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特許7646475表示制御装置とその制御方法、プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】表示制御装置とその制御方法、プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20250310BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20250310BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20250310BHJP
【FI】
G06F3/0482
G03B17/02
G06F3/0488
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021104984
(22)【出願日】2021-06-24
(65)【公開番号】P2023003730
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】安東 孝泰
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-72944(JP,A)
【文献】特開2021-73543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面へのタッチ操作を検出するタッチ検出手段と、
並べ替え可能な複数の項目群を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
前記複数の項目群を並べ替えるためのモードにおいて、
前記タッチ検出手段によってタッチ操作の検出が開始されると、前記タッチ操作が開始された位置に対応する位置に表示される項目にインジケーターを表示し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動があった場合は、前記タッチ操作の移動に応じて前記項目を対応する位置に移動し、前記タッチ操作の検出が終了したことに応じて前記並べ替えるためのモードを終了し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動が行われることなく前記タッチ操作の検出が終了した場合は、前記並べ替えるためのモードを終了しないように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記インジケーターは、前記複数の項目群のうち前記インジケーターが表示されている項目が選択状態であることを示すものであることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記タッチ操作が開始された位置から移動が行われることなく前記タッチ操作の検出が終了した後、再度、前記タッチ操作の検出が開始された場合は、選択状態となった項目を、再び行われた前記タッチ操作が開始された位置に対応する位置に移動するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記並び替えるためのモードが終了した後に、ユーザーによる前記複数の項目群のいずれかの項目に対して前記タッチ操作が行われた場合は、前記タッチ操作により選択された項目に対応する機能を実行するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記並び替えるためのモードにおいて、ユーザーによる前記複数の項目群のいずれかの項目に対して前記タッチ操作が行われた場合は、前記タッチ操作により選択された項目に対応する機能を実行しないように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
四方向に指示を行うことが可能な操作部材をさらに有し、
前記制御手段は、
前記並べ替えるためのモードにおいて、ユーザーによる前記タッチ操作が行われることなく前記操作部材の上方向もしくは下方向の方向指示が行われた場合は、行われた方向指示に従って前記インジケーターの表示位置を移動し、
ユーザーによる決定指示が行われたことに応じて、前記インジケーターが表示される項目を選択状態にするように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記並べ替えるためのモードである状態で、ユーザーによって撮影指示が行われた場合は、前記並べ替えるためのモードを終了し、撮影を行うためのモードに遷移するように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
撮像手段をさらに有し、
前記制御手段は、ユーザーによる撮影指示が行われたことに応じて、動画像の撮影を行うように制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
表示制御装置の制御方法であって、
操作面へのタッチ操作を検出するタッチ検出ステップと、
並べ替え可能な複数の項目群を表示手段に表示するように制御する表示制御ステップと、
前記複数の項目群を並べ替えるためのモードにおいて、
前記タッチ検出ステップによってタッチ操作の検出が開始されると、前記タッチ操作が開始された位置に対応する位置に表示される項目にインジケーターを表示し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動があった場合は、前記タッチ操作の移動に応じて前記項目を対応する位置に移動し、前記タッチ操作の検出が終了したことに応じて前記並べ替えるためのモードを終了し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動が行われることなく前記タッチ操作の検出が終了した場合は、前記並べ替えるためのモードを終了しないように制御する制御ステップと、を有することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作が可能な表示制御装置とその制御方法、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示する複数の項目群の並び順を、ユーザーが所望の並び順に並び替えることが可能な表示制御装置がある。特許文献1には、項目やアイテムの並び順を変更可能な並び替えモードに遷移し、タッチ操作によって並び順を変更し、並び替え完了ボタンを選択することで並び替えモードを終了することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO12/008475
