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特許7646503ゲート制御装置、ゲート制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】ゲート制御装置、ゲート制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20250310BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20250310BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20250310BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250310BHJP
【FI】
G07C9/37
G07C9/38
G07G1/12 321M
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021143460
(22)【出願日】2021-09-02
(65)【公開番号】P2022049680
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2020155168
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】益田 拓郎
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038420(JP,A)
【文献】特開2009-098814(JP,A)
【文献】特開2011-164675(JP,A)
【文献】特開2018-060278(JP,A)
【文献】特開2019-021283(JP,A)
【文献】特開2021-043847(JP,A)
【文献】特開2021-157377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00 - 15/00
G07G 1/12
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の入口周辺に設けられる第1ゲート装置から、当該第1ゲート装置で取得された前記店舗に入店する客の第1生体情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報を保持する保持手段と、
前記第1生体情報が保持されたことを条件に、前記店舗の入口を開状態とする第1制御手段と、
前記店舗の出口周辺に設けられる第2ゲート装置から、当該第2ゲート装置で取得された前記店舗から退店する客の第2生体情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記店舗の出口を開状態とする第2制御手段と、
を備えるゲート制御装置。
【請求項2】
前記第1生体情報又は前記第2生体情報は、互いに異なる複数種類の要素情報を含み、
前記第2制御手段は、前記第2生体情報と前記第1生体情報とに含まれる要素情報の全部又は一部が合致したことを条件に、前記店舗の出口を開状態とする、請求項1に記載のゲート制御装置。
【請求項3】
前記保持手段に保持された前記第1生体情報のうち、前記第2生体情報に合致した前記第1生体情報を所定のタイミングで削除する削除手段を更に備える、請求項1又は2に記載のゲート制御装置。
【請求項4】
前記第2制御手段は、前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れとも合致しない場合、前記第2生体情報を前記第1生体情報として前記保持手段に保持させた後、前記店舗の出口を開状態とする、請求項1~3の何れか一項に記載のゲート制御装置。
【請求項5】
前記保持手段に保持された前記第1生体情報から、客数を算出する算出手段を更に備え、
前記第1制御手段は、前記客数が閾値を上回る場合、入店を待機することを指示する入店待機指示を前記第1ゲート装置へ送信する、請求項1に記載のゲート制御装置。
【請求項6】
前記第2ゲート装置は、サービス券を発行する発行部を有し、
前記第2制御手段は、前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記サービス券を発行する指示を、前記第2ゲート装置に送信する、請求項1に記載のゲート制御装置。
【請求項7】
前記保持手段は、更に前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報を保持し、
前記第1ゲート装置は、サービス券を発行する発行部を有し、
前記第1制御手段は、更に前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報が、前記保持手段が保持する前記第2生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記サービス券を発行する指示を、前記第1ゲート装置に送信し、
前記第2ゲート装置は、サービス券を発行する発行部を有し、
前記第2制御手段は、更に前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記サービス券を発行する指示を前記第2ゲート装置に送信し、前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れとも合致しない場合、前記第2生体情報を前記保持手段に保持させた後、前記店舗の出口を開状態とする、請求項1に記載のゲート制御装置。
【請求項8】
前記第1制御手段は、更に前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報が、前記保持手段が保持する前記第2生体情報の何れかと合致したことを条件に、合致した前記第2生体情報を消去し、
前記第2制御手段は、更に前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、合致した前記第1生体情報を消去する、請求項7に記載のゲート制御装置。
【請求項9】
ゲート制御装置で実行されるゲート制御方法であって、
店舗の入口周辺に設けられる第1ゲート装置から、当該第1ゲート装置で取得された前記店舗に入店する客の第1生体情報を受信し、
受信した前記第1生体情報を保持し、
前記第1生体情報が保持されたことを条件に、前記店舗の入口を開状態とし、
前記店舗の出口周辺に設けられる第2ゲート装置から、当該第2ゲート装置で取得された前記店舗から退店する客の第2生体情報を受信し、
受信した前記第2生体情報が、保持された前記第1生体情報の何れかと合致した場合に、前記店舗の出口を開状態とする、
ことを含むゲート制御方法。
【請求項10】
ゲート制御装置のコンピュータを、
店舗の入口周辺に設けられる第1ゲート装置から、当該第1ゲート装置で取得された前記店舗に入店する客の第1生体情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報を保持する保持手段と、
前記第1生体情報が保持されたことを条件に、前記店舗の入口を開状態とする第1制御手段と、
前記店舗の出口周辺に設けられる第2ゲート装置から、当該第2ゲート装置で取得された前記店舗から退店する客の第2生体情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記店舗の出口を開状態とする第2制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ゲート制御装置、ゲート制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、24時間営業や深夜営業を行うコンビニエンスストア等の店舗が存在している。このような店舗では、来店する客が少ない深夜等の時間帯に少人数の店員で店番することが行われている。また近年では、労働人口の減少等により、無人又は最小人数で店舗を運営することも行われている。但し、店員の人数が少なくなるほど店舗内の監視が手薄となるため、悪意ある者により万引や強盗等の犯罪が行われる可能性も高くなる。
【0003】
例えば、従来、建物内に入る利用者を制限するため、利用者から得られる生体情報と、予め記憶しておいた識別IDを有する利用者の生体情報とを比較してユーザ認証を行い、利用者の認証がされた場合に通過を許可する技術が提案されている。このような技術を用いることで、店舗に入店する客を制限することができるため、万引等の犯罪の抑止効果を図ることができる。
