(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】データ処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20250310BHJP
【FI】
G05B23/02 301V
(21)【出願番号】P 2021179004
(22)【出願日】2021-11-01
【審査請求日】2024-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 安則
(72)【発明者】
【氏名】中田 康太
(72)【発明者】
【氏名】内藤 晋
(72)【発明者】
【氏名】加藤 佑一
(72)【発明者】
【氏名】富永 真哉
(72)【発明者】
【氏名】名倉 伊作
(72)【発明者】
【氏名】三宅 亮太
(72)【発明者】
【氏名】寺門 優介
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊夫
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-11388(JP,A)
【文献】特開平9-4496(JP,A)
【文献】特開2018-169769(JP,A)
【文献】特開2014-240266(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0208519(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112526973(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注目センサの測定値の時系列データのうち、第1期間における測定値の集合である第1測定データを取得する第1取得部と、
前記注目センサの測定値の時系列データのうち、前記第1期間とは異なる第2期間における測定値の集合である第2測定データを取得する第2取得部と、
前記第1測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第1期間に含まれる時刻での時間方向の第1微分値の集合である第1微分値集合を計算する第1微分部と、
前記第2測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第2期間に含まれる時刻での時間方向の第2微分値の集合である第2微分値集合を計算する第2微分部と、
前記第1微分値集合を用いて第1微分値分布を生成する第1分布生成部と、
前記第2微分値集合を用いて第2微分値分布を生成する第2分布生成部と、
前記第1微分値分布および前記第2微分値分布を出力する出力部と、
を具備するデータ処理装置。
【請求項2】
前記第1微分部は、前記第1期間における第1注目時刻での測定値と、前記第1注目時刻から所定時間離れた第1計算対象時刻における測定値との差分を算出することで、前記第1微分値を計算し、
前記第2微分部は、前記第2期間における第2注目時刻での測定値と、前記第2注目時刻から前記所定時間離れた第2計算対象時刻における測定値との差分を算出することで、前記第2微分値を計算する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記所定時間は、前記時系列データに適用する機械学習モデルへの入力となる時系列データの時間窓長よりも短い、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記所定時間は、前記時系列データに適用する機械学習モデルへの入力となる時系列データの時間窓長に対応する時間から1単位時間を減算した時間である、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記所定時間は、ユーザ指示により設定される時間である、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記第1期間における前記第1微分値の時間推移を示すトレンドグラフと、前記第2期間における前記第2微分値の時間推移を示すトレンドグラフとの少なくとも一方を表示する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記第1微分値分布と前記第2微分値分布の間の類似度または相違度であるスコアを算出するスコア算出部をさらに具備する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記スコアが類似度を表す場合は前記スコアが閾値未満の場合に、前記スコアが相違度を表す場合は前記スコアが前記閾値より大きい場合に、前記第1期間と前記第2期間との間で前記注目センサの測定値の時間変化速度のドリフトが発生したとみなして検知するドリフト検知部をさらに具備する、請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記ドリフト検知部は、複数の前記注目センサの測定値に対してそれぞれ前記時間変化速度のドリフトを検知する処理を実行し、
前記出力部は、前記時間変化速度のドリフトが検知された1以上のセンサのリスト情報を出力する、請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記ドリフト検知部は、複数の前記注目センサの測定値に対してそれぞれ前記時間変化速度のドリフトを検知する処理を実行し、
前記出力部は、前記時間変化速度のドリフトが前記ドリフト検知部で検知されたセンサの数に関する情報と、前記センサの数の時間変化に関する情報との少なくともいずれか一方を出力する、請求項8または請求項9に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記第1期間における前記測定値の最大値、最小値、平均値、および、中央値の少なくとも1つ、および/または、前記第2期間における前記測定値の最大値、最小値、平均値、および、中央値の少なくとも1つに関する情報を出力する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
注目時刻を第1軸、前記注目時刻から所定時間離れた時刻を第2軸とする2次元の領域に、前記第1測定データを第1表示態様でプロットし、前記第2測定データを前記第1表示態様とは異なる第2表示態様でプロットした散布図を作成する散布図作成部をさらに具備し、
前記出力部は、前記散布図を出力する、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
1以上のセンサから測定値の時系列データをそれぞれ取得する第3取得部と、
データの期間が前記第1期間である訓練データにより学習された学習済みモデルを取得するモデル取得部と、
前記第3取得部で取得した各時系列データを前記学習済みモデルに入力し、予測値を生成する予測値生成部と、
前記測定値と前記予測値とのトレンドグラフに関する情報を出力する第3出力部と、をさらに具備する請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記測定値と前記予測値との差分がしきい値以上である場合、前記測定値を出力したセンサに異常があると判定する異常検知部をさらに具備し、
前記注目センサは、前記1以上のセンサのうちの前記異常検知部により異常があると判定されたセンサである、請求項13に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記第1期間は、前記時系列データに適用する機械学習モデルを生成するための訓練データに対応する期間である、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
