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特許7646670付加製造による隣接するホイールスペース部分の間の冷却剤移動通路を備えたエンジェルウィングシールを含むタービンローターブレード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】付加製造による隣接するホイールスペース部分の間の冷却剤移動通路を備えたエンジェルウィングシールを含むタービンローターブレード
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/08 20060101AFI20250310BHJP
   F01D 5/18 20060101ALI20250310BHJP
   F01D 11/02 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
F01D5/08
F01D5/18
F01D11/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022538315
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 US2021013387
(87)【国際公開番号】W WO2021150418
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】16/749,167
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー、ザカリー ジョン
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0274381(US,A1)
【文献】特開2011-185271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40、67/00-67/08、
67/24-69/02、73/00-73/34
B29D 1/00-29/10、33/00、99/00
B33Y 10/00-99/00
F01D 1/00-15/12、23/00-25/36
F02C 1/00- 9/58
F23R 3/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンローターブレード(120、120A、120B、120C)であって、
前縁(128)及び後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)及び凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148、148A)と、
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)の一部を通って少なくとも一部が画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記シャンク(148、148A)と第1の隣接タービンロータブレード(120)の第1の隣接シャンク(148B)との間に画定された第1のホイール空間部分(292)と前記シャンク(148、148A)と第2の隣接するタービンローターブレード(120)の第2の隣接するシャンク(148C)との間に画定された第2のホイール空間部分(294)とを流体結合する、前記冷却剤移送通路(290)
を含む、タービンローターブレード(120)。
【請求項2】
前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、請求項1に記載のタービンローターブレード(120)。
【請求項3】
前記圧力側外壁(124)及び前記負圧側外壁(126)が、前記シャンク(148、148A)内で半径方向に延びるチャンバ(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバ(134)から流体的に隔離されている、請求項1に記載のタービンローターブレード(120)。
【請求項4】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項1に記載のタービンローターブレード(120)。
【請求項5】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項4に記載のタービンローターブレード(120)。
【請求項6】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する第1のエンジェルウィングと、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、請求項1に記載のタービンローターブレード(120)。
【請求項7】
付加製造されたタービンローターブレード(120)であって、
前縁(128)及び後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)及び凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148、148A)と、
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)の一部を通って少なくとも一部が画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記シャンク(148、148A)と第1の隣接タービンロータブレードの第1の隣接シャンク(148B)との間に画定された第1のホイール空間部分(292)と前記シャンク(148、148A)と第2の隣接するタービンローターブレードの第2の隣接するシャンク(148C)との間に画定された第2のホイール空間部分(294)とを流体結合する、前記冷却剤移送通路(290)
を含む、付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項8】
前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、請求項7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項9】
前記圧力側外壁(124)及び前記負圧側外壁(126)が、前記シャンク(148、148A)内で半径方向に延びるチャンバ(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバ(134)から流体的に隔離されている、請求項7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項10】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項11】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項10に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項12】
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する第1のエンジェルウィングと、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、請求項7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
【請求項13】
複数のタービンローターブレード(120)のセットであって
第1のタービンローターブレード(120A)、第2のタービンローターブレード(120B)及び第3のタービンローターブレード(120C)であって、前記第1のタービンローターブレード(120A)が、前記第2及び第3のタービンローターブレード(120B、120C)の間に配置される、前記第1~第3のタービンローターブレード(120A、120B、120C)を含み、各タービンローターブレード(120)は、
前縁(128)及び後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)及び凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148、148A)と、
前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する少なくとも1つのエンジェルウィング(280)であって、前記第1及び第2のタービンローターブレード(120)のシャンクは、それらの間に第1のホイール空間部分(292)を画定し、前記第1及び第3のタービンローターブレード(120)のシャンクは、それらの間に第2のホイール空間部分(294)を画定する、前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記第1のタービンローターブレード(120A)の前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)の一部を通って少なくとも一部が画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と前記第2のホイール空間部分(294)とを流体的に結合する、前記冷却剤移送通路(290)
を含む、複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項14】
前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記第1のタービンローターブレード(120)の前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、請求項13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項15】
前記圧力側外壁(124)及び前記負圧側外壁(126)が、前記シャンク(148、148A)内で半径方向に延びるチャンバ(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバ(134)から流体的に隔離されている、請求項13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項16】
前記第1のタービンローターブレード(120A)の前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項17】
前記第1のタービンローターブレード(120A)の前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、請求項16に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項18】
前記第1のタービンローターブレード(120A)の前記シャンク(148、148A)の少なくとも1つの側面(282、284)から軸方向に突出する前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148、148A)の第1の側から軸方向に突出する第1のエンジェルウィングと、前記第1の側面と反応側の前記シャンク(148、148A)第2の側から軸方向に突出する第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、請求項13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【請求項19】
前記第1及び第2のタービンローターブレード(120)の前記少なくとも1つのエンジェルウィングの各々は、それを通し画定された冷却剤移送通路(290)を含み、前記冷却剤移送通路(290)は、それぞれのタービンローターブレードのシャンクの反対側にあるホイール空間部分を流体結合する、請求項13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にターボ機械、より具体的には、一体型衝突(インピンジメント)スリーブ、プラットフォーム内の非線形冷却通路、冷却剤移送通路を備えたエンジェルウィングや一体型格子支持構造(一体型ラティスサポート構造)等を備えた中空ダブテールなどの多数の付加製造(アディティブマニュファクチャリング)された一体型特徴を備えたタービンローターブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、ローターに結合された複数のタービンローターブレードを含む。蒸気や燃焼燃料などの作動流体がブレードに押し付けられ、ブレードがローターを回転させる。タービンローターブレードは非常に高温の状態で作動し、冷却が必要である。冷却機能は、さまざまな方法で提供できる。
