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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】樹木管理用システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20250310BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024164286
(22)【出願日】2024-09-20
【審査請求日】2024-10-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年5月13日、同年5月20日に神代植物公園(東京都調布市)にて開催された樹木点検員養成研修にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500035030
【氏名又は名称】公益財団法人東京都公園協会
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】菅生 稔
(72)【発明者】
【氏名】萩谷 知也
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-095976(JP,A)
【文献】特開2024-106068(JP,A)
【文献】特開2021-164135(JP,A)
【文献】特開2019-075049(JP,A)
【文献】特開2023-105664(JP,A)
【文献】特開2012-044581(JP,A)
【文献】特開2006-031673(JP,A)
【文献】行政業務支援シリーズ 公園システム,地方自治情報化推進フェア2022 ,2022年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査者が携行可能な携帯端末とコンピュータネットワークにデータ通信可能に接続されたサーバコンピュータとを少なくとも含み、複数の管理対象施設の樹木を各管理対象施設毎に管理するための樹木管理用システムであって、
前記携帯端末は、
該携帯端末の現在位置を特定可能な位置特定情報を取得する位置特定情報取得手段を有し、管理対象の樹木に関する樹木データを含む各種情報を入力可能な入力手段と、
前記コンピュータネットワークを介した前記サーバコンピュータとのデータ通信を無線通信にて実行可能な無線データ通信手段と、
該携帯端末を所持する検査者が所属する管理対象施設を特定可能な施設特定情報を含む検査者情報が前記入力手段により入力されたことにもとづいて、該検査者情報を前記位置特定情報を取得することなく前記サーバコンピュータに送信し、該検査者情報に含まれる施設特定情報に関連付けて該サーバコンピュータにおいて管理されている全樹木データの一覧表示ページを取得して表示する一覧表示ページ表示手段と、
を備え、
前記入力手段にて入力された樹木データを、前記無線データ通信手段を用いて前記サーバコンピュータに送信し、
前記サーバコンピュータは、前記携帯端末から送信されてきた樹木データを樹木管理データとして前記施設特定情報に関連付けて記憶する
ことを特徴とする樹木管理用システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、絞り込み条件を受付け、前記一覧表示ページに表示されている樹木データの中から該受付けた絞り込み条件を満たす樹木データのみを一覧表示可能な絞り込み表示手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の樹木管理用システム。
【請求項3】
前記入力手段は、管理対象の樹木の画像を撮像可能な撮像手段を含み、
前記携帯端末は、前記撮像手段にて撮像した樹木画像と前記位置特定情報取得手段にて取得した前記位置特定情報とを前記樹木データとして前記無線データ通信手段を介して前記サーバコンピュータに送信可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹木管理用システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記位置特定情報取得手段による前記位置特定情報の取得を、前記撮像手段による樹木画像の撮像よりも先行させる先行化制御手段を備え
前記先行化制御手段は、前記位置特定情報が取得されるまで前記撮像手段による撮像を不能とする制御を実行可能であ
ことを特徴とする請求項に記載の樹木管理用システム。
【請求項5】
前記位置特定情報取得手段は、前記撮像手段による撮像を行うときの前記位置特定情報である撮像位置特定情報を取得
前記撮像位置特定情報によって特定される位置が、撮像対象の樹木について前記サーバコンピュータに記憶されている樹木データにより特定される位置から特定範囲内の位置であるか否かを判定可能な判定手段と、
前記判定手段の判定結果が前記特定範囲内の位置ではないとの判定結果である場合に、該判定結果に対応した報知を出力可能な報知手段と、
を備える
ことを特徴とする請求項に記載の樹木管理用システム。
【請求項6】
前記特定範囲を、管理対象施設毎に変更可能な特定範囲変更手段を備える
ことを特徴とする請求項に記載の樹木管理用システム。
【請求項7】
前記携帯端末の前記管理対象施設内における現在位置から所定範囲内の樹木を特定可能な樹木特定手段を備え、
前記樹木特定手段にて特定した樹木の樹木データを前記携帯端末にて一覧表示可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹木管理用システム。
【請求項8】
前記携帯端末の操作にもとづいて前記所定範囲を変更可能な所定範囲変更手段を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の樹木管理システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、
前記管理対象施設の地図表示であって、該管理対象施設が有する各樹木の位置が記された地図表示ページを表示可能であり、
前記一覧表示ページと前記地図表示ページとを切り替えて表示可能であり、
所定の条件を満たす樹木の表示態様が前記一覧表示ページと前記地図表示ページとで共通している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹木管理用システム。
【請求項10】
前記管理対象施設内の樹木について、予め設定されている検査項目についての検査が検査済みであるか否かを、該検査による検査項目を含む樹木データの記憶に伴って更新される検査済データにもとづいて判定可能な検査済判定手段を備え、
前記携帯端末は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方において、未検査であると判定された樹木について第1態様で表示する一方で、検査済みであると判定された樹木について前記第1態様とは異なる第2態様にて表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の樹木管理用システム。
【請求項11】
前記入力手段は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方のページ上において検査者の操作を受け付けるページ操作受付手段を含み、
前記携帯端末は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方において、前記第1態様にて表示される樹木についての操作を受け付けることで、未検査の樹木に関する検査事項を含む検査ページを表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の樹木管理用システム。
【請求項12】
前記携帯端末とは異なる端末であって、前記サーバコンピュータに接続可能に前記管理対象施設に建設されている管理事務所に設置されている特定端末を更に備え、
