(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20250310BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20250310BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250310BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250310BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20250310BHJP
【FI】
B41J29/38 203
B41J29/42 F
G03G21/00 386
H04N1/00 E
H04N1/00 350
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2023166777
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2019214508の分割
【原出願日】2019-11-27
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】大森 誠也
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-158529(JP,A)
【文献】特開2013-025775(JP,A)
【文献】特開2012-254618(JP,A)
【文献】特開2016-117158(JP,A)
【文献】特開2019-093581(JP,A)
【文献】特開2016-115319(JP,A)
【文献】特開2007-293418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
複数のボタンを含む画面を表示する表示手段と、
前記画像処理装置のユーザ認証の設定を有効または無効にする設定する設定手段と、
前記画像処理装置の状態に基づいて、当該状態に対応するボタンを前記画面において他のボタンより優先的に表示する優先表示を自動で行うように制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記設定手段でユーザ認証の設定が有効に設定されている場合、前記画像処理装置の第一の状態に基づいて前記第一の状態に対応する第一の処理を実行するためのボタンを他のボタンより優先的に表示する優先表示を行い、前記画像処理装置が前記第一の状態でなければ前記優先表示を行わず、
前記設定手段でユーザ認証の設定が無効に設定されている場合、前記画像処理装置の前記第一の状態に基づいて前記優先表示を行わないことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置が処理対象とするデータを記憶する記憶手段をさらに有し、
前記設定手段でユーザ認証の設定が有効であり、前記記憶手段で記憶された、前記画像処理装置が処理対象とするデータがユーザに紐付いている状態である場合、前記制御手段は当該状態に関連する処理を実行するボタンを他のボタンより優先的に表示し、前記設定手段でユーザ認証の設定が無効であり、前記記憶手段で記憶された、前記画像処理装置が処理対象とするデータがユーザに紐付いていない状態である場合、当該状態に関連する処理を実行するボタンが他のボタンより優先的に表示されないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、ログインしたユーザに紐付くデータを前記記憶手段が記憶している状態である場合、当該データに対する処理を実行するボタンの並び順を変更することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、
ユーザが前記画像処理装置を使用中であるか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記判定手段で使用中でないと判定された場合は、前記設定手段でユーザ認証の設定が無効に設定されている場合であっても、前記画像処理装置の第一の状態に応じて前記第一の処理を実行するためのボタンが他のボタンより優先的に表示されるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置の状態とは、前記画像処理装置の原稿置き場に原稿が載置された状態を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記処理対象とするデータは外部装置から送信されたデータであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記処理対象とするデータは印刷データであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は前記
画面における前記複数のボタンの中から選択されたボタンを他のボタンより前記画面において上位に並べ替えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第一の状態は、前記画像処理装置が未処理のプリントジョブを保持している状態であって、前記第一の処理はプリント処理であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、前記設定を前記画像処理装置の操作部を介してユーザから受け付け、前記設定が有効であれば前記画像処理装置を利用するためにログイン操作が必要となり、前記設定が無効であれば前記画像処理装置を利用するためにログイン操作が不要であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定が有効であればログインしたユーザに対応する前記画面が表示され、前記設定が無効であればユーザに対応する前記画面は表示されないことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記画像処理装置の原稿置き場に原稿が載置された状態であることに応じて、スキャン機能を実行するボタンを他のボタンより優先的に表示するように制御し、前記設定手段でユーザ認証の設定が有効に設定されている場合であっても前記設定手段でユーザ認証の設定が無効に設定されている場合であっても、前記画像処理装置の原稿置き場に原稿が載置された状態であることに応じて、スキャン機能を実行するボタンを他のボタンより優先的に表示するように制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記複数のボタンはプリント機能を実行するプリントボタンとスキャン機能を実行するスキャンボタンとを少なくとも含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像処理装置の制御方法であって、
複数のボタンを含む画面を表示する表示ステップと、
前記画像処理装置のユーザ認証の設定を有効または無効にする設定する設定ステップと、
前記画像処理装置の状態に基づいて、当該状態に対応するボタンを前記画面において他のボタンより優先的に表示する