注目センサの測定値の時系列データのうち、第1期間における測定値の集合である第1測定データを取得し、
前記注目センサの測定値の時系列データのうち、前記第1期間とは異なる第2期間における測定値の集合である第2測定データを取得し、
前記第1測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第1期間に含まれる時刻での時間方向の第1微分値の集合である第1微分値集合を計算し、
前記第2測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第2期間に含まれる時刻での時間方向の第2微分値の集合である第2微分値集合を計算し、
前記第1微分値集合を用いて第1微分値分布を生成し、
前記第2微分値集合を用いて第2微分値分布を生成し、
前記第1微分値分布および前記第2微分値分布を出力する、データ処理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
注目センサの測定値の時系列データのうち、第1期間における測定値の集合である第1測定データを取得する第1取得手段と、
前記注目センサの測定値の時系列データのうち、前記第1期間とは異なる第2期間における測定値の集合である第2測定データを取得する第2取得手段と、
前記第1測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第1期間に含まれる時刻での時間方向の第1微分値の集合である第1微分値集合を計算する第1微分手段と、
前記第2測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第2期間に含まれる時刻での時間方向の第2微分値の集合である第2微分値集合を計算する第2微分手段と、
前記第1微分値集合を用いて第1微分値分布を生成する第1分布生成手段と、
前記第2微分値集合を用いて第2微分値分布を生成する第2分布生成手段と、
前記第1微分値分布および前記第2微分値分布を出力する出力手段として機能させるためのデータ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラント、水処理プラント、製造装置といったシステムは、複数の機器から構成される。そのシステムがインフラに用いられるシステムであれば、システムの停止が社会機能に悪影響を与える。また、インフラに用いられるシステムでなかったとしても、システムの停止が経済的損失を生む。そのため、システムを健全な状態に保つことが重要である。
そのため、システムの監視用に、1つ以上のセンサがシステム内の各所に設置される場合が多い。設置した1つ以上のセンサの測定値を利用すれば、システムの状態を監視できるが、システムの規模が大きいまたは複雑であると、監視に必要なセンサの数が多くなるため、センサ全てを限られた人数で同時に監視するのは困難である。
よって、システムの監視を補助する、あるいは、自動化する監視装置が知られている。例えば、機械学習モデルからセンサの測定値を予測した予測値と、実際の測定値の乖離を検知した場合、異常を検出したものとみなす手法がある。しかし、環境またはデータの変化による機械学習モデルの劣化度合いが分からず、更新タイミングが決めにくい。さらには、劣化した機械学習モデルを継続利用することにより誤検知が増加してしまう。
一方、センサ測定値のドリフトを検知し、測定器の経年劣化によるセンサ測定値のドリフトを検知するという手法もある。しかし、センサ測定値という瞬間値のドリフトを検知するため、センサ測定値の所定時間当たりの変化量である時間微分値、すなわち、時間変化速度に対するドリフトを検知することができず、時間変化速度が異なるだけで正常な運転である場合でも、誤検知される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】マイクロソフト、“Detect data drift(preview) on datasets”、[online]、 [2021年8月16日検索]インターネット<URL:https://docs.microsoft.com/en-us/azure/machine-learning/how-to-monitor-datasets?tabs=python>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ユーザビリティを向上させることができるデータ処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るデータ処理装置は、第1取得部と、第2取得部と、第1微分部と、第2微分部と、第1分布生成部と、第2分布生成部と、出力部とを含む。第1取得部は、注目センサの測定値の時系列データのうち、第1期間における測定値の集合である第1測定データを取得する。第2取得部は、前記注目センサの測定値の時系列データのうち、前記第1期間とは異なる第2期間における測定値の集合である第2測定データを取得する。第1微分部は、前記第1測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第1期間に含まれる時刻での時間方向の第1微分値の集合である第1微分値集合を計算する。第2微分部は、前記第2測定データから、前記注目センサの前記測定値の前記第2期間に含まれる時刻での時間方向の第2微分値の集合である第2微分値集合を計算する。第1分布生成部は、前記第1微分値集合を用いて第1微分値分布を生成する。第2分布生成部は、前記第2微分値集合を用いて第2微分値分布を生成する。出力部は、前記第1微分値分布および前記第2微分値分布を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図2】第1の実施形態に係るデータ処理装置の動作を示すフローチャート。
【
図3】第1の実施形態に係る第1微分値分布の表示例を示す図。
【
図4】第1の実施形態に係る第2微分値分布の表示例を示す図。
【
図5】第1微分値分布および第2微分値分布の表示例の変形例を示す図。
【
図6】ユーザが微分ステップを指定する場合を示す概念図。
【
図7】第2の実施形態に係る第1出力情報によるトレンドグラフの表示例を示す図。
【
図8】第2の実施形態に係る第1出力情報によるトレンドグラフの表示例を示す図。
【
図9】第2の実施形態に係る第2出力情報によるトレンドグラフの表示例を示す図。
【
図10】第2の実施形態に係る第2出力情報によるトレンドグラフの表示例を示す図。
【
図11】第2の実施形態に係るトレンドグラフの表示例の第1の変形例を示す図。
【
図12】第2の実施形態に係るトレンドグラフの表示例の第2の変形例を示す図。
【
図13】第3の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図14】第4の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図15】第6の実施形態に係る第1出力情報の第1の表示例を示す図。
【
図16】第6の実施形態に係る第1出力情報の第2の表示例を示す図。
【
図17】第6の実施形態に係る第2出力情報の第1の表示例を示す図。
【
図18】第6の実施形態に係る第2出力情報の第2の表示例を示す図。
【
図19】第6の実施形態に係る第1出力情報および第2出力情報の第3の表示例を示す図。
【
図20】第7の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図21】第7の実施形態に係る散布図データの第1の表示例を示す図。
【
