(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】センサシステム
(51)【国際特許分類】
A43B 3/44 20220101AFI20250310BHJP
A43B 3/48 20220101ALI20250310BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20250310BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
A43B3/44
A43B3/48
A43B13/14 Z
A43B17/00 Z
(21)【出願番号】P 2023063566
(22)【出願日】2023-04-10
(62)【分割の表示】P 2021178329の分割
【原出願日】2014-03-13
【審査請求日】2023-04-24
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドジャン,フレデリック ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,スティーブン エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ライス,ジョーダン エム
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-524207(JP,A)
【文献】特開2022-009776(JP,A)
【文献】国際公開第2012/143274(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019694(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0291564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/44
A43B 3/48
A43B 13/14
A43B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なインソールまたはソックライナーとしての履物の靴底構造の一部を形成するように構成されたフォーム靴底部材と、ここで前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、前記靴底部材のミッドフット領域の内方および外方に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材に接続され前記靴底部材に封入された複数のセンサと、ここで前記センサはそれぞれ前記靴底部材にかかる力を検出するように構成されており、前記センサは、前記靴底部材の別々の位置に配置され、前記靴底部材の少なくともフォアフット領域、前記ミッドフット領域、および前記ヒール領域に配置されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは
インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成されている、
を有するセンサシステム。
【請求項2】
前記電子モジュールは、前記靴底部材にオーバーモールドされて少なくとも部分的に前記靴底部材に囲まれており、前記電子モジュールは前記靴底部材のアーチ領域に位置している、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記電子モジュールに電気的に接続された外部コネクタをさらに有し、前記電子モジュールは、前記外部コネクタから電力を受け取り前記電子モジュールのバッテリを充電するように構成されている、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記靴底部材は第一フォーム層と第二フォーム層を有する、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記靴底部材はさらに、前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材を有し、
前記可撓性インサート部材は、前記靴底部材の前記第一フォーム層と前記第二フォーム層の間に積層されて前記靴底部材に封入されている、請求項4に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記可撓性インサート部材は、前記靴底部材の外周よりも内側に位置する外周部を有し、
前記可撓性インサート部材の前記外周部は、前記外周部から内側に向かって延びる複数の切欠きを有する、請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項7】
履物の靴底構造の一部を形成するように構成され第一フォーム層と第二フォーム層を有するフォーム靴底部材と、ここで前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、靴底部材のミッドフット領域の内側および外側に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材と、ここで前記可撓性インサート部材は、前記第一フォーム層と前記第二フォーム層の間に積層されて前記靴底部材に封入されており、前記可撓性インサート部材は前記靴底部材の前記靴底形状の外周よりも内側に位置する外周部を有し、
前記インサート部材に接続された複数のセンサと、ここで前記センサはそれぞれ前記可撓性インサート部材にかかる力を検出するように構成されており、前記センサは前記インサート部材の別々の位置に配置され、前記靴底部材の少なくともフォアフット領域、前記ミッドフット領域、および前記ヒール領域に配置されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは前記インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成されており、前記電子モジュールは少なくとも部分的に前記靴底部材に受容されており、前記電子モジュールは前記靴底部材のアーチ領域に位置している、
を有するセンサシステム。
【請求項8】
前記可撓性インサート部材の前記外周部は、前記外周部から内側に延びる複数の切欠きを有する、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記靴底部材の前記アーチ領域に位置し前記電子モジュールに接続されたポートと、
前記インサート部材に接続され複数の前記センサを前記ポートに電気的に接続する複数の導電性リードと、を有する、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記電子モジュールは取り外し可能に前記ポートに接続されている、請求項9に記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記可撓性インサート部材は前記靴底部材に一体的に封止されている、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項12】
各々の前記センサは前記インサート部材に接着されている、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項13】
履物の靴底構造の一部を形成するように構成された金型成形されたフォーム靴底部材と、ここで前記靴底部材は、第一フォーム層と第二フォーム層とを有し、前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、前記靴底部材のミッドフット領域の内側および外側に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材に接続され前記靴底部材に封入された複数のセンサと、ここで前記センサはそれぞれ前記靴底部材にかかる力を検出するように構成されており、複数の前記センサは前記第一フォーム層と前記第二フォーム層との間に積層され前記靴底部材に封止されており、前記センサは、前記靴底部材の別々の位置に配置され、前記靴底部材の少なくともフォアフット領域、前記ミッドフット領域、および前記ヒール領域に配置されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは
インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成され、前記電子モジュールは前記靴底部材の中に設けられ、前記電子モジュールは前記靴底部材のアーチ領域に位置している、
を有するセンサシステム。
【請求項14】
前記電子モジュールに接続され前記靴底部材のアーチ領域に位置しているポートと、
前記インサート部材に接続され、複数の前記センサを前記ポートに電気的に接続する複数の導電性リードと、を有する、請求項13に記載のセンサシステム。
【請求項15】
前記電子モジュールは取り外し可能に前記ポートに接続されている、請求項14に記載のセンサシステム。
【請求項16】
前記靴底部材はさらに、前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材を有し、
前記可撓性インサート部材は、前記第一フォーム層と前記第二フォーム層の間に積層されて前記靴底部材に封入されており、
前記可撓性インサート部材は、前記靴底部材の靴底形状の外周よりも内側に位置する外周部を有する、請求項13に記載のセンサシステム。
【請求項17】
前記可撓性インサート部材の前記外周部は、前記外周部から内側に延びる複数の切欠きを有する、請求項16に記載のセンサシステム。
【請求項18】
前記可撓性インサート部材は前記靴底部材に一体的に封止されている、請求項16に記載のセンサシステム。
【請求項19】
履物の靴底構造の一部を形成するように構成されたモールドされた靴底部材と、ここでモールドされた前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、前記靴底部材のミッドフット領域の内方および外方に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材と、ここで前記可撓性インサート部材は前記靴底部材に接続され、前記インサート部材は前記靴底部材の靴底形状の外周よりも内側に位置する外周部を有し、前記可撓性インサート部材の前記外周部は前記外周部から内側に延び複数の切欠きを有し、前記切欠きは、前記可撓性インサート部材の中足骨領域の内方縁部の第一切欠き部と、側方縁部の第二切欠き部、前方縁部の第三切欠き部とを有し、
前記インサート部材に接続された複数のセンサと、ここで前記センサは、前記インサート部材の別々の位置に配置され、前記ポリマーウェビングは複数の前記センサの間に延びて全ての前記センサに相互接続されており、複数の前記
センサはそれぞれ前記インサート部材にかかる力を検出するように構成されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは前記インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成されている、
を有するセンサシステム。
【請求項20】
履物の靴底構造の一部を形成するように構成されたモールドされた靴底部材と、ここでモールドされた前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、靴底部材のミッドフット領域の内側および外側に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材と、ここで前記可撓性インサート部材は前記靴底部材に接続され、前記インサート部材は前記靴底部材の靴底形状の外周よりも内側に位置する外周部を有し、前記可撓性インサート部材の前記外周部から内側に延びる複数の切欠きを有し、複数の前記切欠きは前記可撓性インサート部材の中足骨領域の内方縁部の第一切欠き、側方縁部の第二切欠き、前方縁部の第三切欠きとを有し、
前記インサート部材に接続された複数のセンサと、ここで前記センサは、前記インサート部材の別々の位置に配置され、複数の前記センサはそれぞれ前記可撓性インサート部材にかかる力を検出するように構成されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは前記インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成されている、
を有するセンサシステム。
【請求項21】
履物の靴底構造の一部を形成するように構成されたモールドされた靴底部材と、ここでモールドされた前記靴底部材は、前記靴底部材の中足骨領域の外周および前記靴底部材のヒール領域の外周に凸状の湾曲縁部と、前記靴底部材のミッドフット領域の内側および外側に凹状の湾曲縁部と、を有する靴底形状の外周部を有し、
前記靴底部材とは異なる材料で形成されたポリマーウェビングの可撓性シートを有する可撓性インサート部材と、ここで前記可撓性インサート部材は前記靴底部材に接続され、前記可撓性インサート部材は前記靴底部材の靴底形状の外周よりも内側に位置する外周部を有し、前記可撓性インサート部材の前記外周部から内側に延びる複数の切欠きを有し、複数の前記切欠きは、第一内方切欠き、第二内方切欠き、第一外方切欠き、第二外方切欠きを有し、
前記インサート部材に接続された複数のセンサと、ここで前記センサは、前記インサート部材の別々の位置に配置され、複数の前記センサはそれぞれ前記可撓性インサート部材にかかる力を検出するように構成されており、
メモリとプロセッサを有する電子モジュールと、ここで前記電子モジュールは複数の前記センサと通信し、前記電子モジュールは前記インサート部材にかかる力に関するデータを前記センサから受け取るように構成されている、
を有するセンサシステム。
【請求項22】
前記靴底部材は発泡材料で形成されている、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項23】
前記電子モジュールは前記靴底部材にオーバーモールドされて完全に前記靴底部材に収容されている、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項24】
前記電子モジュールに接続されたポートと、
前記インサート部材に接続され、前記センサを前記ポートに電気的に接続する複数の導電性リードと、をさらに有する、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項25】
前記靴底部材は前記可撓性インサート部材の周囲にモールドされている、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項26】
前記可撓性インサート部材は一体的に前記靴底部材に封止されている、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項27】
前記電子モジュールはさらに外部デバイスと通信可能に構成されている、請求項19から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項28】
前記靴底部材は熱可塑性ポリウレタンで形成され、前記インサート部材はマイラーで形成されている、請求項5から12、16から21のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引用
本出願は、米国仮出願第61/801,235号(2013年3月15日に出願された)に対する優先権を主張し、また米国特許出願第14/088,048号、第14/088,016号,第14/088,052号及び第14/088,036号(全て2013年11月22日に出願された)に対する優先権を主張し、これらの出願は全て、全体が本明細書に採用される。
【0002】
本発明は、一般に、履物物品に組み込まれたセンサシステムから入力されたデータを利用できるアスレチック活動や他の運動を検出し監視するためのシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アスレチック活動から収集されたデータを利用するシステムは既知である。そのようなデータは、パフォーマンスメトリックの指示によるものを含む、幾つかの異なる形態と形式で分析されユーザに提示されうる。しかしながら、そのようなアスレチック活動のデータを収集するためのセンサシステムや他のハードウェアは、構造、耐久性、精度、感度などに課題がある。したがって、アスレチック活動を監視し検出するための特定のシステムは、幾つかの有利な特徴を有するが、特定の制限を有する。本発明は、先行技術のそのような制限や他の欠点のうちの幾つかを克服し、またこれまで利用できなかった新しい特徴を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に、本発明の基本的理解を提供するために、本発明の態様の概略的要約を示す。この要約は、本発明の広範囲な概要ではない。本発明の重要又は不可欠な要素を示すものでもなく、本発明の範囲を規定するものでもない。以下の要約は、本発明の幾つかの概念を、後で示されるより詳しい説明の前置きとして一般的な形で提示するに過ぎない。
【0005】
開示の一般的な態様は、履物物品の靴底部材に接して位置決めされた可撓性インサート部材、インサート部材に接続され電子モジュールや他の装置と通信するように構成されたポート、及びインサート部材に接続された複数のセンサを含む、履物物品と共に使用するためのセンサシステムに関する。各センサは、センサ上の圧力によりセンサの抵抗が変化するように構成される。インサート部材には、センサをポートに接続する複数のリードが接続される。システムは、また、ポートに接続された電子モジュールを含んでもよく、電子モジュールは、センサからデータを収集しかつ外部装置と通信するように構成される。
