7646257 部品収納体成形装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-03-07

(45)【発行日】2025-03-17

(54)【発明の名称】部品収納体成形装置

(51)【国際特許分類】

   B65H 23/34 20060101AFI20250310BHJP

   B65B 15/04 20060101ALI20250310BHJP

   B65D 73/02 20060101ALI20250310BHJP

   B65D 85/86 20060101ALI20250310BHJP

【ＦＩ】

B65H23/34

B65B15/04 P

B65D73/02 K

B65D85/86 200

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2024052071

(22)【出願日】2024-03-27

【審査請求日】2024-03-27

(73)【特許権者】

【識別番号】591009705

【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ

(74)【代理人】

【識別番号】100120031

【弁理士】

【氏名又は名称】宮嶋 学

(74)【代理人】

【識別番号】100130719

【弁理士】

【氏名又は名称】村越 卓

(74)【代理人】

【識別番号】100091982

【弁理士】

【氏名又は名称】永井 浩之

(72)【発明者】

【氏名】岡村 松男

(72)【発明者】

【氏名】室伏 睦

(72)【発明者】

【氏名】深野 真司

(72)【発明者】

【氏名】千葉 雅俊

【審査官】嘉村 泰光

(56)【参考文献】

【文献】特開２００３－１０４３１５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１４－０６１９４４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００２－２１１５０７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－３２６４９６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００２－３２１０９４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１１－２２５２５６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０００－３２７０２６（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ３１Ｂ ５０／００－ ７０／９９

Ｂ３１Ｃ １／００－ ９９／００

Ｂ３１Ｄ １／００－ ９９／００

Ｂ３１Ｆ １／００－ ７／０２

Ｂ６５Ｂ ９／００－ ９／２４

Ｂ６５Ｂ １５／０４

Ｂ６５Ｂ ４７／００－ ４７／１０

Ｂ６５Ｄ ６７／００－ ７９／０２

Ｂ６５Ｄ ８５／８６

Ｂ６５Ｈ ２３／３４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

紙製基材を載置する載置台と、
前記載置台上に、上下方向に移動自在に設けられたブロック本体と、前記ブロック本体から下方に延びるとともに、前記紙製基材の搬送方向に沿って配置され、前記紙製基材に部品収納部を成形する複数の成形パンチを含むパンチブロックとを有する部品収納部成形ユニットと、
前記紙製基材を前記載置台に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記部品収納部成形ユニットの搬送方向下流側に設けられ、前記紙製基材の幅方向に形成される湾曲歪を矯正する湾曲歪矯正ユニットと、
前記部品収納部成形ユニットと、前記搬送装置とを駆動制御する制御部とを備え、
前記部品収納部成形ユニットによって、前記紙製基材に、搬送方向に沿って０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下の厚みの側壁を介して複数の部品収納部が連続的に成形され、
前記湾曲歪矯正ユニットは下方ローラと、前記下方ローラに対して相対的に上下方向へ
移動可能な上方ローラと、前記下方ローラと前記上方ローラとの間の隙間を調整する隙間
調整機構とを有し、
前記下方ローラは搬送方向から見て上方へ突出する一対の突起を有し、
前記上方ローラは搬送方向から見て上方へ引っ込む湾曲状の下面を有する、部品収納体成形装置。

【請求項2】

前記制御部は前記搬送装置を駆動制御して、前記パンチブロックのうち、前記紙製基材の搬送方向下流側の前記成形パンチが、すでに他の成形パンチによって成形された前記部品収納部に対応する位置にくるよう前記紙製基材を搬送して停止させる、請求項１記載の部品収納体成形装置。

【請求項3】

前記パンチブロックは、前記複数の成形パンチの搬送方向上流側に設けられ、前記紙製基材のうち前記部品収納部に対応する位置に予め貫通孔を成形する複数の貫通パンチを有する、請求項１記載の部品収納体成形装置。

【請求項4】

前記部品収納部の底部の面積をＳ１とし、面積Ｓ１のうち前記貫通孔の面積を除いた面積をＳ２とし、前記部品収納部の高さをｔ１とし、前記部品収納部の底部の厚みをｔ２とし、
Ｖ１＝Ｓ２×（ｔ１＋ｔ２）とし、Ｖ２＝Ｓ１×ｔ２とし、
圧縮比ρ＝Ｖ１／Ｖ２とした場合、
ρ＝１．２以上１．５以下となる、請求項３記載の部品収納体成形装置。

【請求項5】

前記成形パンチは、パンチ本体と、前記パンチ本体を支持する基部とを有し、
搬送方向からみて、前記パンチ本体の長さをＬ１とし、前記パンチ本体の幅をＷ１とし、前記基部の長さをL２、前記基部の最大幅をＷ２とした場合、
Ｌ２＝（０．３～０．６）×Ｌ１、
Ｗ２＝（１．５～２．５）×Ｗ１となる、請求項１記載の部品収納体成形装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、チップ状電子部品を収納して供給する部品収納体を成形する部品収納体成形装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、チップ状電子部品を収納して供給する部品収納体（キャリアテープともいう）が知られている。

【0003】

このようなキャリアテープは紙製基材に対してパンチを押圧して、チップ上電子部品が収納される部品収納部を成形することにより得られる。

【0004】

ところで現在、キャリアテープとして部品収納部間の配置ピッチを可能な限り短くして、キャリアテープに収納される電子部品の数量を増加することが求められている。

【0005】

しかしながら、部品収納部間の配置ピッチを短くすると、部品収納部を成形する際、キャリアテープに加工歪が生じることがある。このようなキャリアテープに生じる加工歪は、キャリアテープの幅方向に沿って湾曲する加工歪となる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特許第３８８０７９９号公報

【文献】特許第３９２００６２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

上述のように部品収納部間の配置ピッチを短くすると、キャリアテープの幅方向に加工歪が生じる。しかしながら従来より、このような加工歪を矯正できる部品収納体成形装置は開発されていない。

【0008】

本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、キャリアテープの幅方向に生じる加工歪を適切に矯正することができる部品収納体成形装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本開示は、紙製基材を載置する載置台と、前記載置台上に、上下方向に移動自在に設けられたブロック本体と、前記ブロック本体から下方に延びるとともに、前記紙製基材の搬送方向に沿って配置され、前記紙製基材に部品収納部を成形する複数の成形パンチを含むパンチブロックとを有する部品収納部成形ユニットと、前記紙製基材を前記載置台に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、前記部品収納部成形ユニットの搬送方向下流側に設けられ、前記紙製基材の幅方向に形成される湾曲歪を矯正する湾曲歪矯正ユニットと、前記部品収納部成形ユニットと、前記搬送装置とを駆動制御する制御部とを備え、前記部品収納部成形ユニットによって、前記紙製基材に、搬送方向に沿って０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下の厚みの側壁を介して複数の部品収納部が連続的に成形され、前記湾曲歪矯正ユニットは下方ローラと、前記下方ローラに対して相対的に上下方向へ移動可能な上方ローラと、前記下方ローラと前記上方ローラとの間の隙間を調整する隙間調整機構とを有する、部品収納体成形装置である。

【0010】

本開示は、前記制御部は前記搬送装置を駆動制御して、前記パンチブロックのうち、前記紙製基材の搬送方向下流側の前記成形パンチが、すでに他の成形パンチによって成形された前記部品収納部に対応する位置にくるよう前記紙製基材を搬送して停止させる、部品収納体成形装置である。