図22】第7の実施形態に係る散布図データの第2の表示例を示す図。
【
図23】時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数の変化を表すグラフの一例を示す図。
【
図24】第9の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図25】第9の実施形態に係るある注目センサについての測定値と予測値とのトレンドグラフの一例を示す図。
【
図26】第9の実施形態に係るある注目センサについての訓練データの期間と期間Cの測定値とのトレンドグラフの一例を示す図。
【
図27】第10の実施形態に係るデータ処理装置を示すブロック図。
【
図28】第10の実施形態に係る検知信号の表示例を示す図。
【
図29】データ処理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るデータ処理装置、方法およびプログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るデータ処理装置100を示すブロック図である。データ処理装置100は、第1期間設定部101、第2期間設定部102、第1取得部103、第2取得部104、第1微分部105、第2微分部106、第1分布生成部107、第2分布生成部108、第1出力部119および第2出力部120を含む。
なお、以下では、第1の構成と第2の構成とに共通する内容である場合、序数を省略して説明する。例えば、第1微分部105および第2微分部106に共通する内容であれば、「微分部は、」として説明する。
【0010】
第1期間設定部101は、所定の第1期間を設定し、第1取得部103に送る。
第2期間設定部102は、第1期間とは異なる所定の第2期間を設定し、第2取得部104に送る。
【0011】
第1取得部103は、第1期間設定部101から第1期間に関する情報を受け取り、システムに設置された1つ以上のセンサのうち、注目するセンサである注目センサの第1期間における測定値の集合である第1測定データを外部から取得する。第1取得部103は、第1測定データを第1微分部105に送る。
【0012】
第2取得部104は、第2期間設定部102から第2期間に関する情報を受け取り、注目センサの第2期間における測定値の集合である第2測定データを外部から取得する。第2取得部104は、第2測定データを第2微分部106に送る。
ここで、第1測定データおよび第2測定データが取得される注目センサは同一である。第1取得部103と第2取得部104との間で、測定データを取得する注目センサの情報について同期し、同一の注目センサから第1測定データおよび第2測定データを取得してもよい。または、第1取得部103と第2取得部104との間で同期せずに、測定値にセンサIDに関する情報を付与し、各センサの測定値に基づいて第1測定データおよび第2測定データとが取得されてもよい。その後、例えばデータ制御部(図示せず)が、第1測定データおよび第2測定データの取得後に、同一の注目センサに関する第1測定データと第2測定データとを紐づけ、第1測定データを第1微分部105に、第2測定データを第2微分部106にそれぞれ送るようにしてもよい。
【0013】
第1微分部105は、第1取得部103から第1測定データを受け取り、第1測定データの測定値の第1期間に含まれる第1時刻での時間方向の第1微分値を計算する。第1微分部105は、第1時刻を第1期間において変化させてそれぞれ計算した第1微分値の集合である第1微分値集合を第1分布生成部107に送る。この際、第1微分値集合の全要素を一括で第1分布生成部107に送っても、第1微分値集合の各要素を逐次的に第1分布生成部107に送ってもよい。第1時刻における時間方向の第1微分値は、例えば、第1時刻付近の第1注目時刻と前記第1注目時刻からs単位時間離れた第1計算対象時刻の測定値の差分を算出することで計算する。「s」は、微分ステップの値を表し、例えば「1」である。
【0014】
第1注目時刻は、第1時刻における第1微分値を計算するために注目する時刻である。第1注目時刻は、第1時刻と一致してもよいし、一致しなくともよい。第1計算対象時刻は、例えば、第1注目時刻からs単位時間だけ前である。第1計算対象時刻は、第1注目時刻からs単位時間だけ後であってもよい。注目センサの測定値の時間方向の第1微分値は、注目センサの測定値の第1時刻付近での時間変化速度を表す。
【0015】
第2微分部106は、第2取得部104から第2測定データを受け取り、第2測定データの測定値の第2期間に含まれる第2時刻での時間方向の第2微分値を計算する。第2微分部106は、第2時刻を第2期間において変化させてそれぞれ計算した第2微分値の集合である第2微分値集合を第2分布生成部108に送る。この際、第2微分値集合の全要素を一括で第2分布生成部108に送っても、第2微分値集合の各要素を逐次的に第2分布生成部108に送ってもよい。
【0016】
第2時刻における時間方向の第2微分値は、例えば、第2時刻付近の第2注目時刻と前記第2注目時刻からs単位時間離れた第2計算対象時刻の測定値の差分を算出することで計算する。第2注目時刻は、第2時刻における第2微分値を計算するために注目する時刻である。第2注目時刻は、第2時刻と一致してもよいし、一致しなくともよい。第2計算対象時刻は、例えば、第2注目時刻からs単位時間だけ前である。第2計算対象時刻は、第2注目時刻からs単位時間だけ後であってもよい。注目センサの測定値の時間方向の第2微分値は、注目センサの測定値の第2時刻付近での時間変化速度を表す。
【0017】
第1分布生成部107は、第1微分部105から第1微分値集合を受け取り、微分値に関する分布または累積分布を生成し、第1微分値分布として第1出力部119に送る。
第2分布生成部108は、第2微分部106から第2微分値集合を受け取り、微分値に関する分布または累積分布を生成し、第2微分値分布として第2出力部120に送る。ここで、第1微分値分布および第2微分値分布はそれぞれ、例えばヒストグラムを想定するが、これに限らず、離散型確率分布、確率密度関数、累積ヒストグラム、離散型累積確率分布、累積確率密度関数などでもよい。
【0018】
第1出力部119は、第1分布生成部107から第1微分値分布を受け取り、第1微分値分布に関する第1出力情報をデータ処理装置100の外部へ出力する。なお、第1出力部119がモニタなどの表示装置である場合、第1出力情報として第1微分値分布を表示してもよい。
第2出力部120は、第1分布生成部107から第1微分値分布を受け取り、第2微分値分布を表す第2出力情報をデータ処理装置100の外部へ出力する。なお、第2出力部120がモニタなどの表示装置である場合、第1出力部119と同様に、第2出力情報として第2微分値分布を表示してもよい。
【0019】
次に、第1の実施形態に係るデータ処理装置100の動作について
図2のフローチャートを参照して説明する。
ステップS201では、第1取得部103が第1測定データを、第2取得部104が第2測定データをそれぞれ取得する。
ステップS202では、第1微分部105が、第1期間内の第1時刻の測定値の第1微分値を計算する。
【0020】
ステップS203では、第1微分部105が、第1期間において第1微分値を算出可能な全時刻において第1微分値を算出したか否かを判定し、当該全時刻における第1微分値を算出した場合は、ステップS205に進み、未処理の当該時刻がある場合は、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1微分部105が、未処理の当該時刻の中から新たな第1時刻を決定し、ステップS202に戻り、同様の処理を繰り返す。