モジュールは、ポートから取り外し可能であってもよい。
【0006】
開示の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、各センサが、第1の層と第2の層を含み、第1の層上に配置された第1の接点と、第2の層上に配置された第2の接点とを備え、第2の接点は、第1の接点とほぼ位置合わせされる。更に、リードは、導電性配合物で被覆されたナイロン糸など、インサート部材に縫い込まれた導電性細線によって形成される。センサは、1つの構成では、接着結合などの結合によってインサート部材の外側面に接続されてもよい。センサは、別の構成では、インサート部材内に位置決めされてもよい。
【0007】
一態様によれば、各センサは、更に、センサから延在する接続パッドを含み、リードは、導電性細線を連結パッドに縫い込むことなどによって、センサの接続パッドに接続される。
【0008】
別の態様によれば、ポートは、各センサに接続された1つの端子と、全てのセンサに接続された電力/アースリードに接続された2つの追加端子とを含む複数の端子を有し、2つの追加端子の間には抵抗器が配置される。
【0009】
更に他の態様によれば、システムは、インサート部材に接続され、電子モジュールを収容するように構成されたハウジング含み、ポートは、電子モジュールに接続するためにハウジング内に露出されたインタフェースを有する。
【0010】
開示の追加の態様は、前述したようなセンサシステムに関連し、インサート部材が、軟質発泡体のインサート部材であり、センサは、インサート部材の外側面に結合される。結合は、接着結合によって行われてもよい。この構成では、センサは、インサート部材の上面又は下面に接続されてもよい。システムは、前述の任意の態様を含みうる。
【0011】
本開示の一般的態様は、また、履物物品の靴底構造の一部を形成するように構成された靴底部材、靴底部材に接して位置決めされた可撓性インサート部材、インサート部材に接続され電子モジュールや他の装置と通信するように構成されたポート、及びインサート部材に接続された複数のセンサを含む、履物物品と共に使用するためのセンサシステムに関する。各センサは、センサ上の圧力によりセンサの抵抗が変化するように構成される。インサート部材には、センサをポートに接続する複数のリードが接続される。システムは、
また、ポートに接続された電子モジュールを含んでもよく、電子モジュールは、センサからデータを収集しかつ外部装置と通信するように構成される。モジュールは、ポートから取り外し可能であってもよい。
【0012】
開示の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、可撓性インサート部材は、単一の薄い可撓性のシートであり、各センサは、第1の層と第2の層を有し、第1の層上に配置された第1の接点と、第2の層上に配置された第2の接点とを備え、第2の接点は、第1の接点と概略位置合わせされる。各センサは、接着結合材料などの結合材によって、インサート部材の外側面に接続される。リードは、1つの構成では、インサートの外側面に印刷された導電性トレースによって形成されてもよい。
【0013】
一態様によれば、電子モジュールは、靴底部材内でオーバーモールドされ、靴底部材内に完全に収容される。システムは、また、電子モジュールに電気的に接続された外部コネクタを含んでもよく、外部コネクタは、靴底部材の外側に露出され、電子モジュールに対する物理的電気接続を提供するために靴底部材の外側からアクセス可能である。1つの構成では、外部コネクタは、靴底部材のヒール領域から延在するテール部であってもよい。
【0014】
別の態様によれば、靴底部材は、インサート部材のまわりに密閉される。更に、靴底部材は、上側膜層と下側膜層とを含んでもよく、インサート部材は、上側膜層と下側膜層の間に積層されてもよい。
【0015】
更に他の態様によれば、各センサの第1の接点は、2つの電気的独立部分を有し、2つの電気的独立部分のそれぞれにリードが接続され、各センサの第2の接点は、第1のセンサの2つの電気的独立部分の両方と係合する。
【0016】
本開示の追加の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、可撓性インサート部材が、靴底部材内に収容され、その結果、靴底部材が、インサート部材のまわりに密閉される。システムは、前述の任意の態様を含みうる。
【0017】
一態様によれば、各センサは、第1の層と第2の層を有し、第1の層上に配置された第1の接点と、第2の層上に配置された第2の接点とを備え、第2の接点は、第1の接点と概略位置合わせされる。インサート部材は、単一の薄い可撓性のシートでよく、この構成では、センサは、インサート部材の外側面に接続される。更に、各センサの第1の接点は、2つの電気的独立部分を有してもよく、2つの電気的独立部分のそれぞれにリードが接続され、その結果、各センサの第2の接点が、第1のセンサの2つの電気的独立部分の両方と係合し、リードが、インサート部材の外側面に形成された導電性トレースによって形成される。
【0018】
本開示の一般的態様は、更に、履物物品の靴底構造の一部を形成するように構成された靴底部材、靴底部材に接続されるように構成された可撓性インサート部材、インサート部材に接続され電子モジュールや他の装置と通信するように構成されたポート、及びインサート部材に接続された複数のセンサを含む、履物物品と共に使用するためのセンサシステムに関する。各センサは、圧電材料を含み、センサがそれぞれ、センサ上の圧力によって、ポートが受け取る電圧を生成するように構成される。インサート部材には、センサをポートに接続する複数のリードが接続される。システムは、また、ポートに接続された電子モジュールを含んでもよく、電子モジュールは、センサからデータを収集しかつ外部装置と通信するように構成される。モジュールは、ポートから取り外し可能であってもよい。
【0019】
開示の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、インサート部材は、インサート部材を靴底部材に積層することによって靴底部材に接続される。各センサは、1つの構成では、インサート部材の外側面に接続されてもよい。インサート部材は、発泡材料や織物材料などの様々な材料から作成されてもよい。
【0020】
一態様によれば、インサート部材は、高分子シート材料の最上層と最下層を含み、センサが、上側層と下側層の間に位置決めされる。
【0021】
別の態様によれば、電子モジュールは、靴底部材内でオーバーモールドされ、靴底部材内に完全に収容される。システムは、また、電子モジュールに電気的に接続された外部コネクタを含んでもよく、外部コネクタは、靴底部材の外側に露出され、電子モジュールに対する物理的電気接続を提供するために靴底部材の外側からアクセス可能である。更に、
電子モジュールは、センサの両端に電圧を生成して圧電材料を変形させて、触感フィードバックをユーザに提供するように構成されてもよい。
【0022】
更に他の態様によれば、各センサは、その両面にメタライゼーションを有する圧電材料を含み、リードは、メタライゼーションに接続される。各センサは、更に、圧電材料とメタライゼーションを取り囲む高分子層を含んでもよい。
【0023】
開示の追加の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、リードが、インサート部材又は靴底部材に縫い込まれた導電性細線によって形成される。システムは、前述の任意の態様を含みうる。
【0024】
開示の一般的な態様は、更に、履物物品の靴底構造に接続されるように構成された可撓性インサート部材、インサート部材に接続され電子モジュールや他の装置と通信するように構成されたポート、及びインサート部材に接続された複数のセンサを含む、履物物品と共に使用するためのセンサシステムに関する。各センサは、ポートに電気的に接続されたセンサ材料のストリップを含む。各ストリップは、センサをポートに電気的に接続するために、ポートに直接接続されてもよく、中間コネクタによってポートに接続されもよい。
システムは、また、ポートに接続された電子モジュールを含んでもよく、電子モジュールは、センサからデータを収集しかつ外部装置と通信するように構成される。モジュールは、ポートから取り外し可能であってもよい。
【0025】
開示の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、ポートが、インサート部材のミッドフット領域内に配置され、センサ材料の第1の複数のストリップが、インサート部材のミッドフット領域からフォアフット領域まで延在し、第1の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第1の複数のストリップの他のものと異なる長さを有する。更に、第2のセンサ材料の複数のストリップは、インサート部材のミッドフット領域からヒール領域まで延在し、第2の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかは、第2の複数のストリップの他のものと異なる長さを有する。
【0026】
一態様によれば、各センサのセンサ材料は、変形されたときに電圧を生成するように構成された圧電材料である。電子モジュールは、圧電材料によって生成された電圧に基づいてセンサからデータを収集するように構成されてもよい。電子モジュールは、更に、センサの両端に電圧を生成して圧電材料を変形させて、触感フィードバックをユーザに提供するように構成されてもよい。更に、電子モジュールは、電源を含んでもよく、電子モジュールは、圧電材料によって生成された電圧を利用して電源を充電するように構成されてもよい。更に、電子モジュールは、変形されたストリップの数に基づいて、インサート部材の屈曲度を決定するように構成されてもよい。1つの構成では、各センサは、その両面にメタライゼーションを有する圧電材料のストリップを含んでもよく、メタライゼーションは、電子接続するための場所を提供する。各センサは、また、圧電材料とメタライゼーションを取り囲む高分子層を含んでもよい。
【0027】
別の態様によれば、第1の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第1の複数のストリップの他のものに対して、インサート部材のミッドフット領域から遠くに延在し、第2の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第2の複数のストリップのうちの他のものに対して、インサート部材のミッドフット領域から遠くに延在する。
【0028】
開示の追加の態様は、前述のようなセンサシステムに関し、圧電材料の第1の複数のストリップが、少なくとも部分的にインサート部材のフォアフット領域内に位置決めされ、
その結果、第1の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第1の複数のストリップの他のものに対して、インサート部材のミッドフット領域から遠くに延在する。圧電材料の第2の複数のストリップが、少なくとも部分的にインサート部材のヒール領域内に位置決めされ、その結果、第2の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第2の複数のストリップのうちの他のものに対して、インサート部材のミッドフット領域から遠くに延在する。システムは、前述の任意の態様を含みうる。
【0029】
一態様によれば、第1の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第1の複数のストリップの他のものと異なる長さを有し、第2の複数のストリップのうちの少なくとも幾つかが、第2の複数のストリップの他のものと異なる長さを有する。
【0030】
開示の他の態様は、足収容室を少なくとも部分的に規定する上側部材と、上側部材と係合された靴底構造と、その靴底構造に接続された前述したようなセンサシステムとを有する履物物品に関する。センサシステムのインサート部材は、足収容室内に収容されてもよい。
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面と関連して行われる以下の説明から明らかになる。
【0032】
本発明をより完全に理解できるように、次に添付図面と関連して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図3】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を実装する靴(靴の甲皮が除去され、足接触部材が脇に折り曲げられた)の底の上斜視図である。
【
図4】
図3の靴底とセンサシステムの上斜視図であり、靴の足接触部材が取り外され電子モジュールが取り外されている。
【
図5】センサシステムと共に使用でき、外部電子装置と通信する電子モジュールの一実施形態の概略図である。
【
図6】ユーザの右足用の履物物品の靴底構造内に位置決めされるように適応された、
図3のセンサシステムのインサートの上面図である。
【
図7】
図6のインサートと、ユーザの左足用の履物物品の靴底構造内で使用するように適応された類似のセンサシステムの上面図である。
【
図8】
図6のインサートの分解斜視図であり、4つの異なる層を示す。
【
図9】
図3のセンサシステムの構成要素によって構成された回路の一実施形態を示す回路図である。
【
図10】外部装置とのメッシュ通信モードでのセンサシステムをそれぞれ含む靴1足の概略図である。
【
図11】外部装置と「ディジーチェーン」通信モードのセンサシステムをそれぞれ含む1足の靴の概略図である。
【
図12】外部装置と独立通信モードのセンサシステムをそれぞれ含む1足の靴の概略図である。
【
図13】本発明の態様によるセンサの一実施形態の圧力と抵抗の関係を示すグラフである。
【
図14A】インサート部材に取り付けられた、電子モジュールに接続するためのポートとハウジングの一実施形態の斜視図である。
【
図15】本発明の態様によるモジュールの斜視図である。
【
図17】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を実装する履物物品用の靴底部材の別の実施形態の上面図である。
【
図18A】
図17に示されたセンサシステムの構成要素の電子接続のシステムの一実施形態の概略図である。
【
図18B】
図17に示されたセンサシステムの構成要素の電子接続のシステムの別の実施形態の概略図である。
【
図19】
図17のセンサシステムの構成要素によって構成された回路の一実施形態を示す回路図である。
【
図20】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を含む履物物品用の靴底部材の別の実施形態の上面図である。
【
図21】
図20のセンサシステムと共に使用されるインサートの斜視図である。
【
図22】
図20のセンサシステムのセンサ並びにセンサの機能の概略図を示す。
【
図23】
図20のセンサシステムと共に使用可能なインサートの別の実施形態の上面図である。
【
図24】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの別の実施形態の上面図である。
【
図26】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの別の実施形態の上面図である。
【
図27】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの別の実施形態の上面図である。
【
図28】
図26のセンサシステムを機能させる方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、様々な形態の実施形態が可能であり、図面に示され、本明細書において本発明の詳細で好ましい実施形態で示されるが、本開示が、本発明の原理の例示として見なされ、本発明の広義の態様を図示され記載された実施形態に限定するものではないことを理解されよう。
【0035】
センサシステム及び履物物品にセンサシステムを組み込むための構造の種々の実施形態が、本明細書に示され述べられる。係る実施形態がそれぞれ、他の実施形態に関して本明細書に記載された特徴のいずれか、並びに2012年2月22日に出願された米国特許出願第13/401,918号、第13/401,916号及び第13/401,914号、2012年2月17日に出願された米国特許出願第13/399,778号、第13/399,786号、第13/399,916号及び第13/399,935号、並びに2009年6月12日に出願された米国特許出願第12/483,824号と第12/483,828号に記載された任意の特徴を利用でき、これらの出願は全て参照により本明細書に組み込まれることを理解されたい。
【0036】
本明細書に記載されたセンサシステムの実施形態は、例として
図1~
図2に示され全体が参照数字100で示された靴などの履物物品と関連して使用されてもよい。履物100は、例えば、様々なタイプの運動靴を含む様々な形態をとりうる。1つの例示的な実施形態では、靴100は、一般に、汎用通信ポート14に動作可能に接続された力及び/又は圧力センサシステム12を含む。後でより詳しく述べるように、センサシステム12は、
靴100の着用者に関する運動データを収集する。汎用通信ポート14に接続することによって、複数の異なるユーザが、後で更に詳しく述べるような種々様々な用途のために運動データを利用できる。
【0037】
履物物品100は、
図1~