【0011】

本開示は、前記パンチブロックは、前記複数の成形パンチの搬送方向上流側に設けられ、前記紙製基材のうち前記部品収納部に対応する位置に予め貫通孔を成形する複数の貫通パンチを有する、部品収納体成形装置である。

【0012】

本開示は、前記部品収納部の底部の面積をＳ１とし、面積Ｓ１のうち前記貫通孔の面積を除いた面積をＳ２とし、記部品収納部の高さをｔ２とし、前記部品収納部の底部の厚みをｔ２とし、Ｖ１＝Ｓ２×（ｔ１＋ｔ２）とし、Ｖ２＝Ｓ１×ｔ２とし、圧縮比ρ＝Ｖ１／Ｖ２とした場合、ρ＝１．２以上１．５以下となる、部品収納体成形装置である。

【0013】

本開示は、前記成形パンチは、パンチ本体と、前記パンチ本体を支持する基部とを有し、搬送方向からみて、前記パンチ本体の長さをＬ１とし、前記パンチ本体の幅をＷ１とし、前記基部の長さをL２、前記基部の最大幅をＷ２とした場合、Ｌ２＝（０．３～０．６）×Ｌ１、Ｗ２＝（１．５～２．５）×Ｗ１となる、部品収納体成形装置である。

【0014】

本開示は、前記下方ローラは搬送方向から見て上方へ突出する一対の突起を有し、前記上方ローラは搬送方向から見て上方へ引っ込む湾曲状の下面を有する、部品収納体成形装置である。

【発明の効果】

【0015】

本開示によれば、部品収納体の幅方向に生じる加工歪を容易かつ簡単に、かつ適切に矯正することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】図１は本開示による部品収納体成形装置の全体構成を示す図。

【図2】図２は湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向と直交する方向からみた側面図。

【図3】図３は湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向からみた正面図。

【図4A】図４Ａは湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向からみた要部拡大図。

【図4B】図４Ｂは湾曲歪矯正ユニットの下方ローラと上方ローラを示す図。

【図4C】図４Ｃは上方ローラを示す拡大図。

【図5】図５は湾曲歪矯正ユニットを示す概略斜視図。

【図6A】図６Ａは部品収納部成形ユニットの貫通パンチ、カス抜きパンチおよび成形パンチを示す側面図。

【図6B】図６Ｂは丸パンチおよび位置決めパンチを示す側断面図。

【図6C】図６Ｃは貫通パンチおよび丸パンチを示す搬送方向からみた拡大図。

【図7A】図７Ａは部品収納部成形ユニットを示す搬送方向からみた正面図。

【図7B】図７Ｂは成形パンチを搬送方向からみた拡大図。

【図8】図８は本開示による部品収納体成形装置により得られたキャリアテープを示す図。

【図9】図９は部品収納部成形ユニットにより紙製基材１ａに部品収納部を成形する作用を示す図。

【図10A】図１０Ａは紙製基材に貫通孔を成形する作用を示す図。

【図10B】図１０Ｂは紙製基材の貫通孔に対応する位置に、部品収納部を成形する作用を示す図。

【図10C】図１０Ｃは紙製基材に成形された部品収納部を示す図。

【図11A】図１１Ａは本開示の変形例１において、紙製基材に部品収納部を成形する作用を示す図。

【図11B】図１１Ｂは本開示の変形例２において、紙製基材に部品収納部を成形する作用を示す図。

【発明を実施するための形態】

【0017】

＜本実施の形態＞
以下、図面を参照して本開示による部品収納体成形装置の実施の形態について説明する。

【0018】

図１乃至図１０Ｃは、本開示による部品収納体成形装置の実施の形態を示す図である。

【0019】

本開示による部品収納体成形装置１００は、紙製基材１ａを用いて、この紙製基材１ａに図示しないチップ状電子部品を収納する部品収納部２を成形することにより、部品収納体（以下、キャリアテープともいう）１を成形するものである（図８参照）。

【0020】

まず、図８により、部品収納体（キャリアテープ）の概略を述べる。図８に示すようにキャリアテープ１は、搬送方向Ｄに沿って連続的に成形された複数の部品収納部２を有する。またキャリアテープ１には、紙製基材１ａを搬送するために使用される送り用孔５が成形されている。

【0021】

次に図１により、部品収納体成形装置１００全体の概略を述べる。このような部品収納体成形装置１００は、図１に示すように、紙製基材１ａに部品収納部２を成形してキャリアテープ１を成形する部品収納部成形ユニット２０と、部品収納部成形ユニット２０の搬送方向Ｄ下流側に設けられ、部品収納部成形ユニット２０において部品収納部２を成形する際、紙製基材１ａの幅方向Ｗ（図８参照）に沿って形成される湾曲歪を矯正する湾曲歪矯正ユニット３０と、を備えている。

【0022】

また、部品収納部成形ユニット２０はフレーム１８上に配置され、このフレーム１８は架台１９を介して床面Ｆ上に支持されている。また部品収納部成形ユニット２０の搬送方向Ｄ下流側には、フレーム１８により支持されるとともに、紙製基材１ａの送り用孔５に係合して、紙製基材１ａを搬送する駆動用スプロケット（搬送装置）５１が設けられている。

【0023】

またこれらの部品収納部成形ユニット２０および駆動用スプロケット５１はいずれも制御部６０に接続され、この制御部６０により駆動制御される。

【0024】

次に部品収納部成形ユニット２０について、図６Ａ乃至図６Ｃおよび図７Ａ乃至図７Ｂにより、説明する。ここで、図６Ａは部品収納部成形ユニットの貫通パンチ、カス抜きパンチおよび成形パンチを示す側面図、図６Ｂは丸パンチおよび位置決めパンチを示す側断面図、図６は貫通パンチおよび丸パンチを示す搬送方向からみた拡大図、図７Ａは部品収納部成形ユニットを示す搬送方向からみた正面図、図７Ｂは成形パンチを搬送方向からみた拡大図である。図６Ａ乃至図６Ｃおよび図７Ａ乃至図７Ｂに示すように、部品収納部成形ユニット２０は、搬送される紙製基材１ａが載置される載置台２１と、載置台２１上に設けられ、上下方向に移動自在に設けられたパンチブロック２４とを備える。このうち、パンチブロック２４は上下方向に移動可能となっているブロック本体２４ａと、ブロック本体２４ａに設けられた複数の貫通パンチ１２、複数のカス抜きパンチ６２，および複数の成形パンチ２２とを有する。すなわち、図６Ａに示すように、パンチブロック２４のブロック本体２４ａには、下方へ突出する複数の貫通パンチ１２と、複数のカス抜きパンチ６２と、複数の成形パンチ２２とが、紙製基材１ａの搬送方向に沿って上流側から下流側に向かってこの順で設けられている。

【0025】

また、図６Ｂに示すように、パンチブロック２４のブロック本体２４ａには、下方へ突出する複数の丸パンチ１３と複数の位置決めパンチ２３とが、紙製基材１ａの搬送方向に沿って上流側から下流側に向かってこの順で設けられている。本実施の形態において、ブロック本体２４ａに設けられた複数の貫通パンチ１２と、複数のカス抜きパンチ６２と、複数の成形パンチ２２は、複数の丸パンチ１３および複数の位置決めパンチ２３と紙製基材１ａの搬送方向に沿って平行に延びて設けられている。また、載置台２１には、貫通パンチ１２が進入する開口１２ａと、カス抜きパンチ６２が進入する開口６２ａが設けられている（図６Ａ参照）。また、載置台２１には、丸パンチ１３が進入する開口１３ａと、位置決めパンチ２３が進入する開口２３ａがそれぞれ設けられている（図６Ｂ参照）。