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では並べ替えモードを終了させるために専用のボタン(アイコン)を置く必要があり、そのための画面上のスペースが必要であった。また、並べ替えモードを終了させるために、並べ替え完了ボタンをユーザーが選択する必要があるといったような、ユーザーが次の動作に移るためには並び替えモードを終了するための別の操作を行う必要があった。
【0005】
そこで本発明は、項目の並び替えを行った後に、新たな操作なしに手番を少なく、次の動作に移ることができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、
操作面へのタッチ操作を検出するタッチ検出手段と、
並べ替え可能な複数の項目群を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
前記複数の項目群を並べ替えるためのモードにおいて、
前記タッチ検出手段によってタッチ操作の検出が開始されると、前記タッチ操作が開始された位置に対応する位置に表示される項目にインジケーターを表示し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動があった場合は、前記タッチ操作の移動に応じて前記項目を対応する位置に移動し、前記タッチ操作の検出が終了したことに応じて前記並べ替えるためのモードを終了し、
前記タッチ操作が開始された位置からの移動が行われることなく前記タッチ操作の検出が終了した場合は、前記並べ替えるためのモードを終了しないように制御する制御手段と、
を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、項目の並び替えを行った後に、新たな操作なしに手番を少なく、次の動作に移ることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】デジタルカメラ100の外観図とハードウエア構成例を示す概略ブロック図である。
図2】並べ替えモードを開始した際の初期状態の表示例を示す図である。
図3】並べ替えモードの初期状態(図2に例示)からタッチダウン操作により、並べ替え対象の選択時の表示例を示す図である。
図4】並べ替え対象の選択後、タッチムーブ操作による並べ替え対象の移動例を示す図である。
図5】タッチムーブ操作後のタッチアップが行われた場合の表示例を示す図である。
図6】並べ替え対象の選択後、タッチムーブ操作なしにタッチアップが行われた場合の表示例を示す図である。
図7】並べ替えモードが維持された状態(図6に例示)からタッチダウンが行われた場合の表示例を示す図である。
図8】デジタルカメラ100の制御に関するフローチャートを示す図である。
図9】項目の並び替えを行う表示制御に関するフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0010】
図1(a)、(b)に本発明を適用可能な装置(電子機器)の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する、カメラ背面に設けられた表示部である。タッチパネル70aはタッチ操作部材であり、表示部28の表示面(操作面)に対するタッチ操作を検出することができるタッチ検出手段である。ファインダー外表示部43は、カメラ上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0011】
シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は外部機器との接続ケーブルとデジタルカメラ100とを接続するコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル71は操作部70に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72はデジタルカメラ100の電源のオン及びオフを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は操作部70に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。十字キー74は操作部70に含まれ、四方向に押し込み可能な押しボタンを有する操作部材である。十字キー74の押下した方向に応じた操作が可能である。SETボタン75は操作部70に含まれ、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0012】
動画ボタン76は、動画記録(記録)の開始、停止の指示に用いられる。AEロックボタン77は操作部70に含まれ、撮影待機状態で押下することにより、露出状態を固定することができる。拡大ボタン78は操作部70に含まれ、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのオン、オフを行うための操作ボタンである。拡大モードをオンとしてからメイン電子ダイヤル71を操作することにより、ライブビュー画像の拡大、縮小を行える。再生モードにおいては再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための拡大ボタンとして機能する。再生ボタン79は操作部70に含まれ、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。メニューボタン81は、操作部70に含まれ、押下することにより各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、十字キー74やSETボタン75を用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0013】