前記特定端末は、前記検査者情報が入力されたことにもとづいて該入力された検査者情報を前記サーバコンピュータに送信し、該検査者情報に含まれる施設特定情報に関連付けて該サーバコンピュータにおいて管理されている全樹木データの一覧表示ページを取得して表示可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹木管理用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木を管理するための樹木管理用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹木を管理するための樹木管理用システムとしては、個々の樹木の種別、樹高、幹回り、形状、樹木の画像(写真)、樹木の位置を示す地図等の各情報の入力部を有する診断カルテをパソコンに表示し、各情報を手動で入力し、樹木の位置を示す地図を手書きした上で該手書きの地図をスキャナー等で取り込んで地図の領域に張り込むとともに、デジカメで撮像した樹木の写真をパソコンに取り込んで写真の領域に張り込むことで作成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-146133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムにおいては、管理対象の樹木の診断を診断者が事前に行い、管理項目の各々についての内容をメモや撮像しておき、これらの情報を管理事務所等に持ち帰って設置されているパソコンにおいて、これらのメモや撮像した写真等を使用して、診断カルテを作成している。このため、診断カルテ等の樹木管理データの作成に非常に手間と時間がかかるとともに、入力、画像や地図の取り込みや貼り込みにおいて、管理対象の樹木の場所で行っていないことによる取り違えや勘違い等の間違いが発生しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、管理用データの作成効率並びに正確性を高めることのできる樹木管理用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の樹木管理用システムは、
検査者が携行可能な携帯端末とコンピュータネットワークにデータ通信可能に接続されたサーバコンピュータとを少なくとも含み、複数の管理対象施設の樹木を各管理対象施設毎に管理するための樹木管理用システムであって、
前記携帯端末は、
該携帯端末の現在位置を特定可能な位置特定情報を取得する位置特定情報取得手段を有し、管理対象の樹木に関する樹木データを含む各種情報を入力可能な入力手段と、
前記コンピュータネットワークを介した前記サーバコンピュータとのデータ通信を無線通信にて実行可能な無線データ通信手段と、
該携帯端末を所持する検査者が所属する管理対象施設を特定可能な施設特定情報を含む検査者情報が前記入力手段により入力されたことにもとづいて、該検査者情報を前記位置特定情報を取得することなく前記サーバコンピュータに送信し、該検査者情報に含まれる施設特定情報に対応付けて該サーバコンピュータにおいて管理されている全樹木データの一覧表示ページを取得して表示する一覧表示ページ表示手段と、
を備え、
前記入力手段にて入力された樹木データを、前記無線データ通信手段を用いて前記サーバコンピュータに送信し、
前記サーバコンピュータは、前記携帯端末から送信されてきた樹木データを樹木管理データとして前記施設特定情報毎に記憶する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者は、管理対象の樹木の場所においてメモ等をとることなく、その場において検査をしながら樹木データを直接入力することで、該入力した樹木データがサーバコンピュータにおいて樹木管理データとして管理されるようになるので、樹木管理データの作成効率を高めることができる。また、入力したデータが正しいか否かをその場で確認できるようになるため、樹木管理データの正確性も高めることができる。
【0007】
請求項2の樹木管理用システムは、請求項1に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末は、絞り込み条件を受付け、前記一覧表示ページに表示されている樹木データの中から該受付けた絞り込み条件を満たす樹木データのみを一覧表示可能な絞り込み表示手段を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一覧表示ページに表示されている樹木データの中から絞り込み条件を満たす樹木データのみを表示させることができる。
【0008】
請求項3の樹木管理用システムは、請求項1または2に記載の樹木管理用システムであって、
前記入力手段は、管理対象の樹木の画像を撮像可能な撮像手段を含み、
前記携帯端末は、前記撮像手段にて撮像した樹木画像を、前記樹木データとして前記無線データ通信手段を用いて前記サーバコンピュータに送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者は、管理対象の樹木の場所において樹木の画像を撮像することで、管理対象の樹木の画像を簡便に樹木データとしてサーバコンピュータに送信することができ、正確な樹木の画像をサーバコンピュータにて管理できる。
【0010】
請求項の樹木管理用システムは、請求項に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末は、前記位置特定情報取得手段による前記位置特定情報の取得を、前記撮像手段による樹木画像の撮像よりも先行させる先行化制御手段を備え
前記先行化制御手段は、前記位置特定情報が取得されるまで前記撮像手段による撮像を不能とする制御を実行可能であ
ことを特徴としている。
この特徴によれば、樹木の画像を撮像するために管理対象の樹木の位置から離れた位置で位置特定情報が取得されてしまうことによって位置特定情報が不正確となってしまうことを確実に防ぐことができる。
【0011】
請求項の樹木管理用システムは、請求項に記載の樹木管理用システムであって、
前記位置特定情報取得手段は、前記撮像手段による撮像を行うときの前記位置特定情報である撮像位置特定情報を取得
前記撮像位置特定情報によって特定される位置が、撮像対象の樹木について前記サーバコンピュータに記憶されている樹木データにより特定される位置から特定範囲内の位置であるか否かを判定可能な判定手段と、
前記判定手段の判定結果が前記特定範囲内の位置ではないとの判定結果である場合に、該判定結果に対応した報知を出力可能な報知手段と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、判定結果に対応した報知の出力によって管理対象の樹木の位置とは異なる位置であることを検査者に認識させることができる。また、樹木の状態を継続的に一定期間毎に撮像する際にも、管理対象の樹木との位置関係の正確性を検査者に認識させることができる。
請求項6の樹木管理用システムは、請求項5に記載の樹木管理用システムであって、
前記特定範囲を、管理対象施設毎に変更可能な特定範囲変更手段を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、管理対象施設毎に特定範囲を変更できる。
【0012】
請求項7の樹木管理用システムは、請求項1または2に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末の前記管理対象施設内における現在位置から所定範囲内の樹木を特定可能な樹木特定手段を備え、
前記樹木特定手段にて特定した樹木の樹木データを前記携帯端末にて一覧表示可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者は、管理対象の樹木のうち、携帯端末から所定範囲内の樹木を容易に特定することができ、検査を行う樹木を選択する手間や検査を行う樹木まで移動する時間を軽減することができる。
【0013】
請求項8の樹木管理用システムは、請求項7に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末の操作にもとづいて前記所定範囲を変更可能な所定範囲変更手段を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者が樹木管理を行う範囲や樹木の密度等に応じて所定範囲を変更することができるので、検査を行う樹木を選択する手間や検査を行う樹木まで移動する時間をより軽減することができる。
【0014】
請求項9の樹木管理用システムは、請求項1または2に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末は、
前記管理対象施設の地図表示であって、該管理対象施設が有する各樹木の位置が記された地図表示ページを表示可能であり、
前記一覧表示ページと前記地図表示ページとを切り替えて表示可能であり、
所定の条件を満たす樹木の表示態様が前記一覧表示ページと前記地図表示ページとで共通している
ことを特徴としている。
この特徴によれば、管理対象施設内に存在する各樹木の状況を、映像により視認性が高く、かつ効率よく把握することができる。
【0015】
請求項10の樹木管理用システムは、請求項9に記載の樹木管理用システムであって、
前記管理対象施設内の樹木について、予め設定されている検査項目についての検査が検査済みであるか否かを、該検査による検査項目を含む樹木データの記憶に伴って更新される検査済データにもとづいて判定可能な検査済判定手段を備え、
前記携帯端末は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方において、未検査であると判定された樹木について第1態様で表示する一方で、検査済みであると判定された樹木について前記第1態様とは異なる第2態様にて表示する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者は、樹木について第1態様と第2態様のどちらで表示されているかを容易に認識することができ、効率よく樹木の検査を行うことができる。