【0026】

このように、パンチブロック２４は上下方向に移動自在となるブロック本体２４ａと、ブロック本体２４ａから下方へ延び紙製基材１ａの搬送方向に沿って配置された複数の貫通パンチ１２とを有する。またブロック本体２４ａの下面には、貫通パンチ１２に隣接して丸パンチ１３が設けられている。

【0027】

部品収納部成形ユニット１０において、パンチブロック２４の貫通パンチ１２は紙製基材１ａのうち部品収納部２に対応する位置に予め貫通孔３を成形するものである。また丸パンチ１３は紙製基材１ａを貫通して送り用孔５を成形するものである。また図６Ｃに示すように、載置台２１には貫通パンチ１２が進入する開口１２ａと、丸パンチ１３が進入する開口１３ａとが各々形成されている。また図６Ａに示すように、ブロック本体２４ａに設けられた複数の成形パンチ２２のうち、紙製基材１ａの搬送方向最下流の成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチ２２に比べて上下方向の長さが短くなっている。また、紙製基材１ａの搬送方向最下流の成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチ２２に比べて側方から見た外形寸法も小さくなっている。本実施の形態において、紙製基材１ａの搬送方向最下流の成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチ２２に比べて上下方向の長さが短くなっている。また、紙製基材１ａの搬送方向最下流の成形パンチ２２Ａの側方から見た外形寸法も、他の成形パンチ２２に比べて小さくなっているため、成形パンチ２２によって紙製基材１ａに部品収納部２を成形する際、最下流の成形パンチ２２Ａがすでに成形された部品収納部２内にスムーズに進入して、部品収納部２間の側壁２ａの変形あるいは歪みを防止する。この最下流の成形パンチ２２Ａの作用については、後述する。

【0028】

なお、本実施の形態において、「上方」、「下方」、「上面」、および「下面」とは、本開示による部品収納体成形装置１００を図１に示すように設置した場合における、「上方」、「下方」、「上面」、および「下面」をいう。

【0029】

次に部品収納部成形ユニット２０について、図７Ａおよび図７Ｂにより更に説明する。ここで、図７Ａは部品収納部成形ユニットを示す搬送方向からみた正面図、図７Ｂは成形パンチを搬送方向からみた拡大図である。上述のように、部品収納部成形ユニット２０は、搬送される紙製基材１ａが載置される載置台２１と、載置台２１上に設けられ、上下方向に移動自在に設けられたパンチブロック２４とを有する（図７Ａおよび図７Ｂ参照）。このうちパンチブロック２４は上下方向に移動自在となるブロック本体２４ａと、ブロック本体２４ａから下方へ延び紙製基材１ａの搬送方向Ｄに沿って配置された複数の貫通パンチ１２，複数のカス抜きパンチ６２，および複数の成形パンチ２２とを有する（図６Ａ参照）。またブロック本体２４ａの下面には、複数の貫通パンチ１２，複数のカス抜きパンチ６２，および複数の成形パンチ２２に隣接して複数の丸パンチ１３と、複数の位置決めパンチ２３とが設けられている（図６Ｂ参照）。

【0030】

部品収納部成形ユニット２０において、パンチブロック２４の成形パンチ２２は、紙製基材１ａに予め成形された貫通孔３上を押圧し、この貫通孔３に対応する位置に部品収納部２を成形するものである。また位置決めパンチ２３は成形パンチ２２により部品収納部２を成形する際、紙製基材１ａに成形された送り用孔５内に進入して紙製基材１ａの位置決めを行うものである。

【0031】

なお、図７Ａに示すように、載置台２１には成形パンチ２２が進入する開口２２ａおよび位置決めパンチ２３が進入する開口２３ａが各々形成されている。

【0032】

次に図７Ｂにより、部品収納部成形ユニット２０の成形パンチ２２について詳述する。上述のように、部品収納部成形ユニット２０は上下方向に移動自在となるパンチブロック２４を有し、このパンチブロック２４はブロック本体２４ａと、ブロック本体から下方に延びるとともに、搬送方向Ｄに沿って配置された複数の成形パンチ２２とを含む（図１０Ｂ参照）。このうち各成形パンチ２２は紙製基材１ａの搬送方向からみて、部品収納部２を成形するパンチ本体２２ｄと、パンチ本体２２ｄを基部２２ｂを介して支持する支持体２２ｃとを有する（図７Ｂ参照）。本実施の形態において、パンチ本体２２ｄの上下方向の長さをＬ１、基部２２ｂの上下方向の長さをＬ２、パンチ本体２２ｄの紙製基材１ａの幅方向Ｗの幅をＷ１、基部２２ｂの紙製基材１ａの幅方向Ｗの最大幅をＷ２としたとき、
Ｌ２＝（０．３～０．６）×Ｌ１となる。
またＷ２＝（１．５～２．５）×Ｗ１となる。

【0033】

このように成形パンチ２２のパンチ本体２２ｄの上下方向の長さＬ１、基部２２ｂの上下方向の長さＬ２、パンチ本体２２ｄの幅Ｗ１、基部２２ｂの最大幅Ｗ２を規定することにより、パンチ本体２２ｄと支持体２２ｃとの間の基部２２ｂを過度に長くする必要がなく、成形パンチ２２全体としての強度を維持することができる。

【0034】

次に図１乃至図５により、部品収納部成形ユニット２０によって紙製基材１ａに対して部品収納部２を成形した場合、紙製基材１ａに幅方向に形成される湾曲歪を矯正する湾曲歪矯正ユニット３０について述べる。ここで、図１は部品収納体成形装置１００の全体構成を示す図、図２は湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向と直交する方向からみた側面図、図３は湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向からみた正面図、図４Ａは湾曲歪矯正ユニットを示す搬送方向からみた要部拡大図、図４Ｂは湾曲歪矯正ユニットの下方ローラと上方ローラを示す図、図４Ｃは上方ローラを示す拡大図、図５は湾曲歪矯正ユニットを示す概略斜視図である。図１に示すように、湾曲歪矯正ユニット３０は、部品収納部成形ユニット２０の下流側に設けられている。すなわち、湾曲歪矯正ユニット３０は、架台２９を介して床面Ｆ上に配置されたフレーム２８に取り付けられている。そして、フレーム２８には、湾曲歪矯正ユニット３０により湾曲歪が矯正された紙製基材１ａからなるキャリアテープ１を巻き取る巻き取りリール７１が設けられている。そして湾曲歪矯正ユニット３０と巻き取りリール７１との間には、湾曲歪矯正ユニット３０で湾曲歪が矯正されたキャリアテープ１を巻き取りリール７１側へ案内する案内リール７２，７３が設けられている。

【0035】

また、図１乃至図５に示すように、湾曲歪矯正ユニット３０は、二対のローラ３１，３２および３１，３２を有し、各対のローラ３１，３２および３１，３２は、下方ローラ３１と上方ローラ３２とからなる（図５参照）。

【0036】

本実施の形態において、湾曲歪矯正ユニット３０は、二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２を有し、この二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２は、紙製基材１ａにより成形されたキャリアテープ１の搬送方向Ｄに沿って上流側と下流側に各々設置されている。