図2に、甲革120と靴底構造130を含むように示されている。以下の説明における参考のため、靴100は、3つの概略領域、即ち、
図1に示されたようなフォアフット領域111、ミッドフット領域112及びヒール領域113に分けられる。領域111~113は、靴100の正確な領域を区別するものではない。より正確に言うと、領域111~113は、以下の検討において基準枠を提供する靴100の概略領域を表わすものである。領域111~113は、一般に、靴100に適用され、領域111~113の参照は、甲革120、靴底構造130、又は甲革120若しくは靴底構造130内に含まれ及び/又はその一部として形成された個別の構成要素に適用されうる。
【0038】
図1と
図2に更に示されたように、甲革120は、靴底構造130に固定され、足を収容するための空所又は小室を規定する。参照のため、甲革120は、外側121、その反対の内側122、及びつま皮又は甲領域123を含む。外側121は、足の外側(即ち、
外面)に沿って延在するように位置決めされ、一般に、領域111~113のそれぞれを通る。同様に、内側122は、足の反対の内側(即ち、内面)に沿って延在するように位置決めされ、一般に、領域111~113のそれぞれを通る。つま皮領域123は、外側121と内側122の間で、足の上側面又は甲領域に対応するように位置決めされる。つま皮領域123は、この示された例では、足に対する甲革120の寸法を修正するために従来方法で利用される紐125や他の所望のクロージャ機構を有するスロート124を有し、それにより靴100のフィット性が調整される。甲革120は、また、足が甲革120内の空所に入るようにする足首開口126を有する。甲革120の構成には、靴甲革に従来利用されてきた材料を含む様々な材料が使用されうる。したがって、甲革120は、
例えば、革、合成皮革、天然又は合成織物、高分子シート、高分子発泡、メッシュ織物、
フェルト、不織布高分子又はゴム材料の1つ又は複数の部分から形成されてもよい。甲革120は、これらの材料の1つ又は複数から形成されてもよく、その材料又は一部分は、
例えば、当該技術分野で従来知られており使用されている方法で、縫い合わされるか接着される。
【0039】
甲革120は、また、かかと要素(図示せず)とつま先要素(図示せず)を有してもよい。かかと要素は、存在するとき、靴100の快適さを高めるために、ヒール領域113で甲革120の内側面に沿って上方に延在してもよい。つま先要素は、存在するとき、耐摩耗性を提供し、着用者のつま先を保護し、足の位置決めを支援するために、フォアフット領域111で甲革120の外側面に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、かかと要素とつま先要素の一方又は両方がなくてもよく、例えば、かかと要素が、甲革120の外側面上に位置決めされてもよい。前述の甲革120の構成は、靴100に適しているが、甲革120は、本発明から逸脱しない任意の所望の従来又は非従来的な甲革構造の構成を呈してもよい。
【0040】
図3に示されたように、靴底構造130は、甲革120の下側面に固定され、全体的に従来形状を有してもよい。靴底構造130は、組み合せ構造、例えば中敷131、本底132、及び足接触部材133を含む構造を有してもよい。足接触部材133は、典型的には、靴100の快適さを高めるために、甲革120の空所内で足の下側面に隣接して(又は、甲革120と中敷131の間に)配置されることがある薄い圧縮可能な部材である。
様々な実施形態では、足接触部材133は、ソックライナー、ストローベル、内底部材、
ブーティ要素、靴下などであってもよい。
図3~
図4に示した実施形態では、足接触部材133は、内底部材又はソックライナーである。用語「足接触部材」は、本明細書で使用されるとき、別の要素が直接接触を妨げることがあるので、必ずしもユーザの足と直接接触することを意味しない。より正確に言うと、足接触部材は、履物物品の足収容室の内側面の一部分を構成する。例えば、ユーザは、直接接触を妨げる靴下を着用していることがある。別の例として、センサシステム12は、外部半長靴要素や靴カバーなどの靴や他の履物物品の上を滑るように設計された履物物品に組み込まれてもよい。そのような物品では、靴底構造の上側部分は、ユーザの足と直接接触していない場合でも、足接触部材と見なされることがある。幾つかの機構では、内底又はソックライナーはないこともあり、他の実施形態では、履物100は、内底又はソックライナーの上に位置決めされた足接触部材を有することがある。
【0041】
中敷部材131は、衝撃減衰部材でもよくそれを含んでもよく、幾つかの実施形態では複数の部材又は要素を含んでもよい。例えば、中敷部材131は、ウォーキング、ランニング、ジャンピング又は他の活動中に圧縮されて地面や他の接触面反力を減衰するポリウレタン、エチルビニルアセテート又は他の材料(phylonやphyliteなど)部材などの高分子発泡材料から形成されてもよい。本発明による幾つかの例示的な構造において、ポリマー発泡材料は、履物100の快適さ、動作制御、安定性、及び/又は地面や他の接触面反力減衰特性を高める液体充填ブラダーや減速材などの様々な要素を封入するか含みうる。更に別の例示的な構造では、中敷131は、圧縮されて地面や他の接触面反力を減衰する追加の要素を含みうる。例えば、中敷131は、力の緩衝と吸収を支援するためにカラム型要素を含んでもよい。
【0042】
本底132は、この示された例示的な履物構造100では中敷131の下面に固定され、歩行や他の活動中に地面や他の表面と接触する耐摩耗性材料(ゴムや、ポリウレタンなどの可撓性の合成材料)から形成される。本底132を形成する材料は、引っ張りと滑りに対する高い耐性を与えるのに適切な材料で製造されかつ/又はそのためにテクスチャ化されてもよい。
図1と
図2に示された本底132と中敷131は、本底132の片面又は両面に複数の切り込み又は溝136を有するように示されているが、本発明と関連して、
様々なタイプの溝、輪郭及び他の構造を有する他の多くのタイプの本底132が使用されうる。本発明の実施形態は、他のタイプ及び構成の靴、並びに他のタイプの履物及び靴底構造と関連して使用されうることを理解されたい。
【0043】
図1~
図4は、本発明によるセンサシステム12を実装する履物100の例示的な実施形態を示し、
図3~
図8は、センサシステム12の例示的な実施形態を示す。センサシステム12は、力及び/又は圧力センサ組立体13が接続されたインサート部材37を含む。インサート部材37の使用が、1つの実施形態であり、また様々なタイプのセンサシステム12を含む履物物品が、本明細書に記載された態様と関連して利用されうることを理解されたい。また、インサート37が、任意の数の様々な構成、形状及び構造を有することができ、また様々な数及び/又は構成のセンサ16並びに様々なインサート構造又は周辺形状を含むことを理解されたい。
【0044】
インサート部材37は、履物100の靴底構造130に接して位置決めされるように構成され、一実施形態では、インサート部材37は、足接触部材133の下でかつ中敷部材131の上部に、ほぼ対面関係で位置決めされるように構成される。センサ組立体13は、複数のセンサ16と、(例えば、導体によって電気的に接続された)センサ組立体13と通信する通信又は出口ポート14とを含む。ポート14は、センサ16から受け取ったデータを、後述するように電子モジュール(電子制御ユニットとも呼ばれる)22などに伝達するように構成される。ポート14及び/又はモジュール22は、やはり後述するように、外部装置と通信するように構成されてもよい。
図3~
図8に示された実施形態では、システム12は、4つのセンサ16を有し、即ち、靴の足の親指(第1指骨又は母指)領域にある第1のセンサ16aと、靴のフォアフット領域にある2つのセンサ16b~c
(第1の中足骨頭領域にある第2のセンサ16bと第5の中足骨頭領域にある第3のセンサ16cを含む)と、かかとにある第4のセンサ16dとを有する。足のこれらの領域は、典型的には、運動中に最大程度の圧力を受ける。各センサ16は、ユーザの足によってセンサ16に加えられた圧力を検出するように構成される。センサは、センサリード18を介してポート14と通信し、センサリード18は、リード及び/又は別の導電体、又は適切な通信媒体であってもよい。例えば、
図3~
図8の実施形態では、センサリード18は、インサート部材37上に印刷された、銀系インクや他の金属インク(銅の及び/又はすずを主成分とするインクなど)のような導電性媒体であってもよい。あるいは、リード18は、一実施形態ではシンワイヤとして提供されてもよい。他の実施形態では、リード18は、足接触部材133、中敷部材131、又は靴底構造130の別の部材に接続されてもよい。
【0045】
センサシステム12の他の実施形態は、様々な数又は構成のセンサ16を含んでもよく、一般に、少なくとも1つのセンサ16を含んでもよい。例えば、一実施形態では、システム12は、きわめて多くのセンサを含み、別の実施形態では、システム12は、2つのセンサ(かかと内に1つと靴100のフォアフット内に1つ)を含む。更に、センサ16は、Bluetooth(登録商標)や近距離無線通信を含む任意の既知のタイプの有線又は無線通信を含む、様々な方式でポート14と通信してもよい。1足の靴は、1足の各靴にセンサシステム12を備えてもよく、また、対になったセンサシステムが、相乗的に動作してもよく、互いと独立に動作してもよく、また各靴内のセンサシステムが、互いに通信してもしなくてもよいことを理解されたい。センサシステム12の通信は、後でより詳しく説明される。センサシステム12が、データ(例えば、ユーザの足と地面や他の接触面との相互作用からの圧力データ)の収集と記憶を制御するコンピュータプログラム/アルゴリズムを備えてもよく、そのようなプログラム/アルゴリズムが、センサ16、モジュール22及び/又は外部装置110内に収容されかつ/又はそれらによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0046】
センサシステム12は、靴100の靴底130内に幾つかの構成で位置決めされうる。
図3~
図4に示された例では、ポート14、センサ16及びリード18が、例えば中敷131と足接触部材133との間にインサート部材37を位置決めすることによって、中敷131と足接触部材133との間に位置決めされてもよい。インサート部材37は、一実施形態では中敷と足接触部材133の一方又は両方に接続されてもよい。中敷131及び/又は足接触部材133には、後述するような電子モジュール22を収容するための空洞又は窪み135が配置されてもよく、ポート14は、一実施形態では窪み135内からアクセス可能であってもよい。窪み135は、更に、モジュール22のためのハウジング24を収容してもよく、ハウジング24は、例えば、ポート14に物理空間を提供しかつ/又はポート14とモジュール22間で相互接続するためのハードウェアを提供することによって、ポート14に接続するように構成されてもよい。
図3~
図4に示した実施形態では、窪み135は、中敷131の上側主面内に空洞によって形成される。
図3~
図4に示されたように、靴底構造130は、ハウジング24を収容するために形成された穴を有する圧縮性靴底部材138を含んでもよく、この穴は、窪み135へのアクセスを提供しかつ/又は窪み135の一部分と見なされてもよい。インサート37は、ハウジング24を窪み135内に配置するために圧縮性靴底部材138の上に配置されてもよい。圧縮性靴底部材138は、一実施形態では中敷131と対面してもよく、中敷131と直接接触してもよい。圧縮性靴底部材138が、圧縮性靴底部材138と中敷131との間に1つ以上の付加構造物(ストローベル部材など)が位置決めされた状態で、中敷131と対面してもよいことを理解されたい。
図3~
図4の実施形態では、圧縮性靴底部材138は、足接触部材133と中敷131の間に配置された発泡部材138(例えば、EVA部材)の形であり、この実施形態では下側の内底/ソックライナーと考えられうる。発泡部材138は、一実施形態では中敷131のストローベル(図示せず)に接合されてもよく(例えば、接着剤を使用して)、ストローベルを覆って縫ってもよく、これにより、縫い目によるインサート37の摩耗が防止されうる。
【0047】
図3~
図4に示された実施形態では、ハウジング24は、側壁25と底壁26を含む複数の壁を有し、また側壁25の上部から外方に延在し、インサート37に接続するように構成されたフランジ又はリップ28を有する。一実施形態では、フランジ28は、穴27の前方端にあるインサート37の穴28Bを通って接続するペグ28Aによって、タブ29と繋がってハウジング24を形成する別個の部材である。ペグ28Aは、超音波溶接や他の技術によって接続されてもよく、一実施形態では容器に収容されてもよい。代替実施形態では、履物物品100は、タブ29が靴底構造130内に形成された状態で製造されてもよく、フランジ28は、必要に応じて、ポートの他の部分も組み立てられた後で、スナップ接続などによって接続されてもよい。ハウジング24は、ハウジング24内にモジュール22を保持する保持構造を有してもよく、そのような保持構造は、タブ/フランジ及びスロット配列、相補形タブ、ロック部材、摩擦嵌め部材などのモジュール22上の保持構造と相補的であってもよい。ハウジング24は、また、フランジ28及び/又はタブ29内に配置された指状凹部29Aを有してもよく、指状凹部29Aは、モジュール22をハウジング24から除去するためにユーザの指がモジュール22と係合する場所を提供する。フランジ28は、インサート37の上部と係合する広い基部を提供し、この基部は、フランジ28がインサート37上及び/又は足接触部材133上に加える力を拡散し、
これにより、そのような構成要素の激しい振れ及び/又は損傷が生じる可能性を減少する。また、フランジ28の丸い角部は、インサート37及び/又は足接触部材133に対する損傷を防ぐのに役立つ。フランジ28が、他の実施形態では異なる形状及び/又は輪郭を有してもよく、様々な形状及び/又は輪郭によって類似の機能を提供してもよいことを理解されたい。
【0048】
足接触部材133は、発泡部材138の上に配置されてインサート37を覆うように構成され、また
図3に示されたように、その下側主面にハウジング24用の空間を提供する凹み134を有してもよい。足接触部材133は、発泡部材138に接着されてもよく、
一実施形態では、
図3に示されたように、足接触部材133を引き上げてモジュール22にアクセスできるようにフォアフット領域でのみ接着されてもよい。更に、足接触部材133は、インサート37及び/又は発泡部材138(シリコーン材料など)に対する滑りを防ぐために、下側の少なくとも一部分に配置された粘着性又は高摩擦材料(図示せず)を含んでもよい。例えば、足接触部材133が、フォアフット領域内で接着され、ヒール領域で自由な一実施形態では(例えば
図3)、足接触部材133は、ヒール領域に配置された粘着性材料を有してもよい。また、粘着性材料は、センサシステム内に汚れが侵入するのを防ぐために高い密閉性を提供してもよい。別の実施形態では、足接触部材133は、ポート14の上に配置されるように構成され、足接触部材133を介したモジュール22の挿入及び/又は除去を可能にするようにサイズが決められた扉又はハッチ(図示せず)を有してもよく、この扉又はハッチは、ヒンジ上の揺れやプラグ状要素の除去などの様々な手法で開けられてもよい。一実施形態では、足接触部材133は、また、後述するように図形しるし(図示せず)を有してもよい。
【0049】
一実施形態では、
図3~
図4に示されたように、発泡部材138は、また、インサート37を収容するためにインサート37と同じ周辺形状を有する凹部139を有してもよく、インサート部材37の最下層69(
図8)は、凹部139内にインサート37を保持するために粘着性裏張りを有してもよい。一実施形態では、この目的のために、瞬間接着アクリル接着剤などの比較的強力な接着剤が利用されてもよい。インサート37は、ハウジング24を収容しそのための場所を提供する穴又はスペース27を有し、この実施形態では発泡部材138は、ハウジング24が、ストローベル及び/又は中敷131に完全に通りかつ/又はその少なくとも一部分を通ることを可能にする。
図3~
図4に示された実施形態では、足接触部材133は、典型的な足接触部材133(例えば、ソックライナー)より小さい厚さを有してもよく、発泡部材138の厚さは、同等な緩衝を提供する足接触部材133の厚さの減少と実質的に等しい。一実施形態では、足接触部材133は、約2~3mmの厚さを有するソックライナーでよく、発泡部材138の厚さは、約2mmでよく、凹部139は、約1mmの深さを有する。発泡部材138は、一実施形態では、発泡部材138を履物物品100に接続する前に、インサート部材37に接着接続されてもよい。この構成によって、発泡部材を履物100のストローベルは他の部分に取り付ける前に、発泡部材138とインサート37の間の接着剤が平らな状態で硬化でき、これにより、典型的には発泡部材138が曲がるか湾曲し、他の状況では剥離が起こることがある。
この構成では、インサート37が接着材で取り付けられた発泡部材138は、一実施形態では履物物品100に挿入するために単一製品として提供されてもよい。
図3~
図4におけるポート14の位置決めは、ユーザの足との最小接触、刺激、又は他の干渉を提供するだけでなく、足接触部材133を持ち上げるだけで容易なアクセシビリティを提供する。
【0050】
図3~