【0016】
請求項11の樹木管理用システムは、請求項10に記載の樹木管理用システムであって、
前記入力手段は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方のページ上において検査者の操作を受け付けるページ操作受付手段を含み、
前記携帯端末は、前記一覧表示ページ及び前記地図表示ページの少なくとも一方において、前記第1態様にて表示される樹木についての操作を受け付けることで、未検査の樹木に関する検査事項を含む検査ページを表示する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検査者は、第1態様にて表示される樹木についての操作を行うのみで未検査の樹木に関する検査事項を認識できるので、煩雑な操作を行うこと無く樹木の検査を行うことができる。
【0017】
請求項12の樹木管理用システムは、請求項1または2に記載の樹木管理用システムであって、
前記携帯端末とは異なる端末であって、前記サーバコンピュータに接続可能に前記管理対象施設に建設されている管理事務所に設置されている特定端末を更に備え、
前記特定端末は、前記検査者情報が入力されたことにもとづいて該入力された検査者情報を前記サーバコンピュータに送信し、該検査者情報に含まれる施設特定情報に対応付けて該サーバコンピュータにおいて管理されている全樹木データの一覧表示ページを取得して表示可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、サーバコンピュータに記憶されている樹木管理データを特定端末に表示される一覧表示ページにて確認できるので、樹木管理用システムの利便性を向上させることができる。
【0018】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例の樹木管理用システムの構成図である。
図2】実施例の樹木管理用システムを構成するサーバコンピュータの構成を示す図である。
図3】実施例の樹木管理用システムを構成する管理用携帯端末を示す図である。
図4】実施例の樹木管理用システムを構成する管理用携帯端末の構成を示す図である。
図5】実施例の樹木管理用システムにおける利用者データテーブルと樹木データテーブルを示す図である。
図6】実施例の樹木管理用システムにおける樹木カルテデータテーブルを示す図である。
図7】実施例の樹木管理用システムにおける管理用携帯端末の画面図である。
図8】実施例の樹木管理用システムにおける管理用携帯端末の画面図である。
図9】実施例の樹木管理用システムにおける管理用携帯端末とサーバコンピュータとのデータの送受の状況を示す図である。
図10】実施例の樹木管理用システムにおける管理用携帯端末とサーバコンピュータとのデータの送受の状況を示す図である。
図11】実施例の樹木管理用システムにおける樹木一覧ページにおける各樹木の背景色、専用マップページ表示における各樹木のアイコンの表示色、文字及び色の説明図である。
図12】実施例の樹木管理用システムにおける警告報知実行時の管理用携帯端末の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の樹木管理用システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例
【0021】
図1は、本実施例における樹木管理用システムの構成図である。樹木管理用システムは、管理対象施設の一例である各公園(公園A、公園B、…)に配備された複数台の管理用携帯端末200(管理用携帯端末A、管理用携帯端末B、…)及び管理用PC端末300と、各公園とは異なる施設(例えば、データセンタ等)に設けられている樹木管理用サーバコンピュータ100と、地図用サーバコンピュータ110と、システム管理者端末150と、から構成されている。
【0022】
尚、管理用PC端末300やシステム管理者端末150も複数台であってもよい。また、樹木管理用サーバコンピュータ100と地図用サーバコンピュータ110は、異なる施設(場所)に設けられていてもよいし、同一のデータセンタ内に設けられていてもよい。更に、樹木管理用サーバコンピュータ100と地図用サーバコンピュータ110を1のサーバコンピュータで構成してもよい。
【0023】
これら管理用携帯端末200、管理用PC端末300、樹木管理用サーバコンピュータ100、地図用サーバコンピュータ110、システム管理者端末150は、オープンコンピュータネットワークであるインターネット網Nを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。
【0024】
管理用携帯端末200は、各公園における樹木の検査者が所持(携行)するとともに、樹木の検査(点検)を行う際に各種検査項目の入力や樹木の写真を撮像するために使用される携帯端末である。尚、これら管理用携帯端末200は、複数の検査者で共用する共用端末であってもよいし、検査者に固有に割り当てられた専用端末であってもよい。
【0025】
管理用PC端末300は、本発明の特定端末に該当するものであって、主に各公園の管理事務所等に設置されるPC(パーソナルコンピュータ)であり、主に、公園内の新たな樹木の登録やサーバコンピュータ100において管理されている樹木に関するデータ(樹木データ)の編集(追加、削除、修正等)を行うために使用される端末であり、複数の検査者によって共用可能な端末である。これら管理用PC端末300は、点検結果の印刷するためのプリンタ等の印刷装置等が接続されたものであってもよい。
【0026】
尚、管理用PC端末300についても検査者に固有に割り当てられた専用端末としてもよい。また、管理用PC端末300は、本発明の樹木管理用システムに必須のものではなく、各公園においては、管理用PC端末300が設置せずに管理用携帯端末200のみを使用する形態としてもよい。
【0027】
樹木管理用サーバコンピュータ100は、管理用携帯端末200や管理用PC端末300にて入力された各種検査項目や樹木の写真等の樹木に関するデータを記憶したり、これら記憶されているデータを管理用携帯端末200や管理用PC端末300に配信するためのコンピュータである。地図用サーバコンピュータ110は、本実施例の樹木管理用システムを導入している公園の地図データを含む地図データを、地図データ上における位置データに対応付けて記憶しているコンピュータである。これら地図用サーバコンピュータ110は、専用のサーバコンピュータを設けてもよいし、地図データサービスを提供している企業のサーバコンピュータを利用してもよく、本実施例では、地図データサービスを提供している企業のサーバコンピュータを利用している。
【0028】
システム管理者端末150は、本実施例の樹木管理用システムの運営・管理を行う管理機関の管理者が、本実施例の樹木管理用システム、特には、検査時期等の更新等を管理するために使用する端末である。尚、本実施例の樹木管理用システムでは、システム管理者端末150を個別に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらシステム管理者端末150を、特定の管理用PC端末300と共通化するようにしてもよい。
【0029】
尚、本実施例では、各公園に複数台の管理用携帯端末200を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、公園に設けられる管理用携帯端末200は1台のみであってもよい。
【0030】
また、本実施例では、樹木管理用サーバコンピュータ100を1台のみ設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施例の樹木管理用システムにて管理する樹木のデータ量によっては樹木管理用サーバコンピュータ100を複数台設けてもよいし、処理量やデータ量に応じて規模を拡張できるクラウドサーバコンピュータを用いてもよい。
【0031】
<樹木管理用サーバコンピュータ>
図2は、本実施例における樹木管理用サーバコンピュータ100のハードウエア構成を示す図である。樹木管理用サーバコンピュータ100は、比較的処理能力に優れた通常のサーバコンピュータであって、図2に示すように、データバス108に接続されたプロセッサ(CPU)101、メモリ(RAM)102、ハードディスク等のストレージ103、オープンコンピュータネットワークであるインターネットを介したTCP/IPプロトコルによる双方向に通信が可能な通信インターフェイス(I/F)104と、キーボード等の入力装置等を接続可能な入出力インターフェイス(I/F)105を有している。
【0032】
尚、本実施例では、ローカル操作を可能とするために、入出力インターフェイス(I/F)105を設けているが、通信インターフェイス(I/F)104を介してリモート操作が可能である場合には、入出力インターフェイス(I/F)105を設けない形態としてもよい。
【0033】
