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特許7646563有線ローカルエリアネットワーク内のマスタノードの移行、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】有線ローカルエリアネットワーク内のマスタノードの移行、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/40 20060101AFI20250310BHJP
【FI】
H04L12/40 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021562941
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020014627
(87)【国際公開番号】W WO2020219131
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】62/838,750
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】レンシュラー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】リンク、ソーベン
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ヴェンカトラマン
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/038624(WO,A1)
【文献】特開2007-104544(JP,A)
【文献】特開平09-135254(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0302787(US,A1)
【文献】特開2011-142669(JP,A)
【文献】特開2010-136286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00 - 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードのための物理層デバイスであって、該物理層デバイスは、
物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体の線に動作可能に結合されたビーコンカウンタであって、前記線上でビーコン信号をカウントするように、かつ所定の期間にわたってビーコンカウント、又は前記ビーコン信号のビーコンレートを判定するように構成された、ビーコンカウンタと、
動作モードコントローラであって、
前記判定されたビーコンカウント又は前記判定されたビーコンレートが、所定の許容範囲内であるかどうかを判定するように、かつ、
前記判定されたビーコンカウント又は前記判定されたビーコンレートが前記所定の許容範囲外であるとの判定に応答して、前記有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作を引き継ぐように前記物理層デバイスを制御するように構成された、動作モードコントローラと、を備える、物理層デバイス。
【請求項2】
前記動作モードコントローラは、前記物理層デバイスがフォールバックマスタノードとして指定されている場合にのみ、前記マスタノードとして動作を引き継ぐように前記物理層デバイスを制御するように構成される、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項3】
前記動作モードコントローラは、前記ネットワークノードによって伝送されたビーコンを無効化して、イベントに応答して前記マスタノードとしての前記ネットワークノードの動作を無効化するように更に構成される、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項4】
前記イベントは、車両衝突を含む、請求項3に記載の物理層デバイス。
【請求項5】
前記所定の許容範囲の最小値は、前記線上のバスサイクルの最大バスサイクル長に基づいて判定される、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項6】
ネットワークノードを動作させる方法であって、
物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク内のイベントを検出するステップであって、前記有線ローカルエリアネットワークは、共有伝送媒体の線を含む、検出するステップと、
前記ネットワークノードがスレーブノードとして動作している場合、所定の期間にわたるビーコンカウント又はビーコン信号のビーコンレートが所定の最小値未満であるとの判定に応答して、前記ネットワークノードを前記有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作させるために、前記ネットワークノードによって伝送されるビーコンを有効化するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
前記ネットワークノードが前記有線ローカルエリアネットワークの前記マスタノードとして動作している場合、前記イベントに応答して、前記マスタノードとしての前記ネットワークノードの動作を無効化するために、前記ネットワークノードによって伝送されたビーコンを無効化するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マスタノードとしての前記ネットワークノードの動作を無効化するステップに応答して、少なくとも1つのノードを無効化するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記イベントは、前記イベントをシグナリングするように構成されたイベント信号の受信を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ビーコンを無効化するステップは、前記ネットワークノードのファームウェアを介して前記ビーコンを無効化するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントに応答して、前記マスタノードとして前記ネットワークノードを動作させるために前記ネットワークノードによって伝送される前記ビーコンを有効化するステップは、前記ネットワークノードがフォールバックネットワークノードとして以前に指定された場合にのみ、前記スレーブノードとして前記ネットワークノードを動作させることから、前記マスタノードとして前記ネットワークノードを動作させることに遷移させるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記スレーブノードとして前記ネットワークノードを動作させることから、前記マスタノードとして前記ネットワークノードを動作させることに遷移させるステップは、以前のマスタノードからの介入なしに、前記スレーブノードとして前記ネットワークノードを動作させることから、前記マスタノードとして前記ネットワークノードを動作させることに遷移させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記イベントを検出するステップは、
前記線上のビーコンカウント又はビーコンレートを検出するために、前記線上のビーコン信号を監視するステップと、
前記検出されたビーコンカウント又は前記検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることに応答して、前記マスタノードが故障したと判定するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記検出されたビーコンカウント又は前記検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることは、前記検出されたビーコンカウント又は前記検出されたビーコンレートが、前記所定の許容範囲の最大値を超えることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記検出されたビーコンカウント又は前記検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることは、前記検出されたビーコンカウント又は前記検出されたビーコンレートが、前記所定の許容範囲の最小値を下回ることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記イベントの検出に応答して、前記イベントを以前のマスタノードに通信するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項17】
前記イベントに応答して、以前のマスタノード及び前記有線ローカルエリアネットワークの少なくとも1つの他のノードを無効化するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であって、 共有伝送媒体の線と、
前記線に動作可能に結合された第1のノードであって、前記WLANのマスタとして動作するように構成された第1のノードと、
イベントの検出に応答して、前記第1のノードからマスタシップ責任を担うように構成された第2のノードであって、前記イベントは、所定の期間にわたって前記第1のノードによって送信されたビーコンの数、又はビーコンのレートが、所定の許容範囲外であることに応答する、第2のノードと、を備える、有線ローカルエリアネットワーク(WLAN)。