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、会員制度等を客に強いることで、客の生体情報を予め採取して記憶しておく必要があるため、客にとって利便性に欠けるものとなる。また、店舗側においても、大量の生体情報や個人情報を管理することになるため、セキュリティやコストの面で負担となり、効率化の観点でも改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、より簡便な構成で犯罪の抑止効果を図ることが可能なゲート制御装置、ゲート制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のゲート制御装置は、第1受信手段と、保持手段と、第1制御手段と、第2受信手段と、第2制御手段とを備える。第1受信手段は、店舗の入口周辺に設けられる第1ゲート装置から、当該第1ゲート装置で取得された前記店舗に入店する客の第1生体情報を受信する。保持手段は、前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報を保持する。第1制御手段は、前記第1生体情報が保持されたことを条件に、前記店舗の入口を開状態とする。第2受信手段は、前記店舗の出口周辺に設けられる第2ゲート装置から、当該第2ゲート装置で取得された前記店舗から退店する客の第2生体情報を受信する。第2制御手段は、前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報が、前記保持手段が保持する前記第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、前記店舗の出口を開状態とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るゲート制御システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る第1ゲート装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るゲート装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るゲート制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る入店管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るゲート装置及びゲート制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るゲート制御システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、変形例4の開閉制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明に係るゲート制御装置、ゲート制御方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態では、本発明をコンビニエンススストア等の店舗に適用した例について説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。なお、店舗の事業形態は特に問わず、店員が店番を行う有人店舗であってもよいし、無人の店舗であってもよい。
【0009】
図1は、実施形態に係るゲート制御システムの構成例を示す図である。図1に示すように、ゲート制御システム1は、第1ゲート装置10と、第1開閉制御装置20と、第2ゲート装置30と、第2開閉制御装置40と、ゲート制御装置60とを有する。第1ゲート装置10、第1開閉制御装置20、第2ゲート装置30及び第2開閉制御装置40は、有線又は無線のネットワークNを介して、ゲート制御装置60と通信可能に接続される。
【0010】
第1ゲート装置10は、ゲート装置の一例であり、例えば店舗の外の入口付近に設けられる。第1ゲート装置10は、客から生体情報を取得する取得部を備え、取得した生体情報を第1生体情報としてゲート制御装置60に送信する。
【0011】
第2ゲート装置30は、第1ゲート装置10と同様にゲート装置の一例であり、例えば店舗の中の出口付近に設けられる。第2ゲート装置30は、客から生体情報を取得する取得部を備え、取得した生体情報を第2生体情報としてゲート制御装置60に送信する。
【0012】
ここで、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30との装置構成は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。但し、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とで取得される生体情報の種別は、少なくとも一部は同じ種別であるとする。なお、本実施形態では、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とは同様の装置構成であるとして説明を進める。以下では、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とを総称して、「ゲート装置50」とも表記する。
【0013】
図2は、第1ゲート装置10の外観構成の一例を示す斜視図である。図2では、店舗の入口IN(入口ドアDIN)の店舗外側周辺(図中左方)に第1ゲート装置10を設置した例を示している。なお、図2では、入口INの右方に店舗の出口OUT(出口ドアDOUT)を設けた構成例を示しており、当該出口OUTの店舗内側周辺(図中右方)に第2ゲート装置30を設置した例を示している。つまり、図2には、ゲート装置50の正面と背面とが表されている。
【0014】
第1ゲート装置10は、略直方体形状の筐体51を有し、長辺を高さ方向に向けた状態で立設される。筐体51は、客に面する正面側に、撮像部52、読取部53及び表示部54等を備える。
【0015】
撮像部52は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えた撮像装置である。読取部53は、接触した客の手から指紋や掌紋等(以下、総称して指紋情報という)を読み取るためのセンサ装置である。読取部53のセンシング方法は特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。なお、撮像部52及び読取部53は、客から生体情報を取得する取得部の一例である。
【0016】
表示部54は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示デバイスやタッチパネル等である。表示部54は、後述する案内処理部511(図6参照)の制御の下、入店方法(又は退店方法)を案内する画面等を表示する。例えば、表示部54は、読取部53に手を載せる(触れる)ことを促すメッセージを含んだ画面等を表示させる。
【0017】
第1ゲート装置10では、入店を希望する客の顔画像を撮像部52によって取得するとともに、当該客の指紋情報を読取部53によって取得する。そして、第1ゲート装置10では、客から取得した顔画像と指紋情報とを第1生体情報としてゲート制御装置60に送信する。なお、顔画像及び指紋情報は、第1生体情報を構成する要素情報の一例である。
【0018】
また、第2ゲート装置30では、退店を希望する客の顔画像を撮像部52によって取得するとともに、当該客の指紋情報を読取部53によって取得する。そして、第2ゲート装置30では、客から取得した顔画像と指紋情報とを第2生体情報としてゲート制御装置60に送信する。なお、顔画像及び指紋情報は、第2生体情報を構成する要素情報の一例である。
【0019】
なお、ゲート装置50の形態は、図1の例に限らないものとする。例えば、ゲート装置50は、上述した撮像部52、読取部53及び表示部54等が、店舗の壁面に埋め込まれた形態で設けられてもよい。また、撮像部52と読取部53とは別体であってもよく、例えば、撮像部52は、店舗の内外に設置された監視カメラ等であってもよい。
【0020】
また、ゲート装置50が客に対して行う案内は、表示部54の画面を介したものに限らない。例えば、ゲート装置50は、スピーカー等の音声出力装置を別途備えることで、音声による案内を行ってもよい。また、ゲート装置50は、撮像部52や人感センサ等により、ゲート装置50に近付いた客を検出したタイミングで案内を開始する形態としてもよい。
