(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】ガイド機構、及び、紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/13 20190101AFI20250310BHJP
【FI】
G07D11/13
(21)【出願番号】P 2023568884
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2021047612
(87)【国際公開番号】W WO2023119492
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 宏
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-310250(JP,A)
【文献】特開2002-241029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 - 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層される紙葉類の位置を規制するガイドを備えるガイド機構であって、
前記ガイド機構とは異なる他機構から得られる動力によって前記ガイドを3つ以上の位置に移動させる動力伝達機構と、
前記動力伝達機構を、前記他機構の動力を前記ガイドに伝達する伝達状態と伝達しない非伝達状態とに切り替える切り替え駆動部とを更に備え、
前記動力伝達機構は、回転方向の一部のみに歯を有する間欠ギアを有し、
前記切り替え駆動部は、切り替え駆動源と、当該切り替え駆動源の駆動軸が挿入され、当該駆動軸と一体に回転する作動部材と、一端が前記作動部材に引っ掛けられ、他端が前記間欠ギアに引っ掛けられることで、前記作動部材に対して前記間欠ギアを前記回転方向の一方に回転させるように付勢するねじりバネとを有し、
前記切り替え駆動源は、前記歯が前記他機構に噛み合うように、前記作動部材を前記回転方向の他方に回転させ前記間欠ギアを前記回転方向の前記他方に回転させることによって前記動力伝達機構を前記伝達状態に切り替え、前記歯が前記他機構に噛み合わないように、前記作動部材を前記回転方向の前記一方に回転させ前記ねじりバネの付勢力で前記間欠ギアを前記回転方向の前記一方に回転させることによって前記動力伝達機構を前記非伝達状態に切り替える
ことを特徴とするガイド機構。
【請求項2】
前記ガイドは、昇降可能なステージ上で積層される前記紙葉類の位置を規制し、
前記ガイドの前記3つ以上の位置は、前記ステージの上方で前記紙葉類の位置を規制する2つ以上の規制位置と、前記ステージの昇降に干渉しない退避位置とを含む
ことを特徴とする請求項
1記載のガイド機構。
【請求項3】
ガイド機構を備える紙葉類取扱装置であって、
前記ガイド機構は、
積層される紙葉類の位置を規制するガイドと、
前記ガイド機構とは異なる他機構から得られる動力によって前記ガイドを3つ以上の位置に移動させる動力伝達機構と、
前記動力伝達機構を、前記他機構の動力を前記ガイドに伝達する伝達状態と伝達しない非伝達状態とに切り替える切り替え駆動部と
を備え、
前記動力伝達機構は、回転方向の一部のみに歯を有する間欠ギアを有し、
前記切り替え駆動部は、切り替え駆動源と、当該切り替え駆動源の駆動軸が挿入され、当該駆動軸と一体に回転する作動部材と、一端が前記作動部材に引っ掛けられ、他端が前記間欠ギアに引っ掛けられることで、前記作動部材に対して前記間欠ギアを前記回転方向の一方に回転させるように付勢するねじりバネとを有し、
前記切り替え駆動源は、前記歯が前記他機構に噛み合うように、前記作動部材を前記回転方向の他方に回転させ前記間欠ギアを前記回転方向の前記他方に回転させることによって前記動力伝達機構を前記伝達状態に切り替え、前記歯が前記他機構に噛み合わないように、前記作動部材を前記回転方向の前記一方に回転させ前記ねじりバネの付勢力で前記間欠ギアを前記回転方向の前記一方に回転させることによって前記動力伝達機構を前記非伝達状態に切り替える
ことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド機構、及び、紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入金機、ATM(Automated Teller Machine)等の紙幣収納部において積層される紙葉類の位置を規制するガイドを備えるガイド機構が用いられている。
【0003】
例えば、紙幣の長手方向における紙幣収納空間の長さを規制し、紙幣の長手方向に可動する可動ガイド部材を備える紙幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、シート搬送方向に交差するシート幅方向に移動可能に設けられ、シートの両端を整合する1対の整合部材を備えるシート処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-067986号公報
【文献】特開2006-306535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、紙葉類の短手方向と平行な搬送方向に紙葉類を搬送し、搬送方向の奥において、紙葉類の位置を規制するガイドは、紙葉類の短手方向の収納スペースを紙葉類よりも例えば3mm~5mm程度広く形成することが望ましい。
【0007】
そのため、複数サイズの紙葉類が積層される場合、紙葉類の複数サイズに合わせた最適な収納スペースを形成するためには、紙葉類のサイズに合わせてガイドを移動させることになる。
【0008】
しかしながら、例えばロータリソレノイドを用いてガイドの位置を2段階に移動させる場合には、退避位置と1つの規制位置とにしかガイドを移動させることができない。また、ガイドの位置を自在に移動可能なモータなどを配置すると、高コストとなる。
【0009】
本発明の目的は、紙葉類のサイズに合わせた収納スペースを簡素な構成で形成することができるガイド機構及び紙葉類取扱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示のガイド機構は、積層される紙葉類の位置を規制するガイドを備えるガイド機構であって、前記ガイド機構とは異なる他機構から得られる動力によって前記ガイドを3つ以上の位置に移動させる動力伝達機構と、前記動力伝達機構を、前記他機構の動力を前記ガイドに伝達する伝達状態と伝達しない非伝達状態とに切り替える切り替え駆動部とを更に備える。
【0011】
開示の紙葉類取扱装置は、ガイド機構を備える紙葉類取扱装置であって、前記ガイド機構は、積層される紙葉類の位置を規制するガイドと、前記ガイド機構とは異なる他機構から得られる動力によって前記ガイドを3つ以上の位置に移動させる動力伝達機構と、前記動力伝達機構を、前記他機構の動力を前記ガイドに伝達する伝達状態と伝達しない非伝達状態とに切り替える切り替え駆動部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
開示のガイド機構及び紙葉類取扱装置によれば、紙葉類のサイズに合わせた収納スペースを簡素な構成で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施の形態における紙幣処理機の内部構造を示す左側面図である。
【
図2】一実施の形態における紙幣入出金部の内部構造を示す左側面図である。
【
図3】一実施の形態におけるガイド機構を左上から見た斜視図である。
【
図4】一実施の形態における動力伝達機構及び切り替え駆動部を右上から見た斜視図である。
【
図5A】一実施の形態における動力伝達機構(間欠ギアを省略)及び切り替え駆動部(ロータリソレノイドを省略)を左上から見た斜視図である。
【
図5B】一実施の形態における動力伝達機構等(間欠ギア及びロータリソレノイドを省略)を右上から見た斜視図である。
【
図6】一実施の形態における動力伝達機構の動作を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態に係るガイド機構及び紙葉類取扱装置について、ガイド機構1及び紙幣処理機100を一例として、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、紙幣処理機100の内部構造を示す左側面図である。
【0016】
なお、
図1及び後述する
図2~