【0037】

しかしながらこれに限らず、湾曲歪矯正ユニット３０は一対の下方ローラ３１および上方ローラ３２からなっていてもよい。

【0038】

次に湾曲歪矯正ユニット３０について、図２乃至図４Ｂにより更に述べる。図２乃至図４Ｂに示すように、湾曲歪矯正ユニット３０の二つの下方ローラ３１はいずれも、フレーム２８に取り付けられた支持体３８に回転軸３３を介して回転自在に設けられている。また支持体３８には、二つの下方ローラ３１の上方に、揺動軸３７を介して支持体３８に対して揺動する二つの揺動板３６が取り付けられており、各上方ローラ３２は各々の揺動板３６に回転軸３４を介して設けられている（図２参照）。

【0039】

本実施の形態において、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間にキャリアテープ１を挟持し、キャリアテープ１を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で搬送することにより、下方ローラ３１と上方ローラ３２がキャリアテープ１により連れ回るようになっている。この場合、キャリアテープ１の部品収納部２は、その開口部が上方を向いている。

【0040】

また図２に示すように、支持体３８には、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を調整する隙間調整機構４０が設けられている。

【0041】

すなわち、揺動板３６に設けられた揺動軸３７は、揺動板３６の一側に配置され、揺動板３６は揺動軸３７を介して支持体３８に取り付けられている。そして隙間調整機構４０により揺動板３６の他側を下方へ押圧する。本実施の形態において、揺動板３６の他側は、支持体３８内に内蔵されたスプリング３８ａにより上方へ付勢されている。このことによって、隙間調整機構４０により揺動板３６の他側を下方へ押圧し、スプリング３８ａにより揺動板３６の他側を上方へ付勢する。これによって、揺動板３６に回転軸３４を介して取り付けられた上方ローラ３２を上下方向へ移動させる。このことにより、支持体３８に回転軸３３を介して設けられた下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を調整することができる。

【0042】

具体的には、隙間調整機構４０は隙間調整機構本体４０ａと、隙間調整機構本体４０ａの下方から突出する突出体４０ｂと、突出体を隙間調整機構本体４０ａに対して上下動させるダイヤル４０ｃとを有する。そしてダイヤル４０ｃを回動させることにより、隙間調整機構本体４０ａに対する突出体４０ｂの突出量を調整する。

【0043】

隙間調整機構４０の突出体４０ｂは、揺動板３６の他側に連結されており、突出体４０ｂの突出量を調整することにより、揺動板３６の他側を下方へ押圧する。この間、揺動板３６の他側はスプリング３９ａにより上方へ付勢されている。このことにより、揺動板３６に回転軸３４を介して取り付けられた上方ローラ３２を上下方向へ移動させ、このことによって、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を調整することができる。なお、本実施の形態において、下方ローラ３１を固定させ、上方ローラ３２を上下方向に移動させる例を示したが、これに限らず、上方ローラ３２を固定させ、下方ローラ３１を上下方向に移動させてもよい。

【0044】

ところで図４Ａ乃至図４Ｃに示すように、湾曲歪矯正ユニット３０の下方ローラ３１は、キャリアテープ１の搬送方向からみて上方へ突出する一対の突起４１，４１を有する。また上方ローラ３２はキャリアテープ１の搬送方向からみて上方へ引っ込む湾曲状の下面４２を有する。

【0045】

湾曲歪矯正ユニット３０の前工程の部品収納部成形ユニット２０において紙製基材１ａに部品収納部２を成形する際、紙製基材１ａの幅方向に沿って湾曲歪が形成される。この場合、紙製基材１ａを湾曲歪矯正ユニット３０の下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で挟持することにより、紙製基材１ａの湾曲歪を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で矯正することができる。

【0046】

具体的には、紙製基材１ａの下面を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１で抑え付け、紙製基材１ａの上面を上方ローラ３２の下面４２により押し付ける。

【0047】

このことにより紙製基材１ａの湾曲歪を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で矯正する。

【0048】

本実施の形態において、図４Ａ、図４Ｂ、図４Ｃおよび図８に示すように、下方ローラ３１および上方ローラ３２の上下方向に延びる幅方向中央の中心線Ｃ２は、紙製基材１ａの搬送方向Ｄに延びる幅方向中央の中心線Ｃ１に対応している（交わる）。

【0049】

しかしながら、紙製基材１ａに成形された部品収納部２は紙製基材１ａの中心線Ｃ１に対してずれた位置にある（図８参照）。このため紙製基材１ａの幅方向Ｗに沿って形成される湾曲歪は、部品収納部２を中心として形成されることになる。本実施の形態においては、紙製基材１ａに生じる幅方向Ｗに沿う湾曲歪が部品収納部２を中心として形成されることを考慮して、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１の中心Ｃ３は部品収納部２に対応する位置にある。また上方ローラ３２の湾曲状の下面４２は、部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向に延びる円弧面４２ａと、この円弧面４２ａから送り用孔５側へ直線状に延びる延長面４２ｂとを有する（図４Ｂおよび図４Ｃ参照）。

【0050】

そして下面４２の円弧面４２ａの中心Ｃ３は、部品収納部２に対応する位置にあり、円弧面４２ａは、この中心Ｃ３から幅方向両側へ左右対称に延びて、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１との間で紙製基材１ａを部品収納部２を中心として均一に押圧する。

【0051】

本実施の形態において、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間の距離ｇは両者互いに同一となっている。このことにより部品収納部成形ユニット２０において、紙製基材１ａに幅方向に沿って下方へ向かって突出するよう形成された湾曲歪を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間で紙製基材１ａを幅方向に沿って上方へ向かって突出するよう均一に挟持して矯正する。このことにより、下方ローラ３１の一対の突起４１、４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間で、紙製基材１ａに生じる下方へ向かって突出する湾曲歪を確実に矯正することが可能となる。

【0052】

次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。

【0053】

まず、図１に示すように例えば、厚さ０．６１ｍｍの紙製基材１ａを巻き付けたリール７０が準備される。このリール７０は部品収納部成形ユニット２０のフレーム１８内に配置され、このリール７０から紙製基材１ａが巻き出されて、部品収納部成形ユニット２０側へ送られる。

【0054】

次に部品収納部成形ユニット２０において、紙製基材１ａが載置台２１上に載置され、部品収納部成形ユニット２０のパンチブロック２４が降下する。この時、ブロック本体２４ａに設けられた貫通パンチ１２により紙製基材１ａに加工が施される。

【0055】

この場合、図１０Ａに示すように紙製基材１ａは貫通パンチ１２によりその厚さ方向に開孔されて、貫通孔３が成形される。このとき貫通孔３の平面形状は四角形状となっている。また、貫通孔３を成形する際、同時に、丸パンチ１３によって紙製基材１ａの所望位置に紙製基材１ａの厚さ方向に送り用孔５が成形される。次に紙製基材１ａはカス抜きパンチ６２側へ送られ、このカス抜きパンチ６２によって、貫通パンチ１２により紙製基材１ａに成形された貫通孔３内の抜きカスが下方へ除去される。