また、ストレージ203には、図5(A)に示す利用者データテーブル、図5(B)に示す樹木データテーブル、図6に示す樹木カルテデータテーブルが記憶されている。尚、図示していないが、オペレーションシステム(OS)のデータ等が記憶されているとともに、樹木管理に係わる各種の機能を提供するための樹木管理用プログラムや管理用携帯端末200向けの検査ページやPC端末用検査ページ等の各種ページ用のデータ等が記憶されている。また、樹木管理用プログラムは、本実施例では後述するように、管理用携帯端末200において樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスするためにブラウザを使用することから、ブザウザ上で動作するプログラム等で記述されたものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら樹木管理用プログラムは、管理用携帯端末200において使用するアプリ等に応じて適宜な言語で記述されたものとすればよい。
【0034】
図5(A)に示す利用者データテーブルは、本実施例の樹木管理用システムを利用する各検査者を認証するためのIDやパスワードを記憶するデータテーブルである。利用者データテーブルには、公園名、公園の位置情報、公演毎に割り当てられた公園ID、管理用携帯端末200を使用する検査者(管理者)毎に割り当てられた管理者ID、本実施例の樹木管理用システムにおいて管理している樹木のデータを閲覧可能な閲覧者毎に割り当てられた閲覧者ID、各公園の職員毎に割り当てられた職員コード、本実施例の樹木管理用システムを利用する利用者(検査者及び閲覧者)毎に割り当てられたパスワードが関連付けて記憶されている。
【0035】
尚、本実施例の樹木管理用システムでは、管理者IDの発行を受けている検査者は、管理者IDを入力して認証を受けることで、樹木管理データの閲覧だけではなく、データの入力や修正等の変更を行うことができる一方、閲覧者IDのみの発行を受けている検査者が該閲覧者IDを入力して認証を受けた場合は、データの入力や修正等の変更を行うことはできず、樹木管理データの閲覧だけが可能とされるように利用が制限される。
【0036】
図5(B)に示す樹木データテーブルは、本実施例の樹木管理用システムにて管理している樹木を公園毎に記憶するためのデータテーブルである。樹木データテーブルには、公園名毎に、各樹木の公園内における番号、樹種、幹周、種別、公園内における場所(園内箇所)が関連付けて記憶されている。
【0037】
図6に示す樹木カルテデータテーブルは、本実施例の樹木管理用システムにて管理している樹木の管理項目を公園毎に記憶するためのデータテーブルである。樹木カルテデータテーブルには、公演名毎に、各樹木の公園内における番号、樹種、第1回目の検査日、検査者名、各種形状寸法(高さ(H)、幹周(C)、葉張り(W))、園内箇所及びその位置情報、予め定められている所定期間内に検査(点検)済であるか否かを示す検査済フラグ値、前回検査日等が関連付けて記憶されている。
【0038】
尚、本実施例における検査済フラグ値としては、「0」が記憶されている場合は当該樹木が未検査であることを示し、「1」が記憶されている場合は当該樹木が検査済であることを示しており、該検査済フラグのデータを読み取ることで、各樹木について、検査済みであるか否かを容易に特定できるようになっている。
【0039】
<管理用携帯端末>
図3は、本実施例の樹木管理用システムにおける管理用携帯端末200を示す図、図4は、管理用携帯端末200の構成を示す図である。図3に示すように、管理用携帯端末200は、各公園における樹木の検査者が片手で所持可能な程度の大きさを有しているともに、手指による操作が可能なスマートフォンやタブレット端末である。
【0040】
図4に示すように、管理用携帯端末200は、データバス220に接続されたプロセッサ(CPU)202、メモリ(RAM)201、ハードディスク等のストレージ203、周囲の音声を集音可能なマイクモジュール204、管理用携帯端末200の筐体に物理的に設けられたスイッチからの操作を受付可能なスイッチモジュール205、公知の携帯電話端末が有する無線データ通信機能を提供するためのモバイル通信モジュール206、電力を供給するためのバッテリーモジュール207、管理用携帯端末200の位置情報を取得するためのGPSモジュール209、画像や文字を表示するための表示モジュール210、検査者の手指によるタッチ操作を受付可能なタッチパネルモジュール211、ローカルエリアネットワーク(LAN)を使用して通信を行うためのローカル通信モジュール212を有している。
【0041】
このように、本実施例の管理用携帯端末200は、モバイル通信モジュール206による無線データ通信或いはローカル通信モジュール212による無線データ通信とインターネット網Nとを通じて樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスできるので、検査員は、管理用携帯端末200を管理対象の樹木の位置まで持参して、該樹木の場所において、管理対象の樹木を確認しながら検査に関するデータである樹木位置や写真等のデータを入力することができる。
【0042】
尚、ストレージ203には、管理用携帯端末200が有する各種機能(無線データ通信機能、撮像機能、GPS機能、タッチパネル機能、表示機能)を提供するためのオペレーションシステム(OS)が記憶されているとともに、樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスするために使用されるブラウザアプリが記憶されている。
【0043】
<管理用携帯端末と樹木管理用サーバコンピュータとのやりとり>
図9は、管理用携帯端末200と樹木管理用サーバコンピュータ100とのやりとりを示す図である。本実施例における樹木管理システムでは、先ず、検査者が、管理用携帯端末200においてブラウザアプリを起動して樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスする。尚、樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスするためのURLは、ブラウザアプリに予め記憶しておくか、或いは、2次元バーコード等によって読み取って入力するか、直接入力または、ホーム画面にアイコン表示すればよい。
【0044】
樹木管理用サーバコンピュータ100にアクセスにより、図9に示す認証ページが表示される。ここで、上記したように、本実施例の樹木管理用システムでは、管理者IDの発行を受けている検査者(管理者)でないと、樹木に関するデータの登録等が不能とされているので、以下の説明については、検査者が、管理者IDの発行を受けている検査者(管理者)である場合について説明する。
【0045】
検査者(管理者)は、該認証ページにおいてユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードの入力を行う。以降、本実施例における管理用携帯端末200にて表示する画面図は、上記のようにブラウザアプリによるウェブブラウザにて表示される。このように、ブラウザアプリによるウェブブラウザにて表示や入力等を行うようにすることで、管理用携帯端末200にインストールされているOS(オペレーションシステム)の違いに対応した異なる樹木管理用プログラムを設けることなく、OS(オペレーションシステム)の違いに依らない共通した樹木管理用プログラムにて各公園に植樹されている樹木の検査を実行することが可能となっている。
【0046】
ユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードの入力を受け付けた管理用携帯端末200(CPU202)は、該入力を受け付けたユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードを含むログイン情報を樹木管理用サーバコンピュータ100に送信する。
【0047】
ログイン情報を受信した樹木管理用サーバコンピュータ100(CPU101)は、図5(A)に示す利用者テーブルを参照し、受信したログイン情報に含まれているユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードが正しいか否かを判定する。ユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードが正しい場合は、更に図5(B)に示す樹木データテーブルを参照し、公園IDが示す公園を特定する。そして、管理用携帯端末200に対して初期画面(トップページ)のHTMLデータを含む初期画面表示指示情報を送信する。
【0048】
尚、受信したログイン情報に含まれているユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードが正しくない場合は、特に図示しないが、管理用携帯端末200に対してユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードのいずれかが正しくない旨を示す情報を送信し、管理用携帯端末200は、該情報を受信したことにもとづいてユーザーID(公園ID+管理者ID)、パスワード、職員コードのいずれかが正しくない旨の報知画像を表示すればよい。