【0003】
冷却を提供する1つのメカニズムは、インピンジメントインサートである。インピンジメントインサートまたはスリーブは、その壁に冷却通路を有する中空体を含み、これにより、冷却通路を介して冷却剤を送達して、冷却される表面に突き当てまたは衝突させることができる。インピンジメントインサートは、たとえば、タービンローターブレードなどのターボ機械のさまざまなホットガスパス(高温ガス通路:HGP)コンポーネント(構成要素)で使用され、その中の冷却回路の冷却性能を向上させる。インピンジメントインサートの課題の1つは、HGPコンポーネントのテーパー状または湾曲したキャビティ内に、高い冷却性能を可能にするために十分に近い方法でインピンジメントインサートを配置することであるが、冷却が効果的でないほど近くには存在しない。インピンジメントインサートの冷却性能の1つの指標は、Z/Dパラメータである。これは、インサートとHGPコンポーネントの内面との間のスタンドオフ距離Zと、インピンジメントインサートの冷却通路(穴)の直径Dの比率である。インサートのZ/Dパラメータ値は、通常、より良い冷却性能をもたらす望ましい範囲内に収まるように設計されている。
【0004】
インピンジメント冷却は通常、必要なスタンドオフ距離を実現できないインサートでは提供されない。たとえば、HGPコンポーネントのキャビティの湾曲が大きすぎて、インピンジメントインサートを十分に薄くしたり湾曲させたりして、必要なスタンドオフ距離を尊重できない場合、インピンジメント冷却を提供できない。この課題に対処するための1つのアプローチは、HGPコンポーネントへの挿入を容易にするために、多数の柔軟な縦方向のセクションにインピンジメントインサートを提供する。ただし、多数のインサートセクションを順番に配置して結合するか、HGPコンポーネントに結合する必要があるため、製造の複雑さ、時間、およびコストが増加する。柔軟なインピンジメントインサートセクションはまた、それらの周囲、すなわち横方向(断面)に隣接する要素を提供せず、それらが不連続である場合、冷却性能を損なう可能性がある。
【0005】
インピンジメント冷却は、ターボ機械の回転タービンローターブレード、例えばその前縁に限定的に適用されてきた。しかし、タービンローターブレードの内面全体にインピンジメント冷却が広く適用されていないのは、回転ブレードが回転するときに、ブレードが受ける遠心力によって冷却剤がブレードの半径方向外側の先端に押し付けられ、インピンジメント冷却が行われるためである。効果が低い。
【0006】
別の冷却機能として、冷却されるタービンローターブレードの一部を通る冷却通路がある。例えば、タービンローターブレードは、隣接するタービンローターブレードのプラットフォームと連携して、ターボ機械を通る作動流体経路の一部を形成するために横方向に延びるプラットフォームを含む。作動流体は高温であるため、プラットフォームには通常、プラットフォームのスラッシュ面から出る多数の冷却通路に供給する冷却回路が含まれている。一部のプラットフォームには、スラッシュ面にダンピングピンシートがあり、隣接するプラットフォームの隣接するダンピングピンシートと噛み合って作動流体の経路をシールする軸方向に延びるピンを受け取る。冷却通路は通常、スラッシュ面にドリルで穴を開けて、通路を冷却回路に流体的に結合する。その結果、冷却通路は線形構成になり、すべてのプラットフォームを適切に冷却できない場合がある。たとえば、冷却通路は、ダンピングピンシートを形成する延長部を通過する場合があるが、スラッシュ面の他の部分の冷却が不十分である。
【0007】
冷却機能は、エンジェルウィングでも使用できる。この点に関して、別の冷却機能には、冷却剤をエンジェルウィングに、またはエンジェルウィングの周りに放射状または半径方向に供給する冷却通路が含まれる。タービンローターブレード用のマウントはまた、その中に冷却機能を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第201800274381号明細書
【発明の概要】
【0009】
本開示の第1の態様において、以下を含むタービンローターブレードが提供される。前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の負圧側外壁を含む翼形体を含み、この2つの外壁は、冷却剤の流れを受け入れるための半径方向に延びるチャンバーを画定する翼形部内面を有する。翼型本体の半径方向外端にある先端と翼形体の半径方向内側端部にあるシャンクを含む。半径方向に延びるチャンバーは、シャンク内面を画定するために少なくとも部分的にシャンク内に延びる。半径方向に延びるチャンバー内のインピンジメント冷却構造は、第1の端部、第2の端部、内面および外面を含む中空体、中空体を通る流体連通における複数の冷却通路を含む。冷却剤の流れが中空体の内面から通過して少なくとも翼形部の内面に衝突すること可能にするために半径方向に延びるチャンバーを備え、中空体の第1の端部はシャンク内面に一体的に形成され、中空体の外面は、中空体の第1の端部と第2の端部との間で翼形部の内面から均一に離間されている。
【0010】
本開示の第2の態様は、以下を含む、付加製造されたタービンローターブレードを提供する。 前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の負圧側外壁を含む翼形体を含む。この2つの外壁は、冷却剤の流れを受け入れるための半径方向に延びるチャンバーを画定する翼形部内面を有する。半径方向に延びるチャンバー内の一体型インピンジメント冷却構造は、第1の端部、第2の端部、内面および外面を含む中空体、ならびに中空体を通る複数の冷却通路、および冷却剤の流れが中空体の内面から通過して少なくとも翼形部の内面に衝突することを可能にするために半径方向に延びるチャンバーと流体連通する。
【0011】
本開示の第3の態様では、材料の層を順次作成し、熱源を適用して材料の層を焼結して形成することを含む方法を提供される。前縁および後縁に沿って、冷却剤の流れを受け入れるための半径方向に延びるチャンバーを画定する翼形部内面を有する外壁が作成される。半径方向に延びるチャンバー内のインピンジメント冷却構造、一体型インピンジメント冷却構造は、第1の端部、第2の端部、内面および外面を含む中空体、ならびに中空体を貫通する複数の冷却通路を含む。冷却剤の流れが中空体の内面から通過して少なくとも翼形部の内面に衝突することを可能にする、半径方向に延びるチャンバーとの流体連絡が作成される。ここで、中空体の外面は、翼形部の内面から均一に離間している。
【0012】
本開示の第4の態様では、前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の負圧側外壁を含む翼形体を備えるタービンローターブレードが提供される。外壁は、翼型本体に対して横方向に外側に伸び冷却剤を受ける。少なくとも1つのスラッシュ面を終端するプラットフォーム内に定義され、冷却剤の流れの源と流体で連絡している冷却回路が設けられる。プラットフォームに定義され、冷却回路と流体連通する少なくとも1つの冷却通路であって、少なくとも1つの冷却通路は、冷却回路から非線形構成で延在し、プラットフォームの少なくとも1つのスラッシュ面を通って出る。
【0013】
本開示の第5の態様では、前縁および後縁に沿って接続する凹状圧力側外壁および凸状負圧側外壁を含む翼形体を含む、付加製造されたタービンローターブレードが提供される。外壁は、半径方向に延びるチャンバーを画定する。チャンバーは、翼型本体に対して横方向に外側に伸び、冷却剤の流れを受け取る。少なくとも1つのスラッシュ面を終端するプラットフォーム内に定義され、冷却剤の流れの源と流体で連絡している冷却回路とプラットフォームに定義され、冷却回路と流体連通する少なくとも1つの冷却通路が設けられる。少なくとも1つの冷却通路は、冷却回路から非線形構成で延在し、プラットフォームのスラッシュ面を通って出る。
【0014】
第6の態様では、タービンローターブレードが提供され、以下を含む。前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の負圧側外壁を含む翼形体。翼型本体の半径方向内側端にあるシャンク。シャンクの少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング。少なくとも1つのエンジェルウィングを介して画定された冷却剤移送通路、シャンクと第1の隣接タービンローターブレードの第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイールスペース部分と、シャンクおよび第2の隣接するタービンローターブレードの第2の隣接するシャンク。
【0015】
本開示の第7の態様は、付加製造されたタービンローターブレードに関する。タービンローターブレードは以下を有する。前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の負圧側外壁を含む翼形体。翼型本体の半径方向内側端にあるシャンク。シャンクの少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング。少なくとも1つのエンジェルウィングを介して画定された冷却剤移送通路、シャンクと第1の隣接タービンローターブレードの第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイールスペース部分と、シャンクおよび第2の隣接するタービンローターブレードの第2の隣接するシャンク。
【0016】
第8の態様は、第1のタービンローターブレード、第2のタービンローターブレードおよび第3のタービンローターブレードを提供する。第2および第3のタービンローターブレードの間に配置された第1のタービンローターブレード、各タービンローターを含む一組のタービンローターブレードに関する。各ブレードは以下を含む:前縁および後縁に沿って接続する凹状の圧力側外壁および凸状の吸引側外壁を含む翼型、翼型本体の半径方向の内側端部のシャンク、少なくとも1つのエンジェルウィングが翼の少なくとも1つの側から横方向に延びる。シャンクであり、第1および第2のタービンローターブレードのシャンクは、それらの間に第1のホイールスペース部分を画定し、第1および第3のタービンローターブレードのシャンクは、それらの間に第2のホイールスペース部分を画定する。そして、第1のタービンローターブレードの少なくとも1つのエンジェルウィングを介して画定された冷却剤移送通路、第1のホイールスペース部分と第2のホイールスペース部分を流体結合する冷却剤移送通路。
【0017】
第9の態様は、タービンローターブレードの根元に関するものであり、以下を含む。シャンクの半径方向の内側端にあるブレードマウント、その中に定義された中空の内部を有するブレードマウント、半径方向に延びるチャンバーと流体連通している中空の内部。と ブレードマウントの中空内部に配置された格子支持構造。
【0018】
第10の態様は、タービンローターブレードルートを含み、以下を含む。シャンクの半径方向の内側端にあるブレードマウント、その中に定義された中空の内部を有するブレードマウント、半径方向に延びるチャンバーと流体連通している中空の内部。ブレードマウントの中空内部に配置された格子支持構造。シャンクの少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング。少なくとも1つのエンジェルウィングを介して定義された冷却剤移送通路、第1の隣接するタービンローターブレードルートのシャンクと第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイールスペース部分と、シャンクと、隣接する2番目のタービンローターブレードルートの隣接する2番目のシャンク。
【0019】