ステップS205では、第1分布生成部107が、ステップ203で得られた第1微分値集合から第1微分値分布を生成する。
【0021】
ステップS206では、第2微分部106が、第2期間内の第2時刻の測定値の第2微分値を計算する。
ステップS207では、第2微分部106が、第2期間において第2微分値を算出可能な全時刻において第2微分値を算出したか否かを判定し、当該全時刻における第2微分値を算出した場合は、ステップS209に進み、未処理の当該時刻がある場合は、ステップS208に進む。
【0022】
ステップS208では、第2微分部106が、未処理の当該時刻の中から新たな第2時刻を決定し、ステップS206に戻り、同様の処理を繰り返す。
ステップS209では、第2分布生成部108が、ステップS207で得られた第2微分値集合から第2微分値分布を生成する。
ステップS210では、第1出力部119および第2出力部120が、第1微分値分布および第2微分値分布を出力する。第1微分値分布および第2微分値分布は、それぞれ別々のモニタに表示されてもよいし、同一のモニタで異なるグラフとして表示されてもよい。
【0023】
次に、第1微分値分布の表示例について
図3に示す。
図3は、第1微分値分布30のグラフであり、横軸は頻度を、縦軸は時間方向の第1微分値をそれぞれ表す。第1微分値分布30は、時間方向における第1微分値のヒストグラムである。なお、縦軸と横軸とは入れ替えてもよい。
図3に示すように、第1微分値に応じて3つの頻度のピークが存在する。つまり、第1微分値がゼロであれば、センサ値が略変わらないことを示すため、定常状態である。第1微分値が正または負である場合、時間変化速度が正または負となっていることを示す。
【0024】
次に、第2微分値分布の表示例について
図4に示す。
図4は、第2微分値分布40のグラフであり、
図3と同様に、横軸は頻度を、縦軸は時間方向の微分値をそれぞれ表す。第2微分値分布40は、時間方向における第2微分値のヒストグラムである。なお、縦軸と横軸とは入れ替えてもよい。第1微分値分布と同様に、第2微分値に応じて3つの頻度のピークが存在する。なお、ここでは、微分値の絶対値は、第2微分値のほうが第1微分値よりも大きいことを想定する。
【0025】
この場合、
図3と
図4とを比較すると、時間方向の微分値は、時間変化速度であるから、時間変化速度の絶対値が、第1期間よりも第2期間のほうが大きいといえる。第1微分値分布と第2微分値分布とが一致すれば、第1期間と第2期間とで変化がない、つまり時間変化速度におけるドリフトが発生していない。しかし、
図3と
図4とを比較したユーザは、時間変化速度の絶対値が第1微分値と第2微分値とで異なることが分かるため、第1期間と第2期間との間で時間変化速度に関するドリフトが発生したと理解できる。
【0026】
時間変化速度のドリフトについて説明する。例えば、センサで測定されるデバイスの測定値が1から10まで操作者の操作により変化する場合を想定する。この場合、操作者Aが1,2,3,・・・,10と1段階ずつ測定値を変化させた場合と、操作者Bが1から10まで一気に測定値を変化させた場合とでは、所定時間当たりの変化量、つまり速度が異なる。よって、操作者Aと操作者Bとの操作を比較すると、時間変化速度がドリフトしているといえる。また、操作者によらず、例えば、システムに設置された、開いている弁を閉じる際、第1期間と第2期間とで、弁の周辺の摩擦力や圧力等が異なれば、弁が閉じるまでにかかる時間が異なる場合がある。この場合、弁がどれだけ開いた状態かを表す弁開度の時間変化速度がドリフトしているといえる。
【0027】
なお、第1微分値分布30および第2微分値分布40を1つのグラフで表示してもよい。
第1微分値分布および第2微分値分布の表示例の変形例について
図5に示す。
図5に示すように、第1微分値分布30および第2微分値分布40を重畳して表示することで、微分値のピークの違いを容易に把握できる。
【0028】
また、上述の例では、微分ステップが「1」である場合を想定したが、これに限らず、例えばユーザが指定してもよい。
ユーザが微分ステップを指定する場合について
図6を参照して説明する。
図6は、微分ステップを調整するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一例を示す。微分ステップを決定するためのスライダー61を設定する。ユーザは例えばマウスカーソル62または指でスライダー61のつまみを移動させることで、微分ステップを調整する。調整された値がテキストボックス63に表示される。
なお、スライダー61による微分ステップの設定ではなく、ユーザが微分ステップの値をテキストボックス63に直接入力可能としてもよい。
【0029】
ユーザにより入力された値は、第1微分部105および第2微分部106に与えられて微分ステップの値として設定されればよい。
【0030】
なお、微分ステップは、センサによりシステムに異常が発生しているか否かを判定する、センサの測定値に適用する機械学習モデルに基づいて決定されてもよい。具体的には、学習済みの機械学習モデル(学習済みモデルともいう)への入力時系列データの時間窓長よりも小さい値に設定されてもよい。例えば、機械学習の時間窓長に対応する単位時間をWとすると、微分ステップは、その「W」から1単位時間を減算した「W-1」の値に設定されてもよいし、1以上「W」未満の値に設定されればよい。このように微分ステップを設定することで、同様に時間変化速度のドリフトを計算できる。
なお、微分ステップがユーザによって設定される場合に、微分ステップとして設定できる値の下限が1、上限が「W-1」にそれぞれ設定されてもよい。
【0031】
以上に示した第1の実施形態によれば、第1期間における対象センサの測定値に関する第1微分値分布と、第2期間における対象センサの測定値に関する第2微分値分布とを生成する。これにより、ユーザが時間変化速度を容易に比較でき、時間変化速度に関するドリフトが生じたことを容易に検知できる。また、時間変化速度に関するドリフトが発生した場合、ユーザは、対象センサが設置されるシステムの検知が適切か否かを判定できる。結果としてユーザビリティを向上させることができる。
【0032】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1微分値分布および第2微分値分布を表示することに加えて、第1微分値のトレンドグラフおよび第2微分値のトレンドグラフを表示する。
【0033】
微分値のトレンドグラフは、微分値の時間変化(時間推移)を表すグラフである。
第1出力部119が、第1微分部105から第1微分値集合を受け取り、第1出力情報として第1微分値のトレンドグラフをさらに出力する。同様に、第2出力部120が、第2微分部106から第2微分値集合を受け取り、第2出力情報として第2微分値のトレンドグラフをさらに出力する。
【0034】
第2の実施形態に係る第1出力部119から出力されるトレンドグラフの一例を
図7および
図8に示す。
図7では、第1期間におけるトレンドグラフ70が表示される。縦軸は第1微分値であり、横軸は時間である。これにより、時系列に沿って第1微分値の変化を把握できる。
トレンドグラフ70と第1微分値分布30とが、異なる表示領域に表示されてもよいし、
図8に示すように、1つの表示領域に、第1微分値のトレンドグラフ70と第1微分値分布30とが並べて表示されてもよい。トレンドグラフ70と第1微分値分布30とを1つの表示領域に並べて表示する際は、共通する軸のスケールを揃えることでユーザがより見やすくなる。
【0035】
次に、第2の実施形態に係る第2出力部120から出力されるトレンドグラフの一例を
図9および
図10に示す。