優先表示を自動で行うように制御する制御ステップと、
を有し、
前記制御ステップは、前記設定ステップでユーザ認証の設定が有効に設定されている場合、前記画像処理装置の第一の状態に基づいて前記第一の状態に対応する第一の処理を実行するためのボタンを他のボタンより優先的に表示する優先表示を行い、前記画像処理装置が前記第一の状態でなければ前記優先表示を行わず、
前記設定ステップでユーザ認証の設定が無効に設定されている場合、前記画像処理装置の前記第一の状態に基づいて前記優先表示を行わないように制御することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
請求項1から請求項13に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを備える画像処理装置、画像処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機等の画像処理装置には多くのアプリケーション(以下、アプリ)が搭載されている。ここで言うアプリとは、スキャン、プリントなど画像処理装置の機能を利用するものである。これらのアプリはメニュー画面に表示されるアプリボタンをユーザが押下することで実行される。しかし、メニュー画面に多数のアプリボタンが表示されるとユーザは自分の所望するボタンを見つけづらくなる。そこで、画像処理装置の状態に応じて、メニュー画面に表示されるアプリボタンを並び替える技術が開示されている(特許文献1)。例えば画像処理装置は、画像処理装置のスキャナに特定の用紙サイズの原稿が置かれていた場合には、その原稿に対する処理に関連するアプリボタンをメニュー画面の上位に並び替える。また、画像処理装置とネットワークを介して接続された外部装置からプリントジョブが送信され、それを画像処理装置が受信した場合には、プリントジョブに関連するアプリボタンをメニュー画面の上位に表示を並び替える。これにより、メニュー画面において、ユーザは所望するアプリボタンを見つけやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、画像処理装置の状態に応じて、メニュー画面に表示されるアプリボタンを並び替えることについて言及しているが、画像処理装置のユーザ認証設定がOFFの環境(非認証環境)下における動作に関して考慮されていない。具体的には、ユーザAが画像処理装置を操作する際に、ユーザBが外部装置からプリントジョブを送信済のケースである。認証環境下においては、ユーザAが画像処理装置を操作する際には、ユーザAが送信したプリントジョブに対してのみプリントジョブに関するアプリボタンの並べ替えが行われるため、ユーザBがプリントジョブを送信してもボタンの並べ替えは行われない。しかし、非認証環境下においては、ユーザを識別することができないため、画像処理装置を操作中のユーザと外部からプリントジョブを送信したユーザは全て同一ユーザであると判断されることが有る。そのため従来技術に従うとユーザAが画像処理装置を操作する際であってもユーザBからプリントジョブが送信済であるとプリントジョブに関するアプリボタンの並び替えが行われてしまう。そうすると、ユーザAにとっては意図しないアプリボタンの並び替えが行われてしまう。
【0005】
本発明は、非認証環境下において、画像処理装置の状態に応じて、メニュー画面に表示されるボタンを並び替える場合に、ユーザの意図しないボタンの並び替えを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像処理装置であって、複数のボタンを含む画面を表示する表示手段と、前記画像処理装置のユーザ認証の設定を有効または無効にする設定する設定手段と、前記画像処理装置の状態に基づいて、当該状態に対応するボタンを前記画面において他のボタンより優先的に表示する優先表示を自動で行うように制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記設定手段でユーザ認証の設定が有効に設定されている場合、前記画像処理装置の第一の状態に基づいて前記第一の状態に対応する第一の処理を実行するためのボタンを他のボタンより優先的に表示する優先表示を行い、前記画像処理装置が前記第一の状態でなければ前記優先表示を行わず、前記設定手段でユーザ認証の設定が無効に設定されている場合、前記画像処理装置の前記第一の状態に基づいて前記優先表示を行わないことを特徴とする画像処理装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非認証環境下つまりジョブがユーザに紐付かない場合は、メニュー画面に表示されるボタンの並び替えを行うことを制限するため、ユーザの意図しないボタンの並び替えを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態における画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態における画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における各アプリボタンに紐付く属性情報を示すアプリボタン属性テーブルの例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における画像処理装置の操作部に表示されるアプリ選択画面の画面例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における認証環境における画像処理装置の状態に応じてアプリボタンを並び替えるフローを示す画面フロー図である。
【
図6】本発明の実施形態における非認証環境における画像処理装置の状態に応じてアプリボタンを並び替えるフローを示す画面フロー図である。
【
図7】本発明の実施形態における画像処理装置の状態に応じてアプリボタンを並び替えるまでの処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態におけるフラグの状態と操作部に表示する画面の対応を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態における画像処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU1001を含む制御部1000は、画像処理装置100全体の動作を制御する。CPU1001は、ROM1002、HDD1004等に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。
【0011】
ROM1002はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。RAM1003は、CPU1001の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0012】
HDD1004は、画像データや各種プログラム、或いは後述する各種情報テーブルを記憶する。
【0013】
操作部I/F1005は、操作部1010と制御部1000とを接続するためのインタフェースである。