【0021】
また、ゲート装置50は、図2に示すように、入店(或いは退店)を案内する映像Vを床面等に投影する形態としてもよい。この場合、ゲート装置50は、映像投影用のプロジェクタ装置等を別途備え、例えば客の生体情報が取得されたタイミングやゲート制御装置60からの指示に応じて映像Vの投影を開始してもよい。
【0022】
図1に戻り、第1開閉制御装置20は、店舗の入口INに設けられた入口ドアDINの開閉を制御する装置である。例えば、入口ドアDINが自動ドアである場合、第1開閉制御装置20は、入口ドアDINの開閉を行う駆動部と協働することで、入口ドアDINの開閉動作を制御する。また、例えば、入口ドアDINが手動で開閉を行う手動ドアである場合、第1開閉制御装置20は、入口ドアDINに設けられた自動施錠部と協働することで入口ドアDINの開閉、つまり開錠と施錠とを制御する。
【0023】
なお、第1開閉制御装置20は、入口ドアDINと一体的に設けられる構成としてもよい。また、第1開閉制御装置20は、第1ゲート装置10と一体的に設けられる構成としてもよい。
【0024】
第2開閉制御装置40は、店舗の出口OUTに設けられた出口ドアDOUTの開閉を制御する装置である。例えば、出口ドアDOUTが自動ドアである場合、第2開閉制御装置40は、出口ドアDOUTの開閉を行う駆動部と協働することで、出口ドアDOUTの開閉動作を制御する。また、例えば、出口ドアDOUTが手動で開閉を行う手動ドアである場合、第2開閉制御装置40は、出口ドアDOUTに設けられた自動施錠部と協働することで出口ドアDOUTの開閉、つまり開錠と施錠とを制御する。
【0025】
なお、第2開閉制御装置40は、出口ドアDOUTと一体的に設けられる構成としてもよい。また、第2開閉制御装置40は、第2ゲート装置30と一体的に設けられる構成としてもよい。
【0026】
ゲート制御装置60は、ゲート装置50で取得される生体情報に基づき、店舗に対する客の入退店を制御する。具体的には、ゲート制御装置60は、入店を希望する客の第1生体情報が第1ゲート装置10で取得されると、入口ドアDINを開状態とする開指示を第1開閉制御装置20に送信することで、客の入店を許可する。また、ゲート制御装置60は、退店を希望する客の第2生体情報が第2ゲート装置30で取得されると、先に第1ゲート装置10で取得された第1生体情報と照合する。そして、ゲート制御装置60は、照合が成功(合致)した場合に出口ドアDOUTを開状態とする開指示を第2開閉制御装置40に送信することで、客の退店を許可する。
【0027】
ゲート制御装置60は、例えば、店舗内又は店舗外に設けられたサーバ装置等の情報処理装置によって実現することができる。
【0028】
次に、上述したゲート装置50及びゲート制御装置60の構成について説明する。まず、図3を参照して、ゲート装置50のハードウェア構成について説明する。
【0029】
図3は、ゲート装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、ゲート装置50は、上述した撮像部52、読取部53及び表示部54等とともに、CPU(Central Processing Unit)55と、ROM(Read Only Memory)56と、RAM(Random Access Memory)57と、記憶部58と、通信部59とを備える。ここで、CPU55には、バス等を介して、ゲート装置50を構成する各部が接続される。なお、ゲート装置50は、プリンタ装置等の印字部を備えてもよい。
【0030】
CPU55は、プロセッサの一例であり、ゲート装置50の各部を統括的に制御する。ROM56は、各種プログラムを記憶する。RAM57は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU55、ROM56及びRAM57は、ゲート装置50のコンピュータ構成を実現し、ゲート装置50の制御部として機能する。
【0031】
記憶部58は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部58は、CPU55により実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に係る設定情報等を記憶する。
【0032】
通信部59は、ネットワークNに接続することが可能な通信インタフェースである。通信部59は、ネットワークNに接続することで、当該ネットワークNに接続されたゲート制御装置60等の外部装置との間で各種情報を送受信する。
【0033】
図4は、ゲート制御装置60のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、ゲート制御装置60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、記憶部64と、通信部65とを備える。
【0034】
CPU61は、プロセッサの一例であり、ゲート制御装置60の各部を統括的に制御する。ROM62は、各種プログラムを記憶する。RAM63は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU61、ROM62及びRAM63は、ゲート制御装置60のコンピュータ構成を実現し、ゲート制御装置60の制御部として機能する。
【0035】
記憶部64は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部64は、CPU61により実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に係る設定情報等を記憶する。また、記憶部64は、第1ゲート装置10で取得された第1生体情報を保持するための入店管理テーブル641を記憶する。また、記憶部64は、客に提供するサービスに関する情報を記憶してもよい。例えば、記憶部64は、10%を割引するサービス券に関する情報を記憶する。
【0036】
図5は、入店管理テーブル641のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、入店管理テーブル641は、入店日時、第1生体情報、退店日時等のデータ項目を有する。入店日時のデータ項目には、客が入店した日時を示す日時情報が格納される。第1生体情報のデータ項目には、第1ゲート装置10によって取得された客の第1生体情報(顔画像、指紋情報)が格納される。退店日時のデータ項目には、客が退店した日時を示す日時情報が格納される。ここで、退店日時のデータ項目は、後述するように、第2生体情報に合致した第1生体情報を識別するための識別子としても機能する。入店管理テーブル641は、後述する記憶制御部612とともに保持手段の一例として機能する。また、入店管理テーブル641は、生体情報記憶部の一例である。
【0037】
なお、入店管理テーブル641のデータ構成は図5の例に限定されないものとする。例えば、入店管理テーブル641は、第1生体情報に対応する客の第2生体情報も保持する構成であってもよい。また、入店管理テーブル641は、退店日時の代わりに、退店済か否かを示すフラグ情報を保持する構成であってもよい。また、入店管理テーブル641は、第1生体情報を保持し、入店日時及び退店日時を記憶しない構成であってもよい。
【0038】
図4に戻り、通信部65は、ネットワークNに接続することが可能な通信インタフェースである。通信部65は、ネットワークNに接続することで、当該ネットワークNに接続された第1ゲート装置10、第1開閉制御装置20、第2ゲート装置30、及び第2開閉制御装置40等の外部装置との間で各種情報を送受信する。
【0039】
次に、ゲート装置50及びゲート制御装置60の機能構成について説明する。図6は、ゲート装置50及びゲート制御装置60の機能構成の一例を示す図である。
【0040】
図6に示すように、ゲート装置50は、案内処理部511と、取得処理部512と、通信処理部513とを機能部として備える。ゲート装置50の機能部の一部又は全ては、ゲート装置50のプロセッサ(例えばCPU55)とメモリ(例えばROM56、記憶部58)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、ゲート装置50の機能部の一部又は全ては、ゲート装置50に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0041】
