(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】光電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20250310BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20250310BHJP
C03C 27/12 20060101ALI20250310BHJP
G02F 1/17 20190101ALI20250310BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250310BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20250310BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
G09F9/00 338
B60J1/00 H
C03C27/12 N
G02F1/17
G09F9/30 398
G09F9/33
H01L21/60 311Q
(21)【出願番号】P 2022533644
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2020080474
(87)【国際公開番号】W WO2021110333
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】102019133451.9
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】102020114483.0
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020114478.4
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020114482.2
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020114670.1
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020116479.3
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020117104.8
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020125433.4
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020125429.6
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020127204.9
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020127194.8
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランドル ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ドブナー アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバッハ マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ウィットマン ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヒラー ウリ
(72)【発明者】
【氏名】クライン マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルトシック アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットマン ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ブルックシュロ―グル マティアス
(72)【発明者】
【氏名】グレッチュ シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フーバー ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ブリック ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ホフバウアー ルートヴィヒ
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-520627(JP,A)
【文献】特開2010-170969(JP,A)
【文献】特開2005-310751(JP,A)
【文献】特開2016-167451(JP,A)
【文献】特開2001-022300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
B60J 1/00
C03C 27/12
G02F 1/17
G09F 9/30
G09F 9/33
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子デバイ
スであって、
カバー層と、
キャリア層と、
前記カバー層と前記キャリア層の間の中間層と、を有し、
少なくとも1
つの光電子光
源が、前記中間層の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または、前記中間層に少なくとも部分的に埋め込まれており、
前記中間層は、前記光電子光源から放出された光が、前記中間層内におよび前記中間層に沿って少なくとも部分的に広がり、各光電子光源に対してあらかじめ設定された距離以下で前記カバー層および/または前記キャリア層を貫通する方向に前記中間層を出るように適合されて
おり、
前記中間層の反射率は、前記中間層に隣接する材料の反射率よりも大きい、
光電子デバイス。
【請求項2】
前記中間層内におよび前記中間層に沿って広がる前記光は、あらかじめ設定された画角内
で前記中間層を出る、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項3】
前記中間層は、接着剤によって、前記カバー層および/もしくは前記キャリア層に積層もしくは固定された箔を含みまたはから成る、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項4】
前記中間層の前記反射率は、前記カバー層の反射率および前記キャリア層の反射率または前記中間層を覆う接着剤の反射率よりも大きい、
請求項
1に記載の光電子デバイス。
【請求項5】
光拡散および/または光取り出しのため、分散構造および/または散乱構造および/または反射構造が、前記中間層の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または、前記中間層に少なくとも部分的に埋め込まれている、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項6】
前記分散
構造および/または
前記散乱構造は、拡散
中心および/または散乱中心である、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項7】
前記拡散中心の拡散濃度は、光の平均自由行程の長さが前記中間層の厚さよりも大きくなるようにあらかじめ設定されている、
請求項
6に記載の光電子デバイス。
【請求項8】
前記分散
構造および/または
前記散乱構造は、前記中間層内に透明粒子、白色粒子、穴、密度変更、または気泡として形成され
ている、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項9】
前記分散
構造および/または
前記散乱構造は、前記中間層
に構造化領域として形成されている、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項10】
前記反射構造は、各光電子光源の近くに形成されている、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項11】
前記反射構造は、前記カバー層の表面および/または前記キャリア層の表面に形成されている、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項12】
前記反射構造は、前記カバー層の外側および/または前記キャリア層の外側に形成されている、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項13】
前記反射構造は、ミラーおよび/または金属コーティングおよび/または誘電体コーティングである、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項14】
前記反射構造は、前記光電子光源の主表面の少なくとも1つを直接覆う、
請求項
5に記載の光電子デバイス。
【請求項15】
前記光電子デバイスは、前記カバー層と、一方では前記中間層と、他方では前記キャリア層との間に、カバー層および中間層の1つ以上の追加の組み合わせを有する、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項16】
前記
光電子デバイスは、1つ以上のさらなるカバー層および中間層の組み合わせを有し、各組み合わせの光電子光源は、選択された色、特に、赤色、緑色、および青色のうちの少なくとも1つを発する、
請求項
15に記載の光電子デバイス。
【請求項17】
各光電子光源から放出された光は、少なくとも部分的に前記中間層内におよび前記中間層に沿って広がり、各光電子光源に対してあらかじめ設定された距離で前記中間層を出る、ここで、各中間層の内側には
、分散
構造または散乱構造が配置されている、
請求項
15に記載の光電子デバイス。
【請求項18】
前記分散
構造または
前記散乱構造は、異なる2次元インジケータ領
域を形成する、
請求項
17に記載の光電子デバイス。
【請求項19】
前記中間層の前記分散構造は、前記中間層に沿って互い違いになっている、
請求項
17に記載の光電子デバイス。
【請求項20】
光拡散および/または光取り出しのために、変換材料が前記中間層に組み込まれている、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項21】
前記光電子光源は、300μmよりも小さく
、ならびに/または、
前記光電子デバイスは、少なくとも1つの透明な材料で作られた、および/もしくは、幅が300μmよりも小さい
、電気導体経路を含む、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項22】
前記光電子デバイスは、車両ウィンドウ、車両ランプのカバー、車両信号灯のカバー、ミラーガラス、もしくは車体照明のエレメントであり、ならびに/または、
前記カバー層および/もしくは前記キャリア層および/もしくは前記中間層は、ガラスもしくは他の透明な材
料で作られている、
請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項23】
光電子デバイ
スであって、
カバー層と、
キャリア層と、
前記カバー層と前記キャリア層の間の中間層と、を有し、
少なくとも1
つの光電子光
源が、前記中間層の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または、前記中間層に少なくとも部分的に埋め込まれており、
前記中間層は、前記光電子光源から放出された光が、前記中間層内におよび前記中間層に沿って少なくとも部分的に広がり、各光電子光源に対してあらかじめ設定された距離以下で前記カバー層および/または前記キャリア層を貫通する方向に前記中間層を出るように適合されており、
光拡散および/または光取り出しのために、変換材料が前記中間層に組み込まれて
おり、
前記中間層の反射率は、前記中間層に隣接する材料の反射率よりも大きい、
光電子デバイス。
【請求項24】
請求項1~
23のいずれか一に記載
の光電子デバイ
スを製造する方法であって、
少なくとも1つ
の光電子光
源を、中間層の少なくとも1つの表面上に配置すること、および/または、前記少なくとも1つ
の光電子光源を、前記中間層内に少なくとも部分的に埋め込むことと、
前記中間層をカバー層とキャリア層の間に配置することと、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2019年12月6日付けのDE出願第10 2019 133 451.9号、2020年2月21日付けのDK出願第10 2020 114 478.4号、2020年5月29日付けのDE出願第10 2020 114 482.2号、2020年5月29日付けのDE出願第10 2020 114 670.1号、2020年6月23日付けのDE出願第10 2020 116 479.3号、2020年6月29日付けのDE出願第10 2020 117 104.8号、2020年9月29日付けのDE出願第10 2020 125 429.6号、2020年9月29日付けのDE出願第10 2020 125 433.4号、2020年10月15日付けのDE10 2020 1227 194.8号、および2020年10月15日付けのDE出願第10 2020 1220 204.9号の優先権を主張し、これらの開示内容は、全体として本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、光電子デバイス、例えば、車両の少なくとも部分的に透明なペイン(pane)またはウィンドウ(window)などに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、車両の、特定の領域に情報を表示する必要がある。例えば、ダッシュボードは、ドライバにとって重要な情報を示す。
【0004】
特許文献1は、レイヤスタック(layer stack)を有する、自動車ルーフ用のカバーを開示する。レイヤスタックは、平面状に延在するペインと、平面状に延在するフィルム(film)と、ペインとフィルムの間に配置され、フィルムをペインに固定する接着剤層(adhesive layer)とを含む。接着剤層には、複数の微小発光ダイオードが配置されている。また、特許文献1は、このようなカバーを有する自動車ルーフを含む自動車を開示する。
【0005】
特許文献2は、自動車用の複合ペインを製造する方法を開示する。この方法は、第1のペインおよび第2のペインを提供することを含む。この方法は、第1のペインと第2のペインの間にプラスチックフィルムを配置する工程と、プラスチックフィルムの表面に発光ダイオード(LED)を配置する工程と、をさらに含む。さらに、この方法は、第1のペインもしくは第2のペインの外面上に位置するか、または第1のペインもしくは第2のペインの外面から離れて配置される加熱源によって、少なくともLEDの領域におけるプラスチックフィルムを局所的に加熱して流体の状態にすることを含む。加えて、この方法は、所定の量のプラスチックフィルムを変位させて、流体の状態に加熱したプラスチックフィルム内にLEDを導入することを含み、この方法は、LEDをプラスチックフィルム内に導入した後に、第1のペインおよび第2のペインを、介在させたプラスチックフィルムと共に積層することを含む。
【0006】
特許文献3は、外側ガラス層と、内側ガラス層と、外側ガラス層と内側ガラス層の間の少なくとも1つのプラスチック中間層と、少なくとも1つのカメラシステムとを有する積層自動車ガラス(laminated automotive glazing)を開示する。カメラシステムは、積層体の一体型永久部品としてガラス層の間に積層されている。
【0007】
特許文献4は、外部ガラス層と、少なくとも内側ガラス層と、外部ガラス層と内側ガラス層の間に位置する少なくとも1つのプラスチック接合層と、プラスチック接合層に埋め込まれた少なくとも1つのLEDとを有する車両積層体を開示する。プラスチック接合層には、LEDに電力を供給する回路を形成する電線が実質的に埋め込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】DE 10 2017 122 852 A1
【文献】US 2019/0248122 A1
【文献】WO 2019/186513 A1
【文献】WO 2019/008493 A1
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、改善された光電子デバイス、特に、改善された発光を提供する少なくとも部分的に透明な光電子デバイスを提供することである。また、少なくともいくつかの態様において、本発明は、光源および/または光センサを、特に車両用の、少なくとも部分的に透明なウィンドウ(window)およびペイン(pane)に統合することを目的とする。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば、車両の少なくとも部分的に透明なペインは、
カバー層と、
キャリア層と、
前記カバー層と前記キャリア層の間の中間層と、を有し、
少なくとも1つ、好ましくは複数の光電子光源が、前記中間層の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または前記中間層に少なくとも部分的に埋め込まれており、
前記中間層は、前記光電子光源から放出された光が、前記中間層内におよび前記中間層に沿って少なくとも部分的に広がり、各光電子光源に対してあらかじめ設定された距離以下で前記カバー層および/または前記キャリア層を貫通する方向に前記中間層を出るように適合されている。
【0011】
好ましくは、LED(発光ダイオード)もしくはマイクロLED(μLEDとも呼ばれる)、またはLEDチップもしくはμLEDチップが、光源として使用される。好ましくは、光電子デバイスの各層は、少なくとも部分的に透明な材料で作られか、またはそれを少なくとも含む。したがって、光電子デバイスも、少なくとも部分的に透明であり得る。
【0012】
μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~30μmである。これにより、表面積は、数百μm2から数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約8μmで、約60μm2の表面積を有することができる。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0013】
有利には、マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)が、光源として使用される。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、点光源は、特に中間層の使用によって2次元光源に変換される。
【0015】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のペインである。
【0016】
いくつかの実施形態において、光源によって提供される光は、中間層内におよび中間層に沿って広がることができ、あらかじめ設定された画角内で、特に中間層に対してほぼ垂直に中間層を出ることができる。したがって、光を、より遠くから、例えば、0.5m以上の距離から見ることができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、中間層は、箔とすることができる。箔は、接着剤によってカバー層および/またはキャリア層に積層または固定することができる。箔は、弾力性があり、非平面の輪郭または形状に適応することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、中間層の屈折率は、中間層を取り囲む材料の屈折率よりも大きくすることができる。これにより、中間層は、ライトガイドとして機能することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、中間層の屈折率は、カバー層および/もしくはキャリア層の屈折率、または、キャリア層に対向する側および/もしくはカバー層に対向する側で中間層を覆う接着剤の屈折率よりも大きくすることができる。
【0020】
いくつかの実施形態においては、分散もしくは散乱構造および/または反射構造を、中間層の少なくとも1つの表面上に形成することができ、および/または、中間層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。これらの要素を使用することによって、放出された光の拡散および/または出射を達成することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、分散または散乱構造は、拡散中心(diffusion center)であり得る。拡散中心は、提供が容易である。また、拡散中心を選択した位置、面積、または体積に配置して、そのそれぞれの位置、面積、または体積で光を出射させることもできる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、光の平均自由行程の長さが中間層の厚さよりも大きくなるように、拡散中心の拡散濃度をあらかじめ設定することができる。これは、あらかじめ設定しやすいパラメータの一例である。
【0023】
いくつかの実施形態において、分散または散乱構造は、特に、放出された光の波長よりも小さいサイズ(特に約2μm)を有する、透明粒子、白色粒子、穴、密度変更、気泡を使用することにより、中間層内に形成することができる。これらの散乱中心は、中間層に組み込むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、分散または散乱構造は、構造化された領域として中間層上に配置することができ、特に、スタンピング、印刷、および/またはレーザ光の適用によって構造化することができる。これらは、拡散中心を実現するのに適切な方法である。
【0025】
いくつかの実施形態において、反射構造は、各光電子部品の近くに形成することができる。反射構造が発光体の近くに配置されればされるほど、より多くの光が中間層の中におよび中間層に沿って導かれ広がることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、反射構造は、カバー層の外表面および/またはキャリア層の外表面に形成することができる。外表面は、中間層から離れた方を向いており、一方、内表面は、中間層の方を向いている。
【0027】
いくつかの実施形態において、反射構造は、カバー層の外側および/またはキャリア層の外側に形成することができる。特に、反射構造は、カバー層の外表面および/またはキャリア層の外表面に形成することができる。したがって、反射構造は、製造工程の後段で、さらに光電子デバイスの製造から独立して、形成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、反射構造は、ミラーおよび/または金属コーティングおよび/または誘電体コーティングであり得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、反射構造は、光電子光源の主表面の少なくとも1つを直接覆うことができる。これにより、光源の製造時に事前設定をすでに行うことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、1つ、2つ、または3つ以上の追加のカバー層および中間層の組み合わせを形成することができ、これにより、各中間層は、1つ以上の光電子光源を有する。各中間層は、選択された色、特に、赤色、緑色、または青色のいずれかの光を放出することができる光源を含むことができる。したがって、RGB(つまり、赤、緑、および青)を放出する光電子デバイスは、3つの中間層、つまり、赤色光を放出する光源を有する中間層、緑色光を放出する光源を有する中間層、および青色光を放出する光源を有する中間層を使用することによって得ることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、各光電子光源から放出された光は、中間層内におよび中間層に沿って少なくとも部分的に分布させることができ、それぞれの光電子光源に対してあらかじめ設定された距離で中間層を出ることができる。各中間層の内部には、特に、構造化された散乱粒子を有する、分散または散乱構造が形成されている。したがって、光を正確に案内することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、分散または散乱構造は、異なる2次元インジケータ領域、特に、均一なシンボル、色、またはアニメーションを形成することができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、各中間層の分散または散乱構造は、中間層に沿って互いにオフセットされている。したがって、各分散または散乱構造の光取り出しを、隣接する分散または散乱構造の影響をほとんどまたは全く受けずに行うことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、中間層(単数または複数)には少なくとも部分的に変換器材料を組み込むことができる。変換器材料の位置によって、可視光の領域を定義することができる。光の拡散および出射は、正確にあらかじめ設定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、体積発光体または面発光体であるLEDであり得る。光源は、個別に制御することができる。したがって、光電子デバイスにおいて配光を制御することができる。光源の個別制御は、例えば、各光電子光源に供給される電流を個別に制御することによって達成することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、光電子光源、特にLEDは、大きさを300μm未満、特に150μm未満にすることができる。このような空間的広がりにより、光電子光源は、人間の目には見えない。
【0037】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、チップまたはパッケージ化されたチップであり得る。純粋なチップは、中間層に組み込むことができる。パッケージ化されたチップは、製造工程で取り扱うことができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、例えば、光源に電気を供給するのに使用される、電気導体経路は、透明材料から成ることができ、および/または、300μm未満、特に150μm未満の幅を有することができる。このような空間的広がりにより、導体経路は、人間の目には見えない。したがって、光電子デバイスを通して見る視界は、導体経路によって妨害されない。
【0039】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、車両ウィンドウ、車両ランプのカバー、車両信号灯のカバー、ミラーガラス、または車体照明のエレメントとして使用されるように構成することができる。光電子デバイスには、さまざまな応用分野があり得る。「スイッチオン(switched on)」モードの場合、当該デバイスは、例えば、元のラッカーの外観および/または色を照らし、変えることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、中間層、カバー層、および/またはキャリア層は、ガラスまたは他の少なくとも部分的に透明な材料、例えば、メタクリル樹脂(PMMA)および/もしくはポリカーボネート(PC)を含むまたはから成る(comprise or consist of)ことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、分散構造は、二酸化チタン(TiO2)および/または二酸化ジルコニウム(ZrO2)を含むことができる。これらの材料により、効率的な拡散特性が得られる。
【0042】
いくつかの実施形態において、反射構造の材料は、アルミニウムおよび/または銀または誘電体材料および/または分布ブラッグ反射器(distributed Bragg reflector)を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、導体経路の材料は、インジウムスズ酸化物および/または銀を含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、中間層は、透明なプラスチック材料、特にポリエチレンを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば、車両の少なくとも部分的に透明なペインは、第1の層、特に熱可塑性基材を有し、少なくとも1つの電子または光電子部品が、この第1の層に部分的または完全に埋め込まれている。
【0046】
少なくとも1つの光電子部品を第1の層に部分的または完全に埋め込むことによって、光電子デバイスのトポグラフィーを低減することができ、光電子デバイスのその後のプロセスを簡素化することができる、なぜなら、第1の層の表面に配置された(第1の層の表面に埋め込まれていない)光電子部品のバランスを取ることは技術的に困難であり得るからである。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば、例えば車両の少なくとも部分的に透明なペインは、
第1の層、特にカバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、
前記第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた少なくとも1つの電子または光電子部品と、
少なくとも1つの構造化導体層と、を有し、
前記導体層の第1の部分は、前記第1の層の上面上に配置され、前記導体層の第2の部分は、前記電子または光電子部品の上面上に配置され、かつ、前記電子または光電子部品の電気接点と接触しており、
前記電気接点、特にコンタクトパッドは、前記電子または光電子部品の前記上面上に配置され、
境界領域が、前記電子または光電子部品の前記上面と前記第1の層の隣接する前記上面との間に位置し、
前記導体層の中間部分は、前記境界領域を越えて延在し、前記導体層の前記第1の部分と前記導体層の前記第2の部分とを相互接続している。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つの電子または光電子部品が、第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれており、特に、この第1の層は、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層である。導体層が、第1の層の上面上、電子または光電子部品の上面上に配置され、電子または光電子部品の電気接点と接触している。さらに、導体層は、境界領域、特に電子または光電子部品のシェル表面と第1の層との間のギャップを越えて延在し、したがって、このギャップを埋める。境界領域、特にギャップは、小さいことが好ましい、なぜなら、導体層によって埋められる距離は、導体層を第1の層の上面、電子または光電子部品の上面、および電子または光電子部品の電気接点に配置する工程によって制限される場合があるからである。
【0049】
何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上に直接配置されていると必ずしも理解される必要はなく、それらの間に配置される他の要素を含み得る。したがって、何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上方に間接的に配置されていると理解することもできる。特に、導体層が第1の層の上面に配置されているという定式化は、導体層が第1の層の上面上に直接配置されていると理解することができ、または、導体層が第1の層の上面の上方に配置されていると理解することができるが、導体層と第1の層の上面との間に他の要素が配置されていてもよい。
【0050】
第1の層、特に中間層は、好ましくは少なくとも部分的に透明であり、また、好ましくはカバー層とキャリア層の間に配置されており、カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明である。好ましくは、光電子デバイスの各層は、少なくとも部分的に透明な材料で作られるか、またはそれを少なくとも含む。したがって、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明であり得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、中間層は、箔とすることができる。箔は、接着剤によってカバー層および/またはキャリア層に積層または固定することができる。箔は、弾力性を有することができ、したがって、非平面の輪郭または形状に適応することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のペインである。
【0053】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品は、電子または光電子部品の上面が、第1の層の上面に広がる基準平面内に配置されるように、第1の層に完全に埋め込まれている。換言すれば、電子または光電子部品の上面と第1の層の上面とは、同一平面内に配置され、平坦な上面を形成する。
【0054】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品は、電子または光電子部品の上面が第1の層の上面から、特に高さHだけ、突出するように、第1の層に部分的に埋め込まれている。高さHは、好ましくは、電子または光電子部品の厚さの3分の1以下である。したがって、電子または光電子部品は、この電子または光電子部品の厚さの3分の1以下が第1の層の上面から突出するように、第1の層に部分的に埋め込むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、境界領域は、電子または光電子部品のシェル表面と第1の層の側面との間にギャップを有する。当該側面は、シェル表面に対向し、当該ギャップは、好ましくは、シェル表面を囲んで電子または光電子部品の周囲に周方向に延在する。シェル表面は、好ましくは、電子または光電子部品の上面および当該上面に対向する電子または光電子部品の底面を除く、電子または光電子部品の外表面によって形成されている。
【0056】
いくつかの実施形態において、第1の層は、少なくとも1つの凹部を有し、電子または光電子部品のシェル表面に対向する第1の層の側面は、好ましくは、第1の層の当該凹部によって形成されている。電子または光電子部品は、好ましくは、第1の層の凹部に配置され、したがって、境界領域およびギャップは、第1の層の凹部に配置された電子または光電子部品と第1の層の凹部の側面との間の距離によってそれぞれ形成することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、ギャップは、円錐形の断面を有する。特に、シェル表面と、電子または光電子部品のシェル表面に対向する第1の層の側面との間の距離は、第1の層の上面に広がる平面において、当該第1の層の上面に広がる平面に平行である、当該第1の層の上面に広がる平面の下方の平面におけるよりも大きい。
【0058】
いくつかの実施形態において、ギャップは、10~15μm未満の幅を有する。特に、ギャップは、第1の層の上面に広がる平面内で10~15μm未満の幅を有する。したがって、境界領域を越えて延在する導体層の中間部分は、10~15μm以下の距離にわたって延在することができる。これは、有利であり得る、なぜなら、導体層の第1の部分が、第1の層の上面上に配置され、導体層の第2の部分が、電子または光電子部品の上面上に配置され、導体層の中間部分が、境界領域、特にギャップを越えて延在し、かつ、導体層の第1の部分と導体層の第2の部分とを相互接続するように、構造化導体層を配置する工程が、導体層の中間部分によって埋めることができる最大距離に制限され得るからである。
【0059】
いくつかの実施形態において、ギャップは、充填材で、特に接着剤で充填されている。任意選択的に、充填材の蓄積は、充填されたギャップ上に、特に第1の層の上面に広がる平面上に配置される。これは、有利であり得る、なぜなら、電子または光電子部品が当該上面から突出している場合に、導体層の第1の部分が、第1の層の上面上に配置され、導体層の第2の部分が、電子または光電子部品の上面上に配置され、導体層の中間部分が、境界領域、特にギャップを越えて延在し、かつ、導体層の第1の部分と導体層の第2の部分とを相互接続するように、構造化導体層を配置する工程が、改善され得るからである。
【0060】
充填材は、第1の層の上面に広がる平面に充填材の平坦面を提供するために、平坦化層を有することができる。電子または光電子部品の上面が第1の層の上面と同じ平面内にある場合、導体層の第1の部分が、第1の層の上面上に配置され、導体層の第2の部分が、電子または光電子部品の上面上に配置され、導体層の中間部分が、境界領域、特にギャップを越えて延在し、かつ、導体層の第1の部分と導体層の第2の部分とを相互接続するように、構造化導体層を配置する工程を、さらに改善することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、充填材は、第1の層と電子または光電子部品の底面との間に配置されており、電子または光電子部品の底面は、電子または光電子部品の上面とは反対側である。充填材は、特に、電子または光電子部品を第1の層に固定する接着剤を含むか、または当該接着剤から成ることができる。また、充填材は、電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程において少なくとも部分的にまたは完全に蒸発する仮接着剤を含むまたはから成ることができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、充填材は、第1の層の上面と電子または光電子部品のシェル表面との間に隅肉溶接部(fillet weld)を形成することができる。特に、隅肉溶接部の形態の充填材は、ギャップ内に部分的に配置され、第1の層の上面と前記シェル表面の間に隅肉溶接部を部分的に形成することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、誘電体層、特に誘電体中間層が、構造化導体層と第1の層との間、および/または、構造化導体層と電子または光電子部品の上面との間に配置されている。このような誘電体層は、構造化導体層と、第1の層および電子または光電子部品の上面の少なくとも一方との間の短絡を防止するのに役立つ。
【0064】
いくつかの実施形態において、第1の層は、プラスチック、特に以下の材料のうちの少なくとも1つを含む。ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。
【0065】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの構造化導体層は、例えば、少なくとも1つの電子または光電子部品に電気を供給するのに使用されるが、透明材料から成ることができ、および/または、幅が300μm未満、特に150μm未満の電線路を有することができる。このような空間的広がりにより、構造化導体層は、人間の目には見えない。したがって、光電子デバイスを通して見る視界は、構造化導体層によって妨害されない可能性がある。
【0066】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの構造化導体層の材料は、インジウムスズ酸化物および/または銀を含むことができる。いくつかの実施形態において、構造化導体層は、金属を含むまたはから成り、特に、銅、銀、および金のうちの1つを含むまたはから成る。
【0067】
いくつかの実施形態において、第1の層は、導光層であり、第1の層の屈折率は、第1の層を取り囲む材料の屈折率よりも大きくすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、第1の層の屈折率は、カバー層および/もしくはキャリア層の屈折率、ならびに/または、キャリア層に対向する側および/もしくはカバー層に対向する側で第1の層を覆う接着剤の屈折率よりも大きくすることができる。したがって、第1の層内の全反射(total internal reflection)および関連する導光を達成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの構造化導体層は、互いの上に配置された2つ以上の構造化された導体層であり、隣接する導体層は、少なくとも1つの分離層(例えば、ポリイミド層など)によって互いに分離されている。任意選択的に、各導体層は、誘電体材料で充填される1つ以上の導電性ビアを含み、かつ、異なる導体層を相互接続する導体経路を含む。したがって、再配線層(RDL:redistribution layer)およびポリイミド層(PI)の多層体(multilayer)を提供することができる。
【0070】
いくつかの実施形態において、第2の層、特に第1の熱剥離フィルムまたは積層が、第1の層の、上面とは反対側の表面上に配置されている。前記第2の層上に前記第1の層と反対側には、キャリア層、特にPETキャリア層を配置することができ、任意選択的に、該前記キャリア層上に前記第2の層と反対側には、第3の層、特に第2の熱剥離フィルムまたはフォトレジスト層を配置することができるとともに、任意選択的に、前記第3の層上に前記キャリア層と反対側には、仮キャリア層を配置することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、例えば、集積回路(IC)などの電子チップが、構造化導体層上、または、特に再配線層(RDL)およびポリイミド層(PI)の多層体スタック上に配置されている。
【0072】
いくつかの実施形態において、電子または光電子部品は、以下の部品のうちの少なくとも1つを含む。LED、μLED、フリップチップLED、薄膜フリップチップLED、ICチップ、光センサ、熱センサ、機械式センサ、抵抗器、コイル、コンデンサ、およびこれらの部品のセレクションを有するサブアセンブリ。
【0073】
好ましくは、LED(発光ダイオード)もしくはマイクロLED(μLEDとも呼ばれる)、またはLEDチップもしくはμLEDチップ、またはフリップチップLEDもしくは薄膜フリップチップLEDが、光電子部品として使用される。好ましくは、光電子デバイスの各層は、少なくとも部分的に透明な材料で作られるか、またはそれを少なくとも含む。したがって、光電子部品も、少なくとも部分的に透明であり得る。
【0074】
有利には、マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)が、光電子部品として使用される。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0075】
μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~30μmである。これにより、表面積は、数百μm2~数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約8μmで、約60μm2の表面積を有し得る。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0076】
いくつかの実施形態において、電子チップ(例えば、集積回路(IC)など)、光センサ、熱センサ、機械式センサ、またはこれらの電子または光電子部品のセレクションを有するサブアセンブリを、第1の層に少なくとも部分的または完全に埋め込むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、
少なくとも1つの電子または光電子部品を、第1の層、特にカバー層とキャリア層の間に配置された中間層の上面に提供する工程と、
前記少なくとも1つの電子または光電子部品を前記第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程と、
構造化された導体層を提供する工程であって、前記導体層の第1の部分が、前記第1の層の上面上に配置され、前記導体層の第2の部分が、前記電子または光電子部品の上面上に配置され、前記導体層の中間部分が、境界領域を越えて延在し、前記導体層の前記第1の部分と前記導体層の前記第2の部分とを相互接続するように、前記構造化導体層を提供する工程と、
を有する。
【0078】
導体層の第2の部分は、電子または光電子部品の上面に位置する電子または光電子部品の電気接点と接触することができ、境界領域は、電子または光電子部品の上面と第1の層の隣接する上面との間に位置することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、第1の層を局所的に加熱することと、特に同時に、電子または光電子部品を、好ましくは、少なくとも第1の層が局所的に加熱されたのと同じ領域において、第1の層の上面に押し込むことと、をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、電子または光電子部品を加熱することと、特に同時に、電子または光電子部品を第1の層の上面に押し込むことと、を含む。この工程は、例えば、電子または光電子部品をピックアップし、当該部品を加熱し、当該部品を第1の層の上面の各位置に配置し、当該部品を当該各位置で第1の層に押し込むように適合されている、加熱スタンプ(heated stamp)を使用することによって実行され得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、第1の層を、第1の層の材料の軟化温度のすぐ下の温度まで加熱するとともに、電子または光電子部品を加熱することと、特に同時に、電子または光電子部品を第1の層の上面に押し込むことと、を含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、第1の層の少なくとも一部を深絞りして凹部を生成することと、当該凹部に電子または光電子部品を押し込むことと、を含む。特に、深絞り工具は、第1の層の、上面とは反対側の表面に配置することができ、第1の層の少なくとも一部は、深絞り工具の方向に深絞りすることができる。これにより、第1の層に少なくとも1つの凹部が生成され、この凹部に電子または光電子部品が押し込まれる。
【0083】
いくつかの実施形態において、構造化導体層の第1の部分、第2の部分、および中間部分を配置する工程は、いわゆるPICOS(Planar Interconnect On Substrate)工程を含む。このPICOS工程は、例えば、以下の工程を有することができる。少なくとも1つの電子もしくは光電子部品の上面、および/または第1の層の上面、および/または境界領域、および/または誘電体層に、シード層、特に、チタン銅合金を塗布する。次に、当該シード層にフォトレジスト層を塗布し、シード層の領域が露出するように当該フォトレジスト層を構造化する。シード層の露出領域をガルバーニめっき処理し、このシード層の露出領域に銅チタンを電着させる。構造化によって残されたフォトレジスト層の領域および下層のシード層は、除去する。また、シード層を活性化する工程と、次に構造化されるフォトレジスト層を塗布する工程とは、入れ替えることもできる。したがって、より大きな表面に対してガルバーニめっき処理を行うことができ、その後に構造化を行うことができる。
【0084】
この手順を通じて、電子または光電子部品は、構造化導体層に「取り囲まれる(framed)」ことができるため、PICOS工程を使用して少なくとも1つの電子または光電子部品の機械的安定性および電気的相互接続の両方を確保することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、構造化導体層の第1の部分、第2の部分、および中間部分を配置する工程は、噴射工程を含む。例えば、銀または銅ナノチューブインクを、少なくとも1つの電子もしくは光電子部品の上面および/または第1の層の上面および/または境界領域および/または誘電体層に順次または並行して且つ局所的に塗布して、少なくとも1つの電子または光電子部品を電気的に相互接続する。
【0086】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層の上面に配置する工程は、特に接着剤を使用して、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層の上面に接着することを含む。接着剤は、電子もしくは光電子部品と第1の層の上面との間に配置することができ、または、第1の層の上面と電子もしくは光電子部品のシェル表面との間に隅肉溶接部を形成することができる。いくつかの実施形態において、接着剤は、少なくとも1つの電子または光電子部品を第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程の間に少なくとも部分的にまたは完全に蒸発する、仮接着剤であり得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、構造化導体層と第1の層との間、および/または、構造化導体層と電子もしくは光電子部品の上面との間に、誘電体層を配置する工程をさらに有する。このような誘電体層により、構造化導体層と、第1の層および電子または光電子部品の上面の少なくとも一方との間の短絡を防止することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、構造化導体層に集積回路(IC)を配置する工程をさらに有する。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば、車両の少なくとも部分的に透明なペインは、キャリア層と、2つ以上の層セグメント、特にカバー層と前記キャリア層の間に配置された中間層セグメントとを有する。少なくとも1つの光電子部品は、前記層セグメントの少なくとも1つに配置され、前記層セグメントは、前記キャリア層に互いに隣接して配置されており、隣接する層セグメントは、互いに機械的に接続されている。
【0090】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、層セグメント間の接合領域が少なくともほとんど目に見えないように互いに接続されている。したがって、単層セグメントは、完成した光電子デバイスにおいて少なくともほとんど目に見えない。
【0091】
隣接する層セグメント間の機械的接続は、それらの隣接する境界領域で互いに熱溶融し、これにより互いに機械的に接続された隣接する層セグメントに関連することができる。したがって、隣接する層セグメントを機械的に接続する工程は、層セグメントの隣接する境界領域の融解を含むことができる。
【0092】
層セグメントは、キャリア層上に、より大きな層、例えば、いわゆる中間層を形成することを可能にする。したがって、キャリア層上に互いに隣接して配置された層セグメントを使用することによって、当該より大きな層に対応する大きな表面積を形成することができる。
【0093】
層セグメントは、むしろ薄くてフレキシブルであることができる。したがって、層セグメントは、より繊細な材料(例えば、箔材料など)から成ることができる。より小さな層セグメントを使用し、このような層セグメントからキャリア層上により大きな層を構築することは、製造工程の簡素化を可能にする、なぜなら、より小さなサイズの層セグメントは、より大きな層よりも取り扱いが容易であるからである。さらに、キャリア層の曲面上に層セグメントを配置することは、より大きな単層よりも容易であることができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、キャリア層および複数の層セグメントを有し、少なくとも1つの光電子部品は、当該層セグメントの少なくとも1つに配置されている。層セグメントは、キャリア層上に互いに隣接して配置されており、隣接する層セグメントは、互いに機械的に接続されている。
【0095】
少なくとも1つの層セグメント上には、少なくとも1つの光電子部品を配置することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、各層セグメント上に、多くの層セグメント上に、または単に1つの層セグメント上に配置される。したがって、光電子部品が配置されていない層セグメントおよび/または1つ以上の光電子部品が配置されている層セグメントが存在し得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、車両の少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のフロントガラスまたはウィンドウを形成する。したがって、ペイン、特にフロントガラスまたはウィンドウは、ペインを少なくとも部分的に照らすために、および/または、ペインの少なくとも一部に情報を表示するために、少なくとも1つの光電子部品を有する。