【0014】
操作部1010には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。また、操作部1010は、画像処理装置100を操作するためのハードキーを含む。
【0015】
プリンタI/F1006は、プリンタ1011と制御部1000とを接続するためのインタフェースである。プリンタ1011で印刷すべき画像データは、プリンタI/F1006を介して制御部1000から転送され、プリンタ1011において記録媒体上(用紙上)に印刷される。
【0016】
スキャナI/F1007は、スキャナ1012と制御部1000とを接続するためのインタフェースである。スキャナ1012は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F1007を介して制御部1000に入力する。
【0017】
人感センサI/F1008は、人感センサ1013と制御部1000とを接続するためのインタフェースである。人感センサ1013は、画像処理装置100の前に人がいるか否かを判断し、その情報を人感センサI/F1008を介して制御部1000に入力する。
【0018】
ネットワークI/F1009は、制御部1000をLAN(Local Area Network)101に接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F1009は、LAN101を介してネットワークに接続されている外部装置に情報を送信したり、外部装置から情報を受信したりする。外部装置とは、例えばPC、モバイル端末を指す。また、式を用いても構わない。
【0019】
画像処理装置100が有する機能を用いたアプリケーションのうち、代表的なものは以下の通りである。
・スキャナ1012により原稿上の画像を読み取って生成された画像データをプリンタ1011にて印刷する「コピー」アプリケーション
・ネットワーク上の外部装置から送信されたプリントジョブをネットワークI/F1009を介して受信し、当該プリントジョブに基づいて画像データをプリンタ1011にて印刷する「プリント」アプリケーション ここでプリントジョブとは印刷データと印刷設定を含む。
・スキャナ1012により原稿上の画像を読み取って生成された画像データをネットワークI/F1009を介して外部へ送信する「スキャンして送信」アプリケーション
・スキャナ1012により原稿上の画像を読み取って生成された画像データをHDD1004に保存する「スキャンして保存」アプリケーション
・HDD1004に保存された画像データをプリンタ1011にて印刷又はネットワークI/F1009を介して外部へ送信する「保存ファイルの利用」アプリケーション
【0020】
図2は、本実施形態における画像処理装置100のソフトウェア構成を示すブロック図である。ROM1002やHDD1004等に記憶されたプログラムを、CPU1001がRAM1003に読み出し実行することで後述の処理が実現される。
【0021】
原稿検知部201は、画像処理装置100のスキャナ1012(原稿置き場)に原稿が載置されているか否かの状態を示す情報を保持する。スキャナ1012に原稿が載置されている状態とは、例えば、画像処理装置100のADF(auto document feeder)に原稿が載置されている状態、画像処理装置100の圧板に原稿が載置されている状態、を指す。なお、スキャナ1012に原稿が載置されている状態はこの限りではない。
【0022】
ログイン機能部202は、画像処理装置100の認証機能(画像処理装置100を操作するユーザ、画像処理装置100に対してジョブを送信したユーザを特定、正当性を確かめる機能)に関わる処理を行う。例えば、ログイン機能部202は認証したユーザ毎の画像処理装置100の操作部1010に表示する表示言語の管理や、認証ユーザ毎にユーザに紐付いたプリントジョブの管理を行う。また、ログイン機能部202は、画像処理装置100のユーザ認証の機能がON(有効)に設定されているかOFF(無効)に設定されているかの状態を保持する。ユーザ認証機能のONまたはOFFの設定は、画像処理装置100の操作部1010を介して設定される。認証機能がONであるかOFFであるかの情報は、HDD1004に記憶され、ログイン機能部202はこの情報を参照する。認証機能がONである場合、画像処理装置100を操作するためにはログイン操作が必要になる。ユーザがログインを行うとログインした各々のユーザに対応するメニュー画面が表示される。またログインしたユーザに紐付いたプリントジョブの実行も可能になる。画像処理装置100の認証機能がOFFである場合、画像処理装置を操作するためのログインは不要である。しかし各々のユーザに対応したメニュー画面は表示されない。
【0023】
画像処理装置100は、外部から送信されたプリントジョブを受信したタイミングで実行せず、いったん保持することができる。ユーザは操作部1010等を介して画像処理装置100に対して所定の操作を行うことで、保持されたプリントジョブを実行することができる。これは留め置き印刷と呼ばれ、送信した印刷ジョブがすぐに実行され他人に印刷物を見られることを防ぐことができる。ここで「保持されたプリントジョブ」は以降出てくる「未処理のプリントジョブ」に相当する。
【0024】
ログイン情報管理テーブル203は、認証ユーザのID、パスワードの他、ユーザ毎に管理すべき情報を保持する。ユーザ毎に管理すべき情報とは、例えば、ユーザに対応する表示言語情報や、ユーザに紐付いたプリントジョブの情報である。なお、ユーザ毎に管理すべき情報はこの限りではない。
【0025】
プリントジョブ検知部204は、LAN101を介して画像処理装置100に外部装置から送信されたプリントジョブが存在するか否かの状態を保持する。画像処理装置100の認証機能がONの時(認証環境下)においては、プリントジョブ検知部204は、ログイン機能部202と連携し、認証したユーザに紐付く印刷ジョブが存在するかの状態を検出する。
【0026】
人感センサ部205は、画像処理装置100の人感センサ1013により、画像処理装置100の前に人がいるか否かの状態を保持する。
【0027】
タイマー部206は、画像処理装置100が操作部1010から最後に操作を受け付けてからどれだけ時間が経ったかを計測する。予め決められた時刻が経過すると画像処理装置100の操作部1010は、どの画面を表示していたとしても、オートクリア機能によって
図4で示すアプリケーション(アプリ)選択画面(メニュー画面)400に遷移する。
【0028】
メニュー機能部207は、
図4のアプリ選択画面400で示されるようなメニュー画面の表示を行う。この時、メニュー機能部207には、ボタン並び替えルール部208からメニュー画面に表示されるボタンの並び替えに関する情報が通知される。並び替えが必要であった場合は、ボタン並び替えルール部208からアプリボタンボタンの表示順がメニュー機能部207に通知され、メニュー機能部207はその表示順に従ってアプリボタンを画面に表示する。ここでアプリボタンとは、画像処理装置100の機能を利用したコピーやスキャンといった機能を利用する処理が紐付いており、押下されると紐付いた処理を行うボタンである。また、メニュー機能部207は、アプリ選択画面400等のメニュー画面を表示中であっても、必要に応じてボタン並び替えルール部208からボタンの並び替えに関する情報が通知され、通知に応じてボタンの並び順を変更する。