【0056】

次に、部品収納部成形ユニット２０の成形パンチ２２の作用について、図７Ａおよび図７Ｂにより述べる。部品収納部成形ユニット２０の成形パンチ２２において、図７Ａに示すように載置台２１上に紙製基材１ａが送られると、紙製基材１ａに対してパンチブロック２４が降下する。このとき紙製基材１ａの貫通孔３上に成形パンチ２２が押し付けられ、紙製基材１ａの貫通孔３上に部品収納部２を成形するとともに、成形パンチ２２により延ばされた紙製基材１ａの一部により貫通孔３を閉じることができる。すなわち紙製基材１ａはプラスチック材料のような非圧縮性材料と異なり、圧縮性材料からなっているため、載置台２１と、貫通孔３上に押し当てられた成形パンチ２２との間でプレス加工されると容易に圧縮され、同時に貫通孔３の平面形状に沿って貫通孔３の周辺から中心に向かって延ばされる。この場合、貫通孔３は平面四角形状をなしているので、貫通孔３の４方向から紙製基材１ａが中心に向かって延ばされて相互に突き合わせ合い、平面Ｘ字状の合わせ目を形成しながら貫通孔３を閉じる。

【0057】

このように紙製基材１ａに予め貫通孔３を形成しておき、この貫通孔３上に成形パンチ２２を押し当てて貫通孔３の底部を埋めることにより、紙製基材１ａに短い配置ピッチをもった複数の部品収納部２を確実に成形することができる（図１０Ｂ参照）。

【0058】

ところで、紙製基材１ａに成形パンチ２２により部品収納部２を成形する際、紙製基材１ａの送り用孔５内に位置決めパンチ２３を挿入し、紙製基材１ａの位置決めを行う。このことにより、成形パンチ２２により部品収納部２を精度良く成形することができる。また成形パンチ２２は棒状でかつパンチ本体２２ｄの先端に棒軸に対して直角な平面を有しており、このような形状を持つため、紙製基材１ａを精度良く加工して部品収納部２を成形することができる。また、部品収納部２の平面形状はチップ状電子部品に合わせた四角或いは長方形形状となっている。

【0059】

次に紙製基材１ａに部品収納部２を成形する際の作用を図９により更に説明する。部品収納部２の紙製基材１ａの厚さ方向の深さをｔ１とし、紙製基材１ａの厚さのうち部品収納部の底部の厚さをｔ２とし、部品収納部２の平面視の面積（平面形状面積）をＳ１とし、Ｓ１のうち貫通孔３の平面視の面積Ｓ３を除外した面積をＳ２とし、Ｖ１をＶ１＝Ｓ２（ｔ１＋ｔ２）とし、Ｖ２をＶ２＝Ｓ１×ｔ２とする。また、圧縮比ρを、ρ＝Ｖ１／Ｖ２とした場合、ρ＝１．２以上、１．５以下となることが好ましい（図９参照）。

【0060】

この場合、ρを１．２以上とすることにより、貫通孔３の面積Ｓ３を過度に大きくする必要はない。またρを１．５以下として、成形パンチ２２により紙製基材１ａを大きく圧縮することなく、短い配置ピッチＰ１をもった部品収納部２を確実に成形することができる。このようにして紙製基材１ａに部品収納部２が成形されたキャリアテープ１が得られる（図１０Ｃ参照）。

【0061】

本実施の形態によれば、紙製基材１ａに部品収納部２の面積より小さい面積の貫通孔３を開孔した後、貫通孔３上に所望形状の開口を有する部品収納部２を成形パンチ２２を用いてプレス加工により成形するので、部品収納部２を成形の際のプレス加工に伴う紙製基材１ａへの押圧力を、貫通孔３側に向かって逃がすことができる。従って、部品収納部２をプレス加工で加工する際に、先に開孔した部品収納部２の側壁２ａを過度に圧迫することはないので、先に加工した部品収納部２の側壁の形状が変形することもない。

【0062】

ところで貫通孔３の形状は部品収納部２の底部に合わせ目ができるかどうかにより決定される。例えば、貫通孔３の平面形状が円形の場合には、部品収納部２底部側の貫通孔３の開口部を、部品収納部２を成形の際のプレス加工時に閉じることはできるが合わせ目ができないので堅固になり易い。このため貫通孔３の平面形状は、部品収納部２と同様、四角形等、平面多角形状を有することが好ましい。

【0063】

また、複数の丸パンチ１３により、貫通孔３が成形されるのと同時に、送り用孔５が開口されるので、貫通孔３と送り用孔５との相対位置を精度良く定めることができる。従って、部品収納部成形ユニット２０において、送り用孔５に位置決めパンチ２３を挿入して送り用孔５を基準として、貫通孔３上に部品収納部２を成形することができ、部品収納部２と貫通孔３との相対位置についても精度よく定めることができる。

【0064】

また、部品収納部成形ユニット２０において、部品収納部２を成形する際、プレス加工により押圧された紙製基材１ａの一部が、貫通孔３の開口部を完全に閉じるため、部品収納部２の底部が孔を有することはない。このとき、部品収納部２の底部全域は、載置台２１と成形パンチ２２との間でプレス加工により圧縮されるので、部品収納部２はチップ状電子部品を収納支持するのに十分な強度を有する。この場合、紙製基材１ａの原料は繊維となっているので、プレス加工により押圧されても部品収納部２がプラスチック製キャリアテープのように融着することはない。

【0065】

ところで、本実施の形態において、部品収納部成形ユニット２０では、紙製基材１ａの搬送方向の最下流に位置するパンチブロック２４の成形パンチ２２Ａが、すでに他の成形パンチ２２により成形された部品収納部２に対応する位置にきて、紙製基材１ａが停止する。その後、パンチブロック２４が降下して最下流側に位置する成形パンチ２２Ａがすでに成形された部品収納部２内に収まり、他の成形パンチ２２が紙製基材１ａの予め成形された貫通孔３上を押圧し、上述のようにして紙製基材１ａの貫通孔３上に部品収納部２が成形される。このように最下流に位置する成形パンチ２２Ａをすでに成形された部品収納部２内に挿入することにより、部品収納部２間の側壁２ａを成形パンチ２２Ａにより押圧して側壁２ａの変形、歪みを防止することができる。

【0066】

以下、図７Ａおよび図１０Ｂにより最下流に位置する成形パンチ２２をすでに成形された部品収納部２内に挿入する作用を詳述する。

【0067】

まず、部品収納部成形ユニット２０の駆動用スプロケット５１を紙製基材１ａの送り用孔５に嵌合させて、載置台２１上の紙製基材１ａを搬送方向Ｄに移動させる。

【0068】

次に、紙製基材１ａが載置台２１上で停止し、パンチブロック２４が降下して紙製基材１ａに対して押し当てられる。この場合、パンチブロック２４の各成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…は、それぞれ、紙製基材１ａを押圧して部品収納部２を成形する。

【0069】

次に、紙製基材１ａは、制御部６０に制御された駆動用スプロケット５１によって、紙製基材１ａの搬送方向Ｄに送られる。この場合パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａが、すでに他の成形パンチ２２により成形した部品収納部２に対応する位置に配置されるようにするために、制御部６０は、駆動用スプロケット５１を制御して、紙製基材１ａの送り量を定める。