【0049】
管理用携帯端末200は、初期画面表示指示情報を受信したことにもとづいて、図7(A)に示す初期画面(トップページ)の表示を行う。該初期画面(トップページ)においては、「樹木一覧」と「マップ」の両操作項目が検査者から視認可能に表示される。検査者は、タッチパネルモジュール211の操作等によってこれら「樹木一覧」と「マップ」のいずれかを選択操作可能となっている。
【0050】
この状態において検査者が「樹木一覧」と「マップ」のいずれかを選択操作した場合、管理用携帯端末200は、「樹木一覧」と「マップ」の項目のうち、選択操作された項目に応じた操作情報を含む樹木データ要求情報を樹木管理用サーバコンピュータ100に送信する。尚、選択操作された項目が「マップ」である場合には、その時点の管理用携帯端末200の位置情報(GPSデータ)がGPSモジュール209を用いて取得されて、該位置情報(GPSデータ)を含む樹木データ要求情報が送信されることで、後述する専用マップページにおける現在位置の表示に利用される。
【0051】
樹木データ要求情報を受信した樹木管理用サーバコンピュータ100は、図5(B)に示す樹木データテーブルを参照し、認証した公園IDから特定される公園に関連付けて記憶されている管理対象の樹木データを全て特定する。このとき、受信した樹木データ要求情報に含まれている操作情報が「樹木一覧」を選択したことに応じたもの(選択項目が「樹木一覧」である)場合、樹木管理用サーバコンピュータ100は、特定した樹木データに応じた樹木一覧ページのHTMLデータを含む樹木一覧データを管理用携帯端末200に送信する。そして、管理用携帯端末200は、受信した樹木一覧データにもとづいて、図7(C)に示すように、樹木一覧ページを表示する。
【0052】
図7(C)に示すように、樹木一覧ページでは、幹周が300cm以上である樹木の樹木名が太字で表示される一方で、幹周が300cm未満である樹木の樹木名が細字で表示される。このため、本実施例の樹木一覧ページにおいて検査者は、樹木名を構成する文字の太さによって公園内に植樹されている樹木の大きさの偏りや幹周が300cm以上である樹木数を容易に把握することが可能となっている。
【0053】
また、樹木一覧ページでは、各樹木の背景色が、対応する樹木の状態に応じて異なっている。具体的には、図11(A)に示すように、背景色が黄色である場合は、対応する樹木の検査項目が未入力であること、つまり、未検査であることを示し、背景色が灰色である場合は、対応する樹木がすでに伐採されていることを示し、背景色が白色である場合は、対応する樹木の検査項目が入力済であること、つまり、検査済であることを示す。このため、本実施例の樹木一覧ページにおいて検査者は、背景色によって各樹木の状態を容易に把握することが可能となっている。
【0054】
図9に戻り、受信した樹木データ要求情報に含まれている操作情報が「マップ」を選択したことに応じたもの(選択項目が「マップ」である)場合、樹木管理用サーバコンピュータ100は、認証した公園IDから特定される公園の位置情報を地図用サーバコンピュータ110にアクセス、送信してユーザーID(公園ID)に応じた公園地図データを取得し、該取得した公園地図データと特定した樹木データの位置情報にもとづいて公園IDに応じた公園の専用マップページを作成する。そして、作成した専用マップページのHTMLデータを含む専用マップデータを管理用携帯端末200に送信する。管理用携帯端末200は、受信した専用マップデータにもとづいて、図7(B)に示すように、公園の専用マップページを表示する。尚、該専用マップページには、樹木データ要求情報に含まれる位置情報(GPSデータ)にもとづく管理用携帯端末200の現在位置を示す現在位置マーカーと、公園内における各樹木を示すアイコンが表示される。
【0055】
尚、専用マップページの表示中においては、所定期間(例えば、5秒)毎に、GPSモジュール209から取得された位置情報(GPSデータ)が逐次、樹木管理用サーバコンピュータ100に送信されることで、現在位置マーカーの位置が更新されるようになっている。このように、本実施例では、専用マップページがWebページにもとづく形態であるので、現在位置マーカーの位置の更新を樹木管理用サーバコンピュータ100が実行する形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら現在位置マーカーの位置の更新を管理用携帯端末200によって、上記した所定期間よりもより短周期にて実行するようにしてもよい。
【0056】
図7(B)に示すように、専用マップページでは、幹周が300cm以上である樹木を示すアイコンの枠が太線且つ該アイコン内の番号が太字で表示される一方で、幹周が300cm未満である樹木を示すアイコンの枠が細線且つ該アイコン内の番号が細字で表示される。このため、本実施例の専用マップページの表示において検査者は、各樹木を示すアイコンの枠の戦の太さや該アイコン内の番号の文字の太さによって公園内に植樹されている樹木の大きさの偏りも幹周が300cm以上である樹木数を容易に把握することが可能となっている。
【0057】
専用マップページの表示では、各樹木を示すアイコン内の表示色、アイコンの文字及び枠の色が、対応する樹木の状態や種別に応じて異なっている。具体的には、図11(B)に示すように、表示色が黄色である場合は、対応する樹木の検査項目が未入力であること、つまり、未検査であることを示し、表示色が灰色である場合は、対応する樹木がすでに伐採されていることを示し、表示色が白色である場合は、対応する樹木の検査項目が入力済であること、つまり、検査済であることを示す。このため、本実施例の専用マップページの表示において検査者は、表示色によって各樹木の状態を容易に把握することが可能となっている。
【0058】
図11に示すように、樹木一覧ページにおける表示色が示す意味と、専用マップページにおけるアイコン色が示す意味とが共通していることで、これら色による意味を検査者が間違ってしまうことを防ぐことができるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの色等の形態を樹木一覧ページと専用マップページとで異なるものとしてもよい。
【0059】
また、図11(C)に示すように、アイコンの文字及び枠の色が黒色である場合は、対応する樹木の種別が定期点検木であること、つまり、本実施例における樹木管理用システムの管理対象の樹木として所定周期毎の検査対象の樹木であることを示し、アイコンの文字及び枠の色が緑色である場合は、対応する樹木の種別が名木であることを示し、アイコンの文字及び枠の色が青色である場合は、対応する樹木の種別が指定されていないことを示す。
【0060】
尚、本実施例における樹木管理用システムでは、専用マップページにおいて樹木に対応するアイコンの文字及び枠の色を、種別が定期点検僕である場合は黒色、種別が名木である場合は緑色、種別が指定されていない場合は青色とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、種別が巨樹(樹木の高さや幹周、葉張りが所定長さ以上)である樹木について、アイコンの文字及び枠を上記した黒色、緑色、青色以外の色で表示してもよい。
【0061】
尚、図7(B)及び図7(C)に示すように、これら専用マップページや樹木一覧ページの表示画面の所定位置(本実施例では各表示画面の右上部)には、「絞り込み」の項目が表示されている。図9には特に図示していないが、管理用携帯端末200では、検査者によってこの「絞り込み」の項目が選択操作されることに応じて図7(D)に示す絞り込み条件の選択画面を表示するようになっている。
【0062】
該絞り込み条件の選択画面においては、公園内に植樹されている樹木の種別や状態の項目(本実施例であれば「定期点検木」、「名木」、「巨樹」、「伐採済・除外済含む」、「未入力のみ」の項目)、専用マップページにおいて当該管理用携帯端末200を中心とした各樹木に対応するアイコンを表示する範囲の項目(「近くの樹木表示」の項目)が表示されている。
【0063】
特に「近くの樹木表示」の項目の右方には、専用マップページや一覧表示において表示する樹木の範囲(管理用携帯端末200の位置を中心として表示対象とする樹木までの距離)を調整するためのプルダウンメニューが併せて表示されている。検査者は、該プルダウンメニューを操作することによって、専用マップページにおいて各樹木に対応するアイコンを表示する範囲や、一覧表示において表示する樹木を複数の項目(例えば、「100」、「200」、「300」、「400」、「500」の5種類)から、公園の規模等に応じて適宜調整することが可能となっている。
【0064】