第11の態様は、タービンローターブレードの根元に関するものであり、以下を含む。シャンクの半径方向の内側端にあるブレードマウント、その中に定義された中空の内部を有するブレードマウント、半径方向に延びるチャンバーと流体連通している中空の内部。ブレードマウントの中空内部に配置された格子支持構造。シャンクの少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング。少なくとも1つのエンジェルウィングを介して定義された冷却剤移送通路、第1の隣接するタービンローターブレードルートのシャンクと第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイールスペース部分と、シャンクと、隣接する2番目のタービンローターブレードルートの隣接する2番目のシャンク。
【0020】
本開示の例示的な態様は、本明細書に記載されている問題および/または議論されていない他の問題を解決するように設計されている。
【0021】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を描写する添付の図面と併せて取られる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的なガスタービン(GT)システムの概略図を示している。
図2図1のGTシステムと共に使用することができる例示的なガスタービンアセンブリの断面図を示している。
図3】本開示の実施形態を使用することができるタイプのタービンローターブレードの斜視図を示している。
図4】本開示の一実施形態による、一体型衝突スリーブを含むタービンローターブレードの軸方向断面図を示す。
図5】本開示の一実施形態による、一体型衝突スリーブを含むタービンローターブレードの半径方向の円周方向断面図を示す。
図6】本開示の別の実施形態による、インピンジメント冷却構造とタービンローターブレードのシャンクとの接触位置の拡大断面図を示す。
図7】本開示の別の実施形態による、可変壁厚を有するインピンジメント冷却構造の拡大断面図を示す。
図8】本開示の一実施形態による、その冷却通路の周りに補強部材を備えたインピンジメント冷却構造の拡大断面図を示す。
図9】本開示の代替の実施形態による、インピンジメント冷却構造の平面断面図を示している。
図10】本開示の一実施形態による、一体型衝突スリーブを含むタービンローターブレードの第1の部分的な軸方向断面図を示す。
図11】本開示の一実施形態による、一体型衝突スリーブを含むタービンローターブレードの第2の部分軸方向断面図を示す。
図12】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の斜視図を示す。
図13】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォームの側面における冷却通路の透明な平面図を示している。
図14】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の拡大断面図を示す。
図15】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の拡大断面図を示す。
図16】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の拡大断面図を示す。
図17】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の拡大断面図を示す。
図18】本開示の実施形態による、タービンローターブレードのプラットフォーム内の冷却通路の拡大断面図を示す。
図19】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含むタービンローターブレードの断面図を示している。
図20】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含むタービンローターブレードの透明な斜視図を示している。
図21】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含む一組のタービンローターブレードの概略軸方向図を示す。
図22】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含むタービンローターブレードの平面図を示す。
図23】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含むタービンローターブレードの側面図を示す。
図24】本開示の実施形態による、エンジェルウィングを含むタービンローターブレードの側面図を示す。
図25】本開示の実施形態による、格子支持構造を含むタービンローターブレードの中空ブレードマウントの断面図を示す。
図26】本開示の実施形態による、格子支持構造を含むタービンローターブレードの根元の斜視断面図を示す。
【0023】
本開示の図面は必ずしも原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な側面のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面では、同様の番号付けは、図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
現在の開示を明確に説明するために、例えばターボ機械内の関連する機械部品を参照および説明するときに特定の用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能であれば、一般的な業界用語が、受け入れられている意味と一致する方法で使用および使用される。特に明記しない限り、そのような用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲の範囲と一致する広い解釈を与えられるべきである。当業者は、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることが多いことを理解するであろう。本明細書で単一の部分であると説明され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈で含まれ、参照され得る。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書で説明され得るものは、他の場所では単一の部分と呼ばれ得る。
【0025】
さらに、ここではいくつかの説明的な用語が定期的に使用される場合があり、このセクションの冒頭でこれらの用語を定義することが役立つはずである。これらの用語とその定義は、特に明記されていない限り、次のとおりである。本明細書で使用される場合、「下流」および「上流」は、ターボ機械を通る作動流体などの流体の流れ、または例えば、燃焼器を通る空気の流れまたは燃焼器またはタービンのコンポーネントの1つを通る冷却剤の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れと反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、それ以上の具体性なしに、方向を指し、「前方」はターボ機械の前端(すなわち、圧縮機端)またはその構成要素を指し、「後方」はターボ機械の端(すなわち、タービン端)またはそのコンポーネントの後方を指す。前方および後方は、一般に、図面ではX方向で示される。多くの場合、中心軸に対して半径方向の位置が異なるパーツを記述する必要がある。「ラジアル」という用語は、軸、例えばターボ機械のローター軸に垂直な動きまたは位置を指す。このような場合、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸の近くにある場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向内側」または「内側」であると述べられる。他方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から離れて存在する場合、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向外側」または「外側」であると本明細書で述べることができる。半径方向は、一般に、図面ではZ方向で示されている。「軸方向」という用語は、軸、すなわちターボ機械のローター軸に平行な動きまたは位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸の周りの動きまたは位置を指す。図面の凡例では湾曲して示されていないが、円周方向は一般に図面ではY方向で示されている。そのような用語は、ターボ機械の回転子軸に関連して適用され得ることが理解されよう。
【0026】
さらに、以下に説明するように、本明細書ではいくつかの説明用語を定期的に使用することができる。「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、あるコンポーネントを別のコンポーネントと区別するために交換可能に使用される場合があり、個々のコンポーネントの場所または重要性を示すことを意図していない。
【0027】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形をも含むことが意図されている。用語「含む」および/または「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言明されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明確に述べているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解される。
【0028】
要素または層が別の要素または層に「載置」、「係合」、「接続」、または「結合」されていると呼ばれる場合、他の要素に直接載置、係合、接続、または結合されているか、層、または介在する要素または層が存在する可能性がある。対照的に、要素が「統合的」、「直接載置」、「直接関与」、「直接接続」、または「直接結合」と呼ばれる場合、介在する要素は存在しない可能性がある。レイヤーが存在する。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様の方法で解釈する必要がある(たとえば、「間」と「直接間」、「隣接」と「直接隣接」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0029】
上に示したように、本開示は、ブレードおよび/またはルートの積層造形によって可能になるいくつかの一体的な特徴を含むタービンローターブレードまたはタービンローターブレードルートを提供する。アディティブマニュファクチャリングにより、以前は許可されていなかった冷却を提供し、従来のシステムと比較して冷却を改善し、追加の構造強度を提供し、および/またはブレードの重量を低減する構造の形成が可能になる。
A.はじめに
【0030】
図1は、本開示の様々な実施形態による一体型特徴を含むタービンローターブレードを含み得る例示的なターボ機械90の概略図を示す。示される例では、ターボ機械90は、圧縮機102および燃焼器104を含むガスタービン(GT)システム100を含む。燃焼器104は、燃焼領域105および燃料ノズルアセンブリ106を含む。GTシステム100は、タービン108および一般的な圧縮機/タービンシャフト(ローターと呼ばれることもある)110。一実施形態では、GTシステム100は、7HAまたは9HA GTシステム(商標)であり、Screntive Electal Company、Greenbille、SCから市販されている。 GTシステムであり、例えば、ゼネラルエレクトリック社の他のHA、F、B、LM、GT、TMおよびEクラスエンジンモデル、ならびに他社のエンジンモデルを含む他のエンジンと組み合わせて使用することができる。さらに、本明細書に記載されているように、タービンローターブレードは、他の形態のターボ機械、例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機などに適用され得る。
【0031】