【請求項19】
前記第1のノード又は前記第2のノードは、前記イベントに応答して、前記WLANの1つ以上の他のノードを無効化するように構成される、請求項18に記載のWLAN。
【請求項20】
前記第2のノードは、前記第1のノードによって送信されたビーコンの数をカウントするように構成される、請求項18に記載のWLAN。
【請求項21】
前記イベントは、前記第1のノードの故障及び前記第1のノードを含む車両のクラッシュのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のWLAN。
【請求項22】
物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を含む車両であって、該車両は、
前記WLANのマスタとして動作するように構成された増幅器であって、前記WLANは、共有伝送媒体を含む、増幅器と、
イベントの検出に応答して、前記増幅器からマスタシップ責任を担うように構成された、アンテナと、を備える、車両。
【請求項23】
前記イベントは、前記車両に関与するクラッシュを含む、請求項22に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年4月25日に出願された、米国特許仮出願第62/838,750号に対する優先権を主張し、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、ネットワーク内のノードマスタシップの管理に関し、より具体的には、有線ローカルエリアネットワーク内のマスタノードの移行に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ及び外部周辺機器を接続するための様々なインターフェース規格を使用して、高速での接続性を提供し得る。(例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、WAN)内で)コンピュータを接続するための広く使用されているフレキシブルなネットワーキング規格は、イーサネットプロトコルである。イーサネット通信は、一般に、複数のエンドポイントのネットワーク内のポイントツーポイント通信を指す。イーサネットは、一般に、共有リソースの使用を効率的にし、保守及び再構成が容易であり、多くのシステムにわたって互換性がある。
【0004】
本開示は、特定の実施形態を具体的に指摘し明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読むと、以下の説明からより容易に確認され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの実施形態に係る、ネットワークセグメントの機能ブロック図である。
図2】いくつかの実施形態に係る、物理レベルの衝突回避(physical level collision avoidance、PLCA)サブ層の線用のいくつかのバスサイクルを描写する。
図3】いくつかの実施形態に係る、PLCAサブ層の線用の別のバスサイクルを描写する。
図4】いくつかの実施形態に係る、図2に示す第2のバスサイクルと関連付けられた信号タイミング図を示す。
図5】いくつかのノードを含むネットワークを描写する。
図6】ネットワーク及びノードを含むシステムを描写する。
図7】いくつかの実施形態に係る、図6の物理層デバイス(physical layer device、PHY)の一例のブロック図である。
図8】10SPEネットワークなどのネットワークを動作させる例示的な方法を示すフローチャートである。
図9】いくつかの実施形態に係る、ネットワークノードを動作させる例示的な方法を示すフローチャートである。
図10】ネットワークを含む車両を描写する。
図11】いくつかの実施形態で使用され得るコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にするように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が用いられ得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0007】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0008】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、かかる用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0009】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0010】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方式と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0011】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示し得る。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有し得、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0012】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital signal Processor、DSP)、集積回路(Integrated Circuit、IC)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実施され得る、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンでもあってもよい。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成の組み合わせとして実装され得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成される。
【0013】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として描写されるプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行され得る。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。更に、本明細書で開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実施され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶され得、又は送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及びコンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体など通信媒体の両方を含む。
【0014】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対する任意の言及は、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含み得る。
【0015】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0016】
自動車、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機などの車両は、車両通信ネットワークを含み得る。車両通信ネットワークの複雑性は、ネットワーク内の多数の電子デバイスに応じて変化し得る。例えば、高度な車両通信ネットワークは、例えば、エンジン制御、伝送制御、安全制御(例えば、アンチロックブレーキ)、及び排出制御のための様々な制御モジュールを含み得る。これらのモジュールをサポートするために、自動車産業は、様々な通信プロトコルに依存する。
【0017】
10SPE(すなわち、10Mbpsシングルペアイーサネット)は、IEEE802.3cg(商標)として現在仕様開発中のネットワーク技術である。10SPEは、マルチドロップネットワーク上での衝突のない決定論的伝送を提供するために使用され得る。10SPE仕様は、マルチドロップバス上での物理的衝突を回避するために使用される任意選択的な物理レベルの衝突回避(PLCA)再補足サブ層を含むことを意図する。PLCAは、マスタノード、すなわちPLCAマスタノードに依存し、このマスタノードは、ラウンドロビン方式でマルチドロップノード間で共有されるバスサイクルを開始するビーコンを送信する。しかしながら、マスタノードが故障した場合、バスの全てのトラフィックは停止し、バスは使用不可能になる。更に、開発中の10SPE仕様は、ネットワークのマスタを動的に変える手段を現在提供していない。用語「マスタノード」は、ゼロ(0)のノード識別を有するノードを指し、用語「スレーブノード」は、ノード識別がゼロ(0)を超えるノードを指す。
【0018】
