(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】測位装置及び測位システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20250310BHJP
G01C 21/28 20060101ALI20250310BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
G05D1/43
G01C21/28
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2020161893
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-05-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】小川 純平
(72)【発明者】
【氏名】鮫田 芳富
(72)【発明者】
【氏名】西川 浩行
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-190945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
G01C 21/00 -21/36
G01C 23/00 -25/00
G08G 1/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車が走行している際の前記台車の角速度と前記台車の移動速度の関係を示す関数を記
憶する記憶部と、
前記台車に備えられる距離センサから、
取得した時刻を含む前記距離センサから走行面
までの距離を示す距離情報と、前記台車に備えられる角速度センサから、
取得した時刻を
含む走行している際の前記台車の角速度を示す角速度情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した距離情報及び角速度情報に基づいて、
一定期間における前記距離
情報の最大値と最小値の差及び一定期間における角速度の標準偏差を算出し、算出した前
記最大値と最小値の差に基づいて前記関数の係数を修正し、修正された前記関数及び
算出
した前記標準偏差に基づいて、
前記台車の移動速度を算出し、前記移動速度を出力する制
御部と、
を備える測位装置。
【請求項2】
取得した時刻を含む台車から走行面までの距離を示す距離情報を取得する距離センサと
、
取得した時刻を含む前記台車が走行している際の角速度を示す角速度情報を取得する角
速度センサと、
前記台車が走行している際の前記台車の角速度と前記台車の移動速度の関係を示す関数
を記憶する記憶部と、
前記距離センサが取得した距離情報及び前記角速度センサが取得した角速度情報に基づ
いて一定期間における前記距離情報の最大値と最小値の差及び一定期間における角速度の
標準偏差を算出し、算出した前記最大値と最小値の差に基づいて前記関数の係数を修正し
、前記記憶部が記憶する修正された関数及び算出した前記標準偏差に基づいて、前記台車
の移動速度を算出し、前記移動速度を出力する制御部と、
を備える測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、測位装置及び測位システムに係る。
【背景技術】
【0002】
近年、工場やプラント内作業の業務効率の向上のために、自動搬送車や台車などの車両の移動分析に必要な測位技術が注目されている。GPS(Global Positioning System)を使用できない屋内の測位技術として、床面の凹凸から移動速度を推定し、車両の位置を推定する方法が存在する。
【0003】
しかし、この方法は、環境ごとに床面の凹凸を学習するためにキャリブレーションが必要となり手間が大きい。また、床面の大きな凹凸によって誤差が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態に係る課題は、台車を精度よく測位することが可能な測位装置及び測位システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の測位装置は、記憶部と、取得部と、制御部を備える。記憶部は、台車が走
行した際の台車の角速度と台車の移動速度の関係を示す関数を記憶する。取得部は、台車
に備えられる距離センサから、取得した時刻を含む距離センサから走行面までの距離を示
す距離情報と、台車に備えられる角速度センサから、取得した時刻を含む走行している際
の台車の角速度を示す角速度情報を取得する。制御部は、取得部が取得した距離情報及び
角速度情報に基づいて一定期間における距離情報の最大値と最小値の差及び一定期間にお
ける角速度の標準偏差を算出し、算出した最大値と最小値の差に基づいて関数の係数を修
正し、修正された関数及び算出した標準偏差に基づいて、台車の移動速度を算出し、移動
速度を出力する。
【0007】
また、本実施形態の測位システムは、距離センサと、角速度センサと、制御装置を備え
る。距離センサは、取得した時刻を含む台車から走行面までの距離を示す距離情報を取得
する。角速度センサは、取得した時刻を含む台車が走行している際の角速度を示す角速度