動作中、空気は圧縮機102を通って流れ、圧縮空気は燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104に一体の燃料ノズルアセンブリ106に供給される。アセンブリ106は、燃焼領域105と流れ連絡している。燃料ノズルアセンブリ106はまた、燃料源(図1には示されていない)と流れ連絡しており、燃料および空気を燃焼領域105に導く。燃焼器104は、燃料を点火および燃焼させる。燃焼器104は、ガス流の熱エネルギーが機械的回転エネルギーに変換されるタービン108と流れ連絡している。タービン108は、回転子110に回転可能に結合され、回転子110に駆動される。圧縮機102はまた、回転子110に回転可能に結合される。例示的な実施形態では、複数の燃焼器104および燃料ノズルアセンブリ106がある。
【0032】
図2は、図1のGTシステム100で使用することができる3つの段を備えた例示的なタービン108の断面図を示している。各段は、静止ベーンまたはノズル112およびタービンローターブレード120のセットを含む。静止ノズル112は、半径方向外側プラットフォーム114および半径方向内側プラットフォーム116によってタービン108内に保持され得る。静止ノズル112は、1つ以上の円周方向に離間したプラットフォームを含み得る。エアフォイル118(図4)。タービンローターブレード120は、ローター110に結合され、静止ノズル112の列の間に延びる。燃焼ガスは、静止ノズル112によってタービンローターブレード120に対して向けられて、ローター110を回転させる(図1)。
【0033】
図3は、GTシステム100の例示的なタービンローターブレード120の斜視図を示しており、本開示の様々な実施形態による一体型の特徴を使用することができる。図4は、本開示の様々な実施形態による、一体型インピンジメント冷却構造160の形態の一体型特徴を含むタービンローターブレード120の軸方向断面図を示す。タービンローターブレード120は、前縁および後縁128、130に沿って接続する凹状の圧力側外壁124および凸状の負圧側外壁126を含む翼形部本体122を含む。図4に示されるように、外壁124、126は、冷却剤の流れ136を受け入れるための半径方向に延びるチャンバー344を画定する翼形部内面132を有する。図3に示されるように、タービンローターブレード120はまた、エーロフォイル(翼形部)本体122の半径方向外端142に先端140を含み得る。タービンローターブレード120はまた、タービンローターブレード120が、例えば、ロータホイール147(図21)によってロータ110(図1)に取り付けられるタービンローターブレードルート144(以下、「ルート144」)を含み得る。例えば、ローターホイール147(図21)によって、ローター110(図1)に取り付けられる。本開示の目的のために、ルート144は、プラットフォーム150を含み、プラットフォーム150の半径方向内側を含むタービンローターブレード120の任意の部分を含み得る。ルート144は、ロータホイール147の周囲の対応するスロットに取り付けるように構成されたブレードマウント146を含み得る。ブレードマウント146は、ダブテールまたはモミの木の配置などであるがこれらに限定されない、ロータディスク147(図21)に取り付けるための現在知られている、または後に開発された任意の外部構成を有し得る。タービンローターブレード120、すなわちそのルート144は、ブレードマウント146とプラットフォーム150との間に延びるシャンク148をさらに含むことができる。プラットフォーム150は、翼形部122とシャンク148との接合部に配置され、内側境界の一部を画定する。タービン108を通る流路の図(図1~2)。したがって、シャンク148は、翼形部本体122の半径方向内側端部152に配置され、ブレードマウント146は、シャンク148に対して半径方向内側に配置される。プラットフォーム150は、シャンク148に対して横方向外側に延びる。シャンク内面154を画定するために、少なくとも部分的にシャンク148内に延びる(図5)。翼形部本体122の外壁124および126は、プラットフォーム150から先端140まで半径方向(Z)方向に延びる。翼形部本体122は、作動流体の流れを遮断するタービンローターブレード120の可動構成要素であり、ローターを回転させる。
B.一体型インピンジメント冷却構造
【0034】
特定の実施形態では、タービンローターブレード120は、とりわけ、翼形部本体122と、その中に一体型インピンジメント冷却構造160の形態の一体型特徴とを含み得る。インピンジメント冷却構造はインサートではないが、ブレードの残りの部分と一体的に、たとえば添加剤製造によって作られている。本明細書に記載されるように、翼形部本体122は、前縁および後縁128、130に沿って接続する凹状圧力側外壁124および凸状負圧側外壁126を含み得る。タービンローターブレード120はまた、翼形部本体122の半径方向外端142に先端端140を含み、翼形部本体122の半径方向内側端152にシャンク148を含み得る。一体型インピンジメント冷却構造160は、半径方向に延びるチャンバー134内にあり、第1の端部164、第2の端部166、内面168、および外面170を含む中空体162を含み得る。複数の冷却通路172は、中空体162を通って延在し、半径方向に延在するチャンバー344と流体連通しており、冷却剤の流れが中空体の内面168から通過することを可能にする。従来の衝突インサート(インピンジメントインサート)とは対照的に、中空体162の第1の端部164は、すなわち、積層造形によって、シャンク内面154に一体的に形成される。その結果、中空体162の外面170は、翼形部内面132の曲率に関係なく、中空体162の第1の端部164と第2の端部166との間で翼形部内面132から均一に離間されるようにすることができる。不均一であるが特注のスタンドオフ間隔は、異なるインピンジメント冷却、熱ピックアップ、および/または再利用を提供する目的で使用される場合がある。たとえば、インピンジメント冷却を増やす必要がある場合はスタンドオフ間隔を狭くし、インピンジメント冷却を少なくする必要がある場合はスタンドオフ間隔を広くすることができる。さらに、中空体162は、その前縁だけでなく、ブレード全体にインピンジメント冷却を提供するために、その周囲全体および半径方向スパンの周りに冷却通路を有し得る。したがって、一体型インピンジメント冷却構造は、通常インピンジメントインサートに関連する限られた犠牲でインピンジメントを最大限にカバーすることを可能にし、多くの可変冷却機能を有することができる。たとえば、タービンローターブレードは、インピンジメント冷却構造またはその後方のピンバンク用の可変翼弦幅、さまざまな冷却負荷に合わせて調整されたインピンジメント冷却構造の壁厚、および翼型本体とインピンジメント冷却構造の異なる熱膨張係数(CTE)に対応するためのさまざまなサポートを備えている場合がある。
【0035】
図1に示すように。図4の半径方向の円周方向断面図。図5に示されるように、タービンローターブレード120は、半径方向に延びるチャンバー344内にインピンジメント冷却構造160を含み得る。インピンジメント冷却は、典型的には、半径方向に延びるチャンバー134に挿入され、例えば、締結具または溶接。インピンジメントインサートは通常線形であるが、ある程度の曲率が含まれる場合がある。半径方向に延びるチャンバー344が、図1のように湾曲した翼形部内面132を有する場合。図5に示されるように、ブレードの半径方向スパン全体に沿って内面から均一に間隔を置いて配置された衝突インサートを有することは不可能である。この課題に対処するために、本開示の実施形態によるインピンジメント冷却構造160は、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)を使用して、タービンローターブレード120の残りの部分と一体的に形成される。
【0036】
図5に示されるように、インピンジメント冷却構造160は、第1の端部164、第2の端部166、内面168および外面170を含む中空体162を含む。衝突冷却構造160はまた、中空体162を通る複数の冷却通路172を含み、半径方向に延びるチャンバー134と流体連通して、冷却剤流136が中空体の内面168から通過して、少なくとも翼形部内面132に衝突することを可能にする。 、それは、とりわけ、翼形部本体122、先端140、シャンク148、および/またはプラットフォーム150の内面に衝突する可能性がある。図4および特に図5に示されるよう従来のタービンローターブレードとは対照的に、中空体162の外面170は、中空体162の第1の端部164と第2の端部166との間で翼形部内面132から均一に離間されている。すなわち、機械的挿入ではなく積層造形を使用して、(例えば、翼型内面132と同時に)インピンジメント冷却構造160を形成することができる。それに隣接する内面の曲率と一致するように、同じ曲率、曲がり、ねじれ、および他の任意の形状または寸法を有する。特に、インピンジメント冷却構造160は、それがカバーする半径方向スパン全体に沿って翼形部内面132から均一に離間することができ、タービンローターブレード120全体にわたって所望のZ/Dパラメータを保証する。Z/Dパラメータは、タービンローターブレード120の外面170と内面(例えば、翼形部内面132、シャンク内面154など)との間の距離Z、およびインピンジメント冷却構造160内の冷却通路172(穴)の直径Dの比である。一例では、Z/Dは、約1から約10の範囲であり得る。別の例では、Z/Dは、約2から約6の範囲であり得る。ミリメートル(0.05インチ)。従来の鋳造物よりも小さい直径のD冷却通路172もまた、例えば、破片からの目詰まりの関数として使用され得る。有利には、冷却通路172は、冷却剤の流れ136が中空体162から全方向に出て、翼形部122の翼形部内面132のすべてにインピンジメント冷却を提供するように、中空体162の全周範囲の周りに延びることができる。内面132、154のインピンジメント冷却が望ましくない、または必要とされない領域では省略される。冷却通路172は、中空体162の任意の所望の半径方向の範囲に沿って延びることができる。
【0037】
図5に示されるように、中空体162の第1の端部164は、シャンク内面154に一体的に形成される。第1の端部164は会合位置(ミーティングロケーション:遭遇箇所)でシャンク内面154と出会いう。会合位置174は、第1の端部164の全周にわたって延びる。すなわち、会合位置(冷却通路172を除く)において、第1の端部164とシャンク内面154との間に開口部がない。特定の実施形態では、中空体162の第1の端部164は、プラットフォーム150の半径方向内側に内面154をシャンクするように一体的に形成される。プラットフォーム150の半径方向外側にある。図5に示されるように、すべての場合に必要ではないが、中空体162の第2の端166はまた、先端端140の内面176に他の形態の冷却用に一体的に形成され得る。
【0038】
図6は、本開示の様々な実施形態による、タービンローターブレード120のインピンジメント冷却構造160およびシャンク148の会合位置174(図5)の拡大断面図を示す。図5および6に示されるように、中空体162の第1の端部164は、中空体162の第1の端部164およびシャンク内面154の接触位置174に対して実質的に半径方向(矢印Z)に延びることができる。「方向」は、第1の端部164が、ある程度の許容誤差、例えば、+/-5°でローター110(図1)から半径方向に離れて延びることを示す。対照的に、シャンク内面154の少なくとも一部は、中空体162およびシャンク148の第1の端部164の接触位置174から半径方向Zに対して角度αで延びる(図6)。別の実施形態では、シャンク内面154は、実質的に半径方向に位置合わせされ、中空体の第1の端部164は、角度α、例えば30°未満(<30°)を維持するために、会合位置174に向かって徐々に湾曲または遷移する。さらなる実施形態では、中空体162のシャンク内面154および第1の端部164の両方が、会合位置174に向かって徐々に湾曲または遷移する。角度αは、任意の所望の角度であり、添加剤製造の範囲内、例えば、垂直から45°未満であり得る。構造的完全性を維持するために、角度αは可能な限り小さく、例えば、<10°、<20°または<30°であることが望ましい。図1にのみ示されるように。図6に示されるように、特定の実施形態では、支持構造180は、中空体162の第1の端部164とシャンク内面154との間に、例えば、集合位置174の半径方向外側およびプラットフォーム150の半径方向内側に配置され得る。中空体162の外面170と翼形部内面132、シャンク内面154などとの間の任意の位置に配置する。さらに別の実施形態では、支持構造180の少なくとも一部分は、翼形部本体122のチャンバー310から外壁124および/または126(図4)への直接冷却流を可能にする中空支持要素(例えば、格子)を含む。半径方向に延びるチャンバー134から直接、前縁および/または後縁128、130などの翼形部本体122の特定の領域にフィルム冷却を提供することが望ましい場合がある。支持構造180は、現在知られているまたは後に開発される要素を含み得る。シャンク内面154に対して中空体162の第1の端部164を配置することができる。支持構造180は、格子構造、真っ直ぐなまたは弧状のバーなどを含み得るが、これらに限定されない。支持構造180はまた、添加剤製造を介して一体的に形成され得る。