様々な実施形態は、ネットワークのマスタノードの移行に関し、より具体的には、ネットワーク内のフォールバックマスタノード(例えば、10SPEネットワークなどの有線ローカルエリアネットワーク)の可能化に関する。より具体的には、様々な実施形態は、(例えば、1つ以上のイベント及び/又は条件に応答して)ネットワークのマスタノードを無効化すること、及び(例えば、マスタノードが適切な周波数でビーコンを伝送していないことの検出に応答して)、以前のマスタノードを新しいマスタノードで置換することに関し得る。換言すれば、マスタノードとして動作している第1のノードは、(例えば、車両衝突中のエアバッグのトリガなどの1つ以上の理由のために)故障し得、及び/又は無効化され得、スレーブノードとして以前に動作していた別のノードは、マスタノードになり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、(例えば、スレーブノードの)物理層(PHY)は、ビーコンカウンタを実装し得る。PHYのファームウェアは、ビーコンカウンタを定期的に読み取り得る。ビーコンカウンタのカウントに変化がない場合(又は、カウントが予想される(例えば、閾値)カウント未満である場合、マスタノードが無効化、破壊、及び/又は損失されると判定され得る。この場合、フォールバックマスタノードは、(例えば、ファームウェアを介して)有効化され得、ネットワークは再同期され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、10SPE PHYデバイスは、管理データ入出力(management data input/output、MDIO)インターフェースを使用して10SPE PHYデバイスに書き込む及び/又は10SPE PHYデバイスから読み取るように構成されたマイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)と共に使用され得る。様々な実施形態によれば、マルチドロップネットワークのスレーブノードは、マスタノードによって送信されたビーコンの(例えば、カウンタを介した)カウントを維持し得る。更に、いくつかの実施形態では、(例えば、MCU内の)ファームウェア(firmware、FW)は、カウンタの値をポーリングし得る(例えば、周期的に読み取り得る)。いくつかの実施形態によれば、ファームウェアは、カウント値が予想される速度で変化しない場合に、マスタノードが故障したと推測し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、マスタノードが故障した及び/又はマスタノードが無効化されていると判定された場合、指定されたフォールバックマスタノード(例えば、スレーブノード)でのファームウェアは、そのPHYをPLCAマスタノードにする。更に、フォールバックマスタノードは、バストラフィックが再開することができるように、バス上でビーコンの伝送を再開し得る。マスタノードを変えるために、現在のマスタノードにおけるファームウェアは、(例えば、エアバッグが展開されたときにマスタノードにシグナリングされ得る車両衝突などのイベントの検出に応答して)、現在のマスタノードのPHYに、そのビーコンを停止させ得る。これにより、最終的に、指定されたフォールバックマスタがマスタノードとして引き継がれる。
【0022】
例えば、緊急電話(emergency call、eCall)ノードがフォールバックマスタノードである場合、マスタシップは、eCallノードに引き渡され得る。これは、例えば、クラッシュ(例えば、10SPEネットワークを含む車両に関与するクラッシュ)が(例えば、エアバッグの展開に応答して)検出されるとき、必要とされ得る。様々な実施形態は、(例えば、10SPEネットワークを含む車両の)クラッシュの検出に応答して、eCallをサポートするために使用され得る。例えば、マスタファームウェアは、ネットワークのマスタノード(例えば、増幅器デバイス内に実装されるネットワークノード)を無効化する。更に、eCallマスタノードのファームウェア(例えば、アンテナ又はマイクロフォン内に実装されるネットワークノードのファームウェア)は、ビーコンカウントの増加の欠如を検出し、ビーコンを発行することによってネットワークを再同期し得る。eCallデバイス(例えば、マイクロフォン)は、支援を要求するために使用され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、ファームウェアは、マスタ移行/交換の1つ以上の(例えば、各)行為を制御し得る。代替的に又は追加的に、移行/交換の1つ以上の行為は、ハードウェアによって制御され得る。
【0024】
現在開発中の10SPE仕様は、ビーコンの発生なしに一定期間が経過した後にノードを非アクティブ(すなわち、タイムアウト)させ得る(例えば、ネットワークの1つ以上のノード内の)タイマーを含む。様々な実施形態によれば、1つ以上のタイムアウトに応答して、フォールバックマスタノードは、マスタ役割を担い、バスを再同期させ得る。これらの実施形態では、マスタ移行/交換中にマスタノードとフォールバックマスタノードとの間で交換される1つ以上のメッセージが必要でない場合があり、したがって、ネットワークはより堅牢であり得る。
【0025】
本開示の様々な実施形態を、添付図面を参照して次に説明する。
【0026】
図1は、いくつかの実施形態に係る、リンク層デバイス、MAC104、及び物理層(PHY)デバイス、PHY102を含むネットワークセグメント100の機能ブロック図である。非限定的な例として、ネットワークセグメント100は、マルチドロップネットワークのセグメント、マルチドロップサブネットワークのセグメント、混合メディアネットワークのセグメント、又はこれらの組み合わせ若しくはこれらの副次的組み合わせであってもよい。非限定的な例として、ネットワークセグメント100は、限定するものではないが、マイクロコントローラ型の埋め込みシステム、ユーザ型コンピュータ、コンピュータサーバ、ノートブックコンピュータ、タブレット、ハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス、無線イヤフォンデバイス若しくはヘッドフォンデバイス、有線イヤフォンデバイス若しくはヘッドフォンデバイス、電化製品サブシステム、照明サブシステム、音声サブシステム、建物管理システム、住宅監視システム(例えば、限定するものではないが、セキュリティ又はユーティリティ使用のための)システム、エレベータシステム若しくはサブシステム、公共交通機関制御システム(例えば、限定するものではないが、地上列車、地下鉄、トロリー、又はバスの場合)、自動車システム若しくは自動車サブシステム、又は産業制御システムであってもよく、それらの一部であってもよく、又はそれらのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0027】
PHY102は、MAC104とインターフェースするように構成され得る。非限定的な例として、PHY102及び/又はMAC104は、本明細書に記載される実施形態の全て又は一部を実行するように構成されたメモリ及び/又はロジックを含むチップパッケージであってもよい。非限定的な例として、PHY102及びMAC104は、単一チップパッケージ(例えば、システムインパッケージ(system-in-a-package、SIP))内の別個のチップパッケージ又は回路(例えば、集積回路)として実装され得る。
【0028】
PHY102はまた、共有伝送媒体106と、ネットワークセグメント100の一部であるノードの通信経路である物理媒体と、又はPHY102及びMAC104のそれぞれのインスタンスを含むノードを含む、ネットワークセグメント100がその一部であるネットワークと、インターフェースする。非限定的な例として、共有伝送媒体106は、シングルペアイーサネットに使用されるような単一のツイストペアであってもよい。ベースバンドネットワーク(例えば、限定するものではないが、マルチドロップネットワーク)にあるデバイスは、同じ物理伝送媒体を共有し、典型的には、伝送のためにその媒体の帯域幅全体を使用する(換言すれば、ベースバンド伝送で使用されるデジタル信号は、媒体の帯域幅全体を占有する)。その結果、ベースバンドネットワーク上の1つのデバイスのみが、所与の瞬間に伝送し得る。そのため、媒体アクセス制御方法は、共有伝送媒体106の競合を処理するために使用される。
【0029】
いくつかの実施形態では、PHY102及びMAC104と関連付けられたネットワークノードは、ネットワークのためのネットワークレベルタスクを管理するように構成されたマスタノードとして動作するように構成され得る。例えば、ネットワークノードは、図2図3、及び図4を参照して考察されるように、バスサイクルの開始時に共有伝送媒体106上でビーコン信号を伝送するように構成され得る。また、ネットワークノードは、ネットワーク内のスレーブノードとして動作するように構成され得、一方で、共有伝送媒体106に動作可能に結合された別のネットワークノードは、マスタノードとして動作する。ネットワークノードは、マスタノードの故障又は損失が発生するイベントの際に、バックアップマスタノードとして動作するように構成され得る。ネットワークノードは、マスタノードの故障又は損失を検出するように構成され得る(例えば、スレーブノードとして動作している間)。いくつかの実施形態では、ネットワークノードがマスタノードとして動作している間に、ネットワークノードは、車両衝突などのイベントに応答して、又は、マスタノードとしてのその動作において故障が発生したとの判定に応答して、マスタノードとしてのその動作を終了し得、共有伝送媒体106に動作可能に結合された別のネットワークノードは、共有伝送媒体106上でシグナリングされたビーコンの欠如の検出に応答して、マスタノードとしての動作を担い得る。いくつかの実施形態では、ネットワークノードがスレーブノードとして動作している間に、ネットワークノードは、マスタノードの故障又は損失が発生したとの判定に応答して(例えば、共有伝送媒体106上でシグナリングされたビーコンの欠如の検出に応答して)マスタノードとしての動作を担い得る。