【0097】
光電子デバイスは、例えば、ヘッドライナーまたは例えば車両の外表面として、他の表面の一部であることができる。したがって、光電子デバイスは、3次元形状を有することができ、および/または、湾曲した表面上に配置することができる。したがって、ヘッドライナーまたは外表面は、ヘッドライナーもしくは外表面を少なくとも部分的に照らすために、および/または、ヘッドライナーもしくは外表面の少なくとも一部に情報を表示するために、少なくとも1つの光電子部品を有する。
【0098】
小さな層セグメントの製造は、特に、例えば、車両のフロントガラスのサイズの完全な層と比較して、容易であり且つ費用対効果が高くなり得る。したがって、2つ以上の層セグメントをキャリア層上に互いに隣接して配置することによって、特に大きな寸法を有する光電子デバイスを製造するより簡単で且つ費用対効果の高い方法を提供することができる。さらに、例えば3次元形状を有するキャリア層上に互いに隣接する層セグメントを、当該層セグメントがキャリア層と同じサイズであるかのように、配置することが、より容易になり得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも1つの電気ブリッジ要素を有し、この電気ブリッジ要素は、2つの隣接する層セグメントの間に少なくとも延在し、2つの層セグメントは、各々、導体層セグメントを有し、電気ブリッジ要素は、少なくとも、2つの層セグメントの導体層セグメントを相互接続する。換言すれば、電気ブリッジ要素は、第1の層セグメントと、当該第1の層セグメントに隣接する第2の層セグメントとの間に延在することができる。第1の層セグメントは、第1の導体層セグメントを有し、第2の層セグメントは、第2の導体層セグメントを有する。電気ブリッジ要素は、第1の導体層セグメントを第2の導体層セグメントと相互接続する。
【0100】
少なくとも1つのブリッジ要素は、少なくとも2つの隣接する層セグメントを電気的に相互接続することができる。少なくとも2つの層セグメントは、各々、導体層セグメントを有することができ、電気ブリッジ要素は、少なくとも2つの層セグメントの導体層セグメントを相互接続することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、各層セグメントは、少なくとも電気ブリッジ要素によって隣接する層セグメントに電気的に接続されている。したがって、層セグメント上の導体層セグメントは、電気ブリッジ要素を使用することによって、他の層セグメント上の導体層セグメントと接続することができる。
【0102】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、フレキシブルおよび/または屈曲可能である。したがって、3次元形状のキャリア層表面の場合、層セグメントは、キャリア層表面上に配置されて、キャリア層表面の3次元形状に従うことができる。層セグメントをキャリア層上に配置した後に光電子デバイスが3次元形状である場合、層セグメントは屈曲可能であるため、層セグメントの破損のリスクは極めて低い。
【0103】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、正方形または長方形の形態を有し、好ましくは、少なくとも約125mmの長さと、少なくとも約70mmの幅を有する。
【0104】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、ストライプの形態、特に、好ましくは、長さが1cm~100cmの範囲、好ましくは10cm~40cmの範囲であり、幅が1cm~100cmの範囲、好ましくは10cm~40cmの範囲である、長方形ストライプの形態を有することができる。
【0105】
しかし、層セグメントは、他の適切な形態であり得る。例えば、層セグメントは、例えば、三角形、六角形、または八角形などの正多角形の形態を有することができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、少なくとも部分的に透明であり、任意選択的に、層セグメントは、カバー層とキャリア層の間に配置されている。また、カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明であることができる。したがって、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明であることができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)もしくはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料を含むまたはから成る。特に、層セグメントは、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの箔材料でできた箔であることができる。箔は、弾性があり、非平面の輪郭または形状に適応することができる。
【0108】
層セグメントは、他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂を含むまたはから成ることができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、接着剤によってキャリア層に積層または固定することができる。したがって、層セグメント間の機械的接続は、例えば、層セグメントをキャリア層に固定することによって提供することができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、キャリア層は、少なくとも部分的に透明である。特に、キャリア層は、ガラス、または、例えば、メタクリレート(PMMA)および/もしくはポリカーボネート(PC)などの他の少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成ることができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、体積発光体または面発光体であるLEDであることができる。少なくとも1つの光電子部品は、個別に制御することができる。したがって、光電子デバイスにおいて配光を制御することができる。少なくとも1つの光電子部品の個別制御は、例えば、各光電子部品に供給される電流を個別に制御することによって達成することができる。
【0112】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品、特にLEDは、300μm未満、特に150μm未満であることができる。このような空間的広がりにより、少なくとも1つの光電子部品は、人間の目には見えない。
【0113】
いくつかの実施形態において、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップが、光電子部品として使用される。μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~30μmである。これにより、表面積は、数百μm2から数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約8μmで、約60μm2の表面積を有することができる。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0114】
マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)を、光電子部品として使用することができる。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0115】
LEDまたはμLEDのような光電子部品は、パッケージ化されていなくてもよい。したがって、当該光電子部品は、ベアダイ(bare die)であり得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素は、少なくとも部分的に透明および/またはフレキシブルなテープを有する。任意選択的に、当該テープは、2つの隣接する層セグメントの導体層セグメントを相互接続するために、少なくとも1つの導体経路を有する。少なくとも1つの導体路を有する、このような透明および/またはフレキシブルなテープは、例えば、インクジェットプロセスの助けを借りて提供することができる。
【0117】
いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素は、カバー層の上に提供される。電気ブリッジ要素は、導体経路の形態を有することができる。カバー層は、層セグメントがキャリア層上に配置された後に、当該層セグメント上に配置される。その後、カバー層上の電気ブリッジ要素は、2つの隣接する層セグメントの導体層セグメントを相互接続する。
【0118】
いくつかの実施形態において、平坦化層が、層セグメント上またはカバー層上に配置されている。平坦化層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)もしくはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料を含むまたはから成ることができる。特に、平坦化層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料でできた箔であることができる。あるいは、平坦化層は、他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂を含むまたはから成ることができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、2つ以上の層セグメントをキャリア層上に互いに隣接して配置することを含む。前記層セグメントの少なくとも1つの上には、少なくとも1つの光電子部品を配置することができ、前記方法は、以下の工程、
前記隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程と、
少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する工程であって、前記ブリッジ要素が、前記隣接する層セグメントの2つの間に延在し、前記2つの層セグメントが、各々、導体層セグメントを有し、前記電気ブリッジ要素が、前記2つの層セグメントの前記導体層セグメントを相互接続するように、前記少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する工程と、
の少なくとも1つをさらに含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程は、電気ブリッジ要素が隣接する層セグメントの2つの間に延在するように少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する前に、実行される。したがって、隣接する層セグメントの2つの間に電気的な相互接続がなされる前に、隣接する層セグメント間の機械的接続がなされる。
【0121】
いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素が隣接する層セグメントの2つの間に延在するように少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する工程は、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程の前に実行される。したがって、隣接する層セグメント間に機械的接続がなされる前に、隣接する層セグメント間の電気的接続がなされる。電気ブリッジ要素が隣接する層セグメントの2つの間に延在するように少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置することによって、少なくともわずかな機械的接続をすでに提供することができ、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する後続の工程によって機械的接続を強化することができる。
【0122】
いくつかの実施形態において、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程のみが実行され、また、いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素が隣接する層セグメントの2つの間に延在するように少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する工程のみが実行される。
【0123】
いくつかの実施形態において、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程は、特にレーザまたは加熱装置(例えば、オートクレーブもしくはホットプレートなど)を用いて、隣接する層セグメントの対向するエッジ領域を少なくとも部分的に溶融する工程を含む。特に、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程は、レーザ溶接によって実行される。いくつかの実施形態において、隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程は、完全な隣接する層セグメントを均一に溶融する工程を含む。これは、好ましくは、加熱装置(例えば、オートクレーブまたはホットプレートなど)の使用によって行われる。
【0124】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、特に隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程が実行される前に、隣接する層セグメントが互いに所定の距離だけ離間するように、キャリア層上に互いに隣接して配置されている。任意選択的に、前記所定の距離は、0~1500μmの範囲である。特に、所定の距離は、隣接する層セグメントの材料の流動挙動に依存する。
【0125】
いくつかの実施形態において、層セグメントは、特に隣接する層セグメントを互いに機械的に接続する工程が実行された後に、均一の平坦な層を形成する。
【0126】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気ブリッジ要素を配置する工程は、インクジェットプロセスを含む。したがって、インク、例えば、銀または銅ナノチューブインクが、隣接する層セグメントの導体層セグメントの上面に順次または並行して且つ局所的に塗布される。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば車両の少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、以下の工程、
少なくとも1つの光電子部品を、第1の層、特に、カバー層およびキャリア層の上に配置されたまたはカバー層とキャリア層の間に配置された中間層、の上面に配置する工程と、
導体層を前記上面上および前記少なくとも1つの光電子部品上に提供する工程と、
前記導体層を構造化する工程であって、結果として生じる構造化導体層が、前記構造化導体層の使用によって前記少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するための電気導体経路を含むように、前記導体層を構造化する工程と、
を含む。
【0128】
例えば、導体層を第1の層の上面の広い範囲に提供した後、前記導体層を構造化することによって、光電子デバイスの多くのフォーマットに対して、比較的少ないプロセスステップでコスト効率の高い生産プロセスを提供することができる。したがって、製造コストは、第1の層上に配置されるチップの数に応じて増加し、第1の層のサイズに応じて減少する。これは、光電子部品による第1の層の部分的なカバレッジのみを有し、したがって、いわゆる大きな「デッドエリア(dead area)」を有する、より大きな範囲に対して、特に有利であり得る。
【0129】
いくつかの実施形態において、導体層を構造化する工程は、導体層のリソグラフィ構造化、特に、導体層のフォトリソグラフィ構造化を含むことができる。フォトマスク(光学マスクとも呼ばれる)を使用することによって、光の幾何学的パターンを、導体層上の感光性(photosensitive)、特に光感受性(light-sensitive)化学フォトレジストに転写することができる。光照射は、フォトレジストを化学的に変化させる。フォトレジストの一部は、現像剤と呼ばれる溶液によって除去することができる。ポジ型フォトレジストは、一般的なタイプであり、露光後に現像剤に可溶となる。ネガ型フォトレジストを使用すると、露光されていない領域が現像剤に可溶になる。一連の化学処理により、その後、露光パターンを導体層にエッチングすることができ、所望の構造化導体層を得ることができる。
【0130】
いくつかの実施形態において、導体層を構造化する工程は、導体層を光電子部品の上面および第1の層の上面に付加印刷(additive printing)することを含むことができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、当該方法は、特に自動光学検査(AOI)を使用して、少なくとも1つの光電子部品の位置を検出する工程を含むことができる。これにより、光電子部品、特に光電子部品の上面に配置された少なくとも1つの電気接点が、後の工程において、構造化導体層にアライメントされることを確実にすることができる。あるいは、光電子部品、特に光電子部品の上面に配置された少なくとも1つの電気接点を構造化導体層にアライメントすることができるのに十分な精度を提供する配置プロセスを使用することができる。したがって、AOIを回避することができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、導体層を提供する工程は、導体層を第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に配置することを含む。任意選択的に、第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に導体層を積層するのに、積層装置(lamination device)を使用することができる。いくつかの実施形態において、第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に、特にロール・ツー・ロール(roll-to-roll)プロセスで、導体層を積層するのに、加熱されたロールラミネータ(heated roll laminator)を使用することができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、導体層を第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に提供する工程は、少なくとも1つの光電子部品を少なくとも部分的に第1の層に埋め込む工程を含む。これにより、少なくとも1つの光電子部品を少なくとも部分的に第1の層に押し込むことができ、同時に、導体層を第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に配置することができる。したがって、少なくとも1つの光電子部品を第1の層に埋め込む工程と、導体層を第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に配置する、特に積層する工程とを同時に行うことができる。特に、少なくとも1つの光電子部品および/または第1の層を適切な温度に加熱することができ、その温度に達すると同時におよびその温度に達した後に、少なくとも1つの光電子部品を第1の層に押し込むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、当該光電子部品の上面が第1の層の上面によって定義される平面内に配置されるように第1の層に埋め込むことができる。したがって、第1の層の上面および少なくとも1つの光電子部品の上面によって形成されるほぼ平坦な表面上に、導体層を配置することができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、導体層を第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に配置する工程は、
平坦な導体層を少なくとも1つの光電子部品の上面に提供することと、
少なくとも1つの光電子部品および第1の層の上面を覆うように導体層を深絞りすることと、
を含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、第1の層に埋め込まれないように、第1の層の上面に配置することができる。導体層は、当該導体層の第1の部分が、第1の層の上面に配置され、当該導体層の第2の部分が、光電子部品の上面に配置され、当該導体層の中間部分が、光電子部品の側面に配置され、当該導体層の第1の部分と第2の部分とを相互接続するように、第1の層の上面上および/または少なくとも1つの光電子部品上に配置することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、もしくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの弾性材料を含むまたはから成る。任意選択的に、第1の層は、弾性材料の箔であることができる。弾力性のある第1の層は、非平面の輪郭または形状に適応することができる。第1の層は、PVB以外の他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂、例えば、エチレン-酢酸ビニル(EVA)を含むまたはから成ることができる。
【0138】
いくつかの実施形態において、第1の層は、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層であることができる。カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明であることができ、また、ガラス、または、他の少なくとも部分的に透明な材料、例えば、メタクリレート(PMMA)および/もしくはポリカーボネート(PC)を含むまたはから成ることができる。
【0139】
第1の層としてPVBまたはEVA箔を使用して、カバー層とキャリア層(特に、2つのガラス)の間の滑らかな積層を得ることができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品を第1の層の上面に配置する工程は、接着剤を使用して少なくとも1つの光電子部品を第1の層の上面に接着することを含む。高温でのPVBフィルムの固有の粘着性を使用して、少なくとも1つの光電子部品を第1の層の上面の所定の位置に保持することができる。
【0141】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、体積発光体または面発光体であるLEDであることができる。少なくとも1つの光電子部品は、個別に制御することができる。したがって、少なくともいくつかの実施形態において、光電子デバイスから所望の配光を得ることができる。少なくとも1つの光電子部品の個別制御は、例えば、各光電子部品に供給される電流を個別に制御することによって達成することができる。
【0142】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品、特にLEDは、300μm未満、特に150μm未満であることができる。このような空間的広がりにより、少なくとも1つの光電子部品は、読み取り距離において人間の目には見えない。
【0143】
いくつかの実施形態において、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップを光電子部品として使用することができる。μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~60μmである。これにより、表面積は、数百μm2から数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約50μmで、約2500μm2の表面積を有することができる。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0144】
マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)を、光電子部品として使用することができる。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0145】
いくつかの実施形態において、特に、少なくとも1つの光電子部品の電気接点(特に、コンタクトパッド)はすべて、光電子部品の上面に配置されている。光電子部品は、第1の層の上面上に、電気接点が第1の層の上面から離れた方を向くように配置することができる。したがって、少なくとも1つの光電子部品は、フリップチップLED、薄膜フリップチップLED、またはフリップチップμLEDとして形成することができる。
【0146】
いくつかの実施形態において、導体層は、例えば、銅、金、もしくは銀などの導電性材料層を含むまたはから成る。任意選択的に、導電性材料層は、例えば、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、導体層は、例えば、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む光構造化可能なナノ粒子ペーストを含むまたはから成る。
【0148】
いくつかの実施形態において、導体層は、導電性材料層に加えて、導電性接着剤または半田(solder)を含むまたはから成る、第2の導電性材料層を含む。第2の導電性材料層は、特に、接着剤、半田、また半田グルー(solder glue)を含むまたはから成ることができる。第2の導電性材料層は、等方性または異方性の導電性を有することができる。第2の導電性材料層は、導体層を第1の層の上面および/または少なくとも1つの光電子部品上に提供する前に、導電性材料層上に配置することができる。あるいは、第2の導電性材料層を、第1の層の上面および少なくとも1つの光電子部品上に配置することができ、第1の導電性材料層を、第2の導電性材料層上に提供することができる。
【0149】
いくつかの実施形態において、当該方法は、特に導電性接着剤または半田で作られた電気接点要素を提供することを含む。電気接点要素は、光電子部品の少なくとも電気接点上に提供される。電気接点、特にコンタクトパッドは、光電子部品の上面に配置することができる。特に、電気接点要素は、電気接点にのみ配置することができ、第1の層の上面および/または少なくとも1つの光電子部品の上面の露出領域には配置することができない。
【0150】
いくつかの実施形態において、当該方法は、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続することを含み、当該電気接点、特にコンタクトパッドは、光電子部品の上面に配置することができる。いくつかの実施形態において、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続する工程は、導体層を構造化する工程の前に実行することができる。あるいは、いくつかの実施形態において、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続する工程は、導体層を構造化する工程の後に実行することができる。
【0151】
いくつかの実施形態において、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続する工程は、電気接点の上方領域で導体層を規則正しく(punctual)レーザ溶接する工程を含むことができる。特に、導体層と電気接点との規則正しいレーザ溶接は、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続することができるように、電気接点の上方領域においてのみ実行することができる。
【0152】
いくつかの実施形態において、導体層を光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続する工程は、導体層を導電性接着剤または半田の溶融/反応温度を超えるまで加熱することを含むことができる。導電性接着剤または半田は、光電子部品の少なくとも電気接点上、または、第2の導電材料層として第1の層の上面および少なくとも1つの光電子部品上に配置され得る。特に、導電性接着剤または半田を冷却した後、導体層と光電子部品の電気接点との機械的かつ電気的な相互接続を提供することができる。
【0153】
いくつかの実施形態において、導体層を構造化する工程に続いて、導電性材料層、特に、例えば、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む、光構造化可能なナノ粒子ペーストを焼結する工程を実行することができる。焼結工程は、第1の層および少なくとも1つの光電子部品が少なくとも約140℃の温度に耐える場合、オーブンプロセスを含むことができる。あるいは、焼結工程は、フォトニック硬化プロセスを含むことができる。
【0154】
いくつかの実施形態において、当該方法は、平坦化層を第1の層および/または導体層上に配置する工程をさらに含む。平坦化層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)などの弾性材料を含むまたはから成ることができる。任意選択的に、平坦化層は、弾性材料の箔であることができる。箔は、弾力性があり、非平面の輪郭または形状に適応することができる。したがって、箔は、例えば、湾曲したキャリア表面上に配置することができる。あるいは、平坦化層は、他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、例えば、エチレン-酢酸ビニル(EVA)のような他の樹脂を含むまたはから成ることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品および/または構造化導体層は、平坦化層に埋め込まれることができる。
【0155】
いくつかの実施形態において、導体層は、第1の層の上面、特に第1の層の上面全体、または、仮キャリア層の上面に提供することができる。その後、導体層は、結果として生じる構造化導体層が電気導体経路を含むように構造化することができる。その後、少なくとも1つの光電子部品は、電気導体経路が少なくとも1つの光電子部品の電気接点と接続されるように構造化導体層上に配置することができる。このような方法は、導体層が構造化された後にこの構造化導体層上に少なくとも1つの光電子部品が配置されるため、「チップは最後(chips last)」と呼ばれ得る。
【0156】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、以下の工程、
導体層を、第1の層、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層上に提供する工程と、
前記導体層を構造化する工程であって、結果として生じる構造化導体層が、少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するのに適した電気導体経路を含むように、前記導体層を構造化する工程と、
前記少なくとも1つの光電子部品を前記構造化導体層上に配置する工程と、
を含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、電気接点要素が、少なくとも1つの光電子部品の接点を構造化導体層と電気的に接続するために、構造化導体層上に提供される。当該接点要素は、この接点要素が少なくとも1つの光電子部品の接点にアライメントされるように、構造化導体層上に提供される。
【0158】
いくつかの実施形態において、接点要素は、構造化導体層上の定義された位置に提供される。当該位置は、接点要素が光電子部品の電気接点にアライメントされるように定義される。各光電子部品は、例えば、その底面上の定義された位置に2つの電気接点を有するフリップチップであることができる。このようなフリップチップに対する接点要素は、フリップチップの各接点が1つの接点要素と接触するように、構造化導体層上に配置される。
【0159】
いくつかの実施形態において、接点要素は、例えば半田ペーストを、構造化導体層上に塗布することによって提供される。特に、いくつかの実施形態において、当該方法は、例えばSACとして、スズ、銀、および銅の混合物(SnAgCu)を含む半田材料を塗布することを含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、当該方法は、フォトニックパルスを使用して接点要素を加熱する工程をさらに含む。フォトニック光パルスを発生するために、例えば、高圧キセノンランプのような広帯域発光体を使用することができる。特に、いくつかの実施形態において、当該方法は、フォトニック半田付けを使用して接点要素を半田付けする工程をさらに含む。半田の溶融温度は、第1の層の最高使用温度(Tmax)よりも高くすることが好ましい。最高使用温度(Tmax)は、特性に大きな変化をもたらすことなく、長期間、第1の層の材料に加えられる最も高い温度であることができる。最高使用温度を超える温度上昇は、劣化、化学変化、および過剰なクリープを引き起こす可能性がある。
【0161】
少なくとも約3ミリ秒から3秒の特に短いフォトニックパルスを使用して接点要素を加熱することによって、接点要素の下方に配置された、第1の層および/または構造化導体層の材料特性が大幅に変化することなく、接点要素を少なくとも部分的に溶融することができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、接点要素は、フォトニックパルスのエネルギーを吸収することができ(一方で、好ましくは、第1の層の透明材料は、フォトニックパルスのエネルギーを吸収しない)、または、比較的程度は低いが、フォトニックパルスのエネルギーを吸収することができる。
【0163】
したがって、第1の層が少なくとも部分的に透明であり、接点要素が少なくともあまり透明でない場合、接点要素は、第1の層よりも多くフォトニックパルスのエネルギーを吸収することができる。したがって、接点要素の下方に配置された、第1の層および/または構造化導体層の材料特性が大幅に変化することなく、接点要素を加熱および/または溶融することができる。
【0164】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインは、第1の層、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、前記第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた少なくとも1つの光電子部品と、前記第1の層の上面上および前記少なくとも1つの光電子部品上に配置された少なくとも1つの構造化導体層と、を有する。前記導体層は、前記少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するための電気導体経路を有する。
【0165】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、当該光電子部品の上面が第1の層の上面によって定義される平面内に配置されるように第1の層に埋め込むことができる。したがって、第1の層の上面および少なくとも1つの光電子部品の上面によって形成されるほぼ平坦な表面上に、導体層を配置することができる。
【0166】
いくつかの実施形態において、導体層の第1の部分は、第1の層の上面に配置され、導体層の第2の部分は、光電子部品の上面に配置され、かつ、光電子部品の電気接点と接触している。当該電気接点、特にコンタクトパッドは、光電子部品の上面に配置されている。特に、導体層の第2の部分は、光電子部品の電気接点と機械的かつ電気的に相互接続されている。
【0167】
いくつかの実施形態において、導体層は、光構造化可能なナノ粒子ペーストの焼結残渣、特に、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む光構造化可能なナノ粒子ペーストの残渣を有する。
【0168】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインは、第1の層、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、前記第1の層上に配置された少なくとも1つの光電子部品と、前記第1の層の上面上および前記少なくとも1つの光電子部品上に配置された少なくとも1つの構造化導体層と、を有する。前記導体層は、前記少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するための電気導体経路を有し、また、前記導体層は、光構造化可能なナノ粒子ペーストの焼結残渣、特に、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む光構造化可能なナノ粒子ペーストの残渣を有する。
【0169】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、第1の層に埋め込まれないように、第1の層の上面に配置することができる。
【0170】
いくつかの実施形態において、導体層の第1の部分は、第1の層の上面に配置することができ、導体層の第2の部分は、光電子部品の上面に配置することができ、かつ、光電子部品の電気接点と接触させることができる。当該電気接点、特にコンタクトパッドは、光電子部品の上面に配置することができる。いくつかの実施形態において、導体層の中間部分は、光電子部品の側面に配置することができ、かつ、導体層の第1の部分と第2の部分とを相互接続することができる。したがって、少なくとも1つの光電子部品および第1の層の上面は、導体層によって覆うことができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインは、第1の層、特に、カバー層とキャリア層の間に配置される中間層と、前記第1の層の上面上に配置された構造化導体層と、前記構造化導体層上に配置された少なくとも1つの光電子部品と、を有する。前記構造化導体層は、前記少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するための電気導体経路を有する。さらに、前記構造化導体層上に、特に、前記構造化導体層と前記少なくとも1つの光電子部品の電気接点との間に、電気接点要素を配置して、前記少なくとも1つの光電子部品の前記電気接点を前記構造化導体層と電気的に接続している。前記接点要素は、特に、前記少なくとも1つの光電子部品の前記電気接点にアライメントされており、また、前記第1の層の最高使用温度よりも高い溶融または硬化温度を有する材料を含むまたはから成る。
【0172】
いくつかの実施形態において、平坦化層が、第1の層および/または導体層上に配置されている。平坦化層は、例えば、PVBのような、第1の層と同様の材料を含むまたはから成ることができる。任意選択的に、少なくとも1つの光電子部品は、平坦化層に埋め込むことができる。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも部分的にフレキシブルな光電子デバイスは、補強材を有し、前記光電子デバイスの少なくとも接続領域を安定化させて前記光電子デバイスと環境との確実な電気的相互接続を可能にしている。
【0174】
本発明のいくつかの実施形態において、光電子デバイス、例えば、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、以下の工程、
キャリア基材、特に仮キャリア基材と、剥離層、特に前記キャリア基材上に配置された仮剥離層と、を提供する工程と、
前記剥離層上に前記キャリア基材とは反対側に構造化導体層を提供する工程と、
前記構造化導体層上に少なくとも1つの光電子部品を配置する工程であって、前記構造化導体層が、前記少なくとも1つの光電子部品に電気を提供するための電気導体経路を有する、工程と、
前記剥離層上に第1の層を提供する工程であって、前記第1の層が、前記少なくとも1つの光電子部品が前記第1の層に少なくとも部分的に埋め込まれるように前記導体層および前記少なくとも1つの光電子部品を覆う、工程と、
前記キャリア基材および前記剥離層を除去する工程と、
を含む。
【0175】
その上に光電子デバイスを構築するための基礎として使用される、キャリア基材、特に剛性キャリア基材を提供することによって、光電子デバイスの多くのフォーマットに対して、比較的少ないプロセスステップでコスト効率の高い生産プロセスを、提供することができる。剥離層は、例えば、熱剥離層、化学剥離層、またはレーザ剥離層として機能することができ、光電子デバイスをキャリア基材から容易かつ非破壊的に除去することを可能にする。
【0176】
いくつかの実施形態において、キャリア基材は、好ましくは透明かつ剛性の材料(例えば、ガラスなど)を含むまたはから成ることができる。
【0177】
いくつかの実施形態において、キャリア基材は、例えば、モールド化合物または樹脂などの変形可能な材料を含むまたはから成ることができる。これは、有利であり得る、なぜなら、光電子デバイスを所望の形態にすることができるからである。
【0178】
いくつかの実施形態において、剥離層は、例えば、窒化ケイ素(SiN)などの溶解性材料を含むまたはから成ることができる。したがって、剥離層は、容易に除去することができる。
【0179】
いくつかの実施形態において、当該方法は、キャリア基材および剥離層を除去した後に、第1の層および/または構造化導体層および/または少なくとも1つの光電子部品上に平坦化層を提供する工程をさらに含む。したがって、構造化導体層および/または少なくとも1つの光電子部品は、第1の層と平坦化層の間に配置される。さらに、構造化導体層は、第1の層、構造化導体層、および平坦化層の積層体の中立ファイバ(neutral fiber)内に配置することができる。
【0180】
いくつかの実施形態において、第1の層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)などの弾性材料を含むまたはから成る。任意選択的に、第1の層は、弾性材料の箔であることができる。弾力性のある第1の層は、非平面の輪郭または形状に適応することができる。第1の層は、PVB以外の他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂、例えば、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、シリコン、もしくは熱可塑性ウレタン(TPU)を含むまたはから成ることができる。
【0181】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、当該光電子部品の上面が第1の層の上面によって定義される平面内に配置されるように第1の層に埋め込むことができる。
【0182】
いくつかの実施形態において、第1の層は、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層、特に永久キャリア層であることができる。キャリア層およびカバー層は、好ましくは、最終的な光電子デバイスにおける永久層である。カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明であることができ、また、ガラス、または、他の少なくとも部分的に透明な材料、例えば、メタクリレート(PMMA)、シリコン、および/もしくはポリカーボネート(PC)を含むまたはから成ることができる。
【0183】
第1の層としてPVBまたはEVA箔を使用して、カバー層とキャリア層(特に2つのガラス)の間の滑らかな積層を得ることができる。いくつかの実施形態において、当該積層は、温度および圧力を使用して実行することができる。
【0184】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、体積発光体または面発光体であるLEDであることができる。少なくとも1つの光電子部品は、個別に制御することができる。したがって、少なくともいくつかの実施形態において、光電子デバイスから所望の配光を得ることができる。少なくとも1つの光電子部品の個別制御は、例えば、各光電子部品に供給される電流を個別に制御することによって達成することができる。
【0185】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品、特にLEDは、300μm未満、特に150μm未満であることができる。このような空間的広がりにより、少なくとも1つの光電子部品は、読み取り距離において人間の目には見えない。
【0186】
いくつかの実施形態において、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップを光電子部品として使用することができる。μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~60μmである。これにより、表面積は、数百μm2から数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約50μmで、約2500μm2の表面積を有することができる。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0187】
マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)を、光電子部品として使用することができる。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0188】
いくつかの実施形態において、導体層は、例えば、銅、金、もしくは銀などの導電性材料層を含むまたはから成る。
【0189】
いくつかの実施形態において、剥離層上にキャリア基材とは反対側に構造化導体層を提供する工程は、導電性材料層(例えば、銅など)を剥離層上に成長させる工程を含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、導体層は、剥離層上に、特に剥離層の表面全体に提供することができる。その後、導体層は、結果として生じる構造化導体層が導電体経路を含むように構造化することができる。その後、少なくとも1つの光電子部品は、電気導体経路が少なくとも1つの光電子部品の電気接点と接続されるように構造化導体層上に配置することができる。
【0191】
いくつかの実施形態において、平坦化層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)などの弾性材料を含むまたはから成ることができる。任意選択的に、平坦化層は、弾性材料の箔であることができる。箔は、弾力性を有することができ、非平面の輪郭または形状に適応することができる。あるいは、平坦化層は、他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂、例えば、エチレン-酢酸ビニル(EVA)を含むまたはから成ることができる。いくつかの実施形態において、構造化導体層は、平坦化層に埋め込むことができる。
【0192】
いくつかの実施形態において、当該方法は、剥離層および/または構造化導体層上に少なくとも1つの補強材を提供する工程をさらに含む。剥離層および/または構造化導体層上に少なくとも1つの補強材を提供する工程は、好ましくは、第1の層を提供する工程、ならびに、剥離層および仮キャリア基材を除去する工程の前に実行される。補強材は、好ましくは、光電子デバイスの少なくとも接続領域の安定剤(stabilizer)として機能して、光電子デバイスと環境との確実な電気的相互接続を可能にすることができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、可撓性材料で作られていることができ、剛性補強材を光電子デバイスのエッジ領域に配置して光電子デバイスの少なくともエッジ領域を安定化することができる。エッジ領域および特に補強材は、例えば、光電子デバイスと環境および/または少なくとも1つの隣接する第2の光電子デバイスとの確実な電気的相互接続を可能にするために、光電子デバイスの接続領域として使用することができる。
【0194】
いくつかの実施形態において、補強材は、光電子デバイスおよび特に光電子部品を環境および/または少なくとも1つの隣接する第2の光電子デバイスと電気的に接続するために、剛性のハウジングおよび当該ハウジング内の電気導体経路を有することができる。
【0195】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補強材は、剥離層のエッジ領域に提供される。当該エッジ領域は、剥離層のエッジを含む。
【0196】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補強材は、構造化導体層を少なくとも部分的に覆うことができる。構造化導体層は、剥離層のエッジ領域にまで延在することができる。したがって、補強材は、剥離層のエッジ領域に配置された、構造化導体層の部分を覆うこともできる。
【0197】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補強材の外縁を剥離層のエッジにアライメントすることができる。したがって、少なくとも1つの補強材の側面と剥離層の側面とを同一平面内に配置することができる。
【0198】
いくつかの実施形態において、第1の層を剥離層上に提供する工程は、少なくとも1つの補強材を第1の層に少なくとも部分的に埋め込む工程を含むことができる。任意選択的に、第1の層は、剥離層のエッジ領域を完全に覆ってはならない。したがって、少なくとも1つの補強材は、第1の層から突き出る。したがって、いくつかの実施形態において、第1の層は、剥離層のエッジから遠位にある。
【0199】
いくつかの実施形態において、補強材は、例えば、剛性プラスチック材料などの剛性材料を含むまたはから成る。任意選択的に、補強材は、第1の層よりも剛性であり、したがって、第1の層の少なくともエッジ領域において第1の層を補強する。
【0200】
いくつかの実施形態において、当該方法は、第1の層を剥離層上に提供する前に、中間生成物の形状を変更する工程をさらに含む。中間生成物は、キャリア基材および剥離層、剥離層上の構造化導体層、構造化導体層上の少なくとも1つの光電子部品、ならびに、任意選択的に、剥離層上の少なくとも1つの補強材を含むことができる。中間生成物は、好ましくは、キャリア基材および当該キャリア基材上に配置される剥離層を提供する工程、剥離層上に構造化導体層を提供する工程、構造化導体層上に少なくとも1つの光電子部品を配置する工程、ならびに、任意選択的、剥離層および/または構造化導体層上に少なくとも1つの補強材を提供する工程によって得ることができる。中間生成物の変更された形状は、例えば、少なくとも1つの曲面を有することができる。
【0201】
いくつかの実施形態において、中間生成物の形状を変更する工程の後、第1の層は、導体層および少なくとも1つの光電子部品上に提供される。中間生成物の形状を変更する工程は、例えば、金型を使用することにより、この金型に中間生成物を押し込むことによって実行することができる。その後、例えば、第1の層を導体層および少なくとも1つの光電子部品の上に成形することによって、第1の層および少なくとも1つの光電子部品を導体層上に提供することができる。したがって、第1の層は、例えば、モールド化合物、シリコン、または透明もしくは拡散充填樹脂などの機械的に堅牢な材料を含むまたはから成ることができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、さらなる工程において、曲面上に配置することができ、また、その曲面に固定する、特に、接着することができる。好ましい実施形態において、中間生成物の曲面および/または光電子デバイスの曲面は、光電子デバイスが配置されるべき曲面と一致することができる。
【0203】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインは、第1の層と、前記第1の層に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた少なくとも1つの光電子部品と、前記第1の層の上面上および前記少なくとも1つの光電子部品上に配置された少なくとも1つの構造化導体層と、を有する。前記構造化導体層は、前記少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するための電気導体経路を有する。