通信端子10はデジタルカメラ100が後述するレンズユニット150(着脱可能)と通信を行う為の通信端子である。接眼部16は、接眼ファインダー(覗き込み型のファインダー)の接眼部であり、ユーザーは、接眼部16を介して内部のEVF(Electric View Finder)29に表示された映像を視認可能である。接眼検知部57は接眼部16に撮影者が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。蓋202は記録媒体200を格納したスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。グリップ部90を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル73が配置されている。
【0014】
図1(c)は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図1(c)において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100と通信を行う為の通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6と上述の通信端子10を介してシステム制御部50と通信し、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。その後AF駆動回路3を介して、レンズ103を変位させることで焦点を合わせる。
【0015】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0016】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0017】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、または、後述するメモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。画像処理部24により得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0018】
メモリ制御部15は、A/D変換器23、画像処理部24、メモリ32間のデータ送受を制御する。A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24およびメモリ制御部15を介して、あるいは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28、EVF29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0019】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはメモリ制御部15を介して表示部28、EVF29により表示される。表示部28、EVF29は、LCDや有機EL等の表示器上に、メモリ制御部15からの信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデータを、表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV表示)を行える。以下、ライブビューで表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0020】
ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0021】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばFlash-ROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0022】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。上述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、例えばRAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。また、システム制御部50はメモリ32、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0023】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0024】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画記録モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)、がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60により、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0025】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0026】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体200に書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0027】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。操作部70には、少なくとも以下の操作部が含まれる。シャッターボタン61、タッチパネル70a、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、動画ボタン76、AEロックボタン77、拡大ボタン78、再生ボタン79、メニューボタン81。