図4の実施形態では、ハウジング24は、インサート37と発泡部材138を完全に貫通し、窪み135も、ハウジング24を収容するために、ストローベルを完全に貫通して履物100の中敷131内に部分的に延在してもよい。別の実施形態では、窪み135は、異なるように構成されてもよく、一実施形態では完全にストローベルの下に位置決めされてもよく、ストローベルは、窪み135内のモジュール22にアクセスできるようにする窓を備える。窪み135は、ストローベル及び/又は中敷131からの材料の切削又は除去、窪みが収容されたストローベル及び/又は中敷131の形成、又は他の技術若しくはこれらの技術の組み合わせを含む様々な技術を使用して形成されうる。ハウジング24は、窪み135の壁とぴったり適合してもよく、これは、ハウジング24と窪み135の隙間が材料破壊の原因になるので、有利なことがある。破片135を除去するプロセスは、適切なコンピュータ制御機器を使用して自動化されてもよい。
【0051】
更に他の実施形態では、窪み135は、靴底構造130のどこか他の場所に配置されてもよい。例えば、窪み135は、足接触部材133の上側主面に配置されてもよく、インサート37は、足接触部材133の上部に配置されてもよい。別の例では、窪み135は、足接触部材133の下側主面に配置されてもよく、インサート37は、足接触部材133と中敷131の間に配置されてもよい。更に他の例として、窪み135は、本底132内に配置されてもよく、靴底130の側面、底又はかかとの開口などを介して靴100の外側からアクセス可能であってもよい。
図3~
図4に示された構成では、ポート14は、
後述するように、電子モジュール22の接続又は切断のために容易にアクセス可能である。別の実施形態では、足接触部材133は、底面に接続されたインサート37を有してもよく、ポート14と窪み135は、靴底構造130内に形成されてもよい。インタフェース20は、他の実施形態に関して示されたものと同じようにハウジング24の側面に位置決めされているが、インタフェース20は、例えばモジュール22の上部を介した係合など、他の場所に位置決めされてもよいことを理解されたい。モジュール22は、そのような変更に対応するように変更されてもよい。更に他の実施形態では、ハウジング24、インサート37、モジュール22及び/又はインタフェースの他の構成及び配列が利用されてもよい。
【0052】
他の実施形態では、センサシステム12は、違うように位置決めされてもよい。例えば、一実施形態では、インサート37は、本底132、中敷131又は足接触部材133内に位置決めされてもよい。1つの例示的な実施形態では、インサート37は、靴下、ソックライナー、内部履物ブーティ又は他の類似物などの内底部材の上に位置決めされた足接触部材133内に位置決めされてもよく、足接触部材133と内底部材との間に位置決めされてもよい。更に他の構成が可能である。前述したように、センサシステム12が、1足の各靴に含まれてもよいことを理解されたい。
【0053】
図3~
図8に示された実施形態におけるインサート部材37は、少なくとも第1の層66と第2の層68を含む多層から形成されている。第1と第2の層66と68は、Mylar(登録商標)や他のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム又は別の高分子フィルム(ポリアミドなど)などの可撓性フィルム材料から形成されてもよい。一実施形態では、第1と第2の層66と68はそれぞれ、0.05~0.2mmの厚さ(125μmの厚さなど)のPETフィルムであってもよい。更に、一実施形態では、第1と第2の層66,68はそれぞれ、2mm以下の最小曲げ半径を有する。インサート37は、更に、第1と第2の層66,68の間に位置決めされたスペーサ層67及び/又は第2の層68の下でインサート37の下面に位置決めされた最下層69を含んでもよく、これらの層は、
図3~
図8に示された実施形態に含まれる。インサート37の層66,67,68,69は、互いに対面して積み重ねられ、一実施形態では、層66,67,68,69は全て、類似又は同一の周囲形状を有し、互いに重ね合わせられる(
図8)。一実施形態では、スペーサ層67と最下層69はそれぞれ、89~111μmの厚さ(100μmの厚さなど)を有する。インサート部材37の全厚さは、一実施形態では約450μmでよく、
あるいは別の実施形態では428~472μm、更に他の実施形態では278~622μmであってもよい。インサート37は、また、厚さ100~225μmの追加の接着材を含んでもよく、更に、他の実施形態では追加のPET層などの1つ以上の選択的補強層を含んでもよい。更に、一実施形態では、前述のような4層インサート全体は、5mm以下の最小曲げ半径を有する。別の実施形態では、第1と第2の層66,68は、例えば第2の層68を最上層とし第2の層68の下に第1の層66を配置することによって、逆にされてもよいことを理解されたい。
図3~
図8の実施形態では、第1と第2の層66,68には、後で詳述される種々の回路や他の構成要素(センサ16、リード18、抵抗器53,54、経路50、誘電性パッチ80、及び他の構成要素を含む)が含まれ、印刷されてもよい。構成要素は、
図3~
図8の実施形態では、第1の層66の下側と第2の層68の上側に印刷されるが、他の実施形態では、少なくとも幾つかの構成要素が、第1と第2の層66,68の反対側に印刷されてもよい。第1の層66及び/又は第2の層68上に配置された構成要素が、他の層66,68に移動/転置されてもよいことを理解されたい。
【0054】
層66,67,68,69は、一実施形態では、接着材や他の接合材料によって接続されうる。スペーサ層67は、第1と第2の層66,68に接続するために、一実施形態では片面又は両方の面に接着剤を有してもよい。同様に、最下層69は、履物物品100だけでなく第2の層68にも接続するために、片面又は両面に接着剤を有してもよい。第1又は第2層66,68は、追加又は代替として、この目的のための接着面を有してもよい。他の実施形態では、層66,67,68,69を接続するために、ヒートシーリング、
スポット溶接又は他の既知の技術などの様々な他の技術を使用できる。
【0055】
図3~
図8に示された実施形態では、センサ16は、靴底130上の圧力及び/又は力を測定するための力及び/又は圧力センサである。センサ16は、センサ16上の圧力が増大するほど減少する抵抗を有し、したがって、ポート14の抵抗の測定を行なってセンサ16上の圧力を検出できる。
図3~
図8に示された実施形態のセンサ16は、形状が楕円又は小判型(obround)であり、これにより、幾つかの様々な靴サイズに単一のセンササイズを利用できる。この実施形態のセンサ16はそれぞれ、第1の層66上に位置決めされた第1の接点40と、第2の層68上に位置決めされた第2の接点42とを含む、2つの接点40,42を有する。本明細書において第1の層66を示す図は上面図であり、
また電子構造(接点40、リード18などを含む)が、第1の層66の下側に位置決めされ、特に断らない限り、透明又は半透明の第1の層66を通して見えることを理解されたい。接点40,42は、互いに対向して位置決めされ、互いに対して重ね合わされ、それにより、ユーザの足などによるインサート部材37上の圧力によって、接点40,42間の係合が高まる。センサ16の抵抗は、接点40,42間の係合が増大するほど減少し、
モジュール22は、センサ16の抵抗の変化に基づいて圧力を検出するように構成される。一実施形態では、接点40,42は、
図3~
図8の実施形態のように、第1と第2の層66,68上に印刷された導電性パッチによって形成されてもよく、2つの接点40,42が形成される材料は同じでもよく異なってもよい。更に、一実施形態では、リード18は、センサ接点40,42の材料より高い導電率と低い固有抵抗を有する材料から形成される。例えば、パッチは、カーボンブラック又は別の導電性炭素材料から形成されてもよい。更に、一実施形態では、2つの接点40,42は、同じ材料又は類似の硬さを有する2つの材料から形成されてもよく、これにより、互いに接する材料の硬さの違いによる摩滅と摩耗が減少する。この実施形態では、第1の接点40が、第1の層66の下側に印刷され、第2の接点42が、第2の層68の上側に印刷されて、接点40,42の間の係合が可能になる。
図3~
図8に示された実施形態は、スペーサ層67を含み、スペーサ層67は、スペーサ層67を介して接点40,42の係合を可能にするために各センサ16に位置決めされた穴43を有し、同時に第1と第2の層66,68の他の部分を互いに絶縁する。一実施形態では、各穴43は、センサ16のうちの1つと位置合わせされ、それぞれのセンサ16の接点40,42間の少なくとも部分的係合を可能にする。
図3~
図8に示された実施形態では、穴43は、センサ接点40,42以外の領域では小さく、接点40,42の中央部分が互いに係合することを可能にし、同時に接点40,42の外側部分と配線リード18Aを互いに絶縁する(例えば
図8を参照)。別の実施形態では、穴43は、接点40,42の間のその面全体にわたる係合を可能にするようにサイズ決めされてもよい。他の実施形態では、類似の機能を保ちながら、センサ16及び接点40,42のサイズ、寸法、輪郭及び構造が変更されてもよいことを理解されたい。また、様々な靴サイズのための様々なサイズのインサート37に、同じサイズを有するセンサ16が利用されてもよく、その場合、インサート37の全体寸法に対するセンサ16の寸法は、様々なインサート37サイズで異なってもよいことを理解されたい。他の実施形態では、センサシステム12は、
図3~
図8の実施形態のセンサ16と違うように構成されたセンサ16を有してもよい。更に他の例では、センサ16は、炭素系又は類似の接点40,42を含まない異なる構成を利用してもよく、かつ/又は抵抗センサ16として機能しなくてもよい。そのようなセンサの例には、他の例の中でも、容量性圧力センサ又はひずみゲージ圧力センサが挙げられる。
【0056】
図3~
図8に更に示されたように、一実施形態では、インサート37は、インサート37を圧縮及び/又は屈曲する際にインサート37内の空気流を可能にするように構成された内部空気流システム70を含んでもよい。
図8は、空気流システム70の構成要素をより詳しく示す。空気流システム70は、センサ16から1つ以上の通気穴72に至る1つ以上の通気道又はチャンネル71を有することができ、空気が、圧縮中にセンサ16から、第1と第2の層66,68の間で、通気穴72を通ってインサート37の外部に流れることを可能にする。空気流システム70は、センサ16の圧縮中に超過圧力の蓄積を防ぎ、また、様々な空気圧と高度におけるセンサ16の接点40,42の一貫した分離を可能にし、それにより性能をより一貫させる。チャネル71は、第1と第2の層66,68の間に形成されてもよい。
図8に示されたように、スペーサ層67にはチャネル71が形成され、空気が、第1と第2の層66,68の間のこれらのチャネル71を適切な通気穴72まで流れることができる。通気穴72は、一実施形態では、フィルタ(図示せず)で覆われてもよい。そのようなフィルタは、空気、水分及び破片が通気穴72から出ることを可能にし、かつ水分と破片が通気穴72内に入るのを防ぐように構成されてもよい。別の実施形態では、インサート37は、スペーサ層を含まなくてもよく、チャネル71は、層66,68を特定パターンで密封せずに形成されてもよい(例えば、密閉不能材料の塗布によって)。したがって、そのような一実施形態では、空気流システム70は、層66,68と一体化されるかそれらの層によって直接規定されるよう考えられてもよい。他の実施形態では、空気流システム70は、様々な数又は構成の空気チャネル71、通気穴72、及び/又は他の通路を含んでもよい。
【0057】
図3~
図8に示された実施形態では、空気流システム70は、2つの通気穴72と、4つのセンサ16それぞれを通気穴72のうちの1つに接続する複数の空気チャネル71とを含む。スペーサ層67は、この実施形態では、各センサに穴43を有し、チャネル71は、空気がセンサ16からチャネル71を通って流れることができるように穴43に接続される。更に、この実施形態では、センサ16のうちの2つは、チャネル71を介して通気穴72のそれぞれに接続される。例えば、
図4と
図8に示されたように、第1中足骨センサ16bは、インサート37の第1のミッドフット領域の少し後ろの通気穴72まで延在するチャネル71を有し、第1指骨センサ16aは、やはり第1中足骨センサ16b内を通ることを含む通路を介して同じ通気穴72まで延在するチャネル71を有する。換言すると、第1指骨センサ16aは、第1指骨センサ16aにある穴43から第1中足骨センサ16bにある穴43まで延在するチャネル71を有し、別のチャネル71は、第1中足骨センサ16bから通気穴72まで延在する。また、第5の中足骨センサ16cとヒールセンサ16dは、インサート37のかかと部分に配置された共通通気穴72を共有する。1つのチャネル71は、第5中足骨センサ16cにある穴43から通気穴72まで後方に延在し、別のチャネル71は、ヒールセンサ16dにある穴43から通気穴72まで前方に延在する。通気穴72を複数のセンサ間で共有することによって、特に追加のフィルタ73を不要にすることによって、費用を削減できる。他の実施形態では、空気流システム70は、異なる構成を有してもよい。例えば、各センサ16は、それ自体の個別の通気穴72を有してもよく、3つ以上のセンサ16が、同じ通気穴72を様々な実施形態で共有してもよい。
【0058】
各通気穴72は、第2層68の下側(即ち、第1層66の反対側)に開口として形成され、その結果、
図8で分かるように、開口は、空気流システム70からの空気、水分及び/又は砕片の外方への流れを可能にする。別の実施形態では、通気穴72は、複数の開口を有してもよい。更に他の実施形態では、通気穴72は、追加又は代替として、空気をインサート37から上方に逃す第1層66の開口によって形成されてもよい。追加の実施形態では、通気穴72が、チャネル71を縁まで延在させることなどによってインサート37の側面(薄い縁)にあってもよく、その結果、チャネル71が、縁を通ってインサート37の外部に開く。下方への空気の逃しは、
図3~
図8に示された実施形態にあるように、砕片が通気穴72に入りにくくする。また、最下層69は、存在する場合、通気穴72から流れ出る空気が最下層69を通ることができるように通気穴72の下に配置された開口74を有する。開口74は、後述するように、各通気穴72のまわりで最下層69を介してフィルタを第2層68に接着できるように、通気穴72よりかなり大きい。更に、この実施形態では、各通気穴72は、材料に安定性と強度を加えかつ破壊/裂けを防ぐために、通気穴72のまわりに位置決めされた補強材料75を有する。示された実施形態では、補強材料75は、印刷を容易にするためにリード18と同じ材料(例えば、銀又は他の金属インク)から形成されるが、本明細書で検討されるセンサ接点40,42(例えば、
炭素)又は絶縁材料と同じ材料から形成されてもよい。
【0059】
図3~
図8に示された実施形態の通気穴72は、下方に開いており、通気穴72を通る空気は、中敷131と発泡部材138(存在する場合)に向かって下方に通る。
図3~
図4に示された実施形態では、発泡部材138は、通気穴72のすぐ下にある空洞76を有し、通気穴から出る空気がそれぞれの空洞76に入るように構成される。そのような空洞76は、発泡部材138を完全又は部分的に貫通するスロットとして形成されてもよい。
この構成によって、空気は、発泡部材138による邪魔なしに、通気穴72から出ることができる。
図3~
図4の実施形態では、空洞76はそれぞれ、空洞76から横方向に、インサート37の周辺境界を越えて延在するチャネル部分77を有する。換言すると、空洞76のチャネル部分77は、通気穴72から、インサート37の周辺境界の外側にある遠位端78まで横方向に延在する。発泡部材138が、インサート部材37を収容する凹部139を有する場合、
図3~
図4に示された実施形態にあるように、空洞76のチャネル部分77の遠位端78も凹部139の周辺境界の外側にあってよいことを理解されたい。
この構成によって、空洞76に入る空気は、チャネル部分77を横方向に通り、次に発泡部材138から上方及び/又は外方に通ることによって、靴底構造130から出ることができる。別の実施形態では、遠位端78は、発泡部材138内でかつインサート37の周辺境界の外側の位置で終了し、それにより、空気が、遠位端78にある空洞76から上方に抜けて、同じか又は類似の機能が提供される。以上のように、空気流システム70の構成要素は、他の実施形態では異なるように構成されてもよい。
【0060】
更に、足接触部材133は、
図3~
図8の実施形態では、空洞76の遠位端78に配置された足接触部材133を貫通する1つ以上の通路(図示せず)を含む。通路は、足接触部材133内に垂直方向に延在するピンホール型通路であってもよい。別の実施形態では、スリット又は溝を含む異なるタイプの通路を使用することができ、少なくとも1つの通路は、足接触部材133の層を上向きに通るのではなく、足接触部材133の側面に対して横方向に延在してもよい。通路は、通気穴72を通って空洞76から出る空気が、足接触部材133を通って靴底構造130から出ることを可能にする。別の実施形態では、足接触部材133は、通路を含まなくてもよい。足接触部材133は、更に、足接触部材133を構成するために通気性発泡材や他の通気性材料を使用することなどによって、通路のない構成で通気を提供してもよい。
【0061】
前述のような
図3~
図8の実施形態では、スペーサ層67は、一般に、経路50やセンサ16の接点40,42間などの電気接触が必要な領域以外、第1と第2の層66,68上の導電部材/構成要素を互いに絶縁する。スペーサ層67は、層66,68間の所望の電気接触の領域を画定する穴38及び43を有する。空気流システム70の構成要素、特にチャネル71は、第1と第2の層66,68間の1つ以上の導電部材による短絡や他の望ましくない電気接触のための経路を提供することがある。一実施形態では、センサシステム12は、チャネル71などのスペーサ層67の開口領域を横切る1つ以上の導電部材による望ましくない短絡を受けにくくするか又は防ぐために、絶縁材料80の1つ以上のパッチを含んでもよい。この絶縁材料80は、アクリルインクや他の紫外線硬化性インク、又は用途に適した別の絶縁材料の形態であってもよい。