【0204】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の層の上面および/または構造化導体層および/または少なくとも1つの光電子部品上に平坦化層をさらに有することができる。いくつかの実施形態において、構造化導体層は、平坦化層に埋め込むことができる。構造化導体層および/または少なくとも1つの光電子部品は、いくつかの実施形態において、構造化導体層が、例えば、第1の層、構造化導体層、および平坦化層を含む積層体の中立面内に配置されるように、第1の層と平坦化層の間に配置することができる。中立面は、積層体内の概念的平面である。曲げ力による荷重を受けると、積層体は、例えば、内表面が圧縮状態にあり、外表面が引っ張り状態にあるか、またはその逆であるように、曲がる。中立面は、積層体内の平面であり、積層体の材料は、圧縮または引っ張りのいずれの応力も受けない。
【0205】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品は、特に、当該光電子部品の上面が第1の層の上面によって定義される平面内に配置されるように、第1の層に完全に埋め込むことができる。したがって、第1の層および少なくとも1つの光電子部品によって、ほぼ平坦な上面を提供することができる。換言すれば、少なくとも1つの光電子部品は、当該光電子部品の上面が、第1の層の上面によって定義される平面内に配置されるが、第1の層に覆われることはないように、第1の層に完全に埋め込むことができる。
【0206】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の層の上面および/または構造化導体層上に少なくとも1つの補強材をさらに有する。補強材は、いくつかの実施形態において、第1の層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。
【0207】
したがって、いくつかの実施形態において、補強材は、第1の層から突き出ており、特に、第1の層の側面から突き出ている。
【0208】
いくつかの実施形態において、第1の層の上面は、湾曲している。
【0209】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の少なくとも部分的に透明なペインは、レイヤスタック、特に、カバー層とキャリア層の間に配置され、少なくとも最上層を有する中間層スタックであって、前記最上層が、少なくとも1つの開口部、特に前記最上層の上面上の開口部を有する、中間層スタックを有する。前記光電子デバイスは、前記開口部内に配置された少なくとも1つの電子または光電子部品をさらに有し、また、前記光電子デバイスは、前記少なくとも1つの電子または光電子部品に電気を供給するために、少なくとも1つの電気導体配置(electrical conductor arrangement)、特に構造化導体層をさらに有する。
【0210】
少なくとも1つの電子または光電子部品を開口部内に配置することによって、光電子デバイスのトポグラフィーを低減することができ、光電子デバイスのその後のプロセスを簡素化することができる、なぜなら、レイヤスタックの最上層の表面上に配置された(しかし、開口部内には配置されていない)光電子部品のバランスを取ることは技術的に困難であり得るからである。さらに、少なくとも1つの電子または光電子部品を開口部内に配置することによって、光電子デバイスのトポグラフィーを低減することができる。したがって、少なくとも1つの電気導体配置、特に構造化導体層を配置することを改善することができる。さらなる利点は、少なくとも1つの電子または光電子部品は、開口部内に配置された場合に、より良好な機械的安定性を有することができることである。特に、開口部の側面は、電子または光電子部品、あり得るものとして、例えば、光電子光源(例えば、LED、光電子検出器、またはICチップなど)を固定することができ、
【0211】
いくつかの実施形態において、電気導体配置の第1の部分は、最上層の上面に配置され、電気導体配置の第2の部分は、電子または光電子部品の上面に配置され、かつ、電子または光電子部品の電気接点と接触している。電気接点、特にコンタクトパッドは、電子または光電子部品の上面に配置することができる。
【0212】
いくつかの実施形態において、境界領域が、電子または光電子部品の上面と、レイヤスタックの最上層の隣接する上面との間にある。電気導体配置の中間部分は、境界領域を越えて延在し、電気導体配置の第1の部分と電気導体配置の第2の部分とを相互接続することができる。
【0213】
好ましくは、少なくとも1つの電子または光電子部品は、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層スタックである、レイヤスタックの最上層の開口部内に配置される。電気導体配置、特に導体層は、レイヤスタックの最上層の上面上、および電子または光電子部品の上面上に配置され、電子または光電子部品の電気接点と接触している。さらに、電気導体配置は、境界領域を越えて、特に、電子または光電子部品のシェル表面と最上層との間のギャップを越えて延在することができる。したがって、電気導体配置は、このギャップを埋めることができる。境界領域、特にギャップは、小さいことが好ましい、なぜなら、電気導体配置によって埋められる距離は、電気導体配置を最上層の上面上、電子または光電子部品の上面上、および電子または光電子部品の電気接点上に配置する工程によって制限される場合があるからである。
【0214】
何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上に直接配置されていると必ずしも理解されるべきではなく、それらの間に配置される他の要素を含み得る。したがって、何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上または上方に間接的に配置されていると理解することもできる。特に、電気導体配置が最上層の上面に配置されているという定式化は、電気導体配置が最上層の上面に直接配置されていると理解することができ、または、電気導体配置が最上層の上面の上方に配置されていると理解することができるが、電気導体配置と最上層の上面との間に他の要素が配置されていてもよい。
【0215】
いくつかの実施形態において、開口部は、キャビティまたはスルーホールである。
【0216】
開口部がキャビティである場合、レイヤスタックは、好ましくは、単一の層、特に最上層のみを有する。いくつかの実施形態において、キャビティは、最上層によって形成された底面を有しており、少なくとも1つの電子または光電子部品は、その底面上に配置される。
【0217】
開口部が最上層のスルーホールである場合、レイヤスタックは、好ましくは、2つの層、特に最上層および最下層のみを有する。いくつかの実施形態において、レイヤスタックは、最上層の下方に配置された最下層を有し、この最下層は、好ましくは最上層のスルーホール内に配置された、少なくとも1つの電子または光電子部品を担持する。
【0218】
いくつかの実施形態において、最上層は、少なくとも部分的に透明である。
【0219】
いくつかの実施形態において、最下層は、少なくとも部分的に透明である。
【0220】
いくつかの実施形態において、レイヤスタック、特に中間層スタックは、好ましくは少なくとも部分的に透明であり、また、好ましくはカバー層とキャリア層の間に配置され、カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明である。好ましくは、光電子デバイスの各層は、少なくとも部分的に透明な材料で作られるか、または当該材料を少なくとも含む。したがって、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明であることができる。
【0221】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のペインを有することができ、または当該ペインに組み込むことができる。例えば、光電子デバイスは、2枚のガラス板の間に配置することができ、これらのガラス板は、一緒になって、車両のウィンドウ装置を形成することができる。2枚のガラス板は、少なくともいくつかの実施形態において光電子デバイスがガラス板を有することができるように、光電子デバイスの部品であることもできる。
【0222】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品は、特に、電子または光電子部品の上面が、最上層の上面に広がる基準平面内に配置されるように、開口部内に完全に配置されている。換言すれば、電子または光電子部品の上面と最上層の上面とは、同一平面内に配置され、平坦な上面を形成する。
【0223】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品は、特に、当該電子または光電子部品の上面が最上層の上面から、特に高さHだけ突出するように、開口部内に部分的に配置されている。高さHは、好ましくは、電子または光電子部品の厚さの半分以下である。したがって、電子または光電子部品は、当該電子または光電子部品の厚さの半分以下が最上層の上面から突出するように、開口部内に部分的に配置することができる。
【0224】
いくつかの実施形態において、電子または光電子部品は、以下のうちの少なくとも1つを有するか、または当該少なくとも1つから成ることができる。発光ダイオード(LED)、特にフリップチップLED、集積回路(IC)、フォトダイオード、センサ、特に赤外線センサ。フリップチップLEDの電気接点はすべて、同一表面上、特にチップの上面上に配置することができる。適切なフリップチップLEDは、エッジ長さが150μm未満、特に100μm未満の小さなLEDであることができる。適切なLEDの一般的な高さは、例えば、120μm~5μmの範囲である。
【0225】
いくつかの実施形態において、電子または光電子部品は、μLEDを有するか、またはμLEDから成ることができる。μLEDは、例えば、エッジ長さが70μm未満、特に20μm未満、特に1μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、10~30μmである。これにより、表面積は、数百μm2から数十μm2になり得る。例えば、μLEDは、エッジ長さが約8μmで、約60μm2の表面積を有することができる。場合によっては、μLEDは、5μm以下のエッジ長さを有し、その結果、表面積の大きさが30μm2未満となる。このようなμLEDの一般的な高さは、例えば、1.5μm~10μmの範囲である。
【0226】
有利には、マイクロ発光ダイオードチップ(μLEDチップとも呼ばれる)が、電子または光電子部品として使用される。マイクロ発光ダイオードは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。
【0227】
いくつかの実施形態において、境界領域が、電子または光電子部品の上面と、レイヤスタックの最上層の隣接する上面との間にある。境界領域は、電子または光電子部品のシェル表面と開口部の側面との間にギャップを有することができる。開口部の側面は、シェル表面に対向し、ギャップは、好ましくは、シェル表面を囲んで電子または光電子部品の周囲に周方向に延在する。シェル表面は、好ましくは、電子または光電子部品の上面および当該上面に対向する電子または光電子部品の底面を除く、電子または光電子部品の外表面によって形成されている。
【0228】
いくつかの実施形態において、ギャップは、最上層の開口部に配置された電子または光電子部品と開口部の側面との間の距離によって形成することができる。
【0229】
いくつかの実施形態において、ギャップは、10~15μm未満の幅を有する。特に、ギャップは、最上層の上面に広がる平面内で10~15μm未満の幅を有する。したがって、境界領域を越えて延在する電気導体配置の中間部分は、10~15μm以下の距離にわたって延在することができる。これは、有利であり得る、なぜなら、電気導体配置の第1の部分が、最上層の上面に配置され、電気導体配置の第2の部分が、電子または光電子部品の上面に配置され、電気導体配置の中間部分が、境界領域、特にギャップを越えて延在し、かつ、電気導体配置の第1の部分と電気導体配置の第2の部分とを相互接続するように、電気導体配置を配置する工程が、電気導体配置の中間部分によって埋めることができる最大距離に制限され得るからである。
【0230】
いくつかの実施形態において、ギャップは、充填材で、特に接着剤で充填されている。任意選択的に、充填材の蓄積は、充填されたギャップ上に、特に最上層の上面に広がる平面上に配置される。これは、有利であり得る、なぜなら、電子または光電子部品が当該上面から突出している場合に、電気導体配置の第1の部分が、最上層の上面に配置され、電気導体配置の第2の部分が、電子または光電子部品の上面に配置され、電気導体配置の中間部分が、境界領域、特にギャップを越えて延在し、かつ、電気導体配置の第1の部分と電気導体配置の第2の部分とを相互接続するように、電気導体配置を配置する工程が、改善され得るからである。
【0231】
いくつかの実施形態において、充填材は、レイヤスタックの層と電子または光電子部品の底面との間に配置されており、電子または光電子部品の底面は、電子または光電子部品の上面とは反対側である。充填材は、特に、電子または光電子部品を開口部に固定する接着剤を含むまたはから成ることができる。
【0232】
いくつかの実施形態において、充填材は、最上層の上面と電子または光電子部品のシェル表面との間に隅肉溶接部を形成することができる。特に、隅肉溶接部の形態の充填材は、ギャップ内に部分的に配置され、最上層の上面と電子または光電子部品のシェル表面との間に隅肉溶接部を部分的に形成することができる。
【0233】
いくつかの実施形態において、誘電体層、特に誘電体中間層が、電気導体配置と最上層の間、および/または、電気導体配置と電子または光電子部品の最上面との間に配置されている。このような誘電体層は、電気導体配置と、最上層および電子または光電子部品の上面の少なくとも一方との間の短絡を防止するのに役立つ。
【0234】
いくつかの実施形態において、最上層は、以下の材料のうちの少なくとも1つを含む。ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸PET(boPET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、フォトレジスト、および紫外線の使用によって硬化させることができる材料。いくつかの実施形態において、boPETが、最適な材料である。
【0235】
いくつかの実施形態において、最下層は、以下の材料のうちの少なくとも1つを含む。ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸PET(boPET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチラール(PVB)、およびエチレン酢酸ビニル(EVA)。いくつかの実施形態において、boPETが、最適な材料である。
【0236】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気導体配置の材料は、インジウムスズ酸化物および/または銀を含むことができる。いくつかの実施形態において、電気導体配置は、金属を含むまたはから成り、特に、銅、銀、および金のうちの1つを含むまたはから成る。
【0237】
いくつかの実施形態において、光電子デバイス、特に、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、以下の工程、
少なくとも1つの開口部を有する最上層を少なくとも有するレイヤスタックであって、特に、前記最上層の上面上の開口部を有する前記最上層を少なくとも有するレイヤスタックを提供する工程と、
前記開口部内に少なくとも1つの電子または光電子部品を配置する工程と、
前記少なくとも1つの電子または光電子部品に電気を供給するために、特に前記最上層の上面上に、少なくとも1つの電気導体配置、特に構造化導体層を提供する工程と、
を含む。
【0238】
いくつかの実施形態において、開口部は、最上層によって形成される底部を有するキャビティであり、少なくとも1つの電子または光電子部品は、前記底部上に存在するように前記キャビティ内に配置されている。
【0239】
いくつかの実施形態において、開口部は、最上層のスルーホールである。レイヤスタックは、最上層の下方の最下層をさらに有し、少なくとも1つの電子または光電子部品は、前記最下層上に存在するようにスルーホール内に配置されている。
【0240】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を開口部内に配置する工程は、充填材、特に接着剤を使用して、少なくとも1つの電子または光電子部品を開口部内に固定する工程を含む。充填材は、好ましくは、例えば、充填材を分配、噴射、またはスタンピングする工程を使用することによって、開口部内に配置される。少なくとも1つの電子または光電子部品は、開口部内の充填材上に配置することができ、充填材、特に接着剤は、さらなる工程で、硬化させることができる。
【0241】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品を開口部内に配置する工程は、レイヤスタックを、特に開口部の近傍において、一時的に加熱して、少なくとも1つの電子または光電子部品をレイヤスタックに固着させる工程を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、レイヤスタックの最下層は、例えばPVBもしくはEVAなどの材料を含むまたはから成るが、一時的に加熱され、少なくとも1つの電子または光電子部品は、特に同時に、開口部内に、特にレイヤスタックの最下層上に配置される。境界領域、特にギャップは、電子または光電子部品の上面と、レイヤスタックの最上層の隣接する上面との間に位置するが、好ましくは、電子または光電子部品を一時的に加熱された最下層に押し込むことによって充填することができる、なぜなら、最下層の材料は境界領域に流れ込むことができるからである。
【0243】
いくつかの実施形態において、レイヤスタックを提供する工程は、構造化されていない最上層を有する最初のレイヤスタックを提供することと、最上層を構造化して最上層に少なくとも1つの開口部を得ることと、を含む。
【0244】
最上層を構造化して最上層に少なくとも1つの開口部を得る工程は、例えば、レーザ光の助けを借りて開口部を成形するための最上層のアブレーションによって実行することができる。
【0245】
いくつかの実施形態において、最上層を構造化して最上層に少なくとも1つの開口部を得る工程は、穿孔または機械的に最上層にスルーホールを開けることによって実行することができる。
【0246】
いくつかの実施形態において、最上層を構造化して最上層に少なくとも1つの開口部を得る工程は、最上層のリソグラフィ構造化によって実行することができる。光構造化可能レジストは、最上層上にフォトマスクを提供し、最上層内に少なくとも1つの開口部をエッチングするために、レイヤスタックの最上層上に提供することができ、または、光構造化可能レジストは、レイヤスタックの最上層として提供して、開口部が光構造化可能レジスト内に存在するように構造化することができる。後者の場合、光構造化可能レジストは、最終生成物に残ることができるが、前者の場合、光構造化可能レジストは、除去することができる。
【0247】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、複数の画素を提供するレイヤスタックを有する。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの第1の層に埋め込まれた、特に完全に埋め込まれた、少なくとも1つの光電子光源を有する。光電子光源は、その上面に第1の反射層を有し、任意選択的に、その底面に第2の反射層を有する。光電子光源の上面は、レイヤスタックの上面の方を向き、光電子光源の底面は、レイヤスタックの上面から離れた方を向いている。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの上面上の第1の画素領域と、この第1の画素領域を均一に照らすために光電子光源からの光を散乱させる構造化光散乱配置(structured light scattering arrangement)と、をさらに有する。
【0248】
さらなる実施形態において、光電子デバイスは、複数の画素を提供するレイヤスタックを有する。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの第1の層に埋め込まれた、特に完全に埋め込まれた、少なくとも1つの光電子光源を有する。光電子光源は、その上面に第1の反射層を、その底面に第2の反射層を有する。光電子光源の上面は、レイヤスタックの上面の方を向き、光電子光源の底面は、上面から離れた方を向いている。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの上面上の第1の画素領域と、この第1の画素領域を均一に照らすために光電子光源からの光を散乱させる光散乱配置と、をさらに有する。光散乱配置は、光電子光源を周方向に囲む、第1の層の第1の部分を形成する。
【0249】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、複数の画素を有するレイヤスタックを有する。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの第1の層に埋め込まれた、特に完全に埋め込まれた、少なくとも1つの光電子光源を有する。光電子光源は、その上面に第1の反射層を有し、任意選択的に、その底面に第2の反射層を有する。光電子光源の上面は、レイヤスタックの上面の方を向き、光電子光源の底面は、レイヤスタックの上面から離れた方を向いている。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの上面上の第1の画素領域と、第1の層上に配置された導光層と、をさらに有する。第1の層は、第1の画素領域と導光層との間に配置され、導光層の屈折率は、レイヤスタックの他の層の屈折率よりも高い。
【0250】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、複数の画素を提供するレイヤスタックを有する。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの第1の層に埋め込まれた、特に完全に埋め込まれた、少なくとも1つの光電子光源を有する。複数の画素の各画素は、レイヤスタックの上面上の第1の画素領域と、第1の層上に配置された導光層と、をさらに有する。導光層の屈折率は、レイヤスタックの他の層の屈折率よりも高い。複数の画素の各画素は、第1の画素領域を均一に照らすために光電子光源からの光を反射する第3の反射層をさらに有する。第3の反射層は、光電子光源が位置する第1の層に開口部を形成する。第1の層は、光電子光源に対向する曲面、特に開口部の表面を有する。当該曲面は、光電子光源から実質的に径方向に放出される光が、第1の画素領域に向かって、特に第1の画素領域が均一に照らされるように、反射されるよう、反射器としての機能を果たすことができる。また、当該曲面は、第1の画素領域を通過する出力ビームが所望の形状を有するように形成することもできる。したがって、当該曲面は、ビーム成形目的に使用することができる。
【0251】
構造化光散乱配置または光散乱配置は、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように、光電子光源から放出された光を散乱させるように構成することができる。特に、構造化光散乱配置または光散乱配置は、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされ、かつ、第1の画素領域の定義されたおよび/または鋭いエッジが生成されるように、光電子光源から放出された光を散乱させるように構成することができる。
【0252】
第1の画素領域は、当該第1の画素領域に垂直であり、かつ、当該第1の画素領域の中心を通る、中心軸を有することができる。中心軸は、レイヤスタックの第1の層に対して直交方向に伸長する。
【0253】
複数の画素の各画素は、第2の画素領域をさらに有することができる。第2の画素領域は、例えば、レイヤスタックの底面に形成することができる。いくつかの実施形態において、第2の画素領域の外側の輪郭は、第1の画素領域に垂直なビューにおいて、第1の画素領域の外側の輪郭と一致することができる。したがって、例えば、複数の画素の各画素が光によって照らされたときに、光電子デバイスの両サイドから当該各画素を見ることができることを達成することができる。
【0254】
第1の画素領域および/または第2の画素領域は、第1の画素領域に垂直なビューにおいて、円形、正方形、長方形、または多角形の形態を有することができる。したがって、第1の画素領域および/または第2の画素領域は、外側の輪郭が円形、正方形、長方形、または多角形であることができる。
【0255】
光電子光源は、第1の画素領域に垂直なビューにおいて、第1の画素領域の背後に配置することができ、第1の画素領域の中心軸に関してセンタリングすることができる。したがって、当該光源の中心軸は、第1の画素領域の中心軸と同一線上にあることができる。
【0256】
少なくとも1つの光電子光源は、LED(発光ダイオード)もしくはマイクロLED(μLEDとも呼ばれる)、または、LEDチップもしくはμLEDチップを有することができる。しかし、少なくとも1つの光電子光源は、例えば、選択された色(特に、赤色、緑色、または青色のいずれ)の光を放出する3つのLEDまたはμLEDを有することもできる。したがって、複数の画素の各画素は、RGB画素を形成することができる。
【0257】
少なくとも1つの光電子光源は、例えば、体積発光LEDまたはμLEDを有することができる。したがって、少なくとも1つの光電子光源は、選択された色の光をすべての方向に放出することができる。例えば、光電子光源の上面の第1の反射層と、任意選択的に、光電子光源の底面の第2の反射層との助けを借りて、光電子光源から放出された光を好適な方法で導くことができる。いくつかの実施形態において、光電子光源がその側面から径方向に光を放出することは、有利であり得る。しかし、光電子光源が、その側面から径方向に、ならびに、その上面および/または底面から垂直方向に、光を放出することも、有利であり得る。
【0258】
第1の層は、レイヤスタックの唯一の層であることができ、または、レイヤスタックは、追加の層、例えば、第2の層および第3の層、ならびに任意の数のさらなる層をさらに有することができる。第1の層は、第2の層と第3の層との間に挟むことができる。
【0259】
第1の層は、好ましくは、少なくとも部分的に透明であることができる。好ましくは、レイヤスタックの各層は、少なくとも部分的に透明な材料から作られるか、または当該材料を少なくとも含む。したがって、光電子デバイスもまた、少なくとも部分的に透明であることができる。
【0260】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のペインであり、好ましくは、カバー層とキャリア層の間に配置されている。カバー層およびキャリア層の少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明であることができる。カバー層およびキャリア層は、例えば、車両ウィンドウに使用されるようなガラス層であることができる。
【0261】
構造化光散乱配置は、レイヤスタック内に、好ましくは第1の層の上方に、第1の画素領域と光電子光源との間に、配置することができる。
【0262】
さらなる構造化光散乱配置は、レイヤスタック内に、好ましくは第1の層の下方に、第2の画素領域と光電子光源との間に、配置することができる。
【0263】
いくつかの実施形態において、第1の層の上方に、第1の画素領域と光電子光源との間に配置される、構造化光散乱配置は、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように光電子光源からの光を散乱させるように構成することができる。追加的にまたは代替的に、第1の層の下方に、第2の画素領域と光電子光源との間の配置される、構造化光散乱配置は、第2の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように光電子光源からの光を散乱させるように構成することができる。
【0264】
構造化光散乱配置は、第1の層に埋め込む、特に完全に埋め込むことができる。第1の層に埋め込まれた構造化光散乱配置は、第1の画素領域および/または第2の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように光電子光源からの光を散乱させるように構成することができる。
【0265】
構造化光散乱配置は、少なくとも第1の光散乱要素および少なくとも第2の光散乱要素を有することができる。第2の光散乱要素は、径方向において、第1の光散乱要素よりも、少なくとも1つの光電子光源から遠く離れていることができる。これにより、「径方向に(in a radial direction)」は、第1の画素領域の中心軸に垂直である方向として理解することができる。
【0266】
また、構造化光散乱配置は、複数の光散乱要素を有することもできる。複数の光散乱要素は、2個よりも多く、5個よりも多く、10個よりも多く、または50個よりも多いことができる。
【0267】
少なくとも第1の光散乱要素および第2の光散乱要素は、各々、定義された幾何学的形態を有することができる。当該形態は、好ましくは、少なくとも第1の光散乱要素および第2の光散乱要素について同一である。好ましくは、少なくとも第1の光散乱要素および第2の光散乱要素は、各々、その定義された幾何学的形態内で、散乱粒子の定義された粒子濃度を有する。
【0268】
少なくとも第1の光散乱要素および第2の光散乱要素は、各々、少なくとも1つの光電子光源の周囲にリング状の構造を形成することができる。好ましくは、リング状の構造は、上から見て、円形、正方形、長方形、もしくは多角形の形態を有し、および/または、好ましくは、リング状の構造は、第1の画素領域の中心軸を含む断面平面において、円形、正方形、長方形、もしくは多角形の形態を有する。
【0269】
いくつかの実施形態において、第1の光散乱要素の断面積は、第2の光散乱要素の断面積よりも小さいことができる。断面積は、第1の画素領域の中心軸を含む断面平面内にある。
【0270】
構造化光散乱配置が複数の光散乱要素を有する場合、光散乱要素の断面積は、各光散乱要素と光電子光源との間の径方向の距離に依存することができる。特に、断面積は、距離の増加と共に増加する。したがって、光電子光源に近い光散乱要素ほど、径方向において光電子光源から離れている光散乱要素よりも断面積を小さくすることができる。断面積は、第1の画素領域の中心軸を含む、同一断面平面内にある。
【0271】
いくつかの実施形態において、第1の光散乱要素における散乱粒子の粒子濃度は、第2の光散乱要素における散乱粒子の粒子濃度よりも低い。
【0272】
構造化光散乱配置が複数の光散乱要素を有する場合、光散乱要素における散乱粒子の粒子濃度は、各光散乱要素と光電子光源との間の径方向の距離と共に増加することができる。したがって、光電子光源に近い光散乱要素ほど、径方向において光電子光源から離れている光散乱要素よりも、散乱粒子の粒子濃度を低くすることができる。
【0273】
光電子光源、第1の反射層、および任意選択的に第2の反射層は、光電子サブアセンブリを形成することができる。光電子サブアセンブリは、光電子サブアセンブリの上面が第1の層の上面と同じ平面内に配置されるように、および/または、光電子サブアセンブリの底面が第1の層の底面と同じ平面内に配置されるように、第1の層に埋め込むことができる。したがって、光電子サブアセンブリは、例えば、第1の層と少なくともほぼ同じ高さを有することができる。
【0274】
構造化光散乱配置は、特に、レイヤスタックの層内に、第1の層と第1の画素領域との間に配置される、エレクトロウェッティングデバイスを有することができる。
【0275】
当該エレクトロウェッティングデバイスは、第1の電極、特に、少なくとも部分的に透明な電極と、第2の電極、特に、少なくとも部分的に透明な電極と、を有することができる。第1の電極と第2の電極の間には、光散乱粒子を構成する複数のオイル被覆液滴を配置することができる。複数のオイル被覆液滴は、第1の媒体に埋め込むことができる。第1の媒体は、特に、空気または任意の流体を含むまたはから成ることができる。
【0276】
2つの電極に電圧が印加されると、エレクトロウェッティングデバイスは、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように光電子光源からの光を散乱させるために、光散乱粒子のフィルムを形成する。
【0277】
エレクトロウェッティングデバイスは、例えば、2つの電極に電圧が印加されていない場合には透明層を形成し、一方で、2つの電極に電圧が印加された場合には半透明層を形成するように構成することができる。
【0278】
構造化光散乱配置は、第1の画素領域の全長および全幅にわたって第1の層と第1の画素領域との間に延在する第1のキャビティを有することができる。したがって、第1のキャビティは、第1の画素領域の下方にあることができ、第1の画素領域の全長および全幅にわたって延在する。第1のキャビティは、第1の層をレイヤスタックの1つ以上のさらなる層から分離するスペーサによって形成することができる。
【0279】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の流体を第1のキャビティに選択的に送り出すかまたは第1のキャビティを空にするための第1の流体ポンプを有する。第1の流体は、光散乱粒子を含むことができる。したがって、第1のキャビティが第1の流体で満たされると、光電子光源からの光は、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように、第1の流体によって散乱されることができる。
【0280】
構造化光散乱配置は、一連の相互接続された流体流路を有することができる。相互接続された流体流路は、複数の画素の第1の画素領域の下方の、レイヤスタックの層内において、第1の画素領域の長さ方向および幅方向に沿って、延在することができる。上から見ると、流体流路は、隣接する第1の画素領域を互いに分離する格子状構造の境界領域の背後に配置することができる。
【0281】
光電子デバイスは、第2の流体を流体流路に選択的に送り出すかまたは流体流路を空にするための第2の流体ポンプをさらに有することができる。第2の流体は、光吸収粒子、特に黒色粒子を含む。したがって、流体流路が第2の流体で満たされると、光電子光源から放出された光は、第2の流体によって吸収され、その結果、第1の画素領域の定義されたおよび/または鋭いエッジが生成される。
【0282】
光電子光源を周方向に取り囲む、第1の層の第1の部分を形成する光散乱配置の外表面は、第1の画素領域に垂直なビューで見ると、第1の画素領域の外縁にアライメントされることができる。
【0283】
第1の層の第2の部分は、第1の層の第1の部分を周方向に取り囲むことができ、第1の部分の屈折率は、第2の部分の屈折率とは異なる(特に、第2の部分の屈折率よりも大きい)ことができる。したがって、光電子光源からの光は、第1の層の第1の部分を通過するときに反射され、全反射によって第1の層の第2の部分に入射する。したがって、第1の層の第1の部分を形成する光散乱配置は、第1の層の第1の部分と第2の部分の境界において光を反射し、第1の画素領域が散乱光によって均一に照らされるように光を散乱させるように構成することができる。
【0284】
レイヤスタックは、第1の層上に配置された導光層を有することができる。第1の層は、第1の画素領域と導光層の間に配置することができる。導光層の屈折率は、レイヤスタックの他の層の屈折率よりも高くすることができる。光電子光源から第1の層内に放出される光は、導光層に結合され、これにより、中心軸に関して径方向に分布されることができる。第1の層の第1の部分の光散乱配置は、導光層と第1の層の界面に非常に近い光散乱粒子を有することができる。また、このような光散乱粒子は、導光層内を伝搬する光も散乱させることができる。したがって、光は、導光層から、特に第1の画素領域に向かって、再び結合されることができる。これにより、第1の画素領域の均一な照明を得ることができる。
【0285】
レイヤスタックは、第1の層上に導光層とは反対側に配置された散乱層をさらに有することができる。この散乱層は、第1の画素領域を均一に照らすために光散乱粒子を含むことができる。第1の層の第1の部分の光散乱配置は、光散乱粒子が第1の層および/または光電子光源の高さよりも高い高さを有する単層を形成するように、散乱層を有することができる。
【0286】
レイヤスタックは、第1の層の上方に導光層とは反対側に配置された散乱層をさらに有することができる。この散乱層は、第1の画素領域を均一に照らすために光散乱粒子を含むことができる。光電子光源からの光は、散乱層の下方の界面から反射または全反射されるが、散乱層内の光散乱粒子によって散乱されることができる。したがって、散乱層の上方の第1の画素領域の均一な照明を得ることができる。
【0287】
レイヤスタックは、導光層上に第1の層とは反対側に配置された散乱層をさらに有することができる。この散乱層は、第1の画素領域とは反対側の第2の画素領域を均一に照らすために光散乱粒子を含むことができ、また、この散乱層は、非常に薄くすることができ、特に、1つの光散乱粒子の直径と少なくともほぼ同じ厚さを有することができる。
【0288】
光電子光源からの光は、第1の層上に配置された導光層に結合され、また、導光層上に配置された散乱層によって導光層から分離されることができる。したがって、散乱層は、第1の画素領域とは反対側の第2の画素領域が均一に照らされるように光電子光源からの光を散乱させるように構成することができる。
【0289】
レイヤスタックは、さらなる層、例えば、1つ以上の保護層を含むことができる。また、光電子デバイスは、2つの少なくとも部分的に透明な層の間に配置することもでき、例えば、当該2つの層の間に積層することができる。当該層は、ガラス板であることができる。また、光電子デバイスの一面は、少なくとも部分的に透明または不透明であることができる層上に積層されることができる。
【0290】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の層上に配置される複数の光電子光源を有する。前記第1の層は、例えば、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層である。前記第1の層は、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成り、前記複数の光電子光源の各光電子光源は、対応する光源から放出された光を変換して、変換光、または、例えば白色光のような少なくとも部分的に変換された光を放出する、個々の光変換器を有する。各光電子光源の前記光変換器は、前記第1の層上および/または前記対応する光電子光源上に配置される。
【0291】
用語「個々の光変換器」は、1つの光変換器が、正確に1つの光電子光源に割り当てられ、したがって、各光電子光源が、対応する光源から放出された光を変換して変換されたまたは少なくとも部分的に変換された光を放出する、自分自身の光変換器を備えることを意味することができる。
【0292】
いくつかの実施形態において、異なる光源の光変換器は、互いに分離されている。換言すれば、光変換器は、離間しており、互いに接触していない。
【0293】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、第1の層の第1の表面領域にわたって分布している。これらは、非規則的なパターンでまたは規則的なパターンで第1の表面領域にわたって分布させることができ、また、これらは、任意の所望の形状またはシンボルを形成することができ、また、各光電子光源は、自分自身の光変換器を備えている。光変換器は、異なるものであることができ、その結果、異なる変換されたまたは少なくとも部分的に変換された光を異なる光電子光源から得ることができる。
【0294】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、車両の少なくとも部分的に透明なペイン、特に車両のフロントガラスまたはウィンドウを形成する。したがって、当該ペイン、特に当該フロントガラスまたはウィンドウは、それぞれ個々の光変換器を有する複数の光電子光源を有する。光電子光源は、ペインを少なくとも部分的に照らすことができ、および/または、ペインの少なくとも一部に情報を表示することができる。
【0295】
光電子デバイスは、例えば、ヘッドライナー、ルーフ、または例えば車両の外表面のような、その他表面の一部であることができる。したがって、光電子デバイスは、3次元形状を有することができ、および/または、湾曲した表面上に配置することができる。したがって、ヘッドライナーまたは外表面は、複数の光電子光源を有することができ、各光源は、ヘッドライナーもしくは外表面を少なくとも部分的に照らすために、および/または、ヘッドライナーもしくは外表面の少なくとも一部に情報を表示するために、個々の光変換器を有する。
【0296】
いくつかの実施形態において、光電子光源としてLEDが使用される。LEDは、特に、ミニLEDと呼ぶことができる。このミニLEDは、例えば、エッジ長さが200μm未満、特に40μm未満、特に200μmから10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、150~40μmである。しかし、LEDは、特にエッジ長さが100μmから10μmの範囲にある場合、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップと呼ぶこともできる。
【0297】
ミニLEDまたはμLEDチップは、光電子光源として使用することができる。ミニLEDまたはμLEDチップは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。ミニLEDまたはμLEDチップは、好ましい実施形態において、パッケージ化されていない半導体チップであることができる。パッケージ化されていないことは、チップが、例えば、パックされていない半導体ダイなど、その半導体層の周囲にハウジングを有しないことを意味することができる。
【0298】
光電子光源に対応する光変換器は、光電子光源から放出された光を、例えば、緑色、青色、赤色、または黄色のような、選択された色の光に変換するための変換粒子を含むことができる。しかし、光電子光源に対応する光変換器は、光電子光源から放出された光を部分的に変換して、例えば白色光のような混合光を放出するための変換粒子を含むこともできる。
【0299】
光電子光源から放出された光を少なくとも部分的に変換して白色光を放出することは、RGB画素を使用して白色光を混合することと比較して、光源の配線および制御を簡素化することができるという利点を有することができる。例えば、透明なフロントガラスまたはヘッドライナーでは、光電子デバイスの透明性を確保するために、配線および制御は最小限に抑えるべきである。
【0300】
また、白色光は、車両のヘッドライナー、特に透明ヘッドライナー、または、前記ヘッドライナーもしくは車両のサイドウィンドウに配置された読書灯に対する光の効果を再現するために求められ得る。いくつかの実施形態において、白色光を放出する光電子光源を提供して例えばロゴまたはシンボルを表示することは、スタイルの側面であることができる。
【0301】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、直径が少なくとも約1μm~30μm、特に直径が少なくとも約3μm~10μmの変換粒子を含む。このような小さな光変換粒子は、例えば、小さなLEDと組み合わせて使用することができる、なぜなら、小さな変換粒子は、LEDから放出された光の所望の変換を確実にするのに役立つからである。さらに、光電子光源が、例えば、接着剤の使用によって第1の層に接着され、その接着剤が、変換粒子を含み、したがって、光変換器を形成している場合、その変換粒子は、光電子光源と第1の層の間のギャップに収まって光電子光源から放出された光を変換するのに十分に小さくなければならない。
【0302】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、変換粒子として機能する量子ドットを含む。量子ドットは、大きさが数ナノメートルの小さな半導体粒子であって、量子力学により、より大きな粒子とは異なる光学的および電子的特性を有するものであることができる。
【0303】
光変換器は、好ましくは、光電子光源から放出された第1の波長の光を第2の波長の光に変換するように構成されており、第1の波長は、第2の波長と異なり、特に、第1の波長は、第2の波長よりも小さい。異なる変換粒子を使用することによって、光変換器は、光を、例えば、赤色、緑色、青色、および黄色のようなさまざまな色に変換することができる。
【0304】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、第1の層の第1の表面領域にわたって分布しており、第1の表面領域は、光電子光源の断面積の合計よりも大きく、特に少なくとも約30倍大きい。光電子光源の断面積は、特に、第1の表面領域に対して少なくともほぼ平行である平面内、または、むしろ、光電子光源の主出射面に対して少なくともほぼ垂直に配置されている平面内の、光電子光源を通る断面によって定義される。
【0305】
いくつかの実施形態において、第1の表面領域は、第1の層の第1の表面領域にわたって分布している光電子光源の発光面の合計よりも大きく、特に少なくとも約30倍大きい。
【0306】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、不規則なパターンで第1の層の第1の表面領域にわたって分布している。これは、光電子光源が、第1の層の第1の表面領域にわたって、複数の規則的に配列された行および列を有する規則的なマトリックス状に分布されていないことを意味することができる。しかし、光電子光源の不規則なパターンは、さらに不規則に分布している光電子光源の中に配置された単一の行または列の光電子光源を含み得る。
【0307】
いくつかの実施形態において、光電子光源は、規則的なパターンで第1の層の第1の表面領域にわたって分布している。これは、光電子光源が、第1の層の第1の表面領域にわたって、少なくとも1つの行および少なくとも1つの列を有するマトリクス状に分布しており、各光電子光源が個別にアドレス指定可能であることを意味することができる。
【0308】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、対応する光電子光源から放出された光のビーム経路内に配置されている。
【0309】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、対応する光電子光源を覆うかまたは封入する液滴の形態を有する。液滴は、例えば、変換粒子を有する接着剤を含むまたはから成ることができる。したがって、液滴は、光変換器を形成することができる。接着剤は、光電子光源上に、特に1光電子光源当たり1滴、少なくともほぼ液体状態で滴下することができる。接着剤は、毛細管力によって各光電子光源上に液滴を形成した後、硬化する。
【0310】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、第1の層と対応する光電子光源との間に配置されている。各光変換器は、例えば、対応する光電子光源を第1の層に固定するための接着剤を含むことができる。したがって、光変換器は、グルーフィレット(glue fillet)を形成して、対応する光電子光源を第1の層に固定することができる。
【0311】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、第1の層上、対応する光電子光源とは反対側に配置され、対応する光電子光源の発光面に対向している。したがって、各光変換器および対応する光電子光源は、第1の層の2つの異なる側面上に配置することができる。
【0312】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、第1の層上に配置された(特に、接着された)プレートレット(platelet)として形成され、対応する光電子光源の発光面に対向している。各プレートレットは、例えば、シリコン、ガラス、またはポリシロキサンなどのマトリックス材料内に配置された変換粒子を含むことができる。あるいは、各光変換器は、変換粒子を含む各材料(特に、インク)を使用することによって、第1の層上に直接印刷することができる。
【0313】
いくつかの実施形態において、遮光体(light-blocker)が、各光変換器の周囲に周方向に延在し、特に、第1の層上に遮光構造を形成している。換言すれば、光変換器は、特に、第1の層の第1の表面領域に垂直なビューで見た場合、各々、遮光体に囲まれている。遮光体は、例えば、光電子光源から放出された光を遮断する黒色遮光粒子を含むことができる。したがって、光は、光路に沿って結合可能であり、例えば、光電子光源の主発光面に垂直な方向には遮断されない。特に、遮光体は、光変換器の側面において、光の出力結合を遮断することができる。
【0314】
いくつかの実施形態において、第1の層と各光変換器の接触領域および/または第1の層と各光電子光源の接触領域を粗面化することができる。これにより、光電子光源からの光は、改善された方法で光変換器に結合されることができる。粗面化は、例えば、レーザ光を使用して接触領域を加工することによって達成することができる。しかし、光電子光源からの光を変換器に結合するための、先行技術から知られている任意の技術または材料を使用することができる。
【0315】
いくつかの実施形態において、各光変換器および任意選択的に対応する光電子光源は、第1の層に埋め込まれている。光変換器は、例えば、光変換器の外表面と第1の層の外表面とが同一平面内に配置されるように第1の層に完全に埋め込むことができる。また、光変換器は、第1の層から突出するか、または第1の層内に後退することができる。
【0316】
いくつかの実施形態において、各光変換器は、第1の層に、対応する光電子光源とは反対側に埋め込まれ、対応する光電子光源の発光面に対向している。いくつかの実施形態において、各光変換器は、第1の層に、対応する光電子光源が配置されているのと同じ側に埋め込まれている。
【0317】
光変換器は、例えば、第1の層を「ホットエンボス加工(hot embossing)」し、光変換器を第1の層に押し込むことによって、または、結果として生じるキャビティに光変換器を充填することによって、第1の層に埋め込むことができる。これは、例えば、光変換器を第1の層上に接着することと比較して、第1の層のトポロジーを低減するために好都合であることができる。
【0318】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、光変換器を有しない光源のセットをさらに有する。したがって、光電子デバイスは、光変換器が対応付けられている光源のセットと、光変換器が対応付けられていない光源のセットとを有する。
【0319】
いくつかの実施形態において、光変換器は、少なくとも、第1のセットの光変換器と、第2のセットの光変換器とを含む。第2のセットの光変換器は、第1のセットの光変換器とは異なる波長に光を変換するように構成されている。したがって、光電子光源から放出された光は、白色光および着色光(例えば、緑色光、青色光、赤色光、もしくは黄色光のような)のうちの少なくとも2つの光に変換されるか、または少なくとも部分的に変換されることができる。
【0320】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも1つの光電子光源を有する。前記少なくとも1つの光電子光源は、カバー層と第1の層の間の前記第1の層上に配置されている。前記第1の層および前記カバー層は、各々、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成り、前記光電子デバイスは、車両用ウインドデフレクタである。
【0321】
ウインドデフレクタは、特にプラスチックまたはガラスで作られた、車両用の小さなフロントガラスであることができる。しかし、ウインドデフレクタは、車両の既存のフロントガラスの延長であることもできる。その外観に反して、ウインドデフレクタの設計は、車両が高速であっても、非常に耐久性があり、安定していることができる。ウインドデフレクタは、車両の運転者および乗客が風および飛んでくる破片にさらされるのを防止することができる。
【0322】
いくつかの実施形態において、ウインドデフレクタは、運転時にしばしば開いている車両の部品に取り付けることができるアクセサリであることができる。このような部品は、例えば、ウィンドウおよびサンルーフであることができる。ウインドデフレクタは、運転者および乗客が風にさらされるのを防止することができる。さらに、ノイズを低減することができ、また、飛んでくる破片が車両に入らないようにすることができる。