情報を取得する。制御装置は、台車が走行した際の台車の角速度と台車の移動速度の関係
を示す関数を記憶し、距離センサが取得した距離情報及び角速度センサが取得した角速度
情報に基づいて一定期間における距離情報の最大値と最小値の差及び、一定期間における
角速度の標準偏差を算出し、算出した前記最大値と最小値の差に基づいて関数の係数を修
正し、記憶部が記憶する修正された関数及び算出した標準偏差に基づいて、台車の移動速
度を算出し、移動速度を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る測位システムの概略構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る台車の構成を示す側面図及び上面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る測位システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る測位装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る測位装置のプロセッサの制御全体の動作フローの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る測位装置のプロセッサの自己位置算出処理の動作フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る測位装置のプロセッサの制御全体の動作フローの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための実施形態について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る測位システムSの概略構成の一例を示す概略図である。
図1に示す通り、測位システムSは、台車101と、測位装置102と、基準位置送信装置103と、無線通信装置104と、上位サーバ105と、を有している。
【0011】
測位システムSは、台車101の位置を測位し、管理するためのシステムである。例えば、測位システムSは、工場やプラント内作業の業務効率の向上のために、台車101の移動分析に用いられる。
【0012】
台車101は、使用者が荷物を運ぶときに手で押して使用する手押し台車である。なお、GPSが利用できない環境で自己位置を記録及び管理したい移動体であればよい。例えば、AGV(Automated guided vehicle)やフォークリフトであってもよい。
【0013】
測位装置102は、台車101の振動による角速度の変化を示す角速度情報及び台車101から走行面までの距離を示す距離情報を取得し、取得した情報に基づいて台車101の移動速度、移動方向、移動距離を算出し、工場やプラント内に設定される基準位置からの相対位置を算出することで、台車101の自己位置を測位する装置である。
【0014】
基準位置送信装置103は、基準位置の情報を取得する手段の一例であり、例えば、基準位置を特定可能な信号を送信する装置である。基準位置送信装置103は、台車101が基準位置送信装置103近傍の所定位置に到着した際に、測位装置102に基準位置の情報を送信する。基準位置送信装置103は、基準位置に対応する壁面、床面、又は天井に固定されている。これにより、台車101は、基準位置に到達するたびに自己位置を取得することができる。また、測位装置102によって測位された台車101の自己位置を、基準位置の情報を取得することで修正することができる。なお、基準位置の情報を取得する手段は、マーカなどを撮影して取得してもよいし、ゲート装置を通過することで取得してもよい。
【0015】
本実施形態では、複数の基準位置送信装置103が設けられている。これらの基準位置送信装置103は、電波信号を送信する。電波信号は、基準位置送信装置103近傍の限られた領域107でのみ受信できる程度の弱い出力で送信される。つまり、基準位置送信装置103は、基準位置にある台車101に備えられる測位装置102に対して電波信号を送信する。そして、電波信号は、台車101に備えられる測位装置102により受信される。
【0016】
図1では、第一の基準位置送信装置103aと、第二の基準位置送信装置103bの二つの基準位置送信装置103が壁面に設けられている。例えば、第一の基準位置送信装置103aは、領域107a内にのみ第一の基準位置の情報を持つ電波信号を送信し、第二の基準位置送信装置103bは、領域107b内にのみ第一の基準位置とは異なる第二の基準位置の情報を持つ電波信号を送信する。なお、3つ以上の基準位置送信装置103を設けても良い。3つ以上の基準位置送信装置103を設ける場合は、これらの基準位置送信装置103に対応する基準位置の領域107がそれぞれ設けられる。これにより、測位装置102は、台車101の自己位置を算出する際に、基準位置による修正を行うことができる箇所を増やすことができる。
【0017】