図3~
図8に示された実施形態では、インサート37は、センサ接点40,42のまわりにある配線リード18Aを互いに絶縁するために、チャネル71を横切って延在する絶縁材料80の幾つかのパッチを有する。
【0062】
図3~
図8の実施形態では、ポート14、センサ16及びリード18は、インサート部材37上に回路10を構成する。ポート14は、4つのセンサ16のうちの1つにそれぞれ個々に専用化された端子11のうちの4つと、電圧を回路10に印加するための1つの端子11と、電圧測定用の1つの端子11とを含む複数の端子11を有する。この実施形態では、センサシステム12は、また、層66,68の一方の上にそれぞれ配置された1対の抵抗器53,54と、第1層66上の回路を第2層68上の回路と接続する経路50とを含む。抵抗器53,54は、モジュール22が各センサ16の抵抗値を測定する基準点を提供し、モジュール22が活動センサ16からの可変電流を測定可能な電圧に変換することを可能にする。更に、抵抗器53,54は、回路10内に並列に配列されて、回路10内のばらつき、及び/又はリード18及び/又はセンサ接点40,42を印刷するために使用されるインクの導電率のばらつきなど、抵抗53,54を作成するために使用される製造工程におけるばらつきを補償する。一実施形態では、2つの抵抗器53,54の等価抵抗は、1500+/-500kΩである。別の実施形態では、直列の単一抵抗器53,54又は2つの抵抗器53,54が使用されてもよい。更に他の実施形態では、抵抗器53,54は、インサート37上のどこか他の場所に位置決めされてもよく、モジュール22の回路内に配置されてもよい。この実施形態の回路10の更に詳しい技術的描写は、後述され、
図20に示された。
【0063】
図9は、本発明の一実施形態による圧力を検出し測定するために使用されうる回路10を示す。回路10は、電圧を回路10に印加するための電力端子104aと、後述するように電圧を測定するための測定端子104bと、4つのセンサ端子104c~104f(各端子は、センサ16a~16dのうちの1つに専用化され、それぞれこの実施形態では接地を表す)を含む6つの端子104a~104fを含む。端子104a~104fは、
ポート14の端子11を表わす。示した実施形態では、抵抗器53と54を表わす固定抵抗器102aと102bは、並列に接続される。固定抵抗器102a及び102bは、物理的に別個の層上に配置されてもよい。端子104a及び104bの両端の等価抵抗は、
次の周知の式によって決定される。
【0064】
Req=R102a・R102b/(R102a+R102b) (式1)
【0065】
ここで、
R102a=固定抵抗器102aの抵抗
R102b=固定抵抗器102bの抵抗
Req=等価抵抗
【0066】
固定抵抗器102a及び102bを電気的に並列に接続することによって、固定抵抗器102a及び102bを作成するために使用される製造工程におけるばらつきを補償する。例えば、固定抵抗器102aが、所望の抵抗からずれた抵抗を有する場合は、式1によって決定された等価抵抗のずれは、固定抵抗器102bの平均化効果によって最小になる。当業者は、2つの固定抵抗器が説明のためだけに示されていることを理解するであろう。追加の固定抵抗器は、並列に接続されてもよく、各固定抵抗器は、異なる層上に形成されてもよい。
【0067】
図9の示された実施形態では、固定抵抗器102a及び102bは、センサ16a~16dに接続される。前述のように、センサ16a~16dは、圧力の変化に応じて抵抗を変化させる可変抵抗器によって実現されてもよい。センサ16a~16dはそれぞれ、複数の可変抵抗器によって実現されてもよい。一実施形態では、センサ16a~16dはそれぞれ、物理的に様々な層上に配置され電気的に並列に接続された2つの可変抵抗器によって実現される。例えば、一実施形態に関して前に述べたように、各センサ16a~16dは、印加圧力が増大するほど強く係合する2つの接点40,42を含んでもよく、センサ16a~16dの抵抗は、係合が増大するほど減少することがある。前述のように、抵抗器を並列に接続することによって、製造工程中に生じたずれを最小にする等価抵抗が作成される。別の実施形態では、接点40,42は、直列に配列されてもよい。センサ16a~16dは、スイッチ108a~108dを介してグランドに接続されてもよい。スイッチ108a~108dは、センサを接続するために1つずつ閉じられてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチ108a~108dは、トランジスタ又は集積回路によって実現されてもよい。
【0068】
動作において、3ボルトなどの電圧レベルが、端子104aで印加される。スイッチ108a~108dは、センサ16a~16dのうちの1つをグランドに接続するように1つずつ閉じられる。グランドに接続されたとき、センサ16a~16dはそれぞれ、固定抵抗器102a及び102bの組み合わせによって分圧器を構成する。例えば、スイッチ108aが閉じられたとき、端子104aとグランド間の電圧は、固定抵抗器102a及び102bの組み合わせとセンサ16aとの間に分割される。端子104bで測定された電圧は、センサ16aの抵抗が変化するときに変化する。その結果、センサ16aに印加された圧力は、端子104bで電圧レベルとして測定されることがある。センサ16aの抵抗は、既知の値の組み合わせ固定抵抗器104a及び104bと直列のセンサ16aに印加された電圧を利用して測定される。同様に、スイッチ108b~108dを選択的に閉じることによって、端子104bに、センサ16b~16dに加えられた圧力と関連した電圧レベルが生成される。他の実施形態では、センサ16a~dと端子104c~fの間の接続が異なってもよいことを理解されたい。例えば、
図8に示されたように、センサ16a~dは、右靴インサート37と比較して、左側靴インサート37内のインタフェース20の様々なピンに接続される。別の実施形態では、電圧レベルが、反対に印加されてもよく、グランドが端子104aにあり、電圧が端子104c~fに印加される。更に他の実施形態では、類似の結果と機能を達成するために、別の回路構成が使用されてもよい。
【0069】
示された実施形態では、2つの抵抗器53,54が、類似又は同一の構造を有するが、
他の実施形態では、抵抗器が異なる構造を有してもよいことを理解されたい。各抵抗器53,54は、互いに離間された2つの区分55,56と、区分55,56の間にありこれらの区分を接続するブリッジ57とを有する。一実施形態では、ブリッジ57は、区分55,56より多くの抵抗材料から形成されてもよく、したがって、各抵抗器53,54の抵抗の大部分を提供することがある。区分55,56は、銀材料などの高伝導性材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。
図3~
図9に示された実施形態では、内側及び外側区分55、56が、印刷された銀系インクや他の金属系インクなど、リード18と同じ材料から形成される。この実施形態では、ブリッジ57は、カーボンブラックや別の導電性炭素材料など、センサ接点40,42と同じ材料から形成される。他の実施形態では、
内側及び外側区分55,56及び/又はブリッジ57が、様々な材料から形成されてもよいことを理解されたい。
【0070】
経路50は、一般に、連続的及び/又は絶え間ない電気通信を可能にし、第1及び第2層66,68の間で電子信号を通す。
図3~
図8の実施形態では、ポート14は、第2層68に直接接続され、経路50は、第1層66,68上のポート14とセンサ接点40との間の垂直経路として働くことがある。この実施形態では、経路50が、第1層66と第2層68上に導電性部分51を有し、その結果、導電性部分51が、互いに連続的に係合して、第1及び第2層66,68間の連続的な電気通信を提供する。この実施形態のスペーサ層67は、経路50と位置合わせされた穴38を含み、スペーサ層67を介した導電性部分51間の連続的な係合を可能にする。更に、
図3~
図5の実施形態では、各導電性部分51が、細長いギャップ59によって分離された2つの区分52に分割される。ギャップ59は、導電性部分51の曲がりを最小にする屈曲点として働くことによって、インサート37の屈曲中の経路50の耐久性を高めるような向きにされてもよい。経路50の導電性部分51は、導電材料から形成され、一実施形態では、導電性部分51は、銀系インクや他の金属インクなど、リード18と同じ材料から形成されてもよい。他の実施形態では、本明細書に記載された経路50とその構成要素は、様々なサイズ、形状、形態又は位置を有してもよく、異なる材料から形成されてもよい。更に、経路50は、導電性部分51間の係合の支援など、構造的支持及び/又は効果を提供するために、一実施形態では補剛構造60によって少なくとも部分的に取り囲まれるか境界を定められてもよい。
図3~
図8に示されたように、導電性部分51は、実質的に環状の補剛材60によって取り囲まれる。補剛材60は、適切な剛性を有する任意の材料から形成されもよく、一実施形態では、カーボンブラックや他の炭素系材料など、導電性部分51の材料より大きい剛性を有する材料から形成されてもよい。更に、スペーサ層67の穴38は、導電性部分51が互いに係合することを可能にする。
【0071】
インサート37は、高分子(例えば、PET)フィルム上に様々な構成要素を付着させることによって構成されてもよい。一実施形態では、インサート37は、リード18(分配リード18Aを含む)、経路50の導電部分51、抵抗器53,54の内側及び外側区分55,56などのトレースパターンで印刷することによって、導電金属材料を各層66,68に最初に付着させることによって構成される。次に、追加の炭素材料が、印刷などによって各層66,68上に付着されて、接点40,42、経路50の補剛材60、抵抗器53,54のブリッジ57が形成されうる。次に、絶縁部分などの任意の追加の構成要素を付着させることができる。一実施形態では、層66,68は、PETシート上に印刷され、次に印刷後に切除して外周辺形状を形成してもよい。
【0072】
ポート14は、センサ16によって収集されたデータを外部ソースに、1つ以上の既知の方式で通信するように構成される。一実施形態では、ポート14は、普遍的に読取り可能な形式でデータを通信するように構成された汎用通信ポートである。
図3~
図8及び
図14に示された実施形態では、ポート14は、
図3にポート14と関連して示された電子モジュール22に接続するためのインタフェース20を含む。更に、この実施形態では、
ポート14は、中敷131の中央アーチ又はミッドフット領域内の窪み135内にある電子モジュール22を挿入するためのハウジング24と関連付けられる。
図3~
図8に示されたように、センサリード18は、統合インタフェース20をその端子11に形成してポート14に接続つながるように集束する。一実施形態では、統合インタフェースは、複数の電気接点などによる、ポートインタフェース20に対するセンサリード18の個別接続を含んでもよい。別の実施形態では、センサリード18は、プラグ型インタフェース又は別の構成などの外部インタフェースを形成するように統合されてもよく、更に他の実施形態では、センサリード18は、各リード18がそれ自体の別個の端子11を有する非統合インタフェースを構成してもよい。また後で述べるように、モジュール22は、ポートインタフェース20及び/又はセンサリード18に接続するためのインタフェース23を有してもよい。
【0073】
図3~
図8及び
図14に示された実施形態では、インタフェース20は、電気接点又は端子11の形をとる。一実施形態では、端子11は、層66,68の一方からハウジング24に提供された穴27の中まで延在する舌部又は拡張部21上に形成される。拡張部は、リード18の端を単一領域に統合してインタフェース20を形成する。
図3~
図8及び
図14の実施形態では、拡張部21は、第2層68から穴27の中に延在して、ハウジング24内で下方に曲げられて、端子11がハウジング24内に配置され、インタフェース20がハウジング24内でアクセス可能になる。拡張部21は、ハウジング24のフランジ28の下と、リップ28の下のスロットや他のスペース内を通って、ハウジング24内に延在してもよい。
図3~
図8及び
図14の実施形態では、拡張部21は、上述のように窪み135内で及びハウジング24内で下方に曲げられて、端子11がハウジング24内に配置され、インタフェース20がハウジング24内に形成される。
【0074】
図14に示されたように、ハウジング24は、インタフェース20とモジュール22との間で接続を確立するためにコネクターピンやばねなどの接続構造を含でもよい。一実施形態では、ポート14は、インタフェース20を構成する電気コネクタ82を含み、電気コネクタ82は、前述のように端子11に個々に取り付けられる接点を含んでもよい。コネクタ82は、圧着接続によって拡張部21と端子11に接続されてもよい。この実施形態のインタフェース20は、7つの端子を有し、4つの端子11はそれぞれ、センサ16のうちの1つに個々に接続され、1つの端子11は、測定端子(
図20の104b)として働き、1つの端子は、回路10に電圧を印加する電源端子(
図20の104a)として働く。前述のように、電力端子は、代りに、別の実施形態ではグランド端子として構成されてもよく、センサ端子(
図20の104c~f)は、電源端子として構成される。第7の端子は、固有の識別チップ92などの付属品の電力供給に利用されてもよい(
図14Bを参照)。一実施形態では、第6と第7の端子11は、拡張部21の端から延在するテール部21A上に延長される。付属品は、付属品に電力供給するためにテール部21A上の2つの端子11の間に接続されてもよい。付属品は、異方性接点形成によってテール部21Aに取り付けられたメモリチップと共に、小さいプリント回路基板(PCB)を含んでもよい。一実施形態では、付属品チップは、通し番号などの履物物品100を一意に識別する情報、並びに、履物100が、左側又は右側の靴か、男性又は女性の靴か、特定タイプの靴(例えば、ランニング、テニス、バスケットボールなど)、及び他のタイプの情報かどうかなどの本質的な情報を含んでもよい。この情報は、モジュール22によって読み取られ、その後でセンサからのデータの分析、表現及び/又は構成に使用されることがある。付属品は、エポキシや他の材料などによってハウジング24内に密閉されてもよい。
【0075】
ポート14は、種々様々な電子モジュール22に接続するように適応され、電子モジュール22は、メモリ部品と同じくらい単純でもよく(例えば、フラッシュドライブ)、より複雑な特徴を有してもよい。モジュール22が、パーソナルコンピュータ、モバイル装置、サーバなどほど複雑な構成要素であってもよいことを理解されたい。ポート14は、
センサ16からによって収集されたデータを、記憶、伝達及び/又は処理のためのモジュール22に伝送するように構成される。幾つかの実施形態では、センサシステム12のポート14、センサ16、及び/又は他の構成要素が、データを処理するように構成されてもよい。センサシステム12のポート14、センサ16、及び/又は他の構成要素は、追加又は代替として、データを外部装置110又は複数のモジュール22及び/又は外部装置110に伝送するように構成されてもよい。センサシステム12のポート14、センサ16及び/又は他の構成要素が、これらの目的のために、適切なハードウェア、ソフトウェアなどを含んでもよい。履物物品におけるハウジングと電子モジュールの例は、参照により本明細書に組み込まれその一部を構成する米国特許出願公開2007/0260421号として公開された米国特許出願第11/416,458号に示されている。他の実施形態では、ポート14は、モジュール22に接続するためのインタフェース20を構成する電子端子11で示されているが、ポート14は、1つ以上の追加又は代替の通信インタフェースを収容してもよい。例えば、ポート14は、USBポート、Firewireポート、16ピンポート、又は他のタイプの物理接触式接続を収容するか含んでもよく、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、RFID、Bluetooth Low Energy(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は他の無線通信技術用のインタフェース、赤外線又は他の光通信技術用のインタフェースなどの無線又は非接触通信インタフェースを含んでもよい。別の実施形態では、センサシステム12は、
1つ以上のモジュール22又は外部装置110と通信するように・BR>\成された複数のポート14を含んでもよい。あるいは、この構成は、単一分配ポート14と見なされてもよい。例えば、センサ16はそれぞれ、1つ以上の電子モジュール22と通信するための別個のポート14を有してもよい。この実施形態のポート14は、リード18によってセンサ16に接続され、様々な実施形態では、インサート37の層の間、インサート37の開口の中、インサート37の上又は下に配置されてもよい。複数又は分散されたポート14は、2つ以上のセンサの組み合わせが単一ポート14に接続された状態で使用されうることを理解されたい。更に他の実施形態では、センサシステム12は、様々な構成を有する1つ以上のポート14を含んでもよく、ポート14は、本明細書に記載された2つ以上構成の組み合わせを含んでもよい。
【0076】
更に、モジュール22は、後述されまた