案内処理部511は、店舗を利用する客に対し入退店の方法等を案内するための処理を行う。例えば、案内処理部511は、読取部53に手を載せる(触れる)ことを促すメッセージを含んだ画面等を表示部54に表示させる。また、案内処理部511は、ゲート制御装置60からの指示に応じて各種の画面を表示部54に表示させる。
【0042】
なお、ゲート装置50が、表示部54以外に上述した音声出力装置やプロジェクタ装置等の他の出力装置を備える場合には、案内処理部511は、これらの出力装置を用いて入退店の方法を案内してもよい。
【0043】
取得処理部512は、撮像部52及び読取部53と協働することで、客から生体情報を取得するための処理を行う。具体的には、取得処理部512は、撮像部52を介して、客の顔画像を取得する。また、取得処理部512は、読取部53を介して、客の指紋情報を取得する。
【0044】
ここで、取得処理部512は、撮像部52で撮像された画像を解析することで、客の顔が撮像された画像を顔画像として取得してもよいし、撮像部52で撮像された画像をそのまま顔画像として取得してもよい。前者の場合、取得処理部512は、撮像部52で撮像された画像から目や鼻、口等の顔パーツを検出することで、当該顔パーツが含まれた画像を顔画像として取得する。また、この場合、取得処理部512は、公知の技術を用いることで、画像内に含まれた顔パーツの特徴量を抽出し、抽出した特徴量を顔画像として取得してもよい。
【0045】
また、取得処理部512は、撮像部52及び読取部53が動作するタイミングを制御することも可能である。例えば、取得処理部512は、読取部53で指紋情報が読み取られたタイミングで、撮像部52による撮像を開始し顔画像を取得する。このような制御を行うことで、取得処理部512は、同一の客から顔画像と指紋情報とを効率的に取得することができる。
【0046】
通信処理部513は、通信部59と協働することで、外部装置(主にゲート制御装置60)との間で各種データの送受信を行う。具体的には、通信処理部513は、取得処理部512が取得した顔画像及び指紋情報を、客の生体情報としてゲート制御装置60に送信する。
【0047】
より詳細には、第1ゲート装置10が備える通信処理部513は、取得処理部512で取得された顔画像及び指紋情報を第1生体情報としてゲート制御装置60に送信する。また、第2ゲート装置30が備える通信処理部513は、取得処理部512で取得された顔画像及び指紋情報を第2生体情報としてゲート制御装置60に送信する。なお、第1生体情報及び第2生体情報には、送信元のゲート装置50が第1ゲート装置10及び第2ゲート装置30の何れであるかを識別することが可能な識別子(例えばIPアドレス、装置ID等)が含まれるものとする。
【0048】
また、ゲート装置50は、他の機能部として、サービス券を発行するサービス券発行処理部を備えてもよい。サービス券発行処理部は、印字部とともの発行部の一例として機能する。サービス券発行処理部は、ゲート制御装置60からサービス券の発行指示を受信すると、指示されたサービス券の内容を印字部に印字させることで、サービス券を発行する。
【0049】
一方、ゲート制御装置60は、通信処理部611と、記憶制御部612と、照合部613と、開閉制御部614と、削除処理部615とを機能部として備える。ゲート制御装置60の機能部の一部又は全ては、ゲート制御装置60のプロセッサ(例えばCPU61)とメモリ(例えばROM62、記憶部64)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、ゲート制御装置60の機能部の一部又は全ては、ゲート制御装置60に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0050】
通信処理部611は、第1受信手段及び第2受信手段の一例である。通信処理部611は、通信部65と協働することで、外部装置との間で各種データの送受信を行う。具体的には、通信処理部611は、第1ゲート装置10から送信される第1生体情報を受信する。また、通信処理部611は、第2ゲート装置30から送信される第2生体情報を受信する。
【0051】
記憶制御部612は、保持手段の一例である。記憶制御部612は、入店管理テーブル641に対する第1生体情報の記憶(登録)と、入店管理テーブル641の管理とを行う。具体的には、記憶制御部612は、通信処理部611が第1生体情報(顔画像、指紋情報)を受信すると、その第1生体情報と受信日時(入店日時)とを関連付けて入店管理テーブル641に登録することで、第1生体情報の保持を行う。また、記憶制御部612は、第1生体情報を入店管理テーブル641に登録すると、登録完了通知を開閉制御部614に通知する。
【0052】
なお、第1ゲート装置10の撮像部52で撮像された画像がそのまま顔画像として送信される場合には、記憶制御部612は、送信された画像から顔パーツを含む画像を抽出した後、当該画像を顔画像として入店管理テーブル641に登録する形態としてもよい。また、記憶制御部612は、画像内に含まれた顔パーツの特徴量を抽出し、抽出した特徴量を顔画像として入店管理テーブル641に登録する形態としてもよい。
【0053】
また、記憶制御部612は、開閉制御部614及び削除処理部615等と協働することで、入店管理テーブル641に対する登録や削除等の処理を行う。
【0054】
照合部613は、通信処理部611が第2生体情報を受信すると、当該第2生体情報を入店管理テーブル641に記憶された第1生体情報の各々と照合する。具体的には、照合部613は、第2生体情報に合致する第1生体情報を入店管理テーブル641から検索する。ここで、照合部613は、第2生体情報に含まれた顔画像及び指紋情報の両方(つまり要素情報の全部)に合致する第1生体情報を検索してもよいし、何れか一方(つまり要素情報の一部)に合致する第1生体情報を検索する形態としてもよい。そして、照合部613は、第2生体情報の照合結果(検索結果)を開閉制御部614に通知する。
【0055】
なお、照合部613は、入店管理テーブル641に記憶された第1生体情報のうち、退店日時が未登録の第1生体情報について第2生体情報との照合を行うものとする。
【0056】
また、第2ゲート装置30の撮像部52で撮像された画像がそのまま顔画像として送信される場合には、照合部613は、送信された画像から顔パーツを含む画像を抽出し、抽出した画像を顔画像として、第1生体情報の顔画像と照合する形態としてもよい。また、照合部613は、画像内に含まれた顔パーツの特徴量を抽出し、抽出した特徴量を顔画像として、第1生体情報の顔画像と照合する形態としてもよい。
【0057】
開閉制御部614は、第1制御手段及び第2制御手段の一例である。開閉制御部614は、記憶制御部612及び照合部613からの通知に応じて、入口ドアDIN及び出口ドアDOUTの開閉を制御する。具体的には、開閉制御部614は、記憶制御部612から登録完了通知を受け付けると、第1開閉制御装置20に開指示を送信することで、入口ドアDINを開状態とする。
【0058】
これにより、第1ゲート装置10で生体情報が採取された客は、店舗内に入ることが可能となる。つまり、ゲート制御システム1では、客は第1生体情報を提供することで、店舗への入店が許可されることになる。なお、第1開閉制御装置20は、入口ドアDINが備える人感センサ等と協働することで、客が店舗内に入った後、入口ドアDINを閉状態に移行させるものとする。
【0059】
また、開閉制御部614は、照合部613の照合結果に基づき、第2生体情報に合致する第1生体情報が入店管理テーブル641に登録されていることを確認すると、第2開閉制御装置40に開指示を送信することで、出口ドアDOUTを開状態とする。そして、開閉制御部614は、記憶制御部612と協働することで、第2生体情報に合致した入店管理テーブル641の第1生体情報に関連付けて、現在の日時を退店日時として記憶する。
【0060】
これにより、第2ゲート装置30で生体情報が採取された客は、店舗から出ることが可能となる。つまり、ゲート制御システム1では、第1生体情報を提供した客は、店舗からの退店が許可されることになる。また、第1生体情報を提供していない客は、店舗からの退店が許可されないことになる。なお、第2開閉制御装置40は、出口ドアDOUTが備える人感センサ等と協働することで、客が店舗外に出た後、出口ドアDOUTを閉状態に移行させるものとする。
【0061】