図6に示す上下、前後、左右の方向は、紙幣処理機100の顧客側を前方向とした場合の一例にすぎないが、例えば、上下方向は鉛直方向であり、前後方向及び左右方向は水平方向である。
【0017】
図1に示す紙幣処理機100は、例えばATM、BRU(Bill Recycle Unit)、CD(Cash Dispenser)、TCR(Teller Cash Recycler)などであり、紙幣入出金部10と、鑑別部20と、1次保留部30と、リジェクト部40と、中間搬送部50と、複数の収納カセット60とを備える。なお、紙幣処理機100は、紙葉類取扱装置の一例であるが、この紙葉類取扱装置は、紙葉類に搬送や何らかの処理を行うものであればよいため、例えば、紙幣入出金部10のみと捉えることも可能である。
【0018】
紙幣入出金部10は、
図2に示すように、後述するガイド機構1(
図2ではガイド2のみ図示)と、ステージ11と、プッシャ12と、プッシャプレート13と、ルーフ14と、シャトル15と、押し込み壁16と、受け入れ部17と、繰り出し部18と、駆動ギア19(
図3~
図6参照)とを備える。
【0019】
ステージ11は、昇降可能に配置され、
図2に示すように出金される紙幣B、或いは、入金される紙幣Bが積層される。なお、紙幣Bは、紙葉類の一例である。
【0020】
プッシャ12は、ステージ11の上方に配置されている。プッシャ12は、昇降可能に配置され、ステージ11上の紙幣Bを上から押圧可能である。
【0021】
プッシャプレート13は、プッシャ12の上方に配置されている。プッシャプレート13は、昇降可能に配置され、ステージ11上から繰り出し部18によって繰り出された紙幣Bのうち返却対象の紙幣Bを受け入れ部17から受け入れる。
【0022】
ルーフ14は、プッシャプレート13の上方に配置されている。ルーフ14は、昇降可能に配置されている。
【0023】
シャトル15は、例えば、紙幣Bを挟み込むことが可能な上下一対に配置された搬送ベルトを有し、紙幣Bの入出金時の前方の位置(
図2の実線参照)と、紙幣Bをステージ11との間で受け渡す後方の位置(
図2の点線参照)とに前後方向に移動する。シャトル15の後端には、シャトル15内から後方への紙幣Bの抜け落ちを防止するストッパ15aが設けられている。このストッパ15aは、シャトル15の上下一対の搬送ベルトの後端の間のスペースを開放する位置(
図2の実線参照)と閉じる位置(
図2の点線参照)とに回転する。
【0024】
押し込み壁16は、前後方向に移動可能に配置され、出金時にステージ11上の紙幣Bをシャトル15に向けて前方に押し込む(
図2の実線の位置から点線の位置へ移動する)。
【0025】
受け入れ部17は、例えば、羽根車やローラを有する。受け入れ部17は、出金される紙幣Bをステージ11上に向けて受け入れたり、返却対象の紙幣Bをプッシャプレート13上に向けて受け入れたりする。
【0026】
繰り出し部18は、例えば、ローラやセパレータローラなどを有する。繰り出し部18は、
図2に示す位置よりも下降したステージ11上から、入金された紙幣Bを鑑別部20に向けて繰り出す(
図2の点線矢印参照)。
【0027】
図3に示す駆動ギア19は、例えば、紙幣入出金部10内において紙幣Bを搬送する図示しない搬送機構の駆動源の動力によって回転する。この搬送機構は、ガイド機構1とは異なる他機構の一例であり、駆動対象を3つ以上の位置に移動させることができるモータ等を有することが望ましい。なお、上記の他機構としては、動力伝達機構3に動力を与えることが可能な機構であればよく、搬送機構に制限されない。
【0028】
図1に戻り、鑑別部20は、紙幣入出金部10の下方に配置され、紙幣入出金部10(繰り出し部18)から搬送される紙幣Bの真贋、汚れ、角折れ等を判定する。
【0029】
1次保留部30は、紙幣入出金部10から鑑別部20へ搬送され、鑑別部20において正常と判定された紙幣Bを一時的に収納する。
【0030】
リジェクト部40は、鑑別部20において異常と判定された紙幣Bのうち返却されない紙幣Bを収納する。
【0031】
中間搬送部50は、鑑別部20と複数の収納カセット60との間で紙幣Bを前後方向に搬送する。
【0032】