台車101に備えられる測位装置102は、台車101が第一の基準位置の領域107aに入ると、第一の基準位置送信装置103aから受信する電波信号に基づいて、台車101が第一の基準位置に位置することを把握できる。さらに、台車101が移動して、台車101が第2の基準位置の領域107bに入ると、第二の基準位置送信装置103bから受信する電波信号に基づいて、台車101が第二の基準位置に位置することを把握できる。それぞれの基準位置送信装置103から出力される電波信号には、対応する基準位置を特定可能な基準位置の情報(識別情報)を持つ。この基準位置の情報は、上位サーバ105によって、それぞれの基準位置送信装置103に予め設定される。なお、基準位置送信装置103が出力する電波信号に現在時刻を示す時刻情報が含まれても良い。
【0018】
無線通信装置104は、工場やプラント内の壁面に設けられている。この無線通信装置104は、台車101に備えられる測位装置102と無線信号108を用いて情報の送受信を行う。そして、台車101の自己位置(車両位置情報)を含む各種情報が無線通信を介して上位サーバ105に伝達される。
【0019】
上位サーバ105は、ネットワークを介して無線通信装置104に接続されている。上位サーバ105は、台車101に備えられる測位装置102から取得した情報に基づいて台車101の位置を特定する。そして、上位サーバ105を扱う管理者が台車101の位置の確認などの作業の管理を行うことができる。
【0020】
なお、本実施形態では、1台の台車101のみを使用する態様を例示しているが、複数台の台車101を使用してもよい。そして、それぞれの台車101の測位装置102は、各測位装置102を識別可能な端末情報(識別情報)を自己位置とともに上位サーバ105に送信する。なお、上位サーバ105は、端末情報と台車101を識別可能な情報とを対応付けて記憶している。
【0021】
図2は、本実施形態に係る台車101の構成を示す側面図及び上面図である。
図2に示す通り、台車101は、角速度センサ201と、距離センサ202と、測位装置102と、を備える。
【0022】
台車101は、床面203を走行するための車輪204(タイヤ)と、荷物を載せる基部205と、使用者が把持する把手206と、により構成されている。本実施形態では、台車101において進行方向である前後方向を向く水平軸をX軸とし、進行方向に垂直な横方向を向く水平軸をY軸とし、台車101の上下方向を向く垂直軸をZ軸として説明する。
【0023】
角速度センサ201は、台車101の所定の位置に備えられており、台車101を走行させたときに生じる振動を示す角速度情報を検出するセンサである。台車101が床面203を走行すると、床面203の微小な凹凸によって台車101に振動(揺れ)が発生する。なお、このような走行時の振動は、車輪204の車軸の周りにボールを配置したベアリング構造によっても発生する。例えば、ベアリングを構成するボールの回転により振動が発生する。この振動を、X軸と、Y軸と、Z軸とのそれぞれについて検出し、測位装置102に送信する。なお、角速度センサ201の代わりに加速度センサを使用し、台車101の移動速度、移動方向、及び移動距離を算出するための情報に、加速度情報を用いてもよい。
【0024】
距離センサ202は、基部205の下面における台車101の車輪204近傍に備えられており、距離センサ202から床面203までの距離を示す距離情報を検出するセンサである。例えば、距離センサ202は、レーザーレンジファインダであり、赤外線レーザを発振して床面203に照射する。その反射光の受光までの時間に基づいて床面203までの距離を取得し、測位装置102に送信する。なお、距離センサ202は、一つでも良いし、複数の距離センサ202を設置してそれぞれの距離センサ202の値を平均して距離情報として扱ってもよい。
【0025】
また、距離センサ202を、台車101の中心や、ダンパの影響を受けにくい車輪204の支柱などに設置しても良い。例えば、台車101によって、床面203の凹凸以上に車体が揺れ、床面203との距離情報が正確に取得できない場合が存在する。そのような影響を低減するために、揺れの影響の少ない台車101の中心や、車輪204の支柱などダンパの影響を受けにくい箇所に距離センサ202を設置する。これにより、距離情報を正確に取得でき、関数の係数を精度良く求めることができる。
【0026】
測位装置102と、角速度センサ201と、距離センサ202は、台車101に後付けで備えられてもよいし、台車101の製造時に予め組み込まれてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る測位システムSの概略構成の一例を示すブロック図である。
図3で示すように、測位システムSは、上位サーバ105と、一つ又は複数の測位装置102と、一つ又は複数の基準位置送信装置103を備えており、それらは互いにネットワークを介して通信する。
【0028】
上位サーバ105は、測位装置102と基準位置送信装置103を統括的に制御する。上位サーバ105は、台車101の初期位置となる自己位置の情報を測位装置102に送信する。また、上位サーバ105は、測位装置102が備えられている台車101の自己位置を測位装置102から受信する。
【0029】
