内側にはめ込まれた際に、野縁5の荷重を受ける下側フランジ41がU字の外側に開くようになる。これにより、野縁5に取り付けられる石膏ボードなどの天井パネルに段差が生じることを防止することができる。またこれにより、野縁5の野縁受け4への篏合強度が増し、野縁5が水平方向にずれにくくなる。上側フランジ42は端部42aをV字状に上方側に曲げるとよい。このようにすると、端部42aが野縁5を嵌め込む際のガイド機構となる。
【0049】
図7に示すように、野縁受け4のU字形状の谷底部である底板部分40における、U字形状の外側面(野縁支持部として機能する野縁受け4のU字形状の谷の内側の反対面)には、フック33(
図3など参照)に掛止めされる被掛止部が設けられている。本実施形態では、被掛止部の一例として、野縁受け4の長手方向に沿う方向に延在し、底板部分40を貫通するスリット49が形成されている。スリット49は、野縁受け4の長手方向における同じ位置に、例えば二個一組で形成されている。スリット49は、野縁受け4の長手方向における異なる複数の箇所に形成されてよい。例えば、二個一組のスリット49を、野縁受け4の長手方向における異なる2か所以上に形成してよい。なお、被掛止部はスリットに限られず、フック33に掛止め可能なその他の形状の開口や突起(例えばツメ)などであってもよい。
【0050】
図8には、吊金物100に野縁受け4を取り付ける手順を示している。
図8では梁80(
図2など参照)の図示は省略している。吊金物100を梁80に固定し、ボルト頭部21を介して吊下げボルト20を回転させて、フック部3の高さをある程度調整する(
図8の(a))。
【0051】
次に、野縁受け4をフック33に仮置きする。すなわち、野縁受け4のスリット49(
図7参照)にフック33の鉤部分を差し込んで、野縁受け4をフック部3の吊下げ板30に掛止めて吊下げる(
図8の(b))。この際、野縁受け4は、U字形状における底板部分40の外側面を吊下げ板30の第一板部31に対向させる。本実施形態では、野縁受け4における底板部分40の外側面は、第一板部31の板面に少なくとも一部が当接される。スリット49は野縁受け4の長手方向に沿う方向に延在しているため、スリット49の長手方向の幅の範囲内で吊金物100に対する野縁受け4の取付位置を調整することができる。
【0052】
野縁受け4がフック部3の吊下げ板30に掛止めされた状態で、野縁受け4は、U字形状における内側面が水平方向に向いた状態になる(
図8の(c))。第一板部31の両面に野縁受け4を一つずつ掛止めてよい。すなわち、第一板部31の両面に掛止された一対の野縁受け4,4が、それぞれの底板部分40を対向させた状態で、吊下げ板30に掛止めされてよい。この状態では、
図1に示すように、水平方向において、一対の野縁受け4,4の間に第一板部31及びそのフック33が挟み込まれた位置関係となる。一対の野縁受け4,4は、ビスやネジなどの金具39で固定してもよい。この場合、一対の野縁受け4,4が第一板部31を挟み込んだ状態で、金具39で一対の野縁受け4,4及び第一板部31を貫通させて固定することができる。
【0053】
上記のように、吊金物100を用いた天井下地構造200においては、野縁受け4を梁80に吊下げたり固定したりするような作業(以下、単に取り付けと記載する)が極めて容易となっている。従来、設置高さを調節しつつ野縁受け4を梁80に取り付ける作業は、高所作業であることから、そもそも作業性の良いものではなかった。しかも、一般に天井の下地を構築する作業においては、野縁受け4を所定の位置で精度良く保持しながら固定作業を行うことが要請される。そのため、野縁受け4をする作業は、作業難易度の高いものであった。しかし、吊金物100を使用する場合には、野縁受け4の吊下げや固定は、野縁受け4をフック部3に掛止めるだけの容易な作業となり、天井下地構造200(
図1,
図2参照)構築時の作業性が改善されている。
【0054】
なお、野縁受け4の設置後に、野縁受け4の高さ調整を行いたい場合は、ナット20bを緩めた状態で吊金物100のボルト頭部21を介して吊下げボルト20を回転させて、フック部3の高さを変更すれば、野縁受け4の高さ調整を行える(
図3参照)。野縁受け4の高さ調整後はナット20bを締める。これにより、調整した野縁受け4の高さ位置を固定し、また、吊下げ板30のがたつきを抑制することができる。この高さ調整の際、吊下げボルト20がフック部3よりも高い位置にあるため、高さ調整作業の作業性はよい。特に、ボルト頭部21が吊金物100の最上部に配置されているため、吊金物100で野縁受け4を吊下げた状態であっても、作業者にとってボルト頭部21は極めて作業しやすい。また、側板15b,15bには切欠き部15c,15cが形成されているため、ナット20bを締めつけ又は緩める際にスパナなどの工具や作業者の手が側板15b,15bと干渉することを回避できる。このように、野縁受け4の高さ調整において、設置した野縁受け4を解体する必要は無い。
【0055】