管理用携帯端末200は、図7(D)に示す絞り込み条件の選択画面において各項目の選択操作を受け付けた場合、該選択操作を受け付けた項目の情報を含む絞り込み条件情報を樹木管理用サーバコンピュータ100に送信する。尚、検査者が「近くの樹木表示」の項目を選択した場合、管理用携帯端末200は、プルダウンメニューから選択した項目と管理用携帯端末200の位置情報とを絞り込み条件情報に含めて送信する。
【0065】
絞り込み条件情報を受信した樹木管理用サーバコンピュータ100は、図6に示す樹木カルテデータテーブルを参照し、受信した絞り込み条件情報(「定期点検木」、「名木」、「巨樹」、「伐採済・除外済含む」、「未入力のみ」のうち、選択操作された項目に合致するか否かや、「近くの樹木表示」について選択操作された範囲)に合致する樹木を特定する。樹木管理用サーバコンピュータ100は、特定した樹木の樹木データにもとづいて樹木一覧データや専用マップデータを再度作成し、これら再度作成した樹木一覧データや専用マップデータを管理用携帯端末200に送信する。
【0066】
このようにすることで管理用携帯端末200は、樹木管理用サーバコンピュータ100から樹木一覧データや専用マップデータを再度受信することで、絞り込み条件に応じた樹木一覧ページや専用マップページを改めて表示することができる。
【0067】
図9に戻り、上記した樹木一覧ページや専用マップページを表示している状態において検査者からタッチパネルモジュール211の樹木選択操作(樹木一覧ページの表示中であれば検査者による各樹木名の選択操作、専用マップページの表示中であれば各樹木に応じたアイコンの選択操作)を受け付けた場合の管理用携帯端末200は、該選択操作に応じた樹木の樹木番号と公園IDとからなる樹木特定情報を含む検査ページデータ要求情報を樹木管理用サーバコンピュータ100に送信する。
【0068】
検査ページデータ要求情報を受信した樹木管理用サーバコンピュータ100は、検査ページデータ要求情報に含まれる樹木特定情報から樹木選択操作に応じた樹木を特定し、樹木カルテデータテーブルにおいて樹木特定情報に含まれる樹木番号と公園IDに対応付けて樹木カルテデータテーブルに記憶されているデータを、当該樹木のデータとして読み出す。
【0069】
そして、読み出した当該樹木のデータに、樹木位置のデータが記憶されているか否か、つまり、樹木位置の初回登録がされているか否かを判定する。このように判定する理由としては、樹木管理システムの運用開始時や、管理対象の公園を新たに追加した場合や、植樹等によって管理対象の樹木が追加された場合等にあっては、公園に存在している樹木について、管理用PC端末300において、検査項目毎に必要な選択肢の情報、例えば、樹木樹種や種別等を予め入力しておき、現地において検査が必要な情報である位置、写真、幹回り等の情報を管理用携帯端末200にて追加入力するようにしている。これにより、統制がとれた体系的な点検ができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理用携帯端末200に表示される図7(C)に示す樹木一覧ページにおける「新規作成」の操作メニューを操作することで、未登録の樹木に関するデータの登録を管理用携帯端末200でも実施できるようになっている。
【0070】
樹木位置の登録がある場合には、図10のAに進む一方、樹木位置の登録がない場合には、読み出した樹木のデータを反映した第1検査ページを作成し、該作成した第1検査ページのHTMLデータを含む第1検査ページデータを管理用携帯端末200に送信(返信)する。
【0071】
この第1検査ページは、図8に示す検査ページと同じではあるが、「位置情報登録」の操作メニューが操作可能(アクティブ)とされている一方、該「位置情報登録」の操作メニューの操作による樹木位置の取得が完了するまでは「カメラ起動」、「写真アップロード」の操作メニューが操作不能(非アクティブ)とされている検査ページであり、このような第1検査ページを管理用携帯端末200にて表示することで、検査者が、検査対象の樹木の場所において、樹木の写真撮像よりも先に位置情報の取得を行うようになる。
【0072】
このように、樹木の写真撮像よりも先に位置情報の取得を行うように誘導する理由としては、樹木は比較的大きいものであるので、その全体像を撮像する場合には、樹木の位置からかなり離れた位置において写真を撮像する必要があるため、これら写真を撮像した位置で位置情報が登録されてしまうと、不正確な位置が登録されてしまうことになるためであり、位置情報の取得(登録)を写真撮像よりも優先させることで、このような不正確な位置の登録を極力防ぐことができるようになる。
【0073】
管理用携帯端末200は、送信(返信)されてきた第1検査ページデータにもとづいて第1検査ページ(図8参照)を表示する。そして、管理用携帯端末200に表示された第1検査ページにおいて、検査者が、検査対象の樹木の場所において「位置情報登録」の操作メニューの操作をすると、その時点の位置情報(GPSデータ)がGPSモジュール209から取得されて樹木位置として管理用携帯端末200に一時記憶されることで、「カメラ起動」、「写真アップロード」の操作メニューが操作可能(アクティブ)とされる(樹木位置先登録制御)。
【0074】
尚、本実施例では、「位置情報登録」の操作メニューの操作時において取得した位置情報(GPSデータ)を、直ぐに樹木管理用サーバコンピュータ100に送信することなく、一時的に管理用携帯端末200に記憶しておき、他のデータである写真データ等とともに樹木管理用サーバコンピュータ100にまとめて送信する形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1検査ページにおける「位置情報登録」の操作メニューの操作時において取得した位置情報(GPSデータ)に関しては、特別として、他のデータとは個別として樹木管理用サーバコンピュータ100に直ぐに送信して登録するようにしてもよい。
【0075】
上記のように「カメラ起動」、「写真アップロード」の操作メニューが操作可能(アクティブ)とされることで、検査者は、例えば、検査対象の樹木の全体写真等を撮像可能な位置まで該樹木から離れた位置に移動し、「カメラ起動」の操作メニューを操作して管理用携帯端末200のカメラ機能を起動して、検査対象の樹木の写真を撮像する。また、これら写真撮像に前後して、検査対象の樹木についての検査を行い、検査の結果を第1検査ページの各項目に、タッチパネルモジュール211等の入力手段を用いて入力する。管理用携帯端末200は、これら入力されたデータを受付けて、各項目のデータとして一時記憶する。
【0076】
検査者は、第1検査ページの各項目への入力が全て完了した場合には、第1検査ページの下方位置に設けられている「登録」の操作メニューを操作する。この「登録」の操作メニューを操作に応じて管理用携帯端末200は、一時記憶している各項目のデータ(位置情報、樹木写真を含む)を検査済樹木データとして樹木管理用サーバコンピュータ100に送信する。この際、必須項目の入力チェックや項目間の整合チェック等を行うことで、正確な情報が入力されて登録されることを担保している。
【0077】
検査済樹木データを受信した樹木管理用サーバコンピュータ100は、受信した検査済樹木データに含まれる各データ(位置情報、樹木写真を含む)を、樹木データテーブル及び樹木カルテデータテーブルに更新記憶することで樹木データとして記憶するとともに、検査済フラグを「検査済み」を示す1に更新し、検査を行った日付を前回検査日として登録する。
【0078】
一方、樹木位置の登録がある場合に樹木管理用サーバコンピュータ100は、図10のAに進んで、読み出した樹木のデータを反映した第2検査ページを作成し、該作成した第2検査ページのHTMLデータを含む第2検査ページデータを管理用携帯端末200に送信(返信)する。
【0079】
本実施例の第2検査ページは、第1検査ページと同様、「位置情報登録」の操作メニューが操作可能(アクティブ)とされ、「カメラ起動」、「写真アップロード」の操作メニューも操作可能(アクティブ)とされている。尚、無駄な「位置情報登録」や誤操作による誤った位置登録を防ぐことを目的として、第2検査ページにおいては「位置情報登録」の操作メニューを操作不能(非アクティブ)としている。
【0080】
管理用携帯端末200は、送信(返信)されてきた第2検査ページデータにもとづいて第2検査ページ(図8参照)を表示する。そして、該表示された第2検査ページにおいて検査者は、第1検査ページにおいて予め入力された検査対象の樹木に関する各項目のデータ(写真を含む)が表示されるので、実際に検査対象の樹木を確認しながら変更点を入力するとともに、必要に応じて追加で写真撮影する。
【0081】
これら入力として樹木の写真が撮像により入力された場合には、該撮像に応じて、該撮像時点の管理用携帯端末200の位置情報(GPSデータ)がGPSモジュール209から取得されて写真撮像位置データとして樹木管理用サーバコンピュータ100に送信される。
【0082】