【0039】
インピンジメント冷却構造160はまた、様々なオプションの代替一体型冷却機能を含み得る。一例では、インピンジメント冷却構造160は、様々な壁厚で任意選択で形成され得る。壁の厚さを変えることは、例えば、インピンジメント冷却構造160とより高温の翼形部本体122、シャンク148および/またはプラットフォーム150との間の変化するCTEに対応するために有利であり得る。図5に示されるように、翼形部本体122、シャンク148および/またはプラットフォーム150は、多種多様な壁の厚さを有し得、その範囲にわたって様々な厚さを有し得る。図7は、インピンジメント冷却構造160の一部、隣接する翼形部本体122、プラットフォーム150またはシャンク148の拡大された部分断面図を示す。前述のように、特定の実施形態では、図7に示されるように。図7に示されるように、中空体162は、内面168とその外面170との間に第1の壁厚W1を有する少なくとも1つの第1の部分182と、内面168と外面170との間に第2の壁厚W2を有する少なくとも1つの第2の部分184とを含み得る。その。示されている例では、第1の壁の厚さW1は、第2の壁の厚さW2よりも大きい。インピンジメント冷却構造160には、任意の数のより厚いおよび/またはより薄い部分182、184を設けることができる。部分182、184の厚さは、その場所の構造的および/または熱的要件に対処するために望まれる任意の寸法であり得る。
【0040】
別の例示的な任意の構造では、内面132、154に対して一体型インピンジメント冷却構造160を支持するために追加の支持構造が望まれ、および/または必要とされ得る。例えば、インピンジメント冷却構造160のより薄い壁厚部分184(図7)において、追加の支持が望まれ、および/または必要とされ得る。この目的のために、図7に示されるように、タービンローターブレード120はまた、より薄い壁厚W2を有する少なくとも1つの部分184の中空体162の外面170に支持体186を含み得る。支持体186は、中空体162(およびタービンローターブレード120の残りの部分)と一体的に形成されて、中空体162の外面170を、例えば、翼形部内面132から、第1の端部164(図5)と第2の端部166との間に離間させる。中空体162の任意の数の支持体186を、より薄い壁部分184に提供することができる。支持体186は、複数の冷却通路172の1つと流体連通する通路188を含むことができる。特定の実施形態では、壁の厚さに関係なく、タービンローターブレード120は、中空体162の外面170に支持体189を含むことができる。支持体186は、中空体162(およびタービンローターブレード120の残りの部分)と一体的に形成されて、中空体162の外面170を、例えば、翼形部内面132から、第1の端部164(図5)と中空体162の第2の端部166との間に離間させる。支持体186、189は、以下を可能にする任意の形態をとることができる。翼形部本体122のより高温の外壁124、126とより低温のインピンジメント冷却構造160との間の応力の低減は、必要な熱膨張を提供し、構造的支持を提供し、および/または内面132、154からの中空本体162の所望の間隔を提供する。支持体186、189は、これらに限定されないが、チューブ、バーなどの任意の所望の寸法および/または形状を有することができる。
【0041】
図8は、冷却通路172の少なくとも1つを取り囲む補強部材190を含む別の代替実施形態の拡大断面図を示す。補強部材190は、より厚い壁などの任意の構造的強化部材を含むことができる。図4に示されるように、中空体162の内面168に一体的に形成された補強リブ192を含むこともできる。任意の数の補強リブ192を提供することができ、それぞれが中空体162の任意の所望の半径方向範囲に延在することができる。支持体186、189、補強部材190および/または補強リブ192は、アディティブマニュファクチャリングを使用してタービンローターブレード120の残りの部分と一体的に形成され得る。
【0042】
図9は、一体型インピンジメント冷却構造160および追加のオプションの代替一体型冷却機能を含むタービンローターブレード120の断面図を示している。1つの代替実施形態では、インピンジメント冷却構造160は、内面132、154から様々な間隔Zで任意選択で形成され得る。間隔Zは、様々な位置で所望のZ/Dパラメータおよび所望の冷却を提供するようにカスタマイズされ得る。例えば、タービンローターブレード120は、いくつかの高熱負荷領域195、すなわち、ブレードの他の領域と比較して、より高い温度下に曝され、より多くの冷却を必要とする領域を有し得る。示される例では、高熱負荷領域195は、前縁128(195A)の近く、後縁130(195B)の近くの圧力側外壁124、および前縁128(195C)の下流の負圧側壁126の領域を含む。高熱負荷領域195では、第1の間隔Z1は、高熱負荷領域195で、一体型インピンジメント冷却構造160と内面132、154との間に使用され得、第2の、より大きな間隔Z2は、そのような高熱負荷を有さない他の場所で使用される。このようにして、必要に応じて、すなわち、高熱負荷領域195において、インピンジメント冷却構造160と内面132との間の間隔が増加する第1の間隔Z1を使用して、第2のより大きな間隔Z2を使用して、より低い熱負荷の領域ためにより多くの冷却を提供することができる。図9に示されるように、より大きな第2の間隔Z2は、冷却剤の流れ136が後縁130に向かって下流に移動するときに熱吸収を制限または低減することを可能にし、冷却剤の流れ136をより低温にし、下流領域、例えば蛇行冷却通路200および/または(後述の)ピンバンク206に対してより多くの熱吸収能力を有することを可能にする。間隔Z1とZ2の間の遷移は、任意の望ましい割合で、たとえば、比較的長い距離にわたって緩やかに、特定の場所で急激に、またはそれらの間の任意の割合で行うことができる。第2の間隔Z2は、たとえば、第1の間隔Z1の1.01~3.00倍の範囲にすることができる。Z/Dパラメータは、特定の領域ごとにカスタマイズできる。前述のように、一例では、Z/Dは、約1から約10の範囲である。別の例では、Z/Dは、約2から約6の範囲であり得る。冷却通路172の直径Dはまた、異なる領域のZ/Dパラメータをカスタマイズするように構成することができる。
【0043】
図9はまた、内面132上に1つまたは複数の衝突後ターゲット特徴196を含むタービンローターブレード120を示している。衝突後標的特徴196は、冷却を促進するために内面132上に現在知られているまたは後に開発された構造を含み得る。示されている例では、衝突ターゲット特徴192はバンプを含むが、それらは任意の構造を含むことができる。一シナリオでは、中空体162は、衝突ターゲット特徴196の輪郭に一致するように局所的なバルジ(膨らみまたは隆起)198を含み得、したがって、間隔Z(すなわち、示されるようにZ1)を維持し得る。2つのターゲット特徴196およびバルジ(膨らみまたは隆起)198のペアが示されているが、任意の数を使用することができる。一実施形態では、衝突後標的特徴196はまた、オプションとして、フィルム冷却穴199などの追加の一体型冷却特徴を含み得る。フィルム冷却穴199は、冷却剤の流れ136、衝突後の標的特徴196、すなわちその内面132を備えた衝突後の流れ136を導き、側壁124、126上に冷却フィルム201を作成する。任意の数のフィルム冷却穴199を、各衝突後冷却特徴196内に適用することができる。
【0044】
図10は、図4の視線10-10に沿った第1の半径方向の断面図を示し、図11は、図4の視線11-11に沿った第2の半径方向断面図を示している。図4に示されるように、後者は、図4とはわずかに異なる平面にある。図10に示されるように、特定の実施形態では、中空体162は、翼形部148よりも先端140の近くで小さい翼弦幅WC1を有する。さらに、中空体162は、その半径方向スパンにわたって、より広い弦方向幅と狭い翼弦方向幅WC1を交互に持つことができる(図10-11の上下のページ)。その結果、中空体162の軸方向後端194は、中空体162の半径方向スパンに沿って翼弦方向の位置で変化し得る。このようにして、インピンジメント冷却構造160は、その半径方向スパンにわたって湾曲する形状(翼弦方向幅WC1)を有することができる。翼の形状に関係なく、翼の内面132および/またはシャンクの内面154(図5)から均一に離間している。従来のインピンジメントインサートはそのような機能を提供できない。
【0045】
図4、10および11に示されるように、翼形部122は、中空体162の後方の翼形部内面132から後縁130に向かって延びる少なくとも1つの翼弦方向に延びる曲がりくねった冷却通路200をさらに含む。図10および11に示されるように、各翼弦方向に延びる曲がりくねった冷却通路200は、同じ弦方向幅WC2、例えば、中空体162の翼弦方向幅WC1よりも短くすることができる。複数の後縁冷却通路202のそれぞれは、同じ翼弦方向幅WC3を有し、すなわち、タービンローターブレード120の半径方向スパンに沿っている。図10および11に示されるように、後縁冷却通路202と曲がりくねった冷却通路200との間の空間204は、様々な翼弦方向幅WC4を有する、すなわち、タービンローターブレード120の半径方向スパンに沿っている。タービンローターブレード120は、複数の後縁冷却通路202の前端(図10ではその右側)と、翼弦方向に延びる曲がりくねった冷却通路200の後端(図11ではその左側)との間にピンバンクをさらに含み得る。その結果、図1および図2に示されるように、 図10~11に示されるように、ピンバンク206は、その半径方向スパンに沿って様々な翼弦方向幅WC4を有することができる図1および2図10および11は、開口部208を介したフィルム冷却、インピンジメント冷却構造160を介した主弦インピンジメント冷却、曲がりくねった冷却通路200を介した後縁130付近の冷却、およびピンバンク206によるバンク冷却を行う後縁130ピンを含むがこれらに限定されない様々な冷却機能を示す。
【0046】
アディティブマニュファクチャリング(AM)には、材料の除去ではなく、材料の連続的な層化によってコンポーネントを製造するさまざまなプロセスが含まれる。したがって、積層造形は、いかなる種類の工具、金型、または固定具を使用せずに、廃棄物をほとんどまたはまったく使用せずに、タービンローターブレード120に関連して本明細書で説明するような複雑な形状を作成することができる。材料の固体ビレットからコンポーネントを機械加工する代わりに、その多くは切り取られて廃棄されるが、積層造形で使用される材料は、コンポーネント、すなわち構成要素の成形に必要なものだけである。付加製造技術(アディティブ・マニュファクチャリング)は、通常、形成されるコンポーネント(例えば、タービンローターブレード120)の3次元コンピューター支援設計(CAD)ファイル(例えば、コンポーネントを18~102マイクロメートルの厚さの層に電子的にスライスし、ベクトル、画像、座標など、各レイヤーの2次元画像を含むファイル)を受ける。次に、ファイルを準備ソフトウェアシステムにロードして、ファイルを解釈し、さまざまなタイプの積層造形システムでコンポーネントを構築できるようにする。3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、およびダイレクトデジタルマニュファクチャリング(DDM)形式の積層造形では、材料層が選択的にディスペンス、焼結、成形、堆積などされて、コンポーネントが作成される。鋳造などの他の製造プロセスも使用することができるが、タービンローターブレード120は、積層造形によって有利に製造することができる。