図5に示されたように、外部装置110に接続して処理するデータを送信するための1つ又は複数の通信用インタフェースを有してもよい。そのようなインタフェースは、前述の接触式又は非接触式インタフェースのいずれをも含みうる。1つの例では、モジュール22は、コンピュータに接続するためかつ/又はモジュール22のバッテリを充電するために、少なくとも格納式のUSB接続を含む。別の例では、モジュール22は、時計、携帯電話、携帯型音楽プレーヤなどのモバイル装置に接触式又は非接触式に接続するように構成されてもよい。モジュール22は、外部装置110と無線通信するように構成されてもよく、これにより、装置22が履物100に留まることができる。しかしながら、別の実施形態では、モジュール22は、データ転送のために、履物100から取り外されて、前述の格納式USB接続などによって外部装置110に直接接続されるように構成されてもよい。無線実施形態では、モジュール22は、
無線通信のためにアンテナに接続されてもよい。アンテナは、選択された無線通信方法に適切な伝送周波数で使用するように形状、サイズ、位置が決定されてもよい。更に、アンテナは、モジュール22内にあってよくモジュール外にあってもよい。1つの例では、センサシステム12自体(リード18やセンサ16の導電性部分など)が、アンテナを構成するために使用されてもよい。モジュール22は、更に、アンテナ受信を改善するように配置、位置決め及び/又は構成されてもよく、一実施形態では、ユーザの身体の一部分をアンテナとして使用してもよい。一実施形態では、モジュール22は、履物100内に永久的に取り付けられてもよく、あるいは、ユーザの選択時に取り外すことができ、必要に応じて履物100内に留まることが可能であってもよい。更に、後で更に詳しく説明されるように、モジュール22は、取り外され、センサ16から別の手法でデータを収集しかつ/又は利用するようにプログラムされかつ/又は構成された別のモジュール22と交換されてもよい。モジュール22が、履物100内に永久的に取り付けられる場合、センサシステム12は、更に、USBやFirewireポートなどのデータ転送及び/又はバッテリ充電を可能にするために外部ポート(図示せず)を備えてもよい。モジュール22が、接触式と非接触式の両方で通信するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0077】
ポート14が、本発明から逸脱することなく様々な位置に配置されうるが、一実施形態では、ポート14は、例えば、着用者が、アスレチック活動中などに、下降しかつ/又は他の方法で履物物品100を使用するときに、着用者の足との接触及び/又は刺激を回避又は最小にする位置と向きで提供されかつ/又は他の方法でそうなるように構成される。
図3~
図4及び
図14におけるポート14の位置決めは、1つのそのような例を示す。別の実施形態では、ポート14は、靴100のかかと又は甲領域の近くに配置される。履物構造100の他の特徴は、着用者の足とポート14(又は、ポート14に接続された要素)との間の接触を減少させるか回避し、かつ履物構造100の全体的な快適さを改善するのに役立つことがある。例えば、前述され
図3~
図4に示されたように、足接触部材133は、ポート14の上に適合しかつポート14を少なくとも部分的に覆ってもよく、それにより、着用者の足とポート14との間に詰物層が提供される。ポート14と着用者の足との接触を少なくしかつ着用者の足におけるポート14の望ましくない感触を調整するために使用されてもよい。
【0078】
図14は、更に、インサート部材37と共に利用されるように構成されたポート14の一実施形態の詳しい図を示す。前述の類似の構造は、同一又は類似の参照数字で示される。この実施形態及び実施形態の変形は、後で詳述される。本明細書で検討され開示されたように、ポート14は、モジュール22と操作可能に接続するためのインタフェース20を規定又は支援する。モジュール22については、後でより詳しく述べられる。ポート14とモジュール22の間の操作可能な接続によって、センサ組立体12によって検出されたデータを、更なる使用と分析のために、取得し、記憶しかつ/又は処理できる。
【0079】
図14に更に詳しく示されたように、この実施形態におけるハウジング24は、ベース部材140とカバー部材142を含む。ベース部材140は、側壁25と底壁26を規定する前述のようなタブ29に対応してもよい。カバー部材142は、モジュール22を収容するように寸法決めされた中央開口153を有する。カバー部材142の下側には、後述するようにベース部材140上のレシーバ(図示せず)と協力する1対の垂下ポスト(図示せず)を有する。カバー部材142の外側周囲は、リップ又はフランジ28を規定する。例示的な実施形態では、カバー部材142は、ハウジング24の側壁25を協力的に規定する垂下壁を有してもよい。そのような構成では、ベース部材140は、カバー部材142上の垂下壁を収容するように側壁上にリッジを規定してもよい。
【0080】
図14は、更に、インタフェース組立体156の構成要素を示す。インタフェース組立体156は、
図32と関連して概略的に述べたような電気コネクタ82を支持する担体157を有する。電気コネクタ82はそれぞれ、モジュール22上の対応する接点と協力する、担体157によって弾力的に支持された接点を規定する遠位端を有する。
図14に示されたように、インタフェース組立体156は、インサート部材37のリード11を有する拡張部21に動作可能に接続される。
図14Bに更に示されたように、テール部21Aを折り曲げて拡張部21の裏側の隣りに位置決めできることを理解されたい。
図14に更に示されたように、担体157は、ハウジング24のベース部材140の第1の横方向スロット148内に位置決めされる。
図14Bから理解できるように、溶加材159(例えば、埋込用樹脂)が、担体157の後ろの第2の横方向スロット150に注入されてもよい。この構成によって、インタフェース20のコネクタ82が、モジュール22に接続するためにタブ29内で露出される。
【0081】
図15~
図16は、モジュール22の一実施形態の追加の図と特徴を開示する。前に検討されたように、モジュール22は、ポート14に収容されてポート14に操作可能に接続され、センサ組立体12から受け取ったデータ14を収集し、蓄積しかつ/また処理する。モジュール22が、プリント回路基板、電源、光部材、インタフェース、及び多軸加速度計、ジャイロスコープ及び/又は磁力計を含む様々なタイプのセンサを含むがこれらに限定されない、そのような目的のための様々な構成要素を収容することを理解されたい。モジュール22は、一般に、ハウジング170を含み、ハウジング170は、インタフェース23を形成しかつポート14のインタフェース20と協力する接点を構成する電気コネクタを有するインタフェース組立体171を支持する。インタフェース組立体171は、複数のコネクタ172とモジュール担体173を有する。コネクタ172はそれぞれ、モジュール22のインタフェース23を集合的に規定する接点を構成する遠位端を有する。コネクタ172は、コネクタ172のまわりに材料が形成されるように挿入成形されてモジュール担体173を規定することを理解されたい。ハウジング170は、一般に、
複数の部材(例えば、外側上部材と内側上部材)を含むことがあるモジュールベース部材175を有する。ハウジング170は、更に、複数の部材(例えば、外側部材と内側部材)を含むこともあるモジュール上部材177を有する。モジュールベース部材175、モジュール上部材177及びインタフェース組立体171は、協力してコネクタ172のまわりに密封構成を提供する。コネクタ172は、この実施形態では、オーバーモールド構成を有すると考えられうる。これらの構成要素は、また、内部空洞を形成し、ハウジング170は、コネクタ172に操作可能に接続されたプリント回路基板を含む内部構成要素を支持する。
【0082】
モジュール22がポート14内に収容されることを理解されたい。モジュール22の前端は、中央開口153を通って、第1の区分144に挿入される。モジュール22は、一般にサイズが締りばめでタブ29に対応するように寸法決めされる。そのような構成では、モジュール22上のインタフェース23は、ポート14上のインタフェース20と操作可能に係合され、インタフェース20,23のそれぞれの接点は、面接触する。したがって、構造は、モジュール22のインタフェース23が、ポート14のインタフェース20に対して押し付けられるようなものである。モジュール22は、その後面に凹部184を有してもよく、凹部184は、ハウジング24上の突出部を収容して、モジュール22をポート14内にスナップ接続によって保持するのを支援することができる。ユーザは、指凹部29Aの支援でモジュール22にアクセスすることによって、モジュール22をポートから容易に取り出すことができる。したがって、モジュール22は、充電やデータの転送などに必要なとき、又はある用途のあるタイプのモジュール22を別の用途の別のタイプのモジュール22と交換するか、放電したモジュール22を新しく充電したモジュール22と交換するときに、容易にポート14に挿入されポート14から取り外されうる。
【0083】
図5は、本発明の少なくとも幾つかの例にしたがって使用されうる、データ送信/受信システム107によるデータ伝送/受信機能を含む例示的な電子モジュール22の概略図を示す。
図5の例示的構造は、電子モジュール構造22に一体化されたようなデータ送信/受信システム(TX-RX)107を示すが、当業者は、別個の構成要素が、履物構造100又はデータ送信/受信用の他の構造として含まれてもよく、かつ/又はデータ送信/受信システム107が、本発明の全ての例で単一ハウジング又は単一パッケージに全体的に収容されなくてもよいことを理解するであろう。より正確に言うと、必要に応じて、
データ送信/受信システム107の様々な構成要素又は要素が、様々なハウジング内、様々な基板上で互いに別個でもよく、かつ/又は本発明から逸脱することなく種々様々な方式で履物物品100や他の装置と別に係合されてもよい。様々な可能な取付け構造の種々の例は、後でより詳しく説明される。
【0084】
図5の例では、電子部品22は、1つ以上の遠隔システムとの間でデータを送受信するためのデータ送信/受信要素107を含んでもよい。一実施形態では、送信/受信要素107は、前述の接触式又は非接触式インタフェースなどによって、ポート14を介して通信するように構成される。
図5の示された実施形態では、モジュール22は、ポート14及び/又はセンサ16に接続するように構成されたインタフェース23を含む。
図5に示されたモジュール22では、インタフェース23は、ポート14と接続するためにポート14のインタフェース20の端子11と相補的な接点を有する。他の実施形態では、前述のように、ポート14とモジュール22は、接触されていてもよく又は無線であってもよい様々なタイプのインタフェース20,23を含んでもよい。幾つかの実施形態では、モジュール22が、TX-RX要素107を介してポート14及び/又はセンサ16と接続してもよいことを理解されたい。したがって、一実施形態では、モジュール22は、履物100の外部にあってもよく、ポート14は、モジュール22と通信するための無線トランスミッタインタフェースを含んでもよい。この例の電子部品22は、更に、処理システム202(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ)、メモリシステム204、及び電源206(例えば、バッテリや他の電源)を含んでもよい。一実施形態では、電源206は、コイルや他の誘導性部材を含めることなどによって、誘導充電するように構成されてもよい。この構成では、モジュール22は、履物物品100を誘導性パッドや他の誘導性充電器上に置くことによって充電することができ、ポート14からモジュール22を取り外すことなく充電が可能になる。別の実施形態では、電源206は、追加又は代替として、
環境発電技術を使用して充電するように構成されてもよく、またユーザの動きによる動力学的エネルギーの吸収によって電源206を充電する充電器などの環境発電用装置を含んでもよい。
【0085】
図5に示されたように1つ以上のセンサへの接続を行うことができるが、追加センサ(図示せず)を提供して、歩数計タイプ速度及び/又は距離情報、他の速度及び/若しくは距離データセンサ情報、温度、高度、大気圧、湿度、GPSデータ、加速度計出力若しくはデータ、心拍数、脈拍数、血圧、体温、EKGデータ、EEGデータ、角度方向に関するデータ、及び角度方向の変化(ジャイロスコープ式センサなど)などを含む、履物物品100の使用又はユーザと関連した物理的又は生理学的データなど、種々様々なタイプのパラメータに関連するデータ若しくは情報を検知若しくは提供でき、このデータは、メモリ204に記憶されてもよく、かつ/又は、例えば幾つかの遠隔地又はシステムへの送信/受信システム107による送信のために利用可能であってもよい。また、追加センサは、存在する場合、加速度計を含んでもよい(例えば、歩数計型速度及び/又は距離情報などに関する歩行中の方向変化の検出、ジャンプ高さの検出のため)。一実施形態では、モジュール22は、加速度計などの追加センサ208を含んでもよく、センサ16からのデータが、モジュール22や外部装置110などによって、加速度計208からのデータと統合されてもよい。
【0086】
追加の例として、前述の様々なタイプの電子モジュール、システム及び方法は、履物物品に自動的な衝撃減衰制御を提供するために使用されてもよい。そのようなシステム及び方法は、例えば、履物物品の衝撃減衰特性を能動的かつ/又は動的に制御するためのシステム及び方法について述べている米国特許6,430,843号、米国特許出願公開第2003/0009913号及び米国特許出願公開第2004/0177531号に記載されたように動作してもよい(米国特許第6,430,843号、米国特許出願公開第2003/0009913号及び米国特許出願公開第2004/0177531号はそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれその一部分を構成する)。速度及び/又は距離型情報を提供のために使用されるとき、米国特許第5,724,265号、第5,955,667号、第6,018,705号、第6,052,654号、第6,876,947号及び第6,882,955号に記載されたタイプの検出ユニット、アルゴリズム、及び/又はシステムが使用されうる。これらの特許はそれぞれ、引用により全体が本明細書に組み込まれる。センサ及びセンサシステムの追加の実施形態並びにそれらを利用する履物物品及び靴底構造及び部材は、米国特許出願公開第2010/0063778号と第2010/0063779号に記載され、これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれその一部を構成する。
【0087】
電子モジュール22は、また、活動化システム(図示せず)を含んでもよい。活動化システム又はその一部分は、モジュール22又は履物物品100(又は、他の装置)と、電子モジュール22の他の部分と共に又は別個に係合されてもよい。活動化システムは、電子モジュール22及び/又は電子モジュール22の少なくとも幾つかの機能(例えば、データ送信/受信機能など)を選択的に活動化するために使用されうる。様々な活動化システムが、本発明から逸脱せずに使用されうる。任意のそのような実施形態では、センサシステム12は、ある不活動期間後にシステム12を非活動化することができる「スリープ」モードを含んでもよい。代替実施形態では、センサシステム12は、活動化も非活動化もしない低消費電力装置として動作してもよい。
【0088】
モジュール22は、更に、外部装置110と通信するように構成されてもよく、外部装置110は、
図6及び
図10~
図12に示されたような、外部コンピュータ又はコンピュータシステム、モバイル装置、ゲームシステム又は他のタイプの電子装置であってもよい。
図5に示された例示的な外部装置110は、プロセッサ302、メモリ304、電源306、ディスプレイ308、ユーザ入力310、及びデータ送信/受信システム108を含む。送信/受信システム108は、以上及び本明細書の他の場所に記載された接触式及び非接触通信方法を含む任意のタイプの既知の電子通信によって、モジュール22の送信/受信システム107を介してモジュール22と通信するように構成される。モジュール22及び/又はポート14は、種々様々なタイプ及び構成の電子装置を含みまた別の外部装置に情報を渡す働きをしそのようなデータを更に処理する場合もしない場合もある中間装置を含む、複数の外部装置と通信するように構成されてもよい。更に、モジュール22の送信/受信システム107は、複数の様々なタイプの電子通信を行うように構成されてもよい。更に、靴100が、必要に応じて、バッテリ、圧電電源、太陽電池など、センサ16を動作させるための個別の電源を含んでもよいことを理解されたい。
図3~
図8の実施形態では、センサ16は、モジュール22への接続によって電力を受け取る。
【0089】
後述するように、そのようなセンサ組立体は、電子モジュール22及び/又は外部装置110のための固有のソフトウェアと共に使用するようにカスタマイズされうる。サードパーティが、そのようなソフトウェアを、カスタマイズされたセンサ組立体を有する単独インサートと共に、パッケージとして提供してもよい。モジュール22及び/又は全体的なセンサシステム12は、モジュール、外部装置110又は別の構成要素によって記憶されかつ/又は実行されるアルゴリズムを含む、センサ16から得られたデータを分析するための1つ以上のアルゴリズムと協力してもよい。
【0090】