複数の収納カセット60は、例えば互いに異なる金種の紙幣Bを収納する。収納カセット60は、収納された紙幣Bを排出可能である。そのため、収納カセット60に収納された紙幣Bは、出金に利用される。
【0033】
【0034】
図4は、動力伝達機構3及び切り替え駆動部4を右上から見た斜視図である。
【0035】
図5A及び
図5Bは、動力伝達機構3(間欠ギア3aを省略)及び切り替え駆動部4(ロータリソレノイド4aを省略)をそれぞれ左上及び右上から見た斜視図である。
【0036】
図3に示すように、ガイド機構1は、ガイド2と、動力伝達機構3と、切り替え駆動部4と、ラック5と、ガイド検知センサ6と、ギア検知センサ7とを備える。
【0037】
ガイド2は、複数の当接部材2aと、連結部材2bと、複数の進入防止部材2cとを有し、積層される紙幣Bの位置を規制する。ガイド2は、3つ以上の位置に移動可能であり、この3つ以上の位置は、例えば、
図2に示すように、ステージ11の上方で紙幣Bの位置を規制する2つ以上の規制位置P1,P2と、ステージ11の昇降に干渉しない退避位置P0とを含むとよい。なお、規制位置P1,P2は、紙幣Bの短手方向である搬送方向(
図2における左右方向)の位置が異なり、ガイド2は、紙幣Bの短手方向(搬送方向)の収納スペース(積層スペース)を紙幣Bよりも例えば3mm~5mm程度広く形成するように、紙幣Bのサイズに応じて移動可能であるとよい。
【0038】
図3に戻り、複数の当接部材2aは、紙幣Bの長手方向(左右方向)に互いに間隔を隔てて配置されている。例えば、当接部材2aには、
図2に示す受け入れ部17によってステージ11上に受け入れられる紙幣Bが突き当てられる。
【0039】
連結部材2bは、紙幣Bの搬送方向に直交する長手方向(左右方向)に延び、複数の当接部材2aを連結する。連結部材2bには、複数の当接部材2aのそれぞれの上下方向中央部分がネジ止めによって固定されている。
【0040】
複数の進入防止部材2cは、連結部材2bから垂れ下がるように進入防止部材2cの上端において連結部材2bに固定されている。進入防止部材2cは、連結部材2bの下方からの紙幣Bの進入を防止する。
【0041】
動力伝達機構3は、間欠ギア3aと、アイドルギア3bとを有し、詳しくは後述するが、ガイド機構1とは異なる他機構(例えば、紙幣Bを搬送する搬送ローラを有する搬送機構)の駆動ギア19から得られる動力によってガイド2を上述の3つ以上の位置に移動させる。
【0042】
間欠ギア3aは、複数の歯3a-1と、収容部3a-2と、裏蓋3a-3(
図4参照)と、被検知片3a-4(
図4参照)とを有し、左右方向を回転中心として回転する。
【0043】
図3の例では、間欠ギア3aには、歯3a-1が設けられている領域と設けられていない領域とが2つずつ設けられている。すなわち、間欠ギア3aは、回転方向の一部のみに歯3a-1を有する。なお、歯3a-1が設けられている2つの領域のうちの一方は、アイドルギア3bに噛み合い、他方は駆動ギア19に噛み合う。
【0044】
収容部3a-2は、間欠ギア3aから左側に突出する。また、収容部3a-2は、歯3a-1が設けられた領域よりも小径の円筒形状を呈し、
図5A及び
図5Bに示す後述する切り替え駆動部4の作動部材4b及びねじりバネ4cを収容する。
【0045】
図4に示すように、裏蓋3a-3は、円板形状を呈し、間欠ギア3aの右端に設けられている。また、裏蓋3a-3には、間欠ギア3aの回転中心から扇状に拡がるストッパ孔3a-3aが設けられている。このストッパ孔3a-3aには、後述する作動部材4bの凸部4b-1が挿入されている。
【0046】
被検知片3a-4は、間欠ギア3aの径方向に歯3a-1よりも突出するように延びる。また、被検知片3a-4は、間欠ギア3aの歯3a-1が駆動ギア19に噛み合わない回転角度で、後述するギア検知センサ7によって検知される。
【0047】
アイドルギア3bは、駆動ギア19に噛み合う回転角度の間欠ギア3aに噛み合う。また、
図3に示すように、アイドルギア3bは、後述するラック5に噛み合う。
【0048】
切り替え駆動部4は、ロータリソレノイド4aと、
図5A及び
図5Bに示す作動部材4b及びねじりバネ4cとを有する。
【0049】