【0029】
ボタン並び替えルール部208は、原稿検知部201、ログイン機能部202、プリントジョブ検知部204、人感センサ部205、タイマー部206から取得できる画像処理装置100の状態に応じて、メニュー機能部207にボタン並び替えの要否を通知する。さらに、アプリボタン属性管理テーブル209を参照し、ボタンの表示順に関する情報をメニュー機能部207に通知する。例えば、原稿検知部201が原稿を検知した場合には、アプリボタン属性管理テーブル209を参照し、スキャン属性であるアプリボタンをより上位に表示するようにメニュー機能部207に通知する。また、プリントジョブ検知部204が未プリントのプリントジョブを検知した場合には、アプリボタン属性管理テーブル209を参照し、プリント属性であるアプリボタンをより上位に表示するようにメニュー機能部207に通知する。
【0030】
アプリボタン属性管理テーブル209は、アプリ選択画面400に表示されるアプリボタンの属性を管理する。例えば、コピーアプリのボタンはスキャナ1012を利用するためスキャナ属性に分類される。各アプリボタンとその属性の管理に関しては
図3で詳細を説明する。また、アプリボタン属性管理テーブル209は、複数の属性間における優先度情報を持つ(不図示)。例えば、プリント属性よりもスキャン属性の表示順を上位とする。そうすることでプリント属性とスキャン属性のアプリボタン両方のボタンの表示順を上げる際に、スキャン属性のボタンをより上位に表示する。
【0031】
本実施形態では、画像処理装置100の装置の状態(例えば「スキャナに紙が載置されている」「未処理のプリントジョブを保持している」)に応じて、その状態に応じた処理を行うアプリボタンの表示順を上げるようにする。例えば画像処理装置100の「スキャナに紙が載置されている」場合は、スキャン機能を利用する「コピー」「スキャンして送信」といったアプリボタンの表示順を上げる。画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」場合は「プリント」ボタンの表示順を上げるようにする。このように画像処理装置100の装置の状態に応じて、ユーザが行う可能性のあるアプリボタンの表示順を上げるようにする。本実施形態ではアプリボタンの表示順を変更する画像処理装置の状態は、「スキャナに紙が載置されている」「未処理のプリントジョブを保持している」2つの場合を例にしているがこれに限るものではない。
【0032】
図3の300は、本実施形態における各アプリボタンに紐付く属性情報を示すアプリボタン属性テーブル209の例を示す。つまりアプリボタンとその属性情報を対応付けたテーブルである。
【0033】
なお、アプリボタン属性テーブルは、画像処理装置100のHDD1004に記憶しても良いし、ネットワークI/F1009を介して接続された外部記憶装置に記憶するようにしても良い。
【0034】
アプリボタン名称301列は、アプリ選択画面400に表示される各アプリボタンの名称を示す。
【0035】
アプリボタン属性302は、アプリボタンに紐付くアプリボタンの属性を示す。アプリボタンの処理を実行する際に利用する画像処理装置100の機能を基に属性を分ける。詳細は後述する。例えばコピーアプリボタンは、画像処理装置100のスキャン機能を利用するため、スキャン属性となる。プリントアプリボタンはプリント機能を利用するため、プリント属性となる。
【0036】
303から308は、アプリボタンの一例である。303に示されるコピーアプリのアプリボタン属性はスキャン属性である。304に示されるスキャンして送信アプリのアプリボタン属性はスキャン属性である。305に示されるブラウザアプリのアプリボタン属性は該当無しである。306に示されるプリントアプリのアプリボタン属性はプリント属性である。307に示されるスキャンして保存アプリのアプリボタン属性はスキャン属性である。308に示される保存ファイルの利用アプリのアプリボタン属性は該当無しである。なお、アプリボタン属性テーブル300に記される情報はこの限りではない。また、アプリボタン属性302は、スキャン属性とプリント属性の二つの属性には限らない。このように各アプリボタンを属性に分けておくことで、「スキャナに紙が載置されている」「未処理のプリントジョブを保持している」といった画像処理装置の状態に応じて、その状態に関連したアプリボタンをメニュー画面の上位に並べ替えるために利用できる。
【0037】
図3の310は、本実施形態における画像処理装置100の状態と、その状態の時に建てられるフラグ(詳細は後述する)の対応を示すフラグ対応テーブルである。
【0038】
なお、フラグ対応テーブル310は、画像処理装置100のHDD1004に記憶しても良いし、ネットワークI/F1009を介して接続された外部記憶装置に記憶するようにしても良い。311列は画像処理装置の状態を示し、312列は対応するフラグを示す。つまり313行で示すように画像処理装置100が「スキャナに紙が載置されている」状態と「スキャン属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えるフラグ」が対応し、「プリントジョブを保持している」状態と「プリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えるフラグ」が対応する。
【0039】
ここで本実施形態におけるボタンの並べ替え処理の原理の概略を示す。例えば、画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」状態のときは、フラグ対応テーブル310を参照しプリント属性のボタン表示順を上げるフラグをたてるようにする。次にプリント属性のボタン表示順を上げるフラグに応じて「プリント」属性のアプリボタンをアプリボタン属性テーブル209から抽出する。抽出できたアプリボタンである「プリントアプリボタン」をメニュー画面の上位に並び変える。もし、プリント属性とスキャン属性のボタン表示順を上げるフラグ両方がたてられた場合は、アプリボタン属性管理テーブル209に保持された優先度情報に応じて、どちらの属性のボタンをより上位に並べ替えるかを決定する。このように画像処理装置100はユーザが所望する可能性のあるボタンを上位に並び変えることでユーザは所望のボタンを見つけやすくなる。
【0040】
図4(A)(B)(C)(D)は、本実施形態における画像処理装置100の操作部1010に表示されるメニュー画面の画面例(メニュー画面の1ページ目と2ページ目)を示す図である。画像処理装置100の状態に応じてボタンの並び替えが行われた後のメニュー画面の例、ボタンの並べ替えが行われる前のメニュー画面の例を示す。
【0041】
初めに、
図4(A)の説明を行う。
図4(A)は、ボタンの並び替えを実行していないデフォルト状態のメニュー画面である。この時画像処理装置100は「スキャナに紙が載置されている」「未処理のプリントジョブを保持している」状態でないため、ボタンの並び替えが発生していない。この画面のボタンの並びはこれに限らない。ユーザが予め並び順を設定できても良い。