【0028】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0029】
記録媒体I/F18は、メモリーカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリーカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0030】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)や Bluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(ライブビュー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0031】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0032】
接眼検知部57はファインダーの接眼部16に対する目(物体)161の接近(接眼)および離脱(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。接眼検知部57は、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、EVF29を内蔵するファインダーの接眼部16への何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(不図示)から投光した赤外線が反射して赤外線近接センサーの受光部(不図示)に受光される。受光された赤外線の量によって、物体が接眼部16からどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、接眼部16への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。非接眼状態(非接近状態)から、接眼部16に対して所定距離以内に近づく物体が検出された場合に、接眼されたと検出するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検出するものとする。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。なお、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる目や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0033】
タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示画面上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-オン)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-オフ)と称する)。
【0034】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0035】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0036】
図2図7は、本実施形態における、表示部28に表示する項目の並び替え制御の表示例である。図2図5を用いて、ユーザーがタッチパネル70aに対して、タッチダウン、タッチムーブ、タッチアップという順の操作を行った場合の表示例を示す。図2図3図6図7を用いて、ユーザーがタッチパネル70aに対して、タッチダウンを行った後タッチムーブを行うことなくタッチアップをし、そのあと再びタッチダウンを行った場合の表示例を示す。
【0037】
図2は、並べ替えモードを開始し、タッチ操作で並べ替え可能な項目を表示部28に表示している図である。表示アイテム200aは並び替えモードであることを示す。項目201~207は並べ替え可能な項目である。項目201~207のいずれかに対するタッチ操作もしくはSETボタン75の押下があったことに応じて、図3に示す状態に遷移する。表示アイテム200aに示す「並び替えモード」と表示されている間は、表示されている項目に対するタッチ操作もしくはSETボタン75の押下が行われたとしても、選択された項目が有する機能の実行は行わない。なお、図2では項目201~207のみが表示されているが、項目208や項目209といったようなさらなる項目が存在してもよい。
【0038】
図3は、ユーザーの指301によって項目204の表示位置にタッチダウンが行われた様子を表す図である。システム制御部50は、タッチパネル70aへのタッチダウンを検出したことに応じて、タッチダウンが検出された位置に表示される項目に対してインジケーター204aを表示する。タッチダウンに応じてインジケーター204aが表示されたことで、ユーザーは項目204が選択状態、すなわち、これから並べ替えを行う対象になったことを視認することができる。十字キー74の方向指示キーへの操作が行われた場合は、1回の方向指示に応じてインジケーター204aを項目201に表示する。十字キー74への操作によってインジケーターが表示された場合は、SETボタン75が押下されるまでは、インジケーターが表示された項目は選択状態にならない。つまり、十字キー74の方向指示キーへの操作が行われたことに応じてインジケーターを項目に対して表示し、ユーザーがさらに上方向もしくは下方向への指示を行った場合は、指示に応じてインジケーターのみを移動する。そのあとSETボタン75の押下によって決定指示が行われると、インジケーターが表示されている項目を選択状態とする。
【0039】