なお、開閉制御部614は、第2開閉制御装置40に開指示を送信する場合に、第2ゲート装置30へサービス券の発行を指示するようにしてもよい。例えば、会員制度等を採用している店舗では、生体情報を予め登録する煩わしさを客に強いる代わりに、客(会員)に特典を与えることができる。しかしながら、会員制度を採用しない店舗では、会員制度を採用する店舗と比較し、客に対するサービスが不足する可能性がある。そこで、上述した開閉制御部614によるサービス券の発行制御により、生体情報を採取(提供)した客へのサービスを充実させることができる。なお、サービス券の発行の指示は、サービス券の発行を指示するコマンド、及び発行するサービス券の内容を示す情報等を含む。
【0062】
ところで、第2生体情報に合致する第1生体情報が存在しない場合には、入口ドアDINの開状態時に、第1生体情報を提供することなく店舗内に入った客である可能性が高い。この場合、本実施形態では、開閉制御部614は、出口ドアDOUTを閉状態としたまま、客を留めることで、店員や店舗を管理する管理者に客の確認を促すものとする。例えば、開閉制御部614は、店員が操作する店内端末や、店舗を管理する管理会社の端末装置等に、第1生体情報が未登録の客が退店する旨を第2生体情報とともに報知する。また、例えば、開閉制御部614は、店員等を呼び出すための通報システムを作動させる。
【0063】
但し、第2生体情報に合致する第1生体情報が存在しない場合の対応は上記の形態に限らないものとする。例えば、開閉制御部614は、後述する変形例(変形例4)で説明するように、入店管理テーブル641に第2生体情報を記憶した上で、第2開閉制御装置40に開指示を送信する構成としてもよい。
【0064】
削除処理部615は、削除手段の一例である。削除処理部615は、記憶制御部612と協働することで、入店管理テーブル641に登録された第1生体情報のうち、第2生体情報との照合に合致した第1生体情報を所定のタイミングで削除する。例えば、削除処理部615は、退店日時のデータ項目に登録された日時情報に基づき、所定期間が経過した第1生体情報のエントリを入店管理テーブル641から削除する。ここで、所定期間は、1日や1週間、1ヶ月等、任意の期間を設定することが可能である。また、削除処理部615は、開閉制御部614が第2開閉制御装置40に開指示を送信したタイミングで、当該開指示に係る第2生体情報に合致した第1生体情報を削除してもよい。これにより、生体情報が漏洩する可能性を低下させることができる。
【0065】
このように、削除処理部615は、入店管理テーブル641に登録された第1生体情報を定期的に又は所定のタイミングで削除することで、生体情報の保持及び管理に係る記憶部64の負荷を低減させることができる。また、削除処理部615は、入店管理テーブル641に登録された第1生体情報を定期的に又は所定のタイミングで削除することで、生体情報が漏洩する可能性を低下させることができる。
【0066】
以下、上述したゲート制御システム1の動作例について説明する。図7は、ゲート制御システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0067】
まず、第1ゲート装置10では、入店を希望する客が、案内処理部511が表示する画面等に基づき、読取部53に手を接触させる等の動作を行う。これに伴い、第1ゲート装置10の取得処理部512は、撮像部52及び読取部53を介して、客から第1生体情報(顔画像、指紋情報)を取得する(ステップS11)。次いで、第1ゲート装置10の通信処理部513は、ステップS11で取得された第1生体情報をゲート制御装置60に送信する(ステップS12)。
【0068】
ゲート制御装置60では、通信処理部611により第1生体情報が受信されると、記憶制御部612は、その受信された第1生体情報を受信日時(入店日時)とを関連付けて入店管理テーブル641に記憶(登録)する(ステップS13)。第1生体情報の登録が完了すると、開閉制御部614は、第1開閉制御装置20に開指示を送信する(ステップS14)。
【0069】
そして、第1開閉制御装置20では、ゲート制御装置60から開指示を受け付けると、入口ドアDINを開錠対とすることで入口ドアDINを開放する(ステップS15)。
【0070】
ステップS11~S15の処理により、入店を希望する客は、第1ゲート装置10を介して自身の生体情報を提供することで、店舗内に入ることができる。また、店舗側では、客が店舗を利用したことを示すエビデンスとして、当該客を特定することが可能な生体情報を取得し、少なくとも当該客が店舗に滞在する間は保持することができる。
【0071】
一方、店舗内にいる客が店舗から退店する場合、ゲート制御システム1では、ステップS21~S25の処理を実行することになる。
【0072】
まず、第2ゲート装置30では、退店を希望する客が、案内処理部511が表示する画面等に基づき、読取部53に手を接触させる等の動作を行う。これに伴い、第2ゲート装置30の取得処理部512は、撮像部52及び読取部53を介して、客から第2生体情報(顔画像、指紋情報)を取得する(ステップS21)。次いで、第2ゲート装置30の通信処理部513は、ステップS21で取得された第2生体情報をゲート制御装置60に送信する(ステップS22)。
【0073】
ゲート制御装置60では、通信処理部611により第2生体情報が受信されると、照合部613は、第2生体情報と入店管理テーブル641に記憶された第1生体情報の各々とを照合する(ステップS23)。ここで、第2生体情報に含まれた顔画像及び指紋情報の何れか一方又は両方に合致する第1生体情報が存在した場合、開閉制御部614は、第2開閉制御装置40に開指示を送信する(ステップS24)。
【0074】
そして、第2開閉制御装置40では、ゲート制御装置60から開指示を受け付けると、出口ドアDOUTを開錠対とすることで出口ドアDOUTを開放する(ステップS25)。
【0075】
なお、客へのサービスのために、ステップS24で、サービス券を発行するようにしてもよい。この場合、サービス券を発行する発行部の一例である印字部を第2ゲート装置30に設ける。また、開閉制御部614は、第2生体情報に含まれた顔画像及び指紋情報の何れか一方又は両方に合致する第1生体情報が存在した場合に、例えば次回以降に使用可能な割引券等のサービス券を発行する指示を、第2ゲート装置に送信する。サービス券を発行する指示を受信した第2ゲート装置30は、印字部でサービス券を印字して発行する。これにより、生体情報を提供した客にサービス券を提供することができるとともに、客をゲート装置へ導くことができる。なお、サービス券を発行する形態については後述する変形例5でも説明する。
【0076】
ステップS21~S25の処理により、退店を希望する客は、第2ゲート装置30を介して自身の生体情報を提供することで、店舗から出ることができる。また、店舗側では、第1ゲート装置10で第1生体情報が取得できた客を退店させることができるため、第1生体情報を提供しないまま入店した客を店舗内に留めることができる。
【0077】
以上のように、本実施形態のゲート制御装置60は、店舗の入口周辺に設けられる第1ゲート装置10から、当該第1ゲート装置10で取得された店舗に入店する客の第1生体情報を受信し、当該第1生体情報を入店管理テーブル641に保持したことを条件に、入口ドアDINを開状態とする。また、ゲート制御装置60は、店舗の出口周辺に設けられる第2ゲート装置30から、当該第2ゲート装置30で取得された店舗から退店する客の第2生体情報を受信し、当該第2生体情報が入店管理テーブル641に保持された第1生体情報の何れかと合致したことを条件に、出口ドアDOUTを開状態とする。
【0078】
これにより、ゲート制御装置60では、店舗を利用する客に自身を特定可能な第1生体情報を店舗側に提供させることができるため、犯罪の抑止力を客に与えることができる。また、ゲート制御装置60は、客に会員登録や会員証の提示等を行わせることなく入退店を制御することできるため、客への負荷を抑えることができ、利便性の向上を図ることができる。また、ゲート制御装置60は、入退店時の生体情報の照合結果に基づき客の退店を制御するため、客個人を特定するユーザ認証を行う構成と比較して、生体情報を含む個人情報の保持及び管理に係るコスト面での負荷や、情報漏洩等のセキュリティ面での負荷を抑えることができる。したがって、ゲート制御装置60では、簡便な構成で犯罪の抑止効果を高めた店舗を実現することができる。
【0079】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0080】