【0323】
いくつかの実施形態において、ウインドデフレクタは、例えば、オートバイなどの2輪車、3輪車、もしくは4輪車に取り付けることができ、または、例えば、クワッドに取り付けることができる。いくつかの実施形態において、ウインドデフレクタは、例えば、オートバイなどの2輪車、3輪車、もしくは4輪車のハンドルバーに取り付けることができ、または、例えば、クワッドのハンドルバーに取り付けることができる。したがって、車両は、例えば、オートバイ、クワッド、水上船、オープントップレースカー、またはその他2輪車、3輪車、もしくは4輪車であることができる。また、車両は、例えば、ボートまたは船などの水上船であることもできる。
【0324】
いくつかの実施形態において、車両は、自動車でもトラックでもない。
【0325】
いくつかの実施形態において、ウインドデフレクタは、例えばオートバイもしくはクワッドもしくはトライクなどの、例えば2輪車、3輪車、もしくは4輪車のフロントガラスまたは当該フロントガラスの延長であることができる。他の例は、例えば、ボートなどの水上船、または、例えば、フォーミュラワンレースカーなどのトップレスレースカーである。
【0326】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスの第1の層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、もしくはポリエチレンナフタレート(PEN)などの弾性プラスチック材料を含むまたはから成る。したがって、第1の層および任意選択的に光電子デバイス全体は、変形可能、特に屈曲可能であることができる。しかし、第1の層および特に光電子デバイス全体の屈曲性は、車両が高速であっても良好に持ちこたえ且つ剛性であるように、制限することができる。
【0327】
いくつかの実施形態において、カバー層は、弾性プラスチック材料、特に、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、もしくはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの弾性箔を含むまたはから成る。したがって、少なくとも1つの光電子光源は、第1の層上に配置することができ、弾性箔は、少なくとも1つの光電子光源上に積層することができる。
【0328】
いくつかの実施形態において、第1の層およびカバー層は、ガラスまたはガラスのような材料を含まない。ウインドデフレクタは、当該ウインドデフレクタがガラスまたはガラスのような材料で作られたカバー層を有しない点で、例えば自動車のような車両の一般的なフロントガラスと異なることができる。したがって、ウインドデフレクタは、例えば、安全ガラスで作られた、「通常の」ウィンドウと異なることができる。
【0329】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、カバー層の上方および/または第1の層の下方に配置された1つ以上のさらなる層を有する。さらなる層はすべて、いくつかの実施形態において、ガラスを含まないことができる。特に、光電子デバイスの層はすべて、ガラスを含まないことができる。しかし、光電子光源は、その部品の1つ以上にガラスのような材料を含むことができる。
【0330】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、LEDである。LEDは、特に、ミニLEDと呼ぶことができる。このミニLEDは、例えば、エッジ長さが200μm未満、特に40μm未満、特に200μm~10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、150~40μmである。しかし、LEDは、特に、エッジ長さが100μm~10μmの範囲にある場合、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップと呼ぶこともできる。
【0331】
ミニLEDまたはμLEDチップは、光電子光源として使用することができる。ミニLEDまたはμLEDチップは、画素またはサブ画素を形成し、選択された色の光を放出することができる。ミニLEDまたはμLEDチップは、好ましい実施形態において、パッケージ化されていない半導体チップであることができる。パッケージ化されていないことは、チップが、例えば、パックされていない半導体ダイなど、その半導体層の周囲にハウジングを有しないことを意味することができる。
【0332】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、体積発光体または面発光体であることができる。体積発光体は、その上面、その側面、およびその底面において、例えば、その底面に配置されたコンタクトパッド間に位置する表面領域を通じて、光を放出することができる。面発光体は、その上面において光を放出することができる。
【0333】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、光電子デバイスが動作中のときにシンボルまたはインジケータを形成するように配置された複数の光電子光源である。シンボルまたはインジケータは、例えば、ナビゲーションシンボル、警告シンボル、日中走行用ライト、ポジションライト、充電レベルインジケータ、速度インジケータ、またはさらに多くの状態インジケータもしくは運転情報であることができる。
【0334】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、ディスプレイを形成するように配置された複数の光電子光源である。ディスプレイを使用することによって、運転情報または状態インジケータ、例えば、車両速度などの実際の運転情報、または状態インジケータを表示することができる。
【0335】
光電子デバイスの動作中、シンボルまたはインジケータは、特に車両の、光電子デバイスのユーザに見えるようにすることができる。換言すれば、シンボルまたはインジケータは、光電子デバイスが動作中の時に、光電子デバイスのユーザの視線内にあることができる。視線は、特に、ユーザが運転姿勢にあるときに、ユーザの目から光電子デバイスを前方に見る方向であることができる。
【0336】
いくつかの実施形態において、遮光体が、第1の層またはカバー層のいずれかの上に配置され、少なくとも1つの光電子光源に対向している。遮光体は、少なくとも1つの光電子光源から放出された光を遮断することができる。したがって、少なくとも1つの光電子光源から放出された光は、所望の方向にのみ光電子デバイスを出るということが得られる。これにより、光電子デバイスの使用者または第三者が見えなくなるのを防止することができる。
【0337】
いくつかの実施形態において、遮光体は、第1の層を通るまたはカバー層を通る光の放出を遮断するように配置されている。したがって、遮光体は、少なくとも1つの光電子光源と光電子デバイスのユーザとの間、または、少なくとも1つの光電子光源と第三者との間に配置することができる。
【0338】
いくつかの実施形態において、車両は、上記した態様のいずれか1つによる光電子デバイスを有する。光電子デバイスは、車両のウインドデフレクタであり、光電子デバイスの少なくとも1つの光電子光源は、当該車両の運転者または当該車両の外側の人が見ることができるように配置される。
【0339】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、第1のセットの光源を有する。第1のセットの光源は、光電子デバイスの動作中、第1のセットの光源が運転者に見えるように配置される。換言すれば、第1のセットの光源は、光電子デバイスが動作中に車両のユーザの視線内にあることができる。視線は、特に、ユーザが運転姿勢にあるときに、ユーザの目から光電子デバイスを前方に見る方向であることができる。
【0340】
いくつかの実施形態において、第1のセットの光源は、運転者に情報を示すように構成されており、好ましくは、第1のセットの光源は、シンボルまたはインジケータを形成する。シンボルまたはインジケータは、例えば、ナビゲーションシンボル、警告シンボル、日中走行用ライト、ポジションライト、充電レベルインジケータ、速度インジケータ、またはさらに多くの状態インジケータもしくは運転情報であることができる。
【0341】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、第2のセットの光源を有する。第2のセットの光源は、光電子デバイスの動作中に、第2のセットの光源が車両の前方および/または側方から見えるように配置される。したがって、第2のセットの光源は、車外の人が見ることができる。
【0342】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、キャリア層、カバー層、および第1の層を含むレイヤスタックを有する。前記第1の層は、特に、前記カバー層と前記キャリア層の間に配置された中間層である。少なくとも1つの電子または光電子素子、特に光電子光源が、前記第1の層上に配置されており、また、前記レイヤスタックの少なくとも1つの層、好ましくは前記レイヤスタックのすべての層が、少なくとも部分的に透明である。前記レイヤスタックは、少なくとも1つの層であって当該層の熱伝導率を増加させる粒子を含む少なくとも1つの層、および/または、前記レイヤスタックの2つの隣接する層の間に配置された少なくとも1つの熱伝導層を有する。
【0343】
電子または光電子素子は、その動作中に熱を発生する任意の素子であることができるが、以下の説明では、主に、光電子光源に言及する。
【0344】
熱伝導率の増加により、レイヤスタックの少なくとも1つの層は、熱伝導率が高い粒子を含む。少なくとも1つの層は、キャリア層、カバー層、および第1の層のうちの1つ、または、レイヤスタックの別の層であることができる。当該粒子は、当該層の全体的な熱伝導率が、粒子を含まない各層の熱伝導率よりも少なくとも25%高くなるように、各層の熱伝導率を提供する。
【0345】
熱伝導率が高い粒子を含む層および/または少なくとも1つの熱伝導層は、特に、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送するように構成することができる。同時に、当該粒子は、当該装置の所望の透明性が達成されるように、レイヤスタックの少なくとも1つの層内に配置することができ、また、熱伝導層は、当該装置の所望の透明性が達成されるように設計される。
【0346】
熱伝導率が高い粒子を含む層および/または少なくとも1つの熱伝導層は、特に、レイヤスタック内にある電子素子から離れたところに熱を輸送するように構成することができる。このような電子素子は、例えば、マイクロ集積回路(μIC)またはマイクロ集積回路チップであることができる。電子素子の他の例は、ドライバ、センサ、および検出器である。
【0347】
何かが何かの「上に配置されている(arranged on)」という定式化は、何かが何かの上に直接配置されていると必ずしも理解される必要はなく、それらの間に配置される他の要素を含み得る。したがって、何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上方に間接的に配置されているか、または何かに埋め込まれていると理解することもできる。特に、少なくとも1つの光電子光源が第1の層上に配置されているという定式化は、光電子光源が第1の層の上面上に直接配置されていると理解することができ、または、光電子光源が第1の層の上面の上方に配置されていると理解することができるが、光電子光源と第1の層の上面との間に他の要素が配置されていてもよい。しかし、当該定式化は、少なくとも1つの光電子光源が、第1の層上に配置されている、および、第1の層に部分的にまたは完全に埋め込まれていると理解することもできる。
【0348】
少なくとも1つの熱伝導層は、熱伝導性メッシュ、例えば、金属メッシュ、特に、銅メッシュを含むことができる。当該メッシュは、ノット(knot)およびノット間の相互接続部(interconnect)を有することができ、好ましくは、相互接続部の少なくとも大部分は、中断されていない。したがって、少なくとも1つの熱伝導層は、構造化されて、互いに接続された複数の細い熱伝導線を有することができる。
【0349】
当該メッシュは、規則的または不規則なパターンを有することができ、不規則なパターンは、好適であることができる、なぜなら、不規則なパターンは、熱伝導層の透明性を増加させることができるからである。この理由は、不規則なパターンは人間の目で知覚するのがより困難になることがあるということであり得る。
【0350】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、光電子光源のコンタクトパッドに電気的に接続された電線路を有する。これにより、電線路の幅は、光電子光源の幅の少なくとも半分であることができる。したがって、少なくとも1つの熱伝導層は、例えば、銅、銀、金、およびアルミニウムなどの、電気伝導性および熱伝導性が良好な材料で作られることができる。したがって、熱伝導層は、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送するとともに、電気エネルギーを少なくとも1つの光電子光源に供給するように構成することができる。少なくとも1つの光電子光源の十分な冷却を確実にするために、電線路の幅を大きくすることができる。
【0351】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、複数の電線路を有する。複数の電線路は、光電子光源の同じコンタクトパッドに電気的に接続され、電線路の少なくともセクションにおいて互いに平行に延在している。電線路は、特に、コンタクトパッドに接続された単一の電線路の幅と比較して細くすることができ、また、特に、光電子光源の幅と比較して細くすることができる。
【0352】
いくつかの実施形態において、電線路の少なくとも1つは、1つ以上のブラインド導電路を有する。ブラインド導電路は、例えば、自由端を有する導電路であることができる。この自由端は、少なくとも1つの光電子光源または電源のいずれにも接続されていない端部である。ブラインド導電路は、例えば、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送するヒートスプレッダとして機能することができる。
【0353】
電線路は、複数のブラインド電線路と組み合わされて、例えば、ヘリンボーン模様などのパターンを形成することができる。
【0354】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、光電子光源から離れたところに熱を輸送する1つ以上の導電線を有するが、当該導電線は、光電子光源から電気的に切断されている。したがって、光電子光源は、当該光電子光源から離れたところに熱を輸送するために、光電子光源から電気的に切断されたさらなるコンタクトパッドを有することができる。光電子光源から離れたところに熱を輸送するための導電線であって、しかし、光電子光源から電気的に切断されている導電線は、さらなるコンタクトパッドに接続されていることはできるが、光電子光源に電気的に接続されたコンタクトパッドからは切断されていることができる。したがって、当該熱伝導層は、少なくとも1つの光電子光源から離れたところに熱を輸送するために、光電子光源に電気的に接続された少なくとも1つの電線路を有することができる。さらに、当該熱伝導層は、少なくとも1つの光電子光源に電気エネルギーを供給する働きをすることができる。さらに、当該熱伝導層は、光電子光源から離れたところに熱を輸送するが、光電子光源から電気的に切断されている、1つ以上の導電線を有することができる。
【0355】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、コーティング、特に、銅、パラジウム、またはモリブデンコーティングを有する。少なくとも1つの熱伝導層が、例えば、金属などの、電気伝導性および熱伝導性が良好な材料でできている場合、前記コーティングは、例えば、通常は光を反射する金属の可視性を低下させることがある。しかし、前記コーティングは、熱伝導層の熱伝導率を増加させることもできる。
【0356】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、第1の層と少なくとも1つの光電子光源との間に配置されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、第1の層上、少なくとも1つの光電子光源の反対側に配置されている。さらに、いくつかの実施形態において、第1の熱伝導層が、少なくとも1つの光電子光源と同じ側において、第1の層と少なくとも1つの光電子光源との間に配置され、かつ、第2の熱伝導層が、少なくとも1つの光電子光源の反対側において、第1の層上に配置されている。
【0357】
第1の熱伝導層または第1の熱伝導層の少なくとも部分は、例えば、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送するとともに、少なくとも1つの光電子光源に電気エネルギーを供給するために、少なくとも1つの光電子光源に接続することができる。第2の熱伝導層は、例えば、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送することができる。第2の熱伝導層は、少なくとも1つの光電子光源から電気的に切断されていることができる。
【0358】
いくつかの実施形態において、レイヤスタックは、カバー層と第1の層の間に配置された第1の補助層、および/または、キャリア層と第1の層の間に配置された第2の補助層、をさらに有する。第1および/または第2の補助層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料を含むまたはから成るレベリング層であることができる。第1の層上に配置された少なくとも1つの光電子光源が第1の層の上面から突出する場合、第1の補助層は、光電子光源の突出部分が第1の補助層に埋め込まれるようにレベリング層を形成することができる。同じことは、レイヤスタックの層の1つから突出する少なくとも1つの熱伝導層の突出部分にも当てはまり、当該突出部分を第1および/または第2の補助層に埋め込むことができる。
【0359】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、第1の補助層とカバー層の間に配置されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、第2の補助層とキャリア層の間に配置されている。さらに、いくつかの実施形態において、第1の熱伝導層が、第1の補助層とカバー層の間に配置され、第2の熱伝導層が、第2の補助層とキャリア層の間に配置されている。3つの場合すべてにおいて、熱伝導層は、例えば、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送することができるが、特に、当該少なくとも1つの光電子光源からは電気的に切断されている。
【0360】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、いわゆる「メタルメッシュセンサ(metal-mesh-sensor)」として構成されることができる、導電性メッシュを有することができる。メタルメッシュセンサを使用して、金属メッシュに近い有機要素(特に、人間の指)およびその指の位置を識別することができる。このようなメタルメッシュセンサは、特に、タッチ機能を有するタッチスクリーンおよびディスプレイに使用される。したがって、熱伝導層は、一方では、少なくとも1つの光電子光源から発生した熱を当該少なくとも1つの光電子光源から離れたところに輸送するのに使用することができ、さらに、光電子デバイスに対するタッチ機能を可能にするためのメタルメッシュセンサとして機能する。
【0361】
いくつかの実施形態において、熱伝導率が高い粒子は、第1の補助層および/または第2の補助層に配置されている。当該粒子は、当該層の全体的な熱伝導率が、粒子を含まない層の熱伝導率よりも少なくとも25%高くなるように、第1の補助層および/または第2の補助層の熱伝導率を提供することができる。
【0362】
いくつかの実施形態において、熱伝導率が高い粒子は、例えば、ガラス粒子またはセラミック粒子などの、少なくとも部分的に透明な材料でできている。いくつかの実施形態において、熱伝導率が高い粒子は、二酸化ケイ素(SIO2)粒子である。特に、熱伝導率が高い粒子は、当該粒子が配置される層の材料と少なくともほぼ同様の屈折率を有することができる。いくつかの実施形態において、当該粒子は、特定の相転移温度を有する材料で作ることができる。この温度では、短絡温度ピークがある程度緩衝される。
【0363】
いくつかの実施形態において、レイヤスタックの層の少なくとも1つは、着色されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源に対向して少なくとも1つの光電子光源の主出射方向とは反対側に配置された少なくとも1つの補助層が、着色されている。着色層は、例えば、光電子デバイスの光学的特性を改善することができる。しかし、着色された箔は、レイヤスタックの内部温度を上昇させることがある。したがって、着色層が、少なくとも1つの光電子光源の主出射方向に配置されていないことは、有利であることができる。
【0364】
いくつかの実施形態において、反射層が、レイヤスタックの2つの層の間に配置されている。反射層は、紫外線および/または赤外線スペクトルの光を反射するように構成されているが、可視スペクトルの光を透過する。好ましくは、反射層は、第1の層上、および、第1の層と少なくとも1つの光電子光源との間に配置されている。いくつかの実施形態において、反射層は、少なくとも1つの光電子光源と着色層との間に配置され、反射層および着色層は、少なくとも1つの光電子光源の主出射方向には配置されていない。
【0365】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、コーティング、特に、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、またはインジウムスズ酸化物(ITO)コーティングである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層は、第1の層に対向するカバー層の表面のコーティングであることができ、または、少なくとも1つの熱伝導層は、第1の層に対向するキャリア層の表面のコーティングであることができる。さらに、いくつかの実施形態において、第1の熱伝導層が、第1の層に対向するカバー層の表面のコーティングであることができ、第2の熱伝導層が、第1の層に対向するキャリア層の表面のコーティングであることができる。
【0366】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスが、第1の層上に配置された複数の光電子光源を有する。前記複数の光電子光源は、特に、カバー層と前記第1の層の間に配置されている。第2の層が、前記複数の光電子光源の上方に配置され、前記第2の層は、複数の光散乱構造を有する。各光散乱構造は、前記複数の光電子光源の1つの光電子光源に対応付けられ、各光散乱構造は、特に、前記対応する光電子光源の動作パラメータに応じて、集束光、特にレーザ光を使用することによって、個別に設計されている。
【0367】
何かが何かの「上に配置されている(arranged on)」という定式化は、何かが何かの上に直接配置されていると必ずしも理解される必要はなく、それらの間に配置される他の要素を含み得る。したがって、何かが何かの上に配置されているという定式化は、何かが何かの上方に間接的に配置されているか、または何かに埋め込まれていると理解することもできる。特に、複数の光電子光源が第1の層上に配置されているという定式化は、光電子光源が第1の層の上面上に直接配置されていると理解することができる、または、光電子光源が第1の層の上面の上方に配置されていると理解することができるが、光電子光源と第1の層の上面との間に他の要素が配置されていてもよい。しかし、当該定式化は、光電子光源が、第1の層上に配置されている、および、第1の層に部分的にまたは完全に埋め込まれていると理解することもできる。
【0368】
各光散乱構造は、当該光散乱構造が対応する光電子光源から放出された光を散乱させるように、対応する光電子光源の上方の第2の層内に配置することができる。特に、各光散乱構造は、光散乱構造を通過する光の輝度が低減されるように、または、未変換光を散乱させて対応する光電子光源の変換器に戻すことによって変換効率を変更する(例えば、向上させる)ように、対応する光電子光源から放出された光を散乱させることができる。
【0369】
個別に設計された光散乱構造を使用することによって、光電子デバイスの均一性を増加させることができる。この目的のために、個別に設計された光散乱構造を光電子光源の上方に配置することができる。光源は、通常、わずかに異なる輝度または色の値で光を放出するため、この差を補償するように散乱構造を設計することができ、例えば、ディスプレイ上で、より均一な輝度または色を達成し得る。さらに、例えば、光電子デバイスによって提供される色再現に関して、均一性の改善を得ることができる。したがって、当該散乱構造は、対応する光電子光源から放出された光が光電子デバイスの全体的な均一性を阻害しないように当該光を適応させるために、対応する光電子光源の動作パラメータ、例えば、特定の光源から放出される光の輝度または色の値に応じて個別に構成することができる。
【0370】
このような個別に設計された光散乱構造の他の利点は、光電子光源を第1の層上に配置する前に、光電子光源のビニング工程(binning process)を簡素化できることである。個別に設計された光散乱構造を使用することによって光電子デバイスの均一性を調整することができるため、ビンに対して動作パラメータの範囲をより広く選択することができる。ビンの動作パラメータの範囲が大きいほど、個々の光電子光源の動作パラメータの値が異なる可能性があり、光電子光源はそれに応じてより安価になる。同時に、光電子デバイスの均一性を増加させることができる。これは、よりタイトなビニングと対照的である、なぜなら、ビニングがタイトになるほど、選別工程が高価になるからである。
【0371】
個別に設計された光散乱構造により、顧客の要求に従って、光電子デバイスの動作パラメータ(例えば、輝度または色の値)の較正を可能にすることもできる。
【0372】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの、および、好ましくはすべての光電子光源は、光変換器を有する。光変換器は、好ましくは、光電子光源と第2の層との間に配置されている。光変換器は、好ましくは、光電子光源から放出された第1の波長の光を第2の波長の光に変換するように構成されており、第1の波長は、第2の波長と異なり、特に、第1の波長は、第2の波長よりも小さい。異なる光変換器を使用することによって、光電子光源は、例えば、赤色、緑色、青色、および黄色のようなさまざまな色の光を放出することができる。
【0373】
個別に設計された光散乱構造を使用することによって、光変換器内の変換粒子の量の選択の正確さを低くし得る、なぜなら、光電子デバイスの、特に色に関する均一性は、個別に設計された光散乱構造を使用することによって、再調整することができるからである。これは、光変換器内の変換粒子の量を制御する工程が簡素化され得るため、有利であることができる。特に、小さな光電子光源、および、したがって小さな光変換器の場合、これは、有利であることができる、なぜなら、光変換器のサイズと共に、光変換器内の必要な変換粒子の量が減少するからである。
【0374】
光電子デバイスの均一性に影響を及ぼすことができる動作パラメータは、例えば、
- 各光電子光源の出射光の波長、
- 光電子デバイスの上方に配置された光変換器内の変換粒子の量、および、したがって、変換光の波長、
- 各光電子光源の出射光の色値、ならびに/または、
- 各光電子光源の輝度、
であることができる。
【0375】
いくつかの実施形態において、各光散乱構造は、動作パラメータの定義された範囲内の光が光電子デバイスによって提供されるように、個別に設計されている。
【0376】
いくつかの実施形態において、動作パラメータは、対応する光電子光源の輝度である。各光散乱構造は、対応する光電子光源の輝度に応じて個別に設計することができる。各光散乱構造は、例えば、光電子デバイスが輝度の定義された範囲内で均一な光を提供するように、対応する光電子光源から放出された光の輝度を定義されたレベルまで低減することができる。定義された範囲は、例えば、最も暗い光電子光源の輝度の50%以下の範囲内であることができる。
【0377】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子光源は、光散乱構造に対応付けられていない。光散乱構造に対応付けられていない光電子光源は、例えば、複数の光電子光源のうちの最も暗い光電子光源であることができる。したがって、この最も暗い光電子光源の出射光の輝度は、光散乱構造を個別に設計するための基準値であることができる。各光散乱構造は、対応する光電子光源から放出された光の輝度を少なくともほぼ基準値のレベルまで低減するために、個別に設計することができる。しかし、基準値に少なくともほぼ相関する輝度を有する光を放出する光電子光源は、対応する光散乱構造を有していなくてもよい。
【0378】
いくつかの実施形態において、動作パラメータは、光電子光源から放出される光の色値である。各光散乱構造は、特に光が対応する光電子光源の変換器によって変換された後に、対応する光電子光源から放出された光の色値に応じて、個別に設計することができる。各光散乱構造は、例えば、未変換光を散乱させて変換器に戻すことによって変換効率を向上させることができる。色値は、特に、約100個の色点に対応する、CIE xyY色空間の方向xおよびyのそれぞれにおいて、例えば、0.1ずつ、変更することができる。色値の変更は、特に、選択された光電子光源によって提供される色値に対応する所望の色値を得ることである。CIE xyY色空間において、Yパラメータは、色の輝度の測度であることができ、色度は、2つの導出されたパラメータxおよびyによって指定することができる。色値は、いくつかの実施形態において、いわゆる「三刺激値(tristimulus value)」に相関することができる。
【0379】
いくつかの実施形態において、各光散乱構造は、特に光が対応する光電子光源の変換器によって変換された後に、特定の色(例えば、赤色、緑色、または青色など)を提供する光電子光源に対応付けられているが、色値が光電子光源の選択された1つによって提供される光の色値に関する所定の範囲内にあるように、個別に設計される。所定の範囲は、選択された光電子光源によって提供される光の色値に関して、CIE xyY色空間の方向xおよびyのそれぞれにおいて、0.1、0.05、または0.03の差分(delta)の範囲内であることができる。
【0380】
いくつかの実施形態において、異なる光散乱構造は、それぞれ異なる態様で光を散乱させ、特に、各光散乱構造は、それぞれ異なる態様で光を散乱させる。第1の光散乱構造は、例えば、対応する光電子光源から放出された光の第1の部分を散乱させることができ、第2の光散乱構造は、対応する光電子光源から放出された光の第2の部分を散乱させることができ、第1の部分と第2の部分は異なる。したがって、第2の層は、複数の光散乱構造を含むことができ、各光散乱構造は、個別に設計されることができ、それぞれ異なる態様で光を散乱させることができる。
【0381】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスの少なくとも1つの層、および、好ましくはすべての層は、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成る。
【0382】
いくつかの実施形態において、各光散乱構造は、第2の層の上から見て、対応する光電子光源の外縁に広がっている。したがって、第2の層の上面に平行な平面内にある各光散乱構造の断面積は、第2の層の上面に平行な他の平面内にある対応する光電子光源の断面積よりも大きいことができる。しかし、各光散乱構造の外縁は、第2の層の上から見て、対応する光電子光源の外縁と相関するか、または対応する光電子光源の外縁内に配置することができる。したがって、第2の層の上面に平行な平面内にある各光散乱構造の断面積は、第2の層の上面に平行な他の平面内にある対応する光電子光源の断面積以下であることができる。
【0383】
各光散乱構造の断面積が、対応する光電子光源の断面積よりも大きい場合、対応する光電子光源から放出される光は、それほど、特には全く、光散乱構造を通って輝くことはなく、特に、すべての光は、光散乱構造を通って輝く。各光散乱構造の断面積が、対応する光電子光源の断面積以下である場合、第2の層の透明性を高めることができる。
【0384】
いくつかの実施形態において、各光散乱構造は、等方性特性または異方性特性を有することができる。これは、一方で、各光散乱構造が、光散乱構造への視野角から独立して、光散乱構造から放出された光が少なくともほぼ等しい輝度を有するように、光をすべての空間方向に等しく散乱させることができるということを意味する。あるいは、各光散乱構造が、例えば、光散乱構造の形態に応じて、光を異なる空間方向に異なって散乱させることができる。
【0385】
いくつかの実施形態において、第1の層は、カバー層とキャリア層の間に配置されている。いくつかの実施形態において、第2の層は、前記カバー層に対応する。
【0386】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、カバー層と第1の層の間に配置された第1の補助層、および/または、キャリア層と第1の層の間に配置された第2の補助層、をさらに有する。第1および/または第2の補助層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料を含むまたはから成るレベリング層であることができる。光電子光源が第1の層上に第1の層の上面から突出して配置されている場合、第1の補助層は、光電子光源の突出部分が第1の補助層に埋め込まれるようにレベリング層を形成することができる。
【0387】
個別に設計された光散乱構造を使用することによって、光電子デバイスの層のいずれかの厚さの変動、ならびに、したがって、光電子デバイスから放出される光の輝度および色の変動を補償して、光電子デバイスの所望の均一性を得ることができる。
【0388】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスのセットは、上記した実施形態のいずれか1つによる少なくとも2つの光電子デバイスを含む。一方の光電子デバイスの少なくともいくつかの光散乱構造は、他方の光電子デバイスの光散乱構造とは異なるように設計または配置されている。したがって、2つの光電子デバイスは、互いに異なる、なぜなら、個別に設計された光散乱構造は、両方の光電子デバイスに対して異なって設計および/または配置されるからである。
【0389】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスを製造する方法は、第1の層上に配置される複数の光電子光源を提供する工程を有する。この方法は、前記複数の光電子光源の上方の第2の層内に複数の光散乱構造を生成する工程をさらに有する。各光散乱構造は、光電子光源に対応付けられている。光散乱構造を生成する前記工程は、特にレーザ光を使用することによって、前記光散乱構造を前記第2の層内に前記対応する光電子光源の動作パラメータに応じて個別に生成することを含む。
【0390】
いくつかの実施形態において、複数の光散乱構造を生成する工程の前に、当該方法は、各光電子光源に対する動作パラメータの値を決定する工程をさらに有する。この決定する工程は、例えば、複数の光電子光源が発光するように、光電子デバイスをスイッチオンすることをさらに含むことができる。この決定する工程は、カメラを使用することによって、光電子デバイス、特に光電子デバイスのトップビューを撮影する工程を有することができる。さらなる工程において、前記決定する工程は、各光電子光源に対する動作パラメータの値を決定するために、撮影した画像に基づく測定工程を有することができる。次の工程において、所定の基準を満たす動作パラメータの値を有する光電子光源を特定する。
【0391】
いくつかの実施形態において、この方法は、所定の基準を満たす動作パラメータの値を有する光電子光源ではない光電子光源に対して、対応する光散乱構造を生成する工程を有する。この光散乱構造は、対応する光電子光源の動作パラメータの値が、特に当該光電子光源から放出された光が対応する光散乱構造を通過した時に、所定の基準を満たすように、当該光電子光源からの光を散乱させるように作製されている。しかし、いくつかの実施形態において、特に、当該光電子光源から放出され光が対応する光散乱構造を通過した時の、動作パラメータの値は、所定の基準を満たす必要はなく、所定の基準の所定の範囲内であればよい。
【0392】
いくつかの実施形態において、各光電子光源に対して動作パラメータの値を決定する工程と、光散乱構造を作製する工程との間で、当該方法は、対応する光電子光源の動作パラメータの決定された値に応じて、各光散乱構造に対する個々の設計を計算する工程をさらに有する。
【0393】
いくつかの実施形態において、動作パラメータは、輝度であり、所定の基準は、当該基準を満たす光電子光源が、複数の光電子光源のうちの最も暗い光電子光源であることを要求する。
【0394】
いくつかの実施形態において、光散乱構造を作製する工程は、最も暗い光電子光源ではない各光電子光源に対する光散乱構造を作製することを含む。
【0395】
いくつかの実施形態において、各光散乱構造は、対応する光電子光源の輝度を、最も暗い光電子光源の輝度に対応するかまたは当該輝度に等しいレベルに低減する。
【0396】
いくつかの実施形態において、光散乱構造を作製する工程は、レーザを使用して光散乱構造を順次次から次へと提供すること、または、2つ以上のレーザを使用して2つ以上の光散乱構造を並行して提供することを含む。
【0397】
レーザ光の使用により、散乱中心を、光散乱構造を形成する第2の層へのレーザ書き込みによって提供することができる。散乱中心は、例えば、第2の層の材料中の欠陥を含むまたはから成ることができる。
【0398】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の層(また第1の層セグメントとも呼ばれる)、レイヤスタックの中間層または最下層、ならびに、キャリア層およびカバー層(また第2および第3の層とも呼ばれる)を有する。第1の層は、キャリア層とカバー層との間に配置することができる。第1の層は、少なくとも1つの電子もしくは光電子素子もしくは光電子光源を担持することができ、および/または、少なくとも1つの電子もしくは光電子素子もしくは光電子光源は、第1の層に部分的または完全に埋め込まれることができる。
【0399】
いくつかの実施形態において、第1の層は、少なくとも部分的に透明であり、例えば、高級もしくは低級ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、(無色)ポリイミド(PI)、ポリウレタン(PU)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、多環式芳香族炭化水素(PAK)、もしくはその他適切な材料などの材料を含むまたはから成ることができる。特に、第1の層は、少なくとも部分的に透明なプラスチック、特に、少なくとも部分的に透明な箔、特に、可撓性箔を含むまたはから成ることができる。
【0400】
キャリア層およびカバー層は、各々、ガラス材料、プラスチック材料、および/またはその他適切な材料で作製され得る。キャリア層およびカバー層は、各々、単一の層、または、同じまたは異なる材料でできたいくつかの層を含み得る。
【0401】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、少なくとも1つの補助層(接着層とも呼ばれる)、平坦化層、レイヤスタックの最下層、第2もしくは第3の層、またはさらなる層、をさらに有する。第1の補助層は、第1の層とカバー層の間に配置することができ、任意選択的に、第2の補助層は、第1の層とキャリア層の間に配置することができる。
【0402】
少なくとも1つの補助層は、以下の、
溶融材料層または
接着層、特に、ホットメルト接着層、
例えば、酢酸エチレンビニル(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)などの樹脂、または
アイオノマーベースの系、
のうちの1つによって形成することができる。
【0403】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補助層は、第1の層を同じ層で囲むことができる。少なくとも1つの補助層は、第1の層と同じ高さを有することができるが、少なくとも1つの補助層は、第1の層の高さと異なる、特に、第1の層の高さよりも大きい、高さを有することもできる。少なくとも1つの補助層は、単に周方向だけでなく第1の層を囲むことができる、なぜなら、第1の層を少なくとも1つの補助層に完全に埋め込むことができるからである。
【0404】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補助層は、少なくとも部分的に透明であることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補助層を黒くすることができ、その結果、少なくとも部分的に透明な補助層が得られる。光電子デバイスが2つ以上の補助層を有する場合、補助層はどれも黒くしない、補助層の1つを黒くする、補助層のセレクションを黒くする、またはすべての補助層を黒くすることができる。
【0405】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子もしくは光電子素子、または光電子光源、特にLEDは、300μm未満、特に150μm未満であることができる。このような空間的広がりにより、少なくとも1つの電子もしくは光電子素子または光電子光源は、人間の目にはほとんど見えない。
【0406】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子もしくは光電子素子または光電子光源は、LEDである。LEDは、特に、ミニLEDと呼ぶことができる。このミニLEDは、例えば、エッジ長さが200μm未満、特に40μm未満、特に200μm~10μmの範囲の、小さなLEDである。他の範囲は、150μm~40μmである。
【0407】
また、LEDは、特に、エッジ長さが100μm~10μmの範囲にある場合、マイクロLED(μLEDとも呼ばれる)またはμLEDチップと呼ぶこともできる。いくつかの実施形態において、LEDは、空間寸法が90×150μmであることができ、または、LEDは、空間寸法が75×125μmであることができる。
【0408】
ミニLEDまたはμLEDチップは、いくつかの実施形態において、パッケージ化されていない半導体チップであることができる。パッケージ化されていないことは、チップが、例えば、パックされていない半導体ダイなど、その半導体層の周囲にハウジングを有しないことを意味することができる。いくつかの実施形態において、パッケージ化されていないことは、チップが有機材料を含まないことを意味することができる。したがって、パッケージ化されていないデバイスは、共有結合した炭素を含有する有機化合物を含有しない。
【0409】
いくつかの実施形態において、各光電子素子または光電子光源は、選択された色の光を放出するように構成されたミニLEDまたはμLEDチップを有することができる。いくつかの実施形態において、各光電子素子または光電子光源は、1つ以上のミニLEDまたはμLED例、例えば、3つのミニLEDまたはμLEDチップを有するRGB画素(RGB-Pixel)など、を有することができる。RGB画素は、例えば、赤色、緑色、および青色、ならびに任意の混合色の光を放出することができる。
【0410】
いくつかの実施形態において、RGB画素は、1つ以上の集積回路(IC)、特に、例えばマイクロ集積回路(μIC)として小型集積回路をさらに有することができる。
【0411】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、特に、電気エネルギーおよび/またはデータ信号を少なくとも1つの電子もしくは光電子素子または光電子光源に供給するために、少なくとも1つの導体線(導体経路、導体層セグメント、または電気導体配置の一部とも呼ばれる)、および、好ましくは2つの導体線を有する。
【0412】
いくつかの実施形態において、第1の層は、少なくとも1つの導体線を担持する。しかし、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの補助層は、少なくとも1つの導体線を担持することができる。
【0413】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの導体線は、例えば、銅などの、導電性材料でできていることができる。少なくとも1つの導体線は、少なくとも1つの導体線の外表面領域の反射率を低減するために、コーティングおよび/または黒色化することができる。コーティングは、例えば、パラジウムまたはモリブデンコーティングであることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの導体線は、5μm~50μmの範囲の幅を有することができる。
【0414】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの導体線は、導電性メッシュ、特に、金属メッシュとして形成することができる。当該メッシュは、特に、導電性メッシュの外表面領域の反射率を低減するために、コーティングおよび/または黒色化することができる。コーティングは、例えば、パラジウムまたはモリブデンコーティングであることができる。
【0415】
いくつかの実施形態において、光電子デバイスは、第1の層ならびにカバー層およびキャリア層を含むレイヤスタックを有する。前記第1の層は、特に、前記カバー層と前記キャリア層の間に配置された中間層である。少なくとも1つの電子または光電子素子、特に、光電子光源が、前記第1の層上に配置され、前記レイヤスタックの少なくとも1つの層、および、好ましくは前記レイヤスタックのすべての層は、少なくとも部分的に透明である。前記レイヤスタックは、少なくとも1つの導電層を有し、当該導電層は、前記レイヤスタックの2つの隣接する層の間に配置されるか、または層の中に埋め込まれている。
【0416】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの導電層は、光電子光源のコンタクトパッドに電気的に接続された少なくとも1つの導電線を有する。少なくとも1つの導電層は、例えば、銅、銀、金、およびアルミニウムなどの、良好な電気伝送性および熱導電性が良好な材料で作られていることができる。少なくとも1つの導電層、および、特に少なくとも1つの導電線は、少なくとも1つの導電線の外表面領域の反射率を低減するために、コーティングおよび/または黒色化することができる。コーティングは、例えば、パラジウムまたはモリブデンコーティングであることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電線路は、5μm~50μmの範囲の幅を有することができる。
【0417】
少なくとも1つの導電層は、導電性メッシュ、例えば、金属メッシュ、特に、銅メッシュを有することができる。当該メッシュは、ノットおよびノット間の相互接続部を有することができ、好ましくは、相互接続部の少なくとも大部分は、中断されていない。したがって、少なくとも1つの導電層は、構造化されて、互いに接続された複数の導電線を有することができる。
【0418】
メッシュは、規則的または不規則なパターンを有することができ、不規則なパターンは、好適であることができる、なぜなら、不規則なパターンは、導電層の透明性を増加させることができるからである。この理由は、不規則なパターンは人間の目で知覚するのがより困難になることがあるということであり得る。
【0419】
いくつかの実施形態において、導電性メッシュは、特に、導電性メッシュの外表面領域の反射率を低減するために、コーティングおよび/または黒色化されている。コーティングは、例えば、パラジウムまたはモリブデンコーティングであることができる。
【0420】
本明細書に記載の光電子デバイスの少なくともいくつかの実施形態は、平坦でない表面または曲面上に、例えば、車両または建物の外側または内部に配置することができる。これは、特に、本明細書に記載の光電子デバイスの少なくともいくつかの実施形態が、可撓性のある層構造に基づいて構築されることができるため、可能である。
【0421】
したがって、本発明は、より大きなエンティティ、例えば、その外部または内部に、特に外面または内面上に、少なくとも1つの光電子デバイスを有する、車両または建物などにも関する。
【0422】
例示的な実施形態を用いた説明は、本発明をそれに限定するものではない。むしろ、本発明は、任意の新しい特徴および特徴の任意の組み合わせを含み、特に、その特徴またはその組み合わせそれ自体が特許請求の範囲または例示的な実施形態において明示的に述べられていない場合であっても、特許請求の範囲に記載された特徴の任意の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0423】
以下、本発明について、例のみを使用して、および、添付の図面と一緒に例示的な実施形態を参照することによって説明する。
【0424】
【
図1】本発明による光電子デバイスの例示的な実施形態を概略的に示す図
【
図2】本発明による光電子デバイスの一実施形態の例示的な概略断面図
【
図3】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の例示的な概略断面図
【
図4】本発明による光電子デバイスのさらなる実施形態の例示的な概略断面図
【
図5】本発明による光電子デバイスのさらに他の実施形態の例示的な概略断面図
【
図6】本発明による光電子デバイスのさらなる実施形態の例示的な概略断面図
【
図7】本発明による光電子デバイスのさらなる実施形態の例示的な概略断面図
【
図8】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の例示的な概略断面図
【
図9】本発明による方法の例示的な実施形態のフロー図
【
図20】
図20A~
図20Eは、本発明による光電子デバイスの例示的な実施形態の走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す図
【
図22】本発明による光電子デバイスの例示的な実施形態の中間生成物の上面図
【
図23】本発明による他の光電子デバイスの例示的な実施形態の中間生成物の上面図
【
図34】本発明による光電子デバイスの製造方法の例示的な一実施形態の工程図
【
図35】本発明による光電子デバイスの製造方法の他の例示的な実施形態の工程図
【
図36】本発明による光電子デバイスの製造方法の他の例示的な実施形態の工程図
【
図37】本発明による光電子デバイスの製造方法の他の例示的な実施形態の工程図
【
図38】
図38Aは、光電子デバイスの上面図および断面図、
図38Bは、本発明による光電子デバイスの一実施形態の上面図および断面図
【
図42】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図43】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図44】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図45】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図46】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図47A】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図47B】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図48A】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図48B】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図49】本発明による光電子デバイスの一実施形態の上面図
【