図4は、図3に示す状態からタッチアップを行うことなくタッチムーブ操作を行った様子を示す図である。項目204に対してタッチダウンを行ったままタッチアップを行うことなく、図3の項目201を表示していた位置へタッチムーブ操作を行うと、項目204が図3の項目201の表示位置に移動する。項目204が移動したことに伴って、項目201~203は1項目分だけ下に移動する。タッチムーブ後の指301の位置、すなわち項目204が項目201の上に移動した状態でタッチアップを行うと、図5に示す並び替えモードを終了し、他の画面(例えば、設定メニュー画面のユーザー設定画面)に遷移する。十字キー74の上下方向への方向指示キーによる指示が行われた場合は、1回の上下方向への指示に応じて、1項目分だけ上下のいずれかに選択された項目を移動する。
【0040】
図5は、図4の状態でタッチアップしたことに応じて、並べ替えモードを終了し、別の画面(図5では設定メニュー画面のユーザー設定画面)に遷移した様子を表す図である。表示アイテム200bに示すように「ユーザー設定」という表示にすることで、並べ替えモードが終了したことユーザーに報知する。図5に示す状態でユーザーによるタッチ操作もしくはSETボタン75の押下が行われると、タッチ操作が行われた位置に表示される項目もしくはインジケーターが表示される項目が有する機能が実行される。十字キー74の方向指示キーによって項目の移動(並び替え)を行っている場合は、図4に示すような項目204が項目201の上に移動した状態でSETボタン75の押下を行うことで、項目204の位置を確定し、並び替えモードを終了する。
【0041】
図2図5で述べたように、タッチムーブ操作が行われた後にタッチアップが行われたことに応じて、並べ替えモードを終了する。このような制御により、並べ替えモードにおいて複数の項目の並び順を変更したあとに、並べ替えモードを終了させるための操作を行うことなく並び替えモードを終了することができる。したがって、少ない手番で、並べ替えとは異なる別の動作、例えば項目が有する機能の実行に移ることが可能である。
【0042】
図6は、図3に示す状態からタッチムーブ操作を行うことなく、すなわち、指301の移動なしに、タッチアップが行われた場合の表示例を示す図である。並び替えモードに遷移したあとタッチダウンを行い、タッチムーブを行うことなく(タッチ位置の移動を行うことなく)タッチアップを行った場合は、並べ替えモードを終了しない。タッチパネル70aへのタッチ操作は、ユーザーの意図なくタッチアップと検出されてしまう場合がある。このような場合にもタッチアップに応じて並び替えモードを終了してしまうと、ユーザーは並び替えモードのつもりで項目に対してタッチ操作を行った場合に、ユーザーに意図に反して項目の有する機能が実行されてしまうことが生じる。また、並び替えモードが終了してしまったことにユーザーが気づいた場合でも、再度並び替えモードに遷移する指示を行わなければならず、手番が増え、ユーザーが煩わしく感じる可能性が高い。そのため、並び替えモードに遷移したあと、1回のタッチムーブなしのタッチ操作が行われた場合は、並び替えモードを終了せず、並び替えモードを継続する。このとき、選択された項目の選択状態は継続する。一方でタッチムーブを行った後のタッチアップ、もしくは、二度目のタッチムーブ操作なしのタッチアップがあった場合は、項目の並び替えを十分に行ったと想定することができるため並び替えモードを終了し、設定メニュー画面に遷移する。ユーザーによる項目の並び替えが終了したと想定される場合には、タッチ操作の終了に応じて並び替えモードを終了して、別の画面に遷移したとしてもユーザーが困惑することはないと考える。
【0043】
図7は、図6の状態(すなわち項目204が選択された状態)から図6の項目202が表示されていた位置にユーザーがタッチダウンを行ったと検出された場合の表示例である。ユーザーによるタッチダウンに応じて、選択状態であった項目204をタッチダウン位置に移動し、項目の並び順を変更する。このとき項目204は項目202の上に移動し、項目202、項目203は1項目分だけ下に移動する。図7に示す状態でタッチムーブ操作が行われると、タッチムーブ操作に伴って項目204の表示位置を移動する(図4に示す状態と同様)。また、この状態からタッチアップすることで、図7に示す順で項目の並び順を確定して並べ替えモードを終了し、図5の状態へ遷移する。
【0044】
図2図3図6図7で述べたように、タッチムーブ操作が行われることなくタッチアップが行われた場合は、並べ替えモードを終了しない。再びタッチダウンが検出されたことに応じて、タッチダウン位置に選択状態の(インジケーターを表示した)項目を移動する。このような制御により、ユーザーの意図に反したタッチアップ操作の検出による並び替えモードの終了、すなわち設定メニュー画面への遷移が行われることがなく、再び並び替えモードに遷移する指示を行う手番の増加を低減することができる。つまり、ユーザーが何度も設定メニュー画面と並び替えモードとを行き来することによって煩わしく感じることを低減することができる。
【0045】
なお、図2図5に示す表示例ではインジケーターが表示されていないが、ユーザーによるタッチ操作が行われたこと、もしくは、十字キーの上下方向のいずれかの方向指示が行われたことに応じて、インジケーターを表示する。
【0046】
図8図9は、本実施形態における表示部28に表示する項目の表示制御フロチャートである。図9を用いて説明する項目の表示制御を行った際の表示例について、図2図7を適宜用いて説明する。
【0047】
図8は、デジタルカメラ100を起動(電源をオン)した際に開始される表示制御フローチャートである。図8のS803で後述する項目並び替え処理について、図9の表示制御フローチャートを用いて説明する。
【0048】
S801では、システム制御部50は、メニュモードであるか否かを判定する。メニューモードである場合はS802へ進み、そうでない場合はS805へ進む。
【0049】
S802では、システム制御部50は、並び替え処理への遷移指示があったか否かを判定する。遷移指示があった場合はS803へ進み、そうでない場合はS804へ進む。
【0050】