写真撮像位置データの受信に応じて樹木管理用サーバコンピュータ100は、該写真撮像位置データに含まれる位置情報と、樹木カルテデータテーブルに記憶されている位置情報とを比較し、写真撮像位置データに含まれる位置情報から特定される位置(撮像時の管理用携帯端末200の位置)が、樹木カルテデータテーブルに記憶されている位置情報から特定される位置(検査対象の樹木の登録位置)から特定範囲外の位置(例えば、管理用携帯端末200の位置が検査対象の樹木から半径50メートル以内)であるか否かを判定する。
【0083】
尚、これら判定を行うための特定範囲の大きさは、使用する端末のGPS機能の性能(解像度性能)に合わせて適宜に選択すればよいが、好ましくは、本実施例に例示した50メートル以下の範囲とすることが好ましい。また、これらの特定範囲の大きさは、公園の規模や公園に植えられている樹木の密度や樹種によって大きく異なることが考えられることから、公園毎に個別に変更できるようにしたり、樹木の密度や樹種毎に異なる特定範囲の大きさを適用して判断するようにしてもよい。
【0084】
判定結果が特定範囲外の位置である場合、樹木管理用サーバコンピュータ100は、管理用携帯端末200の位置が検査対象の樹木から過度に離れていること示す警告報知情報を送信する。警告報知情報を受信した管理用携帯端末200は、図12に示すように、該警告報知情報を受信したことにもとづいて管理用携帯端末200の位置が検査対象の樹木から過度に離れている旨を示す警告報知画像の表示を行うとともに、一時記憶している樹木写真のデータを消去(破棄)する。尚、判定結果が特定範囲内である場合には、樹木管理用サーバコンピュータ100は、写真撮影位置データの受信前の状態に戻ることで、管理用携帯端末200では、警告等が表示されることはない。
【0085】
警告報知画像の表示を行った場合の管理用携帯端末200は、第2検査ページを再度表示することによって検査者に、検査対象の樹木の再撮像を促し、再撮影された場合には、前回の撮影と同様に、再度、写真撮像位置データが樹木管理用サーバコンピュータ100に送信されて、検査対象の登録位置との比較が実行されることになる。これにより、誤った樹木の写真撮像データの取り込みを防ぐことができる。
【0086】
また、検査者は、上記した写真撮像に前後して、検査対象の樹木についての検査を行い、検査の結果を第2検査ページの各項目に、タッチパネルモジュール211等の入力手段を用いて入力する。管理用携帯端末200は、これら入力されたデータを受付けて、各項目のデータとして一時記憶する。
【0087】
検査者は、第2検査ページの各項目への入力が全て完了した場合には、第2検査ページの下方位置に設けられている「登録」の操作メニューを操作する。この際、必須項目の入力チェックや項目間の整合チェック等を行うことで、正確な情報の入力、登録が担保される。この「登録」の操作メニューの操作以降の流れは、図10に示すように第1検査ページの場合と同じであるので、ここでの説明は省略する。尚、本実施例では、第2検査ページまでとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3検査ページ以降の検査ページを設けた形態としてもよく、このように、第3検査ページ以降の検査ページを設けた場合においても、「登録」の操作メニューの操作以降の流れは、第1検査ページと同じとすればよい。
【0088】
このようにして、本実施例における樹木管理用システムにおいては、各公園に植樹されている樹木の検査データ、特に、位置情報や写真データを、現実に樹木が植えられている場所において管理用携帯端末200によって取得して入力することができるので、検査者が管理対象の樹木の場所においてメモ等をとること等の面倒を解消できるとともに、管理用携帯端末200にて入力されたデータが樹木管理用サーバコンピュータ100において樹木管理データ(新たな樹木データ)として管理されるようになるので、樹木管理データの作成効率を高めることができる。更には、入力したデータが正しいか否かを、検査者が、その場において確認できるようになるため、樹木管理データの正確性も高めることができる。
【0089】
また、本実施例における入力手段として、管理用携帯端末200は、該管理用携帯端末200の位置を特定可能な位置情報を取得するGPSモジュール209を備えており、該GPSモジュール209にて取得した位置情報を検査済樹木データに含めて樹木管理用サーバコンピュータ100に送信するので、検査者は、管理対象の樹木の場所において位置情報を取得することで、管理対象の樹木の正確な位置を簡便に検査済樹木データとして樹木管理用サーバコンピュータ100に送信することができ、正確な位置情報をサーバコンピュータにて管理できる。
【0090】
また、本実施例における管理用携帯端末200は、カメラモジュール208を用いて撮像した画像を位置情報とともに検査済樹木データとして樹木管理用サーバコンピュータ100に送信することができるので、管理対象の樹木な位置と画像とを樹木管理用サーバコンピュータ100にて管理することができる。
【0091】
また、本実施例の樹木管理用システムでは、図9に示すように、カメラモジュール208を用いた樹木の撮像よりも前のタイミングでGPSモジュール209を用いた位置情報の取得を実行させる樹木位置先登録制御を行うので、樹木を撮像するために管理対象の樹木の位置から離れた位置でGPSモジュール209により位置情報が取得されてしまい、検査対象の樹木の位置情報が不正確となってしまうことを極力防ぐことができる。
【0092】
尚、本実施例においては、樹木位置の登録が未だない場合には、樹木位置先登録制御を必ず実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら樹木位置先登録制御を実行しない形態として、初回の位置登録よりも前にカメラモジュール208を用いた樹木の撮像を実行可能としてもよい。
【0093】
また、本実施例において管理用携帯端末200は、図10に示すように、撮像を行った管理用携帯端末200の位置が検査対象の樹木の登録位置から所定範囲外であると樹木管理用サーバコンピュータ100が判定した場合、管理用携帯端末200の位置が検査対象の樹木から過度に離れている旨を示す警告報知画像の表示を行う。このように、管理用携帯端末200における警告報知画像の表示によって、誤った撮影を防ぎ、管理対象の樹木と管理用携帯端末200との位置関係が正確であることを検査者に認識させることができる。
【0094】
尚、上記実施例では、所定範囲外であるか否かの判定を樹木管理用サーバコンピュータ100が実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該判定を管理用携帯端末200が実行するようにしてもよい。
【0095】
また、上記実施例では、管理用携帯端末200において警告報知画像の表示を行うことで、管理対象の樹木が管理用携帯端末200とは異なる位置であることを検査者に認識させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理用携帯端末200からのビープ音等の特定音の出力、管理用携帯端末200の画面を発光させる等の手段によって管理対象の樹木の登録位置が管理用携帯端末200の現在位置とは異なることを検査者に認識させてもよい。
【0096】
また、本実施例において管理用携帯端末200は、図7(D)に示す絞り込み条件選択の画面において、管理用携帯端末200の現在位置から所定範囲内の樹木を特定可能となっており、特定した樹木のデータを一覧表示可能となっているので、検査者は、管理対象の樹木のうち、管理用携帯端末200から所定範囲内の樹木を容易に特定することができ、検査を行う樹木を選択する手間や検査を行う樹木まで移動する時間を軽減することができる。
【0097】
また、本実施例において管理用携帯端末200は、図7(D)に示す絞り込み条件選択の画面において、管理用携帯端末200の現在位置から特定可能な樹木までの距離を変更可能となっているので、検査を行う樹木を選択する手間や検査を行う樹木まで移動する時間をより軽減することができる。
【0098】
また、本実施例において管理用携帯端末200は、図11に示すように、一覧表示や専用マップページにおいて、未検査の樹木については背景色を黄色にて表示する一方で、検査済の樹木については背景色を白色で表示するので、検査者は、樹木について背景色が黄色と白色のどちらで表示されているかを容易に認識することができ、効率よく樹木の検査を行うことができる。
【0099】
また、本実施例における管理用携帯端末200は、樹木一覧ページや専用マップページを表示している状態において検査者からタッチパネルモジュール211の樹木選択操作を受け付けることで、未検査の樹木に関する検査項目を含む検査ページを表示するので、検査者は、背景色が黄色である樹木についての選択操作を行うのみで未検査の樹木に関する検査事項を視認性が高く認識できるので、煩雑な操作を行うこと無く樹木の検査を行うことができる。
【0100】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0101】