図9では、第2期間におけるトレンドグラフ90が表示される。縦軸は第2微分値であり、横軸は時間である。これにより、時系列に沿って第2微分値の変化を把握できる。
また、
図10に示すように、第2微分値のトレンドグラフ90と第2微分値分布40とを並べて表示してもよい。
【0036】
次に、トレンドグラフの表示例の第1の変形例について
図11に示す。
図11に示すように、第1微分値のトレンドグラフ70と、第2微分値のトレンドグラフ90とを1つのグラフに表示してもよい。1つのグラフに2つのトレンドグラフを表示することで、時系列に沿って第1微分値と第2微分値とのトレンドを把握できる。
【0037】
次に、トレンドグラフの表示例の第2の変形例について
図12に示す。
図12は、
図11に示すトレンドグラフと、
図5に示す微分値分布とをともに同じ表示領域に表示する例である。なお、
図11に示すトレンドグラフと、
図3および
図4のいずれか1つのグラフとを1つの画面に表示してもよい。
【0038】
以上に示した第2の実施形態によれば、第1微分値分布および第2微分値分布を表示することに加えて、第1微分値および第2微分値のトレンドグラフを生成して出力する。これにより、時間変化速度のドリフトが発生したことを検知できることに加えて、時間変化速度のドリフトが生じた時期に気づきやすくなるため、ドリフトが生じた時期を特定しやすくなる。
【0039】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、時間変化速度のドリフトを判定するためのスコアを算出する。
第3の実施形態に係るデータ処理装置100について、
図13のブロック図を参照して説明する。
図13に示す第3の実施形態に係るデータ処理装置100は、
図1と比較して、スコア算出部およびスコア出力部1302をさらに含む。
【0040】
スコア算出部1301は、第1分布生成部107から第1微分値分布を、第2分布生成部108から第2微分値分布をそれぞれ受け取り、分布差に関するスコアを算出する。スコアとしては、例えば、第1微分値分布と第2微分値分布との類似度または相違度を用いればよい。類似度としては、例えばヒストグラムインターセクション、コサイン類似度を用いればよい。相違度としては、例えばカルバックライブラー情報量(Kullback-Leibler divergence)またはWasserstein距離でもよいし、ユークリッド距離、最大値同士の差、最小値同士の差、平均値同士の差、中央値同士の差およびこれらの基準の重み付け和でもよい。
【0041】
スコア出力部1302は、スコア算出部1301からスコアを受け取り、外部に出力する。スコア出力部1302が表示部であれば、当該スコアを表示する。
【0042】
以上に示した第3の実施形態によれば、スコアを算出することにより、注目センサのスコアを知ることができる。スコアが類似度である場合、スコアの値が小さいほど、類似度が低いことを示すため、注目センサの時間変化速度に関するドリフトが発生している可能性が高いことをユーザが把握できる。スコアが相違度である場合、スコアの値が大きいほど、相違度が大きいため、注目センサの時間変化速度に関するドリフトが発生している可能性が高いことをユーザが把握できる。
【0043】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、スコアに基づき時間変化速度のドリフトの発生を検知する。
第4の実施形態に係るデータ処理装置100について、
図14のブロック図を参照して説明する。
【0044】
図14に示す第4の実施形態に係るデータ処理装置100は、
図1と比較して、スコア算出部と、ドリフト検知部1401と、ドリフト情報出力部1402とをさらに含む。
スコア算出部1301は、第3の実施形態と同様である。
【0045】
ドリフト検知部1401は、スコア算出部1301からスコアを受け取り、スコアとしきい値との大小判定により、時間変化速度のドリフトが発生したか否かを検知する。スコアが類似度である場合、スコアがしきい値よりも小さい場合に時間変化速度のドリフトが発生したとみなして検知する。スコアが相違度である場合、スコアがしきい値よりも大きい場合に時間変化速度のドリフトが発生したとみなして検知する。ドリフト検知部1401は、注目センサの時間変化速度のドリフトが検知されたかどうかを表すドリフト検知信号を生成する。
【0046】
ドリフト情報出力部1402は、ドリフト検知部1401からドリフト検知信号を受け取り、注目センサの時間変化速度のドリフトの検知に関するドリフト情報をデータ処理装置100の外部に出力する。ドリフト情報は、例えば、モニタ中のある表示領域に注目センサの時間変化速度のドリフトが生じたか否かがテキストで映し出されればよい。または、時間変化速度のドリフトが発生したことを示す音声またはアラート音が出力されてもよい。
【0047】
以上に示した第4の実施形態によれば、ドリフト検知部が、スコアに基づき時間変化速度のドリフトが発生したか否かを検知することで、ユーザは、注目センサの時間変化速度に関するドリフトが生じたか否かを知ることができる。
【0048】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、複数のセンサについて、時間変化速度のドリフトが発生したか否かを検知する。
第5の実施形態に係るデータ処理装置100は、第4の実施形態に係るデータ処理装置100と同様の構成であればよい。
【0049】
あるシステムに複数のセンサが設置される場合、データ処理装置100は、複数のセンサのうちの1つを注目センサとして、第4の実施形態に係る処理を実行すればよい。1つの注目センサについての時間変化速度のドリフトの検知処理が終了すれば、データ処理装置100は、例えば第1取得部103または第2取得部104が、複数のセンサのうち未処理のセンサを新たな注目センサとして設定し、第1測定データおよび第2測定データを取得する。同様に時間変化速度のドリフトの検知処理を実行すればよい。なお、第1取得部103および第2取得部104は、第1測定データおよび第2測定データを取得する場合、センサを一意に識別するためのID(センサIDともいう)を紐づけて取得する。
【0050】
ドリフト検知部1401は、注目センサについて算出された、時間変化速度のドリフトに係るドリフト検知信号は、生成された都度、ドリフト情報出力部1402に送られてもよいし、複数のセンサすべてについてドリフト検知信号を算出したのち、まとめて複数のドリフト検知信号をドリフト情報出力部1402に送ってもよい。
ドリフト情報出力部1402は、ドリフト検知部1401から各センサについて算出されたドリフト検知信号を受け取り、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサのリストを生成し、当該リストをドリフト情報として外部に出力する。
【0051】
なお、ドリフト情報として、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数を出力してもよい。ドリフト情報出力部1402は、ドリフト検知信号に基づいて、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数をカウントし、センサの数を外部に出力してもよい。
【0052】
以上に示した第5の実施形態によれば、ドリフト情報出力部が、複数のセンサのうち、時間変化速度のドリフトが発生したセンサのリストおよびセンサの数の少なくとも一方を出力する。これにより、ユーザは、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサおよびセンサ数を容易に把握できる。