【0070】

次に、パンチブロック２４が降下する。次に成形パンチ２２の成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ…が降下して紙製基材１ａに押し当てられる。このとき、パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａは、すでに成形された部品収納部２内に嵌合するとともに、他の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ…は、それぞれ、紙製基材１ａの対応する位置に押圧されて新たな部品収納部２を成形する。上述のように、パンチブロック２４の成形パンチ２２のうち、最下流の成形パンチ２２Ａは他の成形パンチ２２に比べてその上下方向の長さが短くなっている。また、紙製基材１ａの搬送方向最下流の成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチ２２に比べて側方から見た外形寸法も小さくなっている。このため、最下流の成形パンチ２２Ａをすでに成形された部品収納部２内にスムーズに進入させることができる。このように最下流に位置する成形パンチ２２Ａをすでに成形された部品収納部２内に挿入することにより、部品収納部２間の側壁２ａを成形パンチ２２Ａにより押圧して側壁２ａの変形、歪みを防止することができる。

【0071】

部品収納部成形ユニット２０において、このように紙製基材１ａに複数の部品収納部２が成形されてキャリアテープ１が得られる。特に、このような作用を繰り返すことにより、紙製基材１ａには、連続的に複数の部品収納部２が成形される（図１０Ｃ参照）。

【0072】

このようにして、紙製基材１ａに成形された各部品収納部２の形状寸法の搬送方向Ｄの寸法はＰ２となる。また、各部品収納部２間の側壁２ａの厚みはＰ３となっている。従って、部品収納部２の搬送方向の寸法Ｐ２と部品収納部２間の側壁２ａの厚みＰ３とから構成される部品収納部２の１ピッチの寸法Ｐ１は、Ｐ１＝Ｐ２＋Ｐ３となっている。また、この部品収納部２は、各成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が紙製基材１ａに押圧されて成形されるものであるので、部品収納部２の長手方向の寸法Ｐ１と各成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄの搬送方向の寸法は同一となる。従って、部品収納部２の１ピッチの寸法Ｐ１は、上述の成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ…の配置ピッチと同一となる。

【0073】

上述のように、上述の部品収納部２を成形する際、パンチブロック２４の最下流に位置する成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチが成形した部品収納部２に対応する位置に配置されるので、パンチブロック２４が紙製基材１ａに押し当てられると、成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチが成形した部品収納部２に嵌合する（図１０Ｂ参照）。

【0074】

従って、最下流側の成形パンチ２２Ａは、すでに成形されている部品収納部２に嵌合するのみで、新たな部品収納部２を紙製基材１ａに成形することはなく、紙製基材１ａを押圧することもない。他方、成形パンチ２２Ａ以外の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ…は、紙製基材１ａを押圧して、新たな部品収納部２を成形する。

【0075】

このため、成形パンチ２２Ａが嵌合する部品収納部２と次の成形パンチ２２Ｂが新たに成形する部品収納部２との間に介在する側壁２ａは、成形パンチ２２Ｂにより押圧されるが、最下流の成形パンチ２２Ａと次の成形パンチ２２Ｂとにより挟持される。従って、この側壁２ａが次の成形パンチ２２Ｂの押圧により歪むことはない。同様に、成形パンチ２２Ｂが新たに成形する部品収納部２と他の成形パンチ２２Ｃが新たに成形する部品収納部２との間に介在する側壁２ａは、成形パンチ２２Ｂと成形パンチ２２Ｃとにより挟持されるので、成形パンチ２２Ｂや成形パンチ２２Ｃの押圧により歪みが生じることはない。

【0076】

このように、成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…により新たに成形される各部品収納部２，２に隣接する全ての側壁２ａは、パンチブロック２４の各成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ…によって挟持されるので歪むことはない。このため、紙製基材１ａに、複数の部品収納部２を短い配置ピッチＰ１で、精度良く成形することができる。

【0077】

以上説明したように、本実施の形態によれば、部品収納部成形ユニット２０において、パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａは、すでに他の成形パンチにより成形された部品収納部２に対応する位置に配置される。そして、パンチブロック２４が紙製基材１ａに押し当てられると、最下流の成形パンチ２２Ａは、他の成形パンチが成形した部品収納部２に嵌合する。従って、最下流の成形パンチ２２Ａ以外の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が新たな部品収納部２を成形する際に、新たに成形される各部品収納部２に隣接する側壁２ａは、パンチブロック２４の各成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…に挟持されるため歪むことはない。これにより、各部品収納部２間の側壁２ａの厚みＰ３を小さくして各部品収納部２間に形成される側壁２ａを歪み易くした場合であっても、紙製基材１ａに、複数の部品収納部２を精度良く成形することができる。このため、紙製基材１ａに多数の部品収納部２を精度良く成形することができる。

【0078】

なお、パンチブロック２４が有する成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…の数は限定されるものではなく、複数であれば何個であってもよい。このような場合にも、紙製基材１ａの搬送方向の最下流に位置する成形パンチ２２Ａは上述のように、他の成形パンチにより成形された部品収納部２内に嵌合するようになっている。

【0079】

また、パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａが配置される位置は、他の成形パンチがすでに成形した部品収納部２のうち、最上流の部品収納部２に対応する位置に限定されるものではなく、すでに成形した部品収納部２のうち最上流から数えて２番目の部品収納部２あるいは３番目の部品収納部２に対応する位置であってもよい。このような場合であっても、パンチブロック２４の複数の成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…のうち少なくとも１個以上の成形パンチは、紙製基材１ａのうち部品収納部２が成形されていない箇所に対応する位置に配置される。そして、成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が紙製基材１ａに押し当てられると、すでに成形されている部品収納部２に対応する位置に配置された成形パンチ２２Ａ等のパンチが、対応する部品収納部２に嵌合するとともに、部品収納部２が成形されていない箇所に対応する位置に配置された他の成形パンチは、紙製基材１ａに押圧されて新たな部品収納部２を成形することとなる。

【0080】

この場合、駆動用スプロケット５１による紙製基材１ａの送り量は、最上流の成形パンチ２２Ａがすでに成形された所望の部品収納部２に対応する位置にくるよう定められ、この紙製基材１ａの送り量に基づいて制御部６０は駆動用スプロケット５１を制御している。

【0081】

このようにして、本実施の形態によれば、紙製基材１ａに対して、短い配置ピッチＰ１をもつ複数の部品収納部２を精度良く成形することができ、紙製基材１ａに複数の部品収納部２を成形することによりキャリアテープ１を得ることができる（図１０Ｃ参照）。

【0082】

図１０Ｃにおいて、紙製基材１ａからなるキャリアテープ１に成形された部品収納部２はきわめて短い配置ピッチＰ１、例えば１ｍｍの配置ピッチＰ１をもつ。

【0083】

また部品収納部２の搬送方向長さをＰ２とし、側壁２ａの厚みをＰ３とした場合、例えば側壁２ａの厚みＰ３を０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下のように薄くすることができる。この場合、部品収納部２の長さＰ２は、０．８ｍｍ以下、０．４ｍｍ以上となる。

【0084】

このようにしてキャリアテープ１の部品収納部２の数を大幅に増加させることができ、キャリアテープ１に収納される電子部品の数量を大幅に増加することができる。

【0085】

このようにして得られたキャリアテープ１は電子部品の収納数を増加することができるが、部品収納部２の配置ピッチＰ１が短いため、搬送方向からみて幅方向に沿って部品収納部２を中心として下方へ突出する湾曲歪を形成する。

【0086】

そして本実施の形態においては、部品収納部成形ユニット２０で成形されたキャリアテープ１を湾曲歪矯正ユニット３０へ送り、この湾曲歪矯正ユニット３０により、下方へ突出する湾曲歪を矯正する（図２乃至図５参照）。