【0042】
アプリ選択画面400は、画像処理装置100の操作部1010に表示される画面である。アプリ選択画面400から、画像処理装置100の機能を利用するための様々なアプリケーションに遷移することができる。アプリ選択画面400に表示されるアプリボタンは401、402、403、404、405、406の順で1から順にナンバリングされている。ボタンアプリ選択画面400は2ページで構成されており1ページ目の左からナンバリングが1のボタン401から順に、ボタン402、403、404が順々に並び、1ページに表示しきれないボタン405、406が2ページ目に左から順に並ぶ。ユーザはフリック等の操作で1ページ目から2ページ目へページ遷移をさせることができる。
【0043】
コピーアプリボタン401は、コピーアプリに遷移するためのボタンである。ユーザはコピーアプリの設定画面で各種設定を行った後、コピー実行指示を行うことでコピーを実行できる。
【0044】
スキャンして送信アプリボタン402は、スキャンして送信アプリに遷移するためのボタンである。
【0045】
ブラウザアプリボタン403は、ブラウザアプリに遷移するためのボタンである。
【0046】
プリントアプリボタン404は、プリントアプリに遷移するためのボタンである。
【0047】
スキャンして保存アプリボタン405は、スキャンして保存アプリに遷移するためのボタンである。
【0048】
保存ファイルの利用アプリボタン406は、保存ファイルの利用アプリに遷移するためのボタンである。
【0049】
次に、
図4(B)の説明を行う。
図4(B)は、画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」状態であり、アプリボタン属性テーブル300を参照し、プリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えた画面である。
図4(A)同様に画面は2ページで構成されている。
【0050】
プリント優先アプリ選択画面410は、画像処理装置100の操作部1010に表示される画面である。プリント優先アプリ選択画面410は、プリントジョブ検知部204が未プリントジョブを検知した場合に表示される。プリント優先アプリ選択画面410では、アプリボタン属性テーブル300の中でプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替える。具体的には、プリントアプリボタン404の表示順が上位に並び替えられている。つまりプリントアプリボタン404のナンバリングが1に変更され、それに伴い他のボタンのナンバリングも変更される。ナンバリング変更の結果、ボタン404、401、402、403、405、406の順で1からナンバリングされるようになる。このナンバリングに従ってプリント優先アプリ選択画面410の1ページ目の左からボタン404、401、402、403が順に並ぶようになる。
【0051】
次に、
図4(C)の説明を行う。
図4(C)は、画像処理装置100が「スキャナに紙が載置されている」状態であり、アプリボタン属性テーブル300を参照し、スキャン属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えた画面である。
図4(A)同様に画面は2ページで構成されている。
【0052】
スキャン優先アプリ選択画面420は、画像処理装置100の操作部1010に表示される画面である。スキャン優先アプリ選択画面420は、原稿検知部201がスキャナ1012に原稿が設置されたことを検知した場合に表示される。スキャン優先アプリ選択画面420では、アプリボタン属性テーブル300の中でスキャン属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替える。具体的には、コピーアプリボタン401、スキャンして送信アプリボタン402、スキャンして保存アプリボタン405の表示順が上位に並び替えられている。それに伴ってプリントアプリボタン404が2ページ目に移動している。また
図4(B)と同様にボタンのナンバリング変更に従ってボタン並べ替えが行われるとする。
【0053】
次に、
図4(D)の説明を行う。
図4(D)は、画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」「スキャナに紙が載置されている」状態であり、アプリボタン属性テーブル300を参照し、スキャン属性とプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えた画面である。
図4(A)同様に画面は2ページで構成されている。
【0054】
スキャンプリント優先アプリ選択画面430は、画像処理装置100の操作部1010に表示される画面である。スキャンプリント優先アプリ選択画面430は、原稿検知部201がスキャナ1012に原稿が設置されたことを検知し、かつ、プリントジョブ検知部204が未プリントジョブを検知した場合に表示される。スキャンプリント優先アプリ選択画面430では、アプリボタン属性テーブル300の中でスキャン属性のアプリボタンとプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並び替えている。具体的には、コピーアプリボタン401、スキャンして送信アプリボタン402、プリントアプリボタン404、スキャンして保存アプリボタン405の表示順が上位に並び替えられている。さらに、スキャンプリント優先アプリ選択画面430では、プリント属性よりもスキャン属性のアプリボタンを上位に表示しており、プリントアプリボタン404よりもスキャンして保存アプリボタン405の表示順が上位に並び替えられている。これは、複数の属性間における表示順の優先度がアプリボタン属性管理テーブル209に保持されており、プリント属性よりもスキャン属性のボタンの表示順をより上位にするように示されているからである。なお、プリント属性とスキャン属性などの複数の属性間における表示順の優先度はこの限りではない。また
図4(B)と同様にボタンのナンバリング変更に従ってボタン並べ替えが行われるとする。
【0055】
図5は、本実施形態の認証環境下における画像処理装置100の状態に応じてアプリボタンを並び替えるフローを示す画面フロー図である。画面フロー図で示される画面は、画像処理装置100の操作部1010に表示される。
【0056】
ログイン画面510は、画像処理装置100にログインするための認証画面である。ログイン画面510において入力された認証情報がログイン情報管理テーブル203に基づき正しいと判定されるとログイン機能部202によってログイン処理が行われる。ログイン後は、画像処理装置100の状態に応じて表示される画面が異なる。具体的には、ログイン時に、原稿検知部201が原稿を検知しておらず、プリントジョブ検知部204によりログインしたユーザ(以降ログインユーザ)に紐付いた未プリントのプリントジョブが存在しない場合は、画面520に遷移する。ログイン時に、原稿検知部201が原稿を検知し、プリントジョブ検知部204によりログインユーザに紐付いた未プリントのプリントジョブが存在しない場合は、画面530に遷移する。ログイン時に、原稿検知部201が原稿を検知しておらず、プリントジョブ検知部204によりログインユーザに紐付いた未プリントのプリントジョブが存在する場合は、画面540に遷移する。ログイン時に、原稿検知部201が原稿を検知し、プリントジョブ検知部204によりログインユーザに紐付いた未プリントのプリントジョブが存在する場合は、画面550に遷移する。