【0047】
直接金属レーザー溶融(DMLM)(選択的レーザー溶融(SLM)とも呼ばれる)、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、電子ビーム溶融(EBM)などの金属粉末積層造形技術、およびおそらく他の形態の積層造形では、金属粉末層が順次溶融されてコンポーネントを形成する。より具体的には、微細な金属粉末層は、金属粉末床上でアプリケーターを使用して均一に分散された後、順次溶融される。各アプリケーターには、金属、プラスチック、セラミック、炭素繊維、またはゴムでできたリップ、ブラシ、ブレード、またはローラーの形のアプリケーター要素が含まれており、金属粉末をビルドプラットフォーム全体に均一に広げる。金属粉末床は垂直軸で動かすことができる。このプロセスは、正確に制御された雰囲気を持つ処理チャンバー内で行われる。各層が作成されると、金属粉末を選択的に溶融することにより、コンポーネントジオメトリの各2次元スライスを融合できる。溶融は、100ワットのイッテルビウムレーザーなどの高出力溶融ビームによって実行され、金属粉末を完全に溶接(溶融)して固体金属を形成することができる。溶融ビームは走査鏡を使用してXY方向に移動し、金属粉末を完全に溶接(溶融)して固体金属を形成するのに十分な強度を持っている。金属粉末床は、後続の二次元層ごとに下げることができ、コンポーネントが完全に形成されるまでこのプロセスが繰り返される。特定のより大きなブレードをより速く作成するために、一部の金属積層造形システムは、連携してブレードを形成する高出力レーザーのペアを採用している。ここで、タービンローターブレード120を作製する方法は、材料の層を連続的に作成し、熱源を適用して材料の層を焼結して、本明細書に記載の構造を形成することを含み得る。したがって、積層造形は、複数の一体型材料層を含む翼形部本体122、先端140、シャンク148、およびインピンジメント冷却構造160をもたらす。
【0048】
タービンローターブレード120は、使用される環境に耐えることができる、純金属または合金を含み得る金属でできていてもよい。一例では、金属は、実質的に任意の非反応性金属粉末、すなわち、コバルトクロムモリブデン(CoClMo)合金、ステンレス鋼、オーステナイトニッケルなどであるがこれらに限定されない非爆発性または非導電性粉末を含み得る。ニッケル-クロム-モリブデン-ニオブ合金(NiCrMoNb)(例えばInconel625またはInconel718)などのクロムベースの合金、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金(NiCrFeMo)(例えば、Haynes International、Inc.から入手可能なHastelloy)、またはニッケル-クロム-コバルト-モリブデン合金(NiCrCoMo)(例えば、Haynes International、Inc.から入手可能なHaynes 282)など。別の例では、金属は、工具鋼(例えば、H13)、チタン合金(例えば、Ti AlV)、ステンレス鋼(例えば、316L)、コバルト-クロム合金(例えば、H13)などの実質的に任意の金属を含み得る。例:CoCrMo)、およびアルミニウム合金(例:AlSi10Mg)
【0049】
従来の衝突インサートとは対照的に、中空体162の第1の端部164は、すなわち、積層造形によって、内面154をシャンクするように一体的に形成されている。その結果、中空体162の外面170は、例えば、翼形部内面132および/の曲率に関係なく、中空体162の第1の端部164と第2の端部166との間で内面から均一に離間されるように作られ得る。さらに、中空体162は、その前縁だけでなく、ブレード全体にインピンジメント冷却を提供するために、その周囲および半径方向スパンのほぼ全体にわたって冷却通路172を有することができる。したがって、一体型インピンジメント冷却構造160は、衝突インサートに通常関連する犠牲を伴わずに衝突を最大限にカバーすることを可能にし、いくつかの可変冷却機能を有することができる。例えば、タービンローターブレード120は、以下を有することができる:構造160の後方のインピンジメント冷却構造160(すなわち、幅WC1)またはピンバンク206(すなわち、WC4)のための可変翼弦幅、調整されたインピンジメント冷却構造160、異なる壁異なる冷却および/または構造荷重に対する厚さ、および翼形部本体122とインピンジメント冷却構造160との間の異なる熱膨張係数(CTE)に対処するための様々な支持体186、189。インピンジメント冷却を最適化するために、各冷却通路172の周りに提供およびカスタマイズされる。タービンローターブレード120はまた、図10、11に関連して説明されるように、後縁130を通る軸方向ベントを含み得る。
C.非線形構成の冷却通路を備えたプラットフォーム
【0050】
図12~18には、本開示の実施形態による別の不可欠な特徴が示されている。前の実施形態と同様に、タービンローターブレード120は、冷却剤の流れ136を受け入れるための半径方向に延びるチャンバー344を備えた翼形部本体122を含み得る。図3および10-13において、プラットフォーム150は、翼形部本体122に対して横方向外向きに延在し、少なくとも1つのスラッシュ面230を終端する(例えば、図11、12)。図12は、プラットフォーム150の圧力側232の斜視透明図を示し、図12は、プラットフォーム150の圧力側232の斜視図である。図13は、プラットフォーム150の負圧側231の上面を下にした透明な図を示している。図12および13に示されるように、冷却回路234は、プラットフォーム150内に配置され、冷却剤236の供給源と流体連通している。冷却剤236の供給源は、様々な形態のいずれかをとることができる。一例では、タービンローターブレード120が半径方向に延びるチャンバー134内にインピンジメント冷却構造160を含む場合、冷却回路234への冷却剤236の供給源は、インピンジメント冷却構造160を通過した後に冷却剤を提供し得る。すなわち、冷却剤はインピンジメント後の冷却剤である。別の実施形態では、冷却剤236の供給源は、半径方向に延びるチャンバー344であり得る。例えば、インピンジメント冷却構造160が提供されない場合、またはそれがプラットフォーム150の半径方向外側に提供される場合、冷却回路234への冷却剤236の供給源は、半径方向に延びるチャンバー344から直接冷却剤を提供し得る。他の冷却剤236の供給源は、例えば、隣接するタービンローターブレード120のシャンク148間のホイールスペース部分も使用することができる。冷却回路234は、現在知られているまたは後で開発される任意の形態をとることができる。図13に示す例では、冷却回路234は、プラットフォーム150を通る正弦波経路を含む。図12に示されるように、冷却回路234は、エルボー経路を含む。冷却回路234は、より複雑でない経路またはより複雑な経路を有することができ、必要に応じて、プラットフォーム150を冷却するために延びることができる。
【0051】
タービンローターブレード120はまた、冷却回路234からスラッシュ面230の表面242を通って、すなわち、スラッシュ面230および他の構造を冷却するための冷却通路240を含む。冷却通路240は、プラットフォーム150内にあり、冷却回路234と流体連通している。従来の線形冷却通路とは対照的に、冷却通路240は、非線形構成で、冷却回路234から少なくとも中を通って出るように延びる。プラットフォーム150の1つのスラッシュ面230は、線形冷却通路と比較して改善された冷却を提供する。例えば、図12に示されるように、冷却通路240は、(緩やかに)湾曲した形状を有する。所望の冷却を提供するために、任意の数の冷却通路240を使用することができる。さらに、それらは、所望の任意の均一または不均一な断面形状を有し得、そして所望の冷却を提供するために、均一または不均一な間隔を有し得る。非線形構成は、例えば、積層造形によって可能になる。前述のように、冷却通路240を画定する部品を含む、翼形部本体122およびプラットフォーム150は、複数の一体型材料層を含み得る。
【0052】
図14は、スラッシュ面230の拡大断面図を示している。いくつかの実施形態では、図14に示されているように、図14に示されるように、スラッシュ面230は、延長部材244を含むことができる。 (表示されていない)。提供される場合、冷却通路240は、延長部材244を通って延びることができる。この点に関して、冷却通路240は、冷却回路234から半径方向外向きに、ダンパーピンシート246の周りからスラッシュ面230の外面242まで、すなわち、図12よりも鋭いまたはより回転する湾曲した形状で延びる非線形構成を有することができる。
【0053】
、所望の冷却を提供するために、いくつかの非線形構成のいずれかをとることができる。非線形構成、例えば、湾曲した形状は、プラットフォーム150内の任意の所望の方向、例えば、半径方向(内向きまたは外向き)、軸方向(後方または前方)または円周方向(時計回りまたは反時計回り)、または方向の組み合わせに延びることができる。冷却通路240は、提供される各場所で同じ冷却属性を提供するためにすべて同じ形状を有し得るか、またはそれらが提供される各場所にカスタム冷却を提供するためにプラットフォーム150内で形状が変化し得る。図12および図13に示される湾曲した形状に加えて、別の実施形態では、図15に示されるように、冷却通路240は、らせん(コルク栓抜き)形状、すなわち、いくつかのらせんコイル250を有することができる。任意の数のらせんコイル250を、各冷却通路240に使用することができる。図13および16に示されるように、冷却通路240は、第1の方向FDに少なくとも1つの第1のターン252(図16)、および第2の反対方向SDに少なくとも1つの第2のターン254(図16)を有し得、一般的にジグザグのパス。各冷却通路240には、任意の数の第1および第2のターン252、254(図16)を使用することができる。図16に示されるように、各ターン252、254の振幅Aは、等しい振幅Aの少なくとも1つの第1および第2のターンを有する正弦波形状を形成するように一貫し得る。図16に示されるように、各ターン252、254の振幅は、ターン252、254を有するよりランダムなジグザグ経路を形成するように一貫性がない可能性がある。図16に示されるように、各冷却通路240の入力260および出口262は、位置合わせされる必要はない。別の実施形態では、図1に示されている。図17に示されるように、冷却通路240は、例えば、木のように、複数の分岐264を有し得る。任意の分岐構成を使用できる。
【0054】
図18は、冷却通路240が湾曲した形状、例えば、図12よりもプラットフォーム150内でより平面的である実施形態を示している。図18はまた、冷却通路240の出口262が、90°ではない角度αでプラットフォーム150のスラッシュ面230に接触し得ることを示している。実施形態では、角度αは15°未満である。角度αは、プラットフォーム150への所望の冷却および/またはスラッシュ面230へのフィルム冷却を提供するようにカスタマイズすることができる。別々に示されているが、冷却通路の例またはその態様のいずれかを他の例と組み合わせることができる。
【0055】
冷却回路234および冷却通路240は、プラットフォームのみの圧力側232のみ(図13のみ)、プラットフォーム150のみの負圧側231(図12のみ)、またはプラットフォーム150の両側231、232に提供され得る(図12-13)。プラットフォーム150の片側にのみ提供される場合、他の従来の構造は、プラットフォームの反対側に提供され得る。後者の場合、図12および13に集合的に示されるように、冷却回路234は、プラットフォーム150の負圧側231に第1の部分234SSを含み、プラットフォーム150の圧力側232に第2の部分234PSを含み得る。部分234SSおよび234PSは、分離または流体結合され得る。これに関して、スラッシュ面230は、負圧側スラッシュ面230SSおよび正圧側スラッシュ面230PSを含む。ここで、プラットフォーム150内の冷却通路240は、冷却回路の第1の部分234SSおよび出口吸引側スラッシュ面230SSと流体連通している少なくとも1つの第1の冷却通路240、および冷却回路234の第2の部分234PSおよび出口圧力側スラッシュ面230PSとの流体連通する少なくとも1つの第2の冷却通路240を含み得る。