ロータリソレノイド4aは、切り替え駆動源の一例である。ロータリソレノイド4aは、歯3a-1が駆動ギア19に噛み合うように間欠ギア3aを回転させることによって動力伝達機構3を伝達状態(他機構の動力をガイド2に伝達する状態)に切り替え、歯3a-1が駆動ギア19に噛み合わないように間欠ギア3aを回転させることによって動力伝達機構3を非伝達状態(他機構の動力をガイド2に伝達しない状態)に切り替える。なお、ロータリソレノイド4aによって間欠ギア3aが回転する範囲は、例えば20°程度であってよい。
【0050】
図5A及び
図5Bに示す作動部材4bは、
図5Aに示す左端から、ロータリソレノイド4aの例えば断面D字形状の図示しない駆動軸が挿入され、ロータリソレノイド4aの駆動軸と一体に回転する。
【0051】
図5Bに示すように、作動部材4bの右端には、右方向に突出する凸部4b-1が設けられている。この凸部4b-1は、
図4に示すように、上述の裏蓋3a-3のストッパ孔3a-3aに挿入されている。
【0052】
ねじりバネ4cは、作動部材4bに巻き付けられ、一端が
図5Bに示すように作動部材4bに引っ掛けられて固定され、他端が
図4に示す間欠ギア3aの裏蓋3a-3に引っ掛けられて固定されている。ねじりバネ4cは、作動部材4bに対して裏蓋3a-3(間欠ギア3a)を
図4における時計回りに回転させるように付勢する。これにより、裏蓋3a-3のストッパ孔3a-3aの端部が作動部材4bの凸部4b-1に接触し、間欠ギア3aの回転が規制される。この状態で、ロータリソレノイド4aが
図4における反時計回り(
図6における時計回り)に作動部材4bを回転させると、ねじりバネ4cの付勢力に抗して間欠ギア3aが
図4における反時計回り(
図6における時計回り)に回転し、歯3a-1がアイドルギア3b及び駆動ギア19に噛み合う。この結果、駆動ギア19の動力が間欠ギア3a、アイドルギア3b、及び後述するラック5を介してガイド2に伝達される。その後、ロータリソレノイド4aが
図4における時計回り(
図6における反時計回り)に作動部材4bを回転させると、ねじりバネ4cの付勢力によって間欠ギア3aも時計回り(
図6における反時計回り)に回転し、歯3a-1がアイドルギア3b及び駆動ギア19に噛み合わなくなる。なお、ねじりバネ4cの付勢力は、ロータリソレノイド4aの保持力以下で設計される。
【0053】
図3及び
図5Aに示すラック5は、下端においてアイドルギア3bに噛み合い、このアイドルギア3bの回転に伴って前後方向に移動する。ラック5は、ガイド2にネジ止めによって固定されている。そのため、ガイド2は、ラック5と一体に前後方向に移動する。なお、ラック5は、ガイド2の左端に固定されているが、ガイド2の右端にもラックなどのガイド部材が配置されているとよい。
【0054】
ラック5の上端には、上方に突出するように被検知片5aが設けられている。この被検知片5aは、ガイド2が
図2に示す退避位置P0にあるとき、ガイド検知センサ6によって検知される。
【0055】
ガイド検知センサ6は、例えば、下向きのU字形状を呈する遮光センサであり、被検知片5aによって検知光が遮光されることで、被検知片5aを検知する。
【0056】
図4~
図5Bに示すように、ギア検知センサ7は、例えば、上向きのU字形状を呈する遮光センサであり、上述の間欠ギア3aの被検知片3a-4によって検知光が遮光されることで、被検知片3a-4を検知する。
【0057】
なお、上述の説明では、ガイド2は、短手方向に搬送される紙幣Bが突き当てられるが、長手方向に搬送される紙幣Bが突き当てられてもよい。また、ガイド2は、紙幣Bが突き当てられるものに限られず、紙幣B(紙葉類)の位置を規制するものであれば、紙幣Bの搬送方向に直交する方向の片側又は両側に配置されていてもよい。
【0058】
また、上述の説明では、動力伝達機構3が間欠ギア3aを有するが、動力伝達機構3としては、ガイド機構1とは異なる他機構(駆動ギア19)から得られる動力によってガイド2を3つ以上の位置に移動させるものであれば、間欠ギア3aを有するものに限られない。
【0059】
また、上述の説明では、切り替え駆動部4は、ロータリソレノイド4aを有するが、その他の駆動源を有するものであってもよい。但し、この駆動源が駆動対象を3つ以上の位置に移動させるものである場合には、動力伝達機構3を省略して、上記の駆動源を用いてガイド2を3つ以上の位置に移動させればよいため、駆動源は、駆動対象を2つの位置のみに移動させる簡素なものであるとよい。