【0030】
図2は、いくつかの実施形態に係る、物理レベルの衝突回避(PLCA)サブ層の線246(例えば、図1の共有伝送媒体106)用のいくつかのバスサイクル200を描写する。具体的には、図2は、第1のバスサイクル248及び第2のバスサイクル250を示す。バスサイクル200は、線246の複数のタイムスロット252(例えば、タイムスロット202~タイムスロット232)を含む。タイムスロット252は各々、タイムスロット252のそれぞれ1つの間に通信することである様々なネットワークノード(例えば、ノード0、ノード1、ノード2、ノード3、ノード4、...ノードN)のうちの1つに対応する1つの数(例えば、0、1、2、3、4、N、数Nは、ネットワークノードの数より1つ少ない数である)で標識される。また、図2は、バスサイクル200の各々における通信が、ビーコン238、サイレンス240、データ242、又はコミット信号244を含むかどうかを示す。例えば、図2に示すように、ビーコン238は、タイムスロット202、タイムスロット204、及びタイムスロット206の各々の間にノード0(例えば、マスタノード)によって送信され得る。また、タイムスロット208~タイムスロット226の各々の間に、サイレンス240が線246上に存在し得る(すなわち、タイムスロット206~タイムスロット226の間にデータは伝送されない)。更に、タイムスロット232において、コミット信号244は、(例えば、データ242のパケットを送信する前にバスを捕捉するために、ノード3によって)送信され得る。データ242は、タイムスロット228及びタイムスロット230の間に送信され得る。より具体的には、ノード1は、タイムスロット228の間にデータ242を送信し得、ノード3は、タイムスロット230の間にデータ242を送信し得る。
【0031】
バスサイクル200の各々の間に、マスタノード(ノード0)は、ビーコン238を送信し得、このビーコン238の後に、ノード(ノード0~ノードN)の各々のための1つ以上のタイムスロット252を送信し得る。図2に示すように、第1のバスサイクル248は、ノード0によって伝送されたビーコン238を有するタイムスロット202を含み、次いで、ノード0~ノードNがサイレントのままである間にタイムスロット208~タイムスロット214に対してサイレンス240(すなわち、ノード0に対応するタイムスロット208、ノード1に対応するタイムスロット210、ノード2~N-1に対応するタイムスロット212、及びノードNに対応するタイムスロット214の間のサイレンス240)を含む。第1のバスサイクル248と同様に、ノードの各々がバスサイクル中に最小タイムスロット長236のみを取る場合、バスサイクルは最小バスサイクル長234を有することに留意されたい。
【0032】
第1のバスサイクル248の後、第2のバスサイクル250が発生し得る。第2のバスサイクル250の間、マスタノード(例えば、ノード0)は、タイムスロット204の間にビーコン238を送信し得、次いで、ノード0に対応する最小タイムスロット長236のタイムスロット216の間に、サイレンス240を送信し得る。第2のバスサイクル250は、タイムスロット228の間にノード1によって伝送されたデータ242を含み、次いで、nod2に対応するタイムスロット218に対してサイレンス240を含む。タイムスロット232において、第2のバスサイクル250は、アイドル信号244(例えば、データ242のパケットを送信する前にバスをキャプチャするため)、続いて、データ242を搬送するタイムスロット230、アイドル信号244及びノード3によって伝送されるデータ242を含む。第2のバスサイクル250は、ノード4に対応するタイムスロット220の間に伝送されるサイレンス240、ノード5~ノードN-1に対応するタイムスロット222、及びノードNに対応するタイムスロット224を更に含む。タイムスロット206における追加のビーコン238、及びタイムスロット226においてノードゼロから開始する個々のノード伝送は、その後、第2のバスサイクル250に続く。
【0033】
図3は、いくつかの実施形態に係る、PLCAサブ層の線246用の別のバスサイクル300を描写する。図2のバスサイクル200と同様に、バスサイクル300は、タイムスロット328のノード及びコンテンツを示すためにマークされたタイムスロット328を含む。バスサイクル300は、マスタノード(例えば、ノード0)によってタイムスロット302内でシグナリングされたビーコン238と、タイムスロット306内でシグナリングされたアイドル信号244と、ノード0によってタイムスロット314内でシグナリングされたデータ242と、を含む。バスサイクル300はまた、タイムスロット308内でシグナリングされたコミット信号244と、ノード1によってタイムスロット316内でシグナリングされたデータ242とを含む。バスサイクル300は、ノード2~N-1の各々によって、タイムスロット310及びタイムスロット318内でそれぞれシグナリングされたコミット信号244及びデータ242を更に含む。最後に、バスサイクル300は、ノードNによって、タイムスロット312及びタイムスロット320内でそれぞれシグナリングされたコミット信号244及びデータ242を含む。図3はまた、バスサイクル300の後のバスサイクルの、ビーコン238及びサイレンス240をそれぞれ伝送するタイムスロット304及びタイムスロット322を示す。
【0034】
図3は、各サイクルの開始時にビーコン238が送信され、各ノードがコミット信号244及びデータ242を送信する、最大バスサイクル長326を示す。ノード1~Nによって伝送されるコミット信号244及びデータ242の各組み合わせが最大タイムスロット長324を有すると仮定すると、バスサイクル300の持続時間は最大バスサイクル長326である。したがって、多数のノードが既知である場合、最小バスサイクル長234(図2)及び最大バスサイクル長326(図3)の両方が判定され得る。
【0035】
各バスサイクルは、1つのビーコン238を伴うため、ビーコン238信号の数が時間と共にカウントされ得、カウントされたビーコン238信号の数が最小バスサイクル長234及び最大バスサイクル長326と一致しているかどうかを判定し得る。例えば、所与の期間にわたってカウントされたビーコン238信号のカウント数が、所与の期間内に適合する最大バスサイクル長326を有するバスサイクル数より少ない場合、問題が発生したと判定され得る。したがって、フォールバックマスタノードは、マスタノードとして(例えば、以前のマスタノードによる介入なしに)引き継がれ得る。
【0036】
図4は、いくつかの実施形態に係る、図2に示す(例えば、PLCAサブ層の)第2のバスサイクル250と関連付けられた信号タイミング図400を示す。信号タイミング図400は、図2の線246上の線信号424、ノード1信号420、ノード3信号422、及びCUR_ID線418上の電流ノード識別信号(CUR_ID信号442)を示す。ノード1信号420は、TXEN線402上の伝送有効化信号(TXEN信号426)、TXD線404上の伝送データ信号(TXD信号428)、CRS線406上の搬送検知信号(CRS信号430)、及びCOL線408上の衝突検出信号(COL信号432)を含む。同様に、ノード3信号422は、TXEN線410上のTXEN信号434、TXD線412上のTXD信号436、CRS線414上のCRS信号438、及びCOL線416上のCOL信号440を含む。CUR_ID信号442は、どのノード(例えば、ノード0~ノード7)が線246上でデータ242を伝送するように指定されているかを示す識別を示す。
【0037】
図4に示すように、CUR_ID線418上のCUR_ID信号442によって指定されたノード7による以前のバスサイクル(例えば、第1のバスサイクル248)の終了に続いて、ノード0は、線246上にビーコン238を送信する。線246上の伝送のためのノード0のCUR_ID線418上のCUR_ID信号442による指定に続いて、CUR_ID信号442はノード1を示し、ノード1は、線246上でデータ242を送信する。ノード1が線246上でデータ242を送信している間に、ノード3は、データ242を線246上で送信することを試みる。ただし、ノード1は、線246上でデータ242を現在送信しているので、論理的な衝突が発生する(すなわち、ノード3と関連付けられたCOL信号440が高に遷移し、TXD線412のTXD信号436において、ジャム信号444がアサートされる)。ノード3のCRS線414のCRS信号438が高のままである間、ノード1は、線246上でのデータ242の送信を終了し、次いで、CUR_ID信号442がノード2を示す。その後、CUR_ID信号442はnod3を示す。その後、ノード3信号422のCRS信号438は、高446から低448に遷移し、その後、ノード3は、アイドル信号244及びデータ242を線246上で送信し得る。
【0038】