【0056】
非線形冷却通路240は、従来のドリル掘削された線形冷却剤通路とは対照的に、プラットフォーム150内の必要な場所に冷却剤を向けることを可能にする。冷却剤通路140の付加製造により、それらは、必要に応じて冷却を指示し、それらの形状を通して強化された冷却を提供する多種多様な非線形構成を有することができる。
D.クーラントトランスファーパッセージ付きエンジェルウィング
【0057】
図2および図19~22に示されるように、本開示の実施形態による別の一体的な特徴は、その中に冷却剤移送通路を有するエンジェルウィング280を含む。図19は、エンジェルウィング280を含むタービンローターブレード120を通る半径方向断面を示している。図20は、エンジェルウィング280を含むタービンローターブレード120の透視斜視図を示している。図21は、エンジェルウィング280を含む一組のタービンローターブレード120A~Cの軸方向図を示す。図22は、エンジェルウィング280を含むタービンローターブレード120の上面図を示している。図21に示されるように、タービンローターブレードのセットは、第1のタービンローターブレード120A、第2のタービンローターブレード120B、および第3のタービンローターブレード120C(集合的または個別に、タービンローターブレード120)を含む。第1のタービンローターブレード120Aは、第2および第3のタービンローターブレード120B、120Cの間に配置されている。この実施形態では、図19~20に示されるように、各タービンローターブレード120は、前縁および後縁128、130(図19~20)に沿って接続する凹状圧力側外壁124(図3)および凸状負圧側外壁126(図3)を含む翼体122を含み得る。タービンローターブレード120はまた、翼形部本体122の半径方向内側端部152にシャンク148を含み得る。さらに、タービンローターブレード120は、シャンク148の少なくとも1つの側面282、284から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング280を含む。
【0058】
図2の1つのノズルブレードインターフェースについて示されているように、開口部286は、隣接するノズル112とタービンローターブレード120との間の界面に存在し、これにより、高温作動流体が高温ガス経路を出て、タービン108のホイールスペース300に入ることができる。タービンローターブレード120は、通常、軸方向に突出するエンジェルウィングシール280を含み、これは単に「エンジェルウィング」とも呼ばれる。エンジェルウィング280は、ノズル112から延びる突出セグメントまたはディスカレッジャー288と協働する。エンジェルウィング280およびディスカレッジャー288は、重なり合う(またはほぼ重なり合う)が、互いに接触しないため、流体の流れが制限される。
【0059】
図19~22に示されるように、本開示の実施形態によれば、タービンローターブレード120はまた、少なくとも1つのエンジェルウィング280を介して画定される冷却剤移送通路290を含み得る。例えば、第1のタービンローターブレード120A(図21)の場合の冷却剤移送通路290は、シャンク148A(図21)と第1の隣接するシャンク148B(図21)との間に定義される第1のホイールスペース部分292をと第1の隣接するタービンローターブレード120Bと、シャンク148A(図21)と第2の隣接するタービンローターブレード120C(図21)の第2の隣接するシャンク148Cとの間に設けられる第2のホイールスペース部分294を流体結合する。図2、21、および22を観察することによって最もよく示されるように、各ホイールスペース部分292、294は、ホイールスペース300の一部である。ホイールスペース300は、隣接するタービンローターブレード120A~Cのシャンク148A~C(図21)の間で円周方向に、シャンク148の間で軸方向に定義される。ホイールスペース部分292、294は、特定のブレードのシャンク148の軸方向に横にあるホイールスペース300の部分である。
【0060】
図22に最もよく示されているように、冷却剤移送通路290は、第1のホイール空間部分292と流体連通する第1の開放端310と、第2のホイール空間部分294と流体連通する第2の開放端312とを含む。シャンク148の円周方向に対向する側のホイールスペース部分292、294の間を通過する。第1の開放端310および第2の開放端312は、翼形部本体122に対して軸方向円周方向、またはホイールスペース冷却剤316がホイールスペース部分292、294の間を通過する。ホイールスペース冷却剤316は、例えば、圧縮機102から送られる、現在知られている、または後に開発された任意の冷却剤であり得る(図1)。前に述べたように、翼形部本体122の外壁124、126は、シャンク148内に延在することができる半径方向に延在するチャンバー134を画定する。図22に示されるように、冷却剤移送通路290は、半径方向に延びるチャンバー344から流体的に隔離されている。
【0061】
任意の数のエンジェルウィング280を使用することができる。一例では、図19、20、および22において、第1のエンジェルウィング280は、シャンク148の第1の側282から横方向に延在し、第2のエンジェルウィング280は、シャンク148の第2の反対側284から横方向に延びる。図23に示されるように、半径方向に間隔を置いたエンジェルウィング280の第1の対は、シャンク148の第1の側面282から横方向に延びることができ、シャンク148の側面284から延びるものはない。別の実施形態では、図1に示されるように。図24に示されるように、半径方向に間隔を置いたエンジェルウィング280の第1の対は、シャンク148の第1の側面282から横方向に延びることができ、半径方向に間隔を空けたエンジェルウィング280の第2の対は、シャンク148の第2の反対側284から横方向に延びることができる。各エンジェルウィング280は、それぞれの冷却剤移送通路290を含み得る。あるいは、各エンジェルウィング280は、冷却剤移送通路290を含むように示されているが、選択的エンジェルウィングは、冷却剤移送通路を含まなくてもよい。
【0062】
冷却剤移送通路290は、ホイール空間冷却剤316(図22)がホイール空間部分292、294の間を移動することを可能にし、エンジェルウィング280の冷却を可能にし、タービンローターブレード120の重量を減らす。
E.格子支持構造の中空ブレードマウント
【0063】
図19、20、25、および26に示されるように、本開示の実施形態による別の一体型特徴は、中空ブレードマウント146を含む。ブレードマウント146は、シャンク148の半径方向の内側端にある。多くの従来のブレードマウントとは対照的に、ブレードマウント146は、例えば、ブレードマウント146の内壁面344によってその中に定義された中空内部330を有する。中空内部330は、半径方向に延びるチャンバー344と流体連通する。中空内部330は、例えば、図25に示されるように半径方向に拡張する、任意の所望の内部形状を有し得る。ブレードマウント146は、ローター110(図2)に結合されたローターホイール147(図21)に取り付けるために構成された、現在知られている、または後で開発される任意の外形、例えば、ダブテールまたはモミの木の形状を有し得る。
【0064】
タービンローターブレードルート144は、ブレードマウント146の中空内部330内に配置された格子支持構造340をさらに含むことができる。格子支持構造340は、様々な中空支持構造形態をとることができる。一例では、格子支持構造340は、複数の半径方向に延びるV字形セクション342を含み得る。V字形セクション342は、ブレードマウント146の内壁面344と一体であり得る。格子支持構造340は、アディティブマニュファクチャリングによって製造することができる。したがって、シャンク148およびブレードマウント146は、複数の一体型材料層を含み得る。
【0065】
この実施形態による、すなわち、格子支持構造340を備えたルート144はまた、図12-18に関連して本明細書に記載されるように、プラットフォーム150を含み得る。プラットフォーム150は、前述のように、シャンク148の半径方向外向きに配置され、シャンクに対して横方向外向きに延在し、少なくとも1つのスラッシュ面230を終端する。プラットフォーム150は、プラットフォーム内に、そして冷却剤の流れの供給源、例えば、半径方向に延びるチャンバー344と流体連通するように画定された冷却回路234を含み得る。冷却剤の流れ、例えば、半径方向に延びるチャンバー344。冷却通路240(図12~18)は、プラットフォーム150において、および冷却回路234と流体連通するように定義され得る。プラットフォームのスラッシュ面230を通って出るための冷却回路234からの非線形構成。スラッシュ面230は、冷却通路240が延びる延長部材244を含むことができる。冷却通路240は、以下を有することができる:らせん形状(図15);第1の方向に少なくとも1回の第1の回転、および第2の反対方向に少なくとも第2の回転(図16);複数の分岐(図17);または湾曲した形状(例えば、図12、14、18)。
【0066】
この実施形態による、すなわち、格子支持構造340を備えたルート144はまた、図19-24に関連して本明細書に記載されるように、シャンク148の少なくとも1つの側から横方向に延びるエンジェルウィング280を含み得る。前述のように、冷却剤移送通路290は、エンジェルウィング280を介して画定され得る。図21に示されるように、冷却剤移送通路290は、シャンク148Aと第1の隣接するタービンローターブレードルート144Bの第1の隣接するシャンク148Bとの間に定義される第1のホイールスペース部分292と、シャンク148Aと第2の隣接するタービンローターブレードルート144Cのシャンク148Cとの間に定義される第2のホイールスペース部分294とを流体結合する。冷却剤移送通路290は、第1のホイールスペース部分292と流体連通する第1の開放端310と、第2のホイールスペース部分294と流体連通する第2の開放端312とを含む。図22に示されるように、第1の開放端310および第2の開放端312は、シャンク148に対して円周方向を向いていてもよい。
【0067】
この実施形態による、すなわち、格子支持構造340を備えたルート144はまた、本明細書に記載されるように、プラットフォーム150およびエンジェルウィング280の両方を含み得る。付加製造により、シャンク148、中空ブレードマウント146、格子支持構造340、およびプラットフォーム150および/またはエンジェルウィング280を備えたルート144の形成が可能になり、提供される機能に応じて複数の一体型材料層が作成される。
【0068】
ブレードマウント146の中空内部330内の一体型格子支持構造340を含むルート144は、より軽いタービンローターブレード120、およびブレードマウント146の追加の冷却を提供する。
【0069】
様々な実施形態は、一緒に使用されるものとして本明細書で説明および図示されてきたが、様々な実施形態は、単独でまたは組み合わせて使用できることが理解される。
【0070】
本明細書の明細書および特許請求の範囲全体で使用される近似を示す言は、それが関連する基本機能に変更をもたらすことなく許容可能に変化する可能性のある任意の定量的表現を変更するために適用され得る。したがって、「約」、「ほぼ」、「実質的に」などの1つまたは複数の用語によって変更された値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの例では、近似を示す言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここおよび明細書および特許請求の範囲全体を通して、範囲制限は組み合わされ、および/または交換され得る。そのような範囲は識別され、文脈または言語で別段の指示がない限り、そこに含まれるすべての下位の範囲が含まれる。範囲の特定の値に適用される「おおよそ」は、両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示す場合がある。