測位装置102は、角速度センサ201と距離センサ202とを備えている。測位装置102は、角速度センサ201から角速度情報を取得し、距離センサ202から距離情報を取得し、上位サーバ105から台車101の初期位置となる自己位置の情報を取得する。また、測位装置102は、基準位置送信装置103が送信する電波信号から基準位置の情報を受信する。さらに、測位装置102は、算出した台車101の自己位置を上位サーバ105に送信する。なお、測位装置102は、他の測位装置102と通信し、互いの関数や角速度情報、距離情報を取得してもよい。
【0030】
基準位置送信装置103は、基準位置送信装置103が設置されている場所に対応する基準位置の情報を上位サーバ105から取得し、基準位置の情報を電波信号に乗せて送信する。
【0031】
図4は、実施形態に係る測位装置102の概略構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、測位装置102は、プロセッサ401(制御部)と、ROM402(read-only memory)と、RAM403(random-access memory)と、補助記憶デバイス404(記憶部)と、通信インタフェース405(取得部)と、を有している。
【0032】
プロセッサ401は、測位装置102の処理に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当し、測位装置102全体を統合的に制御する。プロセッサ401は、ROM402又は補助記憶デバイス404などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、測位装置102の各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ401は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ401は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0033】
ROM402は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM402は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM402は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM402は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0034】
RAM403は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM403は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM403は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0035】
補助記憶デバイス404は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス404は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス404は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス404は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ401での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0036】
補助記憶デバイス404は、関数情報406と、位置情報407と、センサ間距離408と、台車情報409と、を記憶している。
【0037】
関数情報406は、台車101が走行したときに生じる振動に基づく台車101の水平
軸周りの変化量と台車101の移動速度との関係を示す関数(関係式)である。なお、関
数情報406は、台車101の前後方向を向く水平軸であるX軸と、台車101の横方向
を向く水平軸であるY軸の少なくともいずれか一方の水平軸周りの変化量と台車101の
移動速度との関係を示す情報であれば良い。この関数情報406を用いることで、台車1
01の角速度の変化量、例えば、後述する一定期間における角速度のばらつきを示す標準
偏差を含む角速度情報から台車101の移動速度を算出することができる。関数は例えば
、ν=a1×g+a2である。ここで、「ν」は移動速度、「a1」と「a2」は関数情
報406に与えられる係数、「g」は角速度情報を表す。この式に基づいて、プロセッサ
401が台車101の移動速度を算出する。
【0038】
位置情報407として、補助記憶デバイス404は、第一及び第二の基準位置の情報と、台車101の自己位置の情報を記憶している。
【0039】
第一及び第二の基準位置の情報は、基準位置送信装置103から受信した、複数ある基準位置送信装置103に対応した基準位置に関する情報である。例えば、基準位置の情報は、工場又はプラント内の地図情報と、その地図上に設定された基準位置の場所との対応付けである。プロセッサ401は、基準位置送信装置103から通信インタフェース405を介して、その基準位置送信装置103が設置されている基準位置に対応したIDを受信する。プロセッサ401は、受信したIDに対応する地図上の基準位置の場所の情報を取得する。