図5は、いくつかの実施形態に係る、いくつかのノード(ノード502、ノード504、ノード506、ノード508、及びノード510)を含むネットワーク500を描写する。この実施例では、ノード502は、増幅器を含み、ノード504は、マイクロフォンを含み、ノード506は、アンテナを含み、ノード508はスピーカを含み、ノード510は、センサを含む。更に、第1の状態512では、増幅器であるノード502は、マスタノード(ノード0)として動作し得る。更に、少なくとも1つのイベント(例えば、マスタノードのエアバッグ及び/又は故障(損失)の展開によってシグナリングされ得る事故)で、ネットワーク500は、第2の状態514に変わり得る。第2の状態514では、第1の状態512でスレーブノードであったノードは、マスタノードの役割を担い得る。換言すれば、例えば、ノード502が故障した及び/又は無効化される場合、このケースにおいてアンテナであるノード506は、マスタノードの役割を担い得る。更に別の言い方をすれば、マスタノード502の損失後、ノード506は、フォールバックマスタノードとして動作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ノード506は、第1の状態512の間にバックアップマスタノード516として指定され得る。バックアップマスタノード516の指定は、残りの動作ノードの全てが、マスタシップを同時に担うことをと試みることを防止し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、マスタノードの切り替えに加えて、ネットワークは、異なるノードのセットで再構成され得る。例えば、ノード502が故障した場合、ノード506はマスタノードになり得、1つ以上の他のノードが無効化され得る((例えば、事故後に)例えば、地上局への通信が簡略化され、かつ/又はより信頼性が高いように、単にネットワーク500に対して)。図5に示す実施例では、ノード504(マイクロフォン)及びノード508(スピーカ)は、第2の状態514の間に無効化され、地上局への通信を簡略化し得る。
【0040】
以前に考察されたように、以前のマスタノード(第1の状態512中のノード502)が故障した又は無効化された場合、別のノード(例えば、図5の第2の状態514のノード506)は、マスタノードの役割を担い得る。いくつかの実施形態では、特定の期間中にノード506が検出するビーコン238信号の総数が所定の範囲を下回る場合、以前のマスタノードの故障が検出され得る。この所定の範囲は、最大バスサイクル長326に基づいて選択され得る(図3)。
【0041】
図6は、ネットワーク602(例えば、10SPEネットワーク)と、物理層(PHY700)、サブ層604、及びセンサ606を含むノード612を含むシステム600を描写する。いくつかの実施形態では、図5のノードのうちの1つ以上(例えば、ノード502、ノード504、ノード506、ノード508、及びノード510)は、図6のノード612に示すように実装され得る。例えば、サブ層604は、媒体アクセス制御(medium access control、MAC)、マイクロコントローラ(microcontroller、μC)、及び/又はファームウェア(FW)を含み得る。非限定的な例として、PHY700は、メディア依存インターフェース(MDI610)を介してネットワーク602とインターフェースし得、PHY700は、メディア独立インターフェース(MII608)を介してサブ層604とインターフェースし得る。
【0042】
図7は、いくつかの実施形態に係る、図6のPHY700の一例のブロック図である。図7は、線246(例えば、共有伝送媒体106)に動作可能に結合されたPHY700を示す。PHY700は、線246に動作可能に結合されたビーコンカウンタ702、ビーコンカウンタ702に動作可能に結合された動作モードコントローラ704、及び動作モードコントローラ704及び線246に動作可能に結合されたビーコン発生器706を含む。ビーコンカウンタ702は、線246に動作可能に結合されたマスタノードによって生成されたビーコン信号708を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、PHY700がネットワークのマスタノードとして動作している間、ビーコン信号708は、PHY700によって生成される。いくつかの実施形態では、他方のノードがネットワークのマスタノードとして動作し、PHY700がスレーブモードで動作している間、ビーコン信号708は、別のノードによって生成される。ビーコンカウンタ702は、ビーコン信号708の数をカウントし、ビーコンカウント/レート信号712で動作モードコントローラ704にビーコンカウント/レートを報告するように構成される。いくつかの実施形態では、ビーコンカウント/レート信号712は、(例えば、所定の期間中に)検出されたビーコン信号708の数を示し得る。いくつかの実施形態では、ビーコンカウント/レート信号712は、ビーコン信号のレート708を示し得る。
【0043】
動作モードコントローラ704は、ビーコンカウント/レート信号712を受信し、ビーコンカウント/レートが許容範囲内であるかどうかを判定するように構成される。許容範囲は、最大バスサイクル長(例えば、最大バスサイクル長326)に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。例えば、ビーコンカウント/レートが、バスサイクルの各々の最大バスサイクル長に対して予想されるカウント/レート未満である場合、ビーコン信号708が伝送されるべきときにビーコン信号708が線246上で伝送されていないと判定され得る。したがって、ビーコンカウント/レートに対する許容範囲の最小値は、最大バスサイクル長に基づいて判定され得る。
【0044】
PHY700がマスタノードとして動作している間、動作モードコントローラ704は、イベントに応答して、マスタノードとしてPHY700の動作を終了するように構成され得る。いくつかの実施形態では、イベントは、マスタノードとしてのPHY700の動作の故障を含み得る(例えば、ビーコンカウント/レート信号712によって示されるビーコンカウント/レートが、所定の許容範囲外であるとの判定に応答して)。いくつかの実施形態では、イベントは、イベント信号710を用いて動作モードコントローラ704にシグナリングされ得る車両衝突又は他のイベントを含み得る。いくつかの実施形態では、イベント信号710は、エアバッグ展開信号を含み得る。いくつかの実施形態では、イベント信号710は、線246からPHY700に提供され得る。いくつかの実施形態では、イベント信号710は、PHY700に直接(例えば、エアバッグ吐出デバイスから直接)提供され得る。動作モードコントローラ704は、線246へのビーコン信号708の伝送を終了するようにビーコン発生器706に指示するマスタ有効化/無効化信号714を伝送するように構成される。
【0045】
PHY700がスレーブノードとして動作している間、動作モードコントローラ704は、ビーコンカウント/レート信号712によって示されるビーコン/カウントレートが所定の許容範囲外であるとの判定に応答して、マスタノードとしてPHY700の動作を開始するように構成され得る。いくつかの実施形態では、PHY700がバックアップマスタノードとして(例えば、現在のマスタノードによって)指定されている場合、動作モードコントローラ704は、マスタノードとしてPHY700の動作のみを開始し得る。例えば、動作モードコントローラ704は、線246へのビーコン信号708の伝送を開始するようにビーコン発生器706に指示するマスタ有効化/無効化信号714を伝送するように構成される。ビーコン発生器706は、マスタ有効化/無効化信号714を受信し、ビーコン信号708を線246に伝送するか、又はマスタ有効化/無効化信号714に応答してビーコン信号708を線246に伝送しないように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、マスタノードとして引き継ぐようPHY700を制御する前に、線246を介して以前のマスタノードにイベント信号710を伝送するように構成される。イベント信号710は、イベントが検出されたことを前のマスタノードに示すように構成され、以前のマスタノードは、マスタノードとして適切に動作していないことを示すように構成される。いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、イベント信号710を、線246に接続された他のノードの全てに伝送し得る。いくつかの実施形態では、イベント信号710は、イベントに応答して無効化される以前のマスタノード及び/又は他のノードのうちの1つ以上を示し得る。いくつかの実施形態では、イベント信号710は、マスタノードとしてのPHY700の故障又は損失の検出に応答して、マスタノードとして引き継ぐ準備ができているように、フォールバックマスタノードとして引き継ぐように線246に接続されたノードのうちの1つを示し得る。いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、イベント信号710を伝送することなく、マスタノードとして引き継ぐようにPHY700を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、ネットワークの別のノードによって伝送されるイベント信号710を受信するように構成され得る。例えば、PHY700がマスタノードとして動作しており、ネットワークの別のノードが、マスタノードとしてPHY700の故障を検出した場合、他のノードは、イベント信号710を伝送し得る。いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、マスタ有効化/無効化信号714の状態を変えることによって、イベント信号710を受信することに応答して、マスタノードとしてPHY700の動作を無効化するように構成される。また、いくつかの実施形態では、動作モードコントローラ704は、PHY700をフォールバックマスタノードとして指定するイベント信号710の受信に応答して、フォールバックマスタノードとして動作するようにPHY700を制御するように構成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、PHY700の少なくとも一部分は、電気ハードウェア(例えば、組み合わせ論理)を使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、PHY700の少なくとも一部分は、1つ以上のプロセッサを使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、PHY700の少なくとも一部分は、ファームウェア及び/又はソフトウェアを使用して実装され得る。