【0057】
画面520は、アプリ選択画面400の画面である。ただし、認証環境下であるため、ログアウトするためのログアウトボタン521を具備している。ログアウトした場合は、認証画面510に遷移する。また、画面520の状態で、ユーザがスキャナに紙を置くことで原稿検知部201が原稿を検知した場合は、画面530に遷移する。
【0058】
画面530は、スキャン優先アプリ選択画面420の画面である。ログアウトボタンを具備している点は画面520と同様である。ログアウトした場合は、ログイン画面510に遷移する。また、画面530の状態で、スキャンが実行される等の理由で原稿検知部201が原稿を検知しなくなった場合は、画面520に遷移する。
【0059】
画面540は、プリント優先アプリ選択画面410の画面である。ログインしたユーザに紐付くプリントジョブを画像処理装置100が保持している場合に表示される。ログアウトボタンを具備している点は画面520と同様である。ログアウトした場合は、ログイン画面510に遷移する。また、画面540の状態で、原稿検知部201が原稿を検知した場合は、画面550に遷移する。また、画面540の状態で、プリントジョブを実行しプリントジョブ検知部204がログインユーザに紐付いた未プリントのプリントジョブを検知しなくなった場合は、画面520に遷移する。
【0060】
画面550は、スキャンプリント優先アプリ選択画面430の画面である。ログアウトボタンを具備している点は画面520と同様である。ログアウトした場合は、認証画面510に遷移する。また、画面550の状態で、原稿検知部201が原稿を検知しなくなった場合は、画面540に遷移する。また、画面550の状態で、プリントジョブ検知部204により認証ユーザに紐付いた未プリントである印刷ジョブが存在しなくなった場合は、画面530に遷移する。
【0061】
以上のフローにより、「プリントジョブを送信する」、「スキャナに原稿を置く」とったユーザが行った操作を基に、ユーザが所望する可能性のあるアプリボタンの表示順を上げることで、ユーザは所望のボタンを探す手間が無くなる。このように認証設定がONの場合は、画像処理装置100が保持するプリントジョブと、当該プリントジョブを送信したユーザが紐付けられるため、プリントジョブを実行するボタンの並び順を変更することでユーザビリティが向上する。
【0062】
図6(A)(B)(C)は、本実施形態における非認証環境下における画像処理装置の状態に応じてアプリボタンを並び替えるフローを示す画面フロー図である。画面フロー図で示される画面は、画像処理装置100の操作部1010に表示される。認証環境下では、ユーザがログインした時に、ログインユーザに紐付く未処理のプリントジョブがある場合、プリントアプリボタンの並び順が上位となるようにした。しかし非認証環境下では、画像処理装置100を操作しているユーザを特定することができないため、未処理のプリントジョブが有るからといって、同様にプリントアプリボタンの並び順を上位にすると不都合が生じる。これは、画像処理装置100を操作しているユーザと、プリントジョブを送信したユーザが必ずしも同じではないためである。また非認証環境下では、ユーザAが画像処理装置100を操作中に、ユーザBが画像処理装置100に対してプリントジョブを送信するケースを考える。この時、
図5のフロー同様に未処理のプリントジョブがあるためプリントアプリボタンの並び順が上位となるように移動させると、画像処理装置100を操作中のユーザAは意図しないボタン並べ替えが起こったことに困惑してしまう。そこで
図6のフロー図では、画像処理装置100が非認証環境下、つまり認証設定がOFFの場合、ボタンの並べ替えに制限を設ける例を示す。非認証環境下では、画像処理装置100はジョブを送信したユーザと当該ジョブを紐付けることができない。
【0063】
初めに、
図6(A)の説明を行う。
図6(A)は、非認証環境下では画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」状態であってもプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並べ替えない例である。この時「スキャナに紙が載置されている」状態であればボタンの並べ替えを行う。
【0064】
ボタン並べ替えの事象が発生していない状態でユーザがメニュー画面を開くと画面610が表示される。画面610は、アプリ選択画面400の画面である。画面610の状態で、原稿検知部201が原稿を検知した場合は、画面620に遷移する。また、画面610の状態で、プリントジョブ検知部204により未プリントのプリントジョブを検知しても画面遷移は行わない。
【0065】
画面620は、スキャン優先アプリ選択画面420の画面である。画面620の状態で、原稿検知部201が原稿を検知しなくなった場合は、画面610に遷移する。また、画面620の状態で、プリントジョブ検知部204により未プリントのプリントジョブを検知しても画面遷移は行わない。
【0066】
図6(A)の例では、ユーザに紐付くジョブ(ここではプリントジョブ)に対するボタンの並べ替えを行わないようにしている。このため、画像処理装置100の認証設定がOFFされているため画像処理装置100を操作中のユーザが特定できない場合に、当該ユーザに対して意図しないボタンの並び替えは行われない。
【0067】
次に、
図6(B)の説明を行う。
図6(B)は、非認証環境下において画像処理装置100の前に人がおり、装置が使用中の場合は、「未処理のプリントジョブを保持している」状態であってもプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並べ替えない例である。この例では、画像処理装置100を操作中のユーザがいると判断すると、他のユーザによってLAN101を介して画像処理装置100に外部装置から印刷ジョブが送信されることによるボタンの並び替えは発生しない。そのため、画像処理装置100を操作中のユーザに対して意図しないボタンの並び替えを防ぐことができる。ただし、画像処理装置100を操作中のユーザがいないと判断すると、プリント属性のアプリボタンの並び替えを行うようにする。
【0068】