【0040】
台車101の自己位置の情報は、第一の相対位置であり、測位装置102で算出した台車101の自己位置である。台車101の自己位置は、基準位置からどの方向にどれくらい離れているかによって測位される。台車101の自己位置の情報は、プロセッサ401によって通信インタフェース405を介して上位サーバ105に送信される。
【0041】
センサ間距離408は、台車101に備えられる距離センサ202が複数備えられる場合の、距離センサ202間のX方向、Y方向の距離である。本実施形態では、第一の距離センサ202a及び第二の距離センサ202bの間の距離を記憶する。なお、台車101に備えられる距離センサ202が一つである場合は、補助記憶デバイス404はセンサ間距離408を記憶しない。また、台車101が三つ以上の距離センサ202を備えている場合、それぞれの距離センサ202に対するセンサ間距離408を記憶する。
【0042】
台車情報409は、台車の仕様に関する情報を示す。台車情報409は、台車101の車輪204の外径、車輪204の剛性、ダンパの有無のうち少なくとも一つを含む。
【0043】
ROM402又は補助記憶デバイス404に記憶されるプログラムは、測位装置102を制御するためのプログラムを含む。一例として、測位装置102は、当該プログラムがROM402又は補助記憶デバイス404に記憶された状態で測位装置102の管理者などへと譲渡される。しかしながら、測位装置102は、当該プログラムがROM402又は補助記憶デバイス404に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、台車101の位置を測定するためのプログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下に補助記憶デバイス404へ書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0044】
通信インタフェース405は、取得部として機能し、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。
【0045】
通信インタフェース405は、台車101に備えられる距離センサ202から、距離センサ202から床面203までの距離を示す距離情報と、台車101に備えられる角速度センサ201から、走行している際の台車101の角速度を示す角速度情報を取得する。
【0046】
また、通信インタフェース405は、台車101が第一の基準位置に位置した際に、第一の基準位置の情報を取得する。例えば、台車101が基準位置送信装置103の電波信号を受信可能な領域107に位置する際に、通信インタフェース405は基準位置の情報を受信する。また、通信インタフェース405は、測位装置102が算出する台車101の自己位置を上位サーバ105に送信する。
【0047】
プロセッサ401は、通信インタフェース405が取得した距離情報及び角速度情報に基づいて関数の係数を修正し、修正された関数及び通信インタフェース405が取得した角速度情報に基づいて、台車の移動速度及び移動方向を算出する。
【0048】
例えば、プロセッサ401は、通信インタフェース405を介して、台車101に備えられる角速度センサ及び距離センサから角速度情報及び距離情報を一定期間取得する。プロセッサ401は、取得した一定期間分の角速度の変化量のばらつきを算出する。台車101に生じる角速度の変化量のばらつきは、台車101の移動速度に比例し、台車101の移動速度が速い場合は角速度のばらつきが大きくなり、台車101の移動速度が遅い場合は角速度のばらつきが小さくなる。本実施形態では、角速度の変化量のばらつきとして、標準偏差を使用する。
【0049】
また、プロセッサ401は、距離情報の最大最小差を算出する。例えば、一定期間内に取得した複数の距離情報の中で、最大の値と最小の値の差を算出し、補助記憶デバイス404に記憶する。距離情報は、床面203の凹凸により値が変化し、床面203にある凸部の上を走行する場合、距離情報の値は小さくなり、床面203にある凹部の上を走行する場合、距離情報の値は大きくなる。対して、距離情報は、台車101の移動速度によって変化しない。床面203の凹凸の上を走行する移動速度によって、角速度の変化量が大きい場合に、実際の移動速度と算出した移動速度との差が小さくなるように関数の係数を修正する。例えば、距離情報の最大最小差が大きいときには関数の係数を小さくし、距離情報の最大最小差が小さいときには関数の係数を大きくするように修正する。これにより、床面203の凹凸の上を走行した場合であっても、精度よく移動速度を算出することができる。
【0050】
また、プロセッサ401は、角速度の変化量のばらつきを関数に代入し、移動速度及び
移動方向を算出する。そして、プロセッサ401は、算出した移動速度及び移動方向に基
づいて、台車101の移動距離を算出する。例えば、補助記憶デバイス404が記憶する
関数に角速度のばらつき量を代入し、移動速度 を算出する。移動方向の算出は、X軸と