【0053】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1微分値分布および第2微分値分布のグラフに、第1期間および第2期間における測定データの最大値、最小値、平均値、および、中央値を表示してもよい。説明を簡単にするために、以下では、最大値、最小値、平均値、および、中央値のうちの最大値と最小値とを表示する場合の例を説明する。
第6の実施形態に係るデータ処理装置100の構成は、上述の実施形態と同様である。
【0054】
第1微分部105は、第1測定データのうちの最大値および最小値を算出する。
第1出力部119は、第1微分部105から最大値および最小値を受け取り、第1位微分値分布と最大値および最小値とを第1出力情報として出力する。これにより、出力先の表示部などでは、第1微分値分布に第1微分値の最大値および最小値を重ねて描出できる。
同様に、第2微分部106は、第2測定データのうちの最大値および最小値を算出する。
第2出力部120は、第2微分部106から最大値および最小値を受け取り、第2微分値分布と最大値および最小値とを第2出力情報として出力する。これにより、出力先の表示部などでは、第2微分値分布に第2微分値の最大値および最小値を重ねて描出できる。
【0055】
なお、第1微分部105および第2微分部106がそれぞれ最大値および最小値を算出することに限らない。例えば、第1出力部119が、第1微分部105から第1測定データを受け取り、第1測定データの最大値および最小値を算出してもよい。同様に、第2出力部120が、第2微分部106から第2測定データを受け取り、第2測定データの最大値および最小値を算出してもよい。
【0056】
次に、第6の実施形態に係る第1出力情報の第1の表示例について
図15に示す。
図15は、
図3に示す第1微分値分布30に、第1測定データの最大値1501および最小値1502を破線で表示した例である。
測定データの最大値および最小値は、時間変化速度のドリフトを確認する上で重要であるため、ユーザに最大値および最小値を視認しやすくさせることができる。
なお、第1微分値分布に第2測定データの最大値および最小値を表示してもよい。
【0057】
第6の実施形態に係る第1出力情報の第2の表示例について
図16に示す。
図16は、
図3に示す第1微分値分布30に、第2測定データの最大値1601および最小値1602を実線で表示した例である。
図15の場合と同様に、ユーザに最大値および最小値を視認しやすくさせることができる。
この場合、第1出力部119は、第2微分部106から第2測定データの最大値および最小値を取得すればよい。または、第2微分部106から第2測定データを受け取り、第1出力部119が第2測定データの最大値および最小値を算出してもよい。
【0058】
次に、第6の実施形態に係る第2出力情報の第1の表示例について
図17に示す。
図17は、
図4に示す第2微分値分布40に、第2測定データの最大値1601および最小値1602を実線で表示した例である。
【0059】
なお、第2微分値分布に第1測定データの最大値および最小値を表示してもよい。
第6の実施形態に係る第2出力情報の第2の表示例について
図18に示す。
図18は、
図4に示す第2微分値分布40に、第1測定データの最大値1501および最小値1502を破線で表示した例である。
図17の場合と同様に、ユーザに最大値および最小値を視認しやすくさせることができる。
この場合、第2出力部120は、第1微分部105から第1測定データの最大値および最小値を取得すればよい。または、第1微分部105から第1測定データを受け取り、第2出力部120が第1測定データの最大値および最小値を算出してもよい。
【0060】
次に、第6の実施形態に係る第1出力情報および第2出力情報の第3の表示例について
図19に示す。
図19は、第1微分値分布30と、第2微分値分布40と、第1測定データの最大値1501および最小値1502と、第2測定データの最大値1601および最小値1602とを重畳表示したグラフである。
【0061】
例えば、時間変化速度のドリフトが発生していなければ、最大値1501と最大値1601との値が近いことが想定されるが、
図19に示すように最大値1501と最大値1601とが離れているため、時間変化速度のドリフトが生じている可能性を把握できる。もちろん、最小値1502と最小値1602との比較においても同様に、時間変化速度のドリフトが生じている可能性を把握できる。
【0062】
以上に示した第6の実施形態によれば、微分値分布のヒストグラムまたは確率密度関数だけでは確認できない測定データの最大値および最小値を算出してグラフに重畳表示することで、ユーザが最大値および最小値を確認しやすくなる。
【0063】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、微分値に基づいて散布図を作成して出力する。
第7の実施形態に係るデータ処理装置について
図20を参照して説明する。
図20に示す第7の実施形態に係るデータ処理装置100は、
図1と比較して、散布図作成部2001と、散布図出力部2002とをさらに含む。
散布図作成部2001は、第1取得部103から第1測定データを、第2取得部104から第2測定データをそれぞれ受け取り、第1測定データおよび第2測定データの散布図データを作成する。
散布図出力部2002は、散布図作成部2001から散布図データを外部に出力する。
【0064】
次に、第7の実施形態に係る散布図作成部により作成された散布図データの第1の表示例について
図21を参照して説明する。
図21に示す散布図は、縦軸が注目時刻の測定値を示し、横軸が注目時刻よりもs単位時間前の時刻の測定値を示す。
測定データに含まれる測定値に対応する複数の時刻の中から、注目時刻を設定し、当該注目時刻の測定値と当該注目時刻よりもs単位時間前の時刻の測定値との組み合わせの時間をプロットする。
図21の例では、黒丸が第1測定データに関するプロット、黒三角が第2測定データに関するプロットである。なお、第1測定データのプロットおよび第2測定データのプロットは、黒丸および黒三角に限らず、第1測定データと第2測定データとが異なる表示態様で表示され、互いに区別可能であれば、どのような表示態様で表示させてもよい。
【0065】
領域2101では、測定データの注目時刻の測定値とs単位時間前の測定値とが近い値であることを示し、定常状態であることを示す。言い換えれば、微分ステップsで測定値を時間方向に微分した値がゼロに近く、時間変化速度がゼロに近い定常状態、つまり時間変化速度のドリフトが生じていないことを示す。
【0066】
一方、領域2102では、測定データの注目時刻の測定値のほうが、s単位時間前の測定値よりも大きいことを示し、測定値が時間とともに増加する過渡状態であることを示す。言い換えれば、微分ステップsで測定値を時間方向に微分した値が正であり、時間変化速度が正である過渡状態を表す。
【0067】
また、領域2103では、測定データの注目時刻の測定値のほうが、s単位時間前の測定値よりも小さいことを示し、測定値が時間とともに減少する過渡状態であることを示す。言い換えれば、微分ステップsで測定値を時間方向に微分した値が負であり、時間変化速度が負である過渡状態を表す。
図21に示す散布図を参照することにより、散布図からも時間変化速度のドリフトが生じていることを把握できる。
【0068】
次に、第7の実施形態に係る散布図データの第2の表示例について
図22に示す。
図22は、
図21に示す散布図と、
図5に示す微分値分布とを並べて表示した例である。
散布図のプロットと微分値分布のヒストグラムとで対応するデータ群を結ぶように対応関係を示す。
なお、
図21および