【0060】
また、上述の説明では、動力伝達機構3は、ラック5を介してガイド2を移動させるが、ガイド2を移動させる構成はラック5を用いたものに限られない。このように、上述の説明における各種の構成は、あくまで一例であり、適宜変更可能である。
【0061】
以上説明した本実施の形態では、例えば紙幣処理機100(紙葉類取扱装置の一例)に配置されるガイド機構1は、積層される紙幣B(紙葉類の一例)の位置を規制するガイド2を備えるガイド機構1であって、このガイド機構1とは異なる駆動ギア19(他機構)から得られる動力によってガイド2を退避位置P0及び規制位置P1,P2(3つ以上の位置の一例)に移動させる動力伝達機構3と、この動力伝達機構3を、駆動ギア19の動力をガイド2に伝達する伝達状態と伝達しない非伝達状態とに切り替える切り替え駆動部4とを更に備える。
【0062】
これにより、例えばステージ11上で積層される紙幣Bのサイズに応じてガイド2を複数の規制位置P1,P2などに移動させることができるため、紙幣Bのサイズに合わせた収納スペースを形成することができる。また、動力伝達機構3は、駆動ギア19から得られる動力によってガイド2を移動させるため、ガイド機構1自体がガイド2を3つ以上の位置に移動させる駆動源を有さない簡素な構成でガイド2を3つ以上の位置に移動させることができる。よって、本実施の形態によれば、紙幣Bのサイズに合わせた収納スペースを簡素な構成で形成することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、動力伝達機構3は、回転方向の一部のみに歯3a-1を有する間欠ギア3aを有し、切り替え駆動部4は、歯3a-1が駆動ギア19(他機構)に噛み合うように間欠ギア3aを回転させることによって動力伝達機構3を伝達状態に切り替え、歯3a-1が駆動ギア19に噛み合わないように間欠ギア3aを回転させることによって動力伝達機構3を非伝達状態に切り替える。
【0064】
これにより、間欠ギア3aを用いた簡素な構成で、動力伝達機構3を伝達状態と非伝達状態とに切り替えることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、ガイド2は、昇降可能なステージ11上で積層される紙幣Bの位置を規制し、ガイド2が移動可能な上記3つ以上の位置は、ステージ11の上方で紙幣Bの位置を規制する2つ以上の規制位置P1,P2と、ステージ11の昇降に干渉しない退避位置P0とを含む。
【0066】
これにより、ガイド2を複数の規制位置P1,P2に移動させることで紙幣Bのサイズに合わせた収納スペースを形成することができるのに加えて、ガイド2をステージ11の昇降に干渉しない退避位置P0に移動させることで、昇降可能なステージ11上で積層される紙幣Bの位置を規制することもできる。
【0067】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されず、構成要素を変形して具体化することができる。例えば、本実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において発明の種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 ガイド機構
2 ガイド
2a 当接部材
2b 連結部材
2c 進入防止部材
3 動力伝達機構
3a 間欠ギア
3a-1 歯
3a-2 収容部
3a-3 裏蓋
3a-3a ストッパ孔
3a-4 被検知片
3b アイドルギア
4 切り替え駆動部
4a ロータリソレノイド
4b 作動部材
4b-1 凸部
4c ねじりバネ
5 ラック
5a 被検知片
6 ガイド検知センサ
7 ギア検知センサ
10 紙幣入出金部
11 ステージ
12 プッシャ
13 プッシャプレート
14 ルーフ
15 シャトル
15a ストッパ
16 押し込み壁
17 受け入れ部
18 繰り出し部
19 駆動ギア
20 鑑別部
30 1次保留部
40 リジェクト部
50 中間搬送部
60 収納カセット
100 紙幣処理機
B 紙幣
P0 退避位置
P1,P2 規制位置