、Y軸と、Z軸との3つの軸の内少なくとも一つの軸を用いて移動方向を算出する。これ
により、角速度情報を用いて、台車101の移動速度と移動方向の両方を推定することが
できる。
【0051】
また、プロセッサ401は、算出した移動速度及び移動方向と、角速度情報及び距離情報を取得した一定期間の時間に基づいて、移動距離を算出する。例えば、算出した移動速度と、角速度情報及び距離情報を取得した最初と最後の時刻の差に基づいて、移動距離を算出する。
【0052】
また、プロセッサ401は、第一の基準位置から移動した際の第一の移動速度及び第一の移動方向と、第一の基準位置の情報に基づいて、第一の基準位置から移動した台車101の第一の相対位置を算出する。また、プロセッサ401は、第一の相対位置から移動した際の第二の移動速度および第二の移動方向と、第一の相対位置に基づいて、第一の相対位置から移動した台車101の第二の相対位置を算出する。例えば、X軸と、Y軸と、Z軸との3つの軸の内少なくとも一つの軸について、通信インタフェース405を介して基準位置送信装置103から受信した基準位置の情報又は補助記憶デバイス404が記憶する自己位置の情報のうち新しい位置の情報と、算出した移動方向と移動距離に基づいて、相対位置を算出し、自己位置の情報を更新する。これにより、基準位置という絶対位置に基づいて台車101の相対位置を推定することで、精度良く台車101を測位できる。
【0053】
また、プロセッサ401は、算出した移動速度、移動方向、移動距離、第一の相対位置、及び第二の相対位置を出力する。例えば、プロセッサ401は、通信インタフェース405を介して、移動速度、移動方向、移動距離、第一の相対位置、及び第二の相対位置を含んでいる、更新した自己位置の情報を上位サーバ105に出力する。これにより、上位サーバ105は、複数の測位装置102の自己位置を統合的に管理することができる。
【0054】
また、プロセッサ401は、台車101が第一の基準位置から第二の基準位置まで移動した際に算出した第一の基準位置に対する第二の基準位置の相対位置と、第一の基準位置及び第二の基準位置の情報との差に基づいて、関数の係数を修正する。例えば、プロセッサ401が、基準位置送信装置103から通信インタフェース405を介して第二の基準位置の情報を取得した際に、補助記憶デバイス404がすでに第一の基準位置を記憶していた場合、台車101の自己位置と第二の基準位置を比較して自己位置のずれを算出する。プロセッサ401は、第一の基準位置に基づいて自己位置を算出する際に、算出したずれが小さくなるように関数の係数を修正する。これにより、基準位置から得られる絶対位置の情報を基に、基準位置間の移動距離を精度良く求めることができる。
【0055】
また、プロセッサ401は、距離センサ202が一定の区間で取得した時系列に沿った距離情報において、距離情報の変化量のばらつきが、距離情報における最大値と最小値の差に基づく所定の閾値よりも小さい場合に、関数の係数を修正する。例えば、一定期間内の距離情報の変化量のばらつきと、同じ一定期間内の最大値と最小値の差を比較して、距離情報の変化量のばらつきが、最大値と最小値の差に係数を掛けた値(例えば、2分の1)より小さい場合に、急なでっぱりなどの障害が存在すると判断し、移動速度が小さくなるように関数の係数を修正してもよい。急なでっぱりなどの障害により、測位対象の範囲の凹凸が一様でない場合に、最大値と最小値の差から関数の係数を精度良く求めることができない。これに対して、距離情報の変化量ばらつきと、最大値と最小値の差から凹凸が一様かどうかを判断することで、急なでっぱりを検出して関数の精度を高めることができる。
【0056】
また、プロセッサ401は、第一の距離センサ202a及び第二の距離センサ202bが取得した距離情報に所定の範囲以外の値が含まれている場合、センサ間距離と第一の距離センサ202aが所定の範囲以外の値を取得した時間と第二の距離センサ202bが所定の範囲以外の値を取得した時間との差に基づいて第三の移動速度を算出し、第三の移動速度に基づいて前記関数の係数を修正する。例えば、台車101が床面203にある凸部の上を走行した際に、距離センサ202から床面203までの距離を検出する距離情報の値が著しく小さくなる。台車101に備えられる第一の距離センサ202aと第二の距離センサ202bとのセンサ間距離が十分に離れている場合、それぞれが検出する距離情報が大きく変化するまでの時間が異なる。さらに、床面203にある凸部の上をゆっくり走行した場合は、距離情報が変化する時間の差は大きくなり、速く走行した場合は距離情報が変化する時間の差は小さくなる。この距離情報が変化する時間の差と、補助記憶デバイス404が記憶する第一の距離センサ202aと第二の距離センサ202bとのセンサ間距離408に基づいて移動速度を算出し、角速度情報、距離情報、及び関数に基づいて算出した移動速度が、センサ間距離408に基づいて算出した移動速度と近似するように関数の係数を修正する。これにより、台車101に備えられる第一の距離センサ202aと第二の距離センサ202bが検出する路面の状態のパターンを比較し、特徴的な凹凸の対応する箇所を見つけることで、第一の距離センサ202aと第二の距離センサ202bが同一地点を移動した時間を推定することができる。また、推定した時間とセンサ間距離408に基づいて移動距離を算出し、算出した移動距離を基に関数の係数を修正することで、精度の高い測位を実現することができる。