図22において、散布図の縦軸と横軸とを入れ替えてもよい。また、
図21および
図22の散布図の横軸は、注目時刻よりもs単位時間前の時刻に対応する測定値を示すが、注目時刻よりもs単位時間後の時刻に対応する測定値を用いてもよい。
【0069】
以上に示した第7の実施形態によれば、ユーザは、散布図とヒストグラムとの両面から時間変化速度のドリフトを把握できる。
【0070】
(第8の実施形態)
第6の実施形態では、システムに設置された1つ以上のセンサの値を機械学習モデルで監視する場合を示す。
第1期間を機械学習モデルの訓練データの期間とし、第2期間を第1期間より後の期間とすれば、データ処理装置100により、訓練データの期間と当該訓練データの期間より後の期間とにおいて、監視対象の1以上のセンサの中で時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数を監視できる。
【0071】
また、第2取得部104において、第2期間を最新の時間方向にシフトさせて第2測定データを取得することで、時間変化速度に関するドリフトが検知されたセンサの数の変化を監視することもできる。
【0072】
ここで、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数の変化を表すグラフの一例について
図23に示す。
図23に示すグラフは、横軸が時間を示し、縦軸が時間変化速度のドリフトが検知されたセンサ数を示す。ドリフト情報出力部1402は、ドリフト情報として、時間変化速度のドリフトが検知されたセンサの数の時系列変化に関する情報を生成し、当該情報を
図23に示すグラフとして出力してもよいし、リストとして出力してもよい。
【0073】
また、所定のセンサ数のしきい値2301を設定し、センサ数の時系列変化において、当該しきい値2301以上のセンサ数となった場合、ドリフト情報出力部1402は、機械学習モデルの更新を促す旨の情報を出力してもよい。これは、時間変化速度のドリフトが発生したセンサ数が、しきい値以上のセンサ数となる場合、生成された機械学習モデルは、現在のセンサの値には適さないモデルであると判定できるからである。
すなわち、ユーザは、時間変化速度に関するドリフトが検知されたセンサの数が所定の値を超過した段階で、学習済みモデルを更新することを決定できる。
【0074】
なお、ドリフトが発生したセンサ数がしきい値2301を超えた期間が、所定期間未満であれば、学習済みモデルの更新を行わないと判断されてもよい。例えば、ドリフトが発生したセンサ数がしきい値2301を超えた期間が所定期間2302未満であれば、製品の欠陥などで一時的にセンサ値が振れたことも考えられるため、ドリフト情報出力部1402は、学習済みモデルの更新を促す旨の情報を出力しなくともよい。
【0075】
以上に示した第8の実施形態によれば、複数のセンサについて時間変化速度のドリフトが発生したか否かを検知することで、当該複数のセンサの値に基づく学習済みモデルが設計されていた場合、当該学習済みモデルの更新の必要性を判定できる。
【0076】
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、例えば機械学習モデルを用いてセンサの測定値に関する予測値を算出する。
第9の実施形態に係るデータ処理装置100について
図24のブロック図を参照して説明する。
図24に示す第9の実施形態に係るデータ処理装置100は、
図1と比較して、第3取得部2401と、モデル取得部2402と、予測値生成部2403と、第3出力部2404とをさらに含む。
【0077】
第3取得部2401は、システムに設置された1つ以上のセンサの複数時刻の測定値からなる時系列データを取得する。
モデル取得部2402は、データの期間が第1期間である訓練データで学習済みの機械学習モデルを取得する。機械学習モデルは、例えば、オートエンコーダモデルを含むニューラルネットワークのモデルや回帰モデルである。システムを監視するための機械学習モデルは、システムが異常な期間を除外して訓練データの期間を決定する場合が多い。訓練データの期間にシステムが異常な期間が含まれない場合、システムが正常な状態であるときの1つ以上のセンサの複数時刻の測定値からなる時系列データが機械学習モデルに入力されると、システムが正常な状態であるときの1つ以上のセンサの注目する時刻の測定値に近い値が学習済みモデルから予測値として出力される。
【0078】
また、システムが異常な状態であるときの1つ以上のセンサの複数時刻の測定値からなる時系列データが機械学習モデルに入力されると、システムが異常な状態であるときの1つ以上のセンサの注目する時刻の測定値とは略異なる値が学習済みモデルから予測値として出力されると期待される。
【0079】
予測値生成部2403は、第3取得部2401から時系列データを、モデル取得部2402から機械学習モデルをそれぞれ受け取る。予測値生成部2403は、時系列データを機械学習モデルに入力することで、システムに設置された1つ以上のセンサの予測値を生成する。
第3出力部2404は、予測値および測定値に関する第3出力情報を外部に出力する。第3出力情報は、例えば、1つ以上のセンサに関する、測定値と予測値とのトレンドグラフを表す情報である。
【0080】
次に、第9の実施形態に係る第3出力情報に関する表示例について
図25および
図26を参照して説明する。
図25は、ある注目センサについての測定値と予測値とのトレンドグラフの一例である。
図25に示すグラフは、横軸が時刻、縦軸が値を示す。破線が予測値2501を示し、実線が測定値2502を示す。
図26は、当該注目センサの測定値について、訓練データの期間と
図25中の期間Cのトレンドグラフを重畳表示したグラフの一例である。横軸が相対時刻、縦軸が値を表す。破線が訓練データの期間、すなわち第1期間の測定値2601を示し、実線が期間Cの測定値2602を示す。
【0081】
図25および
図26を参照すると、当該注目センサは、定常状態において、値「A」または値「B」の周辺の値をとり、過渡状態において値「A」と値「B」との間の値をとることがわかる。
図26から訓練データの期間、すなわち第1期間よりも、期間Cの方が過渡状態における測定値の時間変化速度が速いことがわかる。機械学習モデルは、当該注目センサの測定値の時間変化速度が訓練データ並みであるとして学習したものであるため、期間Cの予測値の時間変化速度も訓練データ並みとなりがちである。そのため、
図25に示す期間Cの予測値2501の曲線が、測定値2502の曲線と比較して、遅延したような形状となる。予測値2501と測定値2502との差分の絶対値が閾値よりも大きい場合に異常(または異常の候補)として検知する場合、過渡状態において検知しやすいと考えられる。
なお、注目センサを他のセンサの測定値に切り替えられるようなGUIを介して表示されてもよい。
【0082】
図25を
図3、4と合わせて表示するか、あるいは、
図25を
図5と合わせて表示することで、測定値2502の時間変化速度が予測値2501よりも速い理由が、時間変化速度のドリフトであることを容易に把握できる。もし時間変化速度のドリフトが異常な状態でない場合、ユーザは、過渡状態における予測値2501と測定値2502とのずれが誤検知であり、システムが異常な状態でないことに気づくことができる。
【0083】
以上に示した第9の実施形態によれば、例えば第1期間における測定値と予測値とを比較するトレンドグラフに加えて、第1、2微分値分布を表示することで、ユーザがトレンドグラフの過渡状態のずれが時間変化速度のドリフトが原因であると把握できる。これにより、ユーザはシステムを停止して調査する異なく当該原因に気づくことができるため、システム停止によるコストおよび時間の損失を回避できる。