図1に示すように、野縁5は、天井材89の背面側(天井裏側)に配置され、天井材89を吊下げる下地となる長尺状の部材である。野縁5は、例えば鋼材で形成された金属製で中空の角材である。野縁5は、長手方向を所定長さに規格化して形成することが好ましい。野縁5は、その長手方向が水平方向に沿い、且つ、梁80の長手方向に交差(本実施形態では直交)する方向になるように配置されている。
【0056】
図1,
図2に示すように、野縁5は、その端部を野縁受け4に支持される。詳述すると、野縁5は、端部を、野縁受け4のU字形状の谷の内側にはめ込んだ状態で野縁受け4に支持される。すなわち、
図1に示すように、野縁受け4は、野縁5の長手方向における端部をそのU字形状の谷の内側にはめ込んで、野縁5の小口面51をU字形状の底板部分40の谷の内側面に対向させた状態で野縁5を支持している。これにより、野縁受け4は、強固に野縁5を支持することができ、そのため、天井下地構造200の強度が向上する。また、野縁5を野縁受け4に取り付ける(保持させる)施工作業が、野縁受け4のU字形状の谷の内側に野縁5の端部をはめ込むという簡単なものとすることができる。また、野縁受け4のU字形状の谷の内側に野縁5の端部をはめ込むという作業は短時間で行えるため、作業者が野縁5を長時間保持する必要がなくなり、作業負担が軽減される。加えて、野縁5も野縁受け4の位置で分割されるため、野縁5を、作業者が取り扱いにくいほどに長くしなければならない場合を回避し、作業者にとって扱いやすい長さとすることができる。これらの結果、天井下地構造200を構築する作業の作業性が向上する。
【0057】
なお、野縁5の設置後に、野縁5の高さ調整を行いたい場合は、上述の野縁受け4の高さ調整を行う場合と同様に、吊金物100のボルト頭部21を介して吊下げボルト20を回転させて、フック部3の高さを変更すれば、野縁5の高さ調整を容易に行える。野縁5の高さ調整において、設置した野縁5を解体する必要は無い。
【0058】
図1では、それぞれの底板部分40を対向させた状態で、一対の野縁受け4,4が吊下げ板30に掛止めされている状態を示しているが、
図1では更に、一対の野縁受け4,4のそれぞれに、互いの小口面51,51同士を対向させる位置関係で一対の野縁5,5の端部がはめ込まれて支持されている場合を示している。一対の野縁5,5が互いの小口面51同士を対向させる位置関係で配置されることにより、一方の野縁5で他方の野縁5の動きを拘束し、他方の野縁5が長手方向に沿う方向で動くこと(例えば揺れ)を抑制することができる。これにより天井下地構造200の耐久性や耐震性などの強度が向上する。
【0059】
野縁5が野縁受け4に支持された状態では、野縁5の長手方向において、野縁5、野縁受け4、フック部3(第一板部31)、野縁受け4及び野縁5の順に配置される。また、野縁5、野縁受け4及びフック部3のフック33が同一平面上に配置される。
【0060】
本実施形態では、上述のごとく、天井下地構造200として、野縁5、野縁受け4及びフック部3のフック33が同一平面上に配置されるが、これにより、野縁5と野縁受け4とを高さ違いに配置する場合に比べて、梁80と野縁5との間の空間の高さを高く(広く)確保することができる。そのため、天井下地を構築する際の作業性が向上する。また、天井裏配管や配線の施工性も改善される。
【0061】
天井下地構造200においては、
図9に示すように複数の野縁受け4及び野縁5が配置される。
図9では、吊金物100によって吊下げられた一対の野縁受け4,4が、複数列(
図9では2列)平行に配設されている。また、一つの野縁受け4に、複数の野縁5が支持されている。
【0062】
吊金物100によって吊下げられた一対の野縁受け4,4のそれぞれには、複数の野縁5の端部が支持される。一方の野縁受け4に端部を支持されたそれぞれの野縁5は、他方の野縁受け4に端部を支持された対になるそれぞれの野縁5と、長手方向が直線状に並ぶように配置される。すなわち対になる野縁5は、直線状に配置されることにより小口面51同士を対向させている(
図1参照)。なお、対になる野縁5とは、吊金物100によって吊下げられた一対の野縁受け4,4を挟んで、野縁受け4の長手方向と交差する方向で直線状に配置された二つの野縁5の組み合わせのことを言う。このように、一方の野縁受け4に端部を支持されたそれぞれの野縁5と、他方の野縁受け4に端部を支持された対になるそれぞれの野縁5と、を長手方向が直線状に並ぶように配置することで、一方の野縁5のそれぞれで他方のそれぞれの野縁5の動きを拘束し、他方それぞれの野縁5が長手方向に沿う方向で動くこと(例えば揺れ)を抑制することができる。これにより天井下地構造200の耐久性や耐震性などの強度が向上する。
【0063】
天井下地構造200では、野縁受け4の長手方向において隣り合う野縁5,5同士の長手方向における長さは同一にするとよい。これにより、野縁5を長手方向において所定長さに規格化して天井下地構造200を構築することが可能となり、コストダウンできる。
図9では、ある野縁受け4に支持されている野縁5が、野縁受け4の延在方向において隣り合う他の野縁5と、長手方向の長さが同じとされている。例えば、