図50】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の上面図
【
図51】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図52】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図53】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図54】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図55】本発明による光電子デバイスの他の実施形態の断面図
【
図58】本発明による光電子デバイスの断面図および上面図
【
図59】本発明による他の光電子デバイスの断面図および上面図
【
図60】本発明による他の光電子デバイスの断面図および上面図
【
図61】本発明による他の光電子デバイスの断面図および上面図
【
図62】本発明による他の光電子デバイスの断面図および上面図
【
図66】オートバイに搭載された本発明による光電子デバイスを示す図
【
図67】本発明による光電子デバイスの一実施形態を示す図
【
図68】本発明による光電子デバイスの一実施形態を示す図
【
図70】本発明による光電子デバイスの一実施形態を示す図
【
図71】本発明による光電子デバイスの一実施形態を示す図
【
図72】本発明による光電子デバイスの一実施形態を示す図
【
図74】本発明による熱伝導層および光電子光源の上面図
【
図75】本発明による他の熱伝導層および光電子光源の上面図
【
図77】本発明による他の熱伝導層および光電子光源の上面図
【
図78】本発明による熱伝導層の可能なパターンの概略上面図
【
図81】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図82】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図83】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図84】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図85】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図86】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図87】本発明による光電子デバイスの一実施形態の断面図
【
図88】
図88Aは、本発明による光電子デバイスの一実施形態の上面図および断面図、
図88Bは、本発明による光電子デバイスの他の実施形態の上面図および断面図
【
図89】本発明による光電子デバイスの製造方法の工程図
【発明を実施するための形態】
【0425】
図1に示す例示的な光電子デバイスは、ペイン1であることができる。少なくとも部分的に透明なペイン1は、車両Vのサイドドアの一部である。ペイン1の内側には、2次元インジケータ領域17が設けられている。このインジケータ領域17は、例えば、車両のバッテリの充電状態を示すシンボルを示す。ここでは、インジケータ領域17は、ペイン1の左下にある。インジケータ領域17は、さらに、シンボル、色、および/またはアニメーションを示すことができる。追加的または代替的に、排気クラス、車番、さらなる技術データ、または広告が、ペイン1に示される。
【0426】
ペイン1は、
図2に示す断面構造を有することができる。ペイン1は、キャリア層7、中間層3、およびカバー層5を含むことができる。接着層12は、カバー層5、中間層3、およびキャリア層7を互いに付着させるのに使用される。したがって、キャリア層7、中間層3、およびカバー層5は、一緒に接着されることができる。
【0427】
あるいは、中間層3は、追加の接着剤層12を塗布することなく、カバー層5およびキャリア層7上に積層される、箔であることができる。カバー層5およびキャリア層7は、例えば、ガラス層であることができる。これにより、各層は、1つ以上のガラス層から成ることができ、例えば、安全ガラスの層に対応することができる。
【0428】
中間層3は、可撓性であることができ、ガラス層5、7の非平面形状に従うことができる。箔は、プラスチック、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を含むことができる。接着剤は、PVB(ポリビニルブチラール)であることができる。ガラスは、PMMA(ポリメチルメタクリレート)および/またはPC(ポリカーボネート)で置き換えることができる。
【0429】
中間層3は、光電子光源9(
図2には示さず)のような光電子部品を担持する。さらに、中間層3は、光学素子として機能することができる、なぜなら、中間層3は、光源9から放出される光のガイドとして機能することができ、さらに、中間層3からの光を拡散および/または取り出すための機能を提供することができるからである。
【0430】
図3に示すように、中間層3は、箔であることができるが、光電子部品(例えば、光源9など)のためのキャリアとして機能することができる。光源9は、例えば、LEDであることができる。光源9は、底面に両方の電気接点を有するフリップチップであることができる。
図3に示すように、光源9aはひっくり返っており、ボンドワイヤを使用して光源9aの電気接点を導体経路11に接続することができる。導体経路11は、光源9a、9bに電気を供給するのに使用される。導体経路11は、中間層3上に配置することができる。
図3にさらに示すように、フリップチップ9bの底部側の電気接点は、導体経路11の接点上に直接配置することができる。
【0431】
光源9は、例えば、体積発光体または面発光体であることができる。体積発光体は、その上面で光を放出することができる。体積発光体の上面は、底部側の反対側にあり、かつ、体積発光体の側面上にある。面発光体は、上面で光を放出することができる。光源9aは、例えば、中間層3の表面と接触している表面で光を放出する面発光体であることができる。したがって、放出された光は、中間層3内に直接放出されることができる。光源9bは、中間層から離れた方を向いている上面で光を放出する面発光体であることができ、または、体積発光体であることができる。光源9bは、中間層3に光を入力するのには使用できない。
【0432】
光源9は、50μm×50μm×4μmの範囲のサイズを有することができ、パッケージなしでチップとして提供されることができる。
図3の二重矢印は、200μm未満、特に、150μm未満の範囲における電気的かつ機械的に接続されたチップの空間的広がりを示している。隣接するチップ間の間隔は、同じ範囲内にあるかまたはこれよりも大きいことができる。したがって、スイッチオフされたチップは、見えないか、またはほとんど見えない。
【0433】
図4は、光電子デバイス、特に、ペイン(
図1のペイン1を参照)の断面図である。ここでは、光源9は、例えば、パッケージなしの、チップであり、中間層3に少なくとも部分的に組み込まれている。中間層3は、弾力性のある箔であることができる。
【0434】
例えば、光源9は、中間層3に押し込まれている。中間層3の一方の表面には、電気導体経路11が配置されている。また、中間層3は、接着剤として機能することもでき、したがって、別個の接着剤層は不要である。
【0435】
図3の中間層3は、中間層3に隣接するカバー層およびキャリア層の材料に比べて屈折率が大きいという設定に基づいて、光ガイド機能を提供することができる。電気導体経路11は、例えば、銀もしくは金などの金属、または、ITOなどの透明導電材料でできている。
【0436】
図4の右側の3つの光源9は、各光源9の一方の主表面または両方の主表面に反射構造15、15a、15b、15cを有する。主表面は上面と底面であり、光源9が
図4に示すようにフリップチップである場合、電気接点は両方とも底面にある。
図4のビューでは、光源9の上面が下方を向いており、フリップチップの電気接点がそれぞれの導電路11に取り付けられている。
【0437】
チップの上面および/または底面上の反射構造15は、ミラー15a、金属コーティング15b、および/または誘電体コーティング15cであることができる。金属コーティング15bは、アルミニウムおよび/または銀および/または金を含むまたはから成ることができる。また、他の金属も可能である。誘電体コーティング15cは、分布ブラッグ反射器であることができる。反射構造15は、組み合わせることができる。したがって、同じチップ上に異なる反射構造を設けることができる。反射構造により、チップは、反射構造を備えていない側壁を通して光を効果的に放出する側面発光体として機能することができる。したがって、光源9から放出された光は、中間層3内で効率的に分布される。
【0438】
次に、
図5を参照すると、LEDチップとして提供された光電子光源9が、再び、中間層3に押し込まれている。この中間層3は、箔であり、その上面に導体経路11を有することができる。
図5の例によれば、導体経路11は、中間層3の上面から離れた方を向いている、光源9の電気接点に接触するように、箔の中に到達することができる。
【0439】
中間層3は、変換材料21を含むことができる。例えば、光源は、変換材料21の使用によってより長い波長の光(例えば、赤色光)に変換可能であるUV光または青色光を放出するように構成することができる。変換材料21は、光源9に対してあらかじめ設定された距離に配置することができ、中間層3は、光源9からの光を変換材料21に導くライトガイドとして機能することができる。変換光の少なくとも一部は、当該デバイスを、変換材料21の位置で中間層3の表面に垂直な方向に出ることができる。したがって、光を外部で見ることができる。
【0440】
図6に示す例において、中間層3は、均一な面発光を可能にするように適応されている。中間層3は、例えば、箔である。電気接点および導体経路11は、箔の一方の主表面に形成されている。光源9は、箔内に押し込まれており、例えば、LEDチップである。
【0441】
LEDチップは、少なくとも部分的に側面から箔3内に光を放出することができる。箔内には、散乱構造または分散構造13が形成されている。例えば、分散構造または散乱構造13は、拡散中心13aであることができる。これらは、放出された光Lを、一定の距離Dまで箔の中および箔に沿って拡散させることができる。距離D内において、光Lは、箔の1つの主表面または2つの主表面で、つまり、
図6に示すように箔3の上面および/または底面で、箔を出ることができる。視野角αは、フ箔に垂直な方向に対して0°~90°の間であることができる。
【0442】
拡散中心13aは、箔の中にスタンプされ、および/または、箔の中に配置されることができる。拡散中心13aは、透明粒子13b、白色粒子13c、穴、気泡として、および/または、箔における箔材料の密度変更として、提供することができる。なお、箔3の表面にまたは箔3の表面上に、散乱構造13を形成することもできる。
【0443】
拡散中心13の散乱濃度は、平均自由行程の長さが箔3の厚さよりも大きくなるように実装することができる。拡散中心13aの大きさは、出射光の波長よりも小さいことができる。したがって、拡散中心は、あらゆる方向に散乱することができる。例えば、散乱または分散材料は、二酸化チタンおよび/またはジルコニウムであることができる。
【0444】
導光機能をサポートするために、箔3の屈折率は、例えば、カバー層およびキャリア層の材料に対応する、周囲の材料よりも大きい。
【0445】
図6に示す中間層3を有する光電子デバイスは、小型の光電子光源9のサイズよりも、例えば、5~1000倍以上大きい、2次元発光領域を提供することができる。均一な光取り出しを提供することができる。接続されたチップは、好ましくは、150μmよりも小さいため、見えない。
【0446】
図7に示す例において、ペイン1は、カバー層5、中間層3、およびキャリア層7を有する。中間層3の屈折率niは、隣接するガラスの屈折率njよりも大きい。したがって、中間層3は、光電子光源9によって提供される光に対する光ガイドとして機能することができる。出射光は、例えば、中間層3の端面まで、中間層3の中および中間層3に沿って拡散する。
【0447】
光電子光源9は、出射光Lを中間層3の中および中間層3に沿って導くように構成された、反射構造を伴うことができる。反射構造15、15b、15cは、中間層3の両方の主表面に形成することができる。さらに、反射構造15、15aは、カバー層5の外表面およびキャリア層7の外表面に形成することができる。反射構造は、例えば、金属コーティング15bまたは誘電体コーティング15cであることができる。誘電体コーティング15cは、分布ブラッグ反射器を形成することができる。
【0448】
図8の例は、3つのカバー層5および3つの中間層3を有し、これらは、1つのキャリア層7の上に積層されている。各中間層3の内部には、例えば、LEDまたはμLEDなどの、少なくとも1つの光電子光源9が組み込まれている。光源9の上面および底面には、反射構造体15が形成されている。
【0449】
したがって、光源9は、実質的に中間層3の上面および底面に平行な方向に光を放出する側面発光体として機能する。したがって、光は、中間層3内に分布する。
【0450】
各中間層3は、中間層3内の容積を覆う少なくとも1つの散乱構造13をさらに有する。散乱構造13は、例えば、拡散中心13a、透明粒子13b、または白色粒子13cによって形成することができる。
【0451】
異なる中間層3内の光源9は、異なる色の光を放出する。例えば、中間層3の1つにおける光源9は、赤色光を放出する。他の中間層3における光源9は、緑色光を放出し、第3の中間層3における光源は、青色光を放出する。
【0452】
各散乱または分散構造13の位置で、光Lは、中間層3を、特に、垂直方向に、および/または、垂直方向に対して例えば45°未満の視野角αの下で、カバー層5の側面に向かって、および、キャリア層7に向かって、出ることができる。例えば、キャリア層7の外表面から出ることは、その外表面上に光吸収層を塗布することによって阻止することができる。したがって、光は、実質的に、
図3のペイン1を、一番上のカバー層5の外表面からのみ出る。
【0453】
散乱または分散構造13の位置は、対応する光源9からあらかじめ設定された距離D1、D2、D3にある。散乱または分散構造13は、各構造13から散乱される光が、少しずつ異なる位置でペイン1を出るように、互いにシフトされている。構造13は、中間層からの光の取り出しに関して互いに妨害しない。したがって、構造13間には、一定のオフセットOが与えられる。
【0454】
構造体13を使用することによって、2次元の面発光を得ることができる。したがって、例えば、シンボルまたはインジケータを、ペイン1の上面で視覚化することができる。異なる中間層3内の光源9ごとに異なる色の光を提供するため、異なる色のシンボルまたはインジケータも生成することができる。
【0455】
いくつかの実施形態において、ペイン1は、車両用ウィンドウの一部であることができる。あるいは、ペイン1は、車両用ランプのカバー、車両用ライトのカバー、またはミラーガラスであることができる。また、ペイン1は、前照灯、リアライト、または室内灯の少なくとも一部であることができる。ペイン1は、車体の少なくとも一部を覆うことによって、車体照明のユニットであることができる。
【0456】
図9のフロー図に示すように、光電子デバイスを製造する方法のステップS1では、少なくとも1つの、好ましくは複数の、光電子光源を、中間層の少なくとも1つの表面上に配置し、および/または、中間層に少なくとも部分的に埋め込む。ステップS2では、中間層を、カバー層とキャリア層の間に配置する。
【0457】
次に、
図10Aおよび
図10Bを参照すると、2つの光電子デバイスが示されている。本発明者らは、特に、ガラスに(2つのガラスペインの間に)配置される、または、ガラスペインの背後に取り付けられる、透明なLED基板を製造するために、LED基板をそれぞれのトポグラフィーで作製し、これは、その後の工程でパランスを取ることが技術的に困難であることを見出した。このようなLED基板は、例えば、
図10Aに見ることができる。
【0458】
本発明者らは、このようなLED基板上のLEDを、特に、前述のPICOS工程の助けを借りて、電気的に相互接続する場合、LEDのトポグラフィーをオーバーモールドする接触経路を提供するために、可能な限り低いトポグラフィーが必要であることをさらに見出した。
図10Aに示すように、現在のLED、特に、フリップチップLEDは、そのような接触経路をLEDのコンタクトパッドに導くために、技術的に複雑な「ランプ(ramp)」または隅肉(fillet)を必要とする。
【0459】
このような状況に対抗するために、
図10Bに示すようにLEDを基板に埋め込む努力がなされてきた。このような努力には、例えば、LEDレイアウトに適合した、定義された穴を有するスペーサ箔、LEDを埋め込みしたがって表面を平準化する補償箔(「穴あきマスク」)、または表面の平坦化のための噴射材(spayed material)を含む。
【0460】
図10Bに示すように、このようなアプローチは、LEDと基板の間にギャップをもたらした。このギャップは、特にPICOS工程の助けを借りて、このようなLED基板上のLEDを電気的に相互接続することを困難にする、なぜなら、LEDのコンタクトパッドへの接触経路は、当該ギャップを埋める必要があるからである。
【0461】
したがって、本発明の目的は、第1の層、特に熱可塑性基材を有し、少なくとも1つの電子または光電子部品が前記第1の層に部分的または完全に埋め込まれた、改善された光電子デバイスであって、一方では、当該光電子デバイスの可能な限り低いトポグラフィーが提供され、他方では、前記第1の層と前記少なくとも1つの電子または光電子部品との間のギャップの発生が防止されるか、または少なくとも最小化される、改善された光電子デバイスを提供することである。
【0462】
図11Cおよび
図12Cの光電子デバイス1は、第1の層3と、2つの電子または光電子部品9(特に、2つのμLED)であって完全に(
図11Cを参照)または第1の層3に少なくとも部分的に(
図12Cを参照)埋め込まれたものと、構造化導体層11と、を有する。導体層11の第1の部分11.1は、第1の層3の上面3.1上に配置され、また、導体層11の第2の部分11.2は、電子または光電子部品9の上面9.1上に配置され、電子または光電子部品9の電気接点18と接触している。電気接点18(特に、コンタクトパッド)は、電子または光電子部品9の上面9.1に配置されている。境界領域19は、電子または光電子部品9の上面9.1と第1の層3の隣接する上面3.1との間に位置し、また、導体層11の中間部11.3は、境界領域19を越えて延在し、導体層11の第1の部分11.1と導体層11の第2の部分11.2とを相互接続する。
【0463】
図11Cによれば、電子または光電子部品9は、電子または光電子部品9の上面9.1が、第1の層3の上面3.1に広がる平面20内に配置されるように、第1の層3内に完全に埋め込まれている。
【0464】
図12Cによる電子または光電子部品9は、電子または光電子部品9の上面9.1が、第1の層3の上面3.1から高さHだけ突出するように、第1の層3に部分的に埋め込まれている。好ましくは、高さHは、電子または光電子部品9の厚さtの3分の1以下であり、特に、高さHは、20μmよりも小さい。
【0465】
第1の層3は、各々、2つの凹部を有する。電子または光電子部品9のシェル表面9.2に対向する第1の層3の側面3.2は、第1の層3の凹部の側面によって形成されている。電子または光電子部品9は、第1の層3の凹部に配置されており、したがって、境界領域19、それぞれ、
図12Cに示すギャップ21は、第1の層3の凹部に配置された電子または光電子部品9と、第1の層3の側面3.2との間の距離によって形成されている。
【0466】
図12Cによれば、ギャップ21は、充填材22、特に、接着剤で充填されている。充填材22は、第1の層3の上面3.1と電子または光電子部品9のシェル表面9.2との間に隅肉溶接部を形成する。さらに、隅肉溶接部の形態の充填材22は、ギャップ21内に部分的に配置され、ギャップ21の上方、および、第1の層3の上面3.1と電子または光電子部品9のシェル表面9.2との間に部分的に隅肉溶接部を形成する。
【0467】
図10Aおよび
図10Bと比較して、光電子デバイスのトポグラフィーは、電子または光電子部品9を第1の層3に埋め込むことによって低減され、したがって、光電子デバイスのその後の処理が簡素化される。さらに、境界領域、特にギャップは、好ましくは、例えば、PICOS工程を使用して、電子または光電子部品9を相互接続するのを可能にするために小さい、なぜなら、導体層によって埋められるギャップの距離/サイズは、そのような工程に対して制限され得るからである。
【0468】
図11Cによれば、充填材22は、第1の層3と、電子または光電子部品9の底面9.3との間に配置されている。電子または光電子部品9の底面9.3は、電子または光電子部品9の上面9.1とは反対側にある。
【0469】
【0470】
第1の工程では、2つの電子または光電子部品9を、第1の層3の上面3.1に配置し、接着剤22を使用して第1の層3の上面3.1に接着する。
図11Aによれば、接着剤22は、電子または光電子部品9と第1の層との間に配置され、
図12Aによれば、接着剤22は、電子または光電子部品9と第1の層との間に配置され、かつ、第1の層3の上面3.1と電子または光電子部品9のシェル表面9.2との間に隅肉溶接部を形成する。
【0471】
次に、2つの電子または光電子部品9を第1の層3に埋め込む。
図11Bによれば、電子または光電子部品9は、第1の層3に完全に埋め込まれ、または、
図12Bによれば、第1の層3に部分的に埋め込まれる。
【0472】
埋め込みの工程は、例えば、第1の層3を局所的に加熱し、電子または光電子部品9を第1の層3の上面3.1に押し込むこと、電子または光電子部品9を加熱し、電子または光電子部品9を第1の層3の上面3.1に押し込むこと、または、第1の層3の少なくとも一部を深絞りすることによって、凹部21を生成し、電子または光電子部品9をその凹部21に押し込むこと、によって実行することができる。
【0473】
また、少なくとも1つの電子または光電子部品9を第1の層3に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、第1の層3を、第1の層3の材料の軟化温度のすぐ下の温度まで加熱すること、および、電子または光電子部品9を加熱し、特にこれと同時に、電子または光電子部品9を第1の層3の上面3.1に押し込むこと、によって実行することもできる。
【0474】
さらなる工程では、
図11Cおよび
図12Cに示すように、構造化導体層11を配置する。この導体層11の第1の部分11.1は、第1の層3の上面3.1上に配置され、この導体層11の第2の部分11.2は、電子または光電子部品9の上面9.1上に配置され、この導体層11の中間部分11.3は、境界領域19を越えて延在し、かつ、この導体層11の第1の部分11.1とこの導体層11の第2の部分11.2とを相互接続する。
【0475】
図13A~
図13Cは、本発明による光電子デバイスの製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。
図11A~
図11Cとは対照的に、電子または光電子部品9は、仮接着剤22を使用して第1の表面3.1に接着される。例えば、第1の層3を局所的に加熱し、電子または光電子部品9を第1の層3の上面3.1に押し込むことによって、または、電子または光電子部品9を加熱し、電子または光電子部品9を第1の層3に埋め込むことによって、電子または光電子部品9を第1の層3に埋め込む工程を実行する場合、仮接着剤22は、少なくとも部分的にまたは完全に蒸発する。したがって、
図13Cの光電子デバイス1は、電子または光電子部品9と第1の層3との間に配置された接着剤を全く有しない。しかし、仮接着剤の残留物が、電子または光電子部品9と第1の層3との間に留まる可能性もある。
【0476】
図14A~
図14Cによれば、本発明による光電子デバイスの製造方法の他の例示的な実施形態は、加熱されたスタンプ30を使用して、電子または光電子部品9をピックアップし、当該部品を加熱し、当該部品を第1の層3の上面3.1の各位置に配置し、この各位置で当該部品を第1の層3に押し込む。さらに、第1の層3を、この第1の層3の材料の軟化温度のすぐ下の温度に加熱することができる。したがって、電子または光電子部品9を第1の表面3.1に固定するのに接着剤は不要である、なぜなら、加熱されたスタンプ30が、電子または光電子部品9を第1の層3に押し込みながら電子または光電子部品9を所定の位置に保持するからである。
【0477】
図15Aおよび
図15Bは、本発明による光電子デバイス1の製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。光電子デバイス1は、上記の実施形態に加えて、第1の層3の、上面3.1とは反対側の表面上に配置される、第2の層26、特に、第1の熱剥離フィルムまたは積層を有する。光電子デバイス1は、さらに、
第2の層26上に第1の層3とは反対側に配置された、キャリア層7、特に、PETキャリア層と、
キャリア層7上に第2の層26とは反対側に配置された、第3の層27、特に、第2の熱剥離フィルムまたはフォトレジスト層と、
第3の層27上にキャリア層7とは反対側に配置された、仮キャリア層28と、を有する。
【0478】
電子または光電子部品9は、上記した工程のいずれか1つの助けを借りて第1の層に埋め込むことができ、
図15Bに示すように、3つの構造化導体層11a、11b、11cの多層体(multilayer)110が、第1の表面3.1、前記上面9.1、および電気接点18上に配置されている。3つの構造化導体層11a、11b、11cは、互いに重なり合って配置されており、隣接する導体層11a、11b、11cは、分離層24a、24bによって互いに分離されている。各導体層は、誘電体材料25で充填される1つ以上の導電性ビアを含み、より具体的には、各導体層は、異なる導体層を相互接続する導体経路を含み、導体層の接触部分は、誘電体材料25で充填されるシンク(sink)を有する。誘電体材料は、平坦化層の形態で導体層上に配置することができ、特に、光構造化可能であることができる。
【0479】
図15Bは、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と、シェル表面9.2に対向する第1の層3の側面3.2との間のギャップ21をさらに示す。ギャップは、第1の層3の上面3.1に広がる平面20内に充填材22の平坦な表面を提供するために、充填材22、特に、平坦化層で充填されている。
【0480】
3つの構造化導体層11a、11b、11cの多層体110の上には、電子チップ29(例えば、集積回路(IC)など)が配置され、構造化導体層11a、11b、11cの少なくとも1つに電気的に結合されている。
【0481】
図16A~
図16Dは、本発明による光電子デバイスの製造方法の例示的な実施形態の実行中に生成される中間生成物の断面図および上面図を示す。中間生成物は、第1の層3と、第1の層3に埋め込まれたさまざまな電子および光電子部品9の少なくとも1つと、を含む。
【0482】
図16Aによれば、サファイヤフリップチップLED9が、第1の層3に完全に埋め込まれている。
図16Bは、シリコンを含む薄膜フリップチップLED9を示しており、この薄膜フリップチップLED9は、当該LEDの発光面が第1の層3に対向した状態で、第1の層3に完全に埋め込まれている。サファイヤフリップチップLED9および/または薄膜フリップチップLED9の電気接点18は、例えば、金などの、金属であることができる。
【0483】
図16Cは、第1の層3に埋め込まれた、例えば、集積回路(IC)などの、電子チップ9を示し、この電子チップは、例えば、光学センサ、熱センサ、または機械式センサなどの、センサを1つ以上有し得る。電気接点18は、例えば、アルミニウムなどの金属で作られていることができる。
【0484】
さらに他の実施形態において、電子または光電子部品9は、
図16Dに示すように、例えば、LED、μLED、フリップチップLED、薄膜フリップチップLED、ICチップ、光センサ、熱センサ、および機械式センサのうちの少なくとも1つのサブアセンブリを有する。上記の部品は、基板31上に配置することができ、封止材32で覆うことができる。サブアセンブリ9の電気接点18は、例えば、金などの金属で作られていることができる。
【0485】
図17A~17Cは、本発明による光電子デバイスの例示的な実施形態の断面図を示す。構造化導体層11は、
図17Aに示すように、いわゆるPICOS(Planar Interconnect On Substrate)工程によって、第1の表面3.1、前記上面9.1、および電気接点18上に配置されている。このPICOS工程は、以下の工程を有することができる。
最初の工程において、シード層、特に、チタン銅合金を、少なくとも1つの電子または光電子部品9の上面9.1、電気接点18、第1の層3の上面3.1、および境界領域19に塗布する。フォトレジスト層をシード層に塗布し、このシード層の領域が露出するように構造化する。シード層の露出領域をガルバーニめっき処理し、シード層の露出領域に銅チタンを電着させる。構造化によって残されたフォトレジスト層の領域および下部のシード層を除去する。
【0486】
シード層をガルバーニめっき処理する工程と、その後構造化されるフォトレジスト層を塗布する工程とは、入れ替えることができる。したがって、より大きな表面についてガルバーニめっき処理を実行することができ、その後に構造化を実行することができる。
【0487】
この手順を使用して、電子または光電子部品9は、構造化導体層11に「取り囲まれる(framed)」ことができる。したがって、PICOS工程を使用して、少なくとも1つの電子または光電子部品9の機械的安定性および電気的相互接続の両方を提供することができる。
【0488】
構造化導体層11は、
図17Aに示すように、噴射工程によって、第1の表面3.1、前記上面9.1、および電気接点18上に配置することができる。したがって、銀ナノチューブインクまたは銅ナノチューブインクを、少なくとも1つの電子または光電子部品9の上面9.1、電気接点18、第1の層3の上面3.1、および境界領域19に順次または並行して且つ局所的に塗布して、少なくとも1つの電子または光電子部品9を電気的に相互接続することができる。
【0489】
図17Cによれば、光電子デバイス1は、上記の実施形態に加えて、構造化導体層11と第1の層3の間、および、構造化導体層11と電子または光電子部品9の上面9.1との間に、誘電体層25を有する。このような誘電体層25は、有利であることができる、なぜなら、構造化導体層11と第1の層3の間、および/または、構造化導体層11と電子または光電子部品9の上面9.1との間の短絡を防止することができるからである。
【0490】
図18A~
図19Cは、本発明による光電子デバイスの中間生成物の例示的な実施形態の断面図を示す。
図16A~
図16Dの場合と同様に、中間生成物は、第1の層3と、第1の層3に埋め込まれた電子または光電子部品9と、を有する。しかし、構造化導体層11を第1の表面3.1、前記上面9.1、および電気接点18上に配置する工程は、依然として保留されている。
【0491】
図18A~
図18Cは、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と、シェル表面9.2に対向する第1の層3の側面3.2との間のギャップ21の大きさが異なり、
図18Aから
図18Cに小さくなっている、3つの断面図を示す。シェル表面9.2は、好ましくは、前記上面9.1および前記上面9.1に対向する電子または光電子部品9の底面9.3を除く電子または光電子部品9の外表面によって形成されている。
【0492】
ギャップは、
図18Aおよび
図18Bによれば、円錐形の断面を有する。特に、シェル表面9.2と側面3.2の間の距離は、第1の層3の上面3.1に広がる平面20において、電子または光電子部品9の底面3.1に広がる平面における当該距離よりも大きい。ギャップ21は、好ましくは、シェル表面9.2を囲んで電子または光電子部品9の周囲に周方向に延在する。
【0493】
ギャップ21は、好ましくは、10~15μm未満の幅を有する。特に、ギャップ21は、第1の層3の上面3.1に広がる平面20内で10~15μm未満の幅を有する。
【0494】
図19A~19Cに示すように、ギャップ21は、充填材22、特に、接着剤で充填され、ギャップ21内に配置される充填材の量は、
図19Aから
図19Cに変化する。
【0495】
図19Aによれば、充填材22は、ギャップ21内に全くまたはほとんど配置されていない。しかし、
図19Bでは、充填材は、電子または光電子部品9の底面と第1の層3との間に配置されているが、その一方で、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と第1の層の側面3.2との間では、充填材22は、ギャップ21内に全くまたはほとんど配置されていない。
【0496】
図19Cに示すように、充填材は、電子または光電子部品9の底面と第1の層3との間、および、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と第1の層3の側面3.2との間に配置されている。さらに、充填材22の堆積物が、ギャップ21の上方に、特に、第1の層3の上面3.1に広がる平面20上に配置されている。
【0497】
図20A~20Dは、本発明による光電子デバイスの例示的な実施形態の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。電子または光電子部品9のシェル表面9.2とシェル表面9.2に対向する第1の層3の側面3.2との間のギャップ21は、大きさが異なり、
図20Aから
図20Cに小さくなっている。これらの図から分かるように、ギャップ21は、第1の層3の上面3.1に広がる平面内で測定した、シェル表面9.2と側面3.2の間の距離が、電子または光電子部品9の底面に広がる平面内における距離よりも大きい、円錐断面を有する。
【0498】
図20Aは、第1の層の上面の3.1に広がる平面で測定した、シェル表面9.2と側面3.2の間の距離が大きすぎて、PICOS工程の助けを借りて、構造化導体層を第1の層3の上面3.1、電子または光電子部品9の上面9.1、および電子または光電子部品9の電気接点18上に配置することができない、ギャップ21を示している。
【0499】
図20B、および、
図20Eに示す各ギャップ21の詳細図は、10~15μmの幅、特に、12.77μmの幅を有するギャップ21を示す。したがって、第1の層3の上面3.1、電子または光電子部品9の上面9.1、および電子または光電子部品9の電気接点18上に構造化導体層を配置するPICOS工程が、可能である。
【0500】
図20Dは、第1の層3に埋め込まれたフリップチップLED9の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示しており、フリップチップLED9のシェル表面とこのシェル表面に対向する第1の層3の側面との間のギャップ21は、大きさに違いがある。
【0501】
次に
図21Aを参照すると、光電子デバイス1の例示的な実施形態の中間生成物の断面図が示されている。光電子デバイス1は、キャリア層7と、所定の距離dでキャリア層7上に互いに隣接して配置された少なくとも2つ層セグメント3.1、3.2と、を有する。それぞれの層セグメント3.1、3.2上には、3つの光電子部品9、特に、選択された色(特に赤色、緑色、または青色のいずれか)の光を放出することができるLEDが配置され、導体層セグメント11によって接続されている。したがって、3つのLEDは、RGB画素を形成することができる。所定の距離dは、0~1500μmの範囲にあることができ、隣接する層セグメント3.1、3.2の材料の流動挙動に依存することができる。
【0502】
層セグメント3.1、3.2は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料を含むまたはから成る。特に、層セグメントは、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)などの材料の箔であることができる。あるいは、層セグメント3.1、3.2は、他のプラスチック、特に、好ましくは、強い結合性、光学的透明性、多くの表面への接着性、靭性、および可撓性を有する、他の樹脂を含むまたはから成ることができる。
【0503】
次の工程では、
図21Bに示すように、2つの層セグメント3.1、3.2は、隣接する層セグメント3.1、3.2の対向するエッジ領域3.1.1、3.2.1(
図21Aを参照)を、特に、レーザまたは加熱装置(例えば、オートクレーブもしくはホットプレートなど)を用いて、少なくとも部分的に融解することによって、機械的に接続される。あるいは、隣接する層セグメントを均一に溶融して互いに機械的に接続することができる。これは、好ましくは、加熱装置(例えば、オートクレーブまたはホットプレートなど)の使用によって行われる。
【0504】
隣接する層セグメント3.1、3.2を機械的に接続する工程の後、ほぼ均一でかつ平坦な層3が形成される。
【0505】
図21Cに示すように、平坦化層33は、層セグメント3.1、3.2上に配置されている。平坦化層33は、層セグメント3.1、3.2と同じ材料を含むまたはから成ることができる。特に、平坦化層33は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレンビニルアセテート(EVA)などの材料の箔であることができる。光電子部品9は、平坦化層33に埋め込むことができる。
【0506】
次に
図22を参照すると、光電子デバイス1は、キャリア層7と、所定の距離dでキャリア層7上に互いに隣接して配置された複数の層セグメント3.1、3.2、…と、を有する。ここでは、層セグメントの数は、9つである。層セグメントは、規則的なマトリクス構造でキャリア層7上に配置することができ、所定の距離dは、隣接する層セグメントの対向するエッジ間の距離すべてについて同じである。したがって、層セグメントは、マトリックスの各行において所定の距離dだけ離間し、かつ、マトリックスの各列において所定の距離dだけ離間している。
【0507】
光電子デバイス1は、多数の電気ブリッジ要素34をさらに有する。これらの電気ブリッジ要素34は、いずれか2つの隣接する層セグメント3.1、3.2の間に延在し、かつ、層セグメント3.1、3.2上に配置された導体層セグメント11を電気的に相互接続する。ここでは、ブリッジ要素34の数は、12である。
【0508】
いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素34は、少なくとも部分的に透明および/または可撓性のテープを有する。このテープは、2つの隣接する層セグメント3.1、3.2の導体層セグメント11を相互接続するために、少なくとも1つの導体経路を有することができる。少なくとも1つの導体経路を有する、このような透明および/またはフレキシブルなテープは、例えば、インクジェットプロセスの助けを借りて提供することができる。
【0509】
いくつかの実施形態において、電気ブリッジ要素34は、図示しないカバー層の上に提供される。電気ブリッジ要素は、導体経路の形態を有することができる。カバー層は、層セグメント3.1、3.2、…がキャリア層7上に配置された後、当該層セグメント3.1、3.2、…上に配置される。その後、カバー層上の電気ブリッジ要素は、2つの隣接する層セグメント3.1、3.2の導体層セグメント11を相互接続する。
【0510】
層セグメント3.1、3.2、…は、長方形をしており、好ましくは、長さが少なくとも約125mmであり、幅が少なくとも約70mmである。
【0511】
図23に示す層セグメント3.1、3.2、…は、長方形をしており、各層セグメントの幅に対する長さが少なくとも約3倍を超えている。換言すれば、層セグメントの形態は、ストライプに類似している。
【0512】
層セグメント3.1、3.2は、所定の距離dで1つの列のみで互いに隣接してキャリア層7上に配置されている。所定の距離dは、0~1500μmの範囲にあり、特に、隣接する層セグメント3.1、3.2の材料の流動挙動に依存する。
【0513】
光電子デバイス1は、2つの電気ブリッジ要素34をさらに有する。これら2つの電気ブリッジ要素34は、いずれか2つの隣接する層セグメント3.1、3.2の間に延在し、かつ、層セグメント3.1、3.2上に配置された導体層セグメント11を電気的に相互接続する。
【0514】
2つの電気ブリッジ要素34は、各々、隣接する層セグメント3.1、3.2をすべて接続する。第1の電気ブリッジ要素34は、隣接する層セグメント3.1、3.2を第1のエッジ領域で接続し、第2の電気ブリッジ要素34は、隣接する層セグメント3.1、3.2を第2のエッジ領域で接続する。第1のエッジ領域および第2のエッジ領域は、特に、層セグメントの2つの短いエッジに位置する。
【0515】
2つの電気ブリッジ要素を使用することによって、各層セグメントに電流を供給することができる。層セグメントは、互いに並列または直列に接続することができる。
【0516】
次に
図24A~
図24Eを参照すると、光電子デバイス1、例えば、車両の少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法は、以下の工程、
少なくとも1つの光電子部品9を第1の層3の上面3.1に配置する工程と、
導体層11.0を上面3.1および少なくとも1つの光電子部品9上に提供する工程と、
導体層11.0を構造化する工程であって、結果として生じる構造化導体層11が、この構造化導体層11の使用によって少なくとも1つの光電子部品9に電気を供給するための電気導体経路を含むように、導体層11.0を構造化する工程と、
を含む。
【0517】
図24Aに示すように、多数の光電子部品9が、第1の層3の上面3.1に配置される。ここでは、光電子部品の数は、3つである。
【0518】
光電子部品は、特に、光電子部品9の上面9.1に配置された電気接点18を有する。特に、光電子部品9の電気接点18(特に、コンタクトパッド)はすべて、光電子部品9の上面9.1上に配置されている。光電子部品9は、第1の層3の上面3.1上に、電気接点18が第1の層3の上面3.1から離れた方に向くように、配置されている。したがって、光電子部品9は、フリップチップLED、薄膜フリップチップLED、またはフリップチップμLEDとして形成することができる。
【0519】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光電子部品9を第1の層3の上面3.1上に配置する工程の後に、少なくとも1つの光電子部品9の位置を、特に自動光学検査(AOI)を使用して、検出する工程を続けることができる。これにより、光電子部品9、特に、光電子部品の上面3.1上に配置された少なくとも1つの電気接点18が、後の工程において、構造化導体層11にアライメントされることを確実にすることができる。あるいは、光電子部品9、特に、光電子部品9の上面9.1に配置された少なくとも1つの電気接点18が構造化導体層にアライメントされるのに十分な精度を提供する配置プロセスを使用することができる。
【0520】
図24Bに示すように、導体層11.0は、上面3.1上および光電子部品9上に提供される。特に、導体層11.0を上面3.1上および光電子部品9上に提供する工程は、積層装置(lamination device)を使用して、導体層11.0を上面3.1上および光電子部品9上に積層する工程を含む。特に、導体層11.0を上面3.1上および光電子部品9上に、特にロール・ツー・ロール(roll-to-roll)プロセスで、積層するのに、加熱されたロールラミネータ(heated roll laminator)を使用することができる。
【0521】
導体層11.0を上面3.1上および光電子部品9上に提供する工程は、光電子部品9を第1の層3に少なくとも部分的に埋め込む工程をさらに含む。光電子部品9を第1の層3に押し込み、導体層11.0を第1の層3の上面3.1上および光電子部品9上に同時に配置する。したがって、好ましくは、少なくとも1つの光電子部品9を第1の層3に埋め込む工程と、導体層11.0を第1の層3の上面3.1上および光電子部品9上に配置する(特に、積層する)工程と、を同時に実行する。これは、例えば、光電子部品9および/または第1の層3を適切な温度に加熱し、光電子部品9および/または第1の層3がその適切な温度にある間に光電子部品9を第1の層3に押し込むことによって、実行することができる。
【0522】
光電子部品9は、特に、光電子部品9の上面9.1が第1の層3の上面3.1によって定義される平面内に配置されるように、第1の層3に埋め込まれている(
図24Bを参照)。したがって、導体層11.0は、第1の層3の上面3.1および光電子部品9の上面9.1によって形成される、ほぼ平坦な表面上に配置される。
【0523】
その後、
図24Cに示すように、導体層11.0と光電子部品9の電気接点18との間の機械的および電気的な相互接続を提供する。導体層11.0を光電子部品9の電気接点18と機械的および電気的に相互接続する工程は、電気接点18の上方領域で導体層11.0を電気接点18と規則正しくレーザ溶接する工程を含む。特に、導体層11.0と電気接点18との規則正しいレーザ溶接は、導体層と光電子部品の電気接点との機械的および電気的な相互接続が提供されるように、電気接点18の上方領域で実行されるのみである。
【0524】
導体層11.0は、
図24Dに示すように、結果として生じる構造化導体層11が、この構造化導体層11の使用によって少なくとも1つの光電子部品9に電気を供給するための電気導体経路を含むように、構造化することができる。
【0525】
特に、導体層11.0を構造化する工程は、導体層11.0のリソグラフィ構造化、特に、導体層11.0のフォトリソグラフィ構造化を含む。フォトマスク(光学マスクとも呼ばれる)を使用することによって、光の幾何学的パターンを、導体層11.0上の感光性(特に、光感受性)化学フォトレジストに転写する。光照射は、現像液と呼ばれる特別の溶液によってフォトレジストの一部を除去することを可能にする、フォトレジストの化学変化を引き起こす。ポジ型フォトレジストは、一般的なタイプであり、露光されると現像液に可溶となる。ネガ型フォトレジストを使用することにより、露光されていない領域が現像液に可溶になる。一連の化学処理により、露光パターンを導体層11.0にエッチングすることができる。
【0526】
したがって、導体層の第1の部分11.1は、第1の層3の上面3.1上に配置され、導体層の第2の部分11.2は、光電子部品9の上面9.1上に配置され、光電子部品9の電気接点18と接触する。特に、導体層の第2の部分11.2は、光電子部品9の電気接点18と機械的および電気的に相互接続される。
【0527】
図24Eに示すように、本方法は、平坦化層33を第1の層3および構造化導体層11上に、構造化導体層11が平坦化層33に埋め込まれるように配置する工程をさらに含む。
【0528】
図25A~
図25Eは、光電子デバイス1の製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。
図24A~
図24Eに示す実施形態とは対照的に、導電層11を上面3.1上および光電子部品9上に提供する前に、光電子部品の少なくとも電気接点18上に、電気接点要素11.5の形態で、導電性接着剤または半田を提供する。特に、電気接点要素11.5は、電気接点18上にのみ配置し、第1の層3の上面3.1上および光電子部品9の上面9.1の露出領域上には配置しない。
【0529】
導体層11を上面3.1上および光電子部品9上に提供する、特に、積層する工程は、
図25Cに示すように、導体層11.0を光電子部品9の電気接点18と機械的および電気的に相互接続する工程を含む。したがって、導体層11.0を、電気接点要素11.5の材料の溶融/反応温度を超えるまで加熱する。特に、電気接点要素11.5を冷却した後、導体層11.0と光電子部品9の電気接点18との機械的および電気的な相互接続を提供する。
【0530】
導体層11.0を
図25Dに示すように構造化し、平坦化層を、
図25Eに示すように、第1の層3および構造化導体層11上に、構造化導体層11が平坦化層33に埋め込まれるように、配置する。
【0531】
次に
図26A~
図26Eを参照すると、導体層11.0は、上記の実施形態と比較して、第1の導電性材料層11.01および第2の導電性材料層11.02を有する。第2の導電性材料層11.02は、特に、等方性または異方性の導電性を提供する、接着剤、半田、または半田接着剤を含むまたはから成ることができる。
図25Bと比較して、第2の導電性材料層11.02は、導体層11.0を上面3.1上および光電子部品9上に提供する前に、第1の導電性材料層11.01上に配置される。したがって、第2の導電性材料層11.02は、第1の層3の上面3.1の領域全体に提供され、光電子部品9の電気接点18と導体層11.0との間のみに提供されるわけではない。
【0532】
導体層11を上面3.1上および光電子部品9上に提供する、特に、積層する工程は、
図26Cに示すように、導体層11.0を光電子部品9の電気接点18と機械的および電気的に相互接続する工程を含む。したがって、導体層11.0は、第2の導電性材料層11.02の融解/反応温度を超えるまで加熱する。特に、第2の導電性材料層11.02を冷却した後、導体層11.0と電子部品9の電気接点18との機械的および電気的な互接続を提供する。
【0533】
図27A~
図27Eは、光電子デバイス1の製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。
図24A~24Eに示す実施形態とは対照的に、導体層11.0は、例えば、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの導電性ナノ粒子を含む光構造化可能なナノ粒子ペーストを含むまたはから成る。
【0534】
導体層11.0を
図27Cに示すように構造化し、
図27Dに示すように、導体層11.0と光電子部品9の電気接点18との機械的および電気的な相互接続を、導体層11.0、特に、光構造化可能なナノ粒子ペーストを焼結することによって、提供する。焼結工程は、第1の層3および光電子部品9が少なくとも約140℃の温度に耐える場合、オーブンプロセスを含むことができる。あるいは、焼結工程は、フォトニック硬化プロセスを含むことができる。
【0535】
平坦化層は、
図27Eに示すように、第1の層3および構造化導体層11上に、構造化導体層11が平坦化層33に埋め込まれるように、配置される。
【0536】
図28A~28Eは、光電子デバイス1の製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。上記の実施形態と比較して、光電子部品9は、第1の層3に埋め込まれておらず、第1の層3の上面3.1上に配置されている。
【0537】
図28Aと
図28Bの間の中間工程では、平坦な導体層11.0を、光電子部品の上面9.1上に提供する。その後、
図28Bは、光電子部品9および第1の層3の上面3.1が導体層11.0によって覆われるように、導体層11.0を深絞りする工程を示す。
【0538】
導体層11.0は、
図28Cに示すように、導体層の第1の部分11.1が、第1の層3の上面3.1上に配置され、導体層の第2の部分11.2が、光電子部品9の上面9.1上に配置され、導体層の中間部分11.3が、光電子部品9の側面9.2上に配置されるように、構造化する。導体層の中間部11.3は、導体層の第1の部分11.1と第2の部分11.2とを相互接続する。
【0539】
図28Dに示すように、導体層11.0と光電子部品9の電気接点18との機械的および電気的な相互接続を、導体層11.0、特に、光構造化可能なナノ粒子ペーストを焼結することによって、提供する。さらに、
図28Eに示すように、平坦化層を、第1の層3および構造化導体層11上に、構造化導体層11および光電子部品が平坦化層33に埋め込まれるように、配置する。
【0540】
図29Aに示すように、導体層を、結果として生じる構造化導体層11が少なくとも1つの光電子部品に電気を供給するのに適した電気導体経路を含むように構造化される第1の層3の上面3.1上に提供する。
【0541】
少なくとも1つの光電子部品の接点を構造化導体層と電気的に接続するために、
図29Bに示すように、電気接点要素11.5を構造化導体層11上に提供する。電気接点要素11.5は、
図29Cに示すように、構造化導体層11上に、接点要素が、構造化導体層上に、特に電気接点要素上に配置される、少なくとも1つの光電子部品の接点にアライメントされるように、提供される。特に、接点要素11.5は、構造化導体層11上の定義された位置に提供される。当該位置は、接点要素11.5が光電子部品9の電気接点18にアライメントされるように定義される。
【0542】
各光電子部品9は、例えば、その底面上の定義された位置に2つの電気接点18を有するフリップチップであることができる。このようなフリップチップに対する接点要素18は、フリップチップ9の各接点18が1つの接点要素11.5と接触するように、構造化導体層11上に配置される。