【0057】
また、プロセッサ401は、台車情報409に基づいて、関数の係数を修正する。例えば、台車の車輪204の外径が大きいほど、振動が小さくなるので、角速度の変化量は小さくなる。したがって、プロセッサ401は、台車情報409として記憶されている車輪204の外径の値に比例して関数の係数が小さくなるように修正する。これにより、台車101の仕様の違いによらず精度良く台車101を測位できる。
【0058】
なお、台車101の移動速度、移動方向、及び移動距離を算出するために使用する情報に、加速度の情報を用いてもよい。また、台車101に備えられるセンサから角速度情報及び距離情報を取得して上位サーバ105に送信して、台車101の移動速度、移動方向、移動距離、及び台車101の自己位置の算出を上位サーバ105で行ってもよい。
【0059】
図5は、実施形態に係る測位装置102のプロセッサ401の制御全体の動作フローの一例を示すフローチャートである。初めに、プロセッサ401は、関数情報406、自己位置、及び基準位置を初期化する(ST0)。また、上位サーバ105から、初期状態として関数情報406、自己位置、及び基準位置を取得し、補助記憶デバイス404に記憶してもよい。
【0060】
次に、プロセッサ401は、台車101の自己位置算出処理を行う(ST1)。プロセッサ401は、角速度情報及び距離情報に基づいて、移動速度、移動方向、及び移動距離を算出し、基準位置に基づく相対位置から自己位置を推定する。
【0061】
プロセッサ401は、自己位置を算出した後、台車101が基準位置に位置するか否か判断し(ST2)、台車101が基準位置に位置する場合(ST2、Yes)、基準位置を記憶する(ST3)。例えば、測位装置102が基準位置送信装置103の領域107の中に位置する場合、基準位置送信装置103が送信する電波信号を受信することができる。すなわち、基準位置送信装置103が送信する電波信号を受信した際に、プロセッサ401は、台車101が基準位置に位置すると判断し、受信した電波信号から基準位置の情報を取得し補助記憶デバイス404に記憶し、ST1に戻る。また、測位装置102の電源を切るといった操作者による操作によって処理を終了する。
【0062】
図6は、実施形態に係る測位装置102のプロセッサ401の自己位置算出処理の動作フローの一例を示すフローチャートである。
プロセッサ401は、通信インタフェース405を介して、角速度センサから角速度情報を取得し(ST5)、距離センサから距離情報を取得し、取得した時刻に関連付けて補助記憶デバイス404に記憶する(ST6)。
【0063】
プロセッサ401は、角速度情報及び距離情報が一定期間分取得されたかを判断し(ST7)、一定期間分取得されていない場合(ST7、No)、ST5に処理を戻す。角速度情報及び距離情報が一定期間分取得された場合(ST7、Yes)、プロセッサ401は、角速度情報についてばらつき量を算出する(ST8)。次に、プロセッサ401は、距離情報の最大最小差を算出する(ST9)。プロセッサ401は、算出した距離情報の最大最小差に基づいて、関数の係数を修正する(ST10)。
【0064】
プロセッサ401は、修正した関数に角速度情報を代入し、移動速度及び移動方向を算出する(ST11)。例えば、補助記憶デバイス404が記憶する関数を基に、角速度のばらつき量を代入し、移動速度を算出する。移動速度の算出は、X軸と、Y軸と、Z軸との内少なくとも一つの軸について算出を行う。
【0065】
プロセッサ401は、算出した移動速度及び移動速度と、角速度情報及び距離情報を取得した一定期間の時間に基づいて、移動距離を算出する(ST12)。例えば、算出した移動速度と、角速度情報及び距離情報を取得した最初と最後の時刻の差に基づいて、X軸と、Y軸と、Z軸との内少なくとも一つの軸について移動距離を算出する。
【0066】
プロセッサ401は、移動距離と、自己位置又は基準位置に基づいて、現在の自己位置からの相対位置を算出する(ST13)。例えば、算出した移動方向及び移動距離と、補助記憶デバイス404に記憶している基準位置の情報又は自己位置の情報のうち最新の情報に基づいて、基準位置からどの方向にどれだけ移動したかを示す相対位置を算出する。算出した相対位置を基に自己位置の情報を更新し(ST14)、自己位置算出処理を終了する。
【0067】
図7は、実施形態に係る測位装置102のプロセッサ401の制御全体の動作フローの変形例を示すフローチャートである。
図7に示す通り、変形例として、プロセッサ401が
図5で説明した自己位置算出処理の前後に、各種情報を用いて関数の係数を修正するフローを説明する。
【0068】
まず、プロセッサ401は、関数情報406と、自己位置と、第一の基準位置と、センサ間距離408と、台車情報409と、を初期化する(ST100)。また、上位サーバ105から、関数情報406と、自己位置と、第一の基準位置と、センサ間距離408と、台車情報409と、を取得し補助記憶デバイス404に記憶してもよい。プロセッサ401は、記憶する台車情報409に基づいて関数の係数を修正する(ST101)。