S803では、システム制御部50は、項目並び替え処理を行う。S803での処理については、図9を用いて後述する。
【0051】
S804では、システム制御部50は、その他のメニューモード処理を行う。
【0052】
S805では、S801においてNoと判定されたことより、システム制御部50は、撮影モードであるか否かを判定する。撮影モードである場合はS806へ進み、そうでない場合はS807へ進む。
【0053】
S806では、システム制御部50は、撮影モード処理を行う。撮影モード処理では、撮像部22を介して撮像したライブビュー画像を表示部28やEVF29に表示する。また、ユーザーによるシャッターボタン61や動画ボタン76への指示が行われたことに応じて撮像部22を介して撮像したライブビュー画像を静止画や動画として記録媒体200に保存する。
【0054】
S807では、システム制御部50は、その他の処理を行う。例えば、再生モード処理を行う。再生モード処理では、撮影した画像を再生するための制御処理であり、上述した操作部70を操作することで、表示部28に再生した画像について画像送りや拡大操作を行うことができる。
【0055】
図8のS803に到達した場合は、図9に示す表示制御フローチャートを開始する。
【0056】
S901では、システム制御部50は、並べ替えモードの表示画面を表示部28に表示する。具体的には図2に示すような表示とし、表示されている項目が並べ替え可能であること、また、表示アイテム200aのような表示を行うことで並べ替えモードに遷移したことを示す。表示アイテム200aにより、ユーザーは項目の並べ替えモードに遷移したことを視認することができる。なお、並べ替えモードではない、設定メニュー画面の通常の項目表示の場合は、図5の表示アイテム200bのような表示とする。
【0057】
S902では、システム制御部50は、項目にタッチダウンがあったか否かを判定する。タッチダウンがあった場合はS903へ進み、そうでない場合はS918へ進む。
【0058】
S903では、システム制御部50は、項目に対してインジケーターを表示し、項目を選択状態とする。このとき表示部28に表示される例を、図3に示す。
【0059】
S904では、システム制御部50は、タッチパネル70aからのタッチアップがあったか否かを判定する。タッチアップがあった場合はS905へ進み、そうでない場合はS914へ進む。
【0060】
S905では、システム制御部50は、項目に対するインジケーター表示と選択状態を継続する。このとき表示部28に表示される例を図6に示す。S902Yes,S904Yesから、ユーザーによってタッチパネル70aへのタッチダウンが行われたあとにタッチムーブが行われることなくタッチアップが行われた場合は、システム制御部50は並び替えモードから遷移しない。
【0061】
S906では、システム制御部50は、タッチパネル70aへのタッチダウンが行われたか否かを判定する。タッチダウンが行われた場合はS907へ進み、そうでない場合はS910へ進む。
【0062】
S907では、システム制御部50は、タッチダウン位置に項目を移動する。このとき表示部28に表示する例を図7に示す。タッチパネル70aに対する1回目のタッチダウン、タッチムーブなしのタッチアップが行われたあとに再度タッチダウンが行われた場合は、ユーザーのタッチダウン位置に選択状態である項目を移動する。
【0063】
S908では、システム制御部50は、項目が移動済みであることをシステムメモリ56に記憶する。
【0064】
S909では、システム制御部50は、タッチパネル70aからのタッチアップがあったか否かを判定する。タッチアップがあった場合はS912へ進み、そうでない場合はS914へ進む。
【0065】
S910では、S906においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、並び替えモードの終了指示があったか否かを判定する。あった場合はS912へ進み、無い場合はS911へ進む。並び替えモードの終了指示とは、並び替えモードから別のモード(処理)へ遷移するような指示のことをいう。具体的には、再生ボタン79やシャッターボタン61の押下により、並び替えモードとは異なるモードである再生モードや撮影モードへの遷移するような指示を指す。
【0066】
S911では、システム制御部50は、十字キー74に対する操作があったか否かを判定する。操作があった場合はS923へ進み、無い場合はS906へ戻る。具体的には、十字キー74の方向キーに対する操作を指す。
【0067】
S912では、システム制御部50は、項目の選択状態を解除する。
【0068】
S913では、システム制御部50は、項目の移動先を確定する。
【0069】
S914では、S904においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、立ちパネル70aに対するタッチムーブがあったか否かを判定する。タッチムーブ操作があった場合はS915へ進み、そうでない場合はS917へ進む。
【0070】
S915では、システム制御部50は、タッチムーブ位置に項目を移動する。このとき表示部28に表示する例を図4に示す。
【0071】
S916では、S908と同様に、システム制御部50は、項目が移動済みであることをシステムメモリ56に記憶する。
【0072】
S917では、システム制御部50は、項目が移動済みであるか否かを判定する。移動済みである場合はS909へ戻り、そうでない場合はS904へ戻る。
【0073】
S918では、S902においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、十字キー74に対する操作があったか否かを判定する。操作があった場合はS919へ進み、無い場合はS902へ戻る。具体的には、十字キー74の方向キーに対する操作を指す。
【0074】