【0543】
接点要素11.5は、半田ペーストを構造化導体層11上に塗布することによって提供され、また、
図29Dに示すように、導体層11を光電子部品9の電気接点18と機械的および電気的に相互接続するために、フォトニック半田付けを使用して加熱される。
【0544】
図29Eに示すように、平坦化層を、第1の層3および構造化導体層11上に、構造化導体層11、電気接点要素11.5、および光電子部品9が平坦化層33に埋め込まれるように、配置する。
【0545】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも部分的にフレキシブルな光電子デバイスは、当該光電子デバイスの少なくとも接続領域を安定化させて当該光電子デバイスと環境との確実な電気的相互接続を可能にするために、補強材を有する。
【0546】
次に
図30A~
図30Dを参照すると、光電子デバイス1、例えば、例えば車両の、少なくとも部分的に透明なペインの製造方法を提供する工程は、
キャリア基材35と、キャリア基材35上に配置された剥離層36と、を提供する工程と、
剥離層36上にキャリア基材35とは反対側に構造化導体層11を提供する工程と、
構造化導体層11上に少なくとも1つの光電子部品9を配置する工程と、
構造化導体層11は、少なくとも1つの光電子部品9に電気を供給するための電気導体経路を有する、
剥離層36上に第1の層3を提供する工程(
図30Bを参照)と、
第1の層3は、少なくとも1つの光電子部品9が第1の層3に少なくとも部分的に埋め込まれるように、導体層11および少なくとも1つの光電子部品9を覆う、
キャリア基材35および剥離層36を除去する工程(
図30Cを参照)と、
を含む。
【0547】
図30Aに示すように、構造化導体層11を剥離層36の上面36.1上に配置し、多数の光電子部品9を構造化導体層および/または剥離層の上面36.1上に配置する。ここでは、光電子部品9の数は、3つである。
【0548】
いくつかの実施形態において、構造化導体層を剥離層上に提供する工程は、導電性材料層(例えば、銅など)を剥離層上に成長させる工程を含むことができる。
【0549】
図30Bに示すように、その後、第1の層3を、剥離層36上に、第1の層3が導体層11および光電子部品9を覆うように、提供する。特に、光電子部品9および構造化導体層は、構造化導体層の上面11.1および/または光電子部品9の上面9.1が、第1の層3の上面3.1によって定義される平面内に配置されるように、第1の層3に埋め込まれる。
【0550】
その後、
図30Cに示すように、温度、レーザ光、または化学的溶解プロセスのいずれかによって剥離層36を溶解させることによって、キャリア基材35および剥離層36を除去する。したがって、光電子デバイスをキャリア基材から容易かつ非破壊的に除去することができる。したがって、剥離層36は、例えば、窒化ケイ素(SiN)などの溶解性材料を含むまたはから成ることができる。
【0551】
図30Dに示すように、本方法は、キャリア基材35および剥離層36を除去した後、第1の層3および/または構造化導体層11および/または光電子部品9上に平坦化層33を提供する工程をさらに含むことができる。したがって、構造化導体層11および/または光電子部品9を、第1の層3と平坦化層33の間に配置することができる。したがって、構造化導体層11を、第1の層3、構造化導体層11、および平坦化層33の積層体の中立ファイバ(neutral fiber)内に配置することができる。
【0552】
図31A~
図31Eは、光電子デバイス1の製造方法の他の例示的な実施形態の工程を示す。
図30A~
図30Dに示す実施形態に加えて、本方法は、
図31Bに示すように、剥離層36および/または構造化導体層11上に少なくとも1つの補強材37を提供する工程をさらに含む。剥離層36および/または構造化導体層11上に少なくとも1つの補強材37を提供する工程は、剥離層36および仮キャリア基材35を除去する工程(
図31Dを参照)の前だけでなく、第1の層3を提供する工程(
図31Cを参照)の前にも実行される。補強材は、好ましくは、光電子デバイスの少なくとも接続領域の安定剤として機能して、光電子デバイスと環境との確実な電気的相互接続を可能にすることができる。
【0553】
光電子デバイスは、例えば、可撓性材料で作られていることができ、剛性補強材を光電子デバイスのエッジ領域に配置して、光電子デバイスの少なくともエッジ領域を安定化して補強することができる。エッジ領域および特に補強材は、例えば、光電子デバイスと環境および/または少なくとも1つの隣接する第2の光電子デバイスとの確実な電気的相互接続を可能にするために、光電子デバイスの接続領域として使用することができる。
【0554】
補強材は、特に、剥離層36のエッジ領域に提供され、エッジ領域には、剥離層のエッジ36.2が含まれる。
【0555】
図31B~
図31Eに示すように、補強材37は、構造化導体層11を少なくとも部分的に覆っており、補強材は、好ましくは、構造化導体層11のエッジ領域で構造化導体層11を覆い、構造化導体層11のエッジ領域には、構造化導体層11のエッジ11.4が含まれている。構造化導体層11のエッジ領域は、剥離層36のエッジ領域と少なくとも部分的に一致することができる。
【0556】
補強材37の外縁37.1は、これらの図によれば、剥離層36のエッジ36.2にアライメントされている。したがって、少なくとも1つの補強材の側面と剥離層の側面とは、同じ平面内に配置される。
【0557】
図31Cに示すように、その後、第1の層3が導体層11、光電子部品9、および補強材37を覆うように、第1の層3を剥離層36上に提供する。特に、構造化導体層の上面11.1が、第1の層3の上面3.1によって定義される平面内に配置されるように、光電子部品9および構造化導体層を第1の層3に埋め込む。しかし、補強材37は、補強材37が第1の層、特に第1の層の側面3.2から突き出るように、第1の層3に部分的に埋め込まれる。
【0558】
したがって、第1の層3は、剥離層36のエッジ領域を完全には覆わず、したがって、第1の層3は、剥離層36のエッジ36.2から遠位にある。
【0559】
図31Eに示すように、本方法は、キャリア基材35および剥離層36を除去した後、第1の層3および/または構造化導体層11および/または光電子部品9および/または補強材37上に平坦化層33を提供する工程をさらに含むことができる。平坦化層33は、いくつかの実施形態において、
図31Eの左側に示すように第1の層3の大きさと一致することができ、または、いくつかの実施形態において、
図31Eの右側に示すように第1の層3の大きさよりも大きくすることができる。特に、平坦化層33のエッジ33.1は、いくつかの実施形態において、強材37の外縁37.1にアライメントされることができる。
【0560】
次に
図32A~
図32Dを参照すると、この方法は、第1の層3を剥離層36上に提供する(
図32Dを参照)前に、中間生成物38の形状を変更する(
図32Cを参照)工程をさらに含むことができる。中間生成物38は、キャリア基材35および剥離層36、剥離層36上の構造化導体層11、構造化導体層11上の光電子部品9、ならびに、任意選択的に、剥離層36上の少なくとも1つの補強材37を含む。中間生成物38は、好ましくは、キャリア基材35およびキャリア基材35上に配置された剥離層36を提供する工程、剥離層36上に構造化導体層11を提供する工程、構造化導体層11上に光電子部品9を配置する工程、ならびに、剥離層36および/または構造化導体層11上に少なくとも1つの補強材37を提供する工程によって得ることができる。中間生成物38の変更された形状は、
図32Cおよび
図32Dに示すように、少なくとも1つの曲面、特に、第1の層3の湾曲した上面3.1を有することができる。
【0561】
中間生成物38の形状を変更する工程の後、
図32Dに示すように、第1の層3を導体層11および光電子部品9上に提供する。中間成形品38の形状を変更する工程は、例えば、金型を使用することにより、この金型に中間生成物38を押し込むことによって実行することができる。その後、例えば、第1の層3を導体層11および光電子部品9上に成形することによって、第1の層3を導体層11および光電子部品9上に提供することができる。したがって、第1の層3は、例えば、モールド化合物、シリコン、または透明もしくは拡散充填樹脂などの機械的に堅牢な材料を含むまたはから成ることができる。
【0562】
図32Dに示すように、第1の層は、湾曲した上面3.1(左側の
図32Dを参照)、および、上面3.1とは反対側の湾曲した表面(右側の
図32Dを参照)を有することができる。
【0563】
次に
図33A~33Cを参照すると、第1の層3は、例えば、中間生成物38の形状を変更することなく、第1の層3を導体層11および光電子部品9上に成形することによって、導体層11および光電子部品9上に提供することができる(
図33Cを参照)。これにより、上面3.1および構造化導体層11は、ほぼ平坦な表面を形成することができる。
【0564】
さらなる工程では、光電子デバイス1を、曲面上に配置することができ、また、その曲面に固定する、特に、接着することができる。好ましい実施形態において、中間生成物38の曲面および/または光電子デバイス1の曲面は、光電子デバイス1が配置されることになっている曲面と一致することができる。
【0565】
次に
図34を参照すると、光電子デバイスを製造する方法が示されている。最初の工程において、レイヤスタック、特に、構造化されていない最上層39.0.1を有する初期レイヤスタック39.0を提供する。その後、この非構造化最上層39.0.1を、例えば、レーザ光を使用することによって、構造化する。例えば、最上層39.1を部分的にアブレーションすることによって、この最上層の上面39.1.1に開口部40が得られる。開口部40は、底面40.1および側面40.2が最上層39.1によって形成された、キャビティの形態を有する。
【0566】
開口部40は、充填材22、特に、接着剤で充填され、開口部40内に開口部40の底面40.1上に電子または光電子部品9が配置される。電子または光電子部品9の電気接点18は、部品9の上面9.1上に配置されており、したがって、レイヤスタック39から離れた方を向いている。電子または光電子部品9を開口部40内に配置することによって、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と開口部の側面40.2との間に、境界領域、特に、ギャップ21が形成される。電子または光電子部品9を開口部40に、したがって、充填材22に押し込むことによって、ギャップ21は、充填材22で充填され、充填材22の蓄積物が、充填されたギャップ21上に、特に、最上層39.1の上面39.1.1に広がる平面上に生成される。
【0567】
充填材は、最上層39.1と電子または光電子部品9の底面との間に配置されることができる。電子または光電子部品9の底面は、電子または光電子部品9の上面9.1とは反対側にある。
【0568】
充填材22は、特に、硬化後に開口部40内に電子または光電子部品9を固定する接着剤を含むまたはから成ることができる。
【0569】
いくつかの実施形態において、充填材22は、最上層39.1の上面39.1.1と電子または光電子部品9のシェル表面9.2との間に隅肉溶接部を形成することができる。特に、充填材22は、ギャップ21内に部分的に配置されることができ、最上層39.1の上面39.1.1と電子または光電子部品9のシェル表面9.2との間に部分的に隅肉溶接部を形成することができる。
【0570】
最上層39.1の上面39.1.1上および電子または光電子部品9の上面9.1上には、電気導体配置、特に、構造化導体層11が配置されており、電子または光電子部品9の電気接点18と接触している。電気導体配置は、境界領域、特に、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と開口部40の側面40.2との間のギャップ21を越えて延在し、したがって、ギャップ21を埋める。
【0571】
したがって、電気導体配置11の第1の部分11.1は、最上層39.1の上面39.1.1上に配置され、電気導体配置11の第2の部分11.2は、電子または光電子部品9の上面9.1上に配置され、かつ、電子または光電子部品9の電気接点18に接触している。電気接点18は、特に、コンタクトパッドによって形成することができ、電子または光電子部品9の上面9.1上に配置することができる。
【0572】
電気導体配置11の中間部分11.3は、境界領域を越えて延在し、電気導体配置11の第1の部分11.1と電気導体配置11の第2の部分11.2とを相互接続する。境界領域を越えて延在する中間部分11.3は、充填材22上に配置される。
【0573】
電子または光電子部品9は、発光ダイオード(LED)、特にフリップチップLED、集積回路(IC)、フォトダイオード、センサ、特に赤外線センサのうちの少なくとも1つを含むまたはから成ることができる。図示の例では、部品9は、フリップチップLEDである。フリップチップLED9の電気接点18はすべて、チップ9の上面9.1上に配置されている。電気導体配置11を最上層39.1の上面39.1.1上および電子または光電子部品9の電気接点18上に配置することによって、電子または光電子部品9に電気を供給することができる。
【0574】
いくつかの実施形態において、電気導体配置の第1の部分、第2の部分、および中間部分を配置する工程は、いわゆるPICOS(Planar Interconnect On Substrate)工程を含む。このPICOS工程は、例えば、以下の工程を含むことができる。シード層、特にチタン銅合金を、少なくとも1つの電子もしくは光電子部品9の上面9.1、および/または最上層39.1の上面39.1.1、および/または境界領域、特に、ギャップ21に、ならびに、したがって、充填材22上に、塗布する。次に、フォトレジスト層をシード層に塗布し、シード層の領域が露出するように当該フォトレジスト層を構造化する。シード層の露出領域をガルバーニめっき処理し、このシード層の露出領域に銅チタンを電着させる。構造化によって残されたフォトレジスト層の領域および下層のシード層は、除去する。また、シード層をガルバーニめっき処理する工程と、次に構造化されるフォトレジスト層を塗布する工程とは、入れ替えることもできる。したがって、より大きな表面に対してガルバーニめっき処理を行うことができ、その後に構造化を行うことができる。また、ガルバーニめっき処理工程は、電気めっき工程を含むこともできる。少なくともいくつかの実施形態では、ガルバーニめっき処理工程の代わりに、噴射または印刷工程を用いることができる。
【0575】
この手順を通じて、電子または光電子部品9は、電気導体配置11に「取り囲まれる(framed)」ことができるため、PICOS工程を使用して少なくとも1つの電子または光電子部品9の機械的安定性および電気的相互接続の両方を確保することができる。
【0576】
図35に示すように、レイヤスタック39は、最上層39.1および最下層39.2を有する。最下層39.2は、最上層39.1の下方に配置される。
図34で説明したように、非構造化最上層39.0.1を有する初期レイヤスタック39.0を提供することができ、最上層39.1の上面39.1.1上に少なくとも1つの開口部40を得るように最上層39.0.1を構造化することができる。
【0577】
いくつかの実施形態において、すでに存在する少なくとも1つの開口部40を有するレイヤスタック39を提供することができる。したがって、例えば、レイヤスタック39を提供する前に、最上層39.1にスルーホールを穿孔しまたは機械的に開けることによって少なくとも1つの開口部40を生成することができる。
【0578】
その後、充填材22を、例えば、充填材22を分配、噴射、印刷、噴霧、および/またはスタンピングする工程によって、開口部40内に充填する。
【0579】
電子または光電子部品9は、開口部内に配置されて、充填材22に押し込まれるため、最下層39.2が電子または光電子部品9を担持する。電子または光電子部品9を開口部40内に配置することによって、境界領域、特に、ギャップ21が、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と開口部40の側面40.2との間に形成され、このギャップ21は、充填材22で充填される。
【0580】
図34および
図35の両方に示すように、電子または光電子部品9は、電子または光電子部品9の上面9.1が最上層39.1の上面39.1.1から、特に高さHだけ、突き出るように、開口部40内に部分的に配置される。高さHは、好ましくは、電子または光電子部品9の厚さtの半分以下である。したがって、電子または光電子部品9は、電子または光電子部品9の厚さtの半分以下が最上層39.1の上面39.1.1から突出するように、開口部40内に部分的に配置することができる。
【0581】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子または光電子部品9は、開口部40内に完全に配置することができる。電子または光電子部品9の上面9.1は、最上層39.1の上面39.1.1に広がる基準平面内に配置することができる。換言すれば、電子または光電子部品9の上面9.1と最上層39.1の上面39.1.1とは、同一平面内に配置され、平坦な表面を形成する。
【0582】
図34の実施形態について説明したように、電気導体配置、特に構造化導体層11は、最上層39.1の上面39.1.1上、および、電子または光電子部品9の最上面9.1上に配置される。それは、電子または光電子部品9の電気接点18に接触している。電気導体配置は、境界領域を越えて延在する。したがって、これは、電子または光電子部品9のシェル表面9.2と開口部40の側面40.2との間のギャップ21を埋める。
【0583】
次に
図36を参照すると、レイヤスタック39は、最上層39.1および最下層39.2を有する。最下層39.2は、好ましくは、例えば、PVBまたはEVAなどの材料を含むまたはから成る。
【0584】
上記の
図35と比較して、電子または光電子部品9を開口部40内に固定するのに、充填材を使用しない。代わりに、少なくとも最下層39.2を一時的に加熱し、電子または光電子部品9を、特に同時に、開口部内に配置し、かつ、最下層39.2に押し込む。電子または光電子部品9の上面9.1と最上層39.1の隣接する上面39.1.1との間に位置する境界領域、特にギャップ21は、電子または光電子部品9を一時的に加熱された最下層39.2に押し込むことによって充填される、なぜなら、最下層39.2の材料が境界領域に流れ込むからである。
【0585】
最上層39.1の上面39.1.1上および電子または光電子部品9の上面9.1上には電気導体配置、特に構造化導体層11が配置され、電子または光電子部品9の電気接点18と接触している。電気導体配置は、硬化した境界領域を越えて延在する。
【0586】
図37に示すように、非構造化最上層39.0.1および最下層39.2を有する初期レイヤスタック39.0があり、非構造化最上層39.0.1は、フォトレジスト、特に光構造化可能レジストを含むまたはから成る。非構造化最上層39.0.1は、最上層39.1の上面39.1.1上に少なくとも1つの開口部40を得るために、例えば、リソグラフィ構造化(
図37の矢印を参照)を使用して構造化される。
【0587】
最上層39.1の上面39.1.1上に少なくとも1つの開口部40を得た後、
図35に示すプロセスステップを、対応する説明に従って実行する。
【0588】
次に
図38Aを参照すると、最新技術による光電子デバイスの上面図および断面図が示されている。光電子デバイスは、4つの画素を有する透明基板を有し、各画素は、当該透明基板内に配置された発光体を有する。光電子光源から放出される光は、上から見て、より明るい点の光が画素の真ん中に位置し、あまり明るくない光が画素の残りの領域を満たすように、各画素を照らす。
【0589】
図38Bは、本発明による光電子デバイス1の上面図および断面図を示す。光電子デバイスは、複数の画素90を有するレイヤスタック39を有する。複数の画素90は、
図38Bにおいて、4つの画素で例示的に示されている。複数の画素の各画素は、少なくとも1つの光電子光源9と、レイヤスタック39の上面39.3上の第1の画素領域90.1と、を有する。光電子光源9からの光は、上から見たときに、画素領域全体が散乱光によって均一に照らされ、かつ、第1の画素領域の定義されたおよび/または鋭いエッジが生成されるように、各画素領域を照らす。したがって、いくつかの実施形態において、光電子デバイス1は、例えば、光電子光源9からの光を散乱させて画素領域90.1全体を均一に照らすための光散乱配置または構造化光散乱配置を有することができる。いくつかの実施形態において、光電子デバイス1は、光電子光源9からの光を案内または反射して画素領域90.1を均一に照らすための導光層および/または反射層を有することができる。
【0590】
画素領域90.1は、各画素の発光領域によって定義され、長方形、正方形、円形、楕円形、またはその他任意の外側の輪郭を有することができる。各画素領域の形状および大きさは、画素ごとに異なることができる。
図38Bには、正方形の画素領域90.1が例示されている。
【0591】
図39は、最新技術による光電子デバイスの断面図である。光電子デバイスは、透明基板に埋め込まれた光電子光源9と、光電子光源9の上面に配置された第1の反射層42と、光電子光源9の下方に配置された第2の反射層43と、透明基板の上面に配置された光散乱層41と、を有する。散乱層41は、光電子光源9からの光を散乱させるように構成することができ、これにより、
図38Aに示す光電子デバイスの照明がもたらされる。したがって、上から見て、より明るい点の光が光電子デバイスの真ん中に位置し、あまり明るくない光が光電子デバイスの残りの領域を満たす。
【0592】
いくつかの実施形態において、散乱層を変更することによって、光電子デバイスの画素の均一な照明を達成することができる。
【0593】
図40に示す光電子デバイスは、複数の画素90を有するレイヤスタックを有する。例示的に、複数の画素のうちの1つのみが、
図40に示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。この実施形態によれば、第1の層3は、レイヤスタックの唯一の層であるが、その一方で、レイヤスタックは、さらなる層を有することもできる。光電子光源の上面9.1には第1の反射層42が配置され、光電子光源の底面9.3には第2の反射層43が配置されている。上面9.1は、レイヤスタック39の上面39.3の方を向き、底面9.3は、その上面39.3から離れる方を向いている。第1および第2の反射層は、光電子光源からの光を好適な方法で導くことができる。同図に示すように、光電子光源から放出される光は、光電子光源がその側面から径方向に光を放出するように導かれる。
【0594】
当該画素は、レイヤスタックの上面39.3上の第1の画素領域90.1と、光電子光源9からの光を散乱して第1の画素領域90.1を均一に照らすための構造化光散乱配置44と、をさらに有する。
【0595】
第1の画素領域90.1は、中心軸45を有し、この中心軸45は、第1の画素領域90.1に垂直であり、かつ、第1の画素領域の中心を通っている。中心軸45は、レイヤスタック39の第1の層3に対して直交する方向に延びている。
【0596】
構造化光散乱配置44は、同図に示すように、レイヤスタック39において第1の層3の上に配置されているが、第1の層に少なくとも部分的に埋め込むこともできる。構造化光散乱配置44は、上から見ると、画素領域90.1のサイズの少なくとも約1~50%の領域、特に、画素領域90.1のサイズの少なくとも約1~20%の領域をカバーすることができる。
【0597】
光電子光源9からの光を散乱させるために、構造化光散乱配置44は、光散乱粒子、および/または、粗い外表面、特に、画素領域90.1に対向する粗い外表面を有することができる。しかし、第1の層の外表面、特に、第1の層の上面および底面は、滑らかで低散乱の表面を含むことができる。
【0598】
図41A~
図41Cは、各々、光電子デバイスの一実施形態の上面図を示す。構造化光散乱配置44は、複数の光散乱要素を含むことができる。
図41Aおよび
図41Bに示すように、構造化光散乱配置44は、第1の光散乱要素44.1と、第2の光散乱要素44.2と、第3の光散乱要素44.3と、を有する。第3の光散乱要素44.3および第2の光散乱要素44.2は、第1の光散乱要素44.1よりも光電子光源9から遠く離れている径方向にあり、第3の光散乱要素44.3は、第2の光散乱要素44.2よりも光電子光源9から遠く離れている径方向にある。これにより、「径方向に(in a radial direction)」は、第1の画素領域90.1の中心軸45に垂直な方向を意味する。
【0599】
複数の光散乱要素は、
図41Cに示すように、3個よりも多く、10個よりも多く、または50個よりも多いことができる。構造化光散乱配置44は、例えば、100個または1000個よりも多い複数の光散乱要素を含む。
【0600】
光散乱要素44.1、44.2、44.3は、各々、定義された幾何学的形態を有することができ、これは、好ましくは、すべての光散乱要素に対して同一である。好ましくは、光散乱要素は、各々、その定義された幾何学的形態の範囲内で、散乱粒子の定義された粒子濃度を有する。
【0601】
図41Aおよび41Bに示すように、光散乱要素44.1、44.2、44.3は、光電子光源9の周囲にリング状の構造を形成する。
図41Aによれば、リング状の構造は、上から見て、円形の形態を有し、
図41Bによれば、リング状の構造は、正方形の形態を有する。しかし、この構造は、長方形または多角形の形態であることもできる。
【0602】
さらに、リング状の構造は、第1の画素領域90.1の中心軸45を含む断面平面において、長方形の形態を有する。中心軸45は、第1の画素領域90.1に垂直であり、第1の画素領域90.1の中心を通る。しかし、リング状の構造は、中心軸45を含む断面平面において、円形、正方形、または多角形の形態を有することができる。
【0603】
図41Cに示すように、光散乱要素は、画素領域の全長および全幅にわたって延在する領域内に分布する散乱点を形成することができる。画素領域の全長および全幅にわたって延在する領域内に分布する散乱点の濃度は、
図41Cに示すように、光電子光源9からより遠くに離れた径方向において、光電子光源9からより近くに離れた径方向におけるよりも、高い。したがって、画素領域全体の均一な照明を達成することができる。
【0604】
次に
図42を参照すると、レイヤスタック39は、第2の層46および第3の層47を有する。第1の層3は、第2の層46と第3の層47の間に配置され、構造化光散乱配置44は、同図に示すように、レイヤスタック39において第2の層46の上に配置されているが、第2の層に少なくとも部分的に埋め込まれることもできる。
【0605】
光電子光源9、第1の反射層42、および第2の反射層43は、光電子サブアセンブリ9.0を形成する。光電子サブアセンブリ9.0は、光電子サブアセンブリ9.0の上面9.0.1が第1の層3の上面3.1と同じ平面内に配置され、光電子サブアセンブリ9.0の底面9.0.2が第1の層3の底面3.3と同じ平面内に配置されるように、第1の層3に埋め込まれている。したがって、光電子サブアセンブリ9.0は、第1の層3と少なくともほぼ同じ高さを有することができる。
【0606】
次に
図43を参照すると、レイヤスタック39は、さらなる構造化光散乱配置44を有する。さらなる構造化光散乱配置44は、レイヤスタック39内に、好ましくは第1の層3の下方に、第2の画素領域90.2と光電子光源9との間に配置されている。より詳細には、さらなる構造化光散乱配置44は、第3の層47上に第1の層3とは反対側に配置されているが、第3の層に少なくとも部分的に埋め込まれることもできる。
【0607】
第2の層46の上に配置される構造化光散乱配置44は、第1の画素領域90.1が散乱光によって均一に照らされるように、光電子光源9からの光を散乱させるように構成されている。第3の層47上に第1の層3とは反対側に配置される構造化光散乱配置44は、第2の画素領域90.2が散乱光によって均一に照らされるように、光電子光源9からの光を散乱させるように構成されている。
【0608】
図42とは対照的に、構造化光散乱配置44は、
図44に示すように、第1の層3に埋め込む、特に完全に埋め込むことができる。構造化光散乱配置44は、第1の画素領域90.1の中心軸45を含む断面平面において少なくともほぼ同じ長方形の形態および大きさを有する第1、第2、および第3の光散乱要素44.1、44.2、44.3を有する。
【0609】
第1の画素領域90.1全体および任意選択的に第2の画素領域90.2全体の均一照明を改善するために、第1の光散乱要素44.1における散乱粒子の粒子濃度は、第2の光散乱要素44.2における散乱粒子の粒子濃度よりも低く、第2の光散乱要素44.2における散乱粒子の粒子濃度は、第3の光散乱要素44.3における散乱粒子の粒子濃度よりも低い。
【0610】
構造化光散乱配置44が4つ以上の光散乱要素を有する場合、これらの光散乱要素における散乱粒子の粒子濃度は、各光散乱要素と光電子光源9の間の径方向の距離への依存度を増大させることができる。したがって、光電子光源9に近い光散乱要素ほど、散乱粒子の粒子濃度を、光電子光源9から径方向にさらに離れている光散乱要素よりも減少させることができる。
【0611】
構造化光散乱配置44、および、これと共に、すべての3つの光散乱要素44.1、44.2、44.3は、
図44に示すように、少なくとも第1の層とほぼ同じ高さを有する。したがって、光散乱要素44.1、44.2、44.3は、光散乱要素44.1、44.2、44.3の各上面が第1の層の上面3.1と同じ平面内に配置され、光散乱要素44.1、44.2、44.3の各底面が第1の層3の底面3.3と同じ平面内に配置されるように、第1の層3に埋め込まれている。
【0612】
図44とは対照的に、
図45に示す構造化光散乱配置44は、散乱粒子の粒子濃度が少なくともほぼ同じである、第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3を有する。しかし、第1の画素領域90.1の中心軸45を含む断面平面内の第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3の形態および大きさは、異なる。第1の光散乱要素の断面積は、第2の光散乱要素の断面積よりも小さく、第2の光散乱要素の断面積は、第3の光散乱要素の断面積よりも小さい。断面積は、第1の画素領域の中心軸を含む同じ断面平面内にある。
【0613】
図45に示すように、第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3の高さは、
図44の実施形態について示したように少なくともほぼ同じである。第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3の断面積の厚さは、異なり、各光散乱要素と光電子光源9の間の径方向の距離とともに増加する。
【0614】
図45とは対照的に、
図46は、第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3の厚さが、
図44の実施形態について示したように少なくともほぼ同じである、実施形態を示す。第1の光散乱要素44.1、第2の光散乱要素44.2、および第3の光散乱要素44.3の断面積の高さは、異なり、各光散乱要素と光電子光源9の間の径方向の距離とともに増加する。
【0615】
図47Aおよび
図47Bは、複数の画素90を有するレイヤスタックを有する光電子デバイスの一実施形態を示す。同図には、例示的に、複数の画素のうちの1つのみが示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。この実施形態によれば、第1の層3は、レイヤスタックの唯一の層であるが、その一方で、レイヤスタックは、さらなる層を有することもできる。光電子光源の上面9.1上には第1の反射層42が配置され、光電子光源の底面9.3上には第2の反射層43が配置されている。上面9.1は、レイヤスタック39の上面39.3の方を向き、底面9.3は、上面39.3から離れた方を向いている。第1の反射層および第2の反射層は、光電子光源から放出された光を好適な方法で導くことができる。
図47Bに示すように、光電子光源から放出された光は、光電子光源がその側面から径方向に光を放出するように導かれる。
【0616】
当該画素は、レイヤスタックの上面39.3上の第1の画素領域90.1と、光電子光源9からの光を散乱させて第1の画素領域90.1を均一に照らすための構造化光散乱配置44と、をさらに有する。
【0617】
構造化光散乱配置44は、同図に示すように、レイヤスタック39内で第1の層3の上に配置される。構造化光散乱配置44は、特に、レイヤスタックの層内に、第1の層3と第1の画素領域90.1との間に配置される、エレクトロウェッティングデバイスを有する。
【0618】
このエレクトロウェッティングデバイスは、第1の電極48、特に、少なくとも部分的に透明な電極と、第2の電極49、特に、少なくとも部分的に透明な電極と、を有する。第1の電極と第2の電極の間には、光散乱粒子を構成する複数のオイル被覆液滴50が配置されている。複数のオイル被覆液滴は、第1の媒体51に埋め込まれている。第1の媒体は、特に、空気または任意の流体を含むまたはから成ることができる。
【0619】
2つの電極48、49間に電圧が印加されると、エレクトロウェッティングデバイスは、第1の画素領域90.1が散乱光によって均一に照らされるように光電子光源9から放出される光を散乱させるために、光散乱粒子のフィルムを形成することができる。
【0620】
次に
図48Aおよび48Bを参照すると、構造化光散乱配置44は、第1の画素領域90.1の全長および全幅にわたって第1の層3と第1の画素領域90.1との間に延在する第1のキャビティ51を有する。したがって、第1のキャビティ51は、第1の画素領域90.1の下方に配置され、第1の画素領域90.1の全長および全幅にわたって延在する。同図によれば、第1のキャビティ51は、第1の層3をレイヤスタック39のさらなる層53から分離するスペーサ52によって形成される。
【0621】
光電子デバイスは、第1の流体55を第1のキャビティ51に選択的に送り出すかまたは第1のキャビティ51を空にするための第1の流体ポンプ54およびリザーバ56をさらに有する。第1の流体55は、光散乱粒子を含む。したがって、第1のキャビティ51が第1の流体で満たされると、
図49に示すように、光電子光源9から放出される光は、第1の画素領域90.1が散乱光によって均一に照らされるように、第1の流体55によって散乱されることができる。
【0622】
構造化光散乱配置44は、
図50に示すように、一連の相互接続された流体流路57をさらに有することができる。この相互接続された流体流路は、複数の画素の第1の画素領域90.1の下方の、レイヤスタック39のさらなる層53内において、第1の画素領域90.1の長さ方向および幅方向に沿って、延在する。上から見ると、流体流路57は、隣接する第1の画素領域90.1を互いに分離する格子状構造の境界領域の背後に配置することができる。
【0623】
少なくともこの実施形態によれば、光電子デバイスは、第2の流体58を流体流路57に選択的に送り出すかまたは流体流路57を空にするための第2の流体ポンプをさらに有し、第2の流体は、光吸収粒子、特に黒色粒子を含む。したがって、流体流路57が第2の流体で満たされると、
図50に示すように、光電子光源9から放出された光は、第2の流体によって吸収され、その結果、第1の画素領域90.1の定義されたおよび/または鋭いエッジが生成される。
【0624】
図51は、複数の画素を有するレイヤスタック39を有する光電子デバイスの一実施形態を示す。同図には、例示的に、複数の画素のうちの1つのみが示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。レイヤスタック39は、第2の層46および第3の層47をさらに有する。第1の層3は、第2の層46と第3の層47の間に配置されている。光電子光源の上面9.1上には第1の反射層42が配置され、光電子光源の底面9.3上には第2の反射層43が配置されている。上面9.1は、レイヤスタック39の上面39.3の方を向き、底面9.3は、上面39.3から離れた方を向いている。第1の反射層および第2の反射層は、光電子光源から放出された光を好適な方法で導くことができる。
図51に示すように、光電子光源から放出された光は、光電子光源がその側面から径方向に光を放出するように導かれる。
【0625】
当該画素は、レイヤスタック39の上面39.3上の第1の画素領域90.1と、光電子光源9から放出される光を散乱させて第1の画素領域90.1を均一に照らすための光散乱配置44と、をさらに有する。光散乱配置44は、光電子光源9を周方向に囲む、第1の層の第1の部分3.4を形成している。
【0626】
光散乱配置44の外表面44.0は、第1の画素領域90.1に垂直なビューで見ると、第1の画素領域90.1の外縁にアライメントされている。
【0627】
第1の層3の第2の部分3.5は、第1の層3の第1の部分3.4を周方向に取り囲んでおり、第1の部分3.4の屈折率は、第2の部分3.5の屈折率と異なっている(特に、第2の部分3.5の屈折率よりも大きい)。したがって、光電子光源9から放出された光は、第1の層3の第1の部分3.4を通過して第1の層3の第2の部分3.5に入射する際に全反射によって反射される。したがって、光散乱配置44は、第1の層3の第1の部分3.4と第2の部分3.5との境界58で光を反射し、第1の画素領域90.1が散乱光によって均一に照らされるように光を散乱させるように構成することができる。
【0628】
図41に加えて、レイヤスタック39は、
図52に示すように、導光層59をさらに有することができる。導光層59は、第1の層3上に第1の画素領域90.1とは反対側に配置されている。したがって、第1の層3は、第1の画素領域90.1と導光層59の間に配置されている。導光層59の屈折率は、光電子光源9から放出された光の導光層59での全反射を達成するために、レイヤスタック39の他の層の屈折率よりも高くすることができる。光散乱配置における光散乱粒子は、導光層59内を伝搬する光を散乱させることができる。これにより、第1の画素領域90.1の照明を改善することができる。
【0629】
レイヤスタック39は、第1の層3上に導光層59とは反対側に配置された散乱層60を有する。散乱層60は、第1の画素領域を均一に照らすために、光散乱粒子を有することができる。光散乱層60は、第1の層3の第1の部分を有する単一の層を形成することができる。
【0630】
図53は、複数の画素を有するレイヤスタック39を有する光電子デバイスの一実施形態を示す。同図には、例示的に、複数の画素のうちの1つのみが示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。レイヤスタック39は、第2の層46および第3の層47をさらに有する。第1の層3は、第2の層46と第3の層47の間に配置されている。光電子光源の上面9.1上には第1の反射層42が配置され、光電子光源の底面9.3上には第2の反射層43が配置されている。上面9.1は、レイヤスタック39の上面39.3の方を向き、底面9.3は、上面39.3から離れた方を向いている。第1の反射層および第2の反射層は、光電子光源から放出された光を好適な方法で導くことができる。
図53に示すように、光電子光源から放出された光は、光電子光源がその側面を通って半径方向に光を放出するように導かれる。
【0631】
当該画素は、レイヤスタック39の上面39.3上の第1の画素領域90.1と、第1の層3上に第1の画素領域90.1とは反対側に配置された導光層59と、を有する。したがって、第1の層3は、第1の画素領域90.1と導光層59の間に配置されている。導光層59の屈折率は、光電子光源9から放出された光の導光層59での全反射を達成するために、レイヤスタックの他の層の屈折率よりも高い。
【0632】
レイヤスタック39、特に、第2の層46は、第1の層3の上方に導光層とは反対側に配置された散乱層60をさらに有する。散乱層60は、第1の画素領域を均一に照らすために光散乱粒子を有する。また、散乱層60の下方の界面からの反射光または全反射光も、散乱層60によって散乱されることができる。これは、第1の画素領域90.1の均一な照明を得るのに役立つ。
【0633】
図54は、複数の画素を有するレイヤスタック39を有する光電子デバイスの一実施形態を示す。同図には、例示的に、複数の画素のうちの1つのみが示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。レイヤスタック39は、第2の層46および第3の層47をさらに有する。第1の層3は、第2の層46と第3の層47の間に配置されている。光電子光源の上面9.1上には第1の反射層42が配置されている。この第1の反射層は、光電子光源から放出された光を好適な方法で導くことができる。
図54に示すように、光電子光源9から放出された光は、光電子光源が、その側面から径方向に、かつ、その底面から垂直方向に光を放出するように導かれる。
【0634】
当該画素は、レイヤスタック39の上面39.3上の第1の画素領域90.1と、第1の層3上に第1の画素領域90.1とは反対側に配置された導光層59と、を有する。したがって、第1の層3は、第1の画素領域90.1と導光層59の間に配置されている。導光層59の屈折率は、光電子光源9から放出された光の導光層59での全反射を達成するために、レイヤスタックの他の層の屈折率よりも高い。
【0635】
レイヤスタック39は、導光層59上に第1の層3とは反対側に配置された散乱層60を有する。散乱層60は、レイヤスタック39の底面39.4上の第2の画素領域90.2を均一に照らすために光散乱粒子を含む。散乱層60は、非常に薄くすることができる。散乱層60の厚さは、特に、1つの光散乱粒子の直径と少なくともほぼ同じであることができる。
【0636】
光電子光源9からの光は、導光層59に結合され、また、導光層59上に配置された散乱層60によって導光層59から分離されることができる。したがって、散乱層60は、第2の画素領域90.2が均一に照らされるように光電子光源から放出された光を散乱させるように構成することができる。
【0637】
図55は、複数の画素を有するレイヤスタック39を有する光電子デバイスの一実施形態を示す。同図には、例示的に、複数の画素のうちの1つのみが示されている。この画素は、レイヤスタック39の第1の層3に埋め込まれた光電子光源9を有する。この画素は、レイヤスタック39の上面39.3上の第1画素領域90.1と、第1の層3上に第1の画素領域90.1とは反対側に配置された導光層59と、をさらに有する。導光層59の屈折率は、光電子光源9から放出された光の導光層59での全反射を達成するために、レイヤスタック39の他の層の屈折率よりも高い。
【0638】
当該画素は、光電子光源9からの光を反射して第1の画素領域90.1を均一に照らすための第3の反射層61を有する。第3の反射層61は、光電子光源9が位置する第1の層3に開口部62を形成している。第1の層3は、曲面3.2、特に、光電子光源9に対向する、開口部の表面を有する。曲面3.2は、光電子光源9から放出された光が、実質的に径方向に、第1の画素領域90.1に向かって、特に第1の画素領域90.1が均一に照らされるように、反射されるように形成されている。
【0639】
図56は、第1の層3を有する光電子デバイス1を概略的に示す。この第1の層は、箔であることができ、光電子部品(例えば、光電子光源9など)のキャリアとして機能することができる。例えば、光電子光源9は、例えばミニLEDのような小型LEDであることができる。光電子光源9は、底面に両方の電気接点を有するフリップチップであることができる。導体経路11は、第1の層3上に配置することができる。光電子光源9の底面側の電気接点は、導体経路11の接点上に直接配置することができる。このような配置は、以下の説明において「チップ・ラスト(chip last)」と呼ばれ得る、なぜなら、導体経路11が第1の層上に配置された後に光電子光源9が導体経路11上に配置されるからである。
【0640】
図57に示すように、光電子光源9は上下逆さまになって、導体経路11は、第1の層3から、光電子光源9の底面にあって光電子光源9を囲む電気コンタクトパッドまで延びている。導体経路11は、光電子光源9に電気を供給するのに使用される。光電子光源9は、グルーフィレットを形成する少なくとも部分的に透明な接着剤を使用して第1の層に固定される。このような配置は、以下の説明において「チップ・ファースト(chip first)」と呼ばれ得る、なぜなら、導体経路11が第1の層3および光電子光源9上に配置される前に光電子光源9が第1の層上に配置されるからである。
【0641】
図56および
図57の光電子光源9は、例えば、体積発光体または面発光体であることができる。体積発光体は、底部側の反対側にある、当該発光体の上面9.1と、当該発光体の側面と、底部側に配置されたコンタクトパッド間にある、当該発光体の底面とにおいて、光を放出することができる。面発光体は、上面9.1において光を放出することができる。
図56および
図57中の小さな矢印で示すように、体積発光体は、好ましくは、光電子光源9として使用される。導体経路11は、光電子光源9から放出された光を少なくとも部分的に所望の方向に導くための反射体として機能することができる。
【0642】
次に
図58を参照すると、第1の層3、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層上に配置された複数の光電子光源9を有する光電子デバイス1が示されている。例示的に、第1の層3上に配置された導体経路11上に配置された、1つの光電子光源9のみが示されている。したがって、光電子光源は、「チップ・ラスト」に従って配置される。しかし、本発明によれば、第1の層3上に配置された導体経路11上に複数の光電子光源9が配置され、導体経路11および光電子光源9を有する第1の層3がキャリア層とカバー層(図示せず)の間に配置されることに留意されたい。
【0643】
第1の層3は、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成り、複数の光電子光源の各光電子光源9は、対応する光源9によって放出された光を変換して、変換光、または、少なくとも部分的に変換された光を放出する、個々の光変換器91を有する。各光電子光源の光変換器91は、第1の層3および対応する光電子光源9上に配置され、光電子光源9を囲む液滴を形成する。光変換器は、光電子光源から放出された光を変換するための変換粒子を含む。
【0644】
隣接する光電子光源9の間には、異なる光源の光変換器91が互いに分離されるよう、光変換器91が配置されていない。換言すれば、光変換器91は、離間しており、互いに接触していない。
【0645】
図59は、
図57に示す光電子デバイスに加えて、グルーフィレットを形成する接着剤内に変換粒子を有し、したがって、グルーフィレットを形成する接着剤が光変換器91を形成している、光電子デバイス1を示す。特に体積発光LEDの形態の、光電子光源からの光は、光変換器を通過し、または、導体経路11によって反射された後に光変換器を通過して、変換される。それぞれ、光変換器91は、第1の層3と光電子光源9の間の接続部品を形成する。
【0646】
次に
図60を参照すると、光電子デバイスは、「チップ・ファースト」配置によるものである。光変換器91は、第1の層3上に光電子光源とは反対側に接着されまたは直接印刷され、かつ、光電子光源の上面9.1に対向する、プレートレットとして形成されている。プレートレットは、光変換粒子を含む、例えば、ガラスまたはシリコンのようなマトリックス材料を含むまたはから成ることができる。
【0647】
第1の層3と光変換器91の間の接触領域は、光電子光源から放出された光の光変換器91への結合を改善するために、例えば、レーザ光によって、粗面化することができる。しかし、光電子光源から放出された光を変換器に結合するための、先行技術から知られている任意の技術または材料、例えば、第1の層3と光変換器91の間に配置された散乱粒子など、を使用することができる。
【0648】
図60の小さな矢印で示すように、変換されたまたは少なくとも部分的に変換された光は、光変換器の上面から、光電子光源の上面9.1に垂直な方向および光変換器の側面に垂直な方向に、結合することができる。
【0649】
光変換器91から出て結合される光の指向性放射のために、
図61に示すように、遮光体92が、光変換器91の周囲に周方向に延在し、特に、第1の層3上に遮光構造を形成している。換言すれば、光変換器91は、特に、光電子光源9の上面9.1に垂直なビューで見たとき、遮光体92に囲まれている。遮光体92は、例えば、黒色光遮断粒子を含み、光電子デバイスからの光を、好ましくは、
図61の小さな矢印で示す光電子光源9の上面9.1に垂直な方向に結合するために、光電子光源9から放出された光を所望の領域において遮断することができる。
【0650】
遮光体92の幅、特に、光変換器91を囲む周方向の幅は、好ましい実施形態において、特に、人間の目に見えないように、小さい。遮光体92の幅は、特に、第1の層3の厚さに依存することができ、第1の層の厚さは、特に、光電子光源の上面9.1に垂直な方向の厚さである。遮光体92の幅および遮光体の材料は、特に、遮光体を通る光の透過率が10%未満、特に5%未満になるように選択することができる。
【0651】
次に
図62を参照すると、
図60の、特にプレートレットとして形成された、光変換器は、第1の層3上に光電子光源と同じ側で光電子光源9の上面9.1に対向して接着または直接印刷されている。光電子光源9は、
図57に示す「チップ・ファースト」配置に従って、光変換器上に接着されている。
【0652】
図63および
図64は、
図60および
図62の光電子デバイスの変形例を示す。光変換器91は、
図63および
図64によれば、第1の層に埋め込まれており、特に、光変換器の外表面と第1の層の外表面とが同一平面内に配置されるように第1の層に完全に埋め込まれている。しかし、光変換器は、第1の層から突出することも、第1の層内に後退させることもできる。
【0653】
図63に示すように、光変換器91は、第1の層3に、対応する光電子光源9とは反対側に埋め込まれ、対応する光電子光源9の上面9.1に対向している。一方で、
図64に示すように、光変換器91は、第1の層3に、対応する光電子光源9が配置されているのと同じ側に埋め込まれている。
【0654】
光変換器91は、例えば、第1の層を「ホットエンボス加工」し、光変換器を第1の層に押し込むことによって、または、結果として生じるキャビティ51に光変換器91を充填することによって、第1の層に埋め込むことができる。これは、例えば、光変換器91を第1の層3上に接着することと比較して、第1の層3のトポロジーを低減するために好都合であることができる。
【0655】
例えば、
図65A~
図65Cには、このような工程が示されている。
図65Aに示すように、例えば、「ホットエンボス加工」工程によって第1の層にキャビティ51を形成する。
図65Bに示すように、キャビティ51に、変換粒子を含む接着剤を充填し、その後、
図65Cに示すように、光変換器91だけでなく光電子光源9も第1の層3に埋め込まれるように、光電子光源9をキャビティ51に押し込む。光電子光源をキャビティ51に押し込んでいる間、光変換器は、少なくとも部分的に液体状態にあるが、光電子光源が所望の位置に配置された後に硬化する。光電子光源をキャビティ51に押し込むことにより、光変換器91は、光電子光源から放出された光が光変換器91によって変換されるように、光電子光源を取り囲む。
【0656】
図66は、オートバイVに搭載された光電子デバイス1を示す。光電子デバイスは、ウインドデフレクタであり、光電子光源9を有する。光電子光源9は、第1の層3上にカバー層5と第1の層3の間に配置されている。光電子光源9は、光電子デバイスの動作中、光電子光源9がシンボルまたはインジケータを形成するように配置されている。同図には、例示的に、シンボルとして、警告の三角形が示されている。しかし、光電子光源9は、さまざまな他のシンボルまたはインジケータ、例えば、ナビゲーションシンボル、日中走行用ライト、ポジションライト、充電レベルインジケータ、速度インジケータ、または多くの状態インジケータもしくは運転情報など、を形成することができる。
【0657】
このようなさまざまなシンボルまたはインジケータを、例示的に、
図67~
図72に示す。
【0658】
図67は、例えば、光電子デバイスのユーザ、特に、光電子デバイスを有する車両のユーザに見えるナビゲーション矢印であってユーザを所望の場所に案内するためのものを示す。しかし、光電子光源9の配置は、右への矢印を表示することに限定されず、時間とともに変化し、例えば、左への矢印または垂直な矢印を表示することができる。
【0659】
追加的または代替的に、光電子光源9の配置は、