(変形例1)
上述の実施形態では、入口INと出口OUTとがそれぞれ設けられた店舗を例に説明したが、これに限らず、入口INと出口OUTとは共通の出入口によって実現されてもよい。この場合、出入口周辺の店舗の外側に第1ゲート装置10を配置し、店舗の内側に第2ゲート装置30を配置することで、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、この場合、第1開閉制御装置20と第2開閉制御装置40とは、一つの開閉制御装置として共通化することができる。
【0081】
(変形例2)
上述の実施形態では、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とを同一の装置構成としたが、これに限らず、異なる装置構成としてもよい。
【0082】
例えば、第2ゲート装置30は、撮像部52及び読取部53の何れか一方を備える構成としてもよい。また、第1ゲート装置10又は第1開閉制御装置20の撮像部52は、店舗の内外に設けられた監視カメラを流用する形態で構成してもよい。
【0083】
また、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とで、撮像部52及び読取部53の解像度やセンシング精度を異ならせてもよい。例えば、第2ゲート装置30が備える撮像部52及び読取部53の解像度やセンシング精度を、第1ゲート装置10が撮像部52及び読取部53の解像度やセンシング精度よりも低くする構成としてもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、生体情報として顔画像と指紋情報とを取得する形態としたが、人体から採取可能な生体情報であれば他の種類の生体情報であってもよい。例えば、読取部53を、手のひらの静脈を読み取るセンサとしてもよいし、瞳の虹彩パターンを読み取るセンサとしてもよい。また、第1ゲート装置10及び第2ゲート装置30の各々で取得する生体情報の個数も特に問わず、1であってもよいし、3以上であってもよい。
【0085】
(変形例3)
上述の実施形態では、第2生体情報に合致する第1生体情報が入店管理テーブル641に存在しない場合、出口ドアDOUTを閉状態としたまま、店員が操作する店内端末等に報知を行う構成としたが、この対応方法に限らないものとする。
【0086】
例えば、第2生体情報に合致する第1生体情報が入店管理テーブル641に存在しない場合、開閉制御部614は、記憶制御部612と協働することで、第2生体情報を第1生体情報として入店管理テーブル641に登録させた後、第2開閉制御装置40に開指示を送信する構成としてもよい。
【0087】
上記の対応とすることで、客の退店動作を遮ることなく、第1ゲート装置10で取得することができなかった客の生体情報を確保することができるため、客の利便性を図るとともに、店舗運営の効率化を図ることができる。
【0088】
なお、第2生体情報を第1生体情報として入店管理テーブル641に登録する際には、退店日時の登録をあわせて行うものとする。また、退店日時と同日時を入店日時として登録する形態としてもよい。
【0089】
(変形例4)
上述の実施形態では、第1生体情報が入店管理テーブル641に登録されたことを条件に、入口ドアDINを開状態とする形態を説明したが、これに限らず、更なる条件を設けてもよい。ここで、更なる条件は任意に設定できるものとするが、例えば、店舗内に存在する客数が閾値以下の場合に、入口ドアDINを開状態とする形態としてもよい。
【0090】
図8は、本変形例の開閉制御部614が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、図7で説明したステップS13の後に実行される処理の一例である。
【0091】
まず、開閉制御部614は、第1生体情報が入店管理テーブル641に登録されると、入店管理テーブル641に登録された退店日時が空欄の第1生体情報の個数、つまり店舗内に存在する客数を算出する(ステップS31)。なお、開閉制御部614は、第1生体情報から客数を算出する客数算出手段の一例である。
【0092】
続いて、開閉制御部614は、店舗内に存在する客数が閾値以下か否かを判定する(ステップS32)。ここで、閾値は、任意に設定可能であるとするが、店舗の大きさ等に基づいて設定することが好ましい。例えば、閾値を30人としてもよい。
【0093】
店舗内に存在する客数が閾値以下の場合(ステップS32;Yes)、開閉制御部614は、第1開閉制御装置20に開指示を送信し(ステップS33)、処理を終了する。
【0094】
一方、店舗内に存在する客数が閾値を上回る場合(ステップS32;No)、開閉制御部614は、入店を待機することを指示した入店待機指示を第1ゲート装置10に送信し(ステップS34)、処理を終了する。
【0095】
ここで、入店待機指示は、例えば、入店を待機する旨を示したメッセージや、店舗内に存在する客数と、閾値で規定された客数とを対比可能な情報を含む。第1ゲート装置10の案内処理部511は、入店待機指示に基づく画面を表示部54に表示させることで、入店を希望する客に待機を促す。
【0096】
なお、開閉制御部614は、出口ドアDOUTを開状態とする毎に、該当する第1生体情報に退店日時を入店管理テーブル641に登録するとともに、店舗内に存在する客数の算出を行うものとする。また、客の退店により店舗内に存在する客数が閾値以下になると、開閉制御部614は、第1開閉制御装置20に開指示を送信するとともに、閾値から店舗内に存在する客数分の数を減算した残りの人数を、入店可能人数として第1ゲート装置10に通知する。具体的には、開閉制御部614は、退店日時が空欄の第1生体情報の個数を店舗内に存在する客数として算出する。開閉制御部614は、第1生体情報から客数を算出する客数算出手段の一例である。
【0097】
なお、客数の算出方法は、上記の方法に限らず他の方法であってもよい。例えば、第2生体情報との照合に合致した第1生体情報を削除し、第2開閉制御装置40に開指示を送信する構成であれば、開閉制御部614は、保持している第1生体情報をカウントすることで、客数を算出できる(第1生体情報から客数を算出する客数算出手段)。これにより、本変形例に係るゲート制御装置60では、店舗内に存在する客数が閾値を超えないよう制限することができる。
【0098】
そして、第1ゲート装置10の案内処理部511は、ゲート制御装置60から通知された入店可能人数を表示部54に表示することで、入店可能人数分の入店を客に促す。
【0099】
以上のように、本変形例に係るゲート制御装置60では、店舗内に存在する客数が閾値を超えないよう制限することができる。
【0100】
(変形例5)
上述の実施形態では、店舗の入口付近に第1ゲート装置10を設け、店舗の出口付近に第2ゲート装置30を設けている。しかしながら、第1ゲート装置10の存在を知らない客は、入口ドアが開いた時に、生体情報を登録せずに入店してしまうことが想定される。第1ゲート装置10の存在を知らないまま入店した悪意の無い客は、買物をした後、出口の第2ゲート装置30で止められることに不満を感じる可能性がある。また、商品を一品だけ購入することを目的に来店した客は、第1ゲート装置10および第2ゲート装置30で生体情報を登録するために時間を消費することに不満を感じる可能性がある。
【0101】
また、上述の実施形態の構成では、第1ゲート装置10および第2ゲート装置30で生体情報を登録することで犯罪の抑止効果を高めることができるが、買物の際に生体情報を登録しなければ、入店、退店ができないことに不満を感じる客が発生する可能性がある。
【0102】
このような事情に対応するために、犯罪の抑止効果を図ることができ、また客にとっても利用しやすい構成とすることが望ましい。そこで、本変形例では、上述した課題を解決するゲート制御システム1(ゲート制御装置60)の変形例を説明する。
【0103】
本変形例に係るゲート制御システム1は、生体情報を登録した客にサービス券を発行するものである。これにより、生体情報を登録した客は、生体情報を登録しない客よりも商品を安く購入できる。また、ゲート装置50の利用を促進することができる。
【0104】
具体的には、本変形例に係るゲート制御システム1では、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30とのそれぞれに、サービス券を印字する印字部およびサービス券発行処理部を設ける。すなわち、本変形例に係る第1ゲート装置10及び第2ゲート装置30は、サービス券を発行するゲート装置の一例である。