S919では、システム制御部50は、インジケーターを表示する。S918において行われた方向指示に応じてインジケーター(カーソル)を表示する。具体的には、ユーザーによる十字キー74に対する操作が行われた場合は、表示部28に表示される一番上の項目、例えば図2の項目201に対してカーソルを表示する。カーソルの表示する項目は表示する項目群の一番上の項目に限らず、並べ変えモードに遷移する前の設定メニュー画面において表示されていた項目を覚えておいて、その項目に対してカーソルを表示するようにしてもよい。なお、図2図7には表示部28に表示可能なだけの項目のみを表示している。例えば項目208や項目209がさらに存在する場合には、十字キーの方向指示によりインジケーター(カーソル)を項目207よりも下方向に移動させるような指示があったことに応じて、項目208、項目209を表示部28に表示する。項目208や項目209が表示部28に表示された場合は、代わりに項目201や項目202が表示部28に表示されなく(非表示と)なる。
【0075】
S920では、システム制御部50は、決定指示があったか否かを判定する。あった場合はS921へ進み、そうでない場合はS918へ戻る。決定指示とは、具体的にはSETボタン75を指す。
【0076】
S921では、システム制御部50は、インジケーターが表示される項目を並べ替え対象とする。つまり、項目を選択状態とする。
【0077】
S922では、S918と同様に、システム制御部50は、十字キー74に対する操作があったか否かを判定する。操作があった場合はS923へ進み、ない場合はS927へ進む。
【0078】
S923では、システム制御部50は、項目の表示位置を移動する。S922において行われた十字キー74の方向指示が1回行われた場合は、選択状態である項目を1項目分指示された方向に移動する。
【0079】
S924では、S920と同様に、システム制御部50は、決定指示があったか否かを判定する。あった場合はS925へ進み、無い場合はS927へ進む。
【0080】
S925では、システム制御部50は、項目の選択を解除する。
【0081】
S926では、システム制御部50は、項目の移動先を確定する。
【0082】
S927では、S910と同様に、システム制御部50は、並び替えモードの終了指示があったか否かを判定する。あった場合はS925へ進み、そうでない場合はS928へ進む。
【0083】
S928では、システム制御部50は、タッチパネル70aへのタッチダウンが行われたか否かを判定する。行われた場合はS907へ戻り、そうでない場合はS922へ戻る。
【0084】
S929では、システム制御部50は、並べ替えモードを終了する。このとき表示部28に表示される例を図5に示す。図5では、表示アイテム200bに示すように、ユーザー設定という表示にすることで、並び替えモードではなく、設定メニュー画面に戻ったことを示す。前述したように並び替えモードの場合は、表示アイテム200bと同じ位置に、表示アイテム200aに示すように並べ替えモードという表示を行う。
【0085】
上述したように、複数の項目を表示しており、それらの項目の並び順を変更したいと考えた場合に、並び替えモードにおいてユーザーはタッチ操作もしくは物理的に押下可能な操作部材によって項目の並び替えを行うことが可能である。並び順を変更可能な並び替えモードにおいて、タッチダウン操作が行われたことに応じてタッチダウン位置に表示される項目にインジケーターを表示し、その項目を選択状態とする。この状態からタッチムーブ操作が行われると選択された項目をタッチムーブ位置に移動し、タッチアップが行われると項目を移動後の位置で確定し、並び替えモードを終了する。これにより、ユーザーは少ない手番で項目の並び替えを行うことが可能であり、さらには並び替え終了後に並び替えモードを終了するための新たな操作を必要とすることなく、すぐに次の動作に移ることができる。一方で、タッチダウン操作の後タッチムーブを行うことなくタッチアップを行った場合には、タッチアップに応じた並び替えモードの終了は行わず、タッチダウンによって選択された項目が選択状態となったままとなる。そのあとさらなる(二度目の)タッチダウン操作が行われた場合には、選択された項目がタッチダウン位置に対応する位置に移動し、タッチアップが行われたことに応じて項目を移動した位置で確定し、並び替えモードを終了する。これにより、ユーザーの意図に反したタッチアップ操作の検出による並び替えモードの終了、すなわち設定メニュー画面への遷移が行われることがなく、再び並び替えモードに遷移する指示を行う手番の増加を低減することができる。つまり、ユーザーが何度も設定メニュー画面と並び替えモードとを行き来することによって煩わしく感じることを低減することができる。
【0086】
したがって、ユーザーがタッチダウンの後タッチムーブを行ったか否かで制御を異ならせることによって、ユーザーの意図をくみ取り、並び替えモードを終了するか否かを変化させる。このような制御によって、ユーザーはいずれの場合であっても、煩わしく感じることなく表示される項目群のうち、所望の項目の並び替えを行ったり、並び替えの後に次の動作に移ることが可能である。
【0087】
なお、図9の表示制御フローチャートを実行中にシャッターボタン61や動画ボタン76、再生ボタン79の操作が行われた場合は、図9の制御を中断して撮影モード処理や再生モード処理に遷移し、それぞれの指示に対応する処理を行う。
【0088】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0089】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0090】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されずタッチ操作や操作部材を用いて項目の並び順をユーザーが任意に変更することができる表示制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0091】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0092】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9