【0084】
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、例えば機械学習モデルを用いてセンサの測定値に関する予測値を算出する。
第10の実施形態に係るデータ処理装置100について
図27のブロック図を参照して説明する。
図27に示す第10の実施形態に係るデータ処理装置100は、
図24と比較して、異常検知部2701をさらに含む。
【0085】
異常検知部2701は、第3取得部2401から注目センサの時系列データを、予測値生成部2403から予測値をそれぞれ受け取り、各時刻における予測値と測定値との差分の絶対値が閾値よりも大きいか否かを検知した検知信号を生成する。差分の絶対値が閾値よりも大きい場合、異常があるまたは異常の候補であると判定される。検知信号は、第1取得部103、第2取得部104および第3取得部2401に送られる。
【0086】
次に、第10の実施形態に係る検知信号の表示例について
図28に示す。
図28に示すグラフは、横軸が時刻を示し、縦軸が検知信号の値を示す。例えば、検知信号の値がゼロである場合には、異常または異常候補であると検知されなかったことを示し、値がゼロでない場合には、異常または異常候補であると検知されたことを示す。
ここで、第1取得部103および第2取得部104は、異常検知部2701から異常信号を受け取り、異常または異常候補であると検知されたセンサを特定し、当該センサを第1測定データおよび第2測定データを取得する注目センサとして設定してもよい。
【0087】
なお、モデル取得部2402で取得した機械学習モデルの訓練データの期間を第1期間と一致させることで、第1出力情報は、機械学習モデルの訓練データの期間に対応させることができる。同様に、予測値生成部2403で予測値を生成した期間を第2期間と一致させることで、第2出力情報は、予測値を生成した期間に対応させることができる。なお、注目センサの予測値を生成する期間を第2期間とする場合、第2期間は、訓練データの期間、すなわち第1期間よりも時間方向に後の期間である。
【0088】
以上に示した第10の実施形態によれば、注目センサの測定値と機械学習モデルの予測値とを比較することで異常または異常候補を検知し、当該センサの測定値について、第1期間を訓練データの期間に、第2期間を予測値を生成した期間にそれぞれ対応させる。これにより、異常または異常候補が検知されたセンサの測定値について、訓練データの期間と予測値を生成した期間の間で時間変化速度のドリフトが生じたか否かをユーザが第1、2微分値分布から把握しやすくなる。
【0089】
ここで、上述の実施形態に係るデータ処理装置100のハードウェア構成の一例を
図29のブロック図に示す。
データ処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)2901と、RAM(Random Access Memory)2902と、ROM(Read Only Memory)2903と、ストレージ2904と、表示装置2905と、入力装置2906と、通信装置2907とを含み、それぞれバスにより接続される。
【0090】
CPU2901は、プログラムに従って演算処理および制御処理などを実行するプロセッサである。CPU2901は、RAM2902の所定領域を作業領域として、ROM2903およびストレージ2904などに記憶されたプログラムとの協働により、上述したデータ処理装置100の各部の処理を実行する。
RAM2902は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などのメモリである。RAM2902は、CPU2901の作業領域として機能する。ROM2903は、プログラムおよび各種情報を書き換え不可能に記憶するメモリである。
ストレージ2904は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記録媒体、フラッシュメモリなどの半導体による記憶媒体、または、光学的に記録可能な記憶媒体などにデータを書き込みおよび読み出しをする装置である。ストレージ2904は、CPU2901からの制御に応じて、記憶媒体にデータの書き込みおよび読み出しをする。
【0091】
表示装置2905は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである。表示装置2905は、CPU2901からの表示信号に基づいて、各種情報を表示する。
入力装置2906は、マウスおよびキーボード等の入力デバイスである。入力装置2906は、ユーザから操作入力された情報を指示信号として受け付け、指示信号をCPU2901に出力する。
通信装置2907は、CPU2901からの制御に応じて外部機器とネットワークを介して通信する。
【0092】
上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述したデータ処理装置の制御動作による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述の実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD±R、DVD±RW、Blu-ray(登録商標)Discなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータまたは組み込みシステムが読み取り可能な記録媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態のデータ処理装置の制御と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記録媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、本実施形態における記録媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記録媒体も含まれる。
また、記録媒体は1つに限られず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本実施形態における記録媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
【0093】
なお、本実施形態におけるコンピュータまたは組み込みシステムは、記録媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
30…第1微分値分布、40…第2微分値分布、61…スライダー、62…マウスカーソル、63…テキストボックス、70,90…トレンドグラフ、100…データ処理装置、101…第1期間設定部、102…第2期間設定部、103…第1取得部、104…第2取得部、105…第1微分部、106…第2微分部、107…第1分布生成部、108…第2分布生成部、119…第1出力部、120…第2出力部、1301…スコア算出部、1302…スコア出力部、1401…ドリフト検知部、1402…ドリフト情報出力部、1501,1601…最大値、1502,1602…最小値、2001…散布図作成部、2002…散布図出力部、2101,2102,2103…領域、2301…しきい値、2302…所定期間、2401…第3取得部、
2402…モデル取得部、2403…予測値生成部、2404…第3出力部、2501…予測値、2502,2601,2602…測定値、2701…異常検知部、2901…CPU、2902…RAM、2903…ROM、2904…ストレージ、2905…表示装置、2906…入力装置、2907…通信装置