【0105】
ゲート制御装置60の開閉制御部614は、予め決められた条件に従って、ゲート装置50へサービス券を発行する指示を行う。開閉制御部614からサービス券の発行指示を受けたゲート装置50では、サービス券発行処理部が、発行指示に基づいて印字部でサービス券を印字して発行する。例えば、サービス券は店舗で利用できる割引券等の優待券である。また、本変形例に係る入店管理テーブル641は、第2生体情報を記憶するエリアをさらに有する。生体情報記憶部の一例である入店管理テーブル641は、入店日時、第1生体情報、第2生体情報、及び退店日時等を記憶する。
【0106】
また、開閉制御部614は、通信処理部611、記憶制御部612、照合部613、及び削除処理部615と協働することで以下の処理を行う。以下では、開閉制御部614が中心となり、各部の機能を制御する例について説明するが、これに限定されるものではない。
【0107】
まず、通信処理部611が第1ゲート装置10から第1生体情報を受信した場合の動作例を説明する。通信処理部611が第1生体情報を受信すると、第1制御部としての開閉制御部614は、受信した第1生体情報に相当する第2生体情報が、入店管理テーブル641に保持されているか確認する。第1生体情報に相当する第2生体情報とは、第1生体情報に合致する第2生体情報を意味する。以下同様に表現する。
【0108】
第1生体情報に相当する第2生体情報が保持されていない場合、開閉制御部614は、第1ゲート装置10にサービス券の発行を指示することなく、第1生体情報を入店管理テーブル641に登録し、第1開閉制御装置20に開指示を送信する。これにより、開閉制御部614は、入口ドアDINを開状態とする。
【0109】
また、第1生体情報に相当する第2生体情報が、入店管理テーブル641に保持されている場合がある。例えば、客が、前回の買物の時、第1ゲート装置10で生体情報の登録を行わずに、第2ゲート装置30で生体情報の登録を行った場合等である。第2生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合は、客が、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30との両方で、生体情報を登録したことを示す。この場合、開閉制御部614は、客にサービス券を提供するための処理を実行する。
【0110】
具体的には、開閉制御部614は、第1生体情報に相当する第2生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合、第1ゲート装置10にサービス券の発行を指示する。そして、第1生体情報を入店管理テーブル641に保持したまま、第1開閉制御装置20に開指示を送信する。これにより、第1ゲート装置10はサービス券を発行する。また、第1開閉制御装置20は、入口ドアDINを開状態とする。
【0111】
ところで、第2生体情報が入店管理テーブル641に記憶されたままであると、次回以降入店する際に、第2生体情報を必ず確認することができるが、この場合、毎回サービス券を発行することになる。そこで、サービス券の発行の頻度を制限するために、サービス券を発行した場合に、入店管理テーブル641から該当する第2生体情報を消去する構成としてもよい。
【0112】
これにより、本変形例に係るゲート制御システム1では、第2ゲート装置30で生体情報が再度登録されるまで、サービス券の発行を抑制することができる。したがって、客を第2ゲート装置30へ導くことができる。また、ゲート制御装置60が第1ゲート装置10へサービス券の発行を指示する頻度を減らすことができるため、ゲート制御装置60の処理の負荷を低減できる。また、サービス券を印字する印字部の稼働頻度を減らすことで、第1ゲート装置10の消費電力の削減、紙の削減を図ることもできる。なお、第1生体情報を入店管理テーブル641に記憶する際には、入店日時を入店管理テーブル641に記憶することが好ましい。
【0113】
次に、通信処理部611が第2ゲート装置30から第2生体情報を受信した場合の動作例を説明する。通信処理部611が第2生体情報を受信すると、第2制御部としての開閉制御部614は、受信した第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されているか確認する。
【0114】
ここで、第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されていない場合、客が第1ゲート装置10で生体情報を登録せずに入店したことを意味する。この場合、開閉制御部614は、第2ゲート装置30にサービス券の発行を指示することなく、第2開閉制御装置40に開指示を送信することで、出口ドアDOUTを開状態とする。また、開閉制御部614は、記憶制御部612と協働することで、第2生体情報を入店管理テーブル641に登録する。
【0115】
このように、第2生体情報を入店管理テーブル641に保持することで、次回、客が来店したときに、第1ゲート装置10で生体情報を登録すれば、サービス券を発行することができる。またこの場合、第2ゲート装置30において、客に対して、”次回来店の際に入口で生体情報を登録していただければサービス券が得られます”等と報知することが好ましい。これにより、次回来店した客を第1ゲート装置10へ導くことができる。
【0116】
また、第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合は、客は第1ゲート装置10で生体情報を登録しているので、開閉制御部614は、サービス券を発行する。具体的には、開閉制御部614は、第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合、第2ゲート装置30にサービス券の発行を指示する。そして、開閉制御部614は、第2生体情報を入店管理テーブル641に登録し、第2開閉制御装置40に開指示を送信する。これにより、第2ゲート装置30はサービス券を発行する。また、第2開閉制御装置40は出口ドアDOUTを開状態とする。
【0117】
なお、第1生体情報が入店管理テーブル641に記憶されたままであると、次回以降、退店する際に、必ず、第1生体情報が確認できる。毎回サービス券を発行することになる。サービス券の発行の頻度を制限するためには、サービス券を発行した場合に、第1生体情報を消去してもよい。
【0118】
これにより、本変形例に係るゲート制御システム1では、第1ゲート装置10で生体情報を再度登録しない場合は、サービス券の発行を抑制することができる。したがって、客を第1ゲート装置10へ導くことができる。また、ゲート制御装置60が第2ゲート装置30へサービス券を発行する指示をする頻度を減らすことができるため、ゲート制御装置60の処理の負荷を低減できる。また、サービス券を印字する印字部の稼働頻度を減らすことで第2ゲート装置30の消費電力の削減、紙の削減を図ることができる。なお、第2生体情報を入店管理テーブル641に記憶する際には、退店日時を入店管理テーブル641に記憶することが好ましい。
【0119】
また、開閉制御部614は、第2ゲート装置30へサービス券の発行を指示した場合、第2生体情報を入店管理テーブル641に登録することなく、該当する第1生体情報を入店管理テーブル641から消去してもよい。これにより、客は、次回の買物の際には、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30との両方を利用することになる。
【0120】
上述したように、本変形例に係るゲート制御システム1では、生体情報を登録することで、犯罪の抑止力を客に与えることができる。また、本変形例に係るゲート制御システム1では、生体情報を登録する客に対してサービスを提供することができる。また、本変形例に係るゲート制御システム1では、第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されていない場合であっても、入口ドアDINを開状態とするため、生体情報を登録せずに入店した悪意の無い客とのトラブルも発生せず、出口で店員を呼び出すような通報システムを稼働させないことから消費電力の低減が実現できる。さらに、第1ゲート装置10と第2ゲート装置30の両方で、サービス券を発行することができるため、客が生体情報を登録しやすくなる。