【0071】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、具体的に請求される他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図する。本開示の説明は、例示および説明の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された形式での開示に限定されることを意図するものではない。多くの修正および変形は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、開示の原理および実際の適用を最もよく説明し、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態の開示を理解できるようにするために選択および説明されている。
【0072】
[実施態様1]タービンローターブレード(120)であって、
前縁(128)および後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)および凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148)と、
前記シャンク(148)の少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)内に画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記シャンク(148)と第1の隣接タービンローターブレードの第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイール空間部分(292)と前記シャンク(148)と第2の隣接するタービンローターブレードの第2の隣接するシャンクとの間に画定された第2のホイール空間部分(294)とを流体結合する、前記冷却剤移送通路(290)と、
を含む、タービンローターブレード(120)。
[実施態様2]前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、実施態様1に記載のタービンローターブレード(120)。
[実施態様3]前記外壁(124、126)が、前記シャンク(148)内で半径方向に延びるチャンバー(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバー(134)から流体的に隔離されている、実施態様1に記載のタービンローターブレード(120)。
[実施態様4]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様1に記載のタービンローターブレード(120)。
[実施態様5]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様4に記載のタービンローターブレード(120)。
[実施態様6]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる第1のエンジェルウィングと、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様1に記載のタービンローターブレード(120)。
[実施態様7]付加製造されたタービンローターブレード(120)であって、
前縁(128)および後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)および凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148)と、
前記シャンク(148)の少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)を通って画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記シャンク(148)と第1の隣接タービンローターブレードの第1の隣接シャンクとの間に画定された第1のホイール空間部分(292)と前記シャンク(148)と第2の隣接するタービンローターブレードの第2の隣接するシャンクとの間に画定された第2のホイール空間部分(294)とを流体結合する、前記冷却剤移送通路(290)と、を含む、付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様8]前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、実施態様7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様9]前記外壁(124、126)が、前記シャンク(148)内で半径方向に延びるチャンバー(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバー(134)から流体的に隔離されている、実施態様7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様10]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様11]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様10に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様12]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる第1のエンジェルウィングと、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様7に記載の付加製造されたタービンローターブレード(120)。
[実施態様13]複数のタービンローターブレード(120)のセットであって
第1のタービンローターブレード(120)、第2のタービンローターブレード(120)および第3のタービンローターブレード(120)であって、前記第1のタービンローターブレード(120)が、前記第2および第3のタービンローターブレード(120)の間に配置される、前記第1~第3のタービンローターブレード(120)を含み、各タービンローターブレード(120)は、
前縁(128)および後縁(130)に沿って接続する凹状の圧力側外壁(124)および凸状の負圧側外壁(126)を含む翼形部本体(122)と、
前記翼形部本体(122)の半径方向内側端に配置されたシャンク(148)と、
前記シャンク(148)の少なくとも片側から横方向に延びる少なくとも1つのエンジェルウィング(280)であって、前記第1及び第2のタービンローターブレード(120)のシャンクは、それらの間に第1のホイール空間部分(292)を画定し、前記第1および第3のタービンローターブレード(120)のシャンクは、それらの間に第2のホイール空間部分(294)を画定する、前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)と、
前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)通って画定された冷却剤移送通路(290)であって、前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と前記第2のホイール空間部分(294)とを流体的に結合する、前記冷却剤移送通路(290)と、
を含む、複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様14]前記冷却剤移送通路(290)は、前記第1のホイール空間部分(292)と流体連通する第1の開放端(310)と、前記第2のホイール空間部分(294)と流体連通する第2の開放端(312)とを含み、前記第1の開放端(310)と前記第2の開放端(312)とは、前記第1のタービンローターブレード(120)の前記翼形部本体(122)に対して円周方向に向けられる、実施態様13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様15]前記外壁(124、126)が、前記シャンク(148)内で半径方向に延びるチャンバー(134)を画定し、前記冷却剤移送通路(290)は、半径方向に延びる前記チャンバー(134)から流体的に隔離されている、実施態様13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様16]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第1の対を含み、前記エンジェルウィングの第1の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様17]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる半径方向に間隔を置いたエンジェルウィングの第2の対を含み、前記エンジェルウィングの第2の対の各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様16に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様18]前記少なくとも1つのエンジェルウィング(280)は、前記シャンク(148)の第1の側から横方向に延びる第1のエンジェルウィングと、前記シャンク(148)の反対側の第2の側から横方向に延びる第2のエンジェルウィングとを含み、前記第1及び第2のエンジェルウィングの各々は冷却剤移送通路を含む、実施態様13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
[実施態様19]前記第1および第2のタービンローターブレード(120)の前記少なくとも1つのエンジェルウィングの各々は、それを通し画定された冷却剤移送通路(290)を含み、前記冷却剤移送通路(290)は、それぞれのタービンローターブレードのシャンクの反対側にあるホイールスペース部分を流体結合する、実施態様13に記載の複数のタービンローターブレード(120)のセット。
【符号の説明】
【0073】
90 ターボ機械
100 ガスタービン(GT)システム
102 圧縮機102およびを含むガスタービン(GT)システム100
104 燃焼器
105 燃焼領域
106 燃料ノズルアセンブリ
108 タービン
110 圧縮機/タービンシャフト
112 静止ノズル
114 半径方向外側プラットフォーム
116 半径方向内側プラットフォーム
118 エアフォイル
120 タービンローターブレード
122 翼形部本体
124 圧力側外壁
126 負圧側外壁
128 前縁
130 後縁
132 翼形部内面
134 チャンバー
136 冷却剤の流れ
140 先端
142 半径方向外端
144 タービンローターブレードルート
146 ブレードマウント
147 ローターホイール
148 シャンク
150 プラットフォーム
152 半径方向内側端部
154 シャンク内面
162 中空体
164 第1の端部
166 第2の端部
168 内面
170 外面
172 冷却通路
182 より厚い部分
184 より薄い部分
186 支持体
188 通路
189 支持体
190 補強部材
192 補強リブ
195 高熱負荷領域
196 衝突後標的特徴
198 バルジ
199 フィルム冷却穴
200 蛇行冷却通路
201 冷却フィルム
206 ピンバンク
230 スラッシュ面
231 負圧側
232 圧力側
234 冷却回路
236 冷却剤
240 冷却通路
242 表面
244 延長部材
246 ダンパーピンシート
250 らせんコイル
252 第1のターン
254 第2のターン
260 入力
262 出口
280 エンジェルウィング
282 側面
284 側面
286 開口部
288 ディスカレッジャー
290 冷却剤移送通路
292 第1のホイール空間部分
294 第2のホイール空間部分
300 ホイールスペース
310 第1の開放端
312 第2の開放端
316 ホイールスペース冷却剤
330 中空内部
340 格子支持構造
342 V字形セクション
344 チャンバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26