【0087】

すなわち湾曲歪矯正ユニット３０は、二対の下方ローラ３１と上方ローラ３２を有する。

【0088】

そしてキャリアテープ１には紙製基材１ａの幅方向に沿って下方へ突出する湾曲歪が形成されるが、キャリアテープ１を二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間に送り、二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間でキャリアテープを挟持することにより、キャリアテープ１の湾曲歪を矯正することができる。

【0089】

具体的には、紙製基材１ａの下面を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１で押さえ付け、紙製基材１ａの上面を上方ローラ３２により押し付ける。

【0090】

このことにより紙製基材１ａの湾曲歪を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で矯正することができる。

【0091】

また紙製基材１ａの幅方向Ｗに沿って形成される湾曲歪は部品収納部２を中心として形成される。本実施の形態において、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１の中心Ｃ３は部品収納部２に対応する位置にある。また上方ローラ３２の湾曲状の下面４２は部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向に延びる円弧面４２ａと、この円弧面４２ａから送り用孔５側へ延びる延長面４２ｂとを有する。このうち延長面４２ｂを除く円弧面４２ａは部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向両側へ対称に延びる。また下方ローラ３１の対の突起と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間の距離ｇは、両者互いに同一となっている。

【0092】

このため、紙製基材１ａに幅方向に沿って下方へ向かって突出するよう形成された湾曲歪を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間で、紙製基材１ａを幅方向に沿って上方へ向かって突出するよう部品収納部２を中心として幅方向の両側へ沿って均一に挟持することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる下方へ向かって突出する湾曲歪を確実に矯正することができる。

【0093】

また隙間調整機構４０のダイヤル４０ｃを回転させることにより突出体４０ｂの突出量を調整することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が大きい場合、突出体４０ｂの突出量を大きくする。このことにより、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を小さくして、紙製基材１ａの大きな湾曲歪を矯正する。

【0094】

他方、紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が小さい場合、突出体４０ｂの突出量を小さくして、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を大きくする。このことにより紙製基材１ａの小さな湾曲歪を矯正する。

【0095】

このように紙製基材１ａに生じる湾曲歪をその歪の大きさに対応して適切に矯正することができる。湾曲歪矯正ユニット３０によって、紙製基材１ａに生じる湾曲歪が矯正されたキャリアテープ１は、その後案内リール７２，７３を経て、巻き取りリール７１により巻き取られる。
＜変形例１＞
次に図１１Ａにより本開示の変形例１について述べる。

【0096】

上記実施の形態において、パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａが、すでに成形されている部品収納部２に嵌合するため、新たな部品収納部２を紙製基材１ａに成形することはなく、他の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が紙製基材１ａを押圧して新たな部品収納部２を成形する例を示した（図１０Ｂ参照）。

【0097】

しかしながらこれに限らず、パンチブロック２４のすべての成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が紙製基材１ａの貫通孔３上に配置されてこの貫通孔３を押圧してもよい（図１１Ａ参照）。このことによりパンチブロック２４のすべての成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄが紙製基材１ａの対応する貫通孔３を押圧することができ、これによりすべての成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄにより紙製基材１ａを押圧して新たな部品収納部２を成形することができる。この場合、パンチブロック２４のすべての成形パンチ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄの上下方向の長さは同一となっている。

【0098】

このようにして、本実施の形態によれば、紙製基材１ａに対して、短い配置ピッチＰ１をもつ複数の部品収納部２を精度良く成形することができ、紙製基材１ａに複数の部品収納部２を成形することによりキャリアテープ１を得ることができる（図１１Ａ参照）。

【0099】

図１１Ａにおいて、紙製基材１ａからなるキャリアテープ１に成形された部品収納部２はきわめて短い配置ピッチＰ１、例えば１ｍｍの配置ピッチＰ１をもつ。

【0100】

また部品収納部２の搬送方向長さをＰ２とし、側壁２ａの厚みをＰ３とした場合、例えば側壁２ａの厚みＰ３を０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下のように薄くすることができる。この場合、部品収納部２の長さＰ２は、０．８ｍｍ以下、０．４ｍｍ以上となる。

【0101】

このようにしてキャリアテープ１の部品収納部２の数を大幅に増加させることができ、キャリアテープ１に収納される電子部品の数量を大幅に増加することができる。

【0102】

このようにして得られたキャリアテープ１は電子部品の収納数を増加することができるが、部品収納部２の配置ピッチＰ１が短いため、搬送方向からみて幅方向に沿って部品収納部２を中心として下方へ突出する湾曲歪を形成する。

【0103】

そして本実施の形態においては、部品収納部成形ユニット２０で成形されたキャリアテープ１を湾曲歪矯正ユニット３０へ送り、この湾曲歪矯正ユニット３０により、下方へ突出する湾曲歪を矯正する（図２乃至図５参照）。

【0104】

すなわち湾曲歪矯正ユニット３０は、二対の下方ローラ３１と上方ローラ３２を有する。

【0105】

そしてキャリアテープ１には紙製基材１ａの幅方向に沿って下方へ突出する湾曲歪が形成されるが、キャリアテープ１を二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間に送り、二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間でキャリアテープを挟持することにより、キャリアテープ１の湾曲歪を矯正することができる。

【0106】

具体的には、紙製基材１ａの下面を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１で押さえ付け、紙製基材１ａの上面を上方ローラ３２により押し付ける。

【0107】

このことにより紙製基材１ａの湾曲歪を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で矯正することができる。

【0108】

また紙製基材１ａの幅方向Ｗに沿って形成される湾曲歪は部品収納部２を中心として形成される。本実施の形態において、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１の中心Ｃ３は部品収納部２に対応する位置にある。また上方ローラ３２の湾曲状の下面４２は部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向に延びる円弧面４２ａと、この円弧面４２ａから送り用孔５側へ延びる延長面４２ｂとを有する。このうち延長面４２ｂを除く円弧面４２ａは部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向両側へ対称に延びる。また下方ローラ３１の対の突起と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間の距離ｇは、両者互いに同一となっている。

【0109】

このため、紙製基材１ａに幅方向に沿って下方へ向かって突出するよう形成された湾曲歪を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間で、紙製基材１ａを幅方向に沿って上方へ向かって突出するよう部品収納部２を中心として幅方向の両側へ沿って均一に挟持することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる下方へ向かって突出する湾曲歪を確実に矯正することができる。

【0110】

また隙間調整機構４０のダイヤル４０ｃを回転させることにより突出体４０ｂの突出量を調整することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が大きい場合、突出体４０ｂの突出量を大きくする。このことにより、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を小さくして、紙製基材１ａの大きな湾曲歪を矯正する。

【0111】

他方、紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が小さい場合、突出体４０ｂの突出量を小さくして、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を大きくする。このことにより紙製基材１ａの小さな湾曲歪を矯正する。

【0112】

このように紙製基材１ａに生じる湾曲歪をその歪の大きさに対応して適切に矯正することができる。湾曲歪矯正ユニット３０によって、紙製基材１ａに生じる湾曲歪が矯正されたキャリアテープ１は、その後案内リール７２，７３を経て、巻き取りリール７１により巻き取られる。
＜変形例２＞
次に図１１Ｂにより本開示の変形例２について述べる。

【0113】

上記実施の形態において、パンチブロック２４の最下流の成形パンチ２２Ａがすでに成形されている部品収納部２に嵌合し、他の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…が紙製基材１ａに予め成形された貫通孔３を押圧して新たな部品収納部２を成形する例を示した（図１０Ｂ参照）。