ボタン並べ替えの事象が発生していない状態でユーザがメニュー画面を開くと画面630が表示される。画面630は、アプリ選択画面400の画面である。画面630の状態で、原稿検知部201が原稿を検知した場合は、画面640に遷移する。また、画面630の状態で、画像処理装置100が使用されていない状態の場合に、プリントジョブ検知部204により未プリントのプリント刷ジョブが検知できた場合は、画面650に遷移する。画像処理装置100が使用されていない状態であるか否かを判断するために、ボタン並び替えルール部208は、人感センサ部205から画像処理装置100の前に人がいるか否かの状態を取得する。人感センサ部205から人を検知した状態を示す情報を取得した場合には、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100が使用中であると判断する。逆に、人感センサ部205から人を検知していない状態を示す情報取得した場合には、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100が使用中ではないと判断する。また、画像処理装置100が使用中であるか否かを判断する別の形態として、タイマー部206を利用したオートクリア機能の作動状況からも判断可能である。オートクリア機能は画像処理装置100の操作部がユーザから一定時間操作を受け付けられない場合に作動する。オートクリア機能が作動するまでは、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100が使用中であると判断する。逆に、オートクリア機能が作動した場合には、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100が使用中ではないと判断する。
【0069】
画面640は、スキャン優先アプリ選択画面420の画面である。画面640の状態で、原稿検知部201が原稿を検知しなくなった場合は、画面630に遷移する。また、画面640の状態で、画像処理装置100が使用されていない状態であり、プリントジョブ検知部204により未プリントのプリントジョブが検知された場合は、画面660に遷移する。画像処理装置100が使用状態であればプリントジョブが検知できてもボタンの並べ替えは起こらない。
【0070】
画面650は、プリント優先アプリ選択画面410である。画面650の状態で、原稿検知部201が原稿を検知した場合は、画面660に遷移する。また、画面650の状態で、プリントジョブ検知部204により未プリントの印刷ジョブが検知できなくなった場合は、画面630に遷移する。
【0071】
画面660は、スキャンプリント優先アプリ選択画面430である。画面660の状態で、原稿検知部201が原稿を検知しなくなった場合は、画面650に遷移する。また、画面660の状態で、プリントジョブ検知部204により未プリントのプリントジョブが検知できなくなった場合は、画面640に遷移する。
【0072】
図6(B)の例では、ユーザが画像処理装置100を操作している最中はユーザの意図しないボタン並べ替えを行わないようにし、画像処理装置100を操作している人がいないときは、
図5のフローようにボタンの並べ替えを行うことができる。
【0073】
次に、
図6(C)の説明を行う。
図6(C)は、非認証環境下においては一切のアプリボタンの並べ替えを行わない例である。この例では、画像処理装置100が非認証環境下であるならば、スキャン属性アプリボタンもプリント属性アプリボタンもどちらも並び替えを行わない。そのため、画像処理装置100を操作中のユーザが意図しない並び替えを防ぐことができる。
【0074】
ユーザがメニュー画面を開くと画面670が表示される。画面670は、アプリ選択画面400の画面である。画面670の状態で、原稿検知部201が原稿を検知しても画面遷移は行わない。また、画面670の状態で、プリントジョブ検知部204により未プリントの印刷ジョブを検知しても画面遷移は行わない。
【0075】
図6で示したように認証設定がOFFの場合は、画像処理装置100が保持するプリントジョブと、当該プリントジョブを送信したユーザが紐付けられないため、プリントジョブを実行するボタンの並び順は変更しない方が良い。
【0076】
図7(A)(B)(C)は、本実施形態における画像処理装置の状態に応じてアプリボタンを並び替えるまでの処理を示すフローチャートである。
図7(A)(B)(C)の各ステップは、画像処理装置100のCPU1001がROM1002やHDD1004等に記憶されたプログラムをRAM1003に読み出し実行することで実現される。
【0077】
初めに、
図7(A)の説明を行う。
図7(A)は、画像処理装置100が非認証環境下であればプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並べ替えない例であり、
図6(A)のフローに相当する。
【0078】
S701において、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100のスキャナ1012に原稿が載置されたかを判断する。判断するために、ボタン並び替えルール部208は、原稿検知部201から原稿が載置されているか否かの状態を取得する。原稿が設置されている場合はS702に進む。原稿が設置されていない場合はS703に進む。
【0079】
S702において、ボタン並び替えルール部208は、スキャン属性のアプリボタンの表示順を上位にするためのフラグをONにする。このフラグは、RAM1003に記憶され、ボタン並び替えルール部208によってONとOFFが操作される。
【0080】
S703において、ボタン並び替えルール部208は、スキャン属性アプリの表示順を上位にするためのフラグをOFFにする。
【0081】
S704において、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100の認証機能(ログイン機能)がONになっているかを判断する。判断するために、ボタン並び替えルール部208は、ログイン機能部202から認証機能の状態を取得する。認証機能がONである場合、処理はS705に進む。認証機能がOFFである場合、処理はS707に進む。
【0082】
S705において、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100に送信されたプリントジョブがあるか否かを判断する。判断するために、ボタン並び替えルール部208は、プリントジョブ検知部204から処理対象のプリントジョブが検知できたか否かの状態を取得する。未プリントのプリントジョブが存在する場合はS706に進む。未プリントのプリントジョブが存在しない場合はS707に進む。
【0083】
S706において、ボタン並び替えルール部208は、プリント属性のアプリボタンの表示順を上位にするためのフラグをONにする。このフラグは、RAM1003に記憶され、ボタン並び替えルール部208によってONとOFFが操作される。
【0084】
S707において、ボタン並び替えルール部208は、プリント属性のアプリボタンの表示順を上位にするためのフラグをOFFにする。
【0085】
S708において、メニュー機能部207は、画像処理装置100の操作部1010にアプリ選択画面(メニュー画面)の表示を行う。この時、メニュー機能部207は、S702、S703で操作されたスキャン属性のアプリボタンの表示順を上位にするためのフラグと、S706、S707で操作されたプリント属性のアプリボタンの表示順を上位にするためのフラグを参照して表示する画面を切り替える。表示する画面の決定に関しては、
図8を用いて説明する。
【0086】