図9において、一端が界壁85側で支持されており、他端側が野縁受け4で支持されているグループの野縁5は、長手方向の長さが同一とされている。また、両端が野縁受け4で支持されているグループの野縁5は、長手方向の長さが同一とされている。
【0064】
もちろん天井下地構造200では、建物の構造や天井裏に配置する設備などの都合により、野縁受け4の長手方向において隣り合う野縁5,5の内の一部の野縁5の長さを、他の野縁5の長さと異ならせることは許容される。
【0065】
図9に示すように、吊金物100は、野縁受け4の長手方向において、所定の間隔ごとに配置してよい。例えば、野縁受け4の長手方向において、野縁5を4列(複数列)配列するごとに一つの吊金物100を配置してよい。吊金物100はその設計上の耐荷重に応じて必要十分な個数を配置すれば足りる。
【0066】
以上のようにして、天井下地の高さ調整の作業性を改善した吊金具を提供することができる。
【0067】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、吊金物100の吊下げ部2は、野縁受け4を高さ位置調整可能に吊下げ支持する機構である場合を説明したが、吊下げ部2は更に、野縁受け4の防振機能を有してもよい。
図10には、防振機能を備えた吊下げ部2を有する吊金物100Aを示している。吊金物100Aはその吊下げ部2が防振機能を有する点で、
図3に示す吊金物100と異なり、他の構造は同じである。
【0068】
吊金物100では、吊下げボルト20は、吊下げ支持部15の挿通孔16に挿通され、吊下げボルト20のボルト頭部21を、支持板15a(挿通孔16の外周部分)に係止させ、吊下げ支持部15に吊り下げられる場合を説明した。しかし、防振機能を備えた吊金物100Aでは、
図10に示すように、ボルト頭部21と支持板15aとの間に、例えば円筒形状の弾性体29(一例として防振ゴム)を配置している。吊金物100Aでは、吊下げボルト20は、円筒形状の弾性体29及び吊下げ支持部15の挿通孔16に挿通され、吊下げボルト20のボルト頭部21を、支持板15a上に載置された円筒形状の弾性体29の上面に係止させ、弾性体29を介して吊下げ支持部15に吊り下げられてもよい。
図10に示すように、ボルト頭部21と弾性体29との間にワッシャー28を挟み込んでもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、フック部3の高さを調節するインタフェースの一例としての吊下げボルト20を用い、フック部3の高さを調節する際の吊下げボルト20の回転は、例えばボルト頭部21をスパナなどで回転させることにより行う場合を例示したが、吊下げボルト20に代えて、プラスネジなどのネジを用いてもよい。この場合、ネジの回転は、ネジ頭部をドライバなので回転させてフック部3の高さを調節することができる。
【0070】
(3)上記実施形態では、第一板部31の両面に野縁受け4を一つずつ掛止められており、第一板部31の両面に掛止された一対の野縁受け4,4が、それぞれの底板部分40を対向させた状態で、吊下げ板30に掛止めされている場合を例示して説明した。しかし、第一板部31の片面にのみ野縁受け4を一つ掛止する場合もある。すなわち、吊金物100は、一対の野縁受け4,4を吊下げる場合に限られず、一つの野縁5のみを吊下げる場合もある。
【0071】
(4)上記実施形態では、天井下地構造200を構築する際の野縁受け4や野縁5の設置後に、これらの高さ調整を行いたい場合は、吊金物100のボルト頭部21を介して吊下げボルト20を回転させて、フック部3の高さを変更すれば、野縁受け4や野縁5の高さ調整を行えることを説明した。しかし、野縁受け4や野縁5の設置後とは、建物の新規施工時などにおける天井下地構造200を構築する際の設置後に限られない。野縁受け4や野縁5の設置後とは、天井下地構造200を構築後、例えば、メンテナンス作業やリフォーム時も含まれる。
【0072】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、吊金物に適用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 :固定部
2 :吊下げ部
3 :フック部
4 :野縁受け
5 :野縁
10 :嵌め込み部
11 :側面部
12 :側面部
13 :座板
13a :ネジ穴
14 :固定ボルト
15 :吊下げ支持部
15a :支持板
15b :側板
15c :切欠き部
16 :挿通孔
17 :ガイド部
20 :吊下げボルト(インタフェース)
20a :ナット
20b :ナット
21 :ボルト頭部
28 :ワッシャー
29 :弾性体
30 :吊下げ板
31 :第一板部
32 :第二板部
32a :ネジ穴
33 :フック
34 :第三板部
34a :リブ
39 :金具
40 :底板部分
41 :下側フランジ
42 :上側フランジ
42a :端部
49 :スリット
51 :小口面
80 :梁
81 :フランジ
83 :天井材
85 :界壁
89 :天井材
100 :吊金物
100A :吊金物
200 :天井下地構造