【0114】

しかしながらこれに限らず、部品収納部成形ユニット２０に設けられた貫通パンチ１２および抜きカスパンチ６２を取り除いても良い。

【0115】

この場合は、部品収納部成形ユニット２０の成形パンチ２２に貫通孔３が成形されていない無垢の紙製基材１ａが供給される。そして部品収納部成形ユニット２０の成形パンチ２２において、最下流の成形パンチ２２Ａがすでに他の成形パンチにより成形されている部品収納部２に嵌合する。このことにより最下流の成形パンチ２２Ａが新たな部品収納部２を紙製基材１ａに成形することはない。この場合、パンチブロック２４の成形パンチ２２のうち、最下流の成形パンチ２２Ａは他の成形パンチ２２に比べてその上下方向の長さが短くなっている。このため、最下流の成形パンチ２２Ａをすでに成形された部品収納部２内にスムーズに進入させることができる。

【0116】

他方、他の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，…は無垢の紙製基材１ａのうち、部品収納部２を成形する予定箇所を押圧する。このことにより他の成形パンチ２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄが紙製基材１ａを押圧して新たな部品収納部２を成形することができる。

【0117】

このようにして、本実施の形態によれば、紙製基材１ａに対して、短い配置ピッチＰ１をもつ複数の部品収納部２を精度良く成形することができ、紙製基材１ａに複数の部品収納部２を成形することによりキャリアテープ１を得ることができる（図１１Ｂ参照）。

【0118】

図１１Ｂにおいて、紙製基材１ａからなるキャリアテープ１に成形された部品収納部２はきわめて短い配置ピッチＰ１、例えば１ｍｍの配置ピッチＰ１をもつ。

【0119】

また部品収納部２の搬送方向長さをＰ２とし、側壁２ａの厚みをＰ３とした場合、例えば側壁２ａの厚みＰ３を０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下のように薄くすることができる。この場合、部品収納部２の長さＰ２は、０．８ｍｍ以下、０．４ｍｍ以上となる。

【0120】

このようにしてキャリアテープ１の部品収納部２の数を大幅に増加させることができ、キャリアテープ１に収納される電子部品の数量を大幅に増加することができる。

【0121】

このようにして得られたキャリアテープ１は電子部品の収納数を増加することができるが、部品収納部２の配置ピッチＰ１が短いため、搬送方向からみて幅方向に沿って部品収納部２を中心として下方へ突出する湾曲歪を形成する。

【0122】

そして本実施の形態においては、部品収納部成形ユニット２０で成形されたキャリアテープ１を湾曲歪矯正ユニット３０へ送り、この湾曲歪矯正ユニット３０により、下方へ突出する湾曲歪を矯正する（図２乃至図５参照）。

【0123】

すなわち湾曲歪矯正ユニット３０は、二対の下方ローラ３１と上方ローラ３２を有する。

【0124】

そしてキャリアテープ１には紙製基材１ａの幅方向に沿って下方へ突出する湾曲歪が形成されるが、キャリアテープ１を二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間に送り、二対の下方ローラ３１および上方ローラ３２間でキャリアテープを挟持することにより、キャリアテープ１の湾曲歪を矯正することができる。

【0125】

具体的には、紙製基材１ａの下面を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１で押さえ付け、紙製基材１ａの上面を上方ローラ３２により押し付ける。

【0126】

このことにより紙製基材１ａの湾曲歪を下方ローラ３１と上方ローラ３２との間で矯正することができる。

【0127】

また紙製基材１ａの幅方向Ｗに沿って形成される湾曲歪は部品収納部２を中心として形成される。本実施の形態において、下方ローラ３１の一対の突起４１，４１の中心Ｃ３は部品収納部２に対応する位置にある。また上方ローラ３２の湾曲状の下面４２は部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向に延びる円弧面４２ａと、この円弧面４２ａから送り用孔５側へ延びる延長面４２ｂとを有する。このうち延長面４２ｂを除く円弧面４２ａは部品収納部２に対応する位置を中心として幅方向両側へ対称に延びる。また下方ローラ３１の対の突起と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間の距離ｇは、両者互いに同一となっている。

【0128】

このため、紙製基材１ａに幅方向に沿って下方へ向かって突出するよう形成された湾曲歪を下方ローラ３１の一対の突起４１，４１と上方ローラ３２の円弧面４２ａとの間で、紙製基材１ａを幅方向に沿って上方へ向かって突出するよう部品収納部２を中心として幅方向の両側へ沿って均一に挟持することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる下方へ向かって突出する湾曲歪を確実に矯正することができる。

【0129】

また隙間調整機構４０のダイヤル４０ｃを回転させることにより突出体４０ｂの突出量を調整することができる。このことにより紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が大きい場合、突出体４０ｂの突出量を大きくする。このことにより、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を小さくして、紙製基材１ａの大きな湾曲歪を矯正する。

【0130】

他方、紙製基材１ａの幅方向に生じる湾曲歪が小さい場合、突出体４０ｂの突出量を小さくして、下方ローラ３１と上方ローラ３２との間の隙間を大きくする。このことにより紙製基材１ａの小さな湾曲歪を矯正する。

【0131】

このように紙製基材１ａに生じる湾曲歪をその歪の大きさに対応して適切に矯正することができる。湾曲歪矯正ユニット３０によって、紙製基材１ａに生じる湾曲歪が矯正されたキャリアテープ１は、その後案内リール７２，７３を経て、巻き取りリール７１により巻き取られる。

【符号の説明】

【0132】

１ キャリアテープ
１ａ 紙製基材
２ 部品収納部
２ａ 側壁
３ 貫通孔
５ 送り用孔
１２ 貫通パンチ
１２ａ 開口
１３ 丸パンチ
１３ａ 開口
１８ フレーム
１９ 架台
２０ 部品収納部成形ユニット
２１ 載置台
２２ 成形パンチ
２２ａ 開口
２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ 成形パンチ
２２ｂ 基部
２２ｃ 支持体
２２ｄ パンチ本体
２３ 位置決めパンチ
２３ａ 開口
２４ パンチブロック
２４ａ ブロック本体
２８ フレーム
２９ 架台
３０ 湾曲歪矯正ユニット
３１ 下方ローラ
３３ 回転軸
３２ 上方ローラ
３４ 回転軸
３６ 揺動板
３７ 揺動軸
３８ 支持体
４０ 隙間調整機構
４０ａ 隙間調整機構本体
４０ｂ 突出体
４０ｃ ダイヤル
４１ 突起
４２ 下面
４２ａ 円弧面
４２ｂ 延長面
５１ 駆動用スプロケット
６０ 制御部
６２ カス抜きパンチ
７０ リール
７１ 巻き取りリール
７２ 案内リール
７２ 案内リール
１００ 部品収納体成形装置

【要約】

【課題】部品収納体の幅方向に生じる湾曲歪を矯正する。
【解決手段】部品収納部成形ユニット２０によって、紙製基材に搬送方向に沿って０．２ｍｍ以上、０．６ｍｍ以下の厚みをもつ側壁を介して複数の部品収納部２が成形されて、部品収納体（キャリアテープ）１が得られる。紙製基材１ａに幅方向に形成される湾曲歪は、湾曲歪矯正ユニット３０により矯正される。
【選択図】図４Ａ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図7A】

【図7B】

【図8】

【図9】

【図10A】

【図10B】

【図10C】

【図11A】

【図11B】