【0048】
図8は、10SPEネットワークなどのネットワークを動作させる例示的な方法800を示すフローチャートである。方法800は、本開示に記載される少なくとも1つの実施形態に従って配置され得る。方法800は、いくつかの実施形態では、ネットワーク500(図5参照)、システム600(図6参照)などのデバイス若しくはシステム、その構成要素の1つ以上、又は別のシステム若しくはデバイスによって実行され得る。これら及び他の実施形態では、方法800は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令の実行に基づいて実行され得る。別個のブロックとして示されているが、所望の実装に応じて、様々なブロックが、追加ブロックに分割され得るか、より少ないブロックに組み合わされ得るか、又は排除され得る。
【0049】
方法800は、ブロック802において開始し得、ネットワーク内のイベントを検出し得る。いくつかの実施形態では、イベントは、ある期間にわたって不十分な数のビーコン信号を検出することによって間接的に検出し得る。いくつかの実施形態では、イベントは、より直接的に(例えば、エアバッグ展開信号を介して)検出され得る。イベントは、例えば、環境における変化(例えば、クラッシュ及び/若しくは事故、非限定的に、予想外のビーコンカウント数を引き起こす、1つ以上のノードの損失)、又は所定の範囲外のビーコン238信号の検出されたレート若しくは数を引き起こす他のイベントを含み得る。イベントは、マスタノード及び/又はスレーブノードによって検出され得る。例えば、ノード502のPHY及び/又はノード506のPHYは、環境の変化、又は所定の範囲外のビーコン238信号のレート若しくは数を検出し得る。変化は、予想されるレートで変化しない検出されたビーコン238信号の数のカウント値を含み得る。更に、いくつかの実施形態では、イベントは、マスタノード(例えば、図5の第1の状態512の間のマスタノード502)に通信され得る。
【0050】
ブロック804において、検出されたイベントに応答して、ビーコンが無効化され得、方法800は、ブロック806に進み得る。より具体的には、例えば、マスタノード(例えば、図5の第1の状態512の間のマスタノード502)のビーコンが無効化され得る。例えば、マスタノードのビーコンは、マスタノード又は別のノードによって無効化され得る。より具体的には、例えば、マスタノードのファームウェアは、マスタノードのビーコンを無効化し得る。
【0051】
ブロック806において、ネットワーク内の各ノードは、再同期され得、方法800は、ブロック808に進み得る。より具体的には、例えば、ネットワーク内の各ノードの各PHYは、PLCA RESYNC状態に入り、ネットワーク内の各ノードを再同期させ得る。
【0052】
ブロック808において、スレーブノード(例えば、フォールバックマスタノード)は、ネットワークのマスタシップを担い得る。換言すれば、マスタ(「マスタシップ」)は、1つのノードから別のノードに変えられ得る。例えば、スレーブノード506(図5を参照)は、マスタ役割を担い得る。更により具体的には、例えば、スレーブノードのファームウェアは、そのPLCA IDを0に設定して、マスタシップを担い得る。
【0053】
本開示の範囲から逸脱することなく、修正、追加、又は省略が、方法800に行われ得る。例えば、方法800の動作は、異なる順序で実施され得る。更に、概説された動作及びアクションは、例としてのみ提供され、動作及びアクションの一部は、任意選択的であり得るか、より少ない動作及びアクションに組み合わされ得るか、又は、開示される実施形態の本質から損なわれることなく、追加の動作及びアクションに拡張され得る。
【0054】
図9は、いくつかの実施形態に係る、ネットワークノードを動作させる例示的な方法900を示すフローチャートである。ブロック902において、方法900は、物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク内のイベントを検出し、有線ローカルエリアネットワークは、共有伝送媒体の線を含む。ブロック904において、方法900は、ネットワークノードが有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作している場合のイベントに応答して、マスタノードとしてのネットワークノードの動作を無効化するように、ネットワークノードによって伝送されるビーコンを無効化する。ブロック906において、方法900は、ネットワークノードがスレーブノード(例えば、フォールバックマスタノード)として動作している場合のイベントに応答して、ネットワークノードを有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作させるように、ネットワークノードによってビーコンが伝送されることを有効化する。いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、マスタノードとして動作を引き継ぎ、イベントに対する間接的応答でビーコンを伝送し得る。例えば、ネットワークノードは、以前のマスタノードがビーコン信号を十分なレートで提供していない(例えば、ビーコンの数が予想より少ない)という判定に応答して、マスタノードとして動作を引き継ぎ得る。
【0055】
図10は、多数のノード(例えば、増幅器、マイクロフォン、アンテナ、スピーカ、センサなど)を有するネットワーク1002(例えば、10SPEネットワーク)を含む車両1000(例えば、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機)を描写する。いくつかの実施形態によれば、「車両ネットワーク」とも称され得るネットワーク1002は、物理レベルの衝突回避(PLCA)サブ層を含む。更に、いくつかの実施形態では、第1のノード(例えば、増幅器)は、10SPEネットワークのマスタとして動作するように構成され得る。更に、第2のノード(例えば、アンテナ)は、検出されたイベント(例えば、車両1000が関与するクラッシュ/事故又は他のマスタノード無効化イベント)に応答して、第1のノードからマスタシップ責任を担うように構成され得る。
【0056】
本明細書に記載されるように、ネットワークの1つ以上のスレーブ(例えば、スレーブノード)は、(例えば、ビーコンカウント及び/又は他のパラメータ(例えば、信号品質)を監視することによって)PLCAマスタの故障を検出し得る。更に、指定されたスレーブ(例えば、フォールバックマスタ)は、(例えば、マスタの故障に応答して)マスタになり得る(例えば、マスタとして引き継ぎ得る)。より具体的には、例えば、ビーコンカウント、及び場合によっては他の状態情報(例えば、信号品質)に基づいて、ネットワークのマスタは、1つのノードから別のノードへ切り替えられ得る。更に、いくつかの実施形態では、元のマスタは、スレーブノードとして再構成され得る。より具体的な例として、(例えば、ネットワークを含む車両に関与する)クラッシュの間に、マスタノードは、ビーコンの送信を停止し得、eCallノードは、例えば、ビーコンカウントの変化の欠如を検出し、マスタノードとして引き継ぎ得る。
【0057】
図11は、いくつかの実施形態で使用され得るコンピューティングデバイス1100のブロック図である。コンピューティングデバイス1100は、1つ以上のデータ記憶デバイス(本明細書では「記憶装置1104」と称されることもある)に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサ1102(本明細書では「プロセッサプロセッサ1102」と称されることもある)を含む。記憶装置1104は、その記憶装置に記憶されたコンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア)を含む。コンピュータ可読命令は、プロセッサ1102に、本明細書で開示される実施形態の動作を実行するように命令するように構成される。例えば、コンピュータ可読命令は、図8の方法800及び/又は図9の方法900の少なくとも一部分又は全体を実行するようにプロセッサ1102に命令するように構成され得る。別の例として、コンピュータ可読命令は、プロセッサ1102に、図5のノード(例えば、ノード502、ノード504、ノード506、ノード508、若しくはノード510)、図6のネットワーク602、PHY700、サブ層604、若しくはセンサ606、図7のビーコンカウンタ702、動作モードコントローラ704、ビーコン発生器706、又は図10のネットワーク1002について考察された動作の少なくとも一部分又は全体を実行するように命令するように構成され得る。特定の非限定的な例として、コンピュータ可読命令は、マスタノードの故障に対応するイベントの検出に応答して、マスタノードを無効化する(例えば、それ自体を無効化する)ようにプロセッサ1102に命令するように構成され得る。別の特定の非限定的な例として、コンピュータ可読命令は、マスタノードの故障に対応するイベントの検出に応答して、マスタノードの役割を担うように物理層デバイス(例えば、図6及び図7のPHY700)を制御するようにプロセッサ1102に命令するように構成され得る。