図68に示すように、警告の三角形を表示して、例えば、光電子デバイスまたは光電子デバイスを有する車両の機能的エラーに従ったエラーメッセージを示すことができる。しかし、三角形は、例えば、光電子デバイスを有する車両の運転方向内にある障害物を示すこともできる。
【0660】
図69Aは、光電子デバイス1の上面図を示し、光電子光源9の配置は、日中走行用ライトを形成している。
図69Bは、
図69Aに示す光電子デバイス1の、A-A線に沿う断面図を示す。光電子デバイス1は、第1の層上に光電子光源に対向して配置された遮光体92をさらに有する。遮光体は、第1の層上に配置され、光源から放出された光を遮断して光電子デバイスのユーザが見えなくなるのを防止する。したがって、遮光器は、第1の層上にユーザと光電子光源の間のユーザの視線L内に配置される。視線Lは、光電子デバイスを通る左から右への矢印によって示してある。換言すれば、遮光体は、第1の層上に光電子デバイスのユーザと光電子光源との間に配置されて、光電子光源から放出された光がユーザの視線Lと反対の方向に光電子デバイスから出ないようにしている。
【0661】
図69Aおよび
図69Bに示すように、遮光体および光源は、光電子デバイスの外縁全体に沿って配置されている。したがって、一方で、日中走行用ライトに対して大きな面積を提供するとともに、光電子デバイスの中心に大きな透明領域を提供して、光電子デバイスのユーザがそれの向こうを見ることを依然として可能にすることができる。
【0662】
図70によれば、光電子光源9の配置は、速度インジケータおよび/または回転インジケータを表示する。したがって、例えば、光電子デバイスを有する車両の、速度および回転数は非常に迅速に変化し得るため、当該インジケータは、時間と共に迅速に変化し得ることが望まれ得る。
【0663】
図71は、光電子光源9の配置が、例えば、光電子デバイスを有する車両の、充電レベルを表示する、光電子デバイス1を示す。
【0664】
図72は、光電子光源9の配置が、例えば、ボートの、ポジションライトを表示する、光電子デバイス1を示す。このようなユースケースの場合、光電子光源9は、体積発光体であることが望まれ得る、なぜなら、ポジションライトは、すべての方向から見えるように、すべてのコンパス方向に光を放出することが望まれ得るからである。
【0665】
次に
図73A~
図73Eを参照すると、光電子デバイス1を有する車両のさまざまな実施形態が示されている。
図73Aに示すように、車両は、例えば、オートバイであることができ、
図73Bに示すように、車両は、水上船、特に、ボートであることができ、
図73Cに示すように、車両は、3輪オートバイであることができ、
図73Dに示すように、車両は、クワッドであることができ、
図73Eに示すように、車両は、例えば、フォーミュラワンレースカーのようなオープントップレースカーであることができる。
【0666】
図74は、熱伝導層93および光電子光源9の上面図を示す。熱伝導層93は、レイヤスタック39の第1の層3とカバー層5との間に配置され、当該レイヤスタックは、キャリア層7、カバー層5、および第1の層3を有する。第1の層3は、特に、カバー層5とキャリア層7の間に配置された中間層である。光電子光源9は、第1の層3上に配置されている。「上に配置されている(is arranged on)」という定式化は、この実施形態において、熱伝導層93が第1の層と光電子光源との間に配置されることができ、また、それぞれ配置されていることを意味する。同図によれば、熱伝導層93は、2つの電線路94.1、94.2を有し、各電線路は、光電子光源9のコンタクトパッドに接続されている。電線路94.1、94.2は、少なくとも1つの光電子光源9に電気エネルギーを供給するだけでなく、少なくとも1つの光電子光源9から発生した熱を、当該少なくとも1つの光電子光源9から離れたところに輸送するように構成することができる。電線路94.1、94.2の幅は、光電子光源9の幅の少なくとも半分であるが、少なくとも1つの光電子光源9の十分な冷却を確実にするために大きくすることができる。
【0667】
電線路94.1、94.2は、例えば、金属などの、電気伝導性および熱伝導性が良好な材料で作られていることができる。通常は光を反射する金属の可視性を低下させるために、少なくとも1つの熱伝導層は、コーティング、特に、薄い銅、パラジウム、またはモリブデンコーティングを有することができる。
【0668】
図75は、他の熱伝導層93および光電子光源9の上面図を示す。
図74に示す熱伝導層93とは対照的に、この熱伝導層93は、第1の複数の電線路94.1および第2の複数の電線路94.2を有し、第1の複数の電線路94.1は、光電子光源9の第1のコンタクトパッドに接続され、第2の複数の電線路94.2は、光電子光源9の第2のコンタクトパッドに接続されている。ここでは、例示的に、各々5つの電線路が、第1の複数の電線路および第2の複数の電線路を示している。第1の複数の電線路94.1と第2の複数の電線路94.2とは、少なくとも電線路のセクションにおいて互いに平行に延在している。電線路は、特に、光電子光源の幅と比較して細くなっている。ここでは、電線路は、50μm未満の幅を有することができる。
【0669】
図76Aおよび
図76Bは、各々、熱伝導層93および光電子光源9の熱シミュレーションの上面図を示す。
図76Aにおける熱伝導層93は、2つの電線路94.1、94.2を有し、各電線路が光電子光源9のコンタクトパッドに接続されており、一方で、
図76Bにおける熱伝導層93は、第1の複数の電線路94.1および第2の複数の電線路94.2を有する。第1の複数の電線路94.1は、光電子光源9の第1のコンタクトパッドに接続され、第2の複数の電線路94.2は、光電子光源9の第2のコンタクトパッドに接続されている。ここでは、例示的に、各々3つの電線が、第1の複数の電線路および第2の複数の電線路を示している。電線路の厚さは、
図76Aおよび
図76Bに示す熱伝導層93の電線路すべてに対して同様である。熱シミュレーションの結果として、光電子デバイスが動作中であり、したがって、光電子光源がオンされているときの、光電子デバイス内の温度分布が示され、異なるハッチングの領域T1~T5によって提示されている。これら2つの図から、光電子デバイスにおける最高温度は、
図76Aの場合よりも
図76Bの場合のほうが、特に3.4℃、低くなっていることが分かる。
図74Aの光電子デバイスにおける最高温度は、30.7℃(領域T1を参照)であるのに対し、
図76Bの光電子デバイスにおける最高温度は、27.3℃(領域T1を参照)である。これに加えて、
図76Bの光電子デバイスにおける温度分布は、
図76Aの光電子デバイスにおける温度分布よりも広い範囲にわたっている。これは、特に、領域T2および領域T3が
図76Bよりも
図76Aのほうで大きいことから分かる。これは、熱伝導層93の2つの異なる設計から生じる、なぜなら、光電子光源に接続された電線路が多いほど、光電子光源9から発生した熱が光電子光源から離れたところにより良く輸送されるからである。
【0670】
図77は、他の熱伝導層93および光電子光源9の上面図を示す。
図75に示す熱伝導層93とは対照的に、この熱伝導層93は、ブラインド導電路94.3を有する。このブラインド導電路は、光電子光源9または電源のいずれにも接続されていない自由端を有する。ブラインド導電路94.3は、光電子光源9から発生した熱を光電子光源から離れたところに輸送するためのヒートスプレッダとして機能することができる。
【0671】
図77に示すように、複数のブラインド導電路94.3が、第1の複数の電線路94.1および第2の複数の電線路94.2の外側の各電線路に接続されている。ブラインド導通路94.3は、特に、第1の複数の電線路94.1と第2の電線路94.2とが互いに平行に延在する方向とは異なる方向に延びている。同図に示す実施形態において、複数のブラインド導電路94.3と組み合わされた電線路94.1、94.2は、ヘリンボーン模様に似たパターンを形成する。ブラインド導電路94.3は、例えば、光電子光源9から発生した熱を光電子光源から離れたところに輸送するためのヒートスプレッダとして機能することができる。
【0672】
図78は、熱伝導層93を上から見た顕微鏡画像を模式的に示す。熱伝導層93は、熱伝導性メッシュを含む。当該メッシュは、ノット(knot)およびノット間の相互接続部(interconnect)を有し、好ましくは、相互接続部の少なくとも大部分は、中断されていない。当該メッシュは、規則的または不規則なパターンを有することができ、
図78には不規則なパターンが示されている。不規則なパターンは、熱伝導層の透明性を増加させることができる、なぜなら、不規則なパターンは、人間の目で知覚するのがより困難になり得るからである。
【0673】
図79Aおよび
図79Bは、各々、熱伝導層93および光電子光源9の熱シミュレーションの上面図を示す。
図79Aにおける熱伝導層93は、2つの電線路94.1、94.2を有し、各電線路は、光電子光源9のコンタクトパッドに接続されている。
図79Bにおける熱伝導層93は、ブラインド導電路94.3をさらに有するか、または、熱伝導層93が、当該熱伝導層93が配置される第1の層3の表面積の少なくとも約5~20%を覆うように、規則的または不規則なメッシュ(図示せず)でできている。熱シミュレーションの結果として、光電子デバイスが動作中であり、したがって、光電子光源がオンされているときの、光電子デバイス内の温度分布が示され、異なるハッチングの領域T1~T5によって提示されている。これら2つの図から、光電子デバイスにおける最高温度は、
図79Aの場合よりも
図79Bの場合のほうが、特に1.8℃、低くなっていることが分かる。
図79Aの光電子デバイスにおける最高温度は、30.7℃(領域T1を参照)であるのに対し、
図79Bの光電子デバイスにおける最高温度は、29.1℃(領域T1を参照)である。これは、熱伝導層93の2つの異なる設計から生じる、なぜなら、熱伝導層93で覆われる、第1の層の表面積が大きいほど、光電子光源9から発生した熱が光電子光源から離れたところにより良く輸送されるからである。
【0674】
図80は、光電子デバイス1の断面図を示す。光電子デバイス1は、キャリア層7、カバー層5、および第1の層3を含む、レイヤスタック39を有する。第1の層3は、カバー層5とキャリア層7の間に配置された中間層である。レイヤスタック39は、第1の層3とカバー層5の間に配置された第1の補助層95.1と、第1の層3とキャリア層7の間に配置された第2の補助層95.2と、をさらに含む。第1の層3上には、少なくとも1つの光電子光源9が配置されている。図示の実施形態において、第1の層3上には、例示的に、1つの光電子光源9のみが配置されている。第1の熱伝導層93.1は、光電子光源9と第1の層3との間に、特に、第1の層3の、光電子光源9と同じ側に、配置されている。第1の熱伝導層93.1は、2つの電線路を有し、各電線路は、光電子光源9の各コンタクトパッドに接続されている。第1の熱伝導層93.1は、特に、光電子光源9から発生した熱を光電子光源9から離れたところに輸送するとともに、光電子光源9に電気エネルギーを供給するように構成されている。
【0675】
図80に示す光電子デバイス1は、第1の層3上に光電子光源9とは反対側に配置された第2の熱伝導層93.2をさらに有する。第2の熱伝導層93.2は、特に、光電子光源9から発生した熱を光電子光源9から離れたところに輸送するように構成されているが、光電子光源9には電気的に接続されていない。
【0676】
図81~
図83は、光電子デバイス1のさらなる実施形態の断面図を示す。
図80に示す光電子デバイス1とは対照的に、光電子デバイス1は、特定の熱伝導層93を有しておらず、光電子光源9を電気的に接続するための電線路(図示せず)を有する。前の図に加えて、同図には、光電子光源の主発光方向Eが示されている。
【0677】
図81の光電子デバイス1は、第1の層3内に配置された、熱伝導率が高い粒子96をさらに有する。
図82に示す光電子デバイス1は、第1の補助層95.1および第2の補助層95.2内に配置されているが、第1の層3内には配置されていない、熱伝導率が高い粒子96を有する。そして、
図83に示す光電子デバイス1は、第1の補助層95.1および第2の補助層95.2内、ならびに第1の層3内に配置された、熱伝導率が高い粒子96を有する。
【0678】
粒子96および特に粒子96を含む層は、光電子光源9から発生した熱を光電子光源9から運び去るように構成することができる。粒子96の密度および材料は、特に、一方では、十分な熱が光電子光源9から運び去られ、他方では、第1および第2の補助層95.1、95.2ならびに/または第1の層3の所望の透明性が維持されるように選択される。
【0679】
図84は、光電子デバイス1のさらなる実施形態の断面図を示す。
図82に示す光電子デバイス1に加えて、この光電子デバイス1は、カバー層5と第1の補助層95.1の間に配置された第1の熱伝導層93.1と、キャリア層7と第2の補助層95.2の間に配置された第2の熱伝導層93.2と、をさらに有する。第1の熱伝導層93.1および第2の熱伝導層93.2は、特に、光電子光源9から発生した熱を光電子光源9から運び去るように構成されているが、光電子光源9には電気的に接続されていない。特に、光電子光源9から発生した熱は、熱伝導率の高い粒子96を有する第1の補助層95.1および第2の補助層95.2を通って第1の熱伝導層93.1および第2の熱伝導層93.2に伝播し、したがって、光電子光源9から運び去られる。
【0680】
図85に示す光電子デバイス1の第2の補助層95.2は、
図82に示す光電子デバイスとは対照的に、着色されている。これは、有利であることができる、なぜなら、光電子デバイス1を通して見るときに、熱伝導率が高い粒子96、および、光電子光源9を電気的に接続するための電線路(図示せず)が、人間の目に見えにくくなるからである。しかし、例えば、太陽Sの光のように、外部から光電子デバイス1に入る光は、着色された第2の補助層95.2によって吸収されるため、光電子デバイスをさらに加熱し、特に、着色された層を加熱することがある。
【0681】
したがって、
図86に示すように、光電子デバイス1は、第1の層3と光電子光源9の間に配置された反射層97をさらに有する。したがって、反射層97は、光電子光源と着色された第2の補助層95.2との間に配置されており、光電子光源9の主発光方向E内に特に配置されていない。反射層97は、紫外線スペクトルUの光を反射するように構成されているが、可視スペクトルVの光を透過する。したがって、着色された第2の補助層95.2は、外部から光電子デバイス1に入射する紫外線スペクトルUの光によって加熱されることはない。
【0682】
これに加えて、光電子デバイス1は、カバー層5と第1の補助層95.1の間に配置された第1の熱伝導層93.1と、キャリア層7と第2の補助層95.2の間に配置された第2の熱伝導層93.2と、をさらに有することができる(
図87を参照)。第1の熱伝導層93.1および第2の熱伝導層93.2は、特に、光電子光源9から発生した熱を光電子光源9から運び去るように構成されているが、光電子光源9には電気的に接続されていない。特に、光電子光源9から発生した熱は、熱伝導率の高い粒子96を有する第1の補助層95.1および第2の補助層95.2を通って第1の熱伝導層93.1および第2の熱伝導層93.2に伝播し、したがって、光電子光源9から運び去られる。第1の熱伝導層93.1および第2の熱伝導層93.2は、特に、コーティング、特に、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、またはインジウムスズ酸化物(ITO)コーティングである。
【0683】
図88Aは、光電子デバイス1の上面図および断面図を示す。この光電子デバイスは、第1の層3上に複数の光電子光源9を有する。光電子光源9は、第1の層3上にマトリクス状に配置されており、各々3つの光電子光源9.r、9.g、9.bが1つの画素を形成している。ここでは、光電子光源は、いわゆる「RGB画素」を形成しており、3つの光電子光源のうちの各々1つは、赤色、緑色、および青色のうちの1つの色の光を放出することができる。しかし、光電子光源9は、例えば、規則的もしくは不規則なパターンで、または、あらゆる種類のシンボルもしくはインジケータを形成するように、任意の他の方法で配置することができる。
【0684】
少なくとも1つおよび好ましくはすべての光電子光源9は、光電子光源9の上方に配置された光変換器91を有する。各光変換器は、例えば、対応する光電子光源から放出された第1の波長の光を第2の波長の光に変換するように構成することができ、第1の波長は、第2の波長と異なり、特に、第1の波長は、第2の波長よりも小さい。異なる光変換器を使用することによって、光電子光源は、例えば、赤色、緑色、および青色のようなさまざまな色の光を放出して、RGB画素を形成することができる。
【0685】
光電子デバイス1は、光電子光源9の上方に第1の層3とは反対側に配置された第2の層98をさらに有する。ここでは、第2の層98は、光電子デバイス1のカバー層5に相関する。第2の層は、複数の光散乱構造99を有する。各光散乱構造99は、1つの光電子光源に対応付けられ、対応する光電子光源の動作パラメータに応じて個別に設計される。ここでは、複数の光電子光源9の、1つの光電子光源9.0以外の光電子光源はすべて、光散乱構造99に対応付けられている。光電子光源9.0は、特に、光電子光源がオンされたときに、複数の光電子光源9のうちの最も暗い光電子光源である。
【0686】
いくつかの実施形態において、最も暗い光電子光源および最も明るい光電子光源を考慮することができる。最も暗い光電子光源と最も明るい光電子光源との輝度の差は、最も明るい光電子光源から最も暗い光電子光源への輝度の変化が達成可能であるかどうかの指標となり得る。
【0687】
いくつかの実施形態において、光電子光源9.0は、例えば、特定の色値を有する緑色光を提供する、選択された光電子光源である。その後、他の緑色光電子光源9.gの光散乱構造は、その色値が、選択された光電子光源9.0によって提供される特定の色値に関して所望の範囲内にあるそれぞれの色値に変更されるように構成することができる。
【0688】
光散乱構造99は、第2の層98内に配置され、特に、第2の層98に完全に埋め込まれている。第2の層98は、特に、固体層であり、光散乱構造99は、この固体層内で浮遊している。光散乱構造99は、個別に設計され、特に、レーザ光の使用によって第2の層内で個別に生成される。レーザビームは、第2の層に書き込み、散乱中心を形成し、したがって、光散乱構造を形成する。得られた光散乱構造は、第2の層内に同一平面上に配置されるが、互いに離間されている。
【0689】
光散乱構造99を使用することによって、光電子デバイスから放出される、各光電子光源(しかし、最も暗い光電子光源ではない)からの光の輝度を低減して、光電子デバイスの均一性を増大させることができる。
【0690】
図88Bは、他の光電子デバイス1の上面図および断面図を示す。
図88Bにおける光電子デバイスは、
図88Aにおける光電子デバイスと比較して、第1の層3上にマトリクス状に配置された光電子光源9を有し、各々2つの光電子光源9.b、9.yが1つの画素を形成している。ここでは、光電子光源は、白色光を放出するように構成された画素を形成している。したがって、2つの光電子光源のうちの各々1つは、混ざり合って白色光を生じる、青色および黄色のうちの1つの光を放出することができる。
【0691】
同図に示すように、複数の光電子光源9の第1の部分は、マトリクス状に配置されているが、その一方で、複数の光電子光源9の第2の部分は、不規則なパターンで配置されている。
【0692】
図89は、光電子デバイス1の製造方法の工程を示す。第1の工程S1において、第1の層3と第2の層98の間に配置された複数の光電子光源9を提供し、各光電子光源に対する動作パラメータの値を決定する。したがって、光電子デバイス1をオンして、複数の光電子光源を発光させる。光電子デバイス1がオンされている間、カメラCを使用して、光電子デバイス、特に、光電子デバイスのトップビューを撮影する。撮影した画像に基づいて、各光電子光源に対する動作パラメータの値を決定する。ここでは、動作パラメータは、例えば、各光電子光源から放出される光の輝度である。
【0693】
次の工程S2において、所定の基準を満たす動作パラメータの値を有する光電子光源を特定する。ここでは、最も暗い光電子光源を特定する。これに加えて、複数の光散乱構造に対する個別設計を、光電子光源の輝度の決定した値に応じて計算する。但し、最も暗い光電子光源は、計算しない。光散乱構造の個別設計は、光電子光源(但し、最も暗い光電子光源ではない)に対応する光散乱構造を取得して、それらの輝度を最も暗い光電子光源の輝度に対応する値に低減するために計算される。
【0694】
第3の工程S3において、光散乱構造99の計算した個別設計を第2の層98に生成する。レーザLを使用することによって、複数の光散乱構造を第2の層98に複数の光電子光源9の上方に生成する。これにより、各光散乱構造が、光散乱構造の個別設計を計算した光電子光源に対応付けられる。
【0695】
以下、さまざまなデバイスおよび配置、ならびに製造、処理、および動作の方法について、再び、項目として列挙する。以下の項目は、提案した原理および概念のさまざまな態様および実装形態を提示し、それらは、さまざまな方法で組み合わせることができる。このような組み合わせは、以下に示すものに限定されない。
【0696】
1. 光電子デバイス、特に、例えば車両(V)用の、少なくとも半透明のペイン(1)であって、
カバー層(5)と、
キャリア層(7)と、
前記カバー層(5)と前記キャリア層(7)の間の中間層(3)と、を有し、
少なくとも1つの、好ましくは複数の光電子光源(9)、特にμLEDが、前記中間層(3)の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または前記中間層(3)に少なくとも部分的に埋め込まれており、
前記中間層(3)は、前記光電子光源(9)から放出された光(L)が、少なくとも部分的に前記中間層(3)内におよび前記中間層(3)に沿って広がり、各光電子光源(9)に対してあらかじめ設定された距離(D)以下で前記カバー層(5)および/または前記キャリア層(7)を貫通する方向に前記中間層(3)を出るように適合されている、
光電子デバイス。
【0697】
2. 前記中間層(3)内におよび前記中間層(3)に沿って広がる光は、あらかじめ設定された画角(α)内で、特に、前記中間層(3)にほぼ垂直に、前記中間層(3)を出る、
項目1に記載の光電子デバイス。
【0698】
3. 前記中間層(3)は、接着剤(12)によって、前記カバー層(5)および/もしくは前記キャリア層(7)に積層もしくは固定された箔を有し、または当該箔から成る、
項目1または2に記載の光電子デバイス。
【0699】
4. 前記中間層(3)の反射率(ni)は、前記中間層(3)に隣接する材料の反射率(nj)よりも大きい、
項目1、2、または3に記載の光電子デバイス。
【0700】
5. 前記中間層(3)の前記反射率(ni)は、前記カバー層(5)の反射率(nj)および前記キャリア層(7)の反射率(nj)または前記中間層(3)を覆う接着剤(12)の反射率(nj)よりも大きい、
項目4に記載の光電子デバイス。
【0701】
6. 光拡散および/または光取り出しのため、分散構造(13)および/または散乱構造および/または反射構造(15)が、前記中間層(3)の少なくとも1つの表面上に配置され、および/または、前記中間層(3)に少なくとも部分的に埋め込まれている、
項目1~5のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0702】
7. 前記分散または散乱構造(13)は、拡散および/または散乱中心(13a)である、
項目6に記載の光電子デバイス。
【0703】
8. 前記拡散中心(13a)の拡散濃度は、光の平均自由行程の長さが前記中間層(3)の厚さよりも大きくなるようにあらかじめ設定されている、
項目7に記載の光電子デバイス。
【0704】
9. 前記分散または散乱構造(13)は、前記中間層(3)内に透明粒子(13b)、白色粒子(13c)、穴、密度変更、または気泡として形成され、特に、放出される光の波長よりも小さい、特に、約2μm以下の、サイズを有する、
項目6、7、または8に記載の光電子デバイス。
【0705】
10. 前記分散または散乱構造(13)は、前記中間層(3)に、特に、スタンピング、印刷、および/またはレーザ光の照射によって構造化された、構造化領域として形成されている、
項目6~9のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0706】
11. 前記反射構造(15)は、各光電子光源(9)の近くに形成されている、
項目6~10のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0707】
12. 前記反射構造(15)は、前記カバー層(5)の表面および/または前記キャリア層(7)の表面に形成されている、
項目6~11のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0708】
13. 前記反射構造(15)は、前記カバー層(5)の外側および/または前記キャリア層(7)の外側に形成されている、
項目6~12のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0709】
14. 前記反射構造(15)は、ミラー(15a)および/または金属コーティング(15b)および/または誘電体コーティング(15c)である、
項目6~13のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0710】
15. 前記反射構造(15)は、前記光電子光源(9)の主表面の少なくとも1つを直接覆う、
項目6~14のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0711】
16. 前記デバイスは、前記カバー層(5)と、一方では前記中間層(3)と、他方では前記キャリア層(7)との間に、カバー層(5)および中間層(3)の1つ以上の追加の組み合わせを有する、
項目1~15のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0712】
17. 前記デバイスは、1つ以上のさらなるカバー層(5)および中間層(3)の組み合わせを有し、各組み合わせの光電子光源(9)は、選択された色、特に、赤色、緑色および青色のうちの少なくとも1つを発する、
項目16に記載の光電子デバイス。
【0713】
18. 各光電子光源(9)から放出された光(L)は、少なくとも部分的に前記中間層(3)内におよび前記中間層(3)に沿って広がり、各光電子光源(9)に対してあらかじめ設定された距離(D1、D2、D3)で前記中間層(3)を出る、ここで、各中間層(3)の内側には、特に、拡散中心(13a)、透明粒子(13b)、および/または白色粒子(13c)を有する、分散または散乱構造(13)が配置されている、
項目16または17に記載の光電子デバイス。
【0714】
19. 前記分散または散乱構造(13)は、異なる2次元インジケータ領域(17)、特に、均一なシンボル、色、および/またはアニメーションを形成する、
項目18に記載の光電子デバイス。
【0715】
20. 前記中間層(3)の前記分散構造(13)は、前記中間層(3)に沿って互い違いになっている、
項目18または19に記載の光電子デバイス。
【0716】
21. 光拡散および/または光取り出しのために、前記中間層(3)には変換材料(21)が組み込まれている、
項目1~20のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0717】
22. 前記光電子光源(9)は、300μmよりも小さく、特に、150μmよりも小さい、
項目1~21のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0718】
23. 前記光電子光源(9)は、LEDチップ、またはμLEDチップ、またはパッケージ化されたLEDチップ、またはパッケージ化されたμLEDチップである、
項目1~22のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0719】
24. 前記デバイスは、少なくとも1つの透明な材料で作られた、および/または、幅が300μmよりも小さい、特に、150μmよりも小さい、電気導体経路(11)を含む、
項目1~23のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0720】
25. 前記デバイスは、車両ウィンドウ、車両ランプのカバー、車両信号灯のカバー、ミラーガラス、または車体照明のエレメントである、
項目1~24のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0721】
26. 前記カバー層(5)および/または前記キャリア層(7)および/または前記中間層(3)は、ガラスまたは他の透明な材料、例えば、メタクリレート(PMMA)またはポリカーボネート(PC)またはポリビニルブチラール(PVB)またはポリビニルアセテート(PVA)またはポリエチレンテレフタレート(PET)で作られている、
項目1~25のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0722】
27. 特に、項目1~26のいずれか一に記載の、光電子デバイス、特に、少なくとも半透明のペイン(1)を製造する方法であって、
少なくとも1つの、好ましくは複数の光電子光源(9)、特にLEDを、中間層(3)の少なくとも1つの表面上に配置すること(S1)、および/または、前記少なくとも1つの、好ましくは前記複数の光電子光源(9)を、前記中間層(3)内に少なくとも部分的に埋め込むこと、
前記中間層(3)をカバー層(5)とキャリア層(7)の間に配置すること(S2)、
を含む、前記方法。
【0723】
28. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインであって、
第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、
前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた少なくとも1つの電子または光電子部品(9)と、
少なくとも1つの構造化導体層(11)と、を有し、
前記導体層(11)の第1の部分(11.1)は、前記第1の層(3)の上面(3.1)上に配置され、前記導体層(11)の第2の部分(11.2)は、前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)上に配置され、かつ、前記電子または光電子部品(9)の電気接点(18)と接触しており、
前記電気接点(18)、特に、コンタクトパッドは、前記上面(9.1)上に配置され、
前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)と前記第1の層(3)の隣接する前記上面(3.1)との間には境界領域(19)があり、
前記導体層(11)の中間部分(11.3)は、前記境界領域(19)を越えて延在し、前記導体層(11)の前記第1部分(11.1)と前記導体層(11)の前記第2部分(11.2)とを相互接続している、
光電子デバイス。
【0724】
29. 前記第1の層(3)、特に、前記中間層は、少なくとも部分的に透明であり、
任意選択的に、前記中間層は、前記カバー層と前記キャリア層の間に配置され、前記カバー層および前記キャリア層のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明である、
項目28項に記載の光電子デバイス。
【0725】
30. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記電子または光電子部品(9)の前記上面(9.1)が、前記第1の層(3)の前記上面(3.1)に広がる平面(20)内に配置されるように、前記第1の層(3)に完全に埋め込まれている、
項目28または29に記載の光電子デバイス。
【0726】
31. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記電子または光電子部品(9)の前記上面(9.1)が、前記第1の層(3)の前記上面(3.1)からある高さ(H)だけ突出するように、前記第1の層(3)に部分的に埋め込まれており、
好ましくは、前記高さ(H)は、前記電子または光電子部品(9)の厚さ(t)の3分の1以下である、
項目28または29に記載の光電子デバイス。
【0727】
32. 前記境界領域(19)は、前記電子または光電子部品(9)のシェル表面(9.2)と前記第1の層(3.2)の側面との間にギャップ(21)を有し、前記側面(3.2)は、前記シェル表面(9.2)に対向しており、
好ましくは、前記ギャップ(21)は、前記シェル表面(9.2)を囲んで前記電子または光電子部品(9)の周囲に周方向に延在する、
項目28~31のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0728】
33. 前記ギャップ(21)は、円錐形の断面を有する、
項目32に記載の光電子デバイス。
【0729】
34. 前記ギャップ(21)は、幅が10~15μm未満である、
項目32または33に記載の光電子デバイス。
【0730】
35. 前記ギャップ(21)は、充填材(22)で、特に、接着剤で充填されており、任意選択的に、前記第1の層(3)の前記上面(3.1)に広がる平面の上方に充填材(22)の蓄積を含む、
項目32から34のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0731】
36. 前記誘電体層(23)が、前記構造化導体層(11)と前記第1の層(3)の間、および/または、前記構造化導体層(11)と前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)との間に配置されている、
項目28~35のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0732】
37. 前記第1の層(3)は、以下の材料、
PE、PS、PVC、PP、PMMA、PET、TPU、TPI、ABS、PPA、PC、PA、PPS、PEEK、
の少なくとも1つを有する、
項目28~36のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0733】
38. 前記第1の層(3)は、導光層である、
項目28~37のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0734】
39. 前記少なくとも1つの導体層(11)は、互いの上に配置された2つ以上の構造化導体層(11a、11b)を有し、隣接する導体層(11a、11b)は、例えばポリイミド層などの少なくとも1つの分離層(24)によって互いに分離されており、
任意選択的に、各導体層は、誘電体材料(25)で充填された1つ以上の導電性ビアを含み、かつ、異なる導体層を相互接続する導体経路を含む、
項目28~38のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0735】
40. 前記第1の層(3)の、前記上面(3.1)とは反対側の表面上に、第2の層(26)、特に、第1の熱剥離フィルムまたは積層が配置され、
前記第2の層(26)上に前記第1の層(3)とは反対側にキャリア層(7)、特に、PETキャリア層が配置され、
任意選択的に、前記キャリア層(7)上に前記第2の層(26)とは反対側に第3の層(27)、特に、第2の熱剥離フィルムまたはフォトレジスト層が配置され、
任意選択的に、前記第3の層(27)上に前記キャリア層(7)とは反対側に仮キャリア層(28)が配置されている、
項目28~39のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0736】
41. 例えば、集積回路(IC)などの、電子チップ(29)が、前記構造化導体層(11)上に配置されている、
項目28~40のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0737】
42. 前記電子または光電子部品(9)は、以下の部品、
LED、μLED、フリップチップLED、薄膜フリップチップLED、ICチップ、光センサ、熱センサ、機械式センサ、これらの部品のセレクションを有するサブアセンブリ、
のうちの少なくとも1つを有する、
項目28~41のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0738】
43. 光電子デバイス、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペイン(1)を製造する方法であって、
少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を、第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層、の上面(3.1)上に配置する工程と、
前記少なくとも1つの電子または光電子部品(e)を、前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程と、
構造化された導体層(11)を配置する工程であって、前記導体層(11)の第1の部分(11.1)が、前記第1の層(3)の上面(3.1)上に配置され、前記導体層(11)の第2の部分(11.2)が、前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)上に配置され、前記導体層(11)の中間部分(11.3)が、境界領域(19)を越えて延在し、前記導体層(11)の前記第1の部分(11.1)と前記導体層(11)の前記第2の部分(11.2)とを相互接続するように、前記構造化導体層(11)を配置する工程と、を有し、
前記導体層(11)の前記第2の部分(11.2)は、前記上面(9.1)上に位置する前記電子または光電子部品(9)の電気接点(18)と接触し、
前記境界領域(19)は、前記電子または光電子部品(9)の前記上面(9.1)と前記第1の層(3)の隣接する前記上面(3.1)との間に位置する、
方法。
【0739】
44. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む前記工程は、
前記第1の層(3)を局所的に加熱すること、および、前記電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)に押し込むこと、を含む、
項目43に記載の方法。
【0740】
45. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、
前記電子または光電子部品(9)を加熱すること、および、前記電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)に押し込むこと、を含む、
項目43に記載の方法。
【0741】
46. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込む工程は、
前記第1の層(3)の少なくとも一部を深絞りし、それによって凹部(21)を生成すること、および、前記電子または光電子部品(9)を前記凹部(21)に押し込むこと、を含む、
項目43に記載の方法。
【0742】
47. 前記構造化導体層(11)の前記第1、第2、および中間部分を配置する工程は、噴射工程を有する、
項目43~46のいずれか一に記載の方法。
【0743】
48. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)上に配置する工程は、
前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記上面(3.1)に、特に、接着剤(11)を使用して接着すること、を含む、
項目43~47のいずれか一に記載の方法。
【0744】
49. 前記方法は、さらに、
前記構造化導体層(11)と前記第1の層(3)の間、および/または、前記構造化導体層(11)と前記電子または光電子部品(9)の前記上面(9.1)との間に誘電体層(25)を配置すること、を含む、
項目43~48のいずれか一に記載の方法。
【0745】
50. 前記方法は、さらに、
前記構造化導体層(11)上に集積回路(IC)を配置すること、含む、
項目43~49のいずれか一に記載の方法。
【0746】
51. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインは、
キャリア層(7)と、
カバー層と前記キャリア層の間に配置された2つ以上の層セグメント(3.1、3.2)、特に、中間層セグメントと、を有し、
少なくとも1つの光電子部品(9)が、前記層セグメント(3.1、3.2)の少なくとも1つ上に配置され、
前記層セグメント(3.1、3.2)は、前記キャリア層(7)上に互いに隣接して配置され、
隣接する層セグメント(3.1、3.2)は、互いに機械的に接続されている、
光電子デバイス。
【0747】
52. 電気ブリッジ要素(34)が、2つの隣接する層セグメント(3.1、3.2)の間に延在し、前記2つの層セグメント(3.1、3.2)は、各々、導体層セグメント(11)を有し、前記電気ブリッジ要素(34)は、前記2つの層セグメント(3.1、3.2)の前記導体層セグメント(11)を相互接続する、および/または、
任意選択的に、前記層セグメントは、前記層セグメント(3.1、3.2)間の接合領域が少なくともほとんど目に見えないように互いに接続されている、
項目51に記載の光電子デバイス。
【0748】
53. 電気ブリッジ要素(34)が、いずれか2つの隣接する層セグメント(3.1、3.2)の間に延在し、前記層セグメント(3.1、3.2)上に配置された導体層セグメント(11)を相互接続する、
項目51または52に記載の光電子デバイス。
【0749】
54. 前記層セグメント(3.1、3.2)は、フレキシブルおよび/または屈曲可能である、
項目51~53のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0750】
55. 前記層セグメント(3.1、3.2)は、正方形または長方形の形態を有し、任意選択的に、少なくとも約125mmの長さ、および、少なくとも約70mmの幅を有する、
項目51~54のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0751】
56. 前記層セグメント(3.1、3.2)は、少なくとも部分的に透明である、
項目51~55のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0752】
57. 前記層セグメント(3.1、3.2)は、例えば、ポリビニルブチラールまたはエチレン-酢酸ビニルなどの材料を含むまたはから成る、
項目51~56のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0753】
58. 前記キャリア層(7)は、少なくとも部分的に透明である、
項目51~57のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0754】
59. 前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、LEDまたはμLEDであり、
好ましくは、前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、パッケージ化されていない、
項目51~58のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0755】
60. 前記電気ブリッジ要素(34)は、少なくとも部分的に透明および/またはフレキシブルなテープを有し、
任意選択的に、前記テープは、2つの隣接する層セグメント(3.1、3.2)の前記導体層セグメント(11)を相互接続するために、少なくとも1つの導体経路を有する、
項目52~59のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0756】
61. 平坦化層(33)が、前記層セグメント(3.1,3.2)上に配置されている、
項目51~60のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0757】
62. 前記平坦化層(33)は、例えば、PVBまたはEVAなどの材料を含むまたはから成る、
項目61に記載の光電子デバイス。
【0758】
63. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法であって、
2つ以上の層セグメント(3.1,3.2)をキャリア層(7)上に互いに隣接して配置すること、を含み、
前記層セグメント(3.1、3.2)の少なくとも1つ上には少なくとも1つの光電子部品(9)が配置され、
前記方法は、
前記隣接する層セグメント(3.1、3.2)を互いに機械的に接続する工程と、
任意選択的に、前記層セグメントは、前記層セグメント(3.1、3.2)間の接合領域が少なくともほとんど目に見えないように互いに接続されており、
少なくとも1つの電気ブリッジ要素(34)を配置する工程であって、前記ブリッジ要素(34)が、前記隣接する層セグメント(3.1、3.2)の2つの間に延在し、前記2つの層セグメント(3.1、3.2)が、各々、導体層セグメント(11)を有し、前記電気ブリッジ要素(34)が、前記2つの層セグメント(3.1、3.2)の前記導体層セグメント(11)を相互接続するように、少なくとも1つの電気ブリッジ要素(34)を配置する工程と、
の少なくとも1つをさらに有する、
方法。
【0759】
64. 前記隣接する層セグメント(3.1、3.2)を互いに機械的に接続する工程は、前記隣接する層セグメント(3.1、3.2)または前記完全な層セグメント(3.1、3.2)の対向するエッジ領域(3.1.1、3.2.1)を、特に、レーザ、または、例えばオートクレーブまたはホットプレートなどの加熱装置を用いて、少なくとも部分的に溶融する工程を含む、
項目63に記載の方法。
【0760】
65. 前記層セグメント(3.1、3.2)は、隣接する層セグメント(3.1、3.2)が互いに所定の距離(d)だけ離間するように、前記キャリア層(7)上に互いに隣接して配置されており、
任意選択的に、前記所定の距離(d)は、0~1500μmの範囲である、
項目63または64に記載の方法。
【0761】
66. 前記少なくとも1つの電気ブリッジ要素(34)を配置する工程は、インクジェットプロセスを含む、
項目63~65のいずれか一に記載の方法。
【0762】
67. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法であって、
少なくとも1つの光電子部品(9)を、第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層、の上面(3.1)上に配置する工程と、
導体層(11.0)を前記上面(3.1)上および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に提供する工程と、
前記導体層(11.0)を構造化する工程であって、結果として生じる構造化導体層(11)が、前記構造化導体層(11)の使用によって前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を含むように、前記導体層(11.0)を構造化する工程と、
を有する、方法。
【0763】
68. 前記導体層(11.0)を構造化する工程は、前記導体層(11.0)のリソグラフィ構造化を含む、
項目67に記載の方法。
【0764】
69. 前記導体層(11.0)を構造化する工程は、前記導体層(11.0)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)上および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に付加印刷することを含む、
項目67に記載の方法。
【0765】
70. 前記方法は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)の位置を、特に、自動光学検査を用いて検出することを含む、
項目67、68、または69に記載の方法。
【0766】
71. 導体層(11.0)を提供する前記工程は、前記導体層(11.0)を前記上面(3.1)上および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置することを含み、
任意選択的に、前記上面(3.1)上および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に前記導体層(11.0)を積層するのに、積層装置を使用する、
項目67~70のいずれか一に記載の方法。
【0767】
72. 前記導体層(11.0)を前記上面(3.1)上および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置する工程は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)を少なくとも部分的に前記第1の層(3)に埋め込むことを含み、
任意選択的に、前記少なくとも1つの光電子部品(9)を少なくとも部分的に前記第1の層(3)に押し込み、同時に、前記導体層(11.0)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)上および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置する、
項目71に記載の方法。
【0768】
73. 前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、特に、前記光電子部品の上面(9.1)が前記第1の層(3)の前記上面(3.1)によって定義される平面内に配置されるように、前記第1の層(3)に埋め込まれる、
項目67~72のいずれか一に記載の方法。
【0769】
74. 前記導体層(11.0)を前記上面(3.1)上および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置する工程は、
平坦な導体層(11.0)を前記少なくとも1つの光電子部品(9)の上面(9.1)上に提供すること、および
前記少なくとも1つの光電子部品(9)および前記第1の層(3)の前記上面(3.1)を覆うように前記導体層(11.0)を深絞りすること、を含む、
項目71に記載の方法。
【0770】
75. 前記第1の層(3)は、例えば、PVBなどの弾性材料を含むまたはから成り、
任意選択的に、前記第1の層(3)は、弾性材料の箔である、
項目67~74のいずれか一に記載の方法。
【0771】
76. 少なくとも1つの光電子部品(9)を前記第1の層(3)の前記上面(3.1)上に配置する工程は、接着剤を使用して前記第1の層(3)の前記上面(3.1)上に前記少なくとも1つの光電子部品(9)を接着することを含む、
項目67~75のいずれか一に記載の方法。
【0772】
77. 前記導体層(11.0)は、例えば、銅、金、銀などの、導電性材料層(11.01)を含むまたはから成り、
任意選択的に、前記導電性材料層は、例えば、銀および/または金および/または銅ナノ粒子などの、導電性ナノ粒子を含む、
項目67~76のいずれか一に記載の方法。
【0773】
78. 前記導体層(11.0)は、前記導電性材料層に加えて、導電性接着剤もしくは半田を含むまたはから成る、第2の導電性材料層(11.02)を有する、
項目77に記載の方法。
【0774】
79. 前記方法は、導電性接着剤または半田を前記光電子部品(9)の少なくとも電気接点(18)上に提供することを含み、
前記電気接点(18)、特に、コンタクトパッドは、前記光電子部品(9)の上面(9.1)上に配置されている、
項目67~78のいずれか一に記載の方法。
【0775】
80. 前記方法は、前記導体層(11.0)を前記光電子部品(9)の電気接点(18)と機械的および電気的に相互接続することを含み、
前記電気接点(18)、特に、コンタクトパッドは、前記光電子部品(9)の上面(9.1)上に配置されている、
項目67~79のいずれか一に記載の方法。
【0776】
81. 前記導体層(11.0)を前記光電子部品(9)の電気接点(18)と機械的および電気的に相互接続する工程は、前記電気接点(18)の上方領域で前記導体層(11.0)を規則正しくレーザ溶接することを含む、
項目80に記載の方法。
【0777】
82. 前記導体層(11.0)を前記光電子部品(9)の電気接点(18)と機械的および電気的に相互接続する工程は、前記導体層を前記導電性接着剤または半田の溶融/反応温度を超えるまで加熱することを含む、
項目80に記載の方法。
【0778】