動作において、センサ16は、それらの機能と設計にしたがってデータを収集し、そのデータをポート14に送る。次に、ポート14は、電子モジュール22が、センサ16と接続してそのデータを後の使用及び/又は処理のために収集することを可能にする。一実施形態では、データは、普遍的に読取り可能な形式で収集、保存、送信され、それにより、データは、種々様々な目的で使用するために、種々様々なアプリケーションによって、
複数のユーザによってアクセスされかつ/又はダウンロードされうる。1つの例では、データは、XML形式で収集、保存、送信される。一実施形態では、モジュール22は、測定端子104bにおける電圧降下を測定することによって、
図9に示されたような回路10を利用してセンサ16内の圧力変化を検出し、この圧力変化は、そのとき切り換えられた特定のセンサ16の抵抗の変化を示す。
図13は、センサ16の圧力-抵抗曲線の一例を示し、破線は、インサート37の曲がりなどの要因による曲線の電位シフトを示す。モジュール22は、活動化抵抗R
Aを有してもよく、これは、モジュール22がセンサ上の圧力を登録するのに必要な検出抵抗である。そのような抵抗を作成する対応する圧力は、
活動化圧力P
Aとして知られる。活動化抵抗R
Aは、モジュール22がデータを登録するのに必要とされる固有活動化圧力P
Aに対応するように選択されうる。一実施形態では、
活動化圧力P
Aは、約0.15バール、約0.2バール又は約0.25バールでよく、対応する活動化抵抗R
Aは、約100kΩであってもよい。更に、一実施形態では、最高感度レンジは、150~1500ミリバールでよい。一実施形態では、
図3~
図22Bに示されたように構成されたセンサシステム12は、0.1~7.0バール(又は、約0.1~7.0気圧)の範囲の圧力を検出でき、別の実施形態では、センサシステム12は、この範囲の圧力を高感度で検出できる。
【0091】
様々な実施形態では、センサシステム12は、様々なタイプのデータを収集するように構成されてもよい。一実施形態(前述)では、センサ16は、圧縮の数、順序及び/又は頻度に関するデータを収集できる。例えば、システム12は、履物100を着用している間に受けた歩、ジャンプ、カット、キック又は他の圧縮力の数又は頻度、並びに接触時間や飛行時間などの他のパラメータを記録できる。定量的センサ及びバイナリオン/オフ型センサの両方が、このデータを収集できる。別の例では、システムは、履物によって受けた一連の圧縮力を記録でき、これは、足の回内運動又は回外運動、重量転移、フットストライクパターンの決定、又は他のそのような用途などの目的に使用されうる。別の実施形態(前にも述べた)では、センサ16は、靴100の隣接部分上の圧縮力を定量的に測定することができ、その結果、データは、定量的な圧縮力及び/又は衝撃測定を含みうる。
靴100の様々な部分の力の相対差は、靴100の重み分布と「圧力中心」を決定する際に利用されうる。圧力の重量配分及び/又は中心は、一方又は両方の靴100のために独立して計算することができるか、又は人の全身のための重量配分の圧力中心又は中心を見つけることなどの、両方の靴の上にともに計算することができる。更に他の実施形態では、センサ16は、圧縮力の変化率、接触時間、飛行時間、若しくは衝撃間の時間(ジャンプ又はランニング中など)、及び/又は他の時間依存パラメータを測定可能であってもよい。任意の実施形態では、センサ16が、前述のように力/衝撃を登録する前に特定のしきい値力又は衝撃を必要とすることがあることを理解されたい。
【0092】
前述のように、データは、一実施形態では、汎用ポート14を介してモジュール22に普遍的に読取り可能な形式で提供され、その結果、データを使用できる用途、ユーザ及びプログラムの数は、ほぼ無制限になる。したがって、ポート14とモジュール22は、ユーザによる必要に応じて構成されかつ/又はプログラムされ、ポート14とモジュール22は、センサシステム12から入力データを受け取り、そのデータは、様々な用途に必要とされる任意の方法で使用されうる。モジュール22は、固有識別チップ92の使用などによって、受信データが左の靴と右の靴のどちらに関連するかを認識することができる。
モジュール22は、左/右靴の認識によりデータを異なるように処理してもよく、またデータが左/右靴のどちらからのものかの識別によりデータを外部装置110に送信してもよい。同様に、外部装置110は、左/右靴の識別に基づいてデータを異なるように処理するか他の方法で処理してもよい。1つの例では、
図12に示され前述されたように、端子11とインタフェース20に対するセンサ16の接続が、左インサートと右インサート37とで異なってもよい。左インサート37からのデータは、この構成によれば、右インサート37からのデータと異なるように解釈されてもよい。モジュール22及び/又は電子装置110は、固有識別チップ92に含まれる他の識別情報に関して類似のアクションを実行してもよい。多くの用途では、データは、更に、使用前にモジュール22及び/又は外部装置110によって処理される。外部装置110が更にデータを処理する構成では、モジュール22は、データを外部装置110に送信してもよい。この送信されたデータは、同じ普遍的に読取り可能な形式で送信されてもよく、別の形式で送信されてもよく、
またモジュール22は、データの形式を変更するように構成されてもよい。更に、モジュール22は、1つ以上の特定の用途のためにセンサ16からのデータを収集、利用及び/又は処理するようにするように構成されかつ/又はプログラムされうる。一実施形態では、モジュール22は、複数の用途で使用するためにデータを収集、利用及び/又は処理するように構成される。そのような使用と用途の例を以下に示す。本明細書で使用されるとき、用語「用途」は、一般に、特定の使用法を指し、この用語がコンピュータ技術で使用されるとき、必ずしもコンピュータプログラムアプリケーションでの使用法を指すとは限らない。しかしながら、コンピュータプログラムアプリケーションでは、特定のアプリケーションが、完全に実施されてもよく部分的に実施されてもよい。
【0093】
更に、一実施形態では、モジュール22は、履物100から取り外され、第1のモジュール22と異なるように動作するように構成された第2のモジュール22と交換されてもよい。例えば、交換は、足接触部材133を持ち上げて、ポート14から第1のモジュール22を切り離し、ハウジング24から第1のモジュール22を取り外し、次に、第2のモジュール22をハウジング24に挿入し、第2のモジュール22をポート14に接続し、最後に足接触部材133を適所に戻すことによって達成される。第2のモジュール22は、第1のモジュール22と異なってプログラムされかつ/又は構成されてもよい。一実施形態では、第1モジュール22は、1つ以上の特定の用途で使用するように構成されてもよく、第2モジュール22は、1つ以上の様々な用途で使用するように構成されてもよい。例えば、第1モジュール22は、1つ以上のゲーム用途で使用するように構成され、
第2モジュール22は、1つ以上のアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成されてもよい。更に、モジュール22は、同一タイプの様々な用途で使用するように構成されてもよい。例えば、第1モジュール22は、あるゲーム又はアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成され、第2モジュール22は、別のゲーム又はアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成されてもよい。別の例として、モジュール22は、同一ゲーム又はパフォーマンス監視用途内で異なるように使用するよう構成されてもよい。別の実施形態では、第1モジュール22は、あるタイプのデータを収集するように構成され、第2モジュール22は、別のタイプのデータを収集するように構成されてもよい。本明細書に記載されるそのようなタイプのデータの例は、定量的力及び/又は圧力測定値、相対的力及び/又は圧力測定値(即ち、センサ16相互の)、体重移動/転移、衝撃シーケンス(フットストライクパターンなど)、力/又は圧力変化率などが挙げられる。更に他の実施形態では、第1モジュール22は、センサ16からのデータを、第2モジュール22と異なるように利用又は処理するように構成されてもよい。
例えば、モジュール22は、単にデータを収集、記憶及び/又は通信するように構成されてもよく、モジュール22は、データの編成、データの形式の変更、データを使用した計算の実行など、何らかの方法でデータを更に処理するように構成されてもよい。更に別の実施形態では、モジュール22は、様々な通信インタフェースを有するか、様々な外部装置110と通信するように構成されるなど、異なるように通信するように構成されてもよい。モジュール22は、様々な電源を使用したり追加又は異なるハードウェア構成要素(前述のような追加のセンサ(例えばGPS、加速度計など))を含んだりするなど、構造と機能の両方の態様を含む他の態様で異なるように機能してもよい。
【0094】
システム12によって収集されたデータの意図された1つの用途は、重量転移の測定であり、これは、ゴルフスウィング、野球/ソフトボールスイング、ホッケースイング(アイスホッケー又はフィールドホッケー)、テニススイング、ボールのスローイング/ピッチングなどの多くのアスレチック活動にとって重要である。システム12によって収集された圧力データは、任意の適切な運動場で技術を改善する際に使用するためのバランスと安定性に関する貴重なフィードバックを提供できる。収集されたデータの意図された用途に基づいて、様々な価格と複雑さのセンサシステム12を設計できることを理解されたい。
【0095】
システム12によって収集されたデータは、様々な他のアスレチックパフォーマンス特性の測定に使用されうる。データは、足回内運動/回外運動の程度及び/又は速度、フットストライクパターン、バランス、及び他のそのようなパラメータを測定するために使用することができ、このデータを使用して、ランニング/ジョギング又は他のアスレチック活動における技術を改善できる。回内運動/回外運動に関して、データの分析を回内運動/回外運動の予測値として使用できる。接触測定やロフト時間測定などの歩数計測定を含むことがある速度及び距離監視を行なうことができる。接触又はロフト時間測定を使用することなどによって、ジャンプ高さを測定できる。切断中に靴100の様々な部品に加わる差分力を含む横方向切断力を測定できる。センサ16は、靴100内の横方向のすべりなど、せん断力を測定するように位置決めされうる。一例として、靴100の甲革120の側面に、側面に対する力を検出する追加のセンサが組み込まれてもよい。
【0096】
導き出されたデータ又は測定値は、後で更に詳しく説明されるような速度、体力、迅速さ、一貫性、技術などの改善を含むアスレチック訓練に役立つことがある。ポート14、
モジュール22及び/又は外部装置110は、ユーザに積極的な実時間フィードバックを与えるように構成されうる。1つの例では、ポート14及び/又はモジュール22は、結果を実時間で伝えるために、コンピュータやモバイル装置などと通信してもよい。別の例では、米国特許第6,978,684号に開示された機能のような、制御動作を支援するために靴の一部分を振動させることによってユーザフィードバックを提供できる1つ以上の振動要素が靴100に含まれてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれその一部を構成する。更に、データを使用してアスレチック運動を比較して、例えば、運動をユーザの過去の運動と比較してその一貫性、改善又は不足を示したり、ユーザの運動を別のユーザの同じ運動(プロゴルファーのスウィングなど)と比較できる。
【0097】
システム12は、また、ユーザが一日の間に関与した様々な活動を記録するために「終日活動」を追跡するように構成されてもよい。システム12は、モジュール22、外部装置110及び/又はセンサ16内などに、このための特別のアルゴリズムを含んでもよい。システム12は、また、データ収集及び処理用途ではなく、センサ16によって検出されたユーザによる動きに基づく、例えば外部装置110(例えば、コンピュータ、テレビ、ビデオゲームなど)の制御に使用するために、制御用途に使用されてもよい。
【0098】
本明細書に記載されたようなセンサシステム12を収容する単一の履物物品100は、
単独で使用されてもよく、
図10~
図12に示したような1足の靴100,100’など、それ自体のセンサシステム12’を備えた第2の履物物品100’との組み合わせで使用されてもよい。第2の靴100’のセンサシステム12’は、一般に、センサリード18’によってポート14’に接続されて電子モジュール22’と通信する1つ以上のセンサ16’を収容する。
図10~
図12に示された第2の靴100’の第2のセンサシステム12’は、第1の靴100のセンサシステム12と同じ構成を有する。しかしながら、
別の実施形態では、靴100,100’は、様々な構成を有するセンサシステム12,12’を有してもよい。2つの靴100,100’は両方とも、外部装置110と通信するように構成され、示した実施形態では、靴100,100’はそれぞれ、外部装置110と通信するように構成された電子モジュール22,22’を有する。別の実施形態では、
両方の靴100,100’は、同じ電子モジュール22と通信するように構成されたポート14,14’を有してもよい。この実施形態では、少なくとも1つの靴100,100’が、モジュール22と無線通信するように構成されてもよい。
図10~
図12は、モジュール22,22’間で通信する様々なモードを示す。
【0099】
図10は、モジュール’22,22が互いに通信するように構成され、また外部装置110と独立に通信するように構成された「メッシュ」通信モードを示す。
図11は、1つのモジュール22’が他のモジュール22を介して外部装置110と通信する「ディジーチェーン」通信モードを示す。換言すると、第2モジュール22’は、信号(データを含むことがある)を第1モジュール22に通信するように構成され、第1モジュール22は、両方のモジュール22,22’からの信号を外部装置110に通信するように構成される。同様に、外部装置は、第1モジュール22に信号を送信し、第1モジュール22が第2モジュール22’に信号を通信することによって、第1モジュール22を介して第2モジュール22’と通信する。一実施形態では、モジュール22,22’は、外部装置110との間で信号を送信する以外の目的のために互いに通信することもできる。
図12は、
各モジュール22,22’が外部装置110と独立に通信するように構成され、モジュール22,22’が互いに通信するように構成されていない、「独立」通信モードを示す。
他の実施形態では、センサシステム12,12’は、互いにかつ/又は外部装置110と別の方法で通信するように構成されてもよい。
【0100】
図17~
図19は、履物物品で使用するためのセンサシステム12の別の実施形態を示す。
図17~
図19のシステム12は、履物底部上の主要な圧点に対応する位置で複数のセンサ16が接続された、履物物品に挿入するためのインサート又は担体200を利用し、また電子モジュール22に接続するためのインサート200によって支持されたポート14を有する。この実施形態では、センサ16は、別個の層上に配置された接点40と42を有し圧縮の際に抵抗が変化する前述のようなFSRセンサであってもよい。同様に、
ポート14とモジュール22は、前述のような構成を利用してもよい。インサート200は、ストローベル、内底、ソックライナーなどの履物物品に挿入する靴底部材であってもよく、軟質発泡体、織物、ゴム及び他のそのような材料、又はこれらの組み合わせから作成されてもよい。センサ16をポート14に接続するリード18は、インサート200に縫い込まれる導電性細線によって作成されてもよく、インサート200上又はインサート200内に付着させることができる柔軟性を有するインクによって作成されてもよい。そのような導電性細線の一例は、導電性配合物で被覆されたナイロン糸である。他の実施形態では、ライクラ系又は他の弾性導電性細線などの様々なタイプの導電性細線を使用できる。センサ16は、縫い込み接続用に最適化された接続パッド201を有してもよく、インサート200上に配置し易くするために感圧性接着剤で裏打ちされてもよい。更に、センサ16は、センサ16を内側又は左右に配置できるように対称的であってもよい。センサ16は、インサート200の上面又は下面に位置決めされてもよい。別の実施形態では、センサ16は、インサート200内に位置決めされてもよい。
【0101】
リード18として導電性細線を使用することにより、センサ16とポート14との間の導電経路が、縫い込まれた履物材料と同じ機械的性質を有しうる。これにより、履物の動きがセンサシステム12の材料から切り離され、耐久性が増大し、システム12を様々な屈曲特性を有する種々の履物に組み込むことが可能になる。
図17に示された構成は、また、個別のインサートの必要性を減少させるか又はなくし、材料使用量を減少させ、組み立てを単純にし、また重量を軽減し、靴底の可撓性を高める可能性がある。更に、この構成は、様々なサイズの靴に組み込むように特別に寸法決めされたインサートを必要とせずにセンサ16を種々様々な靴サイズに組み込むことを可能にする。
【0102】
図18A~
図18Bは、
図17に示されたようなインサート200上のセンサ16間の接続を概略的に示す。
図18A~
図18Bの構成要素が、一律の倍率で描かれていないことを理解されたい。図示されたように、単一の電力/アースリード18Bが、全てのセンサ16をポート14の電力/アース端子11Aに接続し、各センサ16はまた、それ自体の別個の端子11に接続される。
図18Aでは、追加端子11が、電力/アース端子11Aに接続され、それらの間に抵抗器102が配置される。