【0058】
本開示の様々な実施形態は、PLCAマスタの故障を検出し、フォールバックマスタを展開することによって(例えば、回復のために及び/又はeCallサポートのために)、10SPE堅牢性を改善し得る。
【0059】
本開示で使用するとき、用語「モジュール」又は「構成要素」は、コンピューティングシステムの汎用ハードウェア(例えば、コンピュータ可読媒体、処理デバイスなど)に記憶され、及び/又はその汎用ハードウェアによって実行され得るモジュール若しくは構成要素及び/又はソフトウェアオブジェクト若しくはソフトウェアルーチンのアクションを実行するように構成された特定のハードウェア実装を指し得る。いくつかの実施形態では、本開示に記載される異なる構成要素、モジュール、エンジン、及びサービスは、(例えば、別個のスレッドとして)コンピューティングシステムで実行するオブジェクト又はプロセスとして実装され得る。本開示に記載されるシステム及び方法のいくつかは、一般に、ソフトウェア(汎用ハードウェアに記憶され、かつ/又は実行される)ソフトウェアに実装されるものとして記載されているが、特定のハードウェア実装、又はソフトウェアと特定のハードウェア実装との組み合わせも可能であり、企図される。
【0060】
本開示において及び特に添付の特許請求の範囲において使用される用語(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)は、一般的に「開いた」用語として意図される(例えば、用語「含む(including)」は、「限定するものではないが、含む」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「限定するものではないが、含む」と解釈されるべきである。)。
【0061】
更に、導入された請求項の列挙の具体的な数が意図される場合、そのような意図は、請求項に明示的に列挙され、そのような列挙がない場合には、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかしながら、このような句の使用は、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」、並びに「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときでさえ(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つの」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の列挙の導入が、そのような導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項を、そのような列挙のうちの1つのみを含む実施形態に限定することを意味すると解釈すべきではない。請求項の列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0062】
更に、導入された請求項の列挙の具体的な数が明示的に列挙されている場合であっても、そのような記載は、少なくとも列挙された数を意味する(例えば、他の修飾子がない「2つの列挙」のただの列挙は、少なくとも2つの列挙、又は2つ以上の列挙を意味する)と解釈されるべきであることを、当業者は認識するであろう。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つなど」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」と類似した慣例が使用される場合では、一般的に、このような構成は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に、などを含むことを意図する。
【0063】
更に、明細書、特許請求の範囲、又は図面にあるかにかかわらず、2つ以上の代替用語を提示する任意の分離語又は句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、句「A又はB」は、「A」又は「B」あるいは「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【実施例
【0064】
例示的な実施形態の非網羅的で非限定的なリストは、以下のとおりである。以下にリストされる例示的な実施形態の各々は、以下にリストされる例示的な実施形態及び上で考察された実施形態のうちの他の全てと組み合わせ可能であると個別に示されるわけではない。しかしながら、これらの例示的な実施形態は、実施形態が組み合わせ不可能であることが当業者には明らかでない限り、全ての他の例示的な実施形態及び上で考察された実施形態と組み合わせ可能であることが意図される。
【0065】
実施例1:物理レベルの衝突回避(PLCA)を含む10SPEネットワーク内のイベントを検出するステップと、イベントに応答して、10SPEネットワークのマスタとして動作する10SPEネットワークの第1のノードのビーコンを無効化するステップと、第2のノードが10SPEネットワークのマスタとして動作するように有効化するステップと、を含む、方法。
【0066】
実施例2:イベントを検出するステップは、第1のノードのビーコンカウントを監視するステップと、ビーコンが予想されるカウント未満であることに応答して第1のノードが故障したと判定するステップと、を含む、実施例1に記載の方法。
【0067】
実施例3:無効化するステップは、第1のノードのファームウェアを介して、第1のノードのビーコンを無効化するステップを含む、実施例1及び2のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施例4:イベントを第1のノードに通信するステップを更に含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
実施例5:第1のノードのビーコンを無効化するステップは、増幅器のビーコンを無効化するステップを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施例6:第2のノードを有効化するステップは、アンテナをマスタとして動作させるように有効化するステップを含む、実施例5に記載の方法。
【0071】
実施例7:イベントに応答して、第1のノード及び10SPEネットワークの少なくとも1つの他のノードを無効化するステップを更に含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施例8:物理レベルの衝突回避(PLCA)を含む10SPEネットワークのマスタとして動作するノードによって送信されたビーコンの数をカウントするステップと、ノードによって送信されたビーコンの数が閾値数未満であることに応答して、マスタを10SPEネットワークの別のノードに変えるステップと、を含む、方法。
【0073】
実施例9:マスタとして動作するノードによって送信されたビーコンの数をカウントするステップは、増幅器によって送信されたビーコンの数をカウントするステップを含む、実施例8に記載の方法。
【0074】
実施例10:マスタを10SPEネットワークの別のノードに変えるステップは、マスタを10SPEネットワークのアンテナに変えるステップを含む、実施例8及び9のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
実施例11:ノードによって送信されたビーコンの数が閾値数未満であることに応答して、ノードを無効化するステップを更に含む、実施例8~10のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
実施例12:ノードによって送信されたビーコンの数が閾値数未満であることに応答して、10SPEネットワークの少なくとも第3のノードを無効化するステップを更に含む、実施例11に記載の方法。
【0077】
実施例13:マスタを10SPEネットワークの別のノードに変えるステップは、別のノードのPCLA識別(ID)を0に設定するステップを含む、実施例8~12のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
実施例14:物理レベルの衝突回避(PLCA)を含む10SPEネットワークであって、10SPEネットワークのマスタとして動作するように構成された第1のノードと、イベントの検出に応答して第1のノードからマスタシップ責任を担うように構成された第2のノードと、を備える、10SPEネットワーク。
【0079】
実施例15:第1のノード及び第2のノードのうちの少なくとも1つは、イベントに応答して、10SPEネットワークの1つ以上の他のノードをオフラインにさせるように構成される、実施例14に記載の10SPEネットワーク。
【0080】
実施例16:イベントに応答してオフラインになるように構成された1つ以上の他のノードを更に含む、実施例14及び15のいずれか1つに記載の10SPEネットワーク。
【0081】
実施例17:第2のノードは、第1のノードによって送信されたビーコンの数をカウントするように構成される、実施例14~16のいずれか1つに記載の10SPEネットワーク。