【0121】
また、本変形例に係るゲート制御システム1では、ゲート装置50に不慣れな客が、入口または出口のゲート装置50のいずれか一方に生体情報を登録した場合も、次回の来店でもう一方のゲート装置50で生体情報を登録すれば、サービス券を受け取ることができる。また、本変形例に係るゲート制御システム1では、一回の買物の入店と退店とに限らず、サービス券を提供することができる。
【0122】
なお、従来は、退店したときの生体情報の登録と、次に来店したときの生体情報の登録を結びつけることはなかった。また、本変形例は、商品の精算の情報と連携してサービス券を発行するものではなく、商品の精算と関係せずにお客にサービス券を提供できることを特徴としている。これにより、買物をする人が連れてきた子供、または買物をする人に付き添う同伴者も、ゲート装置50に生体情報を登録することで、サービス券を受領することができる。多くの人がゲート装置50で生体情報を登録することにより、生体情報を登録することに抵抗感を感じない環境を構築することができる。そして、生体情報を登録することに不慣れな客が徐々に減少することが期待できる。
【0123】
なお、サービス券を発行する条件は上記例に限らず、例えば以下のような条件でサービス券を発行してもよい。
【0124】
開閉制御部614は、第1ゲート装置10から受信した第1生体情報に相当する第2生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合、第2生体情報に関連付けられた退店日時を確認する。ここで、開閉制御部614は、前回の買物をした退店日時から、今回の来店日時の間隔が一定の日数未満の場合に、サービス券の発行を第1ゲート装置10に指示する。一方、前回の買物をした退店日時から、今回の来店日時の間隔が一定の日数以上空いている場合、開閉制御部614は、サービス券を発行しないようにしてもよい。ここで、一定の日数とは、例えば2週間等である。
【0125】
このような条件でサービス券を発行することで、客を店舗へ導くとともに、第1ゲート装置10に導くことができる。なお、第1生体情報に相当する第2生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合であって、来店日時と退店日時の間隔が所定の間隔以上である場合、開閉制御部614は、第1ゲート装置10にサービス券の発行を指示することなく、第1生体情報を入店管理テーブル641に登録し、第1開閉制御装置20に開指示を送信する。
【0126】
また、開閉制御部614は、第2ゲート装置30から受信した第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合、第1生体情報に関連付けられた入店日時を確認する。ここで、入店日時から退店日時までの間隔が一定の時間以上空いている場合は、開閉制御部614は、サービス券を発行しないようにしてもよい。
【0127】
買物に必要な時間を超えて店内に滞在する客は、買物以外の目的で過ごしている可能性がある。例えば、夏の暑さを回避するために店内で過ごす等が想定できる。このような客を想定して、買物に必要な時間を超えている場合は、サービス券を発行しないようにしてもよい。
【0128】
具体的には、開閉制御部614は、第2生体情報に相当する第1生体情報が入店管理テーブル641に保持されている場合であって、来店日時と退店日時の間隔が所定の間隔以上である場合は、第2ゲート装置30にサービス券の発行を指示することなく、第2開閉制御装置40に開指示を送信する。また、開閉制御部614は、入店管理テーブル641の該当する第1の生体情報を消去し、第2の生体情報を入店管理テーブル641に登録しない。
【0129】
これにより、次回来店したときに、第1ゲート装置10でサービス券が発行されることを防止できる。所定の間隔は、買物に必要な時間であればよく、例えば2時間である。また、例えば複数の客の入店日時と退店日時を集計して、買物に必要な時間を計算して決めてもよい。例えば、複数の客の集計結果から平均2時間と算出する。その場合は、所定の間隔として、平均よりも多い時間の3時間を設定してもよい。こうすることで、買物に来ている客にサービス券を提供することができる。また、買物をしていない客にサービス券を発行しないことで、サービス券の発行に係る消費電力の低減化を図ることができる。
【0130】
なお、上述の実施形態では、入店管理テーブル641は、第1生体情報と第2生体情報とを別々に記憶する構成を説明した。しかしながら、第1生体情報と第2生体情報とは同じものであることから、第1生体情報又は第2生体情報の何れかを記憶するようにしてもよい。そして、入店管理テーブル641に第1生体情報または第2生体情報のいずれかが記憶されている場合は、他方の生体情報を受信したことを区別可能な識別子(例えば入店日時、または退店日時)を記憶することも、第1生体情報または第2生体情報を記憶したことに相当する。
【0131】
以上説明した、本変形例に係るゲート制御装置60の機能(動作)をまとめると以下のようになる。
【0132】
店舗の入口周辺に設けられるサービス券を発行する第1ゲート装置から、当該第1ゲート装置で取得された前記店舗に入店する客の第1生体情報を受信する第1受信手段と、
前記店舗の出口周辺に設けられるサービス券を発行する第2ゲート装置から、当該第2ゲート装置で取得された前記店舗から退店する客の第2生体情報を受信する第2受信手段と、
前記第1受信手段が前記第1生体情報を受信した場合、前記第1ゲート装置にサービス券の発行を指示し、前記店舗の入口を開状態とする第1制御部と、
前記第2受信手段が前記第2生体情報を受信した場合、前記第2ゲート装置にサービス券の発行を指示し、前記店舗の出口を開状態とする第2制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報に相当する前記第2生体情報が生体情報記憶部に保持されている場合、前記第1ゲート装置にサービス券の発行を指示するとともに、前記第1生体情報を前記生体情報記憶部へ保持して、前記店舗の入口を開状態とし、前記第1生体情報に相当する前記第2生体情報が前記生体情報記憶部に保持されていない場合、前記第1ゲート装置にサービス券の発行を指示することなく、前記第1生体情報を前記生体情報記憶部へ保持して、前記店舗の入口を開状態し、
前記第2制御部は、前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報に相当する前記第1生体情報が前記生体情報記憶部に保持されている場合、前記第2ゲート装置にサービス券の発行を指示するとともに、前記店舗の出口を開状態とし、前記第2生体情報に相当する前記第1生体情報が前記生体情報記憶部に保持されていない場合、前記第2ゲート装置にサービス券の発行を指示することなく、前記第2生体情報を前記生体情報記憶部に保持して、前記店舗の出口を開状態とする、ゲート制御装置。
【0133】
さらには、このゲート制御装置の前記第1制御部は、前記第1受信手段が受信した前記第1生体情報に相当する前記第2生体情報が前記生体情報記憶部に保持されている場合、当該第2生体情報を前記生体情報記憶部から消去し、
前記第2制御部は、前記第2受信手段が受信した前記第2生体情報に相当する前記第1生体情報が前記生体情報記憶部に保持されている場合、当該第1生体情報を前記生体情報記憶部から消去する、ゲート制御装置。
【0134】
以上のように、本変形例に係るゲート制御装置60では、上述した実施形態の効果を奏することができる。
【0135】
上述の実施形態(変形例)の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0136】
以上、本発明の実施形態(変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
1 ゲート制御システム
10 第1ゲート装置
20 第1開閉制御装置
30 第2ゲート装置
40 第2開閉制御装置
50 ゲート装置
60 ゲート制御装置
511 案内処理部
512 取得処理部
513 通信処理部
611 通信処理部
612 記憶制御部
613 照合部
614 開閉制御部
615 削除処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0138】
【文献】特開2019-79264号公報
図1
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