例えば、上記した実施例における樹木管理用システムでは、予め管理用携帯端末200にインストールされているウェブブラウザを介して各公園に植樹されている樹木の検査を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め管理用携帯端末200に本発明の樹木管理用システム専用のアプリケーションをインストールしておき、該専用のアプリケーションを介して各公園に植樹されている樹木の検査を実行可能なものとしてもよい。
【0102】
また、上記した実施例における樹木管理システムでは、図9に示すように、管理用携帯端末200は、検査ページデータを受信した時点で該管理用携帯端末200の位置情報を取得し、その後に検査対象の樹木の写真撮像を実行可能である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理用携帯端末200が該管理用携帯端末200の位置情報を取得するタイミングは、検査ページデータを受信したタイミングから樹木管理用サーバコンピュータ100に検査済樹木データを送信するまでのタイミングの間であればいずれのタイミングであってもよい。
【0103】
また、上記した実施例では、図9に示すように、検査済樹木データに含まれる位置情報の示す位置(管理用携帯端末200の位置)が、樹木カルテデータテーブルに記憶されている位置情報の示す位置(検査対象の樹木の位置)から特定範囲外の位置であるか否かを樹木管理用サーバコンピュータ100が判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検査済樹木データに含まれる位置情報の示す位置が、樹木カルテデータテーブルに記憶されている位置情報の示す位置から特定範囲外の位置であるか否かの判定は、管理用携帯端末200が実行してもよい。
【0104】
また、上記した実施例では、図7(A)~図7(C)に示すように、初期画面(トップページ)に表示されている「樹木一覧」や「マップ」の項目を検査者が選択操作することによって、管理用携帯端末200が各選択操作に応じた表示(「樹木一覧」が選択操作された場合は樹木一覧ページ、「マップ」が選択操作された場合は専用マップページ)を表示する形態、つまり、初期画面(トップページ)を介して樹木一覧ページと専用マップページとの切り替えを実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、樹木一覧ページの表示中に「マップ」の項目が選択操作された場合は、管理用携帯端末200において樹木一覧ページに替えて専用マップページの表示を行ってもよいし、専用マップページの表示中に「樹木一覧」の項目が選択操作された場合は、管理用携帯端末200において専用マップページの表示に替えて樹木一覧ページの表示を行ってもよい。このようにすることで、公園内に存在する各樹木の状況を、効率よく把握することができる。尚、上記した実施例では、図7(C)に示す「園内場所」の項目が選択された場合に、管理用携帯端末200において専用マップページの表示に替えて樹木一覧ページの表示が行なわれる。また、専用マップページの表示中に図7(B)に示すマップ内の番号を選択操作すると、該樹木の検査ページに切り替わる。
【0105】
また、本実施例では、管理用携帯端末200を用いて検査が実行された樹木については、樹木管理用サーバコンピュータ100が樹木カルテデータテーブルにおいて樹木に応じた検査済フラグをセットすることで、検査済であることを識別可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、樹木管理用サーバコンピュータ100は、定期的に樹木カルテデータテーブルにおいて検査済フラグがセットされている樹木の前回検査日を参照し、該前回検査日から特定期間(たとえば、7~9月)が経過している場合は、検査済フラグをクリア(検査済フラグ値を「0」にセット)してもよい。このようにすることで、検査済フラグがクリアされた樹木は、改めて検査者による検査対象の樹木となるので、公園に植樹されている各樹木を定期的に検査することが可能となる。
【0106】
また、上記した実施例では、管理用PC端末300での操作について詳細には説明してないが、管理用PC端末300においても管理用携帯端末200と同様に、樹木管理用サーバコンピュータ100に検査者(管理者)がログインすることで、管理用携帯端末200と同じく、図示しないPC用樹木一覧ページ並びにPC用専用マップページが表示されるようになっており、これらPC用樹木一覧ページ並びにPC用専用マップページにおいて樹木を選択することで、樹木の写真や位置等の詳細なデータを閲覧できるとともに、データの修正や削除等の編集を行うことができるようになっており、このようにすることで、樹木管理用システムの利便性を向上させることができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら管理用PC端末300においては、樹木データの閲覧のみが可能としてもよい。
【0107】
また、上記した実施例では、管理用携帯端末200、管理用PC端末300、樹木管理用サーバコンピュータ100、地図用サーバコンピュータ110、システム管理者端末150を、オープンコンピュータネットワークであるインターネット網Nを介して相互にデータ通信可能に接続する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各公園と樹木管理用サーバコンピュータ100等とを専用回線を介して接続することで、クローズドコンピュータネットワーク接続としてもよい。
【0108】
また、上記した実施例では、管理用携帯端末200における撮像時に位置情報を取得して、管理対象の樹木の登録位置と比較する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2検査ページにおいて写真以外の特定の項目、例えば、検査対象の樹木に接近して検査することが必要な項目のデータが入力された時点において位置情報を取得して、管理対象の樹木の登録位置と比較する形態としてもよい。
【0109】
また、上記した実施例では、未検査の樹木表示を樹木一覧ページと専用マップページの双方において行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、樹木一覧ページと専用マップページのいずれか一方だけとしてもよいし、未検査の樹木表示を行わない形態としてもよい。
【0110】
また、上記した実施例では、樹木位置先登録制御として、位置情報登録を行わないとカメラ機能のメニューを操作できないようにした形態を例示しているが、このようにすることは、位置情報登録を写真撮像よりも確実に先行させることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ機能のメニューを操作不能とすることに代えて、カメラ機能のメニューを操作はできるものの、該操作時に、「先に位置情報登録を行ってください」のメッセージ等を表示する等により、位置情報登録を先行させるようにしてもよい。
【0111】
また、上記した実施例では、管理対象施設を公園とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら管理対象施設は、例えば神社やお寺等の施設であってもよいし、全国にチェーン展開しているゴルフ場や温泉施設等であってもよく、樹木の管理を必要としている施設であれば本発明を適用することができる。
【0112】
また、上記した実施例では、各検査者を認証するためのIDに会社コード等を含めない形態を例示しているが、これらIDに会社コード等の情報を含めた形態としてもよい。
【符号の説明】
【0113】
100 樹木管理用サーバコンピュータ(サーバコンピュータ)
110 地図用サーバコンピュータ
150 システム管理者端末
200 管理用携帯端末(携帯端末)
206 モバイル通信モジュール(無線データ通信手段)
208 カメラモジュール(撮像手段)
209 GPSモジュール(位置特定情報取得手段)
211 タッチパネルモジュール(入力手段)
212 ローカル通信モジュール(無線データ通信手段)
N インターネット網
【要約】
【課題】管理用データの作成効率、視認性並びに正確性を高めること。
【解決手段】検査者が携行可能な携帯端末とコンピュータネットワークにデータ通信可能に接続されたサーバコンピュータとを少なくとも含む樹木管理用システムであって、携帯端末は、管理対象の樹木に関する樹木データを入力可能な入力手段と、コンピュータネットワークを介したサーバコンピュータとのデータ通信を無線通信にて実行可能な無線データ通信手段とを備え、入力手段にて入力された樹木データを、マップ情報や写真画像も取り込みながら無線データ通信手段を用いてサーバコンピュータに送信し、サーバコンピュータは、携帯端末から送信されてきた樹木データを樹木管理データとして記憶する。
【選択図】図9
図1
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図12