【0069】
次に、プロセッサ401は、台車の自己位置を算出する処理を行う(ST1)。この処理は、
図6で説明した処理と同様である。
【0070】
プロセッサ401は、自己位置を推定した後、台車101が基準位置に位置するか否か判断し(ST102)、台車101が基準位置に位置する場合(ST102、Yes)、基準位置を第二の基準位置として取得する(ST103)。その後、補助記憶デバイス404が記憶している台車101の自己位置と第二の基準位置とを比較し、台車101の自己位置が第二の基準位置と等しくなるように関数の係数を修正する(ST104)。プロセッサ401は、関数の係数を修正した後、補助記憶デバイス404に記憶する基準位置の情報を第二の基準位置に置き換える(ST105)。
【0071】
次に、プロセッサ401は、距離センサ202が検出した距離情報に特徴的変化があったか否かを判断する(ST106)。例えば、第一の距離センサ202a及び第二の距離センサ202bが検出した距離情報が所定の範囲以外の特徴的変化を含む値が含まれているか否かを判断してもよい。特徴的変化とは、例えば、台車101が段差を超えた場合に距離センサ202の値が著しく小さくなる等の変化である。
【0072】
距離センサ202が検出した距離情報に特徴的変化があった場合(ST106、Yes)、プロセッサ401は、第一の距離センサ202a及び第二の距離センサ202bが特徴的変化を検出した時間の差とセンサ間距離408から移動速度を算出する(ST107)。算出した移動速度と自己位置算出処理に用いた移動速度とを比較し、関数の係数を修正する(ST108)。プロセッサ401は、距離センサ202が検出した距離情報に特徴的変化が無い場合(ST106、No)及びセンサ間距離408に基づいて関数の係数を修正した後、ST1に戻る。また、測位装置102の電源を切るといった操作者による操作によって処理を終了する。
【0073】
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
【0074】
上記したように、実施形態の測位システムSは、台車101から床面203までの距離を示す距離情報を取得する距離センサ202と、台車101が走行している際の角速度を示す角速度情報を取得する角速度センサ201と、台車101が走行している際の台車101の角速度と台車101の移動速度の関係を示す関数を記憶し、距離センサ202が取得した距離情報及び角速度センサ201が取得した角速度情報に基づいて関数の係数を修正し、補助記憶デバイス404が記憶する修正された関数及び角速度情報に基づいて、台車101の移動速度及び移動方向を算出し、移動速度及び移動方向を出力する測位装置102と、を備えることで、測位処理を実施する。
【0075】
本実施形態の測位システムによれば、測位装置102は、台車101の振動を検出する角速度センサ201及び台車101から床面203までの距離を検出する距離センサ202から、通信インタフェース405を介して角速度情報及び距離情報を取得する。また、測位装置102は、角速度と台車101の移動速度の関係を示す関数を記憶し、その関数の係数を取得した距離情報に基づいて修正し、修正した関数に取得した角速度情報を代入することで移動速度、移動方向を算出する。さらに、測位装置102は、移動速度、移動方向に基づいて移動距離を算出する。また、測位装置102は、基準位置の情報を基準位置送信装置103から通信インタフェース405を介して取得する。測位装置102は、取得した基準位置の情報と算出した移動方向及び移動距離に基づいて、基準位置に基づく台車101の相対的な自己位置を測位する。
【0076】
これにより、測位装置102は、台車101の自己位置を事前のキャリブレーションなしに精度良く測位することができる。また、測位装置102は、台車101の自己位置をGPSが利用できない屋内環境で精度よく測位することができる。また、台車101から床面203までの距離に基づいて関数の係数を修正することにより、台車101が非定常な陥落やでっぱりの上を走行した場合に、移動速度による自己位置の誤差を小さくすることができる。
【0077】
また、測位装置102は、角速度と台車101の移動速度の関係を示す関数の係数を、二つの基準位置間の距離と、台車101に備えられる二つのセンサ間距離408と、台車101の仕様に関する台車情報409と、距離情報の変化量のばらつきに基づいて修正する。これにより、測位装置102が台車101の測位に用いる情報以外の情報から、台車101の自己位置を測位する精度を高めることができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
101 台車
102 測位装置
103 基準位置送信装置
104 無線通信装置
105 上位サーバ
107 領域
108 無線信号
201 角速度センサ
202 距離センサ
203 床面
204 車輪
205 基部
206 把手
401 プロセッサ
402 ROM
403 RAM
404 補助記憶デバイス
405 通信インタフェース
406 関数情報
407 位置情報
408 センサ間距離
409 台車情報
S 測位システム