図8は、本実施形態における画像処理装置の状態と、その状態に応じて操作部に表示する画面を整理した図である。画像処理装置100は自身の状態に応じてプリント属性かスキャン属性のアプリボタン表示順を上げるフラグをたてる。たてたフラグに応じてプリント属性かスキャン属性のボタンの並び替えを行い、並べ替えの結果がメニュー画面に表示される。つまり
図8ではたてたフラグと、ボタン並びかえの結果表示されるメニュー画面の対応を示している。なお、本実施形態を適用するための画像処理装置の状態と、その状態に応じて操作部に表示する画面はこの限りではない。
【0087】
800は、画像処理装置100の状態と、その状態に応じて操作部1010に表示する画面を整理した一覧表である。
【0088】
表示画面801列は、画像処理装置100の状態に応じて操作部に表示する画面を示す。
【0089】
802列は、プリント属性アプリボタンの表示順を上位にするためのフラグの状態を示す。画像処理装置100が「未処理のプリントジョブを保持している」状態であればフラグはON、「未処理のプリントジョブを保持していない」状態であればフラグはOFFされる。
図7のフローチャートで記載したように画像処理装置100の状態に応じてフラグはON/OFFされる。
【0090】
803列は、スキャン属性アプリボタンの表示順を上位にするためのフラグの状態を示す。フラグのON/OFFは画像処理装置100のスキャナ1012に原稿が載置されているか否かで決定される。
【0091】
804行は、操作部1010にアプリ選択画面400を表示する際の各フラグのON/OFFの対応を示す。つまりプリント属性アプリボタンの表示順を上位にするためのフラグがOFFで、スキャン属性アプリボタンの表示順を上位にするためのフラグがOFFの場合は操作部1010にアプリ選択画面400が表示される。
【0092】
805行は、操作部1010にプリント優先アプリ選択画面410を表示する際の各フラグのON/OFFの対応を示す。806は、操作部1010にスキャン優先アプリ選択画面420を表示する際の各フラグのON/OFFの対応を示す。807は、操作部1010にスキャンプリント優先アプリ選択画面430を表示する際の各フラグのON/OFFの対応を示す。
【0093】
【0094】
次に、
図7(B)の説明を行う。
図7(B)は、非認証環境下において画像処理装置100の前に人がおり、装置が使用中の場合はプリント属性のアプリボタンの表示順を上位に並べ替えない例であり、
図6(B)のフローに相当する。
【0095】
S711において、ボタン並び替えルール部208は、S701と同等の処理を行う。原稿が載置されている場合はS712に進む。原稿が載置されていない場合はS713に進む。
【0096】
S712において、ボタン並び替えルール部208は、S702と同等の処理を行う。
【0097】
S713において、ボタン並び替えルール部208は、S703と同等の処理を行う。
【0098】
S714において、ボタン並び替えルール部208は、S704と同等の処理を行う。認証機能がONである場合、処理はS716に進む。認証機能がOFFである場合、処理はS715に進む。
【0099】
S715において、ボタン並び替えルール部208は、画像処理装置100が使用中であるか否かを判断する。判断するために、ボタン並び替えルール部208は、画面630で説明した通り、人感センサ部205やタイマー部206を利用して画像処理装置100が使用中であるか否かを判断するための処理を行う。画像処理装置100が使用中であると判断した場合には、処理はS718に進む。画像処理装置100が使用中ではないと判断した場合にはS716に進む。
【0100】
S716において、ボタン並び替えルール部208は、S705と同等の処理を行う。未プリントの印刷ジョブが存在する場合はS717に進む。未プリントの印刷ジョブが存在しない場合はS718に進む。
【0101】
S717において、ボタン並び替えルール部208は、S706と同等の処理を行う。
【0102】
S718において、ボタン並び替えルール部208は、S707と同等の処理を行う。
【0103】
S719において、メニュー機能部207は、S708と同等の処理を行う。
【0104】
次に、
図7(C)の説明を行う。
図7(C)は、非認証環境下において一切のアプリボタンの並べ替えを行わない例であり、
図6(C)のフローに相当する。
【0105】
S721において、ボタン並び替えルール部208は、S704と同等の処理を行う。認証機能がONである場合、処理はS722に進む。認証機能がOFFである場合、処理はS728に進む。
【0106】
S722において、ボタン並び替えルール部208は、S701と同等の処理を行う。原稿が設置されている場合はS723に進む。原稿が設置されていない場合はS724に進む。
【0107】
S723において、ボタン並び替えルール部208は、S702と同等の処理を行う。
【0108】
S724において、ボタン並び替えルール部208は、S703と同等の処理を行う。
【0109】
S725において、ボタン並び替えルール部208は、S705と同等の処理を行う。未プリントのプリントジョブが存在する場合はS726に進む。未プリントのプリントジョブが存在しない場合はS727に進む。
【0110】
S726において、ボタン並び替えルール部208は、S706と同等の処理を行う。
【0111】
S727において、ボタン並び替えルール部208は、S707と同等の処理を行う。
【0112】
S728において、ボタン並び替えルール部208は、スキャン属性アプリの表示順を上位にするためのフラグとプリント属性アプリの表示順を上位にするためのフラグをOFFにする。
【0113】
S729において、メニュー機能部207は、S708と同等の処理を行う。
【0114】
図7のフローチャートは、ユーザがログインしたタイミング、メニュー画面を開いたタイミング、スキャナに原稿が載置されるなどしてボタンの並べ替えが発生したタイミング等に処理が開始されるものとする。
【0115】
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態ではコピー機能、スキャナ機能等の複数の機能を有する画像処理装置100を例として説明したが、このうち一部の機能のみを有する単機能の画像処理装置にも本実施形態は適用可能である。また、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話、FAX、カメラ、ビデオカメラ、その他の画像ビューワ等、他の情報処理装置に適用しても構わない。
【0116】
また、本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は本実施形態を構成することになる。
【0117】
また、上述の実施形態では、外部装置から送信されるジョブとしてプリントジョブに関して言及しているが、この限りではない。例えば、ファクス受信に関しても本実施形態は適用可能である。その場合、ファクス受信を検知する手段を設けるとともに、アプリボタン属性302にファクス属性を追加する。ファクスを受信した場合はファクス属性のアプリボタンの表示順を上位としたメニュー画面を表示するようにする。