図18Bでは、抵抗器102は、最終端子11とヒールセンサ16の間に配置される。
図19は、
図17~
図18に示されたようなシステム12と関連付けられうる回路204を示し、この回路204は、回路204が単一抵抗器102だけを含むことを除き、
図9の回路10と類似している(但し、別の実施形態では並列抵抗器を含みうる)。
【0103】
図20~
図23は、履物物品で使用するためのセンサシステム12の別の実施形態を示す。
図20~
図23のシステム12は、前述のような高分子ウェブ又はフィルム(例えば、マイラー)の単層シートでもよくセンサ16が接続されたインサート600を利用する。この実施形態におけるセンサ16は、別個の層上に配置された接点40及び42を有し、圧縮の際に抵抗値が変化する前述のようなFSRセンサであってもよい。センサ16は、
図17と
図22に同様に示されたように、別個の層上に印刷された接点40,42を有する2層構成で別々に形成されてもよく、各センサ16は、インサート600に個々に接続されてもよい。センサ16は、
図21に示され前にも記載されたように、インサート600に接続するための接着剤裏材を有してもよい。インサート600は、更に、インサート600上に印刷された導電性トレースによって形成されたリード18を有し、そのような導電性トレースは、インサート600が単層の場合には露出されてもよい。更に、インサート600は、ソックライナーなどの靴底部材601内に一体形成されてもよく、靴底部材601の2つの薄膜層(図示せず)、例えばTPU層の間に積層されてもよい。それにより、センサ16は、靴底部材601内に密閉され、靴底部材601が密閉されているので、汚染のリスクなしに靴底部材601内に通気されうる。システム12は、更に、リード18によってセンサ16に接続されたポート14を有し、ポート14は、また、後述するように電子モジュール602と通信する。
【0104】
図22は、基体層603A,B上に配置された2つの電極40,42を有するセンサ16の一実施形態を示し、各電極40及び42は、1つ以上の配電リード18A,18Eによって接続された複数の区分1~5を有する。本明細書の他の場所に同様に示されたように、電極40,42が、重ねられた関係で位置決めされ、第1の電極40が、下基体層603Aの上面に位置決めされ、第2の電極42が、上基体層603Bの下面に位置決めされていることを理解されたい。
図22で分かるように、第1の電極40は、それぞれ別個の配電リード18Aを有する2つの電気的に別個の部分605,606を有し、一方の部分605が区分2及び4を有し、他方の部分606が、区分1、3及び5を有する。第1の部分605は、入力リード18Cに接続され、第2の部分606は、出力リード18Dに接続され(又は、この逆)、リード18C,Dは両方とも、下基体層603Aと接続される。第2の電極42は、単一配電リード18Eを有する。
図22の概略図は、センサ16内の信号経路を示し、この信号経路は、下基体603Aと接するリード18Cから、第1の電極40の第1の部分605を通り、これと対応する上基体603B上の第2の電極42の区分まで来て、次に第1の電極40の第2の部分606と出力リード18Dを通って戻る。したがって、
図22に示されたように、各センサ16には、並列の3つの個別の抵抗器(即ち、区分1、3、5)と直列に配置された、並列の2つの個別の抵抗器(即ち、区分2,4)がある。これと同じか又は類似のセンサ構成が、前述のような
図17の実施形態で使用されてもよいことを理解されたい。この実施形態におけるセンサ16とポート14が、
図18~
図19に示し述べたものと同じように接続されてもよい。他の実施形態では、他の構成が使用されうる。
【0105】
図20~
図23の実施形態のモジュール602は、靴底部材601に永久的に接続されており、靴底部材601及び/又は1つ以上の他の靴底部材(例えば、中敷)と組み合わされた靴底部材601内に部分的又は完全に囲まれてもよい。
図20~
図22の実施形態では、モジュール602は、靴底のアーチ領域内でオーバーモールドされ、靴底部材601によって部分的又は完全に取り囲まれてもよい。モジュール602は、本明細書における他の実施形態で述べられたように、センサリード18と接続されたポート14を有する。モジュール602が、電子モジュール22に関して本明細書の他の場所で述べた機能部品及び特徴の少なくともいずれか/全てを含んでもよいことを理解されたい。代替実施形態では、
図20~
図23のシステム12は、本明細書で述べ
図14A~
図16に示されたような、取り外し可能な電子モジュール22とモジュール22を収容するためのハウジング24とを有しうる。
【0106】
更に、モジュール602と外部電気通信を提供するために、
図20~
図23の実施形態のモジュール602と通信するコネクタ607が提供される。この実施形態では、靴底部材601は、靴底部材601のヒール領域から延在しかつモジュール602と電気通信するテール部の形のコネクタ607を有してもよい。コネクタ607は、外部電子機器との物理接続を提供するために外部に露出される。コネクタ607は、「スネークバイト」コネクタなどの外部コネクタによって係合されるように構成され、また特定の外部コネクタに接続するように構成された接点や他の構造を有してもよい。それにより、モジュール602は、外部装置と通信して情報(例えば、ソフトウェア更新/リセット)を送受信することができ、また、コネクタ607は、バッテリ充電にも使用されうる。モジュール602が、本明細書の他の場所で述べたように、無線通信用に構成されてもよいことを理解されたい。一実施形態では、コネクタ607は、靴空所内でアクセス可能でよく、別の実施形態では、コネクタ607は、靴底の外壁のうちの1つから露出されるように、靴底の外側からアクセス可能であってもよい。コネクタ607が、靴空所内にある場合は、靴底部材601の下に配置されてもよく、コネクタ607にアクセスするために持ち上げられる別の靴底部材の下に配置されてもよいことを理解されたい。別の実施形態では、モジュール602との通信は、無線のみでもよく、充電は無線であってもよい(例えば、誘導充電、運動学的充電など)。
【0107】
図20~
図23のインサート600内のセンサ16とリード18の構成は、接続するために本明細書で述べる他の構成より少ない表面積しか必要としない。したがって、この実施形態におけるインサート600は、より少ない材料を利用し、またインサート600に付加的な可撓性及び/又は引き裂け軽減を提供できる追加の切欠き部分を有してもよい。
例えば、
図23は、
図20~
図23のシステム12と共に使用できるインサート600を示し、その周縁に本明細書で述べる他の実施形態より深い切欠き608を有する。導電性トレースの構成により、インサート600の他の領域を除去してもよいことを理解されたい。
【0108】
図24~
図25は、履物物品で使用するためのセンサシステム12の別の実施形態を示す。
図24~
図25のシステム12は、履物底部上の主要な圧点に対応する位置で接続された複数のセンサ16を有する担体又はインサート400を利用する。インサート400は、
図20のインサート600と同様に構成されてもよく、即ち、インサート400は、
ストローベル、内底、ソックライナーなどの履物物品に挿入するための靴底部材に接続又は接合されてもよく、靴底部材として機能してもよい。一実施形態では、インサート400は、センサ16が接続された軟質発泡体又は織物層であり、この軟質発泡又は織物層は、ソックライナーや他の靴底部材に積層されてもよい。センサ16をポート14に接続するリード18は、結合されるインサート400又は靴底部材に縫い込まれた導電性細線によって作成されてもよく、
図17に関して同様に前述したように、インサート400上又はインサート400内に付着されうる柔軟インクによって作成されてもよい。そのようなセンサは、
図17に関して前述したように、靴底の動きをセンサ材料から切り離す。この実施形態では、センサ16は、変形されたときに電圧を生成する圧電センサである。
図24~
図25のシステム12は、更に、
図20~
図23のモジュール602に関して前述したように、(例えば、オーバーモールドによって)靴底内に永久的に接続されてもよい電子モジュール401と通信するポート14を含む。前述したように、モジュール401は、外部電子機器に物理接続を提供するコネクタ402を有してもよい。例えば
図14A~
図16に前述され示されたように、取り外し可能なモジュール22などの別のタイプのモジュールが使用されてもよい。
【0109】
図24~
図25の実施形態に使用されているような圧電センサ16は、少なくとも1つの圧電材料を含む、様々な方式で構成されてもよい。センサ16に使用されることがある圧電材料の一例は、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)であるが、他の材料も使用されうる。この実施形態では、各センサ16は、接続された2つのリード18を有し、圧電材料の変形により、2つのリード18の間に電圧が生じる。
図25は、
図24のシステム12と関連して使用されうる圧電センサ16の1つの可能な構成を示す。
図25のセンサ16は、支持と保護のために高分子層405によって取り囲まれたリード18による接触のための導電面を作成するメタライゼーション404を両側に有する圧電材料403を含む。
図25が概略図であることを理解されたい。圧電センサ16は、接着剤、縫い目又は他の技術によってインサート400に接続された個別のセンサであってもよい。別の実施形態では、外側圧電材料403とメタライゼーションは、保護高分子層405として働くことができる2層マイラーインサートの層の間に含まれてもよい。
【0110】
図24~
図25の実施形態における圧電センサ16の使用により、幾つかの利点が生じる。例えば、センサ16は、きわめて薄く柔軟であり、履物構成要素内のほとんど任意の場所に容易に密封されかつ/又は直接積層されうる。更に、圧電効果によってセンサ16が電圧を生成するので、センサ16は、電力を必要としない。この効果は、例えばモジュール401を充電するためのエネルギー獲得に使用されてもよい。更に、圧電効果は、逆に働いてもよく、即ち、センサ16は、電圧が印加されたときに変形してもよい。この効果を使用して、タッチの検出によってユーザによって検出可能な触感/触感フィードバック(例えば、わずかな振動)を生成できる。センサは、また、対称的にあり、任意の向きで使用されうる。また、センサ16の接続パッドは、インクの上塗り又はリードの細線に最適化されてもよい。
【0111】
図26~
図28は、履物物品で使用するためのセンサシステム12の別の実施形態を示す。
図26~
図28のシステム12は、前述し
図17~
図25に示されたインサート200,600,400のいずれに類似してもよい担体又はインサート500を利用する。この実施形態では、システム12は、履物物品の靴底の屈曲を検出するためのセンサとして機能する複数の圧電フィルムストリップ501を利用する。複数のフィルムストリップ501は、人間の足の骨格形状を模倣するように構成され、ストリップ501は、様々な長さを有するように構成される。ストリップ501は、システム12の電子構成要素502に直接接続されてもよく、電子構成要素502は、前述の実施形態のいずれかによるポート14と電子モジュールを含みうる(例えば、
図14A~
図16のような取り外し可能なモジュール22、
図20~
図23のようなオーバーモールドされたモジュール600)。
別の実施形態では、圧電ストリップ501を電子部品502に接続するために導電性リードが使用されてもよい。
図26は、圧電ストリップ501を利用するセンサシステム12の一実施形態を示し、
図27は、構造を単純で安価にするためにより少数の圧電ストリップ501を利用する別の実施形態を示す。ストリップ501は、一実施形態では、
図25に示されたようなセンサ16と類似の構造を有してもよい。
【0112】
図28は、
図26のセンサシステム12の機能を示す。2つの異なる靴底屈曲線F1,F2が、
図28に示され、ストリップ501の構成は、2つの屈曲線F1,F2を区別できる。第1の屈曲線F1は、最長ストリップ501のうちの2つだけを変形させ、他のストリップ501のどれも変形させない。それにより、電子構成要素502は、どのストリップ501が変形されどのストリップ501が変形されないかの基準となる屈曲線F1の位置を決定できる。第2の屈曲領域F2は、より多数のストリップ501を変形し、この屈曲線F2の位置を同じように決定できる。次に、2つの屈曲線F1,F2の間の距離によって靴底の屈曲度を決定できる。靴底の小さい屈曲は、小さい屈曲領域を作成し、屈曲軸(例えば、屈曲線F1,F2)が近づき、フォアフット領域に近づくことがある。靴底の大きな屈曲は、大きい屈曲領域を作成し、屈曲軸は離れ、ミッドフット領域内にあることがある。したがって、システム12は、図示されたように構成されたストリップ501を使用することによって屈曲位置と屈曲度を決定できる。圧電ストリップ501は、また、薄型サイズや柔軟性、並びにエネルギー収集及び/又は触感フィードバックの使用などの前述のような利点を作成できる。
【0113】
本開示を読むことによって当業者によって理解されるように、本明細書に記載された様々な態様は、方法、データ処理システム又はコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。したがって、これらの態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形を取ってもよい。更に、そのような態様は、コンピュータ可読プログラムコード又は命令が記憶媒体内又は記憶媒体上に実装された1つ以上の有形コンピュータ可読記憶媒体又は記憶装置によって記憶されたコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶装置、及び/又はこれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な有形コンピュータ可読記憶媒体が利用されうる。更に、本明細書に記載されたようなデータ又はイベントを表す様々な無形信号が、送信元と送信先との間で、金属線、光ファイバ、無線伝達媒体(例えば、空気及び/又は空間)などの信号伝送媒体内を進む電磁波の形で伝送されてもよい。
【0114】
前述のように、本発明の態様は、コンピュータ及び/又はそのプロセッサによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行命令の一般的な分脈で説明されうる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。そのようなプログラムモジュールは、前述のように、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に含まれてもよい。本発明の態様は、また、通信ネットワークによってリンクされたリモート処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実行されてもよい。プログラムモジュールは、モジュール22のメモリ204や外部装置110のメモリ304などのメモリ内にあってもよく、メモリ記憶装置を含むローカルとリモート両方のコンピュータ記憶媒体を含むことがあるゲーム媒体などの外部媒体内にあってもよい。モジュール22、外部装置110、及び/又は外部媒体が、特定の用途などで一緒に使用する相補的プログラムモジュールを含んでもよいことを理解されたい。また、単純にするために、モジュール22と外部装置110内には単一プロセッサ202,302と単一メモリ204,304が示され述べられており、またプロセッサ202,302とメモリ204,304がそれぞれ、複数のプロセッサ及び/又はメモリを含んでもよく、プロセッサ及び/又はメモリのシステムを含んでもよいことを理解されたい。
【0115】
本明細書で幾つかの代替実施形態と例について述べた。当業者は、個々の実施形態の特徴及び構成要素の可能な組み合わせと変形を理解するであろう。当業者は、更に、どの実施形態も、本明細書に開示された他の実施形態との任意の組み合わせで提供されうることを理解するであろう。本発明はその趣旨又は中心的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施されうることを理解されよう。したがって、上記の実施例と実施形態は、全ての点において例示的であり限定的でないと考えられるべきであり、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されない。用語「第1」、「第2」、「上」、「下」などは、本明細書で使用されるとき、説明のためのものであり、実施形態を如何なる形でも限定しない。更に、用語「複数」は、本明細書で使用されるとき、分離的又は結合的に、必要に応じて、
1を超える無限数までの任意の数を示す。更に、物品又は装置を「提供する」ことは、本明細書で使用されるとき、物品に対して行なわれる将来の操作に物品を利用可能又はアクセス可能にすることを広義に指し、物品を提供する側が、物品を製造、作成、又は提供したこと、又は物品を提供する側が、物品の所有権又は管理権を有することを意味しない。
したがって、特定の実施形態を例示し説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく多くの改良が想起され、権利保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0116】
12 センサシステム
13 センサ組立体
14 ポート
16 センサ
18 センサリード
22 電子モジュール
37 インサート部材
100 履物
130 靴底構造
131 中敷部材
133 足接触部材