【0082】
実施例18:イベントは、第1のノードによって送信されたビーコンの数が予想したビーコンの数未満であることに応答する、実施例17に記載の10SPEネットワーク。
【0083】
実施例19:イベントは、故障及びクラッシュのうちの少なくとも1つを含む、実施例14~18のいずれか1つに記載の10SPEネットワーク。
【0084】
実施例20:物理レベルの衝突回避(PLCA)を含む10SPEネットワークを含む車両であって、10SPEネットワークのマスタとして動作するように構成された増幅器と、イベントの検出に応答して、増幅器からマスタシップ責任を担うように構成されたアンテナと、を備える、車両。
【0085】
実施例21:イベントは、車両に関与するクラッシュを含む、実施例20に記載の車両。
【0086】
実施例22:ネットワークノードのための物理層デバイスであって、物理層デバイスは、物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体の線に動作可能に結合されたビーコンカウンタであって、線上でビーコン信号をカウントするように、かつ所定の期間にわたってビーコンカウント、又はビーコン信号のビーコンレートを判定するように構成された、ビーコンカウンタと、動作モードコントローラであって、判定されたビーコンカウント又は判定されたビーコンレートが、所定の許容範囲内であるかどうかを判定するように、かつ、判定されたビーコンカウント又は判定されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であるとの判定に応答して、有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとしての動作を引き継ぐように物理層デバイスを制御するように構成された、動作モードコントローラと、を備える、物理層デバイス。
【0087】
実施例23:動作モードコントローラは、物理層デバイスがフォールバックマスタノードとして指定されている場合にのみ、マスタノードとして動作を引き継ぐように物理層デバイスを制御するように構成される、実施例22に記載の物理層デバイス。
【0088】
実施例24:動作モードコントローラは、ネットワークノードによって伝送されたビーコンを無効化して、イベントに応答してマスタノードとしてのネットワークノードの動作を無効化するように更に構成される、実施例22及び23のいずれか1つに記載の物理層デバイス。
【0089】
実施例25:イベントは、車両衝突を含む、実施例24に記載の物理層デバイス。
【0090】
実施例26:所定の許容範囲の最小値は、線上のバスサイクルの最大バスサイクル長に基づいて判定される、実施例22~25のいずれか1つに記載の物理層デバイス。
【0091】
実施例27:ネットワークノードを動作させる方法であって、物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク内のイベントを検出するステップであって、有線ローカルエリアネットワークは共有伝送媒体の線を含む、検出するステップと、ネットワークノードがスレーブノードとして動作している場合、所定の期間にわたってビーコンカウント又はビーコン信号のビーコンレートが所定の最小値未満であるとの判定に応答して、ネットワークノードを有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作させるために、ネットワークノードによってビーコンが伝送されることを有効化するステップと、を含む、方法。
【0092】
実施例28:ネットワークノードが有線ローカルエリアネットワークのマスタノードとして動作している場合、イベントに応答して、マスタノードとしてのネットワークノードの動作を無効化するために、ネットワークノードによって伝送されたビーコンを無効化するステップを更に含む、実施例27に記載の方法。
【0093】
実施例29:マスタノードとしてのネットワークノードの動作を無効化するステップに応答して、少なくとも1つのノードを無効化するステップを更に含む、実施例28に記載の方法。
【0094】
実施例30:イベントは、イベントをシグナリングするように構成されたイベント信号の受信を含む、実施例28及び29のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施例31:ビーコンを無効化するステップは、ネットワークノードのファームウェアを介してビーコンを無効化するステップを含む、実施例28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施例32:イベントに応答してネットワークノードをマスタノードとして動作させるためにネットワークノードによって伝送されるビーコンを有効化するステップは、ネットワークノードがフォールバックネットワークノードとして以前に指定された場合にのみ、スレーブノードとしてネットワークノードを動作させることから、マスタノードとしてネットワークノードを動作させることに遷移させるステップを含む、実施例27~31のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実施例33:スレーブノードとしてネットワークノードを動作させることから、マスタノードとしてネットワークノードを動作させることに遷移させるステップは、以前のマスタノードからの介入なしに、スレーブノードとしてネットワークノードを動作させることから、マスタノードとしてネットワークノードを動作させることに遷移させるステップを含む、実施例32に記載の方法。
【0098】
実施例34:イベントを検出するステップは、線上のビーコンカウント又はビーコンレートを検出するために、線上のビーコン信号を監視するステップと、検出されたビーコンカウント又は検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることに応答して、マスタノードが故障したと判定するステップと、を含む、実施例27~33のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施例35:検出されたビーコンカウント又は検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることは、検出されたビーコンカウント又は検出されたビーコンレートは、所定の許容範囲の最大値を超えることを含む、実施例34に記載の方法。
【0100】
実施例36:検出されたビーコンカウント又は検出されたビーコンレートが、所定の許容範囲外であることは、検出されたビーコンカウント又は検出されたビーコンレートは、所定の許容範囲の最小値を下回ることを含む、実施例34に記載の方法。
【0101】
実施例37:イベントの検出に応答して、イベントを以前のマスタノードに通信するステップを更に含む、実施例27~36のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施例38:イベントに応答して、以前のマスタノード及び有線ローカルエリアネットワークの少なくとも1つの他のノードを無効化するステップを更に含む、実施例27~37のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施例39:物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であって、共有伝送媒体の線と、線に動作可能に結合された第1のノードであって、WLANのマスタとして動作するように構成された第1のノードと、イベントの検出に応答して、第1のノードからマスタシップ責任を担うように構成された第2のノードと、を備える、有線ローカルエリアネットワーク(WLAN)。
【0104】
実施例40:第1のノード及び第2のノードのうちの少なくとも1つは、イベントに応答して、WLANの1つ以上の他のノードを無効化するように構成される、実施例39に記載のWLAN。
【0105】
実施例41:第2のノードは、第1のノードによって送信されたビーコンの数をカウントするように構成される、実施例39及び40のいずれか1つに記載のWLAN。
【0106】
実施例42:イベントは、所定の期間にわたって第1のノードによって送信されたビーコンの数、又はビーコンのレートが、所定の許容範囲外であることに応答する、実施例41に記載のWLAN。
【0107】
実施例43:イベントは、第1のノードの故障及び第1のノードを含む車両のクラッシュのうちの少なくとも1つを含む、実施例39~42のいずれか1つに記載のWLAN。
【0108】
実施例44:物理レベルの衝突回避を含む有線ローカルエリアネットワークを含む車両であって、車両は、WLANのマスタとして動作するように構成された増幅器であって、WLANは共有伝送媒体を含む、増幅器と、イベントの検出に応答して、増幅器からマスタシップ責任を担うように構成されたアンテナと、を備える、車両。
【0109】
実施例45:イベントは、車両に関与するクラッシュを含む、実施例44に記載の車両。
【0110】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示及び説明される実施形態に対して、数多くの追加、削除、及び修正が行され得る。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わされ得るが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11