83. 前記導体層を構造化する工程(11.0)に続いて、前記構造化導体層(11)を焼結する、特に、フォトニック焼結する工程を実行する、
項目77に記載の方法。
【0779】
84. 前記方法は、平坦化層(33)を前記第1の層(3)および/または前記構造化導体層(11)上に配置する工程をさらに有し、
前記平坦化層(33)は、PVBを含むまたはから成り、
任意選択的に、前記少なくとも1つの光電子部品(9)および/または前記構造化導体層(11)は、前記平坦化層(33)に埋め込まれる、
項目67~83のいずれか一に記載の方法。
【0780】
85. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法であって、
導体層(11.0)を、第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層、の上面(3.1)に提供する工程と、
前記導体層(11.0)を構造化する工程であって、結果として生じる構造化導体層(11)が、少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するのに適した電気導体経路を含むように、前記導体層(11.0)を構造化する工程と、
前記少なくとも1つの光電子部品(9)を前記構造化導体層(11)上に配置する工程と、
を含む、方法。
【0781】
86. 電気接点要素(11.5)が、前記少なくとも1つの光電子部品(9)の接点を前記構造化導体層(11)と電気的に接続するために、前記構造化導体層(11)上に提供され、
前記接点要素(11.5)は、前記接点要素が少なくとも1つの光電子部品(9)の接点にアライメントされるように、前記構造化導体層上に提供される、
項目85に記載の方法。
【0782】
87. 前記接点要素(11.5)は、半田ペーストを前記構造化導体層(11)上に塗布することによって提供される、
項目86に記載の方法。
【0783】
88. 前記方法は、フォトニック半田付けを使用して前記接点要素(11.5)を加熱する工程をさらに有する、
項目86または87に記載の方法。
【0784】
89. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインは、
第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、
前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた、少なくとも1つの光電子部品(9)と、
前記第1の層(3)の上面(3.1)上および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置された少なくとも1つの構造化導体層(11)と、を有し、
前記構造化導体層(11)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を有する、
光電子デバイス。
【0785】
90. 前記導体層(11)の第1の部分(11.1)は、前記第1の層(3)の上面(3.1)上に配置され、前記導体層(11)の第2の部分(11.2)は、前記光電子部品(9)の上面(9.1)に配置され、かつ、前記光電子部品(9)の電気接点(18)と接触しており、
前記電気接点(18)、特に、コンタクトパッドは、前記上面(9.1)上に配置されている、
項目89に記載の光電子デバイス。
【0786】
91. 前記構造化導体層(11)は、光構造化可能なナノ粒子ペーストの焼結残渣を有する、
項目89~90のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0787】
92. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインであって、
第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、
前記第1の層(3)上に配置された少なくとも1つの光電子部品(9)と、
前記第1の層(3)の上面(3.1)上および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置された少なくとも1つの構造化導体層(11)と、を有し、
前記構造化導体層(11)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を有し、
前記構造化導体層(11)は、光構造化可能なナノ粒子ペーストの焼結残渣を有する、
光電子デバイス。
【0788】
93. 前記導体層(11)の第1の部分(11.1)は、前記第1の層(3)の上面(3.1)上に配置され、前記導体層(11)の第2の部分(11.2)は、前記光電子部品(9)の上面(9.1)上に配置され、かつ、前記光電子部品(9)の電気接点(18)と接触しており、
前記電気接点(18)、特に、コンタクトパッドは、前記上面(9.1)上に配置され、
前記導体層(11)の中間部分(11.3)は、前記光電子部品(9)の側面(9.2)上に配置され、前記導体層(11)の前記第1の部分(11.1)と前記第2の部分(11.2)とを相互接続する、
前記92項に記載の光電子デバイス。
【0789】
94. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインは、
第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層と、
前記第1の層(3)の上面(3.1)に配置された構造化導体層(11)と、
前記構造化導体層(11.0)上に配置された少なくとも1つの光電子部品(9)と、を有し、
前記構造化導体層(11)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を有し、
電気接点要素(11.5)が、前記少なくとも1つの光電子部品(9)の電気接点(18)を前記構造化導体層(11)と電気的に接続するために、前記構造化導体層(11)上に配置され、
前記接点要素(11.5)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)の前記電気接点(18)にアライメントされ、
前記接点要素(11.5)は、前記第1の層(3)の最高使用温度よりも高い溶融または硬化温度を有する材料を含むまたはから成る、
電子デバイス。
【0790】
95. 平坦化層(33)が、前記第1の層(3)および/または前記導体層(11)上に配置されており、
前記平坦化層(33)は、PVBを含むまたはから成り、
任意選択的に、前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、前記平坦化層(33)に埋め込まれている、
項目89~94のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0791】
96. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインを製造する方法であって、
キャリア基材(35)と、前記キャリア基材(35)上に配置された剥離層(36)とを提供する工程と、
前記キャリア基材(35)とは反対側の前記剥離層(36)上に構造化導体層(11)を提供する工程と、
前記構造化導体層(11)上に少なくとも1つの光電子部品(9)を配置する工程と、
前記構造化導体層(11)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を有し、
前記剥離層(36)上に第1の層(3)を提供する工程と、
前記第1の層は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)が前記第1の層(3)に少なくとも部分的に埋め込まれるように、前記導体層(11)および前記少なくとも1つの光電子部品(9)を覆い、
前記キャリア基材(35)および前記剥離層(36)を除去する工程と、
を有する、方法。
【0792】
97. 前記方法は、前記キャリア基材(35)および前記剥離層(36)を除去した後に、前記第1の層(3)および/または前記構造化導体層(11)および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に平坦化層(33)を提供する工程をさらに有する、
項目96に記載の方法。
【0793】
98. 前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、前記第1の層(3)に、特に、前記光電子部品の上面(9.1)が前記第1の層(3)の上面(3.1)によって定義される平面内に配置されるように、完全に埋め込まれる、
項目96または97に記載の方法。
【0794】
99. 前記方法は、前記剥離層(36)および/または前記構造化導体層(11)上に補強材(37)を提供する工程をさらに有する、
項目96~98のいずれか一に記載の方法。
【0795】
100. 前記補強材(37)は、前記剥離層(36)のエッジ領域に提供され、
前記エッジ領域は、前記剥離層(36)のエッジ(36.2)を含む、
項目99に記載の方法。
【0796】
101. 前記補強材(37)の外縁(37.1)は、前記剥離層(36)のエッジ(36.2)にアライメントされる、
項目100に記載の方法。
【0797】
102. 前記第1の層(3)を前記剥離層(36)上に提供する工程は、前記補強材(37)を前記第1の層(3)に少なくとも部分的に埋め込むことを含み、
任意選択的に、前記第1の層(3)は、前記剥離層(36)のエッジ領域を完全には覆わない、
項目99~101のいずれか1項に記載の方法。
【0798】
103. 前記補強材(37)は、例えば、剛性プラスチック材料などの、剛性材料を含むまたはから成り、
任意選択的に、前記補強材(37)は、前記第1の層(3)よりも剛性である、
項目99~102のいずれか一に記載の方法。
【0799】
104. 前記第1の層(3)は、例えば、PVBなどの、弾性材料を含むまたはから成り、
任意選択的に、前記第1の層(3)は、前記弾性材料で作られた箔である、
項目96~103のいずれか一に記載の方法。
【0800】
105. 前記平坦化層(33)は、例えば、PVBなどの、弾性材料を含むまたはから成り、
任意選択的に、前記少なくとも1つの構造化導体層(11)は、前記平坦化層(33)に埋め込まれる、
項目96~104のいずれか一に記載の方法。
【0801】
106. 前記第1の層(3)を前記剥離層(36)上に提供する前に、前記方法は、前記キャリア基材(35)および前記剥離層(36)、前記剥離層(36)上の前記構造化導体層(11)、ならびに前記構造化導体層(11)上の前記少なくとも1つの光電子部品(9)、ならびに、任意選択的に、前記剥離層(36)上の少なくとも1つの補強材(37)を有する中間生成物(38)の形状を変更する工程をさらに有する、
項目96~105のいずれか一に記載の方法。
【0802】
107. 前記中間生成物(38)の形状を変更する工程の後に、前記第1の層(3)は、前記導体層(11)および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に提供される、
項目106に記載の方法。
【0803】
108. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインは、
第1の層(3)と、
前記第1の層(3)に少なくとも部分的にまたは完全に埋め込まれた少なくとも1つの光電子部品(9)と、
前記第1の層(3)の上面(3.1)上および前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に配置された少なくとも1つの構造化導体層(11)と、を有し、
前記構造化導体層(11)は、前記少なくとも1つの光電子部品(9)に電気を供給するための電気導体経路を有する、
光電子デバイス。
【0804】
109. 前記光電子デバイスは、前記第1の層(3)の上面(3.1)および/または前記構造化導体層(11)および/または前記少なくとも1つの光電子部品(9)上に平坦化層(33)をさらに有する、
項目108に記載の光電子デバイス。
【0805】
110. 前記少なくとも1つの光電子部品(9)は、前記第1の層(3)に、特に、前記光電子部品の上面(9.1)が前記第1の層(3)の前記上面(3.1)によって定義される平面内に配置されるように、完全に埋め込まれている、
項目108または109に記載の光電子デバイス。
【0806】
111. 前記光電子デバイスは、前記第1の層(3)の前記上面(3.1)および/または前記構造化導体層(11)上に少なくとも1つの補強材(37)をさらに有する、
項目108~110のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0807】
112. 前記補強材(37)は、前記第1の層(3)に少なくとも部分的に埋め込まれている、
項目111に記載の光電子デバイス。
【0808】
113. 前記補強材(37)は、前記第1の層(3)から突き出ている、
項目111または112に記載の光電子デバイス。
【0809】
114. 前記上面(3.1)は、湾曲している、
項目108~113のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0810】
115. 光電子デバイス(1)、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペインであって、
レイヤスタック(39)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置され、少なくとも1つの開口部(40)を有する少なくとも最上層(39.1)を有する中間層スタックと、
前記開口部(40)内に配置された少なくとも1つの電子または光電子部品(9)と、
少なくとも1つの電気導体配置、特に、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)に電気を供給するための構造化導体層(11)と、
を有する、光電子デバイス。
【0811】
116. 前記開口部(40)は、キャビティまたはスルーホールである、
項目115に記載の光電子デバイス。
【0812】
117. 前記開口部(40)は、前記最上層(39.1)によって形成された底部(40.1)を有するキャビティであり、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記底部(40.1)上に配置されている、
項目115または116に記載の光電子デバイス。
【0813】
118. 前記開口部(40)は、前記最上層(39.1)におけるスルーホールであり、前記レイヤスタック(39)は、前記最上層(39.1)の下方に配置された最下層(39.2)を有し、前記最下層(39.2)は、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を担持する、
項目115または116に記載の光電子デバイス。
【0814】
119. 前記最上層(39.1)は、少なくとも部分的に透明である、
項目115~118のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0815】
120. 前記最下層(39.2)は、少なくとも部分的に透明である、
項目118~119のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0816】
121. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記開口部(40)内に、特に、前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)が、前記最上層(39.1)の上面(39.1.1)に広がる平面内に配置されるように、完全に配置されている、
項目115~120のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0817】
122. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記開口部(40)内に部分的に配置され、前記電子または光電子部品(9)の上面(9.1)が、前記最上層(39.1)の上面(39.1.1)から高さ(H)だけ突き出ており、
好ましくは、前記高さ(H)は、前記電子または光電子部品(9)の厚さ(t)の半分以下である、
項目115~120のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0818】
123. 前記最上層(39.1)は、以下の材料、
PET、PEN、PVB、EVA、およびフォトレジスト、
の少なくとも1つを含むまたはから成り、ならびに/または
前記最下層は、以下の材料、
PET、PEN、PVB、およびEVA、
の少なくとも1つを含むまたはから成る、
項目115~122のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0819】
124. 光電子デバイス、特に、例えば車両(V)の、少なくとも部分的に透明なペイン(1)を製造する方法であって、
少なくとも1つの開口部(40)を有する少なくとも最上層(39.1)を有するレイヤスタック(39)を提供する工程と、
前記開口部(40)内に少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を配置する工程と、
特に、前記最上層(39.1)の上面(39.1.1)上に、少なくとも1つの電気導体配置、特に、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)に電気を供給するための構造化導体層(11)を提供する工程と、
を有する、方法。
【0820】
125. 前記開口部(40)は、前記最上層(39.1)によって形成された底部(40.1)を有するキャビティであり、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記底部(40.1)上に存在するように前記キャビティ内に配置される、
項目124に記載の方法。
【0821】
126. 前記開口部(40)は、前記最上層(39.1)におけるスルーホールであり、前記レイヤスタック(39)は、前記最上層(39.1)の下方に最下層(39.2)を有し、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)は、前記最下層(39.2)上に存在するように前記スルーホール内に配置される、
項目124に記載の方法。
【0822】
127. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記開口部内に配置する工程は、接着剤(22)を使用して前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記開口部(40)内に固定する工程を含む、
項目124~126のいずれか一に記載の方法。
【0823】
128. 前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記開口部内に配置する工程は、前記レイヤスタック(39)を、特に、前記開口部(40)の近傍において、一時的に加熱して、前記少なくとも1つの電子または光電子部品(9)を前記レイヤスタック(39)に固着させることを含む、
項目124~126のいずれか一に記載の方法。
【0824】
129. 前記レイヤスタック(39)を提供する工程は、構造化されていない最上層(39.0.1)を有する初期レイヤスタック(39.0)を提供すること、および、前記最上層を構造化して前記最上層(39.1)に前記少なくとも1つの開口部(40)を得ること、を含む、
項目124~128のいずれか一に記載の方法。
【0825】
130. 複数の画素(90)を有するレイヤスタック(39)を有する光電子デバイス(1)であって、前記複数の画素の各画素が、
前記レイヤスタック(39)の第1の層(3)に埋め込まれた少なくとも1つの光電子光源(9)であって、その上面(9.1)上に第1の反射層(42)を、任意選択的に、その底面上に第2の反射層(43)を有し、前記上面(9.1)は、前記レイヤスタック(39)の上面(39.1)の方を向き、前記底面は、前記上面(9.1)から離れた方を向いている、少なくとも1つの光電子光源(9)と、
前記レイヤスタックの前記上面(39.1)上の第1の画素領域(90.1)と、
前記光電子光源(9)からの光を散乱させて前記第1の画素領域(90.1)を均一に照らすための構造化光散乱配置(44)と、
を有する、光電子デバイス。
【0826】
131. 前記構造化光散乱配置(44)は、前記レイヤスタック(39)内に、好ましくは、前記第1の層(3)の上方に、前記第1の画素領域(90.1)と前記光電子光源(9)との間に配置されている、
項目130に記載の光電子デバイス。
【0827】
132. 前記構造化光散乱配置(44)は、前記第1の層(3)に埋め込まれている、
項目130に記載の光電子デバイス。
【0828】
133. 前記レイヤスタック(39)は、第2の層(46)および第3の層(47)をさらに有し、前記第1の層(3)は、前記第2の層(46)と前記第3の層(47)の間に配置されている、
項目130~132のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0829】
134. 前記第1の画素領域(90.1)は、前記第1の画素領域(90.1)に垂直なビューにおいて、外側の輪郭が円形、正方形、長方形、または多角形である、
項目130~133のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0830】
135. 前記光電子光源(9)は、前記第1の画素領域(90.1)に垂直なビューにおいて、前記第1の画素領域(90.1)の背後に配置され、前記第1の画素領域(90.1)の中心軸(45)に関してセンタリングされている、
項目130~134のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0831】
136. 前記構造化光散乱配置(44)は、少なくとも第1の光散乱要素(44.1)および少なくとも第2の光散乱要素(44.2)を有し、前記第2の光散乱要素(44.2)は、径方向において、前記第1の光散乱要素(44.1)よりも前記少なくとも1つの光電子光源(9)から遠く離れている、
項目130~135のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0832】
137. 前記少なくとも第1の光散乱要素(44.1)および第2の光散乱要素(44.2)は、各々、定義された幾何学的形態を有し、当該幾何学的形態は、好ましくは、前記少なくとも第1の光散乱要素(44.1)および第2の光散乱要素(44.2)について同一であり、好ましくは、前記少なくとも第1の光散乱要素(44.1)および第2の光散乱要素(44.2)は、各々、その定義された幾何学的形態内で、散乱粒子の定義された粒子濃度を有する、
項目136に記載の光電子デバイス。
【0833】
138. 前記少なくとも第1の光散乱要素(44.1)および第2の光散乱要素(44.2)は、各々、前記少なくとも1つの光電子光源(9)の周囲にリング状の構造を形成し、好ましくは、前記リング状の構造は、上から見て、円形、正方形、長方形、もしくは多角形の形態を有し、および/または、好ましく、前記リング状の構造は、前記第1の画素領域の中心軸を含む断面平面において、円形、正方形、長方形、もしくは多角形の形態を有する、
項目136または137に記載の光電子デバイス。
【0834】
139. 前記第1の光散乱要素(44.1)の断面積は、前記第2の光散乱要素(44.2)の断面積よりも小さく、前記断面積は、第1の画素領域の中心軸(45)を含む同一の断面平面内にある、
項目137または138に記載の光電子デバイス。
【0835】
140. 前記第1の光散乱要素(44.1)における散乱粒子の粒子濃度は、第2の光散乱要素(44.2)における散乱粒子の粒子濃度よりも低い、
項目136~139のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0836】
141. 前記光電子光源(9)、前記第1の反射層(42)、および任意選択的に前記第2の反射層(43)は、光電子サブアセンブリ(9.0)を形成し、
前記光電子サブアセンブリ(9.0)は、前記第1の層(3)に、前記光電子サブアセンブリの上面(9.0.1)が前記第1の層の上面(3.1)と同じ平面内に配置されるように、および/または、前記光電子サブアセンブリの底面(9.0.2)が第1の層の底面(3.3)と同じ平面内に配置されるように、埋め込まれている、
項目130~140のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0837】
142. 前記構造化光散乱配置(44)は、前記第1の層(3)と前記第1の画素領域(90.1)の間に配置されたエレクトロウェッティングデバイスを有する、
項目130~141のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0838】
143. 前記構造化光散乱配置(44)は、前記第1の層(3)と前記第1の画素領域(90.1)の間に前記第1の画素領域(90.1)の全長および全幅にわたって延在する第1のキャビティ(51)を有し、好ましくは、前記第1のキャビティ(51)は、前記第1の層(3)を前記レイヤスタック(53)の1つ以上のさらなる層から分離するスペーサ(52)によって形成されている、
項目130~142のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0839】
144. 前記光電子デバイス(1)は、第1の流体(55)を前記第1のキャビティ(51)に選択的に送出しまたは前記第1のキャビティ(51)から排出するための第1の流体ポンプ(54)を有し、前記第1の流体(55)は、光散乱粒子を含む、
項目143に記載の光電子デバイス。
【0840】
145. 前記構造化光散乱配置(44)は、前記複数の画素の前記第1の画素領域の下方の、前記レイヤスタックの層内において、前記第1の画素領域(90.1)の長さ方向および幅方向に沿って延在する、一連の相互接続された流体流路(57)であって、上から見ると、前記流体流路(57)が、隣接する第1の画素領域(90.1)を互いに分離する格子状構造の境界領域の背後に配置されるように延在する、一連の相互接続された流体流路(57)をさらに有し、前記光電子デバイス(1)は、第2の流体(58)を前記流体流路(57)に選択的に送出しまたは前記流体流路(57)から排出するための第2の流体ポンプをさらに有し、前記第2の流体(58)は、光吸収粒子、特に、黒色粒子を含む、
項目143または144に記載の光電子デバイス。
【0841】
146. 複数の画素(90)を有するレイヤスタック(39)を有する光電子デバイス(1)であって、前記複数の画素の各画素が、
前記レイヤスタック(39)の第1の層(3)に埋め込まれた少なくとも1つの光電子光源(9)であって、その上面(9.1)上に第1の反射層(42)を、その底面上に第2の反射層(43)を有し、前記上面(9.1)は、前記レイヤスタックの上面(39.3)の方を向き、前記底面は、前記上面(39.3)から離れた方を向いている、少なくとも1つの光電子光源(9)と、
前記レイヤスタックの前記上面(39.3)上の第1の画素領域(90.1)と、
前記光電子光源(9)からの光を散乱させて前記第1の画素領域(90.1)を均一に照らすための光散乱配置(44)と、を有し、
前記光散乱配置(44)は、前記光電子光源(9)を周方向に囲む前記第1の層(3)の第1の部分(3.4)を形成する、
光電子デバイス。
【0842】
147. 前記第1の部分(3.4)を周方向に取り囲む、前記第1の部分(3.4)の外表面は、前記第1の画素領域(90.1)に垂直なビューで見ると、前記第1の画素領域(90.1)の外縁にアライメントされている、
項目146に記載の光電子デバイス。
【0843】
148. 前記第1の層(3)の第2の部分(3.5)は、前記第1の層(3)の前記第1の部分(3.4)を周方向に取り囲み、前記第1の部分(3.4)の屈折率は、前記第2の部分(3.5)の屈折率と異なる、
項目146または147に記載の光電子デバイス。
【0844】
149. 前記レイヤスタック(39)は、前記第1の層(3)上に配置された導光層(59)をさらに有し、
前記第1の層(3)は、前記第1の画素領域(90.1)と前記導光層(59)の間に配置され、
前記導光層(59)の屈折率は、前記レイヤスタック(39)の他の層の屈折率よりも高い、
項目146~148のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0845】
150. 前記レイヤスタック(39)は、前記第1の層(3)上に前記導光層(59)とは反対側に配置された散乱層(60)をさらに有し、
前記散乱層(60)は、前記第1の画素領域(90.1)を均一に照らすための光散乱粒子を含み、
好ましくは、前記第1の層(3)および前記散乱層(60)は、単一の層を形成する、
項目149に記載の光電子デバイス。
【0846】
151. 複数の画素(90)を有するレイヤスタック(39)を有する光電子デバイス(1)であって、前記複数の画素の各画素が、
前記レイヤスタック(39)の第1の層(3)に埋め込まれた少なくとも1つの光電子光源(9)であって、その上面(9.1)上に第1の反射層(42)を、任意選択的にその底面上に第2の反射層(43)を有し、前記上面(9.1)は、前記レイヤスタックの上面(39.3)の方を向き、前記底面は、前記上面(39.3)から離れた方を向いている、少なくとも1つの光電子光源(9)と、
前記レイヤスタックの前記上面(39.3)上の第1の画素領域(90.1)と、
前記第1の層(3)上に配置された導光層(59)と、を有し、
前記第1の層(3)は、前記第1の画素領域(90.1)と前記導光層(59)の間に配置され、
前記導光層(59)の屈折率は、前記レイヤスタック(39)の他の層の屈折率よりも高い、
光電子デバイス。
【0847】
152. 前記レイヤスタック(39)は、前記第1の層(3)の上方に前記導光層(59)とは反対側に配置された散乱層(60)をさらに有し、
前記散乱層(60)は、前記第1の画素領域(90.1)を均一に照らすための光散乱粒子を含む、
項目151に記載の光電子デバイス。
【0848】
153. 前記レイヤスタック(39)は、前記導光層(59)上に配置された散乱層(60)をさらに有し、
前記散乱層(60)は、前記第1の画素領域(90.1)とは反対側の第2の画素領域(90.2)を均一に照らすための光散乱粒子を含む、
項目151に記載の光電子デバイス。
【0849】
154. 複数の画素(90)を有するレイヤスタック(39)を有する光電子デバイス(1)であって、前記複数の画素の各画素が、
前記レイヤスタック(39)の第1の層(3)に埋め込まれた少なくとも1つの光電子光源(9)と、
前記レイヤスタックの上面(39.3)上の第1の画素領域(90.1)と、
前記第1の層(3)上に配置された導光層(59)と、
前記導光層(59)の屈折率は、前記レイヤスタック(39)の他の層の屈折率よりも高い、
前記光電子光源(9)からの光を反射して前記第1の画素領域(90.1)を均一に照らすための第3の反射層(61)と、を有し、
前記第3の反射層(61)は、前記光電子光源(9)が位置する前記第1の層(3)にキャビティを形成し、前記第1の層は、前記光電子光源(9)に対向する曲面(3.2)を有し、前記曲面は、前記光電子光源(9)から実質的に径方向に放出された光が、前記第1の画素領域(90.1)に向かって、特に、前記第1の画素領域(90.1)が均一に照らされるように反射されるように、形成されている、
光電子デバイス。
【0850】
155. 光電子デバイス(1)であって、
第1の層(3)、特に、カバー層とキャリア層の間に配置された中間層上に配置された複数の光電子光源(9)を有し、
前記第1の層(3)は、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成り、
前記複数の光電子光源(9)の各光電子光源(9)は、対応する光源から放出された光を変換して変換光を放出する個々の光変換器(91)を有し、
各光電子光源(9)の前記光変換器(91)は、前記第1の層(3)および/または対応する光電子光源(9)上に配置されている、
光電子デバイス。
【0851】
156. 前記光電子光源(9)は、各々、エッジ長さが200μm未満、特に、150μm~40μmの範囲の小型LEDである、
項目155に記載の光電子デバイス。
【0852】
157. 異なる光源(9)の光変換器(91)は、互いに分離されている、
項目155または156に記載の光電子デバイス。
【0853】
158. 前記光電子光源(9)は、前記第1の層(3)の第1の表面領域にわたって分布しており、
前記第1の表面領域は、前記光電子光源(9)の断面積の合計よりも大きく、特に、少なくとも約30倍大きい、
項目155~157のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0854】
159. 各光変換器(91)は、直径が少なくとも約1μm~30μmの変換粒子を含む、
項目155~158のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0855】
160. 各光変換器(91)は、前記対応する光電子光源(9)を覆う液滴の形態を有する、
項目155~159のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0856】
161. 各光変換器(91)は、前記第1の層(3)と前記対応する光電子光源(9)との間に配置されている、
項目155~159のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0857】
162. 各光変換器(91)は、前記対応する光電子光源(9)を前記第1の層(3)に固定するように構成された接着剤を有する、
項目161に記載の光電子デバイス。
【0858】
163. 各光変換器(91)は、前記第1の層(3)上に前記対応する光電子光源(9)とは反対側に配置され、前記対応する光電子光源(9)の発光面に対向している、
項目155~159のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0859】
164. 遮光体(92)が、各光変換器(91)の周囲に周方向に延在している、
項目155~163のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0860】
165. 各光変換器(91)は、前記第1の層(3)上に配置された、特に、接着されたプレートレットとして形成され、前記対応する光電子光源(9)の発光面に対向している、
項目155~164のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0861】
166. 各プレートレットは、例えば、シリコン、ガラス、またはポリシロキサンなどのマトリックス材料内に配置された変換粒子を含む、
項目165に記載の光電子デバイス。
【0862】
167. 各光変換器(91)および任意選択的に前記対応する光電子光源(9)は、前記第1の層(3)に埋め込まれている、
項目155~166のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0863】
168. 前記光電子デバイス(1)は、光変換器(91)を有しない光源(9)のセットをさらに有する、
項目155~167のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0864】
169. 前記光変換器(91)は、少なくとも、第1のセットの光変換器および第2のセットの光変換器を含み、前記第2のセットの光変換器は、光を前記第1のセットの光変換器とは異なる波長に変換するように構成されている、
項目155~168のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0865】
170. 光電子デバイス(1)であって、
第1の層(3)上にカバー層(5)と前記第1の層(3)の間の配置された少なくとも1つの光電子光源(9)を有し、
前記第1の層(3)および前記カバー層は、各々、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成り、
前記光電子デバイスは、車両(V)用のウインドデフレクタである、
光電子デバイス。
【0866】
171. 前記第1の層(3)は、例えば、PET、PC、もしくはPENなどの弾性プラスチックを含むまたはから成る、
項目170に記載の光電子デバイス。
【0867】
172. 前記カバー層(5)は、弾性プラスチック、特に、例えば、PVC、PVB、もしくはEVAなどの弾性箔を含むまたはから成る、
項目170または171に記載の光電子デバイス。
【0868】
173. 前記第1の層(3)および前記カバー層(5)は、ガラスを含まない、
項目170~172のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0869】
174. 前記光電子デバイス(1)は、前記カバー層(5)の上方および/または前記第1の層(3)の下方に配置された1つ以上のさらなる層を有し、前記さらなる層はすべて、ガラスを含まない、
項目173に記載の光電子デバイス。
【0870】
175. 前記少なくとも1つの光電子光源(9)は、LED、特に、小型LEDであり、前記LEDは、エッジ長さが200μm未満、特に、150μm~40μmの範囲である、
項目170~174のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0871】
176. 前記少なくとも1つの光電子光源(9)は、シンボルまたはインジケータを形成するように配置された複数の光電子光源(9)を有する、
項目170~175のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0872】
177. 前記光電子デバイスの動作中、前記シンボルまたはインジケータは、前記光電子デバイスのユーザに見える、
項目176に記載の光電子デバイス。
【0873】
178. 遮光体が、前記第1の層または前記カバー層のいずれかの上に配置され、前記少なくとも1つの光電子光源(9)に対向している、
項目170~177のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0874】
179. 前記遮光体は、前記第1の層を通るまたは前記カバー層を通る光の放出を遮断するように配置されている、
項目178に記載の光電子デバイス。
【0875】
180. 前記車両(V)は、オートバイ、クワッド、水上船、オープントップレースカー、または他の2輪車もしくは3輪車である、
項目170~179のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0876】
181.車両(V)であって、
項目170~180のいずれか一に記載の光電子デバイス(1)を有し、
前記光電子デバイスは、前記車両のウインドデフレクタであり、
前記光電子デバイスの少なくとも1つの光電子光源(9)は、前記車両の運転者に対してまたは外部から見えるように配置されている、
車両。
【0877】
182. 前記少なくとも1つの光電子光源(9)は、第1のセットの光源を有し、前記第1のセットの光源は、前記光電子デバイス(1)の動作中、前記第1のセットの光源が前記運転者に対して見えるように配置されている、
項目181に記載の車両。
【0878】
183. 前記第1のセットの光源は、前記運転者に情報を示すように構成されており、好ましくは、前記第1のセットの光源は、シンボルまたはインジケータを形成する、
項目182に記載の車両。
【0879】
184. 前記少なくとも1つの光電子光源(9)は、第2のセットの光源を有し、前記第2のセットの光源は、前記光電子デバイスの動作中、第2のセットの光源が前記車両の前方および/または側方から見えるように配置されている、
項目181、182、または183に記載の車両。
【0880】
185. 光電子デバイス(1)であって、
キャリア層(7)、カバー層(5)、および第1の層(3)、特に、中間層、を含み、前記カバー層(5)と前記キャリア層(7)の間に配置された、レイヤスタック(39)と、
前記第1の層(3)上に配置された少なくとも1つの電子または光電子素子、特に、光電子光源(9)と、を有し、
前記レイヤスタック(39)の少なくとも1つの層、好ましくは、前記レイヤスタックのすべての層は、少なくとも部分的に透明であり、
前記レイヤスタックは、熱伝導率が高い粒子(96)を有する少なくとも1つの層および/または前記レイヤスタック(39)の2つの隣接する層の間に配置された少なくとも1つの熱伝導層(93)を有する、
光電子デバイス。
【0881】
186. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、熱伝導性のメッシュを含み、前記メッシュは、ノットおよびノット間の相互接続部を有し、任意選択的に、前記相互接続部の少なくとも大部分は、中断されていない、
項目185に記載の光電子デバイス。
【0882】
187. 前記メッシュは、不規則なパターンを有する、
項目186に記載の光電子デバイス。
【0883】
188. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記電子または光電子素子、特に、前記光電子光源(9)、のコンタクトパッドに電気的に接続された電線路(94.1)を有し、前記電線路(94.1)の幅は、前記電子または光電子素子の幅の少なくとも半分である、
項目185~187のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0884】
189. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記電子または光電子素子、特に、前記光電子光源(9)、の同じコンタクトパッドに電気的に接続された複数の電線路(93.1)を有し、前記複数の電線路は、互いに平行に延在している、
項目185~188のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0885】
190. 少なくとも1つの電線路(94.1)は、1つ以上のブラインド導電路(94.3)を有する、
項目188または189に記載の光電子デバイス。
【0886】
191. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記電子または光電子素子、特に、前記光電子光源、から熱を運び去るための、しかし、前記電子または光電子素子から電気的に切断されている、1つ以上の導電線を有する、
項目185~190のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0887】
192. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、コーティングを有し、任意選択的に、前記コーティングは、パラジウムまたはモリブデンを含むまたはから成る、
項目185~191のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0888】
193. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記第1の層(3)と前記少なくとも1つの電子もしくは光電子素子、特に、光電子光源(9)との間に配置され、または、
前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記第1の層(3)上、前記少なくとも1つの電子または光電子素子の反対側に配置され、または、
第1の熱伝導層(93.1)が、前記少なくとも1つの電子または光電子素子と同じ側において、前記第1の層(3)と前記少なくとも1つの電子または光電子素子との間に配置され、かつ、第2の熱伝導層(93.2)が、前記少なくとも1つの電子または光電子素子の反対側において、前記第1の層(3)上に配置されている、
項目185~192のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0889】
194. 前記レイヤスタック(39)は、前記カバー層(5)と前記第1の層(3)の間に配置された第1の補助層(95.1)、および/または、前記キャリア層(7)と前記第1の層(3)の間に配置された第2の補助層(95.2)を有する、
項目185~193のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0890】
195. 前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記第1の補助層(95.1)と前記カバー層(5)の間に配置され、または、
前記少なくとも1つの熱伝導層(93)は、前記第2の補助層(95.2)と前記キャリア層(7)の間に配置され、または、
第1の熱導電層(93.1)が、前記第1の補助層(95.1)と前記カバー層(5)の間に配置され、かつ、第2の熱伝導層(93.2)が、前記第2の補助層(95.2)と前記キャリア層(7)の間に配置されている、
項目194に記載の光電子デバイス。
【0891】
196. 熱伝導率が高い前記粒子(96)は、前記第1の補助層(95.1)および/または前記第2の補助層(95.2)に配置されている、
項目194または195に記載の光電子デバイス。
【0892】
197. 前記レイヤスタック(39)の前記層のうちの少なくとも1つは、着色されている、
項目185~196のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0893】
198. 反射層(97)が、前記レイヤスタック(39)の2つの層の間に配置されており、前記反射層(97)は、紫外線および/または赤外線スペクトル(U)の光は反射するが、可視スペクトル(V)の光は透過するように構成され、好ましくは、前記反射層(97)は、前記第1の層(3)上、および、前記第1の層(3)と前記少なくとも1つの電子または光電子素子、特に、光電子光源(9)との間に配置されている、
項目185~197のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0894】
199. 光電子デバイス(1)であって、
第1の層(3)上、特に、カバー層と第1の層(3)の間に配置された、複数の光電子光源(9)と、
前記複数の光電子光源(9)の上方にあって、複数の光散乱構造(99)を有する、第2の層(98)と、を有し、
各光散乱構造(99)は、前記複数の光電子光源(9)のうちの1つの光電子光源に対応付けられ、特に、前記対応する光電子光源の動作パラメータに応じて、集束光、特に、レーザ光を使用することにより、個別に設計されている、
光電子デバイス。
【0895】
200. 各光散乱構造(99)は、前記光散乱構造(99)が前記対応する光電子光源から放出された光を散乱させるように、前記対応する光電子光源の上方の前記第2の層(98)内に配置されている、
項目199に記載の光電子デバイス。
【0896】
201. 各光散乱構造(99)は、前記動作パラメータの定義された範囲内の光が前記光電子デバイス(1)によって提供されるように個別に設計されており、任意選択的に、前記定義された範囲は、最も暗い光電子光源(9.0)の輝度の50%以内である、
項目199または200に記載の光電子デバイス。
【0897】
202. 前記動作パラメータは、前記対応する光電子光源の輝度である、
項目199~201のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0898】
203. 前記少なくとも1つの光電子光源は、光散乱構造(99)に対応付けられておらず、任意選択的に、当該光電子光源は、前記複数の光電子光源(9)のうちの最も暗い光電子光源(9.0)である、
項目199~202のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0899】
204. 少なくとも1つの、好ましくは、すべての光電子光源(9)は、好ましくは、前記光電子光源(9)と前記第2の層(98)の間に配置された光変換器(91)を有する、
項目199~203のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0900】
205. 前記動作パラメータは、光電子光源(9)から放出される光の色値である、
項目199~204のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0901】
206. 例えば、赤色、緑色、または青色などの特定の色を提供する光源に対応付けられた、各光散乱構造(99)は、前記色値が、前記光電子光源(9)の選択された1つによって提供される光の色値に関する所定の範囲内にあるように、個別に設計されている、
項目205に記載の光電子デバイス。
【0902】
207. 異なる光散乱構造(99)は、それぞれ異なる態様で光を散乱させる、
項目199~206のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0903】
208. 前記光電子デバイス(1)の少なくとも1つの層、好ましくは、すべての層は、少なくとも部分的に透明な材料を含むまたはから成る、
項目199~207のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0904】
209. 前記第1の層(3)は、カバー層とキャリア層の間に配置され、前記第2の層(98)は、前記カバー層に対応する、
項目199~208のいずれか一に記載の光電子デバイス。
【0905】
210. 光電子デバイスのセットであって、項目199~209のいずれか一に記載の少なくとも2つの光電子デバイス(1)を有し、
前記光電子デバイスのうちの1つの光散乱構造(99)の少なくともいくつかは、他の光電子デバイスの光散乱構造(99)とは異なるように設計または配置されている、
光電子デバイスのセット。
【0906】
211. 光電子デバイス(1)の製造方法であって、
第1の層(3)上に配置された複数の光電子光源(9)を提供する工程と、
前記複数の光電子光源(9)の上方の第2の層(98)内に複数の光散乱構造(99)を生成する工程であって、各光散乱構造(99)が1つの光電子光源と対応付けられている、工程と、を有し、
光散乱構造(99)を生成する前記工程は、特に、レーザ光を使用することによって、前記光散乱構造を前記第2の層(98)内に前記対応する光電子光源の動作パラメータに応じて個別に生成することを含む、
光電子デバイスの製造方法。
【0907】
212. 前記複数の光散乱構造(99)を生成する前に、前記方法は、各光電子光源に対する前記動作パラメータの値を決定し、所定の基準を満たす前記動作パラメータの値を有する光電子光源を特定する工程をさらに有する、
項目211に記載の光電子デバイスの製造方法。
【0908】
213. 前記所定の基準を満たす前記動作パラメータの前記値を有する前記光電子光源ではない光電子光源に対して、この光電子光源の動作パラメータの値が前記所定の基準を満たすように、前記対応する光電子光源からの光を散乱させるように構成された、対応する光散乱構造を生成する、
項目212に記載の光電子デバイスの製造方法。
【0909】
214. 前記動作パラメータは、輝度であり、前記所定の基準は、当該基準を満たす前記光電子光源が、前記複数の光電子光源(9)のうちの最も暗い光電子光源(9.0)であることを要求する、
項目212または213に記載の光電子デバイスの製造方法。
【0910】
215. 前記動作パラメータは、色値であり、前記所定の基準は、例えば、赤色、緑色、または青色などの特定の色を提供する光源に対応付けられた、各光散乱構造(99)が、その色値が前記光電子光源(9)の選択された1つによって提供される光の色値に関する所定の範囲内にあるように、個別に生成されることを要求する、
項目212~214のいずれか一に記載の光電子デバイスの製造方法。
【0911】
216. レーザ(L)を使用して前記光散乱構造(99)を順次次から次へと提供するか、または、2つ以上のレーザを使用して2つ以上の光散乱構造を並行して提供する、
項目211~215のいずれか一に記載の光電子デバイスの製造方法。
【0912】
例示的な実施形態の助けを借りた説明は、さまざまな実施形態をそれらに限定するものではない。むしろ、本開示は、互いに組み合わせることができるいくつかの態様を示す。上記したさまざまな項目もこれを例示している。
【0913】
したがって、本発明は、いかなる特徴も、特徴のいかなる組み合わせも包含し、特に、上記項目および特許請求の範囲に記載の特徴のいかなる組み合わせも含み、この特徴またはこの組み合わせが例示的な実施形態に明示的に特定されていない場合であっても、包含する。